説明

リソグラフィ用途のための熱硬化性アンダーコート

二重層のレリーフ画像を製造するための熱硬化性アンダーコート組成物であって、a)構造(II)、(III)及び(IV):
【化1】


[ここで、R1は夫々独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又はハロゲン原子を表し、Lは単結合、−COO−基又は−CON(R2)−基を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Mは炭素数5〜7のシクロアルキレン基又は炭素数6〜18のアリーレン基を表し、Wは単結合、−COO−基、−O−、−(C=O)−又は−(SO2)−を表し、R3は水素原子、炭素数5〜30の置換されていないか又は置換された直鎖状アルキル基、炭素数5〜30の置換されていないか又は置換されたシクロアルキル基、炭素数5〜25の置換されていないか又は置換された架橋した脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の置換されていないか又は置換されたアリール基又は炭素数7〜18のアリールアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、qは0〜3の整数を表し、且つnとqの合計は5以下であり、R4は炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基又はハロゲン基を表し、そしてR5は炭素数5〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていないか又は置換された脂環基又は(R6O)t7基(ここで、R6は炭素数1〜10の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていないか又は置換された脂環基、又は置換されていないか又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基を表し、そしてtは1〜4の整数を表す)を表す]の繰返し単位を含む構造(I)のポリマー;b)フェノール系架橋剤;c)熱酸発生剤(TAG);及びd)溶剤を含む、熱硬化性アンダーコート組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体製造において使用される深紫外線リソグラフィに関し、より詳細には、化学的に増幅された二重層レジスト系用のアンダーコート層に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の製造には、超小型電子デバイス上で能動素子と相互連結構造を明確に区別するための、フォトリソグラフィ方法の使用が欠かせない。最近までは、大半のマイクロリソグラフィ用途にg線(436nm)及びi線(365nm)の波長の光が使用されていた。しかし、より微細な次元での解像度を達成するために、半導体製造におけるマイクロリソグラフィに使用される光の波長は254nm及び193nmという深紫外線領域へと低減してきている。パターンや波長の微細化に伴い、パターン描写に使用されるフォトレジストの材料物性に対する要求も益々厳しくなってきている。特に、感度、透明度、造られた画像の美的要素、更にはパターン転写の際のエッチング条件に対するレジストの選択性に対する要求が益々厳しくなってきている。深紫外線波長を使用する上での問題は、より高い波長で使用されるレジストは吸収性が強過ぎ、鈍感過ぎるということである。このため、ノボラックやジアゾナフトキノン等のような従来のリソグラフィ材料は、超大規模集積回路(ULSI)以上の基盤には好適ではない。従って、深紫外線波長を利用するためには、光吸収性が低く感度が高い新しいレジスト材料が、更なるリソグラフィ技術と共に必要とされた。
【0003】
高度なフォトレジストでは、光分解で発生した酸が、アルカリ可溶化部分を保護している、酸と反応しやすい基を除去することにより、アルカリ不溶からアルカリ可溶への溶解度転換の触媒として作用する、化学増幅と呼ばれる技術が通常使われる。フォトレジスト操作の基礎としての化学増幅の原理は、ここ数年来、公知となっている(米国特許第4,491,628号参照)。化学増幅された大半のレジストは、酸と反応しやすいカルボン酸エステル又は酸と反応しやすいヒドロキシスチレン誘導体の使用を中心に設計されている。
【0004】
しかし、化学増幅されたレジスト系には多くの欠点もみられる。一つの問題は定在波効果であり、これは露光の際、単色光が反射性の基板の表面で反射する際に発生する。レジスト中で定在波が発生すると解像度が減少し、線幅変動の原因となる。例えば、ポジ型レジスト中の定在波は、レジスト/基板界面でフーティング(foot)を形成しやすく、レジストの解像度を下げることになる。
【0005】
更に、化学増幅されたレジストのプロファイル及び解像度は基板の被毒によって変化する。特に、この現象は基板が窒化物の層を有している場合に起こる。窒化物フィルム中の残留N−H結合が、窒化物/レジスト界面で酸を不活性化すると考えられる。ポジ型レジストの場合にはこれが不溶部となり、レジストのスカミング、又はレジスト/基板界面でのフーティングにつながる。
【0006】
更に、リソグラフィのアスペクト比の観点から、化学増幅されたレジスト層は薄いこと、例えば、0.18μm以下の形状をプリントするために約0.5μm以下の厚さが要求される。このことは翻って、レジストの画像形状がその下の基板に転写されるような優れたプラズマエッチング耐性をレジストが持つ必要がある。しかし、化学増幅されたレジストの吸光度を下げるためには、ノボラック中にあるような芳香族の基を除去しなければならず、これは翻ってエッチング耐性を下げることになる。
【0007】
最も普通に使われる型のフォトレジストは、フォトレジストが画像形成機能とプラズマエッチング耐性の両者を有している「単層」フォトレジストと呼ばれるものである。単層レジストは定在波問題を最小限に抑えるため反射防止コーティングを使用し、これが基板の被毒に伴う問題を減少させるのにも役立っている。しかし、レジストの吸光度、画像プロファイル、解像度、及び基板のプラズマエッチング耐性の間には取捨選択しなければならない性能上のバランスが明確にあって、これらについて全ての半導体方法が最適化されているとは言えない。
【0008】
化学増幅したレジストフィルムをコーティングする前に基板上に塗布される下塗り層又はアンダーコートフィルムを利用することにより、上記の問題を軽減し、上記の性能のトレードオフを崩すことができる。アンダーコートが深紫外線の大半を吸収して定在波効果を軽減する。更に、アンダーコートはレジスト/基板界面での酸触媒の不活性化を防止する。その上、アンダーコート層はある種の芳香族基を含み、基板にエッチング耐性を付与することができる。
【0009】
代表的な二重層レジスト方法では、アンダーコート層が基板に塗布される。次いで化学増幅されたレジストがアンダーコート層の上に塗布され、深紫外線で露光され、そして現像され化学増幅されたレジストの表層に画像を形成する。次いで二重層レジストシステムは酸素プラズマエッチングの環境に置かれ、化学増幅されたレジストが現像によって除去された箇所にあるアンダーコートをエッチングする。二重層システムでは、化学増幅されたレジストは一般にシリコンを含んでおり、このためそのシリコンを二酸化シリコンに変換することにより酸素プラズマエッチングに耐えることができ、よってエッチング方法に耐えることになる。底層がエッチングされた後、レジストシステムは下層の基板を除去する非酸素プラズマエッチング化学処理のような次工程に使用できる。
【0010】
アンダーコートは定在波効果や基板の被毒を軽減するが、他の問題を招く。先ず、ある種のアンダーコート層は化学増幅されたレジストの溶剤成分に可溶であることである。若し表層とアンダーコート層の間で相互に混合するようなことがあれば、表層のレジスト層の解像度及び感度が損傷を受けることになる。
【0011】
更に、化学増幅されたレジストとアンダーコート層の間で、屈折率に大きな差異があれば、光はアンダーコート層で反射され、レジスト中に定在波効果を招く。従って、二つの層の屈折率の実数部「n」は、本質的に一致するか差異を最小化するように定められる必要があり、二つの層の屈折率の虚数部「k」は、反射効果を最小にするよう最適化される必要がある。
【0012】
アンダーコート層についての別の問題は、芳香族基が入っていることから吸光度が高すぎることがあることである。半導体製造用のある種の深紫外線露光装置では、レジストの露光とレジストの下の層への露光マスクのアラインメントの両方に同一の波長の光が使用される。若しアンダーコート層の吸光度が高すぎるとアラインメントに必要な反射光が弱まり過ぎて使用できなくなる。しかし、アンダーコート層の吸光度が十分高くない場合は、定在波が起こり得る。この相反する目的を釣り合わせるように設計しなければならない。
【0013】
更に、アンダーコートには、プラズマ化学処理に対し、プラズマエッチング耐性が非常に貧弱なものがある。市場で生き残るためには、アンダーコートのエッチング耐性はノボラック樹脂のエッチング割合に見合うものでなければならない。
【0014】
更に加えて、アンダーコート層には、照射に鋭敏なレジスト表層を塗布する前に、架橋を形成するという目的のために紫外線照射が必要なものもある。紫外線によって架橋形成するアンダーコート層の問題は、十分な架橋を形成するためには長い露光時間が必要であることである。露光時間が長いと処理量が著しく制限され、集積回路の生産コストも増大する。更に、紫外線照射装置は均一な露光が難しく、このためアンダーコート層の場所によって架橋の程度が異なってくる。加えて、架橋用の露光装置は非常に高価であり、経費や設置場所の制限を受けることからレジストコーティング装置に含まれていないことが多い。
【0015】
アンダーコート層が熱によって架橋形成される場合もある。しかし、この場合のアンダーコート層での問題は、表層が塗布できる迄に高い硬化温度と長い硬化時間が必要なことである。採算がとれるためには、アンダーコート層は250℃未満の温度及び180秒未満の時間で硬化する必要がある。硬化後、アンダーコートは次工程の高温処理に耐えるために高いガラス転移点を有する必要があり、レジスト層と混じってはならない。
【0016】
250℃未満の温度でも、アンダーコート配合成分(例えば、TAG、ポリマーからのオリゴマー等)、又は熱硬化の生成物(例えば、酸類、アルコール類、水)の少量の昇華がしばしば起こる。これが装置の汚染につながって、製品の収率低下を避けるために装置の頻繁な洗浄又は取替えや、他の処置が必要となる可能性がある。結局、コストが増大することになり、望ましいことではない。
【0017】
塗布方法によっては、アンダーコートで基板の表面を平滑化することが望ましい。しかし、熱による架橋形成を受けたアンダーコートではこれが難しいかも知れない。温度が上がり、架橋数が増えるにつれて、フィルムのガラス転移点が上昇し、フィルムの流動性が悪くなり基板を平滑化することが困難となる。従って、平滑化を容易にするためには、できるだけ低分子量の材料を使用することが望ましい。しかし、アンダーコートに低分子量のポリマーを使用すると、フォトレジスト画像処理のリソグラフィ性能に悪影響を与える可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
相互に混合しないこと、昇華しないこと、基板のプラズマエッチング耐性が良いこと、平滑化性が良いこと、及びアンダーコートの上にコーティングされるフォトレジストを適切に補足する光学特性を有していることが要求される以外に、アンダーコートは半導体業界で許容されている少なくとも1種のエッジビード除去剤(edge bead remover)と相性が良くなければならないと同時に、リソグラフィ性能(例えば、フォトスピード、壁面プロファイル、焦点深度、粘着性等)が悪影響を受けないように、アンダーコートの上にコーティングされるフォトレジストと極めて相性が良いことが要求される。これらの課題に対する解決策が個々に他の領域の性能に悪影響を及ぼすことがしばしばある。本発明は、他の性能域に大きな悪影響を与えずに低分子量ポリマーの使用が可能な、昇華しにくい熱硬化性ポリマー組成物を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、
a)構造II、III及びIV:
【化1】

[ここで、R1は夫々独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又はハロゲン原子を表し、Lは単結合、−COO−基又は−CON(R2)−基を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Mは炭素数5〜7のシクロアルキレン基又は炭素数6〜18のアリーレン基を表し、Wは単結合、−COO−基、−O−、−(C=O)−、又は−(SO2)−を表し、R3は水素原子、炭素数5〜30の置換されていないか又は置換された直鎖アルキル基、炭素数5〜30の置換されていないか又は置換されたシクロアルキル基、炭素数5〜25の置換されていないか又は置換された架橋した脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の置換されていないか又は置換されたアリール基、又は炭素数7〜18のアリールアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、qは0〜3の整数を表し、且つnとqの合計は5以下であり、R4は炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基又はハロゲン基を表し、R5は炭素数5〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていないか又は置換された脂環基、又は(R6O)t7基(ここで、R6は炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていないか又は置換された脂環基、又は置換されていないか又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基を表し、そしてtは約1〜4の整数を表す)を表す]
の繰返し単位を含む構造Iのポリマー;
【0020】
b)構造V:
【化2】

[ここで、pは約2〜6の整数を表し、R8は−CH2OR12基を表し、R9は水素原子、−CH2OR12基、炭素数1〜5のアルキル基、又はアリール基を表し、R10、R11及びR12は夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、そしてXは2、3、4、5又は6価のアルキル又はアリールアルキル部分を表す]
を有するフェノール系架橋剤;
【0021】
c)構造VI:
【化3】

