説明

三次元集積回路積層体

【課題】半導体デバイス層が形成されたシリコン基板等の半導体基板の積層体において、高い熱伝導率を有する層間充填材組成物により充填された三次元集積回路積層体を提供する。
【解決手段】半導体デバイス層が形成された半導体基板を少なくとも2層以上積層した半導体基板積層体を有し、該半導体基板間に、樹脂(A)及び平均粒径0.1μm以上5μm以下、且つ、最大粒径10μm以下であり、熱伝導率が2W/(m・K)以上の無機フィラー(B)を含有する第1の層間充填材層を有する三次元集積回路積層体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板を積層した三次元集積回路積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの更なる高速化・高容量化などの性能向上のために、トランジスタや配線の微細化に加えて、半導体基板を2層以上積み重ねた三次元(3D)積層化による性能向上に向けた研究開発が進められている。
【0003】
具体的には、半導体基板接合後に基板間横より充填材を流し込むアンダーフィルプロセスや、ウェハー上への塗布により層間充填材組成物の薄膜を形成した後に、Bステージ化を行い、次いでダイシングにより半導体基板を切り出し、この半導体基板を用いて加圧加熱による仮接合を繰り返し、最終的に加圧加熱条件下で本接合(はんだ接合)を行い、三次元集積回路積層体を形成するプロセスが提案されている(非特許文献1、2参照)。
【0004】
このような三次元集積回路デバイスの実用化に向けて、種々の課題が指摘されているが、その内の一つにトランジスタや配線等のデバイスから発する熱の放熱問題がある。この問題は、半導体基板の積層の際に用いられる層間充填材組成物の熱伝導率が、金属やセラミックなどと比較して、一般的に非常に低いことに起因し、半導体基板の積層体内での蓄熱による半導体素子の誤動作などパフォーマンスの低下が懸念されている。
【0005】
この課題を解決する一つの手法として、三次元集積回路積層体の基板間に適用する層間充填材組成物の高熱伝導化が挙げられる。例えば、層間充填材組成物を構成する樹脂単体として高熱伝導性のエポキシ樹脂の適用や、そのような高熱伝導性の樹脂と高熱伝導性無機フィラーとを複合化させることで、層間充填材組成物の高熱伝導化が試みられている。例えばメソゲンを有するエポキシ樹脂と硬化剤により高い熱伝導性を有する樹脂組成物が報告されている(特許文献1)。また、無機フィラーとして従来のシリカ系フィラーではなく、熱伝導性の高い窒化ホウ素をフィラーとして樹脂に配合することにより熱伝導率が向上することが開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4118691号公報
【特許文献2】特表2008−510878号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「エレクトロニクスパッケージ技術(CMCテクニカルライブラリー)」、シーエムシー出版(2003年)、p.102
【非特許文献2】第23回エレクトロニクス実装学会講演大会講演論文集、社団法人エレクトロニクス実装学会(2009年)、p.61
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の半導体基板を積層する三次元集積回路積層体においては、更なる信号伝送の高速化や高容量化などの性能向上に向けて、半導体基板間の距離が50μm以下になると見込まれており、この微細な基板間を熱伝導性の高い層間充填材組成物により接合した三次元集積回路積層体が求められている。
この三次元集積回路積層体の層間充填材層において、配合されるフィラーの最大粒径は、半導体基板の確実な接合を実現するためにも層間充填材層の厚みの1/3以下程度にすることが求められている。しかしながら、上記特許文献2記載の球状窒化ホウ素凝集体は高熱伝導率を有するが、粒径が大きいために三次元集積回路積層体の層間充填材層を形成する層間充填材組成物へ配合されるフィラーとして用いると半導体基板の接合を妨げるおそれがある。
一方、粒径の小さなフィラーを用いると層間充填材組成物を構成する樹脂に配合した際に、均一に混合することが困難であると同時に、層間充填材層の中で、フィラーによる熱伝導パスの接点増加により半導体基板間の厚み方向に上から下まで繋がる確率が低くなり、層間充填材層の厚み方向の熱伝導率が不十分となる可能性がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、半導体デバイス層が形成された半導体基板積層体及び前記積層体と更に有機基板との積層体において、熱伝導性の高い層間充填層を形成する層間充填材組成物により充填された三次元集積回路積層体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 半導体デバイス層が形成された半導体基板を少なくとも2層以上積層した半導体基板積層体を有し、該半導体基板間に、樹脂(A)及び平均粒径0.1μm以上5μm以下、且つ、最大粒径10μm以下であり、熱伝導率が2W/(m・K)以上の無機フィラー(B)を含有する第1の層間充填材層を有する三次元集積回路積層体。
<2> 前記半導体基板が、シリコン基板である前記<1>記載の三次元集積回路積層体。
<3> 前記第1の層間充填材層の熱伝導率が、0.8W/(m・K)である前記<1>又は<2>に記載の三次元集積回路積層体。
<4> 前記無機フィラー(B)の平均粒径が、0.2μm以上3μm以下であり、且つ、最大粒径が5μm以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の三次元集積回路積層体。
<5> 前記樹脂(A)が、エポキシ樹脂を主成分とする樹脂である前記<1>から<4>のいずれかに記載の三次元集積回路積層体。
<6> 前記第1の層間充填材層が、前記樹脂(A)100重量部当たり50重量部以上400重量部以下の前記無機フィラー(B)を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の三次元集積回路積層体。
<7> 前記第1の層間充填材層の厚みが、1μm以上50μm以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の三次元集積回路積層体。
<8> 前記半導体基板間に有する前記第1の層間充填材層の中に電気信号接続用のはんだ接続端子を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の三次元集積回路積層体。
<9> 前記半導体基板積層体がさらに有機基板上に搭載されており、前記半導体基板積層体と前記有機基板との間に、樹脂(a)及び無機フィラー(b)を含有する第2の層間充填材層を有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の三次元集積回路積層体。
<10> 前記無機フィラー(b)が、平均粒径0.1μm以上20μm以下、且つ、最大粒径50μm以下であり、その熱伝導率が、1W/(m・K)以上である前記<9>記載の三次元集積回路積層体。
<11> 前記第2の層間充填材層の熱伝導率が、0.4W/(m・K)以上である前記<9>又は<10>に記載の三次元集積回路積層体。
<12> 前記第2の層間充填材層の厚みが、50μm以上300μm以下である前記<9>から<11>のいずれかに記載の三次元集積回路積層体。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、半導体デバイス層が形成された半導体基板を高い熱伝導率を有する第1の層間充填材層にて積層することにより、半導体基板間の熱伝導を促進させて半導体デバイス基板の温度を低下させることにより、半導体デバイスを安定的に動作させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る三次元集積回路積層体(第1の三次元集積回路積層体)の概念断面図である。
【図2】半導体基板の断面構造の模式図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る三次元集積回路積層体(第2の三次元集積回路積層体)の概念断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0015】
(1)第1の三次元集積回路積層体
本発明の三次元集積回路積層体は、半導体デバイス層が形成された半導体基板を少なくとも2層以上積層した半導体基板積層体を有し、該半導体基板間に、樹脂(A)及び平均粒径0.1μm以上5μm以下、最大粒径10μm以下であり、且つ、熱伝導率が2W/(m・K)以上の無機フィラー(B)を含有する第1の層間充填材層を有する。
【0016】
