説明

モノアシルグリセロールリパーゼ阻害剤としての複素芳香族及び芳香族ピペラジニルアゼチジニルアミド類

疼痛を含む、MGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害を処置するための、化合物、組成物、及び方法が開示される。このような化合物は以下のように式(I)で表わされる。
【化1】


式中、r、R2及びZは本明細書に開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は米国仮出願第61/171,660号(2009年4月22日出願)の権利を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は仮出願第61/171,661号(2009年4月22日出願)の表題「Heteroaromatic and Aromatic Piperazinyl Azetidinyl Amides as Monoacylglycerol Lipase Inhibitors」に関連する。
【0003】
(連邦政府支援研究又は開発に関する陳述)
下に記述される本発明の研究及び開発は、連邦政府の支援によるものではない。
【0004】
(発明の分野)
本発明は、新しいモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)阻害剤、それらを含む医薬組成物、並びに、被験体(哺乳類及び/又はヒトを含む)におけるMGL疾患(MGLによって影響を受ける疾患、症候群、若しくは病的状態)の処置、改善及び/又は予防におけるその利用を目的とする。
【背景技術】
【0005】
アサ(Cannabis sativa)は長年にわたって疼痛の治療に使用されている。Δ9−テトラヒドロカンナビノールはアサの主要な有効成分であり、カンナビノイド受容体の作動薬である(Pertwee、Brit J Pharmacol,2008,153,199〜215)。2つのカンナビノイドGタンパク質結合受容体であるカンナビノイド受容体タイプ1(CB1、Matsudaら、Nature,1990,346,561〜4)及びカンナビノイド受容体タイプ2(CB2、Munroら、Nature,1993,365,61〜5)がクローン生成されている。CB1は主に脳領域、例えば視床下部及び側坐核において発現し、また末梢的に肝臓、胃腸管、膵臓、脂肪組織及び骨格筋において発現する(Di Marzoら、Curr Opin Lipidol,2007,18,129〜140)。CB2は主に免疫細胞、例えば単核細胞(Pacherら、Amer J Physiol,2008,294,H1133〜H1134)、並びに、特定の条件下では脳内(Benitoら、Brit J Pharmacol,2008,153,277〜285)、及び骨格筋内(Cavuotoら、Biochem Biophys Res Commun,2007,364,105〜110)及び心臓筋内(Hajrasoulihaら、Eur J Pharmacol,2008,579,246〜252)において発現する。合成作動薬を用いた、薬理的、解剖学的、及び電気生理学的な豊富なデータにより、CB1/CB2を介したカンナビノイド信号が増大すると、慢性の神経障害性又は炎症による疼痛モデルにおいて、急性侵害受容の試験での鎮痛を促進し、痛覚過敏及び/又はアロディニアを抑制することが示されている(Cravattら、J Neurobiol,2004,61,149〜60;Guindonら、Brit J Pharmacol,2008,153,319〜334)。
【0006】
合成カンナビノイド(cannabanoid)受容体作動薬の有効性は多数報告されている。更に、カンナビノイド受容体作動薬及びノックアウトマウスを使用した研究では、侵害受容の重要なモジュレーターとしての内因性カンナビノイド系を示唆している。アナンダミド(AEA)(Devaneら、Science,1992,258,1946〜9)及び2−アラキジノイルグリセロール(2−AG)(Mechoulamら、Biochem Pharmacol,1995,50,83〜90;Sugiuraら、Biochem Biophys Res Commun,1995,215,89〜97)が、2つの主な内因性カンナビノイドである。AEAは脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)によって加水分解され、2−AGはモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)によって加水分解される(Piomelli、Nat Rev Neurosci,2003,4,873〜884)。FAAHの遺伝的除去は、内因性AEAを増加させ、急性及び炎症性疼痛モデルにおいてCB1依存性の鎮痛をもたらしており(Lichtmanら、Pain,2004,109,319〜27)、これは内因性カンナビノイド系機能が自然に侵害受容を阻害していることを示している(Cravattら、J Neurobiol,2004,61,149〜60)。FAAHノックアウトマウスを用いた内因性カンナビノイド濃度の構成増加とは異なり、特定のFAAH阻害剤は一時的にAEA濃度を上昇させ、生体内で抗侵害受容を起こす(Kathuriaら、Nat Med,2003,9,76〜81)。内因性カンナビノイド介在の抗侵害受容状態の更なる証拠は、末梢における有害な刺激の後に中脳水道周囲灰白質(痛みの中心として知られる)においてAEAが形成されること(Walkerら、Proc Natl Acad Sci USA,1999,96,12198〜203)、また逆に、脊髄中のCB1アンチセンスRNAの投与の後、痛覚過敏を誘導すること(Dogrulら、Pain,2002,100,203〜9)によって示される。
【0007】
2−AGに関して、静脈内送達によりテールフリック試験(Mechoulamら、Biochem Pharmacol,1995,50,83〜90)及びホットプレート試験(Lichtmanら、J Pharmacol Exp Ther,2002,302,73〜9)において、鎮痛が生じる。これに対して、単独で投与された2−AGは、ホットプレート試験においては鎮痛性ではないが、他の2−モノアシルグリセロール類(すなわち、2−リノレオイルグリセロール及び2−マルミトイルグリセロール)と組み合わせると、顕著な鎮痛が達成され、これは「周囲効果」として知られる現象である(Ben−Shabatら、Eur J Pharmacol,1998,353,23〜31)。この「周囲」の2−モノアシルグリセロールは2−AGとともに放出される内因性脂質であり、恐らくはMGLの活性部位との競合により、2−AG分解を阻害することによってある程度、内因性カンナビノイド信号を増強する。これは、合成MGL阻害剤が同様の効果を有するであろうことを示唆する。実際に、比較的弱い合成MGL阻害剤であるURB602は、急性炎症のハツカネズミモデルにおいて抗侵害受容効果を示す(Comelliら、Brit J Pharmacol,2007,152,787〜794)。
【0008】
合成カンナビノイド作動薬の使用は、増加したカンナビノイド信号が鎮痛効果及び抗炎症効果を生み出すことが結果として示されているが、これらの化合物の有益な効果を、不必要な副作用から分離することは困難である。別のアプローチでは、中枢神経系(CNS)及び胃腸管において最も豊富に存在する内因性カンナビノイドである2−AG濃度を増加させることにより、内因性カンナビノイド系の信号を強化し、これはMGLの阻害によって達成され得る。よって、MGL阻害剤は疼痛、炎症及びCNS疾患の処置(Di Marzoら、Curr Pharm Des,2000,6,1361〜80;Jhaveriら、Brit J Pharmacol,2007,152,624〜632;McCarberg Billら、Amer J Ther,2007,14,475〜83)、並びに、緑内障及び眼圧上昇から生じる疾患状態の処置(Njie,Ya Fatou;He,Fang;Qiao,Xhuanhong;Song,Zhoa−Hui、Exp.Eye Res.,2008,87(2):106〜14)に有用である可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の式(I)
【0010】
【化1】

の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、式中、
Yは、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、1,3,5−トリアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、及び1,3,4−チアジアゾリルからなる群から選択されるフェニル又はヘテロアリールであり;
フェニル又はヘテロアリールは所望により、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜4アルキル、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、ニトロ及びシアノからなる群から選択される1つの置換基で置換されており;
rは1〜2の整数であり;
2はないか、又はオキソであり;
Zは次のものからなる群から選択される:
(a)NRabで置換されたフェニル;
式中、Raは水素又はC1〜4アルキルであり;RbはC1〜4アルキル、シクロアルキル、フェニル、フラニルメチル、又はフェニル(C1〜2アルキル)であり;Rbのフェニル、Rbのフェニル(C1〜2アルキル)のフェニル、又はRbのフラニルメチルのフラニルは、所望によりヨード置換基で置換され;
あるいは、Ra及びRbは窒素原子で共に結合して5〜8員環ヘテロシクリルを形成し、このヘテロシクリルは所望によりベンゾ基に縮合されている;
(b)ビフェニル−3−イル又はビフェニル−4−イル;式(I)のカルボニルに結合している内側フェニル環は、所望により1つのフルオロ置換基で置換され;この末端フェニル環は、所望により、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、クロロ、ジクロロ、フルオロ、及びヨードからなる群から選択される1つの置換基で置換されている;
(c)C5〜8シクロアルキル、−NHC(=O)シクロヘキシル、フェニルオキシ、フェニルカルボニル、フェニル(C1〜3)アルキル、フェニル(C1〜3)アルコキシ、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソインドル−2−イル−1,3−ジオン、2,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル;1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イロキシ、及び1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルからなる群から選択される置換基で置換されているフェニル;
(d)C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、ヨード、クロロ及びニトロからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されているフェニル;
(e)フェニル(C1〜2)アルキル−;式中、フェニルは所望により、ヨード、フルオロ、C1〜6アルキル、フェニル、及びNRcdからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており;Rcは水素又はC1〜4アルキルであり;RdはC1〜4アルキル又はC3〜6シクロアルキル(C1〜4)アルキルであり;並びに、フェニル(C1〜2)アルキルのC1〜2アルキルは所望によりフェニルで置換されている;
(f)フェニル(C2〜4)アルケニル−;式中、フェニルは所望により、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、及び、フェニルからなる群から選択される置換基で置換されている;
(g)ナフチル;ナフチルは所望により、1つのC1〜4アルコキシ置換基で置換されている;
(h)フルオレニル又はキサンテニル;フルオレニル又はキサンテニルは所望によりオキソで置換されている;
(i)C5〜8シクロアルキル;式中、C5〜8シクロアルキルは所望により1つのC1〜6アルキル置換基で置換されている;
(j)ベンゾ縮合C5〜8シクロアルキル又はベンゾ縮合C5〜8シクロアルキル(C1〜4)アルキル;式中、C5〜8シクロアルキル部分は所望により、1〜4個のメチル置換基で置換されている;
(k)ビシクロ[2.2.2]オクチル−1−イル;式中、ビシクロ[2.2.2]オクチル−1−イルは所望によりC1〜6アルキルで置換されている;
(l)ベンゾオキサゾリル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ピリジニル、インドリル、チエニル、フラニル、ピラゾリル、オキサゾリル、ベンゾチエニル、及びベンゾフラニルからなる群から選択される、ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリール;式中、
ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリールは所望により、C1〜4アルキル、トリフルオロメチル、C5〜8シクロアルキル、フェニル、フェニル(C1〜2)アルコキシ、フェニル(C2〜4)アルキニル及びジクロロフェノキシからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換され;並びにヘテロアリールのフェニル置換基は更に所望により、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルから選択される置換基で置換されている;
(m)1,5−ジフェニル−1H−ピラゾル−3−イル;式中、ピラゾル−3−イルは所望によりメチル置換基で置換されており;及び1,5−ジフェニル置換基のフェニル基それぞれは更に所望により、クロロ、ジクロロ又はアミノスルホニルから選択される置換基で置換されている;
(n)1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル;式中、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルは所望により、フェニル又はトリフルオロメチル置換されたフェニルで置換されている;並びに
(o)ベンゾ縮合ヘテロシクリル(C2〜4)アルケニル;式中、ベンゾ縮合ヘテロシクリルはベンゾ環を介してC2〜4アルケニルに結合しており;及びベンゾ縮合ヘテロシクリルは更に所望によりC5〜6シクロアルキルで置換されている;
ただし式(I)の化合物が下記のもの以外であることを条件とする:
式中、Yが3−メチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−(フェニルカルボニル)フェニルである化合物;
式中、Yが5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−シクロヘキシル−フェニルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが3−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニルである化合物;
式中、Yが5−シアノピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
式中、Yが5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
式中、Yがピリミジン−2−イル、rが2、及びR2がなく、Zが2−(4−トリフルオロメチルチオフェニル)−ビニルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−フェニル−ビニルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−フェニルエチルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−t−ブチル−ベンゾオキサゾル−6−イルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−(4−メトキシフェニル)−ベンゾオキサゾル−7−イルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1,2−ジイソブチル−1H−インドル−5−イルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1−メチル−2−プロピル−1H−インドル−5−イルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1−イソブチル−2−フェニル−1H−インドル−5−イルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1−イソブチル−2−(4−メチルフェニル)−1H−インドル−5−イルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−(3−メトキシフェニル)−ベンゾオキサゾル−5−イルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−ベンジルフェニルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1S)−1−[4−(2−メチルプロピル)フェニル]エチルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1S)−1−(2−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)エチルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルである化合物;
式中、Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2,2−ジフェニルエチルである化合物;又は
式中、Yが3−トリフルオロメチルフェニル、rが1、及びR2がなく、Zが1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−イルである化合物。
【0011】
本発明は更に、MGLの阻害によって影響を受ける障害、疾患、症候群、又は病的状態の処置又は改善又は予防のために、MGLの阻害剤として、本明細書に定義される式(I)の化合物を使用することを目的とする。
【0012】
本発明は更に、例えば疼痛、そのような疼痛をもたらす疾患、炎症及びCNS障害などの、MGLの阻害によって影響を受ける障害、疾患、症候群、又は病的状態の処置又は改善又は予防のための方法を提供し、これには本明細書で定義される式(I)の化合物の治療有効量を、それを必要としている被験体に投与することを含んでなり、投与することからなり、及び/又は投与することから本質的になる。
【0013】
本発明は、製薬上許容できるキャリヤ、製薬上許容され得る賦形剤、及び/又は製薬上許容され得る希釈剤、並びに本明細書で定義される式(I)の化合物又はその製薬上許容され得る塩を含んでなり、又はそれらからなり、及び/又はそれらから本質的になる医薬組成物を提供する。
【0014】
また、本明細書で定義される式(I)の化合物と、製薬学的に許容され得る担体、製薬学的に許容され得る賦形剤、及び/又は製薬学的に許容され得る希釈剤とを混合することを含む、それらを混合することからなる、及び/又はそれらを混合することから本質的になる、製薬学的組成物の製造プロセスを提供する。
【0015】
本発明は更に、MGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態、又は障害の処置、改善及び/又は予防のために、それを必要としている被験体に、薬剤又は医薬組成物の調製のために、本明細書で定義される式(I)の化合物を使用することを目的とする。
【0016】
本発明はまた、本明細書で定義される式(I)の化合物、並びにその医薬組成物及び薬剤の製造のための方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
用語「アルキル」は、単独で用いられる場合であれ、置換基の一部分として用いられる場合であれ、1〜8個の炭素原子を有する直鎖及び分枝炭素鎖を指す。したがって、指定された炭素原子の数(例えばC1〜8)は、独立に、アルキル部分における炭素原子数、又はアルキルを含有するより大きな置換基のアルキル部分を指す。例えば、(C1〜6アルキル)2アミノ−のような複数のアルキル基を有する置換基の場合、ジアルキルアミノのC1〜6アルキル基は、同一でも異なってもよい。
【0018】
用語「アルコキシ」は−O−アルキル基を意味し、この中の「アルキル」は上記で定義されるものである。
【0019】
用語「アルケニル」及び「アルキニル」は、2個以上の炭素原子を有する直鎖及び分枝炭素鎖であって、アルケニル鎖は少なくとも1個の二重結合を含み、及びアルキニル鎖は少なくとも1個の三重結合を含む。当業者は更に、「ビニル」及び「エチニル」はC2アルケニル置換基を指定するのに使用される互換可能な語であることを認識するであろう。
【0020】
用語「環状アルキル」は、飽和した又は部分的に飽和した、3〜14個の炭素原子を有する単環性又は多環性炭化水素環を指す。かかる環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びアダマンチルを含む。
【0021】
用語「ベンゾ縮合シクロアルキル」は、ベンゼン環に縮合した5〜8員の単環式シクロアルキル環を指す。シクロアルキル環を構成する炭素原子の環構成部材は完全に飽和していても部分的に飽和していてもよい。
【0022】
用語「ヘテロシクリル」は、3〜10個の環構成原子を有する、非芳香族性単環性又は二環性の環システムであって、炭素原子及びN、O、及びSより成る群から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を含むものを指す。用語「ヘテロシクリル」に含まれるものは、5〜7員の非芳香族性環であり、その内1〜2個の構成原子は窒素であり、又は5〜7員の非芳香族性環であり、その内0、1又は2個の構成原子は窒素であり、及び最大2個の構成原子は酸素又は硫黄であり、及び少なくとも1個の構成原子は、窒素、酸素又は硫黄のうちのいずれかでなければならない、また環は0〜1個の不飽和結合を任意に含み、又は6〜7員環の場合には、最大2個の不飽和結合を任意に含む。複素環の環を構成する炭素原子環部材は、完全に飽和していても部分的に飽和していてもよい。用語「ヘテロシクリル」は、更に架橋して二環式の環を形成する2個の5員の単環性複素環状アルキル基をも含む。かかる基は、完全に芳香族性とはみなされずヘテロアリール基とは称されない。複素環が二環性の場合、複素環の2つの環は非芳香族性であり、及び少なくとも1つの環は、環の構成原子としてヘテロ原子を含む。複素環基の例は、ピロリニル(2H−ピロール、2−ピロリニル又は3−ピロリニルを含む)、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、及びピペラジニルが挙げられるがこれらに限定されない。特に注記しない限り、ペンダント基は安定な構造をもたらす複素環基の任意のヘテロ原子又は炭素原子とも結合できる。
【0023】
用語「ベンゾ縮合ヘテロシクリル」は、ベンゼン環に縮合した5〜7員の単環式複素環を指す。前記複素環は、炭素原子及びN、O及びSより成る群から独立に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含む。複素環の環を構成する炭素原子の環構成部材は完全に飽和していても部分的に飽和していてもよい。特に注記しない限り、ベンゾ縮合複素環はベンゼン環の炭素原子においてそのペンダント基と結合する。
【0024】
用語「アリール」は、構成原子として6〜10個の炭素原子を含む不飽和の芳香族単環性又は二環性環状化合物を指す。アリール環の例には、フェニル及びナフチルが挙げられる。
【0025】
用語「ヘテロアリール」は、5〜10員環の芳香族単環性又は二環性芳香族環システムであって、炭素原子及びN、O及びSより成る群から独立に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含むものを指す。ヘテロアリールに含まれるものは、5〜6員の芳香族環状化合物であって、環が炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子により構成されるものを含む。好適ヘテロ原子には窒素、酸素、及び硫黄が挙げられる。5員環の場合、ヘテロアリール環は好適には環の構成原子として1個の窒素、酸素又は硫黄を含み、加えるに、最大3個までの窒素を含む。6員環の場合、ヘテロアリール環は好適には1〜3個の窒素原子を含む。6員環が3つの窒素を有する場合、最高2つの窒素原子が隣接する。ヘテロアリールが二環性の場合、少なくとも1個のヘテロ原子がそれぞれの環に存在する。ヘテロアリール基の例には、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル及びピラジニルが挙げられる。特に注記しない限り、ペンダント基は、安定な構造をもたらすヘテロアリールの任意のヘテロ原子又は炭素原子と結合できる。
【0026】
特に注記しない限り、用語「ベンゾ縮合ヘテロアリール」は、ベンゼン環と縮合した5〜6員の単環性ヘテロアリール環を指す。ヘテロアリール環は、炭素原子及びN、O及びSより成る群から独立に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含む。ベンゼン環と任意に縮合したヘテロアリール基の例には、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インダゾイル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びキナゾリニルが挙げられる。特に注記しない限り、ペンダント基は安定な構造をもたらすベンゾ縮合ヘテロアリールの任意のヘテロ原子又は炭素原子とも結合できる。
【0027】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。
【0028】
用語「ホルミル」は−C(=O)H基を指す。
【0029】
用語「オキソ」は、(=O)基を指す。
【0030】
用語「アルキル」若しくは「アリール」又はその接頭辞の語根のいずれかが、置換基(例えば、アリールアルキル、アルキルアミノ)の名称に現れる場合はいつでも、それは「アルキル」及び「アリール」について上述した限定を含むものとして解釈すべきである。指定された炭素原子数(例えば、C1〜C6)は、独立にアルキル部分、アリール部分、又はアルキルが接頭辞の語根として現れるより大きな置換基のアルキル部分の、炭素原子の数を指すべきである。アルキル及びアルコキシ置換基については、指定された炭素原子数は、特定された所与の範囲内での独立した構成成分の全てを含む。例えば、C1〜6アルキルは、個別に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル、並びにこれらの下位の組み合わせ(sub-combinations)(例えば、C1〜2、C1〜3、C1〜4、C1〜5、C2〜6、C3〜6、C4〜6、C5〜6、C2〜5など)を含む。
【0031】
置換基に関連して用いられる用語「独立に」は、2個以上の置換基が可能である場合に、それらの置換基が互いに同一であっても異なってもよいことを指す。
【0032】
特に注記がない限り、分子内の特定の位置におけるいずれの置換基又はその変形物の定義は、同一分子内の他の位置におけるその定義とは独立にいることが意図されている。式(I)の化合物における置換基及び置換様式は、当業者により化学的に安定であり、当技術分野において周知の技術及び同時に本明細書において規定される方法によって容易に合成できる化合物を提供するために選択できることは理解されるべきである。
【0033】
一般に、本開示全体で使用される標準的な命名法の規則の下では、指定される側鎖の末端部が最初に記載され、結合点に向かって隣接する官能基が続く。したがって、例えば「C1〜C6アルキルカルボニル」置換基は下式の基を示す。
【0034】
【化2】

