説明

付け爪、付け爪の製造装置及び付け爪の製造方法

【課題】立体的な装飾部を有し、廉価に製造することができ、さらに長期間の使用に耐えることのできる付け爪、この付け爪を製造するための付け爪の製造装置及びこの製造装置を使用する付け爪の製造方法を提供する。
【解決手段】裏面に爪の表面の形状に沿うような曲面を形成したベース部と、表面に立体的な模様を施した装飾部とが樹脂によって一体成形されている付け爪を製造するための付け爪の製造装置は、溶融樹脂がゲル状に硬化する程度に加熱され、かつ、高速回転する上型10及び下型20が備えられている。上型10及び下型20は可撓性を有し、接合面に多数のキャビティ11,21が形成され、上型10及び下型20の中心から各キャビティ11,21にランナ12,22が形成されている。上型10と下型20とが重ね合わされ、ランナな12,22内に溶融樹脂を注入しながら高速回転することにより、溶融樹脂をキャビティ11,21内に充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネイルアートとして人の爪に貼着する付け爪、この付け爪を製造するための付け爪の製造装置及びこの製造装置を使用する付け爪の製造方法に関し、詳しくは、立体的な装飾を施した装飾部を有する付け爪、付け爪の製造装置及び付け爪の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネイルアートが流行しているものの、爪を長く綺麗に伸ばすことが困難であるだけでなく、ネイルサロンにおいて多額の費用と時間を費やすことに躊躇している人も少なくない。このため、必要なときのみネイルアートを楽しむことができるようにした付け爪が各種提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、各人の爪に合うように成形したベースを作成し、このベースの表面にジェル状アクリル樹脂材料を好みの厚さに塗布し、この樹脂材料を数分間乾燥させて下層部材を得た後、必要に応じて偏平な形状の装飾品を下層部材上に添付し、下層部材と装飾品の表面に透明なジェル状アクリル樹脂材料を塗布し、この樹脂材料を10〜20分程乾燥させて上層部材を得た後、ベースを下層部材から剥離する人工付け爪の製造方法が開示されている。このような方法によって製造された付け爪は、装飾品が下層部材と上層部材との間に密封されているため、装飾品が押し花のように変色しやすいものであっても、美観が長期間維持される。
【0004】
また、特許文献2には、取付手段を介して装飾物を付け爪本体に着脱自在に取り付けた付け爪が開示されている。取付手段は、付け爪本体に中空のソケット部を形成し、このソケット部に2本のバネを配置する一方、装飾物に前記バネに係止される突起部を設けることによって構成されている。この付け爪は、装飾物を交換することができるため、使用者が付け爪のデザインを容易に変更することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2001−169823号公報
【特許文献2】特開2002−282040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された人工付け爪の製造方法は、偏平な装飾品を下層部材と上層部材との間に介在させるものであるから、立体的な装飾品を有する人工付け爪を製造することができず、オリジナル性やユニーク性を十分に発揮することができない。また、特許文献2に開示された付け爪は、立体的な装飾物を付け爪に取り付けるための取付手段が、バネを配置したり、突起物を設けたりしたものであるため、製造が面倒で、製品単価が高くなるだけでなく、破損しやすく、長期間の使用に耐えることが困難である。
【0007】
そこで、本発明は、立体的な装飾部を有し、廉価に製造することができ、さらに長期間の使用に耐えることのできる付け爪、この付け爪を製造するための付け爪の製造装置及びこの製造装置を使用する付け爪の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る付け爪は、裏面に爪の表面の形状に沿うような曲面が形成され、表面に立体的な模様を施した装飾部が樹脂によって成形されていることを特徴としている。
【0009】
この付け爪によれば、裏面が爪の表面の形状に沿うような曲面に形成されていることにより、付け爪の裏面が人の爪にグルー(接着剤)によって貼着されたときに、両者が密着する。そして、装飾部は、立体的な模様が施されることにより、オリジナル性やユニーク性を発揮することができる。さらに、付け爪が樹脂によって成形されることにより、長期の使用に耐えることができるだけでなく、装飾部に細かい装飾を施した付け爪を安価に提供することができる。
