説明

ライナーレスラベル

感圧接着剤コーティングと、剥離コーティングとサーマルイメージングコーティングとからなるライナーレスラベル。サーマルイメージングコーティングは、その成分の一つとして下記式(I)で表される化合物を含む。
【化22】


(ここでRおよびRは、それぞれメチル;エチル;アリール;メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンで置換されたアリール;ベンジルおよびメチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンで置換されたフェニルを有するベンジルから選択され、R、R、RおよびRは、それぞれ水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびフェニルから選択され、RおよびRは、それぞれメチルおよびエチルから選択され、Rは、水素、メトキシおよびエトキシから選択され、R10は、水素、ジメチルアミノおよびジエチルアミノから選択され、R11は、メチルである。)
本発明の画像形成されたライナーレスラベルは、670nmで20未満のバー反射率、少なくとも80のプリントコントラストシグナル、少なくとも75%のBNLバックグラウンドを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライナーレスラベルに関し、特に感圧式接着剤コーティングを有するライナーレスラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
ライナーレスラベルは下記特許文献に教示されており、その内容を参照により本明細書に引用したものとする。ライナーレスラベルは、剥離コーティングを有するライナー上に貼り付けられた感圧式ラベルに対して特定の利点を有する。従来のラベルではライナーは、輸送、プリントおよび貯蔵の際のサポートとして機能するが、ラベルがライナーから取り外された後、廃棄されるものである。
【特許文献1】米国特許第3,051,588号
【特許文献2】米国特許第3,285,771号
【特許文献3】米国特許第4,851,383号
【特許文献4】米国特許第5,547,738号
【0003】
ライナーレスラベルは、表面が剥離コートでコートされ、裏面が感圧式接着剤でコートされるなどして改良されている。ライナーレスラベルのストリップは、螺旋状のロール形状に巻くことができ、これにより裏面の接着剤が表面の剥離コーティングと剥離コーティングが外側に向く所で接触する。感圧式接着剤と剥離コートが接着することによってストリップをロール状に保持する。ラベルは、ラベルを使用する度にライナー層を取り除いたり、廃棄したりせずにこのライナーレスラベルのロールから個々に剥離することができる。
【0004】
ライナーウェブまたは層は、このようなライナーレスラベルのロールには必要ないので、材料およびコストの節約が可能になる。ライナー層を使用しないことによって材料の節約だけでなく、廃棄コストおよび材料処理コストを節約することができる。ライナーレスラベルのロールにはライナー層付きのラベルの同じサイズのロールのほぼ2倍のラベルを有することができるという点でスペースの節約にもつながる。
【0005】
ライナーレスラベルは、表面にサーマルイメージコーティング(感熱画像形成コーティング)を施して形成することができる。このサーマルイメージコーティング上には剥離コーティングが塗付される。
【0006】
剥離コートと感圧接着剤の構成物質は、時には予めプリントされている画像を不明瞭にしたり、サーマルイメージコーティングのサーマルイメージ化学反応に干渉したりし、ラベルが光学スキャニングされるようなときに誤って読み取られる原因となる不十分なイメージ特性、イメージの退色、不明瞭な光学反射などに関する問題が生じる場合がある。これにより特にバーコードがライナーレスラベルに熱画像形成された場合、正しく読み取られる確率が低くなってしまう。
【0007】
熱応答性記録材料システムは、当業界でよく知られており、下記特許文献に記載されており、その内容を参照により本明細書に引用したものとする。これらのシステムでは塩基性発色材料(chromogenic material)と酸性の顕色顕色材料(color developer)が基板上のコーティングに含まれ、このコーティングは、適当な温度に加熱すると溶融、昇華または軟化し、これら材料を反応させ、色の付いたマークを発生させる。
【特許文献5】米国特許第3,539,375号
【特許文献6】米国特許第3,674,535号
【特許文献7】米国特許第3,746,675号
【特許文献8】米国特許第4,151,748号
【特許文献9】米国特許第4,181,771号
【特許文献10】米国特許第4,246,318号
【特許文献11】米国特許第4,470,057号
【0008】
熱応答性記録材料は、熱に曝されると選択されたパターンの文字、画像、その他の情報を記録または伝達するために特定の強度の検知可能な画像を発生させる独特な熱応答性を有する。このような熱応答性記録材料は、可塑剤または接着剤ななどの他の材料と直接接触したときの熱応答性記録材料の画像の安定性および光学的スキャニングされる能力の維持に限界があるという欠点を有していることが良く知られている。
【0009】
バーコードの用途が増加するにつれて、サーマルイメージコーティングが接着剤、接着剤成分、剥離コート、コーティングの破片または印刷を不鮮明にするものと接触しても高い読み取り成功率で光学的にスキャン可能なサーマルイメージコーティングを有するライナーレスラベルが要望されている。
【0010】
サーマルイメージングによってライナーレスラベルが広く受け入れられるためにライナーレスラベルストックは、画像形成されたときに光学スキャンに対して商業ベースで有用なものでなければならない。
【0011】
機械での読み取り性能を判断する上でプリントコントラトスシグナル(PCS、 Print Contrast Signal)は、重要な測定基準の1つである。
【0012】
プリントコントラストシグナル(PCS)は、次のように表される。
【0013】
【数1】