【0035】
立体中心における用語「R」は、その立体中心が純粋に、当技術分野において定義されるR配置であることを指定し、同様に、用語「S」は、純粋にS配置であることを指定する。本明細書で用いるように、立体中心における用語「*R」又は「*S」は、その立体中心が純粋な立体配置であるが、どちらの配置であるか不明であることを指定する。本明細書で用いるように、用語「RS」は、その立体中心がR−及びS−配置の混合物として存在することを意味する。同様に、用語「*RS」又は「*SR」は、R配置及びS配置の混合物として存在し、同一分子内の別の立体中心に比較してその配置が不明である立体中心を指す。
【0036】
1個の立体中心を含む化合物であって、立体化学的結合指定なしで図示されているものは、2つのエナンチオマーの混合物である。2個の立体中心を含む化合物であって、立体化学的結合指定なしで図示されているものは、4つのジアステレオマーの混合物である。「RS」と標識された2個の立体中心を含む化合物であって、立体化学的結合指定と共に図示されているものは、図示されている相対的な立体化学を有する2成分性混合物である。「*RS」と標識された2個の立体中心を含む化合物であって、立体化学的結合指定と共に図示されているものは、未知の相対的な立体化学を有する2成分性混合物である。標識されていない立体中心であって、立体化学的結合指定なしで図示されているものはR−及びS−配置の混合物である。標識されていない立体中心であって、立体化学的結合指定と共に図示されているものは、その絶対的立体化学が図示された通りのものである。
【0037】
明細書、特にスキーム及び実施例で使用される略語は、以下の通りである。
【0038】
【表1】

【0039】
本明細書で使用するとき、用語「被験体」は、処置、観察又は実験の対象である動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトを指す。
【0040】
本明細書で用いるように、用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師、又は他の臨床専門家により探求される組織システム、動物又はヒトにおいて、処置される疾患、症候群、病的状態、若しくは障害の症状の緩和又は部分的緩和を含む生物学的又は薬効的応答を引き出す活性な化合物又は薬学的物質の量を指す。
【0041】
本明細書で用いるように、用語「組成物」は、治療有効量の特定の成分を含む生成物と同様に特定の量の特定の成分の混合物から直接的に又は間接的にもたらされるいかなる生成物をも包含することを意図している。
【0042】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、「処置する」、「処置」、「改善する(ameliorating)」などの用語は、疾患、病状、又は障害への対処を目的とする、被験体又は患者(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)の管理及びケアを包含し、また、症状若しくは合併症の発現の予防、症状若しくは合併症の緩和、又は疾患、病状、若しくは障害の根絶のための、本発明の化合物の投与を包含するものとする。
【0043】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「予防する」及び「予防」は、(a)1つ以上の病状の頻度の低減、(b)1つ以上の病状の重篤度の低下、(c)更なる病状の発現の遅延若しくは回避、及び/又は(d)疾患若しくは病状の発現の遅延若しくは回避を含むものとする。
【0044】
本発明が予防方法を目的とする場合、この方法を必要とする被験体(すなわち、予防を必要とする被験体)が、予防されるべき障害、疾患、若しくは病状のうち少なくとも1つの症状を経験又は示しているいずれの被験体あるいは患者をも包含することを、当業者は理解するであろう。更に、この方法を必要とする被験体は加えて、予防されるべき障害、疾患又は病状のいずれの症状も示していないが、それらの障害、疾患又は病状の発現のリスクがあると、医師、臨床医又は他の医療専門家によって見なされている被験体(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)であってもよい。例えば、限定されるものではないが、家族暦、個体素因、合併(併発)障害又は合併(併発)症状、遺伝子検査などを含めた、被験体の医療履歴の結果として、被験体は障害、疾患又は病状の発現のリスクがあると(またそれゆえ、予防又は予防的処置の必要があると)見なされる場合がある。
【0045】
用語「MGL阻害剤」は、MGLと相互作用してその触媒活性を実質的に低減又は排除し、これによりその基質の濃度を増加させるような化合物を包含することが意図される。用語「MGLモジュレーションされた」は、例えば疼痛、及びそのような疼痛をもたらす疾患、並びに炎症及びCNS障害などの、MGL酵素のモジュレーションによって影響を受ける状態を含む、MGL酵素のモジュレーションによって影響を受ける状態を指すのに使用される。
【0046】
本明細書で使用されるとき、特に注記しない限り、用語「影響する」又は「影響を受ける」は(MGLの阻害によって影響される疾患、症候群、病的状態若しくは障害を指す場合に)、前記疾患、症候群、病的状態若しくは障害の1つ以上の症状又は発現の、頻度及び/若しくは重篤度の低減を意味し、並びに/又は前記疾患、症候群、病的状態若しくは障害の1つ以上の、症状又は発現の進行を予防することを意味し、又は、疾患、症候群、病的状態若しくは障害の進行を予防することを意味する。
【0047】
本明細書で定義される式(I)の化合物は、MGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害の処置、改善及び/又は予防に有用である。そのような方法は、そのような処置、改善、及び/又は予防を必要とする被験体(動物、哺乳類、及びヒトを含む)に、本明細書で定義される式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩の治療有効量を投与することを含み、これらからなり、並びに/又はこれらから本質的になる。特に、式(I)の化合物は、疼痛;そのような疼痛を生じる疾患、症候群、病的状態若しくは障害;炎症及び/若しくはCNS疾患の、処置、改善及び/又は予防に有用である。より具体的には、本明細書で定義される式(I)の化合物は、炎症性の疼痛、炎症性の過敏状態、及び/又は神経障害性の疼痛を処置、改善、及び/又は予防するのに有用であり、これには本明細書で定義される式(I)の化合物の治療有効量を、必要とする被験体に投与することを含んでなる。
【0048】
炎症性疼痛の例は、炎症性腸疾患、内臓疼痛、偏頭痛、術後疼痛、変形性関節炎、関節リウマチ、背痛、腰痛、関節痛、腹痛、胸痛、陣痛、筋骨格疾患、皮膚疾患、歯痛、発熱、火傷、日焼け、蛇咬症、毒蛇咬症、クモの咬傷、虫刺され、過敏膀胱、間質性膀胱炎、尿路感染、鼻炎、接触皮膚炎/過敏症、掻痒、湿疹、咽頭炎、粘膜炎、腸炎、過敏性腸症候群、胆嚢炎、膵臓炎、乳房切除術後疼痛症候群、生理痛、子宮内膜症、身体外傷による疼痛、頭痛、副鼻腔炎による頭痛、緊張性頭痛、若しくはくも膜炎を含む疾患、病的状態、症候群、障害、又は疼痛状態による疼痛を含む。
【0049】
炎症性疼痛のタイプの1つは、炎症性痛覚過敏/過敏症である。炎症性痛覚過敏症の例は、炎症、変形性関節炎、関節リウマチ、背痛、関節痛、腹痛、筋骨格疾患、皮膚疾患、術後疼痛、頭痛、歯痛、火傷、日焼け、虫刺され、過敏膀胱、尿失禁、間質性膀胱炎、尿路感染、咳、喘息、慢性閉塞性肺疾患、鼻炎、接触皮膚炎/過敏症、掻痒、湿疹、咽頭炎、腸炎、過敏性腸症候群、クローン病を含む炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、尿失禁、良性前立腺肥大、咳、喘息、鼻炎、鼻過敏症、掻痒、接触皮膚炎及び/若しくは皮膚アレルギー、並びに慢性閉塞性肺疾患を含む疾患、症候群、病的状態、障害、又は疼痛状態が挙げられる。
【0050】
一実施形態において、本発明は、亢進した内臓興奮性が認められる、炎症性の内臓痛覚過敏症を処置、改善及び/又は予防する方法を目的とし、かかる処置を必要とする被験体に式(I)の化合物、化合物の塩又は化合物の溶媒和物の処置上有効な量を投与する工程を含むか、それからなり、及び/又は本質的にそれからなる。更なる一実施形態において、本発明は、熱的、機械的、及び/又は化学的刺激に対する過敏症が存在する、炎症性体性痛覚過敏の処置のための方法を目的とし、式(I)の化合物又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩の治療有効量を、その炎症性体性痛覚過敏の処置を必要としている哺乳類に投与することを含んでなる。
【0051】
本発明の更なる一実施形態は、神経障害性疼痛の処置、改善及び/又は予防のための方法を目的とする。神経障害性疼痛の例は、がん、神経障害、脊椎及び末梢神経手術、脳腫瘍、外傷性脳傷害(TBI)、脊髄外傷、慢性疼痛症候群、線維筋痛、慢性疲労症候群、狼瘡、サルコイドーシス、末梢神経障害、両側性末梢神経障害、糖尿病性神経障害、中心性疼痛、脊髄損傷に伴う神経障害、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、多発性硬化症、坐骨神経炎、舌咽神経痛、末梢神経炎、多発性神経炎、断端痛、幻肢痛、骨折、口腔神経障害痛、シャルコー疼痛、複合性局所疼痛症候群I及びII(CRPSI/II)、神経根障害、ギラン・バレー症候群、知覚異常性大腿神経痛、口腔内灼熱症候群、視神経炎、発熱後神経炎、移動性神経炎、分節性神経炎、ゴンボール神経炎、神経細胞傷害、頸腕神経痛、頭蓋神経痛、膝神経痛、舌咽神経痛、群発頭痛、特発性神経痛、肋間神経痛、乳房神経痛、モートン神経痛、鼻毛様体神経痛、後頭神経痛、紅神経痛、スルーダー神経痛、スプレノパラチン神経痛、眼窩上神経痛、外陰部痛、又はビディアン神経痛を含む疾患、症候群、病的状態、障害、又は疼痛状態による疼痛を含む。
【0052】
神経障害性疼痛の1つの種類は、神経障害性寒冷異痛症であり、寒冷刺激に対する過敏症が認められる、神経障害に伴う異痛症状態の存在により特徴付けることができる。神経障害性寒冷異痛症の例としては、神経障害性疼痛(神経痛)、脊髄及び末梢神経の手術又は外傷により生じる疼痛、外傷性脳傷害(TBI)、三叉神経痛、ヘルペス後神経痛、灼熱痛、末梢神経障害、糖尿病性神経障害、中心性疼痛、脳卒中、末梢神経炎、多発性神経炎、複合性局所疼痛症候群I及びII(CRPSI/II)及び神経根障害を含む疾患、症候群、病的状態、障害、又は疼痛状態による異痛症が挙げられる。
【0053】
更なる一実施形態において、本発明は、冷刺激に対する過敏症がある神経障害性寒冷異痛症の処置、改善及び/又は予防のための方法を目的とし、これには、本明細書で定義される式(I)の化合物又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩の治療有効量を、そのような処置を必要としている被験体に投与する工程を含むか、それからなり、及び/又は本質的にそれからなる。
【0054】
更なる一実施形態において、本発明はCNS疾患の処置、改善及び/又は予防のための方法を目的とする。CNS疾患の例としては、不安(例えば社会的不安、心的外傷後ストレス障害、恐怖症、社会恐怖症、特殊恐怖症、パニック障害、強迫性障害、急性ストレス障害、分離不安障害、及び全般性不安障害)、並びに抑うつ(例えば大うつ病、双極性障害、季節性情動障害、産後うつ、躁うつ病、及び双極性うつ病)が挙げられる。
【0055】
本発明は、以下の式(I)の化合物:
【0056】
【化3】

又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、これらについては本明細書で詳しく記述され、式(I)の化合物は、MGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害の、処置、改善、及び/又は予防のために有用である。
【0057】
一実施形態において、本発明は下記表1〜2に列記されている代表的な化合物から選択される任意の単独化合物若しくは化合物のサブセット、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とする。本発明の追加の実施形態には、本明細書で定義される式(I)の化合物又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩が含まれ、本明細書で定義される1つ以上の変数(例えばY、r、R2、Zなど)について選択される置換基は、本明細書に定義される完全なリストから選択される、任意の個々の置換基又は置換基の任意のサブセットとなるよう独立に選択される。本発明の追加の実施形態には、本明細書で定義される式(I)の化合物又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩が含まれ、本明細書で定義される1つ以上の変数(例えばY、r、R2、Zなど)について選択される置換基は、下記表1〜2のリストにおけるこれらの例示からの、任意の個々の置換基又は置換基の任意のサブセットとなるよう独立に選択される。
【0058】
本発明の、本明細書で定義される式(I)の代表的な化合物は、下記表1及び2に列記される通りである。
【0059】
【表2−1】

