説明

体重減少に作用するための組成物

抗糖尿病剤である第1の化合物と鎮痙剤である第2の化合物とを含む体重減少に作用する組成物を開示する。体重減少に作用する、エネルギー消費量を増大する、個体における満腹感を増大する、または個体の食欲を抑制する方法であって、それらを必要とする個体を同定する工程、及び抗糖尿病剤と鎮痙剤とを使用して前記個体を治療する工程を含む方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はRanga Krishnanによる「体重減少に作用するための組成物」と題する2004年3月3日に出願の米国仮特許出願第60/567,922号の優先権の利益を享受し、その全体における参照によって本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、個体における肥満を治療するため、及び体重減少に作用するための製薬組成物及び方法の分野に属する。
【背景技術】
【0003】
肥満は身体内の過剰な脂肪の蓄積に特徴付けられる異常である。肥満は病気の主な原因の1つであると解されており、世界的な問題となっている。高血圧、非インスリン依存性真性糖尿病、動脈硬化症、異常脂質血症、特定の形態の癌、睡眠時無呼吸、及び変形性関節炎のような合併症の多数の事例が一般集団における肥満の多数の事例と関連している。
【0004】
肥満は体格指数(BMI)に関して定義されている。BMIは体重(kg)/[身長(m)]2として計算される。米国疾病対策予防センター(CDC)のガイドライン及び世界保健機構(WHO)(世界保健機構. 身体状況:靭帯測定学の使用及び解釈. スイス ジュネーブ:世界保健機構 1995年. WHO Technical Report Series)によれば、20歳を超えた大人に関して、BMIはこれらのカテゴリー(18.5未満は体重不足、18.5-24.9は通常、25-29.9は体重超過、及び30以上は肥満であると解される)の1つに分類される。
【0005】
1994年より以前には、肥満は精神的な問題であると一般的に解されていた。1994年の脂肪定常ホルモン(adipostatic hormone)であるレプチンの発見(Zhang et al., 「Positional cloning of the mouse obese gene and its human homologue,」 Nature 1994; 372:425-432)は特定の場合では肥満が生化学的な根拠を有する可能性があるという理解の前進をもたらした。この理解の結果は肥満の治療が化学的手法によって達成される可能性があるという着想であった。その後、多くのその様な化学治療が市場に出された。これらの試みの最も有名なものはフェンフルラミン及びフェンテルミンの併用であるFen-Phenの導入であった。不幸なことに、フェンフルラミンはある場合には使用者を死に至らす心臓弁の合併症を誘導することが発見された。そのためフェンフルラミンは市場から回収された。特に精神的な摂食障害の分野における、他の併用療法を使用した幾つかの限定された成功が存在している。1つのその様な例は、Devlin, et al., Int. J. Eating Disord. 28:325-332, 2000であり、フェンテルミンとフルオキセチンの併用が過食症の治療における多少の有効性を示した。当然、この疾患は小集団のみに関する問題である。
【特許文献1】米国仮特許出願第60/616,393号
【特許文献2】米国仮特許出願第60/567,896号
【特許文献3】米国仮特許出願第60/535,800号
【特許文献4】米国仮特許出願第60/535,799号
【非特許文献1】Zhang et al., 「Positional cloning of the mouse obese gene and its human homologue,」 Nature 1994; 372:425-432
【非特許文献2】Devlin, et al., Int. J. Eating Disord. 28:325-332, 2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
医学的な肥満の厳格な定義を満足する個体に加え、大人の大多数の部分が体重超過である。これらの体重超過の個体も効果的な体重減少用組成物より得られる利益を受けるであろう。そのため、他に不都合な副作用なく体重減少に作用することが可能である製薬組成物を提供するという当該技術分野において満たされていない必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
抗糖尿病剤である第1の化合物と鎮痙剤である第2の化合物とを含む体重減少に作用する組成物を開示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の態様では、本発明は抗糖尿病剤である第1の化合物と鎮痙剤である第2の化合物とを含む、肥満を治療するため、または体重減少に作用するための組成物に関する。
【0009】
ある実施態様では、前記抗糖尿病剤は哺乳動物の血中グルコースレベルの減少において効果的である。ある実施態様では、前記鎮痙剤は哺乳動物における痙攣の減少において効果的である。前記哺乳動物は、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、例えばサル、チンパンジー、及び類人猿のような霊長類、並びにヒトからなる群より選択されて良い。
【0010】
ある実施態様では、前記抗糖尿病剤は、ビグアニド、グルコシダーゼインヒビター、インスリン、メグリチニド、スルホニルウレア、またはチアゾリジンジオンの内の1つである。ビグアニドの例は塩酸メトホルミンである。グルコシダーゼインヒビターの例はアカルボース及びミグリトールを含む。インスリンの例はヒトインスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ウシ-ブタインスリン、組換えDNA及び動物起源のような異なる起源由来のインスリン、並びに通常のNPH及びLENTE(登録商標)タイプのインスリンを含む。インスリンの他の例は、各種の形態のインスリンの混合物(例えば、NPHと通常のヒト及びブタインスリン)を含む。インスリンの他の例は、インスリンリスプロプロタミン及びインスリン注射(rDNA起源)の混合、イソフェンヒトインスリン懸濁物及びヒトインスリン注射の50/50(または70/30)混合、NPHヒトイソフェンインスリン懸濁物及びヒトインスリン注射(rDNA)の70/30混合、インスリングラルギン、インスリンリスプロ、インスリンアスパート、並びに亜鉛結晶のような他の成分と混合されて、またはリン酸バッファー中のインスリンを含む。インスリンは、Saccharomyces cerevisiaeまたは他の起源由来であって良い。メグリチニドの例はナテグリニド及びレパグリニドを含む。スルホニルウレアの例は、グリメピリド、グリブリド、グリベンクラミド、グリキドン、グリクラジド、クロルプロパミド、トルブタミド、トラザミド、及びグリピジドを含む。チアゾリジンジオンの例はロシグリタゾン及びピオグリタゾンを含む。上記の薬剤の持続放出製剤、並びに上記の薬剤と製薬学的に許容される塩若しくは上記の薬剤のプロドラッグとの併用も含まれる。ある実施態様では、前記抗糖尿病剤はメトホルミンである。
