ワイヤハーネス用のバンドクリップ
【課題】ワイヤハーネスのバンドクリップにおいて保持力を高める。
【解決手段】締結バンドを設けたワイヤハーネス取付部から突設する一対の支柱部の突出端を連結する架橋部に、幅方向の両側で且つ長さ方向に位相させて一対の羽根部を前記ワイヤハーネス取付部の基部側に向けて折り返し状に突設し、各羽根部の外面にそれぞれ係止爪を設け、該係止爪を車体の長円形状の取付穴の周縁に係止するクリップにおいて、前記各羽根部の長さ方向の両側端から幅方向の中央に向けて突出する内側補強部と外側補強部を設けて前記羽根部を断面コ字形状とし、前記一対の羽根部の隣接する内側補強部は突出部分をオーバラップさせ、前記外側補強部は前記支柱部の内面に隙間をあけて位置させ、前記羽根部が長軸方向へ倒れる時に、該倒れる方向側の羽根部の外側補強部は前記対向する支柱部に押し当てられると共に前記内側補強部同士が接触して反対側の羽根部の倒れ込みを抑制する構成としている。
【解決手段】締結バンドを設けたワイヤハーネス取付部から突設する一対の支柱部の突出端を連結する架橋部に、幅方向の両側で且つ長さ方向に位相させて一対の羽根部を前記ワイヤハーネス取付部の基部側に向けて折り返し状に突設し、各羽根部の外面にそれぞれ係止爪を設け、該係止爪を車体の長円形状の取付穴の周縁に係止するクリップにおいて、前記各羽根部の長さ方向の両側端から幅方向の中央に向けて突出する内側補強部と外側補強部を設けて前記羽根部を断面コ字形状とし、前記一対の羽根部の隣接する内側補強部は突出部分をオーバラップさせ、前記外側補強部は前記支柱部の内面に隙間をあけて位置させ、前記羽根部が長軸方向へ倒れる時に、該倒れる方向側の羽根部の外側補強部は前記対向する支柱部に押し当てられると共に前記内側補強部同士が接触して反対側の羽根部の倒れ込みを抑制する構成としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤハーネス用のバンドクリップに関し、詳しくは、自動車等に配索するワイヤハーネスに取り付けられて車体の取付穴にクリップを挿入係止するバンドクリップにおいて、ワイヤハーネスに斜め方向の引っ張り力が作用してもクリップが取付穴から離脱しないようにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のワイヤハーネス用のバンドクリップは種々提案されている。例えば、特開2001−72123号公報で提案されている図11(A)(B)に示すバンドクリップ100は、締結バンド102を本体103から突設したワイヤハーネス取付部101と、該ワイヤハーネス取付部101と一体成形したクリップ105とからなる。該クリップ105は本体103の外面に突設した皿部110から左右一対の支柱部111A、111Bを突設し、該一対の支柱部111Aと111Bの突出端を連結する架橋部112に、短手方向Yの両側で且つ長手方向Xで左右に位相させて一対の羽根部113A、113Bを皿部側に向けて折り返し状に突設し、各羽根部113A、113Bの外面にそれぞれ係止爪114A、114Bを設けている。
【0003】
前記バンドクリップ100は締結バンド102をワイヤハーネスに巻き付けた後、本体103のバンド貫通穴103aに通し、締結バンド102に設けた係止溝にバンド貫通穴103aに突設した係止片を係止してワイヤハーネスに締結している。ワイヤハーネスを自動車の車体に沿って配索し、図11(B)に示すように車体に予め設けている長円状の取付穴Hにクリップ105を挿入し、羽根部113A、113Bを撓ませて取付穴Hに押し込み、係止爪114A、114Bを取付穴Hの長手方向Xの両側周縁に係止して、取付穴Hに固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−72123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1のバンドクリップにおいて、図12に示すように、長手方向X(例えばX−1)の引張力が負荷されると、引張方向X−1に羽根部113A、113Bが倒れ込み、羽根部113A、113Bの係止爪114A、114Bが取付穴Hの周縁から外れ易くなる。其の際、羽根部113Aの外側端が支柱部111Aに押し当てられる可能性はあるが、支柱部111Aより外側にずれて倒れこみ、支柱部111Aに押し当てられない場合もある。このように、前記バンドクリップ100は長手方向Xの引張力に対して保持力が弱い問題がある。
【0006】
本発明は前記した問題に鑑みてなされたもので、クリップが長軸方向の一方側に引っ張られた時に、引っ張られた側の羽根部の外側端を対向する支柱部に確実に押し当てて干渉させるようにし、羽根部に設けた係止爪が車体の取付穴から抜き出ないようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、第1の発明として、締結バンドを設けたワイヤハーネス取付部から突設する一対の支柱部の突出端を連結する架橋部に、幅方向の両側で且つ長さ方向に位相させて一対の羽根部を前記ワイヤハーネス取付部の基部側に向けて折り返し状に突設し、各羽根部の外面にそれぞれ係止爪を設け、該係止爪を車体の長円形状の取付穴の周縁に係止するクリップにおいて、