【0060】
【表2−2】

【0061】
【表2−3】

【0062】
【表2−4】

【0063】
【表3−1】

【0064】
【表3−2】

【0065】
一実施形態において、本発明は、本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、ここにおいてrは1である。別の実施形態において、本発明は、本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、rは2である。
【0066】
一実施形態において、本発明は、本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、R2はない。別の一実施形態において、本発明は、本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、R2はオキソである。
【0067】
一実施形態において、本発明は本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Yはフェニル、ピリジル、ピリミジル、1,3,5−トリアジニル、チアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル及びベンゾチアゾリルからなる群から選択され;フェニル、ピリジル、ピリミジル、1,3,5−トリアジニル、チアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリルは所望により、シアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜4アルキル、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ及びニトロからなる群から選択される置換基で置換されている。
【0068】
別の一実施形態において、本発明は本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Yはフェニル、ピリジル、ピリミジル、1,3,5−トリアジニル、チアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル及びベンゾチアゾリルからなる群から選択され;フェニル、ピリジル、ピリミジル、1,3,5−トリアジニル、チアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリルは所望により、シアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜2アルキル、トリフルオロメチル、C1〜2アルコキシ、C1〜2アルキルチオ及びニトロからなる群から選択される置換基で置換されている。
【0069】
別の一実施形態において、本発明は本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Yはフェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メチルチオ−フェニル、2−ニトロ−フェニルピリド−2−イル、3−シアノ−ピリド−2−イル、5−シアノ−ピリド−2−イル、5−ブロモ−ピリド−2−イル、3−クロロ−ピリド−2−イル、5−クロロ−ピリド−2−イル、3−ヨード−ピリド−2−イル、3−メチル−ピリド−2−イル、4−メチル−ピリド−2−イル、3−トリフルオロメチル−ピリド−2−イル、ピリミジン−2−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、ベンゾオキサゾル−2−イル、ベンゾイソキサゾル−3−イル、チアゾル−2−イル、5−トリフルオロメチル−[1,3,4]−チアジアゾル−2−イル及びベンゾチアゾル−2−イルからなる群から選択される。
【0070】
別の一実施形態において、本発明は本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Yは、ピリド−2−イル、3−シアノ−ピリド−2−イル、5−シアノ−ピリド−2−イル、5−ブロモ−ピリド−2−イル、3−クロロ−ピリド−2−イル、5−クロロ−ピリド−2−イル、3−ヨード−ピリド−2−イル、3−メチル−ピリド−2−イル、4−メチル−ピリド−2−イル、3−トリフルオロメチル−ピリド−2−イル、ピリミジン−2−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、ベンゾオキサゾル−2−イル、ベンズイソキサゾル−3−イル、チアゾル−2−イル、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル及びベンゾチアゾル−2−イルからなる群から選択される。別の一実施形態において、本発明は本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Yはフェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メチルチオ−フェニル及び2−ニトロ−フェニルからなる群から選択される。
【0071】
別の一実施形態において、本発明は本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Yはピリド−2−イル−、3−シアノ−ピリド−2−イル、5−クロロ−ピリド−2−イル、ピリミジン−2−イル、チアゾル−2−イル、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル及びベンズイソキサゾル−2−イルからなる群から選択される。別の一実施形態において、本発明は式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Yはピリド−2−イル、3−シアノ−ピリド−2−イル、ピリミジン−2−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、チアゾル−2−イル、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル及びベンズイソキサゾル−3−イルからなる群から選択される。別の一実施形態において、本発明は式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Yはピリド−2−イル、3−シアノ−ピリド−2−イル、ピリミジン−2−イル及びチアゾル−2−イルからなる群から選択される。別の一実施形態において、本発明は本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Yはピリド−2−イル、ピリミジン−2−イル、チアゾル−2−イル及びベンズイソキサゾル−2−イルからなる群から選択される。
【0072】
別の一実施形態において、本発明は本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Zは次のものからなる群から選択される:
(a)NRabで置換されたフェニル;Raは水素又はC1〜4アルキル;及びRbはC1〜4アルキル、シクロアルキル、フェニル、フラニルメチル、又はフェニル(C1〜2アルキル);Rbのフェニル、Rbのフェニル(C1〜2アルキル)のフェニル、又はRbのフラニルメチルのフラニルは、所望により1つのヨード置換基で置換され;あるいは、Ra及びRbは窒素原子で共に結合して5〜6員環ヘテロシクリルを形成し、このヘテロシクリルは所望によりベンゾ基に縮合されている;
(b)ビフェニル−3−イル又はビフェニル−4−イル;末端(terminal terminal)フェニル環は所望により、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、クロロ、ジクロロ、フルオロ、及びヨードからなる群から選択される置換基で置換されている;
(c)C5〜8シクロアルキル、−NHC(=O)シクロヘキシル、フェニルオキシ、フェニルカルボニル、フェニル(C1〜3)アルコキシ、ベンジル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソインドル−2−イル−1,3−ジオン、2,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル;1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イロキシ、及び1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルからなる群から選択される置換基で置換されているフェニル;
(d)C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、ヨード、クロロ及びニトロからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されているフェニル;
(e)フェニル(C1〜2)アルキル−;式中、フェニルは所望により、ヨード、フルオロ、C1〜6アルキル、フェニル、及びNRcdからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており;Rcは水素又はC1〜4アルキルであり;RdはC1〜4アルキル又はC3〜6シクロアルキル(C1〜4)アルキルであり;並びにフェニル(C1〜2)アルキルのC1〜2アルキルは所望によりフェニルで置換されている;
(f)フェニル(C2〜4)アルケニル−;式中、フェニルは所望により、トリフルオロメチルチオ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、フェニル、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で置換されている;
(g)ナフチル;ナフチルは所望により、1つのC1〜4アルコキシ置換基で置換されている;
(h)フルオレニル又はキサンテニル;フルオレニル又はキサンテニルは所望によりオキソで置換されている;
(i)C5〜6シクロアルキル(cyclalkyl);式中、C5〜6シクロアルキルは所望により1つのC1〜5アルキル置換基で置換されている;
(j)ベンゾ縮合C5〜6シクロアルキル又はベンゾ縮合C5〜6シクロアルキル(C1〜4)アルキル;式中、C5〜6シクロアルキル部分は所望により、1〜4個のメチル置換基で置換されている;
(k)ビシクロ[2.2.2]オクチル−1−イル;式中、ビシクロ[2.2.2]オクチル−1−イルは所望によりC1〜6アルキルで置換されている;
(l)ベンゾオキサゾリル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ピリジニル、インドリル、チエニル、フラニル、ピラゾリル、オキサゾリル、ベンゾチエニル、及びベンゾフラニルからなる群から選択される、ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリール;ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリールは所望により、C5〜6シクロアルキル、C1〜4アルキル、フェニル、トリフルオロメチル、フェニル(C1〜2)アルコキシ、ジクロロフェノキシ、及びフェニル−エチニルからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており;ヘテロアリールのフェニル置換基は更に所望により、メチル、メトキシ、又はトリフルオロメチルから選択される置換基で置換されている;
(m)1,5−ジフェニル−1H−ピラゾル−3−イル;式中、ピラゾル−3−イルは所望によりメチル置換基で置換されており;及び1,5−ジフェニル置換基のフェニル基それぞれは、所望により、クロロ、ジクロロ又はアミノスルホニルから選択される置換基で置換されている;
(n)1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル;式中、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルは所望により、フェニル又はトリフルオロメチル置換されたフェニルで置換されている;並びに
(o)ベンゾ縮合ヘテロシクリル(C2〜4)アルケニル;式中、ベンゾ縮合ヘテロシクリルはベンゾ環を介してC2〜4アルケニルに結合しており;及びベンゾ縮合ヘテロシクリルは所望によりC5〜6シクロアルキルで置換されている。
【0073】
別の一実施形態において、本発明は式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Zは次のものからなる群から選択される:
(a)NRabで置換されたフェニル;Raは水素又はC1〜4アルキル;及びRbはC1〜4アルキル、シクロアルキル、フェニル、フラニルメチル、又はベンジル;及びRbのフェニル又はベンジル、あるいはRbのフラニルメチルのフラニルは、所望により、1つのヨード置換基で置換され;あるいは、Ra及びRbは窒素原子で共に結合して1−ピロリジニル又は1−アゼパニルを形成する;
(b)ビフェニル−3−イル又はビフェニル−4−イル;末端フェニル環は所望により、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、クロロ、ジクロロ、フルオロ、及びヨードからなる群から選択される置換基で置換されている;
(c)シクロヘキシル、−NHC(=O)シクロヘキシル、フェニルオキシ、フェニルカルボニル、ベンジロキシ、ベンジル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソインドル−2−イル−1,3−ジオン、2,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル;1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イロキシ、及び1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルからなる群から選択される置換基で置換されているフェニル;
(d)C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、ヨード、クロロ及びニトロからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されているフェニル;
(e)フェニル(C1〜2)アルキル−;式中、フェニルは所望により、ヨード、フルオロ、C1〜6アルキル、フェニル、及びNRcdからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており;Rcは水素又はC1〜4アルキルであり;RdはC1〜4アルキル又はC3〜6シクロアルキル(C1〜4)アルキルであり;並びにフェニル(C1〜2)アルキルのC1〜2アルキルは所望によりフェニルで置換されている;
(f)フェニル(C2〜4)アルケニル−;式中、フェニルは所望により、トリフルオロメチルチオ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で置換されている;
(g)ナフチル;ナフチルは所望により、1つのC1〜4アルコキシ置換基で置換されている;
(h)フルオレニル又はキサンテニル;フルオレニル又はキサンテニルは所望によりオキソで置換されている;
(i)シクロヘキシル;シクロヘキシルは所望により、1つのC1〜6アルキル置換基で置換されている;
(j)ベンゾ縮合C5〜6シクロアルキル又はベンゾ縮合C5〜6シクロアルキル(C1〜4)アルキル;C5〜6シクロアルキル部分は所望により、1〜4個のメチル置換基で置換されている;
(k)ビシクロ[2.2.2]オクチル−1−イル;式中、ビシクロ[2.2.2]オクチル−1−イルは所望によりC1〜6アルキルで置換されている;
(l)ベンゾオキサゾリル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ピリジニル、インドリル、チエニル、フラニル、ピラゾリル、オキサゾリル、ベンゾチエニル、及びベンゾフラニルからなる群から選択される、ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリール;ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリールは所望により、シクロヘキシル、C1〜4アルキル、フェニル、トリフルオロメチル、ベンジロキシ、ジクロロフェノキシ、及びフェニル−エチニルからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており;ヘテロアリールのフェニル置換基は更に所望により、メチル、メトキシ、又はトリフルオロメチルから選択される置換基で置換されている;
(m)1,5−ジフェニル−1H−ピラゾル−3−イル;式中、ピラゾル−3−イルは所望によりメチル置換基で置換されており;及び1,5−ジフェニル置換基のフェニル基それぞれは、所望により、クロロ、ジクロロ又はアミノスルホニルから選択される置換基で置換されている;
(n)1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル;式中、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルは所望により、フェニル又はトリフルオロメチル置換されたフェニルで置換されている;並びに
(o)ベンゾ縮合ヘテロシクリル(C2〜4)アルケニル;式中、ベンゾ縮合ヘテロシクリルはベンゾ環を介してC2〜4アルケニルに結合しており;及びベンゾ縮合ヘテロシクリルは所望によりシクロヘキシルで置換されている。
【0074】
別の一実施形態において、本発明は本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Zは次のものからなる群から選択される:4−(N−メチル−N−シクロヘキシル−アミノ)−フェニル、4−(ピロリジン−1−イル)−フェニル、4−(1−アゼパニル)−フェニル、4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−フェニル、4−(4−メトキシフェニル)−フェニル、4−シクロヘキシル−フェニル、4−(N−(2−ヨードベンジル)−アミノ)−フェニル、4−(2−クロロフェニル)−フェニル、4−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−フェニル、ビフェン−4−イル、4−(N−メチル−N−フェニル−アミノ)−フェニル、4−(4−ヨードフェニル)−フェニル、4−フェニルオキシ−フェニル、4−(N−(5−ヨード−フラン−2−イルメチル)アミノ)−フェニル、4−ベンジル−フェニル、4−(ピロル−1−イル)−フェニル、4−(3−フルオロフェニル)−フェニル、4−(N−シクロヘキシルカルボニル−アミノ)−フェニル、4−ジメチルアミノ−フェニル、4−ブチル−フェニル、4−ジエチルアミノ−フェニル、3−ヨード−4−メトキシ−フェニル、3−ヨード−4−クロロ−フェニル、4−(1,1−ジメチル−プロピル)−フェニル、4−(ピラゾル−1−イル)−フェニル、3−(フェニルオキシ)−フェニル、3−ヨード−4−メチル−フェニル、3−メチル−4−ヨード−フェニル、3−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−ヨードフェニル、2−(ベンジロキシ)−フェニル、ビフェン−3−イル、4−(イミダゾル−1−イル)−フェニル、4−(フェニルカルボニル)−フェニル、2−(イソインドリル−1,3−ジオン)−フェニル、3−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドル−2−イル)−フェニル、3−(フェニルカルボニル)−フェニル、4−ニトロフェニル、4−ベンジロキシ−フェニル、4−(1−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)−フェニル、4−(1−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)オキシ)−フェニル、1,1,4,4,テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−6−イル、6−メトキシ−ナフト−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−2−イル、2−(9−オキソ−フルオレニル)、フルオレン−2−イル、4−(N−メチル−N−シクロヘキシルメチル−アミノ)−フェニルエチル、4−ヨード−フェニルエチル、4−(t−ブチル)−フェニルエチル、3−ヨード−フェニルエチル、
【0075】
【化4】

