説明

レーザーによる硬質材料の合成方法と表面改質方法

【課題】任意形状を持つダイヤモンドおよび立方晶窒化ホウ素(c−BN)の合成方法を提供する。
【解決手段】パルスレーザーを多方向からグラファイトおよび六方晶窒化ホウ素(h−BN)に照射し、瞬間かつ局所的に高温高圧環境を作り出し、グラファイトおよびh−BN上の集光点の位置を移動させることにより、合成点5が移動し、ミリオーダーの任意形状ダイヤモンドおよびc−BNが合成される。またレーザー照射によりダイヤモンドおよびc−BNを合成し、ダイヤモンドおよびc−BNのコーティングが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラファイト又はh−BNに多方向からレーザーを照射することにより、任意形状を持つダイヤモンド又はc−BNからなる硬質材料の合成方法を提供する。本発明に関する硬質材料とはダイヤモンド或いは立方晶窒化ホウ素をさす。
【従来の技術】
【0002】
従来、ダイヤモンド生成には高温高圧法および化学気相成長(CVD)法があるが、それらの方法により細かい粒子状のダイヤモンドの合成は可能である。例えば低圧誘導結合プラズマを用いることによって、低圧プラズマCVD法によりサブミクロン単位の大きさのダイヤモンド微粒結晶を成長堆積させるダイヤモンドを合成する方法が開示されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平15-055087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ダイヤモンドは加圧焼結法或いは等方加圧焼結法で圧力を直接加えながら合成するため、複雑な形状を持つセラミックスの合成は圧力を加えるのが難しく、困難である。また数ミリほどのダイヤモンドの結晶を合成するためには、長時間を要するため生産性が低い。さらにダイヤモンドは1000〜2000℃の高温度かつ2〜7GPa程度の超高圧焼結法で合成するため合成段階において複雑な形状のものは圧力を均一にすることが難しいため合成ができない。またダイヤモンドは極めて硬いため、母材からの任意形状への加工は極めて困難である。
【0004】
CVD法を用いたダイヤモンド合成法も粒子径が数ミクロン単位の細かい粒子であり、数ミリの結晶を合成することができない。c−BNもダイヤモンドと同様に極めて硬いため、合成後の加工が困難である。またc−BNの合成も高温高圧法およびCVD法で行われるが、ダイヤモンドの合成方法と同様な課題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ダイヤモンドおよびc−BNを合成段階で、ミリオーダーの任意な形状に合成する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、請求項1および請求項2に係る任意形状のダイヤモンドの合成は、パルスレーザーを多方向からグラファイトに照射し、瞬間かつ局所的に高温高圧環境(数万℃、10GPa以上)を作り出し、グラファイトの照射位置を移動させることにより合成位置が移動する手法により可能となる。
【0007】
グラファイトの他にもフラーレン、カーボンナノチューブ、黒鉛、活性炭、DLC、ダイヤモンド微粒子が有効である。特にフラーレンまたはカーボンナノチューブはグラファイトが持つ安定な構造ではないため、瞬間的に高温高圧環境を与えることにより不安定な状態になり構造が壊れ易い。そのためこれらの材料はダイヤモンドの合成材料として特に有効である。
【0008】
しかし、グラファイトにレーザーを多方向から照射しても、結晶と結晶の間の粒界がないため微粒のダイヤモンドしか合成できず、任意形状の大きなダイヤモンドを作ることが難しい。また合成された多結晶ダイヤモンドはひずみが大きく、もろい。
【0009】
そこで、他のレーザーでは困難な波長スキャンが可能である自由電子レーザー(FEL)を用い、レーザーの波長をメタン(CH)のC−Hの伸縮振動(波長3.5μm)に合わせることでメタンの分子振動を極大にすることにより、CHが活性化状態になり、C−H結合が解離する。FELをダイヤモンドの成長面に照射することにより、上記ダイヤモンド成長面上に存在するC−H結合から水素が解離する。水素は水素分子となって上昇し、格子欠陥の原因となる水素が周囲のダイヤモンドの構造を破壊することなく除去される。したがって、ダイヤモンド結晶成長段階において格子欠陥の原因となる水素がダイヤモンド中に混入することを未然に防ぐことができる。
【0010】
レーザーが集中する合成点に電子を照射することによりC−Hの結合が切断されやすくなり、ダイヤモンドの合成を促進する効果がある。(参照、J.A.Gonzalez, O.L.Figueroa, B.R.Weiner, G.Morell, Study of the effects of low-energy electron bombardment during the chemical vapor deposition of diamond. J. Mater. Res., v. 16, No.1, 2001, p.293) 合成点ではレーザーにより瞬間的にプラズマが発生し、ラジカルよりCHが解離する。また容量および誘導結合型プラズマ、グロープラズマ、アークプラズマなどで発生したラジカルよりCHが解離する。CH分子を励起・解離することにより、ダイヤモンドの合成を促進することができる。