前記一対の羽根部の隣接側の基部同士を連結する中央連結部と、該中央連結部と反対側の前記一対の羽根部の外側縁から幅方向中央に向けて突出する外側補強部を設け、該各外側補強部を前記支柱部と隙間をあけて対向させ、前記羽根部が長軸方向へ倒れる時に前記外側補強部が対向する前記支柱部に接触する構成としていることを特徴とするワイヤハーネス用のバンドクリップを提供している。
【0008】
前記のように羽根部の外側縁から外側補強部を突設すると、長軸方向の引っ張り力が作用して、羽根部が引っ張られる長軸方向に倒れる時、該羽根部の外側補強部を外側に対向配置される支柱部に確実に押し当てることができる。これにより、羽根部の係止爪が車体の取付穴の周縁から外れることを防止でき、クリップの保持力を高めることができる。
【0009】
また、第2の発明として、締結バンドを設けたワイヤハーネス取付部から突設する一対の支柱部の突出端を連結する架橋部に、幅方向の両側で且つ長さ方向に位相させて一対の羽根部を前記ワイヤハーネス取付部の基部側に向けて折り返し状に突設し、各羽根部の外面にそれぞれ係止爪を設け、該係止爪を車体の長円形状の取付穴の周縁に係止するクリップにおいて、
前記各羽根部の長さ方向の両側端から幅方向の中央に向けて突出する内側補強部と外側補強部を設けて前記羽根部を断面コ字形状とし、前記一対の羽根部の隣接する内側補強部は突出部分をオーバラップさせ、前記外側補強部は前記支柱部の内面に隙間をあけて位置させ、
前記羽根部が長軸方向へ倒れる時に、該倒れる方向側の羽根部の外側補強部は前記対向する支柱部に押し当てられると共に前記内側補強部同士が接触して反対側の羽根部の倒れ込みを抑制する構成としているワイヤハーネス用のクリップを提供している。
【0010】
前記のように、第2の発明のバンドクリップでは、第1の発明で設けている中央連結部を設けずに、両側の羽根部にそれぞれ内側補強部をオーバラップさせて設け、羽根部が長軸方向に引っ張られて倒れ込み時に、前記内側補強部同士の接触により倒れ込む側と反対側の羽根部の倒れ込みを抑制し、該羽根部の係止爪が取付穴の周縁から外れないようにしている。
【0011】
前記第1の発明および第2の発明のバンドクリップにおいて、前記クリップの支柱部の基部側の外側面に切欠を設け、該支柱部が傾斜した時に前記切欠が前記車体の取付穴の周縁に引っ掛かる構成としていることが好ましい。
前記切欠は羽根部の係止爪より皿部側(基部側)に設け、クリップの挿入係止時に支柱部の切欠が挿入力に影響を与えないようにしている。
【0012】
前記支柱部は取付穴の両側円弧部に内嵌させているが、長軸方向の引張力が負荷されてクリップ自体が長軸方向に傾く時、支柱部も傾き、該支柱部の切欠が取付穴の周縁に引っ掛かり、クリップが取り付け穴から抜け出るのを防止することが出来る。
【0013】
前記ワイヤハーネス取付部は前記締結バンドを突設した本体部の外面に皿部を突設し、該皿部の底面より前記一対の支柱部を突設している。
また、前記羽根部の外面に設ける係止爪は、羽根部の傾斜した外面の下部を切り欠いて三角形状の係止爪としている。該係止爪を複数段設け、取付穴を設けた車体の板厚に対応させることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
前記のように、本発明に係わるバンドクリップは長軸方向の一方側から引張力が負荷され、引っ張られた方向の一方の羽根部が支柱部に倒れ込んだ時、該羽根部に支柱部と対向する外側補強部を設けているため、該外側補強部を確実に支柱部に押し当ることができる。これにより、該羽根部の係止爪が取付穴の周縁から外れるのを防止でき、クリップの保持力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態のバンドクリップの正面図である。
【図2】図1のバンドクリップのクリップを示す斜視図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】(A)は前記バンドクリップをワイヤハーネスに取り付けた状態を示す正面図、(B)は(A)の側面図、(C)は車体パネルの貫通穴にバンドクリップを挿入係止した状態を示す概略平面図である。
【図5】(A)は前記バンドクリップに負荷される長手方向の引張力を説明する斜視図、(B)は(A)の引張力が負荷された時のクリップの作用を説明する図面である。
【図6】第2実施形態のバンドクリップのクリップの斜視図である。
【図7】図6のクリップの平面図である。
【図8】第2実施形態のクリップに長手方向の引張力負荷時の作用を示す図面である。
【図9】第3実施形態のバンドクリップの正面図である。
【図10】第3実施形態のクリップに長手方向の引張力負荷時の作用を示す図面である。