4−(トリフルオロメチル−チオ)−フェニル−エテニル、4−イソプロピル−フェニル−エテニル、3−トリフルオロメチル−フェニル−エテニル、3−エトキシ−フェニル−エテニル、4−(n−ペンチル)−シクロヘキシル、4−(t−ブチル)−シクロヘキシル、4−ペンチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル、2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イル、2−メチル−3−フェニル−ベンズイミダゾル−6−イル、1−イソプロピル−2−トリフルオロメチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−シクロヘキシル−2−メチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−プロピル−インドル−5−イル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(4−クロロフェニル)−ピラゾル−3−イル、2−フェニル−ベンズイミダゾル−5−イル、4−フェニル−5−トリフルオロメチル−チエン−2−イル、5−ベンジロキシ−インドル−2−イル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−ピラゾル−3−イル、1,5−ジフェニル−ピラゾル−3−イル、1−(4−アミノスルホニル−フェニル)−5−(4−クロロフェニル)−ピラゾル−3−イル、5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−フラン−2−イル)、5−(4−メチルフェニル)−フラン−2−イル、5−(4−メトキシフェニル)−フラン−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル、5−フェニル−フラン−2−イル、1−フェニル−ピラゾル−4−イル、2−フェニル−5−トリフルオロメチル−オキサゾル−4−イル、キノリン−6−イル、キノリン−2−イル、3−メチル−ベンゾフラン−2−イル、5−ブチル−ピリド−2−イル、4−ベンジロキシ−インドル−2−イル、インドル−5−イル、5−(フェニルエチニル)−フラン−2−イル、5−(3,5−ジクロロフェニロキシ)−フラン−2−イル、キサンテン−3−イル−9−オン、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル、1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル、1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル、(1−シクロヘキシル−インドリン−5−イル)−エテニル−及び6−トリフルオロメチル−ベンゾ[b]チエン−2−イル。
【0076】
別の一実施形態において、本発明は、式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Zは次のものからなる群から選択される:4−(N−メチル−N−シクロヘキシル−アミノ)−フェニル、4−(ピロリジン−1−イル)−フェニル、4−(1−アゼパニル)−フェニル、4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−フェニル、4−(4−メトキシフェニル)−フェニル、4−シクロヘキシル−フェニル、4−(N−(2−ヨードベンジル)−アミノ)−フェニル、4−(2−クロロフェニル)−フェニル、4−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−フェニル、ビフェン−4−イル、4−(N−メチル−N−フェニル−アミノ)−フェニル、4−(4−ヨードフェニル)−フェニル、4−フェニルオキシ−フェニル、4−(N−(5−ヨード−フラン−2−イルメチル)アミノ)−フェニル、4−ベンジル−フェニル、4−(ピロル−1−イル)−フェニル、4−(3−フルオロフェニル)−フェニル、4−(N−シクロヘキシルカルボニル−アミノ)−フェニル、4−ジメチルアミノ−フェニル、4−ブチル−フェニル、4−ジエチルアミノ−フェニル、3−ヨード−4−メトキシ−フェニル、3−ヨード−4−クロロ−フェニル、4−(1,1−ジメチル−プロピル)−フェニル、4−(ピラゾル−1−イル)−フェニル、3−(フェニルオキシ)−フェニル、3−ヨード−4−メチル−フェニル、3−メチル−4−ヨード−フェニル、3−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−ヨードフェニル、2−(ベンジロキシ)−フェニル、4−ベンジロキシ−フェニル、4−(1−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)−フェニル、4−(1−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)オキシ)−フェニル、1,1,4,4,テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−6−イル−エチル、6−メトキシ−ナフト−2−イル、2−(9−オキソ−フルオレニル)、4−(N−メチル−N−シクロヘキシルメチル−アミノ)−フェニルエチル、4−ヨード−フェニルエチル、4−(t−ブチル)−フェニルエチル、4−(トリフルオロメチル−チオ)−フェニル−エテニル、4−(n−ペンチル)−シクロヘキシル、2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イル、2−メチル−3−フェニル−ベンズイミダゾル−6−イル、1−イソプロピル−2−トリフルオロメチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−シクロヘキシル−2−メチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−プロピル−インドル−5−イル、2−フェニル−ベンズイミダゾル−5−イル、4−フェニル−5−トリフルオロメチル−チエン−2−イル、キサンテン−3−イル−9−オン、1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(4−クロロフェニル)−ピラゾル−3−イル及び6−トリフルオロメチル−ベンゾ[b]チエン−2−イル。
【0077】
別の一実施形態において、本発明は、式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Zは次のものからなる群から選択される:4−(N−メチル−N−シクロヘキシル−アミノ)−フェニル、4−(ピロリジン−1−イル)−フェニル、4−(1−アゼパニル)−フェニル、4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−フェニル、4−(4−メトキシフェニル)−フェニル、4−シクロヘキシル−フェニル、4−(N−(2−ヨードベンジル)−アミノ)−フェニル、4−(2−クロロフェニル)−フェニル、4−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−フェニル、ビフェン−4−イル、4−(N−メチル−N−フェニル−アミノ)−フェニル、4−(4−ヨードフェニル)−フェニル、4−フェニルオキシ−フェニル、4−(N−(5−ヨード−フラン−2−イルメチル)アミノ)−フェニル、4−ベンジル−フェニル、4−(ピロル−1−イル)−フェニル、4−(3−フルオロフェニル)−フェニル、4−(N−シクロヘキシルカルボニル−アミノ)−フェニル、4−ジメチルアミノ−フェニル、4−ジエチルアミノ−フェニル、4−ベンジロキシ−フェニル、2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イル、2−メチル−3−フェニル−ベンズイミダゾル−6−イル、1−イソプロピル−2−トリフルオロメチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−シクロヘキシル−2−メチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−プロピル−インドル−5−イル及び6−トリフルオロメチル−ベンゾ[b]チエン−2−イル。
【0078】
別の実施形態において、本発明は、本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、
Zは次のものからなる群から選択される:4−(N−メチル−N−シクロヘキシル−アミノ)−フェニル、4−(ピロリジン−1−イル)−フェニル、4−(1−アゼパニル)−フェニル、4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−フェニル、4−(4−メトキシフェニル)−フェニル、4−(2−クロロフェニル)−フェニル、4−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−フェニル、ビフェン−4−イル、4−(N−メチル−N−フェニル−アミノ)−フェニル、4−フェニルオキシ−フェニル、4−シクロヘキシル−フェニル、4−ベンジル−フェニル、4−(ピロル−1−イル)−フェニル、4−(3−フルオロフェニル)−フェニル、4−(N−シクロヘキシルカルボニル−アミノ)−フェニル、4−ジメチルアミノ−フェニル、4−ブチル−フェニル、4−ジエチルアミノ−フェニル、3−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−ベンジロキシ−フェニル、4−(1−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)−フェニル、1,1,4,4,テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−6−イル−エチル、4−(N−メチル−N−シクロヘキシルメチル−アミノ)−フェニルエチル、4−(トリフルオロメチル−チオ)−フェニル−エテニル、2−メチル−3−フェニル−ベンズイミダゾル−6−イル、1−イソプロピル−2−トリフルオロメチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−シクロヘキシル−2−メチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−プロピル−インドル−5−イル及び1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(4−クロロフェニル)−ピラゾル−3−イル。
【0079】
別の実施形態において、本発明は、本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、Zは次のものからなる群から選択される:4−シクロヘキシル−フェニル、ビフェン−4−イル、4−(N−シクロヘキシルカルボニル−アミノ)−フェニル、4−ベンジルフェニル、4−ジエチルアミノフェニル、3−ヨード−4−メトキシ−フェニル、3−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−(3−フルオロフェニル)−フェニル、4−(N−メチル−N−シクロヘキシルメチル−アミノ)フェニル、9−オキソ−フルオレン−2−イル及び2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イル。
【0080】
更なる実施形態において、本発明は、本明細書に定義される式(I)の1つ以上の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩を目的とし、rは1〜2の整数であり;R2はなく;Yは本明細書で後述する(Y−a)〜(Y−b)の群から選択され;及び/又はZは本明細書で後述する(Z−a)〜(Z−f)の群から選択され;ただし本明細書に定義される式(I)の化合物が下記のもの以外であることを条件とする:
化合物#200:Yが3−メチルピリジン−2−イル、Zが4−ビフェニル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#201:Yがピリジン−2−イル、Zが2−(フェニルカルボニル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#202:Yが5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、Zが4−シクロヘキシル−フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#203:Yがピリジン−2−イル、Zが3−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#204:Yが5−シアノピリジン−2−イル、Zが4−ビフェニル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#205:Yが5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、Zが4−ビフェニル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#206:Yがピリミジン−2−イル、Zが2−(4−トリフルオロメチルチオフェニル)−ビニル、rが2、及びR2がない化合物;
化合物#207:Yがピリジン−2−イル、Zが2−フェニル−ビニル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#208:Yがピリジン−2−イル、Zが2−フェニルエチル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#209:Yがピリジン−2−イル、Zが2−t−ブチル−ベンゾオキサゾル−6−イル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#210:Yがピリジン−2−イル、Zが2−(4−メトキシフェニル)−ベンゾオキサゾル−7−イル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#211:Yがピリジン−2−イル、Zが2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#212:Yがピリジン−2−イル、Zが1,2−ジイソブチル−1H−インドル−5−イル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#213:Yがピリジン−2−イル、Zが1−メチル−2−プロピル−1H−インドル−5−イル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#214:Yがピリジン−2−イル、Zが1−イソブチル−2−フェニル−1H−インドル−5−イル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#215:Yがピリジン−2−イル、Zが1−イソブチル−2−(4−メチルフェニル)−1H−インドル−5−イル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#216:Yがピリジン−2−イル、Zが2−(3−メトキシフェニル)−ベンゾオキサゾル−5−イル、rが1、及びR2がない化合物;
化合物#217:Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−ベンジルフェニルである化合物;
化合物#218:Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルである化合物;
化合物#219:Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1S)−1−[4−(2−メチルプロピル)フェニル]エチルである化合物;
化合物#220:Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1S)−1−(2−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)エチルである化合物;
化合物#221:Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルである化合物;
化合物#222:Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2,2−ジフェニルエチルである化合物;又は
化合物#223:Yが3−トリフルオロメチルフェニル、rが1、及びR2がなく、Zが1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−イルである化合物。
【0081】
本明細書で使用されるとき、(Y−a)は、Yがチアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、1,3,5−トリアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]イソキサゾリル、及び1,3,4−チアジアゾリルからなる群から選択されるヘテロアリールであり;及びYは、所望により、シアノ、トリフルオロメチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、及びC1〜4アルキルからなる群から選択される1つの置換基で置換されていることを意味する。
【0082】
本明細書で使用されるとき、(Y−b)は、Yがチアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、1,3,5−トリアジニル、ベンゾ[d]イソキサゾリル、及び1,3,4−チアジアゾリルからなる群から選択されるヘテロアリールであり;及びYは所望によりシアノ、トリフルオロメチル、クロロ、ブロモ、ヨード、及びC1〜4アルキルからなる群から選択される1つの置換基で置換されていることを意味する。
【0083】
本明細書で使用されるとき、(Z−a)は、Zが次のものからなる群から選択されていることを意味する:
(a)NRabで置換されたフェニル;Raは水素又はC1〜4アルキル;及びRbはC1〜4アルキル、シクロアルキル、又はフェニル;及びRbのフェニルは、所望により、1つのヨード置換基で置換され;あるいは、Ra及びRbは窒素原子で共に結合して5〜8員環ヘテロシクリルを形成している;
(b)ビフェニル−3−イル又はビフェニル−4−イル;式中、ビフェニル−3−イル及びビフェニル−4−イルの、式(I)のカルボニルに結合している内側フェニル環は、所望により1つのフルオロ置換基で置換され;及びこのビフェニル−3−イル及びビフェニル−4−イルの末端フェニル環は、所望により、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、クロロ、ジクロロ、フルオロ、及びヨードからなる群から選択される1つの置換基で置換されている;
(c)シクロヘキシル、フェニルオキシ、フェニル(C1〜3)アルコキシ、ベンジル、ピロリル、ピラゾリル、1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イロキシ、及び1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニル;
(d)フェニル;フェニルは、所望により、C1〜4アルコキシ、ヨード、C1〜6アルキル、及びクロロからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されている;
(e)フェニル(C1〜2)アルキル;式中、フェニルは、所望により、ヨード、C1〜6アルキル、及びNRcdからなる群から選択される1つの置換基で置換され;並びに、Rcは、水素又はC1〜4アルキル、及びRdはC1〜4アルキル又はシクロヘキシル(C1〜4)アルキルである;
(f)フェニル(C2〜4)アルケニル;式中、フェニルは所望により、1つのトリフルオロメチルチオ、C1〜4アルキル、又はフェニル置換基で置換されている;
(g)ナフチル;ナフチルは所望により、1つのC1〜4アルコキシ置換基で置換されている;
(h)シクロヘキシル;式中、シクロヘキシルは所望により、1つのC1〜6アルキル置換基で置換されている;
(i)ベンゾ縮合シクロヘキシル(C1〜4)アルキル;式中、シクロヘキシル部分は所望により、1〜4個のメチル置換基で置換されている;
(j)ベンゾ縮合ヘテロシクリル(C2〜4)アルケニル;式中、ベンゾ縮合ヘテロシクリルはベンゾ環を介してC2〜4アルケニルに結合しており;及びベンゾ縮合ヘテロシクリルは所望によりC3〜6シクロアルキルで置換されている;
(k)ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリジニル、インドリル、及びチエニルからなる群から選択されるヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリール;ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリールは、所望により、シクロヘキシル、C1〜4アルキル、フェニル、トリフルオロメチル、フェニル(C1〜4)アルコキシ、及びフェニル−エチニルからなる群から選択される1〜2個の置換基で独立に置換されている;又は
(l)1,5−ジフェニル−1H−ピラゾル−3−イル;式中、ピラゾル−3−イル部分は所望により1つのメチル置換基で置換され;並びに、1,5−フェニル置換基は、それぞれ所望により、1〜2個のクロロ置換基又はアミノスルホニルで独立に置換されている。
【0084】
本明細書で使用されるとき、(Z−b)は、Zが次のものからなる群から選択されていることを意味する:
(a)NRabで置換されたフェニル;Raは水素又はC1〜4アルキル;及びRbはC1〜4アルキル、シクロアルキル、又はフェニル;及び、Rbのフェニルは所望により1つのヨード置換基で置換され;あるいは、Ra及びRbは窒素原子で共に結合して5〜8員環ヘテロシクリルを形成している;
(b)ビフェニル−3−イル又はビフェニル−4−イル;式中、ビフェニル−3−イル及びビフェニル−4−イルの、式(I)のカルボニルに結合している内側フェニル環は、所望により、1つのフルオロ置換基で置換され;及び、ビフェニル−3−イル及びビフェニル−4−イルの末端フェニル環は、所望により、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、クロロ、ジクロロ、フルオロ、及びヨードからなる群から選択される1つの置換基で置換されている;
(c)シクロヘキシル、フェニルオキシ、フェニル(C1〜3)アルコキシ、3−又は4−フェニルメチル、及びピロリルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニル;
(d)アルコキシ、ヨード、及びC1〜6アルキルからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されているフェニル;
(e)フェニル(C1〜2)アルキル;式中、フェニルは、所望により、NRcdで置換され;Rcは、水素又はC1〜4アルキル、及びRdはC1〜4アルキル又はシクロアルキル(C1〜4)アルキルである;
(f)2−フェニル−ビニル;フェニルは、所望により、トリフルオロメチルチオで置換されている;
(g)ベンゾ縮合シクロヘキシル(C1〜4)アルキル;式中、シクロヘキシルは、所望により、1〜4個のメチル置換基で置換されている;
(h)ベンゾオキサゾリル及びインドリルからなる群から選択されるヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリール;ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリールは、所望により、シクロヘキシル、C1〜4アルキル、フェニル、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される1つの置換基で置換されている;又は
(i)1,5−ジフェニル−1H−ピラゾル−3−イル;式中、ピラゾル−3−イル部分は、所望により、1つのメチル置換基で置換され;並びに1,5−フェニル置換基は、それぞれ所望により、1〜2個のクロロ置換基又はアミノスルホニルで独立に置換されている。
【0085】
本明細書で使用されるとき、(Z−c)は、Zが次のものからなる群から選択されていることを意味する:
(a)NRabで置換されたフェニル;Raは、水素又はC1〜4アルキル;及びRbはC1〜4アルキル、シクロアルキル、又はフェニル;及びRbのフェニルは所望により1つのヨード置換基で置換され、Ra及びRbは窒素原子で共に結合して5〜8員環ヘテロシクリルを形成している;
(b)ビフェニル−3−イル又はビフェニル−4−イル;式中、ビフェニル−3−イル及びビフェニル−4−イルの、式(I)のカルボニルに結合している内側フェニル環は、所望により1つのフルオロ置換基で置換され;並びに、ビフェニル−3−イル及びビフェニル−4−イルの末端フェニル環は、所望により、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、クロロ、ジクロロ、フルオロ、及びヨードからなる群から選択される1つの置換基で置換されている;
(c)シクロヘキシル、フェニルオキシ、フェニル(C1〜3)アルコキシ、3−又は4−フェニルメチル、及びピロリルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニル;
(d)アルコキシ、ヨード、及びC1〜6アルキルからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されているフェニル;
(e)フェニル(C1〜2)アルキル;式中、フェニルは、所望により、NRcdで置換され;Rcは水素又はC1〜4アルキル、及びRdはC1〜4アルキル又はシクロアルキル(C1〜4)アルキルである;又は
(f)2−フェニル−ビニル;式中、フェニルは、所望により、トリフルオロメチルチオで置換されている;
(g)ベンゾ縮合シクロヘキシル(C1〜4)アルキル;式中、シクロヘキシルは、所望により、1〜4個のメチル置換基で置換されている;又は
(h)ベンゾオキサゾリル及びインドリルからなる群から選択されるヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリール;ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリールは、所望により、シクロヘキシル、C1〜4アルキル、フェニル、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される1つの置換基で置換されている。
【0086】
本明細書で使用されるとき、(Z−d)は、Zが次のものからなる群から選択されていることを意味する:
(a)NRabで置換されたフェニル;式中、Raは、水素又はC1〜4アルキル;及びRbはC1〜4アルキル、シクロアルキル、又はフェニル;及びRbのフェニルは所望により1つのヨード置換基で置換され、Ra及びRbは窒素原子で共に結合して5〜8員環ヘテロシクリルを形成している;
(b)ビフェニル−3−イル又はビフェニル−4−イル;式中、ビフェニル−3−イル及びビフェニル−4−イルの、式(I)のカルボニルに結合している内側フェニル環は、所望により1つのフルオロ置換基で置換され;及びビフェニル−3−イル及びビフェニル−4−イルの末端フェニル環は、所望により、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、クロロ、ジクロロ、フルオロ、及びヨードからなる群から選択される1つの置換基で置換されている;
(c)シクロヘキシル、フェニルオキシ、フェニル(C1〜3)アルコキシ、3−フェニルメチル、4−フェニルメチル、ピロリル、ピラゾリル、1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イロキシ、及び1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニル;
(d)アルコキシ、ヨード、C1〜6アルキル、及びクロロからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されているフェニル;
(e)フェニル(C1〜2)アルキル;式中、フェニルは、所望により、ヨード、C1〜6アルキル、及びNRcdからなる群から選択される1つの置換基で置換され;並びに、Rcは水素又はC1〜4アルキル、及びRdはC1〜4アルキル又はシクロヘキシル(C1〜4)アルキルである;
(f)フェニル(C2〜4)アルケニル;式中、フェニルは、所望により、1つのトリフルオロメチルチオ、C1〜4アルキル、又はフェニル置換基で置換されている;
(g)所望により1つのC1〜4アルコキシ置換基で置換されているナフチル;
(h)所望により1つのC1〜6アルキルで置換されているシクロヘキシル;
(i)ベンゾ縮合シクロヘキシル(C1〜4)アルキル;式中、シクロヘキシルは、所望により、1〜4個のメチル置換基で置換されている;
(j)ベンゾ縮合ヘテロシクリル(C2〜4)アルケニル;式中、ベンゾ縮合ヘテロシクリルは、ベンゾ環を介してC2〜4アルケニルに結合しており;及び、ベンゾ縮合ヘテロシクリルは、所望により、C3〜6シクロアルキルで置換されている;
(k)ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリジニル、インドリル、及びチエニルからなる群から選択されるヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリール;ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリールは、所望により、シクロヘキシル、C1〜4アルキル、フェニル、トリフルオロメチル、フェニル(C1〜4)アルコキシ、及びフェニル−エチニルからなる群から選択される1〜2個の置換基で独立に置換されている;又は
(l)1,5−ジフェニル−1H−ピラゾル−3−イル;式中、ピラゾル−3−イル部分は、所望により、1つのメチル置換基で置換され;並びに1,5−フェニル置換基は、それぞれ所望により、1〜2個のクロロ置換基又はアミノスルホニルで独立に置換されている。
【0087】
本明細書で使用されるとき、(Z−e)は、Zが次のものからなる群から選択されていることを意味する:
(a)NRabで置換されたフェニル;Raは水素又はC1〜4アルキル;及びRbはC1〜4アルキル、シクロアルキル、又はフェニル;及びRbのフェニルは所望により1つのヨード置換基で置換され;又はRa及びRbは窒素原子で共に結合して5〜8員環ヘテロシクリルを形成している;
(b)ビフェニル−3−イル又はビフェニル−4−イル;式中、ビフェニル−3−イル及びビフェニル−4−イルの、式(I)のカルボニルに結合している内側フェニル環は、所望により1つのフルオロ置換基で置換され;及び、ビフェニル−3−イル及びビフェニル−4−イルの末端フェニル環は、所望により、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、クロロ、ジクロロ、フルオロ、及びヨードからなる群から選択される1つの置換基で置換されている;
(c)シクロヘキシル、フェニルオキシ、フェニル(C1〜3)アルコキシ、3−フェニルメチル、4−フェニルメチル、及びピロリルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニル;
(d)アルコキシ、ヨード、及びC1〜6アルキルからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されているフェニル;
(e)フェニル(C1〜2)アルキル;式中、フェニルは、所望により、NRcdで置換され;Rcは、水素又はC1〜4アルキル、及びRdはC1〜4アルキル又はC3〜6シクロアルキル(C1〜4)アルキルである;
(f)2−フェニル−ビニル;式中、フェニルは、所望により、トリフルオロメチルチオで置換されている;
(g)ベンゾ縮合シクロヘキシル(C1〜4)アルキル;式中、シクロヘキシルは、所望により、1〜4個のメチル置換基で置換されている;
(h)ベンゾオキサゾリル及びインドリルからなる群から選択されるヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリール;ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリールは、所望により、シクロヘキシル、C1〜4アルキル、フェニル、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される1つの置換基で置換されている;又は
(i)1,5−ジフェニル−1H−ピラゾル−3−イル;式中、ピラゾル−3−イル部分は、所望により、1つのメチル置換基で置換され;並びに1,5−フェニル置換基は、それぞれ所望により、1〜2個のクロロ置換基又はアミノスルホニルで独立に置換されている。
【0088】
本明細書で使用されるとき、(Z−f)は、Zが次のものからなる群から選択されていることを意味する:
(a)NRabで置換されたフェニル;Raは水素又はC1〜4アルキル;及びRbはC1〜4アルキル、シクロアルキル、又はフェニル;及び、Rbのフェニルは所望により1つのヨード置換基で置換され;又はRa及びRbは窒素原子で共に結合して5〜8員環ヘテロシクリルを形成している;
(b)ビフェニル−3−イル又はビフェニル−4−イル;式中、ビフェニル−3−イル及びビフェニル−4−イルの、本明細書に定義される式(I)のカルボニルに結合している内側フェニル環は、所望により、1つのフルオロ置換基で置換され;及びビフェニル−3−イル及びビフェニル−4−イルの末端フェニル環は、所望により、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、クロロ、ジクロロ、フルオロ、及びヨードからなる群から選択される1つの置換基で置換されている;
(c)シクロヘキシル、フェニルオキシ、フェニル(C1〜3)アルコキシ、3−フェニルメチル、4−フェニルメチル、又はピロリルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニル;
(d)C1〜4アルコキシ、ヨード、及びC1〜6アルキルからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されているフェニル;
(e)フェニル(C1〜2)アルキル;式中、フェニルは、所望により、NRcdで置換され;Rcは水素又はC1〜4アルキル、及びRdはC1〜4アルキル又はC3〜6シクロアルキル(C1〜4)アルキルである;又は
(f)2−フェニル−ビニル;式中、フェニルは、所望により、トリフルオロメチルチオで置換されている;
(g)ベンゾ縮合シクロヘキシル(C1〜4)アルキル;式中、シクロヘキシルは、所望により、1〜4個のメチル置換基で置換されている;又は
(h)ベンゾオキサゾリル及びインドリルからなる群から選択されるヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリール;ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリールは、所望により、シクロヘキシル、C1〜4アルキル、フェニル、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される1つの置換基で置換されている。
【0089】
別の一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物を目的とする:
【0090】
【化5】

式(I)の化合物は、次のものからなる群から選択される:
Yがピリジン−2−イル、Zが(3−フルオロ−4−フェニル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが(2−シクロヘキシル)ベンゾオキサゾル−6−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−フェニルメチル−フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが3−(フェニルカルボニル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−(フェニルカルボニル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zがビフェニル−4−イルメチル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが3−(4−フルオロ−フェニル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが9H−フルオレン−1−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zがフルオレン−9−オン−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zがビフェニル−3−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zがキノリン−6−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが1H−インドル−5−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが3−メチル−ベンゾフラン−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが5−フェニル−フラン−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)フラン−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが5−(4−メトキシフェニル)フラン−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが5−(フェニルエチニル)フラン−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが5−(4−メチル−フェニル)フラン−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが(4−フェノキシ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが1−プロピル−インドル−5−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが2−(1−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インドル−5−イル)−ビニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが(4−azepan−1−イル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−(シクロヘキシル−メチル−アミノ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−(フェニル−メチル−アミノ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが2−(4−(シクロヘキシルメチル−メチル−アミノ)フェニル)−エチル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが2−(1,1,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−6−イル)エチル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−(1,1−ジメチル−プロピル)−フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが2−(4−t−ブチル−フェニル)エチル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが2−(4−トリフルオロメチルチオ−フェニル)−ビニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが5−(4−クロロ−フェニル)−1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−1H−ピラゾル−3−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが5−(4−クロロ−フェニル)−1−(4−アミノスルホニル−フェニル)−1H−ピラゾル−3−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが5−(4−クロロ−フェニル)−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−1H−ピラゾル−3−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが2−フェニル−5−トリフルオロメチル−オキサゾル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが5−(フェニルメトキシ)インドル−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−フェニルメトキシ−1H−インドル−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−n−ブチル−フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが(3−フェノキシ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが(4−フェニルメトキシ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが(2−フェニルメトキシ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−(イソインドル−1,3−dion−2−イル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが6−メトキシ−ナフト−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが1,2−ジフェニル−エチル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが(3−フェノキシ)フェニルメチル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−(1−t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−(1−t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イロキシ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが(4−フェノキシ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−ヨード−3−メチル−フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが(3−フルオロ−4−フェニル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが(4−フェニルメチル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−t−ブチル−シクロヘキシル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−n−ペンチル−シクロヘキシル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが2−(4−イソプロピル−フェニル)−ビニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが2−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ビニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが2−(ビフェニル−4−イル)−ビニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが5−n−ブチル−ピリジン−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zがキノリン−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−フェニル−5−トリフルオロメチル−チエン−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが3−(1,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが3−ヨード−ピリジン−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−ヨード−フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが(4−フェニルメトキシ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが3−ヨード−ピリジン−2−イル、Zが(4−フェニルメトキシ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが3−ヨード−ピリジン−2−イル、Zが(4−フェニルメチル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが1−フェニル−1H−ピラゾル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが1,5−ジフェニル−1H−ピラゾル−3−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが4−ジエチルアミノ−フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが2−(3−エトキシフェニル)−ビニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリジン−2−イル、Zが2−フェニル−1H−ベンズイミダゾル−5−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがチアゾル−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがベンゾチアゾル−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがベンゾオキサゾル−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが5−ブロモ−ピリジン−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが3−ヨード−4−メチル−フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−クロロ−3−ヨードフェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが3−ヨード−4−メトキシフェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが2−(3−ヨード−フェニル)エチル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが2−(4−ヨード−フェニル)エチル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが3−クロロ−ピリジン−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが5−クロロ−ピリジン−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがベンゾ[d]イソキサゾル−3−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル、Zが4−シクロヘキシル−フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが1,3,5−トリアジン−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが4−メチル−ピリジン−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが3−メチル−ピリジン−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが3−シアノ−ピリジン−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが5−シアノ−ピリジン−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが3−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル、Zが(4−シクロヘキシル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がオキソの化合物
Yが4−メチル−ピリジン−2−イル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが3−シアノ−ピリジン−2−イル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが3−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがチアゾル−2−イル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがベンゾチアゾル−2−イル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがベンゾオキサゾル−2−イル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが5−ブロモ−ピリジン−2−イル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−(4−フルオロフェニル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−(2−クロロフェニル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−(3,4−ジクロロフェニル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−(3−トリフルオロメチルフェニル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−(4−メトキシフェニル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−ジメチルアミノ−フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが(4−ピロル−1−イル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが(4−ピラゾル−1−イル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが(4−イミダゾル−1−イル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが(4−ピロリジン−1−イル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが1−イソプロピル−2−トリフルオロメチル−1H−ベンズイミダゾル−5−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが2−メチル−1−フェニル−1H−ベンズイミダゾル−5−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが1−シクロヘキシル−2−メチル−1H−ベンズイミダゾル−5−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−ニトロフェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−(2−ヨードフェニルメチルアミノ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−(5−ヨード−フラン−2−イルメチルアミノ)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが4−(4−ヨードフェニル)フェニル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが2−メトキシフェニル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが2−メチルチオフェニル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yが2−ニトロフェニル、Zがビフェニル−4−イル、rが1、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zがビフェニル−4−イル、rが2、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが(4−ピロリジン−1−イル)フェニル、rが2、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが(4−フェニルメチル)フェニル、rが2、及びR2がない化合物;
Yがピリミジン−2−イル、Zが6−トリフルオロメチル−ベンゾチエン−2−イル、rが1、及びR2がない化合物;
並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、及び製薬上許容される塩。
【0091】
別の一実施形態において、本発明は、ここにおいてYがピリミジン−2−イル、rが1、R2がなく、Zがビフェン−4−イルである式(I)の化合物、又はその製薬上許容される塩を目的とする。
【0092】
一実施形態において、本発明は、MGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害を処置、改善、又は予防することを目的とし、このMGLの阻害によって疾患、症候群、病的状態又は障害は、炎症性疼痛又は神経障害性疼痛からなる群から選択され、本明細書で定義される群から選択される式(I):
【0093】
【化6】

