説明

ユーザ認証システム及びその方法

ユーザがアクセスするのを認証する方法は、認証システムによって提供される一組の変数及び演算子から選択されるユーザ式として認証キーを生成するステップと、認証システムにおいてユーザ式を保存するステップと、各々に値が割り当てられているユーザ式の変数を含んでいて認証システムによって生成された変数の配列をユーザに提示するディスプレイを利用するステップと、割り当てられた値をユーザ式の一致している変数に当てはめて第1の結果を計算するステップと、1つ以上の付加キャラクタを第1の結果の複数のキャラクタの中に点在させるステップと、付加キャラクタを有する第1の結果を認証システムに伝えるステップと、を含む。第1の結果とともに伝えられた付加キャラクタの数が予め定められた閾値以下であってかつ第1の結果が認証システムによるユーザ式の別個で独自の計算の第2の結果に一致する場合、認証システムはユーザを認証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの安全保護に関し、特に、ユーザの認証に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシステムは、ユーザに対して様々なアプリケーションまたはサービスを提供できる。一般に、システムへのアクセスは、許可されたユーザに限られているかもしれない。ユーザの認証についての一例として、ユーザがユーザ名及びパスワードを入力することを求められるログインプロセスがあげられる。
【0003】
技術の新たな進展にも関わらず、ユーザ名とパスワードとの組合せは、依然として最も一般的なアクセス制御手段のうちの1つである。しかしながら、パスワードは不利であるかもしれない。なんとなれば、容易に記憶されるパスワードは割り出すのが極めて容易であり、複雑で割り出すのに難しいものは容易に忘れられるからである。
【0004】
この種のシステムの完全な状態は、概して、パスワードを秘密にしておくことに基づいている。しかしながら、パスワードを割り出す多くの公知の方法がある。公知の方法には、推測すること、一般的なパスワードまたは全ての知られている言葉についての辞書を用いること、文字・記号(キャラクタ)の全ての組合せを用いることを含むしらみつぶしの試み、サーバとやり取りしている間にパスワードに関してネットワークトラフィックを監視すること、「ショルダーサーフィン」(ログインの間にユーザの肩越しに見ること)、キーロギング(ログインの間にユーザのキー入力を記憶するかまたは伝えること)、その他を含む。
【0005】
この種の攻撃に対する公知の防御策は、パスワードをより長くして推測するのをより難しくすることと、辞書の適用及びしらみつぶしの技術をより難しくすることとを含む。他の防御策は、例えばユーザに関係のある名前、電話番号、生年月日、その他などの「意味がある」パスワードの使用を禁止すること、ユーザがパスワードを入力するときにアスタリスクなどの意味のないキャラクタを表示してショルダーサーファーにアスタリスクだけが見えるようにすること、ネットワークを介してパスワードを送信する前にパスワードを暗号化してネットワーク監視による探知を防ぐこと、を含む。
【0006】
アクセス制御及び認証の1つの方法は、ワンタイムパスワード(OTP)の使用である。ユーザはログインするたびに異なるパスワードを使用し、よって、上述の攻撃技術の多くを役に立たない状態にする。パスワードを傍受し、キーロギングし、そうでなければ割り出すことは、何らの効果ももたらさない。なんとなれば、取得されたパスワードを再び用いることができないからである。
【0007】
最も一般的に利用可能なOTPシステムは、多かれ少なかれ同じプロトコルを共有する。ログインプロセスの一部として、サーバはユーザにいわゆるチャレンジを送出する。いわゆるチャレンジは単に大きい乱数であってもよい。ユーザは、例えばOTPを生成する特別な物理的な機器またはソフトウェアなどのOTP生成器に、この数を入力する。ユーザは該OTPを入力する。サーバも同様に、それ自体のOTP生成器に該チャレンジを入力する。サーバのOTPとユーザのOTPが一致すれば、ユーザは認証される。
【0008】
OTP生成器が物理的な機器(例えばスマートカード、トークン、バイオメトリック装置、その他)であるという点で、失われ、壊れ、または盗まれたOTP生成器についてのコスト及び不便さが関心事となるかもしれない。
【0009】
パスワード生成アルゴリズムが全てのユーザに対して同じものである例では、各ユーザは、結果を一意のものにするために秘密のキーを割り当てられる。このキーは、通常、ユーザのOTP生成器に埋め込まれ、サーバのデータベースにも記憶される。このOTP生成スキームにはいくつかのバリエーションがある。例えば、時刻がチャレンジの代わりに用いられてユーザとサーバとを同期させてもよい。ほとんどの場合、安全確保はユーザの秘密のキーの完全性に依存する。キーの情報が漏洩されると、システムは無効になる。その結果、パスワードのように、最もよく知られているものの1つであるしらみつぶしを用いて、キーは様々な種類の攻撃の対象となる。安全確保のさらなる層が、OTPを計算するアルゴリズムを保護することにより提供されているが、アルゴリズムは執拗に割り出されて信頼できる安全確保の要素でない。
【0010】
ネットワーク環境において、通常、サーバは様々なサービス及びアプリケーションを、ネットワークで結ばれた多数のユーザへ提供する。サーバは、特定のサービスまたはアプリケーションの使用を適切に許可するために動作してユーザを確かめる。通常、これは上記した標準のログインプロセスによって実施される。サーバはその時入力されたユーザ名及びパスワードを記憶されたユーザ名及びパスワードと照合する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
辞書アプリケーション、しらみつぶし攻撃、トラフィック監視、ショルダーサーフィン、キーロギング、及び様々な他の種類の攻撃に強固であって耐え得る認証システムを提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの実施形態において、デバイス、サービス、アプリケーション、機能、またはシステムへのユーザのアクセスを認証する方法は、認証システムによって提供される一組の変数及び演算子から選択されてユーザ式として認証キーを生成するステップと、認証システムにユーザ式を保存するステップと、各々に値が割り当てられているユーザ式の複数の変数を含んでいて認証システムによって生成された変数の配列をユーザに示すディスプレイを利用するステップと、を含む。該方法はまた、割り当てられた値をユーザ式の一致している変数に当てはめて第1の結果を計算するステップと、第1の結果の複数のキャラクタの中に1つ以上の付加キャラクタを点在させるステップと、付加キャラクタを有する第1の結果を認証システムに伝えるステップと、を含み、第1の結果とともに伝えられた付加キャラクタの数が予め定められた閾値未満であって、かつ認証システムによって計算されたユーザ式とは別個で独自の計算の第2の結果に第1の結果が一致する場合に、認証システムはユーザを認証する。
【0013】
別の実施形態では、デバイス、サービス、アプリケーション、機能、またはシステムにユーザがアクセスするのを認証する方法は、認証システムによって提供される変数及び演算を有するユーザ式として認証キーを生成するステップと、ユーザ式を認証システムに保存するステップと、各変数に付随する配列の目標位置におけるユーザ式及び値における変数を含む変数及び値の配列をユーザに示すディスプレイを利用するステップと、を含む。該方法はまた、配列内の変数に付随する目標位置における値をユーザ式の一致している変数に当てはめて第1の結果を計算するステップと、第1の結果を認証システムへ伝えるステップと、を含み、第1の結果が認証システムによって計算されたユーザ式の別個で独自の計算の第2の結果に一致する場合に、認証システムはユーザを認証する。
【0014】
また別の実施形態では、デバイス、サービス、アプリケーション、機能またはシステムへユーザがアクセスするのを認証する方法は、認証システムによって提供される変数及び演算を有するユーザ式として認証キーを生成するステップと、認証システムにユーザ式を保存するステップと、ユーザ式の変数及び各変数に付随する配列の目標位置の値を含む変数及び値の配列をユーザに示すディスプレイを利用するステップと、を含む。該方法はまた、配列内の変数に付随する目標位置の値をユーザ式の一致している変数に当てはめて第1の結果を計算するステップと、第1の結果のキャラクタの中に1つ以上の付加キャラクタを点在させるステップと、付加キャラクタとともに第1の結果を認証システムに伝えるステップと、を含み、第1の結果とともに伝えられた付加キャラクタの数が予め定められた閾値未満であって、第1の結果が認証システムによって計算されるユーザ式の別個で独自の計算の第2の結果に一致する場合、認証システムはユーザを認証する。