【0011】
ダイヤモンド合成用レーザーとしてパルス幅が小さい短パルスレーザーが有効である。この理由としては合成されたダイヤモンドを合成用レーザーによって損耗することを防ぐためである。安定化用レーザーによってCHが解離し、合成レーザーによって合成されたダイヤモンドが粒界(のり)の役目を果たすため、歪みが少ない任意形状のダイヤモンドの合成が可能となる。粒界によりダイヤモンドの結晶内の歪みのエネルギーが緩和されるため、ダイヤモンドがもろくなくなるためである。
【0012】
グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、黒鉛、活性炭にSc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Hf, Ta, W, Re, Os, Ir, Pt, Au, Hgなどの遷移金属を微量ドープした複合体にレーザーを照射することにより、光のエネルギーが電子励起し、緩和する過程で、構造がspに変化を促進し、遷移金属がない場合よりも加速的にダイヤモンドを合成する。また金属が触媒として機能し、ダイヤモンドの合成を用意にする効果がある。(参照、V.Lavrentiev, H.Abe, S.Yamamoto, H.Naramoto, K.Narumi, Mol. Cryst. Liq. Cryst. Sci. Technol., Sect. A, v. 386, 2002, p.139)
グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、黒鉛、活性炭の粉体にCVD法によってダイヤモンド、DLCあるいはc−BNをナノコーティングすることで、表面張力が発生する。このナノ複合体をバインダーと共に300℃で焼結し、成型する。成型体にレーザーを照射することにより瞬間的にナノ複合体内部が高温高圧になり、炭素原子がより均一で対象性の良い構造を求めるため(拘束条件)、粒子間の凝集力が高まり、ダイヤモンドまたはB−C−N三元系化合物の合成を加速的に促進する。また金属が触媒として機能し、ダイヤモンドの合成を容易にする効果がある。
【0013】
h−BNの粉体にCVD法によってダイヤモンド、DLCあるいはc−BNをナノコーティングすることで、表面張力が発生する。このナノ複合体をバインダーと共に300℃で焼結し、成型する。成型体にレーザーを照射することにより瞬間的にナノ複合体内部が高温高圧になり、窒素およびホウ素原子がより均一で対象性の良い構造を求めるため(拘束条件)、粒子間の凝集力が高まり、c−BNまたはB−C−N三元系化合物の合成を加速的に促進する。
【0014】
即ち、本発明により、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、DLC等にレーザーを三次元的に照射することにより、任意形状のダイヤモンドを合成することができる。具体的には、ダイヤモンドの合成時にメタンなどの有機ガスを高周波水素プラズマにより励起し、更にレーザーの波長を有機ガスのC−Hの結合を切断することが可能な波長(3.5μm)に合わせることにより、気相成長中に漂う有機ガスのC−Hの結合を選択的に切断してダイヤモンドの結晶化を高めることができる。又、六方晶窒化ホウ素(h−BN)に波長を制御したレーザーを照射することにより、立方晶窒化ホウ素(c−BN)が合成できる。
【0015】
更に、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、DLC、h−BNなどに遷移金属を微量混入することにより、レーザーによって金属原子が電子励起され、合成緩和過程でダイヤモンド合成時の構造欠陥などを自己修復してダイヤモンドの結晶化を促進することができ、又電子の持つエネルギーを制御することにより、有機ガスのC−Hの結合を切断し、H不純物を除去する効果がある。
【発明の効果】
【0016】
以上述べたことから明らかのように、本発明により任意形状を持つ大型のダイヤモンドの合成が可能となる。またダイヤモンドはディスプレイの発光素子として使われている冷陰極素子として有望な用途がある。そこで、針のようなダイヤモンドを合成することができれば、冷陰極素子として用いられる可能性がある。更にまた切削工具へのc−BNの新しいコーティング方法として用いられる可能性がある。
【0017】
本発明により、従来の鉄系構造材料がセラミックスに移行するきっかけとなる。セラミックスは軽く、硬く、耐腐食性を持つが、加工が難しいことが難点であった。本発明を応用することにより、複雑な形状を持つセラミックス構造材料ができる。一例をあげると、セラミックスエンジンが開発されれば、高温で燃焼することが可能なため、燃費の優れた低公害エンジンができる。また建築材料および航空材料も大部分がセラミックス特にダイヤモンドに代わることが予想される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の一例におけるダイヤモンド合成装置の概略図である。合成用レーザー発振ユニット1から発振したレーザー7はビームスプリッター3により二方向に分離し、ミラー4でレーザー7を反射し、ビームスプリッター3により二方向に分離する。二方向に分離したレーザー7は集光レンズ6により集光され、5方向からカーボンの一点に集中照射する。
