説明

一体型の低kハードマスク

本発明の実施例によって、第一ILD層と第二ILD層との間にハードマスク層を有する装置が与えられる。ハードマスク層は、第一ILD層および/または第二ILD層にほぼ等しいk値を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体型の低kハードマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
基板のようなマイクロエレクトロニクス構造において、ビアおよびトレースのような導体は、基板またはその他の構造の層間で信号を搬送する。ビアおよびトレースは、誘電材料層によって。抵抗・コンデンサ(「RC」)遅延を低減し装置性能を向上させるべく、導体間の誘電材料層には低誘電率(「k値」)の材料が使用される。基板またはその他の構造の製造時には、犠牲的な高k値ハードマスク層がトレンチおよびホールをパターン形成するのに使用される。その後、高k値ハードマスク層は除去されて、k値が低く維持される。
【発明の開示】
【0003】
様々な実施例において、基板形成に関連する装置および方法が説明される。以下の説明において、様々な実施例が記載される。しかし、関連技術の当業者であれば、具体的な詳細の一つ以上がなくても、または、その他の方法、材料もしくはコンポーネントを用いて、様々な実施例を実施できることがわかるだろう。その他の例において、周知の構造、材料または操作は、本発明の様々な実施例の特徴をあいまいにしないように、詳細には説明しない。同様に、説明を目的として、具体的な数、材料および設定が、本発明を完全に理解してもらうために示される。しかし、本発明は具体的な詳細がなくても実施できる。さらに、図示される様々な実施例は例示的表記であって、縮尺に応じて描かれる必要がないことを理解されたい。
【0004】
本明細書全体にわたって言及される「一つの実施例」または「一実施例」は、実施例に関連して記載される具体的な特徴、構造、材料または特性が、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれることを意味する。すなわち、本明細書全体にわたる様々な箇所に「一つの実施例において」または「一実施例において」という表現が出てきても、必ずしも本発明の同じ実施例を言及するものではない。さらに、具体的な特徴、構造、材料または特性は、一つ以上の実施例における任意の適切な態様で組み合わせられてもよい。
【0005】
様々な操作は、多数の別個の操作として本発明の理解に最も有用な態様で順次説明される。しかし、説明の順序を、これらの操作が必ずしも順序に依存することを意味するように解釈してはならない。特に、これらの操作は、提示の順序で行われる必要がない。
【0006】
図1は、本発明の一つの実施例に係る低誘電率(「k値」)ハードマスク層を備える装置100の側断面図である。装置100は、第一層間絶縁膜(「ILD」)層102を含む。第一ILD層102は、低k値誘電材料を含む。一実施例において、第一ILD層102のk値は3.2よりも低い。もう一つの実施例において、k値は3.0よりも低い。もう一つの実施例において、k値は、約3.0から約2.4までの間である。さらに他の実施例において、k値は異なる。第一ILD層102の誘電材料は、炭素ドープ酸化物(「CDO」)、二酸化シリコン(非ドープ、または、リン、ホウ素とリン、もしくはその他のドーパントによるドープ、のいずれか)、窒化シリコン、酸窒化シリコン、多孔性酸化物、有機物含有酸化シリコン、ポリマー、またはその他の材料を含む。
【0007】
第一ILD層102上には第一ハードマスク層104が存在する。第一ハードマスク層104は、低k値誘電材料を含む。第一ハードマスク層104のk値が、第一ILD層102のk値とほぼ同じ実施例もあれば、二つの層102、104のk値が異なる実施例もある。例えば、一実施例において、第一ハードマスク層104のk値は、第一ILD102のk値から約1.0以内にある。一実施例において、第一ハードマスク層104のk値は、第一ILD層102のk値から約0.5以内にあるが、二つの層102、104のk値間のその他の違いもまた、その他の実施例に存在する。一実施例において、第一ハードマスク層104のk値は3.2よりも低い。もう一つの実施例において、k値は3.0よりも低い。もう一つの実施例において、k値は、約3.0から約2.4までの間である。さらに他の実施例において、k値は異なる。いくつかの実施例において、第一ハードマスク層104の材料は、第一ILD層102の材料とは組成的にまたは構造的に異なり、二つの層102、104間での高いエッチング選択性が得られる。例えば、ILD層102のエッチング速度が、第一ハードマスク層104のそれよりも25%から50%速い実施例もある一方、層102、104に対して、および様々なエッチング処理に対して用いられる様々な材料のエッチング選択性が異なる実施例もある。いくつかの実施例において、第一ハードマスク層104の材料は、約20%よりも低いシリコンを含む。いくつかの実施例において、第一ハードマスク層104の材料は、約10%から約20%までのシリコンを含む。いくつかの実施例において、第一ハードマスク層104の材料は、約16%のシリコン、約77%の炭素および約7%の酸素を含む。
