説明

伝導性有機組成物の製造でのカーボンナノチューブの使用と、その組成物の利用

【課題】温度変化に対して一定の電気抵抗率を有する導電性有機組成物の製造でのカーボンナノチューブの使用と、その組成物の利用。
【解決手段】導電性有機組成物は温度変化に対して敏感でない電気抵抗率と温度変化に対して敏感でない熱電導度とを有する。図2は温度変化に対して抵抗が一定であることを示している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度変化に対して一定の電気抵抗率を有する導電性有機組成物の製造でのカーボンナノチューブの使用と、その組成物の利用とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブは公知で、その機械的性質およびその優れた導電性および熱伝導性が利用されている。その電気的、熱的および/または機械的特性を高分子材料への添加剤として使用することが次第に増えている(下記文献参照)
【特許文献1】国際特許第WO 91/03057号公報
【特許文献2】米国特許第U55744235号明細書
【特許文献3】米国特許第U55445327号明細書
【特許文献4】米国特許第US54663230号明細書
【0003】
カーボンナノチューブの用途は多数の分野に及び、特に、電子工学の分野(温度および構造に応じて伝導体、半導体または絶縁体にできる)、機械の分野、例えば複合材料での補強材(カーボンナノチューブは鋼より100倍強く、1/6の軽さ)、電気機械分野(充填注入で延ばしたり、縮めたりできる)で利用される。
【0004】
例えば電子部品の包装、ガソリンの配管(燃料ライン)、静電防止被覆、コーテング、サーミスター、スーパーキャパシター用電極、その他用途用の高分子材料でのカーボンナノチューブの使用を挙げることができる。さらに、伝導性有機組成物、特に電気抵抗が温度の関数で正または負に変化する効果(PCT効果またはNTC効果)を有する伝導性有機組成物や電気抵抗装置での使用もある(下記文献参照)。
【特許文献5】米国特許第US54663230号明細書
【0005】
一般に、これらの組成物は少なくとも一種の半結晶成分、例えば伝導性添加材、一般にはカーボンブラックとを含んだポリエチレンまたはPVDFの高分子物質をベースにした配合物である(下記文献)。
【非特許文献1】J. of Pol. Sci. Part B - Vol. 41, 3094-3101 (2003)
【特許文献6】米国特許第US 20020094441 Al号明細書
【特許文献7】米国特許第 US 6,640,420号明細書
【0006】
その基礎的原則は結晶領域の溶融によって容積変化が増加し、高分子物質の領域/伝導性充填材の領域の比が変化し、導電性範囲から絶縁性範囲へ変化することを利用するもので、パーコレーション閾値を利用する。
【0007】
PCT効果を利用するシステムはジュール効果による加熱システムまたはジュール効果により温度を関数として急速に大きくなる抵抗をベースにした電気リミッタ(電圧または電流、電流遮断)として利用できる。このPCT効果はサーミスタ、加熱ペイント、車両座席加熱システム、その他で利用されている。
【0008】
カーボンナノチューブを含んだ導電性有機組成物の特許としては例えば下記を挙げることができる。
【特許文献8】国際特許第 WO 91/03057号公報
【特許文献9】米国特許第US 5744235号明細書
【特許文献10】米国特許第US 5611964号明細書
【特許文献11】米国特許第US 6403696号明細書
【0009】
特に、有名なHyperionの特許としては下記が挙げられる。
【特許文献12】米国特許第US 5651922号明細書
【特許文献13】国際特許第WO 94/23433号公報
【特許文献14】欧州特許第EP692136号公報
【0010】
この特許ではPCT効果に使うカーボンブラックまたはグラファイトと同時にナノチューブを含んだ伝導性組成物を使用する。すなわち、抵抗を温度上昇時に増加させてジュール効果に基づいて電子回路および/または加熱システムを確実に保護している。
【0011】
さらに、PCT効果とは逆の効果、すなわち温度との無関係な抵抗を有する電気伝導性組成物を得るために有機組成物にカーボンナノチューブを使用することも知られている。下記文献ではポリエチレンおよびポリプロピレン-タイプのポリマーが記載されている。
【特許文献15】欧州特許第EP 1052654号公報
【0012】
下記文献にはポリイミド-タイプのポリマーの使用が記載されている。
【特許文献16】国際特許第WO03/024798号公報
【特許文献17】米国特許第US2003/122111号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、温度に敏感でない電気抵抗率を有する伝導性有機組成物を製造するために、上記以外のタイプの有機材料でのカーボンナノチューブを使用することにある。
【0014】
温度に「敏感でない(insensitive)」とは作業温度範囲(一般に-50℃から、配合物が半結晶性重合体をベースにしたものの場合にはポリマーの融解温度まで、非晶質高分子をベースにしたものの場合にはガラス遷移温度まで)での相対変化が80%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下であることを意味する。一般に、上記温度領域は使用する有機の配合物の種類によって変わる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明で使用される有機材料は下記(a)〜(h)の中から選択される:
