説明

二液型発泡体、その安定な分散体、および対応する製造プロセス

燃料以外の非極性液体を10〜98重量%および連続相極性液体を2〜88重量%を含む二液型発泡体であって、連続相中にC〜Cアルコール、液体ポリエチレングリコール、エチレングリコール、またはプロピレングリコール、あるいはこれらの混合物を連続相の重量に対して少なくとも65重量%含み、20〜50のアルコキシ基を含有するひまし油/ポリ(アルキレングリコール)付加物、C〜C24脂肪酸、または20〜60のアルコキシ基を含有する水添ひまし油/ポリ(アルキレングリコール)付加物、あるいはこれらの混合物から選択された、製剤全体の0.05〜2重量%を占める界面活性剤によって安定化される二液型発泡体。C〜Cアルコール、液体ポリエチレングリコール、エチレングリコール、またはプロピレングリコールに関しては少なくとも65重量%の含有量を有する安定な分散体であって、1〜80重量%の二液型発泡体および99〜20重量%の水性ゲルを含む安定な分散体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコールの含有量が多い二液型発泡体と、この二液型発泡体から製剤される製品とに関する。
【背景技術】
【0002】
油などの非極性液体の小滴が、界面活性剤で安定化された水などの炭化水素結合液体の膜に封入され、この水素結合液体の薄膜によって相互に隔てられている二液型発泡体は、当業界では公知である。したがって、水または他の水素結合液体は、二液型発泡体組成物中で連続相を形成する。
【0003】
セバ(Sebba)への米国特許第4486333号には、非極性液体が総容量の約60〜約98容量%を占め、残りが水素結合液体である二液型発泡体組成物の調製方法が開示されている。極性液体は、石油派生物、パラフィン、または液体ハロゲン化炭化水素を含みうる。96容量%のメタノールと4容量%の水とで調製された二液型発泡体組成物は、その安定性が数日に限られていた。
【0004】
二液型発泡体は、Sebbaによって以下の参考文献に開示されている。
【0005】
「二液型発泡体(Biliquid Foams)」、『J.Colloid and Interface Science』第40巻(1972年)p.468−474、および「水膜に封入された微小油滴の挙動(The Behaviour of Minute Oil Droplets Encapsulated in a Water Film)」、『Colloid Polymer Sciences』第257巻(1979年)p.392−396。
【0006】
国際公開番号WO97/32559号には、油系の二液型発泡体と水性ゲルとを含み、化粧品、医薬品、および他の業界での使用に適した安定な分散体が開示されている。この特許明細書には、組成物での高レベルのアルコール類の使用については記載されていない。
【0007】
米国特許第4999198号では、連続水性相と分散相とを有し、薬物が分散相に担持される二液型発泡体(すなわちポリアフロン)が開示された。この特許は、水性相でのアルコールの使用を開示していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
高レベルのアルコールを有する水性製品の生成は、特に化粧品およびパーソナルケア市場において、必要とされている。ただし、このニーズには、従来のエマルジョン科学では対応できない。その理由は、水性相内に高レベルのアルコールを含有する乳濁液の不安定性である。皮膚浸透性を増加させるが、皮膚の乾燥という欠点を伴わない、高レベルのアルコールを有する局所用油系製品の生成も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ここで、我々は、特定の選ばれた界面活性剤を使用して組成物を調製することによって、高レベルのアルコールを二液型発泡体に混和できることを発見した。また、水性ゲルなどの構造化剤を用いてこれらの二液型発泡体を調製すれば、組成物に所望のレオロジーを付与できることも分かった。
【0010】
したがって、本発明は、燃料以外の非極性液体を10%〜98重量%および連続相極性液体を2〜88重量%好ましくは2〜87重量%含み、連続相中にC〜Cアルコール、液体ポリエチレングリコール、エチレングリコール、またはプロピレングリコール、あるいはこれらの混合物を連続相の重量に対して少なくとも65重量%含む二液性発泡体であって、製剤全体の0.05〜2重量%、好ましくは0.5〜2重量%を占める、20〜50のアルコキシ基を含有するひまし油/ポリ(アルキレングリコール)付加物、20〜60のアルコキシ基を含有するC〜C24脂肪酸、または水添ひまし油/ポリ(アルキレングリコール)付加物、あるいはこれらの混合物から選択された界面活性剤によって安定化される二液型発泡体を提供する。