【図11】(A)(B)は従来例を示す図面である。
【図12】(A)はクリップに対する引張方向を示す図面、(B)は従来例の問題点を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態のバンドクリップを図面を参照して説明する。
図1乃至図5に本発明のバンドクリップの第1実施形態を示す。
バンドクリップ1は樹脂成形品からなり、ワイヤハーネス取付部2とクリップ3とを一体形成している。
【0017】
ワイヤハーネス取付部2は、バンド貫通穴5aを設けた四角筒状の本体5と、バンド貫通穴5aの出口側の本体5の下部から突設した締結バンド6を備え、該締結バンド6の一面に係止溝6aを鋸歯状に設けている。該締結バンド6は図4に示すように、ワイヤハーネスW/Hを構成する電線群Wに巻き付けてバンド貫通穴5aの入口から挿入して貫通させ、バンド貫通穴5aの内周面より突設した係止片5bを前記係止溝6aに係止してワイヤハーネスW/Hに固定するようにしている。
【0018】
図2および図3に示すように、クリップ3は前記本体5の外面に突設した皿部10と、該皿部10の底部から突設した左右一対の支柱部11、12と、該支柱部11と12の突出端を連結した架橋部13と、該架橋部13の短手方向Yの両側で且つ長手方向Xで左右に位相させて一対の羽根部14、15を皿部10側の基部側に向けて折り返し状に突設している。各羽根部14、15の基部側先端が外方に突出するように傾斜させた外面に上下3段に係止爪16(16−1〜16−3)、17(17−1〜17−3)をそれぞれ設けている。
【0019】
前記各係止爪16、17は羽根部14、15の傾斜した外面にV状の切欠を入れて三角形状の係止爪としている。図4(C)に示すように、各係止爪16(17)の下面を車体Pの長円形状の取付穴Hの対向する長辺側の周縁の裏面に係止する引掛面としている。図2に示すように、各羽根部14、15には上下3カ所にV状の切欠を設け、前記のように、上下3段の係止爪16(16−1〜16−3)、17(17−1〜17−3)を設けている。
【0020】
前記左右一対の支柱部11、12は長円形状の取付穴H内において、短辺側の円弧部に沿って夫れ夫れ内嵌する断面半円形状としている。該左右一対の支柱部11、12の対向する平坦面からなる内面11a、12aの間に、前記羽根部14、15を配置している。
【0021】
羽根部14、15は、前記のように、長手方向で位相させていると共に、近接する内側縁14a、15aの間に空間をあけ、一方の羽根部14は一方の支柱部11に近接させ、他方の羽根部15は他方の支柱部12に近接させている。
【0022】
前記各羽根部14、15の外側縁14c、15cから短手方向Yの中央に向けて外側補強部14d、15dを突設している。これら外側補強部14d、15dは羽根部14、15の高さ方向全長に沿って設け、支柱部11、12とそれぞれ隙間をあけて対向させている。また、羽根部14、15の内側縁14aと15aの基部側を幅方向の中央連結部18で連結している。
【0023】
前記構成としたバンドクリップ1は図4(A)(B)(C)に示すように、締結バンド6をワイヤハーネスW/Hを構成する電線群Wに巻き付け、本体5のバンド貫通穴5aに通し、バンド貫通穴5a内で係止溝6aに係止片を係止してワイヤハーネスW/Hに固定している。
該ワイヤハーネスW/Hを車体に配索経路に沿って配索し、車体Pに設けた長円形状の取付穴Hに前記バンドクリップ1のクリップ3を架橋部13側から押し込み、羽根部14、15の係止爪16、17を取付穴Hの内周縁に係止して固定している。
【0024】
詳細には、本実施形態では、最下段の係止爪16(16−1)が取付穴Hの対向する一方の長辺haの左側に係止し、最下段の係止爪17(17−1)が取付穴Hの対向する他方の長辺hbの右側に係止している。また、取付穴Hの左右の短辺側の円弧部の内面に沿って支柱部11、12が内嵌している。
【0025】
前記のようにクリップ3が取付穴Hに係止している状態で、バンドクリップ1の締結バンド6で締結されたワイヤハーネスW/Hから、図5に示すように、取付穴Hの長手方向Xの一方側X−1への引張力が負荷されると、引張方向X−1側の一方の羽根部14が支柱部11に押し当たるように倒れこみ、該羽根部14の係止爪16が取付穴Hの周縁から外れるのを防止できる。
長軸方向の他方側X−2から引張力が負荷されると、引張方向X−2側の他方の羽根部15が支柱部12に押し当たるように倒れこみ、該羽根部15の係止爪17が取付穴Hの周縁から外れるのを防止できる。
【0026】
また、短辺方向Yに引張力が作用すると、羽根部14と15を中央連結部18で連結しているため、短辺方向Yのいずれの方向にも大きく倒れこむ事は出来ず、羽根部14、15の係止爪16、17が取付穴Hの周縁から外れるのを防止できる。
【0027】
