説明

ワイドコンバーターレンズ

【課題】 ズーム全域においてワイドコンバーターレンズ装着時のマスターレンズからの色収差変動が小さく、且つコンパクトなワイドコンバーターレンズを提供する。
【解決手段】 撮像レンズの拡大側に着脱可能なワイドコンバーターレンズであって、ワイドコンバーターレンズ内で最も大きな空気間隔を隔てて拡大側に配置された負の屈折力を有する第1レンズユニットと、前記空気間隔の縮小側に配置された正の屈折力を有する第2レンズユニットとから構成されており、第1レンズユニットが正の屈折力を有する第1の光学素子を含んでおり、第2レンズユニットが負の屈折力を有する第2の光学素子を含んでおり、第1の光学素子の部分分散比、アッベ数をθgF1、νd1、前記第2の光学素子の部分分散比、アッベ数、屈折力をθgF2、νd2、φGNL2、前記第2レンズユニットの屈折力をφとするとき、これらが適切な関係を満足する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、放送用カメラなどに用いられる撮影レンズ、特に変倍比が10倍以上で広角端状態での画角(全画角)が56°以上であるような撮像レンズに着脱自在に装着されるワイドコンバーターレンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、撮影レンズ(マスターレンズ)の物体側に取り付けられ、全系の焦点を一定位置に維持した状態で、撮影系全体の焦点距離を短い方へ変化させるワイドコンバーターレンズが多く提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、物体側より順に負の屈折力の第1群と、正の屈折力の第2群より成り、全体として4枚のレンズによりアフォーカル系を構成し、焦点距離変換倍率が0.8倍程度であるワイドコンバーターレンズを提案している。
【0004】
特許文献2では、物体側から順に負レンズと正レンズの接合負レンズが配置された第1負レンズ群と、負レンズと正レンズが配置された第2正レンズ群より成り、焦点距離変換倍率が0.65倍であるワイドコンバーターレンズを提案している。
【0005】
特許文献3では、1枚の負レンズから成る第1群と、少なくとも1枚の正レンズを有する第2群と、少なくとも1枚の負レンズを有する第3群で構成される前群と、少なくとも1枚の正レンズを有する後群で構成されるワイドコンバーターレンズを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−026779号公報
【特許文献2】特開平3−127007号公報
【特許文献3】特開平7−13074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
撮像レンズ(マスターレンズ)の物体側に取り付けるワイドコンバーターレンズは、マスターレンズに取り付けた際の光学性能変化が少ないことに加え、小型・軽量であることが求められる。
【0008】
しかしながら、特許文献1では第1レンズの形状と第2、第3レンズ間の空気間隔を規定して収差補正と小型化の両立を図っているが、第1レンズを低屈折率の硝材で構成しておりレンズを薄く構成することが難しい。
【0009】
特許文献2では、全体で4枚と少ないレンズ枚数での構成であるものの、第3レンズを物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、第4レンズを像側に凸面を向けた正レンズとしている。このため、第3レンズの物体側のコバ部から第4レンズの像面側面までの距離が長くなってしまい、小型化には不利な構成であり収差補正と小型化の両立が難しい。
【0010】
又、特許文献3では高分散材料から成るレンズを2枚配置し、ワイドコンバーターレンズ装着時のマスターレンズからの色収差変動を、全ズーム域で小さく抑えている。しかしながら、取り付けるマスターレンズの画角の割にワイドコンバーターレンズとしては大きく、色収差変動の抑制と小型化との両立が不十分である。
【0011】
そこで本発明では、ズーム全域においてワイドコンバーターレンズ装着時のマスターレンズからの色収差変動が小さく、且つコンパクトなワイドコンバーターレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のワイドコンバーターレンズは、撮像レンズの拡大側に着脱可能なワイドコンバーターレンズであって、該ワイドコンバーターレンズ中で最も大きな空気間隔を隔てて拡大側に配置された負の屈折力を有する第1レンズユニットと、前記空気間隔の縮小側に配置された正の屈折力を有する第2レンズユニットとから構成されており、前記第1レンズユニットが正の屈折力を有する第1の光学素子を含んでおり、前記第2レンズユニットが負の屈折力を有する第2の光学素子を含んでおり、前記第1の光学素子の部分分散比、アッベ数をθgF1、νd1、前記第2の光学素子の部分分散比、アッベ数、屈折力をθgF2、νd2、φGNL2、前記第2レンズユニットの屈折力をφとするとき、
θgF1+0.0016×νd1−0.665>0
νd1<30
θgF2+0.0016×νd2−0.665>0
νd2<30
0.02<|φGNL2/φ|<0.2
を満足することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ズーム全域においてワイドコンバーターレンズ装着時のマスターレンズからの色収差変動が小さく、且つコンパクトなワイドコンバーターレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】数値実施例1のワイドコンバーターレンズのレンズ断面図