【0011】
極性液体は、好ましくは水性であり、C〜Cアルコール、液体ポリエチレングリコール、エチレングリコール、またはプロピレングリコール、あるいはこれらの混合物を65〜99重量%含む。本発明での使用に好適なC〜Cアルコールはエタノールである。
【0012】
液体ポリエチレングリコールは、室温(22°C)で液体のポリエチレングリコールである。これは、たとえば、1〜12のエチレンオキシド単位を含有してもよく、または、たとえば最大600の分子量を有していてもよい。
【0013】
本発明で使用される特定の種類の界面活性剤は、二液型発泡体組成物の調製を支援できる界面活性剤であり、またその界面活性剤を使用して調製した本発明の二液型発泡体組成物の大部分に良好な安定性が付与されるという理由から使用のために選択された。ひまし油/ポリ(アルキレングリコール)付加物は、通常、最長45日間の安定性を付与し、一方、水添ひまし油/ポリ(アルキレングリコール)付加物は、通常、30〜90日間の良好な長期安定性を付与する。
【0014】
本発明での使用に好適な界面活性剤の種類は、水添ひまし油/ポリエチレングリコール付加物(25〜60のエトキシ基、より好ましくは40〜60のエトキシ基を含有)、またはひまし油/ポリエチレングリコール付加物(25〜45のエトキシ基を含有)である。
【0015】
〜C24脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよい。C12〜C22脂肪酸が好ましく、特にオレイン酸、リノール酸、およびリノレン酸が好ましい。
【0016】
界面活性剤の選択は、特定の非極性液体および特定の極性液体によるばかりでなく、二液型発泡体の調製に使用するこれらの量にもよることを当業者は理解されるであろう。
【0017】
本発明で使用する界面活性剤は、適切な共活性剤と併用してもよい。使用しうる共活性剤の例として、ポリオキシエチレンオレイルエーテルおよび水添ひまし油/ポリエチレングリコール(25)付加物がある。
【0018】
本発明での使用に好適な界面活性剤の量は、製剤全体に対する割合で約1重量%である。
【0019】
本発明の二液型発泡体組成物は、防腐剤(たとえば微生物腐敗の防止用)など、他の添加剤をさらに含んでもよい。これら添加剤は、非極性液体に含めても、連続相に含めてもよい。
【0020】
言うまでもないが、これら添加剤の含有は、有効かつ有用であると分かった種類の材料およびレベルで行うものとする。これら添加剤の選択および量が本発明のその他の性能優位性に支障を来たさないように注意する必要がある。
【0021】
二液型発泡体の製造方法は、米国特許第4486333号に記載されており、この方法では、その上に二液型発泡体を形成しうる十分に大きな表面積を用意するために、気泡の事前形成を伴う。適切な攪拌機構を製造容器に設ければ、安定な二液型発泡体の製造に気泡の事前形成が不要であることが分かった。本発明の重要な一側面は、適切な攪拌機構を組み込んだタンクの使用により、気泡の事前形成なしに二液型発泡体の製造が可能なことである。
【0022】
このような装置は、液体と空気の間の界面を攪拌翼によって破砕する攪拌器を設けたタンクを含む。分散体の内相を構成する油相(非極性液体)をタンクに送達するための送達(delivery)デバイスを設ける。送達デバイスは製造プロセス中に内相流体の追加速度を制御および変更できるように設計されている。製造プロセスの一特徴は、攪拌された水性相への内(油)相の追加は、十分な液滴が形成されて新しい液滴をより高速に形成するための大きな追加表面積が構成されるまで、最初は低速で行う点である。大きな追加表面積が構成された時点で、油相の追加速度を上げてもよい。
【0023】
製造プロセスは以下のステップより成る。
1 選択した1つまたは複数の界面活性剤を一方または他方の相、あるいは両方の相
(実験によって事前に決定)に追加する。
2 水性相を処理容器の底に充填する。
3 攪拌器を容器に組み込み、水性相の表面を攪拌する。
4 攪拌器の速度を事前に決めたレベルに調整する。
5 規定の速度で攪拌しながら、内相を低速で追加する。
6 規定量(通常、総追加量の5%から10%の間)を追加したら、油相の追加速度
を上げる。
【0024】
攪拌速度および油相の追加速度は可変であり、これらの値は、製造工場の詳細設計(特に、インペラ直径に対するタンク直径の比)と、油相の物理化学的性質と、選択した各界面活性剤の性質および濃度とに依存する。これらは、実験室またはパイロットプラントでの実験によってすべて事前に決定できる。
