説明

二重化されたインタフェースカードへのファームウェア自動更新方法及びその方法を備えた通信システム

【課題】インタフェースカードを挿入するだけで、最新版ファームウェアを自動的にダウンロード可能な通信システムを提供する。
【解決手段】ファームウェアを運用系および予備系の二重化で格納するインタフェースカード8a〜8k、インタフェースカード8a〜8kの挿入を検出して、最新(版)ファームウェアSFWをインタフェースカード8a〜8kの運用系および予備系にダウンロード処理を実行する監視制御用インタフェース5、制御手段6およびファームウェア記憶手段7を有するアクセスノード終端装置3a〜3nを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファームウェアをダウンロードして運用する通信システムに係り、特にファームウェアを格納する運用系および予備系を有するカードを挿入し、カードの運用系および予備系に最新版ファームウェアを自動的にダウンロードし、継続して通信の運用が可能な通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通信システムにおいて、加入者宅に設置されたアクセスノードを管理して制御するアクセスノード終端装置に挿入したインタフェースカードに格納したファームウェア版数は、アクセスノード終端装置で管理されているものが知られている。
【0003】
インタフェースカードには、アクセスノードを運用する運用系のファームウェアのみが格納されている。なお、アクセスノード終端装置は、遠隔地の多地点に配置されているケースが多い。
【0004】
また、従来のファームウェア自動ダウンロードシステムは、交換されたモジュールと、モジュールのファームウェアにソフトウェアをダウンロードする機能を有するコントローラと、装置で稼働している版数のソフトウェアを記憶するメモリと、装置の保守を行う保守パソコンとを備え、交換されたモジュールに付属したファームウェアの版数がメモリに記憶された版数と一致しない場合には、コントローラがメモリに記憶されている装置で稼働している版数のソフトウェアをモジュールのファームウェアにダウンロードするように構成されているものが特許文献1に開示されている。
【0005】
これにより、従来のファームウェア自動ダウンロードシステムは、新しく交換されたモジュール内ファームウェアの版数を装置が稼働している版のソフトウェアに速やかに交換することができ、オペレータがわざわざ装置で稼働しているファームウェアをモジュールにダウンロードする手間を省くことができる。
【0006】
【特許文献1】特開2005−71402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の通信システムは、インタフェースカードのファームウェア版数と、アクセスノード終端装置で管理しているファームウェア版数が一致しない場合、ユーザがGUI(グラフィック・ユーザ・インタフェース)上で版数を確認して、ダウンロード手順を踏まなければならない。
【0008】
従って、アクセスノード終端装置が遠隔地に多数設置されている場合には、ユーザがファームウェアをダウンロードする工数が膨大なものになる課題がある。
【0009】
なお、ダウンロードする必要があるインタフェースカードへのダウンロード漏れが発生する虞もある。
【0010】
また、特許文献1に開示された従来のファームウェア自動ダウンロードシステムは、交換されたモジュールのファームウェアが一面(運用系に相当)のみを使用する場合に適用されているため、稼働中の装置に交換されたモジュールを装着して、装置を継続して稼動することができない課題がある。
【0011】
さらに、装置が稼働中にモジュールのファームウェアに異常が発生した場合には、装置の稼働を中断しなければならない課題もある。
【0012】
この発明はこのような課題を解決するためになされたもので、第1の目的はインタフェースカードを挿入するだけで、最新版ファームウェアを自動的にダウンロード可能な通信システムを提供することにある。
【0013】
また、第2の目的はインタフェースカードの運用系に異常が発生しても、予備系を運用系に切り替え、予備系を運用系として、システムを継続して運用可能な通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
課題を解決するため通信システムは、センタに設置された監視制御システムと、遠隔地に設置された複数のアクセスノード終端装置と、アクセスノード終端装置と監視制御システムを接続する監視制御網と、アクセスノード終端装置がそれぞれ複数の加入者宅に設置されたアクセスノードを収容して、監視制御システム、アクセスノード終端装置およびアクセスノードをケーブルで接続し、ファームウェアの自動ダウンロードを実行する通信システムにおいて、アクセスノード終端装置は、ファームウェアを運用系および予備系の二重化で格納するノードインタフェースカードと、ノードインタフェースカードの挿入を検出して、最新版ファームウェアをノードインタフェースカードの運用系および予備系にダウンロード処理を実行する監視制御用インタフェースと、監視制御システムから提供される最新版ファームウェアを記憶するファームウェア記憶手段と、装置内の動作を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
