説明

作動液組成物及びその製造方法

本発明は、主にアルキルベンゼンを含有した作動液組成物を提供する。アルキルベンゼンに加えて、この組成物は、抗酸化剤、消泡剤、流動点降下剤、腐食防止剤、清浄分散添加剤、極圧添加剤及び潤滑添加剤も含有する。本発明は、更に、(I)不溶物をベースストックから除去する工程と、(II)このベースストックを真空蒸留及びブレンディングによって調製する工程と、(IV)酸化された物質を吸着によって除去する工程と、(V)性能添加材を添加し、この混合物を均質化させる工程とを含んだ方法を提供する。本発明の生成物は、多目的の作動液としての有用性を有する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
本発明は、作動液組成物及びその製造方法に関する。本発明は、特には、主にアルキルベンゼンを含有した作動液組成物に関する。アルキルベンゼンに加えて、この組成物は、抗酸化剤、極圧添加剤、消泡剤、流動点降下剤、腐食防止剤、清浄分散添加剤及び潤滑添加剤も含有し、それにより、生じる汚染物質の量を低減させる。本発明の製品は、真空ポンプ及び固定設備における多目的の作動液としての有用性を有する。
【0002】
発明の背景
作動油は、ギヤポンプから高耐荷重(heavy duty)農場及び工業設備のアキシャルピストンポンプまで多くの用途において使用される工業的な潤滑剤である。全ての作動油は、極端な温度のもとであっても、構成部材を、過剰な磨耗及びメンテナンス費用から防ぐべきである。劣化は、様々な要因に起因し得る。錆は、エンジン、伝動装置及び油圧(hydraulics)システム内の小さな部品を悩ます或る共通の問題である。この問題は、しばしば、システム内の過剰な水蒸気の存在から生じる。酸化及び起泡の増大は、時間の経過と共に発達し且つ油圧式システムに悪影響を与える他の問題である。最適な動作のために、作動液は、比較的非圧縮性でなければならず且つ容易に流動せねばならない。さらに、それは、部品を動かすための適切な潤滑性と、予想される使用条件下での安定性と、この油圧システムを構成するのに使用される材料との適合性とを備えているべきであり、この流体は、システムの構成部材を、このシステムに入り込むかもしれない材料との化学反応から保護する能力を有するべきである。最後に、それらは、環境に対しての影響が最小であるべきである。
【0003】
作動油は、油圧システムにおける動力伝達媒体として役立つ。最も一般的に使用される流体は、石油系オイル、合成潤滑剤、油水エマルション及び水グリコール混合物である。作動液の主な要求は、適切な粘度、高粘度指数、耐磨耗性保護、良好な酸化安定性、適切な流動点、良好な抗乳化性、防錆能、発泡に対する耐性及びシール材との適合性である。耐磨耗性オイルは、小型、高圧及び大容量のポンプにおいて頻繁に使用され、このポンプは、特別な潤滑性保護を必要とする。或る合成潤滑剤と水を含有した流体とは、耐火性が必要とされるところにおいて使用される。また、合成潤滑剤は、極端な温度条件でも使用される。
【0004】
使用中の体積の変化がほんの僅かであることと、適切な酸化耐性と、幾つかの場合の用途では適切な抗乳化性と、適切な剪断安定性と、ポリマー粘度指数向上剤が使用される場合には夏季及び冬季の稼動のためのオイル交換が不必要となるような粘度−温度特性(behavior)と、適切な低い粘度−温度特性と、標準的なエラストマーの特性変化が最小であることとが望ましい。今日、汚染と様々な製品の環境的側面とが重要な論点となっている。潤滑剤の制御されない損失は、漏れ、放出(throw-off)、排出、流出又は不注意な処分の結果として、自然(生物、土壌、生活用水など)と直接接触することにより、環境を危険に曝し得る。過去25年の間、幾つかの国及び主だった工業界によって、環境負荷がますます小さく、毒性がなく、我々のかけがえのない環境に対しての負の影響が小さい製品及び技術を開発及び発見する多大な努力が為されたてきた。
【0005】
作動油を製造する従来の技術では、一般に、鉱油か、又は、合成系流体若しくは脂肪酸の複合エステルを有した鉱油が使用されていた。性能を高めるためのこのようなオイルベース(oil base)の使用に焦点が当てられていた。
【0006】
1994年11月1日に登録されたJungaによるPetro-Lude, Inc.(ミシガン州ホワイトモアレイク)の米国特許第5360565号の作動油が参照され得る。亜鉛も燐も本質的に含有していない改良された耐磨耗性の高圧作動油が記載されている。この作動油は、腐食及び酸化から保護すると共に、耐摩耗特性、密着防止(anti-weld)特性及び抗乳化特性を提供する。この改良された作動油は、(1)石油系炭化水素オイル、(2)二塩基酸及び一塩基酸のエステル、(3)ブチル化フェノール、(4)フェノール、(5)硫化脂肪油、(6)脂肪酸及び(7)硫黄捕捉剤(sulfur scavenger)を含有している。この作動油は、スラッジ形成の傾向が低減されており、それ故に、延ばされた寿命を有する。(鉱油が使用された)