【0025】
他の製造方法を適宜使用しうることは、当業者には理解されるであろう。
【0026】
本発明の高アルコール二液型発泡体を水性ゲルによって安定化させてもよい。したがって、本発明はその範囲内に、二液型発泡体を1〜80重量%および水性ゲルを20〜99重量%含み、C〜Cアルコール、液体ポリエチレングリコール、エチレングリコール、またはプロピレングリコール、あるいはこれらの混合物の含有量が少なくとも65重量%である安定な分散体を含む。
【0027】
本発明は、上に定義したような二液型発泡体を1〜50重量%および水性ゲルを99〜20重量%含む安定な分散体を調製するためのプロセスであって、二液型発泡体と水性ゲルとを混ぜ合わせるステップを含むプロセスを提供する。この分散体は、C〜Cアルコール、液体ポリエチレングリコール、エチレングリコール、またはプロピレングリコール、あるいはこれらの混合物の含有量が少なくとも65重量%であることが好ましい。
【0028】
水性ゲルは、0.05〜20重量%、より好ましくは0.2〜1重量%の濃度で水中に懸濁したガムまたはコロイド状重合体から形成されることが好ましい。適切な重合体またはガムは、たとえば、アルギン酸ガムまたはその塩、ガーゴム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシメチルセルロースまたはそのヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、ベントナイト、珪酸アンモニウムマグネシウム、「カルボマー」(アクリル酸の架橋重合体類の塩)、またはポリメタクリル酸グリセリル類またはそのグリコール中の分散体、あるいはこれらの重合体類およびガム類のいずれかの適切な混合物である。好適なゲル化剤は、水性相に対して塑性的挙動を与えるもの、つまり、その影響によって、生成物に加わるせん断応力が最小降伏値に達するまでは、液体の流れが発生しない。
【0029】
本発明の安定な分散体は、医薬または化粧用組成物、たとえば、局所施用医薬または化粧用組成物、の調剤に使用しうる。このような組成物に含有しうる有効成分の例として、アシクロビル、ベクロメタゾン、過酸化ベンゾイル、ベンジダミン、吉草酸ベタメタゾン、カフェイン、カラミン、セトリミド、クロルテトラサイクリン、クロベタソール、クロベタゾン、クロトリマゾール、クロタミトン、ジクロフェナク、サリチル酸ジエチルアミン、ジフルコルトロン、ジトラノール、エコナゾール、エリスロマイシン、フルオシノロン、フルオシノニド、フルコルトロン、フルオロウラシル、フルチカゾン、フシジン酸、フェルビナク、ケトプロフェン、ゲンタマイシン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、イブプロフェン、イソトレチノイン、乳酸、リドカイン/リグノカイン、リドカインおよびクロルヘキシジン/リグノカインおよびクロルヘキシジン、マクロゴール、サリチル酸メチル、メトロニダゾール、メキセノン、ミコナゾール、ナイスタチン、ピロキシカム、硫酸ヒドロキシキノリンカリウムおよび過酸化ベンゾイル、レチノイン酸およびレチノイン酸誘導体、サリチル酸、フシジン酸ナトリウム、コールタールおよびサリチル酸、コールタールおよび亜鉛、テトラサイクリン、チタン、トレチノイン、トリアムシノロン、チオコナゾール、トリアムシノロン、トリクロサン、尿素、亜鉛、亜鉛およびイクタモール、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0030】
薬物の濃度は、使用する薬物に応じて、約0.01重量%から約10重量%まで可変である。したがって、本発明の組成物は、有効成分を安全かつ効果的な量で含む。
【0031】
したがって、本発明の安定な分散体は、医薬または化粧品業界で使用される以下の組成物の製剤に使用しうる。
【0032】
局所用組成物
本発明で使用する二液型発泡体に含有することが好ましいアルコールは、有効成分(群)の皮膚への浸透を高める。二液型発泡体は油類を皮膚に送達し、これによって、アルコールを含有する局所用組成物に伴う皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚の障壁特性を回復させる。
【0033】
局所施用は、クリームまたはゲル製剤の形態でのNSAIDSまたは抗座瘡組成物などの薬物の送達、または経皮薬物送達デバイス経由、またはクリームまたはゲル製剤の形態でのニコチン、エストラジオール、ニトログリセリン、テストステロン、スコポラミンなどの薬物の送達を含んでもよい。別の局所施用は、カフェインなどの有効成分で製剤された抗セリュライトクリームなどの薬用化粧品製品の皮膚への送達を含む。有効成分の性能は、アルコールのスキンエンハンサー効果によって促進される。