通信システムのアクセスノード終端装置は、ファームウェアを運用系および予備系の二重化で格納するノードインタフェースカードと、ノードインタフェースカードの挿入を検出して、最新版ファームウェアをノードインタフェースカードの運用系および予備系にダウンロード処理を実行する監視制御用インタフェースと、監視制御システムから提供される最新版ファームウェアを記憶するファームウェア記憶手段と、装置内の動作を制御する制御手段とを備えたので、インタフェースカードを挿入すると、監視制御用インタフェースの制御により、インタフェースカードの運用系および予備系に格納されているファームウェアと最新(版)ファームウェアを比較し、ファイル版数が異なる場合には、運用系および予備系に最新(版)ファームウェアを自動的にダウンロードすることができる。
【0016】
また、ノードインタフェースカードは、運用系に異常が発生した場合、運用系を予備系に切り替え、予備系を運用系とし、継続して運用することを特徴とする。
【0017】
ノードインタフェースカードは、運用系に異常が発生した場合、運用系を予備系に切り替え、予備系を運用系とし、継続して運用するので、ファームウェアの異常に対してファームウェアを二重化して、通信サービスを保証することができる。
【0018】
さらに、監視制御用インタフェースは、監視制御システムからの最新版ファームウェアの受信、ファームウェアのチェック、最新版ファームウェアのノードインタフェースカードへの自動ダウンロードを処理する運用系カードおよび予備系カードの監視制御カードを備えたことを特徴とする。
【0019】
監視制御用インタフェースは、監視制御システムからの最新版ファームウェアの受信、ファームウェアのチェック、最新版ファームウェアのノードインタフェースカードへの自動ダウンロードを処理する運用系カードおよび予備系カードの監視制御カードを備えたので、最新(版)ファームウェアの二重化管理ならびにインタフェースカードへの自動ダウンロードの二重化制御を実行することができる。
【0020】
また、運用系カードおよび予備系カードは、それぞれソフトおよびハードに対応した二重化で格納することを特徴とする。
【0021】
運用系カードおよび予備系カードは、それぞれソフトおよびハードに対応した二重化で格納するので、予備系に最新(版)ファームウェアを格納することができる。
【0022】
さらに、監視制御カードは、運用系カードのソフトまたはハードに異常が発生した場合、運用系カードを予備系カードに切り替え、予備系カードを運用系カードとし、継続して運用することを特徴とする。
【0023】
監視制御カードは、運用系カードのソフトまたはハードに異常が発生した場合、運用系カードを予備系カードに切り替え、予備系カードを運用系カードとし、継続して運用するので、ソフト対応およびハード対応のいずれか一方または双方に異常が発生しても、通信サービスを中断することなく、継続して通信サービスを提供することができる。
【0024】
また、ノードインタフェースカードへのファームウェアのダウンロード方法は、アクセスノード終端装置に、二重化されたノードインタフェースカードを挿入することでノードインタフェースカードの運用系及び、予備系のファームウェアをダウンロードする方法であって、ノードインタフェースカードの挿入を検出する第一のステップと、ノードインタフェースカードの運用系に格納されたファームウェアとアクセスノード終端装置に格納されている最新版ファームウェアを比較する第二のステップと、第二のステップで最新版ファームウェアが一致しないと判断した場合ノードインタフェースカードの予備系のファームウェアと最新版ファームウェアが一致するか否かを判定する第三のステップと、第三のステップで、最新版のファームウェアが一致しないと判断した場合には、最新版ファームウェアをノードインタフェースカードの予備系にダウンロードする第四のステップと、第四のステップでノードインタフェースカードの予備系にダウンロードしたファームウェアで、起動を指示する第五のステップと、第四のステップでノードインタフェースカードの予備系にダウンロードしたファームウェアを起動ファイルとして確定させノードインタフェースカードの運用系と予備系を切替える第六のステップと、ノードインタフェースカードの予備系に格納されたファームウェアとアクセスノード終端装置に格納されている最新版ファームウェアを比較する第七のステップと、第七のステップで、最新版のファームウェアが一致しないと判断した場合には、最新版ファームウェアをノードインタフェースカードの予備系にダウンロードする第八のステップとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
