説明

リモートコントローラおよび遠隔操作方法

【課題】 ボタンの数を減らすことで、ユーザの操作負担を軽減することができるリモートコントローラを実現する。
【解決手段】 ユーザを認識するユーザ認識手段110と、指の種類を認識する指認識手段103と、指の操作を認識する操作認識手段102と、前記ユーザ認識手段で認識されたユーザの個人設定に基づき、前記指認識手段で認識された前記指の種類および前記操作認識手段で認識された前記指の操作に対応するコマンドを特定するコマンド特定手段111と、前記コマンド特定手段で特定されたコマンドを対象機器に送信するコマンド送信手段112とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指の種類および指の操作に対応したコマンドを対象機器に送信して制御するリモートコントローラ及び遠隔操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象の機器・装置等に赤外線等を利用してコマンドを送信し、自由に制御するリモートコントローラとして、テレビジョン、ビデオ、オーディオ、エアコン等の電気機器のリモートコントローラがある。一般的に、これらのリモートコントローラには、各種コマンドに対応した複数のボタンが配置されており、該ボタンを選択・押下することで所望のコマンドが対象の機器・装置等に送信される。そして、該コマンドを受信した対象の機器・装置等は該コマンドを実行する。
【0003】
また、これらのリモートコントローラの中には、設置された複数のボタンの中から所望のコマンドに対応したボタンを探すことなく、操作をわかりやすく効率よく行うことができるように設置するボタンの数を減らしたリモートコントローラがある。
【0004】
例えば、特許文献1には、予め送信したいデータの種類を区別し、区別されたデータと指紋特徴とを対応付けて記憶させておき、入力した指紋特徴を検索キーとして指紋特徴に対応付けられたデータを取得し、取得したデータを送信する携帯情報端末装置が開示されている。
【特許文献1】特開2000−270385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に示す携帯情報端末装置のような従来のリモートコントローラは、複数のボタンを管理する煩雑さを避け、より簡単に効率よく対象の機器・装置等の制御するためにリモートコントローラ上で扱うコマンドの数を制限している。このため、1回で送信できる操作コマンドは1つの指紋特徴に対して1つしか設定されておらず、連続して多くのコマンドを送信する複雑な処理を行う場合については考慮されていない。
【0006】
一般に、リモートコントローラの対象の機器・装置等が発展して多機能化するに伴い、その機能を制御するため、より多くのコマンドを入力・送信する必要がある。よって、これらのコマンドの入力・送信を簡単に行い、ユーザの負担を軽減するために新たな仕組みを実現することが必要である。
【0007】
そこで、本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、ボタンの数を減らすことで、ユーザの操作負担を軽減することができるリモートコントローラおよび遠隔操作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明のリモートコントローラは、ユーザを認識するユーザ認識手段と、指の種類を認識する指認識手段と、指の操作を認識する操作認識手段と、前記ユーザ認識手段で認識されたユーザの個人設定に基づき、前記指認識手段で認識された前記指の種類および前記操作認識手段で認識された前記指の操作に対応するコマンドを特定するコマンド特定手段と、前記コマンド特定手段で特定されたコマンドを対象機器に送信するコマンド送信手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記ユーザを認識し、前記指の種類を特定し、前記指の操作を読み取り、前記ユーザの個人設定に基づき、前記指の種類および前記指の操作によって前記対象機器を制御する前記コマンドを特定し、該コマンドを対象機器に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ボタンの数を減らすことで、ユーザの操作負担を軽減することができるリモートコントローラおよび遠隔操作方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1に、本実施形態に係るリモートコントローラの一態様を示す。このリモートコントローラ100は、例えば、パーソナルコンピュータ等の外部のデジタル機器との接続ができる多機能のテレビジョン等を遠隔操作する装置として実現されている。