【0034】
手消毒剤
本発明の安定な懸濁液を用いて製剤された手消毒剤は、組成物に含有される高レベルのアルコールによる殺菌特性を有する。アルコールと油とを同一の生成物に組み合わせることによって、既存の高アルコール消毒剤組成物の欠点である皮膚の乾燥を回避する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下の実施例を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【0036】
2液性発泡体の調製
2液性発泡体の水性相を適切な容器に充填する。スイープ攪拌器または軌道混合器で攪拌しながら油相を一定の速度で追加した。油の追加完了後、油滴が安定するか、所望のサイズに達するまで攪拌を継続した。
【0037】
分散体の調製
別の容器で、複数の水性ゲル相成分を組み合わせて水性ゲルを作成した。二液型発泡体と水性ゲルとを低せん断攪拌下で混ぜ合わせ、均質の生成物を作成した。
【0038】
実施例1
%(w/w)
油相
鉱油 90.0
水性相
水添ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(60)付加物 1.0
エタノール 7.0
2.0
100.0
連続極性相のエタノール%=〜78%
界面活性剤%=1
安定性 − 20か月
【0039】
実施例2
%(w/w)
油相
イソステアリン酸イソプロピル(IPIS) 34.67
イソエイコサン(ペルメチル102a) 43.86
イソクタヘキサコンタン(ペルメチル104a) 10.97
水性相
水添ひまし油/
ポリオキシエチレングリコール(25)付加物 0.50
水 2.60
エタノール 7.00
ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル
(オレス20) 0.40
100.0
連続極性相のエタノール%=〜73%
界面活性剤%=0.9
安定性 − 20か月
【0040】
実施例3
%(w/w)
油相
ジメチコーンポリジメチルシロキサン
(ダウコーニング200/350cs) 8.06
ジメチコーンポリジメチルシロキサン
(ダウコーニング200/5cs) 32.34
ジメチコーンポリジメチルシロキサン
(ダウコーニング200/20cs) 24.30
ジメチコーンポリジメチルシロキサン
(ダウコーニング200/30,300cs) 24.30
ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(25)付加物 0.50
ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(15)付加物 0.50
水性相
水 2.50
エタノール 7.50
100.0
連続極性相のエタノール%=75%
界面活性剤%=1
安定性 − 24か月
【0041】
実施例4
%(w/w)
油相
オクタメチルシクロペンタシロキサンおよび
オルガノポリシロキサン(グランシルGCM) 48.6
ジメチコーンおよびオルガノポリシロキサン
(グランシルTMG) 22.5
ジメチコーンポリジメチルシロキサン
(ダウコーニング200/50cs) 0.9
イソノナン酸セテアリル 9.0
アイソパーK 9.0
水性相
エタノール 7.0
水 2.0
水添ひまし油/
ポリオキシエチレングリコール(25)付加物 1.0
100.0
連続極性相のエタノール%=〜78%
界面活性剤%=1.0
安定性 − 5か月超
【0042】
実施例5
%(w/w)
油相
イソステアリン酸イソプロピル(IPIS) 18.56
イソエイコサン(ペルメチル102a) 23.76
イソオクタヘキサコンタン(ペルメチル104a) 5.94
オクタメチルシクロテトラ−シロキサンおよび
ジメチコノール(ダウコーニング1401) 11.14
デカメチルシクロペンタ−シロキサン
(ダウコーニング245) 11.14
ジメチコーンポリジメチルシロキサン
(ダウコーニング200/100cs) 18.56
水添ひまし油/
ポリオキシエチレングリコール(25)付加物 0.50
ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(25)付加物 0.50
水性相
エタノール 7.50
2.50
100.00
連続極性相のエタノール%=75%
界面活性剤%=1.0
安定性 − 24か月
【0043】
実施例6
%(w/w)
油相
イソノナン酸セテアリル 19.230
