説明

乗用車におけるフェンダパネル固定構造

【課題】本発明は、固定窓の前部の鋭角部分に嵌め合わせられるフェンダパネルの切欠き部分のガタツキ等が発生し難いようにする。
【解決手段】本発明によると、フェンダパネル22の切欠き部分220には、固定窓の上端縁とサイドボディ間の隙間に挿入可能で係合部位226を備える第1平板状突片225と、固定窓の下端縁とサイドボディ間の隙間に挿入可能で係合部位228を備える第2平板状突片227とが形成されており、サイドボディにおいて固定窓の上端縁と下端縁に覆われる部位には、第1平板状突片225が係合可能な第1被係合部と、第2平板状突片227が係合可能な第2被係合部とが取付けられ、フェンダパネル22の第1、第2平板状突片225,227とを固定窓とサイドボディ間の隙間に挿入し、そのフェンダパネル22を後方移動させることで、第1、第2平板状突片225,227の係合部位226,228がそれぞれ第1、第2被係合部と係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントドアの前側に位置するサイドボディには三角形状の固定窓が取付けられており、その固定窓の前部の鋭角部分が前記サイドボディを覆うフェンダパネルの上部後端に形成された鋭角状の切欠き部分に嵌め合わされる構成の乗用車におけるフェンダパネル固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
これに関連する従来の乗用車におけるフェンダパネル固定構造が特許文献1に記載されている。
前記乗用車のフェンダパネル100には、図5に示すように、切欠き部分101の上端縁側に平板状の突出板片103が設けられており、その突出板片103の先端部分に鉤状の係合部位104が形成されている。突出板片103は、三角形状の固定窓(図示省略)とサイドボディ(図示省略)間の隙間に挿入され、先端部分の係合部位104がその隙間内に固定されたクリップ108と係合できるように構成されている。これにより、フェンダパネル100の切欠き部分101の周縁が前記サイドボディに固定され、前記切欠き部分101の周縁で車両走行時等にガタツキが発生し難くなる。
【0003】
【特許文献1】特開2005−96502号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、デザインの関係で三角形状の固定窓を前後に長く形成する場合等には、これに合わせてフェンダパネル100の切欠き部分101も前後に長く形成する必要がある。しかし、上記したフェンダパネル100の固定構造では、切欠き部分101の周縁を上側の一箇所(突出板片103)でサイドボディに固定する構成のため、切欠き部分101が大きいと、上側の固定部位(突出板片103)から離れた下側部分でガタツキが発生し易くなる。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、固定窓の前部の鋭角部分に嵌め合わせられるフェンダパネルの切欠き部分の周縁を確実に支持してガタツキ等が発生し難いようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、フロントドアの前側に位置するサイドボディには三角形状の固定窓が取付けられており、その固定窓の前部の鋭角部分が前記サイドボディを覆うフェンダパネルの上部後端に形成された鋭角状の切欠き部分に嵌め合わされる構成の乗用車におけるフェンダパネル固定構造であって、前記フェンダパネルの切欠き部分には、前記固定窓の上端縁と前記サイドボディ間の隙間に挿入可能で、係合部位を備える第1平板状突片と、前記固定窓の下端縁と前記サイドボディ間の隙間に挿入可能で、同じく係合部位を備える第2平板状突片とが形成されており、前記サイドボディにおいて前記固定窓の上端縁と下端縁に覆われる部位には、前記第1平板状突片の係合部位が係合可能な第1被係合部と、前記第2平板状突片の係合部位が係合可能な第2被係合部とが取付けられており、前記フェンダパネルの第1平板状突片と第2平板状突片とを前記固定窓と前記サイドボディ間の隙間に挿入し、そのフェンダパネルを一定方向に移動させることで、前記第1平板状突片の係合部位、第2平板状突片の係合部位がそれぞれ前記第1被係合部、第2被係合部と係合できるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、フェンダパネルの切欠き部分には、第1平板状突片と第2平板状突片とが形成されている。そして、第1平板状突片の係合部位が固定窓の上端縁とサイドボディ間の隙間の位置で第1被係合部と係合可能に構成されている。また、第2平板状突片の係合部位が固定窓の下端縁とサイドボディ間の隙間の位置で第2被係合部と係合可能に構成されている。即ち、フェンダパネルの切欠き部分の周縁は、固定窓の上側と下側とでサイドボディに固定されるようになるため、前記切欠き部分の周縁を上下から確実に支持でき、前記切欠き部分が大きい場合でもガタツキ等が発生し難くなる。
