ロードポート装置におけるスリット閉塞装置
【課題】キャリアカセットの蓋体着脱装置を備えたロードポート装置において、製造装置のフレームの内側に配置された蓋体着脱装置の蓋体着脱具と、フレームの外側に配置された蓋体着脱装置の昇降装置とを連結する部材を挿通するために、プレートの上下方向に形成されたスリットを閉塞する。
【解決手段】フレームFの外側には、ケース11内に閉塞テープ12が巻取り方向に付勢された状態で巻回された第1閉塞具10がスリットSの下形成端部S1 又は水平移動装置40のベース体42のいずれか一方に取り付けられていると共に、引き出された閉塞テープ12の先端部がその他方に取り付けられ、フレームFの内側には、第2閉塞具20がスリットSの上形成端部S2 又は水平移動装置40の第1連結部材41のいずれか一方に取り付けられていると共に、第2閉塞具20の閉塞テープ22の先端部がその他方に取り付けられている。
【解決手段】フレームFの外側には、ケース11内に閉塞テープ12が巻取り方向に付勢された状態で巻回された第1閉塞具10がスリットSの下形成端部S1 又は水平移動装置40のベース体42のいずれか一方に取り付けられていると共に、引き出された閉塞テープ12の先端部がその他方に取り付けられ、フレームFの内側には、第2閉塞具20がスリットSの上形成端部S2 又は水平移動装置40の第1連結部材41のいずれか一方に取り付けられていると共に、第2閉塞具20の閉塞テープ22の先端部がその他方に取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カセットテーブルに載置されたキャリアカセットの蓋体を着脱させるための蓋体着脱装置を備えたロードポート装置に関し、更に詳しくは半導体製造装置のフレームの内側に配置された蓋体着脱装置の蓋体着脱具と、前記フレームの外側に配置された前記蓋体着脱装置の昇降装置とを連結する部材を挿通するために、プレートの上下方向に形成されたスリットを閉塞する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術を説明するにあたり本発明の図を援用する。ロードポート装置Lは、キャリアカセットK(以下、単に「カセット」ということもある。)に収容された多数枚の各基板を、半導体製造装置(以下、単に「製造装置」ということもある。)Eに移載するために、前記カセットKを載置するための装置である (カセットKは図示せず)。図1に示されるように、当該ロードポート装置Lは、製造装置EのフレームFの外側に水平に設けられたカセットテーブルTと、当該カセットテーブルTに載置された前記カセットKの開口に対して蓋体Kaを着脱させるために、前記フレームFの内側に昇降可能に装着された蓋体着脱装置Gを備えている。前記カセットテーブルTに載置されたカセットKに多段となって収容されている各基板W (図示せず) は、カセットKから製造装置Eに移載され、当該製造装置E内で所定の処理が施された後、再度前記カセットK内に戻されて、次工程の製造装置Eに搬送される。カセットKとしては、FOUP(Front Opening Unified Pod)が利用されることが多い。
【0003】
製造装置EのフレームFの内側には、蓋体着脱装置Gが昇降可能に装着されている。当該蓋体着脱装置Gは、基板Wの処理前にはカセットKの開口を覆っている蓋体Kaを取り外し、当該蓋体Kaを降下させて前記カセットK内の各基板Wを前記開口から製造装置E内へ移載可能にし、一方、基板Wの処理後には基板WをカセットKに再収容した後、前記蓋体Kaを上昇させて前記開口に装着する。蓋体着脱装置Gの昇降はエアシリンダ等の昇降装置30によって駆動されるが、蓋体着脱装置G及び前記昇降装置30の両方を前記フレームFの内側、即ちプレート1の背面に配置するのはスペースの関係上難しい。このため、例えば特許文献1で示されるように、前記昇降装置30が前記フレームFの外側、即ちプレート1の正面に配置されたロードポート装置Lは多く存在する。当該形式のロードポート装置Lの場合、プレート1の背面側の蓋体着脱装置Gは正面側の昇降装置30と第1連結部材41を介して連結されていて、プレート1には前記第1連結部材41を挿通させるためのスリットSが上下方向Zに沿って形成されている。前記昇降装置30を駆動させると、前記第1連結部材41が前記スリットS内を昇降し、第1連結部材41と連結した蓋体着脱装置Gも同時に昇降する。
【0004】
基板Wを処理する製造装置Eにおいて、処理の内容によっては内部がガス雰囲気に維持されているものがある。当該製造装置Eに装着するロードポート装置Lが前記スリットSを有するものである場合、運転時には前記製造装置E内のガスがスリットSを通って大気中へ漏れ出てしまうため、ランニングコストが増える問題がある。また、前記ガスが、例えば窒素ガスのように無害なものであれば多少漏れ出ても安全であるが、例えば基板Wの処理過程で発生したガスが人体に有害であったり、金属腐食作用のあるガスであった場合には、前記ガスが前記スリットSから僅かしか漏れ出ないとしても問題である。前記スリットSを閉塞して前記ガスの漏出を防止する必要がある。
【特許文献1】特開2005−347603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カセットテーブルに載置されたキャリアカセットの蓋体を着脱させるための蓋体着脱装置を備えたロードポート装置において、製造装置のフレームの内側に配置された蓋体着脱装置と、前記フレームの外側に配置された前記蓋体着脱装置の昇降装置とを連結する部材を挿通するために、プレートの上下方向に形成されたスリットを閉塞することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、キャリアカセットを載置するために半導体製造装置のフレームの外側に水平に設けられたカセットテーブルと、当該カセットテーブルに載置された前記キャリアカセットの開口に対して蓋体を着脱させるために、前記フレームの内側に昇降可能に配置された蓋体着脱装置とを備えたロードポート装置であって、前記蓋体着脱装置は、前記フレームの外側に垂直に取り付けられたシリンダと、当該シリンダのロッドに取り付けられて昇降すると共に前記フレームに対して垂直な水平方向に移動可能な連結部材が、ベース体に取り付けられて、かつ当該連結部材が上下方向にプレートに形成されたスリットに挿通された水平移動装置と、前記連結部材における前記フレームの内側部分に一体に装着された蓋体着脱具を備え、前記フレームの外側においては、ケース内に閉塞テープが巻取り方向に付勢された状態で巻回された第1閉塞具が前記スリットの下形成端部又は前記水平移動装置のベース体のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第1閉塞具から引き出された閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、前記フレームの内側においては、水平移動装置の昇降時に第2閉塞具から引き出された閉塞テープのほぼ全長において前記スリットにほぼ密着するようにして、前記第2閉塞具が前記スリットの上形成端部又は前記水平移動装置の連結部材のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第2閉塞具の閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、前記シリンダ及び水平移動装置により蓋体着脱具が昇降、及び水平移動する際に、前記スリットのほぼ全長が外側及び内側において第1及び第2の各閉塞具から引き出された各閉塞テープによりそれぞれ閉塞される構成であることを特徴としている。
【0007】
ロードポート装置のカセットテーブルに載置されたカセットの蓋体の着脱を行う際には、まずシリンダのロッドを突出させて、製造装置のフレームの内側、即ちプレートの背面側の下降端に位置している蓋体着脱装置の蓋体着脱具を上昇端まで移動させ、次に、水平移動装置の連結部材を手前側の前進端まで移動させて、前記カセットの蓋体に前記蓋体着脱具を吸着させて取り外す。請求項1の発明によれば、当該蓋体着脱具の上昇時には、第1閉塞具から閉塞テープが引き出されて、引き出されて長くなった分の閉塞テープは水平移動装置の下方部分のスリットを閉塞する。一方、水平移動装置の上方部分のスリットを閉塞していた閉塞テープは、第2閉塞具の引込み付勢力によって引き込まれ、更に水平移動装置の前進時には、第2閉塞具から引き出されていた閉塞テープのうち前記スリットを閉塞していない部分は、当該第2閉塞具に巻き取られる。このため、スリットに対する水平移動装置の上下方向、及び前後方向の各位置が変更されても、当該スリットの大部分は常に閉塞される。
【0008】
一方、カセットの蓋体を取り外した後に、蓋体着脱具を後退させて、その後にシリンダのロッドを引き下げて、前記蓋体着脱具を蓋体と共に下降端まで下降させる場合には、第1及び第2の各閉塞具に対する閉塞テープの引出し、及び引込みが上記と逆の関係になる点が異なるのみで、スリットの大部分が常に閉塞されるのは同様である。
【0009】
このように、ロードポート装置の作用状態、換言すると、蓋体着脱装置の配置位置とは無関係に、プレートに形成されたスリットの大部分が常に閉塞されるので、製造装置内の充填ガスや基板処理時に発生するガスが当該スリットから漏れ出てしまうのを防止できる。
【0010】
請求項2の発明は、キャリアカセットを載置するために半導体製造装置のフレームの外側に水平に設けられたカセットテーブルと、当該カセットテーブルに載置された前記キャリアカセットの開口に対して蓋体を着脱させるために、前記フレームの内側に昇降可能に配置された蓋体着脱装置とを備えたロードポート装置であって、前記蓋体着脱装置は、前記フレームの外側に垂直に取り付けられたシリンダと、当該シリンダのロッドに取り付けられて昇降すると共に前記フレームに対して垂直な水平方向に移動可能な連結部材が、ベース体に取り付けられて、かつ当該連結部材が上下方向にプレートに形成されたスリットに挿通された水平移動装置と、前記連結部材における前記フレームの内側部分に一体に装着された蓋体着脱具を備え、前記フレームの外側においては、ケース内に閉塞テープが巻取り方向に付勢された状態で巻回された第1閉塞具が前記スリットの下形成端部又は前記水平移動装置のベース体のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第1閉塞具から引き出された閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、同じくフレームの外側においては、第2閉塞具が前記スリットの上形成端部又は前記水平移動装置のベース体のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第2閉塞具の閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、前記シリンダ及び水平移動装置により蓋体着脱具が昇降、及び水平移動する際に、前記スリットのほぼ全長が外側において第1及び第2の各閉塞具から引き出された各閉塞テープにより閉塞される構成であることを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明によれば、第1及び第2の各閉塞具、及び当該各閉塞具から引き出された閉塞テープの先端のいずれもが、前記フレームに対して垂直な水平方向 (前後方向) には移動しないので、スリット閉塞装置の全体構成が簡易になる利点がある。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記水平移動装置のベース体には、スリットにおける第1及び第2の各閉塞具の各閉塞テープにより閉塞されていない部分を閉塞するための閉塞板が取り付けられていることを特徴としている。
