レーザ振動計
【課題】光干渉計など振動信号を抽出する装置を一切必要とせずに、被測定物の実時間振動計測を無調整且つ超高感度で達成することのできるレーザ振動計を提供すること。
【解決手段】本発明のレーザ振動計は、レーザ発振器と、前記レーザ発振器から出射する出力光の一部を通過させる周波数シフターであって、前記出力光の一部の一往復の周波数シフト量を前記レーザ固有の緩和振動周波数に一致させて共鳴させる周波数シフターと、前記周波数シフターを通過した前記出力光の一部を被測定物に入射させ、前記被測定物からの戻り光を前記光周波数シフターを介して前記レーザ発振器に帰還させ、前記戻り光と前記出力光との干渉により誘起される光感度が向上し共鳴的に周波数変調されたレーザ出力を処理する光検出器、周波数変調波復調器及び信号処理装置とを備え、前記被測定物の振動状態を実時間にて計測することを特徴としている。
【解決手段】本発明のレーザ振動計は、レーザ発振器と、前記レーザ発振器から出射する出力光の一部を通過させる周波数シフターであって、前記出力光の一部の一往復の周波数シフト量を前記レーザ固有の緩和振動周波数に一致させて共鳴させる周波数シフターと、前記周波数シフターを通過した前記出力光の一部を被測定物に入射させ、前記被測定物からの戻り光を前記光周波数シフターを介して前記レーザ発振器に帰還させ、前記戻り光と前記出力光との干渉により誘起される光感度が向上し共鳴的に周波数変調されたレーザ出力を処理する光検出器、周波数変調波復調器及び信号処理装置とを備え、前記被測定物の振動状態を実時間にて計測することを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光干渉計及び超高感度検波器を使用することなく、被測定物の振動を実時間で、かつ極めて高い感度で測定することのできる、簡便・小型なレーザ振動計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザ振動計は、基本的に、図1のようにレーザ発振器から出力されるレーザ光を被測定物に入射させ、該被測定物の振動に応じてドップラーシフトした散乱光と前記レーザ出力光をマイケルソン干渉計などの光干渉計を用いて干渉させ、干渉縞の時間変化やビート信号を測定することにより、被測定物の振動を計測する方法が採られている。
【0003】
しかしながら、このタイプのレーザ振動計では、レーザ出力光と極微弱な散乱光との波面を整合させるために、高精度・高安定に調整できる光干渉計が不可欠であり、また、超高感度の光検出器とヘテロダイン検波器を必要とするため、振動計として大型で、極めて高価なものになるという問題点がある。
【非特許文献1】(K.Otsuka,IEEE J.Quantum Electron.QE−15,655(1979))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、上記の光干渉計など振動信号を抽出する装置を一切必要とせずに、被測定物の実時間振動計測を無調整且つ超高感度で達成することのできるレーザ振動計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、本発明のレーザ振動計により解決することができる。すなわち、レーザ発振器から出射する出力光の一部を光周波数シフターを通過させた後、被測定物に入射させ、被測定物からの戻り光と前記出力光との干渉により誘起されるレーザ出力の変調波形を、光検出器、周波数変調波復調器および信号処理装置で処理することにより、被測定物の振動を計測するレーザ振動計である。
【0006】
上記のレーザ振動計において、被測定物からの戻り光は、レーザ発振器の発振軸方向に無調整で帰還される。この帰還光は、光周波数シフターによる1パス当たりの周波数シフト量の2倍の周波数をキャリア周波数fcとして、被測定物受光面の振動に伴うドップラー効果による周波数変調を受けている。この帰還光のコヒーレント電界成分は、レーザ発振器から出射した発振出力光電界と干渉する。その結果、発振出力光電界の周波数と周波数変調された帰還光電界の差の周波数で干渉縞の明部と暗部が交互にレーザ出力鏡に現れる。従って、出力鏡の透過率、すなわちレーザ発振器の損失が上記差の周波数で等価的に変調され、レーザ出力はfcをキャリア周波数とする周波数変調波の形の強度変調を受けることになる(K.Otsuka,IEEE J.Quantum Electron.QE−15,655(1979))。
【0007】
この変調された発振光を光検出器で検出して電気信号に変換し、この電気信号を周波数変調波復調器で検波し、振動振幅を信号処理装置で実時間で表示・記録する。振動振幅Av(t)は、レーザの発振波長をλ、周波数fcのキャリア波と変調波の位相差をΔφ(t)とすると、
Av(t)=λΔφ(t)
で与えられる。従って、通常のFM受信機と同様に、周波数変調波復調器で位相差を検出することにより、振動振幅変化Av(t)を実時間にて測定することができる。
【0008】