イソエイコサン(ペルメチル102a) 23.560
オクタメチルシクロテトラ−シロキサン
(ダウコーニング1401) 11.050
デカメチルシクロペンタ−シロキサン
(ダウコーニング245) 11.050
イソオクタヘキサコンタン(ペルメチル104a) 5.890
ジメチコーンポリジメチルシロキサン
(ダウコーニング200/100cs) 19.220
水性相
エタノール 7.000
水 2.000
水添ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(25)付加物 0.625
ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(25)付加物 0.375
100.00
連続極性相のエタノール%=78%
界面活性剤%=1.0
安定性 − 1か月超
【0044】
実施例7
%(w/w)
油相
イソステアリン酸イソプロピル(IPIS) 90.0
水性相
水添ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(60)付加物 1.0
エタノール 7.0
2.0
100.0
連続極性相のエタノール%=78%
界面活性剤%=1
安定性 − 20か月超
【0045】
実施例8
%(w/w)
油相
ジメチコーンポリジメチル−
シロキサン(ダウコーニング200/350) 8.06
ジメチコーンポリジメチル−
シロキサン(ダウコーニング200/5) 32.34
ジメチコーンポリジメチル−
シロキサン(ダウコーニング200/20) 24.30
ジメチコーンポリジメチル−
シロキサン(ダウコーニング200/30000)24.30
水添ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(60)付加物 1.00
水性相
エタノール 8.00
2.00
100.00
連続極性相のエタノール%=80%
界面活性剤%=1
安定性 − 20か月
【0046】
実施例9
%(w/w)
油相
鉱油 90.0
水性相
クロードメット(Crodmet)50
スペシャル 1.0
エタノール 7.0
2.0
100.0
連続極性相のエタノール%=77.8%
界面活性剤%=1
安定性 − >2か月
【0047】
実施例10
%(w/w)
油相
鉱油 89.1
オレイン酸 0.9
水性相
クロードメット(Crodmet)50スペシャル 0.2
エタノール 7.0
2.8
100.0
連続極性相のエタノール%=71.4%
界面活性剤%=0.2
界面活性剤+オレイン酸%=1.1
安定性 − >2か月
【0048】
実施例11
%(w/w)
油相
鉱油 90.0
水性相
クロードメット(Crodmet)50スペシャル 0.2
エタノール 7.0
2.8
100.0
連続極性相のエタノール%=71.4%
界面活性剤%=0.2
安定性 − >3週間
【0049】
実施例12
%(w/w)
油相
鉱油 90.0
水性相
クロードメット(Crodmet)50スペシャ 0.1
エタノール 7.0
2.9
100.0
連続極性相のエタノール%=70.7%
界面活性剤%=0.1%
安定性 − >2週間
【0050】
実施例13
%(w/w)
油相
鉱油 90.00
水性相
クロードメット(Crodmet)50スペシャル 0.05
エタノール 7.00
2.95
100.00
連続極性相のエタノール%=70.35%
界面活性剤%=0.05
安定性 − >2週間
【0051】
実施例14
%(w/w)
油相
テゴプレン(Tegopren)6814 90.0
水性相
クロードメット(Crodmet)50スペシャル 1.0
プロピレングリコール 8.1
0.9
100.0
連続極性相のプロピレングリコール%=90%
界面活性剤%=1
安定性 − >6週間
【0052】
実施例15
%(w/w)
油相
テゴプレン(Tegopren)6814 89.1
オレイン酸 0.9
水性相
クロードメット(Crodmet)50スペシャル 0.2
プロピレングリコール 8.8
1.0
100.0
連続極性相のプロピレングリコール%=89.8%
界面活性剤%=0.2
オレイン酸を含む界面活性剤%=1.1
安定性 − >6週間
【0053】
実施例16
%(w/w)
油相
鉱油 89.1
オレイン酸 0.9
水性相
プロタケム(Protachem)CAH−25 0.2
エタノール 7.0
2.8
100.0
連続極性相のエタノール%=71.4%
界面活性剤%=0.2
オレイン酸を含む界面活性剤%=1.1
安定性 − >5週間
【0054】
実施例17
%(w/w)
油相
大豆油 89.0
水添ひまし油/