【0013】
前記スリットにおいて、第1及び第2の各閉塞具から引き出されている閉塞テープにより大部分は閉塞されているが、各閉塞具の配置上、ちょうどベース体の裏側にはどちらの閉塞テープによっても閉塞されていない部分が僅かに存在する。請求項3の発明によれば、前記ベース体に閉塞板を取り付けることによって、ベース体の裏側に生じている非閉塞部分を閉塞することができるので、ガスの漏出をより一層効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ロードポート装置の蓋体着脱装置において、水平移動装置が上下方向、及び前後方向に移動しても、プレートに上下方向に形成されたスリットは第1及び第2の各閉塞具によって常に閉塞される。このため、製造装置内の充填ガスや基板処理時に発生するガスが当該スリットから漏れ出てしまうのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、最良の実施形態を挙げて本発明について更に詳細に説明する。図1は、製造装置EのフレームFの外側に装着された本発明にかかるロードポート装置Lの全体斜視図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、図2における第1及び第2の各閉塞具10,20部分の拡大図である。図4は、前記ロードポート装置LのカセットテーブルTより下側部分を正面から見た図である。図5は、前記ロードポート装置LのカセットテーブルTから下側部分を斜め下方向から見た図である。図6は、水平移動装置40の平面図である。図7は、前記ロードポート装置Lのプレート1の背面における蓋体着脱具60部分の斜視図である。図8 (イ) は、第2閉塞具20の平面図である。同 (ロ) は、 (イ) のB−B線断面図である。
【0016】
図1及び図2を用いてロードポート装置Lについて説明する。ロードポート装置Lは、製造装置EのフレームFに形成された開口Faを覆うようにして垂直に配置されたプレート1と、カセットKを載置するために、当該プレート1の正面側、即ちフレームFの外側に水平となって手前側に突設されたカセットテーブルTと、前記プレート1の背面側、即ちフレームFの内側に装着された蓋体着脱装置Gとを備えている。プレート1におけるカセットテーブルTよりも上方部分には、製造装置Eと外部との間で基板Wを通過させてその受渡しを可能にするための方形状の基板通過口2が形成されている。基板通過口2が方形状をしているのは、当該基板通過口2は製造装置Eの内外の間で基板Wを受渡しのために通過させる機能を有するだけでなく、蓋体着脱装置GによりFOUPであるカセットKの蓋体Kaを着脱させる際に、前記蓋体Kaを通過させる機能も有しているため、基板通過口2はカセットKの蓋体Kaの形状に対して僅かに大きな相似形である必要があるからである。また、カセットテーブルTは、プレート1に固定されたテーブル本体3と、当該テーブル本体3の上面において基板Wの受渡し方向Xに沿ってスライド可能に配置されたカセット載置板4を備えている。図2に示されるように、カセット載置板4の上面には、当該カセット載置板4に対してカセットKを設定位置に位置決めした状態で載置するための位置決め部材5、前記カセットKが載置されたことを検出するための着座センサ6、及び載置されたカセットKを係止するためのクランプ具7が設けられている。カセット載置板4は、エアシリンダ等の駆動手段 (図示せず) により前記受渡し方向Xに沿って往復動されて、その前進端位置において、カセットKの開口はプレート1の基板通過口2に臨むようになっている。なお、図中の符号Cは、蓋体着脱装置Gを被覆して保護するためのカバー体である。
【0017】
蓋体着脱装置Gは、前記基板通過口2に臨んだカセットKの蓋体Kaを着脱するためにロードポート装置Lのプレート1の背面側に装着された蓋体着脱具60と、当該蓋体着脱具60をプレート1の板面の上下方向Zに沿って昇降移動させるために前記プレート1の正面側に配置された昇降装置30と、前記蓋体着脱具60を受渡し方向Xに沿って進退移動させるための水平移動装置40を備えている。昇降装置30は、シリンダ本体31とロッド32で構成される。蓋体着脱具60は水平移動装置40と第1連結部材41を介して連結されていて、当該第1連結部材41は、プレート1のカセットテーブルTより下部分において幅方向の中央部に上下方向Zに沿って形成されたスリットSに挿通されている。蓋体着脱具60と第1連結部材41とは、蓋体着脱具60の直下に配された第2連結部材63が第1連結部材41におけるプレート1の背面側部分に固定されることによって、連結されている。昇降装置30と水平移動装置40とは、ロッド32の後方に配されて当該ロッド32の昇降を誘導するシリンダ用ガイドレール34に装着されたガイド体35と水平移動装置40のベース体42を支持する支持板体43とが固定されることによって連結されている。
【0018】
図4及び図6を用いて、昇降装置30について説明する。ロードポート装置Lのプレート1の正面側の前記スリットSのやや側方(本実施例では図4の図面視における左側方)には、高さ方向に沿ってシリンダ用ガイドレール34が敷設されている。当該シリンダ用ガイドレール34に装着された1個のガイド体35は、取付板体33を介してロッド32と連結されている。当該取付板体33は、断面L字型の長尺部材であって、長尺方向が上下方向Zに沿うように配置されて、長尺方向に対して垂直に折れ曲がった上端部33aが、ロッド32の上端部32aに螺合状態で固定されていると共に、前記取付板体33の下端部付近が前記ガイド体35に固着されている。昇降装置30は上記構成のため、ロッド32はシリンダ用ガイドレール34に沿って昇降する。なお、図中の符号36は、シリンダ本体31を挿通してシリンダ本体31をプレート1に固定するためのシリンダ固定部材36である。
【0019】
図4ないし図6を用いて水平移動装置40について説明する。水平移動装置40は、水平移動装置40と蓋体着脱具60を連結するための第1連結部材41と、水平移動装置40の基盤となって水平板部42aと垂直板部42bとからなる正面視略T字型のベース体42と、当該ベース体42の水平板部42aを下から支持して昇降装置30のガイド体35に取り付けられた支持板体43と、前記水平板部42aの上面に受渡し方向Xに沿って取り付けられたガイドレール44と、当該ガイドレール44に装着されたガイド体45と、第1連結部材41の下端部に取り付けられて、かつ前記ガイド体45の上面に取り付けられることによって第1連結部材41と共に受渡し方向Xに沿って移動可能な移動板体46とから構成される。水平移動装置40の駆動手段であるエアシリンダ47は、前記ベース体42の水平板部42aの下方において、受渡し方向Xと直交する水平方向Yに沿って配置され、垂直板部42bをロッド47aが貫通可能となるように取り付けられていて、当該ロッド47aの先端にはラック部47bが形成されている。前記水平板部42aには軸部材48が挿通されていて、当該軸部材48の下端部にはピニオン部材49が取り付けられて、当該ピニオン部材49と前記ラック部47bとが噛合する。軸部材48の上端部には旋回アーム51の一端が水平方向に装着されていて、当該旋回アーム51の他端部には、上方に向けて係合ピン52が取り付けられている。前記移動板体46には、前記係合ピン52の上端部を係合可能な係合孔46aが、受渡し方向Xと直交する水平方向Yに沿うような幅をもって形成されている。エアシリンダ47のロッド47aを出没させてラック部47bと噛合するピニオン部材49を半回転させることにより、係合ピン52は係合孔46a内を動きながら旋回し、移動板体46は受渡し方向Xに沿って係合ピン52の旋回半径の2倍の距離だけ直線移動することとなる。移動板体46は、第1連結部材41及び第2連結部材63を介して蓋体着脱具60と連結しているので、移動板体46を直線移動させることによって、カセットテーブルTのカセット載置板4に載置されて基板通過口2に最も近接して配置されているカセットKに対して、蓋体着脱具60を接近・離隔して前記カセットKの蓋体Kaを着脱することができる。なお、本実施例において、第1連結部材41の上部には配線等を通すための断面コの字型の部材41aが取り付けられていて、第1連結部材41は、前記部材41aと共にスリットSに挿通されている。
【0020】
次に、図7を用いて蓋体着脱具60について説明する。蓋体着脱具60は着脱具本体61と、着脱具本体61の前面(基板通過口2と対向する側)に装着された着脱盤62を備えていて、当該着脱盤62の上下端部には、カセットKの蓋体Kaを着脱する際に、当該蓋体Kaを一時的に保持するための複数の吸盤62a及び爪体62bが設けられている。着脱具本体61はその下端部において第2連結部材63と連結していると共に、スリットSを挿通した第1連結部材41におけるプレート1の背面側の端面にボルト26で固定されて連結している。第2連結部材63は略断面L字状の部材であって、着脱具本体61を下から支持する支持部63aと、第1連結部材41の前記端面と連結する連結部63bとから構成される。着脱具本体61が第2連結部材63、及び水平移動装置40の移動板体46に固定された第1連結部材41と連結していることによって、蓋体着脱具60は昇降装置30のシリンダ本体31の駆動によって上下方向Zに沿って昇降移動すると共に、水平移動装置40のエアシリンダ47の駆動によって受渡し方向Xに沿って進退移動することが可能となっている。
【0021】
図3ないし図5を用いてスリット閉塞装置Hの一つである第1閉塞具10について説明する。第1閉塞具10は、ケース11及び当該ケース11内に巻き取られて収容された閉塞テープ12とからなる。第1閉塞具10のケース11は、ロードポート装置Lのプレート1の正面側におけるスリットSの下形成端部S1 に取り付けられていて、水平移動装置40がスリットSの下形成端部S1 まで下降しても前記水平移動装置40と前記ケース11とが干渉しない位置に配置されている。前記ケース11から引き出された閉塞テープ12の先端部は、水平移動装置40の下端部にねじ13で固定されている。本実施例では、前記先端部は、水平移動装置40の支持板体43の下端部に配置されている後述の閉塞板Jにねじ留めされていて、ケース11から引き出された閉塞テープ12が常にプレート1上を摺動し、スリットSと閉塞テープ12との間に隙間が生じない配置になっている。前記第1閉塞具10のケース11から引き出された閉塞テープ12は、プレート1の正面側のスリットSにおける下形成端部S1 から支持板体43の下端部(具体的には閉塞板Jの下端部)の位置までを閉塞している。前記閉塞テープ12は、水平移動装置40の上昇時、即ち蓋体着脱具60の上昇時には、ケース11から閉塞テープ12が引き出されて伸びていき、水平移動装置40の下端部以下の部分のスリットSが前記閉塞テープ12によって閉塞される。また、前記蓋体着脱具60の下降時には、引き出されていた閉塞テープ12は、前記支持板体43の下端部が下がるにつれて、引込み付勢力によってケース11内に引き込まれ、巻き取られながら短くなっていく。なお、本実施例では、ケース11は前記スリットSの下形成端部S1 に固定され、閉塞テープ12の先端部分は水平移動装置40の下端部(閉塞板Jの下端面)に固定されていたが、ケース11と閉塞テープ12の先端部分の固定位置を互いに交換した配置にしても良い。
