説明

ワークピース同士を溶接するための装置及び方法

【課題】ワークピース表面上の絞り剤の残留物を、ワークピース全体を洗浄することなく除去することを可能とする装置及び方法を提供する。
【解決手段】溶接装置1は、ワークピース6上に溶接継目3を形成する溶接手段2と、ワークピースの表面に対して、溶接継目が形成されるべき領域に炭酸ガスと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8を噴射するノズル7と、を備える。溶接手段2とノズル7の距離は、少なくとも5cmである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピース(workpiece)同士を溶接するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶接の間に、溶接用添加物を用いて、又は用いないで、熱又は圧力を加えることでコンポーネント同士が永久的に接続される。熱を伴う溶接方法は、例えば鍛造溶接、ガス溶接、手動アーク溶接、抵抗溶接、レーザービーム溶接、テルミット溶接、及び電子ビーム溶接である。
【0003】
金属製ワークピース、プラスチック部品、及びガラス部品は、公知の溶接方法を備えた手段によって互いに、永久的かつ確実に接続可能である。
【0004】
深絞り加工及び/又は高圧で成形される金属製コンポーネントはさらに、頻繁に溶接方法を備えた手段によって処理される。
【0005】
深絞り加工の間、打ち抜きされていない薄板が、引張及び圧縮の組合せの条件の下で単独で開口した空洞体に形成されるか、又は予め絞り加工がなされた空洞体が、引張及び圧縮の組合せの条件の下で、より少ない断面積で、かつ板厚の大きな変化が無い空洞体に形成される。
【0006】
特に材料の裂け等の絞り加工時の欠陥を防止するために、実質的な歪によって発生する場合でさえ、脂肪、油、石鹸、及び被覆物等の絞り剤が使用される。これにより、ツールの磨耗の形跡が少なくなり、ワークピースの表面状態が改善される。成形工程の後、絞り剤は、その表面上に残留物として残る。絞り剤の物質は高品質の溶接を妨げるので、成形部品の溶接のためには、その成形部品から絞り剤の残留物を除去しなければならない。洗浄又はピックリングによる絞り剤の除去は、全てのコンポーネントを洗浄しなければならないため、大変に高価であり、かつ環境に有害である。
【0007】
高圧成形の間には、絞り剤がアルミニウム表面に強く押圧され、洗浄又はピックリングによる完全な除去が不可能になる、ということが発生しうる。この結果として、例えば溶接による接合等のさらなる工程において、溶接継目の不良が生ずる。
【0008】
COペレット及びCO噴射による洗浄が表面洗浄のための方法として公知である。そのクライオジェニック媒介物の温度は、−50℃から−196℃である。
【0009】
特許文献1は、クライオジェニック噴射を用いた部分的な工程及び/又は溶接方法を開示している。その工程によれば、クライオジェニック媒介物を噴射するための直接的に隣接した1又は数個のノズルが配列する溶接装置が使用される。液体窒素又は固体COがクライオジェニック媒介物として使用され得る。そのノズルから流出するクライオジェニック媒介物のために、溶接の間に成形された液状の金属製スパッタが急速に冷却されて固形化される。液状の金属製スパッタはワークピース表面に付着せず、その表面を汚染しない。そのため、ワークピースの仕上げ工程は不要である。溶接スパッタが冷却されるので、クライオジェニック媒介物は電子アークに対して直接的に隣接する位置に供給されなければならない。このことは、電子アークに対して相当な影響を及ぼし、溶接工程を相当に悪化させる。
【特許文献1】欧州特許公開EP1356890A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した観点に鑑み、本発明の目的は、ワークピース表面上の絞り剤の残留物を、ワークピース全体を洗浄することなく除去することを可能にする装置及び方法を提供することにある。なお、この除去対象の残留物は、洗浄又はピックリングによっては除去されないのである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、請求項1の特徴を備えた装置と、請求項10の特徴を備えた方法によって達成される。
【0012】
有利である、さらなる展開は、各従属項に示されている。
【0013】
本発明によれば、ワークピース同士を溶接するための溶接装置が提供される。この溶接装置は、ワークピース上に溶接継目を形成する溶接手段と、前記ワークピースの表面に対して、前記溶接継目が形成されるべき領域にクライオジェニック混合物を噴射するノズルと、を備える。溶接手段とノズルの距離が少なくとも5cmである。
【0014】
ワークピース表面は、本発明に係る装置によって溶接手順の前に洗浄及び冷却可能である。
【0015】