【0008】
第一ILD層102は厚さ112を有し、第一ハードマスク層104は厚さ110を有する。一実施例において、第一ハードマスク層104は、約100オングストロームから約1000オングストロームまでの厚さ110を有する。もう一つの実施例において、第一ハードマスク層104は、約200オングストロームから約1000オングストロームまでの厚さ110を有する。さらに他の実施例において、第一ハードマスク層104の厚さ110は、1000オングストロームよりも大きい。いくつかの実施例において、第一ハードマスク層104の厚さ110は、第一ILD層102の厚さ112と同じ大きさである。例えば、第一ILD層102のk値と第一ハードマスク層104のk値とが類似するいくつかの実施例において、第一ハードマスク層104の厚さ110が第一ILD層102の厚さ112と比べて大きくても、組み合わせられた層102、104のk値は実質的にはRC遅延問題を引き起こすほど増加しない。その他の実施例において、第一ハードマスク層104は、第一ILD層102の厚さ112よりも大きいかまたは小さい厚さ110を有する。
【0009】
装置100は、第一ILD層102内のトレース106のような導体および/または第一ハードマスク層104を含む。トレース106は、銅、アルミニウムまたはその他の材料のような導体材料を含む。トレース106は、第一ILD層102に少なくとも部分的に入り込んで延在し、図1に示されるように、第一ILD層102はトレース106を部分的に取り囲む。トレース106の底面は、第一ILD層102の頂面よりも下にある。トレース106はまた、第一ILD層102の頂面よりも上に延在する頂面を有する。図1に示される一実施例において、トレース106は、第一ハードマスク層104を通って延在し、その結果、トレース106の頂面が第一ハードマスク層104の頂面と実質的に面一になる。その他の実施例において、トレース106は異なる配置であってもよい。第一ハードマスク層104を貫通して延在することがなくてもよく、または、ハードマスク層104に入り込んで延在することが全くなくてもよい。
【0010】
いくつかの実施例において、トレース106の頂面にはキャップ層108が存在する。キャップ層108は、トレース106の材料の拡散またはエレクトロマイグレーションを防止するためのバリア層として作用する薄い導体層である。一実施例において、キャップ層108はコバルトを含むが、その他の実施例においてその他の材料を含んでもよい。
【0011】
第一ハードマスク層104、トレース106および/またはキャップ層108の上には第二ILD層114が存在する。第二ILD層114は、第一ILD層102に関して上述されたような低k材料を含む。第二ILD層114上には第二ハードマスク層116が存在する。第二ハードマスク層116は、第一ハードマスク層104に関して上述されたような低k材料を含む。第二ハードマスク層116の厚さもまた、第一ハードマスク層104に関して上述された通りである。
【0012】
装置100は、第二ILD層114および/または第二ハードマスク層116において、トレース120およびビア118のような付加的な導体を含む。第二ILD層114のトレース120は、上述の第一ILD層102のトレース106に類似する。
【0013】
ビア118は、第二ILD層114を貫通して延在し、トレース106またはその下にある他の導体との電気的接続をなす。トレース106、120に関しては、ビア118は、銅、アルミニウムまたはその他の材料のような導体材料を含む。ビア118は第二ILD層114に入り込んで延在し、図1に示されるように、第二ILD層114はビア118を部分的に取り囲む。ビア118は、第二ILD層114の頂面よりも上に延在する頂面を有する。図1に示される一実施例において、ビア118は、第二ハードマスク層116を通って延在し、その結果、ビア118の頂面が第二ハードマスク層116の頂面と実質的に面一になる。その他の実施例において、ビア118は異なる配置であってもよい。第二ハードマスク層116を貫通して延在することがなくてもよく、または、第二ハードマスク層116に入り込んで延在することが全くなくてもよい。また、ビア118に類似するビアが、第一ILD層102および/または第一ハードマスク層104を通って延在してもよい。
【0014】
第二ILD層114の導体118、120上にはキャップ層122が存在する。キャップ層122は、上述のキャップ層108に類似する。