【0015】
本実施形態の前述の態様及び他の特徴は、添付の図面に関連して成される以下の記述において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】開示された実施形態によるユーザ認証システムの一例を示す図である。
【図2】本認証システムに付随する演算子のフローチャートを示す図である。
【図3】ユーザ認証システムとともに用いるユーザインタフェース画面の例を示す図である。
【図4】ユーザ認証システムとともに用いる管理画面の例を示す図である。
【図5】企業ネットワークにおいて実施される開示された実施形態を示す図である。
【図6】電子商取り引きまたはeコマース用分散型システムにおける別の実施形態を示す図である。
【図7】メッセージによって送信されるデータを保護する実施形態を示す図である。
【図8】例示的なメッセージのブロック図を示す図である。
【図9】ユーザ認証システムとともに用いるユーザインタフェーススクリーンの別の例を示す図である。
【図10】目標位置を利用する実施形態を示すフローチャートである。
【図11】目標位置を利用する別の実施形態を示すフローチャートである。
【図12】デコイキャラクタを利用する実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、開示した実施形態の特徴を包含するユーザ認証システム100を示す。本実施形態は図面を参照して説明されるが、本実施形態は、多くの代替形式及び要素もしくは構成要素のいかなる適切なサイズ、形状、または種類を含んでもよいということが理解されなければならない。
【0018】
図1に示すように、システム100は、この例ではユーザインタフェース110で示されるユーザインタフェース機能と、この例では制御装置115で示される認証制御機能とを含む。
【0019】
本発明は、ユーザ式として認証キーを生成するステップを含む。認証セッションが開始されると、ユーザは、各々が値を割り当てられている変数の配列を提示される。ユーザは、提示された変数に付随する値をユーザ式の一致している変数に当てはめて、結果を入力する。
【0020】
図2のフローチャートを参照してさらに詳細に説明すると、ブロック310に示されるようにユーザ式が生成される。ユーザ式は、一組の変数及び演算子からユーザによって構築されてもよい。認証システムがアプリケーションを提供し、選択用の変数及び演算子のリストを提供することによってユーザを支援してもよい。認証システムは、また、ユーザのために自動的にユーザ式を生成できるアプリケーションを提供してもよい。得られる式は、ブロック315に示すように、通常、ユーザによって記憶され、認証システムによって保存される。
【0021】
ユーザが、デバイス、サービス、アプリケーション、または機能へのアクセスを要求し、ブロック320に示すようにそのとき認証セッションが開始されてもよい。認証セッションが開始されると、認証システムはブロック325に示すように、各々に値が割り当てられている変数の配列をユーザに提示する。ユーザは、ユーザ式の変数に一致していて配列に示された変数を識別する。次にユーザは、ブロック330に示すように変数に割り当てられた値をユーザ式に当てはめ、ブロック335に示すように結果を入力する。
【0022】
値は、ランダムに生成されて変数に割り当てられてもよく、通常各認証セッションとともに変化してもよい。認証システムは、変数に割り当てられた値を独自にユーザ式に当てはめて、ブロック340に示すように独自の結果を生成する。認証システムは、ブロック345に示すように独自の結果を入力された結果と比較する。結果が一致する場合、認証システムはユーザにサービスまたはアプリケーションへのアクセスの権利を与える(ブロック350)。結果が一致しない場合、アクセスが拒否される(ブロック355)。
【0023】
例えば、ユーザは以下のユーザ式を構築してもよい。即ち、3*(2*Q+3*T)を構成してもよい。認証セッションの間、変数及び値の配列が、ユーザに提示される。配列の変数Qが値32を割り当てられ、配列の変数Tが値9を割り当てられると、ユーザ式は、3*(2*32 +3*9)、即ち数273を生じる。次にユーザは、数273を入力する。認証システムは変数及び値の配列を生成してユーザ式を保存したので、認証システムはユーザ式を用いて同じ計算をする。結果が一致すれば、ユーザは認証される。
【0024】
上記した認証セッションに加えて、システム100は、認証システムの一部として管理プロセスを提供してもよい。認証セッションは、上記したようなデバイス、サービス、アプリケーション、または機能へアクセスするためにユーザに資格を与えるステップを含む。通常、管理プロセスはユーザに、ユーザが式を設定することができるツールを提供し、次の認証セッションのための式を記録する。さらに、例えばスペース及びディレクトリの割り当て、暗号化プロセス、プログラム間通信、その他などの他の設定プロセス及び管理プロセスを取り扱う。
【0025】
上記したように、認証セッションの一部として、変数の配列が、ユーザに提示されてもよい。配列例が、図3に示される。この例では、配列360は、格子365、ユーザ名を入力する領域370及び、本発明によるユーザ式を当てはめた結果であるパスワードを入力する領域375を含む。格子365はセル380で構成されていて、各セルはユーザ式変数を表す文字または文字の組合せ385により示されてもよい。各変数は、値390を割り当てられる。上記したように、各変数に割り当てられた値は、配列がユーザに提示される度に変化してもよい。1つの実施形態では、各々の値は、配列が提示される度に、乱数生成器によって生成される。
【0026】
上述した例示的な式3*(2*Q+3*T)を用いると、ユーザは配列360を調べ、変数Qが69という値を割り当てられていて、変数Tが49という変数を割り当てられているとわかる。ユーザは、式に当てはめて、結果を入力する。
【0027】
この例では、各セルは2つの構成要素、即ち変数及び値を含む。変数が文字に関連して記載されていて、値が数に関連して記載されているが、変数及び値は認識可能ないかなるマーク、シンボル、記号、または画像として示されてもよいということが理解されるべきである。
【0028】
また、この例では、変数の配列が10×10のセル格子として示されている。しかしながら、配列はいかなる形であってもよく、いかなる数のセルまたは位置を含んでいてもよい。
【0029】
ユーザ式が、例えば、足し算、引き算、乗算、除算、累乗、最大値、最小値、絶対値、連結、その他といった、いかなる数学的演算及び非数学的演算を含んでいてもよい。さらに、演算の順序を変える括弧を含んでいてもよい。認証システムはまた、カスタム演算子を提供して、望ましい式の変数に関するいかなる関数をもユーザが実行することを可能にしてもよい。
【0030】
図4は、管理プロセスの一部としてユーザに提示されてもよい管理画面400の例を示す。管理上プロセスは、例えば、ユーザ設定処理の各ステップを通してユーザをエスコートする「ウィザード」、及びユーザが式を設定するのを助ける式ビルダーといった多様なツールをユーザに提供してもよい。1つの実施形態において、式ビルダーは、ユーザに選択用の変数及び演算子のメニューを提供し、ユーザに対して一意の式を編集することでそのユーザを支援してもよい。
【0031】
管理画面400は、変数の配列405、数のキーパッド410、数学的関数キー415及び非数学的関数キー420、及び式のテスト用キー425、式の保存用キー430を含んでいてもよい。管理画面400は、また、ユーザ名370及びユーザ式440を入力する領域を含んでいてもよい。ユーザは変数及び様々な演算子から選択してユーザ式を入力してもよい。
【0032】
例えば、ユーザはキーボード145(図1)を用いてユーザ式をタイプしてもよい。ユーザが式をタイプするときに、ユーザ式がユーザ式領域440に表示されてもよい。あるいは、ユーザはポインティングデバイスを用いて、キャラクタ、変数、または演算子上でカーソルを位置決めし、マウスボタンをクリックするかまたはエンターキーを押して所望のキャラクタ、変数または演算子を選択してもよい。選択したものは、ユーザ式領域440に表示される。ユーザは、ユーザ式が所望通り構築されるまで続ける。ユーザ式が完了すると、次にユーザは「セーブ」ボタン430を動作させて式を記憶してもよい。
【0033】
1つの実施形態において、ユーザが、1つ以上のカスタム演算子を構築する関数を与えられていてもよい。例えば、演算子の1つがオフセット関数を含み、関数はユーザ式の変数に付随し、付随する変数からオフセットした配列の変数からの値を当てはめる。オフセット関数は、(Offset(x、y))で表され、xはx軸のオフセットをいい、yはy軸のオフセットをいう。オフセット関数を含む例示的なユーザ式は、A+B(Offset(1、1))であってもよい。図3を参照すると、ユーザは変数Aに割り当てられた値を最初に見つけて用いる。次に、変数Bを見つけるが、この認証セッションにおいて座標(1、1)だけオフセットされた変数Mからの値を用いる。
