説明

乳化物、その製造方法および該乳化物からなる化粧料原料

【課題】化粧料原料として好適な乳化物の提供および貯蔵安定性に優れた該ポリオルガノシロキサンの乳化物を容易に得ることを目的とする。
【解決手段】(A)オルガノポリシロキサン、(B)特定の構造を有するメチルポリグリセロール変性シリコーンからなるシリコーン系界面活性剤および(C) 水性媒体を含有する乳化物および、(A)成分中で(B)成分であるシリコーン系界面活性剤を合成することにより得られた、ポリオルガノシロキサン及びシリコーン系界面活性剤の混合物を乳化して乳化物を得ることを特徴とする製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り扱い性に優れ、環境適合性が高く、貯蔵安定性にも優れた乳化物及び当該乳化物を得る新規な乳化方法に関する。また、本発明は、該乳化物からなる化粧料原料に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、水中油型エマルジョン又は油中水型エマルジョンの形態である各種の乳化物は、繊維処理剤、塗料、離型剤及び化粧品等の幅広い分野で利用されている。これらの乳化物は、通常、高級炭化水素基を有する、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、及び、両性イオン系の様々な界面活性剤を用いて乳化されることが多い。
【0003】
しかし、これらの界面活性剤の疎水基と、ポリオルガノシロキサンとの親和性は必ずしも良好ではないため、これらの界面活性剤を用いてポリオルガノシロキサンを乳化する多くの場合、高剪断力を有する乳化装置を用いないと得られる乳化物の貯蔵安定性が悪いという問題がある。そこで、この問題を解決するために、疎水基としてシロキサンを有するポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリグリセリン変性ポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤を用いて乳化する方法が提案されている(特許文献1〜特許文献4参照)。
【0004】
しかしながら、ポリエーテル変性ポリシロキサンを用いた場合でも、得られる乳化物の安定性は依然として満足できるものではなかった。そこで、他の界面活性剤を併用したり、特殊な乳化方法を用いることで、乳化物の安定性を改善することも提案されている(特許文献5〜特許文献8参照)が、使用に制限を受ける欠点があった。従って、貯蔵安定性に優れたポリオルガノシロキサンの乳化物を容易に製造するプロセスが望まれていた。
【0005】
また、ポリグリセリン変性ポリシロキサンは一般に粘度が高く、取り扱いが困難である。
【0006】
しかも、ポリエーテル変性(ポリ)シロキサンは、空気下で酸化され易く、保存中に、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類、ギ酸エステル類等のカルボニル官能性のアレルギー抗原性化合物を経時的に生成することが報告されている(非特許文献1〜6参照)。
【特許文献1】特開昭61-212321号公報
【特許文献2】特開平6-145524号公報
【特許文献3】特開2000-086437号公報
【特許文献4】特開昭57-149290号公報
【特許文献5】特開平6-234918号公報
【特許文献6】特開平7-133354号公報
【特許文献7】特開平11-148010号公報
【特許文献8】特開平11-148011号公報
【非特許文献1】Acta Dermato-Venereologica, 79, 5-26 (1999)
【非特許文献2】J Pharm Sci, 87, 276 (1998)
【非特許文献3】Contact Dermatitis, 44, 207 (2001)
【非特許文献4】Contact Dermatitis, 39, 14 (1998)
【非特許文献5】J Pharm Sci, 88, 4 (1999)
【非特許文献6】Contact Dermatitis 44, 207-212, 2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、低粘度で取り扱い性に優れており、保存中にホルムアルデヒド等のアルデヒド類、ギ酸エステル類等のアレルギー抗原性化合物を経時的に生成しにくいので環境適合性が高く、且つ、貯蔵安定性に優れたポリオルガノシロキサンの乳化物および該乳化物を容易に製造することができる製造方法の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、(A)オルガノポリシロキサン、
(B)下記一般式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤
一般式(1):

SiO(RSiO)(RYSiO)SiR(1)
〔式中、
1は、互いに独立して、水素原子、又は、置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
Yは、互いに独立して、下記一般式(2):

−C2a(OC(OC−O−(B)-A (2)

{式中、
Aは、下記式(3)、(4)又は(5):
【化1】

【化2】

【化3】

(各式中、
Xは、水素原子、又は、それぞれ独立して、炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し、総Xの少なくとも1つは前記炭化水素基である)
で表される末端基を表し;
Bは、下記式(6)、(7)、(8)又は(9):
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

(式中、Xは上記のとおりである)
で表される部位を表し;
(OC24)及び(OC36)の配列は、ランダム、ブロック、交互のいずれか、又は、それらの組み合わせであり;
aは2〜15、bは0〜100、cは0〜100、dは0〜500である}
で表される基を表し;
mは0〜50、nは0〜20であり、
2は、R1又はXであるが、nが0の場合、R2の少なくとも1つはXである〕
(C) 水性媒体を含有する乳化物により達成される。
【0009】
また、本発明の目的は、(A)オルガノポリシロキサン中で(B)シリコーン系界面活性剤を合成することにより得られた、(A)オルガノポリシロキサン及び(B)シリコーン系界面活性剤の混合物を乳化することを特徴とする乳化物の製造方法であって、
前記(B)シリコーン系界面活性剤が、下記一般式(1):

SiO(RSiO)(RYSiO)SiR(1)

〔式中、
1は、互いに独立して、水素原子、又は、置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
Yは、互いに独立して、下記一般式(2):

−C2a(OC(OC−O−(B)-A (2)

{式中、
Aは、下記式(3)、(4)又は(5):
【化8】

【化9】

【化10】

(各式中、
Xは、水素原子、又は、それぞれ独立して、炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し、総Xの少なくとも1つは前記炭化水素基である)
で表される末端基を表し;
Bは、下記式(6)、(7)、(8)又は(9):
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