【0015】
図2aから図2lは、図1の装置100が本発明の一つの実施例に従って製造される方法を示す側断面図である。
【0016】
図2aは、第一ILD層102を示す。第一ILD層102は、上述のような低k値材料である。いくつかの実施例において、第一ILD層102は、基板(図示せず)上に形成される。基板は、一つ以上の層および装置を含んでよい。基板は、導体材料、絶縁体材料、半導体材料およびその他の材料または材料の組み合わせを含んでよい。例えば、一つの実施例において、装置100は、マイクロプロセッサ・ダイであってよく、基板は数百万のトランジスタを含んでよい。
【0017】
図2bは、第一ILD層102上に堆積された第一ハードマスク層104を示す。第一ハードマスク層104は、上述のような材料であり、その厚さもまた上述の通りである。
【0018】
図2cは、パターン形成第一ハードマスク層202を設けるべくパターン形成された後の第一ハードマスク層104を示す。パターン形成は、フォトレジスト層を堆積させ、フォトレジストにパターン形成し、そしてフォトレジストに被覆されていない第一ハードマスク層104の一部を除去することを含むフォトリソグラフィ法によって行われる。いくつかの実施例において、化学的エッチング処理またはスパッタエッチング処理のようなエッチング処理を用いることによって、第一ハードマスク層104の一部を除去して第一ハードマスク層202をパターン形成してもよい。いくつかの実施例において、第一ハードマスク層104は、フォトレジストの現像および除去処理時に第一ILD層102を被覆および保護するので、かかる処理が第一ILD層102に影響を及ぼすことはほとんどまたは全くない。すなわち、かかる実施例において、様々な異なるフォトレジスト材料およびフォトレジストパターン形成処理が用いられても、第一ILD層102の材料を、フォトレジストおよびフォトレジスト処理工程に適合するように揃える必要がない。また、いくつかの実施例において、第一ILD層104上の第一ハードマスク層104の使用によって、第一ILD層102において最終的にホールおよび/またはトレンチになるものをパターン形成するべく、より薄いフォトレジスト層を使用することができる。より薄いフォトレジスト層を使用することによって、より微細なフィーチャを第一ILD層102に形成することができる。
【0019】
図2dは、第一ILD層102に形成されたトレンチ204を示す。一実施例において、パターン形成ハードマスク層202は、トレンチ204を設けるべく第一ILD層102の選択部分を除去するためのマスクとして作用する。フォトレジスト層が、トレンチ204形成時に第一ハードマスク層104上の所定位置に保持される実施例もあれば、フォトレジスト層が、トレンチ204の形成に先立って除去される実施例もある。一実施例において、エッチング操作によってトレンチ204が第一ILD層102に形成されるが、第一ILD層102から材料を除去するためのその他の処理を使用することによってトレンチ204が形成されてもよい。図示のトレンチ204は、第一ILD層102に部分的にのみ入り込んで延在する。その他の実施例において、ビアのためのホールが、第一ILD層102を貫通して第一ILD層102の下の任意の層または装置まで延在してもよい。
【0020】
図2eは、トレンチ204に堆積されるバリア層206を示す。いくつかの実施例において、バリア層206がトレンチ204に堆積されて、トレンチに堆積された付加的な材料が第一ILD層102内へ拡散するのを防止する助けとなる。その他の実施例において、バリア層206の代わりに、またはバリア層206に付加されて、シード層がトレンチ204に堆積されてもよい。シード層は、例えば、シード層上に導体材料を電気めっきすることを可能にする導体層である。さらに他の実施例において、バリア層206および/またはシード層に付加されて、またはその代わりに、付加的な層がトレンチ204に堆積されてもよい。
【0021】
図2fは、トレンチ204に形成された導体トレース106を示す。上述のように、導体トレース106は、電気めっきまたはその他の方法によって堆積される銅、アルミニウムまたはその他の材料のような導体材料を含む。第一ILD層102を貫通してホールが形成されるいくつかの実施例において、トレースに付加されて、またはその代わりに、一つ以上のビアが形成されてもよい。図2fに示される実施例において、トレース106は、第一ILD層102に部分的にのみ入り込んで延在し、このため、第一ILD層102によって部分的に取り囲まれる。トレース106の頂面は、第一ILD層102の頂面よりも上にある。
【0022】
いくつかの実施例において、トレース106を形成するために材料が堆積された後に、平坦化処理が適用されてもよい。これは、化学的機械研磨(「CMP」)処理またはその他の種類の処理であり、その結果、トレース106の頂面が第一ハードマスク層104の頂面と実質的に面一になる。
