説明

二官能性シンコナアルカロイド系触媒を用いた不斉アルドール付加

本発明の1つの態様は、求電子成分であるケトンとの不斉触媒ニトロアルドール(ヘンリー)反応に関する。1つの実施形態では、本発明は、新しいC6’−OHシンコナアルカロイド触媒により触媒作用を受けるα−ケトエステルとの不斉ニトロアルドール反応に関する。ある実施の形態では、この反応は、操作が単純で、ことのほか、様々なα−ケトエステルについて、高エナンチオ選択性および良好ないし極めて優れた収率を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

で表される化合物であって、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表す、
化合物。
【請求項2】
構造式II:
【化2】

で表される化合物であって、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
1は、アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表す、
化合物。
【請求項3】
4が−OHを表すことを特徴とする請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
Rがアリールまたはヘテロアリールを表すことを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項5】
Rがアリールを表すことを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項6】
Rが置換または非置換のフェニルを表すことを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項7】
Rが一置換のフェニルを表すことを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項8】
Rが非置換のフェニルを表すことを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項9】
がアルキルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項10】
がエチルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項11】
がアルケニルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項12】
が−CH=CHであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項13】
nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項14】
mが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項15】
Rがアリール、Rがアルキルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項16】
Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルキルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項17】
Rが非置換のフェニル、Rがエチルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項18】
Rがアリール、Rがアルケニルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項19】
Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルケニルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項20】
Rが非置換のフェニル、Rが−CH=CHであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項21】
がアルキル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項22】
Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルキル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項23】
Rが非置換のフェニル、Rがエチル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項24】
Rがアリール、Rがアルケニル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項25】
Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルケニル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項26】
Rが非置換のフェニル、Rが−CH=CH、mが0、nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
【請求項27】
プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンからキラル非ラセミアルコールを調製する方法であって、
触媒の存在下で、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンを求核剤と反応させ、それによって、キラル非ラセミアルコールを生成する工程を有してなり;
ここで前記触媒は、構造式III:
【化3】

で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−複素環、または−C(=O)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は、−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表し、
前記求核剤は、構造式IV:
【化4】

で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Eは、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CNを表し、
は、H、−CF、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CN、もしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す、
方法。
【請求項28】
プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンからキラル非ラセミアルコールを調製する方法であって、
触媒の存在下で、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンを求核剤と反応させ、それによってキラル非ラセミアルコールを生成する工程を有してなり;
ここで、前記触媒は構造式VI:
【化5】

で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−複素環、または−C(=O)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は、−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表し、
前記求核剤は、構造式IV:
【化6】

で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Eは、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CNを表し、
は、H、−CF、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CN、もしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す、
方法。
【請求項29】
4が−OHを表すことを特徴とする請求項27または28記載の方法。
【請求項30】
Rがアリールまたはヘテロアリールを表すことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
Rがアリールを表すことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項32】
Rが置換または非置換のフェニルを表すことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項33】
Rが一置換のフェニルを表すことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項34】
Rが非置換のフェニルを表すことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項35】
1がアルキルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項36】
1がエチルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項37】
1がアルケニルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項38】
が−CH=CHであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項39】
nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項40】
mが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項41】
Rがアリール、R1がアルキルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項42】
Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルキルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項43】
Rが非置換のフェニル、Rがエチルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項44】
Rがアリール、Rがアルケニルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項45】
Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルケニルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項46】
Rが非置換のフェニル、Rが−CH=CHであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項47】
Rがアリール、Rがアルキル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項48】
Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルキル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項49】
Rが非置換のフェニル、Rがエチル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項50】
Rがアリール、Rがアルケニル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項51】
Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルケニル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項52】
Rが非置換のフェニル、Rが−CH=CH、mが0、nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項53】
Eが−NOであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項54】
がHであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項55】
がアルキル、アラルキル、またはヘテロアラルキルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項56】
がアルキルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項57】
Eが−NO、Rがアルキル、RがHであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項58】
Eが−NO、RがH、RがHであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項59】
前記触媒が、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンと比較して、約70モル%未満で存在することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項60】
前記触媒が、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンと比較して、約40モル%未満で存在することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項61】
前記触媒が、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンと比較して、約10モル%未満で存在することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項62】
前記触媒が、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンと比較して、約5モル%未満で存在することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項63】
前記キラル非ラセミアルコールが、約50%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項64】
前記キラル非ラセミアルコールが、約70%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項65】
前記キラル非ラセミアルコールが、約90%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項66】
前記キラル非ラセミアルコールが、約95%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項67】
前記キラル非ラセミアルコールが、約97%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項68】
前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンが、電子欠損性であることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項69】
前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンが構造式V:
【化7】

で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Yは、Hまたは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
Zは、−CF、−C(=O)OW、−C(=O)N(W)、−C(=O)SW、または置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
Wは、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す、
ことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項70】
Yが、アルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキルであることを特徴とする請求項69記載の方法。
【請求項71】
Yが、CH(H)=C(H)−、BnOCHC(H)=C(H)−、Ph−、4−MeO−Ph−、4−MeS−Ph−、4−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、2−ナフチル−、Me−、n−Pr−、PhCHCH−、またはEtOCCHCHCH−であることを特徴とする請求項69記載の方法。
【請求項72】
Zが−C(=O)OWであることを特徴とする請求項69記載の方法。
【請求項73】
Zが−C(=O)OWであり、Wがアルキルであることを特徴とする請求項69記載の方法。
【請求項74】
Zが−C(=O)OEtであることを特徴とする請求項69記載の方法。
【請求項75】
Yがアルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキルであり、Zが−C(=O)OWであり、Wがアルキルであることを特徴とする請求項69記載の方法。
【請求項76】
Yが、CH(H)=C(H)−、BnOCHC(H)=C(H)−、Ph−、4−MeO−Ph−、4−MeS−Ph−、4−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、2−ナフチル−、Me−、n−Pr−、PhCHCH−、またはEtOCCHCHCH−であり、Zが−C(=O)OEtであることを特徴とする請求項69記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−545706(P2008−545706A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513745(P2008−513745)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/020376
【国際公開番号】WO2006/130453
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(502361511)ブランデイス ユニヴァーシティー (8)
【Fターム(参考)】