【0022】
図3、図7及び図8を用いて、第1実施例の第2閉塞具20について説明する。スリット閉塞装置Hにおいて第1閉塞具10と対をなす第2閉塞具20は、第1閉塞具10と同一構成であって、ケース21と当該ケース21内に巻き取られて収容された閉塞テープ22からなる。第2閉塞具20のケース21は、ロードポート装置Lのプレート1の背面側に配置されている蓋体着脱具60を支持する第2連結部材63の連結部63bに固定されていて、ケース21から水平に( 受渡し方向Xに沿って)引き出された閉塞テープ22は、当該連結部63bに形成されている挿通孔63c (本実施例ではボルト26の固定位置の直上)に挿通され、プレート1の背面で屈曲体24によって90°上方に屈曲され、プレート1の背面に接した状態でスリットSの上形成端部S2 にねじ23によって固定されている。前記挿通孔63cとして、第1連結部材41上に取り付けられた部材41aを通った配線等を挿通するために元々形成されている孔を利用しても良い。屈曲体24は、昇降装置30における取付板体33の上端部に近い側面に固定されたブラケット25の先端に取り付けられている。ブラケット25は、平面視略L字型の板状部材であって、プレート1の幅方向(受渡し方向Xに直交する水平方向Y)に平行な側の端部は前記取付板体33の上端部に近い側面部分に固定されていて、他方の受渡し方向Xに平行な側は、スリットSの幅と同程度の板幅で当該スリットSに挿通されて、その端部が僅かにプレート1の背面側に出た状態で屈曲体24を固定している。前記端部の上面と屈曲体24の下面との間には、僅かに隙間が形成されているので、当該隙間に閉塞テープ22が挿通されて上方に屈曲している。第2閉塞具20は上記のような構成であるため、前記第2閉塞具20のケース21から引き出された閉塞テープ22は、プレート1の背面側のスリットSにおける上形成端部S2 から支持板体43の上端部(具体的にはブラケット25)の位置までを閉塞している。前記閉塞テープ22は、水平移動装置40の下降時、即ち蓋体着脱具60の下降時には、ケース21から閉塞テープ22が引き出されて伸びていき、水平移動装置40の上端部の位置より上側部分のスリットSが前記閉塞テープ22によって閉塞される。また、前記蓋体着脱具60の上降時には、引き出されていた閉塞テープ22は、前記ブラケット25が上昇するにつれて、引込み付勢力によってケース21内に引き込まれ、巻き取られて短くなっていく。更に、水平移動装置40が受渡し方向Xに沿って前進する際には、屈曲体24によって閉塞テープ22が屈曲しているので、当該閉塞テープ22は、ねじ23で固定されている先端部分から屈曲体24までの上下方向Zに沿って引き出されている分は一定のままで、屈曲体24からケース21までの受渡し方向Xに沿って引き出されている分のみが巻き取られて短くなる。一方、水平移動装置40が受渡し方向Xに沿って後退する際には、前記上下方向Zに沿って引き出されている分は一定のままで、屈曲体24からケース21までの受渡し方向Xに沿って引き出されている分のみが引き出されて伸びる。従って、水平移動装置40が進退移動しても、上下方向Zに沿って引き出されている分の閉塞テープ22の長さは変わらず、プレート1に接した状態でプレート1と閉塞テープ22の間に隙間を生じることなく、スリットSを常に閉塞している。なお、本実施例において、第2連結部材63の背面側に第2閉塞具20のケース21が突出しており、他機材等との干渉を防ぐために、前記ケース21を左右両側から挟むような一対の保護板63dが形成されている。
【0023】
次に、図3、図5及び図9を用いて、水平移動装置40の下端部付近に取り付けられている閉塞板Jについて説明する。図9は、閉塞されている部分を示したスリットSの正面図である。図3及び図5に示されるように、水平移動装置40において、第1連結部材41はスリットSを挿通しているが、当該第1連結部材41の下側の空間に配されている各部材、即ち、移動板体46、ガイド体45、ガイドレール44、ベース体42、支持板体43はスリットSよりも手前側に配されているため、これら各部材の後方における範囲のスリットSは閉塞されておらず、開口状態にある。このため、当該開口された部分を閉塞するために、ベース体42の水平板部42a及び支持板体43の背面と、これらと対向するスリットSとの間に形成される空間には閉塞板Jが挿入されて、スリットSの前記開口部分を閉塞するように、前記閉塞板Jの下端部は支持板体43の下端面に固定されている。前記閉塞板Jの上端部は、第1連結部材41の下端面と接触しないように僅かに隙間が形成されている。本実施例では、閉塞板Jの下端部が直角に折り曲げられていて、当該直角部分が支持板体43の背面と下端面とで形成される出隅部分を覆うようにして、閉塞板Jは支持板体43の下端面に取り付けられている。また、第1閉塞具10の閉塞テープ12の先端部は、前記閉塞板Jの折り曲げられた下端部の下面においてねじ13で留められている。従って、図9に示されるように、スリットSの上形成端部S2 からブラケット25まではプレート1の背面側の閉塞テープ22によって、水平移動装置40が配置されている部分は閉塞板Jによって、支持板体43の下端部からスリットSの下形成端部S1 まではプレート1の正面側の閉塞テープ12によって、スリットSは閉塞される。なお、スリットSにおいて、第1連結部材41の幅がスリットSの幅よりも若干小さいために、挿通された前記第1連結部材41とスリットSとの間に隙間71が生じている。当該隙間71は非常に小さいので、隙間71が生じていてもガスの漏出に対しては問題ない。
【0024】
次に、図10 (イ) ないし (ハ) を用いて蓋体着脱装置Gを稼動した際の第1及び第2の各閉塞具10,20の一連の作用について説明する。図10 (イ) は、蓋体着脱具60が上昇端にあって、かつ受渡し方向Xに沿って基板通過口2に再接近した状態のロードポート装置Lの下側部分の側面図である。同(ロ) は、蓋体着脱具60が上昇端にあって、受渡し方向Xに沿って基板通過口2に最離隔した状態のロードポート装置Lの下側部分の側面図である。同 (ハ) は、蓋体着脱具60が下降端にあって、受渡し方向Xに沿って基板通過口2に最離隔した状態のロードポート装置Lの下側部分の側面図である。まず、ロードポート装置Lのカセット載置板4に載置されたカセットKの蓋体Kaを取り外す際は、蓋体着脱装置Gを稼動させ、昇降装置30のシリンダ本体31によりロッド32を上下方向Zに沿って突出させて、ロードポート装置Lのプレート1の背面の下降端に位置している蓋体着脱具60を上昇端まで移動させた後に、第1連結部材41を介して、蓋体着脱具60を受渡し方向Xに沿って基板通過口2の前進端まで移動させる〔図10 (イ) 〕。蓋体着脱具60を上昇させる際、プレート1の正面側において、スリットSの下形成端部S1 に固定された第1閉塞具10のケース11から閉塞テープ12が引き出される。当該閉塞テープ12の先端部分は水平移動装置40の下端部(閉塞板Jの下端面) に固定されているので、水平移動装置40の上昇と共に伸びるスリットSの開口部分は引き出される閉塞テープ12によって閉塞されていく。それと同時に、プレート1の背面側においては、第1連結部材41と連結した第2連結部材63の背面に固定されている第2閉塞具20のケース21内に、閉塞テープ22が引込み付勢力によって引き込まれて巻き取られていく。当該閉塞テープ22の先端部分は、プレート1の背面側におけるスリットSの上形成端部S2 に固定されているので、水平移動装置40の上昇と共に閉塞テープ22によるスリットSの閉塞部分は短くなっていく。また、引き出されている閉塞テープ22を上下方向Zから受渡し方向Xに直角に屈曲させるための屈曲体24はプレート1の背面極近傍に配置されているため、閉塞テープ22が巻き取られる際においても、スリットSと閉塞テープ22との間に隙間が生じることはなく、常にスリットSの閉塞状態は保たれている。
【0025】
次に、蓋体着脱具60の着脱具本体61の前面の着脱盤62に前記カセットKの蓋体Kaを装着させて、当該蓋体Kaを取り外す。その後、前記着脱盤62に前記蓋体Kaを装着させた状態で、水平移動装置40のエアシリンダ47を駆動させて、蓋体着脱具60を受渡し方向Xに沿って後退させる〔図10 (ロ) 〕。このとき、第1閉塞具10において、閉塞テープ12の先端部分は、受渡し方向Xには不動の支持板体43の下端部に固定されているので、水平移動装置40のガイド体45、移動板体46、及び第1連結部材41が受渡し方向Xに沿って進退移動しても、ケース11から閉塞テープ12が引き出されることも引き込まれることも無いのでスリットSとの間に隙間が生じることはなく、前記閉塞テープ12によってスリットSは常に閉塞されている。一方、第2閉塞具20においては、ケース21が第2連結部材63の背面に固定されているので、蓋体着脱具60の後退によりケース21も後退する。このとき、前記ケース21から引き出されている閉塞テープ22の先端部分はプレート1の背面のスリットSの上形成端部S2 に固定されていると共に、前記屈曲体24は、受渡し方向Xには不動の取付板体33に取り付けられたブラケット25に固定されているので、蓋体着脱具60の後退によって、閉塞テープ22は、先端部分から屈曲体24までの上下方向Zに沿ったスリットSの閉塞部分においては閉塞状態が維持されて、屈曲体24からケース21までの受渡し方向Xに沿った水平部分が引き伸ばされることになる。なお、水平移動装置40を駆動して蓋体着脱具60を受渡し方向Xに沿って前進移動させる際は、蓋体着脱具60を後退させる場合と逆の関係であって、閉塞テープ22は、先端部分から屈曲体24までの上下方向Zに沿ったスリットSの閉塞部分においては閉塞状態が維持され、屈曲体24からケース21までの受渡し方向Xに沿った水平部分が引込み付勢力によりケース21内に引き込まれて巻き取られることになる。
【0026】
蓋体着脱具60を後退させた状態で、シリンダ本体31のロッド32を引き下げて、下降端まで下降させる際は、第1及び第2の各閉塞具10,20に対する閉塞テープ12,22の引出し、及び引込みが、上昇させる場合と逆の関係になる。即ち、第1閉塞具10については、水平移動装置40が下降すると共に、水平移動装置40の下端部からプレート1の正面側におけるスリットSの下形成端部S1 までを閉塞していた閉塞テープ12は、引込み付勢力によってケース11に引き込まれて巻き取られていく。一方、第2閉塞具20については、プレート1の背面側において、ケース21から閉塞テープ22が引き出される。このとき、ケース21から屈曲体24までの受渡し方向Xに沿った水平部分の長さは変わらないが、上下方向Zに沿った屈曲体24からスリットSの上形成端部S2 に固定された先端部分までの長さが伸びて、水平移動装置40の下降と共に伸びるスリットSの開口部分は、プレート1上を摺動するように引き出された閉塞テープ22によって閉塞されていく。
【0027】
以上より、蓋体着脱具60の上昇、下降、進退移動によらず、即ち蓋体着脱具60の配置位置とは無関係に、スリットSは下形成端部S1 から水平移動装置40の下端部まではプレート1の正面側から第1閉塞具10によって閉塞され、水平移動装置40の上端部分から上形成端部S2 まではプレート1の背面側から第2閉塞具20によって閉塞され、更には水平移動装置40の後方部分は閉塞板Jによって閉塞されることにより、スリットSは常に閉塞される。この結果、内部がガス雰囲気に維持されていたり、基板Wの処理工程でガスが発生するような製造装置Eにおいて、運転時に製造装置E内のガスがスリットSから大気中へ漏れ出てしまうことが防止される。