【0023】
図2gは、トレース106上に堆積されたキャップ層108を示す。上述のように、キャップ層108は、トレース106の材料の拡散またはエレクトロマイグレーションを防止するためのバリア層として作用する薄い導体層である。一実施例において、キャップ層108はコバルトを含むが、その他の実施例においてその他の材料を含んでよい。
【0024】
図2hは、第一ILD層102における第一ハードマスク層104およびトレース106の上に形成された第二ILD層114を示す。第二ILD層114は、第一ILD層102の材料に類似または同一の材料である。図2h(ならびに図1および図2iから図3dまで)に示されるように、第一ハードマスク層104は、装置100の製造時においておよび完成した装置100において、第一ILD層102上かつ第二ILD層114下の所定位置に保持される。
【0025】
図2iは、第二ILD層114上に堆積された第二ハードマスク層116を示す。第二ハードマスク層116は、上述のような第一ハードマスク層104の材料に類似または同一の材料であり、その厚さもまた、第一ILD層102に関する第一ハードマスク層104に対する上述のものに類似または同一である。
【0026】
図2jは、パターン形成第二ハードマスク層208を設けるべくパターン形成された後の、ビア開口部209を備える第二ハードマスク層116を示す。ビア開口部209を通して第二ILD層114の材料が除去されて、ビアホールが形成される。このパターン形成は、図2cに関して上述された、第一ハードマスク層104のパターン形成と同様に行われる。図2jにおいて、パターン形成第二ハードマスク層208によって、第二ILD層114を通るビアホールの形成が可能になる。
【0027】
図2kは、第二ILD層114に形成されたビアホール210およびトレンチ212を示す。一実施例において、パターン形成ハードマスク層208は、ビアホール210を形成するべく第二ILD層114の選択部分の除去を可能にするマスクとして作用する。第一ハードマスク層104はエッチストップ層として作用し、ビアホール210にランドが形成されていない場合において、ビアホール210形成時の第一ILD層102からの材料除去が防止される。第二ハードマスク層116はその後再びパターン形成されて、第二ILD層114にトレンチ212を形成可能にするためのホールが第二ハードマスク層116に開けられる。バリアおよび/またはその他の一つの(複数の)層(図示せず)が、ビアホール210および/またはトレンチ212に形成される。
【0028】
図2lは、トレンチ212およびビアホール210に形成された導体トレース120およびビア118を示す。上述のように、トレース120およびビア118は、電気めっきまたはその他の方法によって堆積される銅、アルミニウムまたはその他の材料のような導体材料を含む。図2lに示される実施例において、トレース120は、第二ILD層114に部分的に入り込んで延在し、このため、第二ILD層114によって部分的に取り囲まれる。トレース120の頂面は、第二ILD層114の頂面よりも上にある。ビア118は、第二ILD層114を貫通して延在し、第一ILD層102のトレース106との電気的接続をなす。ビア118はまた、第一ILD層102またはその他の導体構造のビアとの電気的接続もなす。
【0029】
いくつかの実施例において、トレース120およびビア118を形成するために材料が堆積された後に、平坦化処理が行われてもよい。これは、化学的機械研磨(「CMP」)処理またはその他の種類の処理であり、その結果、トレース120およびビア118の頂面が第二ハードマスク層116の頂面と実質的に面一になる。
【0030】
キャップ層108に類似するキャップ層122が、トレース120および/またはビア118の上に堆積される。図1が、かかるキャップ層を備える実施例を示す。
【0031】
図3aから図3dまでは、図1の装置100の製造方法を示す側断面図である。本発明の一つの実施例に係る、ランドが形成されていないビアホールからのボイド形成を防止する、所定位置に保持されるハードマスクが設けられている。ランドが形成されていないビアホールとは、ビアホール底面の導体の端縁を越えて側方に延在するように形成されたビアホールである。かかる場合、導体に隣接する材料の一部が除去されて、ビアホールの意図された深さよりも下にあり、かつ、導体に隣接する、高アスペクト比のホールが残る。導体材料がビアホールに堆積されると、高アスペクト比のホールは、過度に深くかつ狭いため導体材料によって埋められないので、その結果ボイドが生じる。
【0032】
図3aは、第一ハードマスク層104を通り第一ILD層102に部分的に入り込んで延在するトレース106を示す。第二ILD層114および第二ハードマスク層116が、トレース106および第一ハードマスク層104の上に形成される。