【0011】
用語「製薬学的に許容される塩」は、投与される生物に有意な刺激を誘導せず、化合物の生物学的活性及び特性を妨げない化合物の製剤を意味する。製薬学的な塩は、本発明の化合物を無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、及びそれらの類似物と反応させることによって得られて良い。製薬学的な塩は、本発明の化合物を、塩を形成するベース、例えばアンモニウム塩、ナトリウムまたはカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウムまたはマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、並びにそれらの塩とアルギニン、リジン、及びそれらの類似物のようなアミノ酸のような有機ベースの塩と反応させることによって得られても良い。
【0012】
「プロドラッグ」は、in vivoで親剤に変化する剤を意味する。プロドラッグは、ある場合では、親剤よりも投与が容易である可能性があるために多くの場合において有用である。例えば、親剤は不可能であるが、それらは経口投与によって生物が利用可能である可能性がある。前記プロドラッグは親剤を超える製薬組成物中の溶解性の改善を有する可能性があり、またはより良好な味を示す、若しくは製剤がより容易である可能性がある。プロドラッグの例としては、エステル(プロドラッグ)として投与され、水溶性では移動に有害である細胞膜を越える伝達を容易にし、水溶性が有利である細胞内で代謝的に活性型であるカルボン酸に加水分解される本発明の化合物であろうが、これに制限されない。プロドラッグの更なる例は、そこで代謝されて活性型を提供する酸性基に結合する短ペプチド(ポリアミノ酸)であろう。
【0013】
ある実施態様では前記第2の化合物は鎮痙剤である。鎮痙剤の例としては、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、GABAアナログ、ヒダントイン、混合型の鎮痙剤、フェニルトリアジン、及びスクシンイミドが含まれる。バルビツレートの例としてはペントバルビタールが含まれる。ベンゾジアゼピンの例としては、クロナゼパム、クロラゼペート、及びジアゼパムが含まれる。GABAアナログの例としては、チアガビン、プレガバリン、及びガバペンチンが含まれる。ヒダントインの例としては、フォスフェニトイン、フェニトイン、及び5,5-ジフェニルヒダントインが含まれる。混合型の鎮痙剤の例としては、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、バルプロエート、バルプロ酸、ジバルプロックス、バルロセミド(valrocemide)、フェルバメート、レベチラセタム、レチガビン、ラコサミド(lacosamide)、タランパネル(talampanel)、トピラメート、及びゾニサミドが含まれる。フェニルトリアジンの例はラモトリジンである。スクシンイミドの例としては、メトスクシミド及びエトスクシミドが含まれる。上記の剤の持続放出製剤、製薬学的に許容されるそれらの塩、並びに上記の剤の組み合わせも含まれる。ある実施態様では、前記鎮痙剤はゾニサミドであるが、その一方で他の実施態様では、前記鎮痙剤はトピラメートである。
【0014】
他の実施態様では、本発明は、体重の減少への作用を必要とする個体を同定する工程、及び抗糖尿病剤と鎮痙剤とを使用して前記個体を治療する工程を含む、体重減少に作用する方法に関する。
【0015】
ある実施態様では、前記個体は25より大きい体格指数(BMI)を有する。他の実施態様では、前記個体は30より大きいBMIを有する。更なる他の実施態様では、前記個体は40より大きいBMIを有する。しかしながら、ある実施態様では、前記個体が25未満のBMIを有して良い。これらの実施態様では、体重減少に作用してBMIを更に減少させることが健康または美容の目的のために有利である。
【0016】
ある実施態様では、上記の方法の治療工程は、抗糖尿病剤である第1の化合物と鎮痙剤である第2の化合物とを個体に投与する工程を含む。
【0017】
ある実施態様では、前記第1の化合物と前記第2の化合物とは多かれ少なかれ同時に投与される。他の実施様では、前記第1の化合物は前記第2の化合物の前に投与される。更なる他の実施態様では、前記第1の化合物は前記第2の化合物に続いて投与される。
【0018】
ある実施態様では、前記第1の化合物と前記第2の化合物とは独立して投与される。他の実施態様では、前記第1の化合物と前記第2の化合物は互いに共有結合されて、単一の化学物質を形成する。前記単一の化学物質は、次いで消化され、2つの別々の生理的な活性を有する化学物質に代謝される;1つは第1の化合物であり、他の1つは第2の化合物である。
【0019】
他の態様では、本発明は、満腹感の増大を必要とする個体を同定する工程、及び抗糖尿病剤である第1の化合物と鎮痙剤である第2の化合物とを使用して前記個体を治療する工程を含む、個体における満腹感を増大する方法に関する。
【0020】
ある実施態様では、前記第1の化合物と前記第2の化合物とはほぼ同時に投与される。他の実施態様では、前記第1の化合物は前記第2の化合物の前に投与される。更なる他の実施態様では、前記第1の化合物は前記第2の化合物に続いて投与される。
【0021】
更なる他の態様では、本発明は、食欲の抑制を必要とする個体を同定する工程、及び抗糖尿病剤である第1の化合物と鎮痙剤である第2の化合物とを前記個体に投与することによって個体を治療する工程を含む、個体の食欲を抑制する方法に関する。
【0022】
ある実施態様では、前記第1の化合物と前記第2の化合物とはほぼ同時に投与される。他の実施態様では、前記第1の化合物は前記第2の化合物の前に投与される。更なる他の実施態様では、前記第1の化合物は前記第2の化合物に続いて投与される。