【図2】マスターレンズ1のレンズ断面図
【図3】数値実施例1のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態でのレンズ断面図
【図4】(a)数値実施例1のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での広角端での縦収差図、(b)数値実施例1のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での望遠端での縦収差図
【図5】数値実施例2のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態でのレンズ断面図
【図6】(a)数値実施例2のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での広角端での縦収差図、(b)数値実施例2のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での望遠端での縦収差図
【図7】数値実施例3のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態でのレンズ断面図
【図8】(a)数値実施例3のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での広角端での縦収差図、(b)数値実施例3のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での望遠端での縦収差図
【図9】数値実施例4のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態でのレンズ断面図
【図10】(a)数値実施例4のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での広角端での縦収差図、(b)数値実施例4のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での望遠端での縦収差図
【図11】数値実施例5のワイドコンバーターレンズにマスターレン2を装着した状態でのレンズ断面
【図12】(a)数値実施例5のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での広角端での縦収差図、(b)数値実施例5のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での望遠端での縦収差図
【図13】数値実施例6のワイドコンバーターレンズにマスターレン2を装着した状態でのレンズ断面
【図14】(a)数値実施例6のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での広角端での縦収差図、(b)数値実施例6のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での望遠端での縦収差図
【図15】数値実施例7のワイドコンバーターレンズにマスターレン2を装着した状態でのレンズ断面
【図16】(a)数値実施例7のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での広角端での縦収差図、(b)数値実施例7のワイドコンバーターレンズにマスターレンズを装着した状態での望遠端での縦収差図
【図17】(a)マスターレンズの広角端での縦収差図、(b)マスターレンズの望遠端での縦収差図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のワイドコンバーターレンズは、撮像レンズ(マスターレンズ)の拡大側に着脱可能なワイドコンバーターレンズである。このワイドコンバーターレンズは、このワイドコンバーターレンズ中(内)で最も大きな空気間隔を隔てて拡大側(物体側)に負の屈折力を有する第1レンズユニット、縮小側(像面側)に正の屈折力を有する第2レンズユニットを備えている。ここで、この第1レンズユニットは少なくとも1つの正の屈折力の光学素子(第1の光学素子)を備えており、第2レンズユニットは少なくとも1つの負の屈折力の光学素子(第2の光学素子)を備えている。尚、上述の光学素子は他の光学素子に対して接合されていても構わないが、光学素子自体は接合レンズ等のように2つ以上の光学素子が接合されたものは意味しないものとする。また、当然のことながら、負の屈折力を有する第1レンズユニットは、前述の第1の光学素子以外に負の屈折力の光学素子を備えており、同じく正の屈折力を有する第2レンズユニットは正の屈折力の光学素子も含んでいる。
【0016】
ここで、上述の第1の光学素子の部分分散比、アッベ数をθgF1、νd1、第2の光学素子の部分分散比、アッベ数、屈折力をθgF2、νd2、φGNL2、第2レンズユニットの屈折力をφとするとき、本発明のワイドコンバーターレンズは、
θgF1+0.0016×νd1−0.665>0 ・・・(1−1)
νd1<30 ・・・(2−1)
θgF2+0.0016×νd2−0.665>0 ・・・(1−2)
νd2<30 ・・・(2−2)
0.02<|φGNL2/φ|<0.20 ・・・(3)
