説明

レーザー加工装置およびレーザー加工方法

【課題】本発明は、厚み方向に幅を持つ加工対象物の走査の回数を減らすことができ、加工時間の短縮が可能なレーザー加工装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ウェーハWの表面からレーザー光Lを入射させてウェーハWの内部に改質領域Pを形成し、ウェーハWを個々のチップに分割するレーザー加工装置10において、ウェーハWに向けてレーザー光Lを照射するレーザーヘッド40が設けられ、レーザーヘッド40は、レーザー発振器21と、発振されたレーザー光Lを集光する集光レンズ24と、レーザー光LをウェーハWに対して、垂直に微小運動させる振動発生手段27と、を備えることを特徴とするレーザー加工装置10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー加工装置に係り、特にウェーハから半導体装置や電子部品などの個々のチップにレーザー光を用いて分割するレーザー加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表面に半導体装置や電子部品などが形成されたウェーハを個々のチップに分割するには、ダイシングブレードと呼ばれる砥石でウェーハに研削溝を入れて、ウェーハをカットするダイシング装置が用いられていた。ダイシングブレードは、微細なダイヤモンド砥粒をNiで電着したもので、厚さ30μm程度の極薄のものが用いられる。
【0003】
このダイシングブレードを30,000〜60,000rpmで高速回転させてウェーハに切込み、ウェーハを完全切断(フルカット)又は不完全切断(ハーフカット或いはセミフルカット)していた。ハーフカットはウェーハに厚さ半分程度切り込む方法で、セミフルカットは10μm程度の肉厚を残して研削溝を形成する方法のことである。
【0004】
しかし、このダイシングブレードによる研削加工の場合、ウェーハが高脆性材料であるため、脆性モード加工となり、ウェーハの表面や裏面にチッピングが生じ、このチッピングが、分割されたチップの性能を低下させる要因になっていた。特に裏面に生じたチッピングは、クラックが徐々に内部に進行するため、大きな問題となっていた。
【0005】
このような問題に対して、従来のダイシングブレードにより切断に替えて、ウェーハの内部に集光点を合わせたレーザー光を入射し、ウェーハ内部に多光子吸収による改質領域を複数形成して引き離し、個々のチップに分割するレーザーダイシング装置及びダイシング方法が提案されている(例えば、特許文献1)
【特許文献1】特開2004−111946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載されているレーザーダイシング装置では、改質層の深さ方向の厚さが決まっているため、厚い加工対象物(以下、「ワーク」ともいう)を加工する際には、複数回の走査を行う必要があり、加工に時間がかかっていた。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、厚み方向に幅を持つ加工対象物の走査の回数を減らすことができ、加工時間の短縮が可能なレーザー加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、ウェーハの表面からレーザー光を入射させて前記ウェーハの内部に改質領域を形成し、前記ウェーハを個々のチップに分割するレーザー加工装置において、前記ウェーハに向けてレーザー光を照射するレーザーヘッドが設けられ、該レーザーヘッドは、レーザー発振器と、発振されたレーザー光を集光する集光レンズと、前記レーザー光を前記ウェーハに対して、垂直に微小運動させる振動発生手段と、を備えることを特徴とするレーザー加工装置を提供する。
【0009】
請求項1によれば、振動発生手段を設け、レーザー光をウェーハに対して垂直に微小運動させている。したがって、ウェーハの厚み方向に対して異なる深さで改質領域を形成することができる。したがって、ウェーハ全体として、厚い改質領域を形成することができるので、ウェーハの走査回数を減らすことができる。
【0010】
本発明の請求項2は前記目的を達成するために、ウェーハを吸着ステージに吸着保持した状態で、ウェーハの表面からレーザー光を入射させて前記ウェーハの内部に改質領域を形成し、前記ウェーハを個々のチップに分割するレーザー加工装置において、前記ウェーハに向けてレーザー光を照射するレーザーヘッドが設けられ、該レーザーヘッドは、レーザー発振器と、発振されたレーザー光を集光する集光レンズを備え、前記吸着ステージを前記レーザー光と同方向に微小運動させる振動発生手段を備えることを特徴とするレーザー加工装置を提供する。