【0012】
さらに、本実施の形態におけるリモートコントローラ100は、ユーザの静脈パターンや指紋パターン等の個人認識情報、およびユーザが設定した個人用の操作設定を記憶することができる。該操作設定は、指の種類と指の操作に対応した各種コマンドを決定するものである。
【0013】
これにより、本実施の形態におけるリモートコントローラ100は、各種コマンドに対応した複数のボタンを用いることなく、所望のコマンドを選択・決定することできる。また、指の操作を複数のパターンに増やして設定することで、多機能の機器・装置等を制御する複数のコマンドを処理することができる。従って、本実施の形態におけるリモートコントローラ100は、ボタンの数を減らし、ユーザの操作負担を軽減することができる。
【0014】
図1(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係るリモートコントローラ100の外観の一例を示す図である。図1(a)は、本実施の形態のリモートコントローラ100をタッチパッド設置面100Aから見た図であり、図1(b)は、本実施の形態のリモートコントローラ100をタッチパッド設置面100Aと対向した面である指認識ボタン設置面100Bから見た図である。図1(a)に示すように、本実施の形態のリモートコントローラ100のタッチパッド設置面100Aには、操作内容を表示する表示部101と、指の操作を読み取るタッチパッド102が設けられている。
【0015】
また、図1(b)に示すように、本実施の形態のリモートコントローラ100の指認識ボタン設置面100Bには、指の種類を認識する指認識部103が設けられ、該指認識部103には、人差し指を認識する人差し指認識ボタン104、中指を認識する中指認識ボタン105、薬指を認識する薬指認識ボタン106、および小指を認識する小指認識ボタン107が設けられている。従って、このリモートコントローラ100を使って対象の機器や装置等を制御する際、ユーザは、リモートコントローラ100のタッチパッド設置面100Aに設けられたタッチパッド102を指でなぞる操作と、リモートコントローラ100の指認識ボタン設置面100Bに設けられた4つのボタンの中の1つを選択・決定する操作とを行うだけでよい。
【0016】
また、本実施の形態のリモートコントローラ100は、タッチパッド102と指認識指認識部103とをそれぞれ対向した別の面に設けることで、両方の面から同時にリモートコントローラ100の操作を行うことを可能にする。
【0017】
本実施の形態のリモートコントローラ100は、このような簡単な操作で複数のコマンドを送信し、多機能の機器や装置等を制御する仕組みを提供するものであり、以下、この点について詳述する。
【0018】
図2は本発明の一実施形態に係るリモートコントローラ100におけるシステムの構成を示している。また、本実施の形態では、例えば、ユーザを認識するために用いる個人認識情報として指紋パターンの照合を想定した例を示す。
【0019】
図2に示すように、本実施の形態におけるリモートコントローラ100は、タッチパッド102、指認識部103、記憶部108、GUI制御部109、ユーザ認識部110、コマンド特定部111、および送信部112等を備えている。
【0020】
タッチパッド102は、表面をなぞる指の操作を読み取り、GUI制御部109に出力する。また、タッチパッド102は、表面に付けられた指から指紋パターンを読み取り、記憶部108に出力する。
【0021】
指認識部103は、人差し指認識ボタン104、中指認識ボタン105、薬指認識ボタン106、および小指認識ボタン107を有し、ユーザが選択・押下したボタンの種類によりユーザが選択した指の種類を認識する。そして、認識した結果をGUI制御部109に出力する。なお、本実施の形態では、リモートコントローラ100の裏側に人差し指認識ボタン104、中指認識ボタン105、薬指認識ボタン106、および小指認識ボタン107を設けているが、これに限らず、例えば、ボタンを1つだけ設置し、連続して押下する回数で指の種類を認識してもよい。また、ボタンを用いて指の種類を認識する手段に限らず、各指の指紋パターンを読み取ることで種類を認識する等、指の種類を認識する手段であればよい。
【0022】
記憶部108は、例えば、タッチパッド102から出力された個人認識情報である指紋パターンと、ユーザが自ら設定した個人用の操作設定とを記憶することができる。該操作設定は、指の種類と指の操作に対応した各種コマンドを決定するものである。