の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、及び製薬上許容される塩の治療有効量を、それを必要としている被験体(哺乳類及び/又はヒトを含む)に投与することを含む。
【0094】
一実施形態において、本発明は炎症性疼痛を処置、改善、又は予防することを目的とし、本明細書で定義される群から選択される式(I):
【0095】
【化7】

の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、及び製薬上許容される塩の治療有効量を、それを必要としている被験体(哺乳類及び/又はヒトを含む)に投与することを含む。本発明の別の一実施形態において、この炎症性疼痛は、内臓痛及び炎症性痛覚過敏からなる群から選択され、好ましくは内臓痛である。
【0096】
一実施形態において、本発明は炎症性痛覚過敏を処置、改善、又は予防することを目的とし、本明細書で定義される群から選択される式(I):
【0097】
【化8】

の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、及び製薬上許容される塩の治療有効量を、それを必要としている被験体(哺乳類及び/又はヒトを含む)に投与することを含む。本発明の別の一実施形態において、この炎症性痛覚過敏は潰瘍性大腸炎である。
【0098】
一実施形態において、本発明は神経障害性疼痛を処置、改善、又は予防することを目的とし、本明細書で定義される式(I):
【0099】
【化9】

の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、及び製薬上許容される塩の治療有効量を、それを必要としている被験体(哺乳類及び/又はヒトを含む)に投与することを含む。本発明の別の一実施形態において、この神経障害性疼痛は、神経障害性寒冷異痛症である。
【0100】
薬剤における使用に関して、本明細書で定義される式(I)の化合物の塩は、非毒性の「製薬上許容される塩」を指す。しかしながら他の塩も式(I)の化合物又はそれらの製薬上許容される塩の調製に有用である場合がある。本明細書で定義される式(I)の化合物の製薬上許容されうる好適な塩には、例えば、化合物の溶液を塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸のような製薬上許容される酸の溶液と混合することにより得られる酸付加塩が挙げられる。更に、本明細書で定義される式(I)の化合物が酸性基を有する場合には、製薬上許容できるその好適な塩には、ナトリウム又はカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム又はマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、及び四級アンモニウム塩などの好適な有機リガンドと形成した塩、を挙げることができる。したがって、代表的な製薬上許容できる塩としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酸性酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物塩、カルシウム・エデト酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシラート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ハイドロバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物塩、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物塩、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミン・アンモニウム塩、オレイン酸塩、パモン酸塩(エンボナート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド及び吉草酸塩が挙げられる。
【0101】
製薬上許容される塩の調製に使用され得る代表的な酸及び塩基には、例えば酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−カンファー酸、カンファースルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシルスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミトリン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバイン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸及びウンデシレン酸などの酸;並びに、アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リジン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン及び水酸化亜鉛などの塩基が挙げられる。
【0102】
本発明の実施形態には、本明細書に定義される式(I)の化合物のプロドラッグが含まれる。一般にそのようなプロドラッグは、インビボで必要な化合物に容易に転化され得る化合物の機能的誘導体である。したがって、本発明の処置又は予防の方法においては、用語「投与する」は、具体的に開示された化合物又は具体的には開示されていないが、患者に投与後にインビボにおいて特定の化合物に転化される化合物と共に記載される様々な疾患、病的状態、症候群、及び障害の処置又は予防を包含する。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製に関する通常の手順は、例えば、「Design of Prodrugs」、ed.H.Bundgaard、Elsevier,1985に述べられている。
【0103】
本発明の実施形態に従う化合物は少なくとも1個の不斉中心を有し、したがってそれらは鏡像異性体として存在する。化合物が2つ以上のキラル中心を有する場合、それらは更にジアステレオマーとして存在することができる。全てのそのような異性体及びその混合物が本発明の範囲に包含される。更に、その化合物に関する結晶形態の一部は、多形体として存在でき、このようなものも本発明に含まれるものとする。加えて、化合物の中には水(すなわち水和物)又は一般的な有機溶媒との溶媒和物を形成できるものもあり、そのような溶媒和物も本発明の範囲に包含されるものとする。当業者は、本明細書で用いる用語「化合物」が、本明細書で定義される式(I)の化合物の溶媒和物を含むことを理解するであろう。
【0104】
本発明の特定の実施形態に従う化合物の調製のプロセスが、立体異性体の混合物を生じさせる場合は、これらの異性体は、分取クロマトグラフィーなどの従来技術により分離することができる。化合物はラセミ体で調製されてもよく、又は個々の鏡像異性体をエナンチオ選択的合成、又は分割のいずれかにより調製することができる。化合物は、例えば標準的な技術、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−d−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−l−酒石酸などの光学的に活性な酸と共に塩を形成することによりジアステレオマー対を形成した後、分別結晶化及び遊離塩基の再生を行ってそれらの構成要素である鏡像異性体に分割することができる。化合物は、ジアステレオマーエステル又はアミドの形成と、その後のクロマトグラフ分離及びキラル補助基の除去により分割することもできる。あるいは、化合物は、キラルHPLCカラムを使用して分割されてよい。
【0105】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物の(+)−エナンチオマーを含む、(+)−エナンチオマーからなる、及び/又は本質的に(+)−エナンチオマーからなる医薬組成物を含む組成物を対象とし、その組成物は上記化合物の(−)−異性体を実質的に含まない。本明細書の文脈における「実質的に含まない」とは、下式により求められる(−)−異性体が約25%未満、好ましくは約10%未満、より好ましくは約5%未満、更に好ましくは約2%未満、更にいっそう好ましくは約1%未満であることを意味する。
【0106】
【数1】

【0107】
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物の(−)−鏡像異性体を含む、からなる、及びから本質的になる製薬学的組成物を含む組成物であって、実質的にその化合物の(+)−異性体を含まない組成物である。本明細書の文脈において「実質的に含まない」とは、下式により求められる(+)−異性体が約25%未満、好ましくは約10%未満、より好ましくは約5%未満、更により好ましくは約2%未満、及び更により好ましくは約1%未満であることを意味する。
【0108】
【数2】

【0109】
本発明の様々な実施形態の化合物のいずれの調製のプロセスの間も、関係するいずれの分子に対する感応性基又は反応性基を保護することが必要であり及び/又は望ましい。このことは、Protective Groups in Organic Chemistry,Second Edition,J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;T.W.Greene & P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991;及びT.W.Greene & P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,John Wiley & Sons,1999に記載されるもののような、従来の保護基によって達成することができる。保護基は、続く都合のよい段階で、当技術分野にて公知の方法を用いて除去されてよい。
【0110】
本発明の実施形態の化合物(その薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される溶媒和物を含む)は単独で投与されることができるが、それらは通常、意図された投与経路及び標準の薬学的又は獣医学的な実務の観点から選ばれる、薬学的に許容されるキャリヤ、薬学的に許容される賦形剤及び/又は薬学的に許容される希釈剤との混合物として投与される。したがって、本発明の特定の実施形態は、本明細書で定義される式(I)の化合物及び少なくとも1個の薬学的に許容されるキャリヤ、薬学的に許容される賦形剤、及び/又は薬学的に許容される希釈剤を含む薬学的及び獣医学的組成を対象とする。
【0111】
一例として、本発明の実施形態の医薬組成物では、本明細書で定義される式(I)の化合物は、任意の適切な結合剤、潤滑剤、懸濁化剤、コーティング剤、可溶化剤、及びそれらの組み合わせと混合することができる。
【0112】
本発明の化合物を含む錠剤又はカプセルのような固体の経口投与形態は、必要に応じて1回につき少なくとも1種の投与形態で投与することができる。徐放性製剤として化合物を投与することも可能である。
【0113】
本発明の化合物が投与され得る追加の経口形態としては、エリキシル剤、溶液、シロップ、及び懸濁液が挙げられ、そのそれぞれが任意に香料及び着色剤を含有する。
【0114】
別の方法としては、本明細書で定義される式(I)の化合物は、吸入(気管内又は経鼻的に)により投与され得、又は座薬若しくはペッサリー、の形態で、又は局所的に、ローション、溶液、クリーム、軟膏若しくは散布剤の形態で、塗布され得る。例えば、それらは、ポリエチレングリコール又は流動パラフィンの水性エマルションを含むか、それからなるか、及び/又は本質的にそれからなるクリームの中に組み込むことができる。それらは、クリームの約1重量%〜約10重量%の濃度で、白色ワックス又は白色軟パラフィン基剤を含むか、それからなるか、及び/若しくは本質的にそれからなる軟膏に、必要に応じて任意の安定剤及び保存料と共に組み込んでもよい。代替的な投与方法は、皮膚又は経皮パッチを使用することによる経皮投与を含む。
【0115】
本発明の医薬組成物(本発明の化合物単独と同様に)は、非経口的に、例えば空洞内、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、又は髄腔内に注入することができる。この場合、その組成は、少なくとも1つの好適なキャリア、1つの好適な賦形剤、及び1つの好適な希釈剤を含む。
【0116】
非経口投与には、本発明の医薬組成物が、例えば、溶液を血液と等張に保つ塩及び単糖のなどの他の物質を十分含む、滅菌水溶液形態での使用に最も適している。
【0117】
口腔又は舌下投与には、本発明の医薬組成物をが、既存の方法で製剤される錠剤又はトローチ剤の形態で投与することができる。
【0118】
更なる例として、本明細書で定義される式(I)の化合物を少なくとも1つ含む製薬学的組成物は、化合物を通常の製薬学的配合技術に従う製薬上許容され得る担体、製薬上許容され得る希釈剤、及び/又は製薬上許容され得る賦形剤と混合することにより調製することができる。キャリア、賦形剤、及び希釈剤は、所望の投与経路(例えば、経口、非経口などの)に応じ、広範な形態を取ることができる。したがって懸濁液、シロップ、エリキシル剤及び溶液などの液体の経口用製剤では、適切なキャリア、賦形剤及び希釈剤は、水、グリコール、油、アルコール、着香料、保存料、安定剤、着色剤などを含み、粉剤、カプセル、及び錠剤などの経口固形製剤では、適切なキャリア、賦形剤及び希釈剤は、でんぷん、糖、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、バインダー、崩壊剤などを含む。その吸収及び崩壊の主要な体内部位を調節するために、固体の経口用製剤は、更に任意に糖類などの物質で被覆することができ、又は経腸的に吸収されるように被覆することができる。非経口投与のための、キャリア、賦形剤及び希釈剤は、通常滅菌水を含み、及び溶解性の向上及び組成の保存のための他の成分を加えることができる。注射用懸濁液又は溶液は、水性のキャリア並びに可溶化剤及び保存料のような好適な添加物と共に調製することができる。
【0119】
本明細書で定義される式(I)の化合物又はその医薬組成物の治療有効量には、平均的な(70kg)ヒトに1日約1〜4回投与するレジメンで、本明細書で定義される式(I)の化合物の成分化合物を、約0.1mg〜約3000mgの中の量又は範囲、特に約1mg〜約1000mgの中の量又は範囲、より具体的には、約10mg〜約500mgの中の量又は範囲の用量を含むが、ただし、当業者には、本明細書で定義される式(I)の化合物の治療有効量が、処置される疾患、症候群、病的状態、及び障害によって異なることが理解されよう。
【0120】
経口投与については、薬学的組成物は、好適には本明細書で定義される式(I)の化合物を約0.01、約10、約50、約100、約150、約200、約250、及び約500ミリグラム含む錠剤の形態で提供される。
【0121】
有利なことに、本明細書で定義される式(I)の化合物は、1日の量を1回に投与してもよく、1日あたりの総量を1日に2回、3回又は4回に分割した用量を投与してよい。
【0122】
本明細書で定義される式(I)の化合物の投与される最適な投与量は、容易に決定することができ、用いられる具体的な化合物、投与方法、製剤の強度、及び疾患、症候群、状態、又は障害の進行によって変化する。更に、治療される特定の被験体に付随する、被験体の年齢、体重、食事、及び投与時間を含む因子は、好適な処置水準及び望ましい治療効果を達成するために薬量を調節する必要性をもたらす。上記投与量は、したがって、平均的な場合の代表例である。もちろん、より高いか又はより低い薬量範囲が有効である個別の例が存在し、このようなものも本発明の範囲の中に含まれる。
【0123】
当業者は、適切な既知の、及び一般的に受け入れられている細胞及び/又は動物モデル使用したインビボ及びインビトロ試験の両方で、上記障害を処置し、又は防止するための試験化合物の能力が予測されることを認識するであろう。当業者は更に、健康な受診者及び/又は上記障害に罹患している患者を対象としたヒト初回投与(first-in-human)、用量範囲及び効力試験を含むヒトの臨床試験を、臨床及び医学分野で周知な方法に従い行うことができることを認識している。
【0124】
本明細書で定義される式(I)の化合物は、それを必要としている被験体のために必要な、本明細書で定義される式(I)の化合物を使用するときはいつでも、上記のいずれかの組成物及び投与レジメン、又は当技術分野で確立されたそれらの組成物及び投与レジメンで投与され得る。
【0125】
一般的な合成方法
本発明の代表的な化合物は、以下に記載され、それに続いてスキームに図示される一般的合成方法に従って合成され得る。このスキームは例示であるので、本発明は、スキーム及び実施例に記載される特定の化学反応及び特定の条件に限定されるものと解釈すべきではない。スキームで用いる種々の出発物質は、市販されているか、又は当業者に周知の方法により調製することができる。変数は、本明細書に定義する通りであり、当業者の範囲内である。
【0126】
2がない式(I)の化合物は、下記のスキーム1に概説されたプロセスに従って調製することができる。
【0127】
【化10】

【0128】
したがって、既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物である式(V)の好適に置換された化合物は、既知の化合物又は既知の方法によって調製された、好適に置換された化合物である式(VI)と反応させ、Pは、好適に選択された窒素保護基、例えば−CH(フェニル)2、ベンジル、t−ブチル、メチル、及び同様物で、好ましくは−CH(フェニル)2である。この反応はDIPEA、TEA、ピリジン及び同様物などの有機塩基の存在下において、アセトニトリル、THF、DCM、及び同様物などの有機溶媒中で、好ましくは温度範囲約50℃〜約90℃で行われ、対応する式(VII)の化合物を得る。
【0129】
式(VII)の化合物を公知の方法に従って脱保護して、対応する式(VIII)の化合物を得る。例えば、Pが−CH(フェニル)2であるとき、式(VII)の化合物は、ジクロロメタンなどの有機溶媒中で1−クロロエチルクロロホルメートと反応させてから、メタノールなどの有機溶媒中で乾留させることによって脱保護され、対応する式(VIII)の化合物を得る。
【0130】
式(VIII)の化合物は、既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物である好適に置換された式(IX)の化合物と反応させ、LG1は−C(O)Cl及び−C(O)OHからなる群から選択され、LG1は式(IX)の化合物のベンゾ縮合部分のベンゼン環の望ましい結合位置に結合しており、反応はHATU、HBTU、DCC及び同様物などの好適に選択されたカップリング剤の存在下で、所望によりDIPEA、TEA、ピリジン及び同様物などの好適に選択された有機塩基の存在下において、アセトニトリル、DMF、DCM、及び同様物などの有機溶媒中で行われ、対応する式(Ia)の化合物を得る。
【0131】
2がオキソである式(I)の化合物は、下記のスキーム2に概説されたプロセスに従って調製することができる。
【0132】
【化11】

【0133】
したがって、好適に置換された(かつ、必要な及び/又は望ましいように好適に保護された)式(Ia)の置換化合物を酸化して、対応する式(Ib)の化合物を得る。より具体的には、式(Ia)の好適に置換された化合物を、好適に選択された酸化剤、例えばmCPBA、H22、及び同様物と反応させる。この反応は、DCM、クロロホルム、酢酸、及び同様物などの溶媒中で、好ましくはほぼ室温で行い、対応する式(Ib)の化合物を得る。
【0134】
以下の実施例は本発明の理解を助ける目的で説明され、そして添付する特許請求の範囲で説明される本発明をどのようにも限定するものと解釈されるべきではない。
【0135】
以下の実施例において、いくつかの合成生成物は、残留物として単離されたものとして列挙されている。当業者は、用語「残留物」が、生成物が単離された物理的状態を限定するものではなく、例えば、固体、油、発泡体、ゴム、シロップなどを含み得ることを理解するであろう。
【実施例】
【0136】
実施例1:化合物#12
ビフェニル−4−イル−[3−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−アゼチジン−1−イル]−メタノン
【0137】
【化12】