(a)下記樹脂から成る熱可塑性樹脂のグループ:
i) アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合樹脂(ABS)、
ii)アクリロニトリル−エチレン/プロピレン−スチレン(AES)、
iii)メタアクリル酸メチル-ブタジエン−スチレン(MBS)、
iv)アクリロニトリル-ブタジエン-メタアクリル酸メチル−スチレン(ABMS)、
v) アクリロニトリル-n-ブチルアクリレート・スチレン(AAS)
(b)変性ポリスチレンゴム;
【0016】
(c)下記の樹脂:
I)ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリケトン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド;
(d)下記の樹脂:
i)ハロゲン化、フッ素化、塩素化または珪素化されたポリベンズイミダゾール;
【0017】
(e)フェノール、尿素、メラミン、キシレン、ジアリルフタレート、エポキシ、アニリン、フラン、ポリウレタンをベースにした樹脂から成る熱硬化性樹脂のグループ;
(f)スチレン-タイプのエラストマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体またはスチレン-イソプレン−スチレン・ブロック共重合体またはこれらの水素化物、PVC、ウレタン、ポリエステル、ポリアミドタイプのエラストマー、ポリブタジエン-タイプの熱可塑性エラストマー、例えば1,2- ポリブタジエンまたはtrans-l,4- ポリブタジエン樹脂;塩素化ポリエチレン、フッ素化されたタイプの熱可塑性エラストマー、ポリエーテルエステルおよびポリエーテルアミドから成る熱可塑性エラストマーのグループ;
【0018】
(g)セルロース誘導体ポリマー、高分子電解質、イオン性ポリマー、アクリレートポリマー、アクリル酸ポリマー、アラビアゴム、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタアクリル酸)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレンホルムアミド)、ポリヒドロキシエーテル、ポリ(ビニルオキサゾリジノンエステル)、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチル(ヒドロキシエチル)セルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、これらのコポリマーおよび混合物から成される水溶性高分子のグループ;
【0019】
(h)ポリスチレンスルホナート(PSS)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-酢酸ビニール)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-アクリル酸)、ポリ(1−ビニルピロリドン-co-メタクリル酸ジメチルアミノエチル)、ポリビニル硫酸、ポリ(ソジウムスチレン・スルホン酸-co-マレイン酸)、デキストラン、デキストランサルフェート、ゼラチン、ウシ清アルブミン、ポリ(メタクリル酸メチル-co-アクリル酸エチル)、ポリアリルアミンおよびこれらの組合せから成るグループ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の対象は、温度に敏感でない電気抵抗率を有する伝導性有機組成物の製造のためのカーボンナノチューブの使用にある。
本発明の一つの実施例では、上記の使用において、上記伝導性有機組成物は温度に敏感でない熱伝導性もさらに有する。
本発明の他の実施例では、上記の使用において、組成物は一種以上の導電性充填材を含み、その少なくとも一つの充填材はカーボンナノチューブから成り、このカーボンナノチューブの縦横比(L/D)は5以上、好ましくは50以上、さらに好ましくは100以上である。
本発明のさらに他の実施例では、上記の使用において、組成物中のカーボンナノチューブの重量百分率は30%以下、好ましくは、0.01〜20%、さらに有利には0.1〜15%である。
【0021】
本発明のさらに他の実施例では、上記の使用において、カーボンナノチューブは0.4〜50ナノメートルの直径を有し、その長さは直径の100〜100000倍である。
本発明のさらに他の実施例では、上記の使用において、カーボンナノチューブは多重壁形で、その直径は10〜30ナノメートル、その長さは0.5ミクロン以上である。
本発明のさらに他の実施例では、上記の使用において、有機組成物が0.01〜5%のパーコレーション限界(seuil de percolation)を有する。
本発明のさらに他の実施例では、上記の使用において、有機組成物が油、油脂のような液体(例えば潤滑用に使われる液体、水または溶剤をベースにした液体配合物、例えば接着剤、ペイントおよびニス)から選択される一種以上の高分子物質をさらに含む。
【0022】
本発明のさらに他の実施例では、上記の使用において、有機組成物が少なくとも一種の半結晶タイプのポリマーを含む。
本発明は特に好ましい用途は電子部品のパッケージング、ガソリンパイプの製造(燃料ライン)、静電気防止剤コーテング、サーミスター、スーパーキャパシター電極、機械的補強材繊維、織物繊維、ゴムまたはエラストマー配合物、シール、無線周波数電磁波および電磁波のスクリーンである。
