説明

モバイルネットワークにおけるサービス品質を描写する方法及び装置

【課題】 多数のQoSデータソースを単一のグラフィックオブジェクトに統合するグラフィック表示の必要性、並びに、多くのデータ構成要素をユーザがアクセスし易いように管理する強化された表示方法を提供する。
【解決手段】 被試験システムからデータを収集するステップと、サービス品質パラメータを識別するステップと、前記被試験システムから収集した前記データに基づいてサービス品質パラメータの値を生成するステップと、前記値を、パラメータを示す第1の軸と、
パラメータの値を示す第2の軸と、時間を示す第3の軸とを有する三次元グラフ上にグラフ化するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイルネットワークにおけるサービス品質を描写する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代無線通信システム(一般に、3Gシステムと呼ばれる)が、設計され、作成され、実用化されてきている。3Gシステムは、一般に、最高2ギガバイト/秒(Mbps)、場合によってはそれ以上のデータ転送速度の、文字、音声、ビデオ及びマルチメディアを含む広帯域パケット方式データ伝送として定義される。3Gシステムの1つの例は、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)である。
【0003】
上述のように、3Gシステムの1つの例は、ユニバーサル移動体通信システムすなわちユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(Universal Mobile Telecommunications System ;UMTS)である。UMTSは、国際電気通信連合(ITU)IMT−2000体制で開発されている現在展開中のシステムである。UMTSは、一般に、ヨーロッパで優勢なグループスペシャルモバイル(GSM)ネットワークの後継ネットワークと考えられてきた。UMTSは、第2世代ネットワークよりも実質的に高いデータ転送速度と高い容量を提供するために5MHzチャネルキャリア幅を使用する。この5MHzチャネルキャリアは、3Gネットワークを展開するコストを抑えるために、特に、一般に2x10MHzから最大2x20MHzの範囲のスペクトルの大きい連続ブロックが与えられたオペレータが無線資源を最適に使用できるようにする。第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト(3GPP (www.3gpp.org)を参照)によって一般的に標準化され、ペア帯域と非ペア帯域において大域的に調和されたスペクトルを使用することによって、初期段階の3G/UMTSは、移動度が大きい状況で最大384kbpsの理論ビットレートを提供し、静的/ノマディックユーザ環境では2Mbpsもの高さになる。また、ペア(FDD)スペクトルを使用するときのアップリンクとダウンリンクのデータ転送速度の対称性は、理想的には、3G/UMTSがリアルタイムビデオ電話通信のような用途に適していることを意味する。
【0004】
新しく出現した3Gシステムにおける様々な接続と装置を監視して問題解決する試験測定システムが利用可能である。今日の極めて競争が激しい電気通信分野において、顧客は高いネットワーク信頼性を必要としており、所望のサービスをより高いレベルでサポートするために、ネットワークを操作し、維持するコストと性能のバランスをとらなければならない。今日のパケット及び信号ネットワークの設計、問題解決、設置、及び保守に充てる時間と資源を最大にしようとする様々なネットワーク及び信号試験測定製品が様々なベンダから入手可能である。
【0005】
サービス提供者は、ネットワークを構築し、1つ又は複数の3G規格に従うとき、ネットワークの信頼性と性能を測定して制御する装置及び方法を必要とする。一般に、サービス品質「QoS」とは、特定の数の顧客に特定のレベルのサービスを提供するネットワークの能力を指す。QoSの取り扱いは、第3世代パートナーシップによって描かれたシステム仕様の基本概念の1つである。
【0006】