ここでRは、バックグラウンドの反射率を表し、Rは、イメージの反射率を表す。
【0014】
PCSは、バックグラウンドとイメージの反射率の違いを測定する。PCS値が75%を超えると機械読み取り性能が良好になる。85%を超えるバックグラウンド反射率と18%未満のイメージ反射率を有するシステムは、商業的に有効である。
【0015】
適当なプリントコントラストは、適切にイメージおよびバックグラウンドのコントラストを維持することに依存する。PCS値が大きければプリントコントラストが大きくなり、機械での読み取り異常が少なくなる。
【0016】
従来のサーマルイメージングシステムでは、剥離コートおよび接着剤コートが塗付された場合、PCSが小さくなるので感度が失しなわれてしまう。このPCS値の減少を補うためにさらに発色剤が添加される。またサーマルイメージングコートは、硬化工程中に紫外線からの熱、電子ビームおよび重合に付すことによってユーザーに受け入れられない粗末な外観を向上させている。
【0017】
特にバーコードの場合、個々のバーおよびスペースを認識し、符号を解読するためにスキャナーは各バーコードのバーおよびスペースの反射を識別する必要がある。バーとスペース間のコントラストのレベルは、PCS値で示す特定のレベルのコントラストを満たさなければならない。
【0018】
バー反射率は、バーコードのバーの反射の測定値である。画像形成された際に650nm超の吸収率を有し、同時に670nmで20未満のバー反射値を有するサーマルイメージングライナーレスラベルが必要とされている。このようなライナーレスラベルは、当業界では最も進歩したものであり、商業的にも有意義なものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、感熱式に画像形成された際に約650nmの吸収率を示し、同時に670nmで20未満のバー反射値と少なくとも75%のBNLバックグラウンドを有する感熱式記録材料を提供することである。本発明のライナーレスラベルは、形成される像が濃く、退色に抵抗性を有する。さらにそのシステムの反射特性は、実質的に感圧接着剤コートの接着剤成分または剥離コートに抵抗力を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の改良されたサーマルイメージングライナーレスラベルストックは、光学スキャニングに有用であり、それぞれコーティングされた第1の面および第2の面を有する基板からなる。
【0021】
第1面のコーティングは、感圧式接着剤を含む。
【0022】
第2面のコーティングは、670nmで少なくとも20未満のバー反射率を有する少なくとも1つの発色材料と少なくとも1つの顕色材料とを含むサーマルイメージングコーティングを含み、この発色剤は下記式(I)で表される化合物から選択される。
【0023】
【化12】

【0024】
式(I)中、RおよびRは、それぞれメチル;エチル;アリール;メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンで置換されたアリール;ベンジルおよびメチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンで置換されたフェニルを有するベンジルから選択され、R、R、RおよびRは、それぞれ水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびフェニルから選択され、RおよびRは、それぞれメチルおよびエチルから選択され、Rは、水素、メトキシおよびエトキシから選択され、R10は、水素、ジメチルアミノおよびジエチルアミノから選択され、R11は、メチルである。好ましい顕色材料は、下記式(II)で表される材料である。
【0025】
【化13】