このように、長軸方向および短軸方向のいずれの方向から引張力が負荷されても、羽根部14、15の引張方向への倒れ込みを抑制して、羽根部14、15に設けた係止爪16、17が取付穴Hの周縁から外れるのを防止でき、クリップ3の保持力を高めることができる。
【0028】
図6乃至図8に第2実施形態のバンドクリップを示す。
第2実施形態のバンドクリップは、第1実施形態のバンドクリップで設けている中央連結部18を無くす代わりに、各羽根部14、15の隣接する内側縁14a、15aから幅方向の中央に向けて内側補強部14b、15bを突設している。幅方向の両側から中央に向けて突設する内側補強部14bと15bは幅方向の中央部でオーバラップさせている。このオーバラップ部分では微小の隙間を設けている。
羽根部14の内側補強部14bは外側補強部14dと平行とし、羽根部14を断面コ字形状としている。同様に、羽根部15の内側補強部15bは外側補強部15dと平行とし、羽根部15を断面コ字形状としている。
他の構成は第1実施形態のバンドクリップと同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0029】
前記バンドクリップでは、図8に示すように、長軸方向X−1の引張力がクリップ3に負荷された時、引っ張られた側の羽根部14の外側補強部14dが対向する支柱部11に倒れ込んで押し当てられる。これにより羽根部14の係止爪16が取付穴Hの周縁から外れるのを防止できる。倒れ方向の反対側の羽根部15がX−1の方向に倒れ込んでも保持力の向上に寄与せず、逆に羽根部15の係止爪17が取付穴Hの周縁を移動して外れ易くなる。よって、反対側の羽根部15の倒れ込みは抑制することが好ましい。
【0030】
本実施形態では、羽根部14と15を中央連結部で連結していないため、一方の羽根部の倒れ込みに他方の羽根部が連動しにくくし、かつ、他方の羽根部15がX−1側へ倒れ込むと内側補強部15bが羽根部14の内側補強部14bと接触して羽根部15の倒れ込みを抑制できる。これにより、両側の羽根部14、15の係止爪16、17が取付穴Hの周縁から外れにくくして、クリップ3の保持力を高めることができる。
【0031】
図9および図10に第3実施形態のバンドクリップを示す。
第3実施形態のバンドクリップは、第1実施形態のバンドクリップの支柱部11、12の基部側の外面に切欠21、22を設けている。支柱部11、12の外面は断面円弧形状であり、該円弧の中央部に四角状の切欠21、22を設けている。該切欠21、22は係止爪16、17より皿部10側の基部側に設けている。
他の構成は第1実施形態と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
前記のように支柱部11、12の基部側の外面に切欠21、22を設けておくと、図10に示すように、クリップ3の長辺方向X−2の引張力が作用し、支柱部11、12を含めてクリップ3の全体が傾くと、切欠21、22が取付穴Hの周縁に引っ掛かり、クリップ3が取付穴Hから抜けでにくくなり、保持力を高めることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 バンドクリップ
2 ワイヤハーネス取付部
3 クリップ
5 本体
6 締結バンド
10 皿部
11、12 支柱部
14、15 羽根部
14b、15b 内側補強部
14d、15d 外側補強部
16、17 係止爪
18 中央連結部
W/H ワイヤハーネス
P 車体
H 取付穴
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤハーネス用のバンドクリップに関し、詳しくは、自動車等に配索するワイヤハーネスに取り付けられて車体の取付穴にクリップを挿入係止するバンドクリップにおいて、ワイヤハーネスに斜め方向の引っ張り力が作用してもクリップが取付穴から離脱しないようにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のワイヤハーネス用のバンドクリップは種々提案されている。例えば、特開2001−72123号公報で提案されている図11(A)(B)に示すバンドクリップ100は、締結バンド102を本体103から突設したワイヤハーネス取付部101と、該ワイヤハーネス取付部101と一体成形したクリップ105とからなる。該クリップ105は本体103の外面に突設した皿部110から左右一対の支柱部111A、111Bを突設し、該一対の支柱部111Aと111Bの突出端を連結する架橋部112に、短手方向Yの両側で且つ長手方向Xで左右に位相させて一対の羽根部113A、113Bを皿部側に向けて折り返し状に突設し、各羽根部113A、113Bの外面にそれぞれ係止爪114A、114Bを設けている。
【0003】