2001年10月9日に登録されたKonishiらによるNippon Mitsubishi Oil Corporation(日本、東京)の米国特許第6300292号の作動油組成物が参照され得る。酸化安定性と、潤滑特性と、生分解性とに優れた作動油組成物は、基油としての植物油と、フェノール系抗酸化剤と、アミン系抗酸化剤と、亜鉛ジチオフォスフェート系抗酸化剤とを具備している。(食用植物油が使用される)
2002年8月20日に登録されたNiehによるHuntsman Petrochemical Corporation(テキサス州オースティン)の米国特許第6436883号の油圧及びギア潤滑剤(Hydraulic and gear lubricants)が参照され得る。ここでは、作動液及びギア油の調合物(formulation)に有用な機能性流体組成物が提供されている。この発明に従う調合物は、相当な量のエチレンオキシドを含有したアルキレンオキシド混合物の存在下でのアルコールの付加重合から誘導される、支配的な量の少なくとも1種のポリオキシアルキレングリコールを含んでいる。この発明に従う流体は、適切な潤滑特性と安定特性とを呈し、一般に、この発明に従う流体が接触する水塊(body of water)の表面上に油膜が形成されるのを排除するのに十分な程度に水に可溶である。(ポリエチレングリコールが使用された)
1994年11月22日に登録されたHoppeらによるHuls Aktiengesellschaft(デラウェア州マール)の米国特許第5366658号の潤滑剤及び機能性流体中の生分解性基油としてのポリメチレンアルカンの使用が参照され得る。この発明は、潤滑剤及び機能性流体用の生分解性基油としてのポリメチルアルカンの使用であって、末端のメチル基と、メチレン基と、エチリデン基とを有し、これらの炭素原子の総数n+2 m+2は20乃至100であり、メチル基及びメチレン基のエチリデン基に対する比は3乃至20:1であり、これらエチリデン基は常に少なくとも1つのメチレン基によって離されているポリメチルアルカンの使用に関する。適切なポリメチルアルカンは、例えば特にはP 41 19 332.6に従うアルファ、オメガ−ジオレフィンのオリゴマー化又はエテン/プロパンコポリマーの熱分解と、続く各場合での水素化とによって得られる。ポリメチルアルカンは、従来の添加剤及び他の生分解性又は非生分解性の基油と併用され得る。(ポリメチルアルカンが使用された)
米国特許第4783274号(Jokinenら、1988年11月8日登録)が参照され得る。これは、無水の油性潤滑剤であって、植物油に基づいており、この植物油が、潤滑鉱油の代わりを担い且つ、主成分として、飽和及び/又は未飽和の直鎖C10乃至C22脂肪酸とグリセロールとのエステルであるトリグリセリドを含有している潤滑剤に関する。この潤滑剤は、少なくとも70重量%のトリグリセリドを含有し、ヨウ素価が50以上125以下であり、粘度指数が少なくとも190であることを特徴としている。基本成分として、前記トリグリセリドの代わり又はそれと共に、この潤滑油は、前記トリグリセリドからか又は或る対応したトリグリセリドからの熱重合(hot-polymerization)によって製造されたポリマーも含有し得る。添加剤として、この潤滑油は、溶媒と、脂肪酸誘導体、特にはそれらの金属塩と、有機又は無機の、天然又は合成ポリマーと、潤滑剤用の通例の添加剤とを含有し得る。(食用植物油が使用される)
米国特許第5538654号(Lawateら、1996年7月23日登録)が参照され得る。これは、外食産業(food service industry)における設備のための作動油、ギア油及びコンプレッサ油に有用な、食品用潤滑剤組成物を記載している。この組成物は、(A)遺伝子的に改質された多量の植物油と、(B)少量の性能添加剤(performance additive)とを具備している。他の実施形態では、この組成物は、(C)燐化合物か又は(D)遺伝子的に改質をされていない植物油の何れかを含有している。(食用植物油が使用される)
米国特許第5580482号(Chassanら、1996年12月3日登録)の、熱及び酸素による劣化の影響に対して安定化された潤滑剤組成物であって、トリグリセリドオイルか又はアルコール部分若しくは酸部分の何れかに不飽和が存在するエステルであるオイルと、効果的に安定化させる量の、N,N−二置換アミノメチル−1,2,4−トリアゾールか又はN,N−二置換アミノメチルベンゾトリアゾールかの何れかと、ドデシレン琥珀酸の高級アルキル置換(higher alkyl substituted)アミドとを具備している潤滑剤組成物が参照され得る。(添加材を有した食用植物油が使用された)
