交通情報提供システム

【課題】信号機が設置されていないような、特に見通しが悪い交差点では交通事故を回避し難い。
【解決手段】交差点に設置しているネットワークカメラから出力される映像信号を交通管制センターに送信し、交通管制センターにてその映像から人物や自動車の検知情報をデータベース化し、交差点付近の自動車にあるカーナビゲーションに検知データおよび事故データを送信することにより、交差点付近の状況を運転手に認識させることで交通事故回避の可能性を高めた交通情報提供システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像監視システムに関わり、特に、交差点等見通しの悪い道路等の交通情報を提供するための交通管制センターおよび交通情報提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、道路等の交通の安全と正常な運行を図るため、交通管制センターが各地に設けられ、交通情報を提供することおよび管轄地域内の交通を制御するようになってきた。例えば、交通管制センターでは、交通情報の収集と提供、信号機の制御、および、交通規制についての指令を行っている。
交通情報の収集は、主要地点に設置された種々の情報収集手段、例えば、車両感知機、ネットワークカメラ、パトーロール、110番通報、等がある。車両感知器およびネットワークカメラからの情報は、専用のネットワーク回線を介して交通管制センターに伝送される。
交通管制センターでは、収集された情報をもとに、信号機の制御や交通規制を行う。
【0003】
次に従来の交通管制センター(特許文献1参照)について、図2を用いて説明する。図2は、従来の交通管制センターの構成例を説明するための図である。207は交通管制センター、106はネットワーク回線である。なお、図2では、交通管制ネットワーク206に接続する交通信号機およびネットワークカメラを省略している。また、交通管制センター207において、21はモニタ、22はVTR、23は画像処理装置、24は信号制御装置、25は入力回路、26は出力回路、27はセンター制御装置である。
【0004】
交通管制センタ207は、全体を制御するセンタ制御装置27、各信号機のテレビカメラからの映像情報を入力する入力回路25、ネットワーク制御のための同期情報、交通信号の制御信号を含む制御信号を送出する出力回路26、交差点状況を撮像したテレビカメラからの画像を表示するモニタ21、テレビカメラの画像から渋滞状況等を把握し、信号制御情報を作成する画像処理装置23、この画像処理装置23からの情報により交通信号灯を制御する信号を発生する交通信号制御装置24より成る。
一方、交通管制ネットワーク206には、図示しない信号機やテレビカメラが接続され、交通管制センター207と、交通管制ネットワーク206を介して情報若しくは制御のための通信を送受している。
また、センタ制御回路27は、図示しない入出力装置からの管制センター員の操作や、定められたソフトウエアプログラムに従って、交通管制センター207内の装置を制御する。
【0005】
図2において、信号機は、交通管制センター207内の信号制御装置24から送出される交通信号制御信号24sを交通管制ネットワーク206経由で受信して動作する。
次に、交通信号制御信号を作成する信号制御回路24の動作について説明する。画像処理装置23で受信された映像7sは装置内で画像認識等の処理がされ、渋滞長等の情報11sとして交通信号制御装置24に送出される。交通信号の制御装置24ではこの情報に基づいて、渋滞を解消できるような信号切換えタイミングを求め、交通信号制御信号24sを出力回路26を介して交通管制ネットワーク206経由で出力する。なお、渋滞長を画像情報からも求めることは、周知の技術で簡単に実現することができる。また、交通信号制御信号の送受信、映像信号の送受信等も周知の技術で可能であることは言うまでもない。さらに、この画像処理装置を画像処理により交通事故の発生検出のセンサーとして利用することもできる。この画像処理装置からの事故検出信号をVTRに重畳記録しておくこともできる。
【0006】
次に、交通管制センター207のモニタ21について説明する。テレビカメラの映像データは、交通管制ネットワーク206を介して入力回路25に入力される。この映像データは、入力回路25を経由して、モニタ21およびVTR22に供給され、交通状況の目視確認に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−203590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来は、信号機が設置されていないような、特に見通しが悪い交差点では交通事故を回避し難くい。
