説明

交通支援システム

【課題】歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員と自動車等の車両の乗員との間で意思疎通が図れ、円滑な通行を実現可能な交通支援システムを提供する。
【解決手段】車載装置3aが乗員による操作が可能な車両操作手段11及び、該車両操作手段11が操作された場合に停止意思情報を含む返答信号を送信可能な車両側送信手段12を備え、携帯機2a〜2nは、車両側送信手段12から送信される返答信号を受信可能な携帯機側受信手段7および、携帯機側受信手段7で受信した返答信号に応じて少なくとも停止意思情報を報知する携帯機報知手段8を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、交通支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、歩行者が有する携帯端末から送信された情報を自動車に搭載された車載装置で受信して自動車の乗員へ注意喚起を行う交通支援システムが知られている。この交通支援システムにおいては、歩行者の携帯する携帯端末の移動速度・方向から推定される歩行者の挙動が近傍を走行する自動車にとって注意を要するものであると判断された場合に、その歩行者の位置情報を自動車に送信して自動車の乗員に画像表示等で注意喚起するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−123105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した従来の交通支援システムにあっては、例えば歩行者が携帯端末を持って手を上げるだけで歩行者に横断歩道を渡る意思が有ると判断されて運転者に注意喚起がなされる場合があるため、実際には歩行者に横断歩道を渡る意思が無い場合であっても注意喚起に従って自動車の運転者は減速等して歩行者を注意し続けなければならず、円滑な通行が妨げられる虞があるという課題がある。
【0005】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員と自動車等の車両の乗員との間で意思疎通が図れ、円滑な通行を実現可能な交通支援システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、歩行者により所持され、或いは歩行者に類する軽車両に備えられて、前記歩行者または前記軽車両の乗員による横断意思情報の入力操作が可能な携帯機操作手段(例えば、実施形態における携帯機操作手段4)と、現在位置情報を取得する携帯機位置取得手段(例えば、実施形態における携帯機位置取得手段5)と、前記横断意思情報および前記現在位置情報を含む信号を所定距離内の道路上に存在する車両に送信する携帯機側送信手段(例えば、実施形態における携帯機側送信手段6)とを備える携帯機(例えば、実施形態における携帯機2,102)および、車両(例えば、実施形態における車両3)に搭載され、前記携帯機から送信される前記信号を受信可能な車両側受信手段(例えば、実施形態における車両側受信手段13)と、該車両側受信手段により受信した前記信号に応じて少なくとも前記携帯機の現在位置情報を報知する車内報知手段(例えば、実施形態における車内報知手段14)とを備える車載装置(例えば、実施形態における車載装置3a,103)からなる交通支援システムにおいて、前記車載装置は、乗員による操作が可能な車両操作手段及び、該車両操作手段が操作された場合に停止意思情報を含む返答信号を送信可能な車両側送信手段(例えば、実施形態における車両側送信手段12)を備え、前記携帯機は、前記車両側送信手段から送信される前記返答信号を受信可能な携帯機側受信手段(例えば、実施形態における携帯機側受信手段7)および、該携帯機側受信手段で受信した前記返答信号に応じて少なくとも前記停止意思情報を報知する携帯機報知手段(例えば、実施形態における携帯機報知手段8)を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記車載装置が、道路上の自車両の位置及び信号機の位置を取得可能な車両側位置取得手段(例えば、実施形態におけるナビゲーション装置10)と、前記自車両の位置が前記信号機の位置から所定距離以上離れているか否かを判定する信号機距離判定手段(例えば、実施形態における信号機距離判定手段18)と、前記車両側受信手段により前記横断意思情報を含む信号が受信され、且つ、前記信号機距離判定手段により前記自車両の位置が前記信号機の位置から所定距離以上離れていると判定された場合に、前記車内報知手段による前記所定の情報の報知制御を行う車両制御装置(例えば、実施形態における車両制御装置15,115)とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記携帯機から送信される前記信号は、携帯機固有の識別情報を含み、前記車載装置は、前記車両側受信手段で受信した前記信号に含まれる識別情報に基づいて前記携帯機を認識する携帯機認識手段(例えば、実施形態における携帯機認識手段16)と、前記車両側受信手段で受信した前記信号の受信強度を判定する受信強度判定手段(例えば、実施