【0023】
GUI制御部109は、タッチパッド102および指認識部103からの入力を受けて、記憶部108に記憶された情報を読み出し、ユーザ認識部110およびコマンド特定部111を制御する。また、GUI制御部109は、ユーザ認識部110から出力される情報を受けて表示部101を制御する。さらに、GUI制御部109は、本実施の形態におけるリモートコントローラ100を操作するガイダンスを表示する。
【0024】
ユーザ認識部110は、GUI制御部109の制御の下、例えば、タッチパッド102を介して読み取った指紋パターンと記憶部108に記憶されている指紋パターンとを照合してユーザの認識をする。そして、認識した結果をGUI制御部109に出力する。なお、本実施の形態では、指紋パターンを読み取る手段にタッチパッド102を用いているが、これに限らず、スライド型のセンサを用いて指紋パターンを読み取る手段等、指紋パターンを読み取ることができる手段であればよい。
【0025】
コマンド特定部111は、GUI制御部109の制御の下、記憶部108に記憶されている個人用の操作設定に基づき、タッチパッド102および指認識部103を介して出力された指の種類および指の操作に対応する所望のコマンドを特定する。そして、特定したコマンドを送信部112に出力する。
【0026】
送信部112は、例えば赤外線等を利用して、コマンド特定部111で特定された再生や録画等のコマンドを遠隔操作対象の機器であるテレビジョン200に送信する。
【0027】
次に、図3を参照して、指の種類および指の操作に対応したコマンドの設定について説明する。
指の種類および指の操作に対応したコマンドの設定の方法は、例えば、表示部101に表示するリモートコントローラ100を操作するガイダンスに従って、ユーザが個人認識情報である指紋パターンと、個人用の操作設定とを登録する方法を想定している。
【0028】
図3(a)は、表示部101に表示されるユーザ登録の画面を示している。ユーザが表示画面の指示に従って指紋登録を行う指をタッチパッド102の表面におくと、タッチパッド102は指紋パターンを読み取り記憶部108に出力する。タッチパッド102からの指紋パターンの出力がなされると、記憶部108は登録完了の信号をGUI制御部109に送信する。この信号を取得したGUI制御部109は、表示部101の表示を図3(b)に示すように更新し、指の種類と、タッチパッド102の表面をなぞる指の操作を登録できる表示にする。
【0029】
図3(b)の表示がされたとき、ユーザは、本リモートコントローラ100の裏側に設置された人差し指認識ボタン104、中指認識ボタン105、薬指認識ボタン106、および小指認識ボタン107の中から1つのボタンを選択して押下する。次に、タッチパッド102の表面を指でなぞる操作を行う。
【0030】
図3(b)は、例えば、人差し指のアイコン3a1、中指のアイコン3a2、薬指のアイコン3a3、小指のアイコン3a4の中から、ユーザが中指認識ボタン105を押すことでカーソル3aを操作して中指のアイコン3a2を選択・決定し、タッチパッド102の表面をなぞる指の操作を右から左へスライドさせる操作に決定した場合を示している。
【0031】
ユーザによる入力操作が行われると、該操作は登録情報としてGUI制御部109に伝達される。登録情報を受けたGUI制御部109は、表示部101の表示を図3(c)に示すように更新し、ユーザが指の種類と指の操作に対応したコマンドの設定を行うことができるようにする。
【0032】
図3(c)は、本実施の形態におけるリモートコントローラ100で制御する多機能のテレビジョンのコマンドをアイコンとして表示部101に表示する様子を示している。例えば、このテレビジョンでは、20種類のコマンドがあると想定する。そして、本実施の形態におけるリモートコントローラ100では、タッチパッド102の表面で指を上下左右にスライドする操作により、カーソル3aを上下左右に制御し、タッチパッド102の表面で指をタップする操作により所望のアイコンを選択・決定することができる。
【0033】
ここで、ユーザは、例えば、表示されるコマンドのアイコンの1つである「録画」のアイコンを選択・決定した場合、この選定指示はGUI制御部109に伝達される。選定指示を受けたGUI制御部109は、「録画」のコマンドを図3(b)で登録した指の種類と指の操作に対応するコマンドとして記憶部108に出力する。
【0034】
上述の動作を繰り返して、ユーザは、指の種類と指の操作に対応する多機能のテレビジョンの各種コマンドを決定する。