収益を最大にするために、多くの運営者は、高い価格の高いレベルのQoSを提供する。あるレベルのQoSの同意を得た後で、ネットワーク提供者は、QoSに影響を及ぼす事象を測定するためにネットワークを目で監視できると有利である。そのような監視は、ネットワークのより優れた保守を容易にし、同意されて課される料金に関する疑問を最小にし、ネットワーク運営者がシステムトラフィックを最適化することを可能にする。従って、試験測定システムの提供者は、QoS測定方法及び装置をそのハードウェアとソフトウェアに組み込む。得られる情報は、一般に、表形式で表される。ユーザは、グラフィカルユーザインタフェース内を移動することによって個々の測定値を含む様々な態様を見ることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
3Gネットワークは、一般に、多数のプロセスと機器がQoS全体に影響を及ぼすような極めて複雑なネットワークである。QoS依存が大きくなるほど、ユーザに呈示される情報の量も増える。本発明者は、多数のQoSデータソースを単一のグラフィックオブジェクトに統合するグラフィック表示の必要性を認識した。さらに、多くのデータ構成要素をユーザがアクセスし易いように管理する強化された表示方法が必要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
添付図面と関連して行われる本発明の以下の詳細な説明から本発明を理解することができる。
【0009】
次に、本発明について詳細に言及し、その例を添付図面に示し、図面全体を通して類似の参照数字は類似の要素を指す。以下の詳細な説明は、コンピュータ可読媒体、関連プロセッサ、汎用パーソナルコンピュータなどの内部でデータビットの操作のルーチン及び記号表現によって実施できる方法を表す。そのような説明と表現は、当業者が自分の研究の内容を他の当業者に有効に伝えるために使用する手段である。
【0010】
方法は、本明細書及び一般において、所望の結果を導き出す一連のステップ又は操作と考えられ、従って、「ルーチン」、「プログラム」、「オブジェクト」、「関数」、「サブルーチン」、「手順」のような技術用語を含む。本明細書で説明する方法は、必要な信号処理機能を備えたコンピュータとインタフェースに記憶されたルーチンによって選択的に活動化又は再構成される汎用コンピュータや他のネットワーク装置上で動作することができる。より端的に言うと、本明細書に示した方法は、本質的にいかなる特定の装置にも関連付けられず、むしろ請求する方法を実施するために様々な装置を使用することができる。本発明を実施するために役立つ装置には、AGILENT TECHNOLOGIES社やHEWLETT PACKARD社ならびに他のコンピュータとネットワーク装置メーカーによって製造された装置がある。
【0011】
本明細書で説明するソフトウェアに関して、当業者は、本明細書で概説する方法を実行するソフトウェアを作成するための様々なプラットフォーム及びプログラム言語があることを理解するであろう。本発明の実施形態は、多くの様々なプログラム言語のいずれを使用して実施することもでき、その1つの例はJAVA(登録商標)であるが、当業者は、また、厳密なプラットフォームと言語の選択が、構成された実際のシステムの詳細によって指定される場合が多く、それにより、あるタイプのシステムに都合がよいものが別のシステムには効率的でない場合もあることが分かる。また、本明細書に示した方法は、マイクロプロセッサ上のソフトウェアとして実行されるように限定されず、他のタイプのプロセッサでも実施できることを理解されたい。例えば、方法は、ASIC(特定用途向け集積回路)においてHDL(ハードウェア設計言語)によって実施されてもよい。さらに、ソリューションは、単一コンピュータで実行されてもよく、タスクのサブセットをそれぞれ実行する複数のコンピュータにわたってもよい。
【0012】
以下の説明は、UMTSシステムと関連した用語を使用するが、当業者は、本発明が、任意の3Gシステム、ほとんどの2.5Gシステム、及び多くの1Gシステムを含む様々な無線システムに適用可能であることを理解するであろう。将来のほとんどのシステムは、本明細書に示した実施形態を含む本発明から利益を得ることが分かる。
【0013】
図1は、本発明の好ましい実施形態による方法を実施することができるネットワーク解析システムのブロック図である。より具体的には、図1は、UMTSネットワークに利用されるようなAGILENT TECHNOLOGIES社のNETWORK ANALYZER系列の製品を示す。当業者は、本発明の方法が、他のベンダからの試験測定システムにも適用され、他のネットワーク上で使用することができることを理解するであろう。
【0014】