(式中、Xは上記のとおりである)
で表される部位を表し;
(OC24)及び(OC36)の配列は、ランダム、ブロック、交互のいずれか、又は、それらの組み合わせであり;
aは2〜15、bは0〜100、cは0〜100、dは0〜500である}
で表される基を表し;
mは0〜50、nは0〜20であり、
2は、R1又はXであるが、nが0の場合、R2の少なくとも1つはXである〕
で表される、乳化物の製造方法によって達成される。
【0010】
上記一般式(1)において、m=0〜6及びn=0〜3であることが好ましい。また、前記末端基の総Xの少なくとも15%が前記炭化水素基であることが好ましい。
【0011】
さらに、前記(B)シリコーン系界面活性剤は、ケイ素原子結合水素原子含有シロキサン及び末端二重結合含有化合物をヒドロシリル化反応触媒存在下でヒドロシリル化反応させて合成されることが好ましい。
【0012】
前記ケイ素原子結合水素原子含有シロキサンは、下記一般式(1’):

SiO(RSiO)(RHSiO)SiR(1’)

(式中、
1は、互いに独立して、水素原子、又は、置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
mは0〜50、nは0〜20であり、
2は、R1又はHであるが、nが0の場合、R2の少なくとも1つはHである)
で表すことができる。上記一般式(1’)において、m=0〜6及びn=0〜3であることが好ましい
【0013】
前記末端二重結合含有化合物は、下記一般式(2’):

CH=CH−Ca’2a’(OC(OC−O−(B)-A (2’)

{式中、
Aは、下記式(3)、(4)又は(5):
【化15】

【化16】

【化17】

(各式中、
Xは、水素原子、又は、それぞれ独立して、炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し、総Xの少なくとも1つは前記炭化水素基である)
で表される末端基を表し;
Bは、下記式(6)、(7)、(8)又は(9):
【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

(式中、Xは上記のとおりである)
で表される部位を表し;
(OC24)及び(OC36)の配列は、ランダム、ブロック、交互のいずれか、又は、それらの組み合わせであり;
a’は0〜13、bは0〜100、cは0〜100、dは0〜500である}
で表すことができる。また、前記末端基の総Xの少なくとも15%が前記炭化水素基であることが好ましい。
【0014】
前記(A)ポリオルガノシロキサンの粘度は、25℃で50〜3000mPa・sであることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、上記の製造方法で得られる乳化物にも関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、取り扱い性、環境適合性、及び、貯蔵安定性に優れたポリオルガノシロキサンの乳化物を提供でき、さらに該乳化物を容易に得ることができる製造方法を提供することができる。
【0017】
すなわち、本発明で使用される(B)シリコーン系界面活性剤は、末端のOH基が部分的にアルキル化されているために、当該OH基同士の水素結合が抑制される。したがって、前記(B)シリコーン系界面活性剤は低粘度であり、これを含む本発明の乳化物も低粘度で、取り扱い性に優れている。したがって、本発明により得られる乳化物は化粧料等への配合が容易である。
【0018】
また、本発明で使用される(B)シリコーン系界面活性剤は、既存のポリエーテル変性(ポリ)シロキサンと比較して、空気下で酸化され難く、保存中にホルムアルデヒド等のアルデヒド類、ギ酸エステル類等のアレルギー抗原性化合物を経時的に生成し難いので、本発明により得られる乳化物は、水素添加処理、抗酸化剤の添加等の後処理を行わなくとも、高い環境適合性を有する。したがって、本発明により得られる乳化物は、人体に使用される化粧料等に、特に好適に使用することができる。この場合、前記化粧料は長期に亘って使用することができる。また、アレルギー抗原性化合物の発生防止のために抗酸化剤等の添加剤を配合する必要がないので、前記化粧料はより自然な組成とすることができる。
【0019】
特に、前記(B)シリコーン系界面活性剤をヒドロシリル化反応によって製造する場合は、Si−O−C結合ではなく、Si−C結合によって末端基がポリシロキサンに結合する。したがって、前記(B)シリコーン系界面活性剤は加水分解性が低く経時的に安定であり、乳化物中で、その特性を長期に亘って維持することができる。
【0020】
そして、本発明により、経時安定性及び貯蔵安定性に優れたポリオルガノシロキサンの乳化物を容易に得ることができる。すなわち、本発明の製造方法を用いて調製したポリオルガノシロキサン乳化物は、経時安定性に優れており、長期間安定して貯蔵することができる。また、本発明の乳化物の製造方法は、既存の乳化装置を用いて容易に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、(A)オルガノポリシロキサン、(B)上記一般式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤および(C) 水性媒体を含有する乳化物である。本発明で使用される(B)シリコーン系界面活性剤は、末端のOH基が部分的にアルキル化されているために、当該OH基同士の水素結合が抑制され、低粘度である。該(B)成分を用いて、同じくシロキサン骨格を有する(A)オルガノポリシロキサンを(C) 水性媒体に乳化することにより、極めて安定な乳化状態を形成することができる。さらに、本発明の乳化物は一般に低粘度であり、取り扱いが容易である。さらに、本発明で使用される(B)シリコーン系界面活性剤は、既存のポリエーテル変性(ポリ)シロキサンと比較して、空気下で酸化され難く、保存中にホルムアルデヒド等のアルデヒド類、ギ酸エステル類等のアレルギー抗原性化合物を経時的に生成し難いので、本発明により得られる乳化物は、水素添加処理、抗酸化剤の添加等の後処理を行わなくとも、高い環境適合性を有する。これらの利点を有するため、本発明の乳化物は化粧料等への配合が容易であり、化粧料原料として極めて有用である。
【0022】
さらに、本発明では、(B)上記一般式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤の作用によってオルガノポリシロキサンを水性媒体中に分散して、又は、水性媒体をオルガノポリシロキサン中に分散して乳化物を製造するにあたり、他で既に製造されたシリコーン系界面活性剤をオルガノポリシロキサンと組み合わせて使用するのではなく、乳化対象となるオルガノポリシロキサン中において、いわばin situにシリコーン系界面活性剤を製造して、当該シリコーン系界面活性剤をそのままオルガノポリシロキサンと共に使用する。これにより、例えば、オルガノポリシロキサンにシリコーン系界面活性剤を外部から添加して乳化する場合と比べて、オルガノポリシロキサン乳化物の安定性が改善される。
【0023】
以下、本願にかかる乳化物、その製造方法および化粧料原料について各成分の詳細とともに説明する。
【0024】
(A)ポリオルガノシロキサンは油性成分であり、本発明においては任意のものを使用することがでる。その構造は、直鎖状、一部分岐した鎖状、分岐状、及び、環状のいずれであってもよいが、直鎖状、一部分岐した鎖状、又は、分岐状が一般的である。そのケイ素原子に結合する有機基としては置換もしくは非置換の1価の炭化水素基が挙げられる。置換もしくは非置換の1価の炭化水素基としては、具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;ビニル基,アリル基,ヘキセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;シクロペンチル基,シクロヘキシル基等の飽和脂環式炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基、及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等を含む有機基で置換された基が例示される。なお、(A)ポリオルガノシロキサンは、ケイ素原子に結合した水酸基やアルコキシ基を含有していてもよい。
【0025】
(A)ポリオルガノシロキサンとして、具体的には、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン,α−ヒドロキシ-ω−トリメチルシロキシ−ポリジメチルシロキサン,α,ω−ジメトキシポリジメチルシロキサン,α−メトキシ-ω−トリメチルシロキシ−ポリジメチルシロキサン,α,ω−ジエトキシポリジメチルシロキサン,α−エトキシ-ω−トリメチルシロキシ−ポリジメチルシロキサン,α,ω−ジ(トリメチルシロキシ)ポリジメチルシロキサン,分子鎖末端がシラノール基、メトキシ基、エトキシ基又はトリメチルシロキシ基で封鎖された架橋型メチルポリシロキサン、及び、これらのポリオルガノシロキサン中のメチル基の一部が、エチル基,フェニル基,ビニル基,3−アミノプロピル基,N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基,3−メタクリロキシプロピル基,3−グリシドキシプロピル基,3−カルボキシルプロピル基で置換されたポリオルガノシロキサンが挙げられる。(A)ポリオルガノシロキサンの25℃における粘度は、5〜100,000mPa・sであることが好ましく、10〜10,000mPa・sであることがより好ましく、25〜5,000mPa・sであることが更に好ましく、50〜3000mPa・sであることが特に好ましい。
【0026】
(B)シリコーン系界面活性剤としては、下記一般式:

SiO(RSiO)(RYSiO)SiR(1)

〔式中、
1は、互いに独立して、水素原子、又は、置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
Yは、互いに独立して、下記一般式(2):

−C2a(OC(OC−O−(B)-A (2)

{式中、
Aは、下記式(3)、(4)又は(5):
【化22】

【化23】

【化24】

(各式中、
Xは、水素原子、又は、それぞれ独立して、炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し、総Xの少なくとも1つは前記炭化水素基である)
で表される末端基を表し;
Bは、下記式(6)、(7)、(8)又は(9):
【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

(式中、Xは上記のとおりである)
で表される部位を表し;
(OC24)及び(OC36)の配列は、ランダム、ブロック、交互のいずれか、又は、それらの組み合わせであり;
aは2〜15、bは0〜100、cは0〜100であり、b+cは100以下であることが好ましく、aは2〜10、bは5〜50、cは0〜50、b+cは50以下であることがより好ましく、aは2〜7、bは10〜30、cは0〜30、b+cは30以下であることが更により好ましい;
dは0〜500であり、1〜500が好ましく、2〜500がより好ましく、3〜500が更により好ましい}
で表される基を表し;
mは0〜50、nは0〜20であり、mは0〜30、nは0〜15であることが好ましく、mは0〜10、nは0〜7であることが更により好ましく、mは0〜6、nは0〜3であることが更により好ましく、mが0〜2であり、かつn=1の場合、およびm=0でありかつn=1の場合が特に好ましい;
2は、R1又はXであるが、nが0の場合、R2の少なくとも1つはXである〕
で表されるものが使用される。
【0027】
前記末端基Aは、そこに存在するXの全てがOH基ではなく、Xの少なくとも1つ、好ましくは15%以上が炭化水素基でブロックされているので、水素結合が抑制される。したがって、部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは低粘度であり、取り扱い性に優れている。
【0028】
前記末端基Aに存在する全てのXの、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、更により好ましくは少なくとも40%、更により好ましくは少なくとも50%、更により好ましくは少なくとも60%、更により好ましくは少なくとも70%が前記炭化水素基であるべきである。
【0029】
乳化物中の(B)シリコーン系界面活性剤の存在量は特には制限されないが、(A)オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.01〜50重量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜30重量部の範囲内がより好ましい。
【0030】
(B)シリコーン系界面活性剤の具体的な製造方法としては、例えば、ケイ素原子結合水素原子含有シロキサン及び末端二重結合含有化合物を、ヒドロシリル化反応触媒存在下で、ヒドロシリル化反応させることが代表例として挙げられる。
【0031】
上記の例において、ケイ素原子結合水素原子含有シロキサンは、下記一般式(1’):

SiO(RSiO)(RHSiO)SiR(1’)

(式中、
1、R、m及びnは上記のとおりである)
で表すことができる。一般式(1’)のケイ素原子結合水素原子含有シロキサンとしては、例えば、1,2−ジハイドロジェン−1,1,2,2−テトラメチルジシロキサン、1−ハイドロジェン−1,1,2,2,2−ペンタメチルジシロキサン、2−ハイドロジェン−1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチルトリシロキサン、1,3−ジハイドロジェン−1,1,2,2,3,3−ヘキサメチルトリシロキサン、1−ハイドロジェン−1,1,2,2,3,3,3−ヘプタメチルトリシロキサン、1−ハイドロジェン−1,1,2,2,3,3,5,5,5−ノナメチルテトラシロキサン、3−ハイドロジェン−1,1,1,2,2,2,3,4,4,4,5,5,5−デカメチルテトラシロキサン等が挙げられるが、2−ハイドロジェン−1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチルトリシロキサンが特に好ましい。
【0032】
また、上記の例において、末端二重結合含有化合物は、下記一般式(2’):