【0138】
工程A:2−[4−(1−ベンズヒドリル−アゼチジン−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−ピリミジン
2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン(2.48g、15.10mmol、Alfa)とメタンスルホン酸1−ベンズヒドリル−アゼチジン−3−イルエステル(4g、12.6mmol、Oakwood)のCH3CN(40mL)中溶液に、DIPEA(2.63mL、15.10mmol)を室温で加えた。結果として得られた混合液を2時間還流した。この溶媒を蒸発によって除去し、残留物をCH2Cl2と水性NaHCO3とで抽出分離した。この有機層を水性NaHCO3で洗い(2回)、次に1N HClで抽出した(2回)。水性層を冷やし、1N NaOHでpHを調節した。結果として得られた混合液をCH2Cl2で抽出した(2回)。この有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、濃縮した。結果として得られた残留物を、MPLCで精製し、2−[4−(1−ベンズヒドリル−アゼチジン−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−ピリミジンを得た。
【0139】
工程B:2−(4−アゼチジン−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン
2−[4−(1−ベンズヒドリル−アゼチジン−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−ピリミジン(2.03g、5.27mmol)のCH2Cl2(20mL)中溶液に、1−クロロエチルクロロホルメート(1.704mL、15.79mmol)を、0oC、N2雰囲気下で加えた。結果として得られた混合液を0oCで90分間攪拌し、次にメタノール(4mL)を加えた。結果として得られた混合液を1時間還流してから、冷やした。結果として得られた混合液にジエチルエーテル(40mL)を加えた。固体を濾過し、乾燥させて、2−(4−アゼチジン−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジンを得た。これは更なる精製なしに次の工程に使用した。
【0140】
工程C:ビフェニル−4−イル−[3−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−アゼチジン−1−イル]−メタノン
2−(4−アゼチジン−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン(0.172g、0.87mmol)とHATU(0.347g、0.913mmol)のDMF(4mL)中溶液に、DIPEA(0.607mL、3.48mmol)を加えた。この混合液を室温で30分間攪拌してから、ビフェニル−4−カルボン酸(0.87mmol)を加えた。結果として得られた混合液を室温で5時間撹拌した。H2O(8mL)を加え、結果として得られた混合液をEtOAcで抽出した(3回)。この有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、濃縮した。結果として得られた残留物をHPLCで精製し、ビフェニル−4−イル−[3−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−アゼチジン−1−イル]−メタノンを得た。
【0141】
上記の実施例1の操作手順に従い、当業者に周知の、好適に選択された及び/又は置換された試薬、出発物質及び精製方法に置き換えることにより、以下の本発明の化合物が調製された:
【0142】
【表4−1】

【0143】
【表4−2】

【0144】
【表4−3】

【0145】
【表4−4】

【0146】
【表4−5】

【0147】
【表4−6】

【0148】
【表4−7】

【0149】
【表4−8】

【0150】
実施例2:化合物#139
(6−トリフルオロメチル−ベンゾ[b]チエン−2−イル)−[3−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−アゼチジン−1−イル]−メタノン
【0151】
【化13】

【0152】
工程A:4−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(10g、53.69mmol)とピリジン(8.7mL、107.57mmol)のCH2Cl2(100mL)中溶液に、(CF3CO)2O(10.5mL、75.54mmol)を0℃で滴下で加えた。結果として得られた混合液0℃で2時間攪拌した。次に2N HCl(60mL)を加えた。有機層にMgSO4を入れて乾燥、濾過し、濃縮した。結果として得られた残留物が、標題化合物であり、これを更なる精製なしに次の反応に使用した。MS m/z(MH+−Boc)183.1,(MH+−C49)227.1;1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 3.45〜3.7(m,8H),1.5(s,9H)。
【0153】
工程B:2,2,2−トリフルオロ−1−ピペラジン−1−イル−エタノン
化合物4−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(15.15g、53.69mmol)のCH2Cl2(60mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(18mL)を室温で加えた。結果として得られた混合液を室温で18時間撹拌した。溶媒を蒸発により除去した。ジエチルエーテル(100mL)をこの残留物に加えた。濾過により白色の固体を回収し、ジエチルエーテルで洗い、減圧下で乾燥した。結果として得られた残留物が、標題化合物であり、これを更なる精製なしに次の反応に使用した。MS m/z(M+H+)183.1。
【0154】
工程C:1−[4−(1−ベンズヒドリル−アゼチジン−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
2,2,2−トリフルオロ−1−ピペラジン−1−イル−エタノン(6g、32.94mmol)と1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イルメタンスルホネート(12.5g、39.38mmol)のCH3CN(60mL)中溶液に、室温でDIPEA(12mL,68.89mmol)を加えた。得られた混合液を2時間還流させた。この溶媒を蒸発によって除去し、残留物をCH2Cl2と水性NaHCO3とで抽出分離した。この有機層を水性NaHCO3で洗い(2回)、次に1N HClで抽出した(2回)。水性層を冷やし、塩基性(pH=10)になるまで1N NaOHでpHを調節した。結果として得られた混合液をCH2Cl2で抽出した(2回)。この有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、濃縮した。標題化合物が、逆相クロマトグラフィーにより精製された。MS m/z(M+H+)404.2。
【0155】
工程D:1−(4−アゼチジン−3−イル−ピペラジン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
1−[4−(1−ベンズヒドリル−アゼチジン−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(2.11g、5.23mmol)のCH2Cl2(60mL)中溶液に、1−クロロエチルクロロホルメート(2.0mL、18.35mmol)を0℃、N2雰囲気下で加えた。結果として得られた混合液を0℃で90分間攪拌し、次にメタノール(4mL)を加えた。得られた混合液を1時間還流させた。この混合液を冷やしてから、ジエチルエーテル(50mL)を加えた。結果として得られた固体を濾過により回収し、乾燥させて、標題化合物を得た。これは更なる精製なしに次の反応に使用された。MS m/z(M+H+)238.1。
【0156】
工程E:6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニルクロリド
オキサリルクロリド(2.29mmol、0.20mL)を、6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2.03mmol、500mg)のCH2Cl2(15mL)中溶液に加えた。DMF(15μL)を加え、結果として得られた混合液を室温で4時間攪拌した。結果として得られた溶液を濃縮して、6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニルクロリドを得た。これは精製なしで次の工程に使用された。
【0157】
工程F:2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(1−(6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)アゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン
6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニルクロリド(2.03mmol、537mg)のCH2Cl2(5mL)中溶液を、1−(4−アゼチジン−3−イル−ピペラジン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(2.26mmol、700mg)及びTEAのCH2Cl2(15mL)中溶液に、0oCで加えた。結果として得られた混合液を室温まで温めて、2時間攪拌した。ワークアップと抽出を行い、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、3%メタノール/CH2Cl2)で精製し、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(1−(6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)アゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)エタノンを得た。
【0158】
工程G:(3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)(6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チエン−2−イル)メタノン
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(1−(6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)アゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン(1.12mmol、520mg)のメタノール20mL中溶液とTEA(2mL)を室温で3日間攪拌した。結果として得られた混合液を濃縮して、(3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)(6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メタノンを得た。これは精製なしで次の工程に使用された。
【0159】
工程H:(3−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)(6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チエン−2−イル)メタノン(化合物#139)
(3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)(6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メタノン(0.14mmol、50mg)、2−ブロモピリミジン(0.23mmol、37mg)、及びK2CO3(0.34mmol、47mg)のTHF(3mL)及び水(1.5mL)中の混合液を、8時間還流させた。ワークアップと抽出を行い、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、3%メタノール/CH2Cl2)で精製し、(3−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)(6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メタノンを白色固体として得た。
【0160】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.33(d,J=4.6Hz,2H),8.16(s,1H),7.95(d,J=8.3Hz,1H),7.74(s,1H),7.62(d,J=8.3Hz,1H),6.53(t,J=4.6Hz,1H),4.55〜4.70(m,1H),4.40〜4.55(m,1H),4.25〜4.40(m,1H),4.17(m,1H),3.89(m,4H),3.33(m,1H),2.49(m,4H);LC/MS m/z(M+H+)448(C212035OSの計算値:448.1)。
【0161】
実施例3(インビトロ測定):MGL酵素活性測定
合計容量30μLの384ウェルの黒色ポリプロピレンPCRマイクロプレート(Abgene)を用いて、すべて速度に基づく測定が実施された。基質4−メチルメチルウンベリフェリルブチラート(4MU−B;Sigma)と、精製した変異体MGL酵素(mut−MGLL 11−313 L179S L186S)又は精製した野生型MGL(wt−MGLL 6H−11−313)のいずれかを、別々に20mM PIPES緩衝液(pH=7.0)で希釈し、150mM NaClと0.001% Tween 20が含まれるようにした。Cartesian Hummingbird(Genomic Solutions(Ann Arbor,MI)から販売)を用いて、式(I)の化合物を測定プレート内にあらかじめ分配(50nL)されて、次に4MU−B(25μLの1.2X溶液、最終濃度10μM)を加えた後、酵素(5μLの6X溶液、最終濃度5nM)を加えて、反応を開始させた。最終化合物濃度は17〜0.0003μMの範囲であった。励起波長335nm及び放射波長440nmで、帯域幅は10nm(Safire2、Tecan)、37℃で5分間、4MU−B開裂による蛍光変化が監視された。
【0162】
阻害パーセントを判定するために、既定の定常状態範囲(基質加水分解が<10%)において初期速度が測定された。次の式を適用して、阻害パーセントが判定された:
阻害%=[(最高速度−阻害された速度)×100]/最高速度。
【0163】
式(I)の化合物のIC50値は、Excelを用い、阻害剤濃度の関数として、活性分率の濃度−反応プロットにこの式を適合させて判定された。
【0164】
実施例4(インビトロ測定):MGL ThermoFluor(登録商標)測定
ThermoFluor(TF)測定は、384ウェルのプレートを用いた、タンパク質の熱安定性を測定する結合測定である(Pantoliano,M.W.、Petrella,E.C.、Kwasnoski,J.D.、Lobanov,V.S.、Myslik,J.、Graf,E.、Carver,T.、Asel,E.、Springer,B.A.、Lane,P.及びSalemme,F.R.、J Biomol Screen 2001,6,429〜40;Matulis,D.、Kranz,J.K.、Salemme,F.R.及びTodd,M.J.、Biochemistry 2005,44,5258〜66)。この実験は、Johnson & Johnson Pharmaceutical Research & Development,LLCから販売されている機器を使用して実施された。すべての実験において、TF染料は1,8−ANS(Invitrogen:A−47)であった。MGL研究に使用された最終TF測定条件は、50mM PIPES(pH=7.0)中、0.07mg/mLの精製変異体MGL(mut−MGLL 11−313 L179S L186S)、100μM ANS、200mM NaCl、及び0.001% Tween−20であった。
【0165】
スクリーニング化合物プレートは、単一濃度の100% DMSO化合物溶液を含んでいた。濃度−反応の追跡研究では、化合物はあらかじめ分配されたプレートに配置され(Greiner Bio−one:781280)、化合物は100% DMSOで、一連の11本のカラムにわたって連続的に希釈された。カラム12及び24は、DMSO参照として使用され、化合物は含まなかった。単一及び複数の化合物濃度−反応実験について、化合物のアリコート(50nL)をロボット操作により、Cartesian Hummingbird液体ハンドラー(Genomic Solutions(Ann Arbor,MI)より販売)を使って、あらかじめ384ウェルの黒色ポリプロピレンPCRマイクロプレート(Abgene:TF−0384/k)に直接分配した。化合物を分配した後、タンパク質及び染料溶液を加えて、最終測定容積を3μLとした。測定溶液の上に1μLのシリコーンオイル(Fluka、タイプDC 200:85411)を載せて、蒸発を防いだ。
【0166】
バーコード付きの測定プレートをロボットにより、温度制御されたPCRタイプのサーマルブロックに搭載し、すべての実験について傾斜速度1℃/分で40〜90℃に加熱した。蛍光は、光ファイバーを介して供給され、バンドパスフィルター(380〜400nm;>6ODカットオフ)でフィルターされた紫外線(Hamamatsu LC6)で連続照射することにより測定された。全384ウェルプレートの蛍光発光は、500±25nmで検出するために、濾過されたCCDカメラ(Sensys、Roper Scientific)を用いて光強度を測定することによって検出し、これにより、全ての384ウェルの同時に、かつ独立した読み込みを得た。20秒間露出時間での単一画像が各温度で採取され、測定プレートの所定の面積におけるピクセル強度の合計が温度に対して記録され、標準等式に適合させて、Tmを得た(Pantoliano,M.W.、Petrella,E.C.、Kwasnoski,J.D.、Lobanov,V.S.、Myslik,J.、Graf,E.、Carver,T.、Asel,E.、Springer,B.A.、Lane,P.及びSalemme,F.R.、J Biomol Screen 2001,6,429〜40)。
【0167】
実施例5:HeLa細胞を用いた2−AG累積測定
10mL HEPES緩衝液中で、HeLa細胞をPolytronと共にホモジェネートした(約4億個の細胞)(HEPES 20mM、pH 7.4、NaCl 125mM、EDTA 1mM、KCl 5mM、グルコース20mM)。2000万個の細胞(0.5mL)からのホモジェネートをMGL阻害剤と共に15分間インキュベートしてMGL活性をブロックし、次にこのHEPES緩衝液をカルシウム(10mM)と共に20分間インキュベートした。合計の反応容積は5mLであった。6mLの有機溶媒抽出(2:1クロロホルム/メタノール)によって、反応を停止させた。メトキシアラキドニルフルオロホスホネート(MAFP)を陽性対照として使用した。MAFPを含まないものにおいて、2−AG濃度はサンプル当たり約3.4pmolである。100nM MAFPを含むものにおいては、2−AG濃度はサンプル当たり174pmolに増加する。有機層の累積2−AGが、HPLC/MS方法によって測定された。これには次の式が用いられた:%MAFP=(化合物2−AG/MAFP 2−AG)×100。
【0168】
式(I)の代表的な化合物を、上記の実施例3、4、及び5に記述された手順に従って試験した。その結果を表3に列記する。
【0169】
【表5−1】

【0170】
【表5−2】

【0171】
【表5−3】

【0172】
【表5−4】

【0173】
化合物#200〜223は、上記の実施例3、4、及び5に記述された測定手順に従って同様に試験された。その結果を下の表4に列記する。
【0174】
【表6】

【0175】
実施例6(インビボ測定)
C57Bl/6マウスにおけるカラギーナン誘導の足浮腫モデル
カラギーナン攻撃:オスのC57Bl/6マウス(Taconic)を、30%酸素及び70%二酸化炭素の混合気で、軽く鎮静させた。27ゲージの針及び注射器を使用して、生理食塩水中2%のカラギーナン溶液(w/v)20マイクロリットルを、右後足の腹側表面の足底内スペース内に注入した。対照群は、同量の生理食塩水を足底内に注入された。動物を回復させ、組織浮腫及び炎症の指標として、足の容積を測定した。
【0176】
足容積の測定:カラギーナン注入後の足容積の増加は、組織浮腫及び炎症の測定値となる。足容積は、水中足容積測定装置(Ugo Basaile)を使い、ベースラインと、カラギーナン攻撃後0.5、1、2及び4時間後に測定した。ベースラインからの足容積の変化パーセントが算出された。
【0177】
化合物#12が、投与直前に、ヒドロキシプロピルベータシクロデキストランの20%溶液中に配合され、用量30mg/kg、容積10mL/kgで投与された。化合物#12の単回用量が、カラギーナン攻撃の30分前に経口で与えられた。ビヒクル対照群は、用量10mL/kgで、ヒドロキシプロピルベータシクロデキストランの20%溶液を単回経口投与された。
【0178】
【表7】

【0179】
結果:攻撃から4時間後、カラギーナンは、生理食塩水攻撃に比較して、足容積の増大を誘発した(それぞれ34.5±8.2%及び−10.7±2.4%;p<0.001)。カラギーナン攻撃の30分前に皮下注射で化合物#12を30mg/kgの用量で前処理すると、ビヒクルの前処理の後にカラギーナン攻撃を行った場合に比べて、攻撃から4時間後に観察した足容積の増大が抑制された(それぞれ17.7±3.3%及び34.5±8.2%;p<0.04)。
【0180】
実施例7(インビボ測定):神経障害性疼痛
坐骨神経は(後)肢及び足の主要な感覚運動の神経支配を行う神経である。坐骨神経又はその構成要素である脊髄神経の損傷は、しばしば疼痛に関連する挙動をもたらす。ラット及びマウスにおいて、絹縫合糸によるL5脊髄神経のきつい結紮、絹縫合糸による坐骨神経の部分的にきつい結紮又はクロミック・ガット(chromic gut)縫合糸による坐骨神経のゆるい結紮のそれぞれが、ヒトの神経障害性疼痛を連想させる挙動を引き起こす。これら病変を(動物一匹あたりに1つ)麻酔をかけたげっ歯類に外科的に生じさせる。脊髄神経及び坐骨神経損傷の両方が、通常は無害な刺激に対しての痛みを伴う応答である異痛症、及び通常は非侵害性の刺激に対しての過剰な応答である痛覚過敏を引き起こす。事故による外傷又は外科的操作に起因する神経障害の誘発に加え、神経障害性疼痛は、糖尿病(Fox,Aら、Pain 81:307〜316,1999)又はパクリタキセル若しくはビンクリスチンのような化学療法剤による処置によっても誘発される(Yaksh,TLら、Pain 93:69〜76,2001)。
【0181】
診療室で神経障害性疼痛を軽減する薬剤は、齧歯類の神経障害性疼痛モデルに対しても有効である。これらの薬剤としては、最近承認されたCymbalta(Duloxetine、Iyengar,S.ら、JPET 2004 311:576〜584)、モルフィン(Suzuki,Rら、Pain 1999 80:215〜228)及びガバペンチン(gabapentin)(Hunter,JCら、Eur J Pharmacol 1997 324:153〜160)が挙げられる。TRPV1/TRPM8受容体の二重アンタゴニストであるBCTCは、齧歯類の絞扼性神経損傷(chronic constriction injury)モデルにおいて、機械的痛覚過敏及び触知性異痛症を軽減した(Pomonis,JDら、JPET 2003 306:387〜393;Behrendt,Hら、Brit J Pharm 2004 141:737)。寒冷異痛症は、神経障害性疼痛状態の特に衰弱を起こす症状である(Jorum Eら、Pain 2003 101:229〜235)。本明細書で定義される式(I)の化合物のこの齧歯類モデルでの抗異痛効果は、これらの新規薬剤の臨床効果を予測するものである。
【0182】
実施例7a(インビボ測定)
絞扼性神経損傷(CCI)により誘発された神経障害性疼痛のモデル−アセトン誘発性過敏症
オスのSprague Dawleyラット(225〜450g、n=5〜8/処理)を用いて、選択された式(I)の化合物のCCI誘導性冷過敏性の回復能を評価した。Bennettらにより記載されている通りに、吸入麻酔下に4−0クロミック・ガットによるゆるい結紮を、外科的に左坐骨神経の周囲に配置した(Bennett GJ,Xie YK.Pain 1988,33(1):87〜107)。CCI手術後14〜35日間、被験体を床が金網である高架観察室に入れ、複数回投与用シリンジを用いてアセトンを足底面に振りかけることによりアセトン(0.05mL/塗布、約5分間隔)を5回塗布した。足を急速に引っ込めるか、又は持ち上げることを正の反応とみなした。5回の試験にわたってそれぞれのラットについて正の反応数を記録した。引きこみのベースライン数の決定の後に、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HP β CD)、メチルセルロース、Methocel、10% Solutol、又はH2Oなどの好適なビヒクル中の式(I)の化合物を、好適な経路である腹腔内投与又は経口投与により投与した。化合物投与の1〜4時間後に引き込みの数を再測定することができた。結果を震えの阻害率(%)として表わし、これはそれぞれの被験体において[1−(試験化合物の引っ込め数/試験前の引っ込め数)]×100として算出され、次いで処理により平均化した。化合物#12を、上述の手順に従って試験した。その結果を以下の表5に列記する。
【0183】
【表8】