図1は、UMTSネットワーク100に適用される分散型試験測定システムを示す。UMTSネットワーク100は、一般に、コアネットワーク(CN)102、UMTS地上無線接続網(UTRAN)104、及びユーザ装置(UE)106を含む。CN102の主な機能は、音声、ビデオ及びデータを含むことがあるユーザトラフィックの交換、経路指定、及び中継(transit)を実現することである。CN102は、また、データベースを管理しネットワーク管理機能を実行するためのハードウェアとソフトウェアを含む。UTRAN104は、UE106にエアインタフェースアクセス方法を提供する。UE106は、一般に、携帯電話や他のパーソナル通信装置を含む。図1に示した構成において、CN102は、一般に、1つ又は複数のサービングGPRS支援ノード(SGSN)110と1つ又は複数の移動交換局/訪問者ロケーションレジスタ(MSC/VLR)112からなる。UTRAN104は、一般に、1つ又は複数の制御装置112n(UMTSでは無線ネットワーク制御装置(RNC)と呼ばれる)と、制御装置112nに結合された1つ又は複数の基地局110n(UMTSではノード-Bと呼ばれる)とを含む。基地局110nは、制御装置112nの指示によりユーザ装置106との通信路を構成する。
【0015】
UMTSネットワーク100の様々な構成要素間の接続は、インタフェースによって容易にされる。例えば、ノード-Bの120nとユーザ装置106との間のエアインタフェースは、Uuインタフェースと呼ばれ、一般にWCDMAエアインタフェースに適合する。同様に、ノード-Bの120nとRNCの122nとの間の通信は、Iubインタフェースによって容易にされる。UMTSは、GSMと違い、Iurインタフェースと呼ばれるRNCの112n間のインタフェースを指定する。RNCの122nとコアネットワークとの間のインタフェースは、一般に、Iuインタフェースと呼ばれる。UMTS規格の少なくとも最初の繰り返し(iteration)において、回路交換接続用とパケット交換接続用にそれぞれIu−csとIu−psと呼ばれる別のIuインタフェースが指定される。少なくともUMTSの初期のバージョンでは、前述の各有線インタフェースは、非同期転送モード(ATM)技術に基づく。
【0016】
プローブ150nは、UMTS100内で送られるシグナリングプロトコルの通信を監視する。プローブ150nは、Agilent社の分散型ネットワークアナライザ系列の製品のプローブなどであるがこれに限定されない様々なネットワークモニタのうちの任意のものを含むことができる。UMTS100において利用されているシグナリングプロトコルの1つの例は、アクセスリンク制御アプリケーションパートプロトコル(ALCAP)である。一般に、プローブ150nは、IUBリンク、IUリンク、IURリンクなどの様々なインタフェースを介して渡されるメッセージを受動的及び能動的に監視し収集する。図1に示したプローブ150nの接続は論理的であり、他のトポロジによって物理的接続が可能であることが分かる。従って、プローブ150aは、RNC222aと、ノード-Bの120aと120bとの間のIubインタフェースを監視する。プローブ150bは、RNC122bとノード-Bの120c及び120dとの間のIubインタフェースを監視する。プローブ150cは、RNCの122aとRNCの122bとの間のIurインタフェースを監視する。最後に、プローブ150dと150eとは、コアネットワーク102によりそれぞれRNCの122aと122bとの間のIuインタフェースを監視する。解析システム152は、プローブ150nからメッセージを受け取り、そのメッセージを解析し、UMTSシステム100の信号動作に関係する情報を提供する。解析システムは、例えば、本発明の教示により改良されたAGILENT社のSIGNALING ANALYZERを含む。また、本発明には、プローブと一体化されたものを含む他の提供者からの解析システムを利用することもできる。
【0017】
AGILENT TECHNOLOGIES社のSIGNALING ANALYZERは、今日のネットワークの設計、問題解決、設置、及び保守に充てられる時間と資源を最大にする分散型のテスト及び解析ソリューションを提供する。SIGNALING ANALYZERソリューションのモジュール式設計とフレキシビリティは、技術チームが、技術者の様々な要求に完全に応える製品構成により、潜在的問題を識別し障害を迅速かつ効果的に解決することを可能にする。詳細には、Signaling Analyzer−Realtime (Agilent社部品番号J7326A)は、主要な担当者が、生じるネットワーク問題を理解することを可能にし、膨大な量になる可能性のある診断データを使用可能な情報にする。