【0034】
オフセットが配列365の範囲内に提示されている変数を示している限り、ユーザは所望するいかなるオフセットをも使用できる。1つの例示的な実施例において、ユーザはユーザ式内で所望される「(Offset(x、y))」を単にタイプすることによってオフセット関数を入力する。別の例示的な実施例では、非数学的関数420の1つが「オフセット」と名付けられたボタンを含んでもよい。オフセットボタンを押すことによって、ユーザにオフセット座標を入力することを要求するダイアログボックスが開始されてもよい。座標を入力すると、例えば(Offset(1、1))などのオフセット指定が、ユーザ式領域440内に表示されるユーザ式に現れてもよい。
【0035】
オフセット関数の別の展開では、IX関数といわれる特別のオフセットが決定されてもよい。IX関数は、配列の上側左手位置を示している座標として、変数に付随する値を利用する。例えば、ユーザがユーザ式2*Bを用いることを望み、配列365の上側左手コーナーを特定するのに変数Kを指定することを望んでもよい。オフセットボタンを押した後に、座標に対する要求に応えて、ユーザはIX(K)、即ち、特別のオフセット及び指定に対するいくつかの他の適当な指定で応答してもよい。
【0036】
その後、ユーザがユーザ式365を用いてユーザ式の結果を判断するときに、ユーザは、変数Kが値「43」を割り当てられているということがわかり、次に変数Aのオフセット位置として座標(4、3)、変数Bのオフセット位置を指定する座標(5、3)、変数Cのオフセット位置を指定する座標(6、3)、その他、を考慮する。座標(5、3)の値を用いると、ユーザ式2*Bは、そのときパスワード領域375において入力される「104」を生じる。
【0037】
いかなる関数、演算子、または関数もしくは演算子の組合せを実行する他のカスタム演算子が生成されてもよい。
【0038】
別の例として、管理画面400は、1つ以上の変数に関して演算するカスタム関数を生成する選択を含んでいてもよい。カスタム関数は、数学、論理的(AND、OR、XOR、その他)三角法、統計、その他の様々なタイプの演算子をいくつでも含んでいてもよい。ユーザは、カスタム関数を設計するためのテンプレートとして用いることができる1つ以上のスクリプトを提示されてもよい。同様にスクリプトが提供され、ボタンまたはメニュー項目をユーザに提示し、カスタム関数を呼び出して、ユーザ式においてカスタム関数を用いてもよい。
【0039】
カスタム関数を生成する機能が有利である。なんとなれば、それはシステムが特定のユーザまたは企業の一部に対してカスタマイズされることを可能にするからである。システムの購入者は、他のシステムの購入者に利用可能でないかまたは知られていないカスタム関数及び演算子を生成することによって、更にシステムの安全確保を強化する機能を提供される。
【0040】
認証システムは、AutoToken(登録商標)関数と称される、式内で式を生成する関数を提供することによって、より大きな安全確保の手段を提供してもよい。例えば、ユーザはAutoToken(登録商標)キー435(図4)を選択することによって、AutoToken(登録商標)関数を呼び出す。AutoToken(登録商標)関数は、ユーザ式領域440にユーザが入力するユーザ式をユーザに促す。
【0041】
AutoToken(登録商標)関数は、それぞれローカル式及びリモート式と称される2つの式を自動的に生成する。ローカル式及びリモート式の各々は、変数、定数及び演算子を含み、それらが演算式を形成する限り、ランダムに選択されてランダムに命令されてもよい。変数、定数及び演算子には、ユーザに提示される変数及び管理プロセスによって提供される演算子の配列からの変数を含んでもよい。ローカル式とリモート式とはいかなる複雑さ及び長さであってもよい。さらに、ローカル式はユーザによって入力されるユーザ式の結果を与えられる結果変数を含むがリモートユーザ式はユーザ式自体を含む、ということ以外は概して同じである。
【0042】
リモート式は認証システムにより指定されるいかなる場所に保存されてもよい。ローカル式はユーザ近辺の場所に保存されてもよい。1つの実施形態では、ローカル式は、ユーザによって指定されるかまたは選択されるいかなる場所で保存されてもよい。
【0043】
ローカル式は、異なる場所から、デバイス、サービス、アプリケーションまたは機能にアクセスするのに用いるためにトランスポート可能であってもよい。例えばローカル式は、磁気、光学、半導体、または他の適当な媒体などのいかなる種類の持ち運び可能な媒体上にローカル式を保存することを含むといったトランスポート可能であるように保存されてもよい。ローカル式は、ローカル式を記憶してアクセスするための、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、フラッシュメモリーカード、 USBドライブ、またはいかなる適切な装置(例えば後述する図5の247)などに保存されてもよい。
【0044】
1つの実施形態では、ローカル式は、必ずしも保存されないが、ユーザによる使用のために別の場所に運ばれるか伝送されてもよい。
【0045】
AutoToken(登録商標)関数を実施したユーザに対する認証セッションは以下のように進む。ユーザは、デバイス、サービス、アプリケーションまたは機能へのアクセスを要求し、認証セッションが開始される。システムはユーザに変数の配列を提示し、ユーザは自分のユーザ式の結果を入力する。この時またはこの時点より前のいつでも、ローカル式が可搬性媒体に記憶された場合、可搬性媒体がシステムに結合されてローカル式は認証システムによってアクセスされることが可能である。認証システムがローカル式の結果変数の位置に結果を挿入し、ローカル式の残りの部分に変数の配列からの値を挿入し、ローカル式の結果を計算する。認証システムは、また、変数の配列からの値を、リモート式の残りの部分だけでなくリモート式のユーザ式へ挿入し、リモート式の結果を計算する。
【0046】
認証システムは結果を比較し、それらが一致すれば、ユーザは、所望するデバイス、サービス、アプリケーション、または機能へのアクセスを許可される。
【0047】
なにかの理由のためにユーザのユーザ式が漏れた場合、ユーザは再びAutoToken(登録商標)関数を呼び出して、追加の支持リソースを要求されることなしに新しいローカル式、リモート式及びユーザ式を生成して、安全なアクセスの継続を確保する。
【0048】
他の特徴として、認証システムは、通常、ユーザが他の関数内に関数を埋め込んでユーザ式の安全性を拡張することを可能にする。例えば、ユーザ式はA+(AVE(AVE B+C+(AVE D+E+F))+G+H)を含んでもよい。特殊関数が用いられて、配列365からの変数に割り当てられた値に基づいて、ユーザ式内でダミーのキャラクタを埋め込んでもよい。この関数は、「セット」関数として指定されてもよい。セット関数を用いた例示的なユーザ式は、
(set Z,1)[ユーザ式]
であってもよい。
【0049】
変数Zに値5が割り当てられる配列では、ユーザ式の結果の最初の値を入力する前に5つのダミーのキャラクタをタイプしてもよい。このように、ダミーキャラクタがいくつでも、ユーザ式の結果内のいかなる位置に挿入されてもよい。
【0050】
付加的な安全の特徴として、ユーザ式が、配列365の変数に割り当てられた値を用いて、秘密のフレーズの特定の言葉の中で、特定の文字を指定してもよい。例えば、ユーザは自分たちの秘密のフレーズを「the dog is lazy」と決定してもよく、ABCDというユーザ式を決定してもよい。自分たちのユーザ式を構築するときに、ユーザはユーザ式領域440へ自分たちの秘密のフレーズ及び自分たちのユーザ式を指示するコマンドをタイプしてもよい。
【0051】
あるいは、非数学的関数420は、ユーザが指示を選択することを可能にする関数を含んでいてもよい。認証の間、配列が提示されてもよい。例えば、Aが値31を割り当てられ、Bが値14を割り当てられ、Cが値21を割り当てられ、Dが値13を割り当てられる。A=31に対するフレーズに配列の値を用いることは、最初の語の3番目の文字を生じ、B=14は4番目の語の最初の文字を生じ、C=21は最初の語の2番目の文字を生じ、D=13は3番目の語の1番目の文字を生じる。このようにして、ユーザはELHIを打ち込む。配列及びフレーズの秘密の性質を与えられると、この種の結果を解析する試みは、たぶん失敗するだろう。
【0052】
認証システムは、ユーザ式内でリセット関数を提供することによって、より大きな安全手段を提供してもよい。このリセット関数は、ユーザに提示される変数の配列をリセットする働きをする。例えば、認証セッションの一部として、図3に示す変数の配列がユーザに提示される。ユーザは、配列を調べて、ユーザ式の第1の変数の値を識別して、第1の変数を入力する。第1の変数を入力した後に、リセット関数が、例えば、ユーザ式内のコマンドによって、またはコマンドをタイプすることによって起動される。そして、値及び変数が変更されて、ユーザは新しい配列を提示される。ユーザはユーザ式を利用し続けて、新しい配列から式の次の変数の値を識別する。ユーザが全ての値を識別して、ユーザ式の結果を計算して入力すると、ユーザは所望するようにアクセスを許可される。