図1に本発明の第1の実施の形態に係る三次元集積回路積層体(以下、「第1の三次元集積回路積層体」と称す。)の概念断面図を示す。なお、図1では、三次元集積回路積層体の構造の理解を容易にするために、半導体基板に対する他の構成部材の厚みや大きさは、実際より大きく示している。
図1に示すように、第1の三次元集積回路積層体1は、半導体デバイス層11,21及び31が各々に形成された半導体基板10,20,30を3層に積層した半導体基板積層体からなる。なお、本実施形態では、半導体基板を3層に積層しているがこれは一例であり、2層以上であれば何層であってもよい。
半導体基板10と半導体基板20との間及び半導体基板20と半導体基板30との間には、樹脂(A)及び無機フィラー(B)を含有する第1の層間充填材層40,50をそれぞれ有している。
【0017】
図2に、半導体基板10の断面構造の模式図を示す。半導体基板10には、微細な電子回路を含む半導体デバイス層11が形成されている。半導体デバイス層11を外界から保護するために、その表面には、ポリイミド樹脂等からなるバッファーコート膜12が形成されている。また、三次元集積回路積層体1において、半導体基板10と同一の構成を有し、半導体基板10と隣接する半導体基板20上の半導体デバイス層21との電気的な接続を確保するために、半導体基板10には、基板を貫通するように設けられた半導体基板貫通電極13、ランド端子14およびはんだバンプ15が設けられている。
また、第1の三次元集積回路積層体1において、隣接する半導体基板(半導体基板10と半導体基板20、及び半導体基板20と半導体基板30)における半導体デバイス層間の電気的な接続を確保するために、半導体基板10,20,30には、基板を貫通するように設けられた半導体基板貫通電極13,23,33、ランド端子24,34、およびはんだバンプ15,25,35が設けられている。ランド端子24とはんだバンプ15、ランド端子34とはんだバンプ25とは、それぞれ第1の層間充填材層40および50の中に含まれる形で存在し、半導体基板10と半導体基板20及び半導体基板20と半導体基板30との間の電気信号を接続する機能を果たしている。
【0018】
なお、前記第1の層間充填材層40,50の中に、前記半導体デバイス層が形成された半導体基板間の電気信号接続用のランド端子24,34およびはんだバンプ15,25からなるはんだ接続端子を含む構成であるが、それぞれの半導体基板上の半導体デバイス層の電気的な接続を確保できればよく、これに限定されない。
【0019】
以下、本発明の半導体基板積層体からなる第1の三次元集積回路積層体について詳細に説明する。
【0020】
(1−1)半導体基板
第1の三次元集積回路積層体における、半導体基板としては集積回路の製造において基板として用いることができる任意の材質のものを用いることができるが、シリコン基板が好ましく使用される。シリコン基板としては、口径に応じた基板膜厚のまま用いても良いし、バックサイドエッチングやバックグラインド等の裏面研磨により100μm以下の薄膜化した後に用いても良い。
はんだバンプとしては微細なハンダボールを用いても良いし、リソグラフィーにて開口部を形成後、開口部の下地に直接、又はニッケルや銅のポストを形成した上にはんだめっきを施して、レジスト材を除去後、加熱処理によりはんだバンプを形成しても良い。はんだの組成としては特に限定はされないが、電気的な接合性及び低温接合性を勘案して錫を主要成分として含有するはんだが好ましく用いられる。
ランド端子は半導体基板上にPVD等を用いて薄膜を成膜した後、リソグラフィーによるレジスト膜形成及びドライ又はウエットエッチングにより、不要部を除去することにより形成することができる。ランド端子の材料としては、はんだバンプと接合可能なものであれば特に限定はされないが、はんだとの接合性及び信頼性等を勘案して、金や銅を好ましく用いることができる。
【0021】
(1−2)第1の層間充填材層
第1の層間充填材層は、半導体基板間に形成され、樹脂(A)及び無機フィラー(B)を含有してなる。
【0022】
無機フィラー(B)は、平均粒径が0.1μm以上5μm以下、且つ、最大粒径が10μm以下であり、さらにその熱伝導率が2W/(m・K)以上であることを必須とする。
上述のように高度に集積化された三次元集積回路において、半導体基板間の層間充填材層の厚みは、10〜50μm程度にまで小さくなっている。無機フィラー(B)が10μmを超えると、表面にフィラーが突出しやすくなり、第1の層間充填材層の表面形状が悪化し、基板の接着(密着)性が悪くなるという問題がある。一方で、無機フィラー(B)の粒径が小さ過ぎると、必要な熱伝導パス数が増加して半導体基板間の厚み方向に上から下まで繋がる確率が小さくなり、層間充填層の厚み方向への熱伝導率が不十分になる。また、無機フィラー(B)の粒径が小さ過ぎると、凝集しやすくなり第1の層間充填材層中での分散性が悪くなる。
これに対し、上記条件を満たす無機フィラー(B)であると、フィラー同士の過度の凝集が抑制され、フィラー自身が高い熱伝導率を有するため、適当な添加量で第1の層間充填材層は十分な厚み方向の熱伝導率を得ることができる。
なお、無機フィラー(B)の平均粒径、最大粒径及び熱伝導率の少なくとも1つが上記条件を満たさない場合には、十分な熱伝導率を得ることができない。
【0023】
さらに、第1の層間充填材層の熱伝導率を高めるためには、無機フィラー(B)の0.2μm以上3μm以下であり、且つ、最大粒径が5μm以下であることが好ましい。
【0024】
なお、第1の層間充填材層の熱伝導率は、0.8W/m以上であることが好ましく、1.0W/(m・K)以上であることがより好ましい。
第1の層間充填材層の熱伝導率が0.8W/m未満であると、半導体基板間の熱伝導性が十分ではなく半導体基板に熱が蓄積して高温となり、動作不良の要因となるので好ましくない。
【0025】
また、第1の層間充填材層に含まれる無機フィラー(B)の含有量は、樹脂(A)100重量部当たり50重量部以上400重量部以下であることが好ましい。より好ましくは75重量部以上300重量部以下である。このような含有量とすることにより、第1の層間充填材層は、十分な熱伝導性が得られ、かつ、均一な塗膜を形成可能な程度の粘度を保つことができる。
【0026】
また、第1の層間充填材層の厚みは、1μm以上50μm以下であることが好ましい。より好ましくは3μm以上45μm以下、さらに好ましくは5μm以上40μm以下である。厚みが増えると半導体としての配線間距離が長くなり信号の配線遅延を引き起こすために、基板を3次元積層することによるメリットが少なくなり好ましくない。厚みが薄くなると配線間距離が短くなり信号の配線遅延を低減することができるが、層間充填材層の膜厚均一性を含めて加工が極めて困難となる。前記厚みとすることにより、加工性と性能を両立することができる。
【0027】
以下、第1の層間充填材層を構成する組成物(以下、「第1の層間充填材組成物」という場合がある。)における各成分について詳細に説明する。
第1の層間充填材組成物は、樹脂(A)及び無機フィラー(B)を含有し、その他必要に応じて硬化剤(C)、フラックス(D)等を含有してなる。
【0028】
[樹脂(A)]
樹脂(A)は、第1の層間充填材組成物として、無機フィラー(B)と組み合わせた際に十分な熱伝導性を得るために、その熱伝導率が0.2W/(m・K)以上であることが好ましい。
また、基板上に薄膜を形成後、仮接着前に接合対象の基板と位置合わせを行うために、樹脂(A)は、50℃における溶融粘度が2000Pa・s以上であることが好ましく、10000Pa・s以上であることがより好ましい。
また、仮接着後に本接合を実施する際には、加温により第1の層間充填材組成物を溶融して電気接合端子を接続させるために、樹脂(A)は、120℃における溶融粘度が100Pa・s以下であることが好ましく、20Pa・s以下であることがより好ましい。
【0029】
樹脂(A)の具体例としては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリエステル樹脂、アリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などを例示することができる。これら樹脂の中でも耐熱性や各種電気特性に優れた熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂の中でも、硬化前の加工性、B−ステージ化膜性やその他硬化特性、硬化膜物性等からエポキシ樹脂を主成分とする樹脂が好ましく、エポキシ樹脂のみからなる樹脂がより好ましい。
ここで、「エポキシ樹脂を主成分とする」とは、樹脂(A)におけるエポキシ樹脂の割合が、50重量%以上であることを意味し、好ましくは、60重量%以上(100重量%含む)である。
【0030】
以下、樹脂(A)の好ましい樹脂の例としてエポキシ樹脂を用いる場合について説明する。