【0011】
請求項2によれば、レーザー光と同方向に、吸着ステージを微小運動させる振動発生手段を備えているため、請求項1と同様に、ウェーハの厚み方向に対して異なる深さ方向で改質領域を形成することができるので、擬似的に厚みのある改質領域を形成することができる。したがって、ウェーハの走査回数を減らすことができる。
【0012】
請求項3は請求項1または2において、前記振動発生手段が、ピエゾ素子であることを特徴とする。
【0013】
請求項3によれば、振動発生手段としてピエゾ素子を用いているため、微調整を容易に行うことができる。
【0014】
請求項4は請求項1から3いずれかにおいて、前記振動発生手段による振動周波数および振幅、前記ウェーハの送り速度を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項4によれば、振動周波数および振幅、ウェーハの送り速度を制御する制御手段を備えるため、制御手段により、最適な条件で改質領域の形成を行うことができる。
【0016】
本発明の請求項5は前記目的を達成するために、ウェーハの表面からレーザー光を入射させて前記ウェーハの内部に改質領域を形成し、前記ウェーハを個々のチップに分割するレーザー加工方法において、振動発生手段により前記レーザー光を前記ウェーハに対して垂直に微小振動させながら、前記ウェーハを移動させることにより、レーザー加工を行うことを特徴とするレーザー加工方法を提供する。
【0017】
本発明の請求項6は前記目的を達成するために、ウェーハの表面からレーザー光を入射させて前記ウェーハの内部に改質領域を形成し、前記ウェーハを個々のチップに分割するレーザー加工方法において、前記ウェーハが吸着保持された吸着ステージを、振動発生手段により前記レーザー光と同方向に微小振動させながら、前記ウェーハを移動させることにより、レーザー加工を行うことを特徴とするレーザー加工方法を提供する。
【0018】
請求項5および6は、請求項1および2に記載のレーザー加工装置をレーザー加工方法として展開したものであり、請求項5および6によれば請求項1および2と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、レーザー光、または、ウェーハを吸着させる吸着ステージを振動手段により振動させることで、ウェーハに形成される改質領域の位置を厚さ方向に変更させることができるので、擬似的に幅の広い改質領域を形成することができる。したがって、従来より幅の広い改質領域を形成することができるので、走査回数を従来より減らすことができ、タクトタイムを減らすことができる。また、吸着ステージを振動させた場合は、この振動によって亀裂の進展が促進されるため、分断性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面にしたがって本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、各図において同一部材には同一の番号または記号を付している。
【0021】
図1は、本発明に係るレーザー加工装置の概略構成図である。レーザー加工装置10は、図1に示すように、ウェーハ移動部11、レーザー光学部20と観察光学部30とからなるレーザーヘッド40、制御部50などから構成されている。
【0022】
ウェーハ移動部11は、レーザーダイシング装置10の本体ベース16に設けられたXYZθテーブル12、XYZθテーブル12に載置されたダイシングシートSを介してフレームFにマウントされたウェーハWを吸着保持する吸着ステージ13などからなっている。このウェーハ移動部11によって、ウェーハWの図のXYZθ方向に精密に移動される。
【0023】
レーザー光学部20は、レーザー発振器21、コリメートレンズ22、ハーフミラー23、コンデンスレンズ(集光レンズ)24、レーザー光をウェーハWに対して平行に微小移動させる駆動手段25などで構成されている。
【0024】
また、観察光学部30は、観察用光源31、コリメートレンズ32、ハーフミラー33、コンデンスレンズ34、観察手段としてのCCDカメラ35、画像処理装置38、テレビモニタ36などで構成されている。
【0025】