【0028】
図11(イ),(ロ)及び図12(イ),(ロ)を用いて、その他の実施例について説明する。図11(イ)は、ケース21をブラケット25’に取り付け、閉塞テープ22の先端部分をプレート1の正面側におけるスリットSの上形成端部S2 に固定した場合(第2実施例)の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の縦断面図である。同(ロ)は、第2実施例の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の斜視図である。図12(イ)は、ケース21をプレート1の正面側におけるスリットSの上形成端部S2 に取り付け、閉塞テープ22の先端部分をブラケット25’に固定した場合(第3実施例)の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の縦断面図である。同(ロ)は、第3実施例の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の斜視図である。図11に示されるように、第2実施例では、スリット閉塞装置Hにおける第2閉塞具20の取付け位置がプレート1の正面側である点で、第1実施例と相違する。即ち、第2閉塞具20において、ケース21は、ブラケット25’上に固定されていて、当該ケース21内に収容されて引き出される閉塞テープ22の先端部は、プレート1の正面側におけるスリットSの上形成端部S2 にねじ23で固定されている。前記ブラケット25’は、第1実施例におけるブラケット25と類似の形状であり、一端部はロッド32の昇降方向(上下方向Z)に沿った取付板体33の側面部に固定されているが、もう一端部はスリットSを挿通せずに、閉塞テープ22の厚み分に対応する隙間を隔ててプレート1に対向していて、引き出された閉塞テープ22を90°上方に屈曲させるための屈曲体24が取り付けられている。第2閉塞具20が上記のように配置されているため、例えば、昇降装置30により蓋体着脱具60を下降させるに伴って、上下方向Zに沿って長くなっていく水平移動装置40より上側部分のスリットSは、第2閉塞具20から引き出されていく閉塞テープ22によって閉塞される。即ち、第2閉塞具20に収容されていた閉塞テープ22は受渡し方向Xに沿って引き出されていきながら、屈曲体24によって曲げられて、プレート1の正面側における前記スリットSを閉塞していく。第2閉塞具20が上記のように、プレート1の正面側に配置されていて、閉塞テープ22の先端部が受渡し方向Xに沿って移動することがないこと、また、スリットSは、水平移動装置40の上側及び下側のいずれの部分においてもプレート1の正面側から閉塞されるので、スリット閉塞装置Hの全体構成は簡易になる利点がある。
【0029】
図12に示されるように、第3実施例においても、第2実施例と同様に、前記第2閉塞具20の取付け位置がプレート1の正面側である点で、第1実施例と相違しており、第2実施例とはケース21と閉塞テープ22の先端部の各固定位置が入れ替わっている点で相違している。即ち、第2閉塞具20において、ケース21はプレート1の正面側におけるスリットSの上形成端部S2 に固定されていて、ケース21内に収容されて引き出される閉塞テープ22の先端部は、ブラケット25’におけるプレート1と対向する側の端部にねじ23で固定されている。第2閉塞具20が上記のように配置されているため、例えば、昇降装置30により蓋体着脱具60を下降させるに伴って、上下方向Zに沿って長くなっていく水平移動装置40より上側部分のスリットSは、第2閉塞具20から引き出されていく閉塞テープ22に閉塞される。また、第2実施例と同様に、第2閉塞具20がプレート1の正面側に配置されていて、閉塞テープ22の先端部が受渡し方向Xに沿って移動しないことに加えて、第3実施例の場合、ケース21から閉塞テープ22が引き出される方向は上下方向Zに沿っているので、屈曲体24のように閉塞テープ22を屈曲させる部材を設けずに、引き出された閉塞テープ22はそのままスリットSを閉塞可能であるため、スリット閉塞装置Hの全体構成はより一層簡易にできる利点がある。なお、第2及び第3実施例においても、第1閉塞具10におけるケース11と閉塞テープ12の先端部分の固定(取付け)位置は、第1実施例と同様に互いに交換した配置にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】製造装置EのフレームFの外側に装着された本発明にかかるロードポート装置Lの全体斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2における第1及び第2の各閉塞具10,20部分の拡大図である。
【図4】前記ロードポート装置LのカセットテーブルTより下側部分を正面から見た図である。
【図5】前記ロードポート装置LのカセットテーブルTから下側部分を斜め下方向から見た図である。
【図6】水平移動装置40の平面図である。
【図7】前記ロードポート装置Lのプレート1の背面における蓋体着脱具60部分の斜視図である。
【図8】(イ) は、第2閉塞具20の平面図であり、 (ロ) は、 (イ) のB−B線断面図である。
【図9】閉塞されている部分を示したスリットSの正面図である。
【図10】(イ) は、蓋体着脱具60が上昇端にあって、かつ受渡し方向Xに沿って基板通過口2に再接近した状態のロードポート装置Lの下側部分の側面図であり、(ロ) は、蓋体着脱具60が上昇端にあって、受渡し方向Xに沿って基板通過口2に最離隔した状態のロードポート装置Lの下側部分の側面図であり、 (ハ) は、蓋体着脱具60が下降端にあって、受渡し方向Xに沿って基板通過口2に最離隔した状態のロードポート装置Lの下側部分の側面図である。
【図11】(イ)は、ケース21をブラケット25’に取り付け、閉塞テープ22の先端部分をプレート1の正面側におけるスリットSの上形成端部S2 に固定した場合(第2実施例)の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の縦断面図であり、(ロ)は、第2実施例の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の斜視図である。
【図12】(イ)は、ケース21をプレート1の正面側におけるスリットSの上形成端部S2 に取り付け、閉塞テープ22の先端部分をブラケット25’に固定した場合(第3実施例)の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の縦断面図であり、(ロ)は、第3実施例の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
E: 半導体製造装置(製造装置)
F: ロードポート装置のフレーム
G: 蓋体着脱装置
H: スリット閉塞装置
L: ロードポート装置
S: スリット
T: カセットテーブル
X: 受渡し方向
Z: 上下方向
1: プレート
10:第1閉塞具
12:閉塞テープ
20:第2閉塞具
22:閉塞テープ
24:屈曲体
30:昇降装置
31:シリンダ本体
32:ロッド
40:水平移動装置
41:第1連結部材
42:ベース体
46:移動板体
60:蓋体着脱具
61:着脱具本体
63:第2連結部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、カセットテーブルに載置されたキャリアカセットの蓋体を着脱させるための蓋体着脱装置を備えたロードポート装置に関し、更に詳しくは半導体製造装置のフレームの内側に配置された蓋体着脱装置の蓋体着脱具と、前記フレームの外側に配置された前記蓋体着脱装置の昇降装置とを連結する部材を挿通するために、プレートの上下方向に形成されたスリットを閉塞する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術を説明するにあたり本発明の図を援用する。ロードポート装置Lは、キャリアカセットK(以下、単に「カセット」ということもある。)に収容された多数枚の各基板を、半導体製造装置(以下、単に「製造装置」ということもある。)Eに移載するために、前記カセットKを載置するための装置である (カセットKは図示せず)。図1に示されるように、当該ロードポート装置Lは、製造装置EのフレームFの外側に水平に設けられたカセットテーブルTと、当該カセットテーブルTに載置された前記カセットKの開口に対して蓋体Kaを着脱させるために、前記フレームFの内側に昇降可能に装着された蓋体着脱装置Gを備えている。前記カセットテーブルTに載置されたカセットKに多段となって収容されている各基板W (図示せず) は、カセットKから製造装置Eに移載され、当該製造装置E内で所定の処理が施された後、再度前記カセットK内に戻されて、次工程の製造装置Eに搬送される。カセットKとしては、FOUP(Front Opening Unified Pod)が利用されることが多い。
【0003】
製造装置EのフレームFの内側には、蓋体着脱装置Gが昇降可能に装着されている。当該蓋体着脱装置Gは、基板Wの処理前にはカセットKの開口を覆っている蓋体Kaを取り外し、当該蓋体Kaを降下させて前記カセットK内の各基板Wを前記開口から製造装置E内へ移載可能にし、一方、基板Wの処理後には基板WをカセットKに再収容した後、前記蓋体Kaを上昇させて前記開口に装着する。蓋体着脱装置Gの昇降はエアシリンダ等の昇降装置30によって駆動されるが、蓋体着脱装置G及び前記昇降装置30の両方を前記フレームFの内側、即ちプレート1の背面に配置するのはスペースの関係上難しい。このため、例えば特許文献1で示されるように、前記昇降装置30が前記フレームFの外側、即ちプレート1の正面に配置されたロードポート装置Lは多く存在する。当該形式のロードポート装置Lの場合、プレート1の背面側の蓋体着脱装置Gは正面側の昇降装置30と第1連結部材41を介して連結されていて、プレート1には前記第1連結部材41を挿通させるためのスリットSが上下方向Zに沿って形成されている。前記昇降装置30を駆動させると、前記第1連結部材41が前記スリットS内を昇降し、第1連結部材41と連結した蓋体着脱装置Gも同時に昇降する。
【0004】
基板Wを処理する製造装置Eにおいて、処理の内容によっては内部がガス雰囲気に維持されているものがある。当該製造装置Eに装着するロードポート装置Lが前記スリットSを有するものである場合、運転時には前記製造装置E内のガスがスリットSを通って大気中へ漏れ出てしまうため、ランニングコストが増える問題がある。また、前記ガスが、例えば窒素ガスのように無害なものであれば多少漏れ出ても安全であるが、例えば基板Wの処理過程で発生したガスが人体に有害であったり、金属腐食作用のあるガスであった場合には、前記ガスが前記スリットSから僅かしか漏れ出ないとしても問題である。前記スリットSを閉塞して前記ガスの漏出を防止する必要がある。