CH=CH−Ca’2a’(OC(OC−O−(B)-A (2’)

(式中、
A、B、b、c及びdは上記のとおりであり、
a’は0〜13であり、a’は0〜8であることが好ましく、a’は1〜3であることがより好ましい)
で表すことができる。
【0033】
上記の末端二重結合含有化合物は、例えば、エチレングリコールモノアリルエーテル等の脂肪族不飽和結合含有アルコール又はカルボン酸を開始剤とし、酸性又は塩基触媒存在下に、グリシドールの水酸基中の水素原子を上記X基を構成する炭化水素基で置換して得られるグリシジルエーテルを、必要に応じて、グリシドールと共に開環(共)重合して得ることができる。開環(共)重合は公知の方法に従って行うことができる。グリシドール及びグリシジルエーテルの混合物を共重合するとランダムコポリマーに対応するものを得ることができ、片方を重合させた後もう一方を添加して重合させることによりブロックコポリマーに対応するものを得ることができる。2種類以上のグリシジルエーテルを用いてグリシドールと共重合させることも可能である。
【0034】
また、上記の末端二重結合含有化合物は、上記の脂肪族不飽和結合含有アルコール又はカルボン酸を開始剤とし、酸性又は塩基触媒存在下にグリシドールを開環重合した後、所定量の水酸化アルカリを投入し、分子鎖末端をアルカリアルコラート化してからハロゲン化炭化水素と反応させ、水酸基中の水素原子を部分的に炭化水素基で置換する、所謂ウィリアムソンのエーテル合成反応によっても製造することができる。
【0035】
酸性重合触媒としては、BF3・OEt2、HPF6・OEt2、TiCl4、SnCl4、硫酸、PhCOSbF6、過塩素酸、フルオロ硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のルイス酸が挙げられる(ここで、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す)。塩基性重合触媒としては、LiOH、NaOH、KOH、CsOH等の金属水酸化物、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属単体又はこれらの水銀アマルガム、一般式ROM1(R:アルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、M1:アルカリ金属)で表わされる金属アルコラート、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の金属水素化物、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ペンタジエニルカリウム、ナフタレンカリウム、グリニャール試薬等の有機金属化合物等が挙げられる。これらの中では、アルカリ金属単体、金属水酸化物、金属アルコラートや有機金属化合物が、高活性で好ましく、中でも、K、KOH、CsOH、カリウム水素化物、カリウムメトキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウム-t-ブトキシドが、利便性と高活性を兼備した触媒種として特に好ましい。触媒量は、官能基の1モル当量に対して、0.01〜2モル当量が好ましく、0.03〜1.0モル当量が更に好ましく、0.05〜0.8モル当量が特に好ましい。
【0036】
溶媒は、用いても、用いなくてもよいが、触媒種、触媒量、グリシドールの添加量により、反応系が著しく高粘度又は固体状、ないし不均一なスラリー混合物となる場合は、適当な溶媒を用いてその中で重合を行うことができる。
【0037】
重合温度は、使用する触媒の重合活性や、官能基の濃度等により、適宜決定すればよいが、−78〜220℃、−30〜150℃がより好ましい。
【0038】
なお、上記の末端二重結合含有化合物の鎖中に少量のエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基が存在していてもよい。これらの基は酸化に対して不安定であり容易に分解してカルボニル官能性分解生成物を与えるので、ポリグリセロール基1モル当量に対して0.5モル当量以下であることが好ましく、0.2モル当量以下であることが更に好ましい。これらは上記の重合反応中に所定量のエチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシドを添加し、共重合することにより容易に製造できる。
【0039】
上記の例において、ヒドロシリル化反応触媒としては、例えば、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒が挙げられる。これらの中でも、付加重合を著しく促進することから白金系触媒が好ましく、具体的には、微粒子状白金,白金担持シリカ微粉末,白金担持活性炭,塩化白金酸,塩化白金酸のアルコール溶液,白金−アルケニルシロキサン錯体,白金−オレフィン錯体,白金−カルボニル錯体が例示され、白金−アルケニルシロキサン錯体が特に好ましい。このアルケニルシロキサンとしては、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのメチル基の一部をエチル基やフェニル基等に置換したアルケニルシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのビニル基をアリル基やヘキセニル基等に置換したアルケニルシロキサンが例示される。これらの中でも、錯体としての安定性が良好であることから、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。また、この白金−アルケニルシロキサン錯体の安定性を向上させるために、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジアリル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,3−ジメチル−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン等のアルケニルシロキサンやジメチルシロキサンオリゴマー等のオルガノシロキサンオリゴマーを添加して液状触媒とすることが好ましい。これらの中でもアルケニルシロキサンが好ましい。
