説明

リサイクルシステム、及び、リサイクルボックス

【課題】プリンタのトナーカートリッジを回収して、当該トナーカートリッジにトナーを再充填するリサイクルシステム等を提供する。
【解決手段】トナーカートリッジ35には、トナーを充填した業者情報が記憶される。プリンタ3は、トナーカートリッジ35から業者情報を取得し、当該トナーカートリッジ35が純正品であるか否かを判定し、当該結果を出力する。リサイクルボックス4には、トナーカートリッジ35が集積され、当該トナーカートリッジ35の数量が測定される。リサイクル工場5では、当該数量に基づいてリサイクルボックス4から回収されたトナーカートリッジ35に記憶された業者情報が更新される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタのトナーカートリッジを回収して、当該トナーカートリッジにトナーを再充填するリサイクルシステム、及び、当該トナーカートリッジが集積されるリサイクルボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
トナーカートリッジは精密な部品で構成されており、使用済みの資源をできるだけ有効活用するため、プリンタ等で使用された使用済みのトナーカートリッジを回収し、当該トナーカートリッジにトナーを再充填して再利用するリサイクルモデルが知られている。これらのリサイクルモデルにおいて、サードパーティ製のトナーがトナーカートリッジに再充填される場合がある。当該サードパーティ製のトナーであっても、トナーカートリッジの残量を検知して、プリンタの性能や信頼性を発揮させる装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、サードパーティ製のトナーの品質によっては、プリンタの性能や信頼性を十分に発揮させることが困難な場合がある。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、プリンタのトナーカートリッジを回収して、当該トナーカートリッジにトナーを再充填することにより、プリンタの性能や信頼性を発揮させるのに好適なリサイクルシステム、及び、リサイクルボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかるリサイクルシステムは、
トナーが充填されるトナーカートリッジと、当該トナーカートリッジが装着されるプリンタと、当該トナーカートリッジが集積されるリサイクルボックスと、当該トナーカートリッジにトナーを充填するトナー充填装置と、を備えるリサイクルシステムであって、
前記トナーカートリッジは、
前記トナーを充填した業者情報を記憶するIC(Integrated Circuit)タグ部と、を備え、
前記プリンタは、
前記ICタグ部に記憶された業者情報を取得するICタグリーダ部と、
前記業者情報に基づいて、前記トナーカートリッジが純正品であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、警告情報を出力する出力部と、を備え、
前記リサイクルボックスは、
集積された前記トナーカートリッジの個数又は重量に基づいて、数量情報を計測する数量計測部と、
前記数量計測部が計測した数量情報を、コンピュータ通信網を介して前記トナー充填装置に送信する送信部と、を備え、
前記トナー充填装置は、
前記数量情報を受信する受信部と、
前記数量情報に基づき、前記リサイクルボックスに集積された前記トナーカートリッジの回収を指示する指示部と、
前記ICタグ部に、前記業者情報を記録するICタグライタ部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
前記リサイクルボックスは、
前記ICタグ部に記憶された業者情報を識別する情報識別部と、
前記トナーカートリッジを回収するための開口部を塞ぐ蓋部と、
前記情報識別部が識別した識別結果に基づいて、前記蓋部の開閉を制御する開閉制御部と、をさらに備えることも可能である。
【0007】
前記リサイクルボックスは、
前記情報識別部が識別した識別結果に基づいて、前記トナーカートリッジを分類し、分類した当該トナーカートリッジを集積する複数の集積部と、をさらに備えることも可能である。
【0008】
前記プリンタは、
前記トナーの残量を計測するトナー残量計測部と、
前記残量が所定の閾量以下の場合、前記トナーカートリッジを前記リサイクルボックスに集積すべき旨を促す表示部と、をさらに備えることも可能である。
【0009】
前記プリンタは、
前記判定部が判定した判定結果を、前記トナー充填装置に送信する通信部と、をさらに備えることも可能である。
【0010】
前記ICタグ部は、前記トナーカートリッジの型番、前記トナーが充填された日時、及び、前記トナーが充填された回数、をさらに記憶することも可能である。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の他の観点にかかるリサイクルボックスは、