エポキシ樹脂としては、いかなるエポキシ樹脂も使用できる。エポキシ樹脂は、1種類の構造単位を有するエポキシ樹脂のみであってもよいが、構造単位の異なる複数のエポキシ樹脂を組み合わせてもよい。
【0031】
ここで、塗膜性ないしは成膜性や接着性と併せて、接合時のボイドを低減して高熱伝導の硬化物を得るために、エポキシ樹脂として少なくとも後述するフェノキシ樹脂(以下、「エポキシ樹脂(A1)」と称す。)を含むことが好ましく、特にエポキシ樹脂全量に対するエポキシ樹脂(A1)の重量比率が、5〜95重量%の範囲で含有されることが好ましい。より好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは20〜80重量%の範囲で含有されることが好ましい。
以下、エポキシ樹脂(A1)について説明する。
【0032】
[エポキシ樹脂(A1)]
フェノキシ樹脂とは、通常、エピハロヒドリンと2価フェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、または2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂を指すが、本発明においてはこれらのうち、特に重量平均分子量200以上の分子量を有するエポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂をエポキシ樹脂(A1)という。なお、エポキシ樹脂(A1)の重量平均分子量の上限は50000以下が好ましく、30000以下がより好ましい。
【0033】
エポキシ樹脂(A1)としては、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格およびジシクロペンタジエン骨格からなる群から選択された少なくとも1つの骨格を有するフェノキシ樹脂が好ましい。中でも、耐熱性がより一層高められるので、フルオレン骨格および/またはビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂が特に好ましい。
【0034】
上述のようにエポキシ樹脂は、構造単位の異なる複数のエポキシ樹脂を含むものであってもよい。
上記エポキシ樹脂(A1)以外のエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(以下「エポキシ樹脂(A2)」と称す場合がある。)であることが好ましく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂等の、各種エポキシ樹脂が挙げられる。
これらは1種を単独でまたは2種以上の混合体として使用することができる。
【0035】
エポキシ樹脂(A2)は、溶融粘度制御の観点から、その重量平均分子量が、好ましくは、100〜5000であり、より好ましくは、200〜4000である。重量平均分子量が100より低いものでは、耐熱性が劣る傾向にあり、5000より高いと、エポキシ樹脂の融点が高くなり、接合性が低下する傾向がある。
【0036】
また、樹脂(A)は、その目的を損なわない範囲において、エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)以外の樹脂(以下、「他の樹脂」)を含んでいてもよい。
【0037】
樹脂(A)において、エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)を含む全樹脂中のエポキシ樹脂(A1)の割合は、その合計を100重量%として、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%である。なお、「エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)を含む全樹脂」とは、樹脂(A)が、エポキシ樹脂(A1)及びエポキシ樹脂(A2)のみの場合には、エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)の合計を意味し、さらに他の樹脂を含む場合には、エポキシ樹脂(A1)、エポキシ樹脂(A2)及び他の樹脂の合計を意味する。
エポキシ樹脂(A1)の割合が10重量%以上であることにより、エポキシ樹脂(A1)を配合することによる熱伝導性の向上効果を十分に得ることができ、所望の高熱伝導性を得ることができる。エポキシ樹脂(A1)の割合が90重量%未満でエポキシ樹脂(A2)が10重量%以上であることにより、エポキシ樹脂(A2)の配合効果が発揮され、硬化性、硬化物の物性が十分なものとなる。
【0038】
[無機フィラー(B)]
本発明で用いる無機フィラー(B)の熱伝導率は高い熱伝導性を有するものが好ましく、上述のように2W/(m・K)以上であることを必須とし、3W/(m・K)以上であることが好ましい。
【0039】
無機フィラー(B)としての熱伝導率が2W/(m・K)以上の無機材料としては、アルミナ(Al23:熱伝導率30W/(m・K))、窒化アルミニウム(AlN:熱伝導率260W/(m・K))、窒化ホウ素(BN:熱伝導率3W/(m・K)(厚み方向)、275W/(m・K)(面内方向))、窒化ケイ素(Si34:熱伝導率23W/(m・K))などが挙げられる。
ここで、無機フィラー(B)として、高熱伝導率以外に、更に酸素や水への高温暴露に対する安定性と低誘電性をも併せ持つことが接着したデバイスの信頼性の点で好ましい。そのため、上記無機材料の中でも無機フィラー(B)としては、化学安定性が高いAl23、BNが好ましく、特に誘電率がより低いBNが好ましい。
なお、無機フィラー(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
【0040】
さらに、無機フィラー(B)は、平均粒径0.1μm以上5μm以下、且つ、最大粒径が10μm以下であることを必須とし、好ましくは平均粒径が0.2μm以上3μm以下且つ、最大粒径が5m以下である。
なお、無機フィラー(B)の平均粒径及び最大粒径は、粉砕した後で測定した値である。無機フィラー(B)の平均粒径及び最大粒径の具体的な測定法は、実施例にて記述する。
上述のように高度に集積化された三次元集積回路積層体において、第1の層間充填材層の厚みは、50μm程度以下にまで小さくなっている。そのため、配合するフィラーの最大粒径が10μmを超えると第1の層間充填材層の表面にフィラーが突出して、第1の層間充填材層の表面形状が悪化する傾向にある。
一方で、フィラーの粒径が小さ過ぎると、必要な熱伝導パス数が増加して半導体基板間の厚み方向に上から下まで繋がる確率が小さくなり、熱伝導性の高いエポキシ樹脂(A)と組み合わせても、層間充填層の厚み方向への熱伝導率が不十分になる。また、フィラーの粒径が小さ過ぎると、フィラーが凝集しやすくなり層間充填材組成物中での分散性が悪くなる。
上記無機フィラー(B)が平均粒径及び最大粒径の条件を満たすことにより、第1の層間充填材層の表面形状が悪化させることなく、十分な熱伝導パスを形成することができる。
【0041】
なお、無機フィラー(B)として使用される無機材料は、市販品や合成直後では、粉末が凝集して、上記粒径範囲を満たさない場合がある。そのため、無機フィラー(B)として使用される無機材料を上記粒径範囲を満たすように粉砕して用いることが好ましい。
無機材料の粉砕の方法は特に限定されず、ジルコニアビーズ等の粉砕用メディアと共に攪拌混合する方法や、ジェット噴射等の従来公知の粉砕方法を適用できる。
また、無機フィラー(B)は、樹脂(A)や塗布液中での分散性を高めるため、適宜表面処理をおこなってもよい。さらには、結晶性を高めたり、水分除去の為、熱処理したフィラーを用いてもよい。
【0042】
また、無機フィラー(B)として、平均粒径が異なる2種以上のフィラーを使用してもよい。例えば、平均粒径が比較的小さい、例えば0.1〜2μm、好ましくは0.2〜1.5μmの無機フィラーと、平均粒径が比較的大きい、例えば1〜5μm、好ましくは1〜3μmのフィラーとを併用することにより、平均粒径の大きい無機フィラー同士の熱伝導パスを平均粒径の小さい無機フィラーで繋ぐことにより、同一平均粒径のもののみを用いた場合に比べて高充填が可能となりより高い熱伝導性を得ることができる。
この場合、平均粒径の小さい無機フィラーと平均粒径の大きい無機フィラーとは重量比で10:1〜1:10の割合で用いることが、熱伝導パスの形成の上で好ましい。
【0043】
さらに、第1の層間充填材組成物は、粘度調節等の目的で、本発明の効果を損なわない範囲で、無機フィラー(B)以外のフィラー(以下、「その他のフィラー」と称す。)を含有してもよい。
例えば、フィラーを熱伝導性向上ではなく粘度調節を目的として添加する場合には、熱伝導率がそれほど高くない、汎用フィラーであるシリカ(SiO2:熱伝導率1.4W/(m・K))を使用することができる。
一方で、その他のフィラーの平均粒径及び最大粒径は、無機フィラー(B)と同様の範囲であることが必要である。