【0026】
このラベルストックは、螺旋状にすることができ、この螺旋形状を維持するために感熱式接着剤が剥離コートに接着し、この場合ラベルストックは、ロールの最外端でロールから剥がされる。
【0027】
式(II)の顕色材料を使用すると他の顕色材料と比較して像強度、バーコードの読み取り性能およびバックグラウンドが驚異的、かつ、予期し得ないほどに改善される。
【0028】
ライナーレスラベルストック1は、螺旋ロールとして形成することができる。また図6に示すように折り畳んだZ字状などの他の形状にすることもできる。しかしながら、螺旋形状が好ましい。
【0029】
本発明のサーマルイメージングライナーレスラベルは、低バックグラウンドで高コントラストの鮮明な画像を呈することができる。また本発明のライナーレスラベルは、670nmで20未満のバー反射率と80超のプリントコントラストシグナルを有する。
【0030】
インドール部分は、独特、かつ、予期し得ない特性を有するある種類の化合物を種々の環境的負荷に曝された際の像の退色に対する抵抗性を向上させるということが発見されている。
【0031】
この種の化合物を使用することによって、特に光学スキャニングに好適なライナーレスラベルの製造が可能になる。
【0032】
ライナーレスラベルストックの一例を図1に示す。このライナーレスラベルストックは、螺旋ロール形状に示されている。ラベル2は、像形成された任意のバーコード3を含んでもよい。また必要に応じてラベル2をプリカットまたはダイカットしてもよい。図1は、個々のラベルを容易に切り離せるようにラベル間の分離線としてミシン目が設けられたラベルを示している。
【0033】
図2は、本発明のサーマルイメージングラベルストックの別の態様を例示している。この態様では、ラベル2の側縁部は、基板の側縁部に対応していない。ラベルは、長方形、正方形、四辺形、円形、楕円形その他の形状であってもよい。ラベル2がライナーレスラベルストック1から切り離されると基板の残りの枠の部分がくずとなる。光学バーコード3がラベル2上に像形成されている。
【0034】
バーコード部分などは、サーマルイメージングコーティングを画像形成させることによって得るのが都合がよい。これとは別にあらゆる種類の証印を用途に応じて従来の印刷技術によってプリントすることもできる。
【0035】
図3は、サーマルイメージングライナーレスラベルストックの断面図である。紙6などの基板は、サーマルイメージングコーティング5でコートすることができ、このコーティング自体は、1つまたはそれ以上の層から構成されてもよい。剥離層4がサーマルイメージングコーティング層上に塗付される。紙6の反対または第1の面には感圧式接着剤層7が塗布される。
【0036】
図4は、別の態様の断面図を示す。追加のコーティングの多くの変形例は、当業者には自明である。図4の態様では、接着剤層7の紙6への接着を向上させるためにタイコート8を含む。螺旋形状に巻かれた場合、接着剤は、紙の上にあるタイコートとの接着を維持し続けながら剥離コートから優先的に剥離されるのが望ましい。
【0037】
この任意のタイコートは、この目的のために使用される公知の材料、例えばエチレンビニルアセテート、ポリビニルアルコールなどのバインダ、シリカなどのピグメントおよび上記特許文献4に開示されている類似の材料から選択することができる。
【0038】
図5は、サーマルイメージングライナーレスラベルの別の態様の断面図を示す。1層またはそれ以上の層のトップコート9をサーマルイメージングコーティング層5に任意に塗付してもよい。式(I)で表される化合物の具体例を以下に示す。
【0039】
【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【0040】
従来の感熱式ラベルのライナーは、輸送、印刷および貯蔵時の保護体としての役割りを果たし、一度ラベルが取り除かれると、ライナーは破棄される。ライナーレスラベルを使用することによってこれらライナーの材料および廃棄コストを実質的に節約することができる。ライナーレスラベルのロールは、ライナー付きの同じサイズのロールより2倍多くラベルを保持することができ、その結果貯蔵時および移送時のスペースをかなり節約することができる。最も簡単な形状のライナーレス感熱式ラベルストックは、基板の第1の面の感熱層に剥離コートを塗付し、基板の第2の面に感圧式接着剤コーティングを塗布することによって形成される。ライナーレスラベルのストリップは、ロール状に巻かれ、これによりその裏側の感圧式接着剤層が剥離コーティング層と接触し、剥離コーティングが外方を向く。
【0041】
ライナーレスラベルのコーティング形態は、必要およびそれらが使用される環境に応じて種々変えることができる。例えば、接着剤層が使用時に基板から離れないようにタイコートを基板と感圧式接着剤層の間に塗布することもできる。またトップコートを感熱層と剥離コーティングの間に使用してもよく、サブコートを基板の第2面と感圧式接着剤コーティングの間に塗布してもよい。またタイコート、トップコート、サブコートおよび他のコートのあらゆる組み合わせを本発明のライナーレスラベル製品に使用することができる。
【0042】
感圧式接着剤コーティングと剥離コーティングの組成は、これらが不相溶になるように選択され、これによりコーティング間の凝集力を減じることによってラベルが容易に剥がれるようになる。剥離コーティングの例としては、ポリアミド(例えばプロテイン)、ポリアクリレートエステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ワックスおよびエチレン/アクリル酸などの共重合体が挙げられる。
【0043】
サーマルイメージングコーティングは、1層またはそれ以上の層であってもよく、実質的に隣接関係にある発色材料と酸性顕色材料とから構成してもよく、これによりこれらいずれかの材料が溶融、軟化または昇華することによって色を発し、言い換えれば変色反応が生じる。
【0044】
1,2−ジフェノキシエタンなどの増感剤(変性剤として知られている)をサーマルイメージングコーティングに含有させることが好ましい。この材料は、通常それ自体、画像を形成せず、色の形成に作用しないと考えられているが、比較的低融点の固体であるので像形成成分の反応を促進させる溶媒として作用する。その他のこのような増感剤は、下記特許文献12に記載されている。他の増感剤としては、N−アセトアセチル−o−トルイジン、フェニル−1−ヒドロキシ−2−ナフトエート、ジベンジルオキサレート、パラ−ベンジルビフェニル、カプロン酸アミド、カプリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リノール酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アニリド、N−メチルオレイン酸アミド、ベンズアニリド、リノール酸アニリド、N−エチルカプリン酸アミド、N−ブチルラウリン酸アミド、N−オクタデシルアセトアミド、N−オレイルアセトアミド、N−オレイルベンズアミド、N−ステアリルシクロヘキシルアミド、ポリエチレングリコール、1−ベンジルオキシナフタレン、2−ベンジルオキシナフタレン、フェニル1−ヒドロキシナフトエート、1,2−ジフェノキシエタン、1,4−ジフェノキシブタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4−クロロフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4−メトキシフェノキシ)エタン、1−(2−メチルフェノキシ)−2−(4−メトキシフェノキシ)エタン、ジベンジルテレフタレート、ジベンジルオキサレート、ジ(4−メチルベンジル)オキサレート、ベンジルp−ベンジルオキシベンゾエート、p−ベンジルビフェニル、1,5−ビス(p−メトキシフェノキシ)−3−オキサ−ペンタン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−ビフェニルp−トリルエーテル、ベンジルp−メチルチオフェニルエーテル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【特許文献12】米国特許第4,531,140号
【0045】
発色性組成物は、実質的に無色の状態の上記式(1)で表される発色性モノ(インドリルエチレニル)フタリドと酸性顕色材料とを含む。発色性材料は、カラーフォーマーまたは染料プリカーサとしても知られている。これらは、通常電子供与体である。染料プリカーサまたは発色性材料は、染料を発現させるために酸性顕色材料と反応する。この発色システムは、1つ以上の成分の溶融、軟化または昇華に依存して発色のための反応的接触を行う。
【0046】
基板としては、紙(ロール状または積層されたシート状のものを含む)、合成ウェブ、リボン、テープ、ベルト、フィルムなどが挙げられる。これらは、2つの大きな表面と比較的薄い厚みを有する。基板は、不透明、透明または半透明でもよく、また有色または無色であってもよい。また基板の材料は、繊維性のもの、例えば紙およびフィラメント状の合成材料であってもよい。また基板の材料は、セロファンおよび合成高分子シートをキャスト、押出しまたはそれ以外の方法で形成されたものなどのフィルム状のものであってもよい。
【0047】
サーマルイメージングコーティングは、式(II)で表される顕色材料と近接して位置する式(I)で表される発色性材料を含む発色性組成物を含む。
【0048】
この発色システムの成分は、基板に1層またはそれ以上にコートされたサーマルイメージング層の材料を通して実質的に隣接、またはほぼ隣接を意味する近接関係にあり、実質的に均一に配分される。複数の層の場合、その内の1つは発色材料であってもよい。顕色剤をこの層または別の層に含有させてもよい。同様に増感剤を発色材料層もしくは顕色剤層あるいは別の層として含有させてもよい。カーテンコーティングは、このような層を形成するのに特に有用である。このような近接関係は、種々の層形成技術によって形成される。サーマルイメージングコート材料の製造において、水性コーティング媒体に含まれる発色システムの成分と、バインダー材料、通常、高分子材料と、界面活性剤とその他添加剤の微細分散液を含むコーティング組成物が調製される。紫外線吸収剤、酸化防止剤を含むまたは含まない通常高分子のポリビニルアルコールもしくはその誘導体またはその他バインダ材料ーからなる保護トップコート層9を任意に利用してもよい。これらの層のいずれか、特に発色系層は、さらにクレー、タルク、水酸化アルミニウム、焼成カオリンクレーおよび炭酸カルシウムなどの不活性顔料、尿素−ホルムアルデヒド樹脂顔料などの合成顔料、カルナバワックスなどの天然ワックス、合成ワックス、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤、湿潤剤、消泡剤および酸化防止剤を含んでもよい。
【0049】
発色システム成分は、分散ビヒクル(好ましくは水)に実質的に不溶であり、約1ミクロン乃至約10ミクロン、好ましくは3ミクロン未満の平均粒径になるように粉砕される。これにバインダーを含ませてもよい。このバインダーは、高分子材料であってもよく、実質的にビヒクルに可溶であるがラテックスも使用可能である。好ましい水溶性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチル(ヒドロキシプロピル)セルロース、スターチ、スチレン無水マレイン酸塩、変性スターチ、ゼラチンなどが挙げられる。使用可能なラテックス材料としては、ポリアクリレート、スチレン−ブタジエン−ラバーラテックス、ポリビニルアセテート、ポリスチレンなどが挙げられる。この高分子バインダーは、シートまたはラベルの貯蔵または使用時に生じるこすれまたは取り扱い時に加わる力から保護するために使用される。バインダーは、このような保護を行える量であって、発色性反応材料の反応接触を阻害しない量より少ない量、含有される。
【0050】
サーマルイメージングコーティングのコーティングウエイトは、1平方メートル当たり約3乃至9グラム(gsm)であると効果的であり、好ましくは約5乃至約6gsmである。発色材料の実際の量は、経済性、機能パラメーターおよびラベルの所望の取り扱い特性によって調整される。
【0051】
式(I)のモノ(インドリルエチレニル)フタリドに加えて、他の発色材料を組み合わせて含有させてもよい。これらの追加の発色材料は、フタリド、ロイコオーラミンおよびフルオラン化合物などの従来の発色材料のいずれであってもよい。発色材料のその他の例としては、クリスタルバイオレットラクトン(3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、下記特許文献13参照)、フェニル、インドリル、ピロリルおよびカルバゾリル置換フタリド(例えば、下記特許文献14、15、16および17参照)、ニトロ、アミノ、アミド、スルホンアミド、アミノベンジリデン、ハロ、アニリノ置換フルオラン(下記特許文献18、19、20、21および22参照)、スピロジピラン(下記特許文献23参照)、ピリジン化合物およびピラジン化合物(下記特許文献24および25参照)。
【特許文献13】米国再発行特許第23,024号
【特許文献14】米国特許第3,491,111号
【特許文献15】米国特許第3,491,112号
【特許文献16】米国特許第3,491,116号
【特許文献17】米国特許第3,509,174号
【特許文献18】米国特許第3,624,107号
【特許文献19】米国特許第3,627,787号
【特許文献20】米国特許第3,641,011号
【特許文献21】米国特許第3,642,828号
【特許文献22】米国特許第3,681,390号
【特許文献23】米国特許第3,971,808号
【特許文献24】米国特許第3,775,424号
【特許文献25】米国特許第3,853,869号
【0052】
上記式(I)で表される化合物と組み合わせて使用できる他の発色性化合物としては、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ−フルオラン(上記特許文献22参照);3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ−フルオランとして知られている2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノ−フルオラン(下記特許文献26参照);3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン;3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−3,5’6−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[9H−フルオレン−9,1’(3’H)−イソベンゾフラン]3’−ワン;7−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−7−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5,7−ジヒドロフロ[3,4−b]ピリジン−5−ワン(上記特許文献10参照);3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン(下記特許文献27参照);3−(N−メチルシクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン(下記特許文献28参照);7−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−7−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5,7−ジヒドロフロ[3,4−b]ピリジン−5−ワン;3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン;3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−7−ベンジルアミノフルオラン;3’−フェニル−7−ベンジルアミノ−2,2’−スピロジ−[2H−1−ベンゾピラン]およびこれらの混合物が挙げられる。
【特許文献26】米国特許第4,510,513号
【特許文献27】米国特許第3,920,510号
【特許文献28】米国特許第3,959,571号
【0053】