インタフェースのフレキシビリティを最大にするために、Signaling Analyzer−Realtimeは、Agilent社の他の分散ネットワーク解析ソリューションと同じホットスワップ可能なラインインタフェース(Agilent社部品番号J6801A)を備えた十分に実績のあるデータ収集モジュールを使用する。代替として、Signaling Analyzer−Software Edition (Agilent社部品番号J5486B)を捕捉後の解析にオフラインで使用することができる。当業者は、Agilent Signaling系列の製品が、本発明を実施できる唯一のプローブ/解析装置ソリューションであることを理解するであろう。さらに、分散型システムが、測定システムの設置と使用に関係する問題の多くを単純化することができるが、本発明は、Tektronix社のようなベンダによって提供されるものを含む非分散型システムで実施することができる。
【0018】
前述のように、QoSの概念は3G規格に盛り込まれてきた。3GPPは、会話型、ストリーミング、対話型、及びバックグラウンドの4つのQoSクラスを定義した。表1に、UMTSの4つの異なるトラフィッククラスを比較する。
【0019】
【表1】

【0020】
UMTS指定のQoSアーキテクチャは、QoS属性によって特徴付けられたベアラサービス(bearer service)に依存する。ベアラサービスは、システム内の様々なポイント間で定義される。無線アクセスベアラ(RAB)は、UEとコアネットワーク間で定義される。RABは、他の2つのベアラサービス、すなわちユーザ装置とUTRAN間の無線ベアラサービスとUTRANとコアネットワーク間のIuベアラサービスに依存する。コアネットワーク(CN)ベアラサービスは、公衆交換回線網(PTSN)などのUTRANと外部固定ネットワーク間で定義される。UMTSベアラサービスは、UEと外部固定ネットワーク間に広がり、従ってRABとCNベアラサービスに依存する。
【0021】
UMTSパラダイムの下では、特定のネットワークQoSを実現するために、サービスの供給元から供給先まで、明確に定義された特性と機能を備えたベアラサービスが設定されなければならない。例えば、表2は、UMTSベアラサービス属性の4つのトラフィッククラスとの関係を示す。
【0022】
【表2】

【0023】
ベアラサービス属性は、一般に、終端間サービスの設定段階で指定される設定値を表す。しかしながら、多くは測定可能な品質である。ベアラサービスの属性との適合性を監視することによってQoS適合性を監視することができる。例えば、SDUのサイズを監視することによって、最大SDUサイズを超えたかどうかを判断することができる。もう1つの例として、残余ビット誤りを監視することによって、最大残余ビット誤り率を超えたかどうかを判断することができる。
【0024】
3GPPは、QoSと関連する様々な特徴を定義してきたが、QoSの最終的な決定は、加入者と提供者の間で行われなければならない。従って、本発明は、任意の3G規格で定義されているようなQoSの特徴に限定されず、加入者と提供者のどちらかによって識別されるような任意のQoS測定に広く適用可能である。QoSは、サービスごと、ユーザごと、ネットワークセグメントごとなどの様々な基準で決定することができる。表3及び表4は、本発明の教示に従って利用することができるUE中心(表3)とネットワーク中心(表4)の観点の様々なQoS測定とを示す。図3のユーザ中心の測定に関して、測定は、スピーチ、ビデオ、及び/又はパケットの呼タイプに基づいてさらに細分される。
【0025】
【表3】

【0026】
【表4】

【0027】
既知のシステムにおいて、QoS属性及びQoSと関連した値はこれまであったとしても表形式で表示されてきた。以上の考察に基づいて判断できるように、QoSと関係した様々な測定があり、その結果、表形式の表示は、十分なデータを取り込むことができないか、使用するにはごちゃごちゃし過ぎている。本発明の1つの実施形態において、時間がX軸で表され、パラメータがZ軸上に表され、前記パラメータの値がY軸上に表される三次元グラフが生成される。パラメータは、一般に、QoSに関連する任意の測定とその集合体を含む。使用可能なスケールを維持するために値が正規化されることがあることに注意されたい。
【0028】
図2は、本発明の好ましい実施形態によって表現されたグラフィック表示の実例である。(図2に使用するためにグラフ例を必要とする)
【0029】