【0184】
実施例8(インビボ測定):内臓痛覚過敏モデル
このプロトコルは、ラットにおける定圧装置で制御された等圧直腸結腸拡張(CRD)を用い、内臓痛覚過敏の処置における試験化合物の効力と効果を評価する。体重275〜350gのオスのSprague Dawleyラット(Charles River Labs)を、温度及び湿度を制御した部屋において、12時間/12時間の明暗サイクルで、食餌と水に随意にアクセスできる状態で、2〜4つのケージに入れた。検疫期間が終わって1日後、ラットはプレキシガラス装置(G−3、ラットECU;Braintree Scientific;Braintree MA)内の単純拘束に、徐々に長い時間(30分間、次いで4時間後に45分間)馴化させた。ラットは夜はホームケージに戻された。翌日、朝は60分間拘束装置で馴化させ、4時間後、70% CO2:30% O2で軽く麻酔し、非常に柔軟な長さ4cmのポリエチレンバルーンをK−Y(登録商標)ブランドの潤滑ゼリーで潤滑したものを肛門から直腸及び遠位結腸内へ挿入した。バルーンは、口と反対側の端が肛門から1cmの位置にあるように配置され、尾の根元にバルーンカテーテルをテープ止めすることにより定位置に固定された。このカテーテルをコンピュータ化した定圧装置に接続し、この定圧装置は、バルーンの膨らみ、すなわちCRDを制御した。バルーン圧力は、すなわち結腸内圧力を示し、これが連続的に記録された。
【0185】
意識のある動物におけるCRDは、前方腹壁筋肉の収縮を含む、反射的内臓運動反応(VMR)を引き起こす(Ness TJ及びGebhart GF、Colorectal distension as a noxious visceral stimulus:physiologic and pharmacologic characterization of pseudaffective reflexes in the rat,Brain Res 1988,450:153〜169)。.これら筋肉の収縮は、腹内圧を増大させ、したがって結腸内圧力を増大させる。結腸内圧力における変化は、CRDを供給するのに使用される同じバルーンを介して変換される。圧力VMRは、ラットの前方腹壁筋に配置された電極で記録された筋電気VMRを模倣する(Tammpere A、Brusberg M、Axenborg J、Hirsch I、Larsson H及びLindstrom E.、Evaluation of pseudo−affective responses to noxious colorectal distension in rats by manometric recordings,Pain 2005,116:220〜226)。
【0186】
刺激−反応データは、4分間隔で段階的に(2.0kPa(15mmHg)刻み)増加する圧力の20秒間拡張を2シリーズ行い、次のように圧力反応を記録することによって得られた:結腸内圧力信号がデジタル1Hzハイパスフィルターを通過して整流され、次にCRDの最初の15秒の積分が、ベースライン差し引き(バルーン拡張直前の15秒間)の対象となった。このベースラインを差し引いた、拡張圧力2.0、4.0、6.0kPa(15、30、45mmHg)に対する圧力VMRは、平均され、各ラットについて対照付きの刺激−反応の関係が得られた。結腸バルーンを除去し、ラットはホームケージに戻された。
【0187】
次の朝、70% CO2:30% O2の軽い麻酔下で、30%エタノール中2.5%(w/v)zymosan A(Saccharomyces cerevisiae;Sigma Chemical Co.(St.Louis)から販売)の1.5mLボーラスを結腸内に滴下することにより、大腸炎を誘発させた。4時間後、ラットを軽く麻酔し、結腸直腸バルーンを、前日の対照拡張と同じように挿入した。同一のCRD刺激を適用し、実験の対照段階に記述したのと同様に圧力VMRを記録し、分析した。ラットに、20%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンに溶かした試験化合物を3、10又は30mg/kgで、1mg/kg皮下(s.c.)投与した(Nはそれぞれ14、10及び6)。投与から20分後にCRD刺激を適用した。6.0kPa(45mmHg)のCRD刺激は対照(zymosan投与前)の状態においてピーク反応を引き起こした。よって、各ラットの反応は、大腸炎誘発の前日に記録された圧力での圧力VMRの割合として算出された。つまり、各ラットはそれぞれ、自らの対照を備えていた。zymosan投与前の6.0kPa(45mmHg)でのVMRが対照(N=7)の100%以下であるラットのVMRデータは、除外された。
【0188】
化合物#12(30mg/kg、皮下)は、この内臓痛のモデルにおいて、6.0kPa(45mmHg)CRDに対する痛覚過敏反応を逆転させた(対照の103.8±22.1%に対するビヒクル処置ラットの対照の239.6±28.9%(対照に比較してP<0.001))。
【0189】
実施例9(インビボ測定):CFA誘発の足放射熱過敏症
温度制御したガラス表面上の試験チャンバーに各ラットを入れ、約10分間馴化させた。次いで放射熱刺激(光線)をガラスを通して各後肢の足底面に順番に集中させた。熱刺激は、足を動かしたとき、又はカットオフ時間に達したとき(20秒)に、光電リレーによって自動的に遮断された。CFAの注射に先立ち、熱刺激に対する初期(ベースライン)応答潜時が各ラットについて記録された。足底内へのCFAの注射から24時間後、熱刺激に対する動物の応答潜時が再評価され、動物のベースライン応答時間と比較された。応答潜時(すなわち、痛覚過敏症)の少なくとも25%の減少を示したラットのみを、その先の解析に含めた。CFA投与後の潜伏期評価を行った直後に、試験化合物又は媒体(通常はSolutol、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン又はPEG−400)をラットに腹腔内又は経口投与した。化合物処置後の潜時からの離脱は、通常、30、60及び120分の固定された時間間隔で評価された。過敏症の反転パーセントは、次の式を用いて算出された:%反転=(投与後潜時−前投与潜時)/(ベースライン(CFA前)潜時−前投与潜時)×100。
【0190】
化合物#12(その対応するHCl塩として)が、20% HPβCD溶液で、30mg/kgの投与量、処置時間30分間で腹腔内投与された。この化合物は、過敏症を90.3%反転させたことが測定され、ED50値は0.9mg/kgである。
【0191】
実施例10:固体の経口製剤−予測実施例
経口組成物の特定の実施形態として、実施例1で調製した化合物#12を100mg、十分な微粉乳糖とともに配合し、580〜590mgの合計量を得て、サイズOの硬質ゲルカプセル剤を満たした。
【0192】
前述の明細書は、例示を目的として提供される実施例と共に、本発明の原理を教示するが、本発明の実践は、以下の「特許請求の範囲」及びそれらの等価物の範囲内に含まれるすべての通常の変形、改作及び/又は修正を包含することが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物であって:
【化1】

式中、
Yは、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、1,3,5−トリアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、及び1,3,4−チアジアゾリルからなる群から選択されるフェニル又はヘテロアリールであり;
前記フェニル又はヘテロアリールは所望により、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜4アルキル、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、ニトロ及びシアノからなる群から選択される1つの置換基で置換されており;
rは1〜2の整数であり;
2はないか、又はオキソであり;
Zは次のものからなる群から選択される:
(a)NRabで置換されたフェニル;
式中、Raは水素又はC1〜4アルキルであり;RbはC1〜4アルキル、シクロアルキル、フェニル、フラニルメチル、又はフェニル(C1〜2アルキル)であり;Rbの(or of)フェニル、Rbのフェニル(C1〜2アルキル)のフェニル、又はRbのフラニルメチルのフラニルは、所望によりヨード置換基で置換され;
あるいは、Ra及びRbは窒素原子で共に結合して5〜8員環ヘテロシクリルを形成し、このヘテロシクリルは所望によりベンゾ基に縮合されている;
(b)ビフェニル−3−イル又はビフェニル−4−イル;式中、式(I)のカルボニルに結合している内側フェニル環は、所望により1つのフルオロ置換基で置換され;この末端フェニル環は、所望により、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、クロロ、ジクロロ、フルオロ、及びヨードからなる群から選択される1つの置換基で置換されている;
(c)C5〜8シクロアルキル、−NHC(=O)シクロヘキシル、フェニルオキシ、フェニルカルボニル、フェニル(C1〜3)アルキル、フェニル(C1〜3)アルコキシ、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソインドル−2−イル−1,3−ジオン、2,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル;1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イロキシ、及び1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルからなる群から選択される置換基で置換されているフェニル;
(d)C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、ヨード、クロロ及びニトロからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されているフェニル;
(e)フェニル(C1〜2)アルキル−;式中、このフェニルは所望により、ヨード、フルオロ、C1〜6アルキル、フェニル、及びNRcdからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており;Rcは水素又はC1〜4アルキルであり;RdはC1〜4アルキル又はC3〜6シクロアルキル(C1〜4)アルキルであり;フェニル(C1〜2)アルキルのC1〜2アルキルは所望によりフェニルで置換されている;
(f)フェニル(C2〜4)アルケニル−;式中、前記フェニルは所望により、トリフルオロメチルチオ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、フェニル、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で置換されている;
(g)ナフチル;前記ナフチルは所望により、1つのC1〜4アルコキシ置換基で置換されている;
(h)フルオレニル又はキサンテニル;前記フルオレニル又はキサンテニルは所望によりオキソで置換されている;
(i)C5〜8シクロアルキル;前記C5〜8シクロアルキルは所望により1つのC1〜6アルキル置換基で置換されている;
(j)ベンゾ縮合C5〜8シクロアルキル又はベンゾ縮合C5〜8シクロアルキル(C1〜4)アルキル;前記C5〜8シクロアルキル部分は所望により、1〜4個のメチル置換基で置換されている;
(k)ビシクロ[2.2.2]オクチル−1−イル;前記ビシクロ[2.2.2]オクチル−1−イルは所望によりC1〜6アルキルで置換されている;
(l)ベンゾオキサゾリル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ピリジニル、インドリル、チエニル、フラニル、ピラゾリル、オキサゾリル、ベンゾチエニル、及びベンゾフラニルからなる群から選択される、ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリール;
前記ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリールは所望により、C1〜4アルキル、トリフルオロメチル、C5〜8シクロアルキル、フェニル、フェニル(C1〜2)アルコキシ、フェニル(C2〜4)アルキニル及びジクロロフェノキシからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換され;並びにヘテロアリールのフェニル置換基は更に所望により、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルから選択される置換基で置換されている;
(m)1,5−ジフェニル−1H−ピラゾル−3−イル;式中、前記ピラゾル−3−イルは所望によりメチル置換基で置換されており;及びこの1,5−ジフェニル置換基のフェニル基それぞれは更に所望により、クロロ、ジクロロ又はアミノスルホニルから選択される置換基で置換されている;
(n)1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル;前記1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルは所望により、フェニル又はトリフルオロメチル置換されたフェニルで置換されている;並びに
(o)ベンゾ縮合ヘテロシクリル(C2〜4)アルケニル;前記ベンゾ縮合ヘテロシクリルはベンゾ環を介してC2〜4アルケニルに結合しており;前記ベンゾ縮合ヘテロシクリルは更に所望によりC5〜6シクロアルキルで置換されている;
あるいは、このエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩であり、
ただし式(I)の化合物が下記:
Yが3−メチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−(フェニルカルボニル)フェニルである化合物;
Yが5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−シクロヘキシル−フェニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが3−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニルである化合物;
Yが5−シアノピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
Yが5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
Yがピリミジン−2−イル、rが2、及びR2がなく、Zが2−(4−トリフルオロメチルチオフェニル)−ビニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−フェニル−ビニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−フェニルエチルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−t−ブチル−ベンゾオキサゾル−6−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−(4−メトキシフェニル)−ベンゾオキサゾル−7−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1,2−ジイソブチル−1H−インドル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1−メチル−2−プロピル−1H−インドル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1−イソブチル−2−フェニル−1H−インドル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1−イソブチル−2−(4−メチルフェニル)−1H−インドル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−(3−メトキシフェニル)−ベンゾオキサゾル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−ベンジルフェニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1S)−1−[4−(2−メチルプロピル)フェニル]エチルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1S)−1−(2−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)エチルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2,2−ジフェニルエチルである化合物;又は
Yが3−トリフルオロメチルフェニル、rが1、及びR2がなく、Zが1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−イルである化合物;のもの以外であることを条件とする、化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、式中、
Yはフェニル、ピリジル、ピリミジル、1,3,5−トリアジニル、チアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル及びベンゾチアゾリルからなる群から選択され;前記フェニル、ピリジル、ピリミジル、1,3,5−トリアジニル、チアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリルは所望により、シアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜4アルキル、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ及びニトロからなる群から選択される置換基で置換されており;
rは1〜2の整数であり;
2はないか、又はオキソであり;
Zは次のものからなる群から選択される:
(a)NRabで置換されたフェニル;前記Raは水素又はC1〜4アルキル;及びRbはC1〜4アルキル、シクロアルキル、フェニル、フラニルメチル、又はフェニル(C1〜2アルキル);及び前記Rbのフェニル、Rbのフェニル(C1〜2アルキル)のフェニル、又はRbのフラニルメチルのフラニルは、所望により1つのヨード置換基で置換され;あるいは、Ra及びRbは窒素原子で共に結合して5〜6員環ヘテロシクリルを形成し、このヘテロシクリルは所望によりベンゾ基に縮合されている;
(b)ビフェニル−3−イル又はビフェニル−4−イル;前記末端フェニル環は所望により、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、クロロ、ジクロロ、フルオロ、及びヨードからなる群から選択される置換基で置換されている;
(c)C5〜8シクロアルキル、−NHC(=O)シクロヘキシル、フェニルオキシ、フェニルカルボニル、フェニル(C1〜3)アルコキシ、ベンジル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソインドル−2−イル−1,3−ジオン、2,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル;1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イロキシ、及び1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルからなる群から選択される置換基で置換されているフェニル;
(d)C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、ヨード、クロロ及びニトロからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されているフェニル;
(e)フェニル(C1〜2)アルキル−;前記フェニルは所望により、ヨード、フルオロ、C1〜6アルキル、フェニル、及びNRcdからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており;前記Rcは水素又はC1〜4アルキルであり;前記RdはC1〜4アルキル又はC3〜6シクロアルキル(C1〜4)アルキルであり;並び前記フェニル(C1〜2)アルキルのC1〜2アルキルは所望によりフェニルで置換されている;
(f)フェニル(C2〜4)アルケニル−;前記フェニルは所望により、トリフルオロメチルチオ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、フェニル、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で置換されている;
(g)ナフチル;前記ナフチルは所望により、1つのC1〜4アルコキシ置換基で置換されている;
(h)フルオレニル又はキサンテニル;前記フルオレニル又はキサンテニルは所望によりオキソで置換されている;
(i)C5〜6シクロアルキル(cyclalkyl);前記C5〜6シクロアルキルは所望により1つのC1〜5アルキル置換基で置換されている;
(j)ベンゾ縮合C5〜6シクロアルキル又はベンゾ縮合C5〜6シクロアルキル(C1〜4)アルキル;前記C5〜6シクロアルキル部分は所望により、1〜4個のメチル置換基で置換されている;
(k)ビシクロ[2.2.2]オクチル−1−イル;前記ビシクロ[2.2.2]オクチル−1−イルは所望によりC1〜6アルキルで置換されている;
(l)ベンゾオキサゾリル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ピリジニル、インドリル、チエニル、フラニル、ピラゾリル、オキサゾリル、ベンゾチエニル、及びベンゾフラニルからなる群から選択される、ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリール;
前記のヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリールは所望により、C5〜6シクロアルキル、C1〜4アルキル、フェニル、トリフルオロメチル、フェニル(C1〜2)アルコキシ、ジクロロフェノキシ、及びフェニル−エチニルからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換され;並びにヘテロアリールのフェニル置換基は更に所望により、メチル、メトキシ、又はトリフルオロメチルから選択される置換基で置換されている;
(m)1,5−ジフェニル−1H−ピラゾル−3−イル;前記ピラゾル−3−イルは所望によりメチル置換基で置換されており;及びこの1,5−ジフェニル置換基のフェニル基それぞれは所望により、クロロ、ジクロロ又はアミノスルホニルから選択される置換基で置換されている;
(n)1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル;前記1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルは所望により、フェニル又はトリフルオロメチル置換されたフェニルで置換されている;並びに
(o)ベンゾ縮合ヘテロシクリル(C2〜4)アルケニル;前記ベンゾ縮合ヘテロシクリルはベンゾ環を介してC2〜4アルケニルに結合しており;及び前記ベンゾ縮合ヘテロシクリルは所望によりC5〜6シクロアルキルで置換されている;
あるいは、このエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩であり、
ただし式(I)の化合物が下記:
Yが3−メチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−(フェニルカルボニル)フェニルである化合物;
Yが5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−シクロヘキシル−フェニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが3−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニルである化合物;
Yが5−シアノピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
Yが5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
Yがピリミジン−2−イル、rが2、及びR2がなく、Zが2−(4−トリフルオロメチルチオフェニル)−ビニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−フェニル−ビニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−フェニルエチルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−t−ブチル−ベンゾオキサゾル−6−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−(4−メトキシフェニル)−ベンゾオキサゾル−7−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1,2−ジイソブチル−1H−インドル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1−メチル−2−プロピル−1H−インドル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1−イソブチル−2−フェニル−1H−インドル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1−イソブチル−2−(4−メチルフェニル)−1H−インドル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−(3−メトキシフェニル)−ベンゾオキサゾル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−ベンジルフェニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1S)−1−[4−(2−メチルプロピル)フェニル]エチルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1S)−1−(2−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)エチルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2,2−ジフェニルエチルである化合物;又は
Yが3−トリフルオロメチルフェニル、rが1、及びR2がなく、Zが1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−イルである化合物;のもの以外であることを条件とする、化合物。
【請求項3】
請求項1の化合物であって、式中、
Yはフェニル、ピリジル、ピリミジル、1,3,5−トリアジニル、チアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル及びベンゾチアゾリルからなる群から選択され;前記フェニル、ピリジル、ピリミジル、1,3,5−トリアジニル、チアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリルは所望により、シアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜2アルキル、トリフルオロメチル、C1〜2アルコキシ、C1〜2アルキルチオ及びニトロからなる群から選択される置換基で置換されており;
rは1〜2の整数であり;
2はないか、又はオキソであり;
Zは次のものからなる群から選択される:
(a)NRabで置換されたフェニル;式中、Raは水素又はC1〜4アルキル;及びRbはC1〜4アルキル、シクロアルキル、フェニル、フラニルメチル、又はベンジル;及びRbのフェニル又はベンジル、あるいはRbのフラニルメチルのフラニルは、所望により、1つのヨード置換基で置換され;あるいは、Ra及びRbは窒素原子で共に結合して1−ピロリジニル又は1−アゼパニルを形成する;
(b)ビフェニル−3−イル又はビフェニル−4−イル;式中、末端フェニル環は所望により、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、クロロ、ジクロロ、フルオロ、及びヨードからなる群から選択される置換基で置換されている;
(c)シクロヘキシル、−NHC(=O)シクロヘキシル、フェニルオキシ、フェニルカルボニル、ベンジロキシ、ベンジル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソインドル−2−イル−1,3−ジオン、2,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル;1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イロキシ、及び1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルからなる群から選択される置換基で置換されているフェニル;
(d)C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、ヨード、クロロ及びニトロからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されているフェニル;
(e)フェニル(C1〜2)アルキル−;式中、フェニルは所望により、ヨード、フルオロ、C1〜6アルキル、フェニル、及びNRcdからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており;前記Rcは水素又はC1〜4アルキルであり;前記RdはC1〜4アルキル又はC3〜6シクロアルキル(C1〜4)アルキルであり;並びに前記フェニル(C1〜2)アルキルのC1〜2アルキルは所望によりフェニルで置換されている;
(f)フェニル(C2〜4)アルケニル−;前記フェニルは所望により、トリフルオロメチルチオ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で置換されている;
(g)ナフチル;前記ナフチルは所望により、1つのC1〜4アルコキシ置換基で置換されている;
(h)フルオレニル又はキサンテニル;前記フルオレニル又はキサンテニルは所望によりオキソで置換されている;
(i)シクロヘキシル;前記シクロヘキシルは所望により、1つのC1〜6アルキル置換基で置換されている;
(j)ベンゾ縮合C5〜6シクロアルキル又はベンゾ縮合C5〜6シクロアルキル(C1〜4)アルキル;前記C5〜6シクロアルキル部分は所望により、1〜4個のメチル置換基で置換されている;
(k)ビシクロ[2.2.2]オクチル−1−イル;前記ビシクロ[2.2.2]オクチル−1−イルは所望によりC1〜6アルキルで置換されている;
(l)ベンゾオキサゾリル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ピリジニル、インドリル、チエニル、フラニル、ピラゾリル、オキサゾリル、ベンゾチエニル、及びベンゾフラニルからなる群から選択される、ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリール;
前記ヘテロアリール又はベンゾ縮合ヘテロアリールは所望により、シクロヘキシル、C1〜4アルキル、フェニル、トリフルオロメチル、ベンジロキシ、ジクロロフェノキシ、及びフェニル−エチニルからなる群から独立に選択される1〜2個の置換基で置換され;並びにヘテロアリールのフェニル置換基は更に所望により、メチル、メトキシ、又はトリフルオロメチルから選択される置換基で置換されている;
(m)1,5−ジフェニル−1H−ピラゾル−3−イル;前記ピラゾル−3−イルは所望によりメチル置換基で置換されており;及びこの1,5−ジフェニル置換基のフェニル基それぞれは所望により、クロロ、ジクロロ又はアミノスルホニルから選択される置換基で置換されている;
(n)1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル;前記1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルは所望により、フェニル又はトリフルオロメチル置換されたフェニルで置換されている;並びに
(o)ベンゾ縮合ヘテロシクリル(C2〜4)アルケニル;前記ベンゾ縮合ヘテロシクリルはベンゾ環を介してC2〜4アルケニルに結合しており;及び前記ベンゾ縮合ヘテロシクリルは所望によりシクロヘキシルで置換されている;
あるいは、このエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩であり、
ただし式(I)の化合物が下記:
Yが3−メチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−(フェニルカルボニル)フェニルである化合物;
Yが5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−シクロヘキシル−フェニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが3−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニルである化合物;
Yが5−シアノピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
Yが5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
Yがピリミジン−2−イル、rが2、及びR2がなく、Zが2−(4−トリフルオロメチルチオフェニル)−ビニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−フェニル−ビニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−フェニルエチルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−t−ブチル−ベンゾオキサゾル−6−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−(4−メトキシフェニル)−ベンゾオキサゾル−7−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1,2−ジイソブチル−1H−インドル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1−メチル−2−プロピル−1H−インドル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1−イソブチル−2−フェニル−1H−インドル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが1−イソブチル−2−(4−メチルフェニル)−1H−インドル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−(3−メトキシフェニル)−ベンゾオキサゾル−5−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−ベンジルフェニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1S)−1−[4−(2−メチルプロピル)フェニル]エチルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが(1S)−1−(2−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)エチルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2,2−ジフェニルエチルである化合物;又は
Yが3−トリフルオロメチルフェニル、rが1、及びR2がなく、Zが1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−イルである化合物;のもの以外であることを条件とする、化合物。
【請求項4】
請求項1の化合物であって、式中、
Yはフェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メチルチオ−フェニル、2−ニトロ−フェニルピリド−2−イル、3−シアノ−ピリド−2−イル、5−シアノ−ピリド−2−イル、5−ブロモ−ピリド−2−イル、3−クロロ−ピリド−2−イル、5−クロロ−ピリド−2−イル、3−ヨード−ピリド−2−イル、3−メチル−ピリド−2−イル、4−メチル−ピリド−2−イル、3−トリフルオロメチル−ピリド−2−イル、ピリミジン−2−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、ベンゾオキサゾル−2−イル、ベンゾイソキサゾル−3−イル、チアゾル−2−イル、5−トリフルオロメチル−[1,3,4]−チアジアゾル−2−イル及びベンゾチアゾル−2−イルからなる群から選択され;
rは1〜2の整数であり;
2はないか、又はオキソであり;
Zは4−(N−メチル−N−シクロヘキシル−アミノ)−フェニル、4−(ピロリジン−1−イル)−フェニル、4−(1−アゼパニル)−フェニル、4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−フェニル、4−(4−メトキシフェニル)−フェニル、4−シクロヘキシル−フェニル、4−(N−(2−ヨードベンジル)−アミノ)−フェニル、4−(2−クロロフェニル)−フェニル、4−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−フェニル、ビフェン−4−イル、4−(N−メチル−N−フェニル−アミノ)−フェニル、4−(4−ヨードフェニル)−フェニル、4−フェニルオキシ−フェニル4−(N−(5−ヨード−フラン−2−イルメチル)アミノ)−フェニル、4−ベンジル−フェニル、4−(ピロル−1−イル)−フェニル、4−(3−フルオロフェニル)−フェニル、4−(N−シクロヘキシルカルボニル−アミノ)−フェニル、4−ジメチルアミノ−フェニル、4−ブチル−フェニル、4−ジエチルアミノ−フェニル、3−ヨード−4−メトキシ−フェニル、3−ヨード−4−クロロ−フェニル、4−(1,1−ジメチル−プロピル)−フェニル、4−(ピラゾル−1−イル)−フェニル、3−(フェニルオキシ)−フェニル、3−ヨード−4−メチル−フェニル、3−メチル−4−ヨード−フェニル、3−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−ヨードフェニル、2−(ベンジロキシ)−フェニル、ビフェン−3−イル、4−(イミダゾル−1−イル)−フェニル、4−(フェニルカルボニル)−フェニル、2−(イソインドリル−1,3−ジオン)−フェニル、3−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドル−2−イル)−フェニル、3−(フェニルカルボニル)−フェニル、4−ニトロフェニル、4−(1−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)−フェニル、4−(1−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)オキシ)−フェニル、1,1,4,4,テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−6−イル−エチル、6−メトキシ−ナフト−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−2−イル、2−(9−オキソ−フルオレニル)、フルオレン−2−イル、4−(N−メチル−N−シクロヘキシルメチル−アミノ)−フェニルエチル、4−ヨード−フェニルエチル、4−(t−ブチル)−フェニルエチル、3−ヨード−フェニルエチル、
【化2】