形態における受信強度判定手段17)と、を備え、前記携帯機認識手段により複数の携帯機が認識された場合に、前記受信強度判定手段により複数の携帯機から送信される前記信号のうち受信強度が最も高い信号を求め、該受信強度が最も高い信号に含まれた識別情報によって認識される携帯機の位置情報のみを前記車内報知手段により報知する制御を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載した発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、前記車両側位置取得手段は、前記道路上の建造物の位置を取得可能であり、前記車載装置は、前記車両側受信手段により受信した前記信号に含まれる現在位置情報と、前記車両側位置取得手段により取得された前記建造物の位置情報とに基づき前記携帯機と前記建造物との位置が重なるか否かを判定する位置重なり判定手段(例えば、実施形態における位置重なり判定手段19)を備え、該位置重なり判定手段により前記携帯機の位置と前記建造物の位置とが重なると判定された場合に、前記車両側受信手段で受信した前記信号に応じた報知制御を行わないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した発明によれば、歩行者または軽車両の乗員により携帯機の所定の操作が行われ横断意思情報および携帯機の現在位置情報を含む信号が送信されると、当該信号が車両の車両側受信手段で受信されて車両の乗員に横断意思情報および携帯機の現在位置情報を含む所定の情報が報知され、その後、車両の乗員により操作手段が操作されると、停止意思情報を含む返答信号が車両側送信手段を介して携帯機へ送信される。そして、携帯機の携帯機側受信手段により受信した返答信号に応じた報知が携帯機報知手段により行われるため、歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員の横断意思及び車両の乗員からの横断許可の意思を互いに明確に伝えることができ、歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員と車両の乗員との間の意思疎通が図れ、歩行者や軽車両並びに車両の円滑な通行が可能になる効果がある。
また、車内報知手段により車両の乗員の手元で報知され、携帯機報知手段により歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員の手元で報知されるので、とりわけ悪天候等で視界が悪い場合であっても、歩行者、軽車両の乗員、および車両の乗員へ確実に報知を行うことが可能となり、したがって、道路交通上の安全性を向上することができる効果がある。
【0011】
請求項2に記載した発明によれば、車両側受信手段により横断意思情報を含む信号が受信され、且つ、信号機距離判定手段により自車両の位置が信号機の位置から所定距離以上離れていると判定された場合に、車両制御装置により報知制御を行い携帯機の位置情報を含む所定の情報を車内報知手段によって車両の乗員に報知することができるため、信号機の近傍などのような本来注意すべき場所以外でのみ車内報知手段による報知を行うことができる。したがって、過剰報知による煩わしさを低減して、注意すべき状況で効果的に報知を行うことができる。
【0012】
請求項3に記載した発明によれば、携帯機認識手段により携帯機から送信される信号に含まれる携帯機固有の識別情報に基づき携帯機を認識して、複数の携帯機が認識される場合には、受信強度判定手段により判定される携帯機から送信される信号の受信強度のうち最も受信強度が高いものすなわち、車両に最も近い位置に存在する携帯機から送信された信号を特定し、その識別信号から携帯機を特定して、この携帯機の位置情報を含む情報のみを車内報知手段により優先的に報知するため、複数の携帯機から最も注意が必要であると思われる携帯機を携帯した歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員の横断意思を効率よく車両の乗員に報知することができる効果がある。
【0013】
請求項4に記載した発明によれば、携帯機の位置が建造物の位置と重なる場合等に、当該携帯機から送信される横断意思を含む返答信号に応じた報知制御が行われないため、携帯機の誤操作などに起因する過剰報知を防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態における交通支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態における携帯機の概略構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態における交通支援システムの動作を説明するための図である。
【図4】本発明の第2実施形態における図1に相当するブロック図である。
【図5】本発明の各実施形態の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、この発明の一実施形態である交通支援システムについて図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明の第1実施形態である交通支援システム1の概略構成を示している。この交通支援システム1は、複数の携帯機2(図1中、符号2a〜2nで示す)と複数の車両3に搭載される車載装置3aとによって構成される。