レーザー光学部20では、レーザー発振器21から発振されたレーザー光はコリメートレンズ22、ハーフミラー23、コンデンスレンズ24等の光学系を経てウェーハWの内部に集光される。ここでは、集光点におけるピークパワー密度が1×108(W/cm)以上でかつパルス幅が1μs以下の条件で、ダイシングシートに対して透過性を有するレーザー光が用いられる。
【0026】
観察光学部30では、観察用光源31から出射された照明光がコリメートレンズ32、ハーフミラー33、コンデンスレンズ24等の光学系を経てウェーハWの表面を照射する。ウェーハWの表面からの反射光はコンデンスレンズ24、ハーフミラー23及び33、コンデンスレンズ34を経由して観察手段としてのCCDカメラ35に入射し、ウェーハWの表面画像が撮像される。
【0027】
この撮像データは画像処理部38に入力され、ウェーハWのアライメントに用いられるとともに、制御部50を経てテレビモニタ36に写し出される。
【0028】
制御部50は、CPU、メモリ、入出力回路部等からなり、レーザー加工装置10の各部の動作を制御する。具体的には、振動制御手段による振動の周波数、ウェーハの厚み、ウェーハの送り速度を制御し、最適な条件で各部の動作を制御し、改質領域の形成を行うことができる。
【0029】
加工装置10はこの他に、図示しないウェーハカセットエレベータ、ウェーハ搬送手段、操作板、及び表示灯等から構成されている。
【0030】
ウェーハカセットエレベータは、ウェーハが格納されたカセットを上下移動して搬送位置に位置決めする。搬送手段はカセットと吸着ステージ13との間でウェーハを搬送する。
【0031】
操作板には、加工装置10の各部を操作するスイッチ類や表示装置が取付けられている。表示灯は、ダイシング装置10の加工中、加工終了、非常停止等の稼動状況を表示する。
【0032】
図2は、駆動手段25の細部を説明する概念図である。駆動手段25は、コンデンスレンズ24を保持するレンズフレーム26、レンズフレーム26の上面に取り付けられレンズフレーム26を図のZ方向に微小振動させる振動制御手段27、振動制御手段27を保持する保持フレーム28、保持フレーム28をウェーハWと平行に微小移動させるリニア微動手段であるPZ1、PZ2などからなっている。
【0033】
振動制御手段としては、ピエゾ素子などの電圧印加によって伸縮する圧電素子を用いることができる。この圧電素子の伸縮によってコンデンスレンズ24がZ方向に微小に移動し、レーザー光の焦光点のZ方向(厚さ方向)の位置をZ方向に変更させることができる。なお、本実施例においてはピアゾ素子を用いて振動制御を行っているが、本発明はこれに限らず、リニアモータなどの種々のリニアアクチュエーターを用いることができる。
【0034】
保持フレーム28は、図示しない4本のピアノ線からなる2対の平行バネで支持され、XY方向には移動自在で、Z方向の移動が拘束されている。なお、保持フレーム28の支持方法はこれに限定されず、例えば、複数のボールで上下に挟み込み、Z方向の移動を拘束するとともにXY方向に移動自在に支持してもよい。
【0035】
リニア移動手段PZ1、PZ2は、振動制御手段27と同じくピアゾ素子により微動調節が行われており、一端がレーザーヘッド40のケース本体に固定され、多端が保持フレーム28の側面に当接している。また、リニア微動手段PZ1、PZ2のうちどれか一方にピエゾ素子を用い、他方をバネ材などの弾性部材にしてもよい。
【0036】
次に、本発明に係るレーザー加工装置の別の実施形態について説明する。図3および図4はこの別の実施形態の駆動手段25Aを表わしたものである。図3は駆動手段25Aの平面図で、図4は図3のA−O−B断面図である。
【0037】
駆動手段25Aは、図3および図4に示すように、コンデンスレンズ24を保持するレンズフレーム26A,下端がレーザーヘッド40のケース本体に固定されるとともに、上端がレンズフレーム26Aの鍔部下面にフレキシブルに連結され、レンズフレーム26Aを支持する3個のリニア微動手段であるPZ6、PZ7、およびPZ8などからなっている。
【0038】
この3個のリニア微動手段であるPZ6、PZ7、およびPZ8は、図3に示すように、円周上等間隔に配置されたピエゾ素子が用いられている。このピエゾ素子の伸縮によってコンデンスレンズ24がZ方向に微小送りされて、レーザー光の集光点のZ方向の位置を変更させることができる。本実施形態においては、リニア微動手段PZ6、PZ7、PZ8が振動制御手段を構成している。
【0039】
また、この3個のリニア移動手段であるPZ6、PZ7、およびPZ8の伸縮を個別に夫々関連付けながら制御することによって、レンズフレーム26Aに取り付けられたコンデンスレンズ24を任意の方向に所定量傾斜させることができる。また、レーザー光LをウェーハWに対して平行な任意の方向に微小移動させることができる。