さらに、フェンダパネルを一定方向に移動させることで、第1平板状突片の係合部位、第2平板状突片の係合部位がそれぞれ第1被係合部、第2被係合部と係合できるように構成されている。このため、前記平板状突片がフェンダパネルの切欠き部分の複数箇所に形成されていてもフェンダパネルの取付けに支障が生じない。
【0008】
請求項2の発明によると、フェンダパネルの切欠き部分には、その切欠き部分の周縁に沿って第2平板状突片と連続するガイド突片が形成されており、第1平板状突片と第2平板状突片とが前記固定窓と前記サイドボディ間の隙間に挿入された状態で、前記固定窓の受け部に対して前記ガイド突片の外面が摺動するように前記フェンダパネルを後方に移動させることで、前記第1平板状突片の係合部位、第2平板状突片の係合部位がそれぞれ前記第1被係合部、第2被係合部と係合する位置まで移動できるように構成されていることを特徴とする。
即ち、固定窓の受け部にガイド突片の外面が摺動するようにフェンダパネルを後方に移動させることで、第1平板状突片の係合部位、第2平板状突片の係合部位がそれぞれ第1被係合部、第2被係合部と係合する位置まで移動する構成である。このため、フェンダパネルの切欠き部分の周縁が固定窓の外側にはみ出ることがなく、移動途中で前記切欠き部分の周縁が固定窓に引っ掛かるようなことがない。これにより、前記フェンダパネルの交換作業等が容易になる。
【0009】
請求項3の発明によると、第1平板状突片の係合部位、第2平板状突片の係合部位は同方向に開放された略U字形の切欠きを備えており、第1被係合部、第2被係合部は略U字形の切欠きが係合する軸状部を備えていることを特徴とする。
このため、第1平板状突片の係合部位、第2平板状突片の係合部位と第1被係合部、第2被係合部との係合構造を簡素化できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、フェンダパネルの切欠き部分の周縁が固定窓の上側と下側とでサイドボディ等に固定されるため、前記切欠き部分の周縁を確実に支持でき、前記切欠き部分が大きい場合でもガタツキ等が発生し難くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[実施形態1]
以下、図1から図4に基づいて本発明の実施形態1に係る乗用車のフェンダパネル固定構造について説明する。ここで、図1(A)は、本実施形態に係るフェンダパネル固定構造を備える乗用車の模式斜視図、図1(B)はA図のB部拡大側面図、図2はフェンダパネルの上部後端を表す側面図である。また、図3(A)は図1(B)のIIIA矢視断面図、図3(B)は図1(B)のIIIB矢視断面図、図3(C)は図1(B)のIIIC矢視断面図であり、図4は図1(B)のIV-IV矢視断面図等である。
なお、図中の前後左右及び上下は、乗用車の前後左右及び上下に対応している。
【0012】
<ボディ10の前部側面の概要について>
乗用車1のボディ10の前部側面には、図1(A)(B)に示すように、フロントドア12により開閉される乗降口11の前端縁を構成するフロントピラー14とサイドボディ15(図示省略)とが設けられている。サイドボディ15は、フロントピラー14の下側に設けられており、フェンダパネル22に覆われた状態でそのフェンダパネル22を内側から支持できるように構成されている。フロントピラー14とサイドボディ15との境界位置には開口(図示省略)が形成されており、その開口が三角形状の固定窓30によって塞がれている。固定窓30は、図1(A)に示すように、フロントドア12の窓枠の前側に配置されている。
フェンダパネル22は乗用車1のフェンダ20の外形意匠を構成するパネルであり、そのフェンダパネル22の上部後端に、図2に示すように、後方が開放された略V字形の切欠き部分220が設けられている。そして、フェンダパネル22の切欠き部分220に固定窓30の前部の鋭角部分が嵌め合わされている(図1(B)参照)。
【0013】
<固定窓30について>
固定窓30は、透明な三角形状の窓本体部32と、図3、図4に示すように、その窓本体部32の裏側端縁に積層された不透明な樹脂部34と、前記窓本体部32の周縁に形成されたゴム製のシール部36とから構成されている。そして、固定窓30の樹脂部34の位置に窓用クリップ39が窓本体部32の裏面から直角に突出するように固定されている。窓用クリップ39は、固定窓30をサイドボディ15に取付けるための樹脂製クリップであり、図1(B)に示すように、その固定窓30の後端上部、後端下部、及び前部中央位置に固定されている。窓用クリップ39は、図3(A)に示すように、弾性的に拡開する先端鉤部39kを備えており、その先端鉤部39kがサイドボディ15の貫通穴15hに挿入された後、拡開して前記貫通穴15hの内側周縁と係合可能に構成されている。即ち、固定窓30は、三箇所の窓用クリップ39がサイドボディ15の貫通穴15hに挿入されることにより、前記サイドボディ15に固定される。さらに、固定窓30の樹脂部34は接着剤38によってサイドボディ15の開口の周縁に接着される。