携帯機2は、不特定多数のユーザが外出時に所持する端末であって、携帯機操作手段4、携帯機位置取得手段5、携帯機側送信手段6、携帯機側受信手段7、携帯機報知手段8、および携帯機制御装置9を備えて構成される。これら携帯機2は、歩行者や、歩行者に類する軽車両である例えば歩道を通行可能な電動カートの乗員などが所持する。なお、軽車両の場合は、軽車両の乗員が所持する以外に、例えば、軽車両に車載させたり、軽車両に内蔵させても良い。また上述した携帯機2a〜2nは同一構成であるため、以下、携帯機2b〜2nの説明を省略して携帯機2aについてのみ説明する。
【0016】
携帯機操作手段4は、携帯機2aを所持するユーザが車道を横断する際に横断意思を操作入力すると共に、車両3から停止意思情報を受信した際に、御礼の意思を操作入力するための例えば押し釦33(図2参照)を備えている。携帯機操作手段4は、押し釦33の操作入力が検出された場合に横断意思が操作入力されたことを示す横断意思情報を携帯機制御装置9へ出力する一方、停止意思情報が受信された後に操作入力が検出された場合には御礼意思が操作入力されたことを示す御礼意思情報を携帯機制御装置9へ出力する。なお、横断意思の操作入力と御礼意思の操作入力とを明確に区別するために、例えば、横断意思の操作入力と御礼意思の操作入力とのうち何れか一方の操作入力を、異なる操作、例えば、押し釦33の長押し(例えば、2秒程度)を条件に受付けるようにしてもよい。
【0017】
携帯機位置取得手段5は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号をアンテナ5aで受信して当該信号に基づき自機(携帯機)の現在位置(緯度経度)を取得してその現在位置情報を携帯機制御装置9へ出力する。
【0018】
携帯機側送信手段6は、携帯機制御装置9の制御指令に従って、携帯機操作手段4の操作入力による横断意思情報と、携帯機位置取得手段5により取得された現在位置情報と、自機(携帯機)固有の識別情報とをそれぞれ含む信号を暗号化して携帯機2aの近傍に存在する車両3へ向けて無指向性のアンテナ(不図示)を介して無線送信する。また、携帯機側送信手段6は、携帯機制御装置9の制御指令に従って、車両3から停止意思情報を受信したときの携帯機操作手段4の操作入力による御礼意思情報と、自機固有の識別情報とをそれぞれ含む信号を暗号化して携帯機2aの近傍に存在する車両3へ向けて上記アンテナを介して無線送信する。なお、携帯機2aの近傍とは、携帯機2a携帯機側送信手段6の電波が直接的に到達可能な範囲(例えば、数メートルから数十メートル程度)を意味している。
【0019】
携帯機側受信手段7は、車載装置3aから送信された返答信号をアンテナ(不図示)を介して受信し、その返答信号を復号して、この復号された返答信号に含まれる識別情報および停止意思情報をそれぞれ携帯機制御装置9へ出力する。
【0020】
携帯機報知手段8は、画像表示を行う液晶ディスプレイ22(図2参照)、音声を出力するスピーカ(不図示)、および、携帯機2aの筐体を振動させるバイブレータ(不図示)を備えて構成され、携帯機制御装置9の制御指令に従って、携帯機側受信手段7により受信・復号された停止意思情報を、液晶ディスプレイ22による画像表示および、バイブレータによる発振により報知する。また携帯機報知手段8は、携帯機制御装置9の制御指令に従って、携帯機操作手段4による横断意思および御礼意思の操作入力がなされた場合に、上記スピーカを介して操作入力に応じた音声、例えば、停止意思の場合「通ります」、御礼意思の場合「ありがとう」等の音声を出力する。なお、上記スピーカにより停止意思情報を報知するようにしても良い。
【0021】
携帯機制御装置9は、上述した携帯機操作手段4を介して横断意思が操作入力されると、上述した横断意思情報、現在位置情報、および識別情報をそれぞれ含む信号を携帯機側送信手段6より車載装置3aへ向けて送信させる送信制御を行う。
また携帯機制御装置9は、上記横断意思情報、現在位置情報、および識別情報を含む信号を携帯機側送信手段6により送信した後に車載装置3aの返答信号が携帯機側受信手段7で受信されると、この返答信号に含まれる識別情報を自機(携帯機2a)固有の識別情報と突合させ、一致する場合に停止意思情報を携帯機報知手段8を介してユーザへ報知させる。
【0022】
図2は、この実施形態における携帯機2の一例を示したものであり、この図2に示すように、携帯機2の筐体21には、その正面側に携帯機報知手段8を構成する正面視略円形の液晶ディスプレイ22と携帯機操作手段4を構成する正面視略円形の押し釦23とが設けられ、筐体21の長手方向の一端側に液晶ディスプレイ22、他端側に押し釦23が配置される。筐体21の一端側の外縁24は液晶ディスプレイ22の外縁形状に概ね沿う略円弧状に形成され、筐体21の他端側の外縁26は押し釦23の外縁27に沿う略円弧状に形成されている。そして携帯機操作手段4の押し釦23の直径r2は液晶ディスプレイ22の直径r1よりもよりもやや小さく形成されており、筐体21の液晶ディスプレイ22と押し釦23との間の部分には、筐体21の一端の外縁24および他端の外縁26の各円弧の直径R1,R2よりも小さく形成されると共にその厚さ寸法が筐体21の一端および他端の上記円弧中心の厚さ寸法よりも薄く形成されたクビレ部28が設けられている。このクビレ部28の部分を設けることでユーザが筐体21を把持した際にユーザの指が引っかかるため、携帯機2の落下を防止できるようになっている。