トナーカートリッジが備えるIC(Integrated Circuit)タグ部に記憶された業者情報を識別する情報識別部と、
前記トナーカートリッジを回収するための開口部を塞ぐ蓋部と、
前記情報識別部が識別した識別結果に基づいて、前記蓋部の開閉を制御する開閉制御部と、
前記情報識別部が識別した識別結果に基づいて、前記トナーカートリッジを分類し、分類した当該トナーカートリッジを集積する複数の集積部と、
前記集積部に集積されたトナーカートリッジの個数又は重量に基づいて、数量情報を計測する数量計測部と、
前記数量計測部が計測した数量情報を、コンピュータ通信網を介してトナー充填装置に送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プリンタのトナーカートリッジを回収して、当該トナーカートリッジにトナーを再充填することにより、プリンタの性能や信頼性を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】プリンタを含むネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】プリンタの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るリサイクルシステムの構成を示す図である。
【図4】(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係るリサイクルボックスを示す図である。
【図5】認証処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】回収処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】リサイクルボックスの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明のリサイクルシステム、及び、リサイクルボックスの実施形態の一つについて説明するが、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0015】
まず、プリンタ等を含むネットワークシステムについて説明する。図1にネットワークシステムの概略構成を示す。
【0016】
図1に示すように、ネットワークシステムは、サーバ1と、コンピュータ2と、プリンタ3等と、から構成される。サーバ1、コンピュータ2、及びプリンタ3は、それぞれネットワークに接続され、各装置の間でデータの送受信が行われる。
【0017】
なお、ネットワークは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの所定の通信プロトコルに基づくインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークである。
【0018】
サーバ1は、ネットワークシステムに関する各種の処理をするためのものである。サーバ1は、例えば、ルータなどの所定の通信装置から構成され、ネットワークに接続されたコンピュータ2及びプリンタ3との間で、各種データ(情報)の送受信を行う。また、サーバ1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備え、動作プログラムを実行する等により各種の処理を実行する。さらに、サーバ1は、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、各種の情報やプログラムを記録する。
【0019】
コンピュータ2は、データの入出力及び表示に関する各種の処理をするためのものである。コンピュータ2は、例えば、CPU、メモリ、ハードディスク、モニタ、キーボード等の所定の装置から構成される。ユーザが、コンピュータ2を通じて所定のデータをプリンタ3に送信することにより、印刷がなされる。
なお、コンピュータ2は、サーバ1と同様の構成とすることもできる。
【0020】
プリンタ3は、図2に示すように、筐体30と、操作部31と、給紙トレイ32と、排紙トレイ33と、カバー34と、トナーカートリッジ35等と、から構成される。また、プリンタ3は、操作部31、サーバ1、又はコンピュータ2からの要求を受け付けて印刷を行うための制御部(図示せず)と、ネットワーク通信網に接続するための通信部(図示せず)と、トナーカートリッジ35のトナーの残量が所定量以下になった場合、当該トナーの残量が所定量以下である旨をユーザに通知するための表示部(図示せず)と、を備える。当該通知により、ユーザは、所定のリサイクルボックスにトナーカートリッジ35を持って行くことを認識できる。
【0021】
筐体30は、例えば、プラスチックで成型され、給紙トレイ32、排紙トレイ33、カバー34を内包している。筐体30は、サーバ1等から要求を受け付ける所定の回路、メモリ等を備える。