ここで、従来、自己光混合変調がレーザの飽和効果などレーザの非線形性に基づくものとする間違った理解があることを指摘しておきたい。レーザは、符号に依らず差周波数で変調を受けるため、光周波数シフターによる周波数オフセットの付与は、振動振幅、振動方向の検出に不可欠な要素である。光周波数シフターを用いない場合、変位を求めるには、変調信号の最大値あるいは最小値の交番回数を電子カウンタなどで計数する必要があり、自己光混合変調効果の特徴を奏することができず、実時間計測は達成されない。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によるレーザ振動計によれば、極少光強度帰還率でナノメータ領域の振動を簡便且つ実時間で計測することができる。特に、従来の光干渉計を基本としたレーザ振動計とは異なり、レーザ出力の変調度は、光強度帰還率のみで決定され、レーザ出力パワーに全く依存しないので、小型低出力レーザを用いてレーザ振動計を構成できる効果がある。
【0010】
本発明の一実施形態によるレーザ振動計によれば、レーザ発振器からの出力光を光ファイバーを介して被測定物に入射させるので、生体内部などレーザ光を直接入射することのできない場合や、遠距離にある被測定物の測定に対応させることのできる帰還光学系を構成することができる。とくに、コヒーレンス長の長い固体レーザにおいては1キロメートル程度離れた被測定物のリモートセンシングも可能である。
【0011】
本発明の一実施形態によるレーザ振動計によれば、レーザ発振器からの出力光を複数に分割し、それぞれ異なる被測定物に入射させ、複数の被測定物の振動を計測する帰還光学系を具備させることとしたので、光路切り替えにより、単一のレーザで複数の被測定物の振動をほぼ同時に計測することができる。また、光変調器などによる光路の高速切り替えを採用することにより、同一振動体の異なる場所への入射により、3次元物体の振動振幅、振動方向の実時間計測という優れた効果も奏することができる。
【0012】
本発明の一実施形態によるレーザ振動計によれば、レーザ固有の緩和振動周波数に光周波数シフターでの周波数シフト量を共鳴させることとしたので、光感度の更なる増強というすぐれた効果を奏することができる。この効果は、光干渉計を使用する従来のレーザ振動計では実現できないものである。
【0013】
以上により、微調整可能な高安定化光干渉計や超高感度の信号処理系を一切必要とせずに、多数の被測定物や3次元被測定物の振動を実時間で簡便且つ超高光感度で測定することのできる小型・安価なレーザ振動計を提供することができる。
【0014】
本発明の振動計は、地震微弱振動の振幅・方向の同時計測、乱流流体の計測、被測定物のスキャンによる表面形状計測など多岐にわたる光計測分野に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1の実施形態は、上記のレーザ振動計において、レーザ発振器からの出力光を光ファイバーを介して被測定物に入射させるというものである。これにより、レーザ光を被測定物に直接入射させることができない場合にも円滑に対応することができる。
【0016】
第2の実施形態は、上記のレーザ振動計において、レーザ発振器からの出力光を多数に分岐し、それぞれを異なる被測定物や3次元被測定物の異なる場所に入射させ、多数の被測定物や3次元被測定物からの多数の戻り光を前記レーザ発振器に帰還させるというものである。
【0017】
第3の実施形態は、上記のレーザ振動計において、光周波数シフターでの周波数シフト量をレーザ固有の緩和振動周波数に一致させ、共鳴させるというものである。これにより光感度の更なる向上を達成することができる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明に係わるレーザ振動計の各実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。
【0019】
(第1実施例)
図2は、本発明の第1実施例のレーザ振動計を示す概略構成図である。このレーザ振動計1は、レーザ発振器2、ビームスプリッタ3、光周波数シフター4、集光レンズ5、被測定物6、光検出器7、周波数変調波復調器8、信号処理装置9から概略構成されている。光検出器7としては、例えばInGaAs(インジュウム・ガリウム・砒素)からなるフォトダイオード等が、また、信号処理装置9としてはディジタルオシロスコープ、ディジタル・フォスファ・オシロスコープ、スペクトル・アナライザーなどが好適に用いられる。
【0020】
光周波数シフター4の構造の一例は図11に示す通りで、圧電媒質と超音波を伝搬させる音響光学効果を有する光学媒質から構成される。動作原理を以下に説明する。発振器により圧電媒質に周波数fsの超音波を発生させる。超音波が光学媒質中を伝搬すると、音響光学効果により超音波の波長λsの周期を持つ屈折率の粗密格子が音速で進行することとなり、レーザ入射波の波長をλとすると、ブラッグの条件:
2λssinθ=λ
が満たされるとき、図11に示すように、角度θ方向にレーザ光が回折される。ブラッグの条件は運動量保存則と等価である。また、図11の場合、レーザ入射波は超音波からエネルギーをもらい、回折光の周波数fdは、入射波の周波数をfとして、エネルギー保存則により、
fd=f+fs
となる。図11で超音波の進行方向が逆転した場合は、レーザ入射波が超音波にエネルギーを与え、回折光の周波数はエネルギー保存則により、
fd=f−fs