【特許文献1】特開2005−347603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カセットテーブルに載置されたキャリアカセットの蓋体を着脱させるための蓋体着脱装置を備えたロードポート装置において、製造装置のフレームの内側に配置された蓋体着脱装置と、前記フレームの外側に配置された前記蓋体着脱装置の昇降装置とを連結する部材を挿通するために、プレートの上下方向に形成されたスリットを閉塞することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、キャリアカセットを載置するために半導体製造装置のフレームの外側に水平に設けられたカセットテーブルと、当該カセットテーブルに載置された前記キャリアカセットの開口に対して蓋体を着脱させるために、前記フレームの内側に昇降可能に配置された蓋体着脱装置とを備えたロードポート装置であって、前記蓋体着脱装置は、前記フレームの外側に垂直に取り付けられたシリンダと、当該シリンダのロッドに取り付けられて昇降すると共に前記フレームに対して垂直な水平方向に移動可能な連結部材が、ベース体に取り付けられて、かつ当該連結部材が上下方向にプレートに形成されたスリットに挿通された水平移動装置と、前記連結部材における前記フレームの内側部分に一体に装着された蓋体着脱具を備え、前記フレームの外側においては、ケース内に閉塞テープが巻取り方向に付勢された状態で巻回された第1閉塞具が前記スリットの下形成端部又は前記水平移動装置のベース体のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第1閉塞具から引き出された閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、前記フレームの内側においては、水平移動装置の昇降時に第2閉塞具から引き出された閉塞テープのほぼ全長において前記スリットにほぼ密着するようにして、前記第2閉塞具が前記スリットの上形成端部又は前記水平移動装置の連結部材のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第2閉塞具の閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、前記シリンダ及び水平移動装置により蓋体着脱具が昇降、及び水平移動する際に、前記スリットのほぼ全長が外側及び内側において第1及び第2の各閉塞具から引き出された各閉塞テープによりそれぞれ閉塞される構成であることを特徴としている。
【0007】
ロードポート装置のカセットテーブルに載置されたカセットの蓋体の着脱を行う際には、まずシリンダのロッドを突出させて、製造装置のフレームの内側、即ちプレートの背面側の下降端に位置している蓋体着脱装置の蓋体着脱具を上昇端まで移動させ、次に、水平移動装置の連結部材を手前側の前進端まで移動させて、前記カセットの蓋体に前記蓋体着脱具を吸着させて取り外す。請求項1の発明によれば、当該蓋体着脱具の上昇時には、第1閉塞具から閉塞テープが引き出されて、引き出されて長くなった分の閉塞テープは水平移動装置の下方部分のスリットを閉塞する。一方、水平移動装置の上方部分のスリットを閉塞していた閉塞テープは、第2閉塞具の引込み付勢力によって引き込まれ、更に水平移動装置の前進時には、第2閉塞具から引き出されていた閉塞テープのうち前記スリットを閉塞していない部分は、当該第2閉塞具に巻き取られる。このため、スリットに対する水平移動装置の上下方向、及び前後方向の各位置が変更されても、当該スリットの大部分は常に閉塞される。
【0008】
一方、カセットの蓋体を取り外した後に、蓋体着脱具を後退させて、その後にシリンダのロッドを引き下げて、前記蓋体着脱具を蓋体と共に下降端まで下降させる場合には、第1及び第2の各閉塞具に対する閉塞テープの引出し、及び引込みが上記と逆の関係になる点が異なるのみで、スリットの大部分が常に閉塞されるのは同様である。
【0009】
このように、ロードポート装置の作用状態、換言すると、蓋体着脱装置の配置位置とは無関係に、プレートに形成されたスリットの大部分が常に閉塞されるので、製造装置内の充填ガスや基板処理時に発生するガスが当該スリットから漏れ出てしまうのを防止できる。
【0010】
請求項2の発明は、キャリアカセットを載置するために半導体製造装置のフレームの外側に水平に設けられたカセットテーブルと、当該カセットテーブルに載置された前記キャリアカセットの開口に対して蓋体を着脱させるために、前記フレームの内側に昇降可能に配置された蓋体着脱装置とを備えたロードポート装置であって、前記蓋体着脱装置は、前記フレームの外側に垂直に取り付けられたシリンダと、当該シリンダのロッドに取り付けられて昇降すると共に前記フレームに対して垂直な水平方向に移動可能な連結部材が、ベース体に取り付けられて、かつ当該連結部材が上下方向にプレートに形成されたスリットに挿通された水平移動装置と、前記連結部材における前記フレームの内側部分に一体に装着された蓋体着脱具を備え、前記フレームの外側においては、ケース内に閉塞テープが巻取り方向に付勢された状態で巻回された第1閉塞具が前記スリットの下形成端部又は前記水平移動装置のベース体のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第1閉塞具から引き出された閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、同じくフレームの外側においては、第2閉塞具が前記スリットの上形成端部又は前記水平移動装置のベース体のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第2閉塞具の閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、前記シリンダ及び水平移動装置により蓋体着脱具が昇降、及び水平移動する際に、前記スリットのほぼ全長が外側において第1及び第2の各閉塞具から引き出された各閉塞テープにより閉塞される構成であることを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明によれば、第1及び第2の各閉塞具、及び当該各閉塞具から引き出された閉塞テープの先端のいずれもが、前記フレームに対して垂直な水平方向 (前後方向) には移動しないので、スリット閉塞装置の全体構成が簡易になる利点がある。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記水平移動装置のベース体には、スリットにおける第1及び第2の各閉塞具の各閉塞テープにより閉塞されていない部分を閉塞するための閉塞板が取り付けられていることを特徴としている。
【0013】
前記スリットにおいて、第1及び第2の各閉塞具から引き出されている閉塞テープにより大部分は閉塞されているが、各閉塞具の配置上、ちょうどベース体の裏側にはどちらの閉塞テープによっても閉塞されていない部分が僅かに存在する。請求項3の発明によれば、前記ベース体に閉塞板を取り付けることによって、ベース体の裏側に生じている非閉塞部分を閉塞することができるので、ガスの漏出をより一層効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ロードポート装置の蓋体着脱装置において、水平移動装置が上下方向、及び前後方向に移動しても、プレートに上下方向に形成されたスリットは第1及び第2の各閉塞具によって常に閉塞される。このため、製造装置内の充填ガスや基板処理時に発生するガスが当該スリットから漏れ出てしまうのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、最良の実施形態を挙げて本発明について更に詳細に説明する。図1は、製造装置EのフレームFの外側に装着された本発明にかかるロードポート装置Lの全体斜視図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、図2における第1及び第2の各閉塞具10,20部分の拡大図である。図4は、前記ロードポート装置LのカセットテーブルTより下側部分を正面から見た図である。図5は、前記ロードポート装置LのカセットテーブルTから下側部分を斜め下方向から見た図である。図6は、水平移動装置40の平面図である。図7は、前記ロードポート装置Lのプレート1の背面における蓋体着脱具60部分の斜視図である。図8 (イ) は、第2閉塞具20の平面図である。同 (ロ) は、 (イ) のB−B線断面図である。
【0016】
図1及び図2を用いてロードポート装置Lについて説明する。ロードポート装置Lは、製造装置EのフレームFに形成された開口Faを覆うようにして垂直に配置されたプレート1と、カセットKを載置するために、当該プレート1の正面側、即ちフレームFの外側に水平となって手前側に突設されたカセットテーブルTと、前記プレート1の背面側、即ちフレームFの内側に装着された蓋体着脱装置Gとを備えている。プレート1におけるカセットテーブルTよりも上方部分には、製造装置Eと外部との間で基板Wを通過させてその受渡しを可能にするための方形状の基板通過口2が形成されている。基板通過口2が方形状をしているのは、当該基板通過口2は製造装置Eの内外の間で基板Wを受渡しのために通過させる機能を有するだけでなく、蓋体着脱装置GによりFOUPであるカセットKの蓋体Kaを着脱させる際に、前記蓋体Kaを通過させる機能も有しているため、基板通過口2はカセットKの蓋体Kaの形状に対して僅かに大きな相似形である必要があるからである。また、カセットテーブルTは、プレート1に固定されたテーブル本体3と、当該テーブル本体3の上面において基板Wの受渡し方向Xに沿ってスライド可能に配置されたカセット載置板4を備えている。図2に示されるように、カセット載置板4の上面には、当該カセット載置板4に対してカセットKを設定位置に位置決めした状態で載置するための位置決め部材5、前記カセットKが載置されたことを検出するための着座センサ6、及び載置されたカセットKを係止するためのクランプ具7が設けられている。カセット載置板4は、エアシリンダ等の駆動手段 (図示せず) により前記受渡し方向Xに沿って往復動されて、その前進端位置において、カセットKの開口はプレート1の基板通過口2に臨むようになっている。なお、図中の符号Cは、蓋体着脱装置Gを被覆して保護するためのカバー体である。
【0017】
蓋体着脱装置Gは、前記基板通過口2に臨んだカセットKの蓋体Kaを着脱するためにロードポート装置Lのプレート1の背面側に装着された蓋体着脱具60と、当該蓋体着脱具60をプレート1の板面の上下方向Zに沿って昇降移動させるために前記プレート1の正面側に配置された昇降装置30と、前記蓋体着脱具60を受渡し方向Xに沿って進退移動させるための水平移動装置40を備えている。昇降装置30は、シリンダ本体31とロッド32で構成される。蓋体着脱具60は水平移動装置40と第1連結部材41を介して連結されていて、当該第1連結部材41は、プレート1のカセットテーブルTより下部分において幅方向の中央部に上下方向Zに沿って形成されたスリットSに挿通されている。蓋体着脱具60と第1連結部材41とは、蓋体着脱具60の直下に配された第2連結部材63が第1連結部材41におけるプレート1の背面側部分に固定されることによって、連結されている。昇降装置30と水平移動装置40とは、ロッド32の後方に配されて当該ロッド32の昇降を誘導するシリンダ用ガイドレール34に装着されたガイド体35と水平移動装置40のベース体42を支持する支持板体43とが固定されることによって連結されている。
【0018】