本実施の形態におけるリモートコントローラ100では、ユーザを認証する手段と、ユーザが自ら操作設定を登録する手段を有することで、各ユーザの好みに合わせた操作を実現することができる。以下では、図4を参照して、種類および指の操作に対応したコマンドを設定するまでの流れについて説明する。
【0035】
図4は種類および指の操作に対応したコマンドを設定するまでの手順を示したフローチャートである。
まず、GUI制御部109は、表示部101にユーザを認識する個人認識情報である指紋パターンを登録させる画面を表示する(ステップS101)。次に、GUI制御部109は、タッチパッド102等を介して認識した指紋パターンを記憶部108に出力する。
【0036】
記憶部108は、GUI制御部109から出力された情報をユーザの個人認識情報として記憶する(ステップS102)。次に、GUI制御部109は、表示部101に指の種類と、タッチパッド102の表面をなぞる指の操作を登録させる画面を表示する(ステップS103)。そして、GUI制御部109は、指認識部103およびタッチパッド102等を介して認識した指の種類と、タッチパッド102の表面をなぞる指の操作に対応したコマンドを決定する(ステップS104)。
【0037】
GUI制御部109は、ステップS104でユーザが決定した指の種類と、タッチパッド102の表面をなぞる指の操作に対応したコマンドをユーザの個人用の操作設定として記憶部108に出力する。
【0038】
記憶部108は、GUI制御部109から出力されたユーザの個人用の操作設定を記憶する(ステップS105)。
上述の手順を繰り返し、個人用の操作設定を登録した一例について図5を参照して説明する。
図5は、人差し指、中指、薬指、および小指の4種類の指におけるタッチパッド102の表面をなぞる各指の操作に対応した多機能のテレビジョンの各種コマンドを示している。
【0039】
本実施の形態では、例えば、タッチパッド102の表面をなぞる各指の操作としてタップ、右から左へのスライド、左から右へのスライド、下から上へのスライド、および上から下へのスライド等の操作を例として示している。
【0040】
本実施の形態では、例えば、遠隔操作対象の機器であるテレビジョン200を制御する各種コマンドを4つの種類に分けて設定している。例えば、テレビジョン200とパーソナルコンピュータとの接続をした場合、人差し指には、カーソルや決定キー等の動作を制御する類型のコマンドが設定してある。また、中指に設定された各種コマンドは、テレビジョン・ビデオ切り替え、チャンネル選択、および音声調節等のテレビジョン機能を制御する類型のコマンドが設定してある。そして、薬指および小指には、録画や再生等のビデオ機能を制御する類型のコマンドが設定してある。
【0041】
ここで、例えば、ユーザが、指認識部103の人差し指認識ボタン104を選択・押下してタッチパッド102の表面をタップする操作を行うと、人差し指におけるタップ操作に対応した決定キーを制御するコマンドがテレビジョン200に送信される。同様に、人差し指認識ボタン104を選択・押下してタッチパッド102の表面を上下左右になぞる操作を行うと、人差し指における上下左右のスライド操作に対応したカーソルを制御する各コマンドがテレビジョン200に送信される。従って、本実施の形態では、1つのボタンで5つのコマンドを入力することを実現する。
【0042】
また、本実施の形態では、図5で示した指の操作に限らず、タッチパッド102に表面に数字やひらがな等の文字を書く指の操作や、簡単な図形を描く指の操作等をユーザの好みに合わせて設定することで、コマンドの種類を増やすことができる。
【0043】
上述した通り、本実施の形態におけるリモートコントローラ100では、指の種類と、タッチパッド102の表面をなぞる指の操作とに対応したコマンドを設定する手段を有することで、リモートコントローラ100の本体上に各種コマンドに対応した複数のボタンを設けることなく、複数のコマンドを処理することができる。
【0044】
次に、図6を参照して所望のコマンドを送信するまでの流れを説明する。ここでは、本実施の形態におけるリモートコントローラ100が制御する多機能のテレビジョンに録画を実行するコマンドを送信する場合を例にして説明する。また、説明を分かりやすくするため、ここでは、予め図3および図4で示した内容の登録を行っていると想定する。
【0045】
図6(a)は、はじめに表示部101に表示されるユーザ認識の待ち受け画面を示している。ユーザが表示部101の表示に従って、予め指紋登録を行っている指をタッチパッド102の表面につけると、タッチパッド102は、指紋パターンを読み取りGUI制御部109を介してユーザ認識部110に出力する。