【0023】
本発明のさらに他の対象は、新規産業的製品としての温度に敏感でない電気抵抗率を有する伝導性の有機組成物にある。この有機組成物は組成物の重量に対して30重量%以下のカーボンナノチューブを含み、このカーボンナノチューブの直径は0.4〜50nmであり、その縦横比(L/D)は100以上である。この有機組成物は下記(a)〜(h)の中から選択をされる少なくとも一種のポリマー材料を含む:
(a)下記樹脂から成る熱可塑性樹脂のグループ:
i) アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合樹脂(ABS)、
ii)アクリロニトリル−エチレン/プロピレン−スチレン(AES)、
iii)メタアクリル酸メチル-ブタジエン−スチレン(MBS)、
iv)アクリロニトリル-ブタジエン-メタアクリル酸メチル−スチレン(ABMS)、
v) アクリロニトリル-n-ブチルアクリレート・スチレン(AAS)
(b)変性ポリスチレンゴム;
【0024】
(c)下記の樹脂:
I)ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリケトン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド;
(d)下記の樹脂:
i)ハロゲン化、フッ素化、塩素化または珪素化されたポリベンズイミダゾール;
【0025】
(e)フェノール、尿素、メラミン、キシレン、ジアリルフタレート、エポキシ、アニリン、フラン、ポリウレタンをベースにした樹脂から成る熱硬化性樹脂のグループ;
(f)スチレン-タイプのエラストマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体またはスチレン-イソプレン−スチレン・ブロック共重合体またはこれらの水素化物、PVC、ウレタン、ポリエステル、ポリアミドタイプのエラストマー、ポリブタジエン-タイプの熱可塑性エラストマー、例えば1,2- ポリブタジエンまたはtrans-l,4- ポリブタジエン樹脂;塩素化ポリエチレン、フッ素化されたタイプの熱可塑性エラストマー、ポリエーテルエステルおよびポリエーテルアミドから成る熱可塑性エラストマーのグループ;
【0026】
(g)セルロース誘導体ポリマー、高分子電解質、イオン性ポリマー、アクリレートポリマー、アクリル酸ポリマー、アラビアゴム、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタアクリル酸)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレンホルムアミド)、ポリヒドロキシエーテル、ポリ(ビニルオキサゾリジノンエステル)、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチル(ヒドロキシエチル)セルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、これらのコポリマーおよび混合物から成される水溶性高分子のグループ;
【0027】
(h)ポリスチレンスルホナート(PSS)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-酢酸ビニール)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-アクリル酸)、ポリ(1−ビニルピロリドン-co-メタクリル酸ジメチルアミノエチル)、ポリビニル硫酸、ポリ(ソジウムスチレン・スルホン酸-co-マレイン酸)、デキストラン、デキストランサルフェート、ゼラチン、ウシ清アルブミン、ポリ(メタクリル酸メチル-co-アクリル酸エチル)、ポリアリルアミンおよびこれらの組合せから成るグループ。
【0028】
本発明の一つの実施例では、上記組成物中のカーボンナノチューブは10〜30ナノメートルの直径を有し、0.5ミクロン以上の長さを有する。
本発明の一つの実施例では、上記組成物が温度に敏感でない熱伝導性も有している。
本発明の他の実施例では、上記組成物がカーボンナノチューブを0.1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%含む。
本発明のさらに他の実施例では、上記組成物のパーコレーション限界がカーボンナノチューブの0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0029】
本発明のさらに他の実施例では、上記組成物が油、油脂のような液体、例えば潤滑剤で使われる液体、水または溶剤をベースにした液体配合物、例えば接着剤、ペイント、ニスの中から選択される一種または複数の高分子物質をさらに含むことができる。
本発明のさらに他の実施例では、上記組成物は少なくとも一種の半結晶タイプのポリマーを含むことができる。
【0030】
本発明組成物は一種または複数の導電性(および/または熱伝導性)充填材を含み、その少なくとも1一つはカーボンナノチューブから成り、このカーボンナノチューブの縦横比(L/D)は5以上、好ましくは50以上、さらに好ましくは100以上である。本発明で一般的に使用されるカーボンナノチューブは管状の構造を有し、その直径は100ナノメートル以下、好ましくは0.4〜50nmであり、および/または、一般に長さが直径の5倍以上、好ましくは50倍以上、さらに好ましくは直径の100〜100000倍、さらには直径の1000〜10000倍である。