を満足することを特徴としている。このような特徴を持つことによって、撮像レンズ(マスターレンズ)のズーム全域において、撮像レンズ単体とワイドコンバーターレンズ装着時とで色収差変動を小さくすることができ、且つコンパクトなワイドコンバーターレンズを提供することができる。ここで、下限値を下回ると、全ズーム域に渡って良好な色収差の補正を行おうとすると、レンズ枚数の増加や色収差補正用の素子の屈折力を強くする必要があり大型化してしまう。
【0017】
また、条件式(2)は、異常分散性を有する光学材料GNLのアッベ数に関するものである。分散の強い(大きい)光学材料より成る光学素子を、第1負レンズ群と第2正レンズ群に配置することで、一般硝材とのアッベ数の差を大きくすることができる。その結果、所謂1次の色収差補正効果を強くすることができる。この条件式(2)の上限を超えると、所謂1次の色収差に対する補正が不十分となり、十分な光学性能が得られなくなってしまう可能性がある。
【0018】
また、条件式(3)は第2正レンズ群の屈折力と、第2正レンズ群に含まれる負の屈折力を有する素子GNL2の屈折力の比を規定した式である。この条件式(3)の上限値を超えて屈折力の比が大きくなると、第2正レンズ群の屈折力に対するGNL2の屈折力が強くなる。その結果、第1負レンズ群に対して第2正レンズ群のパワーが弱くなり、アフォーカル倍率を維持するために第1負レンズ群と第2正レンズ群の光軸上での距離を長くする必要があるため、光学系が大型化してしまう。逆に下限値を下回ると、GNL2の屈折力が弱くなり、望遠端での軸上色収差の補正が不十分となるため、十分な光学性能が得られない。
【0019】
また、ここで、条件式(1−1)、(1−2)、(2−1)、(2−2)中のアッベ数νdと部分分散比θgFは、以下の式によって定義される物理量である。これらの式中のNg,NF,Nd,NCはそれぞれ、g線(波長435.8nm),F線(波長486.1nm),d線(波長587.6nm),C線(波長656.3nm)に対する材料の屈折率である。
νd=(Nd−1)/(NF−NC)
θgF=(Ng−NF)/(NF−NC)
また、条件式(3)における屈折力とは、焦点距離の逆数のことである。
【0020】
ここで、これらの条件式は以下を満足すると尚好ましい。
0.0800>θgF1+0.0016×νd1−0.665>0.0020
・・・(1−1a)
15<νd1<24 ・・・(2−1a)
0.0800>θgF2+0.0016×νd2−0.665>0.0020
・・・(1−2a)
15<νd2<24 ・・・(2−2a)
0.04<|φGNL2/φ|<0.12 ・・・(3a)
但し、これらは全てを同時に満足する必要は無く、(1−1)、(1−2)、(2−1)、(2−2)、(3)のいずれか1つを(1−1a)、(1−2a)、(2−1a)、(2−2a)、(3a)と入れ換えるだけでも効果は増大する。
【0021】
また、ワイドコンバーターレンズ中の最も物体側の面から最も像面側の面までの光軸上での距離をL、最も物体側の面の有効径をEAとするとき、
1.65<EA/L<2.25 ・・・(4)
を満足すると尚好ましい。
【0022】
条件式(4)は、ワイドコンバーターレンズの光軸上での全長Lと、最も物体側面の有効径EAの関係を規定する式である。尚、本発明のワイドコンバーターレンズの有効径EAは、マスターレンズに取り付けた際に広角端状態での像面照度比が40%以上となるように決定されている。この条件式(4)の下限値を下回ると、有効径に対する全長が長くなる。つまりワイドコンバーターレンズとして大型化してしまい、コンパクト化が難しい。逆に上限を超えて大きくなると、全長を短くするために第1負レンズ群と第2正レンズ群の屈折力が大きくなる。その結果、ワイドコンバーターレンズを構成する素子の曲率がきつくなり、軸外光線に対する収差補正が困難となってしまう。ここで、更に好ましくは、
1.70<EA/L<2.15 ・・・(4a)
を満足すると良い。
【0023】
また、前述の第1の光学素子の屈折力をφGNL1とするとき、
2<|φGNL1/φGNL2|<10 ・・・(5)
を満足すると更に望ましい。この条件式(5)は、第1負レンズ群中の光学材料GNLにより形成された正の屈折力を有する素子GNL1の屈折力と、第2正レンズ群中の光学材料GNLにより形成された負の屈折力を有する素子GNL2の屈折力の比を規定する式である。この条件式(5)の下限値を下回ると、GNL2の屈折力が強くなり、望遠端の軸上色収差が大きくオーバーとなり、又望遠端での倍率色収差が大きくアンダーとなるため色収差のバランスが崩れてしまう。逆に上限を超えて大きくなると、GNL2の屈折力が弱くなり、望遠端での軸上色収差が大きくアンダーとなり、色収差のバランスが崩れてしまう。ここで、更に望ましくは、
3.15<|φGNL1/φGNL2|<10.00 ・・・(5a)
を満足すると良い。
【0024】
また、第1レンズユニット内の全ての正の屈折力を有する光学素子の部分分散比、アッベ数の平均値をθfp、νfp、第1レンズユニット内の全ての負の屈折力を有する光学素子の部分分散比、アッベ数の平均値をθfn、νfnとするとき、
2.8×10−3<(θfn−θfp)/(νfp−νfn)<6.0×10−3 ・・・(6)
を満足すると更に望ましい。
【0025】
更には、第2レンズユニット内の全ての正の屈折力を有する光学素子の部分分散比、アッベ数の平均値をθrp、νrp、第2レンズユニット内の全ての負の屈折力を有する光学素子の部分分散比、アッベ数の平均値をθrn、νrnとするとき、