図4及び図6を用いて、昇降装置30について説明する。ロードポート装置Lのプレート1の正面側の前記スリットSのやや側方(本実施例では図4の図面視における左側方)には、高さ方向に沿ってシリンダ用ガイドレール34が敷設されている。当該シリンダ用ガイドレール34に装着された1個のガイド体35は、取付板体33を介してロッド32と連結されている。当該取付板体33は、断面L字型の長尺部材であって、長尺方向が上下方向Zに沿うように配置されて、長尺方向に対して垂直に折れ曲がった上端部33aが、ロッド32の上端部32aに螺合状態で固定されていると共に、前記取付板体33の下端部付近が前記ガイド体35に固着されている。昇降装置30は上記構成のため、ロッド32はシリンダ用ガイドレール34に沿って昇降する。なお、図中の符号36は、シリンダ本体31を挿通してシリンダ本体31をプレート1に固定するためのシリンダ固定部材36である。
【0019】
図4ないし図6を用いて水平移動装置40について説明する。水平移動装置40は、水平移動装置40と蓋体着脱具60を連結するための第1連結部材41と、水平移動装置40の基盤となって水平板部42aと垂直板部42bとからなる正面視略T字型のベース体42と、当該ベース体42の水平板部42aを下から支持して昇降装置30のガイド体35に取り付けられた支持板体43と、前記水平板部42aの上面に受渡し方向Xに沿って取り付けられたガイドレール44と、当該ガイドレール44に装着されたガイド体45と、第1連結部材41の下端部に取り付けられて、かつ前記ガイド体45の上面に取り付けられることによって第1連結部材41と共に受渡し方向Xに沿って移動可能な移動板体46とから構成される。水平移動装置40の駆動手段であるエアシリンダ47は、前記ベース体42の水平板部42aの下方において、受渡し方向Xと直交する水平方向Yに沿って配置され、垂直板部42bをロッド47aが貫通可能となるように取り付けられていて、当該ロッド47aの先端にはラック部47bが形成されている。前記水平板部42aには軸部材48が挿通されていて、当該軸部材48の下端部にはピニオン部材49が取り付けられて、当該ピニオン部材49と前記ラック部47bとが噛合する。軸部材48の上端部には旋回アーム51の一端が水平方向に装着されていて、当該旋回アーム51の他端部には、上方に向けて係合ピン52が取り付けられている。前記移動板体46には、前記係合ピン52の上端部を係合可能な係合孔46aが、受渡し方向Xと直交する水平方向Yに沿うような幅をもって形成されている。エアシリンダ47のロッド47aを出没させてラック部47bと噛合するピニオン部材49を半回転させることにより、係合ピン52は係合孔46a内を動きながら旋回し、移動板体46は受渡し方向Xに沿って係合ピン52の旋回半径の2倍の距離だけ直線移動することとなる。移動板体46は、第1連結部材41及び第2連結部材63を介して蓋体着脱具60と連結しているので、移動板体46を直線移動させることによって、カセットテーブルTのカセット載置板4に載置されて基板通過口2に最も近接して配置されているカセットKに対して、蓋体着脱具60を接近・離隔して前記カセットKの蓋体Kaを着脱することができる。なお、本実施例において、第1連結部材41の上部には配線等を通すための断面コの字型の部材41aが取り付けられていて、第1連結部材41は、前記部材41aと共にスリットSに挿通されている。
【0020】
次に、図7を用いて蓋体着脱具60について説明する。蓋体着脱具60は着脱具本体61と、着脱具本体61の前面(基板通過口2と対向する側)に装着された着脱盤62を備えていて、当該着脱盤62の上下端部には、カセットKの蓋体Kaを着脱する際に、当該蓋体Kaを一時的に保持するための複数の吸盤62a及び爪体62bが設けられている。着脱具本体61はその下端部において第2連結部材63と連結していると共に、スリットSを挿通した第1連結部材41におけるプレート1の背面側の端面にボルト26で固定されて連結している。第2連結部材63は略断面L字状の部材であって、着脱具本体61を下から支持する支持部63aと、第1連結部材41の前記端面と連結する連結部63bとから構成される。着脱具本体61が第2連結部材63、及び水平移動装置40の移動板体46に固定された第1連結部材41と連結していることによって、蓋体着脱具60は昇降装置30のシリンダ本体31の駆動によって上下方向Zに沿って昇降移動すると共に、水平移動装置40のエアシリンダ47の駆動によって受渡し方向Xに沿って進退移動することが可能となっている。
【0021】
図3ないし図5を用いてスリット閉塞装置Hの一つである第1閉塞具10について説明する。第1閉塞具10は、ケース11及び当該ケース11内に巻き取られて収容された閉塞テープ12とからなる。第1閉塞具10のケース11は、ロードポート装置Lのプレート1の正面側におけるスリットSの下形成端部S1 に取り付けられていて、水平移動装置40がスリットSの下形成端部S1 まで下降しても前記水平移動装置40と前記ケース11とが干渉しない位置に配置されている。前記ケース11から引き出された閉塞テープ12の先端部は、水平移動装置40の下端部にねじ13で固定されている。本実施例では、前記先端部は、水平移動装置40の支持板体43の下端部に配置されている後述の閉塞板Jにねじ留めされていて、ケース11から引き出された閉塞テープ12が常にプレート1上を摺動し、スリットSと閉塞テープ12との間に隙間が生じない配置になっている。前記第1閉塞具10のケース11から引き出された閉塞テープ12は、プレート1の正面側のスリットSにおける下形成端部S1 から支持板体43の下端部(具体的には閉塞板Jの下端部)の位置までを閉塞している。前記閉塞テープ12は、水平移動装置40の上昇時、即ち蓋体着脱具60の上昇時には、ケース11から閉塞テープ12が引き出されて伸びていき、水平移動装置40の下端部以下の部分のスリットSが前記閉塞テープ12によって閉塞される。また、前記蓋体着脱具60の下降時には、引き出されていた閉塞テープ12は、前記支持板体43の下端部が下がるにつれて、引込み付勢力によってケース11内に引き込まれ、巻き取られながら短くなっていく。なお、本実施例では、ケース11は前記スリットSの下形成端部S1 に固定され、閉塞テープ12の先端部分は水平移動装置40の下端部(閉塞板Jの下端面)に固定されていたが、ケース11と閉塞テープ12の先端部分の固定位置を互いに交換した配置にしても良い。
【0022】
図3、図7及び図8を用いて、第1実施例の第2閉塞具20について説明する。スリット閉塞装置Hにおいて第1閉塞具10と対をなす第2閉塞具20は、第1閉塞具10と同一構成であって、ケース21と当該ケース21内に巻き取られて収容された閉塞テープ22からなる。第2閉塞具20のケース21は、ロードポート装置Lのプレート1の背面側に配置されている蓋体着脱具60を支持する第2連結部材63の連結部63bに固定されていて、ケース21から水平に( 受渡し方向Xに沿って)引き出された閉塞テープ22は、当該連結部63bに形成されている挿通孔63c (本実施例ではボルト26の固定位置の直上)に挿通され、プレート1の背面で屈曲体24によって90°上方に屈曲され、プレート1の背面に接した状態でスリットSの上形成端部S2 にねじ23によって固定されている。前記挿通孔63cとして、第1連結部材41上に取り付けられた部材41aを通った配線等を挿通するために元々形成されている孔を利用しても良い。屈曲体24は、昇降装置30における取付板体33の上端部に近い側面に固定されたブラケット25の先端に取り付けられている。ブラケット25は、平面視略L字型の板状部材であって、プレート1の幅方向(受渡し方向Xに直交する水平方向Y)に平行な側の端部は前記取付板体33の上端部に近い側面部分に固定されていて、他方の受渡し方向Xに平行な側は、スリットSの幅と同程度の板幅で当該スリットSに挿通されて、その端部が僅かにプレート1の背面側に出た状態で屈曲体24を固定している。前記端部の上面と屈曲体24の下面との間には、僅かに隙間が形成されているので、当該隙間に閉塞テープ22が挿通されて上方に屈曲している。第2閉塞具20は上記のような構成であるため、前記第2閉塞具20のケース21から引き出された閉塞テープ22は、プレート1の背面側のスリットSにおける上形成端部S2 から支持板体43の上端部(具体的にはブラケット25)の位置までを閉塞している。前記閉塞テープ22は、水平移動装置40の下降時、即ち蓋体着脱具60の下降時には、ケース21から閉塞テープ22が引き出されて伸びていき、水平移動装置40の上端部の位置より上側部分のスリットSが前記閉塞テープ22によって閉塞される。また、前記蓋体着脱具60の上降時には、引き出されていた閉塞テープ22は、前記ブラケット25が上昇するにつれて、引込み付勢力によってケース21内に引き込まれ、巻き取られて短くなっていく。更に、水平移動装置40が受渡し方向Xに沿って前進する際には、屈曲体24によって閉塞テープ22が屈曲しているので、当該閉塞テープ22は、ねじ23で固定されている先端部分から屈曲体24までの上下方向Zに沿って引き出されている分は一定のままで、屈曲体24からケース21までの受渡し方向Xに沿って引き出されている分のみが巻き取られて短くなる。一方、水平移動装置40が受渡し方向Xに沿って後退する際には、前記上下方向Zに沿って引き出されている分は一定のままで、屈曲体24からケース21までの受渡し方向Xに沿って引き出されている分のみが引き出されて伸びる。従って、水平移動装置40が進退移動しても、上下方向Zに沿って引き出されている分の閉塞テープ22の長さは変わらず、プレート1に接した状態でプレート1と閉塞テープ22の間に隙間を生じることなく、スリットSを常に閉塞している。なお、本実施例において、第2連結部材63の背面側に第2閉塞具20のケース21が突出しており、他機材等との干渉を防ぐために、前記ケース21を左右両側から挟むような一対の保護板63dが形成されている。
【0023】
次に、図3、図5及び図9を用いて、水平移動装置40の下端部付近に取り付けられている閉塞板Jについて説明する。図9は、閉塞されている部分を示したスリットSの正面図である。図3及び図5に示されるように、水平移動装置40において、第1連結部材41はスリットSを挿通しているが、当該第1連結部材41の下側の空間に配されている各部材、即ち、移動板体46、ガイド体45、ガイドレール44、ベース体42、支持板体43はスリットSよりも手前側に配されているため、これら各部材の後方における範囲のスリットSは閉塞されておらず、開口状態にある。このため、当該開口された部分を閉塞するために、ベース体42の水平板部42a及び支持板体43の背面と、これらと対向するスリットSとの間に形成される空間には閉塞板Jが挿入されて、スリットSの前記開口部分を閉塞するように、前記閉塞板Jの下端部は支持板体43の下端面に固定されている。前記閉塞板Jの上端部は、第1連結部材41の下端面と接触しないように僅かに隙間が形成されている。本実施例では、閉塞板Jの下端部が直角に折り曲げられていて、当該直角部分が支持板体43の背面と下端面とで形成される出隅部分を覆うようにして、閉塞板Jは支持板体43の下端面に取り付けられている。また、第1閉塞具10の閉塞テープ12の先端部は、前記閉塞板Jの折り曲げられた下端部の下面においてねじ13で留められている。従って、図9に示されるように、スリットSの上形成端部S2 からブラケット25まではプレート1の背面側の閉塞テープ22によって、水平移動装置40が配置されている部分は閉塞板Jによって、支持板体43の下端部からスリットSの下形成端部S1 まではプレート1の正面側の閉塞テープ12によって、スリットSは閉塞される。なお、スリットSにおいて、第1連結部材41の幅がスリットSの幅よりも若干小さいために、挿通された前記第1連結部材41とスリットSとの間に隙間71が生じている。当該隙間71は非常に小さいので、隙間71が生じていてもガスの漏出に対しては問題ない。