【0014】
<フェンダパネル22の固定構造について>
図3(A)、(C)に示すように、サイドボディ15において、固定窓30の端縁に覆われる部位には、窓用クリップ39及び接着剤38よりも外周側に隙間Sが形成されている。そして、前記隙間Sの部分には、固定窓30の前部中央位置にある窓用クリップ39の上側と下側とにフェンダパネル用クリップ40が固定されている。
フェンダパネル用クリップ40は、図3(A)に示すように、サイドボディ15の貫通穴15xに挿入接続される固定部42と円盤状の頭部44とを備えている。そして、フェンダパネル用クリップ40の固定部42がサイドボディ15の貫通穴15xに挿入接続された状態で、円盤状の頭部44がサイドボディ15と固定窓30との隙間Sの位置に縦に固定される。フェンダパネル用クリップ40の頭部44の外周面には、後記するフェンダパネル22の第1平板状突片225の係合部位(第2平板状突片227の係合部位)が係合可能な軸状部がリング状の深溝44mの底部分に形成されている。深溝44mは、開口側が断面V字状に拡開するように形成されている。このため、第1平板状突片225の係合部位等がフェンダパネル用クリップ40の頭部44に対して軸方向に若干位置ズレした場合でも、第1平板状突片225の係合部位等は断面V字状の拡開部の働きで深溝44mの軸状部(以下、深溝44mという)に係合できるようになる。
【0015】
フェンダパネル22の上部後端には、図2に示すように、フロントピラー14の下部を覆うピラー被覆部22xと、サイドボディ15の上端縁を覆うボディ被覆部22yとが形成されている。そして、ピラー被覆部22xとボディ被覆部22yとの間に固定窓30の前部が嵌め合わされる切欠き部分220が形成されている。
切欠き部分220は、図3(A)〜(C)に示すように、その周縁が内側方向に曲げられることで段部222が形成されており、その段部222に固定窓30のシール部36が水密な状態で面接触するように構成されている。そして、切欠き部分220の上側(ピラー被覆部22x側)に形成された段部222の奥端位置に第1平板状突片225が、図2に示すように、下方に突出するように曲げ成形されている。また、切欠き部分220の下側(ボディ被覆部22y側)に形成された段部222の奥端位置に第2平板状突片227及びガイド突片229が上方に突出するように曲げ成形されている。
【0016】
第1平板状突片225は、上側のフェンダパネル用クリップ40と係合することで、フェンダパネル22の切欠き部分220の上周縁をサイドボディ15に固定するため突片である。第1平板状突片225は、図3(A)に示すように、固定窓30の上端縁とサイドボディ15間の隙間Sに前方から挿入できるように構成されている。そして、第1平板状突片225の先端部分に、図2に示すように、切欠き226を備える係合部位が設けられている。前記係合部位の切欠き226は、後方で開放するように略U字形に形成されている。即ち、第1平板状突片225の切欠き226が上側のフェンダパネル用クリップ40の深溝44mに対して前方から係合できるように構成されている。
したがって、上側のフェンダパネル用クリップ40が本発明の第1被係合部に相当する。
【0017】
第2平板状突片227は、下側のフェンダパネル用クリップ40と係合することで、フェンダパネル22の切欠き部分220の下周縁をサイドボディ15に固定するため突片である。第2平板状突片227は、図3(C)に示すように、固定窓30の下端縁とサイドボディ15間の隙間Sに前方から挿入できるように構成されている。そして、第2平板状突片227の先端部分に切欠き228を備える係合部位が設けられている。ここで、係合部位の切欠き228は、第1平板状突片225の切欠き226と同方向を指向して開放するように略U字形に形成されている(図2参照)。即ち、第2平板状突片227の切欠き228が下側のフェンダパネル用クリップ40の深溝44mに対して前方から係合できるように構成されている。
したがって、下側のフェンダパネル用クリップ40が本発明の第2被係合部に相当する。
【0018】
ガイド突片229は、第1平板状突片225、第2平板状突片227を固定窓30とサイドボディ15間の隙間Sに挿入した状態でフェンダパネル22を後方に移動させる際、固定窓30の先端内側の受け部31(図3(B)参照)が摺動する部分である。ガイド突片229は、切欠き部分220の周縁(段部222)に沿って第2平板状突片227と連続するように構成されている。
【0019】
<フェンダパネル22の取付け手順等について>