【0044】
なお、上述のように無機フィラー(B)の含有量は、樹脂(A)100重量部当たり、好ましくは50重量部以上400重量部以下であり、より好ましくは75重量部以上300重量部以下である。無機フィラー(B)の含有量が、50重量部未満では、十分な熱伝導性が得られない場合があり、また、400重量部を超えると組成物の粘度が高くなり、均一な塗膜を形成できないなどの問題が出てくる可能性がある。
【0045】
[硬化剤(C)]
樹脂(A)として、第1の層間充填材組成物には、硬化剤(C)を含んでいてもよい。本発明で用いる硬化剤(C)とは、エポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応に寄与する物質を示す。
硬化剤(C)としては、特に制限はなく一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、フェノール系硬化剤、脂肪族アミン、ポリエーテルアミン、脂環式アミン、芳香族アミンなどのアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、第3級アミン、イミダゾールおよびその誘導体、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
【0046】
フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o−クレゾールノボラック、m−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、フルオログリシノール、ピロガロール、t−ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,4−ジヒドロキシナフタレン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物またはポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック、アリル化ピロガロール等が例示される。
【0047】
アミン系硬化剤の具体例として、脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等が例示される。ポリエーテルアミン類としては、トリエチレングリコールジアミン、テトラエチレングリコールジアミン、ジエチレングリコールビス(プロピルアミン)、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン類等が例示される。脂環式アミン類としては、イソホロンジアミン、メタセンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、ノルボルネンジアミン等が例示される。芳香族アミン類としては、テトラクロロ−p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、2,4−トルエンジアミン、2,4−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、2,4−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−アミノフェノール、m−アミノベンジルアミン、ベンジルジメチルアミン、2−ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエタノールアミン、メチルベンジルアミン、α−(m−アミノフェニル)エチルアミン、α−(p−アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が例示される。
【0048】
酸無水物系硬化剤の具体例としては、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、無水ヘット酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、1−メチル−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物等が例示される。
【0049】
アミド系硬化剤としては、ジシアンジアミド、ポリアミド樹脂等が例示される。
【0050】
第3級アミンとしては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が例示される。
【0051】
イミダゾールおよびその誘導体としては、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、およびエポキシ樹脂と上記イミダゾール類との付加体等が例示される。
【0052】
有機ホスフィン類としては、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等が例示され、ホスホニウム塩としては、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート等が例示され、テトラフェニルボロン塩としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等が例示される。
【0053】
また、これらの硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
【0054】
上記硬化剤の中でも、この中でも、イミダゾール又はその誘導体が好適に用いられる。 なお、後述するフラックス(D)として、エポキシ樹脂の硬化作用を有す有機カルボン酸及び有機カルボン酸エステルを使用した場合には、該有機カルボン酸類を硬化剤(C)として用いてもよい。
【0055】
また、第1の層間充填材組成物中の硬化剤(C)の含有量は、通常、エポキシ樹脂を主成分とする樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜60重量部である。
ここで、硬化剤がフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤の場合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基と硬化剤中の官能基との当量比で0.8〜1.5の範囲となるように用いることが好ましい。この範囲外であると未反応のエポキシ基や硬化剤の官能基が残留し、所望の物性が得られないことがある。
また、硬化剤がアミド系硬化剤、第3級アミン、イミダゾール及びその誘導体、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等の場合は、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0056】
[フラックス(D)]
フラックス(D)とは、具体的には、金属端子のはんだ接合時において、はんだバンプ等の金属電気信号端子及びランドの表面酸化膜の溶解除去や、はんだバンプのランド表面における濡れ広がり性の向上、更にははんだバンプの金属端子表面の再酸化防止などの機能を有する化合物であり、第1の層間充填材層の中に半導体デバイス層が形成された半導体基板間の電気信号接続用のはんだ接続端子を含む場合に第1の層間充填材組成物に含有される。
【0057】
本発明で用いるフラックス(D)としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸などの脂肪族カルボン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、トリメリト酸、トリメリト酸無水物、トリメシン酸、ベンゼンテトラカルボン酸などの芳香族カルボン酸、アビエチン酸、ロジンなどのテルペン系カルボン酸などの有機カルボン酸、及び有機カルボン酸をアルキルビニルエーテル類と反応して変換したヘミアセタールエステルである有機カルボン酸エステル、グルタミン酸塩酸塩、アニリン塩酸塩、ヒドラジン塩酸塩、臭化セチルピリジン、フェニルヒドラジン塩酸塩、テトラクロルナフタレン、メチルヒドラジン塩酸塩、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、ブチルアミン塩酸塩などの有機ハロゲン化合物、尿素、ジエチレントリアミンヒドラジンなどのアミン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、トリエタノールアミン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ビス(2−ヒドロキシメチル)イミノトリス−(ヒドロキシメチル)メタン、リビトールなどの多価アルコール類、塩酸、フッ酸、燐酸、ホウフッ化水素酸などの無機酸、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム、フッ化銅、フッ化ニッケル、フッ化亜鉛などのフッ化物、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化第一銅、塩化ニッケル、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化第一錫などの塩化物、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化アンモニウム、臭化錫、臭化亜鉛などの臭化物などが挙げられる。これらの化合物は、そのまま用いても、また有機ポリマーや無機化合物等による被覆剤を用いてマイクロカプセル化したものを用いても良い。これらの化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
