説明

中継装置、中継方法,プログラム、およびアクセス制御システム

【課題】アクセス制御を実施するLANの構築するための導入・運用コストが抑制できるようにする。
【解決手段】アクセス権限情報取得部104は、接続部A102または接続部B103が受け付けたサービス利用要求に対し、このサービス利用要求に含まれるアドレス情報とサービス利用要求を受け付けた接続部A102または接続部B103を識別する接続識別情報とに対応するアクセス権限情報を設定情報記憶部101より取り出す。アドレス変換部105は、接続部A102および接続部B103が受け付けたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換する。アクセス権限情報設定部106は、アドレス変換部105に変換されたアドレス情報にアクセス権限情報を組み込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介したアクセス制御を行うための中継装置、中継方法,アクセス制御システム、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
不正アクセスなどによる情報漏洩を防止し、組織が管理する機密情報および個人情報を安全に利活用するためには、セキュリティポリシに応じてユーザ端末などを適切に認証し、許可されている権限に基づいてアクセス制御を行うことが求められる。
【0003】
IPネットワークにおけるアクセス制御方式の例として、アクセス元のIPアドレスによって、アクセスの許可/不許可を判断する方法がある(非特許文献1参照)。この技術では、認証後にユーザ端末に設定するIPアドレス(アドレス情報)の特定の領域(アクセス権限判定領域)に、このユーザ端末に関連付けてアクセス権限(ポリシ)を埋め込む(組み込む)ようにしている。アクセス権限判定領域を読み込むことができるネットワーク制御機器では、ユーザ端末のIPアドレスが記述されたパケットを受信すると、IPアドレスのアクセス権限判定領域に埋め込まれたポリシを読み込み、読み込んだ値に従い、受信したパケットを転送する/しないなどのアクセス制御を実施する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】岩井孝法,水越康博,著、「IPv6アドレスのIFIDを活用したユーザアクセス制御の効率化」、信学技法,vol.107, no.525, IN2007-242, pp.497-502, 2008年。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、LAN(Local Area Network)によって運用者および組織が異なっている場合、各LANのIPアドレス体系が独立に設定されるため、全てのLANに対して統一的なIPアドレス体系を導入することができない。このため、複数の異なるLANを接続する場合、LAN間でIPアドレスの衝突が起こり得る。
【0006】
このため、ルータを用いてアドレス変換を行っている。各LANから共通のサービスサーバにアクセスする際には、IPアドレスの衝突を防ぐために、LANの出口に配置されたルータ(LANルータ)またはLANとサービスサーバの間にあるルータ(中継ルータ)において、ユーザ端末/LANルータから送信されたパケットに対してアドレス変換処理を施す。
【0007】
ここで、前述したアクセス制御方法では、ユーザ端末に対応づけられているポリシが、アドレスのアクセス制御領域に埋め込まれている。従って、ルータでアドレス変換をしている状態で共通のサービスサーバに対するアクセス制御を実施するためには、LANルータや中継ルータによるアドレス変換処理を施す前に、各LANにおいて、アドレスに組み込まれたポリシをネットワーク制御機器で読み込んでアクセス制御(フィルタリング処理)を実施する必要がある。このため、前述したアクセス制御方法では、アクセス制御を実施するネットワーク制御機器がLANごとに必要となり、LANを構築するための導入・運用コストが増加するという問題がある。
【0008】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、アクセス制御を実施するLANを構築するための導入・運用コストが抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る中継装置は、複数の接続手段と、この接続手段を識別する接続識別情報に対してアクセス権限情報が関連付けられて記憶されている設定情報記憶部と、接続手段が受け付けたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換するアドレス変換手段と、接続手段が受け付けたサービス利用要求に対し、このサービス利用要求を受け付けた接続手段を識別する接続識別情報に対応するアクセス権限情報を設定情報記憶部より取り出し、アドレス変換手段が変換したアドレス情報に取り出したアクセス権限情報を組み込むアクセス権限情報設定手段と、サービス利用要求の要求先が接続しているネットワークにサービス利用要求を転送する転送手段とを備える。
【0010】
本発明に係る中継方法は、受け付けられたサービス利用要求に対し、このサービス利用要求が受け付けられた接続手段を識別する接続識別情報に対応するアクセス権限情報を設定情報記憶部より取り出す第1ステップと、受け付けられたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換する第2ステップと、変換されたアドレス情報に取り出したアクセス権限情報を組み込む第3ステップと、サービス利用要求の要求先が接続しているネットワークにサービス利用要求を転送する第4ステップとを備える。
【0011】
本発明に係るプログラムは、上述した中継方法をコンピュータに実現させるためのものである。
【0012】
