説明

メールサーバ網、サーバ装置、メールシステム及びそれらに用いる障害箇所調査方法

【課題】 故障・遅延箇所の特定・切り分けに要する時間を短縮することが可能なメールサーバ網を提供する。
【解決手段】 複数のメールサーバ(第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7)と、複数のメールサーバから一定時間間隔で送出される定期メールを受信する受信サーバ(受信サーバ群4)と、受信サーバで受信した定期メールの解析を行う解析サーバ1とを含むメールサーバ網は、解析サーバ1に、受信サーバで受信した定期メールの受信時間及びメール経路の情報を記録する記録手段と、記録手段に記録された情報の統計処理を行う統計手段とを設けている。解析サーバ1は、統計処理の結果を基にメールサーバにおけるメール遅延及びメール未着における故障箇所及び遅延箇所の調査用の情報を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメールサーバ網、サーバ装置、メールシステム及びそれらに用いる障害箇所調査方法に関し、特にメールサーバにハートビート機能を持ち、ハートビートメールの自動解析を行う解析サーバを含むメールサーバ網における故障箇所や遅延箇所等の障害箇所の切り分け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連するメールシステムでは、メール未着やメール遅延が発生した際、自局及び相手局の管理者が故障箇所や遅延箇所の切り分けを行うが、各メールサーバ、各ネットワーク制御サーバ、ネットワーク網の調査や切り分けを行う必要があり、原因究明や復旧に時間を要している。
【0003】
また、上記のメールシステムでは、相手局の設定ミス、相手局のメールサーバ不調が原因である場合、自局単独でのテストを行っても事象が再現する可能性が低く、機器の間欠故障によるトラブル時にあっても再現性があまり無いことから、切り分けに時間を要し、長時間不調状態が続く場合が多い。
【0004】
メールサーバ網としては、メールサーバにハートビート機能を備えることで、メールサーバにおける故障等を監視するシステムがある。ここで、ハートビート機能は、一定期間毎に定期メールを送信することで自装置が動作していることを通知する機能であり、解析サーバはハートビート機能によって送られてくる定期メールの有無に基づいて各メールサーバが動作可能かどうかの確認を行っている。
【0005】
本発明に関連するメールシステムとしては、エラー情報を故障解析センタに送信するシステムにおいて、エラーが発生しても、あるいはエラーが発生していなくともエラー情報を定期メールで故障解析センタに送信する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、本発明に関連する他のメールシステムとしては、各メールサーバ間の通信量の総数を比較して、通信量の偏っているメールサーバがある場合に、負荷を軽減するユーザポストの配置を立案表示する装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
さらに、本発明に関連する別のメールシステムとしては、問い合わせ条件として設定された期限までに指定相手先から電子メールが届かないことを検出した場合、予め登録しておいた関係者に対して問い合わせの電子メールを自動送信する装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】特開2001−166820号公報
【特許文献2】特開平08−237296号公報
【特許文献3】特開2005−346121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した本発明に関連するメールシステムでは、メール未着やメール遅延発生時にどのメールサーバで遅延が発生しているのか、ネットワーク網の異常によって発生しているのかを利用者が知ることは困難である。
【0010】
メール未着やメール遅延発生時には、利用者サイドとしてはひたすら待つか、メールの再送信操作によって再送処理を行うしかないが、利用者がメールの再送信を行うことはトラフィックをさらに倍増させることになり、リトライ方法としては適した方法ではない。
【0011】
また、上記のハートビート機能を備えた装置としては、製品として市販されているが、これらは専用のハードウェアやソフトウェアで構成されており、専用プラットフォームが必須である。
【0012】
さらに、上記の特許文献1に記載の技術では、エラー情報を定期メール(ハートビートメール)を用いて送信しているが、メールサーバ自体が不調となった場合に、その定期メールの未着や遅延が発生しても、それらメール未着やメール遅延発生時の対策は何ら考慮されていないという問題が内在する。
【0013】
したがって、上述した本発明に関連するメールシステムでは、メールサーバのトラブル、メールネットワークの制御装置[ハブ(HUB)、Lx(レイヤx)スイッチ、DNS(Domain Name System)]の不調等の場合、管理者が切り分けに時間を要することとなる。上記の特許文献1〜3でも、メール未着やメール遅延発生時の対策は何ら考慮されていないため、上記と同様の課題がある。
【0014】
Webサーバでは、3秒ルールやx秒ルールというのがあり、サービスレベルの要件(SLA:Service Level Agreement)として制定される場合もあるが、メールサービスでのサービスレベルの基準はあいまいなケースが多く、現在どのくらいのレスポンスなのか、利用者は把握することができない、管理者にあっても容易に把握することはできない。
【0015】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、故障箇所や遅延箇所の特定及び切り分けに要する時間を短縮することができるメールサーバ網、サーバ装置、メールシステム及びそれらに用いる障害箇所調査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によるメールサーバ網は、複数のメールサーバと、前記複数のメールサーバから一定時間間隔で、もしくは予め設定された所定条件が検出された時に送出される定期メールを受信する受信サーバと、前記受信サーバで受信した前記定期メールの解析を行う解析サーバとを含むメールサーバ網であって、
前記受信サーバで受信した前記定期メールの受信時間及びメール経路の情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録された情報の統計処理を行う統計手段とを備え、
前記解析サーバは、前記統計処理の結果を基に前記メールサーバにおけるメール遅延及びメール未着における故障箇所及び遅延箇所の調査用の情報を作成している。
【0017】
本発明によるサーバ装置は、上記のメールサーバ網に記載の手段を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明によるメールシステムは、上記のサーバ装置を含み、
前記統計手段にて算出される前記定期メールの通信に要した時間情報に対して上限しきい値及び下限しきい値を設け、
前記定期メールの通信に要した時間情報が前記上限しきい値を超えかつ前記下限しきい値を下回らない場合にメールクライアントにて送信するメールが一つ前に送信したメールと同じ宛先か否かを判定し、
前記メールクライアントにて送信するメールが同じ宛先へ送信する場合に再送信警告もしくは再送信禁止メッセージを提示している。
【0019】
本発明による第1の障害箇所調査方法は、複数のメールサーバと、前記複数のメールサーバから一定時間間隔で、もしくは予め設定された所定条件が検出された時に送出される定期メールを受信する受信サーバと、前記受信サーバで受信した前記定期メールの解析を行う解析サーバとを含むメールサーバ網に用いる障害箇所調査方法であって、
前記解析サーバが、前記受信サーバで受信した前記定期メールの受信時間及びメール経路の情報を記録手段に記録する第1の処理と、前記記録手段に記録された情報の統計処理を行う第2の処理とを実行し、
前記解析サーバが、前記統計処理の結果を基に前記メールサーバにおけるメール遅延及びメール未着における故障箇所及び遅延箇所の調査用の情報を作成している。
【0020】
本発明による第2の障害箇所調査方法は、複数のメールサーバと、前記複数のメールサーバから一定時間間隔で送出される定期メールを受信する受信サーバと、前記受信サーバで受信した前記定期メールの解析を行う解析サーバとを含むメールサーバ網に用いる障害箇所調査方法であって、
前記受信サーバと前記解析サーバとの間に配設した統計サーバが、前記受信サーバで受信した前記定期メールの受信時間及びメール経路の情報を記録手段に記録する第1の処理と、前記記録手段に記録された情報の統計処理を行う第2の処理とを実行し、
前記解析サーバが、前記統計処理の結果を基に前記メールサーバにおけるメール遅延及びメール未着における故障箇所及び遅延箇所の調査用の情報を作成している。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、故障箇所や遅延箇所の特定及び切り分けに要する時間を短縮することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態によるメールサーバ網の構成例を示すブロック図である。図1において、本発明の第1の実施の形態によるメールサーバ網は、解析サーバ1と、タイムサーバ3と、受信サーバ群4と、第1メールサーバ群5と、第2メールサーバ群6と、第3メールサーバ群7と、ネットワーク・メールサーバ網100とを含んで構成されている。
【0023】