【0058】
このうち、樹脂(A)や各種溶媒への溶解性より、多価アルコール類、有機カルボン酸類及び有機カルボン酸エステル類が好ましい。
フラックス(D)の溶融温度は、はんだ接合前にはんだ表面の酸化膜溶解、はんだ表面の濡れ性向上、及びはんだ表面の再酸化防止等の機能を発現するために、90℃〜220℃であることが好ましく、より好ましくは100℃〜200℃、更に好ましくは120℃〜180℃である。
また、フラックス(D)が有機カルボン酸類及び有機カルボン酸エステル類の場合には、はんだ接合時の220℃〜260℃の温度においてカルボン酸の分解又は揮発・蒸発等が少ないものが好ましい。この場合、分解温度及び沸点としては好ましくは250℃以上、より好ましくは270℃以上、最も好ましくは290℃以上である。多価アルコール類としては、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、リビトールなどを好ましく用いることができる。有機カルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、トリメリット酸などを好ましく用いることができる。
有機カルボン酸エステルが熱分解によりカルボン酸を生じて機能を発現する温度としては、130℃以上であることが好ましく、より好ましくは140℃、更に好ましくは160℃以上、最も好ましくは180℃以上である。
【0059】
有機カルボン酸エステルの原料となる有機カルボン酸としては乳酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、アビエチン酸、ロジンなどのモノカルボン酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、などのジカルボン酸、クエン酸、1,2,4−トリメリト酸、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートなどのトリカルボン酸、ピロメリット酸やブタンテトラカルボン酸などのテトラカルボン酸等を用いることができる。この中でもフラックスとしての反応性より、二個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸類が好ましい。
【0060】
また、有機カルボン酸エステルの原料となるアルキルビニルエーテル類としては、炭素数1〜6のアルキル基を有するものが好ましく、この中でも、アルキル基がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基であることが特に好ましい。これらアルキル基の中でも、電子供与性の低いアルキル基ほど高温解離性を示すことから、アルキル基としては2級及び1級であることが好ましい。
【0061】
このうち有機カルボン酸エステルとしては、サンタシッドG(ジアルキルビニルエーテルブロック2官能ポリマー型カルボン酸)、サンタシッドH(モノアルキルビニルエーテルブロック2官能低分子量型カルボン酸)、サンタシッドI(モノアルキルビニルエーテルブロック2官能カルボン酸、いずれも株式会社日油製)などを好ましく用いることができる。
【0062】
本発明において、フラックス(D)の含有量は、樹脂(A)100重量部あたり0.1重量部以上10重量部以下、好ましくは0.5重量部以上5重量部以下である。含有量が、0.1重量部未満では、酸化膜除去性低下によるはんだ接続不良のおそれがあり、また10重量部を超えると組成物の粘度上昇による接続不良のおそれがでてくる。
【0063】
第1の層間充填材組成物には、その機能性の更なる向上を目的として、本発明の効果を損なわない範囲において、各種の添加剤を含んでいてもよい。
【0064】
このようなその他の添加剤としては、基材との接着性やマトリックス樹脂と無機フィラーとの接着性を向上させるための添加成分として、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤、保存安定性向上のための紫外線防止剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、着色剤、分散剤等が挙げられる。
これらは、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
【0065】
上記添加剤の中でも、樹脂成分と無機フィラー(B)との密着性を向上させる観点からは、カップリング剤を含むことが好ましい。
ここで、シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン、さらに、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシラン等が挙げられる。
【0066】
一方、チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジイソプロピルビス(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0067】
その他の添加剤の配合量には特に制限はなく、必要な機能性が得られる程度に、通常の樹脂組成物の配合量で用いられる。
【0068】
なお、その他の添加剤のうち、カップリング剤の添加量は、樹脂組成物中の全固形分に対して0.01〜2.0重量%程度とするのが好ましい。カップリング剤の配合量が少ないと、カップリング剤を配合したことによるマトリックス樹脂と無機充填材との密着性の向上効果を十分に得ることができず、多過ぎると得られる硬化物からカップリング剤がブリードアウトする問題がある。
【0069】
なお、第1の層間充填材層を形成するに当たり、上述の第1の層間充填材組成物は、そのまま半導体基板上に塗布してもよいが、更に有機溶媒(E)を含有する塗布液の形態で用いてもよい。以下、有機溶媒(E)について説明する。
【0070】
[有機溶媒(E)]
用いることができる有機溶媒(E)としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルアミルケトン(MAK)、シクロヘキサノン(CHN)等のケトン類、酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族類などが挙げられる。
このうち、樹脂の溶解性及び溶媒の沸点等を勘案すると、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンやシクロヘキサノン等ケトン類、エステル類及びエーテル類が好ましく、特にメチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのケトン類を用いることが特に好ましい。
これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
【0071】
有機溶媒(E)の他の成分に対する混合割合は、特に制限はないが、好ましくは他の組成物に対して20重量%以上70重量%以下、特に好ましくは30重量%以上60重量%以下である。このような混合割合とすることにより、本発明の塗布液を使用することにより、任意の塗布法によって良好な塗布膜を形成することができる。
有機溶媒(E)の混合割合が、20重量%未満では組成物の粘度が上昇し良好な塗布膜が得られない場合があり、または70重量%を超えると所定の膜厚が得られない等の問題が出てくる可能性がある。
【0072】
塗布液には、各種の添加剤を含んでいてもよい。
このような添加剤としては、上述の添加剤の他、塗布液中での各成分の分散性を向上させる界面活性剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤等が挙げられる。
【0073】
ここで、界面活性剤としては、従来公知のアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤のいずれも使用できる。