【0031】
カーボンナノチューブは、塊状または非塊状の互いに−結合した芳香環のシングル壁、ダブル壁またはマルチ壁の長い炭素チューブから成るsp2構造のアレトロピックな炭素から成る。ナノチューブが単一チューブで構成される場合を単一壁とよび、2つのチューブから成る場合を二重壁とよび、それ以上の場合を多重壁とよんでいる。ナノチューブの外表面は均一であるか、テキスチャー構造である。例えば、単一壁ナノチューブ、二重壁ナノチューブまたは多重壁ナノチューブ等を挙げることができる。
【0032】
このナノチューブを化学的または物理的に処理して精製したり、官能化して新しい特性を付与したり、配合物中の他の成分、例えばポリマーマトリックス、エラストマー、熱硬化性樹脂、油、油脂や水または溶剤をベースにした配合物、例えばペイント、接着剤、ニスとの相互作用をさせることができる。
【0033】
カーボンナノチューブは下記のような種々の方法で製造できる。
【非特許文献2】C. Journet et al. in Nature (London), 388 (1997) 756(電気アーク法)
【非特許文献3】Hipco(P. Nicolaev st al. Chem. Phys. Lett. 1999、313、91)(CVD気相法)
【非特許文献4】A.G. Rinzler et al., Appl. Phys. A, 1998, 67, 29 (レーザー法)
【0034】
さらに、中空カーボンナノチューブや炭素化物または炭素以外の物質が充填された管状形状を生じさせる方法がその他にもある。例えば、下記文献には非塊状の多重壁カーボンナノチューブの製法が記載されている。
【特許文献18】国際特許第WO 86/03455号公報
【特許文献19】国際特許第WO 03/002456号公報
【0035】
本発明の有機組成物は一種または複数の高分子物質を含む。これらの材料は一般に液体または固形物、例えば潤滑剤で使われる油または油脂のような水または溶剤をベースにした液体配合物、例えば接着剤、ペイントおよびニスであり、熱可塑性または熱硬化性のポリマーおよびコポリマー、水溶性高分子、エラストマーであり、バルク、懸濁液または分散物である。
【0036】
熱可塑性樹脂の例として下記の樹脂を挙げることができる:
アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合樹脂(ABS)、アクリロニトリル−エチレン/プロピレン−スチレン(AES)、メタアクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン(MBS)、アクリロニトリル−ブタジエン−メタアクリル酸メチル−スチレン(ABMS)、アクリロニトリル-n-ブチルアクリレート−スチレン(AAS)のような樹脂、
変性ポリスチレンのようなゴム、
ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニール、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリケトン(ポリスルホン)ポリフェニレンスルフィドのような樹脂、
ハロゲン化、好ましくはフッ素化されたPVDFのような樹脂または塩素化されたPVCのような樹脂、珪素化樹脂、ポリベンズイミダゾール。
【0037】
熱硬化性樹脂の例としてはフェノール、尿素、メラミン、キシレン、ジアリルフタレート、エポキシ、アニリン、フラン、ポリウレタン、その他をベースにした樹脂を挙げることができる。
本発明で使用できる熱可塑性エラストマーの例としてはポリオレフィンタイプのエラストマー、スチレンタイプ、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体またはスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体またはその水素化された形、PVCタイプのエラストマー、ウレタン、ポリエステル、ポリアミドタイプ、ポリブタジエンタイプの熱可塑性エラストマー、例えば1,2-ポリブタジエンまたはtrans-l,4-ポリブタジエン樹脂;塩素化されたポリエチレン、フッ素化されたタイプの熱可塑性エラストマー、ポリエーテルエステルおよびポリエーテルアミド、その他が挙げられる。
【0038】
水溶性高分子の例としては両親媒性のポリマー、疎水性と親水性の両方のセグメントを含む界面活性ポリマー、セルロース誘導体ポリマー、高分子電解質、イオン性ポリマー、アクリレートポリマー、アクリル酸ポリマー、これらのコポリマーおよび混合物が挙げられる。水溶性高分子の具体的例としてはアラビアゴム、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニールアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタアクリル酸)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレン・ホルムアミド)、ポリヒドロキシエーテル、ポリ(ビニル・オキサゾリジノンエステル)、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチル(ヒドロキシエチル)セルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、これらのコポリマーおよび混合物が挙げられる。
【0039】