【0033】
図3bは、ランドが形成されていないビアホール302を示す。これは、第二ハードマスク層116および第二ILD層114を通って形成される。図からわかるように、ビアホール302の底部では、トレース106が部分的に欠落している。第一ハードマスク層104が所定位置に残されたままであり、かつ、第二ILD層114がその頂部に形成されるので、第一ハードマスク層104はエッチストップ層として作用する。このため、トレース106が欠落しているビアホール302の一部が、第一ハードマスク層104の表面よりも下方に延びることが防止される。これによって、高アスペクト比のホールがトレース106に隣接して形成されることが実質的に防止され、ボイド形成も防止される。
【0034】
図3cは、第二ILD層114に部分的に入り込んで延在するトレンチ303の形成を示す。図3dは、ビア304およびトレース305が、ランドが形成されていないビアホール302およびトレンチ303に形成されることを示す。第一ハードマスク層104によって、高アスペクト比のホールがトレース106に隣接して形成されることが防止されるので、第一ハードマスク層104によって、トレース106に隣接して、かつ、ビア302の下に、ボイドが形成されることも防止される。
【0035】
図3aから図3dまでで説明された状況と同様に、ビアホール302は、第二ハードマスク層116および第二ILD層114を通って形成されて、(図3bのビアホール302が部分的にのみトレース106を欠落している)トレース106のどの部分とも重なり合うことがない。かかる状況では、ハードマスク層104は、エッチストップ層として作用し、ビアホール302がハードマスク層104の下方に延びることが実質的に防止される。これによって、ビアホール302のアスペクト比が過度に大きくなることが防止され、かかる大きなアスペクト比のホールでのボイド形成も防止される。これによって、ランドが形成されていないビアを、ボイド形成なしに設けることができる。
【0036】
図4は、一つの実施例に係るシステム400を示す。図示のように、実施例に対して、システム400は、データ処理用のコンピューティング装置402を含む。コンピューティング装置402は、マザーボード404を含む。マザーボード404は、特に、プロセッサ406と、バス410に接続されたネットワーキング・インターフェース408とを含む。より具体的には、プロセッサ406は、前述の低kハードマスク層を有する装置100を含む。
【0037】
用途に応じ、システム400は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、グラフィックプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、チップセット、大容量記憶装置、(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)等)等を含むが、これらに限られることのないその他のコンポーネントを含んでよい。これらのコンポーネントの一つ以上はまた、前述に対応する相互接続を含んでもよい。
【0038】
様々な実施例において、システム400は、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、携帯電話、タブレット・コンピューティング装置、ラップトップ・コンピューティング装置、デスクトップ・コンピューティング装置、セットトップボックス、エンターテイメント・コントロール・ユニット、デジタルカメラ、デジタルビデオレコーダ、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、またはその他同様のデジタル装置である。
【0039】
本発明の実施例の前述の記載は、例示および説明を目的として提示されている。それは、網羅的なものでも、開示の正確な形態に本発明を限定するものでもない。様々な付加的な層および/または構造が含まれ、または、記載の実施例から省略されてよい。記載の処理は記載の実施例と異なる順序で行われてよく、工程が省略され/または付加的実施例に加えられてもよい。本明細書およびそれに付随する請求項は、左、右、頂、底、上、下、上方、下方、第一、第二等のような用語を含むが、これらは説明目的のみで使用されるものであって、限定として解釈すべきものではない。本明細書に記載の装置または部材の実施例は、いくつかの位置および方向で製造され、使用され、または運搬される得る。関連技術の当業者は、上記教示に鑑みて多数の修正および変形が可能であることがわかる。当業者は、図示された様々なコンポーネントに対する様々な等価な組み合わせおよび置換がわかる。したがって、本発明の範囲が限定されるのは、この詳細な説明によってではなく、これに添付される請求項によってである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】低誘電率(「k値」)ハードマスク層を備える装置の側断面図である。