前記バンドクリップ100は締結バンド102をワイヤハーネスに巻き付けた後、本体103のバンド貫通穴103aに通し、締結バンド102に設けた係止溝にバンド貫通穴103aに突設した係止片を係止してワイヤハーネスに締結している。ワイヤハーネスを自動車の車体に沿って配索し、図11(B)に示すように車体に予め設けている長円状の取付穴Hにクリップ105を挿入し、羽根部113A、113Bを撓ませて取付穴Hに押し込み、係止爪114A、114Bを取付穴Hの長手方向Xの両側周縁に係止して、取付穴Hに固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−72123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1のバンドクリップにおいて、図12に示すように、長手方向X(例えばX−1)の引張力が負荷されると、引張方向X−1に羽根部113A、113Bが倒れ込み、羽根部113A、113Bの係止爪114A、114Bが取付穴Hの周縁から外れ易くなる。其の際、羽根部113Aの外側端が支柱部111Aに押し当てられる可能性はあるが、支柱部111Aより外側にずれて倒れこみ、支柱部111Aに押し当てられない場合もある。このように、前記バンドクリップ100は長手方向Xの引張力に対して保持力が弱い問題がある。
【0006】
本発明は前記した問題に鑑みてなされたもので、クリップが長軸方向の一方側に引っ張られた時に、引っ張られた側の羽根部の外側端を対向する支柱部に確実に押し当てて干渉させるようにし、羽根部に設けた係止爪が車体の取付穴から抜き出ないようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、第1の発明として、締結バンドを設けたワイヤハーネス取付部から突設する一対の支柱部の突出端を連結する架橋部に、幅方向の両側で且つ長さ方向に位相させて一対の羽根部を前記ワイヤハーネス取付部の基部側に向けて折り返し状に突設し、各羽根部の外面にそれぞれ係止爪を設け、該係止爪を車体の長円形状の取付穴の周縁に係止するクリップにおいて、
前記一対の羽根部の隣接側の基部同士を連結する中央連結部と、該中央連結部と反対側の前記一対の羽根部の外側縁から幅方向中央に向けて突出する外側補強部を設け、該各外側補強部を前記支柱部と隙間をあけて対向させ、前記羽根部が長軸方向へ倒れる時に前記外側補強部が対向する前記支柱部に接触する構成としていることを特徴とするワイヤハーネス用のバンドクリップを提供している。
【0008】
前記のように羽根部の外側縁から外側補強部を突設すると、長軸方向の引っ張り力が作用して、羽根部が引っ張られる長軸方向に倒れる時、該羽根部の外側補強部を外側に対向配置される支柱部に確実に押し当てることができる。これにより、羽根部の係止爪が車体の取付穴の周縁から外れることを防止でき、クリップの保持力を高めることができる。
【0009】
また、第2の発明として、締結バンドを設けたワイヤハーネス取付部から突設する一対の支柱部の突出端を連結する架橋部に、幅方向の両側で且つ長さ方向に位相させて一対の羽根部を前記ワイヤハーネス取付部の基部側に向けて折り返し状に突設し、各羽根部の外面にそれぞれ係止爪を設け、該係止爪を車体の長円形状の取付穴の周縁に係止するクリップにおいて、
前記各羽根部の長さ方向の両側端から幅方向の中央に向けて突出する内側補強部と外側補強部を設けて前記羽根部を断面コ字形状とし、前記一対の羽根部の隣接する内側補強部は突出部分をオーバラップさせ、前記外側補強部は前記支柱部の内面に隙間をあけて位置させ、
前記羽根部が長軸方向へ倒れる時に、該倒れる方向側の羽根部の外側補強部は前記対向する支柱部に押し当てられると共に前記内側補強部同士が接触して反対側の羽根部の倒れ込みを抑制する構成としているワイヤハーネス用のクリップを提供している。
【0010】
前記のように、第2の発明のバンドクリップでは、第1の発明で設けている中央連結部を設けずに、両側の羽根部にそれぞれ内側補強部をオーバラップさせて設け、羽根部が長軸方向に引っ張られて倒れ込み時に、前記内側補強部同士の接触により倒れ込む側と反対側の羽根部の倒れ込みを抑制し、該羽根部の係止爪が取付穴の周縁から外れないようにしている。
【0011】
前記第1の発明および第2の発明のバンドクリップにおいて、前記クリップの支柱部の基部側の外側面に切欠を設け、該支柱部が傾斜した時に前記切欠が前記車体の取付穴の周縁に引っ掛かる構成としていることが好ましい。
前記切欠は羽根部の係止爪より皿部側(基部側)に設け、クリップの挿入係止時に支柱部の切欠が挿入力に影響を与えないようにしている。
【0012】
前記支柱部は取付穴の両側円弧部に内嵌させているが、長軸方向の引張力が負荷されてクリップ自体が長軸方向に傾く時、支柱部も傾き、該支柱部の切欠が取付穴の周縁に引っ掛かり、クリップが取り付け穴から抜け出るのを防止することが出来る。
【0013】
前記ワイヤハーネス取付部は前記締結バンドを突設した本体部の外面に皿部を突設し、該皿部の底面より前記一対の支柱部を突設している。