[ここで、Aはフェニル基又はナフチル基を表し、R20は炭素数5〜30のアルキル基、環状アルキル基、又は置換されていないか又は置換された脂環基を表し、Aがフェニル基の場合は、xは1〜3の整数、yは0〜5の整数を夫々表し、且つxとyの合計が6以下であり、zは6−x−yを表し、Aがナフチル基の場合は、xは1〜3の整数、yは0〜7の整数を夫々表し、且つxとyの合計が8以下であり、zは8−x−yを表し、そしてBは炭素数4〜30の第一級、第二級又は第三級の置換されていないか又は置換されたアルキルアミン、カルボキシルアミン又は複素環アミンを表す]
の熱酸発生剤(TAG);及び
d)溶剤
を含む、新規な熱硬化性アンダーコート組成物を目的とする。
【0022】
更に、本発明はアンダーコート組成物用の新規なポリマー、及び基板、その基板上の熱硬化性アンダーコート組成物及びその熱硬化性アンダーコート組成物の上にコーティングされたフォトレジストからなる、フォトリソグラフィでコーティングされた基板に関する。更に加えて、本発明はレリーフ構造体の製造のために、フォトリソグラフィでコーティングされた基板を使用する方法にも関する。
【0023】
本発明は、リソグラフィ方法において、昇華しにくく良好な平滑化能力を有するアンダーコートとして使用され、且つ、配合寛容度が高い高性能リソグラフィ画像形成と両立し得る、熱硬化性ポリマー組成物を提供する。
【0024】
本発明は
a)構造II、III及びIV:
【化4】

[ここで、R1は夫々独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又はハロゲン原子を表し、Lは単結合、−COO−基又は−CON(R2)−基を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Mは炭素数5〜7のシクロアルキレン基又は炭素数6〜18のアリーレン基を表し、Wは単結合、−COO−基、−O−、−(C=O)−、又は−(SO2)−を表し、R3は水素原子、炭素数5〜30の置換されていないか又は置換された直鎖アルキル基、炭素数5〜30の置換されていないか又は置換されたシクロアルキル基、炭素数5〜25の置換されていないか又は置換された架橋した脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の置換されていないか又は置換されたアリール基、又は炭素数7〜18のアリールアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、qは0〜3の整数を表し、且つnとqの合計は5以下であり、R4は炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基又はハロゲン基を表し、R5は炭素数5〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基又は置換されていないか又は置換された脂環基、又は(R6O)t7基(ここで、R6は炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていないか又は置換された脂環基、又は置換されていないか又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基を表し、そしてtは約1〜4の整数を表す)を表す]
の繰返し単位を含む構造Iのポリマー;
【0025】
b)構造V:
【化5】

[ここで、pは約2〜6の整数を表し、R8は−CH2OR12基を表し、R9は水素原子、−CH2OR12基、炭素数1〜5のアルキル基、又はアリール基を表し、R10、R11及びR12は夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、そしてXは2、3、4、5又は6価のアルキル又はアリールアルキル部分を表す]
を有するフェノール系架橋剤;
【0026】
c)構造VI:
【化6】

[ここで、Aはフェニル基又はナフチル基を表し、R20は炭素数5〜30のアルキル基、環状アルキル基、又は置換されていないか又は置換された脂環基を表し、Aがフェニル基の場合は、xは1〜3の整数、yは0〜5の整数を夫々表し、且つxとyの合計が6以下であり、zは6−x−yを表し、Aがナフチル基の場合は、xは1〜3の整数、yは0〜7の整数を夫々表し、且つxとyの合計が8以下であり、zは8−x−yを表し、そしてBは炭素数4〜30の第一級、第二級又は第三級の置換されていないか又は置換されたアルキルアミン、カルボキシルアミン又は複素環アミンを表す]
の熱による酸発生剤;及び
d)溶剤
を含む、新規な熱硬化性アンダーコート組成物を目的とする。
【0027】
熱硬化性ポリマー組成物において使用されるポリマーは、構造II、III及びIVの繰返し単位を含む。構造IIを有する繰返し単位において、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R1基の例として、メチル、エチル、プロピル及びイソプロピル基が挙げられる。好ましいR1は水素及びメチル基である。Lは単結合、−COO−基又は−CON(R2)−基を表し、ここでR2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。好ましいL基は単結合又は−COO−基である。Mは炭素数5〜7のシクロアルキレン基又は炭素数6〜18のアリーレン基を表す。好ましいM基は炭素数5〜7のシクロアルキレン基又は炭素数6〜10のアリーレン基である。Wは単結合、−COO−基、−(CO)−基、又は−(SO2)−基を表す。好ましいWは単結合である。
【0028】
構造IIを有する繰返し単位において、R3は水素原子、炭素数5〜30の置換されていないか又は置換された直鎖アルキル基、炭素数5〜30のシクロアルキル基、炭素数5〜25の架橋した脂環式炭化水素基、炭素数6〜18のアリール基、又は炭素数7〜18のアルキルアリール基を表す。R3の好適な例として、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデカニル、シクロデカンメチル、シクロドデシル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]へキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[4.1.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[5.1.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[5.2.1]デシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.4.1]ウンデシル、ビシクロ[5.3.1]ウンデシル、ビシクロ[4.4.2]ドデシル、ビシクロ[5.3.2]ドデシル、ビシクロ[5.3.3]トリデシル、ビシクロ[5.4.2]トリデシル、ビシクロ[5.5.1]トリデシル、アダマンチル、アダマンチルメチル、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンメチル、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17,10]ドデカニル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、ナフチル、ナフチルメチル等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいR3は水素原子、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、アダマンチル、アダマンチルメチル、トリシクロ[5,2,1,02,6]デシル、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンメチル、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17,10]ドデカニル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、ナフチル及びナフチルメチル基である。
【0029】
構造(II)の繰返し単位を形成するモノマー類の好適な例として、スチレン、4−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−シクロヘキシスチレン、3−シクロヘキシスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、3−フェニルスチレン、4−(4’−フェノキシフェニル)スチレン、4−(4’−メトキシフェニル)スチレン、4−(4’−アセチルフェニル)スチレン、4−(4’−ベンゾイルフェニル)スチレン、N−メチルフェニルアクリルアミド、N−メチルフェニルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸4−シクロヘキシルフェニル、メタクリル酸4−シクロヘキシルフェニル、アクリル酸4−シクロペンチルフェニル、メタクリル酸4−シクロペンチルフェニル、アクリル酸4−シクロヘプチルフェニル、メタクリル酸4−シクロヘプチルフェニル、アクリル酸3−シクロヘキシルフェニル、メタクリル酸3−シクロヘキシルフェニル、アクリル酸3−シクロペンチルフェニル、メタクリル酸3−シクロペンチルフェニル、アクリル酸3−シクロヘプチルフェニル、メタクリル酸3−シクロヘプチルフェニル、アクリル酸2−シクロヘキシルフェニル、メタクリル酸2−シクロヘキシルフェニル、アクリル酸2−シクロペンチルフェニル、メタクリル酸2−シクロペンチルフェニル、アクリル酸2−シクロヘプチルフェニル、メタクリル酸2−シクロヘプチルフェニル、アクリル酸4−ビフェニル、メタクリル酸4−ビフェニル、アクリル酸(3−フェニル)フェニル、メタクリル酸(3−フェニル)フェニル、アクリル酸(2−フェニル)フェニル、メタクリル酸(2−フェニル)フェニル、アクリル酸(4−ベンゾイル)フェニル、メタクリル酸(4−ベンゾイル)フェニル、アクリル酸4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニル、アクリル酸4−(3’−メチルシクロヘキシル)フェニル、メタクリル酸4−(3’−メチルシクロヘキシル)フェニル、アクリル酸4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニル、アクリル酸4−(4’−クロロシクロヘキシル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−クロロシクロヘキシル)フェニル、アクリル酸4−(4’−ブロモシクロヘキシル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−ブロモシクロヘキシル)フェニル、アクリル酸4−(4’−メチルカルボニルシクロヘキシル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−メチルカルボニルシクロヘキシル)フェニル、アクリル酸4−(4’−メトキシカルボニルシクロヘキシル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−メトキシカルボニルシクロヘキシル)フェニル、アクリル酸4−(4’−メチルフェニル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−メチルフェニル)フェニル、アクリル酸4−(3’−メチルフェニル)フェニル、メタクリル酸4−(3’−メチルフェニル)フェニル、アクリル酸4−(4’−tert−ブチルフェニル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−tert−ブチルフェニル)フェニル、アクリル酸4−(4’−クロロフェニル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−クロロフェニル)フェニル、アクリル酸4−(4’−ブロモフェニル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−ブロモフェニル)フェニル、アクリル酸4−(4’−メチルカルボニルフェニル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−メチルカルボニルフェニル)フェニル、アクリル酸4−(4’−メトキシカルボニルフェニル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−メトキシカルボニルフェニル)フェニル、アクリル酸(4−フェニルスルホニル)フェニル、メタクリル酸(4−フェニルスルホニル)フェニル、アクリル酸(4−メチルスルホニル)フェニル、メタクリル酸(4−メチルスルホニル)フェニル、アクリル酸(4−ベンジルスルホニル)フェニル、メタクリル酸(4−ベンジルスルホニル)フェニル等が挙げられるが、これらに限定されない。構造(II)を形成するモノマー類のより好ましい例として、スチレン、4−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−シクロヘキシスチレン、4−フェニルスチレン、3−フェニルスチレン、4−(4’−メトキシフェニル)スチレン、4−(4’−アセチルフェニル)スチレン、アクリル酸4−シクロヘキシルフェニル、メタクリル酸4−シクロヘキシルフェニル、アクリル酸4−シクロヘプチルフェニル、メタクリル酸4−シクロヘプチルフェニル、アクリル酸4−ビフェニル、メタクリル酸4−ビフェニル、アクリル酸(4−ベンゾイル)フェニル、メタクリル酸(4−ベンゾイル)フェニル、アクリル酸(4−アセチル)フェニル、アクリル酸4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニル、アクリル酸4−(4’−クロロシクロヘキシル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−クロロシクロヘキシル)フェニル、アクリル酸4−(4’−ブロモシクロヘキシル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−ブロモシクロヘキシル)フェニル、アクリル酸4−(4’−メチルカルボニルシクロヘキシル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−メチルカルボニルシクロヘキシル)フェニル、アクリル酸4−(4’−メトキシカルボニルシクロヘキシル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−メトキシカルボニルシクロヘキシル)フェニル、アクリル酸4−(4’−メチルフェニル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−メチルフェニル)フェニル、アクリル酸4−(4’−クロロフェニル)フェニル、メタクリル酸4−(4’−クロロフェニル)フェニル、アクリル酸(4−フェニルスルホニル)フェニル、メタクリル酸(4−フェニルスルホニル)フェニル、メタクリル酸(4−ベンジルスルホニル)フェニル等が挙げられる。構造(II)を形成するモノマー類の最も好ましい例として、スチレン、4−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−シクロヘキシスチレン、4−フェニルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、アクリル酸4−シクロヘキシルフェニル、メタクリル酸4−シクロヘキシルフェニル、アクリル酸4−ビフェニル、メタクリル酸4−ビフェニル等が挙げられる。
【0030】
構造Iのポリマーは更に構造(III)によって表される繰返し単位を含み、ここで、R1は上記で定義された意味を表し、nは1〜2の整数を表し、qは0〜3の整数を表し、且つnとqの合計は5以下であり、R4は炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、又はハロゲン基を表す。R4基の好適な例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロペンチル、オクチル、シクロオクチル、シクロノニル、クロロ、フルオロ、ブロモ等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいR4基はハロゲン基又は炭素数1〜4の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基である。q=0の場合も好ましい。構造(III)を形成するモノマー類の好適な例として、4−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、2−フルオロ−4−ヒドロキシスチレン、2−クロロ−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレン、3,5−ジヒドロキシスチレン、3,4,5−トリヒドロキシスチレン、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシスチレン、3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシスチレン等が挙げられるが、これらに限定されない。構造(III)を形成するモノマー類の好ましい例として、4−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン及び3,5−ジヒドロキシスチレンが挙げられる。構造IIIを形成する最も好ましいモノマーは4−ヒドロキシスチレンである。
【0031】
実際には、構造IIIで表されるモノマー単位は除去可能な水酸基の位置での誘導体を用いることにより供給される。例えば、ヒドロキシスチレン(II;R1=H、n=1;q=0)は4−アセトキシスチレン又は4−トリメチルシロキシスチレンによって供給され得る。重合の後で保護基は除去される。
【0032】
構造Iのポリマーは更に構造(IV)によって表される繰返し単位を含み、ここで、R1は上記で定義された意味を表し、R5は炭素数5〜30の環状のアルキル基、置換されていないか又は置換された脂環基、又は(R6O)t7基(ここで、R6は炭素数1〜10の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていないか又は置換された脂環基、又は置換されていないか又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基を表し、そしてtは1〜約4の整数を表す)を表す。
【0033】
5の好適な例として、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデカニル、シクロデカンメチル、シクロドデシル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[4.1.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[5.1.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[5.2.1]デシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.4.1]ウンデシル、ビシクロ[5.3.1]ウンデシル、ビシクロ[4.4.2]ドデシル、ビシクロ[5.3.2]ドデシル、ビシクロ[5.3.3]トリデシル、ビシクロ[5.4.2]トリデシル、ビシクロ[5.5.1]トリデシル、アダマンチル、アダマンチルメチル、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンメチル、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17,10]ドデカニル等が挙げられるが、これらに限定されない。R5の好ましい例として、シクロヘキシル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、アダマンチル、アダマンチルメチル、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンメチル、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17,10]ドデカニル、エトキシシクロヘキシル、プロピルオキシシクロヘキシル、イソプロピルオキシシクロヘキシル、トリシクロ[5,2,1,02,6]デシル、エトキシトリシクロ[5,2,1,02,6]デシル及びエトキシジシクロペンテニルが挙げられる。
【0034】
6の好適な例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプロピレン、イソブチレン等が挙げられるが、これらに限定されない。R6の好ましい例として、エチレン、プロピレン及びイソプロピレンが挙げられる。
【0035】
7の好適な例として、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデカニル、シクロデカンメチル、シクロドデシル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[4.1.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[5.1.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[5.2.1]デシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.4.1]ウンデシル、ビシクロ[5.3.1]ウンデシル、ビシクロ[4.4.2]ドデシル、ビシクロ[5.3.2]ドデシル、ビシクロ[5.3.3]トリデシル、ビシクロ[5.4.2]トリデシル、ビシクロ[5.5.1]トリデシル、アダマンチル、アダマンチルメチル、ジシクロペンテニル、トリシクロ[5,2,1,02,6]デシル、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンメチル、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17,10]ドデカニル等が挙げられるが、これらに限定されない。R7の好ましい例として、シクロヘキシル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.4.1]ウンデシル、ビシクロ[5.3.1]ウンデシル、ビシクロ[4.4.2]ドデシル、ビシクロ[5.3.2]ドデシル、ビシクロ[5.3.3]トリデシル、ビシクロ[5.4.2]トリデシル、ビシクロ[5.5.1]トリデシル、アダマンチル、アダマンチルメチル、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンメチル、トリシクロ[5,2,1,02,6]デシル及びテトラシクロ[4,4,0,12.5,17,10]ドデカニルが挙げられる。
【0036】
構造(III)の繰返し単位を形成するモノマー類の好適な例として、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、メタクリル酸ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、アクリル酸ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、メタクリル酸ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、アクリル酸ビシクロ[3.2.1]オクチル、メタクリル酸ビシクロ[3.2.1]オクチル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸アダマンチル、メタクリル酸アダマンチル、アクリル酸トリシクロ[5,2,1,02,6]デシル、メチルアクリル酸トリシクロ[5,2,1,02,6]デシル、メタクリル酸トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンメチル、アクリル酸テトラシクロ[4,4,0,12.5,17,10]ドデカニル、メタクリル酸テトラシクロ[4,4,0,12.5,17,10]ドデカニル、エチレングリコールメチルエーテルアクリラート、エチレングリコールメチルエーテルメタクリラート、エチレングリコールエチルエーテルアクリラート、エチレングリコールエチルエーテルメタクリラート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルアクリラート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリラート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリラート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリラート、エチレングリコールベンジルエーテルアクリラート及びエチレングリコールベンジルエーテルメタクリラート等が挙げられるが、これらに限定されない。構造(III)の繰返し単位を形成するモノマー類の好ましい例として、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸アダマンチル、メタクリル酸アダマンチル、アクリル酸トリシクロ[5,2,1,02,6]デシル、メチルアクリル酸トリシクロ[5,2,1,02,6]デシル、エチレングリコールエチルエーテルメタクリラート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルアクリラート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリラート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリラート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリラート、エチレングリコールベンジルエーテルアクリラート及びエチレングリコールベンジルエーテルメタクリラートが挙げられる。
【0037】
本発明のポリマーは、対応するモノマーから、エチレン性不飽和基を反応させるいずれの好適な従来の重合方法によっても製造することができる。このような方法として、フリーラジカル重合又は制御ラジカル重合が挙げられるが、これらに限定されない。このような方法は、一般に、触媒又は開始剤を使用して溶剤又は混合溶剤中で行なわれる。開始剤は重合反応で適用される温度に基づいて選ばれる必要があり、この温度は翻って溶剤の沸点によって設定されてよい。適用される温度は、操作温度におけるモノマーの安定性及び触媒の触媒能又は開始剤の分解半減期によって決められてよい。
【0038】
開始剤の好適な濃度はモノマーの全モル数に対し約0.001〜約10.0モル%である。開始剤のより好ましい濃度範囲はモノマーの全モル数に対し約0.01〜約8.0モル%である。開始剤の最も好ましい濃度範囲はモノマーの全モル数に対し約0.5〜約8.0モル%である。
【0039】
フリーラジカル開始剤の好適な例として、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(メチルイソブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル及び過酸化ラウロイルが挙げられるが、これらに限定されない。場合により、連鎖移動剤(例えば、四臭化炭素又は1−ドデカンチオール)が含まれていてよい。
【0040】
重合に好適な溶剤として、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロピラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びジグライム又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。重合溶液をそのポリマーが不溶な適切な量の溶剤中に沈殿させてポリマーを分離してよい。沈殿したポリマーは濾過によって分離し、当業者に周知の通常の技術によって乾燥する。
【0041】
本発明に使用される構造Iのポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で約5,000から約45,000である。ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が約7,000から約30,000であることが好ましく、約8,000から約20,000であることがより好ましい。Mwの値は、例えば、Jan Rabek 著 Experimental Methods in Polymer Chemistry (ポリマー化学における実験法)(John Wiley & Sons, New York 1983 発行 )に記載のゲル透過クロマトグラフィのような標準の方法で測定できる。ポリマーの多分散度は1から約6の範囲であってよく、好ましくは約1から約4である。
【0042】
構造II、III及びIVの繰返し単位は、TCU材料として使用された場合に、吸収性、溶解性、並びに架橋及びフィルム形成の諸機能を付与する。個々の繰返し単位は、上記の三つの機能の少なくとも一つに重点を置いているが、他の機能にある程度影響してよい。この影響は使用される個々のモノマーによって変わってくる。式中IIで表されるモノマーの量を変えるとプラズマエッチング耐性と吸光度を変化させ得るが、これらは光学パラメーターkを大きく左右し、その影響はTCU材料の反射制御性に及ぶ。架橋の密度と割合は上記式中の構造IIIで表されるモノマーの量によって決まり、これも光学パラメーターkに影響する。溶剤への溶解性、プラズマエッチング耐性及びフィルム形成性は、構造III及びIVのコモノマーを適切に選ぶことによって最適化することができる。波長248及び193nmのマイクロリソグラフィの場合、通常、屈折率(n)及び複素屈折率(k)の最適範囲は、夫々約1.50〜1.80及び0.12〜0.28である。
【0043】
ポリマーのある波長での吸光に係わる性質は、特定のモノマーを調節すること又は個々のモノマーの濃度によって変えることができる。あるポリマーの吸光度は波長が異なれば異なるから、目的の波長に要求される光学特性を得るだけでなく、他の必要な性質をも得るためにモノマーの最適な選択が必要となることは注目すべきである。
【0044】
波長248nmを適用する場合に使用される、構造IIを有するポリマーにおける繰返し単位の濃度は、約20モル%から約85モル%の範囲であってよい。構造IIを有するポリマーにおける、繰返し単位の好ましい濃度は約30モル%から約80モル%である。構造IIを有するポリマーにおける繰返し単位のより好ましい濃度は約40モル%から約70モル%であり、最も好ましい濃度は約50モル%から約70モル%である。構造IIIを有するポリマーにおける繰返し単位の濃度は、約10モル%から約40モル%の範囲であってよい。構造IIIを有するポリマーにおける、繰返し単位の好ましい濃度は約10モル%から約35モル%であり、より好ましい濃度は約15モル%から約30モル%であり、最も好ましい濃度は約15モル%から約25モル%である。構造IVを有するポリマーにおける、繰返し単位の濃度は約5モル%から約40モル%の範囲であってよい。構造IVを有するポリマーにおける、繰返し単位の好ましい濃度は約10モル%から約35モル%であり、より好ましい濃度は約15モル%から約30モル%であり、最も好ましい濃度は約15モル%から約25モル%である。
【0045】
波長248nmを適用する場合の好ましいポリマーは、構造VII:
【化7】

[ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又はハロゲン原子を表し、R21は炭素数6〜30の置換されていないか又は置換された芳香族基を表し、R22は水素、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R23は炭素数5〜30の環状のアルキル基又は置換されていないか又は置換された脂環基、又は(R30O)t7基(ここで、R30は炭素数2〜4の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていないか又は置換された脂環基、又は置換されていないか又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基を表し、そしてtは約1〜4の整数を表す)を表し、そしてnは約1〜2の整数を表す]
で表される。
【0046】
構造VIII:
【化8】

[ここで、R24は水素原子又はメチル基を表し、R25は炭素数6〜30の置換されていないか又は置換された芳香族基を表し、R26は炭素数5〜30の環状のアルキル基又は置換されていないか又は置換された脂環基、又は(R30O)t7基(ここで、R30は炭素数2〜4の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていないか又は置換された脂環基、又は置換されていないか又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基を表し、そしてtは約1〜4の整数を表す)を表し、そしてnは約1〜2の整数を表す]
で表されるポリマーも、波長248nmを適用する場合に好ましい。
【0047】
波長193nmを適用する場合に使用される、構造IIを有するポリマーにおける繰返し単位の濃度は、約5モル%から約40モル%の範囲であってよい。構造IIを有するポリマーにおける、繰返し単位の好ましい濃度は約10モル%から約35モル%である。構造IIを有するポリマーにおける、繰返し単位のより好ましい濃度は約15モル%から約30モル%であり、最も好ましい濃度は約15モル%から約25モル%である。構造IIIを有するポリマーにおける繰返し単位の濃度は、約10モル%から約40モル%の範囲であってよい。構造IIIを有するポリマーにおける、繰返し単位の好ましい濃度は約10モル%から約35モル%であり、より好ましい濃度は約15モル%から約30モル%であり、最も好ましい濃度は約15モル%から約25モル%である。構造IVを有するポリマーにおける繰返し単位の濃度は、約20モル%から約85モル%の範囲であってよい。構造IVを有するポリマーにおける、繰返し単位の好ましい濃度は約30モル%から約80モル%であり、より好ましい濃度は約40モル%から約70モル%であり、最も好ましい濃度は約50モル%から約70モル%である。
【0048】
波長193nmを適用する場合の好ましいポリマーは、構造IX:
【化9】

[ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、及びハロゲン原子を表し、R22は水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基を表し、R27は水素又は炭素数5〜7の置換されていないか又は置換されたシクロアルキル基を表し、R28は炭素数5〜30の環状のアルキル基又は置換されていないか又は置換された脂環基、又は(R30O)t7基(ここで、R30は炭素数2〜4の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていないか又は置換された脂環基、又は置換されていないか又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基を表し、そしてtは約1〜4の整数を表す)を表し、そしてnは約1〜3の整数を表す]
で表される。
【0049】
構造X:
【化10】

[ここで、R24は水素原子及びメチル基からなる群から選ばれ、R28は炭素数5〜30の環状のアルキル基、置換されていないか又は置換された脂環基及び(R30O)t7基(ここで、R30は炭素数2〜4の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状又は分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていないか又は置換された脂環基及び置換されていないか又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基からなる群から選ばれ、そしてtは約1〜4の整数を表す)からなる群から選ばれ、R29は炭素数5〜7の置換されていないか又は置換されたシクロアルキル基を表し、そしてnは約1〜2の整数を表す]
で表される新規のポリマーも、波長193nmを適用する場合に好ましい。
【0050】
熱硬化性下塗り層組成物は構造V:
【化11】

[ここで、pは約2〜6の整数を表し、R8は−CH2OR12基を表し、R9は水素原子、−CH2OR12基、炭素数1〜5のアルキル基、又はアリール基を表し、R10、R11及びR12は夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、そしてXは2、3、4、5又は6価のアルキル又はアリールアルキル部分を表す]
を有するフェノール系架橋剤を含む。2、3、4、5又は6価のアルキル又はアリールアルキル部分の例として、下記構造式:
【化12】

[ここで、R13、R14、R15、R16は独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R17、R18、及びR19は夫々独立して炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、又はシクロアルキルフェニル基を表し、そして、Zは結合手、−O−、−S−、炭素数5〜8のシクロアルキル基、又はシクロアルキルフェニル基を表す]
で表されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
構造Vを有するフェノール系架橋剤の例として、下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化13】

【0052】
【化14】

【0053】
【化15】

【0054】
本発明で使用される架橋剤は市場で入手でき、又は当業者に周知の標準的な技術を用いて、対応するフェノール類をヒドロキシメチル化又はアルコキシメチル化することによって製造できる。
【0055】
熱硬化性下塗り層組成物は構造VI:
【化16】