通信システムのアクセスノード終端装置は、ファームウェアを運用系および予備系の二重化で格納するノードインタフェースカードと、ノードインタフェースカードの挿入を検出して、最新版ファームウェアをノードインタフェースカードの運用系および予備系にダウンロード処理を実行する監視制御用インタフェースと、監視制御システムから提供される最新版ファームウェアを記憶するファームウェア記憶手段と、装置内の動作を制御する制御手段とを備えたので、インタフェースカードを挿入すると、監視制御用インタフェースの制御により、インタフェースカードの運用系および予備系に格納されているファームウェアと最新(版)ファームウェアを比較し、ファイル版数が異なる場合には、運用系および予備系に最新(版)ファームウェアを自動的にダウンロードすることができ、ファームウェアのダウンロードの手間を省いて利便性の向上をアピールすることができる。
【0026】
また、ノードインタフェースカードは、運用系に異常が発生した場合、運用系を予備系に切り替え、予備系を運用系とし、継続して運用するので、ファームウェアの異常に対してファームウェアを二重化して、通信サービスを保証することができ、通信サービスの信頼性を高めることができる。
【0027】
さらに、監視制御用インタフェースは、監視制御システムからの最新版ファームウェアの受信、ファームウェアのチェック、最新版ファームウェアのノードインタフェースカードへの自動ダウンロードを処理する運用系カードおよび予備系カードの監視制御カードを備えたので、最新(版)ファームウェアの二重化管理ならびにインタフェースカードへの自動ダウンロードの二重化制御を実行することができ、システムの信頼性の向上を図ることができる。
【0028】
また、運用系カードおよび予備系カードは、それぞれソフトおよびハードに対応した二重化で格納するので、予備系に最新(版)ファームウェアを格納することができ、最新(版)ファームウェアで通信サービスを提供する準備をすることができる。
【0029】
さらに、監視制御カードは、運用系カードのソフトまたはハードに異常が発生した場合、運用系カードを予備系カードに切り替え、予備系カードを運用系カードとし、継続して運用するので、ソフト対応およびハード対応のいずれか一方または双方に異常が発生しても、通信サービスを中断することなく、継続して通信サービスを提供することができ、信頼性の高いシステムを構築することができる。
【0030】
また、ノードインタフェースカードへのファームウェアのダウンロード方法は、アクセスノード終端装置に、二重化されたノードインタフェースカードを挿入することでノードインタフェースカードの運用系及び、予備系のファームウェアをダウンロードする方法であって、ノードインタフェースカードの挿入を検出する第一のステップと、ノードインタフェースカードの運用系に格納されたファームウェアとアクセスノード終端装置に格納されている最新版ファームウェアを比較する第二のステップと、第二のステップで最新版ファームウェアが一致しないと判断した場合ノードインタフェースカードの予備系のファームウェアと最新版ファームウェアが一致するか否かを判定する第三のステップと、第三のステップで、最新版のファームウェアが一致しないと判断した場合には、最新版ファームウェアをノードインタフェースカードの予備系にダウンロードする第四のステップと、第四のステップでノードインタフェースカードの予備系にダウンロードしたファームウェアで、起動を指示する第五のステップと、第四のステップでノードインタフェースカードの予備系にダウンロードしたファームウェアを起動ファイルとして確定させノードインタフェースカードの運用系と予備系を切替える第六のステップと、ノードインタフェースカードの予備系に格納されたファームウェアとアクセスノード終端装置に格納されている最新版ファームウェアを比較する第七のステップと、第七のステップで、最新版のファームウェアが一致しないと判断した場合には、最新版ファームウェアをノードインタフェースカードの予備系にダウンロードする第八のステップと、備えたことにより、ファイル版数が異なる場合には、運用系および予備系に最新(版)ファームウェアを自動的にダウンロードすることができ、ファームウェアのダウンロードの手間を省いて利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、ここでは、実施例として通信システムとして光アクセスシステムに適用について説明する。図1は光アクセスシステムのシステム構成を説明するブロック図である。なお、図1では、システム内のファームウェアの伝送について説明し、データ、ビデオ信号および音声信号の通信については省略する。
【0032】
図1において、光アクセスシステム1は、センタに設置される制御監視システム2と、遠隔地の複数の拠点に設置されるアクセスノード終端装置3a〜3nと、制御監視システム2およびアクセスノード終端装置3a〜3nが接続される監視制御網NTと、アクセスノード終端装置3aにカプラCOを介して収容される複数のアクセスノード4とから構築されている。なお、複数のアクセスノード4は、それぞれ加入者宅に設置され、データ、ビデオならびに音声などの宅内通信機器が接続されている。