本発明に係るアクセス制御システムは、複数の接続手段と、この接続手段を識別する接続識別情報に対してアクセス権限情報が関連付けられて記憶されている設定情報記憶部と、接続手段が受け付けたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換するアドレス変換手段と、接続手段が受け付けたサービス利用要求に対し、このサービス利用要求を受け付けた接続手段を識別する接続識別情報に対応するアクセス権限情報を設定情報記憶部より取り出し、アドレス変換手段が変換したアドレス情報に取り出したアクセス権限情報を組み込むアクセス権限情報設定手段と、サービス利用要求の要求先が接続しているネットワークにサービス利用要求を転送する転送手段とを有する中継装置と、アクセス権限情報とこのアクセス権限情報に対応するアクセス制御内容とを記憶している権限情報記憶部と、ネットワークを介して接続されている中継装置より転送されて受け付けられたサービス利用要求に含まれているアドレス情報に組み込まれているアクセス権限情報を取り出すアクセス権限情報取出手段と、アクセス権限情報取出手段が取り出したアクセス権限情報に対応するアクセス制御内容を権限情報記憶部より取り出し、取り出したアクセス制御内容に基づいて、受け付けられたサービス利用要求に対するアクセス制御を行うアクセス制御手段とを有するサービスサーバとを備える。
【0013】
また、本発明に係る中継方法は、受け付けられたサービス利用要求に対し、このサービス利用要求が受け付られた接続手段を識別する接続識別情報に対応するアクセス権限情報を設定情報記憶部より取り出す第1ステップと、受け付けられたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換する第2ステップと、変換されたアドレス情報に取り出したアクセス権限情報を組み込む第3ステップと、サービス利用要求の要求先が接続しているネットワークにサービス利用要求を転送する第4ステップと、ネットワークを介して転送されて受け付けられたサービス利用要求に含まれているアドレス情報に組み込まれているアクセス権限情報を取り出す第5ステップと、取り出したアクセス権限情報に対応するアクセス制御内容を権限情報記憶部より取り出し、取り出したアクセス制御内容に基づいて、受け付けられたサービス利用要求に対するアクセス制御を行う第5ステップとを備える。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、中継するときにアクセス権限情報を組み込むので、アクセス制御を実施するLANを構築するための導入・運用コストが抑制できるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1における中継装置100の構成を示す構成図である。
【図2】中継装置100の動作例を説明するフローチャートである。
【図3】サービスサーバ140の動作例を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2における中継装置400の構成を示す構成図である。
【図5A】中継装置400の要求転送の動作例を説明するフローチャートである。
【図5B】中継装置400の応答転送の動作例を説明するフローチャートである。
【図6】サービスサーバ440の動作例を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態3におけるアクセス制御システムの構成を示す構成図である。
【図8】本発明の実施の形態4におけるアクセス制御システムの構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【0017】
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における中継装置100の構成を示す構成図である。図1では、中継装置100およびサービスサーバ(アクセス制御サーバ)140を用いたアクセス制御システムの構成を示している。
【0018】
中継装置100は、設定情報記憶部101,接続部(接続手段)A102および接続部(接続手段)B103,アクセス権限情報取得部104,アドレス変換部105,アクセス権限情報設定部106,転送部107,および網接続部108を備える。中継装置100には、接続部A102にアクセスラインを介してルータA121が接続し、接続部B103にアクセスラインを介してルータB122が接続している。ルータA121およびルータB122は、各々が、LAN(Local Area Network)に接続し、各LANにおいて図示しない複数の端末装置を収容している。接続部A102および接続部B103は、例えば、よく知られたイーサネット(登録商標)インタフェース(I/F)である。図1では、2つの接続部A102および接続部B103を備える場合について説明しているが、これに限るものではなく、中継網の1つの物理的なインタフェースにルータA121およびルータB122が接続し,タグVLANなどを利用して論理的に分離されていてもよく、また、3つ以上の接続部を備え、各々に、異なるルータおよびLANが接続していてもよいことはいうまでもない。
【0019】
サービスサーバ140は、権限情報記憶部141,網接続部142,アクセス権限情報取出部143,およびアクセス制御部144を備える。サービスサーバ140と中継装置100とは、網接続部142と網接続部108とにより、中継網(ネットワーク)130を介して接続している。なお、図1では、1つのサービスサーバ140が、中継網130に接続する例を示しているが、中継網130に、同様の構成とされた複数のサービスサーバ140が接続されていてもよい。
【0020】
設定情報記憶部101は、接続部A102および接続部B103を識別する接続識別情報とアドレス情報との組に対してアクセス権限情報を関連付けて記憶している。設定情報記憶部101に記憶されているアドレス情報は、接続部A102および接続部B103に接続するLANが収容している端末装置と中継装置100との接続を確立するときに、既に接続している他の端末装置との識別(区別)を可能にするために用いられるものである。なお、アドレス情報に関係なく、接続識別情報に対してアクセス権限情報を関連付けて、LAN単位でアクセス権限が決定されるようにしてもよい。