[ここで、Aはフェニル基及びナフチル基を表し、R20は炭素数5〜30のアルキル基、環状アルキル基、又は置換されていないか又は置換された脂環基を表し、Aがフェニル基の場合は、xは1〜3の整数、yは0〜5の整数を夫々表し、且つxとyの合計が6以下であり、zは6−x−yを表し、Aがナフチル基の場合は、xは1〜3の整数、yは0〜7の整数を夫々表し、且つxとyの合計が8以下であり、zは8−x−yを表し、そしてBは炭素数4〜30の第一級、第二級又は第三級の置換されていないか又は置換されたアルキルアミン、カルボキシルアミン又は複素環アミンを表す]
を有する熱酸発生剤(TAG)を含む。
【0056】
TAGとして、種々の芳香族スルホン酸アミン塩が使用でき、米国特許第3,474,054号、同第4,200,729号、同第4,251,665号及び同第5,187,019号に開示されたものが挙げられる。TAGは、170〜220℃の温度範囲で非常に低い揮発度を有することが好ましい。R20の好適な例として、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロオクチル、ノニル、シクロノニル、デカニル、シクロデカニル、シクロデカンメチル、シクロドデシル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル等が挙げられるが、これらに限定されない。アミンを含有する第一級、第二級、第三級の置換されていないか又は置換されたアルキル基又は炭素環基の好適な例として、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、トリイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−エチルジシクロヘキシルアミン、1−メチルピロリジン、1−ブチルピロリジン、ピペリジン、1−メチルピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、トロパン、キヌクリジン等が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロ環アミンの好適な例として、4−メチル−1−オキサ−3−アザ−シクロペンタン、4,4−ジメチル−1−オキサ−3−アザ−シクロペンタン、4,4−ジエチル−1−オキサ−3−アザ−シクロペンタン、4,4−ジイソプロピル−1−オキサ−3−アザ−シクロペンタン、4,4−ジ−tert−ブチル−1−オキサ−3−アザ−シクロペンタン、4,4−ジメチル−1−オキサ−3−アザ−シクロヘキサン、1−アザ−3,7−ジオキサ−5−エチルビシクロ[3.3.0]オクタン、1−アザ−3,7−ジオキサ−5−メチルビシクロ[3.3.0]オクタン、1−アザ−3,7−ジオキサ−5−tert−ブチルビシクロ[3.3.0]オクタン等が挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましいTAGはCDX−2168Eであり、これはプロピレングリコールメチルエーテル中25〜30%の活性で供給される、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン塩であり、King Industries, Norwalk, CT 06852, USAの製品である。
【0057】
本発明で使用されるTAGは市場で入手でき、又は対応するアミンに所望のスルホン酸を反応させて製造することができる。
【0058】
上記の熱酸発生剤を光酸発生剤と考えてはならない。熱酸発生剤が紫外光に対して有している感度はいずれも非常に弱く、フォトリソグラフィにおいて光酸発生剤としては実際に使用できない。
【0059】
アンダーコートに好適な溶剤としては、ケトン類、エーテル類及びエステル類が挙げられ、例えば、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、N−メチル−2−ピロリドン、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等である。
【0060】
本発明は、熱硬化性ポリマー組成物と相性の良いEBR(エッジビード除去剤)(edge bead remover)に関し、これは深紫外線リソグラフィにおいてアンダーコート層を形成するのに使用してよい。熱硬化性ポリマー組成物は、構造Iのポリマー、構造Vの架橋剤、構造VIのTAG及び溶剤を含む。この組成物をフィルムに延伸し加熱すると、熱酸発生剤がヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基の反応及びそれに続くポリマーとの架橋反応の触媒となる酸を発生する。架橋反応の後は、アンダーコートは、レジストコーティング溶剤に不溶となる。
【0061】
熱硬化性ポリマー組成物は、全固体に対して約65〜95質量%、好ましくは約70〜約95質量%、より好ましくは約72〜約95質量%の構造Iのポリマーを含む。熱硬化性ポリマー組成物中の架橋剤の量は、約3〜約30質量%、好ましくは約3〜約27質量%、より好ましくは約3〜約25質量%である。熱硬化性ポリマー組成物中の熱酸発生剤の量は、約0.1〜約5質量%、好ましくは約0.2〜約4質量%、より好ましくは約0.2〜約3質量%である。
【0062】
アンダーコート組成物を上記の有機溶剤に可溶化し、アンダーコート配合を調製する。特定の濃度が必須ではないが、使用される特定のコーティング装置で所望のコーティング厚みを得るためには適切な範囲の濃度を使用しなければならない。一般に、使用される全固体含有量は、約4.0〜約35.0質量%、好ましくは約5.0〜約30.0質量%、より好ましくは約5.0〜約25.0質量%である。
【0063】
本発明の熱硬化性ポリマー組成物は、その温度が約50℃に達するまでに有意な架橋形成をし始めてはならない。50℃未満での有意な架橋形成は室温でのゲル生成につながり得、その貯蔵寿命が短くなる。ゲル生成は、熱硬化性ポリマー組成物がマイクロリソグラフィでアンダーコート層として使用される際に、基板全体に亘り不均一なコーティング及び線幅変動をもたらすことになる。
【0064】
本発明は、フォトリソグラフィ二重層をコーティングした基板にも関し、この基板は、基板自身、基板上にコーティングされた上記の熱硬化性アンダーコート組成物のフィルム、及び熱硬化性アンダーコート組成物の上にコーティングされた放射線に感度を有するレジストを含む。
【0065】
基板は、例えば、シリコンウェハー又はセラミック基板のような半導体材料、ガラス、金属、プラスチック又は他の有機フィルムであってよい。
【0066】
第一のコーティング工程では、アンダーコート組成物が公知のコーティング方法で好適な基板に均一に塗布されてよい。コーティング方法には、スプレーコーティング、スピンコーティング、オフセット印刷、ローラーコーティング、スクリーン印刷、押出しコーティング、メニスカスコーティング、カーテンコーティング、ディップコーティング及び浸漬コーティングが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
第一のコーティング工程の後、アンダーコート組成物の粘着性のあるフィルムは第一の焼成工程で焼成される。焼成は一段階で又は複数段階で単一の温度又は複数の温度で行なわれる。焼成はホットプレート上又は当業者に周知の種々の型のオーブンで行われ得る。好適なオーブンとして、加熱装置付きオーブン、加熱装置付き真空オーブン及び赤外線オーブン又は赤外線トラックモジュールが挙げられる。一般的な焼成時間は、選ばれた焼成方法及び所望の時間、温度に依るが、当業者には周知と考えられる。好ましい焼成方法はホットプレートを用いる方法である。二段階方法を用いてホットプレート上で焼成する場合は、約80〜130℃の一般的な温度で約0.5分から約5分が一般的な時間範囲であり、続いて約170から約250℃の一般的な温度で約0.5分から約5分の硬化工程がある。一段階方法では、アンダーコートフィルムは約170から約250℃の一般的な温度で、約0.5分から約5分間かけて硬化される。アンダーコートされた基板は次いで放冷される。熱硬化性ポリマー組成物は、好ましくは約150℃から約250℃の温度で、より好ましくは180℃から220℃の温度で硬化される。硬化時間は、好ましくは約30秒から180秒、より好ましくは約60秒から約120秒である。フィルム厚は、一般に約200nmから約1ミクロンの範囲であってよい。
【0068】
第二のコーティング工程では、アンダーコートされた基板が次いでフォトレジストでコーティングされ、第二の焼成工程で焼成される。上記のアンダーコート用のコーティング装置及び焼成装置が使用されてよい。一般的な焼成時間は、選ばれた焼成方法、特定のフォトレジスト、所望の時間、及び所望の温度に依存し、当業者に周知であると考えられる。好ましい焼成方法はホットプレートを用いる方法である。ホットプレート上で焼成する場合は、約80〜約140℃の一般的な温度で、約0.5分から約5分が一般的な焼成時間である。最適焼成パラメーターは使用される深紫外線フォトレジスト及び溶剤に依って変わってよい。フィルム厚は、一般に約100nmから約0.5ミクロンの範囲であってよい。
【0069】
フォトレジストは、放射線に感度を有するいずれの好適なレジストであってもよい。一般には、深紫外線領域の放射線に感度を有する化学増幅されたレジストであり、米国特許第5,492,793号及び同第5,747,622号に記載のようなレジストである。二重層レジスト系としては、放射線に感度を有するレジストが酸素プラズマエッチングから保護されるようにシリコンを含有していることが好ましいと考えられる。例えば、化学増幅された好適なレジストは、酸に鋭敏な基によってブロックされたアルカリ可溶化基を含有する。好適なアルカリ可溶化基の例として、カルボン酸、フェノール、ヒドロキシイミド、ヒドロキシメチルイミド、フッ素化アルコール及びシラノールが挙げられるが、これらに限定されない。好適なブロッキング基の例として、第三級炭素を含むアルキル基、α−アルコキシアルキル基及びアリールイソプロピル基が挙げられるが、これらに限定されない。ブロックされたアルカリ可溶化基の好適な例として、t−ブチルエステル、α−アルコキシエステル、α−アルコキシアルキル芳香族エーテル、t−ブトキシフェニル、t−ブトキシイミド及びt−ブトキシメチルイミドが挙げられるが、これらに限定されない。ブロックされたアルカリ可溶化基の例は、米国特許第5,468,589号、同第4,491,628号、同第5,679,495号、同第6,379,861号、同第6,329,125号及び同第5,206,317号に記載があり、これらは参照することにより、本明細書に組み入れられている。
【0070】
画像形成層に好適なポリマーは、シリコン及びブロックされたアルカリ可溶化基の両者を含有するポリマーである。好適なポリマーは、約5から約30質量%のシリコン含有量を有する。好ましいポリマーは、約8から約25%のシリコン含有量を有する。フォトレジスト用の好適なポリマーの例が、米国特許第6,146,793号、同第6,165,682号、同第6,340,734号、同第6,028,154号、同第6,042,989号、同第5,882,844号、同第5,691,396号、同第5,731,126号及び同第5,985,524号に見られる。他の好適なポリマーが米国特許第6,531,260号、同第6,590,010号、米国特許出願番号第09/576,146号及び特開平2001−114835に開示されており、これらは参照することにより本明細書に組み入れられている。含有シリコンは上記の参考文献のようにコーティングの前にポリマーに含まれていてよく、又は米国特許第6,306,990号及び同第6,110,637号のように、コーティング後にポリマーをシリル化してもよい。これらの米国特許は、参照することにより本明細書に組み入れられている。
【0071】
放射線に感度を有するレジストは、光酸発生剤(PAG)も含む。PAG化合物は、スルホニウム塩又はヨードニウム塩、ニトロベンジルエステル、イミドスルホナートエステル等のようないずれの好適な型であってもよい。一般に、PAGは、ポリマーの質量に対して約1から10%の量で存在すると考えられる。
【0072】
いずれの好適な光酸発生剤も、フォトレジスト組成物中で使用されてよい。光酸発生剤は公知であり、例えばジアゾニウム塩、スルホニウム塩、スルホオキソニウム塩及びヨードニウム塩のようなオニウム塩、ニトロベンジルスルホナートエステル、オキシムスルホナート、イミドスルホナート及びジスルホンが挙げられる。好適な光酸発生剤は、例えば米国特許第5,558,978号及び同第5,468,589号に開示されており、これらは、参照することにより本明細書に組み入れられている。米国特許第6,261,738号は、好適なオキシムスルホナート系PAGの例を開示している。他の好適な光酸発生剤は、米国特許第5,554,664号に開示されているようなペルフルオロアルキルスルホニルメチド及びペルフルオロアルキルスルホニルイミドである。
【0073】
光酸発生剤の好適な例として、p−メチルベンゼンスルホン酸フェナシル、p−トルエンスルホン酸ベンゾイン、α−(p−トルエンスルホニルオキシ)メチルベンゾイン、3−(p−トルエンスルホニルオキシ)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−1−フェニルプロピルエーテル、N−(p−ドデシルベンゼンスルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミド、及びN−(フェニル−スルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミドがある。
【0074】
好適なオニウム塩の例として、臭化トリフェニルスルホニウム、塩化トリフェニルスルホニウム、ヨウ化トリフェニルスルホニウム、トリフェニルスルホニウムメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホナート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムフェニルスルホナート、トリフェニルスルホニウム4−メチルフェニルスルホナート、トリフェニルスルホニウム4−メトキシフェニルスルホナート、トリフェニルスルホニウム4−クロロフェニルスルホナート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホナート、4−メチルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−メチルフェニル)−フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリス−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−tert−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、メシチル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−クロロフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−クロロフェニル)−フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリス(4−クロロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メチルフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホナート、ビス(4−メチルフェニル)−フェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホナート、トリス−4−メチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホナート、4−tert−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホナート、4−メトキシフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホナート、メシチル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホナート、4−クロロフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホナート、ビス(4−クロロフェニル)−フェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホナート、トリス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホナート、4−メチルフェニル−ジフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホナート、ビス(4−メチルフェニル)−フェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホナート、トリス−4−メチルフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホナート、4−tert−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホナート、4−メトキシフェニル−ジフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホナート、メシチル−ジフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホナート、4−クロロフェニル−ジフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホナート、ビス(4−クロロフェニル)−フェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホナート、トリス(4−クロロフェニル)スルホニウムペルフルオロオクタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロプロパンスルホナート、ジフェニルヨードニウム4−メチルフェニルスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロメタンスルホナート、及びビス(4−シクロヘキシルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
本発明で使用するための好適な光酸発生剤の例として、更にビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニルp−トルエンスルホニルジアゾメタン、1−シクロ−ヘキシルスルホニル−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、1−p−トルエンスルホニル−1−シクロヘキシルカルボニルジアゾメタン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−メタンスルホニル−2−メチル−(4−メチルチオプロピオフェノン、2,4−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタ−3−オン、1−ジアゾ−1−メチルスルホニル−4−フェニル−2−ブタノン、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−シクロヘキシルカルボニルジアゾメタン、1−ジアゾ−1−シクロヘキシルスルホニル−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−アセチル−1−(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、1−ジアゾ−1−(p−トルエンスルホニル)−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−ベンゼンスルホニル−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−(p−トルエンスルホニル)−3−メチル−2−ブタノン、2−ジアゾ−2−(p−トルエンスルホニル)酢酸シクロヘキシル、2−ジアゾ−2−ベンゼンスルホニル酢酸tert−ブチル、2−ジアゾ−2−メタンスルホニル酢酸イソプロピル、2−ジアゾ−2−ベンゼンスルホニル酢酸シクロヘキシル、2−ジアゾ−2−(p−トルエンスルホニル)酢酸tert−ブチル、p−トルエンスルホン酸2−ニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸2,4−ジニトロベンジルがある。
【0076】
光酸発生剤は、一般に固体ポリマーの約0.0001から20質量%、好ましくは固体ポリマーの約1から10質量%の量で使用される。
【0077】
表層の放射線に感度を有する組成物に好適な溶剤として、ケトン類、エーテル類及びエステル類、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸2−メトキシ−1−プロピレン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、酢酸2−エトキシエチル、酢酸1−メトキシ−2−プロピル、酢酸1,2−ジメトキシエタンエチル、酢酸セロソルブ、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、N−メチル−2−ピロリドン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。表層のフォトレジスト組成物に使用される溶剤は、アンダーコート及び表層のフォトレジスト組成物中のポリマー樹脂との両立性の観点から選ばれる。例えば、フォトレジスト組成物の溶剤及びその濃度は、主として酸に不安定なポリマーに組み込まれた官能基のタイプ、光酸発生剤及びコーティング方法に従って選択される。溶剤は不活性であって、フォトレジスト中の全ての成分を溶かすべきであり、それらの成分といずれの化学反応をもしてはならず、そしてコーティング後の乾燥で除去されるべきである。