【0010】
また、前記と異なる本発明に係る付け爪は、裏面に爪の表面の形状に沿うような曲面を形成したベース部と、表面に立体的な模様を施した装飾部とが樹脂によって一体成形されていることを特徴としている。
【0011】
この付け爪によれば、裏面に爪の表面の形状に沿うような曲面を形成したベース部が装飾部と一体成形され、ベース部がグルーによって人の爪に貼着される。ベース部を形成した付け爪は、ベース部を形成していない付け爪よりも広範囲で貼着されるため、貼着力が強なり、爪から一層、剥離しくいようにすることができる。さらに、ベース部の表面にも平面的な絵柄などを付して、装飾効果を高めることができる。また、装飾部は、立体的な模様が施されることにより、オリジナル性やユニーク製を発揮することができる。そして、付け爪が樹脂によって成形されることにより、装飾部に細かい装飾を施し、しかも耐久性を有する付け爪を安価に提供することができる。
【0012】
また、本発明に係る付け爪の製造装置は、加熱される上型と下型とを重ね合わせて高速回転しながら付け爪を製造する付け爪の製造装置であって、上型及び/又は下型が可撓性を有し、可撓性を有している上型及び/又は下型の接合面に多数のキャビティが形成され、上型及び/又は下型の中心から前記各キャビティにランナが形成され、上型及び下型の接合面に嵌合する複数の凹部及び凸部が形成されていることを特徴としている。
【0013】
この付け爪の製造装置によれば、上型と下型が重ね合わされて加熱された状態で高速回転されながら、ランナ内に熱硬化性の溶融樹脂が注入され、この溶融樹脂が遠心力によってキャビティ内に充填され、この溶融樹脂が上型及び下型の予熱によってゲル状になった後、乾燥されることによって、樹脂が硬化して、付け爪が製造される。上型及び/又は下型に多数のキャビティが形成されていることにより、一度に多数の付け爪を製造することができる。また、キャビティ内で製造された付け爪は、爪ほどの大きさであるが、キャビティを形成した上型及び/又は下型が可撓性を有していることにより、キャビティの開口側が膨らむように上型及び/又は下型を撓曲することにより、製造された付け爪をキャビティ内から容易に取り出すことができる。したがって、キャビティを形成しない上型又は下型は、必ずしも可撓性を有していなくてもよい。また、上型及び下型の接合面に形成された多数の凹部及び凸部が嵌合することにより、上型及び/又は下型に形成されたキャビティが位置ずれしないようにされている。この凹部と凸部は、どちらを上型又は下型に形成してもよい。
【0014】
また、前記本発明に係る付け爪の製造装置において、前記キャビティは、開口側を底側よりも狭窄した逆テーパ状に形成されていてもよい。この付け爪の製造装置によれば、キャビティが逆テーパ状に形成されていることにより、装飾部の表面に施す模様をキャビティの底面に形成し、装飾部の裏面又はベース部と装飾部との結合部分が装飾部の表面よりも狭く、装飾部の表面が拡大するような立体的な装飾部を有するように製造することができる。このような形状の装飾部を有する付け爪であっても、型が可撓性を有しているため、キャビティの開口側が膨れるように型を撓曲することにより、逆テーパ状のキャビティの開口側が開口する状態となって、装飾部をキャビティ内から取り出すことができる。
【0015】
また、前記付け爪の製造装置において、前記上型及び下型の側面に連続する合せ目が形成されていることが好ましい。この付け爪の製造装置によれば、上型及び下型に形成された複数の凹部及び凸部が不均等に配置され、特定の凹部と凸部とのみが嵌合するようにされていても、上型及び下型の側面に形成された合せ目を連続させることにより、容易に位置合わせすることができ、作業効率を向上させることができる。
【0016】
また、本発明に係る付け爪の製造方法は、前記いずれかの一つの付け爪の製造装置を使用する付け爪の製造方法であって、前記凹部及び凸部が嵌合するように上型と下型とを重ね合わせ、熱硬化性の溶融樹脂が硬化する温度に上型及び下型を予熱し、熱硬化性の溶融樹脂を前記ランナ内に注入しながら上型及び下型を高速回転することによって、溶融樹脂をキャビティ内に充填し、該キャビティ内の溶融樹脂を上型及び下型の予熱によってゲル状にし、上型及び下型を乾燥雰囲気中に置くことによって、ゲル状の樹脂を硬化させ、上型及び下型を分離し、キャビティを形成した型を撓曲させることによって、硬化した樹脂をキャビティ内から取り出すことを特徴としている。