【0024】
次に、図10 (イ) ないし (ハ) を用いて蓋体着脱装置Gを稼動した際の第1及び第2の各閉塞具10,20の一連の作用について説明する。図10 (イ) は、蓋体着脱具60が上昇端にあって、かつ受渡し方向Xに沿って基板通過口2に再接近した状態のロードポート装置Lの下側部分の側面図である。同(ロ) は、蓋体着脱具60が上昇端にあって、受渡し方向Xに沿って基板通過口2に最離隔した状態のロードポート装置Lの下側部分の側面図である。同 (ハ) は、蓋体着脱具60が下降端にあって、受渡し方向Xに沿って基板通過口2に最離隔した状態のロードポート装置Lの下側部分の側面図である。まず、ロードポート装置Lのカセット載置板4に載置されたカセットKの蓋体Kaを取り外す際は、蓋体着脱装置Gを稼動させ、昇降装置30のシリンダ本体31によりロッド32を上下方向Zに沿って突出させて、ロードポート装置Lのプレート1の背面の下降端に位置している蓋体着脱具60を上昇端まで移動させた後に、第1連結部材41を介して、蓋体着脱具60を受渡し方向Xに沿って基板通過口2の前進端まで移動させる〔図10 (イ) 〕。蓋体着脱具60を上昇させる際、プレート1の正面側において、スリットSの下形成端部S1 に固定された第1閉塞具10のケース11から閉塞テープ12が引き出される。当該閉塞テープ12の先端部分は水平移動装置40の下端部(閉塞板Jの下端面) に固定されているので、水平移動装置40の上昇と共に伸びるスリットSの開口部分は引き出される閉塞テープ12によって閉塞されていく。それと同時に、プレート1の背面側においては、第1連結部材41と連結した第2連結部材63の背面に固定されている第2閉塞具20のケース21内に、閉塞テープ22が引込み付勢力によって引き込まれて巻き取られていく。当該閉塞テープ22の先端部分は、プレート1の背面側におけるスリットSの上形成端部S2 に固定されているので、水平移動装置40の上昇と共に閉塞テープ22によるスリットSの閉塞部分は短くなっていく。また、引き出されている閉塞テープ22を上下方向Zから受渡し方向Xに直角に屈曲させるための屈曲体24はプレート1の背面極近傍に配置されているため、閉塞テープ22が巻き取られる際においても、スリットSと閉塞テープ22との間に隙間が生じることはなく、常にスリットSの閉塞状態は保たれている。
【0025】
次に、蓋体着脱具60の着脱具本体61の前面の着脱盤62に前記カセットKの蓋体Kaを装着させて、当該蓋体Kaを取り外す。その後、前記着脱盤62に前記蓋体Kaを装着させた状態で、水平移動装置40のエアシリンダ47を駆動させて、蓋体着脱具60を受渡し方向Xに沿って後退させる〔図10 (ロ) 〕。このとき、第1閉塞具10において、閉塞テープ12の先端部分は、受渡し方向Xには不動の支持板体43の下端部に固定されているので、水平移動装置40のガイド体45、移動板体46、及び第1連結部材41が受渡し方向Xに沿って進退移動しても、ケース11から閉塞テープ12が引き出されることも引き込まれることも無いのでスリットSとの間に隙間が生じることはなく、前記閉塞テープ12によってスリットSは常に閉塞されている。一方、第2閉塞具20においては、ケース21が第2連結部材63の背面に固定されているので、蓋体着脱具60の後退によりケース21も後退する。このとき、前記ケース21から引き出されている閉塞テープ22の先端部分はプレート1の背面のスリットSの上形成端部S2 に固定されていると共に、前記屈曲体24は、受渡し方向Xには不動の取付板体33に取り付けられたブラケット25に固定されているので、蓋体着脱具60の後退によって、閉塞テープ22は、先端部分から屈曲体24までの上下方向Zに沿ったスリットSの閉塞部分においては閉塞状態が維持されて、屈曲体24からケース21までの受渡し方向Xに沿った水平部分が引き伸ばされることになる。なお、水平移動装置40を駆動して蓋体着脱具60を受渡し方向Xに沿って前進移動させる際は、蓋体着脱具60を後退させる場合と逆の関係であって、閉塞テープ22は、先端部分から屈曲体24までの上下方向Zに沿ったスリットSの閉塞部分においては閉塞状態が維持され、屈曲体24からケース21までの受渡し方向Xに沿った水平部分が引込み付勢力によりケース21内に引き込まれて巻き取られることになる。
【0026】
蓋体着脱具60を後退させた状態で、シリンダ本体31のロッド32を引き下げて、下降端まで下降させる際は、第1及び第2の各閉塞具10,20に対する閉塞テープ12,22の引出し、及び引込みが、上昇させる場合と逆の関係になる。即ち、第1閉塞具10については、水平移動装置40が下降すると共に、水平移動装置40の下端部からプレート1の正面側におけるスリットSの下形成端部S1 までを閉塞していた閉塞テープ12は、引込み付勢力によってケース11に引き込まれて巻き取られていく。一方、第2閉塞具20については、プレート1の背面側において、ケース21から閉塞テープ22が引き出される。このとき、ケース21から屈曲体24までの受渡し方向Xに沿った水平部分の長さは変わらないが、上下方向Zに沿った屈曲体24からスリットSの上形成端部S2 に固定された先端部分までの長さが伸びて、水平移動装置40の下降と共に伸びるスリットSの開口部分は、プレート1上を摺動するように引き出された閉塞テープ22によって閉塞されていく。
【0027】
以上より、蓋体着脱具60の上昇、下降、進退移動によらず、即ち蓋体着脱具60の配置位置とは無関係に、スリットSは下形成端部S1 から水平移動装置40の下端部まではプレート1の正面側から第1閉塞具10によって閉塞され、水平移動装置40の上端部分から上形成端部S2 まではプレート1の背面側から第2閉塞具20によって閉塞され、更には水平移動装置40の後方部分は閉塞板Jによって閉塞されることにより、スリットSは常に閉塞される。この結果、内部がガス雰囲気に維持されていたり、基板Wの処理工程でガスが発生するような製造装置Eにおいて、運転時に製造装置E内のガスがスリットSから大気中へ漏れ出てしまうことが防止される。
【0028】
図11(イ),(ロ)及び図12(イ),(ロ)を用いて、その他の実施例について説明する。図11(イ)は、ケース21をブラケット25’に取り付け、閉塞テープ22の先端部分をプレート1の正面側におけるスリットSの上形成端部S2 に固定した場合(第2実施例)の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の縦断面図である。同(ロ)は、第2実施例の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の斜視図である。図12(イ)は、ケース21をプレート1の正面側におけるスリットSの上形成端部S2 に取り付け、閉塞テープ22の先端部分をブラケット25’に固定した場合(第3実施例)の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の縦断面図である。同(ロ)は、第3実施例の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の斜視図である。図11に示されるように、第2実施例では、スリット閉塞装置Hにおける第2閉塞具20の取付け位置がプレート1の正面側である点で、第1実施例と相違する。即ち、第2閉塞具20において、ケース21は、ブラケット25’上に固定されていて、当該ケース21内に収容されて引き出される閉塞テープ22の先端部は、プレート1の正面側におけるスリットSの上形成端部S2 にねじ23で固定されている。前記ブラケット25’は、第1実施例におけるブラケット25と類似の形状であり、一端部はロッド32の昇降方向(上下方向Z)に沿った取付板体33の側面部に固定されているが、もう一端部はスリットSを挿通せずに、閉塞テープ22の厚み分に対応する隙間を隔ててプレート1に対向していて、引き出された閉塞テープ22を90°上方に屈曲させるための屈曲体24が取り付けられている。第2閉塞具20が上記のように配置されているため、例えば、昇降装置30により蓋体着脱具60を下降させるに伴って、上下方向Zに沿って長くなっていく水平移動装置40より上側部分のスリットSは、第2閉塞具20から引き出されていく閉塞テープ22によって閉塞される。即ち、第2閉塞具20に収容されていた閉塞テープ22は受渡し方向Xに沿って引き出されていきながら、屈曲体24によって曲げられて、プレート1の正面側における前記スリットSを閉塞していく。第2閉塞具20が上記のように、プレート1の正面側に配置されていて、閉塞テープ22の先端部が受渡し方向Xに沿って移動することがないこと、また、スリットSは、水平移動装置40の上側及び下側のいずれの部分においてもプレート1の正面側から閉塞されるので、スリット閉塞装置Hの全体構成は簡易になる利点がある。
【0029】
図12に示されるように、第3実施例においても、第2実施例と同様に、前記第2閉塞具20の取付け位置がプレート1の正面側である点で、第1実施例と相違しており、第2実施例とはケース21と閉塞テープ22の先端部の各固定位置が入れ替わっている点で相違している。即ち、第2閉塞具20において、ケース21はプレート1の正面側におけるスリットSの上形成端部S2 に固定されていて、ケース21内に収容されて引き出される閉塞テープ22の先端部は、ブラケット25’におけるプレート1と対向する側の端部にねじ23で固定されている。第2閉塞具20が上記のように配置されているため、例えば、昇降装置30により蓋体着脱具60を下降させるに伴って、上下方向Zに沿って長くなっていく水平移動装置40より上側部分のスリットSは、第2閉塞具20から引き出されていく閉塞テープ22に閉塞される。また、第2実施例と同様に、第2閉塞具20がプレート1の正面側に配置されていて、閉塞テープ22の先端部が受渡し方向Xに沿って移動しないことに加えて、第3実施例の場合、ケース21から閉塞テープ22が引き出される方向は上下方向Zに沿っているので、屈曲体24のように閉塞テープ22を屈曲させる部材を設けずに、引き出された閉塞テープ22はそのままスリットSを閉塞可能であるため、スリット閉塞装置Hの全体構成はより一層簡易にできる利点がある。なお、第2及び第3実施例においても、第1閉塞具10におけるケース11と閉塞テープ12の先端部分の固定(取付け)位置は、第1実施例と同様に互いに交換した配置にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】製造装置EのフレームFの外側に装着された本発明にかかるロードポート装置Lの全体斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2における第1及び第2の各閉塞具10,20部分の拡大図である。
【図4】前記ロードポート装置LのカセットテーブルTより下側部分を正面から見た図である。
【図5】前記ロードポート装置LのカセットテーブルTから下側部分を斜め下方向から見た図である。
【図6】水平移動装置40の平面図である。
【図7】前記ロードポート装置Lのプレート1の背面における蓋体着脱具60部分の斜視図である。
【図8】(イ) は、第2閉塞具20の平面図であり、 (ロ) は、 (イ) のB−B線断面図である。