【0040】
本発明の乳化物は、(A)オルガノポリシロキサンを(B)シリコーン系界面活性剤と共に、公知の乳化手段を用いて機械力により(C)水性媒体中に乳化することにより製造することができる。乳化物の形態としては、水中油型エマルジョン、又は、油中水型エマルジョンのいずれでもよいが、水中油型エマルジョンの形態であることが好ましい。
【0041】
前記(C)水性媒体としては、水、又は、常温(25℃)において水と混和性の有機溶媒(水混和性有機溶媒)及び水との混合物を使用することができる。好適には、(C)水性媒体の75質量%以上が水であることが好ましく、90質量%以上が水であることが好ましく、最も好適には、(C)水性媒体が実質的に水である。なお、特に化粧料原料である本願乳化物に使用する水は、清浄であることが好ましく、精製水、イオン交換水、天然または人工的に加熱処理または滅菌処理等されたミネラルウォーターが例示される。
【0042】
常温(25℃)において水と混和性の有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等の2〜6の炭素原子を有するモノアルコール類;2〜20の炭素原子、好ましくは、2〜10の炭素原子、より好ましくは2〜6の炭素原子を有するポリオール類、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、及びジエチレングリコール;グリコールエーテル類(特に、3〜16の炭素原子を有するもの)、(例えば、モノ−、ジ−、トリプロピレングリコールの(C1-C4)アルキルエーテル類、及び、モノ−、ジ−、トリエチレングリコールの(C1-C4)アルキルエーテル類);並びにこれらの混合物が例示される。
【0043】
(C)水性媒体の量は、特に限定されるものではないが、(A)オルガノポリシロキサン100重量部に対して、10〜10000重量部の範囲、好ましくは100〜10000重量部の範囲、更に好ましくは300〜10000重量%の範囲とすることができる。
【0044】
乳化手段は特に限定されるものではなく、例えば、ホモミキサー,パドルミキサー,ヘンシェルミキサー,ホモディスパー,コロイドミキサー,プロペラ攪拌機,ホモジナイザー,インライン式連続乳化機,超音波乳化機,真空式練合機,コロイドミル,コンビミキサー等の公知の撹拌・混合装置や乳化機を適宜使用することができる。
【0045】
より具体的には、本発明の乳化物は、(A)オルガノポリシロキサンを(B)シリコーン系界面活性剤を上記の乳化手段により(C)水性媒体中に乳化分散させる方法で製造することができる。しかしながら、より好適には、次に述べる(A)成分中における(B)成分をin situで合成し、得られた混合物を乳化してオルガノポリシロキサン乳化物を製造することが乳化物の安定性の見地から特に好ましい。
【0046】
本発明の乳化物は、(A)オルガノポリシロキサン中においてin situで合成された(B)シリコーン系界面活性剤と(A)オルガノポリシロキサンとの混合物を乳化してオルガノポリシロキサン乳化物を製造することが好ましい。乳化は、前記混合物を水性媒体と組み合わせて行われる。乳化物の形態としては、水中油型エマルジョン、又は、油中水型エマルジョンのいずれでもよいが、水中油型エマルジョンの形態であることが好ましい。
【0047】
本発明では、(B)シリコーン系界面活性剤以外のシリコーン系界面活性剤、及び/又は、高級炭化水素基を有する界面活性剤等の他の界面活性剤を乳化物に添加することができる。このような他の界面活性剤としては、上記一般式(1)以外のポリエーテル変性(ポリ)シロキサン、上記一般式(3)以外のポリグリセロール変性(ポリ)シロキサン、上記一般式(3)以外のポリ(グリシジルエーテル)変性(ポリ)シロキサン、上記一般式(3)以外のポリ(グリシジルエーテル)−ポリグリセロール変性(ポリ)シロキサン等のシリコーン系界面活性剤;ヘキシルベンゼンスルホン酸,オクチルベンゼンスルホン酸,デシルベンゼンスルホン酸,ドデシルベンゼンスルホン酸,セチルベンゼンスルホン酸,ミリスチルベンゼンスルホン酸やそのナトリウム塩等のアニオン系界面活性剤;オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,オクチルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド,デシルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド,ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド,牛脂トリメチルアンモニウムヒドロキシド,ヤシ油トリメチルアンモニウムヒドロキシド等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル,ポリオキシアルキレンアルキルフェノール,ポリオキシアルキレンアルキルエステル,ポリオキシアルキレンソルビタンエステル,ポリエチレングライコール,ポリプロピレングライコール,ジエチレングライコールトリメチルノナノールのエチレンオキサイド付加物やポリエステル系のノニオン系界面活性剤;これらの界面活性剤の二種以上の混合物が例示される。その添加量は限定されないが、(A)オルガノポリシロキサン100重量部に対し0.01〜50重量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜30重量部の範囲内がより好ましい。
【0048】
前記他の界面活性剤の添加のタイミングは特に限定されるものではないが、(A)オルガノポリシロキサン中で(B)シリコーン系界面活性剤を合成した後、又は、合成する前に添加することが好ましい。
【0049】