【0040】
このようにして、3個のリニア微動手段PZ6、PZ7、およびPZ8によってレーザー光Lを往復微小移動させることにより、レーザー光Lの集光点をウェーハW内部で微小振動させながら改質領域Pを形成していくことができる。
【0041】
このように、本発明の別の実施形態においても、レーザー光Lを振動させながら繰返し照射するため、Z方向に擬似的に厚みのある改質領域Pを形成することができるので、走査回数を減らすことができ、安定して割断され、チッピングなどのほとんど生じない高品質なダイシングを行うことができる。
【0042】
次に、本発明に係るレーザー加工装置のさらに別の実施形態について説明する。図5はこの別の実施形態の駆動手段25Bを表わしたウェーハ移動部11Bの断面図である。
【0043】
駆動手段25Bは、図5に示すように、吸着テーブル13と試料載置ステージ14との間にフレキシブルに連結され、吸着ステージ13を支持するリニア微動手段PZ9などからなっている。
【0044】
このリニア微動手段であるPZ9はピエゾ素子が用いられており、このピエゾ素子の伸縮によって吸着テーブル13をZ方向に微小送りさせることができ、レーザー光の集光点のZ方向の位置を変更させることができる。本実施形態においては、リニア移動手段PZ9が振動制御手段を構成している。
【0045】
このようにして、リニア移動手段PZ9によって吸着ステージ13をZ方向に微小振動させることができるので、レーザー光Lの集光点をウェーハW内部で微小振動させながら改質領域Pを形成していくことができる。したがって、ウェーハW内部において、擬似的に厚みのある改質領域を形成することができるので、走査回数を減らすことができる。
【0046】
図6は、ウェーハ内部の集光点近傍に形成される改質領域を説明する概念図である。図6は、パルス状の加工用のレーザー光LをウェーハWの表面に平行に走査して、内部に複数の不連続な改質領域Pが並んで形成された状態を摸式的に表わしている。
【0047】
本発明においては振動制御手段により、レーザー光Lは、ウェーハWの厚み方向に振動して照射される。したがって、図6に表わすように滑らかな曲線を描きながら改質領域Pが形成され、振動の幅に応じて、通常の改質層の幅Tから擬似的に厚みTに広がった改質領域を形成することができる。
【0048】
このように、厚みの広がった改質領域を形成することにより、走査回数を従来よりも減少させることができ、タクトタイムを減少させることができる。なお、上記はレーザー光Lを振動させた場合について説明をしたが、吸着ステージ13を振動させた場合についても同様に改質領域を形成することができる。
【0049】
そして、この状態でウェーハWは改質領域Pを起点として、自然に、或いは僅かな外力を加えることによって改質領域Pに沿って割断される。この場合、ウェーハWは表面や裏面にはチッピングが発生せずに容易にチップに分割される。
【0050】
次に、本発明に係るレーザー加工装置10の作用に説明する。加工に当たって、最初に吸着ステージ13に載置されたウェーハWは、CCDカメラ35で表面の回路パターンやアライメントマークが撮影され、画像処理装置38を有するアライメント手段によってアライメントされる。
【0051】
次に、レーザー発振器21からレーザー光Lが出射され、レーザー光Lはコリメートレンズ22、ハーフミラー23、コンデンスレンズ24などの光学系を経由してウェーハWの上面に照射される。
【0052】
この状態でXYZθテーブル12が加工方向であるX方向に加工送りされる。これにより、ウェーハ内部に多光子吸収による改質領域Pが1ライン形成される。
【0053】
この時、レーザーヘッド40に設けられた振動制御手段27によってコンデンスレンズ24が微小振動し、レーザー光Lの焦点点がウェーハWのZ方向に微小振動しながら、改質領域Pを形成していく。
【0054】
また、レーザー光Lを加工方向であるX方向にゆっくり往復運動送りをさせながらウェーハWをX方向に送ることにより、レーザー光Lをミシン目のように行きつ戻りつの状態で繰返し照射するようにしてもよい。
【0055】
このようにレーザー光Lが振動しながらウェーハWに繰返し照射されるので、一度形成された改質領域Pに更にエネルギーが加えられるため、ウェーハWは改質領域Pを起点により割断されやすくなる。
【0056】
1ラインのレーザー加工が行われると、XYZθテーブル12がY方向に1ピッチ割り出し送りされ、次のラインも同様にレーザー加工される。