【0033】
また、制御監視システム2、アクセスノード終端装置3a〜3n、複数のアクセスノード4は、それぞれ光ケーブルLCを介して接続されている。
【0034】
なお、アクセスノード終端装置3b〜3nにも、カプラCOを介してそれぞれ複数のアクセスノード4が収容されている。
【0035】
制御監視システム2は、センタの管理者が画面を見ながら操作することにより、アクセスノード終端装置3a〜3nに対して最新(版)ファームウェアSFWのダウンロード、アクティベーションおよびコミットの指示を送信し、アクセスノード終端装置3a〜3nが管轄している全てのアクセスノード4の状況を画面上で確認して管理する。
【0036】
アクセスノード終端装置3a(3b〜3nも同様)は、ファームウェアを運用系および予備系の二重化で格納するインタフェースカード8a〜8kと、インタフェースカード8a〜8kの挿入を検出して、最新(版)ファームウェアSFWをインタフェースカード8a〜8kの運用系および予備系にダウンロード処理を実行する監視制御用インタフェース5と、制御監視システム2から提供される最新(版)ファームウェアSFWを記憶するファームウェア記憶手段7と、装置内の動作を制御する制御手段6を備え、制御監視システム2から提供される最新(版)ファームウェアSFWをファームウェア記憶手段7に格納し、インタフェースカード8a〜8kが挿入されると、インタフェースカード8a〜8k内のファームウェアFWとファームウェア記憶手段7に格納された最新(版)ファームウェアSFWを比較して、最新(版)ファームウェアSFWをインタフェースカード8a〜8kに自動的にダウンロードする。
【0037】
また、インタフェースカード8a〜8kは、最新(版)ファームウェアSFWがダウンロードされると、最新(版)ファームウェアSFWを管轄している全てのアクセスノード4にダウンロードする。
【0038】
図2はインタフェースカードのブロック図である。図2において、インタフェースカード8a(8b〜8k)は、着脱可能なカードで構成し、制御バスBU1に接続された記憶部9、インタフェースカード制御部10およびインタフェースカード通信ユニット11を備える。
【0039】
記憶部9は、書換え可能なフラッシュメモリ(F−ROM)で構成し、運用系のファームウェアFWを格納する記憶領域である運用系9αおよび予備系のファームウェアFWを格納する記憶領域である予備系9βを備え、運用系9αと予備系9βのファームウェアの二重化を形成する。
【0040】
インタフェースカード制御部10は、マイクロプロセッサを基本に構成し、インタフェースカード8aが挿入された場合には、挿入された旨の情報を監視制御用インタフェース5(監視制御カード(運用系))に通知する制御を実行する。
【0041】
また、インタフェースカード制御部10は、運用系9αに格納されているファームウェアFWおよび予備系9βに格納されているファームウェアFWを監視制御用インタフェース5(監視制御カード(運用系))に提供する制御を実行する。
【0042】
さらに、インタフェースカード制御部10は、監視制御用インタフェース5(監視制御カード(運用系))から最新(版)ファームウェアSFWがダウンロード処理されると、最新(版)ファームウェアSFWを運用系9αおよび予備系9βに格納する制御を実行する。
【0043】
また、インタフェースカード制御部10は、運用系9αの状態を監視し、運用系9αに異常が発生した場合には、運用系9αの異常発生を監視制御用インタフェース5(監視制御カード(運用系))に通知し、監視制御用インタフェース5(監視制御カード(運用系))からの切替指示を受けて運用系9αから予備系9βに切り替え、予備系9βを運用系として運用する制御を実行する。
【0044】
インタフェースカード通信ユニット11は、最新(版)ファームウェアSFWをアクセスノード4に送信する。
【0045】
また、インタフェースカード通信ユニット11は、インタフェースカード制御部10で制御された情報を監視制御用インタフェース5(監視制御カード(運用系))に送信し、監視制御用インタフェース5(監視制御カード(運用系))からの情報を受信する通信動作を実行する。
【0046】
インタフェースカード8a(8b〜8k)を挿入するだけで、最新(版)ファームウェアSFWを自動的にダウンロードすることができるので、システムの運用開始(初期状態)に、インタフェースカード8a〜8kへの最新(版)ファームウェアSFWのダウンロード作業を単純化するとともに、インタフェースカード8a〜8kのダウンロード漏れを防止することができる。
【0047】
また、運用系9αに異常が発生しても、運用系9αと予備系9βを切り替え、予備系9βを運用系にし、継続して運用することができるので、通信サービスの信頼性を高めることができる。
【0048】
このように、インタフェースカード8aは、運用系9αに異常が発生した場合、運用系9αを予備系9βに切り替え、予備系9βを運用系とし、継続して運用するので、ファームウェアの異常に対してファームウェアを二重化して、通信サービスを保証することができ、通信サービスの信頼性を高めることができる。