本発明において乳化対象となる(A)オルガノポリシロキサンは非シリコーン油と組み合わされてもよい。前記非シリコーン油は特に限定されるものではなく、任意のものを使用することができる。非シリコーン油は、疎水性であれば、起源を問わず、固形、半固形、液体のいずれでもよく、不揮発性、半揮発性、揮発性のいずれでよい。具体的には、炭化水素油及びワックス、動植物油、高級アルコール、エステル油等が挙げられる。油は1種類であってもよく、或いは、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0050】
炭化水素油及びワックスとしては、例えば、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0051】
動植物油としては、例えば、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0052】
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0053】
エステル油としては、例えば、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0054】
本発明では、本発明の目的を損なわない範囲であれば、任意の添加剤として公知である他の成分を、乳化前又は乳化後に、添加・配合することも可能である。このような添加剤としては、加水分解性オルガノシラン,シリカ,pH調整剤,防腐剤,防カビ剤,防錆剤,増粘剤が例示される。これらの成分は、単独あるいは複数組合せて使用しても良い。
【0055】
また、本発明では、(B)シリコーン系界面活性剤を合成する前に、(A)オルガノポリシロキサン中に水性媒体の一部を予め混合することも可能である。あらかじめ混合する水性媒体量は制限されないが、油100重量部に対し、0.01〜50重量部が好ましく、0.01〜20重量部がより好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の乳化物および本発明の製造方法により製造された乳化物は、撥水剤、離型剤、潤滑剤、繊維処理剤、皮革処理剤、人工皮革処理剤、化粧料添加剤、化粧料、艶出し剤、消泡剤、表面処理剤、コーテイング剤等として有用である。特に、化粧料原料としての使用に好適であり、化粧料用の添加剤又は化粧料そのものとして使用されることが好ましい。
【実施例】
【0057】
以下、実施例により本発明をより詳細に例証するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0058】
[参考例1]
エチレングリコールモノアリルエーテル1.88グラム(18.4ミリモル)とカリウム-t-ブトキシド0.10グラム(088ミリモル)を混合し、窒素雰囲気下で105℃に加熱した。グリシドール10.9グラム(147.2ミリモル)とグリシジルメチルエーテル6.5グラム(73.6ミリモル)の混合物を3.5時間かけて115〜120℃でゆっくり滴下した(エチレングリコールモノアリルエーテル:グリシドール:グリシジルメチルエーテルのモル比=1:8:4)。滴下終了後120℃で3時間加熱撹拌した。室温まで冷却し0.06グラムの酢酸を投入して重合を停止させた。トルエン10gを投入し、ハイドロタルサイト系の吸着剤である協和化学工業製キョーワード500SNを投入し2時間撹拌した。ろ過後、ろ液から低沸点物を加熱減圧留去し、18.8グラム(収率98%)の透明な液状ポリマーを得た。少し加熱することにより容易に反応容器から抜き出すことができた。クロロホルムを溶媒にして屈折率検出器を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定された標準ポリスチレン換算の数平均分子量は249、分散度は1.785であった。また、13C-核磁気共鳴分析(13C-NMR)の結果から本ポリマーはアリロキシエトキシ末端メチルポリグリセロールであり、カルビノール基:メトキシ基のモル比は69:21であった。また分岐構造を示す-CH2-CH(-CH2O-)O-基のシグナルが78-81ppmに見られた。
【0059】
[参考例2〜7]
参考例1と同様にして下表の仕込みで重合反応を行い、対応するアリロキシエトキシ末端メチルポリグリセロールを得た。結果を表1及び表2に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
[参考例8]
エチレングリコールモノアリルエーテル1.88グラム(18.4ミリモル)とカリウム-t-ブトキシド0.10グラム(088ミリモル)を混合し、窒素雰囲気下で120℃に加熱した。グリシドール5.45グラム(73.6ミリモル)を1.5時間かけて115〜120℃でゆっくり滴下した。滴下終了後120℃で2時間加熱攪拌し、重合を完結させた。次いで参考例で精製したグリシジルメチルエーテル12.96グラム(147.2ミリモル)を添加した。その後120〜130℃で3時間加熱撹拌し、ブロック共重合を完結させた(エチレングリコールモノアリルエーテル:グリシドール:グリシジルメチルエーテルのモル比=1:4:8)。室温まで冷却し0.06グラムの酢酸を投入して重合を停止させた。トルエン10gを投入し、ハイドロタルサイト系の吸着剤である協和化学工業製キョーワード500SNを投入し2時間撹拌した。ろ過後、ろ液から低沸点物を加熱減圧留去し、19.9グラム(収率98%)の透明な液状ポリマーを得た。クロロホルムを溶媒にして屈折率検出器を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定された標準ポリスチレン換算の数平均分子量は1412、分散度は1.271であった。また、13C-核磁気共鳴分析(13C-NMR)の結果から本ポリマーはアリロキシエトキシ末端メチルポリグリセロールであり、カルビノール基:メトキシ基のモル比は38:62であった。また分岐構造を示す-CH2-C(CH2O-)- O-基のシグナルが78-81ppに見られた。)
【0063】
参考例8における反応の概略は以下のとおりである。
【化29】