ポリオキシエチレングリコール(40)付加物 1.0
水性相
プロピレングリコール 9.5
0.5
100.0
連続極性相のプロピレングリコール%=95%
界面活性剤%=1
安定性 − 3か月
【0055】
実施例18
%(w/w)
油相
大豆油 77.27
水性相
ポリオキシエチレングリコール(PEG 6) 20.46
クロードメット(Crodmet)50スペシャル 2.27
100.00
連続極性相のPEG 6%=100%
界面活性剤%=2.27
安定性 − 4週間
【0056】
実施例19
%(w/w)
油相
ワグリノール(Waglinol)3/9280 89.0
水添ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(40)付加物 1.0
水性相
プロピレングリコール 9.5
0.5
100.0
連続極性相のプロピレングリコール%=95%
界面活性剤%=1.0
安定性 − >3か月
【0057】
実施例20
%(w/w)
油相
ワグリノール(Waglinol)3/9280 89.0
ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(40)付加物 1.0
水性相
プロピレングリコール 9.5
0.5
100.0
連続極性相のプロピレングリコール%=95%
界面活性剤%=1.0
安定性 − >3か月
【0058】
実施例21
%(w/w)
油相
大豆油 89.0
ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(35)付加物 1.0
水性相
プロピレングリコール 9.0
1.0
100.0
連続極性相のプロピレングリコール%=90%
界面活性剤%=1.0
安定性 − >3か月
【0059】
実施例22〜26
ゲル化製剤
実施例22〜26は、二液型発泡体のゲル化に使用できる重合体が広範囲に存在することを示す。これら重合体系は、さまざまなエタノール濃度で調製できる。したがって、最終製剤におけるエタノールの濃度も変わりうる。高せん断ロータステータミキサ(シルバーソン社)を使用してあらゆる重合体を水/エタノール混合物中に分散させ、中和剤を適宜加えて重合体ゲルを形成した。二液型発泡体の調製は、上記のように行った。すべての成分を室温で混ぜ合わせた。
【0060】
実施例22
パートA:二液型発泡体の調製
%(w/w)
油相
イソステアリン酸イソプロピル(IPIS) 34.17
イソエイコサン(ペルメチル102a) 43.86
イソオクタヘキサコンタン(ペルメチル104a) 10.97
水性相
水添ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(25)付加物 0.50
水 3.60
エタノール 6.00
ポリオキシエチレン(20)
オレイルエーテル(オレス20) 0.40
100.00
【0061】
パートB:二液型発泡体の調製
%(w/w)
油相
DC200/350 8.06
DC200/5 32.34
DC200/20 24.30
DC200/30,300 24.30
水性相
ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(25)付加物 0.50
ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(15)付加物 0.50
水 4.00
エタノール 6.00
100.00
【0062】
パートC:ゲル化製剤の調製
%(w/w)
クルーセルHF 0.30
ルブラジェル(Lubrajel)DV 15.00
エタノール 50.00
水 22.70
パートAの二液型発泡体 6.50
パートBの二液型発泡体 5.50
100.00
水性相のエタノール%=68
【0063】
実施例23
%(w/w)
TEAで中和したカルボマー980 0.60
エタノール 49.90
水 32.66
実施例5の二液型発泡体 16.84
100.00
【0064】
実施例24
%(w/w)
ヒドロキシエチルセルロース 0.30
TEAで中和したカルボマー980 0.45
エタノール 49.00
水 20.25
実施例1の二液型発泡体 30.00
100.00
【0065】
実施例25
%(w/w)
実施例6の二液型発泡体 16.68
カルボマー980TEA 1.20
セピゲル 0.50
エタノール 57.16
24.26
100.00
【0066】
実施例26
パートA:−二液型発泡体の調製
%(w/w)
油相
イソステアリン酸イソプロピル 53.46
スクアラン 35.64
ラウレス4 0.90
水性相
水中SLES(ラウリルエーテル硫酸ナトリウム) 10.00