さらに、ポリスチレンスルホナート(PSS)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-酢酸ビニール)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-アクリル酸)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-メタクリル酸ジメチルアミノエチル)、ポリビニル硫酸、ポリ(ソジウムスチレンスルホン酸-co-マレイン酸)、デキストラン、デキストランスルホネート、ゼラチン、ウシ血清アルブミン、ポリ(メタクリル酸メチル-co-アクリル酸エチル)、ポリアリルアミンおよびこれらの組合せも挙げられる。
【0040】
本発明の一定の抵抗を有する有機組成物の配合物は所望するジュール効果の熱エネルギーの関数と使用電力(電圧または電流)で定義される。
配合物のコストの観点から、組成物中のカーボンナノチューブの重量百分率は30%以下にするのが好ましく、さらには0.01〜20重量%が好ましい。ナノチューブの好ましい百分比は0.1〜15重量%である。
【0041】
本発明の温度変化に対して一定の抵抗を有する組成物は当業者に公知の任意のプロセス、例えば乾燥混合、マトリックスポリマーまたは樹脂中での濃縮、懸濁等で得られる。
混合方法はゴム、ポリマー、液体、その他で使用されている種々の方法を使用でき、インターナルミキサ、単軸または二軸スクリュー押出機、ノズル混合、ウルトラ渦(ultraturax)タイプの混合機、超音波混合機、その他当業者に公知の任意タイプの混合機を使用できる。
【0042】
上記組成物は直接得られるか、下記文献に記載のようにマスターバッチを用いて希釈して得ることができる
【特許文献20】国際特許第WO 91/03057号公報
【特許文献21】米国特許第5646990号明細書
【特許文献22】欧州特許第EP 692136号公報
【特許文献23】米国特許第5591382号明細書
【特許文献24】米国特許第5643502号明細書
【特許文献25】米国特許第5651922号明細書
【特許文献26】米国特許第6221283号明細書
【0043】
本発明組成物はカーボンナノチューブの存在下で有機材料を直接合成することで得られる。それによってポリマーまたはコポリマーとカーボンナノチューブとの間に物理的な相互作用や共有結合が生じ、機械特性(マトリックスとカーボンナノチューブとの間で機械的な力を伝達する)が大幅に改善する。
【0044】
本発明組成物はさらに、カーボンナノチューブの重量の0.01〜5%、好ましくは0.1〜3%の範囲のパーコレーション限界を有する。このパーコレーション限界 (le seuil de percolation) は組成物を導体領域から絶縁領域へ変える高分子物質中の伝導性充填材の量に対応する。
【0045】
発明者はこのパーコレーション限界は分散状態、従って、混合装置および混合パラメータ上に依存すると考えるが、この理論に限定されるものではない。完全分散した場合、すなわち、全てのナノチューブが個別に分散した場合には上記限界は縦横比L/Dに比例する。このパーコレーション限界を生じさせる一つの関係は(L/D).Fv〜3である。このFvはカーボンナノチューブの体積分率である。例えば、L/Dの比が〜100の場合、パーコレーション限界は3%であり、L/D〜1000では体積分率は0.3%である。
【0046】
上記組成物は温度が変化したときに変化しない抵抗を必要とする全ての用途で使用できる。特別な理論に拘束されるものではないが、カーボンブラックのパーコレーションの経路はカーボンナノチューブの経路とは異なるといえる。事実、カーボンブラックでの接触は点接触であり、簡単に分解できる。それに対してカーボンナノチューブの接触は、例えポイント接触であっても、カーボンナノチューブが互いに相対滑走し、接触を維持することができる。この違いは伝導性成分の組織にある。大抵のカーボンブラックはビーズの形をしている(パーコレーション限界以上で)ルに対して、カーボンナノチューブは多くの場合、炭素がもつれた形をしている。本発明組成物が温度変化で変化しない一定の抵抗を有するのはこのもつれのレベルにあると考えられる。
【0047】
本発明は一定の抵抗を有するが、本発明組成物は下記文献に記載のようなカーボンナノチューブを含む高分子組成物の用途でも使用手きる:
【特許文献27】米国特許第6689835号明細書
【特許文献28】米国特許第6746627号明細書
【特許文献29】米国特許第6491789号明細書Carbon, 2002.40(10) 1741/1749
【特許文献30】米国特許第2003/0130061号明細書
【特許文献31】国際特許第W097/15934号公報
【特許文献32】日本特許第2004-244490号公報
【特許文献33】国際特許第W02004/097853号公報
【非特許文献5】Science 2000, 290 (5495), 1331/1334 - J. Mater. Chem., 2994.14, 1/3
【0048】
本発明組成物は特に、ナノチューブの使用に起因する機械的利点を有している。用途としては以下の用途が挙げられる:
電子部品の包装、ガソリンパイプ(燃料ライン)の製造、静電防止剤コーテング、サーミスター、スーパーキャパシター電極、機械的補強繊維、織物繊維、タイヤのようなゴムまたはエラストマー配合物、シール、特にガスケット、無線周波数および電磁波の遮蔽、人口筋肉、その他。
温度変化に対して一定な抵抗を有する本発明組成物は上記のような用途で種々の最終形状:液体、硬い固体、エラストマー、粉末、フィルム、繊維、ゲル、その他で使用できる。