いくつかの有利な効果は、クライオジェニック媒介物のワークピース表面に対する衝撃による結果として得られる。最初に生ずる、磨滅による分離剤、及び/又は絞り剤の残留物の機械的な除去に加えて、噴射の対象領域に対する強力なポイントでの冷却が生じ、その結果として有利な効果が生ずる。溶接対象の端部近傍の領域では完全に不純物が除去されており、それによって最適な溶接継目が得られる。可能であるならば溶接工程の直前に溶接対象の端部近傍の領域に対する冷却を行うことによって、溶接継目の品質はさらに改善され、ワークピースにおける歪が最小化され、それによって、後のドレッシング工程が低減され得、及び/又は部分的には完全に省略可能となる。さらに、大気圧下で表面に衝突するときには、クライオジェニック媒介物がガス状態へ遷移し、クライオジェニック媒介物の容積が600倍に増加する状況が生ずる。これによって生ずるガスの渦巻きは、過冷却されて脆くなった分離剤、及び/又は絞り剤の残留物を、ワークピース表面に損傷を与えることなく除去する。
【0016】
本発明に係る溶接装置はとりわけ、金属製ワークピースの溶接のために設計されている。しかしながら、本発明の枠組みでは、プラスチック材、又はガラスからなるワークピースを溶接するための溶接手段を提供することも可能である。これらのワークピースもまた、クライオジェニック媒介物で洗浄することが可能である。プラスチック材の場合にはとりわけ、射出(インジェクション)操作の結果物である射出成形プラスチック材の分離剤及び分離膜を除去可能である。プラスチック材を溶接するための適切な溶接工程は、高温ガス溶接、高熱ツール溶接(heated tool welding)、摩擦溶接、超音波溶接、高周波溶接、及びレーザー溶接である。
【0017】
ノズルと溶接手段の間に少なくとも5cmの距離が設けられることは、特に溶接工程が電子アークによって実装される場合に、溶接工程が妨害されないことを意味する。より小さな距離の場合には、プラズマであって、それ自体ガス状である電子アークは、ノズル経由で提供されるクライオジェニック媒介物によって相当に弱められる。少なくとも5cmの距離というのは、溶接主体(電子アーク、レーザー、高熱ガス等)が、クライオジェニック媒介物の噴射器の中心に対して少なくとも5cmの距離をもって、溶接対象のワークピース上に衝突することを意味する。それよりも小さい距離の場合には、溶接主体の効果は弱められ、低減した洗浄効果しか得られないか、全く洗浄効果が得られない。さらに、溶接主体で生成されたワークピースの溶融物を直接的に冷却するにも都合が良くない。これは、溶接の品質に対して悪影響を及ぼす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、図面による例によって説明される。
【0019】
本発明に係る溶接装置1は、実施形態の第1例によれば、切替システム21を備えたロボット20を有している。切替システム21は、ロボットアームの端部に、様々なツールを保持するための保持部を構成する。溶接手段2とCOノズル7がツールとして設けられ、ロボット20の切替システム21によって保持される。ツール2,7は、別のマガジン装置に配置される。
【0020】
溶接装置1は、ロボット20を活性化させるための制御手段19、切替システム21及びツール2,7を備える。制御手段19は、データ線23を介して、ロボット20、切替システム21及びツール2,7に接続される。
【0021】
溶接手段2は、例えば不活性ガスによるガスシールドアーク溶接として設計される。
【0022】
COノズル7及び/又はガンは、COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物(cryogenic mixture)8、及び/又はクライオジェニック媒介物(cryogenic medium)8を噴射する。クライオジェニック媒介物は特に、ドライアイスと圧縮空気の混合物である。圧縮空気ライン11は圧縮空気弁10を介してCOノズル7に接続され、COライン13はCO弁12を介してCOノズル7に接続される。弁10,12はともに、COノズル7の混合用チャンバ14に対して開口している。COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8は、液体CO、及び/又は冷COガス、及び/又はCOペレット、及び/又はCOドライアイス、及び圧縮空気に基づいて混合用チャンバ14内で生成される。
【0023】
圧縮空気ライン11は、圧縮空気供給部16と接続される。COライン13は、CO貯蔵部15に接続される。
【0024】
ラバルノズル17は、混合用チャンバ14の下流に配置される。COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8は、ラバルノズル17によってほぼ音速の速さまで加速させられる。
【0025】