米国特許第5888947号(Lambertら、1999年3月30日登録)の、基油と、ヒドロキシ脂肪酸を含有したオイルソースと、植物蝋又は動物蝋を含有したオイルソースとの3つの主成分を有した組成物が参照され得る。この参考文献において使用される基油は、主にはトリグリセロール(トリグリセリド)と、モノ及びジグリセロール(グリセリド)とからなり、脂肪酸を含まないことが必要である。この組成物は、更に、植物油から構成されており、ここでは、グリセロールが好ましくはこの油の5%乃至20%を構成するヒドロキシ脂肪酸を含有している。第3の主成分は、5体積%乃至10体積%のオイル添加剤(oil additive)を具備した蝋である。動物又は植物の化合物(animal or vegetable compound)から誘導された追加の合成模倣物(synthetic mimics)又は天然の生成物が、組成物の体積の5%まで添加され得る。(グリコール脂肪エステル及び脂肪が使用される)
本発明の発明者によって出願された特許は、様々なタイプの潤滑剤において清浄分散−防錆添加剤として使用される重アルキルベンゼンアルカリ土類金属スルフォネートの使用を開示した(CSIRに属するA. K. Singhらによる特許出願IPA番号1306/DEL/1998及び1307/DEL/1998)。このアルキルベンゼンは、1つのベンゼン又はトルエン芳香環と、1乃至15個、好ましくは10乃至15個の炭素原子を持つ直鎖又は分岐のパラフィン鎖とを有した一置換、二置換及び多置換のアルキル芳香族化合物であって、好ましくはモノ及びジアルキルベンゼンである。
【0007】
アルキルベンゼンは、(1)洗剤工業における線状アルキルベンゼン、(2)触媒改質器中で生ずる重芳香族化合物及び(3)ナフサ又はガス水蒸気分解液体生成物(naphtha or gas steam cracker liquid product)の製造の間の副生成物として生ずる。アルキルベンゼンは置換ベンゼンから構成されており、ポリ芳香族/凝縮環(poly-aromatic/ condensed ring)もオレフィン化合物もこのアルキルベンゼン中に存在しない。それは、潤滑剤の鉱油系ベースストック(mineral base stock)の代替品として使用され得る。それは、潤滑剤の危険の可能性(hazard potential)を低減させるであろう。それは、良好な油圧特性、潤滑性、耐荷重性(load carrying)、安定性、腐食防止性及び環境への負荷がより小さいなどの必要とされる特性を提供するであろう。
【0008】
鉱油において一般に見られる有害な多核芳香族炭化水素を含まず、汚染をあまり生じさせない新たな作動液組成物を開発する必要がある。これら目的は、厳しい性能基準、例えば、良好な潤滑性、耐荷重性、安定性及び腐食防止性を同時に満たしながら適えられねばならない。
【0009】
本発明の目的
本発明の主たる目的は、上で詳述した欠点を回避する、作動液組成物及びその製造方法を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、LABプラントからの重アルキレート、触媒改質器若しくは蒸気クラッキングプラントからの高級芳香族化合物(higher aromatic)などの様々な石油化学若しくは製油所の廃棄物流から得られるアルキルベンゼンに基づく代替供給源からの作動液の組成物及びプロセスを提供することである。
【0011】
本発明の更なる他の目的は、多核芳香族炭化水素及び鉱油の成分の使用を避けることと、作動液調合物の汚染の可能性を低減することとである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、調合された作動液の、鉱油、植物油及び合成油との、全ての割合での優れた混和性を提供することである。
【0013】
本発明の概略
従って、本発明は、作動液組成物であって、
(i)98.0−99.8重量%の範囲内にある、主にC18乃至C22の炭素原子を持つように調製された(tailored)重アルキルベンゼンのベースストークと、
(ii)0.006−0.05重量%の範囲内にある抗酸化剤と、
(iii)0.005−0.05重量%の範囲内にある極圧添加剤と、
(iv)0.05−0.15重量%の範囲内にある清浄分散剤と、
(v)0.01−1.0重量%の範囲内にある消泡剤と、
(vi)0.01−1.0重量%の範囲内にある流動点分散剤と、
(vii)0.10−0.03重量%の範囲内にある腐食防止剤と、
(viii)0.005−0.05重量%の範囲内にある潤滑添加剤と
を具備した作動液組成物を提供する。
【0014】
本発明の或る実施形態では、得られる作動液は、以下の特性を有する。
【0015】