【0021】
アクセス権限情報取得部104は、接続部A102または接続部B103が受け付けたサービス利用要求に対し、このサービス利用要求に含まれるアドレス情報とサービス利用要求を受け付けた接続部A102または接続部B103を識別する接続識別情報とに対応するアクセス権限情報を設定情報記憶部101より取り出す。アドレス変換部105は、接続部A102および接続部B103が受け付けたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換する。アクセス権限情報設定部106は、アドレス変換部105に変換されたアドレス情報にアクセス権限情報を組み込む。
【0022】
転送部107は、サービス利用要求の要求先となるサービスサーバ140が接続している中継網130に、網接続部108を介してサービス利用要求を送出(転送)する。このサービス利用要求に含まれる変換されたアドレス情報には、アクセス権限情報設定部106によりアクセス権限情報が組み込まれている。
【0023】
権限情報記憶部141は、アクセス権限情報とこのアクセス権限情報に対応するアクセス制御内容とを記憶している。アクセス権限情報取出部143は、網接続部142が受け付けたサービス利用要求に含まれているアドレス情報に組み込まれているアクセス権限情報を取り出す。アクセス制御部144は、アクセス権限情報取出部143が取り出したアクセス権限情報に対応するアクセス制御内容を権限情報記憶部141より取り出し、取り出したアクセス制御内容に基づいて、網接続部142で受け付けられたサービス利用要求に対するアクセス制御を行う。
【0024】
次に、中継装置100の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。まず、接続部A102または接続部B103が、例えばサービスサーバ140に対するサービス利用要求を受け付けると(ステップS201)、アクセス権限情報取得部104が、受け付けられたサービス利用要求に含まれるアドレス情報とサービス利用要求を受け付けた接続部A102または接続部B103を識別する接続識別情報とに対応するアクセス権限情報を設定情報記憶部101より取得する(ステップS202)。
【0025】
次に、アドレス変換部105が、受け付けられたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換する(ステップS203)。次に、アクセス権限情報取得部104により取得されたアクセス権限情報を、アクセス権限情報設定部106が、サービス利用要求に含まれる変換されたアドレス情報に組み込む(ステップS204)。この後、アドレス変換部105が、アドレス情報が変換されてアクセス権限情報が組み込まれたサービス利用要求を、網接続部108を介して中継網130に送出(転送)する(ステップS205)。
【0026】
次に、サービスサーバ140の動作について、図3のフローチャートを用いて説明する。まず、網接続部142がサービス利用要求を受け付けると(ステップS301)、アクセス権限情報取出部143が、受け付けたサービス利用要求に含まれているアドレス情報に組み込まれているアクセス権限情報を取り出す(ステップS302)。次に、アクセス制御部144が、アクセス権限情報取出部143により取り出されたアクセス権限情報に対応するアクセス制御内容を権限情報記憶部141より取得する(ステップS303)。この後、アクセス制御部144が、取り出したアクセス制御内容に基づいて、受け付けられたサービス利用要求に対するアクセス制御を行う(ステップS304)。
【0027】
以上に説明したように、本実施の形態では、中継装置100においてアクセス権限情報を組み込むようにした。従って、例えば、接続先のサービスサーバ140で、組み込まれたアクセス権限情報をもとにアクセス制御ができるようになる。このようにすることで、アクセス権限情報の組み込みを、要求元(例えば各LAN)の各々で行う必要が無く、要求元の各々において組み込みのためのシステムを構築する必要がなくなる。また、例えば、アクセス権限情報に基づくアクセス制御の内容については、要求先で備えていればよく、要求元の各々において、備えている必要がなくなる。この結果、本実施の形態によれば、各ルータA121,ルータB122や、これらに接続しているLANの各々においてアクセス制御をする必要がなくなるので、アクセス制御を実施するLANを構築するための導入・運用コストが抑制できるようになる。
【0028】
なお、中継装置100は、CPUと主記憶装置と外部記憶装置とネットワークなどとの接続を行う接続装置などを備えたコンピュータ機器であり、主記憶装置に展開されたプログラムによりCPUが動作することで、上述した各機能が実現される。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させるようにしてもよい。
【0029】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図4は、本発明の実施の形態2における中継装置400の構成を示す構成図である。図4では、中継装置400およびサービスサーバ(アクセス制御サーバ)440を用いたアクセス制御システムの構成を示している。
【0030】
中継装置400は、設定情報記憶部401,接続部(接続手段)A402および接続部(接続手段)B403,アドレス設定部404,アクセス権限情報取得部405,アドレス変換部406,アクセス権限情報設定部407,転送部408,および網接続部409を備える。中継装置400には、接続部A402にアクセスラインを介してルータA421が接続し、接続部B403にアクセスラインを介してルータB424が接続している。ルータA421は、LAN(Local Area Network)422に接続し、LAN422において複数の端末装置423を収容している。同様に、ルータB424は、LAN425に接続し、LAN425において複数の端末装置426を収容している。