上記式(II)の顕色材料に加えて他の顕色材料も使用することができる。式(II)以外の顕色材料を単独で使用すると、機能はするが、本発明と同程度の画像強度、バーコード読み取り性能およびバックグラウンドの改善は期待できない。このような他の利用可能な酸性(または電子受容性)顕色材料としては、上記特許文献5にフェノール系反応性材料として例示されている化合物、特にモノフェノールおよびジフェノールが挙げられる。その他の利用可能な酸性顕色材料としては次の化合物を単独または混合物として使用できる、4,4’−イソプロピリデン−ジフェノール(ビスフェノールA);p−ヒドロキシベンズアルデヒド;p−ヒドロキシベンゾフェノン;p−ヒドロキシプロピオフェノン;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;サリシルアニリド;4−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン;2−アセチル安息香酸;m−ヒドロキシアセトアニリド;p−ヒドロキシアセトアニリド;2,4−ジヒドロキシアセトフェノン;4−ヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン;4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン;ベンジル−4−ヒドロキシフェニルケトン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5−メチルヘキサン;エチル[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)]ペンタノエート;イソプロピル[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)]ペンタノエート;メチル[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)]ペンタノエート;アリル[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)]ペンタノエート;3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール);4−ヒドロキシクマリン;7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン;2,2’−メチレン−ビス(4−オクチルフェノール);4,4’−スルホニルジフェノール;4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−m−クレゾール);メチル−p−ヒドロキシベンゾエート;n−プロピルp−ヒドロキシベンゾエート;ベンジルp−ヒドロキシベンゾエート;4−(4−(1−メチルエトキシ)フェニル)スルホニルフェノールなどである。これらの中で好ましいのは、フェノール系顕色化合物である。フェノール系化合物の中でより好ましいのは、4,4’−イソプロピリジンジフェノール、エチル[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)]ペンタノエート、n−プロピル[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)]ペンタノエート、イソプロピル[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)]ペンタノエート、メチル[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)]ペンタノエート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、p−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ベンジル−p−ヒドロキシベンゾエート、4−(4−(1−メチルエトキシ)フェニル)スルホニルフェノールおよび4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチレン)]ビスフェノールである。他の種類の酸性化合物も使用可能である。このような他の酸性顕色化合物としては、フォルムアルデヒドとp−オクチルフェノールなどのアルキルフェノールまたはp−フェニルフェノールなどのその他のフェノールとの反応生成物であるフェノール系ノボラック樹脂およびコロイダルシリカ、カオリン、ベントナイト、アタパルガイト、ハロイサイトなどの酸性無機材料が挙げられる。これらのポリマーおよび無機物のいくつかは、融解しないが、クロモゲンの溶融時に発色反応する。これらの化合物の内、フェノール系の化合物がより好ましい酸性顕色材料として使用できる。
【0054】
本発明の特徴のいくつかを以下の実施例で説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。これらの実施例中、特に明記してない限り全ての部または割合は重量基準であり、全ての測定値は、メートル法による。
【0055】
本発明を例示する全ての実施例において、特定の成分の分散液をバインダーの水性溶液中でこの成分が平均粒径が約1ミクロン乃至10ミクロンになるまで粉砕して調製した。所望の平均粒径は、各分散液とも3ミクロン未満であった。
【0056】
サーマルイメージングコートは、発色材料と酸性材料の分散液を別々に調製して得た。これらの分散液を所望の比で混合し、ワイヤーが巻かれたロッドで基板に塗付し、乾燥させた。変性剤、充填剤、酸化防止剤、潤滑剤およびワックスなどの他の非活性材量を必要に応じて加えることができる。ラベルストックは、平滑性を向上させるためにカレンダー処理してもよい。
【0057】
感圧式接着剤は、溶剤型、水性、ホットメルト型、マイクロ波または放射線硬化型などの種々の形態のものが使用できる。種々のアクリレート、メタクリレート、スチレンブタジエン共重合体感圧式接着剤が知られている。また下記特許文献にも感圧式接着剤組成物が教示されており、その内容を参照により本明細書に引用したものとする。
【特許文献29】米国特許第6,423,392号
【特許文献30】米国特許第6,218,006号
【特許文献31】米国特許第5,827,609号
【特許文献32】米国特許第5,738,939号
【0058】
感圧式接着剤の例としては、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル類、エポキシ類、ラバー−樹脂およびポリアミドなどが挙げられる。好適な感圧式接着剤としては、当業界でよく知られている溶剤コート型接着剤、ホットメルトコート型接着剤、放射線硬化型(電子ビームまたは紫外線硬化)接着剤および水性エマルジョン型接着剤などが挙げられる。好適な接着剤の具体例としては、イソオクチル、アクリレート/アクリル酸共重合体および粘着性アクリレート共重合体などのアクリル系接着剤、粘着性スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などの粘着性ラバー系接着剤、粘着性スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンなどのニトリルラバー、ポリシロキサンなどのシリコーン系接着剤およびポリウレタンなどが挙げられる。これら接着剤により形成される層の厚さは、10ミクロン乃至1000ミクロンであり、好ましくは25ミクロン乃至250ミクロである。
【0059】
任意ではあるが、この感圧式接着剤を破裂可能な高分子材料または破裂可能なゲルなどのマトリックス材料にマイクロカプセル化または包含させてもよい。マイクロカプセル化された感圧式接着剤は、当業界では知られており、便宜上、活性方式、成分のマイクロカプセル化の程度、接着剤の化学成分または種々の接着面に対する適合性に基づいて分類される。マイクロカプセル化された接着剤は、サーマルイメージングライナーレスラベルストックの感圧式接着剤として任意に、かつ、有効に適応させることができる。
【0060】
マイクロカプセル化された感圧式接着剤は、溶剤系または反応性もしくは硬化性樹脂の系に利用可能である。溶剤系は、溶剤の排出による接着剤の再活性化によって機能する。マイクロカプセルは、必要とされるまで溶剤を保持するビヒクルとして使用することができる。他の活性化可能な系は、樹脂を使用時にタック化するために溶剤の代わりに可塑剤またはUV開始剤によって活性化する。
【0061】
接着剤の溶剤を含むカプセルは、通常、基板上の非粘着性接着剤コーティングに分散されている。カプセルが破裂すると溶剤が放出され、接着剤を粘着化する。可塑剤は、同様にカプセル化することができ、接着剤を粘着化するために溶剤の代わりにまたは溶剤と共に使用することができる。
【0062】
反応性樹脂の系では、硬化系のカプセル化を必要とする。全ての配合成分、全ての接着剤または1つの成分のいずれかをカプセル化することができる。反応性成分は、使用するまで分離または離隔しなければならない。通常、1つ以上のカプセル化を別個に行う。反応系は、通常、エポキシ樹脂、イソシアネート、ポリエステルなどを使用する。
【0063】
他の形態のカプセル化された接着剤は、自己保有型カプセルである。この場合、接着剤をすべてカプセル化することができ、バインダーによって基板に塗付することができる。これとは別に硬化剤をカプセルの表面に付着させてもよい。カプセル壁が破裂すると樹脂が流れ出し、硬化剤と接触する。硬化剤は、フッ化ホウ素錯体、ニトリルまたはアニリン系触媒、酸塩化物、ヘキサメチレンテトラミン、種々の酸化物、ジブチルチンジラウレートなどを含んでもよい。
【0064】
カプセル解放機構は、圧力、熱またはカプセル壁の溶解によって機能する。熱で活性化する系は、活性化温度以上に加熱することによって硬化する。これらの系では接着剤ラベルに圧力を加えることによってラベルを固定する。
【実施例】
【0065】
以下の実施例では、上述した特定の化合物を調製するための一般的な工程について説明するが、これら実施例はこのような化合物の調製に組み合わせて使用可能なすべての成分を網羅するものではない。
【0066】
〔実施例1〕
3−[1,1−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−フタリド(化合物1)の調製
【0067】
2−(4−ジメチルアミノベンゾイル)安息香酸(22.0g、0.08モル)と1,1−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)エチレン(25.2g、0.08モル)を機械攪拌器を用いて無水酢酸(150ml)中で混合し、反応混合物を80℃で2時間加熱し、その後室温まで冷却し、氷、水、水酸化ナトリウムの混合物に加え、水酸化ナトリウムを加えてpHを8.0に調整し、析出した固体をろ過し、水で洗浄した。乾燥させた後、この固体を1,2−ジクロロエタン/イソプロパノールから再結晶化した。収率:40.2g(89%)、白色の固体、融点:242−245℃。
【0068】
〔実施例2〕
3−[1,1−ビス(1−エチル−2,5−ジメチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−フタリド(化合物3)の調整
【0069】
無水酢酸(60ml)中で2−(4−ジエチルアミノベンゾイル)安息香酸(9.0g、0.03モル)と1,1−ビス(2,5−ジメチル−1−エチルインドール−3−イル)エチレン(11.1g、0,03モル)を攪拌しながら2時間、80℃で加熱した。その後反応混合物を室温にまで冷却し、氷と水性水酸化ナトリウムに攪拌しながら注いだ。2乃至3時間放置した後、析出した固体をろ過し、乾燥させた。乾燥させた未加工物を1,2−ジクロロエタン中に溶解させ、ろ過し、ろ液をイソプロパノールで希釈し、アイスバスで冷却した。形成された固体をろ過し、乾燥させた。収率:16.5g(84%)、白色固体、融点:213−215℃。
【0070】
〔実施例3〕
3−[1,1−ビス(1−エチル−5−メトキシ−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド(化合物7)の調製
【0071】
1,2−ジクロロエタン(20ml)と無水酢酸(20ml)中で2−(4−ジエチルアミノベンゾイル)安息香酸(3.0g、0.01モル)と1,1−ビス(1−エチル−5−メトキシ−2−メチルインドール−3−イル)エチレン(4.0g、0.01モル)を100℃(オイルバスの温度)で4時間加熱した。反応混合物を室温にまで冷却し、氷、トルエンおよび水性水酸化ナトリウム(10%)で処理し、30分間60℃で攪拌し、トルエン層を分離し、水性層をトルエンで2回抽出した。これらトルエン抽出物を混合し、湯で2回洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣を溶離液としてトルエンと4:1のトルエン/アセトンを用いてシリカゲル上で色層分析(クロマトグラフ)した。ブルーバンドを含む部分を集め、混合し、濃縮した。残渣を1,2−ジクロロエタン/メタノールから再結晶化した。得られた生成物は、白色の固体であり、217−219℃の融点を有し、収率は、5.5g(81%)であった。
【0072】
〔実施例4−14〕
サーマルイメージングコート材料分散液
【0073】
発色性化合物、酸性顕色材料および増感剤それぞれの分散液を調製する。
【0074】
[分散液A]−発色材料
重量部
発色材料 32.0
バインダー、20%ポリビニルアルコールの水溶液 27.4
分散剤 0.4
水 40.2
[分散液A1]−発色材料:ODB−2
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン
[分散液A2]−発色材料:MIEP−17(化合物1)
3−[1,1−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)エチレン−2−イ
ル]−3−(4−ジメチルアミノフェニレン)フタリド
[分散液A3]−発色材料:MIEP−23(化合物3)
3−[1,1−ビス(2,5−ジメチル−1−エチルインドール−3−イル)エチ
レン−2−イル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド
[分散液A4]−発色材料:MIEP−39(化合物17)
3−[1,1−ビス(1−n−ブチル−2,5−ジメチルインドール−3−イル)
エチレン−2−イル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド
[分散液A5]−発色材料:MIEP−49(化合物5)
3−[1,1−ビス(2,5−ジメチル−1−エチルインドール−3−イル)エチ
レン−2−イル]−3−(4−ジメチルアミノフェニル)フタリド
[分散液A6]−発色材料:MIEP−2(化合物2)
3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−
2−イル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド
[分散液A7]−発色材料:MIEP−1(化合物7)
3−[1,1−ビス(1−エチル−5−メトキシ−2−メチルインドール−3−イ
ル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド
[分散液A8]−発色材料:MIEP−57(化合物11)
3−[1,1−ビス(5−クロロ−1−エチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド
[分散液A9]−発色材料:MIEP−62(化合物15)
3−[1,1−ビス(2,7−ジメチル−1−エチル−5−メトキシインドール−
3−イル)エチレン−2−イル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド
[分散液A10]−発色材料:ODB−2およびMIEP−17(化合物1)
[分散液A11]−発色材料:ODB−2およびMIEP−23(化合物3)
[分散液A12]−発色材料:ODB−2およびMIEP−39(化合物17)
[分散液A13]−発色材料:ODB−2およびMIEP−49(化合物5)
[分散液A14]−発色材料:ODB−2およびMIEP−2(化合物2)
[分散液A15]−発色材料:ODB−2およびMIEP−1(化合物7)
[分散液A16]−発色材料:ODB−2およびMIEP−57(化合物11)
[分散液A17]−発色材料:ODB−2およびMIEP−62(化合物15)
【0075】
[分散液B]−酸性材料
重量部
酸性材料 42.5
バインダー、20%ポリビニルアルコールの水溶液 21.2
分散剤 0.2
水 36.1