(i)40℃での動粘度が20−30cstの範囲内、
(ii)粘度指数100−110、
(iii)酸化安定性合格(Oxidation stability Pass)(IP48/97)、
(iv)95℃でのロータリーボム酸化試験(Rotatory bomb oxidation test)(ROBOT)290乃至310分、
(v)引火点145−165℃、
(vi)流動点(−)30−40℃、
(vii)潤滑時摩擦係数(Lubricity-Friction. Coeff.)約0.14−0.17μm、
(viii)磨耗傾斜直径(WSD)約0.43−0.46mm、
(ix)銅板腐食試験(Copper Strip corrosion test)1A、
(x)発泡試験ASTM D130合格、
(xi)総酸価<0.001mgKOH、
(xii)生分解性40乃至50%。
【0016】
或る実施形態では、使用される重アルキルベンゼンは、1つのベンゼン芳香環と、直鎖又は分岐鎖のパラフィン鎖とを有し、18乃至22個の炭素原子を持った、1置換、2置換及び多置換のアルキル芳香族化合物である。
【0017】
更なる他の実施形態では、使用される重アルキルベンゼン部分(C18乃至22)は、洗浄工業における線状アルキルベンゼン(LAB)の製造の間に生ずるモノ及びジアルキルベンゼン、触媒改質器内で生ずる重アルキル芳香族化合物及びナフサ若しくはガス蒸気分解液体生成物又はこれらの混合物から得られる。
【0018】
更なる他の実施形態では、使用される抗酸化剤は、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール又はn−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジ−n−オクタデシル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フォスフォネート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート又はヒンダードピペリジンカルボン酸、2,6−ジヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン又は二環式ヒンダードアミン又はジフェニルアミン又はジナフチルアミンのアクリル化誘導体、フェニルナフチルアミン、N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン又はp−オクチルジフェニルアミン、p,p−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、N−(p−ドデシル)フェニル−2−ナフチルアミン、ジ−1−ナフチルアミン、ジ−2ナフチルアミン、N−アルキルフェノチアジン、イミノ(ビスベンジル)、6−(t−ブチル)フェノール、2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4−メチル−2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4,4’−メチレンビス(−2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール)、メチルヒドロキシヒドロシンナミド(Methyl hydroxy hydro cinnnamide)、フェノチアジン誘導体、アルキル化5−アミノテトラゾール、ジ−ter.ブチルp−アミノフェノール及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0019】
更なる他の実施形態では、使用される極圧添加剤は、硫化ニームオイル、硫化マーワオイル、ジベンジルジスルフィド、硫化ペンタデシルフェノール、チオフォスフォロラウリルオレート、チオフォスフォロラウリルオレートのモリブデン塩、亜鉛ジアルキルジチオフォスフェート、ジベンジルジセレネート、セレノフォスフォロラウリルオレート、セレノフォスフォロペンタデシルフェノール、モリブデンチオフォスフォロペンタデシルフェノール及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0020】
更なる他の実施形態では、使用される潤滑添加剤は、オクチルフォスフェート、メチルヒドロキシヒドロシンナミド及びこれらの混合物から選択される。
【0021】
更なる他の実施形態では、使用される洗浄分散剤は、カルシウムアルキルベンゼンスルフォネート、ナトリウムアルキルベンゼンスルフォネート、ペンタエチレンヘキサミンのプロピレンテラマースクシンイミド(propylene teramer succinimide)、オクチルフォスフォネート及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0022】