【実施例】
【0049】
以下、本発明の実施例を示すが、この実施例が本発明の範囲を制限するものではない。
特許文献19(国際特許第WO 03/002456号公報)に記載の方法で製造したカーボンナノチューブを使用した。このナノチューブの直径は10〜30nmで、長さは>0.4μmであり、最終組成物中で前端が多重壁か、98%以上が分離した形すなわち非凝集形をしている。
参考配合物としては、Timcal社からENSACO 250の名称で市販のグラファイトおよびカーボンブラックを添加したポリマー配合物を使用した。
組成物中ではPVDFまたはPVCのようなハロゲン化、フッ素化、塩素化されたポリマー配合物を使用する。以下の実施例で使用したポリマーはArkema社からKynar 720の名称で市販のPVDFタイプの熱可塑性高分子である。特に断わらない限り、比率は重量比である。
【0050】
以下の実施例の組成物の製造方法は下記のとおりである:一般に本発明組成物は溶融状態のポリマー中にカーボンナノチューブまたは参照添加剤を混合して製造する。混合はインターナルミキサ、例えばHaakタイプの混合機を用いて行う。混合温度は一般に約230℃で、混合時間は混合機のトルクの安定度に依存するが、一般に7分以下である。各成分は下記の順番で混合機に入れる:最初に50%のポリマーを導入し、ポリマーが溶け始めた時に伝導性充填材を加え、ポリマーの残部を加える。
【0051】
電気抵抗率の測定は弱伝導性組成物溶の誘電系を用いて107 オーム.cm以下の抵抗を有する材料用の4点法で実施する。PCT効果の評価は50.02Hzの振動数の誘導体分光計を用いて行う。電気接触を確実にするために圧縮成形で作ったプレート形サンプルの両方面を銀の層で被覆した。各テストではサンプルを3℃/mmの速度で加熱した。第1回目には-20℃から165℃へ、第2回目には-20℃から180℃まで加熱した。
【0052】
実施例1
上記方法に従ってナノチューブ含有量が0〜4%の本発明組成物を調製した。
パーコレーション限界を調べるために、PVDF/ナノチューブ混合物の抵抗を予め求めた。得られた結果は[図]および[表1]に示してある。パーコレーション限界は0.75%と見積るこができる。
【0053】
【表1】

【0054】
PCT効果を研究するために、我々はこの限界(すなわち、0.5、1および2%ナノチューブ)の両側に、組成を選んだ。
これらの組成は、参照されたIA、lBおよび集積回路である。
【0055】
実施例2(比較例)
下記組成を有する従来法の組成物を調製した:
PVDF720をベースにした有機組成物 70.4%
グラファイト 17.6%
カーボンブラック 12%
【0056】
テスト結果
[図2]はパーコレーション限界以下では一定濃度のナノチューブの場合、温度の関数で一定の抵抗効果を示すことを示している。
[図3]は本発明組成物と参照実施例でのPCT効果を比較したものである。
[図2]および[図3]に示す曲線の結果から基準実施例の場合のPCT効果が分かる。すなわち、温度の関数で抵抗が増加する。本発明組成物はパーコレーション限界の前でも後でもPCT効果を有さない。すなわち、本発明組成物は温度変化に対して独立した電気抵抗率を有する。この一定した安定な電気抵抗率は高分子マトリックスが溶融するまでの全ての温度変化範囲で維持される。しかも、この一定の抵抗効果は極めて低いパーコレーション率と組み合わされている。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明で使用する有機組成物のパーコレーション限界を示す図。
【図2】パーコレーション限界以下のナノチューブ濃度での温度を関数とする一定抵抗効果を示す図。
【図3】本発明組成物と基準実施例とを比較したPTC効果の図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度に敏感でない電気抵抗率を有する、下記(a)〜(h)の中から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む伝導性有機組成物の製造でのカーボンナノチューブの使用:
(a)下記樹脂から成る熱可塑性樹脂のグループ:
i) アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合樹脂(ABS)、
ii) アクリロニトリル−エチレン/プロピレン−スチレン(AES)、
iii) メタアクリル酸メチル-ブタジエン−スチレン(MBS)、
iv) アクリロニトリル-ブタジエン-メタアクリル酸メチル−スチレン(ABMS)、
v) アクリロニトリル-n-ブチルアクリレート・スチレン(AAS)
(b)変性ポリスチレンゴム;
(c)下記の樹脂:
I)ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリケトン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド;
(d)下記の樹脂:
i)ハロゲン化、フッ素化、塩素化または珪素化されたポリベンズイミダゾール;
(e)フェノール、尿素、メラミン、キシレン、ジアリルフタレート、エポキシ、アニリン、フラン、ポリウレタンをベースにした樹脂から成る熱硬化性樹脂のグループ;