【0023】
図1に示す車両3は、主に通行区分上の車道を走行する自動車等の車両であり、車載装置3aを搭載している。車載装置3aは、ナビゲーション装置(車両側位置取得手段)10、車両操作手段11、車両側送信手段12、車両側受信手段13、及び、車両制御装置15を備えて構成されている。なお、図示都合上、図1においては複数台の車両3のうち一台のみ示している。
【0024】
ナビゲーション装置10は、車両3の位置を測定するためのGPS信号などの測位信号を受信すると共に、車両3の速度およびヨーレートなどの検出信号を速度センサやヨーレートセンサから取得する。そして、受信した測位信号によって、あるいは、速度およびヨーレートなどの検出信号に基づく自律航法の算出処理によって、車両3の現在位置を算出する。
【0025】
また、ナビゲーション装置10は、車内報知手段14を有しており、この車内報知手段14のモニタ14a(図3参照)に地図を表示するための地図表示用のデータおよび車両の現在位置に基づくマップマッチングの処理に必要とされる道路座標データを地図データとして備えている。さらに、ナビゲーション装置10は、経路探索や経路誘導などの処理に必要とされるデータ、例えば交差点および分岐点などの所定位置の緯度および経度からなる点であるノードと各ノード間を結ぶ線であるリンクとからなる道路データを地図データとして備えている。また地図データとして道路上の建造物より具体的には、道路に隣接する建造物や、信号機などの経度および緯度からなる位置情報を備えている。
【0026】
そして、ナビゲーション装置10は、道路データに対して、測位信号および自律航法の算出処理のそれぞれ、又は、何れか一方から得られる車両の現在位置の情報に基づいてマップマッチングを行ない、現在位置の検出結果を補正する。また、ナビゲーション装置10は、例えば車両3の経路探索や経路誘導などの処理を実行して、車内報知手段10aのモニタ14a(図3参照)に、道路データと、例えば目的地までの経路情報や各種の付加情報とを画像出力するとともに、各種のメッセージを車内報知手段14のスピーカ(不図示)から音声出力する。
【0027】
また、ナビゲーション装置10は、車両3の現在位置情報、車両3付近の建物の位置情報、および、車両3付近の信号機の位置情報を車両制御装置15からの送信要求に従って出力する。
【0028】
車両操作手段11は、車両3の乗員が停止意思を操作入力するための操作スイッチ34(図3参照)を備えている。操作スイッチ34は、運転席に着座した乗員から操作しやすい位置、例えばステアリングホイール35(図3参照)のスポーク部などに設けられている。車両操作手段11は、操作スイッチ34に操作入力されると停止意思が操作入力されたことを示す停止意思情報を車両制御装置15へ出力する。
【0029】
車両側送信手段12は、車両制御装置15の制御指令に従って、車両操作手段11の操作入力による停止意思情報を含んだ返答信号を暗号化して携帯機2a〜2nへ向けてアンテナ(不図示)を介して無線により送信する。この返答信号には、複数の携帯機2a〜2nの各識別情報のうち返答すべき携帯機2の識別情報すなわち、横断意思情報と共に受信された識別情報を含む。
【0030】
車両側受信手段13は、携帯機2から無線で送信された信号を受信すると復号し、この復号した信号に含まれる情報を車両制御装置15へ出力する。
【0031】
車内報知手段14は、上述したナビゲーション装置10における画像表示用のモニタ14aを備えて構成される。この車内報知手段14は、車両制御装置15の制御指令に従って、横断意思を表す画面や、御礼意思を表す画面をモニタ14aに表示する。なお、横断意思や御礼意思の画面表示と同時に、車室内に設けられたカーオーディオ用のスピーカ(不図示)などにより横断意思や御礼意思を表す音声出力を行っても良い。また、この実施形態では車内報知手段14がナビゲーション装置10に設けられる場合について説明したが、ナビゲーション装置10とは個別に車内報知手段14を設けるようにしても良い。
【0032】
車両制御装置15は、上述した車両側送信手段12の送信制御および車両側受信手段13の受信制御を行うと共に、乗員への報知が必要な場合に車内報知手段14の報知制御を行う。より具体的には、車両制御装置15は車両側受信手段13から横断意思情報が入力されると、この横断意思情報を少なくとも含む情報を乗員へ報知するべく車内報知手段14の報知制御を行う。さらに横断意思情報の報知がなされた後に車両操作手段に操作入力がなされると、上述した横断意思情報と共に受信された識別情報および停止意思情報を含む返答信号を車両側送信手段12より送信させる。また車両制御装置15は、返答信号を送信した後に車両側受信手段13に御礼意思情報を含む信号が入力されると、御礼意思情報を車内報知手段14により報知させる。