【0017】
この付け爪の製造方法によれば、上型と下型が重ね合わされ、ランナ内に熱硬化性の溶融樹脂が注入されるが、上型と下型が高速回転することにより、溶融樹脂は遠心力によってランナからキャビティ内に充填される。そして、上型と下型が予熱されていることにより、キャビティ内の熱硬化性の溶融樹脂は、ゲル状になる。その後、上型及び下型が乾燥雰囲気中に置かれることにより、ゲル状の樹脂が硬化し、多数のキャビティ内に付け爪が一括して製造される。この付け爪は、上型及び下型が分離し、キャビティの開口側が膨らむように撓曲することによってキャビティ内から容易に取り出すことができる。
【0018】
また、前記本発明に係る付け爪の製造方法において、前記樹脂はウレタン樹脂であり、前記予熱の温度は70〜80℃であり、前記回転速度は700〜1500rpmであり、前記回転時間は2〜3分であり、前記乾燥時間は約20分であることが好ましい。この付け爪の製造方法によれば、樹脂としてウレタン樹脂を採用する場合において、予熱温度が70〜80℃、回転時間が2〜3分、乾燥時間が約20分とすることにより、他の樹脂を採用するよりも製造時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、立体的な模様を施した装飾部を形成した付け爪が提供されることにより、オリジナル性やユニーク性を発揮することができる。しかも、付け爪が樹脂によって成形されていることにより、安価で耐久性に優れたものを提供することができる。したがって、多種類の付け爪を購入し、お洒落を長期間楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る付け爪の実施形態について図1及び図2を参照しながら説明する。図1に示した付け爪Aは、表面1aに立体的な模様を施した装飾部1の裏面1bが人の爪Nの表面に沿うような曲面に成形されていることを特徴としている。また、図2に示した付け爪Bは、表面1aに立体的な模様を施した装飾部1と、裏面2bを人の爪Nの表面に沿うような曲面に形成したベース部2とを一体成形したことを特徴としている。
【0021】
いずれの付け爪A,Bも、例えばウレタン樹脂によって製造される。ウレタン樹脂は、射出成形しやすく、1回の製造において多量の付け爪を短時間に、しかも安価に製造することができる。ただし、付け爪A,Bの材質は、人体に悪影響を及ぼさないものであれば、ウレタン樹脂以外、アクリル樹脂その他の樹脂を使用することができる。ウレタン樹脂は、アクリル樹脂よりも速乾性を有しているため、製造効率に優れている。アクリル樹脂は、ウレタン樹脂よりも透明感があるため、透明の付け爪A,Bを好適に製造することができる。
【0022】
いずれにしても、装飾部1は、花やリボンなど立体的な模様が施されることにより、オリジナル性やユニーク性が発揮される。
【0023】
また、装飾部1の裏面1b又はベース部2の裏面2bが人の爪Nの表面に沿うような曲面に形成されていることにより、この裏面1b,2bが人の爪Nに密着する。付け爪A,Bの裏面1b,2bと人の爪Nとは、グルー(接着剤)によって使用者自身によって貼着される。特に、ベース部2は、広範囲で人の爪Nに貼着されるため、付け爪Bがより一層、人の爪Nから剥離しにくいようにすることができる。加えて、ベース部2の表面に平面的な模様を施すことによっても、装飾効果を高めることができる。
【0024】
ここで、このような付け爪A,Bを製造するための付け爪の製造装置について図3及び図4を参照しながら説明する。この付け爪の製造装置は、図3に示すように円盤状の上型10と下型20とが備えられている。この上型10と下型20は、接離可能で、接合した状態で高速回転するようにされている。また、上型10と下型20を上下から挟んで接合した状態を維持しながら高速回転させるプレス(図示せず)が配備されている。
【0025】
そして、上型10及び/又は下型20の接合面には、付け爪A,Bを成形するための多数のキャビティ11,21…が形成されている。各キャビティ11,21は、図示したように1周の円の上に等間隔に形成されるほか、複数の同心円の上に等間隔に形成されてもよい。いずれにしても、上型10及び下型20には、中心からキャビティ11,21までランナ12,22が形成されている。ただし、ランナ12,22は、上型10又は下型20の一方にのみ形成してもよい。キャビティ11,21とランナ12,22との境界であるゲート13,23は、図示しないが当然、狭くされている。そして、上型10の中心には、溶融樹脂の導入口14が形成され、この導入口14にパイプ(図示せず)が接続される。