【0022】
また、筐体30は、トナーカートリッジ35との間で無線通信を行うための、IC(Integrated Circuit)タグリーダを備える。電磁界や電波などを用いたRFID(Radio Frequency IDentification)によって、ICタグとICタグリーダとの間で情報が送受信される。
【0023】
操作部31は、例えば、オンライン/オフライン切換ボタンや用紙排紙ボタンから構成されている。ユーザは、操作部31を操作することにより、印刷を行うこともできる。
【0024】
給紙トレイ32は、未印刷の印刷用紙をセットしておくためのトレイであり、給紙の際の印刷用紙の方向や位置を規制している。
【0025】
排紙トレイ33は、排紙された印刷後の印刷用紙を受けるトレイであり、複数枚の用紙を積載可能な十分な強度と面積を有する。
【0026】
カバー34は、トナーカートリッジ35を保護するためのカバーであり、プラスチック等から構成されている。
【0027】
トナーカートリッジ35は、所定の色のトナーを格納するカートリッジであり、筐体30内の所定の位置にセットされて用いられる。トナーカートリッジ35は、例えば、ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー等のトナーをカートリッジ内に備える。静電気を利用して紙にトナーを転写させて、熱により当該トナーを定着させることで印刷がなされる。
【0028】
また、トナーカートリッジ35は、筐体30に備えられたICタグリーダとの間で情報の送受信を行うためのICタグを備える。ICタグにおいて、ICタグリーダから発射される電波により微量な電力を回路内に発生する。当該電力により所定の処理が実行されて、ICタグリーダに情報が送信される。
【0029】
ICタグには、例えば、トナーカートリッジ35の型番、製造日、トナーの使用期限、リサイクル品か否かを示す情報、再充填された回数、及び、再充填が行われた工場名、取り扱い業者、使用開始から終了までの利用期間を示す情報等、任意の情報が記録される。
【0030】
次に、本発明のリサイクルシステムについて説明する。リサイクルシステムは、IT技術を利用した効率的な運用システムであり、トナーカートリッジの回収と再販を同時に実施するものである。リサイクルシステムは、図3に示すように、プリンタ3と、リサイクルボックス4と、リサイクル工場5と、販売所6等と、から構成される。トナーカートリッジ35は、例えば、運搬業者により、リサイクルボックス4からリサイクル工場5へ運搬され、また、リサイクル工場5から販売所6へ運搬される。
【0031】
プリンタ3、リサイクルボックス4、リサイクル工場5が備えるコンピュータ等、及び、販売所6が備えるキャッシュレジスタ又はコンピュータは、それぞれインターネット等のネットワーク通信網に接続され、各装置の間でデータの送受信が行われる。トナーカートリッジ35のトナー残量情報、リサイクルボックス4の情報、及びリサイクル工場5の情報等がリンクされ、採算性のよい効率的な処理及び運用が可能となる。
【0032】
リサイクルボックス4は、使用済みのトナーカートリッジ35を集積しておくためのボックスであり、インターネット等の通信網に接続されている。リサイクルボックス4は、ICタグリーダ等を備え、トナーカートリッジ35のICタグを読み取り、回収及び集積を行うトナーカットリッジ35であるか否かを判定する。該当しないトナーカートリッジ35の場合、該当しない旨の表示又は音声等により、通知がなされる。
【0033】
リサイクルボックス4は、図4(a)に示すように、トナーカートリッジ35を回収するための開口部41と、当該開口部41を塞ぐ蓋部42と、を備える。リサイクルボックス4は、例えば、開口部41の周辺部に、トナーカートリッジ35が備えるICタグに記録された情報を読み取るためのICタグリーダを備える。リサイクルボックス4は、ICタグから読み取った情報に基づいて、蓋部42の開閉を制御する。
【0034】
トナーカートリッジ35が回収を行うべきトナーカートリッジの場合には、図4(b)に示すように、リサイクルボックス4は、トナーカートリッジ35を回収できるように、蓋部42を開口する。そして、所定の時間後、他のトナーカートリッジ35が投入されないように、リサイクルボックス4は蓋部42を閉口する。
【0035】
一方、トナーカートリッジ35が回収を行うべきではないトナーカートリッジの場合には、リサイクルボックス4は、蓋部42を開口せずに、当該トナーカートリッジ35が回収できない旨の表示を行う。
【0036】
リサイクルボックス4は、例えば、トナーカートリッジ35を製造した製造業者やトナーを再充填する再充填業者ごとによって異なっている。このため、トナーカートリッジ35に対応するように、複数のリサイクルボックス4が設置されている。
【0037】