[分散液B1]−酸性材料:TGSA
ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン
【0076】
[分散液C]−増感材料
重量部
増感材料 42.5
バインダー、20%ポリビニルアルコールの水溶液 21.2
分散剤 0.2
水 36.1
[分散液C1]−増感材料:DPE
1,2−ジフェノキシエタン
【0077】
[コーティング配合例1]
重量部
分散液A(発色材料) 23.0
分散液B(酸性材料) 33.5
分散液C(増感材料) 33.5
バインダー、水に含まれるSBRラテックス 10.0
[コーティング配合例2]
分散液A(発色材料ODB−2) 18.0
(発色材料MIEP−X) 5.0
分散液B(酸性材料) 33.5
分散液C(増感材料) 33.5
バインダー、水に含まれるSBRラテックス 10.0
【0078】
[実施例4]
分散液A1(ODB−2)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分1
[実施例5]
分散液A2(MIEP−17)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分1
[実施例6]
分散液A3(MIEP−23)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分1
[実施例7]
分散液A4(MIEP−39)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分1
[実施例8]
分散液A5(MIEP−49)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分1
[実施例9]
分散液A6(MIEP−2)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分1
[実施例10]
分散液A7(MIEP−1)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分1
[実施例11]
分散液A8(MIEP−57)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分1
[実施例12]
分散液A9(MIEP−62)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分1
[実施例13]
分散液A10(ODB−2+MIEP−17)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分2
[実施例14]
分散液A11(ODB−2+MIEP−23)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分2
[実施例15]
分散液A12(ODB−2+MIEP−39)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分2
[実施例16]
分散液A13(ODB−2+MIEP−49)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分2
[実施例17]
分散液A14(ODB−2+MIEP−2)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分2
[実施例18]
分散液A15(ODB−2+MIEP−1)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分2
[実施例19]
分散液A16(ODB−2+MIEP−57)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分2
[実施例20]
分散液A17(ODB−2+MIEP−62)、分散液B1(TGSA)および分散液C1(DPE)を使用したコーティング配合成分2
【0079】
これら実施例4乃至14のコーティングを4.0g/mで塗付した。その上にトップコートを3.0g/mで塗付した。これらの実施例にHOBART社のプリンター18VPで印字した。PCSとバー反射率を670nmでスキャンするWebscan Trucheek Verifier Model TC-101を用いて測定した。10回のスキャンの平均を記録した。バックグラウンド値をTechinidyne Opacimeter Model BNL-3を用いて測定した。剥離コートを3.0g/mでトップコートに塗布し(図3の層4参照)、接着剤コートを裏面または第2面に塗布した(図3の層7参照)。PCSおよびBNL値を記録した。これらの値を表に示した(表1参照)。
【0080】
本発明およびその特許請求の範囲のためにPCS、BNLおよびバー反射率を剥離コートおよび接着剤コートを塗付した後に測定した。プリンターは剥離コートおよび接着剤コートが塗付された後、ラベルに画像形成しなければならない。これらのコートが塗付された後、測定されたPCS、BNLおよびバー反射率は、製品の特性をより具体的に示すと考えられている。
【0081】
本発明の原理、好ましい態様および調製の様式を上記に説明した。これらは限定よりはむしろ例示として見なされるべきものであるので本願において保護されるべき発明は、ここに開示した特定の形態に限定されるものではない。本発明の変形または変更は、本発明の範囲を逸脱することなく当業者に可能であることは明らかである。
【0082】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明のサーマルイメージングライナーレスラベルストックの態様を示す。
【図2】本発明の別の態様を示す。
【図3】本発明のサーマルイメージングライナーレスラベルストックの断面を示す。
【図4】別の態様の断面を示す。
【図5】サーマルイメージングライナーレスラベルストックのさらに別の態様の断面図を示す。
【図6】Z字状のさらに別のサーマルイメージングライナーレスラベルストックの側面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バー反射率が670nmで20未満であり、プリントコントラストシグナルが光学スキャニングに有用な少なくとも80であり、BNLバックグラウンドが少なくとも75%であり、機械で読み取り可能なパターンを形成するために熱を選択的に加えることによってライナーレスラベルストックに画像形成され、前記ライナーレスラベルストックは、第1および第2の面を有する基板を含み、これら第1および第2の面にコーティングを有し、
第1の面のコーティングは、感圧式接着剤を含み、第2の面のコーティングは、サーマルイメージングコーティングと第1の面の感圧式接着剤に対して低粘着性の剥離コートを含み、このサーマルイメージングコーティングは、少なくとも1つの発色材料と少なくとも1つの顕色材料を含み、前記発色材料は、下記式(I)で表される化合物から選択される改良されたサーマルイメージされた表示。
【化1】