となる。これらの現象はブリュリアン散乱と呼ばれ、この現象を用いた光周波数シフターが音響光学変調器である。
【0021】
なお、このレーザ振動計1においては、集光レンズ5は必ずしも必要ではない。また、ビームスプリッタ3を除き、レーザ発振器2の反対側から出射する出力光を光検出器で検出し、周波数変調波復調器8と信号処理装置9を用いて振動を計測する構成も当然含まれる。
【0022】
図3は、前記レーザ振動計1のより具体的な構成を示す構成図である。このレーザ振動計10は、レーザ発振器として半導体レーザ11で励起される、発振波長λ=1048nm、1mm厚のリチウム・ネオジム・テトラフォスフェイトレーザ(LiNdP4O12=LNPレーザ)12を用い、ビームスプリッタ3と光周波数シフター4との間に可変光減衰器13を挿入し、被測定物としてスピーカー14を用いた。光周波数シフターとしては、図11で説明したように、2台の音響光学変調器15、16を用い、それぞれの変調器に周波数f1、f2の電圧を印加し、レーザ入射波に対して互いに反対方向に超音波を伝搬させた。正負の周波数シフト量f1、−f2を調節して、往復の周波数シフト量:
fc=2(f1−f2)
を設定した。信号処理装置9としては、スペクトラム・アナライザ、ディジタル・オシロスコープのいずれかを用いた。
【0023】
図4は、スピーカー14に2Vの正弦波電圧を印加して該スピーカーを振動させたときのレーザ出力光の変調波形(同図(a))とそのパワースペクトル(同図(b))を示す。平均表面粗さ100μmのスピーカー粗面からレーザ発振器への光強度の帰還率は−100dBであった。パワースペクトルには
fc=2MHz
をキャリア周波数として周波数変調に特有の測帯波が形成されている。測帯波の周波数間隔から振動周波数fm=22.6kHzが求まり、FM変調指数βの測定値から、振動振幅が
Av=λβ/2π=60nm
と求まる。
【0024】
図5は、光検出器7からの変調出力を周波数変調波復調器8で検波し、ディジタル・オシロスコープで計測した実時間の電圧と対応する振動波形を示す。異なる印加電圧について示したものである。
【0025】
これらの実験結果より動作原理が確認され、また、実時間でのナノメートル領域の振動計測が実証された。このレーザ振動計では、音声周波数帯域20Hz〜20kHzにおいて、0.08μm(マイクロメートル)〜0.8mm(ミリメートル)の範囲での振動振幅計測が達成された。対応する計測速度範囲は10μm(マイクロメートル)/秒〜10cm(センチメートル)/秒である。
【0026】
この振動計の顕著な特徴は、共振器厚1mmのマイクロチップ固体レーザを使用することにより、−100dBという極少の光強度帰還率εでナノメートル領域の振動計測を実時間で達成できる点にある。レーザの強度変調度Mは
K=τ/τp
(τ:蛍光寿命、τp:光子寿命)として
M∝Kε1/2
で表される。マイクロチップ固体レーザでは、共振器長に比例する光子寿命を蛍光寿命(100μs程度)に比べて5〜7桁短くできるため、驚異的な光感度を容易に実現することができる。また、Kを一定とすれば、レーザの強度変調度は光強度帰還率のみで決定され、レーザの出力パワーに全く依存しない。
【0027】
また、レーザでの自己光混合変調を利用することにより実現される更なる際だった特徴は、光周波数シフターによる周波数シフト量をレーザ固有の緩和振動周波数に一致させて共鳴させることにより、光感度を更に飛躍的に向上させることが可能になることである。
【0028】
緩和振動周波数fRは、
fR∝(P/Pth−1)1/2
(ここに、P:レーザの励起パワー、Pth:レーザの閾値励起パワー)
で与えられるので、レーザへの励起パワーを調節する機構を具備することにより、容易に共鳴効果をもたらすことができる。
【0029】
このように、緩和振動周波数fRはレーザへの励起パワーを変化させることにより、光周波数シフト量(キャリア周波数)は超音波の周波数を変化させることにより、それぞれ独立に、かつ任意の値に調整できる。この特徴を利用して、後述する第2実施例の実験において、fR=fc=2MHzに調節することにより、20dBの光感度の増強が達成され、−120dBの光強度帰還率で、図4〜図5の実験結果が再現された。この場合、周波数変調の最大周波数偏移が緩和振動の共鳴幅に比べ十分小さいため、線形性を損なうことはない。同様の光感度増強効果は以下の全ての実施例においても実証された。従来のマイケルソン干渉計を基本とした振動計において用いられる光周波数シフターは、単に周波数オフセットを与えるだけであり、光感度の増強効果は原理的に発現しない。
【0030】
(第2実施例)
図6は、本発明の第2実施例のレーザ振動計を応用した実時間音声再生装置17を示す構成図である。この音声再生装置17では、第1実施例の振動計において、スピーカー14にディジタル・ディスクプレーヤー18の出力を印加し、殆ど聞き取れない程度(音圧レベル<20dB SPL)の振幅で該スピーカーを振動させ、該スピーカーの振動信号を周波数変調波復調器8で検波し、他のスピーカー19から明瞭な音楽を実時間で再生することができた。共鳴効果を利用することにより、光強度帰還率−120dBで、電子カウンタや周波数分析器などの煩雑な装置を一切使用せずに、簡便な周波数変調波復調器のみにより実時間再生を達成した。図7は、音楽の音量が急激に変化した時のスピーカ表面の振動波形をとらえたものである。