【0064】
[参考例9及び参考例10]
グリシジルメチルエーテルの代わりにグリシジルエチルエーテルを使用し、参考例1〜7と同様にして下表の仕込みで重合反応を行い、対応するアリロキシエトキシ末端メチルポリグリセロールを得た。結果を表3に示す。
【0065】
【表3】

【0066】
[経時安定性評価]
本発明により得られた乳化物の経時安定性を評価した。以下において、「部」は重量部を示す。ポリオルガノシロキサンの粘度、並びに、エマルジョンの平均粒径及びエマルジョンの経時安定性は下記の方法で測定した。
【0067】
[ポリオルガノシロキサンの粘度]
各ポリオルガノシロキサンの粘度は、回転粘度計(ローターNo.3)を用い、温度25℃で測定した。
【0068】
[エマルジョンの平均粒径]
レーザー散乱式サブミクロン粒子分析装置[コールターエレクトロニクス社製のCOULTER N4型]により、平均粒径を測定した。
【0069】
[エマルジョンの経時安定性]
生成したエマルジョン100gを100ccのガラス瓶に入れ、25℃で静置して定期的に肉眼で観察し、エマルジョンから油相の分離が認められるまでの期間に応じ、以下の0〜5の6段階で評価した。
【0070】
0:エマルジョンを形成しない
1:1週間以内に油相が分離する
2:1週間経過後、1ヶ月以内に油相が分離する
3:1ヶ月以上油相が分離しない
4:2ヶ月以上油相が分離しない
5:4ヶ月以上油相が分離しない
【0071】
[実施例1]
末端OHポリジメチルシリコーン(粘度約100mPas)50部に、2−ハイドロジェン−1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチルトリシロキサン1.45部と参考例1で得られたアリロキシエトキシ末端メチルポリグリセロール(12mol)10.2部を添加し、均一になるまで混合した。70℃まで加温後、白金触媒溶液を0.04部添加し、70℃で15分反応させ、末端OHポリジメチルシリコーン及びメチルポリグリセロール変性シリコーンの混合物を得た。冷却後、水15部を添加し、T.Kホモディスパー(特殊機化工業製)を用い、約2500rpmで15分間乳化を行った。その後、水23.31部を添加し、希釈することで乳化物を得た。得られたエマルジョンの粒子径は、278nmであり、6ヶ月安定であった。
【0072】
[実施例2]
末端OHポリジメチルシリコーン(粘度約100mPas)50部に、2−ハイドロジェン−1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチルトリシロキサン1.5部と参考例1で得られたアリロキシエトキシ末端メチルポリグリセロール(8mol)−ポリグリセロール(4mol)10.2部を添加し、均一になるまで混合した。70℃まで加温後、白金触媒溶液を0.04部添加し、70℃で15分反応させ、末端OHポリジメチルシリコーン及びメチルポリグリセロール変性シリコーンの混合物を得た。冷却後、水20部を添加し、T.Kホモディスパー(特殊機化工業製)を用い、約2500rpmで15分間乳化を行った。その後、水18.26部を添加し、希釈することで乳化物を得た。得られたエマルジョンの粒子径は、584nmであり、3ヶ月安定であった。
【0073】
[実施例3]
1.04部の2−ハイドロジェン−1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチルトリシロキサンと14.0部の参考例1で得られたアリロキシエトキシ末端メチルポリグリセロール(25mol)を撹拌した。0.04部の白金触媒を添加後、70℃まで加温し、15分保持することで、メチルポリグリセロール変性シリコーンを得た。これを乳化剤Aとする。5部の乳化剤Aを75部の水に添加し、均一になるまで撹拌した。これに、20部のOH末端ポリジメチルシロキサン(100mPas)を添加し、撹拌した。ナノマイザーを用い、500kg/cmで2回処理し、エマルジョンを得た。得られたエマルジョンは、オイル分離や水分離がなく、粒子径は184nmであった。得られたエマルジョンは、1ヶ月安定であった。
【0074】
[実施例4]
1.9部の2−ハイドロジェン−1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチルトリシロキサンと7.0部の参考例1で得られたアリロキシエトキシ末端メチルポリグリセロール(6mol)を撹拌した。0.02部の白金触媒を添加後、70℃まで加温し、15分保持することで、メチルポリグリセロール変性シリコーンを得た。これを乳化剤Bとする。5部の乳化剤Bを75部の水に添加し、均一になるまで撹拌した。これに、20部のOH末端ポリジメチルシロキサン(100mPas)を添加し、撹拌した。ナノマイザーを用い、500kg/cmで2回処理し、エマルジョンを得た。得られたエマルジョンは、オイル分離や水分離がなく、粒子径は554nmであった。得られたエマルジョンは、1ヶ月安定であった。
【0075】
[実施例5]
実施例3の乳化剤A2.5部と実施例4の乳化剤B2.5部を75部の水に添加し、均一になるまで撹拌した。これに、20部のOH末端ポリジメチルシロキサン(100mPas)を添加し、撹拌した。ナノマイザーを用い、500kg/cmで2回処理し、エマルジョンを得た。得られたエマルジョンは、オイル分離や水分離がなく、粒子径は190nmであった。得られたエマルジョンは、1ヶ月安定であった。
【0076】
[ホルムアルデヒドの生成性評価]
本発明において使用されるシリコーン系界面活性剤のホルムアルデヒド生成能を、ポリエーテル変性シリコーンと比較して評価した。
【0077】
撹拌装置付4つ口フラスコに参考例6で合成したアリロキシエトキシ末端メチルポリグリセロール7.5グラム(12.4ミリモル)、下記式(I):
【化30】

のポリジメチルシロキサン−ポリメチルハイドロジェンシロキサンコポリマー2.97グラム(SiH:10.37ミリモル)及びトルエン4グラムを混合し、さらに、白金と1,3-ジビニル-テトラメチルジシロキサンとの錯体を白金金属量が5ppmになるようにして混合した。80℃で3時間攪拌し、サンプリングして赤外吸光分析(IR)を行って調べたところ、ケイ素原子結合水素原子の特性吸収は消失しており、反応は完結していた。低沸点物を加熱減圧留去し、淡黄色透明なポリマーが得られた。このポリマーは29Siおよび13C核磁気共鳴分析(NMR)の結果、メチルポリグリセロール変性シリコーンであることがわかった。クロロホルムを溶媒にして屈折率検出器を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定された標準ポリスチレン換算の数平均分子量は1303、分散度は2.445であった。このポリシロキサンは室温でも流動性があり、少し加熱することにより容易に反応容器から抜き出すことができた。また水には完全に相溶し、透明な水溶液を与えた。0.5重量%の水溶液を調製し、加熱して曇点を測定したところ、25℃であった。
【0078】
上記のメチルポリグリセロール変性シリコーン、並びに、それとポリシロキサン含有率及び分子量計算値が近い下記式(II):
【化31】