【0078】
追加の実施態様として、塩基性添加剤をフォトレジスト組成物に添加してよい。塩基性添加剤の目的は、フォトレジスト中に存在する陽子を、化学線を照射する前に除去することである。塩基が望ましくない酸による攻撃や酸に不安定な基の開裂を防ぎ、それによってレジストの性能及び安定性を向上させる。更に、塩基は拡散制御剤として働き、酸の過度の移動や解像度の低下を防止する。組成物中の塩基の割合は、光酸発生剤よりも有意に低くなければならず、さもなければ、感光性が低くなりすぎる。塩基性化合物を含む場合のその好ましい範囲は、光酸発生剤に対して約3から50質量%である。窒素系の塩基が好ましい。塩基性添加剤の好適な例として、2−メチルイミダゾール、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、トリイソプロピルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、1,5−ジアゾビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、及び1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンがある。
【0079】
化学線の波長に対する組成物の吸光度を増加させるために、フォトレジストに色素を添加してよい。色素は組成物を汚染するものであってはならず、いずれの熱処理を含む方法条件にも耐えることができなければならない。好適な色素の例として、フルオレノン誘導体、アントラセン誘導体、又はピレン誘導体がある。フォトレジスト組成物に好適な他の具体的な色素が米国特許第5,593,812号に記載されている。
【0080】
フォトレジスト組成物には、更に、接着促進剤や界面活性剤のような通常の添加剤が含まれてよい。当業者であれば、所望の適切な添加剤及びその濃度を選択できる筈である。
【0081】
本発明は、更に基板上にパターンを形成する方法に関し、その方法は以下の工程:
A.基板を準備すること;
B.第一コーティング工程において、本発明の熱硬化性アンダーコート組成物を上記基板にコーティングすること;
C.上記アンダーコート組成物を硬化すること;
D.第二コーティング工程において、アンダーコートの上にフォトレジストを塗布し、二重層のフォトレジスト積層を形成すること;
E.二重層のフォトレジスト積層を露光すること;
F.二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を現像し、下層のアンダーコートを部分的に露出させること;
G.二重層のフォトレジスト積層をリンスすること;そして
H.露出させたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングし、二重層のレリーフ画像を形成すること;
を含む。
【0082】
この方法での基板、コーティング及び焼成工程については、二重積層について前記した通りである。
【0083】
レリーフ構造の製造では、放射線に感度を有するレジストは、化学線に画像様に露光される。「画像様」露光という用語には、所定のパターンを有するフォトマスクを通しての露光、例えばコーティングされた基板の表面上を移動するコンピューター制御のレーザー光線のようないずれかの好適な化学線源による露光、コンピューター制御の電子線による露光、及び対応するマスクを通してのX線又は紫外線による露光の両露光方式が含まれる。画像様露光は、レジストの露光された領域に酸が生成して酸に不安定な基の開裂を促し、その結果ポリマーが水溶性になる。
【0084】
上記のレリーフ構造の製造方法には、更なる処理手段として露光と現像剤による処理の間にコーティングを加熱する工程が含まれる。「露光後焼成」と呼ばれるこの加熱処理が一助となって、ポリマー樹脂中の酸に不安定な基と露光によって生成した酸との反応が実質的に完全に達成される。この露光後焼成の持続時間及び温度は、実質的にポリマー樹脂の官能基、酸発生剤の種類、及びこれら2成分の濃度によって広範囲に変わり得る。露光されたレジストは、一般に約50℃から150℃の温度に数秒から数分の間曝される。好ましい露光後焼成の条件は、約80℃から130℃、約5秒から180秒である。いずれの好適な加熱手段も使用してよい。好ましい加熱手段はホットプレートである。
【0085】
材料の画像様露光及びいずれかの熱処理の後、フォトレジストの露光された領域は水溶性塩基の現像剤中に溶解して除去され、レリーフ構造が形成される。好適な塩基の例として、無機アルカリ類(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水)、第一級アミン類(例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン)、第二級アミン類(例えば、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン)、第三級アミン類(例えば、トリエチルアミン)、アルコールアミン類(例えば、トリエタノールアミン)、第四級アンモニウム塩類(例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム)及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。使用される塩基の濃度は、使用されるポリマーの塩基への溶解度及び使用される特定の塩基によって変化すると考えられる。最も好ましい現像剤は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を含む現像剤である。THAMの好適な濃度は約1%から約5%の範囲である。更に、適切な量の界面活性剤を現像剤に添加することができる。
【0086】
現像は、浸漬、スプレー、パドルによる手段によって、又は約10℃から40℃で、約30秒から約5分間の、攪拌下又は攪拌なしでの当業者には周知の他の同様な現像法によって行なうことができる。現像後、場合によりレリーフパターンを脱イオン水を含むリンス液、又は一種又はそれ以上の界面活性剤含有の脱イオン水を含むリンス液ですすぎ、スピン乾燥し、ホットプレート上、オーブン内、又は他の好適な手段で焼成してよい。
【0087】
上記の二重層方法に使用される放射線に感度を有するレジストは、一般に、シリコンを含むか、又は現像後にシリコンをそのレジスト中に組み入れられる。放射線に感度を有するレジスト中に画像が形成された後、レジストによって保護されていない領域の下層コーティングを除去するために、画像を形成した基板を酸素を含むプラズマエッチングの環境下に置く。放射線に感度を有するレジスト中に組み込まれたシリコンが、酸素プラズマに曝されて二酸化シリコンを生成することにより、レジストをエッチングから保護し、レリーフ構造をアンダーコート層に形成することができる。
【0088】
酸素プラズマ工程の後に、二重層のレリーフ構造を有する基板は、一般に、更に少なくとも一つの処理工程に付され、これにより基板の二重層のコーティングで覆われていない領域が変化を受ける。一般に、この処理は、ドーパントの注入、基板上への別の物質の溶着、又は基板のエッチングであり得る。通常はこの後に、一般にはフッ素/酸素プラズマエッチングによる、基板からのレジストコーティングの除去工程がある。
【0089】
本発明を以下の実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。ここで特に断りがない限り、部及び%は質量基準である。
【0090】
〔実施例〕
テトラヒドロフラン(THF)中の重合のための一般的合成手順:
混合モノマー及び連鎖移動剤を、還流冷却器、温度計及びガス導入口を備えた丸底フラスコ中に入れたTHFに窒素雰囲気下で溶解した。この混合液を攪拌しながら55℃に加熱した。この溶液を、注射器を用いて窒素で15分間バブリングして脱気した。開始剤のTHF溶液を加え、窒素雰囲気下、20〜24時間、65℃で加熱した。次いで、反応液を50℃まで冷却し、メタノール(50mL)で希釈し、そしてナトリウムメトキシド溶液(4g、10質量%メタノール溶液)を加えて加メタノール分解を行なった。混合液を64℃で還流し、副生物の酢酸メチルをDean-Starkトラップを用いた4時間の共沸蒸留で、連続的に除去した。混合液を室温まで冷却した後、Amberlyst 15樹脂(15g)を混合液に加えてナトリウムとイオン交換し、1時間攪拌した。樹脂を濾過により除去し、溶液をメタノール/水混合液(1.6L、2:1メタノール/水)中に徐々に添加し、沈殿物を得た。固形物のポリマーを濾過により分離し、水洗(100mL×2)した。濾過後、固形物を減圧下、60℃で48時間乾燥した。分子量及び分子量分布は、次のPhenogel-10、7.8×250mmカラム:10-4A, 500A & 50A(Phenomena製)を備えたWaters社の液クロマトグラフ(屈折率検出、Millennium GPC Vソフトウエア)及びTHF溶離剤を用いて測定した。熱分解の測定(TGA)はPerkin-Elmerの熱重量分析器を用いて行なった。ポリマーのガラス転移点(Tg)は、Perkin-ElmerのPyris 1示差走査熱量計を用いて、20℃/分の加熱速度で測定した。ポリマーの構造及び組成は、Brukerの400MHzのNMR分光計を用いた1HNMRで分析した。諸ポリマー例の分析データを表1に示す。
【0091】
〔合成例1〕
モノマー混合物{メタクリル酸4−ビフェニル(72.37g、0.303モル)、アセトキシスチレン(10.56g、0.065モル)及びエチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリラート(17.07g、0.065モル)}、開始剤のVAZO 67(登録商標)(6.00g、対モノマー6.0質量%)及び連鎖移動剤の1−ドデカンチオール(1.80g、対開始剤30質量%)を上記の概略手順に従って重合させた。エステル交換には、4.0gのナトリウムメトキシド溶液を使用した。収率:91.3g、94%。
【0092】
〔合成例2〕
モノマー混合物{メタクリル酸4−ビフェニル(62.74g、0.263モル)、アセトキシスチレン(14.23g、0.087モル)及びエチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリラート(23.03g、0.087モル)}、開始剤のVAZO 67(登録商標)(6.00g、対モノマー6.0質量%)及び連鎖移動剤の1−ドデカンチオール(1.80g、対開始剤30質量%)を上記の概略手順に従って重合させた。エステル交換には、5.0gのナトリウムメトキシド溶液を使用した。収率:91.5g、95%。
【0093】
〔合成例3〕
モノマー混合物{メタクリル酸4−ビフェニル(54.09g、0.227モル)、アセトキシスチレン(22.09g、0.136モル)及びエチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリラート(23.82g、0.09モル)}、開始剤のVAZO 67(登録商標)(6.00g、対モノマー6.0質量%)及び連鎖移動剤の1−ドデカンチオール(1.80g、対開始剤30質量%)を上記の概略手順に従って重合させた。エステル交換には、6.0gのナトリウムメトキシド溶液を使用した。収率:85.5g、91%。
【0094】
〔合成例4〕
モノマー混合物{メタクリル酸ビフェニル(BPMA)(37.74g、0.158モル)、アセトキシスチレン(8.54g、0.0527モル)及びエチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリラート(13.82g、0.0527モル)}及び連鎖移動剤の1−ドデカンチオール(1.08g、対開始剤30質量%)を、還流冷却器及びガス導入口を備えた500mLの丸底フラスコ中に入れた83.6gのPGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)に窒素気流下で溶解した(40%固形分)。この混合液を70℃に加熱した。次いで、6.4gのPGMEA中のVAZO 67(登録商標){フリーラジカル開始剤、Dupont製品、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)}(3.6g、使用モノマーの6質量%)を反応混合液に15分かけて徐々に添加し、窒素雰囲気下で24時間攪拌した。BPMAの消失状況を波長254nmで紫外線検出器を用いGPCによって監視した。24時間後、残留BPMAは0.1%未満となった。反応液を室温まで冷却し、次いでメタノール中の2gのナトリウムメトキシド(10質量%)及び50mlのメタノールをフラスコに加えた。反応液を3時間還流し、約25mlのメタノールをDean-Starkトラップを使用した共沸蒸留によって除去した。次いで、溶液を室温まで冷却し、それに10.0gのAmberlyst 15樹脂を加えた。反応液を2時間攪拌し、樹脂を濾過により分離した。溶液を60℃未満、減圧下で蒸留して半分の体積とし、メタノール及び副生物のプロピレングリコールメチルエーテルを除去した。最後に、PGMEAを加えて固形物30質量%の溶液とした。
【0095】
〔合成例5〕
混合モノマー{メタクリル酸ビフェニル(BPMA)(37.74g、0.158モル)、アセトキシスチレン(8.54g、0.0527モル)及びエチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリラート(13.82g、0.0527モル)}及び連鎖移動剤の1−ドデカンチオール(1.08g、開始剤の30質量%)を、還流冷却器及びガス導入口を備えた500mLの丸底フラスコ中に入れた83.6gのPGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)に窒素気流下で溶解した(40%固形分)。この混合液を70℃に加熱した。次いで、6.4gのPGMEA中のVAZO 67(登録商標){フリーラジカル開始剤、Dupont製品、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)}(3.6g、使用モノマーの6質量%)を反応混合液に15分かけて徐々に添加した。次いで温度を80℃まで徐々に上昇させ、窒素雰囲気下で4時間攪拌した。BPMAの消失状況を波長254nmで紫外線検出器を用いGPCによって監視した。3時間後、残留BPMAは0.1%未満となった。混合液を室温まで冷却し、次いでメタノール中(10質量%)の2gのナトリウムメトキシド及び50mlのメタノールをフラスコに加えた。反応液を3時間還流し、約25mlのメタノールがDean-Starkトラップを使用した共沸蒸留によって除去された。次いで、溶液を室温まで冷却し、それに10.0gのAmberlyst 15樹脂を加えた。反応液を2時間攪拌し、樹脂を濾過により分離した。溶液を60℃未満、減圧下で蒸留して半分の体積とし、メタノール及び副生物のプロピレングリコールメチルエーテルを除去した。最後に、PGMEAを加えて固形物30質量%の溶液とした。
【0096】
〔合成例6〕
モノマー混合物{メタクリル酸シクロヘキシル(32.73g、0.1945モル)、4−アセトキシスチレン(10.52g、0.0648モル)及びスチレン(6.75g、0.0648モル)}及び連鎖移動剤の1−ドデカンチオール(0.9g、0.0044モル)を500mLの三ッ口丸底フラスコに入れたTHF(73g)に溶解した(40%固形分)。THF(2g)に溶解した開始剤のVAZO−67(登録商標)(3.0g、0.0156モル)を混合液に55℃で添加し、65℃で24時間加熱した。得られたポリマーを「テトラヒドロフラン中の重合のための一般的合成手順」に記述されたように処理した。
【0097】
〔合成例7〕
モノマー混合物{メタクリル酸シクロヘキシル(32.73g、0.1945モル)、4−アセトキシスチレン(10.52g、0.0648モル)及びスチレン(6.75g、0.0648モル)}を500mLの三ッ口丸底フラスコに入れたTHF(73g)に溶解した(40%固形分)。THF(2g)に溶解した開始剤のVAZO−67(登録商標)(1.5g、0.0078モル)を混合液に55℃で添加し、65℃で24時間加熱した。連鎖移動剤は使用しなかった。得られたポリマーを「テトラヒドロフラン中の重合のための一般的合成手順」に記述されたように処理した。
【0098】
〔合成例8〕
モノマー混合物{メタクリル酸シクロヘキシル(28.16g、0.1674モル)、4−アセトキシスチレン(9.05g、0.0558モル)及びアクリル酸4−シクロヘキシルフェニル(12.79g、0.0558モル)}及び連鎖移動剤の1−ドデカンチオール(0.8g、0.0040モル)を500mLの三ッ口丸底フラスコに入れたTHF(73g)に溶解した(40%固形分)。THF(2g)に溶解した開始剤のVAZO−67(登録商標)(2.5g、0.0130モル)を混合液に55℃で添加し、65℃で24時間加熱した。得られたポリマーを「テトラヒドロフラン中の重合のための一般的合成手順」に記述されたように処理した。
【0099】
〔合成例9〕
モノマー混合物{メタクリル酸シクロヘキシル(28.16g、0.1674モル)、4−アセトキシスチレン(9.05g、0.0558モル)及びアクリル酸4−シクロヘキシルフェニル(12.79g、0.0558モル)}を500mLの三ッ口丸底フラスコに入れたTHF(73g)に溶解した(40%固形分)。THF(2g)に溶解した開始剤のVAZO−67(登録商標)(3.0g、0.0156モル)を混合液に55℃で添加し、65℃で24時間加熱した。連鎖移動剤は使用しなかった。得られたポリマーを「テトラヒドロフラン中の重合のための一般的合成手順」に記述されたように処理した。
【0100】
〔合成例10〕
モノマー混合物{メタクリル酸シクロヘキシル(27.69g、0.1646モル)、4−アセトキシスチレン(8.90g、0.0549モル)及びメタクリル酸4−シクロヘキシルフェニル(13.41g、0.0549モル)}及び連鎖移動剤の1−ドデカンチオール(1.2g、0.0059モル)を500mLの三ッ口丸底フラスコに入れたTHF(73g)に溶解した(40%固形分)。THF(2g)に溶解した開始剤のVAZO−67(登録商標)(4.0g、0.0208モル)を混合液に55℃で添加し、65℃で24時間加熱した。得られたポリマーを「テトラヒドロフラン中の重合のための一般的合成手順」に記述されたように処理した。
【0101】
〔合成例11〕
モノマー混合物{メタクリル酸シクロヘキシル(27.69g、0.1646モル)、4−アセトキシスチレン(8.90g、0.0549モル)及びメタクリル酸4−シクロヘキシルフェニル(13.41g、0.0549モル)}を500mLの三ッ口丸底フラスコに入れたTHF(73g、40%固形分)に溶解した。THF(2g)に溶解した開始剤のVAZO−67(商標登録)(2.5g、0.0130モル)を混合液に55℃で添加し、65℃で24時間加熱した。連鎖移動剤は使用しなかった。得られたポリマーを「テトラヒドロフラン中の重合のための一般的合成手順」に記述されたように処理した。
【0102】
〔合成例12〕
モノマー混合物{メタクリル酸シクロヘキシル(27.69g、0.1646モル)、4−アセトキシスチレン(8.90g、0.0549モル)及びメタクリル酸4−シクロヘキシルフェニル(13.41g、0.0549モル)}及び連鎖移動剤の1−ドデカンチオール(1.5g、0.0074モル)を500mLの三ッ口丸底フラスコに入れたTHF(148g)に溶解した(25%固形分)。THF(2g)に溶解した開始剤のVAZO−67(登録商標)(5.0g、0.0260モル)を混合液に55℃で添加し、65℃で24時間加熱した。得られたポリマーを「テトラヒドロフラン中の重合のための一般的合成手順」に記述されたように処理した。
【0103】
〔合成例13〕
モノマー混合物{TCDメタクリラート(22.94g、0.104モル)、4−アセトキシスチレン(12.51g、0.078モル)及び4−シクロヘキシルスチレン(14.55g、0.078モル)}及び連鎖移動剤の1−ドデカンチオール(1.5g、0.0074モル)を500mLの三ッ口丸底フラスコに入れたTHF(148g)に溶解した(25%固形分)。THF(2g)に溶解した開始剤のVAZO−67(登録商標)(2.5g、0.0130モル)を混合液に55℃で添加し、65℃で24時間加熱した。得られたポリマーを「テトラヒドロフラン中の重合のための一般的合成手順」に記述されたように処理した。
【0104】
〔合成例14〕
モノマー混合物{4−フェニルスチレン(28.01g、0.155モル)、4−アセトキシスチレン(8.40g、0.058モル)及びエチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリラート(15.39g、0.058モル)}及び連鎖移動剤の1−ドデカンチオール(1.5g、0.0074モル)を500mLの三ッ口丸底フラスコに入れたTHF(148g)に溶解した(25%固形分)。THF(5g)に溶解した開始剤のVAZO−67(登録商標)(2.5g、0.0130モル)を混合液に55℃で添加し、65℃で24時間加熱した。得られたポリマーを「テトラヒドロフラン中の重合のための一般的合成手順」に記述されたように処理した。
【0105】
【表1】