溶接継目3の成形と、COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物の噴射量とは、制御手段19によって制御される。ロボット20の移動は、制御手段19によって制御される。
【0026】
以下で、上述した溶接装置1の使用方法を説明する。
【0027】
制御手段19は、ロボット20、切替システム21、COノズル7、及び溶接手段2を活性化させることにより、溶接装置1の操作における全体シーケンスを制御する。
【0028】
ロボット20の切替システム21は、マガジン装置22からCOノズル7を取り、そのノズルを、洗浄対象のワークピース6のワークピース表面5の上方に配置する。
【0029】
COノズル7におけるCO弁12と圧縮空気弁10は、制御手段19によって活性化される。圧縮空気とクライオジェニックCOがCOノズル7の混合用チャンバ14に流れ込む。COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8は混合用チャンバ14内で形成される。COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8は、ラバルノズル17を通して流れるときには、ほぼ音速の速さにまで加速させられている。
【0030】
COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8が、ラバルノズル17及び/又はCOノズル7から噴出するときには、ワークピース表面5に付着する絞り剤18に衝撃を与えることでこれを除去し、それによって高品質な溶接継目3が得られる。ロボット20は、溶接方向4に沿ってCOノズル7を移動させる。
【0031】
さらに、溶接継目3が成形される領域が冷却され、その結果、ワークピース6の歪が低減する。
【0032】
洗浄対象の全領域が洗浄されると、ロボット20及び/又は切替システム21は再度、COノズル7をマガジン装置22内に置き、マガジン22から溶接手段2を取って、これをワークピース表面5の洗浄・冷却がなされた領域に配置する。そして、溶接手段2が制御手段19によって活性化され、ワークピース表面5上で溶接方向4に沿って溶接継目3の生成を開始する。ワークピースは例えば、深絞り加工がなされたアルミニウム製コンポーネントである。
【0033】
さらに、溶接継目3を洗浄し、及び/又は、歪を最小化するために、溶接継目3に対してCOノズル7で仕上げ処理を行ってもよい。
【0034】
実施形態のさらなる例においては、本発明に係る溶接装置1は、溶接手段2を備える。溶接手段2は、例えば不活性ガスによるガスシールドアーク溶接として設計される。
【0035】
溶接手段2は、ワークピース6のワークピース表面5上で溶接方向4に沿って溶接継目3を生成する。ワークピース6は例えば、深絞り加工がなされたアルミニウム製コンポーネントである。
【0036】
COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8を噴射するためのCOノズル7は、溶接方向4に沿って溶接手段2の前に配置される。COノズル7は、接続要素9を介して溶接手段2に接続されている。溶接手段2とCOノズル7の距離は5cmと20cmの間であり、好ましくは5cmと10cmの間である。
【0037】
圧縮空気を供給するための圧縮空気ライン11は圧縮空気弁10を介してCOノズル7に接続され、クライオジェニックCOを供給するためのCOライン13はCO弁12を介してCOノズル7に接続される。
【0038】
両接続部、すなわち弁10,12はともに、混合用チャンバ14に対して開口している。
【0039】
クライオジェニックCOは、CO貯蔵部15、例えばCO容器からCOライン13を通してCOノズル7の混合用チャンバ14に導入される。圧縮空気供給部16からの圧縮空気は、圧縮空気ライン11を通して混合用チャンバ14に導入されることで得られる。COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8は、混合用チャンバ14内でクライオジェニックCOと圧縮空気とから形成される。
【0040】
ラバルノズル17は、混合用チャンバ14の下流に配置される。COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8は、ラバルノズル17によってほぼ音速の速さまで加速させられ、ワークピース表面5に噴射される。
【0041】
溶接継目3が得られるワークピース表面5上の領域では、COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8が噴射されることによって、ワークピース表面5に付着する絞り剤18が除去される。
【0042】
溶接手段2とCOノズル7はともに、制御手段19の接続されている。溶接継目3の厚み、COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8の噴射量等は、制御手段19を通して制御される。