第1メールサーバ群5は各々ハートビート機能を持つメールサーバ50〜59からなり、第2メールサーバ群6は各々ハートビート機能を持つメールサーバ60〜69からなり、第3メールサーバ群7は各々ハートビート機能を持つメールサーバ70〜79からなっている。これら第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7は、それぞれネットワーク・メールサーバ網100に接続されている。
【0024】
ここで、上記のハートビート機能から送信されるハートビートメール101とは、メールサーバから一定時間間隔で受信サーバ群4に送出されるメール、メールサーバにて予め設定された所定条件(例えば、メールサーバでの送受信メール数が予め設定された一定数を超えた等)が検出された時に受信サーバ群4に送出されるメール、これらのメールに対して受信サーバ群4からメールサーバに送出されるメール等である。
【0025】
受信サーバ群4は各々ネットワーク・メールサーバ網100に接続される第1受信サーバ41、第2受信サーバ42、第3受信サーバ43から構成され、1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7各々のメールサーバ50〜59,60〜69,70〜79から定期メール(ハートビートメール101)を受信する。
【0026】
解析サーバ1は、プログラム制御によって動作し、受信サーバ群4の第1受信サーバ41、第2受信サーバ42、第3受信サーバ43各々から受取った定期メールの情報を蓄積して統計処理を施すとともに、その定期メールの情報及び統計処理の結果を解析する自動解析機能を有する。タイムサーバ3は、解析サーバ1、受信サーバ群4、第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7にそれぞれ時間情報を提供する。
【0027】
本実施の形態では、上記のような構成とすることで、ハートビート機能及び自動解析機能を有するネットワーク・メールサーバ網100において、メール未着やメール遅延発生時におけるメールサーバ故障箇所・ネットワーク網異常箇所について、切り分け作業を迅速かつ容易にすることを特徴とする。
【0028】
また、本実施の形態では、第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7から定期メールを定期的に受信サーバ群4に送ることによって、解析サーバ1においてメール遅延・メール未着問題を解決するのに必要な情報(メール遅延及びメール未着における故障箇所及び遅延箇所の調査用の情報)を作成し、メールサーバ管理者及びメール利用者に提供している。
【0029】
図2は図1の解析サーバ1の構成例を示すブロック図である。図2において、解析サーバ1は、CPU(中央処理装置)11と、CPU11が実行するプログラム等を記録するROM(Read Only Memory)12と、CPU11がプログラム制御によって上記の統計処理及び解析処理を行う際の作業領域とするRAM(Random Access Memory)13と、メール利用者向け画面生成部14と、通信部15と、通信状況・メール経路情報161を記録する記録部16と、タイムサーバ3からの時間情報を基に計時を行う計時部17と、メールサーバ管理者用画面生成部18とを備えている。
【0030】
図3は本発明の第1の実施の形態によるメールサーバ網の動作を示すシーケンスチャートである。これら図1〜図3を参照して本発明の第1の実施の形態の動作について詳細に説明する。この動作例は、時間超過で定期メールを送信するモデルを対象として記述している。また、図1にあっては、メールサーバ台数を30台として記述してあるが、メールサーバ台数が増加した場合にあっても本発明の趣旨が損なわれないことは明白である。
【0031】
タイムサーバ3は、第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7各々のメールサーバ、受信サーバ群4の受信サーバ、解析サーバ1の間で授受される通信記録内の時間情報について整合性を保つため、第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7各々のメールサーバ、受信サーバ群4の受信サーバ、解析サーバ1にそれぞれ正確な時間情報を随時提供する(図3のa1)。
【0032】
第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7各々のメールサーバは、受信サーバ群4の受信サーバに一定時間間隔で定期メールを送出する(図3のa2)。尚、図3では一つのメールサーバのみを図示しているが、第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7のメールサーバ50〜59,60〜69,70〜79各々もこのメールサーバと同様の動作を行う。
【0033】
この定期メール通信については、POP(Post Office Protocol) Before SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)/SMTP Auth(Authenrication)等のセキュリティ認証を行うことによって、不正パケットによるかく乱を避けることができ、より正確なハートビート通信を行うことが可能となる。
【0034】
定期メールを受信した受信サーバ群4の受信サーバは解析サーバ1に受信時間とメール経路情報(メールリレー情報)とを通知する(図3のa3)。
【0035】
解析サーバ1は各メールサーバの通信状況及びメール経路情報を記録し(図3のa4)、その記録した通信状況及びメール経路情報に対してメールサーバ管理者用画面生成部18にて統計処理を行ってメールサーバ管理者用画面を生成した後、ネットワーク・メールサーバ網100にメールサーバ管理者用画面のメール通信情報を提供する(図3のa5)。尚、統計処理としては、後述するメール通信情報の項目を生成できればよい。
【0036】
提供するメール通信情報としては、次の項目が考えられる。つまり、第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7の各メールサーバと受信サーバ群4の受信サーバとの間でのメール通信情報としては、
(1)x日間(xは1以上の整数)において定期メール通信に要した最長の時間
(2)x日間において定期メール通信に要した平均の時間
(3)x日間において定期メール通信に要した最短の時間
(4)x日間の定期メール通信に要した時間が長い一定数メールのメールリレー情報
(5)x日間の定期メール通信に要した時間が短い一定数メールのメールリレー情報
(6)x日間の定期メール通信受信失敗率
(7)最終の定期メール受信日時
という7点が考えられる。
【0037】
第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7と受信サーバ群4との間におけるメール統計情報を提供する場合の情報項目としても、上記のデータは有用である。
【0038】
また、メール経路情報については、経路上に存在するサーバ名が全て記録されており、そのまま平文で公開すると、全てのメールサーバ名が漏洩することとなり、セキュリティ上(不正パケットによるかく乱等)の問題が発生する可能性がある。この対策として、サーバ管理者用の画面を表示する際にあっては、ユーザID及びパスワードによる認証及びSSL(Secure Sockets Layer)対応ブラウザで表示させる等のセキュリティ対応を行うことが望ましい。
【0039】
解析サーバ1は、上記の各メールサーバの通信状況及びメール経路情報に対してメール利用者向け画面生成部14にて解析処理を行ってメール利用者向けの運用状況画面を生成した後、ネットワーク・メールサーバ網100にメール利用者向けの運用状況画面のメール通信情報を提供する(図3のa6)。尚、解析処理としては、下記のメール通信情報を生成できればよい。
【0040】
提供するメール通信情報としては、次の項目が考えられる。メールサーバと受信サーバとの間の情報としては、
(1)x日間(xは1以上の整数)において定期メール通信に要した最長の時間
(2)x日間において定期メール通信に要した平均の時間
(3)x日間において定期メール通信に要した最短の時間
(4)x日間の定期メール通信受信失敗率
(5)最終の定期メール受信日時
という5点が考えられる。
【0041】
第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7と受信サーバ群4との間におけるメール統計情報を提供する場合の情報項目としても、上記のデータは有用である。
【0042】
また、上記の数値情報に適切な上限しきい値及び下限しきい値を設け、それぞれの値を超えた場合にガイダンス表示を行うことによって、利用者による無用な再送操作を防ぐことも可能である(例:「30分ほどお待ち下さい」等)。
【0043】
このように、本実施の形態では、各メールサーバ群の管理者がどのメールサーバでメールリレー動作が遅延しているかどうかの情報を取得することが可能となり、故障箇所及び遅延箇所の特定や切り分けに要する時間を短縮することができる。
【0044】
また、本実施の形態では、利用者に対して解析した遅延情報を提供し、どう対処すれば良いかを具体的にガイダンス表示による情報提供を行うことによって、利用者の無駄な再送操作を防ぐことができ、無用なトラフィック上昇を防ぐ効果も期待できる。
【0045】
図4は本発明の第2の実施の形態によるメールサーバ網の構成例を示すブロック図である。図4において、本発明の第2の実施の形態によるメールサーバ網は、解析サーバ1aと、統計サーバ2と、タイムサーバ3と、受信サーバ群4と、第1メールサーバ群5と、第2メールサーバ群6と、第3メールサーバ群7と、ネットワーク・メールサーバ網100とを含んで構成されている。
【0046】