【0023】
他の態様では、本発明は、エネルギー消費量の増大を必要とする個体を同定する工程、及び抗糖尿病剤である第1の化合物と鎮痙剤である第2の化合物とを前記個体に投与することによって前記個体を治療する工程を含む、個体におけるエネルギー消費量を増大する方法に関する。
【0024】
ある実施態様では、前記第1の化合物と前記第2の化合物とはほぼ同時に投与される。他の実施態様では、前記第1の化合物は前記第2の化合物の前に投与される。更なる他の実施態様では、前記第1の化合物は前記第2の化合物に続いて投与される。
【0025】
本明細書で開示されるある実施態様では、体重減少に作用する2つ以上の化合物の組み合わせを含む製薬組成物が個体に提供される。これらの実施態様の幾つかでは、各化合物が別々の化学物質である。しかしながら、他の実施態様では、前記2つの化合物は化学結合、例えば共有結合によって互いに結合しており、2つの異なる化合物が同一の分子の別々の部分を形成する。前記化学結合は、体内に侵入後、前記結合が酵素反応、酸加水分解、塩基加水分解、またはその類似反応によって切断され、次いで2つの別々の化合物が形成されるように選択される。
【0026】
他の態様では、本発明は、上述の抗糖尿病剤と鎮痙剤との組み合わせ、または本明細書で記載の結合した分子、及び生理的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、若しくはそれらの組み合わせを含む製薬組成物に関する。
【0027】
用語「製薬組成物」は、本発明の化合物と他の化学成分、例えば希釈剤または担体との混合物を意味する。前記製薬組成物は前記化合物の生物への投与を容易にする。経口、注射、エーロゾル、非経口、及び局所的な投与に限られない、化合物投与の多数の技術が当該技術分野に存在する。製薬組成物は化合物と無機または有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、及びその類似物との反応によっても得られ得る。
【0028】
用語「担体」は化合物の細胞または組織への取り込みを容易にする化学成分を意味する。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は多くの有機化合物の生物の細胞または組織への取り込みを容易にするような、一般的に利用される担体である。
【0029】
用語「希釈剤」は、関連の化合物を溶解し、前記化合物の生物学的活性を有する形態を安定させるであろう水に希釈されている化学成分を意味する。緩衝液に溶解されている塩は当該技術分野で希釈剤として利用されている。ヒトの血液の塩条件と類似させているため、1つの一般的に使用されている緩衝液はリン酸緩衝生理食塩水である。緩衝塩は低濃度で溶液のpHを調節できるために、緩衝希釈剤は滅多に化合物の生物学的活性を変化させない。
【0030】
用語「生理的に許容される」は、化合物の生物学的活性及び特性を無効にしない担体または希釈剤を意味する。
【0031】
本明細書に記載の製薬組成物は、それ自体、または併用療法として他の活性成分若しくは適切な担体や賦形剤と混合されて製薬組成物中でヒトの患者に投与されて良い。本願の化合物の製剤及び投与の技術は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」Mack Publishing Co., Easton, PA, 18th edition, 1990において確認されて良い。
【0032】
投与の適切な経路は、例えば、経口、直腸、経粘膜、または腸管投与;非経口投与、例えば筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、並びに鞘内、直接心室内、腹腔内、鼻内、または眼内注射を含んで良い。
【0033】
あるいは、全身的よりも局所的に化合物が投与されて良く、例えば、通常持続性または持続放出性の製剤において腎臓または心臓の領域における直接的な化合物の注射を介して投与されて良い。更に、標的化薬剤デリバリーシステムにおいて、例えば組織特異的抗体を有するリポソームでコーティングされて剤が投与されて良い。前記リポソームは標的化され、組織に選択的に取り込まれるであろう。
【0034】
本発明の製薬組成物は、既知の方法、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠作製、湿式粉砕、乳化、カプセル化、封入、錠剤化の方法で製造されて良い。
【0035】
かくして、本発明に係る使用のための製薬組成物は、製薬に使用されて良い、活性化合物の製剤への処理を容易にする賦形剤及び助剤を含む1つ以上の生理的に許容される担体を使用して従来の方法で製剤化されて良い。適切な製剤は選択される投与の経路に依存する。任意の良く知られている技術、担体、及び賦形剤が、適切に及び当該技術分野で理解されているように(例えば上記のRemington's Pharmaceutical Sciencesにおいて理解されているように)使用されて良い。
【0036】
注射のために、本発明の剤は水溶液、好ましくは生理的に適合する緩衝液、例えばHanks's溶液、Ringer's溶液、または生理食塩水緩衝液に製剤化されて良い。経粘膜投与のために、浸透する障壁に適当な浸透剤が製剤に使用される。その様な浸透剤は当該技術分野において一般的に知られている。
【0037】
経口投与のために、前記化合物は前記活性化合物と当該技術分野でよく知られている製薬学的に許容される担体とを組み合わせて容易に製剤化されて良い。その様な担体は、治療される患者によって経口的に取り込まれるための錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁物剤、及びその類似物に本発明の化合物を製剤化することを可能にする。本発明の製薬的な組み合わせと1つ以上の固形の賦形剤を混合し、任意にその最終的な混合物を粉砕して、適切な助剤の添加の後に顆粒の混合物をを処理して、望まれる場合には錠剤または糖衣錠剤のコアを得ることで経口的な使用のための製薬製剤が得られ得る。適切な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖のようなフィラー;トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、及び/またはポリビニルピロリドン(PVP)のようなセルロース配合物である。望まれる場合には、崩壊剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸若しくはそれらの塩、例えばアルギン酸ナトリウムが添加されて良い。