【0031】
接続部A402および接続部B403は、例えば、よく知られたイーサネット(登録商標)インタフェース(I/F)である。図4では、2つの接続部A402および接続部B403を備える場合について説明しているが、これに限るものではなく、中継網の1つの物理的なインタフェースにルータA121およびルータB122が接続し,タグVLANなどを利用して論理的に分離されていてもよく、また、3つ以上の接続部を備え、各々に、異なるルータおよびLANが接続していてもよいことはいうまでもない。
【0032】
サービスサーバ440は、権限情報記憶部441,網接続部442,アクセス権限情報取出部443,アクセス制御部444,およびサービス提供部445を備える。サービスサーバ440と中継装置400とは、網接続部442と網接続部409とにより、中継網(ネットワーク)430を介して接続している。なお、図4では、1つのサービスサーバ440が、中継網430に接続する例を示しているが、中継網430に、同様の構成とされた複数のサービスサーバ440が接続されていてもよい。
【0033】
設定情報記憶部401は、以下の表1に示すように、接続部A402および接続部B403を識別する接続識別情報およびユーザ情報に対し、アドレス情報およびアクセス権限情報を関連付けて記憶している。ユーザ情報は、いずれかのルータを介して中継装置400(接続部A402および接続部B403)が受け付けた、接続要求の要求元のユーザまたは端末装置を識別するものである。ユーザ情報により、端末装置からの接続要求の受け付け制御を行う。なお、ユーザ情報に加えてパスワードや、ルータが接続されているアクセスラインの識別番号などを用い、端末からの接続要求の受け付け制御を行うようにしてもよい。この場合、設定情報記憶部401に、ユーザ情報に加えてパスワードや、アクセスラインの識別番号も備えるようにしておけばよい。
【0034】
また、アドレス情報は、接続部A402に接続するルータ421およびルータ421が収容している複数の端末装置423を識別(区別)可能にするために用いるものである。接続部B403についても同様に、アドレス情報は、接続部B403に接続するルータ424およびルータ424が収容している複数の端末装置426を識別(区別)可能にするために用いるものである。なお、異なるLANに属する端末装置423と端末装置426のアドレス情報は重複してもよい。
【0035】
また、アクセス権限情報は、例えば、サービス利用要求が受け付けられるときの認証手段、要求元の端末装置を収容しているルータが接続しているアクセス回線の種別、予め設定されているサービスレベルを含んでいる。
【0036】
【表1】

【0037】
ここで、アクセス権限情報(ポリシ)を6ビットで表現する場合について説明する。
【0038】
まず、認証手段として、「PAP/CHAP認証:(00)2」、「証明書認証:(01)2」、「回線クロス認証:(10)2」があり、アクセス回線種別として、「ISDN:(00)2」、「ADSL:(01)2」、「FTTH:(10)2」があり、サービスレベルとして「提供しない:(00)2」、「低:(01)2」、「高:(10)2」があるものとする。
【0039】
例えば、「PAP/CHAP認証」で、アクセス回線種別が「ADSL」,サービスレベルが「低」とされている要求元から送出されたパケット(サービス利用要求)には、アドレス変換がされた後、次に示すように、送信元のIPアドレスにポリシが組み込まれる。
【0040】
【数1】

【0041】
アドレス設定部404は、接続部A402または接続部B403が、中継装置400に対する接続要求を受け付けると、この接続要求に含まれるユーザ情報と接続要求を受け付けた接続部A402または接続部B403を識別する接続識別情報とに対応するアドレス情報を設定情報記憶部401より取り出し、接続要求元の端末A423または端末B426に、対応するアドレス情報を払い出す(設定する)。このようにしてアドレス情報が設定されると、端末装置423および端末装置426は、中継装置400に接続可能となり、中継網430を介してサービスサーバ440へのサービス利用要求が送出できるようになる。
【0042】
アクセス権限情報取得部405は、接続部A402または接続部B403が受け付けたサービスサーバ440へのサービス利用要求に対し、このサービス利用要求に含まれるアドレス情報とサービス利用要求を受け付けた接続部A402または接続部B403を識別する接続識別情報とに対応するアクセス権限情報を設定情報記憶部401より取得する。なお、IPアドレスなどのアドレス情報に関係なく、接続識別情報に対応するアクセス権限情報を取得するようにしてもよい。このようにすることで、端末装置単位ではなく、LAN単位で一括してアクセス権限を決定することができる。
【0043】
アドレス変換部406は、接続部A402および接続部B403が受け付けたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換する。アクセス権限情報設定部407は、アクセス権限情報取得部405が取得したアクセス権限情報を、アドレス変換部406に変換されたアドレス情報に組み込む。
【0044】
転送部408は、サービス利用要求の要求先となるサービスサーバ440が接続している中継網430に、網接続部409を介してサービス利用要求を送出(転送)する。このサービス利用要求に含まれる変換されたアドレス情報(要求元アドレス情報)には、アクセス権限情報設定部407によりアクセス権限情報が組み込まれている。
【0045】