【0046】
タッチパッド102からの指紋パターンの出力がなされると、ユーザ認識部110は、GUI制御部109を介して記憶部108から登録された過去の指紋パターンを読み出し、それらの照合を行うことでユーザを認識する。ユーザの認識が完了すると、ユーザ認識部110は、ユーザ認識完了の信号をGUI制御部109に送信する。この信号を取得したGUI制御部109は、表示部101の表示を図6(b)に示すように更新し、ユーザが所望のコマンドの入力を確認できるようにする。
【0047】
ここで、ユーザの認識ができない場合、ユーザ認識部110は、ユーザ再認識の信号をGUI制御部109に送信する。この信号を取得したGUI制御部109は、表示部101の表示を図6(a)の状態に維持する。
【0048】
図6(b)は、図4に示したユーザの個人用の操作設定を表示部101に表示する様子を示している。ここで、ユーザが、図6(b)に示された表示画面を確認し、所望のコマンドを送信する指の種類と、タッチパッド102の表面をなぞる指の操作を行った場合、指認識部103およびタッチパッド102は、それぞれ指の種類と指の操作を認識し、GUI制御部109を介してコマンド特定部111に出力する。
【0049】
指認識部103およびタッチパッド102から指の種類と指の操作の出力がなされると、コマンド特定部111は、GUI制御部109を介して記憶部108から登録されたユーザの個人用の操作設定を読み出し、それらの照合を行うことでコマンドを特定する。コマンドの特定が完了すると、コマンド特定部111は、特定されたコマンドを送信部112に出力し、送信部112は、該コマンドを遠隔操作対象の機器であるテレビジョン200に送信する。
【0050】
ここで、コマンドの特定ができない場合、コマンド特定部111は、コマンド再入力の信号をGUI制御部109に送信する。この信号を取得したGUI制御部109は、表示部101の表示を図6(b)の状態に維持する。
【0051】
上述した通り、本実施の形態におけるリモートコントローラ100では、指の種類と、タッチパッド102の表面をなぞる指の操作を表示部101に表示させることで、簡単に効率よく操作することができる。
【0052】
次に、図7のフローチャートを参照して、所望のコマンドを送信するまでの流れを説明する。
まず、GUI制御部109は、表示部101にユーザを認識する個人認識情報である指紋パターンを入力させる画面を表示する(ステップS201)。個人認識情報の入力がなされると、ユーザ認識部110は、GUI制御部109を介して記憶部108から登録された過去の指紋パターンを読み出し、それらの照合を行うことでユーザを認識する(ステップS202のYes)。
【0053】
ここで、ユーザの認識ができない場合、ユーザ認識部110は、ユーザ再認識の信号をGUI制御部109に送信する。この信号を取得したGUI制御部109は、表示部101の表示を、個人認識情報を入力させる画面に維持する(ステップS202のNo)。
【0054】
ユーザの認識が完了すると、ユーザ認識部110は、ユーザ認識完了の信号をGUI制御部109に送信する。次に、GUI制御部109は、表示部101に所望のコマンドを入力する指の種類と指の操作が確認できる画面を表示する(ステップS203)。
【0055】
ユーザによる入力が行われると、GUI制御部109は、指認識部103およびタッチパッド102を介して認識した指の種類と指の操作をコマンド特定部111に出力する。コマンド特定部111は、GUI制御部109を介して記憶部108から登録されたユーザの個人用の操作設定を読み出し、それらの照合を行うことでコマンドを特定する(ステップS204のYes)。
【0056】
ここで、コマンドの特定ができない場合、コマンド特定部111は、コマンド再入力の信号をGUI制御部109に送信する。この信号を取得したGUI制御部109は、表示部101の表示を、所望のコマンドを送信する指の種類と指の操作が確認できる画面に維持する(ステップS204のNo)。
【0057】
コマンド特定部111は、特定されたコマンドを送信部112に出力する。送信部112は、コマンド特定部111から出力されたコマンドを遠隔操作対象の機器であるテレビジョン200に送信する(ステップS205)。
【0058】
以上のように、本実施の形態においては、リモートコントローラ100の本体に設置するボタンの数を減らすことで、ユーザの操作負担を軽減することができる。
また、本実施の形態では、ユーザを認証する手段と、ユーザが自ら操作設定を登録する手段を有することで、各ユーザの好みに合わせた操作を実現することができる。