【0038】
適切なコーティングを有する糖衣錠剤のコアが提供される。この目的のために、任意にアラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/またはチタンジオキシド、塗料溶液、並びに適切な有機溶剤または溶剤混合物を含有する濃縮されている糖溶液が使用されて良い。染料または顔料が、識別のため、または活性化合物の用量の異なる組み合わせを特徴付けるために前記錠剤または糖衣錠剤のコーティングに添加されて良い。
【0039】
経口的に使用される製薬製剤は、ゼラチンから作製される押し込み型のカプセル、並びにゼラチンとグリセロールまたはソルビトールのような可塑剤から作製される密閉軟カプセルを含む。押し込み型のカプセルは、ラクトースのようなフィラー、デンプンのようなバインダー、及び/またはタルク若しくはマグネシウムステアレートのような潤滑剤、及び任意に安定剤との混合剤中に活性成分を含有して良い。軟カプセルでは、前記活性化合物は、脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコールのような適切な液体に溶解または懸濁されて良い。更に、安定剤が添加されて良い。いかなる経口投与のための製剤もその様な投与のために適切な用量であるべきである。
【0040】
頬への投与のために、前記組成物は従来の方法で製剤化される錠剤またはロゼンジの形態であって良い。
【0041】
吸入による投与のために、本発明に係る使用のための化合物は、適切な圧縮不活性ガス、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切なガスの使用と共に、圧縮パックまたはネブライザーよりエーロゾルスプレーの提供形態で簡易的に投与される。圧縮エーロゾルの場合には、単位用量は計量されている量を送達するバルブの提供によって決定される。カプセル剤及び、例えば、吸入器または注入器において使用されるためのゼラチンのカートリッジ剤は、前記化合物と適切な粉末ベース、例えばラクトースまたはデンプンとの粉末混合物を含有して製剤化されて良い。
【0042】
前記化合物は、注射による、例えば急速静注法または静注法による非経口投与のために製剤化されて良い。注射のための製剤は単位用量の形態で、例えばアンプルまたは複数用量容器に添加される保存剤と共に存在して良い。前記組成物は、油性若しくは水性の媒体における懸濁物、溶液、またはエマルションの様な形態であって良く、懸濁剤、安定剤、及び/または分散剤のような製剤化剤を含有して良い。
【0043】
非経口投与のための製薬製剤は水溶性の形態の活性化合物の水溶液を含む。更に、前記活性化合物の懸濁物は適当な油性注射懸濁物として調製されて良い。適切な親油性溶剤または媒体は脂肪油、例えばゴマ油、または合成脂肪酸エステル、例えばエチルオレート若しくはトリグリセリド、またはリポソームを含む。水性の注射用懸濁物は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、またはデキストランのような懸濁物の粘度を増大する物質を含有して良い。任意に、前記懸濁物は適切な安定剤または高濃度の溶液の調製を可能にする化合物の溶解度を増大する剤を含有しても良い。
【0044】
あるいは、前記活性成分は、使用の前に、適切な媒体、例えば滅菌されているパイロジェンを含まない水と共に構成される粉末の形態であって良い。
【0045】
前記化合物は、例えばココアバターまたは他のグリセリドのような従来の坐剤ベースを含有する、坐剤または停留浣腸のような直腸のための組成物に製剤化されても良い。
【0046】
上述の製剤に加え、前記化合物は持続性製剤として製剤化されても良い。その様な長時間作用する製剤は移植(例えば皮下または筋肉内)によって、または筋肉内注射によって投与されて良い。かくして、例えば、前記化合物は適切なポリマー性若しくは疎水性物質(例えば許容される油におけるエマルション)、若しくはイオン交換樹脂、または難溶性の塩のような難溶性の誘導体を使用して製剤化されて良い。
【0047】
本発明の疎水性の化合物のための製薬学的な担体は、ベンジルアルコール、非イオン性界面活性剤、水-混和性有機ポリマー、及び水相を含む共溶剤システムである。使用される一般的な共溶剤システムは、3%w/v ベンジルアルコール、8%w/v 非イオン性界面活性剤ポリソルベート80(登録商標)、及び65%w/vポリエチレングリコール300の無水エタノール溶液であるVPD共溶剤システムである。通常、共溶剤システムの比率は、その溶解度及び毒性の特性を壊すことなく、非常に変化するものであって良い。更に、共溶剤の成分の独自性は変化するものであって良い;例えばポリソルベート80(登録商標)の代わりに他の低毒性非イオン性界面活性剤が使用されて良い;ポリエチレングリコールの割合が変化して良い;他の生体適合性ポリマーが例えばポリビニルピロリドンのようなポリエチレングリコールに置き換わって良い;他の糖またはポリサッカリドがデキストロースに置き換わって良い。
【0048】
あるいは、疎水性製薬化合物のための他のデリバリーシステムが使用されて良い。リポソーム及びエマルションは、疎水性の剤のデリバリー媒体または担体の良く知られた例である。ジメチルスルホキシドのような有機溶剤が使用されても良いが、通常より大きい毒性を有する。更に、前記化合物は、治療剤を含有する固体疎水性ポリマーの半透性のマトリックスのような持続放出性のシステムを使用して送達されて良い。各種の持続放出性の物質が確立されており、当業者によく知られている。持続放出性のカプセルは、それらの化学的性質に依存して、数週間から100日を超えるまでの間化合物を放出する。前記治療剤の化学的性質及び生物学的安定性に依存して、タンパク質の安定化のための更なる戦略が実施されて良い。
【0049】
本発明の製薬組成物において使用される多くの化合物は、製薬学的に適合する対イオンを有する塩として提供されて良い。製薬学的に適合する塩は、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などを含むが、それらに限らない多くの酸を使用して形成されて良い。対応する遊離の酸または塩基の形態よりも塩は水性または他のプロトン性溶剤に可溶性である傾向がある。
【0050】
本発明の使用に適切な製薬組成物は、前記活性成分が意図される目的を達成するための有効量において含有される組成物を含む。より具体的には、治療有効量は治療される対象の病気の症状を防止、軽減、改善する、または生存を持続させるために効果的な化合物の量を意味する。治療有効量の決定は、特に本明細書の詳細な開示に従って、当業者の能力の範囲内で良く実施される。