【0031】
(第3実施例)
図8のレーザ振動計20は、本発明の第1実施例のレーザ振動計10において、被測定物6へのレーザ発振光の入射を光ファイバー21を介して行なったものである。振動計測結果は第1実施例のレーザ振動計と同等である。
【0032】
(第4実施例)
図9の音声再生装置は、本発明の第2実施例の音声再生装置17において、被測定物14へのレーザ発振光の照射を光ファイバー21を介して行なったものである。音声再生結果は第2実施例の音声再生装置と同等である。
【0033】
(第5実施例)
図10のレーザ振動計23は、本発明の第1実施例のレーザ振動計10において、レーザ発振器からの出力光を複数に分割し、それぞれ異なるスピーカー14に入射させ、光路を切り替えることにより、単一のレーザで複数のスピーカー14の振動を計測するものである。第1実施例のレーザ振動計10と同等の振動計測が個々のスピーカーについて実証された。また、第4実施例のごとく光ファイバーを用いても同様の結果が得られた。図10には3個のスピーカーを示しているが、より多数でも構わない。また、光変調器などによる光路の高速切り替えを採用することにより、多数の振動体のほぼ同時計測が可能である。さらに、同一振動体の異なる場所への入射により、航空機翼などに代表される3次元物体の異なる場所の振動振幅、振動方向の実時間計測というレーザ振動計10より優れた効果も奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】従来のレーザ振動計の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施例としての、レーザ振動計を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第1実施例のレーザ振動計のより具体的な構成を示す構成図である。
【図4】本発明の第1実施例のレーザ振動計において、(a)レーザ出力光の変調波形および(b)対応するパワースペクトルを測定した実験結果を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例のレーザ振動計を用いてスピーカーの振動波形を計測した実験結果を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例としての、音声再生装置を示す構成図である。
【図7】本発明の第2実施例の音声再生装置でとらえたスピーカーの振動波形である。
【図8】本発明の第3実施例としての、光ファイバーアクセス型レーザ振動計の構成図である。
【図9】本発明の第4実施例としての、光ファイバーアクセス型音声再生装置の構成図である。
【図10】本発明の第5実施例としての、複数の被測定物に対応したレーザ振動計の構成図である
【図11】本発明に用いる光周波数シフターの構造の一例を、その作用と共に説明する概念図である。
【符号の説明】
【0035】
1、10、20、23…レーザ振動計
2…レーザ発振器
3…ビームスプリッタ
4…光周波数シフター
5…集光レンズ
6…被測定物(本発明外)
7…光検出器
8…周波数変調波復調器
9…信号処理装置
11…半導体レーザ
12…LNP固体レーザ
13…可変光減衰器
14、19…スピーカー
15、16…音響光学変換器
17、22…音声再生装置
18…ディジタル・ディスクプレーヤー
21…光ファイバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、光干渉計及び超高感度検波器を使用することなく、被測定物の振動を実時間で、かつ極めて高い感度で測定することのできる、簡便・小型なレーザ振動計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザ振動計は、基本的に、図1のようにレーザ発振器から出力されるレーザ光を被測定物に入射させ、該被測定物の振動に応じてドップラーシフトした散乱光と前記レーザ出力光をマイケルソン干渉計などの光干渉計を用いて干渉させ、干渉縞の時間変化やビート信号を測定することにより、被測定物の振動を計測する方法が採られている。
【0003】
しかしながら、このタイプのレーザ振動計では、レーザ出力光と極微弱な散乱光との波面を整合させるために、高精度・高安定に調整できる光干渉計が不可欠であり、また、超高感度の光検出器とヘテロダイン検波器を必要とするため、振動計として大型で、極めて高価なものになるという問題点がある。
【非特許文献1】(K.Otsuka,IEEE J.Quantum Electron.QE−15,655(1979))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、上記の光干渉計など振動信号を抽出する装置を一切必要とせずに、被測定物の実時間振動計測を無調整且つ超高感度で達成することのできるレーザ振動計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、本発明のレーザ振動計により解決することができる。すなわち、レーザ発振器から出射する出力光の一部を光周波数シフターを通過させた後、被測定物に入射させ、被測定物からの戻り光と前記出力光との干渉により誘起されるレーザ出力の変調波形を、光検出器、周波数変調波復調器および信号処理装置で処理することにより、被測定物の振動を計測するレーザ振動計である。