第1メールサーバ群5は各々ハートビート機能を持つメールサーバ50〜59からなり、第2メールサーバ群6は各々ハートビート機能を持つメールサーバ60〜69からなり、第3メールサーバ群7は各々ハートビート機能を持つメールサーバ70〜79からなっている。これら第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7は、それぞれネットワーク・メールサーバ網100に接続されている。上記のハートビート機能からは、上述したハートビートメール101が送出される。
【0047】
受信サーバ群4は各々ネットワーク・メールサーバ網100に接続される第1受信サーバ41、第2受信サーバ42、第3受信サーバ43から構成され、1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7各々のメールサーバ50〜59,60〜69,70〜79から定期メール(ハートビートメール101)を受信する。
【0048】
統計サーバ2は、プログラム制御によって動作し、受信サーバ群4の第1受信サーバ41、第2受信サーバ42、第3受信サーバ43各々から受取った定期メールの情報を蓄積して統計処理を施すとともに、解析サーバ1aは、プログラム制御によって動作し、その定期メールの情報及び統計処理の結果を解析する自動解析機能を有する。タイムサーバ3は、解析サーバ1a、統計サーバ2、受信サーバ群4、第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7にそれぞれ時間情報及びメール経路情報を提供する。
【0049】
図5は図4の解析サーバ1aの構成例を示すブロック図である。図5において、解析サーバ1aは、CPU11と、CPU11が実行するプログラム等を記録するROM12と、CPU11がプログラム制御によって上記の解析処理を行う際の作業領域とするRAM13と、メール利用者向け画面生成部14と、通信部15と、通信状況・メール経路情報161を保持する保持部16aと、タイムサーバ3からの時間情報を基に計時を行う計時部17とを備えている。
【0050】
図6は図4の統計サーバ2の構成例を示すブロック図である。図6において、統計サーバ2は、CPU21と、CPU21が実行するプログラム等を記録するROM22と、CPU21がプログラム制御によって上記の統計処理を行う際の作業領域とするRAM23と、メールサーバ管理者用画面生成部24と、通信部25と、通信状況・メール経路情報261を記録する記録部26と、タイムサーバ3からの時間情報を基に計時を行う計時部27とを備えている。
【0051】
図7は本発明の第2の実施の形態によるメールサーバ網の動作を示すシーケンスチャートである。これら図4〜図7を参照して本発明の第2の実施の形態の動作について詳細に説明する。この動作例は、時間超過で定期メールを送信するモデルを対象として記述している。また、図1にあっては、メールサーバ台数を30台として記述してあるが、メールサーバ台数が増加した場合にあっても本発明の趣旨が損なわれないことは明白である。
【0052】
タイムサーバ3は、第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7各々のメールサーバ、受信サーバ群4の受信サーバ、統計サーバ2、解析サーバ1aの間で授受される通信記録内の時間情報について整合性を保つため、第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7各々のメールサーバ、受信サーバ群4の受信サーバ、統計サーバ2、解析サーバ1aにそれぞれ正確な時間情報を随時提供する(図7のb1)。
【0053】
第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7各々のメールサーバは、受信サーバ群4の受信サーバに一定時間間隔で定期メールを送出する(図7のb2)。尚、図7では一つのメールサーバのみを図示しているが、第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7のメールサーバ50〜59,60〜69,70〜79各々もこのメールサーバと同様の動作を行う。
【0054】
この定期メール通信については、POP Before SMTP/SMTP Auth等のセキュリティ認証を行うことによって、不正パケットによるかく乱を避けることができ、より正確なハートビート通信を行うことが可能となる。
【0055】
定期メールを受信した受信サーバ群4の受信サーバは統計サーバ2に受信時間とメール経路情報(メールリレー情報)とを通知する(図7のb3)。
【0056】
統計サーバ2は各メールサーバの通信状況及びメール経路情報を記録し(図7のb4)、その記録した通信状況及びメール経路情報に対してメールサーバ管理者用画面生成部24にて統計処理を行ってメールサーバ管理者用画面を生成した後、解析サーバ1aとネットワーク・メールサーバ網100とにメールサーバ管理者用画面のメール通信情報を提供する(図7のb5)。尚、統計処理としては、下記のメール通信情報の項目を生成できればよい。
【0057】
この時に提供するメール通信情報としては、次の項目が考えられる。つまり、第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7の各メールサーバと受信サーバ群4の受信サーバとの間でのメール通信情報としては、
(1)x日間(xは1以上の整数)において定期メール通信に要した最長の時間
(2)x日間において定期メール通信に要した平均の時間
(3)x日間において定期メール通信に要した最短の時間
(4)x日間の定期メール通信に要した時間が長い一定数メールのメールリレー情報
(5)x日間の定期メール通信に要した時間が短い一定数メールのメールリレー情報
(6)x日間の定期メール通信受信失敗率
(7)最終の定期メール受信日時
という7点が考えられる。
【0058】
第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7と受信サーバ群4との間におけるメール統計情報を提供する場合の情報項目としても、上記のデータは有用である。
【0059】
また、メール経路情報については、経路上に存在するサーバ名が全て記録されており、そのまま平文で公開すると、全てのメールサーバ名が漏洩することとなり、セキュリティ上(不正パケットによるかく乱等)の問題が発生する可能性がある。この対策として、サーバ管理者用の画面を表示する際にあっては、ユーザID及びパスワードによる認証及びSSL対応ブラウザで表示させる等のセキュリティ対応を行うことが望ましい。
【0060】
解析サーバ1aは、上記の各メールサーバの通信状況及びメール経路情報に対してメール利用者向け画面生成部14にて解析処理を行ってメール利用者向けの運用状況画面を生成した後、ネットワーク・メールサーバ網100にメール利用者向けの運用状況画面のメール通信情報を提供する(図7のb6)。尚、解析処理としては、下記のメール通信情報を生成できればよい。
【0061】
この時に提供するメール通信情報としては、次の項目が考えられる。メールサーバと受信サーバとの間の情報としては、
(1)x日間(xは1以上の整数)において定期メール通信に要した最長の時間
(2)x日間において定期メール通信に要した平均の時間
(3)x日間において定期メール通信に要した最短の時間
(4)x日間の定期メール通信受信失敗率
(5)最終の定期メール受信日時
という5点が考えられる。
【0062】
第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7と受信サーバ群4との間におけるメール統計情報を提供する場合の情報項目としても、上記のデータは有用である。
【0063】
また、上記の数値情報に適切な上限しきい値及び下限しきい値を設け、それぞれの値を超えた場合にガイダンス表示を行うことによって、利用者による無用な再送操作を防ぐことも可能である(例:「30分ほどお待ち下さい」等)。
【0064】
他定時トラフィックの影響を受けない(他定時トラフィックに影響を与えない)ようにするには、割り切れない数・素数のタイミングでハートビート通信を行うことが望ましい。
【0065】
メールサーバ台数が10を超える場合には、メールサーバのシリアル番号を10で除した余りの数を、図8に示す表にあてはめることで対応可能である。例えば、1時間間隔の場合、推奨ハートビート通信タイミングは、図8に示すように、メールサーバ番号の下1ケタが「〜〜0」であれば通報時間(毎時)が「13分」となる。
【0066】
同様に、下1ケタが「〜〜1」であれば通報時間が「17分」、下1ケタが「〜〜2」であれば通報時間が「19分」、下1ケタが「〜〜3」であれば通報時間が「23分」、下1ケタが「〜〜4」であれば通報時間が「29分」、下1ケタが「〜〜5」であれば通報時間が「37分」となる。
【0067】
さらに、下1ケタが「〜〜6」であれば通報時間が「43分」、下1ケタが「〜〜7」であれば通報時間が「47分」、下1ケタが「〜〜8」であれば通報時間が「53分」、下1ケタが「〜〜9」であれば通報時間が「59分」となる。
【0068】
このように、本実施の形態では、各メールサーバ群の管理者がどのメールサーバでメールリレー動作が遅延しているのか情報を取得することが可能となり、故障箇所及び遅延箇所の特定や切り分けに要する時間を短縮することができる。
【0069】
また、本実施の形態では、利用者に解析した遅延情報を提供し、どう対処すれば良いかを具体的にガイダンス表示による情報提供を行うことによって、利用者の無駄な再送操作を防ぐことができ、無用なトラフィック上昇を防ぐ効果も期待できる。
【0070】