【0051】
本発明の製薬組成物のための的確な製剤、投与の経路、及び用量は、患者の状態に鑑みて個別の医師によって選択されて良い(例えば、Fingl et al. 1975, 「The Pharmacological Basis of Therapeutics」Ch.1 p.1を参照)。典型的に、患者に投与される組成物の用量の範囲は約0.5から1000mg/kg(患者の体重)であって良い。前記用量は、患者に必要とされるように、1日以上の間で単回または連続して2回以上提供されて良い。ほぼ全ての本明細書に記載の特定の化合物に関して、少なくとも幾つかの状態の治療のためのヒトに対する用量が確立されている。かくして、殆どの場合おいて、本発明はそれらと同一の用量、または確立されているヒトに対する用量の約0.1%から500%の間、より好ましくは約25%から250%の間の用量で使用されるであろう。新しく発見した製薬化合物のための場合であるような、ヒトに対する用量が確立されていない場合は、適切なヒトに対する用量をED50若しくはID50値、または動物における毒性試験及び有効性試験によって評価されるようなin vitro若しくはin vivoの試験に由来する他の適当な値より推定することができる。
【0052】
的確な用量は各々の剤毎に決定されるであろうが、殆どの場合では、用量に関するある程度の一般化が為されて良い。ヒトの大人の患者のための1日の投与計画としては、例えば、本発明の製薬組成物の各成分、または遊離ベースとして計算されるそれらの製薬学的に許容される塩が0.1mgと5000mgの間、好ましくは1mgと2500mgの間、例えば25から2500mgの経口、舌下、皮膚パッチ、若しくは鼻内の用量、または0.01mgと100mgの間、好ましくは0.1mgと60mgの間、例えば1から40mgの各成分の静脈内、皮下、若しくは筋肉内の用量であり、1日に1から4回投与されて良い。あるいは、本発明の組成物が連続する静脈内注射によって好ましくは1日に400mgまでの各成分の用量で投与されて良い。かくして、各成分の経口投与の1日の総用量は典型的に1から2500mgの範囲であり、非経口投与による1日の総用量は典型的に0.1から400mgの範囲であろう。適切には、治療の続く間、例えば1週間以上、または数ヶ月若しくは数年間、前記化合物が投与されるであろう。
【0053】
1つの実施態様では、経口投与のための塩酸メトホルミンの用量範囲は、1日毎に約500mgから約2500mgの間で変化するであろう。好ましい実施態様では、経口投与のための前記用量の範囲は、約500mgを一日に3回から約2500mgを1日に1回の間で変化するであろう。
【0054】
1つの実施態様では、経口投与のためのゾニサミドの用量範囲は、一日毎に約25から約600mgの範囲である。
【0055】
効果の調節を維持するのに十分な活性単位の血漿中濃度、または最小限の効果的な濃度(MEC)を提供するために、投与量及び間隔は個々に調節されて良い。前記MECは各化合物に関して変化するであろうが、in vitroのデータより推定されて良い。前記MECを達成するのに必要な用量は個体の特性と投与の経路とに依存するであろう。しかしながら、HPLCアッセイまたはバイオアッセイが血漿中濃度を決定するために使用されて良い。
【0056】
投与間隔がMEC値を使用して決定されても良い。組成物は10-90%の間、好ましくは30-90%の間、最も好ましくは50-90%の間、MECより高い血漿中濃度の時間を維持する計画を使用して投与されるべきである。
【0057】
局所的な投与または選択的な取り込みの場合は、前記剤の局所的な有効濃度は血漿中濃度と関連しなくて良い。
【0058】
投与される組成物の量は、当然、治療される対象、その対象の重量、苦痛の重度、投与の方法、及び処方する医師の判断に依存するであろう。
【0059】
前記組成物は、望まれる場合には、前記活性成分を含有する1つ以上の単位用量形態を含有するパックまたはディスペンサー装置において存在して良い。前記パックは、例えば、金属またはプラスチックの薄片、例えばブリスターパックを含んで良い。前記パックまたはディスペンサー装置は投与の指示を伴って良い。前記パックまたはディスペンサー装置は、ヒトまたは動物への投与のための剤の形態の政府機関による認可を反映する、医薬品の製造、使用、または販売を取り締まる政府機関によって規定される形態の容器に関連する指示を伴っても良い。その様な指示は、例えば、処方箋薬のための米国食品医薬品局によって認可されたラベル、または認可された製品の挿入紙であって良い。適合可能な製薬学的な担体中で製剤化される本発明の化合物を含む組成物が、適当な容器に調製、設置されても良く、指示されている状態の治療のためのラベルがされても良い。
【0060】
多数及び各種の変形例が本発明の精神を逸脱することなく作製されて良いことが当業者によって理解されるであろう。そのため、本発明の表現形式は単なる説明であり、本発明の範囲を制限することを意図しないことが明確に理解されるべきであろう。
【0061】
本発明の実施態様の幾つかは以下のようである:
【0062】
第1の実施態様では、本発明は、抗糖尿病剤である第1の化合物と鎮痙剤である第2の化合物とを含む、体重減少に作用する組成物に関する。
【0063】
第2の実施態様では、本発明は、前記抗糖尿病剤が哺乳動物における血糖降下特性を有する、第1の実施態様の組成物に関する。
【0064】
第3の実施態様では、本発明は、前記抗糖尿病剤が、ビグアニド、グルコシダーゼインヒビター、インスリン、メグリチニド、スルホニルウレア、チアゾリジンジオン、及びそれらの製薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグからなる群より選択される、第1の実施態様の組成物に関する。
【0065】
第4の実施態様では、本発明は、前記ビグアニドが塩酸メトホルミンである、第3の実施態様の組成物に関する。
【0066】
第5の実施態様では、本発明は、前記グルコシダーゼインヒビターがアカルボース、ミグリトール、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、第3の実施態様の組成物に関する。
【0067】
第6の実施態様では、本発明は、前記インスリンがヒト、ブタ、ウシ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、第3の実施態様の組成物に関する。