【0043】
本発明に係る溶接装置の実施形態の別の例では、第2COノズル7が、溶接工程の後に表面被覆を除去し、かつワークピースの歪を取り除くことを目的として、溶接方向4に沿って溶接手段2の後方に配置される。これにより、接合後のワークピース6のドレッシングが省略される。
【0044】
溶接手段2はまた、例えば鍛造溶接、ガス溶接、手動アーク溶接、抵抗溶接、レーザービーム溶接、テルミット溶接、摩擦溶接、及び電子ビーム溶接のための装置として設計され得る。
【0045】
本発明に係る溶接装置はまた、例えばロボットと接続されるような、自動化された製造工程内で使用され得る。
【0046】
ワークピースはいかなる溶接可能な金属からなるようにしてもよい。
【0047】
本発明に係る溶接装置はまた、携帯型の装置として設計されていてもよい。
【0048】
本発明に係る溶接装置はまた、すでに在る溶接手段のためのアドオンユニットとしてのCOノズルとしてのみ設計されていてもよい。
【0049】
金属の接合の間のCO洗浄のための上述した溶接装置の使用方法を、以下で説明する。
【0050】
COノズル7におけるCO弁12と圧縮空気弁10は、制御手段19によって開口させられる。圧縮空気と液体COがCOノズル7の混合用チャンバ14に流れ込む。COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8は混合用チャンバ14内で形成される。COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8は、ラバルノズル17を通して流れるときには、ほぼ音速の速さにまで加速させられている。
【0051】
COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8が、ラバルノズル17から噴出するときには、ワークピース表面5に付着する絞り剤18に衝撃を与えることでこれを除去し、それによって高品質な溶接継目3が得られる。さらに、溶接継目3が成形される領域が冷却され、その結果、ワークピース6の歪が低減する。
【0052】
溶接装置1は例えば、溶接方向に沿ってロボットによって完全自動で移動させられる。溶接手段2が、ワークピース表面5の洗浄・冷却がなされた領域の上方に配置させられると、溶接手段2は制御手段19によって活性化され、ワークピース表面5上で溶接継目3の生成を開始する。
【0053】
溶接工程が完了すると、本発明に係る溶接装置を溶接方向4の反対方向に移動させ、溶接継目3の全体の延びを収縮させるようにしてもよい。これは、溶接継目3の周囲の領域と溶接継目3自体を冷却し、歪を最小化し、表面の被覆を除去するために行われる。
【0054】
特にアルミニウムを溶接する場合には、上品な溶接継目を生成することと、事後の洗浄は重要である。これは、研磨又は光沢付け等の仕上げ処理がなされていない溶接継目はしばしば視認可能であるためである。
【0055】
液体CO、又はCOドライアイス、又はCOペレット、又はガス状のCOと、圧縮空気との混合物が特に、COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物8として提供される。
【0056】
溶接工程に先立って生ずる、クライオジェニック媒介物による衝撃の間には、いくつかの有利な効果が得られる。磨滅による分離剤、又は絞り剤の残留物の機械的な除去に加えて、衝撃が加えられた領域に対する強力な、ポイントでの冷却が、溶接工程の直前に行われる。溶接対象の端部近傍の領域では完全に不純物が除去されており、それによって最適な溶接継目が得られる。溶接対象の端部近傍の領域に対する冷却によってワークピースにおける歪が最小化され、それによって、後のドレッシング工程が部分的には、完全に省略可能となる。さらに、大気圧下で表面に衝突するときにはクライオジェニック剤がガス状態へ遷移し、それによってクライオジェニック媒介物の容積が600倍に増加する状況が生ずる。これによって生ずるガスの渦巻きは、過冷却されて脆くなった分離剤、及び/又は絞り剤の残留物を、ワークピース表面に損傷を与えることなく除去する。
【0057】
本発明について、金属製ワークピースの接合の場合を説明した。しかしながら、本発明は、金属製ワークピースの接合に限定されない。本発明の枠組みでは、プラスチック材、又はガラス等の他の材料を接合することや、それらの材料を予め、クライオジェニック媒介物によって接合継目の領域において冷却し、かつ洗浄することも可能である。ここで、接合主体(電子アーク、レーザービーム等)とクライオジェニック媒介物の噴射器の中心との間に少なくとも5cmの距離が、特に熱溶接のために観測されなければならない。好ましくは、その距離は、少なくとも8cm、及び/又は少なくとも10cmである。
【0058】
本発明に係る溶接装置は、以下のように簡潔に要約され得る。
【0059】