【図2a】図1の装置の製造方法を示す側断面図である。
【図2b】図1の装置の製造方法を示す側断面図である。
【図2c】図1の装置の製造方法を示す側断面図である。
【図2d】図1の装置の製造方法を示す側断面図である。
【図2e】図1の装置の製造方法を示す側断面図である。
【図2f】図1の装置の製造方法を示す側断面図である。
【図2g】図1の装置の製造方法を示す側断面図である。
【図2h】図1の装置の製造方法を示す側断面図である。
【図2i】図1の装置の製造方法を示す側断面図である。
【図2j】図1の装置の製造方法を示す側断面図である。
【図2k】図1の装置の製造方法を示す側断面図である。
【図2l】図1の装置の製造方法を示す側断面図である。
【図3a】ランドが形成されていないビアホールからのボイドの形成を防止するハードマスクを示す側断面図である。
【図3b】ランドが形成されていないビアホールからのボイドの形成を防止するハードマスクを示す側断面図である。
【図3c】ランドが形成されていないビアホールからのボイドの形成を防止するハードマスクを示す側断面図である。
【図3d】ランドが形成されていないビアホールからのボイドの形成を防止するハードマスクを示す側断面図である。
【図4】一実施例に係るシステムを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低誘電率を有する第一層間絶縁膜層を堆積させることと、
前記第一層間絶縁膜層上に、低誘電率を有する第一ハードマスク層を堆積させることと、
前記第一層間絶縁膜層を露出するべく前記第一ハードマスク層に開口を形成することと、
前記第一層間絶縁膜層に第一トレンチを形成することと、
前記トレンチに第一導体トレースを堆積させることと、
前記第一導体トレースと第一ハードマスク層との上に第二層間絶縁膜層を堆積させることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第一ハードマスク層および前記第一層間絶縁膜層の各々は、約3.2よりも低い誘電率値を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一ハードマスク層および前記第一層間絶縁膜層の前記誘電率値はほぼ等しい、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一ハードマスク層および前記第一層間絶縁膜層の前記誘電率値は、約2.4から約3.2までの範囲にある、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第一導体トレースおよび前記第一ハードマスク層を電気めっきすることをさらに含み、前記第一ハードマスク層は、前記第一導体トレースの頂面と実質的に面一な頂面を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第一導体トレース上にキャップ層を堆積させることをさらに含み、前記第二層間絶縁膜層は、前記第一ハードマスク層と、前記第一導体トレース上の前記キャップ層との上に堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第二層間絶縁膜層上に第二ハードマスク層を堆積させることと、
前記第二層間絶縁膜層を露出させるべく前記第二ハードマスク層に開口を形成することと、
前記第一層間絶縁膜層にビアホールを形成することと、
前記第一導体トレースとの電気的接続を形成するべく前記ビアホールに導体ビアを堆積させることと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第一ハードマスク層は、約10%から約20%までのシリコンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第一ハードマスク層は、約16%のシリコン、約77%の炭素および約7%の酸素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
頂面を有し、低誘電率を有する第一層間絶縁膜層と、
前記第一層間絶縁膜層に少なくとも部分的に入り込んで延在し、前記第一層間絶縁膜層の頂面よりも上に頂面を有する第一導体トレースと、
前記第一導体トレースの前記頂面と実質的に面一な頂面を有し、低誘電率を有する第一ハードマスク層と、
前記第一導体トレースおよび第一ハードマスク層の上にあって、頂面を有する第二層間絶縁膜層と、
前記第二層間絶縁膜層に少なくとも部分的に入り込んで延在し、前記第二層間絶縁膜層の前記頂面の上に頂面を有する第二導体トレースと、
前記第二導体トレースの前記頂面と実質的に面一な頂面を有する第二ハードマスク層と、