図3は、本発明の好ましい実施形態による方法のフローチャートである。方法はステップ300において始まる。ステップ302において、監視している接続からATMセルを取得する。このセルは、Agilent社の分散型ネットワークアナライザや他の試験測定装置などのプローブを使用して取得することができる。ステップ304において、セルは、ATM適応層(AAL)フレームに再度組み立てされる。再組み立ては、Agilent社DNAの場合と同じようにプローブ内で実行することができ、再組み立ては、ラインインタフェースモジュール(LIM)又は接続装置内で実行される。
【0030】
ATMにおいて、AALは、様々なクラスのアプリケーションをATM層に適合させる。4つのタイプのAALが定義されており、そのうちの2つのAAL2及びAAL5は、一般に、モバイル固有のプロトコルによって利用される。AAL2は、一定ビットレートを必要としない接続指向サービスに対応している。換言すると、可変ビットレートのアプリケーションはビデオ方式に適する。AAL5は、誤り回復や組み込み再送信なしに接続指向の可変ビットレートデータサービスに対応している。このトレードオフにより、帯域幅オーバヘッドが小さくなり、処理要件が単純になり、実装の複雑さが低下する。ATMセルの再組み立ては、本出願の譲受人に譲渡され引用により本明細書に組み込まれる同時係属米国特許出願第10/791,117号に記載されている。
【0031】
次に、ステップ306において、モバイル固有のプロトコルメッセージを取り出す。その後、ステップ308において、取り出したプロトコルメッセージの解析に基づいて測定値を生成する。測定値は、一般に、データとコンテキストを含む。コンテキストは、測定値を生成するプローブの識別を備えたタイムスタンプでよい。データは、信号あるいは信号に関する定量的情報、例えば重要性能達成指数(KPI)から分離された生データを含むことがある。信号プロトコルメッセージを解析して測定値を生成する様々なソフトウェア及び/又はハードウェア製品が存在する。適切なソフトウェアの1つの例は、AGILENT社のSIGNALING ANALYZERソフトウェア製品である。
【0032】
次に、ステップ310において、QoSと関連した測定値を識別する。一般に、そのような識別は、ユーザ又はシステム設計者によって生成された測定値のリストを使用したフィルタリングによって実行される。これは、QoSに関連しない測定値を利用できるようにするのに有効であることが分かる。ステップ312において、各時間間隔ごとに、パラメータとパラメータ値が生成される。パラメータは、所定の時間間隔でグラフ上に表示される測定値や他の値の詳細である。パラメータ値は、各時間間隔ごとの関連付けられた値である。時間間隔は、システムによって固定されてもよくユーザによって設定されてもよい。多くの場合、パラメータは、単に識別した測定値(生データ値を構成することができる)を表す。他の場合において、パラメータは、識別した測定値の集合体である。さらに、いくつかのパラメータ値自体を集めて別のパラメータとパラメータ値を生成することができる。すべての場合において、未処理の値を生成されたグラフのスケールに正規化してパラメータ値を得ることができる。さらに、集約方法は、システムによって設定されもよくユーザによって定義されてもよい。可能な集約方法のいくつかの例には、平均、加算、最低値、最高値などがある。集約された測定値はパラメータと呼ばれる。一般に、パラメータ値という用語は、本発明の実施形態による方法に従って表示することができるQoSと関連した任意の値を含む。そのような値は、時間の経過と共に変化する場合も変化しない場合もある。
【0033】
次に、ステップ314において、パラメータとパラメータ値が、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)に送られ、三次元グラフを生成するために使用される。例えば、X軸上に時間、Z軸上に集約値、及びY軸上に値を有するグラフが作成されることがある。1つの実施形態において、グラフはサーフェイスグラフを含み、他の実施形態において、グラフは、積み重ね棒グラフ、立体棒グラフ、又は時間の経過による複数のパラメータを表示する他のグラフを含むことができる。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態を示し説明したが、当業者は、本発明の原理及び趣旨から逸脱することなくこれらの実施形態に変更を行うことができ、その範囲が特許請求の範囲とその等価物によって定義されることを理解されたい。例えば、本発明は、UMTSシステムに関して説明したが、本明細書の教示は、CDMA2000、GSM、iDEN、GPRS及びEDGEを含む他の3G、2G及び4Gシステムに適用可能である。