【0026】
また、付け爪Aが図1に示したようなベース部2を設けないものであれば、キャビティ11,21は上型10又は下型20の一方にのみ形成してもよい。また、付け爪Bが図2に示したようなベース部2と装飾部1とを一体成形するものであれば、例えば図4に示すように、装飾部1を形成するキャビティ21が下型20に形成され、ベース部2を形成するキャビティ11が上型10に形成されるが、逆であってもよい。いずれにしても、ランナ12,22は、上型10と下型20の両方又は片方にのみ形成される。
【0027】
そして、キャビティ11,21は、表面1a側を裏面1b側よりも拡大した立体的な装飾部1を形成することができるようにするため、図4に示すように逆テーパ状に形成されている。すなわち、キャビティ11,21の開口側が底側よりも狭窄されている。そして、上型10のキャビティ11の底面は、装飾部1の裏面1b又はベース部2の裏面2bを曲面に形成するため、円弧状に突出している。また、下型20のキャビティの底面には、装飾部1の表面1aに模様を施すため、凹凸(図示せず)が形成されている。
【0028】
このような逆テーパ状のキャビティ11,21から装飾部1を取り出すことができるようにするため、上型10及び/又は下型20は、可撓性の材質で形成されている。具体的には、シリコンラバーやエラストマなどによって製造されている。
【0029】
そして、上型10のキャビティ11と下型20のキャビティ21との位置が合うようにするため、上型10及び下型20の接合面には、嵌合する複数の凸部15及び凹部25が形成されている。ただし、上型10に凹部25を形成し、下型20に凸部15を形成してもよい。いずれにしても、凸部15は図4に示すように、型から抜けないように突起15aが形成され、この突起15aが型内に埋め込まれている。このような凸部15と凹部25は、等間隔で形成されることが好ましいが、上型10のキャビティ11,21と下型20のキャビティ11,21とが位置あわせすることができれば、等間隔に形成されていなくてもよい。
【0030】
この場合、上型10と下型20とが迅速に位置あわせすることができるように、上型10の側面と下型20の側面とには、合せ目16,26が形成されている。この合せ目16,26は、図3に示すように、切欠部によって形成することが好ましいが、線描きなどで成形してもよいし、マークを付してもよい。
【0031】
ここで、このような付け爪の製造装置を使用して付け爪A,Bを製造する方法について、図5も合わせて参照しながら説明する。まず、図3及び図4の実線に示すように、合せ目16,26を利用して、上型10と下型20とを重ね合わせ、図示しないプレスによって挟まれる状態とする。このとき、凸部15と凹部25とが嵌合することにより、上下のキャビティ11,21が連続した状態となる。この重ね合わされた上型10及び下型20を70〜80℃に予熱する。
【0032】
そして、熱硬化性の樹脂を、ランナ12,22内に注入しながら上型10と下型20を700〜1500rpmで高速回転する。熱硬化性の樹脂としてウレタン樹脂を採用するときは、上型10及び下型20を2〜3分高速回転する。熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を採用するときは、上型10及び下型20を約10分高速回転する。
【0033】
すると、ランナ12,22内の溶融樹脂は、遠心力によってキャビティ11,21内に充填される。キャビティ11,21内に充填された溶融樹脂は、上型10と下型20が予熱されていることによって、ゲル状になる。
【0034】
その後、上型10と下型20は、プレスが外され、乾燥室内に移送され、乾燥される。樹脂がウレタン樹脂であってもエポキシ樹脂であっても、約20分乾燥することによって、ゲル状の樹脂が硬化し、付け爪A,Bが完成する。
【0035】
この付け爪Aは、装飾部1の裏面1bが表面1aよりも狭く形成され、あるいは、付け爪Bは、ベース部2と装飾部1と結合部分が装飾部1の表面よりも狭く形成されており、装飾部1がキャビティ21内に埋め込まれた状態となっている。そこで、キャビティ11,21の開口側が膨らむように下型20を撓曲する。すると、キャビティ11,21は、図5に示すように、開口側が拡開し、付け爪A,Bの装飾部1をキャビティ11,21内から取り出すことができる。
【0036】