【図9】閉塞されている部分を示したスリットSの正面図である。
【図10】(イ) は、蓋体着脱具60が上昇端にあって、かつ受渡し方向Xに沿って基板通過口2に再接近した状態のロードポート装置Lの下側部分の側面図であり、(ロ) は、蓋体着脱具60が上昇端にあって、受渡し方向Xに沿って基板通過口2に最離隔した状態のロードポート装置Lの下側部分の側面図であり、 (ハ) は、蓋体着脱具60が下降端にあって、受渡し方向Xに沿って基板通過口2に最離隔した状態のロードポート装置Lの下側部分の側面図である。
【図11】(イ)は、ケース21をブラケット25’に取り付け、閉塞テープ22の先端部分をプレート1の正面側におけるスリットSの上形成端部S2 に固定した場合(第2実施例)の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の縦断面図であり、(ロ)は、第2実施例の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の斜視図である。
【図12】(イ)は、ケース21をプレート1の正面側におけるスリットSの上形成端部S2 に取り付け、閉塞テープ22の先端部分をブラケット25’に固定した場合(第3実施例)の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の縦断面図であり、(ロ)は、第3実施例の第2閉塞具20を示した水平移動装置40の斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
E: 半導体製造装置(製造装置)
F: ロードポート装置のフレーム
G: 蓋体着脱装置
H: スリット閉塞装置
L: ロードポート装置
S: スリット
T: カセットテーブル
X: 受渡し方向
Z: 上下方向
1: プレート
10:第1閉塞具
12:閉塞テープ
20:第2閉塞具
22:閉塞テープ
24:屈曲体
30:昇降装置
31:シリンダ本体
32:ロッド
40:水平移動装置
41:第1連結部材
42:ベース体
46:移動板体
60:蓋体着脱具
61:着脱具本体
63:第2連結部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアカセットを載置するために半導体製造装置のフレームの外側に水平に設けられたカセットテーブルと、当該カセットテーブルに載置された前記キャリアカセットの開口に対して蓋体を着脱させるために、前記フレームの内側に昇降可能に配置された蓋体着脱装置とを備えたロードポート装置であって、
前記蓋体着脱装置は、前記フレームの外側に垂直に取り付けられたシリンダと、当該シリンダのロッドに取り付けられて昇降すると共に前記フレームに対して垂直な水平方向に移動可能な連結部材が、ベース体に取り付けられて、かつ当該連結部材が上下方向にプレートに形成されたスリットに挿通された水平移動装置と、前記連結部材における前記フレームの内側部分に一体に装着された蓋体着脱具を備え、
前記フレームの外側においては、ケース内に閉塞テープが巻取り方向に付勢された状態で巻回された第1閉塞具が前記スリットの下形成端部又は前記水平移動装置のベース体のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第1閉塞具から引き出された閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、
前記フレームの内側においては、水平移動装置の昇降時に第2閉塞具から引き出された閉塞テープのほぼ全長において前記スリットにほぼ密着するようにして、前記第2閉塞具が前記スリットの上形成端部又は前記水平移動装置の連結部材のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第2閉塞具の閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、
前記シリンダ及び水平移動装置により蓋体着脱具が昇降、及び水平移動する際に、前記スリットのほぼ全長が外側及び内側において第1及び第2の各閉塞具から引き出された各閉塞テープによりそれぞれ閉塞される構成であることを特徴とするロードポート装置におけるスリット閉塞装置。
【請求項2】
キャリアカセットを載置するために半導体製造装置のフレームの外側に水平に設けられたカセットテーブルと、当該カセットテーブルに載置された前記キャリアカセットの開口に対して蓋体を着脱させるために、前記フレームの内側に昇降可能に配置された蓋体着脱装置とを備えたロードポート装置であって、
前記蓋体着脱装置は、前記フレームの外側に垂直に取り付けられたシリンダと、当該シリンダのロッドに取り付けられて昇降すると共に前記フレームに対して垂直な水平方向に移動可能な連結部材が、ベース体に取り付けられて、かつ当該連結部材が上下方向にプレートに形成されたスリットに挿通された水平移動装置と、前記連結部材における前記フレームの内側部分に一体に装着された蓋体着脱具を備え、
前記フレームの外側においては、ケース内に閉塞テープが巻取り方向に付勢された状態で巻回された第1閉塞具が前記スリットの下形成端部又は前記水平移動装置のベース体のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第1閉塞具から引き出された閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、
同じくフレームの外側においては、第2閉塞具が前記スリットの上形成端部又は前記水平移動装置のベース体のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第2閉塞具の閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、
前記シリンダ及び水平移動装置により蓋体着脱具が昇降、及び水平移動する際に、前記スリットのほぼ全長が外側において第1及び第2の各閉塞具から引き出された各閉塞テープにより閉塞される構成であることを特徴とするロードポート装置におけるスリット閉塞装置。
【請求項3】
前記水平移動装置のベース体には、スリットにおける第1及び第2の各閉塞具の各閉塞テープにより閉塞されていない部分を閉塞するための閉塞板が取付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロードポート装置におけるスリット閉塞装置。
【請求項1】
キャリアカセットを載置するために半導体製造装置のフレームの外側に水平に設けられたカセットテーブルと、当該カセットテーブルに載置された前記キャリアカセットの開口に対して蓋体を着脱させるために、前記フレームの内側に昇降可能に配置された蓋体着脱装置とを備えたロードポート装置であって、
前記蓋体着脱装置は、前記フレームの外側に垂直に取り付けられたシリンダと、当該シリンダのロッドに取り付けられて昇降すると共に前記フレームに対して垂直な水平方向に移動可能な連結部材が、ベース体に取り付けられて、かつ当該連結部材が上下方向にプレートに形成されたスリットに挿通された水平移動装置と、前記連結部材における前記フレームの内側部分に一体に装着された蓋体着脱具を備え、
前記フレームの外側においては、ケース内に閉塞テープが巻取り方向に付勢された状態で巻回された第1閉塞具が前記スリットの下形成端部又は前記水平移動装置のベース体のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第1閉塞具から引き出された閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、
前記フレームの内側においては、水平移動装置の昇降時に第2閉塞具から引き出された閉塞テープのほぼ全長において前記スリットにほぼ密着するようにして、前記第2閉塞具が前記スリットの上形成端部又は前記水平移動装置の連結部材のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第2閉塞具の閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、
前記シリンダ及び水平移動装置により蓋体着脱具が昇降、及び水平移動する際に、前記スリットのほぼ全長が外側及び内側において第1及び第2の各閉塞具から引き出された各閉塞テープによりそれぞれ閉塞される構成であることを特徴とするロードポート装置におけるスリット閉塞装置。
【請求項2】
キャリアカセットを載置するために半導体製造装置のフレームの外側に水平に設けられたカセットテーブルと、当該カセットテーブルに載置された前記キャリアカセットの開口に対して蓋体を着脱させるために、前記フレームの内側に昇降可能に配置された蓋体着脱装置とを備えたロードポート装置であって、
前記蓋体着脱装置は、前記フレームの外側に垂直に取り付けられたシリンダと、当該シリンダのロッドに取り付けられて昇降すると共に前記フレームに対して垂直な水平方向に移動可能な連結部材が、ベース体に取り付けられて、かつ当該連結部材が上下方向にプレートに形成されたスリットに挿通された水平移動装置と、前記連結部材における前記フレームの内側部分に一体に装着された蓋体着脱具を備え、
前記フレームの外側においては、ケース内に閉塞テープが巻取り方向に付勢された状態で巻回された第1閉塞具が前記スリットの下形成端部又は前記水平移動装置のベース体のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第1閉塞具から引き出された閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、
同じくフレームの外側においては、第2閉塞具が前記スリットの上形成端部又は前記水平移動装置のベース体のいずれか一方に取り付けられていると共に、前記第2閉塞具の閉塞テープの先端部がその他方に取り付けられ、
前記シリンダ及び水平移動装置により蓋体着脱具が昇降、及び水平移動する際に、前記スリットのほぼ全長が外側において第1及び第2の各閉塞具から引き出された各閉塞テープにより閉塞される構成であることを特徴とするロードポート装置におけるスリット閉塞装置。
【請求項3】
前記水平移動装置のベース体には、スリットにおける第1及び第2の各閉塞具の各閉塞テープにより閉塞されていない部分を閉塞するための閉塞板が取付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロードポート装置におけるスリット閉塞装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−49344(P2009−49344A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216805(P2007−216805)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000002059)神鋼電機株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000002059)神鋼電機株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】
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