更なる他の実施形態では、使用される消泡剤は、シリコーンオイル、ポリビニルアルコール、ポリエーテル及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0023】
更なる他の実施形態では、使用される流動点分散剤は、ジエチルヘキシルアジパート、ポリメタクリレート、ポリビニルアクリレート及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0024】
更なる他の実施形態では、使用される腐食防止剤は、オクチル1Hベンゾトリアゾール、ジターシャリーブチル化1Hベンゾトリアゾール、プロピルガラート、ポリオキシアルキレンポリオール、オクタデシルアミン、ノニルフェノールエトキシレート、水素化ペンタデシルフェノールのカルシウムフェノレート、マグネシウムアルキルベンゼンスルフォネート及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0025】
本発明は、更に、作動液組成物の製造方法であって、線状アルキルベンゼン(LAB)又は分解物の重アルキレート部分を、真空蒸留下、300−400℃の範囲にある温度で分留して、炭素原子C18乃至C22を持ち、約40℃で20−30cstの範囲内にある粘度を有したアルキルベンゼンの所望の留分を得ることと、酸化した生成物を上記のアルキル留分から既知の方法によって除去してベースストック(base stock)を得ることと、98−99.8重量%の前記ベースストックと、0.005−0.05重量%の範囲内にある少なくとも1つの抗酸化剤と、0.005−0.05重量%の範囲内にある少なくとも1つの極圧添加剤と、0.05−0.15重量%の範囲内にある少なくとも1つの清浄分散剤と、0.01乃至1.0重量%の範囲内にある少なくとも1つの消泡剤と、0.01乃至1.0重量%の範囲内にある少なくとも1つの流動点分散剤と、0.10−0.03重量%の範囲内にある少なくとも1つの腐食防止剤と、0.005−0.05重量%の範囲内にある少なくとも1つの潤滑添加剤とを、攪拌しながら50−90℃の温度で混合して、所望の潤滑油組成物を得ることとを含んだ方法を提供する。
【0026】
更なる他の実施形態では、使用される重アルキルベンゼンは、1つのベンゼン芳香環と直鎖又は分岐鎖のパラフィン鎖とを有し、18乃至22個の炭素原子を持った、1置換、2置換及び多置換のアルキル芳香族化合物である。
【0027】
更なる他の実施形態では、使用される重アルキルベンゼン留分(C18−22)は、洗浄工業における線状アルキルベンゼン(LAB)の製造の間に生ずるモノ及びジアルキルベンゼン、触媒改質器内で生ずる重アルキル芳香族化合物及びナフサ若しくはガス蒸気分解液体生成物又はこれらの混合物から得られる。
【0028】
更なる他の実施形態では、使用される抗酸化剤は、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール又はn−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジ−n−オクタデシル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フォスフォネート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート又はヒンダードピペリジンカルボン酸、2,6−ジヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン又は二環式ヒンダードアミン又はジフェニルアミン又はジナフチルアミンのアクリル化誘導体、フェニルナフチルアミン、N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン又はp−オクチルジフェニルアミン、p,p−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、N−(p−ドデシル)フェニル−2−ナフチルアミン、ジ−1−ナフチルアミン、ジ−2ナフチルアミン、N−アルキルフェノチアジン、イミノ(ビスベンジル)、6−(t−ブチル)フェノール、2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4−メチル−2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4,4’−メチレンビス(−2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール)、メチルヒドロキシヒドロシンナミド、フェノチアジン誘導体、アルキル化5−アミノテトラゾール、ジ−ter.ブチルp−アミノフェノール及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0029】