【0057】
全てのラインがレーザー加工されると、XYZθテーブルが90°回転され、先程のラインと直交するラインも同様にして全てレーザーダイシングされ、ウェーハWは個々のチップに分割されて1枚のウェーハWのレーザー加工が完了する。
【0058】
このように、レーザー光Lが振動しながら照射されるため、厚いウェーハWであっても、安心して割断され、チッピングなどのほとんど生じない高品質な加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係るレーザー加工装置の概略構成図である。
【図2】駆動手段の構成を表わす概念図である。
【図3】別の実施形態における駆動手段の構成を表わす平面図である。
【図4】別の実施形態における駆動手段の構成を表わす断面図である。
【図5】さらに別の実施形態における駆動手段の構成を表わす断面図である。
【図6】ウェーハ内部に形成された改質領域を表わす概念図である。
【符号の説明】
【0060】
10…レーザー加工装置、11…ウェーハ移動部、12…XYZθテーブル、13…吸着ステージ、14…試料載置ステージ、16…本体ベース、20…レーザー光学部、21…レーザー発振器、22、32…コリメートレンズ、23、33…ハーフミラー、24、34…コンデンスレンズ、25…駆動手段、26…レンズフレーム、27…振動制御手段、28…保持フレーム、30観察光学部、31…観察用光源、35…CCDカメラ、36…テレビモニタ、38…画像処理装置、40…レーザーヘッド、50…制御部、F…フレーム、L…レーザー光、P…改質領域、PZ1、PZ2、PZ6、PZ7、PZ8、PZ9…リニア微動手段、S…ダイシングシート、W…ウェーハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハの表面からレーザー光を入射させて前記ウェーハの内部に改質領域を形成し、前記ウェーハを個々のチップに分割するレーザー加工装置において、
前記ウェーハに向けてレーザー光を照射するレーザーヘッドが設けられ、
該レーザーヘッドは、
レーザー発振器と、
発振されたレーザー光を集光する集光レンズと、
前記レーザー光を前記ウェーハに対して、垂直に微小運動させる振動発生手段と、を備えることを特徴とするレーザー加工装置。
【請求項2】
ウェーハを吸着ステージに吸着保持した状態で、ウェーハの表面からレーザー光を入射させて前記ウェーハの内部に改質領域を形成し、前記ウェーハを個々のチップに分割するレーザー加工装置において、
前記ウェーハに向けてレーザー光を照射するレーザーヘッドが設けられ、
該レーザーヘッドは、
レーザー発振器と、
発振されたレーザー光を集光する集光レンズを備え、
前記吸着ステージを前記レーザー光と同方向に微小運動させる振動発生手段を備えることを特徴とするレーザー加工装置。
【請求項3】
前記振動発生手段が、ピエゾ素子であることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー加工装置。
【請求項4】
前記振動発生手段による振動周波数および振幅、前記ウェーハの送り速度を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のレーザー加工装置。
【請求項5】
ウェーハの表面からレーザー光を入射させて前記ウェーハの内部に改質領域を形成し、前記ウェーハを個々のチップに分割するレーザー加工方法において、
振動発生手段により前記レーザー光を前記ウェーハに対して垂直に微小振動させながら、前記ウェーハを移動させることにより、レーザー加工を行うことを特徴とするレーザー加工方法。
【請求項6】
ウェーハの表面からレーザー光を入射させて前記ウェーハの内部に改質領域を形成し、前記ウェーハを個々のチップに分割するレーザー加工方法において、
前記ウェーハが吸着保持された吸着ステージを、振動発生手段により前記レーザー光と同方向に微小振動させながら、前記ウェーハを移動させることにより、レーザー加工を行うことを特徴とするレーザー加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−124035(P2009−124035A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298228(P2007−298228)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【Fターム(参考)】