【0006】
上記のレーザ振動計において、被測定物からの戻り光は、レーザ発振器の発振軸方向に無調整で帰還される。この帰還光は、光周波数シフターによる1パス当たりの周波数シフト量の2倍の周波数をキャリア周波数fcとして、被測定物受光面の振動に伴うドップラー効果による周波数変調を受けている。この帰還光のコヒーレント電界成分は、レーザ発振器から出射した発振出力光電界と干渉する。その結果、発振出力光電界の周波数と周波数変調された帰還光電界の差の周波数で干渉縞の明部と暗部が交互にレーザ出力鏡に現れる。従って、出力鏡の透過率、すなわちレーザ発振器の損失が上記差の周波数で等価的に変調され、レーザ出力はfcをキャリア周波数とする周波数変調波の形の強度変調を受けることになる(K.Otsuka,IEEE J.Quantum Electron.QE−15,655(1979))。
【0007】
この変調された発振光を光検出器で検出して電気信号に変換し、この電気信号を周波数変調波復調器で検波し、振動振幅を信号処理装置で実時間で表示・記録する。振動振幅Av(t)は、レーザの発振波長をλ、周波数fcのキャリア波と変調波の位相差をΔφ(t)とすると、
Av(t)=λΔφ(t)
で与えられる。従って、通常のFM受信機と同様に、周波数変調波復調器で位相差を検出することにより、振動振幅変化Av(t)を実時間にて測定することができる。
【0008】
ここで、従来、自己光混合変調がレーザの飽和効果などレーザの非線形性に基づくものとする間違った理解があることを指摘しておきたい。レーザは、符号に依らず差周波数で変調を受けるため、光周波数シフターによる周波数オフセットの付与は、振動振幅、振動方向の検出に不可欠な要素である。光周波数シフターを用いない場合、変位を求めるには、変調信号の最大値あるいは最小値の交番回数を電子カウンタなどで計数する必要があり、自己光混合変調効果の特徴を奏することができず、実時間計測は達成されない。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によるレーザ振動計によれば、極少光強度帰還率でナノメータ領域の振動を簡便且つ実時間で計測することができる。特に、従来の光干渉計を基本としたレーザ振動計とは異なり、レーザ出力の変調度は、光強度帰還率のみで決定され、レーザ出力パワーに全く依存しないので、小型低出力レーザを用いてレーザ振動計を構成できる効果がある。
【0010】
本発明の一実施形態によるレーザ振動計によれば、レーザ発振器からの出力光を光ファイバーを介して被測定物に入射させるので、生体内部などレーザ光を直接入射することのできない場合や、遠距離にある被測定物の測定に対応させることのできる帰還光学系を構成することができる。とくに、コヒーレンス長の長い固体レーザにおいては1キロメートル程度離れた被測定物のリモートセンシングも可能である。
【0011】
本発明の一実施形態によるレーザ振動計によれば、レーザ発振器からの出力光を複数に分割し、それぞれ異なる被測定物に入射させ、複数の被測定物の振動を計測する帰還光学系を具備させることとしたので、光路切り替えにより、単一のレーザで複数の被測定物の振動をほぼ同時に計測することができる。また、光変調器などによる光路の高速切り替えを採用することにより、同一振動体の異なる場所への入射により、3次元物体の振動振幅、振動方向の実時間計測という優れた効果も奏することができる。
【0012】
本発明の一実施形態によるレーザ振動計によれば、レーザ固有の緩和振動周波数に光周波数シフターでの周波数シフト量を共鳴させることとしたので、光感度の更なる増強というすぐれた効果を奏することができる。この効果は、光干渉計を使用する従来のレーザ振動計では実現できないものである。
【0013】
以上により、微調整可能な高安定化光干渉計や超高感度の信号処理系を一切必要とせずに、多数の被測定物や3次元被測定物の振動を実時間で簡便且つ超高光感度で測定することのできる小型・安価なレーザ振動計を提供することができる。
【0014】
本発明の振動計は、地震微弱振動の振幅・方向の同時計測、乱流流体の計測、被測定物のスキャンによる表面形状計測など多岐にわたる光計測分野に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1の実施形態は、上記のレーザ振動計において、レーザ発振器からの出力光を光ファイバーを介して被測定物に入射させるというものである。これにより、レーザ光を被測定物に直接入射させることができない場合にも円滑に対応することができる。
【0016】
第2の実施形態は、上記のレーザ振動計において、レーザ発振器からの出力光を多数に分岐し、それぞれを異なる被測定物や3次元被測定物の異なる場所に入射させ、多数の被測定物や3次元被測定物からの多数の戻り光を前記レーザ発振器に帰還させるというものである。
【0017】