権限情報記憶部441は、アクセス権限情報とこのアクセス権限情報に対応するアクセス制御内容とを記憶している。アクセス権限情報取出部443は、網接続部442が受け付けたサービス利用要求に含まれているアドレス情報に組み込まれているアクセス権限情報を取り出す。アクセス制御部444は、アクセス権限情報取出部443が取り出したアクセス権限情報に対応するアクセス制御内容を権限情報記憶部441より取り出し、取り出したアクセス制御内容に基づいて、網接続部442で受け付けられたサービス利用要求に対するアクセス制御を行う。サービス提供部445は、アクセス制御部444の制御の下で、要求されたサービスの提供を要求元の端末に対して行う。
【0046】
次に、中継装置400の動作について説明する。はじめに、中継装置400の要求転送の動作について図5Aのフローチャートを用いて説明する。まず、接続部A402または接続部B403が、中継装置400に対する接続要求を受け付けると(ステップS501)、アドレス設定部404が、この接続要求に含まれるユーザ情報と接続要求を受け付けた接続部A402または接続部B403を識別する接続識別情報とに対応するアドレス情報を設定情報記憶部401より取り出す(ステップS502)。次いで、アドレス設定部404が、取り出したアドレス情報を、接続要求元の端末に払い出す(ステップS503)。
【0047】
例えば、端末A423からの中継装置400に対する接続要求は、ルータA421を介して接続部A402で受け付けられる。この場合、接続要求には端末A423を識別するための情報として「ユーザA」が含まれており、設定情報記憶部401には、表1に示すように、接続部A402を識別する「接続部A」と「ユーザA」との組に対して「IPaddressA」がアドレス情報として対応づけられている。このため、アドレス設定部404は、要求元の、端末A423に対し、「IPaddressA」を設定する。これにより、端末A423は、中継装置400への接続が可能となり、中継装置400を介した中継網430への接続が行えるようになる。なお、各端末装置が全て中継装置と接続認証を行う必要はなく、LANルータが代表して中継装置と接続認証を行い、LANルータが中継装置からIPアドレスプールを取得してもよい。この場合、LAN内の複数の端末装置は、LANルータが取得したIPアドレスプールからIPアドレスを選択し、選択したIPアドレスを設定することになる.
【0048】
次に、接続部A402または接続部B403が、端末装置A423または端末装置B426からの中継網430を介したサービスサーバ440に対するサービス利用要求を受け付けると(ステップS504)、アクセス権限情報取得部405が、受け付けられたサービス利用要求に含まれるアドレス情報とサービス利用要求を受け付けた接続部A402または接続部B403を識別する接続識別情報とに対応するアクセス権限情報(ポリシA)を設定情報記憶部401より取得する(ステップS505)。なお、前述同様に、アドレス情報に関係なく、接続識別情報に対応するアクセス権限情報を取得するようにしてもよい。
【0049】
次に、アドレス変換部406が、受け付けられたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換する(ステップS506)。次に、アクセス権限情報設定部407が、アクセス権限情報取得部405により取得されたアクセス権限情報(ポリシA)を、変換されたアドレス情報に組み込む(ステップS507)。この後、転送部408が、アドレス情報が変換されてアクセス権限情報が組み込まれたサービス利用要求を、網接続部409を介して中継網430に転送する(ステップS508)。
【0050】
次に、中継装置400の応答転送の動作について図5Bのフローチャートを用いて説明する。まず、網接続部409が、端末A423もしくは端末B426に対するサービス利用応答を受け付けると(ステップS511)、アドレス変換部406が、受け付けられたサービス利用応答に含まれるアドレス情報を逆変換する(ステップS511)。次に、転送部408が、逆変換されたアドレス情報で識別される要求元に、受け付けられたサービス利用応答を転送する。
【0051】
次に、サービスサーバ440の動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。まず、網接続部442がサービス利用要求を受け付けると(ステップS601)、アクセス権限情報取出部443が、受け付けたサービス利用要求に含まれているアドレス情報に組み込まれているアクセス権限情報を取り出す(ステップS602)。次に、アクセス制御部444が、アクセス権限情報取出部443により取り出されたアクセス権限情報に対応するアクセス制御内容を権限情報記憶部441より取得する(ステップS603)。
【0052】
次に、アクセス制御部444が、取り出したアクセス制御内容に基づいて、受け付けられたサービス利用要求に対するアクセス制御を行う(ステップS604)。次に、サービス提供部445が、アクセス制御部444の制御のもとに、要求元の端末に対してサービスの提供(サービス利用応答)を行う(ステップS605)。例えば、端末A423からのサービス利用要求を受け付けた場合、このサービス利用要求に含まれるアドレス情報には、「ポリシA」が組み込まれているので、アクセス制御部444は、「ポリシA」に対応するアクセス制御内容により、端末A423との接続状態を制御(制限)する。このようにして制御された接続状態の中で、サービス提供部445が、許可されているサービス提供(サービス利用応答)を端末A423に対して行う。
【0053】
以上に説明したように、本実施の形態では、中継装置400においてアクセス権限情報を組み込み、接続先のサービスサーバ440で、組み込まれたアクセス権限情報をもとにアクセス制御をしてサービスの提供を行うようにした。このため、アクセス権限情報の組み込みを、要求元(例えば各LAN)の各々で行う必要が無く、要求元の各々において組み込みのためのシステムを構築する必要がなくなる。また、アクセス権限情報に基づくアクセス制御の内容については、サービスサーバ440で備えていればよく、端末A423,端末B426やルータA421,ルータB424などで各々備えている必要がなくなる。この結果、本実施の形態によれば、アクセス制御を実施するLANを構築するための導入・運用コストが抑制できるようになる。