【0106】
【表2】

【0107】
【表3】

【0108】
表2Aに、注文合成によるポリマーの製造者から得たポリマーに関する情報を示す。
【表4】

【0109】
表2Bに、注文合成によるポリマーの製造者から得たポリマーに関する情報を示す。
【表5】

【0110】
表3に、本出願における実施例で使用されるTAGについての情報を示す。
【表6】

【0111】
〔アンダーコート配合例(比較例)1〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、7.02gのポリマーP−1、2.00gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、0.19gのTAG A及び40.80gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。CYMEL 303はCytec社製アルコキシメチルメラミン架橋剤である。
【0112】
〔アンダーコート配合例(比較例)2〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、6.96gのポリマーP−2、2.00gの架橋剤CYMEL 303の(15%溶液)、0.96gのTAG B溶液及び40.08gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0113】
〔アンダーコート配合例(比較例)3〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、6.94gのポリマーP−2、2.00gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、1.26gのTAG C溶液及び39.80gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0114】
〔アンダーコート配合例(比較例)4〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、6.96gのポリマーP−2、2.00gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、0.96gのTAG D溶液及び40.08gプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0115】
〔アンダーコート配合例(比較例)5〕
50gアンダーコート溶液を得るべく、6.96gのポリマーP−2、2.00gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、0.96gのTAG E溶液及び40.08gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0116】
〔アンダーコート配合例(比較例)6〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、6.94gのポリマーP−2、2.00gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、1.06gのTAG F溶液及び40.01gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0117】
〔アンダーコート配合例(比較例)7〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、6.94gのポリマーP−2、2.00gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、0.88gのTAG G溶液及び40.18gプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0118】
〔実施例1〕
昇華テストの手順(比較)
未使用で何も付着していない150mmのシリコンウェハーのブランク重量を化学天秤で有効数字5桁まで測定した。このウェハーを捕集用ウェハーと呼ぶことにする。一方、個々の配合例の試料を、何も付着していない10個の150mmシリコンウェハー上にスピンコーティングした。コーティング後のフィルム厚は5,300オングストロームであった。コーティングされたウェハーを205℃のホットプレート上に約8.22cmの間隔を空けて置いた。次いで、コーティングされたウェハーの上面に内径120mm、外径130mm、厚さ2mmのテフロンリングを置いた。次いでそのテフロンリング上に捕集用ウェハーを光沢面を下にして置いた。次いでこの二枚のウェハーの位置を下げて205℃のホットプレート上に5秒間直接に置いた。5秒後、両ウェハーをホットプレートから取り外した。捕集用ウェハーは冷却板上で10秒間放冷し、コーティングされたウェハーは廃棄した。この手順をコーティングされた10枚のウェハー全てについて繰り返した。10番目のウェハーが済んだ後、捕集用ウェハーの重量を測定し、操作の初めの重量と最後の重量の差を算出した。この手順を全ての配合例について繰り返した。
【0119】
表4に、個々の配合例についての昇華テストの結果を示す。実験は全て比較例である。
【表7】

【0120】
表4のデータから、使用されたTAGの種類によって、アンダーコートの硬化中に昇華する物質量が大きく影響されることが分かる。
【0121】
〔アンダーコート配合例(比較例)8〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、6.98gのポリマーP−9、2.00gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、0.90gのTAG B溶液及び40.13gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0122】
〔アンダーコート配合例(比較例)9〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、6.90gのポリマーP−2、2.50gの架橋剤Powderlink(15%溶液)、0.90gのTAG B溶液及び39.70gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。PowderlinkはCytec社製のアルコキシメチル化グリコールウリル架橋剤である。
【0123】
〔アンダーコート配合例10〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、5.03gのポリマーP−9、15.00gの架橋剤V−7(15%溶液)、0.90gのTAG B溶液及び29.08gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。V−7は本州化学工業(株)製である。
【0124】
〔リソグラフィ例1〜4〕
種々のアンダーコート配合上のシリコン含有レジスト、TIS 248IL−01−23(FUJIFILM Electronic Materials社製)を使用し、140nmトレンチ、280nmピッチのリソグラフィ性能を試験した。試料は全てスピンコーティングを行いフィルム厚500nmのアンダーコートを付与し、200℃、90秒間の近接焼成で硬化した。TIS 248IL−01−23を、ULコーティングしたウェハーの上面に235nmのフィルム厚にスピンコーティングした。125℃、90秒の温和焼成(soft bake)を施した。全てのウェハーを、Canon EX6ステッパー、0.65NA環状照射(波長248nm、0.80/0.50シグマの光)で露光した。115℃、90秒の露光後焼成を施した後、ウェハーをOPD262で60秒間パドル現像し、脱イオン水でリンスした。次いで、140nmトレンチ、280nmピッチのプロファイルを日立製のプロファイル用断面SEMを用いて調べた。結果を表5に示す。リソグラフィ実験1〜3は比較例である。
【表8】