第3の実施形態は、上記のレーザ振動計において、光周波数シフターでの周波数シフト量をレーザ固有の緩和振動周波数に一致させ、共鳴させるというものである。これにより光感度の更なる向上を達成することができる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明に係わるレーザ振動計の各実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。
【0019】
(第1実施例)
図2は、本発明の第1実施例のレーザ振動計を示す概略構成図である。このレーザ振動計1は、レーザ発振器2、ビームスプリッタ3、光周波数シフター4、集光レンズ5、被測定物6、光検出器7、周波数変調波復調器8、信号処理装置9から概略構成されている。光検出器7としては、例えばInGaAs(インジュウム・ガリウム・砒素)からなるフォトダイオード等が、また、信号処理装置9としてはディジタルオシロスコープ、ディジタル・フォスファ・オシロスコープ、スペクトル・アナライザーなどが好適に用いられる。
【0020】
光周波数シフター4の構造の一例は図11に示す通りで、圧電媒質と超音波を伝搬させる音響光学効果を有する光学媒質から構成される。動作原理を以下に説明する。発振器により圧電媒質に周波数fsの超音波を発生させる。超音波が光学媒質中を伝搬すると、音響光学効果により超音波の波長λsの周期を持つ屈折率の粗密格子が音速で進行することとなり、レーザ入射波の波長をλとすると、ブラッグの条件:
2λssinθ=λ
が満たされるとき、図11に示すように、角度θ方向にレーザ光が回折される。ブラッグの条件は運動量保存則と等価である。また、図11の場合、レーザ入射波は超音波からエネルギーをもらい、回折光の周波数fdは、入射波の周波数をfとして、エネルギー保存則により、
fd=f+fs
となる。図11で超音波の進行方向が逆転した場合は、レーザ入射波が超音波にエネルギーを与え、回折光の周波数はエネルギー保存則により、
fd=f−fs
となる。これらの現象はブリュリアン散乱と呼ばれ、この現象を用いた光周波数シフターが音響光学変調器である。
【0021】
なお、このレーザ振動計1においては、集光レンズ5は必ずしも必要ではない。また、ビームスプリッタ3を除き、レーザ発振器2の反対側から出射する出力光を光検出器で検出し、周波数変調波復調器8と信号処理装置9を用いて振動を計測する構成も当然含まれる。
【0022】
図3は、前記レーザ振動計1のより具体的な構成を示す構成図である。このレーザ振動計10は、レーザ発振器として半導体レーザ11で励起される、発振波長λ=1048nm、1mm厚のリチウム・ネオジム・テトラフォスフェイトレーザ(LiNdP4O12=LNPレーザ)12を用い、ビームスプリッタ3と光周波数シフター4との間に可変光減衰器13を挿入し、被測定物としてスピーカー14を用いた。光周波数シフターとしては、図11で説明したように、2台の音響光学変調器15、16を用い、それぞれの変調器に周波数f1、f2の電圧を印加し、レーザ入射波に対して互いに反対方向に超音波を伝搬させた。正負の周波数シフト量f1、−f2を調節して、往復の周波数シフト量:
fc=2(f1−f2)
を設定した。信号処理装置9としては、スペクトラム・アナライザ、ディジタル・オシロスコープのいずれかを用いた。
【0023】
図4は、スピーカー14に2Vの正弦波電圧を印加して該スピーカーを振動させたときのレーザ出力光の変調波形(同図(a))とそのパワースペクトル(同図(b))を示す。平均表面粗さ100μmのスピーカー粗面からレーザ発振器への光強度の帰還率は−100dBであった。パワースペクトルには
fc=2MHz
をキャリア周波数として周波数変調に特有の測帯波が形成されている。測帯波の周波数間隔から振動周波数fm=22.6kHzが求まり、FM変調指数βの測定値から、振動振幅が
Av=λβ/2π=60nm
と求まる。
【0024】
図5は、光検出器7からの変調出力を周波数変調波復調器8で検波し、ディジタル・オシロスコープで計測した実時間の電圧と対応する振動波形を示す。異なる印加電圧について示したものである。
【0025】
これらの実験結果より動作原理が確認され、また、実時間でのナノメートル領域の振動計測が実証された。このレーザ振動計では、音声周波数帯域20Hz〜20kHzにおいて、0.08μm(マイクロメートル)〜0.8mm(ミリメートル)の範囲での振動振幅計測が達成された。対応する計測速度範囲は10μm(マイクロメートル)/秒〜10cm(センチメートル)/秒である。
【0026】
この振動計の顕著な特徴は、共振器厚1mmのマイクロチップ固体レーザを使用することにより、−100dBという極少の光強度帰還率εでナノメートル領域の振動計測を実時間で達成できる点にある。レーザの強度変調度Mは
K=τ/τp
(τ:蛍光寿命、τp:光子寿命)として
M∝Kε1/2
で表される。マイクロチップ固体レーザでは、共振器長に比例する光子寿命を蛍光寿命(100μs程度)に比べて5〜7桁短くできるため、驚異的な光感度を容易に実現することができる。また、Kを一定とすれば、レーザの強度変調度は光強度帰還率のみで決定され、レーザの出力パワーに全く依存しない。
【0027】