【0049】
図3は監視制御用インタフェースのブロック図である。図3において、監視制御用インタフェース5は、着脱可能な2枚(二重化)のカードである監視制御カード(運用系)5aおよび監視制御カード(予備系)5bで構成する。
【0050】
監視制御カード(運用系)5aは、制御バスBUaで接続されたソフト運用系12αおよびハード運用系12βの記憶領域を有する記憶部12、制御カード制御部13およびインタフェース部14を備える。
【0051】
また、監視制御カード(運用系)5aおよび監視制御カード(予備系)5bは、制御監視システム2からの最新(版)ファームウェアSFWの受信、ファームウェアのチェック、最新(版)ファームウェアSFWのノードインタフェースカード8aへの自動ダウンロードの処理を実行する。
【0052】
監視制御カード(運用系)5aの記憶部12は、フラッシュメモリで構成し、運用系のノードインタフェースカード用ファームウェアFWを格納する記憶領域であるソフト運用系12α、運用系の監視制御カードソフトを格納する記憶領域であるハード運用系12β、予備系ファームウェアSFWを格納する記憶領域であるソフト予備系12ψおよび監視制御カードの予備系ソフトを格納する記憶領域であるハード予備系12δを備える。
一方、監視制御カード(予備系)5bの記憶部12は、監視制御カード(運用系)と同一の記憶領域を備える。
【0053】
従って、監視制御カード(運用系)5aおよび監視制御カード(予備系)5bの2枚のカードで、ハードウェアとソフトウェアの両方で二重化を構成する。
【0054】
監視制御カード(運用系)5aの制御カード制御部13は、マイクロプロセッサを基本に構成し、インタフェースカード8aから挿入された旨の情報が提供されると、インタフェースカード8aの運用系9αに格納されているファームウェアFWおよび予備系9βに格納されているファームウェアFWを呼び出し、記憶部12に格納されている最新(版)ファームウェアSFWを呼び出して比較し、ファームウェアFWと最新(版)ファームウェアSFWとが異なる場合には、最新(版)ファームウェアSFWを運用系9αおよび予備系9βにダウンロードする制御(ダウンロード処理)を実行する。
【0055】
一方、運用系9αのファームウェアFWまたは予備系9βのファームウェアFWのいずれか一方または双方が最新(版)ファームウェアSFWと一致する場合には、最新(版)ファームウェアSFWのダウンロード処理を実行しない。
【0056】
また、監視制御カード(予備系)5bの制御カード制御部13は、ソフト運用系12αおよびハード運用系12βで動作中に、制御監視システム2から最新(版)ファームウェアSFWが提供されると、最新(版)ファームウェアSFWを監視制御カード(運用系)5aのソフト予備系およびハード予備系に格納するだけではなく、最新(版)ファームウェアSFWを監視制御カード(予備系)5bのソフト予備系およびハード予備系にダウンロードする制御(ダウンロード処理)を実行する。
【0057】
また、監視制御カード(運用系)5aおよび監視制御カード(予備系)5bの制御カード制御部13は、制御監視システム2からのダウンロード指令、Activation指令およびCommit指令を受信し、受信した指令に基づいてダウンロード処理、Activation処理およびCommit処理を制御する。
【0058】
さらに、監視制御カード(運用系)5aおよび監視制御カード(予備系)5bの制御カード制御部13は、ダウンロード、ソフト異常(エラー)、運用系と予備系の切替えなどの状況を監視制御網NTを介して制御監視システム2に送信する制御を実行する。
【0059】
なお、監視制御カード(運用系)5aおよび監視制御カード(予備系)5bもインタフェースカード8aとどうように、カードを挿入するだけで、最新(版)ファームウェアSFWをダウンロード処理することができる。
インタフェース部14は、最新(版)ファームウェアSFWの送受信、切替情報の送受信、ソフト異常の送受信などの通信動作を実行する。
【0060】
このように、監視制御用インタフェース5は、制御監視システム2からの最新(版)ファームウェアSFWの受信、ファームウェアFWのチェック、最新(版)ファームウェアSFWのインタフェースカード8aへの自動ダウンロードを処理する運用系カードおよび予備系カードの監視制御カード(監視制御カード(運用系)5a、監視制御カード(予備系)5b)を備えたので、最新(版)ファームウェアSFWの二重化管理ならびにインタフェースカード8aへの自動ダウンロードの二重化制御を実行することができ、システムの信頼性の向上を図ることができる。
【0061】
また、運用系カード(監視制御カード(運用系)5a)および予備系カード(監視制御カード(予備系)5b)は、それぞれソフトおよびハードに対応した二重化で格納するので、予備系に最新(版)ファームウェアを格納することができ、最新(版)ファームウェアで通信サービスを提供する準備をすることができる。
【0062】