【0054】
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。図7は、本発明の実施の形態3におけるアクセス制御システムの構成を示す構成図である。本システムでは、前述した実施の形態2における中継装置を、認証サーバ700とアドレス変換サーバ710とから構成したものであり、他の構成は、実施の形態2と同様である。
【0055】
認証サーバ700は、設定情報記憶部701、接続部A702および接続部B703、アドレス設定認証部704を備える。認証サーバ700には、接続部A702にルータA421が接続し、接続部B703にルータB424が接続している。
【0056】
アドレス変換サーバ710は、設定情報記憶部711,接続部A712および接続部B713,アクセス権限情報取得部715,アドレス変換部716,アクセス権限情報設定部717,転送部718,および網接続部719を備える。
【0057】
設定情報記憶部701は、接続部A702および接続部B703を識別して認証するためのユーザ情報およびパスワードなどを含む認証情報と、ユーザ情報に関連付けられたアドレス情報を記憶している。認証情報は、いずれかのルータを介して認証サーバ700(接続部A702および接続部B703)が受け付けた、接続要求の要求元の端末装置を識別および認証するためのものである。認証情報により、端末装置からの接続要求の受け付け制御を行う。
【0058】
また、アドレス情報は、接続部A702に接続するルータ421およびルータ421が収容している複数の端末装置423を、認証サーバ701およびアドレス変換サーバ710が識別(区別)可能にするために用いるものである。これは、接続部B703についても同様に、アドレス情報は、接続部B703に接続するルータ424およびルータ424が収容している複数の端末装置426を識別(区別)可能にするために用いるものである。なお、異なるLANに属する端末装置423と端末装置426のアドレス情報は重複してもよい。
【0059】
アドレス設定認証部704は、接続部A702または接続部B703が、認証サーバ700に対する接続要求を受け付けると、この接続要求に含まれるユーザ情報およびパスワードなどの受け付け認証情報と、設定情報記憶部701に設定されている認証情報とを比較することで、接続要求の認証を行う。
【0060】
また、アドレス設定認証部704は、認証された接続要求に対し、この接続要求に含まれるユーザ情報と接続要求を受け付けた接続部A702または接続部B703を識別する接続識別情報とに対応するアドレス情報を設定情報記憶部701より取り出し、接続要求元の端末A423または端末B426に、対応するアドレス情報を払い出す(設定する)。なお、各端末装置が全て中継装置と接続認証を行う必要はなく、LANルータが代表して中継装置と接続認証を行い、LANルータが中継装置からIPアドレスプールを取得してもよい。この場合、LAN内の複数の端末装置は、LANルータが取得したIPアドレスプールからIPアドレスを選択し、選択したIPアドレスを設定することになる。
【0061】
このようにしてアドレス情報が設定されると端末装置423および端末装置426は、認証サーバ700に接続可能となる。また、接続部A702または接続部B703は、認証された要求元よりサービス利用要求を受け付けると、接続部A712または接続部B713に転送する。
【0062】
設定情報記憶部711は、接続部A702および接続部B703を識別する接続識別情報と認証サーバ700に接続するためのアドレス情報とに、アクセス権限情報を関連付けて記憶している。アクセス権限情報は、例えば、サービス利用要求が受け付けられるときの認証手段、要求元の端末装置を収容しているルータが接続しているアクセス回線の種別、予め設定されているサービスレベルを含んでいる。
【0063】
アクセス権限情報取得部715は、認証サーバ700で受け付けられて接続部A712または接続部B713に転送されたサービスサーバ440へのサービス利用要求に対し、このサービス利用要求に含まれるアドレス情報とサービス利用要求を受け付けた接続部A702または接続部B703を識別する接続識別情報とに対応するアクセス権限情報を設定情報記憶部711より取得する。なお、前述同様に、アドレス情報に関係なく、接続識別情報に対応するアクセス権限情報を取得するようにしてもよい。
【0064】
アドレス変換部716は、接続部A702または接続部B703が受け付けて接続部A712または接続部B713に転送されたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換する。アクセス権限情報設定部717は、アクセス権限情報取得部715が取得したアクセス権限情報を、アドレス変換部716に変換されたアドレス情報に組み込む。
【0065】
転送部718は、サービス利用要求の要求先となるサービスサーバ440が接続している中継網430に、網接続部719を介してサービス利用要求を送出(転送)する。このサービス利用要求に含まれる変換されたアドレス情報(要求元アドレス情報)には、アクセス権限情報設定部717によりアクセス権限情報が組み込まれている。
【0066】
上述した本実施の形態においても、アドレス変換サーバ710においてアクセス権限情報を組み込み、接続先のサービスサーバ440で、組み込まれたアクセス権限情報をもとにアクセス制御をしてサービスの提供を行うようにした。このため、アクセス権限情報の組み込みを、要求元(例えば各LAN)の各々で行う必要が無く、要求元の各々において組み込みのためのシステムを構築する必要がなくなる。また、アクセス権限情報に基づくアクセス制御の内容については、サービスサーバ440で備えていればよく、端末A423,端末B426やルータA421,ルータB424などで各々備えている必要がなくなる。この結果、本実施の形態によれば、アクセス制御を実施するLANを構築するための導入・運用コストが抑制できるようになる。