また、レーザでの自己光混合変調を利用することにより実現される更なる際だった特徴は、光周波数シフターによる周波数シフト量をレーザ固有の緩和振動周波数に一致させて共鳴させることにより、光感度を更に飛躍的に向上させることが可能になることである。
【0028】
緩和振動周波数fRは、
fR∝(P/Pth−1)1/2
(ここに、P:レーザの励起パワー、Pth:レーザの閾値励起パワー)
で与えられるので、レーザへの励起パワーを調節する機構を具備することにより、容易に共鳴効果をもたらすことができる。
【0029】
このように、緩和振動周波数fRはレーザへの励起パワーを変化させることにより、光周波数シフト量(キャリア周波数)は超音波の周波数を変化させることにより、それぞれ独立に、かつ任意の値に調整できる。この特徴を利用して、後述する第2実施例の実験において、fR=fc=2MHzに調節することにより、20dBの光感度の増強が達成され、−120dBの光強度帰還率で、図4〜図5の実験結果が再現された。この場合、周波数変調の最大周波数偏移が緩和振動の共鳴幅に比べ十分小さいため、線形性を損なうことはない。同様の光感度増強効果は以下の全ての実施例においても実証された。従来のマイケルソン干渉計を基本とした振動計において用いられる光周波数シフターは、単に周波数オフセットを与えるだけであり、光感度の増強効果は原理的に発現しない。
【0030】
(第2実施例)
図6は、本発明の第2実施例のレーザ振動計を応用した実時間音声再生装置17を示す構成図である。この音声再生装置17では、第1実施例の振動計において、スピーカー14にディジタル・ディスクプレーヤー18の出力を印加し、殆ど聞き取れない程度(音圧レベル<20dB SPL)の振幅で該スピーカーを振動させ、該スピーカーの振動信号を周波数変調波復調器8で検波し、他のスピーカー19から明瞭な音楽を実時間で再生することができた。共鳴効果を利用することにより、光強度帰還率−120dBで、電子カウンタや周波数分析器などの煩雑な装置を一切使用せずに、簡便な周波数変調波復調器のみにより実時間再生を達成した。図7は、音楽の音量が急激に変化した時のスピーカ表面の振動波形をとらえたものである。
【0031】
(第3実施例)
図8のレーザ振動計20は、本発明の第1実施例のレーザ振動計10において、被測定物6へのレーザ発振光の入射を光ファイバー21を介して行なったものである。振動計測結果は第1実施例のレーザ振動計と同等である。
【0032】
(第4実施例)
図9の音声再生装置は、本発明の第2実施例の音声再生装置17において、被測定物14へのレーザ発振光の照射を光ファイバー21を介して行なったものである。音声再生結果は第2実施例の音声再生装置と同等である。
【0033】
(第5実施例)
図10のレーザ振動計23は、本発明の第1実施例のレーザ振動計10において、レーザ発振器からの出力光を複数に分割し、それぞれ異なるスピーカー14に入射させ、光路を切り替えることにより、単一のレーザで複数のスピーカー14の振動を計測するものである。第1実施例のレーザ振動計10と同等の振動計測が個々のスピーカーについて実証された。また、第4実施例のごとく光ファイバーを用いても同様の結果が得られた。図10には3個のスピーカーを示しているが、より多数でも構わない。また、光変調器などによる光路の高速切り替えを採用することにより、多数の振動体のほぼ同時計測が可能である。さらに、同一振動体の異なる場所への入射により、航空機翼などに代表される3次元物体の異なる場所の振動振幅、振動方向の実時間計測というレーザ振動計10より優れた効果も奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】従来のレーザ振動計の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施例としての、レーザ振動計を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第1実施例のレーザ振動計のより具体的な構成を示す構成図である。
【図4】本発明の第1実施例のレーザ振動計において、(a)レーザ出力光の変調波形および(b)対応するパワースペクトルを測定した実験結果を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例のレーザ振動計を用いてスピーカーの振動波形を計測した実験結果を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例としての、音声再生装置を示す構成図である。
【図7】本発明の第2実施例の音声再生装置でとらえたスピーカーの振動波形である。
【図8】本発明の第3実施例としての、光ファイバーアクセス型レーザ振動計の構成図である。
【図9】本発明の第4実施例としての、光ファイバーアクセス型音声再生装置の構成図である。
【図10】本発明の第5実施例としての、複数の被測定物に対応したレーザ振動計の構成図である
【図11】本発明に用いる光周波数シフターの構造の一例を、その作用と共に説明する概念図である。
【符号の説明】
【0035】
1、10、20、23…レーザ振動計
2…レーザ発振器
3…ビームスプリッタ
4…光周波数シフター
5…集光レンズ
6…被測定物(本発明外)
7…光検出器
8…周波数変調波復調器