乗用車1のサイドボディ15にフェンダパネル22を取付ける場合には、先ず、フェンダパネル22の切欠き部分220に設けられた第1平板状突片225と第2平板状突片227とを固定窓30とサイドボディ15間の隙間Sに前方から挿入する。このとき、固定窓30の内側先端下部に形成されている受け部31に対して、図3(B)に示すように、フェンダパネル22のガイド突片229の外面を当接させる。
次に、この状態で、フェンダパネル22を後方に移動させ、固定窓30の受け部31に対してフェンダパネル22のガイド突片229を摺動させる。これにより、図4(A)に示すように、フェンダパネル22の切欠き部分220の周縁が固定窓30に対して外側にはみ出すことがない。このため、フェンダパネル22を後方に移動させる過程で、そのフェンダパネル22の切欠き部分220の周縁が固定窓30に引っ掛かるような不具合が生じない。
【0020】
このようにして、フェンダパネル22が後端位置近傍まで移動すると、固定窓30の前部がフェンダパネル22の切欠き部分220に嵌め合わされる際、図4(B)に示すように、第1平板状突片225の切欠き226と第2平板状突片227の切欠き228とがそれぞれ上下のフェンダパネル用クリップ40の深溝44mと係合するようになる。即ち、第1平板状突片225の切欠き226と第2平板状突片227の切欠き228とがそれぞれ上下のフェンダパネル用クリップ40の深溝44mと係合することで、フェンダパネル22の切欠き部分220の周縁がサイドボディ15に固定される。
【0021】
そして、フェンダパネル22の切欠き部分220の周縁がサイドボディ15に固定された後は、フェンダパネル22の上端縁に形成されたフランジ部(図示省略)、及び後端縁のフランジ部22z(図2参照)等がサイドボディ15にボルト止めされる。
なお、上記した手順と逆の手順で、乗用車1からフェンダパネル22を外すことができる。即ち、前記ボルトを外した後、フェンダパネル22を前方に引き抜くことで、そのフェンダパネル22の第1、第2平板状突片225,227の切欠き226,228をサイドボディ15のフェンダパネル用クリップ40から外すことができる。
【0022】
<本実施形態に係るフェンダパネル固定構造の長所について>
本実施形態によると、フェンダパネル22の切欠き部分220には、第1平板状突片225と第2平板状突片227とが形成されている。そして、第1平板状突片225の切欠き226が固定窓30の上端縁とサイドボディ15間の隙間Sの位置で上側のフェンダパネル用クリップ40と係合可能に構成されている。また、第2平板状突片227の切欠き228が固定窓30の下端縁とサイドボディ15間の隙間Sの位置で下側のフェンダパネル用クリップ40と係合可能に構成されている。即ち、フェンダパネル22の切欠き部分220の周縁は、固定窓30の上側と下側とでサイドボディ15に固定されるようになるため、前記切欠き部分220の周縁を上下から確実に支持でき、前記切欠き部分220が大きい場合でもガタツキ等が発生し難くなる。
さらに、フェンダパネル22を一定方向(後方)に移動させることで、第1平板状突片225の切欠き226、第2平板状突片227の切欠き228がそれぞれ上下のフェンダパネル用クリップ40と係合できるように構成されている。このため、前記平板状突片225,227が複数箇所に形成されていてもフェンダパネル22の取付けに支障が生じない。
【0023】
また、固定窓30の先端の受け部31に対してガイド突片229の外面が摺動するようにフェンダパネル22を後方に移動させることで、第1平板状突片225の切欠き226、第2平板状突片227の切欠き228がそれぞれ上下のフェンダパネル用クリップ40と係合する位置まで移動する構成である。このため、フェンダパネル22の切欠き部分220の周縁が固定窓30の外側にはみ出ることがなく、移動途中で切欠き部分220の周縁が固定窓に引っ掛かることがない。これにより、前記フェンダパネル22の更新等が容易になる。
また、第1平板状突片225、第2平板状突片227の係合部位は同方向に開放された略U字形の切欠き226,228を備えており、上下のフェンダパネル用クリップ40は略U字形の切欠き226,228が係合する深溝44mを備えているため、第1、第2平板状突片225,227とフェンダパネル用クリップ40との係合構造を簡素化できる。
【0024】
<変更例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、フェンダパネル22の切欠き部分220のガイド突片229を第2平板状突片227と連続するように形成する例を示した。しかし、第1平板状突片225と連続するようにガイド突片を形成し、ガイド突片の位置に合わせて固定窓の受け部31の位置を変更することも可能である。