【0067】
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について説明する。図8は、本発明の実施の形態4におけるアクセス制御システムの構成を示す構成図である。本システムでは、前述した実施の形態2における中継装置を、認証サーバ800とアドレス変換サーバ810とから構成したものであり、他の構成は、実施の形態2,3と同様である。
【0068】
認証サーバ800は、設定情報記憶部801、接続部A802および接続部B803、アドレス設定認証部804を備える。
【0069】
アドレス変換サーバ810は、設定情報記憶部811,接続部A812および接続部B813,アクセス権限情報取得部815,アドレス変換部816,アクセス権限情報設定部817,転送部818,および網接続部819を備える。本実施の形態では、アドレス変換サーバ810において、接続部A812にルータA421が接続し、接続部B813にルータB424が接続している。
【0070】
設定情報記憶部801は、接続部A802に接続する接続部A812および接続部B803に接続する接続部B813を識別して認証するためのユーザ情報およびパスワードなどを含む認証情報と、ユーザ情報に関連付けられたアドレス情報を記憶している。認証情報は、いずれかのルータを介して中継装置810(接続部A812および接続部B813)が受け付けて 、認証サーバ800(接続部A802および接続部B803)に転送された、接続要求の要求元の端末装置を識別および認証するためのものである。認証情報により、端末装置からの接続要求の受け付け制御を行う。
【0071】
また、アドレス情報は、接続部A812に接続するルータ421およびルータ421が収容している複数の端末装置423を、認証サーバ801およびアドレス変換サーバ810が識別(区別)可能にするために用いるものである。これは、接続部B813についても同様に、アドレス情報は、接続部B813に接続するルータ424およびルータ424が収容している複数の端末装置426を識別(区別)可能にするために用いるものである。なお、異なるLANに属する端末装置423と端末装置426のアドレス情報は重複してもよい。
【0072】
アドレス設定認証部804は、接続部A812または接続部B813が受け付けて、接続部A802または接続部B803に転送された、中継装置810に対する接続要求に含まれるユーザ情報およびパスワードなどの受け付け認証情報と、設定情報記憶部801に設定されている認証情報とを比較することで、接続要求の認証を行う。
【0073】
また、アドレス設定認証部804は、認証された接続要求に対し、この接続要求に含まれるユーザ情報と接続要求を受け付けた接続部A812または接続部B813を識別する接続識別情報とに対応するアドレス情報を設定情報記憶部801より取り出し、接続要求元の端末A423または端末B426に、対応するアドレス情報を払い出す(設定する)。アドレス情報は、中継装置810を経由して要求元に転送される。なお、各端末装置が全て中継装置と接続認証を行う必要はなく、LANルータが代表して中継装置と接続認証を行い、LANルータが中継装置からIPアドレスプールを取得してもよい。この場合、LAN内の複数の端末装置は、LANルータが取得したIPアドレスプールからIPアドレスを選択し、選択したIPアドレスを設定することになる。
【0074】
このようにしてアドレス情報が設定されると端末装置423および端末装置426は、アドレス変換サーバ810に接続可能となる。この実施の形態では、認証された要求元より送出されたサービス利用要求は、認証サーバ800を経由することなく、接続部A812または接続部B813で受け付けられることになる。また、アドレス設定認証部804が設定したアドレス情報などの認証に用いた各情報を、中継装置810に通知する。
【0075】
設定情報記憶部811は、接続部A812および接続部B813を識別する接続識別情報と認証サーバ800に接続するためのアドレス情報とに、アクセス権限情報を関連付けて記憶している。アクセス権限情報は、例えば、サービス利用要求が受け付けられるときの認証手段、要求元の端末装置を収容しているルータが接続しているアクセス回線の種別、予め設定されているサービスレベルを含んでいる。
【0076】
アクセス権限情報取得部815は、接続部A812または接続部B813で受け付けられたサービスサーバ440へのサービス利用要求に対し、このサービス利用要求に含まれるアドレス情報とサービス利用要求を受け付けた接続部A812または接続部B813を識別する接続識別情報とに対応するアクセス権限情報を設定情報記憶部811より取得する。なお、前述同様に、アドレス情報に関係なく、接続識別情報に対応するアクセス権限情報を取得するようにしてもよい。
【0077】
アドレス変換部816は、接続部A812または接続部B813が受け付けたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換する。アクセス権限情報設定部817は、アクセス権限情報取得部815が取得したアクセス権限情報を、アドレス変換部816に変換されたアドレス情報に組み込む。
【0078】
転送部818は、サービス利用要求の要求先となるサービスサーバ440が接続している中継網430に、網接続部819を介してサービス利用要求を送出(転送)する。このサービス利用要求に含まれる変換されたアドレス情報(要求元アドレス情報)には、アクセス権限情報設定部817によりアクセス権限情報が組み込まれている。
【0079】