9…信号処理装置
11…半導体レーザ
12…LNP固体レーザ
13…可変光減衰器
14、19…スピーカー
15、16…音響光学変換器
17、22…音声再生装置
18…ディジタル・ディスクプレーヤー
21…光ファイバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ発振器と、
前記レーザ発振器から出射する出力光の一部を通過させる周波数シフターであって、前記出力光の一部の一往復の周波数シフト量を前記レーザ固有の緩和振動周波数に一致させて共鳴させる周波数シフターと、
前記周波数シフターを通過した前記出力光の一部を被測定物に入射させ、前記被測定物からの戻り光を前記光周波数シフターを介して前記レーザ発振器に帰還させ、前記戻り光と前記出力光との干渉により誘起される光感度が向上し共鳴的に周波数変調されたレーザ出力を処理する光検出器、周波数変調波復調器及び信号処理装置と
を備えたレーザ振動計であって、
前記被測定物の振動状態を実時間にて計測することを特徴とするレーザ振動計。
【請求項2】
前記周波数シフターと前記被測定物との間に光ファイバーを設けることを特徴とする請求項1に記載のレーザ振動計。
【請求項3】
前記レーザの励起パワーを変化させることにより前記レーザ固有の緩和振動周波数を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ振動計。
【請求項4】
前記周波数シフターに超音波を伝搬させることにより、前記周波数シフト量を変化させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載のレーザ振動計。
【請求項5】
前記レーザ発振器から出射する出力光を多数に分岐させ、それぞれを異なる複数の被測定物に入射させ、前記複数の被測定物からのそれぞれの戻り光を前記レーザ発振器に帰還させる光学系を具備することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載のレーザ振動計。
【請求項1】
レーザ発振器と、
前記レーザ発振器から出射する出力光の一部を通過させる周波数シフターであって、前記出力光の一部の一往復の周波数シフト量を前記レーザ固有の緩和振動周波数に一致させて共鳴させる周波数シフターと、
前記周波数シフターを通過した前記出力光の一部を被測定物に入射させ、前記被測定物からの戻り光を前記光周波数シフターを介して前記レーザ発振器に帰還させ、前記戻り光と前記出力光との干渉により誘起される光感度が向上し共鳴的に周波数変調されたレーザ出力を処理する光検出器、周波数変調波復調器及び信号処理装置と
を備えたレーザ振動計であって、
前記被測定物の振動状態を実時間にて計測することを特徴とするレーザ振動計。
【請求項2】
前記周波数シフターと前記被測定物との間に光ファイバーを設けることを特徴とする請求項1に記載のレーザ振動計。
【請求項3】
前記レーザの励起パワーを変化させることにより前記レーザ固有の緩和振動周波数を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ振動計。
【請求項4】
前記周波数シフターに超音波を伝搬させることにより、前記周波数シフト量を変化させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載のレーザ振動計。
【請求項5】
前記レーザ発振器から出射する出力光を多数に分岐させ、それぞれを異なる複数の被測定物に入射させ、前記複数の被測定物からのそれぞれの戻り光を前記レーザ発振器に帰還させる光学系を具備することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載のレーザ振動計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−138862(P2006−138862A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347813(P2005−347813)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【分割の表示】特願2003−10919(P2003−10919)の分割
【原出願日】平成15年1月20日(2003.1.20)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り
【出願人】(503027953)株式会社イープル (1)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【分割の表示】特願2003−10919(P2003−10919)の分割
【原出願日】平成15年1月20日(2003.1.20)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り
【出願人】(503027953)株式会社イープル (1)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】
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