【0033】
車両制御装置15は、携帯機認識手段16、受信強度判定手段17、信号機距離判定手段18、および、位置重なり判定手段19を備えている。
携帯機認識手段16は、車両側受信手段13より入力された携帯機2の識別情報に基づいて上記信号を送信した携帯機2を認識する。例えば、単一の携帯機2からの信号が車両側受信手段13によって受信された場合には、その識別情報に基づき単一の携帯機2を認識する一方、複数の携帯機2a〜2nからの信号が車両側受信手段13によって受信された場合には、各識別情報に基づいて携帯機2a〜2nをそれぞれ別の携帯機2として認識する。
【0034】
受信強度判定手段17は、複数の携帯機2a〜2nからの信号が受信された場合に、車両側受信手段13によって受信された各信号の受信強度を判定する。ここで、車両制御装置15は、受信強度判定手段17の判定結果に基づき受信強度が最も高い信号を求め、この最も高い受信強度の信号を発信した携帯機2を識別情報より特定して、当該携帯機2を報知対象とする。そして報知対象となった携帯機2から送信された横断意思情報および現在位置情報を車内報知手段14により報知させる。
【0035】
信号機距離判定手段18は、携帯機認識手段16により携帯機2が認識されると、ナビゲーション装置10の位置情報に基づいて車両3の現在位置情報と、車両3付近の信号機の位置情報とをナビゲーション装置10から取得して、車両3が最寄りの信号機から所定距離以上離れた位置に存在するか否かを判定する。そして、車両3が最寄りの信号機から所定距離以上離れた位置に存在すると判定された場合、車両制御装置15による車内報知手段14の報知制御が行われる一方、車両3が最寄りの信号機から所定距離以上離れた位置に存在しないと判定された場合、つまり車両3が信号機の近くに存在する場合は、横断意思の過剰な報知がなされる虞があるので、車両制御装置15による車内報知手段14の報知制御が行われないようになっている。なお、上記信号機距離判定手段18では単に信号機と車両3との距離を判定しているが、例えば、対象とする信号機を車両3の進行方向にある信号機に限定するようにしてもよい。
【0036】
位置重なり判定手段19は、携帯機認識手段16により携帯機2が認識されると、ナビゲーション装置10より建造物の位置情報を取得し、認識された携帯機2の位置情報と建造物の位置情報とに基づいて、携帯機2の位置と建造物の位置とが重なっているか否かを判定する。携帯機2の位置と建造物の位置とが重なっていると判定される場合、携帯機2のユーザは建造物内におり、道路を横断する意思は無く携帯機操作手段4の誤操作であると推定できるため、車載装置3aによる車内報知手段14の報知制御が行われないようになっている。
【0037】
この実施形態における交通支援システム1は上記構成を備えており、次に、この交通支援システム1の動作の一例について図3を参照しながら説明する。
まずステップS01において、歩行者または歩行者に類する軽車両の乗員により携帯機2の携帯機操作手段4の押し釦23が押下されると、横断意思情報、自機(携帯機2)の現在位置情報、および、自機(携帯機2)の識別情報を、携帯機2から付近の車両3の車載装置3aへ向けて送信する。この際、携帯機2の液晶ディスプレイ22に、歩行者用信号機の赤信号と同様の「止まれ」を意味する直立した人型のイラストを赤色の背景の中に表示し、さらにスピーカからは「通ります」という横断意思を表す音声を出力する。これら音声出力およびイラスト表示によりユーザは横断意思情報の送信が受付けられたことを認識することができ、さらに未だ横断できる状態にないことを認識することができる。
【0038】
一方、車両3の車載装置3aにより携帯機2から送信された横断意思情報、位置情報、および、識別情報が受信されると、識別情報により携帯機2を認識して、上述した受信強度判定、信号機までの距離判定、および、認識された携帯機2の位置と建造物の位置との重なり判定をそれぞれ行い、認識された携帯機2が報知対象である場合は、横断意思が入力されたことを表すイラスト、例えば歩行者が手を上げて横断している様子を表すイラストを車内報知手段14のモニタ14aに表示する。また、このモニタ表示と同時に、携帯機2の位置情報を地図上で示すと共に、音声出力により横断意思情報を車両3の乗員に対して報知する(不図示)。
【0039】
次いで、ステップS02において、車内報知手段14を介して横断意思を確認した車両3の乗員によって、横断意思への返答としてステアリングホイール35の操作スイッチ34が操作されると、停止意思情報と共に横断意思情報の送信元(携帯機2)の識別情報を、車載装置3aから携帯機2に向けて送信する。一方、携帯機2により停止意思情報および識別情報が受信されると、この識別情報と自機(携帯機2)の識別情報とを突合して一致すると判定された場合すなわち、当該携帯機2への返答である場合に、携帯機報知手段8により停止意思を報知する。具体的には、バイブレータが携帯機2の筐体を振動させ、さらに、液晶ディスプレイ22には、歩行者用信号機の青信号と同様に「横断しても良い」を意味する歩行している人型のイラストを青色の背景の中に表示する。このように停止意思が報知されることで、歩行者または歩行者に類する軽車両の乗員は、横断が許可状態となったことを認識することができる。