4−(トリフルオロメチル−チオ)−フェニル−エテニル、4−イソプロピル−フェニル−エテニル、3−トリフルオロメチル−フェニル−エテニル、3−エトキシ−フェニル−エテニル、4−(n−ペンチル)−シクロヘキシル、4−(t−ブチル)−シクロヘキシル、4−ペンチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル、2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イル、2−メチル−3−フェニル−ベンズイミダゾル−6−イル、1−イソプロピル−2−トリフルオロメチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−シクロヘキシル−2−メチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−プロピル−インドル−5−イル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(4−クロロフェニル)−ピラゾル−3−イル、2−フェニル−ベンズイミダゾル−5−イル、4−フェニル−5−トリフルオロメチル−チエン−2−イル、5−ベンジロキシ−インドル−2−イル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−ピラゾル−3−イル、1,5−ジフェニル−ピラゾル−3−イル、1−(4−アミノスルホニル−フェニル)−5−(4−クロロフェニル)−ピラゾル−3−イル、5−(3−トリフルオロ−メチル−フェニル)−フラン−2−イル)、5−(4−メチルフェニル)−フラン−2−イル、5−(4−メトキシフェニル)−フラン−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル、5−フェニル−フラン−2−イル、1−フェニル−ピラゾル−4−イル、2−フェニル−5−トリフルオロメチル−オキサゾル−4−イル、キノリン−6−イル、キノリン−2−イル、3−メチル−ベンゾフラン−2−イル、5−ブチル−ピリド−2−イル、4−ベンジロキシ−インドル−2−イル、インドル−5−イル、5−(フェニルエチニル)−フラン−2−イル、5−(3,5−ジクロロフェニロキシ)−フラン−2−イル、キサンテン−3−イル−9−オン、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル、1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル、1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル、(1−シクロヘキシル−インドリン−5−イル)−エテニル−、及び6−トリフルオロメチル−ベンゾ[b]チエン−2−イルからなる群から選択され;
あるいは、このエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩であり、
ただし式(I)の化合物が下記:
Yが3−メチルピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
Yが5−シアノピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが4−ビフェニルである化合物;
Yがピリミジン−2−イル、rが2、及びR2がなく、Zが2−(4−トリフルオロメチルチオフェニル)−ビニルである化合物;
Yがピリジン−2−イル、rが1、及びR2がなく、Zが2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イルである化合物;又は
Yが3−トリフルオロメチルフェニル、rが1、及びR2がなく、Zが1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−イルである化合物;のもの以外であることを条件とする、化合物。
【請求項5】
請求項1の化合物であって、式中、
Yは、ピリド−2−イル−、3−シアノ−ピリド−2−イル、5−クロロ−ピリド−2−イル、ピリミジン−2−イル、チアゾル−2−イル、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル及びベンズイソキサゾル−2−イルからなる群から選択され;
rは1であり;
2は存在せず、
Zは、4−(N−メチル−N−シクロヘキシル−アミノ)−フェニル、4−(ピロリジン−1−イル)−フェニル、4−(1−アゼパニル)−フェニル、4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−フェニル、4−(4−メトキシフェニル)−フェニル、4−シクロヘキシル−フェニル、4−(N−(2−ヨードベンジル)−アミノ)−フェニル、4−(2−クロロフェニル)−フェニル、4−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−フェニル、ビフェン−4−イル、4−(N−メチル−N−フェニル−アミノ)−フェニル、4−(4−ヨードフェニル)−フェニル、4−フェニルオキシ−フェニル、4−(N−(5−ヨード−フラン−2−イルメチル)アミノ)−フェニル、4−ベンジル−フェニル、4−(ピロル−1−イル)−フェニル、4−(3−フルオロフェニル)−フェニル、4−(N−シクロヘキシルカルボニル−アミノ)−フェニル、4−ジメチルアミノ−フェニル、4−ブチル−フェニル、4−ジエチルアミノ−フェニル、3−ヨード−4−メトキシ−フェニル、3−ヨード−4−クロロ−フェニル、4−(1,1−ジメチル−プロピル)−フェニル、4−(ピラゾル−1−イル)−フェニル、3−(フェニルオキシ)−フェニル、3−ヨード−4−メチル−フェニル、3−メチル−4−ヨード−フェニル、3−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−ヨードフェニル、2−(ベンジロキシ)−フェニル、4−ベンジロキシ−フェニル、4−(1−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)−フェニル、4−(1−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)オキシ)−フェニル、1,1,4,4,テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−6−イル−ethyl、6−メトキシ−ナフト−2−イル、2−(9−オキソ−フルオレニル)、4−(N−メチル−N−シクロヘキシルメチル−アミノ)−フェニルエチル、4−ヨード−フェニルエチル、4−(t−ブチル)−フェニルエチル、4−(トリフルオロメチル−チオ)−フェニル−エテニル、4−(n−ペンチル)−シクロヘキシル、2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イル、2−メチル−3−フェニル−ベンズイミダゾル−6−イル、1−イソプロピル−2−トリフルオロメチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−シクロヘキシル−2−メチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−プロピル−インドル−5−イル、2−フェニル−ベンズイミダゾル−5−イル、4−フェニル−5−トリフルオロメチル−チエン−2−イル、キサンテン−3−イル−9−オン、1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(4−クロロフェニル)−ピラゾル−3−イル及び6−トリフルオロメチル−ベンゾ[b]チエン−2−イルからなる群から選択され;
あるいは、このエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩であり、
ただし式(I)の該化合物が、Yがピリド−2−イル、rが1、R2がなく、Zが2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イルである化合物以外であることを条件とする、化合物。
【請求項6】
請求項1の化合物であって、式中、式中、
Yはピリド−2−イル、3−シアノ−ピリド−2−イル、ピリミジン−2−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、チアゾル−2−イル、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル及びベンズイソキサゾル−3−イルからなる群から選択され;
rは1であり;
2は存在せず;
Zは、4−(N−メチル−N−シクロヘキシル−アミノ)−フェニル、4−(ピロリジン−1−イル)−フェニル、4−(1−アゼパニル)−フェニル、4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−フェニル、4−(4−メトキシフェニル)−フェニル、4−シクロヘキシル−フェニル、4−(N−(2−ヨードベンジル)−アミノ)−フェニル、4−(2−クロロフェニル)−フェニル、4−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−フェニル、ビフェン−4−イル、4−(N−メチル−N−フェニル−アミノ)−フェニル、4−(4−ヨードフェニル)−フェニル、4−フェニルオキシ−フェニル、4−(N−(5−ヨード−フラン−2−イルメチル)アミノ)−フェニル、4−ベンジル−フェニル、4−(ピロル−1−イル)−フェニル、4−(3−フルオロフェニル)−フェニル、4−(N−シクロヘキシルカルボニル−アミノ)−フェニル、4−ジメチルアミノ−フェニル、4−ジエチルアミノ−フェニル、4−ベンジロキシ−フェニル、2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イル、2−メチル−3−フェニル−ベンズイミダゾル−6−イル、1−イソプロピル−2−トリフルオロメチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−シクロヘキシル−2−メチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−プロピル−インドル−5−イル及び6−トリフルオロメチル−ベンゾ[b]チエン−2−イルからなる群から選択され;
あるいは、このエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩であり、
ただし式(I)の該化合物が、Yがピリド−2−イル、rが1、R2がなく、Zが2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イルである化合物以外であることを条件とする、化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物であって、式中、
Yはピリド−2−イル、3−シアノ−ピリド−2−イル、ピリミジン−2−イル及びチアゾル−2−イルからなる群から選択され;
rは1であり;
2は存在せず、
Zは4−(N−メチル−N−シクロヘキシル−アミノ)−フェニル、4−(ピロリジン−1−イル)−フェニル、4−(1−アゼパニル)−フェニル、4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−フェニル、4−(4−メトキシフェニル)−フェニル、4−(2−クロロフェニル)−フェニル、4−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−フェニル、ビフェン−4−イル、4−(N−メチル−N−フェニル−アミノ)−フェニル、4−フェニルオキシ−フェニル、4−シクロヘキシル−フェニル、4−ベンジル−フェニル、4−(ピロル−1−イル)−フェニル、4−(3−フルオロフェニル)−フェニル、4−(N−シクロヘキシルカルボニル−アミノ)−フェニル、4−ジメチルアミノ−フェニル、4−ブチル−フェニル、4−ジエチルアミノ−フェニル、3−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−ベンジロキシ−フェニル、4−(1−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)−フェニル、1,1,4,4,テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−6−イル−エチル、4−(N−メチル−N−シクロヘキシルメチル−アミノ)−フェニルエチル、4−(トリフルオロメチル−チオ)−フェニル−エテニル、2−メチル−3−フェニル−ベンズイミダゾル−6−イル、1−イソプロピル−2−トリフルオロメチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−シクロヘキシル−2−メチル−ベンズイミダゾル−4−イル、1−プロピル−インドル−5−イル及び1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(4−クロロフェニル)−ピラゾル−3−イルからなる群から選択され;
あるいは、このエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩である、化合物。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物であって、式中、
Yはピリド−2−イル、ピリミジン−2−イル、チアゾル−2−イル及びベンズイソキサゾル−2−イルからなる群から選択され;
rは1であり;
2は存在せず;
Zは4−シクロヘキシル−フェニル、ビフェン−4−イル、4−(N−シクロヘキシルカルボニル−アミノ)−フェニル、4−ベンジルフェニル、4−ジエチルアミノフェニル、3−ヨード−4−メトキシ−フェニル、3−(4−フルオロフェニル)−フェニル、4−(3−フルオロフェニル)−フェニル、4−(N−メチル−N−シクロヘキシルメチル−アミノ)フェニル、9−オキソ−フルオレン−2−イル及び2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イルからなる群から選択され;
あるいは、このエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬上許容される塩であり;
ただし式(I)の該化合物が、Yがピリド−2−イル、rが1、R2がなく、Zが2−シクロヘキシル−ベンゾオキサゾル−6−イルである化合物以外であることを条件とする、化合物。
【請求項9】
製薬上許容し得る担体と請求項1に記載の化合物とを含んでなる製薬学的組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物及び製薬学的に許容できる担体を混合することにより製造される製薬学的組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物と製薬上許容し得る担体とを混合することを含んでなる、製薬学的組成物を製造する方法。
【請求項12】
MGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害を処置又は改善するための方法であって、これを必要とする被験体に請求項1に記載の化合物を治療有効量投与することを含んでなる、上記方法。
【請求項13】
前記のMGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害が、疼痛、炎症性疼痛、炎症性過敏状態、及び神経障害性疼痛からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記のMGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害が疼痛である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記のMGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害が炎症性疼痛である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記のMGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害が内臓痛である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記のMGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害が潰瘍性大腸炎である、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記のMGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害が神経障害性疼痛である、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記のMGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害が寒冷異痛症である、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記のMGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害が、炎症性疼痛及び神経障害性疼痛からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
MGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害を処置することを必要とする被験体における、MGLの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、病的状態又は障害を処置するための、薬剤又は医薬組成物の調製のための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項22】
炎症性疼痛又は神経障害性疼痛の処置を必要とする被験体における、炎症性疼痛又は神経障害性疼痛の処置のための、薬剤又は医薬組成物の調製のための、請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2012−524809(P2012−524809A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507394(P2012−507394)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/032098
【国際公開番号】WO2010/124121
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】