【0053】
リセット関数を用いるユーザ式の例は、
A||B||<reset>C
であってもよい。ここで、変数Aと関連する値が、Bに付随する値と連結され、変数の配列がリセットされて、AとBとの連結は変数の新しい値Cに連結される。
【0054】
リセット関数は、ユーザ式のいかなる位置に挿入されてもよく、ユーザ式の1つ以上の場所に挿入されてもよいということが理解されるべきである。リセット関数は様々な方法により起動されてもよい。例えば、特定のキーを押下することへの応答としてまたは値が入力された後に自動的に、であってもよい。
【0055】
図4の管理画面を参照すると、リセット関数は、式ビルダーの一部としてまたはリセット関数を挿入するための順を追ったプロセスをユーザに提供する「ウィザード」として、ユーザに提示されてもよい。
【0056】
上記したように、リセット関数は、ユーザに提示された変数の配列をリセットする働きをする。このことは、配列の変数に対する新しい値を再生するか、変数の位置を変更するか、またはその両方の組合せという形をとることができる。リセット関数は、式ビルダーまたはウィザード処理の間にユーザによって与えられるシード数または変数に基づく式を用いる新しい配列を生成してもよい。変数シードは、ユーザに提示される変数の配列からの変数であってもよい。
【0057】
このように、リセット関数は、本発明に高い水準の安全性を提供する。例えば、ネットワーク化された環境において、デスクトップコンピュータとサーバーとの間の通信が妨害されると、変数の配列についてのデータが抜き出されるかもしれない。例えば、ある人は、妨害されたデータから変数の配列を、失敗はするが引き出そうとするかもしれない。リセット関数は、外部コミュニケーションを用いずに、局所的に変数の配列をリセットする働きをする。よって、通信を傍受することによって変数の配列を引き出す努力は役に立たなくなる。なんとなれば、新しい変数の配列が生成されて、リセットされた変数配列または新しい変数配列に付随する通信がないからである。
【0058】
再び図1を参照すると、システム100はユーザインタフェース110及び制御装置115を含むデスクトップコンピュータであってもよい。制御装置115は、1つ以上のプロセッサ120を含んでいてメモリ125から認証プログラム135を実行し、また、情報、データ及びプログラムを記憶するための記憶装置130を含んでいてもよい。制御装置115は、他のデバイスと通信するためのインタフェースも含んでいてもよい。ユーザインタフェース110は、情報をユーザに提示するディスプレイデバイス140と、情報、質問、応答及びコマンドを入力するための、例えばキーボード及びポインティングデバイスなどの1つ以上の入力装置145とを含んでいてもよい。
【0059】
プロセッサ120は、認証プログラム135の制御下で認証サービスを提供し、認証されると、認証されたユーザがサービス150にアクセスするかまたは利用することを可能にしてもよい。本実施形態において、サービス150は局所的なサービスであってもよい。即ち、デスクトップコンピュータ100の範囲内に存在してもよい。サービス150は、プロセッサ120またはシステム100のユーザがアクセスを要求できるいかなるデバイス、サービス、アプリケーションまたは機能であってもよい。例えば、サービス150は、データ処理システム、コンピュータを利用したサービス、コンテンツ配信サービス、データベース、ファイルシステム、その他であってもよい。
【0060】
工程の間に、ユーザは、制御装置115を介してサービス150にアクセスしようとしてもよい。制御装置115は、上記したような認証セッションを開始して、ユーザが有資格者であるか否か、許可を有するか否か、または一般にサービス150にアクセスすることを許されているか否か判断する。ユーザが適当な資格証明書、即ち、本明細書で説明したようなユーザ式へ割り当てられた値についての適当なアプリケーションを与える場合、制御装置115はサービス150へのアクセスを許可する。
【0061】
図5は、分散型システム500として示される本発明の別の実施形態を示す。システム500は、企業または会社のワイドエリアネットワークまたはローカルエリアネットワークの一部であってもよく、一般的に、ユーザインタフェース210、制御装置215、及び通信ネットワーク225によって接続されたアプリケーションまたはサービス220を含む。ユーザインタフェース210は、通常、ローカルのコンピュータデバイス230の一部であって、制御装置215及びサービス220は通常、コンピュータデバイス230から離隔している。ローカルコンピュータデバイス230は、記憶装置245に記憶されたプログラム240を実行する1つ以上のプロセッサ235を含んでいてもよい。コンピュータデバイス230は、また、ローカル式を記憶するための着脱自在の外部記憶装置247を含んでいてもよい。ユーザインタフェース210は、ユーザに情報を表示するディスプレイデバイス250と、情報、質問、応答、及びコマンドを入力するための例えばキーボード及びポインティングデバイスなどの1つ以上の入力装置255とを含んでいてもよい。
【0062】
制御装置215が認証サーバとして働いてもよく、1つ以上のプロセッサ260及び認証プロセス及び認証セッションを制御するプログラムを記憶する記憶機能265を含んでいてもよい。認証サーバとして、制御装置215はコンピュータデバイス230またはコンピュータデバイス230のユーザを認証する働きをしてもよい。認証すると、制御装置215が動作してコンピュータデバイス230にサービス220を提供するかまたはコンピュータデバイス230がサービス220にアクセスすることを可能にする。制御装置215はまた、記憶設備265に記憶された命令又はプログラムの制御下でシステム200の構成要素の間のトラフィックを指示する働きをしてもよい。制御装置215はまた、記憶設備265の中でコンピュータデバイス230のための記憶容量を提供してもよい。認証サーバとして、制御装置215は、他のコンピュータデバイス2751・・・275nを認証し、認証すると、他のコンピュータデバイス2751・・・275nにサービス220及び他のサービス2701・・・270nへアクセスさせてもよい。
【0063】
本実施形態では、認証プロセス及び認証セッションを制御するプログラムが、記憶装置24と記憶設備265との間で分散されてもよい。認証プロセス及び認証セッションの一部は、それぞれ記憶装置245及び記憶設備265に記憶されたプログラムの制御下でプロセッサ235及び260によって実施されてもよい。
【0064】
サービス220は、コンピュータデバイス230またはコンピュータデバイス230のユーザがアクセスを要求できるいかなるアプリケーションまたはサービスであってもよい。例えば、サービス220は、データ処理システム、コンピュータを利用したサービス、コンテンツ配信サービス、データベース、ファイルシステム、その他であってもよい。サービス220は、コンピュータデバイス230または制御装置215内に存在するか、またはシステム200内にまたはシステム200の任意の構成要素と結合したいかなる場所に存在してもよい。
【0065】
通信ネットワーク225は、例えばインターネット、一般加入電話網(PSTN)、無線ネットワーク、有線ネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、その他などの通信に適しているいかなるリンクまたはネットワークを含んでもよい。通信は、X.25、ATM、TCP/IP、その他を含むいかなる適切なプロトコルを用いて実施されてもよい。
【0066】
工程の間に、ユーザはサービス220にアクセスしようとするかもしれない。制御装置215は、試みられたアクセスを監視するかまたは報告される。例えば、制御装置215は、記憶設備265に記憶されたプログラムの制御下でサービス220にアクセスしようとする全ての試みを監視して傍受する。別の例として、サービス220が、全てのアクセスの試みを、処理のために制御装置215へ自動的に転送してもよい。サービス220へのアクセスを制御するために制御装置215を用いるいかなる他の適切な方法が実施されてもよい。
【0067】
制御装置215は、認証セッションを開始して、ユーザが有資格者であるか否か、許可を有するか否か、または一般的にサービス220にアクセスすることが許されているか否かを判断する。制御装置215は、データ及びコマンドをコンピュータデバイス230に与えて、表示250上に変数の配列を表示し、ユーザにユーザ式の結果を与えるように促す。コンピュータデバイスは、結果を制御装置215へ送信する。制御装置215も、ユーザ式及び変数の配列からの値を用いて結果を計算する。送信された結果と制御装置215によって計算された結果が一致する場合、制御装置215はサービス220へのアクセスを許可する。