1.8×10−3<(θrn−θrp)/(νrp−νrn)<3.5×10−3 ・・・(7)
を満足すると更に望ましい。
【0026】
これらの条件式(6)(7)は、ワイドコンバーターレンズ中の第1負レンズ群と第2正レンズ群における基準波長以外の3波長間の色消し、所謂2次の色消し効果を規定した式である。
【0027】
条件式(6)が下限値を下回ると、第1負レンズ群内での一般材料とGNLの色消しの差が小さく、効果的な色消し効果を持たせることができない。その結果、特に広角端での倍率色収差補正が困難となる。逆に上限値を超えると、倍率色収差補正には大きな効果が得られるが、望遠端で軸上色収差の2次スペクトルが大きく発生してしまい、色収差のバランスが崩れてしまう。ここで、更に望ましくは、
3.7×10−3<(θfn−θfp)/(νfp−νfn)<6.0×10−3 ・・・(6a)
を満足すると良い。
【0028】
また、条件式(7)が下限値を下回ると、第2正レンズ群内での一般材料とGNLの色消しの差が小さく、効果的な色消し効果を持たせることができない。その結果、特に望遠端での軸上色収差補正が困難となる。逆に上限値を超えると、特に望遠端で倍率色収差が過補正となり、色収差のバランスが崩れてしまう。
【0029】
ここで、更に望ましくは、
2.0×10−3<(θrn−θrp)/(νrp−νrn)<3.5×10−3 ・・・(7a)
を満足すると良い。
【0030】
更に、条件式(6)(7)で規定される第1負レンズ群と第2正レンズ群の色消し効果は、
0.6×10−3<(θfn−θfp)/(νfp−νfn)−(θrn−θrp)/(νrp−νrn) ・・・(8)
を満足すると更に高い効果を奏することができる。この条件式(10)を満足することで、正の屈折力を有するGNL1と負の屈折力を有するGNL2で発生する収差をバランスよく補い、互いの収差補正効果を効果的に使うことができる。ここで、更に望ましくは、
1.0×10−3<(θfn−θfp)/(νfp−νfn)−(θrn−θrp)/(νrp−νrn)<2.8×10−3 ・・・(8a)
を満足すると良い。
【0031】
また、ワイドコンバーターレンズの焦点距離変換倍率βは、
0.7<β<0.9 ・・・(9)
を満足することが望ましい。この条件式(8)の下限を下回ると縮小率が大きくなりすぎて良好なる収差補正が困難となる。又上限値を越えるとワイドコンバーターレンズとしてワイド化の効果が十分に得られない。ここで、焦点距離変換倍率とは、撮影レンズ(ワイド端)に対してワイドコンバーターレンズを装着した状態での合成焦点距離を、撮影レンズ(ワイド端)単体の焦点距離で割った値である。ここで、更に望ましくは、
0.71<β<0.85 ・・・(9a)
を満足すると良い。
【0032】
また、更に上記条件式(1−1)〜(9)を満足するような本発明のワイドコンバーターレンズは、変倍比をZ、広角端状態の半画角をωとするとき、
Z≧10 ・・・(10)
ω≧28° ・・・(11)
を満足するマスターレンズに取り付けられることが望ましい。更に望ましくは、
300≧Z≧20 ・・・(10a)
60°≧ω≧31° ・・・(11a)
を満足すると尚好ましい。
【0033】
更に、前述の第1の光学素子が拡大側に凸のメニスカス形状であり、前述の第2の光学素子が縮小側に凸のメニスカス形状であることが望ましい。また、第1の光学素子が拡大側に凸のメニスカス形状であり、第2の光学素子が拡大側に凸のメニスカス形状であっても良い。
【0034】
また、第1の光学素子が、ワイドコンバーターレンズの最も拡大側に配置された光学素子の縮小側の面に接合されていると尚良い。また、第2の光学素子が、第2レンズユニット内に配置された両凸レンズと接合されていることが望ましい。
【0035】
上述のように、本実施例のワイドコンバーターレンズは、異常分散性を有する材料を適切なパワー配置で使用することで、良好な色収差補正に加えてコンパクト化が達成されていることが特徴として挙げられる。本実施例で使用するような高部分分散性を有する材料を素子に用いる場合、適切なパワー配置を規定することで、その補正効果を効率的に使うことができる。一方、適切なパワー配置を規定しない場合には軸上色収差や倍率色収差の過補正及び補正不足の原因となってしまうため望ましくない。
【0036】
本発明の光学系は、異常分散性の強い(大きい)光学材料で形成した屈折光学素子を含み、ワイドコンバーターレンズWC自体の色消しの関係を規定したことを特徴としている。それにより、ワイドコンバーターレンズWCをマスターレンズMSに装着したときに、色収差が装着前後で変化することを抑制できる。さらに、異常分散性を有する材料で色消しを効果的に行い、色消しを目的とする素子を低い屈折力の素子で構成することで光学系のコンパクト化を実現できる。尚、ここでの屈折光学素子とは屈折作用でパワーが生じる、例えば屈折レンズ等を意味し、回折作用でパワーが生じる回折光学素子を含んでいない。また光学材料は、光学系を使用する状態では固体であるが、製造時などの光学系を使用する前での状態は、どのような状態であっても良い。例えば、製造時には液体材料であっても、それを硬化させて固体材料としたものでも良い。例えば樹脂等を紫外線等を照射することによって硬化させることにより、異常分散性の強い光学素子(第1の光学素子、第2の光学素子等)を形成しても構わない。
【0037】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0038】