【0040】
そしてステップS03において、停止意思が報知された後または停止意思が報知されている最中に歩行者または歩行者に類する軽車両の乗員により携帯機操作手段4の押し釦23が押下(または長押し)されると、御礼意思情報を識別情報と共に車両3の車載装置3aに向けて送信する。この際、携帯機報知手段8のスピーカを介して「ありがとう」という御礼意思を表す音声が出力され、これによりユーザは御礼意思情報の送信が受付けられたことを認識することができる。
【0041】
一方、車両3の車載装置3aで御礼意思情報が受信されると、車内報知手段14のモニタ14aへ「Thank You!」の文字等を含む御礼意思を表す画像を表示する。なお、車内報知手段14によって御礼意思を報知する際に、画像表示に加えて音声出力により御礼意思を報知したり、音声出力のみで御礼意思を報知するようにしてもよい。
【0042】
したがって、上述した第1実施形態の交通支援システムによれば、歩行者または歩行者に類する軽車両の乗員により携帯機2の携帯機操作手段4の操作が行われ横断意思情報を含む信号が送信されると、当該信号が車両3の車両側受信手段13で受信されて車両3の乗員に携帯機2の横断意思情報、位置情報を含む所定の情報が報知され、その後、車両3の乗員により車両操作手段11が操作されると、停止意思情報を含む返答信号が車両側送信手段12を介して携帯機2へ送信される。そして、携帯機2の携帯機側受信手段7により受信した返答信号に応じた報知が携帯機報知手段8により行われるため、歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員の横断意思及び車両の乗員からの横断許可の意思である停止意思を互いに明確に伝えることができ、歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員と車両の乗員との間の意思疎通が図れ、歩行者や軽車両並びに車両3の円滑な通行が可能になる。
【0043】
また、車内報知手段14により車両3の乗員の手元で報知が行われ、携帯機報知手段8により歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員の手元で報知が行われるので、とりわけ悪天候等で視界が悪い場合であっても、歩行者、軽車両の乗員、および車両3の乗員へ確実に報知を行うことが可能となり、この結果、道路交通上の安全性を向上することができる。
【0044】
さらに、車両側受信手段13により横断意思情報を含む信号が受信され、且つ、ナビゲーション装置10によって取得された道路上の自車両の位置及び信号機の位置に基づき自車両の位置が信号機の位置から所定距離以上離れていると判定された場合に、車両制御装置15により報知制御が行われて携帯機2の位置情報を含む所定の情報が車内報知手段14によって車両3の乗員に報知されるため、信号機の近傍などのような本来注意すべき場所以外でのみ車内報知手段14による報知を行うことができるため、過剰報知による煩わしさを低減して、注意すべき状況で効果的に報知を行うことができる。
【0045】
また、携帯機認識手段16により携帯機2から送信される信号に含まれる携帯機固有の識別情報に基づき携帯機2を認識して、複数の携帯機2a〜2nが認識されている場合に、受信強度判定手段17により判定される携帯機2a〜2nから送信される信号の受信強度のうち最も受信強度が高いものすなわち、車両3に最も近い位置に存在する携帯機2から送信された信号が特定され、その識別信号から携帯機2が特定されて、この携帯機2の位置情報を含む情報のみが車内報知手段14により優先的に報知されるため、複数の携帯機2a〜2nから最も注意が必要であると思われる携帯機2を携帯している歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員による横断意思を効率よく車両3の乗員に報知することができる。
【0046】
さらに、携帯機2の位置が建造物の位置と重なる場合等に、当該携帯機2から送信される横断意思を含む返答信号に応じた報知制御が行われないため、携帯機2の誤操作などに起因する過剰報知を防止することができる。
【0047】
次に、この発明の第2実施形態の交通支援システム101について図面を参照しながら説明する。なお、この第2実施形態の交通支援システム101は、上述した第1実施形態の車載装置3aの車両操作手段11、車両側送信手段12、および、車両側受信手段13を携帯機2の構成に置き換えたものである。よって第1実施形態の構成と同一部分に同一符号を付して説明する。また、第1実施形態と重複する説明は省略する。
【0048】
図4に示すように、携帯機102(図中符号102a〜102nで示す)は、上述した第1実施形態の携帯機2と同様に、携帯機操作手段4、携帯機位置取得手段5、携帯機側送信手段6、携帯機側受信手段7、携帯機報知手段8を備えている。
さらに携帯機102は、上記構成以外に、携帯機制御装置109と携帯機側近距離無線手段111とを備えている。携帯機制御装置109は、第1実施形態の携帯機制御装置9に携帯機側近距離無線手段111の制御機能を追加したものであり、携帯機側近距離無線手段111による送受信が行われない車室外においては、第1実施形態の携帯機制御装置9と携帯機制御装置109とは同様の動作を行う。