また、リサイクルボックス4は、ICタグを読み取ることにより、回収されたトナーカットリッジ35の数量をカウントすることもできる。カウントされた数量が所定の数量以上である場合、リサイクルボックス4は、インターネット等の通信網を介して、トナーカットリッジ35の回収を促す旨の情報をリサイクル工場5に送信する。
なお、リサイクルボックス4は、例えば、当該ボックス内部の重量を計測することにより、当該情報を送信する時期を判定することもできる。
【0038】
リサイクル工場5は、リサイクルボックス4から回収された使用済みのトナーカートリッジ35にトナーの再充填を行う施設である。リサイクルボックス4から送信されるボックス内の重量又は数量に基づき、リサイクルボックス4内のトナーカートリッジ35を回収する作業又は処理が行われる。
【0039】
また、リサイクル工場5において、再充填されたトナーカートリッジ35のICタグ内の情報が書き換えられる。再充填が行われたトナーカートリッジ35のICタグには、再充填が行われた日時及び工場名、再充填された回数等が記録される。
【0040】
販売所6は、再充填されたトナーカートリッジ35を販売する施設である。トナーカートリッジ35は、再充填された旨の表示がなされ販売所6において販売される。
【0041】
次に、プリンタ3においてトナーカートリッジ35を認証する処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0042】
(認証処理)
トナーカートリッジ35がプリンタ3に取り付けられると、ICタグリーダは、トナーカートリッジ35のICタグに記録された情報を取得する(ステップS11)。ICタグには、例えば、トナーカートリッジ35の型番、製造日、リサイクル品か否かを示す情報、再充填された回数、及び、再充填が行われた工場名が記憶されている。
【0043】
次に、プリンタ3を制御する制御部は、取り付けられたトナーカートリッジ35がプリンタ3に対応する型番か否かを判定する(ステップS12)。制御部は、トナーカートリッジ35のICタグに記憶された型番と、プリンタ3の型番と、を比較することにより、対応するか否かの判定を行う。
【0044】
対応しないと判定された場合(ステップS12;No)、制御部は、トナーカートリッジ35がプリンタ3に対応していない旨を表示部に表示して、また、警告音等を発生させ(ステップS15)、本フローは終了する。また、制御部は、トナーカートリッジ35がプリンタ3に対応していない場合、印刷命令を受け付けても、印刷処理を行わないこともできる。
【0045】
一方、対応すると判定された場合(ステップS12;Yes)、制御部は、トナーカートリッジ35が新品か否かを判定する(ステップS13)。制御部は、ICタグに記憶された再充填された回数又はリサイクル品を示す記録情報から、新品であるか否かを判定する。
【0046】
新品と判定された場合(ステップS13;Yes)、トナーカートリッジ35は正規の新品であるため、本フローは終了する。
【0047】
一方、新品でないと判定された場合(ステップS13;No)、制御部は、トナーカートリッジ35が、正規に再充填されたか否かを判定する(ステップS14)。制御部は、ICタグに記憶された再充填が行われた工場名等から、正規品(純正品)であるか否かを判定する。
【0048】
正規に再充填されたと判定された場合(ステップS14;Yes)、本フローは終了する。トナーカートリッジ35は、正規に再充填が行われた純正のリサイクル品と判定される。
【0049】
一方、正規に再充填されていないと判定された場合(ステップS14;No)、制御部は、純正のリサイクル品でない旨を表示部に表示させ、また、警告音等を発生させ(ステップS15)、本フローは終了する。また、制御部は、トナーカートリッジ35が純正品でない場合、印刷命令を受け付けても、印刷処理を行わないこともできる。さらに、制御部及び通信部は、リサイクル工場5が備えるコンピュータに、非純正品が使用された旨の情報を送信することもできる。
【0050】
次に、トナーカートリッジ35を回収する処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0051】
(回収処理)
使用されたトナーカートリッジ35がリサイクルボックス4に持ち込まれると、リサイクルボックス4が備えるICタグリーダは、トナーカートリッジ35のICタグに記録された情報を取得する(ステップS21)。ICタグには、例えば、トナーカートリッジ35の型番、製造業者等が記憶されている。
【0052】
次に、リサイクルボックス4を制御する制御部は、トナーカートリッジ35が回収対象であるか否かを判定する(ステップS22)。制御部は、トナーカートリッジ35のICタグに記憶された型番等に基づいて、回収対象のトナーカートリッジ35であるか否かの判定を行う。つまり、回収対象となっているトナーカートリッジ35は、トナーカートリッジ35を製造した製造業者が設置した、また、当該製造業者に対応するリサイクルボックス4に回収される。