図1は本発明の実施例1(数値実施例1)のワイドコンバーターレンズの断面図である。図2は、本発明の実施例のワイドコンバーターレンズを着脱自在に装着する、撮像レンズ(マスターレンズ)のレンズ断面図である。図3は、実施例1のワイドコンバーターレンズを光軸上で2.71mm隔ててマスターレンズの物体側に装着したときのレンズ断面図である。図4(a)、(b)は、実施例1のワイドコンバーターレンズをマスターレンズに装着したときの広角端と望遠端のズーム位置における縦収差図である。
【0039】
図1において、略アフォーカル系を構成するワイドコンバーターレンズWCのうちFGは負の屈折力を有する第1負レンズ群(第1レンズユニット)、RGは正の屈折力を有する第2正レンズ群(第2レンズユニット)である。
【0040】
このうちFGは物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負の屈折力を有する素子(光学素子)と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正の屈折力を有する素子(光学素子)GNL1がこの順番で接合された接合負レンズで構成される。又RGは、両凸形状であり正の屈折力を有する素子と像面側に凸面を向けたメニスカス形状であり負の屈折力を有する素子GNL2とがこの順番で接合された接合正レンズから構成される。なお、ワイドコンバーターレンズ中のGNL1、2は異常分散性を有する光学材料で形成されており、共に表1における光学材料(1)を使用している。
【0041】
図2において、変倍比が20倍、広角端状態での半画角ωが33.9°であるマスターレンズMSのうち、U1は変倍中固定の正の屈折力を有する第1レンズ群である。U2は光軸方向に移動して変倍に寄与する負の屈折力を有する第2レンズ群である。U3は変倍に伴う像面の変動を補正する負の屈折力を有する第3レンズ群である。U4は変倍中固定の正の第4レンズ群であり、第4レンズ群内の大きな空気間隔で隔てられる正の屈折力を有する第41レンズ群(U41)と、正の屈折率を有する第42レンズ群(U42)で構成される。また、SPは絞り、DGは色分解プリズムや光学フィルターを示すガラスブロック、IPは撮像面である。このような高変倍比且つ広画角であるような撮像レンズでは全ズーム域に渡って良好な収差バランスが取られている。その為、撮像レンズに装着されるコンバーターレンズには、それ自体の収差が良好に補正されていることが求められる。
【実施例2】
【0042】
図5は、本発明の実施例2のワイドコンバーターレンズをマスターレンズの物体側に装着したときのレンズ断面図である。図6(a)、(b)は、実施例2のワイドコンバーターレンズを光軸上で2.00mm隔ててマスターレンズに装着したときの広角端と望遠端のズーム位置における縦収差図である。
【0043】
実施例2が実施例1と違う点は第2正レンズ群(第2レンズユニット)の構成である。実施例2の第2正レンズ群は、物体側(拡大側)から順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負の屈折力を有する素子GNL2と、両凸形状の正の屈折力を有する素子とを有している点である。本実施例2では、実施例1と同様に、これらの素子(光学素子)を接合して接合正レンズ(正の屈折力を有する接合レンズ)を構成している。
【0044】
前述の実施例1と本実施例2のいずれでも本発明の課題を解決することが可能である。すなわち異常分散性を有する光学素子(異常分散性を有する光学材料で構成された光学素子)が第2正レンズ群の中で物体側(拡大側)に配置されていても、像面側(縮小側)に配置されていても構わない。
【0045】
しかし、この第2正レンズ群の中の異常分散性を有する光学素子GNL2が例えば樹脂のような材料で構成されている場合、物体側にGNL2を配置することで耐環境性について有利な構成となる。なお、本実施例中のGNL1、2は実施例1と同様に異常分散性を有する光学材料で形成されており、表1における光学材料(1)を使用している。
【実施例3】
【0046】
図7は、本発明の実施例3のワイドコンバーターレンズを光軸上で2.34mm隔ててマスターレンズの物体側に装着したときのレンズ断面図である。図8(a)、(b)は、実施例3のワイドコンバーターレンズをマスターレンズに装着したときの広角端と望遠端のズーム位置における縦収差図である。
【0047】
図7において、略アフォーカル系を構成するワイドコンバーターレンズWCのうちFGは負の屈折力を有する第1負レンズ群、RGは正の屈折力を有する第2正レンズ群である。
【0048】
このうちFGは物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負の屈折力を有する素子と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正の屈折力を有する素子GNL1がこの順番で配置される。又RGは、像面側に凸面を向けたメニスカス形状であり負の屈折力を有する素子と、負の屈折力を有する物体側に凸面を向けたメニスカス形状である素子GNL2と両凸形状の素子がこの順に配置される。なお、本実施例中のGNL1,2は異常分散性を有する光学材料で形成されており、表1における光学材料(1)を使用している。
【0049】