また、本実施形態では、第1平板状突片225、第2平板状突片227の切欠き226,227をそれぞれ上下のフェンダパネル用クリップ40に係合させる例を示した。しかし、例えば、第1平板状突片225、第2平板状突片227の先端を後方に延びる帯板状に形成し、サイドボディ15の表面に第1平板状突片225、第2平板状突片227の先端が挿入されるスリット状開口部を形成する構成でも可能である。
さらに、フェンダパネル22の切欠き部分220に平板状突片225,227を二箇所に設ける例を示したが、三箇所以上設けることも可能である。
また、本実施形態では、上下のフェンダパネル用クリップ40はフェンダパネル22のみを支持する構成であるが、前記フェンダパネル用クリップ40によりフェンダパネル22と共に固定窓30を支持する構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態1に係るフェンダパネル固定構造を備える乗用車の模式斜視図(A図)、A図のB部拡大側面図(B図)である。
【図2】フェンダパネルの上部後端を表す側面図である。
【図3】図1(B)のIIIA矢視断面図(A図)、図1(B)のIIIB矢視断面図(B図)、及び図1(B)のIIIC矢視断面図(C図)である。
【図4】フェンダパネルの第2平板状突片、ガイド突片を固定窓とサイドボディとの隙間に挿入する様子を表す平断面図(A図)、及び図1(B)のIV-IV矢視断面図である。
【図5】従来のフェンダパネルの上部後端を表す側面図である。
【符号の説明】
【0026】
12・・・・・フロントドア
14・・・・・フロントピラー
15・・・・・サイドボディ
22・・・・・フェンダパネル
30・・・・・固定窓
31・・・・・受け部
40・・・・・フェンダパネル用クリップ(第1被係合部、第2被係合部)
44m ・・・・深溝(軸状部)
220・・・・切欠き部分
225・・・・第1平板状突片
226・・・・切欠き(係合部位)
227・・・・第2平板状突片
228・・・・切欠き(係合部位)
229・・・・ガイド突片


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントドアの前側に位置するサイドボディには三角形状の固定窓が取付けられており、その固定窓の前部の鋭角部分が前記サイドボディを覆うフェンダパネルの上部後端に形成された鋭角状の切欠き部分に嵌め合わされる構成の乗用車におけるフェンダパネル固定構造であって、
前記フェンダパネルの切欠き部分には、前記固定窓の上端縁と前記サイドボディ間の隙間に挿入可能で、係合部位を備える第1平板状突片と、前記固定窓の下端縁と前記サイドボディ間の隙間に挿入可能で、同じく係合部位を備える第2平板状突片とが形成されており、
前記サイドボディにおいて前記固定窓の上端縁と下端縁に覆われる部位には、前記第1平板状突片の係合部位が係合可能な第1被係合部と、前記第2平板状突片の係合部位が係合可能な第2被係合部とが取付けられており、
前記フェンダパネルの第1平板状突片と第2平板状突片とを前記固定窓と前記サイドボディ間の隙間に挿入し、そのフェンダパネルを一定方向に移動させることで、前記第1平板状突片の係合部位、第2平板状突片の係合部位がそれぞれ前記第1被係合部、第2被係合部と係合できるように構成されていることを特徴とする乗用車におけるフェンダパネル固定構造。
【請求項2】
請求項1に記載された乗用車におけるフェンダパネル固定構造であって、
前記フェンダパネルの切欠き部分には、その切欠き部分の周縁に沿って前記第2平板状突片と連続するガイド突片が形成されており、
前記第1平板状突片と第2平板状突片とが前記固定窓と前記サイドボディ間の隙間に挿入された状態で、前記固定窓の受け部に対して前記ガイド突片の外面が摺動するように前記フェンダパネルを後方に移動させることで、前記第1平板状突片の係合部位、第2平板状突片の係合部位がそれぞれ前記第1被係合部、第2被係合部と係合する位置まで移動できるように構成されていることを特徴とする乗用車におけるフェンダパネル固定構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載された乗用車におけるフェンダパネル固定構造であって、
前記第1平板状突片の係合部位、第2平板状突片の係合部位は同方向に開放された略U字形の切欠きを備えており、
前記第1被係合部、第2被係合部は略U字形の切欠きが係合する軸状部を備えていることを特徴とする乗用車におけるフェンダパネル固定構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−298185(P2009−298185A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−151805(P2008−151805)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】