の構造のポリエーテル変性シリコーン各2グラムを単体で、並びに、各シロキサンの濃度が80重量%になるようにpH6の緩衝溶液に混合して得られた溶液各2グラムを30ccガラス瓶に入れて空気下で密封し、50℃オーブン内で3週間加熱劣化させた。
【0079】
室温に戻し、ホルムアルデヒドを選択的に検出する試験紙である関東化学製ホルムアルデヒドテストストリップ(TR)を浸して調べたところ、式(II)のポリエーテル変性シリコーンは、単体、及び、pH6の緩衝溶液との混合物のいずれの場合も黄変し、ホルムアルデヒドが検出されたが、上記のメチルポリグリセロール変性シリコーンは、単体、及び、pH6の緩衝溶液との混合物のいずれの場合も変色は見られず、ホルムアルデヒドが生成していることは確認できなかった。
【0080】
また、50℃劣化試験後のIR分析の結果、式(II)のポリエーテル変性シリコーンは、単体、及び、pH6の緩衝溶液との混合物のいずれの場合も1720cm-1の特性吸収が生成し、また、pHが小さいほど吸収強度が強かった。このことから、特に酸性条件では式(II)のポリエーテル変性シリコーンが酸化分解し、カルボニル官能性化合物が生成しやすいことがわかった。これに対し、上記のメチルポリグリセロール変性シリコーンの場合は単体、及び、pH6の緩衝溶液との混合物のいずれの場合も1720cm-1の特性吸収はほとんど見られず、カルボニル官能性化合物はほとんど生成していないことがわかった(図1〜図4参照)。
【0081】
[粘性評価]
本発明において使用されるシリコーン系界面活性剤の粘性の程度を、当該シリコーン系界面活性剤の末端基のOHがアルキル化されていない以外は同一のものと比較して評価した。
【0082】
グリシジルメチルエーテルもグリシジルエチルエーテルも使用せず、グリセリンモノアリルアルコール存在下にグリシドールを開環重合し(グリセリンモノアリルアルコール:グリシドールのモル比=1:12)、アリロキシエトキシ末端ポリグリセロールを得た。加熱すれば流動するものの室温ではほとんど流動せず、参考例で合成したアリロキシエトキシ末端メチルポリグリセロール及びアリロキシエトキシ末端エチルポリグリセロールのいずれよりも高粘度であり、反応容器からの取り出しは極めて困難だった。
【0083】
次に、これを上記式(I)のポリジメチルシロキサン−ポリメチルハイドロジェンシロキサンコポリマーと付加反応して、ポリグリセロール変性シリコーンを得た。これも加熱すれば流動するものの室温ではほとんど流動せず、参考例で合成したアリロキシエトキシ末端メチルポリグリセロール及びアリロキシエトキシ末端エチルポリグリセロールを同様に上記式(I)のポリジメチルシロキサン−ポリメチルハイドロジェンシロキサンコポリマーと付加反応して合成したメチルポリグリセロール変性シリコーン及びエチルポリグリセロール変性シリコーンのいずれよりも高粘度であり、反応容器からの取り出しは極めて困難だった。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】[ホルムアルデヒドの生成評価]において製造した部分メチル化ポリグリセロールグラフト型ポリジメチルシロキサンを空気下に50℃で3週間加熱劣化させた後のIRチャート
【図2】[ホルムアルデヒドの生成評価] において製造した部分メチル化ポリグリセロールグラフト型ポリジメチルシロキサンとpH6の緩衝溶液との混合物(濃度:80重量%)を空気下に50℃で3週間加熱劣化させた後のIRチャート
【図3】[ホルムアルデヒドの生成評価] において製造したポリオキシエチレングラフト型ポリジメチルシロキサンを空気下に50℃で3週間加熱劣化させた後のIRチャート
【図4】[ホルムアルデヒドの生成評価] において製造したポリオキシエチレングラフト型ポリジメチルシロキサンとpH6の緩衝溶液との混合物(濃度:80重量%)を空気下に50℃で3週間加熱劣化させた後のIRチャート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)オルガノポリシロキサン、
(B)下記一般式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤
一般式(1):

SiO(RSiO)(RYSiO)SiR(1)
〔式中、
1は、互いに独立して、水素原子、又は、置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
Yは、互いに独立して、下記一般式(2):

−C2a(OC(OC−O−(B)-A (2)

{式中、
Aは、下記式(3)、(4)又は(5):
【化1】

【化2】

【化3】

(各式中、
Xは、水素原子、又は、それぞれ独立して、炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し、総Xの少なくとも1つは前記炭化水素基である)
で表される末端基を表し;
Bは、下記式(6)、(7)、(8)又は(9):
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

(式中、Xは上記のとおりである)
で表される部位を表し;
(OC24)及び(OC36)の配列は、ランダム、ブロック、交互のいずれか、又は、それらの組み合わせであり;
aは2〜15、bは0〜100、cは0〜100、dは0〜500である}
で表される基を表し;
mは0〜50、nは0〜20であり、
2は、R1又はXであるが、nが0の場合、R2の少なくとも1つはXである〕
(C) 水性媒体を含有する乳化物。
【請求項2】
一般式(1)において、m=0〜6及びn=0〜3である、請求項1記載の乳化物。
【請求項3】
一般式(1)において、前記末端基の総Xの少なくとも15%が前記炭化水素基である、請求項1又は2記載の乳化物。
【請求項4】
前記(A)ポリオルガノシロキサンの粘度が、25℃で50〜3000mPa・sである、請求項1に記載の乳化物。
【請求項5】
(A)オルガノポリシロキサン中で(B)上記の一般式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤を合成することにより得られた、(A)オルガノポリシロキサン及び(B)シリコーン系界面活性剤の混合物を(C) 水性媒体中に乳化することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に乳化物の製造方法。
【請求項6】
前記(B)シリコーン系界面活性剤を、ケイ素原子結合水素原子含有シロキサン及び末端二重結合含有化合物をヒドロシリル化反応触媒存在下でヒドロシリル化反応させて合成する、請求項5に記載の乳化物の製造方法。
【請求項7】
前記ケイ素原子結合水素原子含有シロキサンが、下記一般式(1’):

SiO(RSiO)(RHSiO)SiR(1’)

(式中、
1は、互いに独立して、水素原子、又は、置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
mは0〜50、nは0〜20であり、
2は、R1又はHであるが、nが0の場合、R2の少なくとも1つはHである)
で表される、請求項5記載の乳化物の製造方法。
【請求項8】
m=0〜6及びn=0〜3である、請求項7記載の乳化物の製造方法。
【請求項9】
前記末端二重結合含有化合物が、下記一般式(2’):

CH=CH−Ca’2a’(OC(OC−O−(B)-A (2’)

{式中、
Aは、下記式(3)、(4)又は(5):
【化8】

【化9】

【化10】

(各式中、
Xは、水素原子、又は、それぞれ独立して、炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し、総Xの少なくとも1つは前記炭化水素基である)
で表される末端基を表し;
Bは、下記式(6)、(7)、(8)又は(9):
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

(式中、Xは上記のとおりである)
で表される部位を表し;
(OC24)及び(OC36)の配列は、ランダム、ブロック、交互のいずれか、又は、それらの組み合わせであり;
a’は0〜13、bは0〜100、cは0〜100、dは0〜500である}
で表される、請求項6に記載の乳化物の製造方法。
【請求項10】
前記末端基の総Xの少なくとも15%が前記炭化水素基である、請求項9記載の乳化物の製造方法。
【請求項11】
前記(A)ポリオルガノシロキサンの粘度が、25℃で50〜3000mPa・sである、請求項5に記載の乳化物または乳化物の製造方法。
【請求項12】
請求項5乃至11のいずれかに記載の製造方法で得られる乳化物。
【請求項13】
請求項1乃至4および請求項12のいずれかに記載の乳化物からなる化粧料原料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−144157(P2010−144157A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326578(P2008−326578)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【Fターム(参考)】