表5から、アンダーコート配合中のTAGを変えることにより昇華性能が改良されるにも拘らず、それがフォトレジスト−アンダーコート間の界面の画像の幅を広げ(フーティング)、フォトレジストのリソグラフィ性能に悪影響を及ぼすことが分かる。
【0125】
〔アンダーコート配合例(比較例)11〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、7.38gのポリマーP−6、0.77gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、0.05gのTAG H溶液、0.50gの1%界面活性剤Troysol溶液及び41.31gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0126】
〔アンダーコート配合例(比較例)12〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、7.38gのポリマーP−5、0.77gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、0.05gのTAG H溶液、0.50gの1%界面活性剤Troysol溶液及び41.31gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0127】
〔アンダーコート配合例(比較例)13〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、7.38gのポリマーP−8、0.77gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、0.05gのTAG H溶液、0.50gの1%界面活性剤Troysol溶液及び41.31gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0128】
〔アンダーコート配合例(比較例)14〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、7.38gのポリマーP−7、0.77gの架橋剤CYMEL 303の(15%溶液)、0.05gのTAG H溶液、0.50gの1%界面活性剤Troysol溶液及び41.31gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0129】
〔アンダーコート配合例(比較例)15〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、7.38gのポリマーP−2、0.77gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、0.05gのTAG H溶液、0.50gの1%界面活性剤Troysol溶液及び41.31gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)のを2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0130】
〔アンダーコート配合例(比較例)16〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、7.38gのポリマーP−2、0.77gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、0.05gのTAG H溶液、0.50gの1%界面活性剤Troysol溶液及び41.31gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0131】
〔アンダーコート配合例(比較例)17〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、7.38gのポリマーP−3、0.77gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、0.05gのTAG H溶液、0.50gの1%界面活性剤Troysol溶液及び41.31gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0132】
〔アンダーコート配合例18〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、6.36gのポリマーP−5、7.50gの架橋剤V−7(15%溶液)、0.05gのTAG H溶液、0.50gの1%界面活性剤Troysol溶液及び35.59gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0133】
〔アンダーコート配合例19〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、6.36gのポリマーP−2、7.50gの架橋剤V−7(15%溶液)、0.05gのTAG H溶液、0.50gの1%界面活性剤Troysol溶液及び35.59gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0134】
〔アンダーコート配合例20〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、6.36gのポリマーP−3、7.50gの架橋剤V−7(15%溶液)、0.05gのTAG H溶液、0.50gの1%界面活性剤Troysol溶液及び35.59gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0135】
〔リソグラフィ例5〜14〕
種々のアンダーコート配合上のTIS 248IL−01−23を使用し、140nmトレンチ、280nmピッチのリソグラフィ性能を試験した。試料は全てスピンコーティングを行いフィルム厚500nmのアンダーコートを付与し、200℃、90秒間の近接焼成で硬化した。TIS 248IL−01−23をULコーティングされたウェハーの上面に235nmのフィルム厚にスピンコーティングした。125℃、90秒の温和焼成を施した。全てのウェハーをCanon EX6ステッパー、0.65NA環状照射(波長248nm、0.80/0.50シグマの光)で露光した。115℃、90秒の露光後焼成を施し、ウェハーをOPD262で60秒間パドル現像し、脱イオン水でリンスした。次いで、130及び140nmトレンチ、1:1ピッチの接着不良を日立製のプロファイル用断面SEMを用いて調べた。結果を表6に示す。リソグラフィ例5〜11は比較例である。
【表9】

【0136】
表6より、架橋剤CYMEL 303を使用するアンダーコート配合では、適切なリソグラフィ性能を得るために、分子量のより大きいポリマーが必要であることが分かる。V−7架橋剤をスルホン酸アミン系のTAGと組み合わせて使用すれば、昇華量の低いアンダーコートが得られ、従って良好な平滑度を得るために低分子量のポリマーを使用することができる。更に、良好な性能を得ることができる分子量の範囲が広い程、バッチ毎のポリマーの変化に対応する配合の許容度が大きくなる。
【0137】
〔アンダーコート配合例(比較例)21〕
20gのアンダーコート溶液を得るべく、8.97gのポリマー溶液(P−13)(PGMEA中31.9質量%)、2.00gの架橋剤CYMEL 303(15%溶液)、0.055gのTAG H溶液、0.21gの1%Troysol/PGMEA溶液及び9.96gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を1オンスのアンバーボトルに投入した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0138】
〔アンダーコート配合例(比較例)22〕
20gのアンダーコート溶液を得るべく、8.97gのポリマー溶液(P−13)(PGMEA中31.9質量%)、0.12gの架橋剤Powderlink、0.055gのTAG H溶液、0.21gの1%Troysol/PGMEA溶液及び9.96gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を1オンスのアンバーボトルに投入した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0139】
〔アンダーコート配合例23〕
20gのアンダーコート溶液を得るべく、8.61gのポリマー溶液(P−13)(PGMEA中31.9質量%)、1.6gの架橋剤V−7(PGMEA中15質量%)、0.054gのTAG H溶液、0.21gの1%Troysol/PGMEA溶液及び9.53gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を1オンスのアンバーボトルに投入した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0140】
〔アンダーコート配合例24〕
20gのアンダーコート溶液を得るべく、8.42gのポリマー溶液(P−13)(PGMEA中31.9質量%)、2.0gの架橋剤V−7(PGMEA中15質量%)、0.054gのTAG H溶液、0.21gの1%Troysol/PGMEA溶液及び9.32gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を1オンスのアンバーボトルに投入した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0141】
〔アンダーコート配合例25〕
20gのアンダーコート溶液を得るべく、8.23gのポリマー溶液(P−13)(PGMEA中31.9質量%)、2.4gの架橋剤V−7(PGMEA中15質量%)、0.054gのTAG H溶液、0.21gの1%Troysol/PGMEA溶液及び9.11gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を1オンスのアンバーボトルに投入した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0142】
〔アンダーコート配合例26〕
20gのアンダーコート溶液を得るべく、8.61gのポリマー溶液(P−13)(PGMEA中31.9質量%)、1.6gの架橋剤V−7(PGMEA中15質量%)、0.044gのTAG H溶液、0.21gの1%Troysol/PGMEA溶液及び9.53gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を1オンスのアンバーボトルに投入した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0143】
〔アンダーコート配合例27〕
20gのアンダーコート溶液を得るべく、8.43gのポリマー溶液(P−13)(PGMEA中31.9質量%)、2.0gの架橋剤V−7(PGMEA中15質量%)、0.044gのTAG H溶液、0.21gの1%Troysol/PGMEA溶液及び9.32gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を1オンスのアンバーボトルに投入した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0144】
〔アンダーコート配合例28〕
20gのアンダーコート溶液を得るべく、8.24gのポリマー溶液(P−13)(PGMEA中31.9質量%)、2.4gの架橋剤V−7(PGMEA中15質量%)、0.044gのTAG H溶液、0.21gの1%Troysol/PGMEA溶液及び9.11gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を1オンスのアンバーボトルに投入した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0145】
〔アンダーコート配合例29〕
20gのアンダーコート溶液を得るべく、8.41gのポリマー溶液(P−13)(PGMEA中31.9質量%)、2.0gの架橋剤V−7(PGMEA中15質量%)、0.066gのTAG H溶液、0.21gの1%Troysol/PGMEA溶液及び9.32gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を1オンスのアンバーボトルに投入した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0146】
〔アンダーコート配合例30〕
20gのアンダーコート溶液を得るべく、8.22gのポリマー溶液(P−13)(PGMEA中31.9質量%)、2.4gの架橋剤V−7(PGMEA中15質量%)、0.066gのTAG H溶液、0.21gの1%Troysol/PGMEA溶液及び9.11gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を1オンスのアンバーボトルに投入した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0147】
〔リソグラフィ例15〜24〕
種々のアンダーコート配合上のシリコン含有レジスト、TIS 193IL−54−20(FUJIFILM Electronic Materials社製)を使用し、120nmトレンチ(240nmピッチ)のリソグラフィ性能を試験した。試料は全てスピンコーティングを行いフィルム厚500nmのアンダーコートを付与し、200℃、60秒間の接触焼成で硬化した。TIS 193IL−54−20を、ULコーティングしたウェハーの上面に235nmのフィルム厚にスピンコーティングした。125℃、60秒の温和焼成を施した。全てのウェハーを、Ultratechマイクロステッパー、0.60NA環状照射(波長193nm、0.80/0.70シグマの光)で露光した。115℃、60秒の露光後焼成を施し、ウェハーをOPD262で60秒間パドル現像し、脱イオン水で水洗した。次いで、1:1ピッチで並ぶ120nmトレンチのパターン忠実度を、日立製のプロファイル用断面SEMを用いて調べた。結果を表7に示す。リソグラフィ例15及び16は比較例である。
【表10】

【0148】
表7に示す結果から、架橋剤のV−7をTAG Hと組み合わせて使用したアンダーコート配合では、アンダーコート中のTAG及び架橋剤の装荷量の全範囲に亘って、堅牢な画像層のリソグラフィパターン形成がもたらされることが分かる。これに対して、CYMEL 303架橋剤を使用すれば、パターン形成した画像層のプロファイルの根元で許容できない酷さのフーティングが助長される。Powderlink架橋剤を使用すれば、画像層パターンの許容できない接着不良が起こる。
【0149】
〔アンダーコート配合例31〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、17.09gのポリマーP−11溶液(PGMEA中35%)、10.0gの架橋剤V−7(PGMEA中15%溶液)、0.05gのTAG I溶液及び22.86gのPGMEAを2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0150】
〔アンダーコート配合例32〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、17.09gのポリマーP−12溶液(PGMEA中35%)、10.0gの架橋剤V−7(PGMEA中15%溶液)、0.05gのTAG I溶液及び22.86gのPGMEAを2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0151】
〔実施例2〕
実施例1に記載された手順に従って、アンダーコート配合例31及び32の試験をした。表8に結果を示す。
【表11】

表8のデータから、アミンで中和されたスルホン酸TAGとアルコキシメチル化フェノール系架橋剤とを組み合わせると、昇華量が極く微量となり、表4の昇華量さえも下回ることが分かる。
【0152】
〔アンダーコート配合例33〕
200gのアンダーコート溶液を得るべく、121.55gの合成例6で調製されたポリマー(PGMEA中13%溶液)、5.2gの架橋剤V−1(PGMEA中20%溶液)、3.25gのTAG C溶液及び70.0gのPGMEAを8オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0153】
〔リソグラフィ例25〕
アンダーコート配合例33で得られたアンダーコートのリソグラフィテストを、リソグラフィ例1〜4で採用した手順で行った。得られた140nmの特性は、接着性が優れていると共に良好な解像度を有していた。
【0154】
〔アンダーコート配合例34〕
50gのアンダーコート溶液を得るべく、30.39gの合成例14で調製されたポリマー(PGMEA中13%溶液)、1.3gの架橋剤のV−10(PGMEA中20%溶液)、0.82gのTAG F溶液及び17.5gのPGMEAを2オンスのアンバーボトル中で混合した。次いで混合物を一夜かけてロールがけし、得られたアンダーコート溶液を0.20μmのフィルターで濾過した。
【0155】
〔リソグラフィ例26〕
アンダーコート配合例34で得られたアンダーコートのリソグラフィテストを、リソグラフィ例15〜24で採用した手順で行った。得られた120nmの特性は、接着性が優れていると共に良好な解像度を有していた。
【0156】
本発明は、具体的な実施態様に準拠して記述しているが、本明細書に開示された発明概念の精神及び範囲から逸脱することなしに、変更、改修及び変形がなされ得ることは理解されるであろう。従って、本発明は、添付の「特許請求の範囲」の精神及び範囲に該当するような、全ての変更、改修及び変形を包含することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)構造II、III及びIV:
【化1】

[ここで、R1は夫々独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基及びハロゲン原子からなる群から選ばれ、Lは単結合、−COO−基及び−CON(R2)−基からなる群から選ばれ、R2は水素原子及び炭素数1〜3のアルキル基からなる群から選ばれ、Mは炭素数5〜7のシクロアルキレン基及び炭素数6〜18のアリーレン基からなる群から選ばれ、Wは単結合、−COO−基、−O−、−(C=O)−及び−(SO2)−からなる群から選ばれ、R3は水素原子、炭素数5〜30の置換されていない又は置換された直鎖アルキル基、炭素数5〜30の置換されていない又は置換されたシクロアルキル基、炭素数5〜25の置換されていない又は置換された架橋した脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の置換されていない又は置換されたアリール基及び炭素数7〜18のアリールアルキル基からなる群から選ばれ、nは1〜3の整数を表し、qは0〜3の整数を表し、且つnとqの合計は5以下であり、R4は炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基及びハロゲン基からなる群から選ばれ、そしてR5は炭素数5〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基及び置換されていない又は置換された脂環基及び(R6O)t7基(ここで、R6は炭素数1〜10の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていない又は置換された脂環基、及び置換されていない又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基からなる群から選ばれ、そしてtは1〜4の整数を表す)からなる群から選ばれる]
の繰返し単位を含む構造Iのポリマー;
b)構造V:
【化2】