本実施例のように第2正レンズ群の物体側に負の屈折力を有する素子を配置することで、最も物体側にある負の屈折力を有する素子の屈折力を分担することが可能となる。それにより、最も物体側の負の屈折力を有する素子の曲率を緩くすることができるため、軸外収差を有利に補正する(低減する)ことができる。又、本実施例のように異常分散性を有する素子GNLを単レンズとして配置しても接合レンズとして用いた場合と同様の色収差補正効果が得られる。
【実施例4】
【0050】
図9は、本発明の実施例4のワイドコンバーターレンズを光軸上で2.00mm隔ててマスターレンズの物体側に装着したときのレンズ断面図である。図10(a)、(b)は、実施例4のワイドコンバーターレンズをマスターレンズに装着したときの広角端と望遠端のズーム位置における縦収差図である。
【0051】
実施例4は、実施例3と類似のレンズ構成において、RGの中で異常分散性を有する素子GNL2を最も物体側に配置する負の屈折力を有する素子との接合素子としたことを特徴とする。
【実施例5】
【0052】
図11は、本発明の実施例5のワイドコンバーターレンズを光軸上で4.37mm隔ててマスターレンズの物体側に装着したときのレンズ断面図である。図12(a)、(b)、実施例5のワイドコンバーターレンズをマスターレンズに装着したときの広角端と望遠端のズーム位置における縦収差図である。
【0053】
実施例5は、実施例3〜4と類似のレンズ構成において、異常分散性を有する素子GNL1、2に表1における光学材料(2)を使用したことを特徴とする。光学材料(2)は部分分散比θgFが0.69と非常に高いため、条件式(5)、(6)および条件式(8)で規定されるような色消し効果をより強くすることができる。
【実施例6】
【0054】
図13は、本発明の実施例6のワイドコンバーターレンズを光軸上で4.28mm隔ててマスターレンズの物体側に装着したときのレンズ断面図である。図14(a)、(b)は、実施例6のワイドコンバーターレンズをマスターレンズに装着したときの広角端と望遠端のズーム位置における縦収差図である。
【0055】
実施例6は、実施例3〜5と類似のレンズ構成において、異常分散性を有する素子GNL1,2に表1における光学材料(3)を使用したことを特徴とする。光学材料(3)は部分分散比θgFが0.63と高いため、良好な色収差補正が達成されている。
【実施例7】
【0056】
図15は、本発明の実施例7のワイドコンバーターレンズを光軸上で2.41mm隔ててマスターレンズの物体側に装着したときのレンズ断面図である。図16(a)、(b)は、実施例7のワイドコンバーターレンズをマスターレンズに装着したときの広角端と望遠端のズーム位置における縦収差図である。
【0057】
実施例7は、実施例3〜6と類似のレンズ構成において、アフォーカル倍率が0.72倍と焦点距離をより短く変化させることができることを特徴とする。尚、本実施例中のGNL1、2は異常分散性を有する光学材料(1)で形成されている。
【0058】
このように、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、更に構成枚数を増やすことで更に収差を良好に補正することや、焦点距離変換倍率を小さくすることが可能である。又、各実施例において、異常分散性を有する光学素子として同一の光学材料を用いているがこの限りではない。第1負レンズ群(第1レンズユニット)内の異常分散性を有する光学材料GNL1と、第2正レンズ群(第2レンズユニット)内の異常分散性を有する光学材料GNL2とが互いに異なる材料であっても良い。これらの光学材料GNL1、GNL2は、実施例1〜7で用いた光学材料、すなわち光学材料(1)、(2)、(3)のいずれかであれば、両者が同じであっても互いに異なっていても構わない。本発明の第1負レンズ群内の異常分散性を有する光学材料GNL1と第2正レンズ群内の異常分散性を有する光学材料GNL2は、条件式(1)、(2)を満足していれば、光学材料(1)、(2)、(3)とは異なる材料であっても構わない。
【0059】
以下に、上記各実施例のワイドコンバーターレンズWCおよびマスターレンズMSの数値データを示す。各データ中、rは各レンズ面の曲率半径、dは各レンズ面の面間隔、ndは各レンズのd線に対する屈折率、νdは各レンズのアッベ数である。
【0060】
なお、非球面形状は、光軸方向の座標をx、光軸と垂直方向の座標をy、基準の曲率半径をR、円錐常数をk、n次の非球面係数をAnとして、以下の式で表される。但し、「e−x」は「×10−x」を意味している。尚、非球面を有するレンズ面には各表中の面番号の左側に*印を付している。
x=(y/r)/{1+(1−k・y/r0.5}+A2・y+A3・y+A4・y+A5・y+A6・y+A7・y+A8・y+A9・y+A10・y10+A11・y11+A12・y12

【0061】
(数値実施例1)
面番号 r d nd vd
1 450.102 5.01 1.79952 42.2
2 87.743 3.02 1.94087 17.4
3 96.370 41.22
4 136.873 12.18 1.52249 59.8
5 -334.162 1.50 1.94087 17.4
6 -381.808
全長L = 62.9 第1レンズ第1面の有効径EA = 128.8

【0062】
(数値実施例2)
面番号 r d nd vd
1 499.510 4.49 1.74400 44.8
2 78.152 4.00 1.94087 17.4
3 87.005 35.98
4 118.888 1.60 1.94087 17.4
5 114.000 13.63 1.48749 70.2
6 -326.450