本発明に関連するメールシステムでは、定期メールを用いる場合、専用のハードウェア+専用ソフトウェア等の専用プラットフォームが必要であるが、本実施の形態のように、ハートビート機能及び自動解析機能を有するメールサーバ網であれば、汎用ハードウェア+汎用ソフトとしてシステム構築が可能であり、ハードウェアやプラットフォームOS(Operating System)、及びメールソフトに依存しないシステム構築が可能である。ハートビート機能及び自動解析機能を有するメールサーバ網は、メールプロトコルさえ一致すれば、どのメールシステムにも組み込むことが可能である。
【0071】
また、定期メールを用いる場合、ノードダウン検知手段が定期メール、ノードダウン情報通知手段もメールであり、メールサーバ自体の不調若しくはウィルスメールによるTCP(Transmission Control Protocol)のメール送受信ポート輻輳状態になると、通知できない、通知が遅延するという問題が内在されている。
【0072】
しかしながら、本実施の形態のように、ハートビート機能及び自動解析機能を有するメールサーバ網であれば、メールレスポンス異常検出手段を定期メール、メールレスポンスの情報通知手段が解析サーバ(自動解析装置)からWeb画面として提供されるので、TCPポートが異なる。このように、異常検出手段と情報通知手段とのTCPポートが異なるため、メールサーバ自体の不調やウィルスメールによるTCPのメール送受信ポート輻輳が発生しても、上記のように通知できないという問題は発生しない。
【0073】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本発明の第3の実施の形態によるメールサーバ網は、図4に示す本発明の第2の実施の形態と同様の構成となっている。以下、この図4を参照して本発明の第3の実施の形態によるメールサーバ網について説明する。
【0074】
図9は本発明の第3の実施の形態によるメールサーバの構成例を示すブロック図である。図9において、メールサーバ50は、CPU501と、CPU501が実行するプログラム等を記録するROM502と、CPU501がプログラム制御によってメール送受信処理及び転送処理を行う際の作業領域とするRAM503と、図示せぬメールクライアントまたは他のメールサーバからのメールを記録するメール記録部504と、通信部505と、メール送受信部506と、メール累積件数計数部507と、タイムサーバ3からの時間情報を基に計時を行う計時部508とを備えている。尚、他のメールサーバ51〜59,60〜69,70〜79も、このメールサーバ50と同様の構成となっている。
【0075】
本実施の形態では、メール累積件数計数部507が計数する送受信数が予め設定された一定数を超過した時に定期メールを送信するモデルを対象として説明する。この送受信数の超過によってハートビート動作するモデルとしては、メールサーバのホスト名を通常時において公表する必要が無いサーバ(災害対応用メールサーバ、特定イベント及び特定キャンペーン期間にのみ使用するメールサーバ等)が混在しているメール環境を想定している。
【0076】
図4にあっては、メールサーバ台数を30台として記述しているが、メールサーバ台数が増加した場合にあっても本発明の趣旨が損なわれないことは明白である。
【0077】
図10は本発明の第3の実施の形態によるメールサーバ網の動作を示すシーケンスチャートである。これら図4と図9と図10とを参照して本発明の第3の実施の形態によるメールサーバ網の動作について説明する。
【0078】
タイムサーバ3は通信記録内の時間情報について整合性を保つため、第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7の各メールサーバ、受信サーバ群4、統計サーバ2、解析サーバ1aに正確な時間情報を随時提供する(図10のc1)。
【0079】
第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7の各メールサーバは、メール累積件数計数部507が計数するメール送受信の累積件数が一定数を超過したことを検出した場合(図10のc2)、メール累積件数計数部507のメール累積件数をクリアした後(図10のc3)、受信サーバ群4に定期メール(ハートビートメール101)を送出する(図10のc4)。
【0080】
この定期メール通信については、セキュリティ認証(POP Before SMTP/SMTP Auth等)を行うことによって、不正パケットによるかく乱を避けることができ、より正確なハートビート通信を行うことが可能となる。
【0081】
定期メールを受信した受信サーバ群4は統計サーバ2に受信時間とメール経路情報(メールリレー情報)とを通知する(図10のc5)。
【0082】
統計サーバ2は各メールサーバの通信状況及びメール経路情報を記録し(図10のc6)、記録した通信状況及びメール経路情報の統計処理を行ってメールサーバ管理者用画面を生成した後、解析サーバ1aとネットワーク・メールサーバ網100とにメールサーバ管理者用画面のメール通信情報を提供する(図3のステップc7)。尚、統計処理としては、下記のメール通信情報の項目を生成できればよい。
【0083】
この時に提供するメール通信情報としては、次の項目が考えられる。各メールサーバと受信サーバ群4との間でのメール通信情報としては、
(1)x日間(xは1以上の整数)において定期メール通信に要した最長の時間
(2)x日間において定期メール通信に要した平均の時間
(3)x日間において定期メール通信に要した最短の時間
(4)x日間の定期メール通信に要した時間が長い一定数メールのメールリレー情報
(5)x日間の定期メール通信に要した時間が短い一定数メールのメールリレー情報
(6)x日間の定期メール通信受信失敗率
(7)最終の定期メール受信日時
という7点が考えられる。
【0084】
第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7と受信サーバ群4との間におけるメール統計情報を提供する場合の情報項目としても、上記のデータは有用である。
【0085】
また、メール経路情報については、経路上に存在するサーバ名が全て記録されており、そのまま平文で公開すると全メールサーバ名が漏洩することとなり、セキュリティ上(不正パケットによるかく乱等)の問題が発生する可能性がある。この対策として、サーバ管理者用の画面を表示する際にあっては、ユーザID及びパスワードによる認証及びSSL対応ブラウザで表示させる等のセキュリティ対応を行うことが望ましい。
【0086】
統計サーバ2から各メールサーバのメール通信情報を受け取った解析サーバ1aは、それらメール通信情報に対して解析処理を行ってメール利用者向けの運用状況画面を生成し、ネットワーク・メールサーバ網100に提供する(図10のc8)。尚、解析処理としては、下記のメール通信情報の項目を生成できればよい。
【0087】
この時に提供するメール通信情報としては、次の項目が考えられる。メールサーバと受信サーバとの間の情報としては、
(1)x日間(xは1以上の整数)において定期メール通信に要した最長の時間
(2)x日間において定期メール通信に要した平均の時間
(3)x日間において定期メール通信に要した最短の時間
(4)x日間の定期メール通信受信失敗率
(5)最終の定期メール受信日時
という5点が考えられる。
【0088】
第1メールサーバ群5、第2メールサーバ群6、第3メールサーバ群7と受信サーバ群4との間におけるメール統計情報を提供する場合の情報項目としても、上記のデータは有用である。
【0089】
また、本実施の形態では、上記の数値情報に適切な上限しきい値及び下限しきい値を設け、それぞれの値を超えた場合にガイダンス表示を行うことによって、利用者による無用な再送操作を防ぐことも可能である(例えば、「30分ほどお待ち下さい」等)。
【0090】
このように、本実施の形態では、メール送受信動作の多いメールサーバだけの統計・解析動作を行うことによって、受信サーバ群4、統計サーバ2、解析サーバ1aの負荷を減らすことができる。
【0091】
また、本実施の形態では、メールサーバのホスト名を通常時において公表する必要が無いサーバが存在しているメール環境にあって、公表したくないメールサーバを統計動作対象とせず、サーバ名公開動作をしないことによって、災害対応用メールサーバ、特定イベント及び特定キャンペーン期間にのみ使用するメールサーバ・予備メールサーバ等に対する不正アタックを防ぐことができる。
【0092】
図11は本発明の第4の実施の形態によるメールサーバ網の構成例を示すブロック図である。図11において、本発明の第4の実施の形態によるメールサーバ網は、第1メールサーバ群5a、第2メールサーバ群6a、第3メールサーバ群7aのメールサーバ50a〜59a,60a〜69a,70a〜79aと受信サーバ群4aの受信サーバ41a〜43aとの間の通信を双方向とした以外は図4に示す本発明の第2の実施の形態と同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。
【0093】
図11を参照すると、本発明の第4の実施の形態では、時間超過で定期メール(ハートビートメール101)を送信し、定期メール未着の場合に受信サーバから逆に定期メール(ハートビートメール102)を送信するモデルを対象として説明している。図11にあっては、メールサーバ台数を30台として説明しているが、メールサーバ台数が増加した場合にあっても本発明の趣旨が損なわれないことは明白である。
【0094】
図12は本発明の第4の実施の形態によるメールサーバ網の動作を示すシーケンスチャートである。これら図11及び図12を参照して本発明の第4の実施の形態によるメールサーバ網の動作について説明する。
【0095】
タイムサーバ3は通信記録内の時間情報について整合性を保つため、第1メールサーバ群5a、第2メールサーバ群6a、第3メールサーバ群7aの各メールサーバ、受信サーバ群4aの受信サーバ、統計サーバ2、解析サーバ1aに正確な時間情報を随時提供する(図12のd1)。