本発明によれば、金属製ワークピースを溶接するための溶接装置が提供される。この溶接装置は、ワークピース上に溶接継目を生成するための溶接手段と、ワークピースの表面上で溶接継目が成形されるべき領域に、クライオジェニック媒介物を噴射するためのノズルとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】溶接手段とCOノズルを操作するためのロボットを備えた溶接装置の実施形態の第1例を模式的に示す図。
【図2】溶接手段の前部に配列されるCOノズルを備えた溶接装置の実施形態の第2例を模式的に示す図。
【符号の説明】
【0061】
1…溶接装置
2…溶接手段
3…溶接継目
4…溶接方向
5…ワークピース表面
6…ワークピース
7…COノズル
8…COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物
9…接続要素
10…圧縮空気弁
11…圧縮空気ライン
12…CO
13…COライン
14…混合用チャンバ
15…CO貯蔵部
16…圧縮空気供給部
17…ラバルノズル
18…絞り剤
19…制御手段
20…ロボット
21…切替システム
22…マガジン装置
23…データ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース同士を溶接するための溶接装置であって、
ワークピース(6)上に溶接継目(3)を形成する溶接手段(2)と、
前記ワークピースの表面(5)に対して、前記溶接継目が形成されるべき領域にクライオジェニック混合物(8)を噴射するノズル(7)と、
を備え、
前記溶接手段(2)と前記ノズル(7)の距離が少なくとも5cmである、
溶接装置。
【請求項2】
溶接用ロボット(20)を備える、請求項1に記載の溶接装置。
【請求項3】
ツールを保持するために前記ロボット(20)上に切替システム(21)が形成される、請求項1または2に記載の溶接装置。
【請求項4】
前記ツールはCOノズル(7)である、請求項1〜3のいずれかに記載の溶接装置。
【請求項5】
前記ツールは前記溶接手段である、請求項1〜4のいずれかに記載の溶接装置。
【請求項6】
前記クライオジェニック混合物(8)を噴射し、前記ワークピース(6)を洗浄し、冷却し、ワークピース(6)の歪を最小化するための前記ノズル(7)が、溶接方向(4)に沿って前記溶接手段(2)の前方に配置される、請求項1〜5のいずれかに記載の溶接装置。
【請求項7】
前記クライオジェニック混合物(8)を噴射し、前記ワークピース(6)を洗浄し、冷却し、ワークピース(6)の歪を最小化するための第2ノズル(7)が、溶接方向(4)に沿って前記溶接手段(2)の後方に配置される、請求項1〜6のいずれかに記載の溶接装置。
【請求項8】
前記溶接手段(2)は、ガス溶接、手動アーク溶接、又はレーザビーム溶接のための手段として設計される、請求項1〜7のいずれかに記載の溶接装置。
【請求項9】
前記溶接手段(2)と前記ノズル(7)の距離が5cmと20cmの間にあり、好ましくは5cmと10cmの間にある、請求項1〜8のいずれかに記載の溶接装置。
【請求項10】
ワークピース同士を溶接するための工程であって、
クライオジェニック混合物(8)が、前記ワークピースの表面(5)上で前記溶接継目が形成されるべき領域に衝突させられ、それによって当該領域が洗浄及び冷却され、
前記ワークピース同士がその洗浄された領域で溶接される、
工程。
【請求項11】
前記溶接継目を生成する溶接手段(2)とクライオジェニック混合物(8)の間に少なくとも5cmの距離が観測される、請求項10に記載の工程。
【請求項12】
溶接装置(1)によって生成される溶接継目(3)が後に第2ノズル(7)によって洗浄され、ワークピース(6)の歪が冷却によって低減される、請求項10または11に記載の工程。
【請求項13】
COと圧縮空気からなるクライオジェニック混合物が前記クライオジェニック混合物(8)として噴射させられる、請求項10〜12のいずれかに記載の工程。
【請求項14】
液体CO、又はCOドライアイス、又はCOペレット、又はCOガスが、COと圧縮空気からなる前記クライオジェニック混合物(8)として使用される、請求項13に記載の工程。
【請求項15】
引き抜かれた金属製コンポーネントが溶接され、そのコンポーネントには前記クライオジェニック混合物によって絞り剤の残留物が除去される、請求項10〜14のいずれかに記載の工程。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−18346(P2009−18346A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−180331(P2008−180331)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(507055615)リンデ アーゲー (29)
【氏名又は名称原語表記】LINDE AG
【Fターム(参考)】