全長L = 59.7 第1レンズ第1面の有効径EA = 127.4

【0063】
(数値実施例3)
面番号 r d nd vd
1 339.322 5.58 1.78800 47.4
2 87.344 4.56
3 107.009 5.00 1.94087 17.4
4 121.900 31.37
5 -86.073 4.50 1.51823 58.9
6 -123.131 0.13
7 232.974 3.00 1.94087 17.4
8 212.000 1.91
9 183.766 15.76 1.48749 70.2
10 -134.348
全長L = 71.8 第1レンズ第1面の有効径EA = 128.9

【0064】
(数値実施例4)
面番号 r d nd vd
1 204.225 5.49 1.78800 47.4
2 81.123 3.00 1.94087 17.4
3 90.579 35.13
4 -89.961 4.41 1.59551 39.2
5 -140.010 1.50 1.94087 17.4
6 -144.389 0.16
7 215.427 15.55 1.48749 70.2
8 -133.016
全長L = 65.2 第1レンズ第1面の有効径EA = 122.6

【0065】
(数値実施例5)
面番号 r d nd vd
1 334.603 5.58 1.78800 47.4
2 89.789 5.00 1.63555 22.7
3 112.941 34.07
4 -84.233 4.50 1.51742 52.4
5 -124.860 0.10
6 249.682 1.50 1.63555 22.7
7 229.152 16.55 1.48749 70.2
8 -126.455
全長L = 67.3 第1レンズ第1面の有効径EA = 127.7

【0066】
(数値実施例6)
面番号 r d nd vd
1 387.086 5.58 1.78800 47.4
2 89.378 5.00 1.80809 22.8
3 112.292 35.04
4 -84.820 4.50 1.51742 52.4
5 -123.145 0.10
6 250.257 1.50 1.80809 22.8
7 220.625 16.65 1.48749 70.2
8 -126.946
全長L = 68.4 第1レンズ第1面の有効径EA = 129.3

【0067】
(数値実施例7)
面番号 r d nd vd
1 668.962 6.00 1.81600 46.6
2 98.420 3.00 1.94087 17.4
3 110.889 42.20
4 -76.048 5.00 1.72000 43.7
5 -92.892 2.00
6 339.488 1.50 1.94087 17.4
7 313.833 20.00 1.48749 70.2
8 -113.966
全長L = 79.7 第1レンズ第1面の有効径EA = 136.1

【0068】
(マスターレンズ)
面データ
面番号 r d nd vd
1 -246.922 1.80 1.74950 35.3
2 232.273 6.64
3 465.881 1.80 1.80518 25.4
4 122.384 13.88 1.60300 65.4
5 -157.716 7.49
6 121.536 7.47 1.49700 81.5
7 4916.806 0.15
8 105.098 6.38 1.60300 65.4
9 482.600 0.15
10 69.519 5.86 1.72916 54.7
11 158.452 (可変)
12* 228.519 0.70 1.88300 40.8
13 16.094 5.93
14 -123.222 6.59 1.80518 25.4
15 -15.129 0.70 1.75500 52.3
16 30.692 0.68
17 23.413 5.61 1.60342 38.0
18 -39.635 0.88
19 -24.853 0.70 1.83481 42.7
20 -134.691 (可変)
21 -28.312 0.70 1.74320 49.3
22 46.740 2.80 1.84666 23.8
23 -2634.956 (可変)
24(絞り) ∞ 1.30
25 360.024 4.38 1.65844 50.9
26 -34.891 0.15
27 93.089 2.20 1.51633 64.1
28 -3728.151 0.15
29 89.504 6.00 1.51633 64.1
30 -32.080 1.80 1.83400 37.2
31 -210.910 35.20
32 50.755 5.88 1.51633 64.1
33 -53.480 1.67
34 -77.656 1.80 1.83481 42.7
35 28.900 6.25 1.51742 52.4
36 -88.443 4.17
37 86.742 6.93 1.48749 70.2
38 -30.504 1.80 1.83400 37.2
39 -143.178 0.18
40 52.448 4.90 1.51823 58.9
41 -70.716 4.50
42 ∞ 30.00 1.60342 38.0
43 ∞ 16.20 1.51633 64.2
44 ∞ (可変)
像面 ∞

非球面データ
第12面
K=8.58860e+000 A4=7.05382e-006 A6=-1.80303e-008 A8=7.49637e-011 A10=-8.01854e-013 A12= 5.80206e-015