【0096】
第1メールサーバ群5a、第2メールサーバ群6a、第3メールサーバ群7aの各メールサーバは、受信サーバ群4aの受信サーバに一定時間間隔で定期メールを送出する(図12のd2)。
【0097】
この定期メール通信については、セキュリティ認証(POP Before SMTP/SMTP Auth等)を行うことによって、不正パケットによるかく乱を避けることができ、より正確なハートビート通信を行うことが可能となる。
【0098】
受信サーバ群4aの受信サーバは定時から30分(一定時間間隔=60分の場合)を経過しても定期メールを受信していない場合、逆に受信サーバ群4aの受信サーバから第1メールサーバ群5a、第2メールサーバ群6a、第3メールサーバ群7aの各メールサーバに定期メールを送信する(図12のd3,d4)。
【0099】
受信サーバ群4aの受信サーバは第1メールサーバ群5a、第2メールサーバ群6a、第3メールサーバ群7aの各メールサーバに定期メールを送信した後に、ネットワーク・メールサーバ網100からエラー返信メールを受信すると(図12のd5)、エラーメールのメール経路(メールリレー)情報を記録する(図12のd6)。
【0100】
定期メールを受信した受信サーバ群4aの受信サーバは統計サーバ2に受信時間とメール経路情報(メールリレー情報)とを通知する(図12のd7)。
【0101】
統計サーバ2は各メールサーバの通信状況及びメール経路情報を記録し(図12のd8)、その記録した通信状況及びメール経路情報に対して統計処理を行ってメールサーバ管理者用画面を生成した後、解析サーバ1aとネットワーク・メールサーバ網100とにメールサーバ管理者用画面のメール通信情報を提供する(図12のd9)。尚、統計処理としては、下記のメール通信情報を生成できればよい。
【0102】
この時に提供するメール通信情報としては、次の項目が考えられる。各メールサーバと受信サーバ群4aの受信サーバとの間でのメール通信情報としては、
(1)x日間(xは1以上の整数)において定期メール通信に要した最長の時間
(2)x日間において定期メール通信に要した平均の時間
(3)x日間において定期メール通信に要した最短の時間
(4)x日間の定期メール通信に要した時間が長い一定数メールのメールリレー情報
(5)x日間の定期メール通信に要した時間が短い一定数メールのメールリレー情報
(6)x日間の定期メール通信受信失敗率
(7)x日間における受信サーバからメールサーバへハートビートメール逆送信時に、ネットワーク・メールサーバ網から返ってきたエラーメールのメール経路(メールリレー)情報
(8)最終の定期メール受信日時
という8点が考えられる。
【0103】
第1メールサーバ群5a、第2メールサーバ群6a、第3メールサーバ群7aと受信サーバ群4aとの間におけるメール統計情報を提供する場合の情報項目としても、上記のデータは有用である。
【0104】
また、メール経路情報については、経路上に存在するサーバ名が全て記録されており、そのまま平文で公開すると全メールサーバ名が漏洩することとなり、セキュリティ上(不正パケットによるかく乱等)の問題が発生する可能性がある。この対策として、サーバ管理者用の画面を表示する際にあっては、ユーザID及びパスワードによる認証及びSSL対応ブラウザで表示させる等のセキュリティ対応を行うことが望ましい。
【0105】
統計サーバ2から各メールサーバのメール通信情報を受け取った解析サーバ1aは、それらのメール通信情報に対して解析処理を行ってメール利用者向けの運用状況画面を生成し、ネットワーク・メールサーバ網100に提供する(図12のd10)。尚、解析処理としては、下記のメール通信情報を生成できればよい。
【0106】
この時に提供するメール通信情報としては、次の項目が考えられる。メールサーバと受信サーバとの間の情報としては、
(1)x日間(xは1以上の整数)において定期メール通信に要した最長の時間
(2)x日間において定期メール通信に要した平均の時間
(3)x日間において定期メール通信に要した最短の時間
(4)x日間の定期メール通信受信失敗率
(5)最終の定期メール受信日時
という5点が考えられる。
【0107】
第1メールサーバ群5a、第2メールサーバ群6a、第3メールサーバ群7aと受信サーバ群4aとの間におけるメール統計情報を提供する場合の情報項目としても、上記のデータは有用である。
【0108】
また、本実施の形態では、上記の数値情報に適切な上限しきい値及び下限しきい値を設け、それぞれの値を超えた場合にガイダンス表示を行うことによって、利用者による無用な再送操作を防ぐことも可能である(例えば、「30分ほどお待ち下さい」等)。
【0109】
他定時トラフィックの影響を受けない(他定時トラフィックに影響を与えない)ようにするには、割り切れない数・素数のタイミングでハートビート通信及びハートビートの逆送信動作を行うことが望ましい。
【0110】
メールサーバ台数が10を超える場合には、メールサーバのシリアル番号を10で除した余りの数を、図13に示す表にあてはめることで対応可能である。例えば、1時間間隔の場合、図13に示すように、メールサーバ番号の下1ケタが「〜〜0」であれば通報時間(毎時)が「11分」、逆送信のタイミングが「41分」となる。
【0111】
同様に、下1ケタが「〜〜1」であれば通報時間が「13分」、逆送信のタイミングが「43分」、下1ケタが「〜〜2」であれば通報時間が「17分」、逆送信のタイミングが「47分」、下1ケタが「〜〜3」であれば通報時間が「23分」、逆送信のタイミングが「53分」、下1ケタが「〜〜4」であれば通報時間が「29分」、逆送信のタイミングが「59分」となる。
【0112】
さらに、下1ケタが「〜〜5」であれば通報時間が「41分」、逆送信のタイミングが「11分」、下1ケタが「〜〜6」であれば通報時間が「43分」、逆送信のタイミングが「13分」、下1ケタが「〜〜7」であれば通報時間が「47分」、逆送信のタイミングが「17分」、下1ケタが「〜〜8」であれば通報時間が「53分」、逆送信のタイミングが「23分」、下1ケタが「〜〜9」であれば通報時間が「59分」、逆送信のタイミングが「29分」となる。
【0113】
このように、本実施の形態では、受信サーバからメールサーバへ逆にメール送信を行うことによって、エラーメールのメール経路(メールリレー)情報を記録することができ、メール送受信についての情報が増加し、故障箇所切り分けの分解能を上げることができる。
【0114】
図14は本発明の第5の実施の形態によるメールサーバ網の構成例を示すブロック図である。図14において、本発明の第5の実施の形態によるメールサーバ網は、第1メールサーバ群5b、第2メールサーバ群6b、第3メールサーバ群7b各々に負荷分散装置81〜83を設けた以外は図11に示す本発明の第4の実施の形態と同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。
【0115】
本発明の第5の実施の形態では、時間超過で定期メール(ハートビートメール101)を送信し、定期メール未着の場合に受信サーバから逆に定期メール(ハートビートメール102)を送信し、メールサーバ群の負荷分散装置で処理負荷を自動分散するモデルを対象として説明している。図14にあっては、メールサーバ台数を30台として説明しているが、メールサーバ台数が増加した場合にあっても本発明の趣旨が損なわれないことは明白である。
【0116】
図15は本発明の第5の実施の形態によるメールサーバ網の動作を示すシーケンスチャートである。これら図14及び図15を参照して本発明の第5の実施の形態によるメールサーバ網の動作について説明する。
【0117】
タイムサーバ3は通信記録内の時間情報について整合性を保つため、第1メールサーバ群5bの負荷分散装置81、第2メールサーバ群6bの負荷分散装置82、第3メールサーバ群7bの負荷分散装置83、第1メールサーバ群5b、第2メールサーバ群6b、第3メールサーバ群7bの各メールサーバ、受信サーバ群4aの受信サーバ41a〜43a、統計サーバ2、解析サーバ1に正確な時間情報を随時提供する(図15のステップe1)。
【0118】
第1メールサーバ群5bの負荷分散装置81、第2メールサーバ群6bの負荷分散装置82、第3メールサーバ群7bの負荷分散装置83配下の各メールサーバは、受信サーバ群4aの受信サーバに一定時間間隔で定期メール(ハートビートメール101)を送出する(図15のe2)。
【0119】
この定期メール通信については、セキュリティ認証(POP Before SMTP/SMTP Auth等)を行うことによって、不正パケットによるかく乱を避けることができ、より正確なハートビート通信を行うことが可能となる。
【0120】
受信サーバ群4aの受信サーバは定時から30分(一定時間間隔=60分の場合)を経過しても定期メールを受信していない場合、逆に受信サーバ群4aの受信サーバから第1メールサーバ群5bの負荷分散装置81、第2メールサーバ群6bの負荷分散装置82、第3メールサーバ群7bの負荷分散装置83配下の各メールサーバに定期メール(ハートビートメール102)を送信する(図15のe3,e4)。
【0121】
受信サーバ群4aの受信サーバは第1メールサーバ群5bの負荷分散装置81、第2メールサーバ群6bの負荷分散装置82、第3メールサーバ群7bの負荷分散装置83配下の各メールサーバに定期メールを送信した後に、ネットワーク・メールサーバ網100からエラー返信メールを受信すると(図15のe5)、エラーメールのメール経路(メールリレー)情報を記録する(図15のe6)。
【0122】
定期メールを受信した受信サーバ群4aの受信サーバは統計サーバ2に受信時間とメール経路情報(メールリレー情報)とを通知する(図15のe7)。
【0123】