(ここでRおよびRは、それぞれメチル;エチル;アリール;メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンで置換されたアリール;ベンジルおよびメチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンで置換されたフェニルを有するベンジルから選択され、R、R、RおよびRは、それぞれ水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびフェニルから選択され、RおよびRは、それぞれメチルおよびエチルから選択され、Rは、水素、メトキシおよびエトキシから選択され、R10は、水素、ジメチルアミノおよびジエチルアミノから選択され、R11は、メチルである。)
【請求項2】
前記剥離コートが前記サーマルイメージングコーティングに塗付されることを特徴とする請求項1記載の改良されたサーマルイメージされた表示。
【請求項3】
前記剥離コートが前記感圧式接着剤に塗付されることを特徴とする請求項1記載の改良されたサーマルイメージされた表示。
【請求項4】
670nmで20未満のバー反射率と、光学スキャニングに有用な少なくとも80のプリントコントラストシグナルと、少なくとも75%のBNLバックグラウンドを有するサーマルイメージされた表示を形成することが可能なライナーレスラベルストックであって、機械で読み取り可能なパターンを形成するために熱を選択的に加えることによってこのライナーレスラベル上に前記表示が画像形成され、このライナーレスラベルストックは、第1および第2の面を有する基板を含み、これら第1および第2の面にコーティングを有し、
第1の面のコーティングは、感圧式接着剤を含み、第2の面のコーティングは、サーマルイメージングコーティングと第1の面の感圧式接着剤に対して低粘着性の剥離コートを含み、このサーマルイメージングコーティングは、下記式(I)で表される化合物から選択される少なくとも1つの発色材料と下記式(II)で表される少なくとも1つの顕色材料を含むライナーレスラベルストック。
【化2】