【0068】
本実施形態では、ユーザが上記したようなAutoToken(登録商標)関数を実施するときに、ローカル式が着脱自在の外部記憶装置247に記憶されてもよい。ローカル式における結果変数の代わりにユーザ式の結果を挿入すること、ローカル式の残りの部分へ変数の配列からの値を挿入すること、ローカル式の結果を計算すること、を含むローカル式に関する演算が、コンピュータデバイス230上で動作しているクライアントプログラムによって実行されてもよい。リモート式の残りの部分だけでなく、リモート式内のユーザ式へ変数の配列からの値を挿入すること、リモート式の結果を計算すること、を含むリモート式に関する演算が、制御装置215上のサーバプログラムによって実行されてもよい。
【0069】
図6は、電子商取り引きまたはe‐コマース用の分散型システム600として示される別の実施形態を示す。システム600は、インターネットに基づくものであってもよく、共通の通信媒体としてワールドワイドウェブを用いてもよい。システム600は、概して、先に述べた実施形態の全ての特徴を提供し、多くのユーザ6101・・・610n、制御装置620、及び多くのアプリケーションまたはサービス6501・・・650nを含む。ユーザ6101・・・610n、サービス6501・・・650n、及び制御装置620は、通常、インターネット660によって接続されている企業体などの独立した事業体を示す。例えば、ユーザ6101・・・610nはサービスにアクセスする個人であってもよいし、またはプログラムの制御下でサービスにアクセスするコンピュータデバイスであってもよい。1つの実施形態では、ユーザ6101・・・610nは料金を払って1つ以上のサービス6501・・・650nにアクセスしてもよく、制御装置620が認証を介してかかるアクセスを制御する働きをする。サービス6501・・・650nのオペレータが順にアクセス及び認証サービスに対して制御装置のオペレータに料金を払ってもよい。ユーザ、サービスオペレータ、及び制御装置のオペレータの間の他のビジネス構成も検討される。制御装置620が1つ以上のプロセッサ425を含んで、ユーザ認証を制御してサービス6501・・・650nにアクセスするプログラムを実行する。制御装置620は、ユーザ6101・・・650nを認証し、認証されたユーザに1つ以上のサービス6501・・・650nを提供する働きをする。サービス6501・・・サービス650nは、ユーザ6011・・・610nがe‐コマース取引を含むアクセスを要求するいかなるサービスを含んでもよい。例えば、サービス6501・・・650nは、商品購買システム、データ処理システム、コンピュータを利用したサービス、テキスト、オーディオまたはビデオその他を配信するコンテンツ配信サービス、インターネットなどのネットワークを介しての全ての商取引への参加型を含んでもよい。
【0070】
システム600において、1人以上のユーザ6101・・・610nが、サービス6501・・・650nに規定通りにアクセスしてもよい。制御装置620は、試みられたアクセスを監視するかまたは報告される。例えば、制御装置620はサービス6501・・・650nのいずれかにアクセスする全ての試みを監視し傍受してもよい。別の例では、サービス6501・・・650nが全てのアクセスの試みを、処理のための制御装置620へ自動的に送信するか、そうでなければ、試みられたアクセスについて制御装置620に報告してもよい。
【0071】
それに応じて、制御装置620は各ユーザ610と認証セッションを開始し、当該ユーザが有資格者であるか否か、許可を有するか否か、または一般的に1つ以上のサービス6501・・・650nにアクセスすることを許可されているか否かを判断する。ユーザ610が適当な資格証明書、即ち本明細書で記載されているようなユーザ式の適当な結果を与える場合、制御装置620は所望のサービスまたは複数のサービスへのアクセスを許可する。
【0072】
別の実施形態では、ユーザ610は、サービスへのアクセスが1回限りで許可される1つ以上のサービス6501・・・650nにアクセスしようと試みてもよい。制御装置620は、試みられたアクセスを報告されるかまたは積極的に監視する。それに応じて、制御装置620がユーザ610との認証セッションを開始する。プログラムまたはオペレータであってもよい管理者は、ユーザ610へ1回の使用に対してだけ有効であるユーザ式を送信する。ユーザ610は1回限りのユーザ式の結果を入力し、通常、1つ以上のサービス6501・・・650nにアクセスすることが許可される。
【0073】
図7は、例えばeメールなどのメッセージの一部として送信されるデータの安全を確保する実施形態を利用するシステム700を示す。システム700は、本明細書で開示された認証システム710を利用するメッセージ発信者705、受信者715、及び通信ネットワークを含む。発信者705及び受信者715の両方は、1つ以上のプロセッサ、記憶装置、及びメッセージ転送及び開示されたような認証動作を支援するプログラムを含む。発信者705は、例えばeメールなどのメッセージを作成する。それは発信者705が安全確保することを望むデータを含む。かかるメッセージ810のブロック図が図8に示される。データ820はメッセージの一部またはメッセージに添付されたファイルとして含まれてもよい。認証システム710は、メッセージ810及びデータ820を有する包袋825を含み、包袋825は、認証セッションを開始して受信者715が適当な資格証明書を生成しなければデータ820へのアクセスを阻止する。次にメッセージは、例えば標準のeメールプロトコルを用いて、受信者715へ送信される。
【0074】
受信すると受信者715はメッセージを開こうとする。包袋は認証セッションを開始して、図3に示す配列を表示する。発信者に対する受領通知も生成されて、それは発信者705に対して開始されるべき同じ認証セッションを生じる。
【0075】
発信者705は、発信者のユーザ式の結果を判断し、次に、通常メッセージを送信するために用いられる方法と異なった方法を介して結果を受信者715へ送信する。受信者が結果を入力し、正しければ、包袋825はデータ820へのアクセスを許可する。一旦データが閉じられると、認証セッションは終了する。メッセージを開く試みがなされる度に、別の認証が新しい配列から始まる。このようにして、配列は変数に割り当てられる新しい値を含んで、発信者のユーザ式を当てはめた結果を再び判断することを発信者705に要求する。従って、受信者715が再びメッセージを開こうとするか、または別の人にメッセージを転送しようとすると、ユーザ式の前の結果はもはやメッセージを開くために使用可能でなく、発信者705に報告されてもよい。
【0076】
ユーザに提示される配列の別の実施形態が、図9に示される。上記したように、認証セッションの一部として、変数の配列900が、ユーザに提示されてもよい。配列900は、各セル920に変数910及び多数の値915を含んでいてもよい。上記のように、変数及び値は、いかなる英数字も、またはいかなるマーク、シンボル(記号)、もしくは画像をも含むことができる。
【0077】
この実施形態では、セル920は、各セルの各コーナーの値915とともに変数910で各々表示される。各セル内の任意の位置に変数910及び値915はいくつあってもよいということが理解されなければならない。例えば、各セルは、長方形などの幾何学的図形であってもよいし、複数の値が各セルの複数のコーナーに置かれてもよい。別の例として、各セルは円い形状を有していてもよく、各セルの値の位置はある程度指定されていてもよい。
【0078】
概して、認証プロセスの一部として変数に割り当てられることになっている値は、目標位置と称されるセル内の特定の場所を有していてもよい。変数Hを有する図9のセルを、例として用いることができる。Hの目標位置が上部左手コーナーである場合、Hに割り当てられる値は5である。
【0079】
例示的実施形態では、前述のユーザセットアッププロセスの一部として、ユーザは、プロファイルと称される情報を提供することができる。ユーザプロファイルは、例えば名前、連絡先、仕事場所などの、ユーザに関する情報を含むことができる。プロファイルは、制御装置215(図5)、ローカルコンピュータデバイス230(図5)、記憶装置265(図5)、または他のいかなる適当な場所に保存されてもよい。ユーザプロファイルは、また、ユーザのユーザ式の変数についての1つ以上の目標位置を含むことができる。目標位置は、例えば「上部左コーナー」または「90度」などの、各セル内の相対的な位置で指定されてもよい。その他の位置指定技術が用いられてもよい。
【0080】