【0068】
第7の実施態様では、本発明は、前記メグリチニドがナテグリニド、レパグリニド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、第3の実施態様の組成物に関する。
【0069】
第8の実施態様では、本発明は、前記スルホニルウレアがグリメピリド、グリブリド、グリベンクラミド、グリキドン、グリクラジド、クロルプロパニド、トルブタミド、トルアザミド、及びグリピジド、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、第3の実施態様の組成物に関する。
【0070】
第9の実施態様では、本発明は、前記チアゾリジンジオンがロシグリタゾン及びピオグリタゾンからなる群より選択される、第3の実施態様の組成物に関する。
【0071】
第10の実施態様では、本発明は、前記第2の化合物が、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、GABAアナログ、ヒダントイン、混合型の鎮痙剤、フェニルトリアジン、スクシンイミド、それらの製薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、第1の実施態様の組成物に関する。
【0072】
第11の実施態様では、本発明は、前記バルビツレートがペントバルビタールである、第10の実施態様の組成物に関する。
【0073】
第12の実施態様では、本発明は、前記ベンゾジアゼピンがクロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、第10の実施態様の組成物に関する。
【0074】
第13の実施態様では、本発明は、前記GABAアナログがチアガビン、プレガバリン、ガバペンチン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、第10の実施態様の組成物に関する。
【0075】
第14の実施態様では、本発明は、前記ヒダントインがフォスフェニトイン、フェニトイン、5,5-ジフェニルヒダントイン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、第10の実施態様の組成物に関する。
【0076】
第15の実施態様では、本発明は、前記混合型の鎮痙剤がカルバマゼピン、オクスカルバゼピン、バルプロエート、バルプロ酸、ジバルプロックス、バルロセミド、フェルバメート、ラコサミド、タランパネル、レチガビン、レベチラセタム、トピラメート、ゾニサミド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、第10の実施態様の組成物に関する。
【0077】
第16の実施態様では、本発明は、前記フェニルトリアジンがラモトリジンである、第10の実施態様の組成物に関する。
【0078】
第17の実施態様では、本発明は、前記スクシンイミドがメトスクシミド、エトスクシミド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、第10の実施態様の組成物に関する。
【0079】
第18の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物が血糖降下剤であり、前記第2の化合物がゾニサミドである、第1の実施態様の組成物に関する。
【0080】
第19の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物が塩酸メトホルミンであり、前記第2の化合物がゾニサミドである、第1の実施態様の組成物に関する。
【0081】
第20の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物がトピラメートであり、前記第2の化合物がゾニサミドである、第1の実施態様の組成物に関する。
【0082】
第21の実施態様では、本発明は、前記ゾニサミドが持続放出製剤に存在する、第19の実施態様の組成物に関する。
【0083】
第22の実施態様では、本発明は、体重減少の作用を必要とする個体を同定する工程、及び抗糖尿病剤と鎮痙剤とを使用して個体を治療する工程を含む、体重減少に作用する方法に関する。
【0084】
第23の実施態様では、本発明は、前記個体が25より大きい体格指数を有する、第22の実施態様の方法に関する。
【0085】
第24の実施態様では、本発明は、前記抗糖尿病剤がビグアニド、グルコシダーゼインヒビター、インスリン、メグリチニド、スルホニルウレア、並びにそれらの製薬学的に許容される塩及びプロドラッグより選択される、第22の実施態様の方法に関する。
【0086】
第25の実施態様では、本発明は、前記抗糖尿病剤が塩酸メトホルミン、アカルボース、ミグリトール、ヒトインスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ウシ-ブタインスリン、インスリングラルジン、インスリンリスプロ、インスリンアスパート、ナテグリニド、レパグリニド、グリメピリド、グリブリド、クロルプロパミド、トラザミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリキドン、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、上記の剤の持続放出製剤、及び上記の剤の組み合わせからなる群より選択される、第22の実施態様の方法に関する。
【0087】
第26の実施態様では、本発明は、前記鎮痙剤が、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、GABAアナログ、ヒダントイン、フェニルトリアジン、スクシンイミド、及びそれらの製薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグからなる群より選択される、第22の実施態様の方法に関する。
【0088】
第27の実施態様では、本発明は、前記鎮痙剤がペントバルビタール、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、チアガビン、ガバペンチン、プレガバリン、フォスフェニトイン、フェニトイン、フェニトイン、5,5-ジフェニルヒダントイン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、バルプロエート、バルプロ酸、ジバルプロックス、バルロセミド、フェルバメート、レベチラセタム、トピラメート、ゾニサミド、ラモトリジン、メトスクシミド、エトスクシミド、レチガビン、ラコサミド、タランパネル、上記の剤の持続放出製剤、及び上記の剤の組み合わせからなる群より選択される、第22の実施態様の方法に関する。