更なる他の実施形態では、使用される極圧添加剤は、硫化ニームオイル、硫化マーワオイル、ジベンジルジスルフィド、硫化ペンタデシルフェノール、チオフォスフォロラウリルオレート、チオフォスフォロラウリルオレートのモリブデン塩、亜鉛ジアルキルジチオフォスフェート、ジベンジルジセレネート、セレノフォスフォロラウリルオレート、セレノフォスフォロペンタデシルフェノール、モリブデンチオフォスフォロペンタデシルフェノール及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0030】
更なる他の実施形態では、使用される潤滑添加剤は、オクチルフォスフェート、メチルヒドロキシヒドロシンナミド及びこれらの混合物から選択される。
【0031】
更なる他の実施形態では、使用される洗浄分散剤は、カルシウムアルキルベンゼンスルフォネート、ナトリウムアルキルベンゼンスルフォネート、ペンタエチレンヘキサミンのプロピレンテラマースクシンイミド、オクチルフォスフォネート及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0032】
更なる他の実施形態では、使用される消泡剤は、シリコーンオイル、ポリビニルアルコール、ポリエーテル及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0033】
更なる他の実施形態では、使用される流動点分散剤は、ジエチルヘキシルアジパート、ポリメタクリレート、ポリビニルアクリレート及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0034】
更なる他の実施形態では、使用される腐食防止剤は、オクチル1Hベンゾトリアゾール、ジターシャリーブチル化1Hベンゾトリアゾール、プロピルガラート、ポリオキシアルキレンポリオール、オクタデシルアミン、ノニルフェノールエトキシレート、水素化ペンタデシルフェノールのカルシウムフェノレート、マグネシウムアルキルベンゼンスルフォネート及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0035】
更なる他の実施形態では、得られる潤滑油組成物は、以下の特徴を有する:
(i)98.0−99.8重量%の範囲内にある、主にC18乃至C22の炭素原子を持つ調製された重アルキルベンゼンのベースストーク、
(ii)0.006−0.05重量%の範囲内にある抗酸化剤、
(iii)0.005−0.05重量%の範囲内にある極圧添加剤、
(iv)0.05−0.15重量%の範囲内にある清浄分散剤、
(v)0.01乃至1.0重量%の範囲内にある消泡剤、
(vi)0.01乃至1.0重量%の範囲内にある流動点分散剤、
(vii)0.10−0.03重量%の範囲内にある腐食防止剤、
(viii)0.005−0.05重量%の範囲内にある潤滑添加剤。
【0036】
この組成物は、有意に、毒性がなく、多核芳香族化合物を持たず、生分解性が20乃至60%の範囲内にあり、引火点が150乃至200℃であり、流動点が(−)10℃未満であり、40℃での動粘度が20乃至30cstであり、粘度指数は90乃至120であり、酸化安定性(RoBOT)が200乃至400分であり、TANが0.01mgKOHより低く、銅腐食性が1より低く、従来の鉱油系潤滑油の代わりとなることが可能である。主な利点は、石油の使用を減らすことと、合成オイルよりも低コストであることと、石油系潤滑油よりも製品がより生分解性であり且つ環境負荷が小さいことと、引火点が高く毒性がないので使用するのに差し支えないこととである。
【0037】
作動油の性質の比較
【表1】

【0038】
以下の例は、例示として挙げられており、それ故に、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきでない。
【0039】
例1
重アルキレートの調製:洗浄剤クラス(detergent class)の線状アルキルベンゼン(LAB)の重廃棄留分である市販の重アルキレートが、真空蒸留によって分留された。全アルキレートの70重量%を占める重い方のカット(cut)が、ベースストックの製造のために抜き取られた。このアルキレートの典型的な特性は、以下の通りである。
【表2】

【0040】
例2
アルキレートの調製:分解装置からの廃棄アルキルベンゼンである市販のアルキレートが、真空蒸留によって分留された。全アルキレートの65重量%を占める重い方のカットが、ベースストック製造のために抜き取られた。このアルキレートの典型的な特性は、以下の通りである。
【表3】

【0041】
例3
ベースストックの製造