別の実施形態では、目標位置がユーザ式の一部として指定されてもよい。例えば、図9に示した実施形態の例示的なユーザ式は、B(UL)+C(LL)であってもよい。ここで、ULは、Bを含むセルの上部左コーナーの値を用いることを指定する目標であり、LLは、Cを含むセルの下部左コーナーの値を用いることを指定する目標位置である。その他の指示が、セル内の目標位置を指定するために用いられてもよい。
【0081】
認証セッションが開始されると、認証システム100は、図9に示したような変数の配列をユーザに提示する。各セルは、1つの変数及びいくつかの値を有していてもよい。ユーザは、配列内に示されていてユーザ式の変数に一致する変数を識別する。ユーザはまた、変数に割り当てられることになっている値が置かれた目標位置が各変数にあるということを、理解することができる。ユーザは、各変数を識別し、その変数に対して指定された目標位置の値を変数に割り当て、ユーザ式の演算子を実行し、結果を入力する。認証システムは、その変数に対して指定された目標位置の値を変数に独自に割り当てて、ユーザ式の演算子を実行して独自の結果を生成する。認証システムは、独自の結果をユーザの入力した結果と比較して、結果が一致する場合、認証システムは、サービスまたはアプリケーションへユーザがアクセスできるようにする。結果が一致しない場合、アクセスは拒否される。
【0082】
図10は、ユーザプロファイルに保存された目標位置を利用する実施形態を説明するフローチャートを示す。ブロック1005において、ユーザプロファイルは、上記のように生成される。ユーザ式は、ブロック1010において生成されて、ブロック1015において保存される。ブロック1020に示すように、認証セッションが開始される。ブロック1025において、認証システム100は、ユーザに変数及び目標位置の配列を提示する。ブロック1030において、ユーザは、ユーザ式の変数に一致していて配列に提示された変数を識別して、その変数に対して指定された目標位置の値を変数に割り当てる。ブロック1035において、ユーザは、ユーザ式の結果を判断して、その結果を入力する。ブロック1040において、認証システムは、その変数に対して指定された目標位置の値を変数に独自に割り当て、ユーザ式の演算子を実行して独自の結果を生成する。ブロック1045において、認証システムは、独自の結果をユーザの入力した結果と比較して、結果が一致する場合、認証システムは、ブロック1050に示すようにサービスまたはアプリケーションへユーザがアクセスできるようにする。結果が一致しない場合、アクセスはブロック1055に示すように拒否される。
【0083】
図11は、ユーザ式の一部として目標位置を利用する実施形態を説明するフローチャートを示す。ブロック1110において、ユーザ式は、目標位置とともに生成される。ブロック1115において、ユーザ式は、記憶されて、保存される。認証セッションが、ブロック1120に示すように開始される。ブロック1125において、認証システム100は、変数の配列及び目標位置をユーザに提示する。ユーザは、ユーザ式の変数に一致していて配列に提示された変数を識別し、ブロック1130に示すようにその変数に対して指定された目標位置の値を変数に割り当てる。ブロック1135において、ユーザはユーザ式の結果を判断して、その結果を入力する。ブロック1140において、認証システムは、その変数に対して指定された目標位置の値を変数に独自に割り当て、ユーザ式の演算子を実行して独自の結果を生成する。認証システムは、ブロック1145に示すように独自の結果をユーザが入力した結果と比較する。結果が一致する場合、ブロック1150において、認証システムは、サービスまたはアプリケーションにユーザがアクセスできるようにする。ブロック1155に示すように、結果が一致しない場合、アクセスは拒否される。
【0084】
図9に戻ると、セルの配列は、長方形格子として示されているが、配列はいかなる形状を有していてもよく、いくつのセルまたは位置を含んでいてもよい。配列内のセルは、また、いかなる形状を有していてもよい。
【0085】
別の実施形態では、認証システムは、概してデコイキャラクタと称されるダミーのキャラクタまたは特に数字用のデコイ数字をユーザがユーザ式結果に加えることができるようにしてもよい。この特徴は利点である。なんとなれば、ユーザ式結果を入力する前にユーザ式結果に自発的に付加キャラクタをさらに加えることによってユーザが動的にユーザ式結果を偽装するができるようにするからである。ユーザは、ユーザ式結果のどこにでもデコイキャラクタを加えることができる。よって、変数についてのユーザの動作及び変数の配列が観察されているかまたは記録されている場合、実際のユーザ式結果は、デコイキャラクタから識別できない。デコイキャラクタは、いかなる英数字、マーク、シンボル(記号)、または画像をも含むことができる。
【0086】
1つの実施形態では、いくつのデコイキャラクタが、ユーザ式結果の複数のキャラクタの中に点在してもよい。別の実施形態では、許容されるデコイキャラクタに対する制限事項があってもよい。例えば、特定のデコイキャラクタまたはデコイキャラクタの組合せは、認められないかもしれない。他の実施形態では、許容されるデコイキャラクタの最大数が指定されてもよい。より具体的な例として、デコイキャラクタの最大数は、N/2であってもよい。ここで、Nは、デコイキャラクタを加える前にユーザ式結果におけるキャラクタ数である。デコイキャラクタに対する制限事項は、ユーザプロファイルの一部であってもよいし、または全てのユーザもしくは一群のユーザに対して指定されてもよい。デコイキャラクタの制限事項は、システム100のメモリ、記憶場所、または記憶領域に保存されてもよい。
【0087】
N/2の例を参照すると、ユーザは、変数の配列を提示されてもよく、ユーザ式結果をA6B4C3と計算してもよい。ユーザは認証システムにAA6BB4C33を提供し、よって、追加の「A」、追加の「B」及び追加の「3」を元の結果に加える。この例では、認証システムは、上記の独自の計算から得られる元のユーザ式結果のキャラクタを判断して、AA6BB4C33の文字列を解析する。認証システムは、元のユーザ式結果が提示されていると判断して、デコイキャラクタの数が3つであると判断する。認証システムは、デコイキャラクタの数(3)がデコイキャラクタの制限事項、即ち、N/2デコイキャラクタの最大数、を満たすということを確認する。次に、システムはアクセスを認める。デコイキャラクタの数がN/2を上回るか、または、元のユーザ式結果が文字列内に提示されていない場合、認証システムはアクセスを拒否する。
【0088】
他のデコイキャラクタ制限事項が指定されてもよく、例えば、N/3、N/4などのデコイキャラクタの他の最大数が用いられてもよい。
【0089】
図12は、デコイキャラクタを利用する実施形態を説明するフローチャートを示す。ユーザ式は、ブロック1210において生成される。ユーザ式は、上記のように目標位置を含んでもよいしまたは含まなくてもよい。ユーザ式は、ブロック1215において、記憶されて、保存される。認証セッションが、ブロック1220に示すように開始される。認証システム100は、ブロック1225に示すように変数の配列をユーザに提示する。配列は、上記のように目標位置及び値を含んでいてもよいしまたは含んでいなくてもよい。ブロック1230において、ユーザは、ユーザ式の変数に一致している配列に示された変数を識別して、その変数に対して指定された値を変数に割り当てる。必要な場合、値は目標位置の値であってもよい。ブロック1235に示すように、ユーザは、ユーザ式の結果を判断して、1つ以上のデコイキャラクタを含んでいるその結果を入力する。ブロック1240において、認証システムは、変数に割り当てられた値を用いてユーザ式の演算子を独自に実行し、独自の結果を生成する。値は、目標位置から割り当てられてもよいしまたは割り当てられなくてもよい。ブロック1250において、システムは、ユーザが生成した結果を分析して、点在されたデコイキャラクタの中に独自の結果があるかどうかを見出す。結果が示されていない場合、ブロック1265に示すようにアクセスは拒否される。結果が見出されて一組のデコイキャラクタ制限事項が無効である場合、ブロック1260に示すようにアクセスは認められる。結果が見出されて何らかのデコイキャラクタ制限事項が指定されている場合、即ち、一組の制限事項が無効でない場合、システムは、ブロック1255に示すようにデコイキャラクタが制限事項を満たしているということを確認する。制限事項が満たされていない場合、アクセスは認められない(ブロック1265)。デコイキャラクタ制限事項が満たされている場合、アクセスが認められる(ブロック1260)。
【0090】
再び図9を参照すると、認証システムの別の実施形態は、ユーザが、変数の配列の提示を変更するかまたはカスタマイズすることができるようにする。カスタム化は、特定のユーザにまたは一群のユーザに特有でもよい。ユーザインタフェースのカスタム化の後の認証セッションが開始されると、ユーザはそれらの特定のカスタムメイドの配列を提示される。このことは、ユーザが情報のやりとりをしているシステムが事実認証システムであって偽のシステムでないということをユーザが確認するのを可能にする。