例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類、アルキルベタイン類、アミノ酸類などが挙げられる。
また、これら界面活性剤においてCH結合の一部又は全てがCF結合となったフッ素界面活性剤も好ましく用いることができる。
界面活性剤の添加量として、樹脂組成物中の全固形分に対して、0.001〜5重量%程度とするのが好ましい。0.001重量%未満では、所定の膜厚均一性が得られない場合があり、また5重量%を超えると樹脂成分との相分離等を引き起こす場合があり好ましくない。
【0074】
塗布液の製造方法は、特に限定されず従来公知の方法によればよく、塗布液の構成成分を混合することで製造することができる。
混合順序も反応や沈殿物が発生するなど特段の問題がない限り任意であり、塗布液の構成成分のうち、何れか2成分又は3成分以上を予め配合し、その後に残りの成分を混合してもよいし、一度に全部を混合してもよい。
なお、上述のように無機フィラー(B)は、粒径の大きな凝集体とならないように粉砕を行うことが好ましいが、塗布液の製造前に粉砕してもよいし、他の成分と混合してから粉砕してもよい。無機材料の粉砕の方法は特に限定されず、従来公知の粉砕方法を適用できる。
【0075】
(1−3)第1の三次元集積回路積層体の製造方法
以下、第1の三次元集積回路積層体の製造方法について説明する。
半導体基板積層体からなる第1の三次元集積回路積層体は、三次元集積回路の各層を構成し、半導体デバイス層が形成された半導体基板に、上述の第1の層間充填材層の前駆体となる第1の層間充填材組成物の塗膜を形成する工程と、これらの半導体基板を加圧接着して、半導体基板間に第1の層間充填材層を有する半導体基板積層体を形成する工程を含む方法を用いて製造される。
以下、各工程について具体的に説明する。
【0076】
まず、半導体デバイス層が形成された半導体基板の上面及び下面に必要に応じて基板間の電気的な接続端子としてはんだバンプやランド端子を形成する。半導体基板、はんだバンプ、ランド端子の詳細は上述の通りである。
【0077】
次いで、半導体基板上に層間充填材組成物の塗膜を形成する。
第1の層間充填材組成物の塗膜は、有機溶媒(E)に溶解・分散した第1の層間充填材組成物を、ディップ法やスピンコート法、スプレーコート法やブレード法その他の任意の方法で形成することができる。得られた塗布膜から溶媒や低分子成分除去のために、50〜150℃の任意の温度でベーキング処理を行いB−ステージ化膜を形成する。この際、一定の温度においてベーキング処理を行ってもよいが、組成物中の揮発成分除去を円滑に進めるために、減圧条件下にてベーキング処理を行ってもよい。また、樹脂の硬化が進行しない範囲で、段階的な昇温によるベーキング処理を行っても良い。例えば、初めに60℃、次に80℃、更に120℃で各5〜90分程度のべーキング処理を実施することができる。
また、上述の有機溶媒(E)を含まない第1の層間充填材組成物をそのまま用いてもよい。例えば、樹脂の硬化が始まらない温度範囲において加温して溶融させたものを用いて、任意の方法で半導体基板上に第1の層間充填材組成物からなる膜を成膜してもよい。
また、第1の層間充填材組成物は、フィルム成形に適した十分な伸び性を有するため、フィルム成形し、該フィルムを半導体基板上に設置することで成膜してもよい。
【0078】
次に上記方法にて成膜した第1の層間充填材組成物からなる膜を加熱してタック性を発現させた後に、接合対象の半導体基板と仮接着を行う。仮接着の温度としては、樹脂(A)の組成にもよるが、80〜150℃の温度で行うことが好ましい。半導体基板の接合が複数層の場合には、前記仮接着を基板の層数分繰り返しても良いし、B−ステージ化膜を形成した基板を複数層重ね合わせた後に、加熱してまとめて仮接着させても良い。仮接着の際には必要に応じて基板間に好ましくは1gf/cm2〜50Kgf/cm2、より好ましくは10gf/cm2〜10Kgf/cm2の荷重をかけて実施することが好ましい。
【0079】
仮接着の後には半導体基板の本接合を行う。仮接着させた半導体基板を200℃以上、好ましくは220℃以上で加圧接着することにより、第1の層間充填材組成物の樹脂の溶融粘度を低下させて半導体基板間の電気端子の接続を促進すると同時に、組成物中のフラックスを活性化させて半導体基板間のはんだ接合を実現することができる。なお、加熱温度の上限は、使用する樹脂(A)が分解、変質しない温度であり、樹脂の種類、グレードにより適宜決定されるが、通常300℃以下で行われる。
また、加圧接着の際には必要に応じて基板間に好ましくは10gf/cm2〜10Kgf/cm2、より好ましくは50gf/cm2〜5Kgf/cm2の荷重をかけて実施することが好ましい。
【0080】
(2)第2の三次元集積回路積層体
本発明の三次元集積回路積層体は、上述の半導体基板積層体がさらに有機基板の上に搭載されており、半導体基板積層体と有機基板との間に、樹脂(a)及び無機フィラー(b)を含有する第2の層間充填材層が形成されていてもよい。
すなわち、上述の半導体基板積層体(第1の三次元集積回路積層体)が、さらに有機基板の上に搭載されており、半導体基板積層体と有機基板との間に、樹脂(a)及び無機フィラー(b)を含有した第2の層間充填材層が形成された三次元集積回路積層体である。
図3に本発明の第2の実施の形態に係る三次元集積回路積層体(以下、「第2の三次元集積回路積層体」と称す。)の概念断面図を示す。なお、図3では、三次元集積回路積層体の構造の理解を容易にするために、半導体基板及び有機基板に対する他の構成部材の厚みや大きさは、実際より大きく示している。
図3に示すように、第2の三次元集積回路積層体100において、上述の半導体基板積層体1がさらに有機基板101の上に搭載されており、半導体基板積層体1と有機基板101との間に、樹脂(a)及び無機フィラー(b)を含有する第2の層間充填材層102が形成されている。
【0081】
以下、第2の三次元集積回路積層体について詳細に説明する。なお、半導体基板積層体については、上述の第1の三次元集積回路積層体と同様であるため、説明を省略する。
【0082】
(2−1)有機基板
有機基板は、はんだボールを外部電極とするアレイ状の電極と半導体基板を接続する高密度実装用のパターン変換基板(インターポーザ)であり、三次元集積回路積層体を実装する際のプリント基板やフレキシブル基板との熱膨張率の整合性を確保するためにも、樹脂板の中に配線層を有する多層回路構造を有する有機基板であることが好ましい。有機基板を構成する樹脂成分としてエポキシ樹脂等が、配線層として銅(Cu)がそれぞれ好ましく用いられる、第2の層間充填材層を介してプリント基板上に搭載された半導体基板積層体は、はんだバンプ等を介して有機基板に接続され、有機基板はアレイ状の電極を介してプリント基板の端子と電子的に接続されていてもよい。
【0083】
(2−2)第2の層間充填材層
第2の層間充填材層は、半導体基板積層体と有機基板との間に形成され、樹脂(a)及び無機フィラー(b)を含有してなる。
第2の層間充填材層は、0.4W/(m・K)以上であることが好ましく、0.8W/(m・K)以上であることがより好ましく、1.0W/(m・K)以上であることが特に好ましい。
【0084】
なお、第2の層間充填材層の厚みは、50μm以上300μm以下であることが好ましい。より好ましくは60μm以上250μm以下、さらに好ましくは70μm以上200μm以下である。厚みが増すと半導体基板積層体と有機基板の積層体がかさ高くなり、小型実装が困難となるために好ましくない。また、厚みが薄くなるとデバイスの動作温度変化による半導体基板積層体と有機基板との膨張係数の相違により、無機−有機基板の接合界面での剥離等を引き起こす可能性があり好ましくない。前記厚みとすることにより、加工性と性能を両立することができる。
【0085】
以下、第2の層間充填材層を構成する組成物(以下、「第2の層間充填材組成物」という場合がある。)における各成分について説明する。
第2の層間充填材組成物は、樹脂(a)及び無機フィラー(b)を含有し、その他必要に応じて硬化剤(c)、フラックス(d)等を含有してなる。
なお、第2の層間充填材組成物において、第1の層間充填材組成物と同様である部分は詳しい説明を省略する。
【0086】
[樹脂(a)]
樹脂(a)は、第2の層間充填材組成物として、無機フィラー(b)と組み合わせた際に十分な熱伝導性を得るために、その熱伝導率が0.15W/(m・K)以上であることが好ましい。
また、基板上に薄膜を形成後、仮接着前に接合対象の基板と位置合わせを行うために、樹脂(a)は、50℃における溶融粘度が2000Pa・s以上であることを必須とし、10000Pa・s以上であることが好ましい。
また、仮接着後に本接合を実施する際には、加温により第1の層間充填材組成物を溶融して電気接合端子を接続させるために、樹脂(a)は、120℃における溶融粘度が100Pa・s以下であることが好ましく、20Pa・s以下であることがより好ましい。