(ここでRおよびRは、それぞれメチル;エチル;アリール;メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンで置換されたアリール;ベンジルおよびメチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンで置換されたフェニルを有するベンジルから選択され、R、R、RおよびRは、それぞれ水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびフェニルから選択され、RおよびRは、それぞれメチルおよびエチルから選択され、Rは、水素、メトキシおよびエトキシから選択され、R10は、水素、ジメチルアミノおよびジエチルアミノから選択され、R11は、メチルである。)
【化3】

【請求項5】
前記サーマルイメージングコーティングがさらに増感剤を含むことを特徴とする請求項4記載のライナーレスラベルストック。
【請求項6】
前記増感剤が1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、N−アセトアセチル−o−トルイジン、フェニル−1−ヒドロキシ−2−ナフトエート、ジベンジルオキサレートおよびp−ベンジルビフェニルから選択されることを特徴とする請求項5記載のライナーレスラベルストック。
【請求項7】
第1および第2面を有する基板を含み、この第1および第2面にコーティングを有し、第1面のコーティングは、感圧式接着剤を含み、第2面のコーティングは、下記式(II)で表される少なくとも1つの顕色材料と、熱を加えてこの酸性顕色材料と接触して反応することによって670nmで少なくとも20未満のバー反射率を有する色を発生させる少なくとも1つの発色材料とを含むサーマルイメージングコーティングと前記感圧式接着剤に対して低い粘着性を有する剥離コートとを含み、前記発色材料は下記式(I)の化合物から選択される光学スキャンに有用な改良されたサーマルイメージングライナーレスラベルストックにおいて、サーマルイメージングされると少なくとも80のプリントコントラストシグナルと少なくとも75%のBNLバックグラウンドを示し、螺旋形状を有し、前記感圧式接着剤が前記剥離コートに接着することによって螺旋形状が維持され、ロールの外端でロールから剥離されることを特徴とするサーマルイメージングライナーレスラベルストック。
【化4】