統計サーバ2は各メールサーバの通信状況及びメール経路情報を記録し(図15のe8)、その記録した通信状況及びメール経路情報に対して統計処理を行ってメールサーバ管理者用画面を生成した後、解析サーバ1aと第1メールサーバ群5bの負荷分散装置81、第2メールサーバ群6bの負荷分散装置82、第3メールサーバ群7bの負荷分散装置83とネットワーク・メールサーバ網100とにメールサーバ管理者用画面のメール通信情報を提供する(図15のe9)。尚、統計処理としては、下記のメール通信情報を生成できればよい。
【0124】
この時に提供するメール通信情報としては、次の項目が考えられる。各メールサーバと受信サーバとの間でのメール通信情報としては、
(1)x日間(xは1以上の整数)において定期メール通信に要した最長の時間
(2)x日間において定期メール通信に要した平均の時間
(3)x日間において定期メール通信に要した最短の時間
(4)x日間の定期メール通信に要した時間が長い一定数メールのメールリレー情報
(5)x日間の定期メール通信に要した時間が短い一定数メールのメールリレー情報
(6)x日間の定期メール通信受信失敗率
(7)x日間における受信サーバからメールサーバへハートビートメール逆送信時に、ネットワーク・メールサーバ網から返ってきたエラーメールのメール経路(メールリレー)情報
(8)最終の定期メール受信日時
という8点が考えられる。
【0125】
第1メールサーバ群5bの負荷分散装置81、第2メールサーバ群6bの負荷分散装置82、第3メールサーバ群7bの負荷分散装置83と受信サーバ群4aとの間におけるメール統計情報を提供する場合の情報項目としても、上記のデータは有用である。
【0126】
統計サーバ2から上記のメール通信情報(統計情報)を受信した第1メールサーバ群5bの負荷分散装置81、第2メールサーバ群6bの負荷分散装置82、第3メールサーバ群7bの負荷分散装置83は、各数値情報に適切な上限しきい値及び下限しきい値を設け、それぞれの値を超えた場合に各メールサーバに対して自動負荷分散動作を行う(図15のe10)。
【0127】
また、メール経路情報については、経路上に存在するサーバ名が全て記録されており、そのまま平文で公開すると全メールサーバ名が漏洩することとなり、セキュリティ上(不正パケットによるかく乱等)の問題が発生する可能性がある。この対策として、サーバ管理者用の画面を表示する際にあっては、ユーザID及びパスワードによる認証、SSL対応ブラウザで表示させる等のセキュリティ対応を行うことが望ましい。
【0128】
統計サーバ2から各メールサーバのメール通信情報を受け取った解析サーバ1aは、それらのメール通信情報に対して解析処理を行ってメール利用者向けの運用状況画面を生成し、ネットワーク・メールサーバ網100に提供する(図15のe11)。尚、解析処理としては、下記のメール通信情報を生成できればよい。
【0129】
この時に提供するメール通信情報としては、次の項目が考えられる。メールサーバと受信サーバとの間の情報としては、
(1)x日間(xは1以上の整数)において定期メール通信に要した最長の時間
(2)x日間において定期メール通信に要した平均の時間
(3)x日間において定期メール通信に要した最短の時間
(4)x日間の定期メール通信受信失敗率
(5)最終の定期メール受信日時
という5点が考えられる。
【0130】
第1メールサーバ群5bの負荷分散装置81、第2メールサーバ群6bの負荷分散装置82、第3メールサーバ群7bの負荷分散装置83と受信サーバ群4aの受信サーバ41a〜43aとの間におけるメール統計情報を提供する場合の情報項目としても、上記のデータは有用である。
【0131】
また、本実施の形態では、上記数値情報に適切な上限しきい値・下限しきい値を設け、それぞれの値を超えた場合にガイダンス表示を行うことによって、利用者による無用な再送操作を防ぐことも可能である(例えば、「30分ほどお待ち下さい」等)。
【0132】
他定時トラフィックの影響を受けない(他定時トラフィックに影響を与えない)ようにするには、割り切れない数・素数のタイミングでハートビート通信及びハートビートの逆送信動作を行うことが望ましい。
【0133】
メールサーバ台数が10を超える場合には、メールサーバのシリアル番号を10で除した余りの数を、図13に示す表にあてはめることで対応可能である。例えば、1時間間隔の場合、図13に示すように、メールサーバ番号の下1ケタが「〜〜0」であれば通報時間(毎時)が「11分」、逆送信のタイミングが「41分」となる。
【0134】
同様に、下1ケタが「〜〜1」であれば通報時間が「13分」、逆送信のタイミングが「43分」、下1ケタが「〜〜2」であれば通報時間が「17分」、逆送信のタイミングが「47分」、下1ケタが「〜〜3」であれば通報時間が「23分」、逆送信のタイミングが「53分」、下1ケタが「〜〜4」であれば通報時間が「29分」、逆送信のタイミングが「59分」となる。
【0135】
さらに、下1ケタが「〜〜5」であれば通報時間が「41分」、逆送信のタイミングが「11分」、下1ケタが「〜〜6」であれば通報時間が「43分」、逆送信のタイミングが「13分」、下1ケタが「〜〜7」であれば通報時間が「47分」、逆送信のタイミングが「17分」、下1ケタが「〜〜8」であれば通報時間が「53分」、逆送信のタイミングが「23分」、下1ケタが「〜〜9」であれば通報時間が「59分」、逆送信のタイミングが「29分」となる。
【0136】
このように、本実施の形態では、統計サーバのメール送受信遅延情報をメールサーバ管理者が参照することで、負荷分散装置が適切な分散処理を行っているかをメール送受信情報ベースで確認することができる。
【0137】
また、本発明に関連する負荷分散装置にあっては、個々のメールサーバのCPU負荷率・ハードディスク空き容量のみを判定し、負荷分散を行う装置が多いため、個々のメールサーバのLAN(Local Area Network)ポート不調やハードディスク不調・スイッチングハブ不調等によるメール送受信不調についてはコントロールしきれない場合が多くある。
【0138】
本発明では、上記の対策として定期メールによる自動負荷判定を行っており、上記のトラブルが発生した場合にあっても、正確な負荷コントロール動作を行うことが期待できる。
【0139】
さらに、本発明では、メールサーバの負荷がしきい値をオーバしていることを検知している間、メールクライアント(図示せず)にて直前に送信した同じ宛先へのメール再送信を抑止し、直前に送信した添付ファイル容量と同じ添付ファイル容量のメール再送信を抑止する機能を付加することによって、不要なトラフィック上昇を防ぐことができる。この抑止動作については、メールサーバで行ってもよい。また、大量に宛先指定がある等によって判定が難しい場合には、同じサブジェクト(Subject)での判定も考えられる。
【0140】
さらにまた、本発明では、しきい値を超える宛先の数及び一定容量を超える添付ファイル、もしくは宛先数と添付ファイル容量とを乗じた値が一定量を超える場合に、メールサーバの過負荷が検出された時に、メールクライアントにて警告/送信禁止メッセージを表示させることも可能である。尚、メールサーバの過負荷を最短時間で解消するには、メールクライアントにて、メールサーバの過負荷が検出されている間、一切の送受信を禁止するように、送受信警告もしくは送受信禁止メッセージを指示することが有効である。
【0141】
本発明では、受信サーバ群4,4a内の受信サーバ41〜43,41a〜43aをそれぞれ任意のインタネットサービスプロバイダに配置し、各メールサーバ群5〜7,5a〜7a,5b〜7bのメールサーバからハートビートメール101を受信サーバ41,41a、受信サーバ42,42a、受信サーバ43,43aの順に送信することで、どのインタネットサービスプロバイダの不調でメール遅延が発生しているかの切り分けを容易にすることが可能である。
【0142】
また、本発明では、解析サーバ1,1a及び統計サーバ2のWeb掲載情報として、インタネットサービスプロバイダのメールサーバの管理者や各企業のメールサーバの管理者からの書込みを許可し、「〜時〜分からメール遅延発生」、「〜時 〜交換予定」、「〜時〜分頃復旧予定」、「〜時〜分(〜交換により)復旧致しました」等のトラブル経過情報と、それぞれのメールサーバ管理者への連絡先と、インタネットサービスプロバイダのURL(Uniform Resource Locator)とを掲載することによって、トラブル発生時の連絡をよりスムーズにし、メールサービス品質の向上を期待することができる。
【0143】
通常のメールサーバ機能にあっては、外部ネットワーク側で送受信されるメールアドレスが不定であり、不要な通信を避けるために特定のコンピュータ以外からのメール通信をフィルタする場合がある。メールクライアントとの通信に用いられる内部ネットワーク側についても、メールアカウントが複数あることから、メールサーバの設定については、複雑となることが多い。本発明によれば、負荷状況判定対象となるサーバから、外部ネットワーク側に送受信されるメールアドレスが固定であり、内部ネットワーク側のメールアドレスが単一であることから、メールサーバの設定が非常に簡単となる。
【0144】
また、内部ネットワーク側のメールアカウントが同じサーバ内にある必要は必ずしもなく、図1と図4と図11と図14とにそれぞれ示すメールサーバを、メールサーバと同じネットワーク上にあるAP(アプリケーション)サーバやDB(データベース)サーバ、及びDNS(ドメインネームシステム)等の汎用サーバ(図示せず)とした場合にあっても、それぞれの汎用サーバにメールアドレスを割り当てることで、レスポンス低下/スループット低下を検出することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、インタネットサービスプロバイダ及び企業内メールサーバ等に適用することが可能であり、それらインタネットサービスプロバイダ及び企業内メールサーバ等におけるメールサービス品質の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるメールサーバ網の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の解析サーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるメールサーバ網の動作を示すシーケンスチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるメールサーバ網の構成例を示すブロック図である。