【0059】
また、本実施の形態では、ユーザを認証するための個人認証情報として、指紋パターンを用いたが、これに限らず、静脈パターン等のユーザを認識できる情報であればよい。
【0060】
また、本実施の形態では、タッチパッド102の表面をなぞる指の操作をユーザの好みに合わせて設定することで、コマンドの種類を増やすことができる。また、指の種類と、タッチパッド102の表面をなぞる指の操作を表示部101に表示させることで、簡単に効率よく操作することができる。
【0061】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の記録装置の一実施の形態の外観を示す図である。
【図2】図1の実施の形態におけるブロック図である。
【図3】図1の実施の形態におけるユーザ登録の一例を説明する図である。
【図4】図1の実施の形態におけるユーザ登録の手順を示すフローチャートである。
【図5】図1の実施の形態における指の種類と指の操作に対応したコマンドの一例を示す図である。
【図6】図1の実施の形態における所望のコマンドを選択・送信する画面の一例を示す図である。
【図7】図1の実施の形態における所望のコマンドを選択・送信する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
100 リモートコントローラ本体
101 表示部
102 タッチパッド
103 指認識部
104 人差し指認識ボタン
105 中指認識ボタン
106 薬指認識ボタン
107 小指認識ボタン
108 記憶部
109 GUI制御部
110 ユーザ認識部
111 コマンド特定部
112 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを認識するユーザ認識手段と、
指の種類を認識する指認識手段と、
指の操作を認識する操作認識手段と、
前記ユーザ認識手段で認識されたユーザの個人設定に基づき、前記指認識手段で認識された前記指の種類および前記操作認識手段で認識された前記指の操作に対応するコマンドを特定するコマンド特定手段と、
前記コマンド特定手段で特定されたコマンドを対象機器に送信するコマンド送信手段と
を具備することを特徴とするリモートコントローラ。
【請求項2】
前記指の種類に対応するボタンを更に具備し、
前記指認識手段は、前記ボタンが押されることで前記指の種類を認識することを特徴とする請求項1記載のリモートコントローラ。
【請求項3】
表面をなぞる指の軌跡を読み取るタッチパッドを更に具備し、
前記操作認識手段は、前記タッチパッドの表面をなぞる指の軌跡を読み取ることで前記指の操作を認識することを特徴とする請求項2記載のリモートコントローラ。
【請求項4】
前記タッチパッドを第1の面に具備し、前記第1の面と対向する第2の面に前記ボタンを具備することを特徴とする請求項3記載のリモートコントローラ。
【請求項5】
操作ガイダンスを表示する表示手段を更に具備することを特徴とする請求項4記載のリモートコントローラ。
【請求項6】
前記表示手段は、ユーザを認識するためのユーザ認識情報および前記個人設定を登録する操作ガイダンスを表示することを特徴とする請求項5記載のリモートコントローラ。
【請求項7】
ユーザの指の静脈パターンを記憶する記憶手段を更に具備し、
前記ユーザ認識手段は、前記記憶手段で記憶された前記静脈パターンに基づき、ユーザを認識することを特徴とする請求項1記載のリモートコントローラ。
【請求項8】
ユーザの指の指紋パターンを記憶する記憶手段を更に具備し、
前記ユーザ認識手段は、前記記憶手段で記憶された前記指紋パターンに基づき、ユーザを認識することを特徴とする請求項1記載のリモートコントローラ。
【請求項9】
ユーザの固有の情報に基づき、指の種類および指の操作に対応したコマンドを対象機器に送信して制御する遠隔操作方法であって、
前記ユーザを認識し、
前記指の種類を特定し、
前記指の操作を読み取り、
前記ユーザの個人設定に基づき、前記指の種類および前記指の操作によって前記対象機器を制御する前記コマンドを特定し、
該コマンドを対象機器に送信すること
を特徴とする遠隔操作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−88653(P2009−88653A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252033(P2007−252033)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】