【化5】

(ここでRおよびRは、それぞれメチル;エチル;アリール;メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンで置換されたアリール;ベンジルおよびメチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンで置換されたフェニルを有するベンジルから選択され、R、R、RおよびRは、それぞれ水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびフェニルから選択され、RおよびRは、それぞれメチルおよびエチルから選択され、Rは、水素、メトキシおよびエトキシから選択され、R10は、水素、ジメチルアミノおよびジエチルアミノから選択され、R11は、メチルである。)
【請求項8】
前記発色材料が次の式で表される化合物を含むことを特徴とする請求項7記載のサーマルイメージングライナーレスラベルストック。
【化6】

【請求項9】
前記発色材料が次の式で表される化合物を含むことを特徴とする請求項7記載のサーマルイメージングライナーレスラベルストック。
【化7】

【請求項10】
前記発色材料が次の式で表される化合物を含むことを特徴とする請求項7記載のサーマルイメージングライナーレスラベルストック。
【化8】

【請求項11】
前記発色材料が次の式で表される化合物を含むことを特徴とする請求項7記載のサーマルイメージングライナーレスラベルストック。
【化9】

【請求項12】
前記基板が個々に長方形または正方形のラベルに切断され、基板の側縁部がラベルの側縁部を形成することを特徴とする請求項7記載のサーマルイメージングライナーレスラベルストック。
【請求項13】
前記第2面が螺旋ロールの内面として位置していることを特徴とする請求項7記載のサーマルイメージングライナーレスラベルストック。
【請求項14】
前記第2面が螺旋ロールの外面として位置していることを特徴とする請求項7記載のサーマルイメージングライナーレスラベルストック。
【請求項15】
さらに前記感圧式接着剤と第1面との間にタイコートを含むことを特徴とする請求項7記載のサーマルイメージングライナーレスラベルストック。
【請求項16】
第1および第2面を有する基板を含み、この第1および第2面にコーティングを有し、第1面のコーティングは、感圧式接着剤を含み、第2面のコーティングは、下記式(I)で表される化合物から選択される少なくとも1つの発色材料と下記式(II)で表される少なくとも1つの顕色材料とを含むサーマルイメージングコーティングと前記感圧式接着剤に対して低い粘着性を有する剥離コートとを含み、サーマルイメージングされると670nmで20未満のバー反射率、光学スキャンに有用な少なくとも80のプリントコントラストシグナルおよび少なくとも75%のBNLバックグラウンドを示す光学スキャンに有用な改良されたサーマルイメージングライナーレスラベルストックにおいて、Z字状に折られた形状を有し、前記感圧式接着剤が前記剥離コートに接着することによってZ字形状が維持され、スタックの外端でスタックから剥離されることを特徴とするサーマルイメージングライナーレスラベルストック。
【化10】

(ここでRおよびRは、それぞれメチル;エチル;アリール;メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンで置換されたアリール;ベンジルおよびメチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンで置換されたフェニルを有するベンジルから選択され、R、R、RおよびRは、それぞれ水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびフェニルから選択され、RおよびRは、それぞれメチルおよびエチルから選択され、Rは、水素、メトキシおよびエトキシから選択され、R10は、水素、ジメチルアミノおよびジエチルアミノから選択され、R11は、メチルである。)
【化11】

【請求項17】
前記サーマルイメージングコーティングがさらに増感剤を含むことを特徴とする請求項16記載のライナーレスラベルストック。
【請求項18】
前記増感剤が1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、N−アセトアセチル−o−トルイジン、フェニル−1−ヒドロキシ−2−ナフトエート、ジベンジルオキサレートおよびp−ベンジルビフェニルから選択されることを特徴とする請求項16記載のライナーレスラベルストック。

【公表番号】特表2007−505774(P2007−505774A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533222(P2006−533222)
【出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/015722
【国際公開番号】WO2004/106168
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(591154670)アップルトン ペーパーズ インコーポレイテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】APPLETON PAPERS INCORPORATED
【Fターム(参考)】