【0049】
一方、車載装置103は、ナビゲーション装置10、車両制御装置115、および車両側近距離無線手段112を備えて構成される。車両制御装置115は上述した第1実施形態の車両制御装置15に、車両側近距離無線手段112の制御機能を追加したものである。
携帯機102の携帯機側近距離無線手段111、および、車両側近距離無線手段112は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線により車室内に持ち込まれた携帯機102aと車載装置103との間で各種情報の送受信を行う。これら携帯機側近距離無線手段111と車両側近距離無線手段112との通信回線が接続されると、携帯機102aの車室内への持ち込みが検出される。
【0050】
そして上述した第1実施形態の携帯機2と車載装置3aとの間における情報のやりとりと同様に、車室内へ持ち込まれた携帯機102aと車室外の携帯機102b〜102nとの間で、横断意思情報、停止意思情報、御礼意思情報、および、識別情報などの各種情報がそれぞれ送受信される。車室内に持ち込まれた携帯機2aの携帯機制御装置109は、車室外の携帯機2から受信した各種情報を近距離無線を介して車載装置103へ送信する一方、近距離無線を介して車載装置103から受信した各種情報を車室外の携帯機2へ向けて送信する。
【0051】
すなわち、第1実施形態において車載装置3aと車室外の携帯機2とが直接的に信号を送受信していたのに対して、この第2実施形態においては車室外の携帯機102b〜102nと車室内の携帯機102aとが信号の送受信を行い、車室内において携帯機102aと車載装置103とが近距離無線で情報をやりとりするという点で相違するだけであるため、携帯機102b〜102nで送受信される信号に含まれる情報は第1の実施形態の携帯機2a〜2nで送受信される信号に含まれる情報と同様の情報となり、また、車両制御装置115で送受信される信号に含まれる情報は第1実施形態の車両制御装置15で送受信される信号に含まれる情報と同様の情報となる。
【0052】
したがって、上述した第2実施形態の交通支援システム101によれば、携帯機102を所有するユーザが車両3に搭乗する場合に、携帯機102を車両3に持ち込むだけで、携帯機102の携帯機側送信手段6及び携帯機側受信手段7を車両側の送受信機として有効利用することができる。また、車載装置103には車室内のみで通信可能な比較的小型の車両側近距離無線手段112を設けるだけでよいため、車載装置103に車室外との無線通信を行う送受信機を設ける場合と比較して車載装置103を小型化することができ、この結果、車室内における車載装置103の設置自由度を向上することができる。
【0053】
なお、上述した第2実施形態では、第1実施形態の車載装置3aと同様に車両操作手段11を車載装置103に設け、この車両操作手段11を介して乗員が停止意思を入力することとなるが、例えば、車室内に持ち込まれた携帯機102aの携帯機操作手段4を介して停止意思を入力できるようにしても良い。また、車両3の乗員への横断意思や御礼意思の報知を、車室内に持ち込まれた携帯機102aの携帯機報知手段8で行うようにしても良い。
【0054】
次に、上述した実施形態の変形例について図を参照しながら説明する。なお、この変形例は、上述した第1実施形態の車載装置3aの構成および、第2実施形態の車載装置103の構成に、それぞれ車外に向けて停止意思を報知する車外報知手段を設けたものである。
【0055】
図5は、この変形例における車両203を示しており、この車両203には車外の歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員から見える複数の位置、より具体的には、左右のサイドミラー40L,40Rの車両前方側の面と、左右のヘッドライト41L,41Rの周縁と、左右のヘッドライト41L、41Rの間のフロントグリルスクリーン42とに車外報知手段として発光部300a〜300cがそれぞれ設けられている。これら発光部300a〜300cはLED(Light Emitting Diode)等の光源により発光するようになっている。発光部300aはサイドミラー40L,40Rの車両前方側の面に設けられ、サイドミラーの前面の略全体に亘って発光可能であり、発光部300bはヘッドライト41L,41Rの周縁に設けられてリング状に発光可能になっている。また、発光部300cはフロントグリルスクリーン42に設けられ、車幅方向に沿って直列に配置された複数より具体的には5つの略円形の発光源Gにより構成されて、これら複数の発光源Gが個別に発光可能になっている。
【0056】
これら発光部300a〜300cは、乗員による停止意思が操作入力されると、上述した第1実施形態および第2実施形態の車両制御装置15,115によって点滅制御され、所定時間だけ発光される。発光部300cは、携帯機2,102より受信した位置情報に基づいて左右車幅方向のうち携帯機2,102が存在する側から反対側(図中矢印方向)に向かって順次発光されると共に、この発光パターンが繰り返されるように車両制御装置15,115により点滅制御される。