【0091】
ユーザは、例えば、カラースキーム、ツールバーのカラー、フィルカラー、背景、テキストのフォント、テキストのサイズ、テキストのカラーなどを含む配列の特徴のいくつでもカスタイマイズすることができてもよい。1つの実施形態では、ユーザは、例えば、配列の背景として、セルの背景として、変数として、または配列の任意の一部としてなどの、配列の一部として包含するための画像を提供することが可能であってもよい。
【0092】
配列のカスタム機能は、上記したユーザのプロファイルの一部として保存されてもよい。1つの実施形態において、認証セッションの開始時に、ユーザは、それらのユーザ名または他のいくつかの一意の識別子をタイプすることによってログインすることができる。次に、認証システムは、ユーザ名を認証して、変数の配列を提供することができる。正当なユーザ名が与えられた場合、認証システムはユーザのプロファイルに付随するカスタム化された配列を供給することができ、よって、例えば、ユーザが認証システムと情報をやりとりしているという保証レベルをユーザに与えることができる。別の例では、正当なユーザ名が与えられて配列がユーザのカスタム化なしで表示される場合、ユーザはセッションを終えるように指示されてもよい。
【0093】
1つの実施形態では、無効なユーザ名が提供される場合に、認証システムは一般的配列を提供し、潜在的な詐称者または攻撃者に警告するかまたは何らかの情報を提供することを避けることができる。
【0094】
前述の説明は開示された実施形態を説明するだけであるということが理解されるべきである。様々な代替形及び変化形が、本明細書で開示された実施形態から逸脱することなく、当業者によって考え出され得る。従って、開示された実施形態は、添付された請求の範囲内にあたる全てのかかる代替形及び変化形を包含することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス、サービス、アプリケーション、機能、またはシステムにユーザがアクセスするのを認証する方法であって、
認証システムによって提供される一組の変数及び演算子から選択されるユーザ式として認証キーを生成するステップと、
前記ユーザ式を前記認証システムに保存するステップと、
前記認証システムによって生成された変数の配列を前記ユーザに提示するディスプレイを利用するステップと、
を含み、
前記変数の配列は、各々に値が割り当てられている前記ユーザ式の前記変数を含んでいて、
前記方法は更に、
前記ユーザ式の一致している変数に前記割り当てられた値を当てはめて第1の結果を計算するステップと、
前記第1の結果の複数のキャラクタの中に1つ以上の付加キャラクタを点在させるステップと、
前記付加キャラクタを有する前記第1の結果を前記認証システムに伝えるステップと、
を含み、
前記認証システムによって計算される前記ユーザ式の別個で独自の計算の第2の結果が、前記付加キャラクタを有する第1の結果において見出されかつ前記付加キャラクタが一組の指定制限事項を満たしている場合に、認証システムは前記ユーザを認証することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記一組の指定制限事項は無効であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記認証システムによって生成された前記変数の配列は、前記ユーザのためにカスタマイズされていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記変数は、任意の英数字、キャラクタ、マーク、シンボル、記号、または画像を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記値は、ランダムに生成された数値を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
ユーザ式をつくる際の支援を前記ユーザに提供するステップ含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ式は、1つ以上のカスタム演算子を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記第1の結果を受け取るための変数を有するローカル式と前記ユーザ式を有するリモート式とを生成するステップと、
前記ローカル式の計算が前記リモート式の計算に一致する場合に前記ユーザを認証するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記ローカル式はトランスポート可能であることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記ローカル式の前記計算は、ローカルコンピュータデバイスによって行われ、前記リモート式の前記計算は、前記ローカルコンピュータデバイスから離隔した制御装置によって行なわれることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項11】
請求項1記載の認証セッションを開始する包袋を提供するステップと、
前記包袋内にデータとともにメッセージを封入するステップと、
前記メッセージを開封する試みがあると、メッセージ受信者に対する第1の認証セッションとメッセージ送信者に対する第2の認証セッションとを開始するステップと、
前記第2の認証セッションから得られるユーザ式を判断するステップと、
前記第1の認証セッションに当該結果を与えるステップと、
認証があると、前記受取人が前記メッセージ及びデータにアクセスすることを認めるステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
デバイス、サービス、アプリケーション、機能、またはシステムにユーザがアクセスするのを認証するシステムであって、
前記認証システムによって提供されかつ前記認証システムに保存されている一組の変数及び演算子から選択されるユーザ式としての認証キーと、
前記認証システムによって生成された変数の配列を前記ユーザに提示するディスプレイと、
を含み、
前記変数の配列は、各々に値が割り当てられている前記ユーザ式の前記変数を含み、
前記システムは更に、
前記割り当てられた値を前記ユーザ式の一致している変数に当てはめた第1の結果を含み、
前記第1の結果は、1つ以上の付加キャラクタが点在されていて、前記認証システムに伝えられ、
前記システムは更に、
前記認証システム内の回路を含み、
前記回路は、前記認証システムによって計算される前記ユーザ式の別個で独自の計算の第2の結果が、前記付加キャラクタを有する前記第1の結果において見出され、前記付加キャラクタが一組の指定制限事項を満たしている場合に、前記ユーザを認証することを特徴とするシステム。
【請求項13】
デバイス、サービス、アプリケーション、機能、またはシステムにユーザがアクセスするのを認証する方法であって、
前記認証システムによって提供される変数及び演算子を有するユーザ式として認証キーを生成するステップと、
前記ユーザ式を前記認証システムに保存するステップと、
変数及び値の配列を前記ユーザに提示するディスプレイを利用するステップと、
を含み、
前記変数及び値の配列は、前記ユーザ式の変数と各変数に付随する前記配列の目標位置の値とを含んでいて、
前記方法は更に、
前記配列の前記変数に付随する前記目標位置の前記値を前記ユーザ式の一致している変数に当てはめて第1の結果を計算するステップと、
前記第1の結果を前記認証システムに伝えるステップと、
を含み、
前記第1の結果が前記認証システムによって計算された前記ユーザ式の別個で独自の計算の第2の結果に一致する場合に、前記認証システムは前記ユーザを認証することを特徴とする方法。
【請求項14】
各変数に付随する前記目標位置は、前記ユーザ式に含まれることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
各変数に付随する前記目標位置は、ユーザプロファイルに含まれることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記認証システムによって生成される前記変数の配列は、前記ユーザのためにカスタマイズされることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記変数は、任意の英数字、マーク、シンボル、記号、または画像を含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記値はランダムに生成された数値を含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項19】