【0019】
即ち、合成用レーザー発振ユニット1から発振した合成用レーザー7は、ビームスプリッター3(1)により二方向に分離され、その一方のレーザー7(1)がミラー4(1)及び4(2)で反射され、ビームスプリッター3(2)及び集光レンズ6(1)を経て成型されたグラファイト11の合成点5に照射される。ビームスプリッター3(1)により分離された他方のレーザー7(2)がミラー4(3)で反射され、ビームスプリッター3(3)で二方向に分離され、その一方が集光レンズ6(2)を経て成型されたグラファイト11の合成点5に照射され、又ビームスプリッター3(3)で分離された他方のレーザー7(3)がミラー4(4)、ミラー4(5)及び集光レンズ6(3)を経て成型されたグラファイト11の合成点5に照射される。このようにして、レーザーがグラファイトの合成点に四方向からに水平方向に照射される。更に、安定化用レーザー発振ユニット2から発振した安定化レーザー7aがグラファイト11の合成点5に垂直方向から照射される。
【0020】
レーザー7はパルス化されており、パルス間隔はマイクロ〜ナノ秒である。レーザー7としてフェムト秒レーザーも有効である。また照射直後に、照射対象となるカーボンをxyzステージ8でわずかに移動させる。xyzステージ8はxyzステージ制御コントロール用PC10に接続されており、パソコンで照射対象となる成されたグラファイト11を移動させることができる。ステージの移動工程はあらかじめxyzステージ制御コントロール用PC10に登録されており、xyzステージ8はその工程にしたがって移動することにより、複雑な形状を持つダイヤモンドの合成が可能である。
【0021】
FELレーザーは広い波長領域(0.4〜50μm)で発振し、C−H結合の伸縮振動と同じ振動数(8.61×1013Hz)に発振波長を合わせる事が可能である(特開2000−143392号公報、発振波長=光速/振動数)。また赤外レーザーの発振波長はC−H結合の伸縮振動数(2.87×1014Hz)と同じ振動数である。そのため、FELおよび赤外レーザーはC−H結合を解離させることが可能である。これらのレーザーは安定化用レーザー7aとして用いられる。
【0022】
合成用レーザー発振ユニット1から発振した合成用レーザー7はフェムト秒を始めとする超短パルスレーザーである。光の圧力と、合成点5で発生するプラズマによりダイヤモンドが瞬間的に合成される。
【0023】
図2は針状のダイヤモンドを合成する概念図である。装置下部のグラファイトロッド12aにダイヤモンド合成レーザーを照射する。装置上部にはCVD用高周波コイル12が設置されており、CHなどの有機ガスをプラズマで励起または解離し、活性なラジカルにする。ラジカルおよび励起した有機ガス分子は安定化レーザー7aにより容易に結合が切れる。グラファイトロッド12aを回転、移動させながら合成レーザー7および安定化レーザー7aを照射することで、グラファイトロッド12aの一部が構造変化を起こし、ダイヤモンド構造に変化する。グラファイトロッド12aの直径は2−3mmである。最終的にグラファイトロッド12aは針状のダイヤモンド結晶となる。
【0024】
グラファイトロッド12aの他にフラーレン、カーボンナノチューブ、黒鉛、活性炭、ダイヤモンド微粒、DLCの焼結体が有効である。他にフラーレン、カーボンナノチューブ、黒鉛、活性炭にDLCまたはダイヤモンドまたはc−BNのナノコーティングを施し焼結した複合体、h−BNにDLCまたはダイヤモンドまたはc−BNのナノコーティングを施し焼結した複合体が有効である。またフラーレン、カーボンナノチューブ、黒鉛、活性炭、ダイヤモンド微粒、DLCにSc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Hf, Ta, W, Re, Os, Ir, Pt, Au, Hgなどの遷移金属を微量ドープした複合体も有効である。
【0025】
図3はダイヤモンドあるいはc−BN薄膜をコーティングする方法である。合成用レーザー7をビームスプリッター3により2つに分け、合成用レーザー7をミラー4により反射した後、集光レンズ6を用いて、合成用レーザー7を集光し、照射対象に対して斜め方向から合成用レーザー7を一点に照射し、合成点5にてダイヤモンドあるいはc−BN薄膜を合成する。
【0026】
パルス間隔を制御して、レーザー照射間にxyステージ14に取り付けた照射対象であるグラファイトまたはh−BN13を移動させることによって、合成点5を移動する。合成点5は瞬間的に高温高圧になるので、ダイヤモンドおよびc−BNが合成され、ダイヤモンドおよびc−BNのコーティングが可能となる。
【0027】
また合成用レーザー7の強度の制御、照射面積の制御によって、ダイヤモンドおよびc−BN薄膜のコーティングの厚さと面積を制御することが可能である。
【実施例】