また、前記羽根部の外面に設ける係止爪は、羽根部の傾斜した外面の下部を切り欠いて三角形状の係止爪としている。該係止爪を複数段設け、取付穴を設けた車体の板厚に対応させることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
前記のように、本発明に係わるバンドクリップは長軸方向の一方側から引張力が負荷され、引っ張られた方向の一方の羽根部が支柱部に倒れ込んだ時、該羽根部に支柱部と対向する外側補強部を設けているため、該外側補強部を確実に支柱部に押し当ることができる。これにより、該羽根部の係止爪が取付穴の周縁から外れるのを防止でき、クリップの保持力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態のバンドクリップの正面図である。
【図2】図1のバンドクリップのクリップを示す斜視図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】(A)は前記バンドクリップをワイヤハーネスに取り付けた状態を示す正面図、(B)は(A)の側面図、(C)は車体パネルの貫通穴にバンドクリップを挿入係止した状態を示す概略平面図である。
【図5】(A)は前記バンドクリップに負荷される長手方向の引張力を説明する斜視図、(B)は(A)の引張力が負荷された時のクリップの作用を説明する図面である。
【図6】第2実施形態のバンドクリップのクリップの斜視図である。
【図7】図6のクリップの平面図である。
【図8】第2実施形態のクリップに長手方向の引張力負荷時の作用を示す図面である。
【図9】第3実施形態のバンドクリップの正面図である。
【図10】第3実施形態のクリップに長手方向の引張力負荷時の作用を示す図面である。
【図11】(A)(B)は従来例を示す図面である。
【図12】(A)はクリップに対する引張方向を示す図面、(B)は従来例の問題点を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態のバンドクリップを図面を参照して説明する。
図1乃至図5に本発明のバンドクリップの第1実施形態を示す。
バンドクリップ1は樹脂成形品からなり、ワイヤハーネス取付部2とクリップ3とを一体形成している。
【0017】
ワイヤハーネス取付部2は、バンド貫通穴5aを設けた四角筒状の本体5と、バンド貫通穴5aの出口側の本体5の下部から突設した締結バンド6を備え、該締結バンド6の一面に係止溝6aを鋸歯状に設けている。該締結バンド6は図4に示すように、ワイヤハーネスW/Hを構成する電線群Wに巻き付けてバンド貫通穴5aの入口から挿入して貫通させ、バンド貫通穴5aの内周面より突設した係止片5bを前記係止溝6aに係止してワイヤハーネスW/Hに固定するようにしている。
【0018】
図2および図3に示すように、クリップ3は前記本体5の外面に突設した皿部10と、該皿部10の底部から突設した左右一対の支柱部11、12と、該支柱部11と12の突出端を連結した架橋部13と、該架橋部13の短手方向Yの両側で且つ長手方向Xで左右に位相させて一対の羽根部14、15を皿部10側の基部側に向けて折り返し状に突設している。各羽根部14、15の基部側先端が外方に突出するように傾斜させた外面に上下3段に係止爪16(16−1〜16−3)、17(17−1〜17−3)をそれぞれ設けている。
【0019】
前記各係止爪16、17は羽根部14、15の傾斜した外面にV状の切欠を入れて三角形状の係止爪としている。図4(C)に示すように、各係止爪16(17)の下面を車体Pの長円形状の取付穴Hの対向する長辺側の周縁の裏面に係止する引掛面としている。図2に示すように、各羽根部14、15には上下3カ所にV状の切欠を設け、前記のように、上下3段の係止爪16(16−1〜16−3)、17(17−1〜17−3)を設けている。
【0020】
前記左右一対の支柱部11、12は長円形状の取付穴H内において、短辺側の円弧部に沿って夫れ夫れ内嵌する断面半円形状としている。該左右一対の支柱部11、12の対向する平坦面からなる内面11a、12aの間に、前記羽根部14、15を配置している。
【0021】
羽根部14、15は、前記のように、長手方向で位相させていると共に、近接する内側縁14a、15aの間に空間をあけ、一方の羽根部14は一方の支柱部11に近接させ、他方の羽根部15は他方の支柱部12に近接させている。
【0022】
前記各羽根部14、15の外側縁14c、15cから短手方向Yの中央に向けて外側補強部14d、15dを突設している。これら外側補強部14d、15dは羽根部14、15の高さ方向全長に沿って設け、支柱部11、12とそれぞれ隙間をあけて対向させている。また、羽根部14、15の内側縁14aと15aの基部側を幅方向の中央連結部18で連結している。
【0023】
前記構成としたバンドクリップ1は図4(A)(B)(C)に示すように、締結バンド6をワイヤハーネスW/Hを構成する電線群Wに巻き付け、本体5のバンド貫通穴5aに通し、バンド貫通穴5a内で係止溝6aに係止片を係止してワイヤハーネスW/Hに固定している。