本発明は、上述のような問題に鑑み、交差点に設置しているネットワークカメラから出力される映像信号を交通管制センターで収集し、交通管制センターから、人物や自動車(自動二輪車を含む)の有無、過去の事故発生情報など交差点付近の状況を、当該交差点付近の自動車に送信し、運転手に認識させることで、信号機が設置されていないような、特に見通しが悪い交差点であっても、交通事故回避の可能性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、交差点に設置し交差点の付近を撮像するネットワークカメラと、該撮像された映像信号を映像データとして伝送するネットワーク回線と、該映像データを受信し交差点付近の人物および自動車の検知情報をデータベース化し、交差点付近の自動車に搭載されたカーナビゲーションに、当該交差点付近の映像データやデータベース化された事故情報を送信する交通管制センターとを備え、人物(歩行者、自転車、等)の有無および自動車の有無、過去の事故発生情報、時間帯による交通情報、などの交差点付近の情報を、当該交差点付近に位置する自動車の運転手に認識させることが可能な通情報提供システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、交差点に設置しているネットワークカメラから出力される映像信号を交通管制センターに送信し、交通管制センターにてその映像から人物(歩行者、自転車、等)や自動車の検知情報をデータ化し、交差点付近の自動車にあるカーナビゲーションにそのデータ、またデータベース化された事故情報を送信することにより、人物・自動車の有無、過去の事故発生情報など交差点付近の状況を、信号機が設置されていないような、特に見通しが悪い交差点であっても運転手に認識させることで交通事故回避の可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の交通情報提供システムの一実施例を説明するための図である。
【図2】従来の交通管制センターの構成例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、交差点付近を撮像するネットワークカメラと、該ネットワークカメラが撮像した映像をネットワーク回線を介して受信し、画像処理する交通管制センターとを備えた交通情報提供システムであって、交通管制センターは、撮像装置から出力される映像信号を画像処理する画像処理手段と、人物や自動車を抽出し、抽出した人物や自動車の情報を検知データとして記憶し、過去の事故情報を事故データとして記憶する記憶装置と、前記画像処理手段によって抽出された人物や自動車の検知データと事故データを送信する自動車のカーナビゲーション装置に送信する通信手段とを備えたことを特徴とする交通情報提供システムである。
以下に本発明の一実施形態を図面等を用いて説明する。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
【0013】
図1は、本発明の交通情報提供システムの一実施例を説明するための図である。102−1は交差点A1、〜、102−nは交差点An、101−1〜101nはネットワークカメラ(nは自然数)、106はネットワーク回線、107は交通管制センター、108は自動車、109は自動車108に搭載されたカーナビゲーション装置である(nは自然数)。また、ネットワークカメラ101−1は、複数のネットワークカメラB11〜B1mが含まれ、交差点102−1付近の所定の監視視野内を撮像し、撮像した監視視野内の映像データをネットワーク回線106を介して交通監視センター107にそれぞれ伝送する(mは自然数)。同様に、ネットワークカメラ101−nは、複数のネットワークカメラBn1〜Bnkが含まれ、交差点102−n付近の所定の監視視野内を撮像し、撮像した監視視野内の映像データをネットワーク回線106を介して交通監視センター107にそれぞれ伝送する(kは自然数)。
以下、交差点とネットワークカメラの動作については、交差点102−1およびネットワークカメラ101−1で代表して説明する。
【0014】
図1において、複数のネットワークカメラ101−1(B11〜B1k)は、交差点101−2の所定の監視視野内をそれぞれ撮像し、撮像したそれぞれの映像データをネットワーク回線106を介して、交通管制センター107に伝送する。
交通管制センター107は、受信した映像データから、該当する交差点101−2付近の検知データ及び事故データを、自動車108のカーナビゲーション装置108に送信する。
検知データは、例えば、該当する交差点101−2付近において現時刻から所定の時刻前までに発見された人物(歩行者、自転車、等)や自動車の検知情報であって、例えば交通管制センター107で、データベース化され、図示しない記憶装置に記憶されたデータである。