さらに、監視制御カード(監視制御カード(運用系)5aおよび監視制御カード(予備系)5b)は、運用系カード(監視制御カード(運用系)5a)のソフトまたはハードに異常が発生した場合、運用系カード(監視制御カード(運用系)5a)を予備系カード(監視制御カード(予備系)5b)に切り替え、予備系カード(監視制御カード(予備系)5b)を運用系カードとし、継続して運用するので、ソフト対応およびハード対応のいずれか一方または双方に異常が発生しても、通信サービスを中断することなく、継続して通信サービスを提供することができ、信頼性の高いシステムを構築することができる。
【0063】
図4は光アクセスシステムのファームウェアのダウンロードを説明する図である。ダウンロード機能は、EMS(制御監視システム2)からのコマンド指示および各カード(インタフェースカード8a、監視制御カード(運用系)5a、監視制御カード(予備系)5b)の版数チェック結果によって、CONT指示によりファームウェア・ダウンロード処理を実施する。
【0064】
EMS(制御監視システム2)からのダウンロード要求がある場合、EMSからLM(ロードモジュール)をFTPプロトコルでGetし、CONT(監視制御カード(運用系)5a)内RAM上のバッファに保存する。その全体LMのバージョンとCONTにある全体のLMのバージョンを比較し、ダウンロードするCONT用と各CARD用を決定する。
【0065】
CONT(運用系:監視制御カード(運用系)5a)のファームウェア管理(CONT)は、CONT(運用系)ダウンロード処理、CONT(予備系:監視制御カード(予備系)5b)ダウンロード処理および各CARD(インタフェースカード8a〜8k)ダウンロード処理を実行する。
【0066】
CONT(予備系)のファームウェア管理(CONT)は、CONTダウンロード処理を実行する。
【0067】
各CARD(インタフェースカード8a〜8k)のソフトウェア管理は、CARDダウンロード処理およびONT(アクセスノード4)ダウンロード処理を実行する。
【0068】
図5はカード実装時のダウンロード処理を説明する遷移図である。インタフェースカード8aが「CARD実装」されると、アクセスノード終端装置3aが「CARD実装検出」を行い、「CONT内運用系にある全体LM内の個別LMと、CARD内運用系にあるLMとを比較」する。
【0069】
CONT内運用系のLMとCARD内運用系にあるLMが異なる場合、「CONT内運用系にある全体LM内の個別LMと、CARD内予備系にあるLMとを比較」する。
【0070】
CONT内運用系のLMとCARD内予備系にあるLMが異なる場合、アクセスノード終端装置3aからインタフェースカード8aに「ダウンロードファイル転送(FTP put)」を実行する。アクセスノード終端装置3aからインタフェースカード8aに「ダウンロード指示」を送信すると、インタフェースカード8aからアクセスノード終端装置3aに「ダウンロード完了」が送信される。
【0071】
次に、アクセスノード終端装置3aからインタフェースカード8aに「Activation指示」を送信し、インタフェースカード8aからアクセスノード終端装置3aに「Activation指示応答」が送信され、インタフェースカード8aが「再開指示実行」を行う。
【0072】
続いて、インタフェースカード8aからアクセスノード終端装置3aに「再開完了」を送信し、アクセスノード終端装置3aが「インタフェースカード8aの運用系バージョンチェック」を実行し、バージョンが一致する場合には、アクセスノード終端装置3aからインタフェースカード8aに「Commit指示」を送信し、インタフェースカード8aからアクセスノード終端装置3aに「Commit指示完了」を送信する。
【0073】
このとき、インタフェースカード8aの運用系が運用を開始する。
【0074】
さらに、アクセスノード終端装置3aのCONT予備系からインタフェースカード8aのCARD予備系にダウンロード処理が実行される。
【0075】
次に、ノードインタフェースカードへのファームウェアのダウンロード方法について説明する。図6はアクセスノード終端装置の制御手段が、ノードインタフェースカードへのファームウェアのダウンロードを実施する動作を説明するフロー図である。
【0076】
まず、アクセスノード終端措置3aに、ノードインタフェースカード8K〜8aの何れかが挿入されると、アクセスノード終端装置3aの制御手段6はノードインタフェースカードの挿入を検出する(S1)。
【0077】
アクセスノード終端装置3aの制御手段6は、カードの運用系に格納されたファームウェアのバージョンとアクセスノード終端装置3aのファームウェア記憶手段7に格納されている最新版ファームウェアのバージョンを比較し、一致しない場合には、S3(ステップ3)に進み、一致する場合には、S7に進み次の処理となる(S2)。
【0078】
ここで、カードの運用系に格納されたファームウェアのバージョンとアクセスノード終端装置3aのファームウェア記憶手段7に格納されている最新版のファームウェアのバージョンが一致しない場合、カードの予備系に格納されたファームウェアとアクセスノード終端装置3aのファームウェア記憶手段7に格納されている最新版ファームウェアが一致するか否かを比較する(S3)。