【0087】
樹脂(a)として、具体例としては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリエステル樹脂、アリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などを例示することができる。なお、樹脂(a)として、上記第1の層間充填材組成物の樹脂(A)を使用してもよい。
これらの樹脂の中でも耐熱性や各種電気特性に優れた熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂の中でも、硬化前の加工性、その他硬化特性、硬化膜物性等からエポキシ樹脂を主成分とする樹脂が好ましい。ここで、「エポキシ樹脂を主成分とする」とは、樹脂(a)のエポキシ樹脂の割合が、50重量%以上であることを意味し、好ましくは、60重量%以上(100重量%含む)である。
なお、一般的にシリコン基板と有機基板を充填する技術としてはアンダーフィルプロセスが提案されており、バンプとランドを接合後に基板間横より毛細管現象を用いて層間充填材を充填する。この為、本プロセスには室温で液体である樹脂成分が必要であり、一般的には液状エポキシ樹脂等が好ましく用いられている。
【0088】
[無機フィラー(b)]
無機フィラー(b)は、第2の層間充填材組成物の熱伝導率を向上させるために添加される。第2の層間充填材組成物は、高い熱伝導率を有する無機フィラー(b)を含有することにより、第2の層間充填材組成物に高い熱伝導性を付与することが可能となり、半導体基板積層体と有機基板の熱伝導を促進させて半導体デバイス基板の温度を低下させることにより、半導体デバイスを安定的に動作させることが可能となる。
無機フィラー(b)の熱伝導率は、1W/(m・K)以上であることが好ましく、2W/(m・K)以上であることがより好ましい。
このような熱伝導率を有する無機フィラー(b)であると、適当な添加量で、十分な熱伝導度を有する第2の層間充填材層を得ることができる。
【0089】
無機フィラー(b)は、上述した無機フィラー(B)と同様のものを使用できる。
すなわち、アルミナ(Al23:熱伝導率30W/(m・K))、窒化アルミニウム(AlN:熱伝導率260W/(m・K))、窒化ホウ素(BN:熱伝導率3W/(m・K)(厚み方向)、275W/(m・K)(面内方向))、窒化ケイ素(Si34:熱伝導率23W/(m・K))、シリカ(SiO2:熱伝導率1.4W/(m・K))などを使用できる。
また、これらの無機フィラー(b)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
無機フィラー(b)は更に酸素、水や高温暴露に対する安定性と低誘電性をも併せ持つことが接着したデバイスの信頼性の点で好ましく、このような無機フィラーとしては、Al23、AlN、BN、SiO2が挙げられ、好ましくはAl23、AlN、BNが挙げられる。
【0090】
無機フィラー(b)の粒径は、特に限定はないが、通常、平均粒径が0.1〜20μm、かつ、最大粒径が30μm以下であり、好ましくは平均粒径が0.2〜17μm、かつ、最大粒径が25μm以下であり、より好ましくは、平均粒径が0.3〜15μm、かつ、最大粒径が20μm以下である。
【0091】
なお、無機フィラー(b)の含有量は、通常、樹脂(a)100重量部当たり、50重量部以上400重量部以下であり、より好ましくは75重量部以上300重量部以下である。無機フィラー(b)の含有量が、50重量部未満では、十分な熱伝導性が得られない場合があり、また、400重量部を超えると組成物の粘度が高くなり、均一な塗膜を形成できないとの問題が出てくる可能性がある。
【0092】
[その他の成分]
第2の層間充填材組成物において、樹脂(a)及び無機フィラー(b)以外の成分としては、上述した第1の層間充填材組成物における硬化剤(C)、フラックス(D)、その他の添加剤が挙げられる。これらの使用目的、配合量などは第1の層間充填材組成物と同様である。
【0093】
(2−3)第2の三次元集積回路積層体の製造方法
第2の三次元集積回路積層体は、上述の半導体基板積層体の有機基板上に接する側の面上、および有機基板上の半導体基板積層体と接する面上の一方又は双方に、上述の第2の層間充填材層の前駆体となる第2の層間充填材組成物の塗膜を形成する工程と、半導体基板と有機基板とを加圧接着して、半導体基板積層体と有機基板との間に第2の層間充填材層を有する半導体基板積層体を形成する工程を含む方法を用いて製造される。なお、第2の層間充填材組成物は、第1の層間充填材組成物と同一であってもよく、異なっていてもよい。
【実施例】
【0094】
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はその趣旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0095】
以下において用いた層間充填材組成物の配合成分は次の通りである。
・樹脂(A)
エポキシ樹脂(A1):フェノキシ樹脂
重量平均分子量:26,000
エポキシ当量:4,600g/当量
30重量%メチルエチルケトン/シクロヘキサノン溶液
エポキシ樹脂(A2−1):三菱化学株式会社製 品名「YL6800」
エポキシ樹脂(A2−2):三菱化学株式会社製 品名「1032H60」
エポキシ樹脂(A2−3):三菱化学株式会社製 品名「1001」
エポキシ樹脂(A2−4):三菱化学株式会社製 品名「YX4000」
エポキシ樹脂(A2−5):三菱化学株式会社製 品名「1006」

・無機フィラー(B)
無機フィラー(B−1):日新リフラテック株式会社製BN 品名「R−BN」
無機フィラー(B−2):株式会社龍森製シリカ 品名「PLV−4」

・硬化剤(C):四国化成工業株式会社製 品名「2PHZ−PW」 2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール

・フラックス(D)
フラックス(D−1):日油株式会社製 品名「サンタシッドG」
ジアルキルビニルエーテルブロック2官能ポリマー型カルボン酸
フラックス(D−2):和光純薬株式会社製 品名「アジピン酸」

・有機溶媒(E)
有機溶媒(E1):和光純薬工業株式会社製 試薬特級「メチルエチルケトン」
有機溶媒(E2):和光純薬工業株式会社製 試薬特級「シクロヘキサノン」

・分散剤(F)
分散剤(F−1):ビックケミー社製 品名「BYK−2155」
【0096】
なお、前記エポキシ樹脂(A1)としてのフェノキシ樹脂は次のようにして作製した。
YL6121H(エポキシ当量171g/当量、4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂と3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂の1:1混合物(三菱化学株式会社製)215重量部、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール(OH当量107g/当量、本州化学株式会社製)127重量部、27重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.32重量部、及び、反応用溶媒としてシクロヘキサノン228重量部を撹拌機付き耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下180℃で5時間、反応を行った後、希釈用溶剤としてシクロヘキサノン171重量部及びメチルエチルケトン399重量部を加えて固形分濃度を調整した。反応生成物から定法により溶剤を除去して30重量%の樹脂溶液を得た。
【0097】
なお、得られた層間充填材組成物の物性は、次のようにして測定した。
(1)熱伝道率
以下の装置にて、熱拡散率、比重、比熱を測定し、この3つの測定値を乗じることで熱伝導率を求めた。
1)熱拡散率:株式会社アイフェイズ「アイフェイズ・モバイル 1u」
2)比重:メトラー・トレド株式会社 天秤 XS−204(「固体比重測定キット」使用)
3)比熱:セイコーインスツル株式会社 DSC320/6200
(2)粒径分布測定
攪拌混合後の試料(実施例参照)をシクロヘキサノンで分散させ、堀場製作所レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920にて測定した。得られた粒度分布から粉砕後の無機フィラー(B)の平均粒径及び最大粒径を求めた。
【0098】
[実施例]
(1)層間充填材組成物膜の作製及び評価