(f)スチレン-タイプのエラストマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体またはスチレン-イソプレン−スチレン・ブロック共重合体またはこれらの水素化物、PVC、ウレタン、ポリエステル、ポリアミドタイプのエラストマー、ポリブタジエン-タイプの熱可塑性エラストマー、例えば1,2- ポリブタジエンまたはtrans-l,4- ポリブタジエン樹脂;塩素化ポリエチレン、フッ素化されたタイプの熱可塑性エラストマー、ポリエーテルエステルおよびポリエーテルアミドから成る熱可塑性エラストマーのグループ;
(g)セルロース誘導体ポリマー、高分子電解質、イオン性ポリマー、アクリレートポリマー、アクリル酸ポリマー、アラビアゴム、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタアクリル酸)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレンホルムアミド)、ポリヒドロキシエーテル、ポリ(ビニルオキサゾリジノンエステル)、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチル(ヒドロキシエチル)セルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、これらのコポリマーおよび混合物から成される水溶性高分子のグループ;
(h)ポリスチレンスルホナート(PSS)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-酢酸ビニール)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-アクリル酸)、ポリ(1−ビニルピロリドン-co-メタクリル酸ジメチルアミノエチル)、ポリビニル硫酸、ポリ(ソジウムスチレン・スルホン酸-co-マレイン酸)、デキストラン、デキストランサルフェート、ゼラチン、ウシ清アルブミン、ポリ(メタクリル酸メチル-co-アクリル酸エチル)、ポリアリルアミンおよびこれらの組合せから成るグループ。
【請求項2】
有機組成物がハロゲン化ポリマーから成る請求項1に記載の使用。
【請求項3】
ハロゲン化ポリマーがフッ素化された樹脂である請求項2に記載の使用。
【請求項4】
フッ素化された樹脂がポリ弗化ビニリデン(PVDF)である請求項3に記載の使用。
【請求項5】
ハロゲン化ポリマーが塩素化された樹脂である請求項2に記載の使用。
【請求項6】
塩素化された樹脂がポリ塩化ビニール(PVC)である請求項5に記載の使用。
【請求項7】
有機伝導性組成物が温度に敏感でない熱伝導性をさらに有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
組成物が一種または複数の導電性充填材を含み、この充填材の少なくとも一つは縦横比(L/D)が5以上、好ましくは50以上、さらに好ましくは100以上であるカーボンナノチューブから成る請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
組成物中のカーボンナノチューブの重量百分率が30%以下、好ましくは0.01〜20%、さらに好ましくは0.1〜15%である請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
カーボンナノチューブが0.4〜50ナノメートルの直径と、直径の100〜100000倍の長さとを有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
カーボンナノチューブが多重壁形で、その直径が10〜30ナノメートル、その長さが0.5ミクロン以上である請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
有機組成物のパーコレーション限界 (le seuil de percolation) が0.01〜5%である請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
有機組成物が潤滑用の油、油脂のような油、油脂等の液体、水または溶剤をべースにした接着剤、ペイント、ニス用の液体配合物の中から選択される一種または複数の高分子物質をさらに含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
電子部品の包装、ガソリン輸送管の製造(燃料ライン)、静電防止剤被覆、サーミスター、スーパーキャパシター電極、機械的補強材繊維、織物繊維、ゴムまたはエラストマー配合物、シール、無線周波数電磁波および電磁波の遮蔽の分野での請求項1〜13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
組成物の重量に対して30重量%以下のカーボンナノチューブを含み、このカーボンナノチューブは直径が0.4〜50ナノメートルで、縦横比(L/D)が100以上であり、さらに下記(a)〜(h)の中から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む、温度に敏感でない電気抵抗率を有する伝導性有機組成物:
(a)下記樹脂から成る熱可塑性樹脂のグループ:
i) アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合樹脂(ABS)、
ii) アクリロニトリル−エチレン/プロピレン−スチレン(AES)、
iii) メタアクリル酸メチル-ブタジエン−スチレン(MBS)、
iv) アクリロニトリル-ブタジエン-メタアクリル酸メチル−スチレン(ABMS)、