【0079】
カードの予備系に格納されている最新版のファームウェアとアクセスノード終端装置3aのファームウェア記憶手段に格納されている最新版のファームウェアのバージョンが一致する場合には、S5(ステップ5)に進み次の処理となる。
【0080】
カードの予備系に格納されたファームウェアのバージョンとアクセスノード終端装置3aのファームウェア記憶手段7に格納されている最新版ファームウェアのバージョンが一致しない場合には、カードの予備系に対して最新版ファームウェアのダウンロードを行う(S4)。
【0081】
最新版ファームウェアのダウンロードが完了すると、アクセスノード終端装置3aは、カードの予備系にダウンロードした最新版ファームウェアに起動指示「Commit指示」を実施する(S5)。
【0082】
次に、アクセスノード終端装置3aの制御手段6は、カードの予備系にダウンロードしたファームウェアを起動ファイルとして確定させ、運用系として起動していたカードを予備系とする。このように、カードの予備系とカードの運用系が入れ替わる。
【0083】
S7(ステップ7)では、S2(ステップ2)から処理が進んできた場合であっても、S3(ステップ3)以下の処理を進んできた場合であっても、既に、カードの運用系は起動指示を実施した状態であり、カードの予備系は待機状態である。このときに、カードの予備系に格納されたファームウェアとアクセスノード終端装置3aのファームウェア記憶手段7に格納されている最新版ファームウェアを比較する。
【0084】
カードの予備系に格納されたファームウェアとアクセスノード終端装置3aのファームウェア記憶手段7に格納されている最新版ファームウェアのバージョンが一致する場合は、ファームウェアのダウンロードの必要は無い為、ダウンロードの処理を行わず処理終了となる。
【0085】
カードの予備系に格納されたファームウェアとアクセスノード終端装置3aのファームウェア記憶手段7に格納されている最新版ファームウェアのバージョンが一致しない場合には、カードの予備系に対して、最新版のファームウェアのダウンロードを実施し、処理終了となる。
【0086】
なお、本実施の形態では、光アクセスシステムについて説明したが、光通信に限定されることなく、通信線路ならびに無線通信路を媒体にしたあらゆる通信システムに適用することができる。
【0087】
また、ノードインタフェースカードが二重化されているカードと二重化されていないカードが混在しているシステムでの運用も考えられるが、この場合、図6で示すS3(ステップ3)で、ノードインタフェースカードの予備系が有るか否かを判断し、有ると判断したときには、図6に示した処理をそのまま継続し、無いと判断したときにはノードインタフェースカードの運用系のファームウェアを最新版のファームウェアにダウンロードする処理を追加すれば良い。但し、この場合、ダウンロード中はシステムが停止することになることをユーザに了解を得る必要がある。
【0088】
以上説明したように、通信システム(光アクセスシステム1)のアクセスノード終端装置3aは、ファームウェアを運用系9αおよび予備系9βの二重化で格納するインタフェースカード8aと、ノードインタフェースカード8aの挿入を検出して、最新(版)ファームウェアSFWをノードインタフェースカード8aの運用系9αおよび予備系9βにダウンロード処理を実行する監視制御用インタフェース5と、制御監視システム2から提供される最新(版)ファームウェアSFWを記憶するファームウェア記憶手段7と、装置内の動作を制御する制御手段6とを備えたので、インタフェースカード8aを挿入すると、監視制御用インタフェース5の制御により、インタフェースカード8aの運用系9αおよび予備系9βに格納されているファームウェアFWと最新(版)ファームウェアSFWを比較し、ファイル版数が異なる場合には、運用系9αおよび予備系9βに最新(版)ファームウェアSFWを自動的にダウンロードすることができ、ファームウェアのダウンロードの手間を省いて利便性の向上をアピールすることができる。
【0089】
また、二重化されたノードインタフェースカードの運用系ファームウェア及び予備系ファームウェアの更新が効率良く、確実に実施されることにより、システムの信頼性が向上し、サービスを受けるユーザに対する信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】光アクセスシステムのシステム構成を説明するブロック図である。
【図2】インタフェースカードのブロック図である。
【図3】監視制御用インタフェースのブロック図である。
【図4】光アクセスシステムのファームウェアのダウンロードを説明する図である。
【図5】カード実装時のダウンロード処理を説明する遷移図である。
【図6】ノードインタフェースカードへのファームウェア・ダウンロードを説明するフロー図である。
【符号の説明】
【0091】