【0035】
以上を要約すると、次の通りである。すなわち、本方法は、サービス情報の品質を表示する。本方法は、一般的に、被試験システムからデータを収集するステップと、サービス品質パラメータを識別するステップと、前記被試験システムから収集した前記データに基づいてサービス品質パラメータの値を計算するステップと、前記値を、パラメータを示す第1の軸と、パラメータの値を示す第2の軸と、時間を示す第3の軸とを有する三次元グラフ上にグラフ化するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の好ましい実施形態による方法を実施することができるネットワーク解析システムのブロック図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態により構築されるグラフィック表示の図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態による方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
100 UMTSネットワーク
102 コアネットワーク
104 UMTS地上無線接続網(UTRAN)
106 ユーザ装置(UE)
110 サービングGPRS支援ノード(SGSN)
112 移動交換局(MSC)
120a、120b、120c、120d 基地局(ノード-B)
122a、122b 無線ネットワーク制御装置(RNC))
150a、150b、150c、150d プローブ
152 解析システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験システムからデータを収集するステップと、
サービス品質パラメータを識別するステップと、
前記被試験システムから収集した前記データに基づいてサービス品質パラメータの値を生成するステップと、
前記値を、
パラメータを示す第1の軸と、
パラメータの値を示す第2の軸と、
時間を示す第3の軸とを有する三次元グラフ上にグラフ化するステップと、
を含むことを特徴とするサービス品質情報を表示する方法。
【請求項2】
前記サービス品質パラメータの1つが、他のサービス品質パラメータに基づいて計算された集約サービス品質パラメータとして構成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サービス品質パラメータが、通話設定時間(MO)、呼確立時間(MT)、位置領域更新時間、IRATハンドオーバー時間、通話設定時間、RRC接続要求−>警報、呼確立時間、ビデオローディング時間、ビデオピクチャフレームレート、H.245再送信レート;ペイロードビットレート、音声パケット誤り率、ビデオピクチャビット誤り率、アタッチ時間、WAPページングローディング時間、ストリーミングローディング時間、PDPコンテキスト活動化、及びルーティング領域更新時間を含むグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記サービス品質パラメータが、RRCセットアップ成功率、#RRC接続セットアップ完了/#RRC接続要求、RAB確立成功率、ドロップコールレート、ページング成功率、位置領域更新成功率、活動化PDPコンテキスト成功率、IRATハンドオーバー成功率(1)、IRATハンドオーバー成功率(2)、活動化セット更新成功率、セル更新成功率、及びチャネル交換成功率を含むグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
モバイルネットワークから収集されたデータに基づいてサービス品質パラメータの値を生成するステップと、
前記値を、
前記パラメータを示す第1の軸と、
前記パラメータの値を示す第2の軸と、
時間を示す第3の軸とを有する三次元グラフ上にグラフ化するステップと、
を有することを特徴とするモバイルネットワークにおけるサービス品質を表示する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−311554(P2006−311554A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−121957(P2006−121957)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【住所又は居所原語表記】395 Page Mill Road Palo Alto,California U.S.A.
【Fターム(参考)】