を含む装置。
【請求項11】
前記第一導体トレースと前記第二層間絶縁膜層との間において、前記第一導体トレース上にキャップ層をさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第一ハードマスク層は、約200オングストロームから約1000オングストロームまでの厚さを有する、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第一層間絶縁膜層は誘電率値を有し、前記第一ハードマスク層は、前記第一層間絶縁膜層の前記誘電率値から約0.5以内の誘電率値を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記第一層間絶縁膜層および前記第一ハードマスク層の前記誘電率値は、約2.4から約3.2までの範囲にある、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記第一ハードマスク層は、約10%から約20%までのシリコンを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記第一ハードマスク層は、約16%のシリコン、約77%の炭素および約7%の酸素を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
頂面を有する層間絶縁膜層と、
前記層間絶縁膜層の前記頂面に隣接した底面を有する、前記層間絶縁膜層上のハードマスク層と、
前記層間絶縁膜層によって少なくとも部分的に取り囲まれた導体トレースと、
を含み、
前記ハードマスク層と前記層間絶縁膜層との両方とも、約3.2よりも低い誘電率値を有する装置。
【請求項18】
前記第一ハードマスク層は、約10%から約20%までのシリコンを有する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第一ハードマスク層は、約16%のシリコン、約77%の炭素および約7%の酸素を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記導体トレースは、前記第一層間絶縁膜層の前記頂面よりも上に頂面を有する、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記ハードマスク層は、前記導体トレースの前記頂面と実質的に面一な頂面を有する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記層間絶縁膜層および前記ハードマスク層の前記誘電率値はほぼ等しい、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記ハードマスク層は、約200オングストロームから約1000オングストロームまでの厚さを有する、請求項17に記載の装置。
【請求項24】
前記層間絶縁膜層および前記ハードマスク層の前記誘電率値は、約2.4から約3.2までの範囲にある、請求項17に記載の装置。
【請求項25】
前記導体トレースおよび前記ハードマスク層の上にあって、頂面を有する第二層間絶縁膜層と、
前記第二層間絶縁膜層の前記頂面に隣接した底面を有する、前記第二層間絶縁膜層上の第二ハードマスク層と、
前記層間絶縁膜層によって少なくとも部分的に取り囲まれた第二導体トレースと、
を含み、
前記第二ハードマスク層および前記第二層間絶縁膜層の各々は、約3.2よりも低い誘電率値を有する、請求項17に記載の装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図2h】
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【図2i】
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【図2j】
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【図2k】
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【図2l】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−510314(P2008−510314A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527842(P2007−527842)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/027178
【国際公開番号】WO2006/023255
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】