【図5】図4の解析サーバの構成例を示すブロック図である。
【図6】図4の統計サーバの構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるメールサーバ網の動作を示すシーケンスチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態における推奨定期メール通信タイミングを示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態によるメールサーバの構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態によるメールサーバ網の動作を示すシーケンスチャートである。
【図11】本発明の第4の実施の形態によるメールサーバ網の構成例を示すブロック図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態によるメールサーバ網の動作を示すシーケンスチャートである。
【図13】本発明の第4の実施の形態における推奨定期メール通信タイミング及び逆送信タイミングを示す図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態によるメールサーバ網の構成例を示すブロック図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態によるメールサーバ網の動作を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0147】
1,1a 解析サーバ
2 統計サーバ
3 タイムサーバ
4,4a 受信サーバ群
5,5a,5b 第1メールサーバ群
6,6a,6b 第2メールサーバ群
7,7a,7b 第3メールサーバ群
11,21,501 CPU
12,22,502 ROM
13,23,503 RAM
14 メール利用者向け画面生成部
15,25,505 通信部
16,26 記録部
16a 保持部
17,27,508 計時部
18,24 メールサーバ管理者用画面生成部
41,41a 第1受信サーバ
42,42a 第2受信サーバ
43,43a 第3受信サーバ
50〜59,50a〜59a,
50b〜59b,
60〜69,60a〜69a,
60b〜69b,
70〜79,70a〜79a,
70b〜79b メールサーバ
81〜83 負荷分散装置
100 ネットワーク・メールサーバ網
101,102 ハートビートメール
161,261 通信状況・メール経路情報
504 メール記録部
506 メール送受信部
507 メール累積件数計数部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメールサーバと、前記複数のメールサーバから一定時間間隔で、もしくは予め設定された所定条件が検出された時に送出される定期メールを受信する受信サーバと、前記受信サーバで受信した前記定期メールの解析を行う解析サーバとを含むメールサーバ網であって、
前記受信サーバで受信した前記定期メールの受信時間及びメール経路の情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録された情報の統計処理を行う統計手段とを有し、
前記解析サーバは、前記統計処理の結果を基に前記メールサーバにおけるメール遅延及びメール未着における故障箇所及び遅延箇所の調査用の情報を作成することを特徴とするメールサーバ網。
【請求項2】
前記記録手段と前記統計手段とを前記解析サーバに配設したことを特徴とする請求項1記載のメールサーバ網。
【請求項3】
前記解析サーバは、前記統計処理の結果からメールサーバ管理者用画面を生成してネットワークを介して配信し、前記解析の結果からメール利用者向けの運用状況画面を生成してネットワークを介して配信することを特徴とする請求項2記載のメールサーバ網。
【請求項4】
前記記録手段と前記統計手段とを含む統計サーバを前記受信サーバと前記解析サーバとの間に配設したことを特徴とする請求項1記載のメールサーバ網。
【請求項5】
前記解析サーバは、前記解析の結果からメール利用者向けの運用状況画面を生成してネットワークを介して配信し、
前記統計サーバは、前記統計処理の結果からメールサーバ管理者用画面を生成してネットワークを介して配信することを特徴とする請求項4記載のメールサーバ網。
【請求項6】
前記メールサーバは、送受信メールの累積件数が予め設定された一定数を超過したタイミングで前記定期メールを送出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか記載のメールサーバ網。
【請求項7】
前記統計手段は、前記統計処理において、x日間(xは1以上の整数)において前記定期メールの通信に要した最長の時間、前記x日間において前記定期メールの通信に要した平均の時間、前記x日間において前記定期メールの通信に要した最短の時間、前記x日間の前記定期メールの通信に要した時間が長い一定数メールの経路情報、前記x日間の前記定期メールの通信に要した時間が短い一定数メールの経路情報、前記x日間の前記定期メールの通信受信失敗率のうちの少なくとも一つを算出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか記載のメールサーバ網。
【請求項8】
前記受信サーバは、前記定期メールが未着の時に前記メールサーバに対して定期メールを送信し、
前記統計手段は、x日間(xは1以上の整数)における前記受信サーバから前記メールサーバへ前記定期メールの逆送信時に返ってきたエラーメールの経路情報を前記統計処理の結果として送出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか記載のメールサーバ網。
【請求項9】
前記解析サーバは、x日間(xは1以上の整数)において前記定期メールの通信に要した最長の時間、前記x日間において前記定期メールの通信に要した平均の時間、前記x日間において前記定期メールの通信に要した最短の時間、前記x日間の前記定期メールの通信の受信失敗率、最終の定期メール受信日時のうちの一つをメール利用者向けの運用状況画面として配信することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか記載のメールサーバ網。
【請求項10】
前記解析サーバは、前記定期メール情報の時間情報に上限しきい値及び下限しきい値を設け、それぞれの値を超えた場合にその旨のガイダンス表示を行ってネットワークに配信することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか記載のメールサーバ網。
【請求項11】
前記定期メールの通信記録の時間情報について整合性を保つための時間情報を少なくとも前記メールサーバと前記受信サーバと前記解析サーバとに提供するタイムサーバを含むことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか記載のメールサーバ網。
【請求項12】
前記定期メールの通信時にセキュリティ認証を行うことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか記載のメールサーバ網。
【請求項13】
前記定期メールの経路情報の配信時にユーザID(IDentifier)及びパスワードによってセキュリティ認証を行うことを特徴とする請求項12記載のメールサーバ網。
【請求項14】
前記定期メールの経路情報の配信時に少なくともSSL(Secure Sockets Layer)にて前記経路情報を暗号化することを特徴とする請求項12または請求項13記載のメールサーバ網。
【請求項15】
前記統計手段にて算出される前記定期メールの通信に要した時間情報に上限しきい値及び下限しきい値を設け、
それぞれの値を超えた場合に前記複数のメールサーバに対して自動負荷分散を行う負荷分散装置を含むことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか記載のメールサーバ網。
【請求項16】
任意のメールアドレスが割り当てられかつ前記受信サーバに対して一定時間間隔で、もしくは予め設定された所定条件が検出された時に定期メールを送出する汎用サーバを配設し、
前記統計手段にて算出される前記定期メールの通信に要した時間情報に上限しきい値及び下限しきい値を設け、
前記定期メールの通信に要した時間情報が前記上限しきい値を超えかつ前記下限しきい値を下回らない場合に、前記汎用サーバのレスポンス低下もしくはスループット低下のガイダンス表示を行ってネットワークに配信することを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか記載のメールサーバ網。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれかに記載の手段を含むことを特徴とするサーバ装置。
【請求項18】