100.00
【0067】
パートB:−ゲル化製剤
%(w/w)
水 0.79
トリクロサン 0.10
エタノール 70.00
2%カルボマー980(AMP 95で中和) 20.00
乳白剤 1.00
セピゲル 2.50
パートAの二液型発泡体 5.61
100.00
水性相のエタノール%=77%
【0068】
薬物製剤
以下に示す二液型発泡体から実施例27および28を調製した。両ケースにおいて、有効成分をゲル相に製剤した。高せん断ロータスタータミキサ(シルバーソン社)を用いて、カルボマーを水/エタノール混合物中に分散させた。次に、カルボマーが十分に分散したところで薬物を上記混合物に加え、20%のトリエチルアミン(TEA)の水溶液を加えて、pH7の透明な粘性ゲルが得た。半粘性の白色ゲルを得るまで、二液型発泡体(実施例4)を室温で重合体ゲルと混合した。
【0069】
実施例27
二液型発泡体Aの調製
%(w/w)
油相
グランシルGCM 48.60
グランシルDMG 22.50
DC200(50 cs) 0.90
イソノナン酸セテアリル 9.00
アイソパーK 9.00
水性相
エタノール 5.67
水 2.43
水添ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(25)付加物 0.90
100.00
ゲル化製剤の調製
組成物 %(w/w)
二液型発泡体A 30.000
カフェイン 3.080
1%ナトラゾル 0.238
1%カルボマー 0.154
ブチレングリコール 2.800
ケーソンCG(0.4%) 2.800
ヒアルロン酸塩ナトリウム(1%) 2.800
水 29.064
エタノール 29.064
計 100.000
【0070】
実施例28
二液型発泡体Bの調製
%(w/w)
油相
鉱油 90.00
水性相
エタノール 7.07
水 2.13
水添ひまし油/ポリオキシエチレン
グリコール(25)付加物 0.80
100.00
ゲル化製剤の調製
組成物 %(w/w)
二液型発泡体B 30.000
水 18.4769
エタノール 42.0400
イブプロフェン 9.3200
アリストフレックスAVC 0.1625
ヨーキシル(Euxyl)K400 0.0006
計 100.0000
【0071】
実施例の脚注
すべてのケースで以下を使用した。
水 − 脱イオン水。
エタノール − DEB 100。
アイソパーK − C13〜C15イソパラフィン。
クルーセルHF − ヒドロキシプロピルセルロース。
ルブラゲル(Lubragel)DV − ポリメタクリレートプロピレングリコール。
セピゲル − ポリアクリルアミド/C13−C14イソパラフィンラウレス−7。
ナトロソル250HHR − ヒドロキシエチルセルロース。
ケーソンCG − メチルクロロイソチオゾラノンおよびメチルイソチアゾリノン。
クローダメット(Crodamet)50スペシャル − 水添ひまし油/ポリエチレングリコール(40−50)付加物(クローダ・ケミカルズ社(Croda Chemicals Limited)供給)。
TEA − トリエタノールアミン。
カルボマー980 − 塩基で中和する際にシックナーとして使用したポリアクリル酸。
ワグリノール(Waglinol)3/9280 − カプリル−カプリントリグリセリド(CCT)。
プロタケム(Protachem)CAH − 25−プロタミーン・ケミカルズ社(Protameen Chemicals Inc.)供給の水添ひまし油/ポリエチレングリコール(25)付加物。
PEG 6 − PEG 300としても公知のポリオキシエチレングリコール(6)。
テゴプレン(Tegopren)6814 − Th.ゴールドシュミットAG供給のアルキルポリジメチルシロキサン。
AMP−95 − 5%の水を含有する2−アミノ−メチルl−1−プロパノール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料以外の非極性液体を10%〜98重量%および連続相極性液体を2〜88重量%含み、連続相がC〜Cアルコール、液体ポリエチレングリコール、エチレングリコール、またはプロピレングリコール、あるいはこれらの混合物を連続相の重量に対して少なくとも65重量%含む2液性発泡体であって、20〜50のアルコキシ基を含有するひまし油/ポリ(アルキレングリコール)付加物、C〜C24脂肪酸、または20〜60のアルコキシ基を含有する水添ひまし油/ポリ(アルキレングリコール)付加物、あるいはこれらの混合物から選択された、製剤全体に対する割合で0.05〜2重量%を占める界面活性剤によって安定化される2液性発泡体。
【請求項2】