このようにして、付け爪A,Bは、一度に多量に製造されるため、安価な商品として提供することができる。この付け爪A,Bには、別途、アクセサリを添着することもできる。そして、使用者は、多種類の付け爪A,Bを爪に貼着することによってお洒落を楽しむことができる。
【0037】
なお、本発明は、前記の実施形態に限定することなく、特許請求の範囲に記載された発明特定事項の範囲内において種々変更することができる。例えば、前記の予熱温度、回転時間、乾燥時間は、前記の樹脂の場合の一例であり、他の樹脂を使用するときは、適宜、変更される。
【0038】
また、一方の型10,20にのみキャビティ11,21を形成し、他方の型20,10にはキャビティ11,21を形成しないようにしてもよく、この場合は、キャビティ11,21を形成しない型は、必ずしも可撓性を有していなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る付け爪の第1の実施形態を示す正面図である。
【図2】本発明に係る付け爪の第2の実施形態を示す正面図である。
【図3】本発明に係る付け爪の製造装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る付け爪の製造装置の一実施形態を示す正面断面図である。
【図5】本発明に係る付け爪の製造装置の一実施形態を示す要部を拡大した正面断面図である。
【符号の説明】
【0040】
A,B…付け爪
1…装飾部
1b…裏面
2…ベース部
2b…裏面
10…上型
11,21…キャビティ
12,22…ランナ
15…凸部
25…凹部
16,26…合せ目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面に爪の表面の形状に沿うような曲面が形成され、表面に立体的な模様を施した装飾部が樹脂によって成形されていることを特徴とする付け爪。
【請求項2】
裏面に爪の表面の形状に沿うような曲面を形成したベース部と、表面に立体的な模様を施した装飾部とが樹脂によって一体成形されていることを特徴とする付け爪。
【請求項3】
加熱される上型と下型とを重ね合わせて高速回転しながら付け爪を製造する付け爪の製造装置であって、
上型及び/又は下型が可撓性を有し、可撓性を有している上型及び/又は下型の接合面に多数のキャビティが形成され、上型及び/又は下型の中心から前記各キャビティにランナが形成され、上型及び下型の接合面に嵌合する複数の凹部及び凸部が形成されていることを特徴とする付け爪の製造装置。
【請求項4】
前記キャビティは、開口側を底側よりも狭窄した逆テーパ状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の付け爪の製造装置。
【請求項5】
前記上型及び下型の側面に連続する合せ目が形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の付け爪の製造装置。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか一つに記載の付け爪の製造装置を使用する付け爪の製造方法であって、
前記凹部及び凸部が嵌合するように上型と下型とを重ね合わせ、熱硬化性の溶融樹脂が硬化する温度に上型及び下型を予熱し、
熱硬化性の溶融樹脂を前記ランナ内に注入しながら上型及び下型を高速回転することによって、溶融樹脂をキャビティ内に充填し、
該キャビティ内の溶融樹脂を上型及び下型の予熱によってゲル状にし、
上型及び下型を乾燥雰囲気中に置くことによって、ゲル状の樹脂を硬化させ、
上型及び下型を分離し、キャビティを形成した型を撓曲させることによって、硬化した樹脂をキャビティ内から取り出すことを特徴とする付け爪の製造方法。
【請求項7】
前記樹脂はウレタン樹脂であり、前記予熱の温度は70〜80℃であり、前記回転速度は700〜1500rpmであり、前記回転時間は2〜3分であり、前記乾燥時間は約20分であることを特徴とする請求項6に記載の付け爪の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−319346(P2007−319346A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−151933(P2006−151933)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(501478001)
【出願人】(501478023)
【Fターム(参考)】