v) アクリロニトリル-n-ブチルアクリレート・スチレン(AAS)
(b)変性ポリスチレンゴム;
(c)下記の樹脂:
I)ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリケトン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド;
(d)下記の樹脂:
i)ハロゲン化、フッ素化、塩素化または珪素化されたポリベンズイミダゾール;
(e)フェノール、尿素、メラミン、キシレン、ジアリルフタレート、エポキシ、アニリン、フラン、ポリウレタンをベースにした樹脂から成る熱硬化性樹脂のグループ;
(f)スチレン-タイプのエラストマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体またはスチレン-イソプレン−スチレン・ブロック共重合体またはこれらの水素化物、PVC、ウレタン、ポリエステル、ポリアミドタイプのエラストマー、ポリブタジエン-タイプの熱可塑性エラストマー、例えば1,2- ポリブタジエンまたはtrans-l,4- ポリブタジエン樹脂;塩素化ポリエチレン、フッ素化されたタイプの熱可塑性エラストマー、ポリエーテルエステルおよびポリエーテルアミドから成る熱可塑性エラストマーのグループ;
(g)セルロース誘導体ポリマー、高分子電解質、イオン性ポリマー、アクリレートポリマー、アクリル酸ポリマー、アラビアゴム、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタアクリル酸)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレンホルムアミド)、ポリヒドロキシエーテル、ポリ(ビニルオキサゾリジノンエステル)、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチル(ヒドロキシエチル)セルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、これらのコポリマーおよび混合物から成される水溶性高分子のグループ;
(h)ポリスチレンスルホナート(PSS)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-酢酸ビニール)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-アクリル酸)、ポリ(1−ビニルピロリドン-co-メタクリル酸ジメチルアミノエチル)、ポリビニル硫酸、ポリ(ソジウムスチレン・スルホン酸-co-マレイン酸)、デキストラン、デキストランサルフェート、ゼラチン、ウシ清アルブミン、ポリ(メタクリル酸メチル-co-アクリル酸エチル)、ポリアリルアミンおよびこれらの組合せから成るグループ。
【請求項16】
少なくとも一種のハロゲン化ポリマーを含む請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
ハロゲン化ポリマーがフッ素化または塩素化された樹脂である請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
フッ素化された樹脂がPVDFであり、塩素化された樹脂がPVCである請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
カーボンナノチューブが10〜30ナノメートルの直径と、0.5ミクロン以上の長さとを有する請求項15〜18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
さらに温度に敏感でない熱伝導性を有する請求項15〜19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
組成物中のカーボンナノチューブの重量百分率が0.1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%である請求項15〜20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
パーコレーション限界がカーボンナノチューブの重量の0.01〜5重量%である請求項15〜21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
パーコレーション限界がカーボンナノチューブの重量の0.1〜3重量%である請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
有機組成物が潤滑用の油、油脂のような油、油脂等の液体、水または溶剤をべースにした接着剤、ペイント、ニス用の液体配合物の中から選択される一種または複数の高分子物質をさらに含む請求項15〜23のいずれか一項に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−527064(P2008−527064A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548883(P2007−548883)
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000016
【国際公開番号】WO2006/072741
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(591004685)アルケマ フランス (112)
【Fターム(参考)】