上述した本実施の形態においても、アドレス変換サーバ810においてアクセス権限情報を組み込み、接続先のサービスサーバ440で、組み込まれたアクセス権限情報をもとにアクセス制御をしてサービスの提供を行うようにした。このため、アクセス権限情報の組み込みを、要求元(例えば各LAN)の各々で行う必要が無く、要求元の各々において組み込みのためのシステムを構築する必要がなくなる。また、アクセス権限情報に基づくアクセス制御の内容については、サービスサーバ440で備えていればよく、端末A423,端末B426やルータA421,ルータB424などで各々備えている必要がなくなる。この結果、本実施の形態によれば、アクセス制御を実施するLANを構築するための導入・運用コストが抑制できるようになる。また、本実施の形態によれば、認証サーバ800は、アドレスの払い出しを行えばよく、サービス利用要求の受け付けなどの処理をすることがないので、認証サーバ800における負荷の低減が図れる。
【符号の説明】
【0080】
100…中継装置、101…設定情報記憶部、102…接続部(接続手段)A、103…接続部(接続手段)B、104…アクセス権限情報取得部、105…アドレス変換部、106…アクセス権限情報設定部、107…転送部、108…網接続部、130…中継網(ネットワーク)、140…サービスサーバ、141…権限情報記憶部、142…網接続部、143…アクセス権限情報取出部、144…アクセス制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の接続手段と、
この接続手段を識別する接続識別情報に対してアクセス権限情報が関連付けられて記憶されている設定情報記憶部と、
前記接続手段が受け付けたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換するアドレス変換手段と、
前記接続手段が受け付けたサービス利用要求に対し、このサービス利用要求を受け付けた前記接続手段を識別する接続識別情報に対応するアクセス権限情報を前記設定情報記憶部より取り出し、前記アドレス変換手段が変換した前記アドレス情報に取り出した前記アクセス権限情報を組み込むアクセス権限情報設定手段と、
前記サービス利用要求の要求先が接続しているネットワークに前記サービス利用要求を転送する転送手段と
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項2】
受け付けられたサービス利用要求に対し、このサービス利用要求が受け付られた接続手段を識別する接続識別情報に対応するアクセス権限情報を設定情報記憶部より取り出す第1ステップと、
受け付けられた前記サービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換する第2ステップと、
変換された前記アドレス情報に取り出した前記アクセス権限情報を組み込む第3ステップと、
前記サービス利用要求の要求先が接続しているネットワークに前記サービス利用要求を転送する第4ステップと
を備えることを特徴とする中継方法。
【請求項3】
請求項2記載の中継方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項4】
複数の接続手段と、
この接続手段を識別する接続識別情報に対してアクセス権限情報が関連付けられて記憶されている設定情報記憶部と、
前記接続手段が受け付けたサービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換するアドレス変換手段と、
前記接続手段が受け付けたサービス利用要求に対し、このサービス利用要求を受け付けた前記接続手段を識別する接続識別情報に対応するアクセス権限情報を前記設定情報記憶部より取り出し、前記アドレス変換手段が変換した前記アドレス情報に取り出した前記アクセス権限情報を組み込むアクセス権限情報設定手段と、
前記サービス利用要求の要求先が接続しているネットワークに前記サービス利用要求を転送する転送手段と
を有する中継装置と、
アクセス権限情報とこのアクセス権限情報に対応するアクセス制御内容とを記憶している権限情報記憶部と、
ネットワークを介して接続されている前記中継装置より転送されて受け付けられたサービス利用要求に含まれているアドレス情報に組み込まれているアクセス権限情報を取り出すアクセス権限情報取出手段と、
アクセス権限情報取出手段が取り出したアクセス権限情報に対応するアクセス制御内容を前記権限情報記憶部より取り出し、取り出したアクセス制御内容に基づいて、受け付けられた前記サービス利用要求に対するアクセス制御を行うアクセス制御手段と
を有するサービスサーバと
を備えることを特徴とするアクセス制御システム。
【請求項5】
受け付けられたサービス利用要求に対し、このサービス利用要求が受け付られた接続手段を識別する接続識別情報に対応するアクセス権限情報を設定情報記憶部より取り出す第1ステップと、
受け付けられた前記サービス利用要求に含まれるアドレス情報を変換する第2ステップと、
変換された前記アドレス情報に取り出した前記アクセス権限情報を組み込む第3ステップと、
前記サービス利用要求の要求先が接続しているネットワークに前記サービス利用要求を転送する第4ステップと、
前記ネットワークを介して転送されて受け付けられた前記サービス利用要求に含まれているアドレス情報に組み込まれているアクセス権限情報を取り出す第5ステップと、
取り出したアクセス権限情報に対応するアクセス制御内容を権限情報記憶部より取り出し、取り出したアクセス制御内容に基づいて、受け付けられた前記サービス利用要求に対するアクセス制御を行う第5ステップと
を備えることを特徴とする中継方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−48455(P2011−48455A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194219(P2009−194219)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】