【0053】
回収対象ではないと判定された場合(ステップS22;No)、制御部は、当該リサイクルボックス4ではトナーカートリッジ35を回収できない旨を表示部に表示して、また、警告音等を発生させ(ステップS27)、本フローは終了する。
【0054】
一方、回収対象であると判定された場合(ステップS22;Yes)、制御部は、図4(b)に示すように、リサイクルボックス4の蓋部42を開口する。そして、開口部41を通じて投入されたトナーカートリッジ35はリサイクルボックス4に集積される(ステップS23)。
【0055】
次に、制御部は、リサイクルボックス4に集積されたトナーカートリッジ35が所定の数量以上であるか否かを判定する(ステップS24)。当該処理よって、トナーカートリッジ35がリサイクルボックス4にさらに集積できるか否か判定される。
【0056】
所定の数量に満たない場合(ステップS24;No)、リサイクルボックス4は、トナーカートリッジ35の回収を続ける(ステップS21)。
【0057】
一方、所定の数量以上である場合(ステップS24;Yes)、制御部は、インターネット等の通信網を介して、トナーカットリッジ35の回収を促す旨の情報をリサイクル工場5、また、トナーカートリッジ35の製造業者に送信する(ステップS25)。
【0058】
当該情報を受け取ったリサイクル工場5等は、リサイクルボックス4に集積されたトナーカートリッジ35を回収して(ステップS26)、当該トナーカートリッジ35にトナーを再充填する。リサイクルボックス4において、トナーカートリッジ35が型番や製造業者ごとにすでに分類されているため、リサイクル工場5等は、トナーカートリッジ35にトナーを容易に再充填することができる。
【0059】
以上の処理により、プリンタのトナーカートリッジを回収して、当該トナーカートリッジにトナーを再充填することにより、純正品のトナーカートリッジが使用されるため、プリンタの性能・信頼性を発揮させることができる。また、消耗部材を除くトナーカートリッジの部品の大部分を再利用することにより、プリンタのランニングコストを低減することができる。さらに、効率的かつ迅速にトナーカートリッジを回収することができる。
【0060】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
【0061】
上記実施の形態では、トナーカートリッジの場合を例に本発明のリサイクルシステムを説明したが、トナーカートリッジに限定されるものではなく、種々の形式であってもよい。
【0062】
サーバ1は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROMなど)から当該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するサーバ1を構成することができる。
【0063】
プリンタ3は、ネットワーク対応に限られず、コンピュータにのみ接続できるプリンタも含まれる。なお、この場合、プリンタ3が接続されたコンピュータから所定の情報が送信される。
【0064】
そして、これらのプログラムを供給するための手段は任意である。上述のように所定の記録媒体を介して供給できる他、例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システムなどを介して供給してもよい。この場合、例えば、通信ネットワークの掲示板(BBS)に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して搬送波に重畳して提供してもよい。そして、このように提供されたプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
【0065】
リサイクルボックス4は、図7に示すように、内部においてトナーカートリッジ35を自動で分類することもできる。リサイクルボックス4は、例えば、トナーカートリッジ35が開口部41に置かれると、開口部41の周辺部にあるICタグリーダによりICタグに記録された情報を読み出して、トナーカートリッジ35がどの製造業者等により製造されたかを判定する。
【0066】
リサイクルボックス4は、当該判定結果に基づいて、トナーカートリッジ35に該当する蓋部42を開口する。そして、例えば、トナーカートリッジ35aはリサイクルボックス4aに、トナーカートリッジ35bはリサイクルボックス4bに、トナーカートリッジ35cはリサイクルボックス4cに、分類されて回収される。
なお、トナーカートリッジ35を分類する方法は任意である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上説明したように、本発明によれば、プリンタのトナーカートリッジを回収して、当該トナーカートリッジにトナーを再充填することにより、プリンタの性能や信頼性を発揮させることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 サーバ