複数のメールサーバと、前記複数のメールサーバから一定時間間隔で、もしくは予め設定された所定条件が検出された時に送出される定期メールを受信する受信サーバと、前記受信サーバで受信した前記定期メールの解析を行う解析サーバとを含むメールサーバ網に用いる障害箇所調査方法であって、
前記解析サーバが、前記受信サーバで受信した前記定期メールの受信時間及びメール経路の情報を記録手段に記録する第1の処理と、前記記録手段に記録された情報の統計処理を行う第2の処理とを実行し、
前記解析サーバが、前記統計処理の結果を基に前記メールサーバにおけるメール遅延及びメール未着における故障箇所及び遅延箇所の調査用の情報を作成することを特徴とする障害箇所調査方法。
【請求項19】
前記解析サーバが、前記統計処理の結果からメールサーバ管理者用画面を生成してネットワークを介して配信し、前記解析の結果からメール利用者向けの運用状況画面を生成してネットワークを介して配信することを特徴とする請求項18記載の障害箇所調査方法。
【請求項20】
複数のメールサーバと、前記複数のメールサーバから一定時間間隔で送出される定期メールを受信する受信サーバと、前記受信サーバで受信した前記定期メールの解析を行う解析サーバとを含むメールサーバ網に用いる障害箇所調査方法であって、
前記受信サーバと前記解析サーバとの間に配設した統計サーバが、前記受信サーバで受信した前記定期メールの受信時間及びメール経路の情報を記録手段に記録する第1の処理と、前記記録手段に記録された情報の統計処理を行う第2の処理とを実行し、
前記解析サーバが、前記統計処理の結果を基に前記メールサーバにおけるメール遅延及びメール未着における故障箇所及び遅延箇所の調査用の情報を作成することを特徴とする障害箇所調査方法。
【請求項21】
前記解析サーバは、前記解析の結果からメール利用者向けの運用状況画面を生成してネットワークを介して配信し、
前記統計サーバは、前記統計処理の結果からメールサーバ管理者用画面を生成してネットワークを介して配信することを特徴とする請求項20記載の障害箇所調査方法。
【請求項22】
前記メールサーバが、送受信メールの累積件数が予め設定された一定数を超過したタイミングで前記定期メールを送出することを特徴とする請求項18から請求項21のいずれか記載の障害箇所調査方法。
【請求項23】
前記統計処理において、x日間(xは1以上の整数)において前記定期メールの通信に要した最長の時間、前記x日間において前記定期メールの通信に要した平均の時間、前記x日間において前記定期メールの通信に要した最短の時間、前記x日間の前記定期メールの通信に要した時間が長い一定数メールの経路情報、前記x日間の前記定期メールの通信に要した時間が短い一定数メールの経路情報、前記x日間の前記定期メールの通信受信失敗率のうちの少なくとも一つを算出することを特徴とする請求項18から請求項22のいずれか記載の障害箇所調査方法。
【請求項24】
前記受信サーバが、前記定期メールが未着の時に前記メールサーバに対して定期メールを送信し、
x日間(xは1以上の整数)における前記受信サーバから前記メールサーバへ前記定期メールの逆送信時に返ってきたエラーメールの経路情報を前記統計処理の結果として送出することを特徴とする請求項18から請求項23のいずれか記載の障害箇所調査方法。
【請求項25】
前記解析サーバが、x日間(xは1以上の整数)において前記定期メールの通信に要した最長の時間、前記x日間において前記定期メールの通信に要した平均の時間、前記x日間において前記定期メールの通信に要した最短の時間、前記x日間の前記定期メールの通信の受信失敗率、最終の定期メール受信日時のうちの一つをメール利用者向けの運用状況画面として配信することを特徴とする請求項18から請求項24のいずれか記載の障害箇所調査方法。
【請求項26】
前記解析サーバが、前記定期メール情報の時間情報に上限しきい値及び下限しきい値を設け、それぞれの値を超えた場合にガイダンス表示を行ってネットワークに配信することを特徴とする請求項18から請求項25のいずれか記載の障害箇所調査方法。
【請求項27】
前記定期メールの通信記録の時間情報について整合性を保つための時間情報をタイムサーバから少なくとも前記メールサーバと前記受信サーバと前記解析サーバとに提供することを特徴とする請求項18から請求項26のいずれか記載の障害箇所調査方法。
【請求項28】
前記定期メールの通信時にセキュリティ認証を行うことを特徴とする請求項18から請求項27のいずれか記載の障害箇所調査方法。
【請求項29】
前記定期メールの経路情報の配信時にユーザID(IDentifier)及びパスワードによってセキュリティ認証を行うことを特徴とする請求項28記載の障害箇所調査方法。
【請求項30】
前記定期メールの経路情報の配信時に少なくともSSL(Secure Sockets Layer)にて前記経路情報を暗号化することを特徴とする請求項28または請求項29記載の障害箇所調査方法。
【請求項31】
前記統計処理にて算出される前記定期メールの通信に要した時間情報に上限しきい値及び下限しきい値を設け、それぞれの値を超えた場合に負荷分散装置にて前記複数のメールサーバに対して自動負荷分散を行うことを特徴とする請求項18から請求項30のいずれか記載の障害箇所調査方法。
【請求項32】
前記受信サーバを任意のインタネットサービスプロバイダに設け、
前記複数のメールサーバ各々から前記受信サーバに順番に前記定期メールを送信することで、メール動作不調の原因となっているメールサーバが配設された前記インタネットサービスプロバイダを特定することを特徴とする請求項18から請求項31のいずれか記載の障害箇所調査方法。
【請求項33】
請求項1から請求項16のいずれかに記載の手段を含むサーバ装置を含み、
前記統計手段にて算出される前記定期メールの通信に要した時間情報に対して上限しきい値及び下限しきい値を設け、
前記定期メールの通信に要した時間情報が前記上限しきい値を超えかつ前記下限しきい値を下回らない場合にメールクライアントにて送信するメールが一つ前に送信したメールと同じ宛先か否かを判定し、
前記メールクライアントにて送信するメールが同じ宛先へ送信する場合に再送信警告もしくは再送信禁止メッセージを提示することを特徴とするメールシステム。
【請求項34】
前記統計手段にて算出される前記定期メールの通信に要した時間情報に対して上限しきい値及び下限しきい値を設け、
前記定期メールの通信に要した時間情報が前記上限しきい値を超えかつ前記下限しきい値を下回らない場合に前記メールクライアントにてメール宛先数が一定数を超過しているか否かを判定し、
前記メール宛先数が前記一定数を超過している場合に送信警告もしくは送信禁止メッセージを提示することを特徴とする請求項33記載のメールシステム。
【請求項35】
前記統計手段にて算出される前記定期メールの通信に要した時間情報に対して上限しきい値及び下限しきい値を設け、
前記定期メールの通信に要した時間情報が前記上限しきい値を超えかつ前記下限しきい値を下回らない場合に前記メールクライアントにて送信する添付ファイルが一つ前に送信した添付ファイル容量と同じ添付ファイル容量か否かを判定し、
前記メールクライアントにて送信する添付ファイルが同じ添付ファイル容量であった場合に再送信警告もしくは再送信禁止メッセージを提示することを特徴とする請求項33または請求項34記載のメールシステム。
【請求項36】
前記統計手段にて算出される前記定期メールの通信に要した時間情報に対して上限しきい値及び下限しきい値を設け、
前記定期メールの通信に要した時間情報が前記上限しきい値を超えかつ前記下限しきい値を下回らない場合に前記メールクライアントにて添付ファイル容量が一定容量を超過しているか否かを判定し、
前記添付ファイル容量が前記一定容量を超過している場合に送信警告もしくは送信禁止メッセージを提示することを特徴とする請求項33から請求項35のいずれか記載のメールシステム。
【請求項37】
前記統計手段にて算出される前記定期メールの通信に要した時間情報に対して上限しきい値及び下限しきい値を設け、
前記定期メールの通信に要した時間情報が前記上限しきい値を超えかつ前記下限しきい値を下回らない場合に前記メールクライアントにて宛先数と添付ファイル容量とを乗じた値が一定量を超過しているか否かを判定し、
前記宛先数と前記添付ファイル容量とを乗じた値が前記一定量を超過していた場合に再送信警告もしくは再送信禁止メッセージを提示することを特徴とする請求項33から請求項36のいずれか記載のメールシステム。
【請求項38】
前記統計手段にて算出される前記定期メールの通信に要した時間情報に対して上限しきい値及び下限しきい値を設け、
前記定期メールの通信に要した時間情報が前記上限しきい値を超えかつ前記下限しきい値を下回らない場合に前記メールクライアントにて送信するメールが一つ前に送信したメールと同じサブジェクト(Subject)か否かを判定し、
前記メールクライアントにて送信するメールと一つ前に送信したメールとが同じサブジェクトであった場合に再送信警告もしくは再送信禁止メッセージを提示することを特徴とする請求項33から請求項37のいずれか記載のメールシステム。
【請求項39】
前記統計手段にて算出される前記定期メールの通信に要した時間情報に対して上限しきい値及び下限しきい値を設け、前記定期メールの通信に要した時間情報が前記上限しきい値を超えかつ前記下限しきい値を下回らない場合に前記メールクライアントにて送受信警告もしくは送受信禁止メッセージを提示することを特徴とする請求項33から請求項38のいずれか記載のメールシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−89283(P2009−89283A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−259313(P2007−259313)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】