ユーザ式を生成する際の支援を前記ユーザに提供するステップを含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項20】
前記ユーザ式は、1つ以上のカスタム演算子を含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項21】
前記第1の結果を受け取るための変数を有するローカル式と前記ユーザ式を有するリモート式とを生成するステップと、
前記ローカル式の計算が前記リモート式の計算に一致する場合に前記ユーザを認証するステップと、
を含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項22】
前記ローカル式はトランスポート可能であることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記ローカル式の前記計算は、ローカルコンピュータデバイスによって行われ、前記リモート式の前記計算は、前記ローカルコンピュータデバイスから離隔した制御装置によって行われることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項24】
請求項13記載の認証セッションを開始する包袋を提供するステップと、
前記包袋内にデータとともにメッセージを封入するステップと、
メッセージを開封する試みがあると、メッセージ受信者に対する第1の認証セッションとメッセージ送信者に対する第2の認証セッションとを開始するステップと、
前記第2の認証セッションから得られるユーザ式を判断するステップと、
前記第1の認証セッションに当該結果を与えるステップと、
認証があると、前記メッセージ及びデータに前記受取人がアクセスすることを認めるステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項25】
デバイス、サービス、アプリケーション、機能、またはシステムにユーザがアクセスするのを認証するシステムであって、
前記認証システムによって提供されかつ前記認証システムに保存されている変数及び演算子を有するユーザ式としての認証キーと、
変数及び値の配列を前記ユーザに提示するディスプレイと、
を含み、
前記変数及び値の配列は、前記ユーザ式内の変数と各変数に付随している前記配列の目標位置の値とを含み、
前記システムは更に、
前記配列内の前記変数に付随する前記目標位置の前記値を前記ユーザ式の一致している変数に当てはめた第1の結果を含み、
前記第1の結果は前記認証システムへ伝えられ、
前記システムは更に、
前記第1の結果が前記認証システムによって計算された前記ユーザ式の別個で独自の計算の第2の結果と一致する場合に、前記ユーザを認証する前記認証システム内の回路を含むことを特徴とするシステム。
【請求項26】
デバイス、サービス、アプリケーション、機能、またはシステムにユーザがアクセスするのを認証する方法であって、
前記認証システムによって提供される変数及び演算子を有するユーザ式として認証キーを生成するステップと、
前記ユーザ式を前記認証システムに保存するステップと、
変数及び値の配列を前記ユーザに提示するディスプレイを利用するステップと、
を含み、
前記変数及び値の配列は、前記ユーザ式の変数と各変数に付随している前記配列の目標位置の値とを含み、
前記方法は、
前記配列内の前記変数に付随する前記目標位置の前記値を、前記ユーザ式の一致している変数に当てはめて第1の結果を計算するステップと、
1つ以上の付加キャラクタを前記第1の結果の複数のキャラクタの中に点在させるステップと、
前記付加キャラクタを有する前記第1の結果を前記認証システムに伝えるステップと、
を含み、
前記認証システムによって計算される前記ユーザ式の別個で独自の計算の第2の結果が、前記付加キャラクタを有する前記第1の結果において見出されかつ前記付加キャラクタが一組の指定制限事項を満たしている場合、前記認証システムは前記ユーザを認証することを特徴とする方法。
【請求項27】
前記一組の指定制限事項は無効であることを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項28】
各変数に付随する前記目標位置は、前記ユーザ式に含まれることを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項29】
各変数に付随する前記目標位置は、ユーザプロファイルに含まれることを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項30】
前記認証システムによって生成される前記変数の配列は、前記ユーザのためにカスタマイズされることを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項31】
前記変数は、任意の英数字、マーク、シンボル、記号、または画像を含むことを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項32】
前記値はランダムに生成された数値を含むことを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項33】
前記ユーザにユーザ式を生成する際の支援を提供するステップを含むことを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項34】
前記ユーザ式は、1つ以上のカスタム演算子を含むことを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項35】
前記第1の結果を受け取るための変数を有するローカル式と前記ユーザ式を有するリモート式とを生成するステップと、
前記ローカル式の計算が前記リモート式の計算に一致する場合に前記ユーザを認証するステップと、
を含むことを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項36】
前記ローカル式はトランスポート可能であることを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項37】
前記ローカル式の前記計算は、ローカルコンピュータデバイスによって行われ、前記リモート式の前記計算は、前記ローカルコンピュータデバイスから離隔した制御装置によって行われることを特徴とする請求項35記載の方法。
【請求項38】
請求項26記載の認証セッションを開始する包袋を提供するステップと、
前記包袋内にデータとともにメッセージを封入するステップと、
前記メッセージを開封する試みがあると、メッセージ受信者に対する第1の認証セッションとメッセージ送信者に対する第2の認証セッションとを開始するステップと、
前記第2の認証セッションから得られるユーザ式を判断するステップと、
前記第1の認証セッションに当該結果を提供するステップと、
認証があると、前記メッセージ及びデータに前記受信者がアクセスするのを認めるステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項39】
デバイス、サービス、アプリケーション、機能、またはシステムにユーザがアクセスするのを認証するシステムであって、
前記認証システムによって提供されかつ前記認証システムに保存されている変数及び演算子を有するユーザ式としての認証キーと、
変数及び値の配列を前記ユーザに提示するディスプレイと、
を含み、
前記変数及び値の配列は、前記ユーザ式の変数と各変数に付随する前記配列の目標位置の値とを含み、
前記システムは更に、
前記配列内の前記変数に付随する前記目標位置の前記値を前記ユーザ式の一致している変数に当てはめた第1の結果を含み、
前記第1の結果は、1つ以上の付加キャラクタを点在させており、前記認証システムに伝えられ、
前記システムは更に、
前記認証システム内の回路を含み、
前記回路は、前記認証システムによって計算された前記ユーザ式の別個で独自の計算の第2の結果が、前記付加キャラクタを有する前記第1の結果において見出されかつ前記付加キャラクタが一組の指定制限事項を満たしている場合に、前記ユーザを認証することを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−517121(P2010−517121A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534797(P2009−534797)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/082088
【国際公開番号】WO2008/051905
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(509119902)サイファーロック テクノロジー コーポレーション (1)
【出願人】(310009867)
【出願人】(310009878)
【出願人】(310009889)
【Fターム(参考)】