該ワイヤハーネスW/Hを車体に配索経路に沿って配索し、車体Pに設けた長円形状の取付穴Hに前記バンドクリップ1のクリップ3を架橋部13側から押し込み、羽根部14、15の係止爪16、17を取付穴Hの内周縁に係止して固定している。
【0024】
詳細には、本実施形態では、最下段の係止爪16(16−1)が取付穴Hの対向する一方の長辺haの左側に係止し、最下段の係止爪17(17−1)が取付穴Hの対向する他方の長辺hbの右側に係止している。また、取付穴Hの左右の短辺側の円弧部の内面に沿って支柱部11、12が内嵌している。
【0025】
前記のようにクリップ3が取付穴Hに係止している状態で、バンドクリップ1の締結バンド6で締結されたワイヤハーネスW/Hから、図5に示すように、取付穴Hの長手方向Xの一方側X−1への引張力が負荷されると、引張方向X−1側の一方の羽根部14が支柱部11に押し当たるように倒れこみ、該羽根部14の係止爪16が取付穴Hの周縁から外れるのを防止できる。
長軸方向の他方側X−2から引張力が負荷されると、引張方向X−2側の他方の羽根部15が支柱部12に押し当たるように倒れこみ、該羽根部15の係止爪17が取付穴Hの周縁から外れるのを防止できる。
【0026】
また、短辺方向Yに引張力が作用すると、羽根部14と15を中央連結部18で連結しているため、短辺方向Yのいずれの方向にも大きく倒れこむ事は出来ず、羽根部14、15の係止爪16、17が取付穴Hの周縁から外れるのを防止できる。
【0027】
このように、長軸方向および短軸方向のいずれの方向から引張力が負荷されても、羽根部14、15の引張方向への倒れ込みを抑制して、羽根部14、15に設けた係止爪16、17が取付穴Hの周縁から外れるのを防止でき、クリップ3の保持力を高めることができる。
【0028】
図6乃至図8に第2実施形態のバンドクリップを示す。
第2実施形態のバンドクリップは、第1実施形態のバンドクリップで設けている中央連結部18を無くす代わりに、各羽根部14、15の隣接する内側縁14a、15aから幅方向の中央に向けて内側補強部14b、15bを突設している。幅方向の両側から中央に向けて突設する内側補強部14bと15bは幅方向の中央部でオーバラップさせている。このオーバラップ部分では微小の隙間を設けている。
羽根部14の内側補強部14bは外側補強部14dと平行とし、羽根部14を断面コ字形状としている。同様に、羽根部15の内側補強部15bは外側補強部15dと平行とし、羽根部15を断面コ字形状としている。
他の構成は第1実施形態のバンドクリップと同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0029】
前記バンドクリップでは、図8に示すように、長軸方向X−1の引張力がクリップ3に負荷された時、引っ張られた側の羽根部14の外側補強部14dが対向する支柱部11に倒れ込んで押し当てられる。これにより羽根部14の係止爪16が取付穴Hの周縁から外れるのを防止できる。倒れ方向の反対側の羽根部15がX−1の方向に倒れ込んでも保持力の向上に寄与せず、逆に羽根部15の係止爪17が取付穴Hの周縁を移動して外れ易くなる。よって、反対側の羽根部15の倒れ込みは抑制することが好ましい。
【0030】
本実施形態では、羽根部14と15を中央連結部で連結していないため、一方の羽根部の倒れ込みに他方の羽根部が連動しにくくし、かつ、他方の羽根部15がX−1側へ倒れ込むと内側補強部15bが羽根部14の内側補強部14bと接触して羽根部15の倒れ込みを抑制できる。これにより、両側の羽根部14、15の係止爪16、17が取付穴Hの周縁から外れにくくして、クリップ3の保持力を高めることができる。
【0031】
図9および図10に第3実施形態のバンドクリップを示す。
第3実施形態のバンドクリップは、第1実施形態のバンドクリップの支柱部11、12の基部側の外面に切欠21、22を設けている。支柱部11、12の外面は断面円弧形状であり、該円弧の中央部に四角状の切欠21、22を設けている。該切欠21、22は係止爪16、17より皿部10側の基部側に設けている。
他の構成は第1実施形態と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
前記のように支柱部11、12の基部側の外面に切欠21、22を設けておくと、図10に示すように、クリップ3の長辺方向X−2の引張力が作用し、支柱部11、12を含めてクリップ3の全体が傾くと、切欠21、22が取付穴Hの周縁に引っ掛かり、クリップ3が取付穴Hから抜けでにくくなり、保持力を高めることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 バンドクリップ
2 ワイヤハーネス取付部
3 クリップ
5 本体
6 締結バンド
10 皿部
11、12 支柱部
14、15 羽根部
14b、15b 内側補強部
14d、15d 外側補強部
16、17 係止爪
18 中央連結部
W/H ワイヤハーネス