請求項1に記載の二液型発泡体であって、界面活性剤の量が製剤全体に対する割合で約1重量%である二液型発泡体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の二液型発泡体であって、界面活性剤が40〜60のエトキシ基を含有する水添ひまし油/ポリエチレングリコール付加物である二液型発泡体。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の二液型発泡体であって、界面活性剤が25〜45のエトキシ基を含有する水添ひまし油/ポリ(アルキレングリコール)付加物である二液型発泡体。
【請求項5】
先行請求項のいずれか1項に記載の二液型発泡体であって、極性液体が水性であり、極性液体がC〜Cアルコール、液体ポリエチレングリコール、エチレングリコール、またはプロピレングリコール、あるいはこれらの混合物を70〜99重量%含む二液型発泡体。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の二液型発泡体であって、非極性液体が鉱油、シロキサン、エモリエントエステル、グリセリド、ラノリン油、天然油、オレイルアルコール、イソエイコサン、またはイソオクタヘキサコンタン、あるいはこれらの混合物を含む二液型発泡体。
【請求項7】
請求項6に記載の二液型発泡体であって、シロキサンがジメチコーン、シクロメチコーン、ジメチコノール、ジメチコーンコポリオール、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロ−ペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、あるいはこれらの混合物を含む二液型発泡体。
【請求項8】
請求項8に記載の二液型発泡体であって、エモリエントエステルがイソステアリン酸、ラノリン脂肪酸、ミリスチン酸、またはパルミチン酸イソプロピル、またはパルミチン酸オクチル、あるいはこれらの混合物である二液型発泡体。
【請求項9】
〜Cアルコール、液体ポリエチレングリコール、エチレングリコール、またはプロピレングリコール、あるいはこれらの混合物の含有量が少なくとも65重量%である安定な分散体であって、先行請求項のいずれか1項に記載の二液型発泡体を1〜80重量%および水性ゲルを99〜20重量%含有する分散体。
【請求項10】
請求項9に記載の安定な分散体であって、その50〜99重量%を水性ゲルが構成する分散体。
【請求項11】
請求項9に記載の安定な分散体であって、水性ゲルが水中に懸濁したコロイド状重合体またはガムを含む分散体。
【請求項12】
請求項9〜11の何れか1項に記載の安定な分散体であって、その中に少なくとも1つの医薬または化粧品用化合物を含む分散体。
【請求項13】
請求項1〜8の何れか1項に記載の二液型発泡体を1〜80重量%および水性ゲルを99〜20重量%含む安定な分散体を調製するプロセスであって、二液型発泡体と水性ゲルとを混ぜ合わせるプロセス。
【請求項14】
請求項13に記載のプロセスであって、安定な分散体が医薬品用化合物をさらに含むプロセス。
【請求項15】
請求項14に記載のプロセスであって、安定な分散体が皮膚への塗布用の局所用形態であり、非ステロイド系消炎薬、抗座瘡化合物、抗ウイルスまたは抗菌化合物を含有するプロセス。
【請求項16】
請求項15に記載のプロセスであって、安定な分散体が経皮送達デバイスの形態、またはクリームまたはゲル製剤の形態であり、ニコチン、エストラジオール、ニトログリセリン、テストステロン、またはスコポラミンを有効成分として含有するプロセス。
【請求項17】
請求項13に記載のプロセスであって、安定な分散体が化粧品用化合物をさらに含むプロセス。
【請求項18】
請求項17に記載のプロセスであって、安定な分散体が抗セリュライトクリームまたはアフターシェーブローションであるプロセス。
【請求項19】
請求項13に記載のプロセスであって、安定な分散体が殺菌性化合物をさらに含むプロセス。

【公表番号】特表2007−500180(P2007−500180A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521670(P2006−521670)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003318
【国際公開番号】WO2005/011643
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(506029037)ドラッグ デリバリー ソリューションズ リミテッド (6)
【Fターム(参考)】