【0089】
第28の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物と前記第2の化合物がほぼ同時に投与される、第22の実施態様の方法に関する。
【0090】
第29の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物が前記第2の化合物の前に投与される、第22の実施態様の方法に関する。
【0091】
第30の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物が前記第2の化合物に続いて投与される、第22の実施態様の方法に関する。
【0092】
第31の実施態様では、本発明は、満腹感の増大を必要とする個体を同定する工程、及び抗糖尿病剤である第1の化合物と鎮痙剤である第2の化合物とを使用して前記個体を治療する工程を含む、個体における満腹感を増大する方法に関する。
【0093】
第32の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物と前記第2の化合物とがほぼ同時に投与される、第31の実施態様の方法に関する。
【0094】
第33の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物が前記第2の化合物の前に投与される、第31の実施態様の方法に関する。
【0095】
第34の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物が前記第2の化合物に続いて投与される、第31の実施態様の方法に関する。
【0096】
第35の実施態様では、本発明は、エネルギー消費量の増大を必要とする個体を同定する工程、及び抗糖尿病剤である第1の化合物と鎮痙剤である第2の化合物とを使用して前記個体を治療する工程を含む、個体におけるエネルギー消費量を増大する方法に関する。
【0097】
第36の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物と前記第2の化合物とがほぼ同時に投与される、第35の実施態様の方法に関する。
【0098】
第37の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物が前記第2の化合物の前に投与される、第35の実施態様の方法に関する。
【0099】
第38の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物が前記第2の化合物に続いて投与される、第35の実施態様の方法に関する。
【0100】
第39の実施態様では、本発明は、食欲の抑制を必要とする個体を同定する工程、及び抗糖尿病剤である第1の化合物と鎮痙剤である第2の化合物を使用して前記個体を治療する工程を含む、個体の食欲を抑制する方法に関する。
【0101】
第40の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物と前記第2の化合物とがほぼ同時に投与される、第39の実施態様の方法に関する。
【0102】
第41の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物が前記第2の化合物の前に投与される、第39の実施態様の方法に関する。
【0103】
第42の実施態様では、本発明は、前記第1の化合物が前記第2の化合物に続いて投与される、第39の実施態様の方法に関する。
【0104】
第43の実施態様では、本発明は、体重減少への作用を必要とする個体を同定する工程、及び塩酸メトホルミンとゾニサミドとの組み合わせを使用して前記個体を治療する工程を含む、個体の体重減少に作用する方法に関する。
【0105】
第44の実施態様では、本発明は、前記個体が30より大きいBMIを有する、第43の実施態様の方法に関する。
【0106】
第45の実施態様では、本発明は、前記個体が25より大きいBMIを有する、第43の実施態様の方法に関する。
【0107】
第46の実施態様では、本発明は、前記メトホルミンが持続放出製剤の中に存在する、第43の実施態様の方法に関する。
【0108】
第47の実施態様では、本発明は、前記メトホルミン及びゾニサミドの血漿濃度レベルが類似の濃度プロフィールに従う、第46の実施態様の方法に関する。
【0109】
第48の実施態様では、本発明は、前記メトホルミンと前記ゾニサミドとが実質的に同時に投与される、第46の実施態様の方法に関する。
【0110】
第49の実施態様では、本発明は、前記メトホルミンが前記ゾニサミドの前に投与される、第46の実施態様の方法に関する。
【0111】
第50の実施態様では、本発明は、前記メトホルミンが前記ゾニサミドに続いて投与される、第46の実施態様の方法に関する。
【実施例】
【0112】
以下の実施例は制限するものではなく、本発明の各種の態様の単なる説明である。
【0113】
(実施例1)
ゾニサミドとメトホルミンとの組み合わせ
25より大きいBMI及び100mg/dL異常の空腹時血漿グルコースを有する個体を同定する。各個体は毎日1つの塩酸メトホルミンの500mgの錠剤に加え、毎日1つのゾニサミドの25mgの錠剤を服用するように指示される。
【0114】
数ヶ月の間、前記個体を観察する。各個体が6ヶ月毎に最初の体重の10%の速度で体重が減少するように用量を調節することが推奨される。しかしながら、各個体の体重減少の速度は個体の特定の必要に基づいて治療する医師によって調節されて良い。
【0115】
最初の用量が効果的でない場合には、次いで全体で600mg/日を越えないように、ゾニサミドの用量を約20mg/日で増大させてよい。代替的に、または同時に全体で2500mg/日を超えないように、塩酸メトホルミンの用量を20mg/日で増大させてよい。始めの用量が上記の速度より速く体重減少を生じさせる場合には、ゾニサミドまたはメトホルミンの各々の用量を減少してよい。
【0116】
ある場合では、1日を通じて2回以上の用量のメトホルミンと共に1日に単位用量のゾニサミドが投与されることが有利である。メトホルミンは持続放出製剤中に存在しても良く、この場合には1日に1回投与されるが、メトホルミンは1日を通して、または12時間の間に血流中に徐々に侵入する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗糖尿病剤である第1の化合物と鎮痙剤である第2の化合物とを含む体重減少に作用する組成物。