【0057】
上記変形例のように構成することで、発光部300a〜300cが発光して停止意思が操作入力されたことを歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員に対して報知することができると共に、発光部300cの点滅により、車幅方向の携帯機2,102側から反対側すなわち、横断方向に沿って光が流れることとなるので、報知対象となっている歩行者および歩行者に類する軽車両の乗員に対して光によって確実に横断を促すことができる。
【0058】
なお、上述した各実施形態では、車室外の携帯機2,102の識別情報に基づいて通信相手を特定する場合について説明したが、更なる信頼性の向上のために、例えば、車載装置固有の識別情報を付与し、車載装置側で報知対象とした携帯機に対して車載装置の識別情報を送信して認証処理を行うようにしても良い。
また、上述した変形例のように発光部300a〜300cによって停止意思を示す場合、携帯機2、102に対する停止意思情報の無線送信を省略しても良い。
【符号の説明】
【0059】
2,102 携帯機
3,203 車両
3a,103 車載装置
4 携帯機操作手段
5 携帯機位置取得手段
6 携帯機側送信手段
7 携帯機側受信手段
8 携帯機報知手段
10 ナビゲーション装置(車両側位置取得手段)
13 車両側受信手段
14 車内報知手段
15,115 車両制御装置
16 携帯機認識手段
17 受信強度判定手段
18 信号機距離判定手段
19 位置重なり判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行者により所持され、或いは歩行者に類する軽車両に備えられて、前記歩行者または前記軽車両の乗員による横断意思情報の入力操作が可能な携帯機操作手段と、現在位置情報を取得する携帯機位置取得手段と、前記横断意思情報および前記現在位置情報を含む信号を所定距離内の道路上に存在する車両に送信する携帯機側送信手段とを備える携帯機および、
車両に搭載され、前記携帯機から送信される前記信号を受信可能な車両側受信手段と、該車両側受信手段により受信した前記信号に応じて少なくとも前記携帯機の現在位置情報を報知する車内報知手段とを備える車載装置からなる交通支援システムにおいて、
前記車載装置は、乗員による操作が可能な車両操作手段及び、該車両操作手段が操作された場合に停止意思情報を含む返答信号を送信可能な車両側送信手段を備え、
前記携帯機は、前記車両側送信手段から送信される前記返答信号を受信可能な携帯機側受信手段および、該携帯機側受信手段で受信した前記返答信号に応じて少なくとも前記停止意思情報を報知する携帯機報知手段を備えることを特徴とする交通支援システム。
【請求項2】
前記車載装置は、道路上の自車両の位置及び信号機の位置を取得可能な車両側位置取得手段と、前記自車両の位置が前記信号機の位置から所定距離以上離れているか否かを判定する信号機距離判定手段と、
前記車両側受信手段により前記横断意思情報を含む信号が受信され、且つ、前記信号機距離判定手段により前記自車両の位置が前記信号機の位置から所定距離以上離れていると判定された場合に、前記車内報知手段による前記所定の情報の報知制御を行う車両制御装置とを備えることを特徴とする請求項1に記載の交通支援システム。
【請求項3】
前記携帯機から送信される前記信号は、携帯機固有の識別情報を含み、
前記車載装置は、
前記車両側受信手段で受信した前記信号に含まれる識別情報に基づいて前記携帯機を認識する携帯機認識手段と、前記車両側受信手段で受信した前記信号の受信強度を判定する受信強度判定手段と、を備え、
前記携帯機認識手段により複数の携帯機が認識された場合に、前記受信強度判定手段により複数の携帯機から送信される前記信号のうち受信強度が最も高い信号を求め、該受信強度が最も高い信号に含まれた識別情報によって認識される携帯機の位置情報のみを前記車内報知手段により報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の交通支援システム。
【請求項4】
前記車両側位置取得手段は、前記道路上の建造物の位置を取得可能であり、
前記車載装置は、
前記車両側受信手段により受信した前記信号に含まれる現在位置情報と、前記車両側位置取得手段により取得された前記建造物の位置情報とに基づき前記携帯機と前記建造物との位置が重なるか否かを判定する位置重なり判定手段を備え、
該位置重なり判定手段により前記携帯機の位置と前記建造物の位置とが重なると判定された場合に、前記車両側受信手段で受信した前記信号に応じた報知制御を行わないことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の交通支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−76568(P2011−76568A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230378(P2009−230378)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】