【0015】
検知データは、交差点101−2付近に設置された車両検知機(図示しない)等の検知機が交差点101−2付近の路上を通過する自動車(自動二輪車含む)を検知し、検知した車両検知情報を、無線またはネットワーク回線106で交通管制センター107に送信する。交通管制センター107は、無線またはネットワーク回線106を介して受信した車両検知情報をデータベース化して上記記憶装置に記憶する。
また事故データは、該当する交差点101−2付近で発生した事故情報であって、例えば交通管制センター107で、データベース化され、図示しない記憶装置に記憶されたデータである。
【0016】
さらに、検知データは、交差点102−1付近の監視視野内を撮像するネットワークカメラ101−1からネットワーク回線106を介して伝送される映像データを、交通管制センター107が画像処理によって、人物や自動車を抽出してデータベース化し、上記記憶装置に記憶したデータである。
なお、交通管制センター107は、画像処理によって抽出された人物や自動車のデータを、時間的に追跡し、追跡情報(進行方向や速度)およびその履歴をデータベース化し、上記記憶装置に記憶するようにしても良い。
この場合、さらに、追跡情報およびその履歴情報を、関連する交差点102−1付近に位置する自動車108のカーナビゲーション装置109に送信する。
【0017】
なお、救急車、消防車、パトロールカーなどの緊急自動車が、緊急走行する場合には、GPS等で取得したその位置情報を交通管制センター107に送信し、交通管制センター107が関連する交差点付近の自動車に通報するようにしても良い。
【0018】
自動車108に搭載されたカーナビゲーション装置109は、交通管制センター107から送信された検知データおよび事故データを受信し、表示部に表示する。
この結果、人物の有無や自動車の有無、過去の事故発生情報など、交差点付近の状況を運転手に認識させることで交通事故回避の可能性を高めることができる。
【0019】
なお、交通管制センター107は、渋滞などの交通情報を、ラジオや電話での伝達、又は、道路脇等の運転者が見易い場所に道路情報板等で表示するが、少なくとも、上述の検知データ、事故データのいずれかを、自動車の進行予定の交差点付近について、通報するようにしても良い。
この結果、人物の有無や自動車の有無、過去の事故発生情報など、進行予定の交差点付近の状況を運転手に認識させることで交通事故回避の可能性を高めることができる。
【0020】
上述の実施例によれば、交差点付近に設置しているネットワークカメラから出力される映像信号を、映像データとして交通管制センターに送信し、交通管制センターにてその映像から人物や自動車の検知情報をデータ化し、交差点付近の自動車にあるカーナビゲーションに、検知データと事故データを送信することにより、信号機が設置されていないような、特に見通しが悪い交差点であっても、人物や自動車の有無、過去の事故発生情報など、交差点付近の状況を運転手に認識させることで交通事故回避の可能性を高めることができる。
【符号の説明】
【0021】
21:モニタ、 22:VTR、 23:画像処理装置、 24:信号制御装置、 25:入力回路、 26:出力回路、 27:センター制御装置、 101−1〜101n:ネットワークカメラ、 102−1〜102−n:交差点、 106:ネットワーク回線、 107:交通管制センター、 108:自動車、 109:カーナビゲーション装置、 206:交通管制ネットワーク、 207:交通管制センター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点付近を撮像するネットワークカメラと、該ネットワークカメラが撮像した映像をネットワーク回線を介して受信し、画像処理する交通管制センターとを備えた交通情報提供システムであって、
前記交通管制センターは、撮像装置から出力される映像信号を画像処理する画像処理手段と、人物や自動車を抽出し、抽出した人物や自動車の情報を検知データとして記憶し、過去の事故情報を事故データとして記憶する記憶装置と、前記画像処理手段によって抽出された人物や自動車の検知データと事故データを送信する自動車のカーナビゲーション装置に送信する通信手段とを備えたことを特徴とする交通情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−258068(P2011−258068A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133164(P2010−133164)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】