【請求項2】
前記抗糖尿病剤が、ビグアニド、グルコシダーゼインヒビター、インスリン、メグリチニド、スルホニルウレア、チアゾリジンジオン、及びそれらの製薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ビグアニドがメトホルミンまたは塩酸メトホルミンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記グルコシダーゼインヒビターが、アカルボース、ミグリトール、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記メグリチニドがナテグリニド、レパグリニド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記スルホニルウレアが、グリメピリド、グリブリド、グリベンクラミド、グリキドン、グリクラジド、クロルプロパミド、トルブタミド、トルアザミド、及びグリピジド、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記チアゾリジンが、ロシグリタゾン及びピオグリタゾンからなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
前記第2の化合物が、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、GABAアナログ、ヒダントイン、混合型の鎮痙剤、フェニルトリアジン、スクシンイミド、それらの製薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記バルビツレートがペントバルビタールである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記ベンゾジアゼピンが、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記GABAアナログが、チアガビン、プレガバリン、ガバペンチン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
前記ヒダントインが、フォスフェニトイン、フェニトイン、5,5-ジフェニルヒダントイン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項13】
前記混合型の鎮痙剤が、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、バルプロエート、バルプロ酸、ジバルプロックス、バルロセミド、フェルバメート、ラコサミド、タランパネル、レチガビン、レベチラセタム、トピラメート、ゾニサミド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項14】
前記フェニルトリアジンがラモトリジンである、請求項8に記載の組成物。
【請求項15】
前記スクシンイミドが、メトスクシミド、エトスクシミド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項16】
前記第1の化合物が血糖降下剤であり、前記第2の化合物がゾニサミドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記第1の化合物が塩酸メトホルミンであり、前記第2の化合物がゾニサミドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記第1の化合物がトピラメートであり、前記第2の化合物がゾニサミドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
体重減少への作用を必要とする個体を同定する工程、及び抗糖尿病剤と鎮痙剤とを使用して前記個体を治療する工程を含む、体重減少に作用する方法。
【請求項20】
前記抗糖尿病剤が、塩酸メトホルミン、アカルボース、ミグリトール、ヒトインスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ウシ-ブタインスリン、インスリングラルジン、インスリンリスプロ、インスリンアスパート、ナテグリニド、レパグリニド、グリメピリド、グリブリド、クロルプロパミド、トラザミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリキドン、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、上記の剤の持続放出製剤、及び上記の剤の組み合わせからなる群より選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記鎮痙剤が、ペントバルビタール、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、チアガビン、ガバペンチン、プレガバリン、フォスフェニトイン、フェニトイン、フェニトイン、5,5-ジフェニルヒダントイン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、バルプロエート、バルプロ酸、ジバルプロックス、バルロセミド、フェルバメート、レベチラセタム、トピラメート、ゾニサミド、ラモトリジン、メトスクシミド、エトスクシミド、レチガビン、ラコサミド、タランパネル、上記の剤の持続放出製剤、及び上記の剤の組み合わせからなる群より選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
体重の減少への作用を必要とする個体を同定する工程、及び塩酸メトホルミンとゾニサミドとの組み合わせを使用して前記個体を治療する工程を含む、個体において体重減少に作用する方法。

【公表番号】特表2007−536229(P2007−536229A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511424(P2007−511424)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/014629
【国際公開番号】WO2005/110405
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(500092491)デューク・ユニバーシティー (12)
【Fターム(参考)】