エポキシ樹脂(A)として、上記エポキシ樹脂(A1)溶液5gとエポキシ樹脂(A2−1)3.75g、エポキシ樹脂(A2−2)溶液0.94g(80重量%シクロヘキサノン溶液)、エポキシ樹脂(A2−3)溶液2.14g(70重量%シクロヘキサノン溶液)及び無機フィラー(B−1)7.24g、更に直径2mmのジルコニアボール(YTZ−2)を24.0g加え、自公転攪拌機を用いて2000rpmで33分間攪拌した。攪拌終了後、ろ過によりビーズを取り除き、硬化剤(C)を0.15g、フラックス(D−1)を0.15g加え、更に自公転攪拌機にて6分間攪拌し、層間充填材ペースト(塗布液)を得た。
得られた攪拌後の層間充填材ペースト中の無機フィラー(B−1)の粒径分布の測定を行い、平均粒径1.0μm、最大粒径5.9μmであった。
この原料ペーストを離型処理したガラス基板に塗布して、減圧下にて100℃で90分加熱し溶媒を留去してB−ステージ化膜とした。この膜上にさらに離型処理したガラス基板をのせ、挟んだ後に、150℃で1時間、続いて170℃で1時間、プレス(圧力1MPa)することにより、成形・硬化させて膜厚500μmの層間充填材組成物膜を得た。この膜の熱伝導率は1.1W/(m・K)であった。
【0099】
(2)積層体の製造及び評価
エポキシ樹脂(A2−2)2.50g、エポキシ樹脂(A2−4)6.25g及びエポキシ樹脂(A2−5)3.75gを有機溶媒(E1)12.5gに撹拌溶解させた。これに分散剤(F−1)0.25g、フラックス(D−2)0.25g及び有機溶媒(E1)11.75gを添加して、更に無機フィラー(B−1)12.5g及び直径0.5mmのジルコニアボール(YTZ−0.5)を100g加え、自公転攪拌機を用いて2000rpmで10分間攪拌した。攪拌終了後、ろ過によりビーズを取り除き、硬化剤(C)を0.25g加え、更に自公転攪拌機にて6分間攪拌し、層間充填材ペースト(塗布液)を得た。得られた攪拌後の層間充填材ペースト中の無機フィラー(B―1)の粒径分布の測定を行い、平均粒径4μm、最大粒径は9μmであった。
この層間充填材ペーストを、離型処理したガラス基板に塗布して、減圧下にて80℃で30分間、120℃で30分間、順次加熱し溶媒を留去した。この膜上にさらに離型処理したガラス基板をのせて挟んだ後に、165℃で2時間、圧力1MPaでプレスすることにより、成形・硬化させて膜厚500μmの層間充填材組成物膜を得た。この膜の熱伝導率は1.1W/(m・K)、線膨張率は34ppm、誘電率は3.2であった。なお、誘電率は、個々の材料における誘電率(エポキシ樹脂2.8、窒化ホウ素3.9)をもとに、層間充填材組成物中のフィラー成分の体積分率より算出した。
また、同じ層間充填材ペーストを株式会社WALTS社製のシリコン製はんだバンプ基板(CC80ModelI)に25μL塗布後、ホットプレート上にて60℃15分、80℃15分及び120℃30分間加熱して溶媒を留去した。さらにホットプレート上にて150℃10分間加熱を行いB−ステージ化膜とした。
また、このはんだバンプ基板及び株式会社WALTS社製のシリコンインターポーザ(IP80)を、東レエンジニアリング社製フリップチップボンダ(FC3000S)を用いて250℃まで昇温させて加熱圧着接合して、冷却後165℃2時間ポストアニール処理を行い、積層体を形成した。積層体内部のデイジーチェインの電気抵抗を測定したところ、20Ω以下であった。
【0100】
[比較例]
(1)層間充填材組成物膜の作製及び評価
エポキシ樹脂(A)として、上記エポキシ樹脂(A1)溶液5gとエポキシ樹脂(A2−1)3.75g、エポキシ樹脂(A2−2)溶液0.94g(80重量%シクロヘキサノン溶液)、エポキシ樹脂(A2−3)溶液2.14g(70重量%シクロヘキサノン溶液)及び無機フィラー(B−1)7.24gを加え、自公転攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌し、層間充填材ペースト(塗布液)を得た。
実施例と同じ装置にて、得られた攪拌後の層間充填材ペースト中の無機フィラー(B−1)の粒径分布の測定を行ったところ、最大粒径は10μmよりも大きかった。
この層間充填材ペーストを用いて、実施例と同様の方法で、B−ステージ化膜を得た。得られたB−ステージ化膜には、目視で確認できるフィラーが多数存在し、不均一であった。
【0101】
(2)積層体の製造及び評価
ジルコニアボールによる無機フィラーの粉砕処理を行わなかった以外は実施例と同様に成形・硬化させて積層体を形成した。得られた攪拌後の層間充填材ペースト中の無機フィラー(B−1)の粒径分布の測定を行ったところ、10μmより大きな凝集物が多数含まれていた。この積層体内部のデイジーチェインの電気抵抗を測定したところ、70Ω以上を示し一部は断線していた。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明の三次元集積回路積層体は、半導体基板間の熱伝導を促進させて半導体デバイス基板の温度を低下させることができるため、半導体デバイスを安定的に動作させることが可能な電子デバイスを得ることができ、極めて有用である。
【符号の説明】
【0103】
1 第1の三次元集積回路積層体
10,20,30 半導体基板
11,21,31 半導体デバイス層
12,22,32 バッファーコート膜
13,23,33 半導体基板貫通電極
14,24,34,103 ランド端子
15,25,35 はんだバンプ
40,50 第1の層間充填材層
100 第2の三次元集積回路積層体
101 有機基板
102 第2の層間充填材層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイス層が形成された半導体基板を少なくとも2層以上積層した半導体基板積層体を有し、該半導体基板間に、樹脂(A)及び平均粒径0.1μm以上5μm以下、且つ、最大粒径10μm以下であり、熱伝導率が2W/(m・K)以上の無機フィラー(B)を含有する第1の層間充填材層を有することを特徴とする三次元集積回路積層体。
【請求項2】
前記半導体基板が、シリコン基板であることを特徴とする請求項1記載の三次元集積回路積層体。
【請求項3】
前記第1の層間充填材層の熱伝導率が、0.8W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元集積回路積層体。
【請求項4】
前記無機フィラー(B)の平均粒径が、0.2μm以上3μm以下であり、且つ、最大粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の三次元集積回路積層体。
【請求項5】
前記樹脂(A)が、エポキシ樹脂を主成分とする樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の三次元集積回路積層体。
【請求項6】
前記第1の層間充填材層が、前記樹脂(A)100重量部当たり50重量部以上400重量部以下の前記無機フィラー(B)を含有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の三次元集積回路積層体。
【請求項7】
前記第1の層間充填材層の厚みが、1μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の三次元集積回路積層体。
【請求項8】
前記半導体基板間に有する前記第1の層間充填材層の中に電気信号接続用のはんだ接続端子を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の三次元集積回路積層体。
【請求項9】
前記半導体基板積層体がさらに有機基板上に搭載されており、前記半導体基板積層体と前記有機基板との間に、樹脂(a)及び無機フィラー(b)を含有する第2の層間充填材層を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の三次元集積回路積層体。
【請求項10】
前記無機フィラー(b)が、平均粒径0.1μm以上20μm以下、且つ、最大粒径50μm以下であり、その熱伝導率が、1W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項9に記載の三次元集積回路積層体。
【請求項11】
前記第2の層間充填材層の熱伝導率が、0.4W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項9又は10に記載の三次元集積回路積層体。
【請求項12】
前記第2の層間充填材層の厚みが、50μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の三次元集積回路積層体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−216838(P2012−216838A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−82481(P2012−82481)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】