P 車体
H 取付穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結バンドを設けたワイヤハーネス取付部から突設する一対の支柱部の突出端を連結する架橋部に、幅方向の両側で且つ長さ方向に位相させて一対の羽根部を前記ワイヤハーネス取付部の基部側に向けて折り返し状に突設し、各羽根部の外面にそれぞれ係止爪を設け、該係止爪を車体の長円形状の取付穴の周縁に係止するクリップにおいて、
前記一対の羽根部の隣接側の基部同士を連結する中央連結部と、該中央連結部と反対側の前記一対の羽根部の外側縁から幅方向中央に向けて突出する外側補強部を設け、該各外側補強部を前記支柱部と隙間をあけて対向させ、前記羽根部が長軸方向へ倒れる時に前記外側補強部が対向する前記支柱部に接触する構成としていることを特徴とするワイヤハーネス用のバンドクリップ。
【請求項2】
締結バンドを設けたワイヤハーネス取付部から突設する一対の支柱部の突出端を連結する架橋部に、幅方向の両側で且つ長さ方向に位相させて一対の羽根部を前記ワイヤハーネス取付部の基部側に向けて折り返し状に突設し、各羽根部の外面にそれぞれ係止爪を設け、該係止爪を車体の長円形状の取付穴の周縁に係止するクリップにおいて、
前記各羽根部の長さ方向の両側端から幅方向の中央に向けて突出する内側補強部と外側補強部を設けて前記羽根部を断面コ字形状とし、前記一対の羽根部の隣接する内側補強部は突出部分をオーバラップさせ、前記外側補強部は前記支柱部の内面に隙間をあけて位置させ、
前記羽根部が長軸方向へ倒れる時に、該倒れる方向側の羽根部の外側補強部は前記対向する支柱部に押し当てられると共に前記内側補強部同士が接触して反対側の羽根部の倒れ込みを抑制する構成としているワイヤハーネス用のバンドクリップ。
【請求項3】
前記クリップの支柱部の基部側の外側面に切欠を設け、該支柱部が傾斜した時に前記切欠が前記車体の取付穴の周縁に引っ掛かる構成としている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス用のバンドクリップ。
【請求項1】
締結バンドを設けたワイヤハーネス取付部から突設する一対の支柱部の突出端を連結する架橋部に、幅方向の両側で且つ長さ方向に位相させて一対の羽根部を前記ワイヤハーネス取付部の基部側に向けて折り返し状に突設し、各羽根部の外面にそれぞれ係止爪を設け、該係止爪を車体の長円形状の取付穴の周縁に係止するクリップにおいて、
前記一対の羽根部の隣接側の基部同士を連結する中央連結部と、該中央連結部と反対側の前記一対の羽根部の外側縁から幅方向中央に向けて突出する外側補強部を設け、該各外側補強部を前記支柱部と隙間をあけて対向させ、前記羽根部が長軸方向へ倒れる時に前記外側補強部が対向する前記支柱部に接触する構成としていることを特徴とするワイヤハーネス用のバンドクリップ。
【請求項2】
締結バンドを設けたワイヤハーネス取付部から突設する一対の支柱部の突出端を連結する架橋部に、幅方向の両側で且つ長さ方向に位相させて一対の羽根部を前記ワイヤハーネス取付部の基部側に向けて折り返し状に突設し、各羽根部の外面にそれぞれ係止爪を設け、該係止爪を車体の長円形状の取付穴の周縁に係止するクリップにおいて、
前記各羽根部の長さ方向の両側端から幅方向の中央に向けて突出する内側補強部と外側補強部を設けて前記羽根部を断面コ字形状とし、前記一対の羽根部の隣接する内側補強部は突出部分をオーバラップさせ、前記外側補強部は前記支柱部の内面に隙間をあけて位置させ、
前記羽根部が長軸方向へ倒れる時に、該倒れる方向側の羽根部の外側補強部は前記対向する支柱部に押し当てられると共に前記内側補強部同士が接触して反対側の羽根部の倒れ込みを抑制する構成としているワイヤハーネス用のバンドクリップ。
【請求項3】
前記クリップの支柱部の基部側の外側面に切欠を設け、該支柱部が傾斜した時に前記切欠が前記車体の取付穴の周縁に引っ掛かる構成としている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス用のバンドクリップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−205403(P2012−205403A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68173(P2011−68173)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(390025243)ポップリベット・ファスナー株式会社 (159)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(390025243)ポップリベット・ファスナー株式会社 (159)
【Fターム(参考)】
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