【0028】
図4は、本発明の装置概観図の一例である。レーザーとしてエキシマレーザー18を用い、照射エネルギーを60mJ/Pulse、照射回数500回、1秒間あたりの照射数を50回で行った。除振台17の上のグラファイト16にエキシマレーザー18を照射することにより、グラファイト16の一部がダイヤモンドになった。
【0029】
図5はエキシマレーザー18をグラファイト16に照射した後のサンプルのラマンスペクトルである。1333cm−1付近に鋭いピークが現れた。このピークはダイヤモンドのピークを示す。このことからレーザーをグラファイト16に照射することによりグラファイトの構造が変化し、ダイヤモンド構造になったことがわかった。
【0030】
図6はグラファイト16にエキシマレーザー18を照射したサンプルの走査型電子顕微鏡写真である。エキシマレーザー18をグラファイト16に照射する前は平坦であったが、エキシマレーザー18を照射することにより、図6のようにサブミクロン程の粒子が合成された。またグラファイトは導電性なので、帯電しないがダイヤモンドは絶縁体であるため帯電する。図6の粒子は白いことから帯電しているので、微粒子がグラファイトではないことがわかる。図6の結果からこれらの粒子がダイヤモンド構造を持つことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の方法は、グラファイト又はh−BNに多方向からレーザーを照射することにより、任意形状を持つダイヤモンド又はc−BNからなる硬質材料を合成することができる。即ち、任意形状を持つ大型のダイヤモンドの合成が可能となり、またディスプレイの発光素子として使われている冷陰極素子としての針のようなダイヤモンドを合成することが可能である。
【0032】
また、本発明の方法は、切削工具へのc−BNの新しいコーティング方法として用いられる可能性がある。
【0033】
更にまた、本発明の方法により、複雑な形状を持つセラミックス構造材料ができるので、セラミックスエンジンボディ本体の製造、建築用又は航空機用セラミックス材料等の製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の任意形状ダイヤモンドおよびc−BNの合成方法における概念を示す図である。
【図2】本発明の大型ダイヤモンドおよびc−BNの合成方法における概念を示す図である。
【図3】本発明のダイヤモンドおよびc−BN薄膜のコーティング方法における概念を示す図である。
【図4】本発明の装置の一例を示す概観図である。
【図5】グラファイトにエキシマレーザーを照射した試料のラマンスペクトルを示した図である。
【図6】グラファイトにエキシマレーザーを照射した試料のSEM像を示した図である。
【符号の説明】
【0035】
1 合成用レーザー発振ユニット
2 安定化用レーザー発振ユニット
3(1) ビームスプリッター
3(2) ビームスプリッター
3(3) ビームスプリッター
4(1) ミラー
4(2) ミラー
4(3) ミラー
4(4) ミラー
4(5) ミラー
5 合成点
6 集光レンズ
6(1) 集光レンズ
6(2) 集光レンズ
6(3) 集光レンズ
7 合成レーザー
7(1) 合成レーザー
7(2) 合成レーザー
7a 安定化レーザー
8 xyzステージ
9 拡大図
10 xyzステージ制御コントロール用PC
11 成型されたグラファイト
12 CVD用高周波コイル
12a グラファイトロッド
13 グラファイトまたはh−BN
14 xyステージ
15 xyステージ制御コントロール用PC
16 グラファイト
17 除振台
18 エキシマレーザー
19 エキシマレーザー発振装置




【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、黒鉛、活性炭、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)若しくはダイヤモンド微粒子;フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、黒鉛若しくは活性炭に立方晶窒化ホウ素(c−BN)、DLC若しくはダイヤモンドのナノコーティングを施して焼結した複合体;又はダイヤモンド微粒子を含有するフラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、黒鉛、活性炭、DLC若しくはこれらの複合体に、多方向からレーザーを照射することによって、任意形状のダイヤモンドを迅速に合成することを特徴とするレーザーによる硬質材料の合成方法。
【請求項2】
フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、黒鉛、活性炭、DLC若しくはダイヤモンド微粒子;フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、黒鉛若しくは活性炭にc−BN、DLC若しくはダイヤモンドのナノコーティングを施して焼結した複合体;又はダイヤモンド微粒子を含有するフラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、黒鉛、活性炭、DLC若しくはこれらの複合体をコーティングした材料に、レーザーを照射することにより、材料表面をダイヤモンドに構造変化させることで表面改質をすることを特徴とするレーザーによる硬質材料の合成方法。