1…光アクセスシステム、2…制御監視システム、2a…監視制御システム内ハードディスク、3a〜3n…アクセスノード終端装置、4…アクセスノード、4a…通信ユニット、4b…ブート処理部、5…監視制御用インタフェース、5a…監視制御カード(運用系)、5b…監視制御カード(予備系)、6…制御手段、7…ファームウェア記憶手段、8a〜8k…インタフェースカード、9,12…記憶部、9α…運用系、9β…予備系、10…インタフェースカード制御部、11…インタフェースカード通信ユニット、12α…ソフト運用系、12β…ハード運用系、13…制御カード制御部、14…インタフェース部、NT…監視制御網、CO…カプラ、LC…光ケーブル、FW…ファームウェア、SFW…最新(版)ファームウェア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センタに設置された監視制御システムと、遠隔地に設置された複数のアクセスノード終端装置と、前記アクセスノード終端装置と前記監視制御システムを接続する監視制御網と、前記アクセスノード終端装置がそれぞれ複数の加入者宅に設置されたアクセスノードを収容して、前記監視制御システム、前記アクセスノード終端装置および前記アクセスノードをケーブルで接続し、ファームウェアの自動ダウンロードを実行する通信システムにおいて、
前記アクセスノード終端装置は、ファームウェアを運用系および予備系の二重化で格納するノードインタフェースカードと、前記ノードインタフェースカードの挿入を検出して、最新版ファームウェアを前記ノードインタフェースカードの運用系および予備系にダウンロード処理を実行する監視制御用インタフェースと、前記監視制御システムから提供される最新版ファームウェアを記憶するファームウェア記憶手段と、装置内の動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記ノードインタフェースカードは、運用系に異常が発生した場合、運用系を予備系に切り替え、予備系を運用系とし、継続して運用することを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記監視制御用インタフェースは、前記監視制御システムからの最新版ファームウェアの受信、ファームウェアのチェック、最新版ファームウェアの前記ノードインタフェースカードへの自動ダウンロードを処理する運用系カードおよび予備系カードの監視制御カードを備えたことを特徴とする請求項1記載の通信スシステム。
【請求項4】
前記運用系カードおよび前記予備系カードは、それぞれソフトおよびハードに対応した二重化で格納することを特徴とする請求項3記載の通信システム。
【請求項5】
前記監視制御カードは、前記運用系カードのソフトまたはハードに異常が発生した場合、前記運用系カードを前記予備系カードに切り替え、前記予備系カードを運用系カードとし、継続して運用することを特徴とする請求項4または請求項5記載の通信システム。
【請求項6】
アクセスノード終端装置に、二重化されたノードインタフェースカードを挿入することで、ノードインタフェースカードの運用系及び、予備系のファームウェアをダウンロードする方法であって、
前記ノードインタフェースカードの挿入を検出する第一のステップと、
前記ノードインタフェースカードの運用系に格納されたファームウェアと前記アクセスノード終端装置に格納されている最新版ファームウェアを比較する第二のステップと、
前記第二のステップで前記最新版ファームウェアが一致しないと判断した場合、ノードインタフェースカードの予備系のファームウェアと前記最新版ファームウェアが一致するか否かを判定する第三のステップと、
前記第三のステップで、前記最新版のファームウェアが一致しないと判断した場合には、最新版ファームウェアを前記ノードインタフェースカードの予備系にダウンロードする第四のステップと、
前記第四のステップで前記ノードインタフェースカードの予備系にダウンロードしたファームウェアで、起動を指示する第五のステップと、
前記第四のステップで前記ノードインタフェースカードの予備系にダウンロードしたファームウェアを起動ファイルとして確定させ前記ノードインタフェースカードの運用系と予備系を切替える第六のステップと、
前記ノードインタフェースカードの予備系に格納されたファームウェアと前記アクセスノード終端装置に格納されている最新版ファームウェアを比較する第七のステップと、
前記第七のステップで、前記最新版のファームウェアが一致しないと判断した場合には、前記最新版ファームウェアを前記ノードインタフェースカードの予備系にダウンロードする第八のステップと、
を備えたことを特徴とする二重化されたノードインタフェースカードへのファームウェア自動更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−323399(P2007−323399A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153357(P2006−153357)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【Fターム(参考)】