A3=-4.50041e-007 A5=1.66019e-008 A7=-8.87373e-010 A9=1.99340e-011 A11=-1.17115e-013

【0069】
【数1】

【0070】
上述の実施例(数値実施例)1〜7で用いた光学材料(1)、(2)、(3)のデータを表1に示す。また、各実施例について条件式(1−1)、(1−2)、(2−1)、(2−2)、(3)〜(8)について計算した結果を下記の表2に示す。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【符号の説明】
【0073】
WC ワイドコンバーターレンズ
FG ワイドコンバーターレンズの負の第1レンズ群
RG ワイドコンバーターレンズの正の第2レンズ群
U1 マスターレンズの正の第1レンズ群
U2 マスターレンズの負の第2レンズ群
U3 マスターレンズの負の第3レンズ群
U4 マスターレンズの正の第4レンズ群
U41 マスターレンズの正の第41レンズ群
U42 マスターレンズの正の第42レンズ群
GNL1 光学材料GNLより成る正の屈折力を有する素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズの拡大側に着脱可能なワイドコンバーターレンズであって、
該ワイドコンバーターレンズ中で最も大きな空気間隔を隔てて拡大側に配置された負の屈折力を有する第1レンズユニットと、前記空気間隔の縮小側に配置された正の屈折力を有する第2レンズユニットとから構成されており、
前記第1レンズユニットが正の屈折力を有する第1の光学素子を含んでおり、
前記第2レンズユニットが負の屈折力を有する第2の光学素子を含んでおり、
前記第1の光学素子の部分分散比、アッベ数をθgF1、νd1、前記第2の光学素子の部分分散比、アッベ数、屈折力をθgF2、νd2、φGNL2、前記第2レンズユニットの屈折力をφとするとき、
θgF1+0.0016×νd1−0.665>0
νd1<30
θgF2+0.0016×νd2−0.665>0
νd2<30
0.02<|φGNL2/φ|<0.2
を満足することを特徴とするワイドコンバーターレンズ。
【請求項2】
前記ワイドコンバーターレンズ中の最も物体側の面から最も像面側の面までの光軸上での距離をL、最も物体側の面の有効径をEAとするとき、
1.65<EA/L<2.25
を満足することを特徴とする請求項1記載のワイドコンバーターレンズ。
【請求項3】
前記第1の光学素子の屈折力をφGNL1とするとき、
2<|φGNL1/φGNL2|<10
を満足することを特徴とする請求項1又は2記載のワイドコンバーターレンズ。
【請求項4】
前記第1レンズユニット内の全ての正の屈折力を有する光学素子の部分分散比、アッベ数の平均値をθfp、νfp、前記第1レンズユニット内の全ての負の屈折力を有する光学素子の部分分散比、アッベ数の平均値をθfn、νfn、前記第2レンズユニット内の全ての正の屈折力を有する光学素子の部分分散比、アッベ数の平均値をθrp、νrp、前記第2レンズユニット内の全ての負の屈折力を有する光学素子の部分分散比、アッベ数の平均値をθrn、νrnとするとき、
2.8×10−3<(θfn−θfp)/(νfp−νfn)<6.0×10−3
1.8×10−3<(θrn−θrp)/(νrp−νrn)<3.5×10−3
を満足することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載のワイドコンバーターレンズ。
【請求項5】
前記ワイドコンバーターレンズの焦点距離変換倍率をβとするとき、
0.7<β<0.9
を満足することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のワイドコンバーターレンズ。
【請求項6】
前記第1の光学素子が拡大側に凸のメニスカス形状であり、前記第2の光学素子が縮小側に凸のメニスカス形状であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載のワイドコンバーターレンズ。
【請求項7】
前記第1の光学素子が拡大側に凸のメニスカス形状であり、前記第2の光学素子が拡大側に凸のメニスカス形状であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載のワイドコンバーターレンズ。
【請求項8】
前記第1の光学素子が、前記ワイドコンバーターレンズの最も拡大側に配置された光学素子の縮小側の面に接合されていることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項に記載のワイドコンバーターレンズ。
【請求項9】
前記第2の光学素子が、前記第2レンズユニット内に配置された両凸レンズと接合されていることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項に記載のワイドコンバーターレンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−37184(P2013−37184A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172972(P2011−172972)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】