2 コンピュータ
3 プリンタ
30 筐体
31 操作部
32 給紙トレイ
33 排紙トレイ
34 カバー
35 トナーカートリッジ
4 リサイクルボックス
41 開口部
42 蓋部
5 リサイクル工場
6 販売所
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2003−91218号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーが充填されるトナーカートリッジと、当該トナーカートリッジが装着されるプリンタと、当該トナーカートリッジが集積されるリサイクルボックスと、当該トナーカートリッジにトナーを充填するトナー充填装置と、を備えるリサイクルシステムであって、
前記トナーカートリッジは、
前記トナーを充填した業者情報を記憶するIC(Integrated Circuit)タグ部と、を備え、
前記プリンタは、
前記ICタグ部に記憶された業者情報を取得するICタグリーダ部と、
前記業者情報に基づいて、前記トナーカートリッジが純正品であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、警告情報を出力する出力部と、を備え、
前記リサイクルボックスは、
集積された前記トナーカートリッジの個数又は重量に基づいて、数量情報を計測する数量計測部と、
前記数量計測部が計測した数量情報を、コンピュータ通信網を介して前記トナー充填装置に送信する送信部と、を備え、
前記トナー充填装置は、
前記数量情報を受信する受信部と、
前記数量情報に基づき、前記リサイクルボックスに集積された前記トナーカートリッジの回収を指示する指示部と、
前記ICタグ部に、前記業者情報を記録するICタグライタ部と、を備える、
ことを特徴とするリサイクルシステム。
【請求項2】
前記リサイクルボックスは、
前記ICタグ部に記憶された業者情報を識別する情報識別部と、
前記トナーカートリッジを回収するための開口部を塞ぐ蓋部と、
前記情報識別部が識別した識別結果に基づいて、前記蓋部の開閉を制御する開閉制御部と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のリサイクルシステム。
【請求項3】
前記リサイクルボックスは、
前記情報識別部が識別した識別結果に基づいて、前記トナーカートリッジを分類し、分類した当該トナーカートリッジを集積する複数の集積部と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2に記載のリサイクルシステム。
【請求項4】
前記プリンタは、
前記トナーの残量を計測するトナー残量計測部と、
前記残量が所定の閾量以下の場合、前記トナーカートリッジを前記リサイクルボックスに集積すべき旨を促す表示部と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリサイクルシステム。
【請求項5】
前記プリンタは、
前記判定部が判定した判定結果を、前記トナー充填装置に送信する通信部と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のリサイクルシステム。
【請求項6】
前記ICタグ部は、前記トナーカートリッジの型番、前記トナーが充填された日時、及び、前記トナーが充填された回数、をさらに記憶する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のリサイクルシステム。
【請求項7】
トナーカートリッジが備えるIC(Integrated Circuit)タグ部に記憶された業者情報を識別する情報識別部と、
前記トナーカートリッジを回収するための開口部を塞ぐ蓋部と、
前記情報識別部が識別した識別結果に基づいて、前記蓋部の開閉を制御する開閉制御部と、
前記情報識別部が識別した識別結果に基づいて、前記トナーカートリッジを分類し、分類した当該トナーカートリッジを集積する複数の集積部と、
前記集積部に集積されたトナーカートリッジの個数又は重量に基づいて、数量情報を計測する数量計測部と、
前記数量計測部が計測した数量情報を、コンピュータ通信網を介してトナー充填装置に送信する送信部と、を備える、
ことを特徴とするリサイクルボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−204498(P2010−204498A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51322(P2009−51322)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】