[ここで、pは約2〜6の整数を表し、R8は−CH2OR12基を表し、R9は水素原子、−CH2OR12基、炭素数1〜5のアルキル基及びアリール基からなる群から選ばれ、R10、R11及びR12は夫々独立して、水素原子及び炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれ、そしてXは2、3、4、5又は6価のアルキル又はアリールアルキル部分を表
す]
を有するフェノール系架橋剤;
c)構造VI:
【化3】

[ここで、Aはフェニル基及びナフチル基からなる群から選ばれ、R20は炭素数5〜30のアルキル基又は環状アルキル基及び置換されていない又は置換された脂環基からなる群から選ばれ、Aがフェニル基の場合は、xは1〜3の整数、yは0〜5の整数を表し、且つxとyの合計が6以下であり、そしてzは6−x−yを表し、Aがナフチル基の場合は、xは1〜3の整数、yは0〜7の整数を表し、且つxとyの合計が8以下であり、そしてzは8−x−yを表し、そしてBは炭素数4〜30の第一級、第二級又は第三級の置換されていない又は置換されたアルキルアミン、カルボキシルアミン又は複素環アミンを表す]
を有する熱酸発生剤(TAG);及び
d)溶剤
を含む熱硬化性アンダーコート組成物。
【請求項2】
構造Iのポリマーが構造VII:
【化4】

[ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基及びハロゲン原子からなる群から選ばれ、R21は炭素数6〜30の置換されていない又は置換された芳香族基を表し、R22は水素及び炭素数1〜4のアルキル基からなる群から選ばれ、R23は炭素数5〜30の環式アルキル基、置換されていない又は置換された脂環基及び(R30O)t7基(ここで、R30は炭素数2〜4の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていない又は置換された脂環基、及び置換されていない又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基からなる群から選ばれ、tは約1〜4の整数を表す)からなる群から選ばれ、そしてnは約1〜2の整数を表す]
のポリマーである、請求項1に記載の熱硬化性アンダーコート組成物。
【請求項3】
構造Iのポリマーが構造VIII:
【化5】

[ここで、R24は水素原子及びメチル基からなる群から選ばれ、R25は炭素数6〜30の置換されていない又は置換された芳香族基を表し、R26は炭素数5〜30の環状アルキル基又は置換されていない又は置換された脂環基及び(R30O)t7基(ここで、R30は炭素数2〜4の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていない又は置換された脂環基、及び置換されていない又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基からなる群から選ばれ、tは約1〜4の整数を表す)からなる群から選ばれ、そしてnは約1〜2の整数を表す]
のポリマーである、請求項1に記載の熱硬化性アンダーコート組成物。
【請求項4】
構造Iのポリマーが構造IX:
【化6】

[ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基及びハロゲン原子からなる群から選ばれ、R22は水素原子および炭素数1〜4のアルキル基からなる群から選ばれ、R27は水素原子及び炭素数5〜7の置換された又は置換されていないシクロアルキル基からなる群から選ばれ、R28は炭素数5〜30の環状アルキル基、置換されていない又は置換された脂環基及び(R30O)t7基(ここで、R30は炭素数2〜4の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていない又は置換された脂環基、及び置換されていない又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基からなる群から選ばれ、tは約1〜4の整数を表す)からなる群から選ばれ、そしてnは約1〜3の整数を表す]
のポリマーである、請求項1に記載の熱硬化性アンダーコート組成物。
【請求項5】
構造Iのポリマーが構造X:
【化7】

[ここで、R24は水素原子及びメチル基からなる群から選ばれ、R28は炭素数5〜30の環状アルキル基、置換されていない又は置換された脂環基及び(R30O)t7基(ここで、R30は炭素数2〜4の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていない又は置換された脂環基、及び置換されていない又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基からなる群から選ばれ、tは約1〜4の整数を表す)からなる群から選ばれ、R29は炭素数5〜7の置換されていない又は置換されたシクロアルキル基を表し、そしてnは約1〜2の整数を表す]
のポリマーである、請求項1に記載の熱硬化性アンダーコート組成物。
【請求項6】
構造IIの繰返し単位において、R1が水素及びメチルからなる群から選ばれ、Lが単結合及び−COO−基からなる群から選ばれ、Mが炭素数5〜7のシクロアルキレン基及び炭素数6〜10のアリーレン基からなる群から選ばれ、そしてWが単結合を表す、請求項1に記載の熱硬化性アンダーコート組成物。
【請求項7】
構造IIの繰返し単位において、R3が水素原子、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、フェニル及びナフチルからなる群から選ばれる、請求項1に記載の熱硬化性アンダーコート組成物。
【請求項8】
構造IIIの繰返し単位において、R1が水素及びメチルからなる群から選ばれ、R4が水素原子、ハロゲン基及び炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基からなる群から選ばれる、請求項1に記載の熱硬化性アンダーコート組成物。
【請求項9】
構造IIの繰返し単位において、R1が水素及びメチルからなる群から選ばれ、Lが単結合及び−COO−基からなる群から選ばれ、Mが炭素数5〜7のシクロアルキレン基及び炭素数6〜10のアリーレン基からなる群から選ばれ、Wが単結合を表し、そしてR3が水素原子、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、フェニル及びナフチルからなる群から選ばれ、構造IIIの繰返し単位において、R1が水素及びメチルからなる群から選ばれ、R4が水素原子、ハロゲン基及び炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基からなる群から選ばれ、そして構造IVの繰返し単位において、R1が水素及びメチルからなる群から選ばれ、R5がシクロヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、アダマンチル、アダマンチルメチル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチル及びエトキシジシクロペンテニルからなる群から選ばれる、請求項1に記載の熱硬化性アンダーコート組成物。
【請求項10】
構造X:
【化8】

[ここで、R24は水素原子及びメチル基からなる群から選ばれ、R28は炭素数5〜30の環状アルキル基、置換されていない又は置換された脂環基及び(R30O)t7基(ここで、R30は炭素数2〜4の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R7は炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、置換されていない又は置換された脂環基、及び置換されていない又は置換された芳香族基又はアルキル芳香族基からなる群から選ばれ、tは約1〜4の整数を表す)からなる群から選ばれ、R29は炭素数5〜7の置換された又は置換されていないシクロアルキル基を表し、そしてnは約1〜2の整数を表す]
のポリマー。
【請求項11】
以下の工程:
a.基板を準備し;
b.第一コーティング工程において、請求項1に記載の熱硬化性アンダーコート組成物を上記基板にコーティングし;
c.上記アンダーコート組成物を硬化させ;
d.第二コーティング工程において、アンダーコートの上にフォトレジストをコーティングし、二重層のフォトレジスト積層を形成し;
e.二重層のフォトレジスト積層を露光し、二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を形成し;
f.二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を現像し、下層のアンダーコートを部分的に露出させ;
g.二重層のフォトレジスト積層をリンスし;そして
h.露出させたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングし、二重層のレリーフ画像を形成すること;
を含む基板上にパターンを形成する方法。
【請求項12】
以下の工程:
a.基板を準備し;
b.第一コーティング工程において、請求項2に記載の熱硬化性アンダーコート組成物を上記基板にコーティングし;
c.上記アンダーコート組成物を硬化させ;
d.第二コーティング工程において、アンダーコートの上にフォトレジストをコーティングし、二重層のフォトレジスト積層を形成し;
e.二重層のフォトレジスト積層を露光し、二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を形成し;
f.二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を現像し、下層のアンダーコートを部分的に露出させ;
g.二重層のフォトレジスト積層をリンスし;そして
h.露出させたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングし、二重層のレリーフ画像を形成すること;
を含む基板上にパターンを形成する方法。
【請求項13】
以下の工程:
a.基板を準備し;
b.第一コーティング工程において、請求項3に記載の熱硬化性アンダーコート組成物を上記基板にコーティングし;
c.上記アンダーコート組成物を硬化させ;
d.第二コーティング工程において、アンダーコートの上にフォトレジストをコーティングし、二重層のフォトレジスト積層を形成し;
e.二重層のフォトレジスト積層を露光し、二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を形成し;
f.二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を現像し、下層のアンダーコートを部分的に露出させ;
g.二重層のフォトレジスト積層をリンスし;そして
h.露出させたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングし、二重層のレリーフ画像を形成すること;
を含む基板上にパターンを形成する方法。
【請求項14】
以下の工程:
a.基板を準備し;
b.第一コーティング工程において、請求項4に記載の熱硬化性アンダーコート組成物を上記基板にコーティングし;
c.上記アンダーコート組成物を硬化させ;
d.第二コーティング工程において、アンダーコートの上にフォトレジストをコーティングし、二重層のフォトレジスト積層を形成し;
e.二重層のフォトレジスト積層を露光し、二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を形成し;
f.二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を現像し、下層のアンダーコートを部分的に露出させ;
g.二重層のフォトレジスト積層をリンスし;そして
h.露出させたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングし、二重層のレリーフ画像を形成すること;
を含む基板上にパターンを形成する方法。
【請求項15】
以下の工程:
a.基板を準備し;
b.第一コーティング工程において、請求項5に記載の熱硬化性アンダーコート組成物を上記基板にコーティングし;
c.上記アンダーコート組成物を硬化させ;
d.第二コーティング工程において、アンダーコートの上にフォトレジストをコーティングし、二重層のフォトレジスト積層を形成し;
e.二重層のフォトレジスト積層を露光し、二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を形成し;
f.二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を現像し、下層のアンダーコートを部分的に露出させ;
g.二重層のフォトレジスト積層をリンスし、そして
h.露出させたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングし、二重層のレリーフ画像を形成すること;
を含む基板上にパターンを形成する方法。
【請求項16】
以下の工程:
a.基板を準備し;
b.第一コーティング工程において、請求項6に記載の熱硬化性アンダーコート組成物を上記基板にコーティングし;
c.上記アンダーコート組成物を硬化させ;
d.第二コーティング工程において、アンダーコートの上にフォトレジストをコーティングし、二重層のフォトレジスト積層を形成し;
e.二重層のフォトレジスト積層を露光し、二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を形成し;
f.二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を現像し、下層のアンダーコートを部分的に露出させ;
g.二重層のフォトレジスト積層をリンスし;そして
h.露出させたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングし、二重層のレリーフ画像を形成すること;
を含む基板上にパターンを形成する方法。
【請求項17】
以下の工程:
a.基板を準備し;
b.第一コーティング工程において、請求項7に記載の熱硬化性アンダーコート組成物を上記基板にコーティングし;
c.上記アンダーコート組成物を硬化させ;
d.第二コーティング工程において、アンダーコートの上にフォトレジストをコーティングし、二重層のフォトレジスト積層を形成し;
e.二重層のフォトレジスト積層を露光し、二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を形成し;
f.二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を現像し、下層のアンダーコートを部分的に露出させ;
g.二重層のフォトレジスト積層をリンスし;そして
h.露出させたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングし、二重層のレリーフ画像を形成すること;
を含む基板上にパターンを形成する方法。
【請求項18】
以下の工程:
a.基板を準備し;
b.第一コーティング工程において、請求項8に記載の熱硬化性アンダーコート組成物を上記基板にコーティングし;
c.上記アンダーコート組成物を硬化させ;
d.第二コーティング工程において、アンダーコートの上にフォトレジストをコーティングし、二重層のフォトレジスト積層を形成し;
e.二重層のフォトレジスト積層を露光し、二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を形成し;
f.二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を現像し、下層のアンダーコートを部分的に露出させ;
g.二重層のフォトレジスト積層をリンスし;そして
h.露出させたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングし、二重層のレリーフ画像を形成すること;
を含む基板上にパターンを形成する方法。
【請求項19】
以下の工程:
a.基板を準備し;
b.第一コーティング工程において、請求項9に記載の熱硬化性アンダーコート組成物を上記基板にコーティングし;
c.上記アンダーコート組成物を硬化させ;
d.第二コーティング工程において、アンダーコートの上にフォトレジストをコーティングし、二重層のフォトレジスト積層を形成し;
e.二重層のフォトレジスト積層を露光し、二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を形成し;
f.二重層のフォトレジスト積層の感光性組成物部を現像し、下層のアンダーコートを部分的に露出させ;
g.二重層のフォトレジスト積層をリンスし;そして
h.露出させたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングし、二重層のレリーフ画像を形成すること;
を含む基板上にパターンを形成する方法。
【請求項20】
請求項11記載の方法によって製造される、二重層のレリーフ画像。
【請求項21】
請求項1に記載の組成物でコーティングされており、この請求項1に記載の組成物は更にフォトレジストでコーティングされている半導体基板を含むコーティングされた基板。

【公表番号】特表2007−529037(P2007−529037A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502930(P2007−502930)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/007588
【国際公開番号】WO2005/089150
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(305037086)フジフィルム・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・インコーポレイテッド (29)
【Fターム(参考)】