【請求項3】
フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、黒鉛、活性炭、DLC若しくはダイヤモンド微粒子;フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、黒鉛若しくは活性炭にc−BN、DLC若しくはダイヤモンドのナノコーティングを施して焼結した複合体;又はダイヤモンド微粒子を含有するフラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、黒鉛、活性炭、DLC若しくはこれらの複合体に、収束された電子ビームを照射しながら、レーザーを照射しダイヤモンドを合成することを特徴とするレーザーによる硬質材料の合成方法。
【請求項4】
六方晶窒化ホウ素(h−BN)若しくはh−BN粉体にc−BN、ダイヤモンド若しくはDLCのナノコーティングを施して焼結した複合体、c−BN微粒子を含有するh−BN、又はこれらの混合体に、多方向からレーザーを照射することによって、任意形状のc−BNを迅速に合成することを特徴とするレーザーによる硬質材料の合成方法。
【請求項5】
h−BN若しくはh−BN粉体にc−BN、ダイヤモンド若しくはDLCのナノコーティングを施して焼結した複合体、c−BN微粒子を含有するh−BNをナノコーティングを施して焼結した複合体、又はこれらを混合した材料に、レーザーを照射することにより、表面をc−BNに構造変化させることで表面改質をすることを特徴とするレーザーによる硬質材料の合成方法。
【請求項6】
h−BN若しくはh−BN粉体にc−BN、ダイヤモンド若しくはDLCのナノコーティングを施して焼結した複合体、c−BN微粒子を含有するh−BN、又はこれらの複合体に、収束された電子ビームを照射しながら、レーザーを照射してc−BNを合成することを特徴とするレーザーによる硬質材料の合成方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかにおけるダイヤモンド、c−BN又はそれらの複合体を合成する際に、プラズマによって励起した有機ガス、ホウ素系窒化ガス若しくはアンモニア、又は高密度の有機ガス、ホウ素系窒化ガス若しくはアンモニア雰囲気下で、レーザー照射によりダイヤモンドおよびc−BNの合成することを特徴とする方法。
【請求項8】
フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、黒鉛、活性炭、DLC若しくはダイヤモンド微粒子;フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、黒鉛若しくは活性炭にc−BN、DLC若しくはダイヤモンドのナノコーティングを施して焼結した複合体;ダイヤモンド微粒子を含有するフラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、黒鉛、活性炭、DLC、h−BN若しくはh−BN粉体にc−BN、ダイヤモンド若しくはDLCのナノコーティングを施して焼結した複合体;c−BN微粒子を含有するh−BN;又はこれらの複合体に、Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Hf, Ta, W, Re, Os, Ir, Pt, Au若しくはHgの少なくとも1つの遷移元素を少量含有させた複合体に、レーザーを照射し、ダイヤモンド、c−BN又はそれらの複合体を合成することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
レーザーは、自由電子(FEL)レーザー、X線レーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、ArFレーザー、KrFレーザー、窒素レーザー、炭酸ガスレーザー、半導体レーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、ルビーレーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、色素レーザー又はフェムト秒レーザーであり、非線形光学結晶により波長変換したものを含む請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の方法。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−210821(P2007−210821A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−31049(P2006−31049)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)
【出願人】(304023994)国立大学法人山梨大学 (223)
【出願人】(506044960)
【Fターム(参考)】