調製された重アルキレートは、酸化された生成物を除去すべくシリカゲルカラムに通されたか、又は、フラー土などの吸収性粘土を用いて、混合させ、80℃で50分間に亘って徹底的に攪拌し、それをG−4焼結ガラス漏斗に通して濾過することによって処理された。この重アルキレートの典型的な物理化学的特性は、以下の通りである。
【表4】

【0042】
例4
ベースストックの製造
分解装置からの調製されたアルキレートは、酸化された生成物を除去すべくシリカゲルカラムに通されたか、又は、フラー土などの吸収性粘土を用い、混合させ、80℃で50分間に亘って徹底的に攪拌し、それをG−4焼結ガラス漏斗に通して濾過することによって処理された。この基油の典型的な物理化学的特性は、以下の通りである。
【表5】

【0043】
例5
ベースストックの製造
分解装置及びLABプラントからの調製されたアルキレートが、酸化した生成物を除去すべくシリカゲルカラムに通された。50重量%の重アルキレートと分解装置からの50重量%のアルキレートとが混合されて、60℃で50分間に亘って徹底的に攪拌された。ブレンドされた基油の典型的な物理化学的特性は、以下の通りであった。
【表6】

【0044】
例6
ベースストックからの潤滑油の製造
ベースストックが、基油に対して、200ppmの高温抗酸化剤としてのオクチル5アミノテトラゾール添加物と、200ppmのEP添加剤としてのジベンジルジスルフィドと、200ppmのEP添加剤としての硫化ニームオイルと、80ppmの低温抗酸化潤滑添加剤としてのメチルヒドロキシヒドロシンナメートと、100ppmの洗浄分散剤としてのペンタエチレンヘキサミンドデシルスクシンイミドと、消泡剤−流動点降下剤としてのシリコーンポリマーオイルと、150ppm濃度の腐食防止剤としての塩基価500を有するカルシウムHABスルフォネートと、5%の流動性向上剤としての米糠油の脂肪酸のエチルヘキシルエステルとブレンドされた。このドーピングは、60℃で、2時間攪拌しながら行われた。
【0045】
例7
ベースストックからの潤滑油の製造
ベースストックが、基油に対して、100ppmの高温抗酸化剤としてのp−p−ジオクチルジフェニルアミン添加物と、200ppmのEP添加剤としてのジベンジルジセレニドと、200ppmの潤滑性添加剤としての硫化米糠油と、50ppmの低温抗酸化潤滑添加剤としての亜鉛ジアルキルジチオフォスフェートと、100ppmの洗浄分散剤としてのオクチルフォスフェートと、100ppmの消泡剤−流動点降下剤としてのポリビニルアクリレートと、50ppm濃度の腐食防止剤としての塩基価500を有するアルキルベンゾトリアゾールと、5%の流動性向上剤としてのニームオイルの水素化脂肪酸のエチルヘキシルエステルとブレンドされた。このドーピングは、60℃で、2時間攪拌しながら行われた。
【0046】
例8
ベースストックからの潤滑油の製造
ベースストックが、基油に対して、100ppmの高温抗酸化剤としてのジ−t−ブチル4−メチルフェノール添加物と、200ppmのEP添加剤としてのモリブデンチオフォスフォロペンタデシルフェノールと、200ppmの共EP添加剤としての硫化水素化カランジャオイルと、150ppmの低温抗酸化潤滑添加剤としてのメチルヒドロキシヒドロシンナメートと、100ppmの洗浄分散剤としてのペンタエチレンヘキサアミンプロピレンテトラマースクシンイミドと、消泡剤−流動点降下剤としてのポリメタクリレートと、150ppm濃度の腐食防止剤としてのオクチルフォスフォネートと、5%の曇り低下剤(smoke reducer)として及び流動性向上剤としてのカランジャオイルの脂肪酸のエチルヘキシルエステルとブレンドされた。このドーピングは、60℃で、2時間攪拌しながら行われた。
【0047】
例9
ベースストックからの潤滑油の製造
ベースストックが、基油に対して、200ppmの高温抗酸化剤としてのn−ナフチル2−フェニルアミン添加物と、200ppmのEP添加剤としてのモリブデンチオフォスフォロラウリルオレートと、200ppmのEP潤滑剤としてのジベンジルジセレニドと、250ppmの低温抗酸化潤滑添加剤としての亜鉛ジアルキルジチオフォスフェートと、200ppmの洗浄分散剤としてのペンタエチレンヘキサミンプロピレンテトラマースクシンイミドと、消泡剤−流動点降下剤としてのシリコーンポリマーオイルと、150ppm濃度の腐食防止剤としてのアルキル1Hベンゾトリアゾールと、100ppmの流動性向上剤としてのオクチルフォスフェートとブレンドされた。このドーピングは、60℃で、2時間攪拌しながら行われた。
【0048】
例10
潤滑油の特徴及び評価:調合物は、動粘度及び粘度指数についてはASTM D445/BIS−14234、P25/56、引火点についてはASTM D92/BIS−P21/69、相対密度(Rel. Density)についてはASTM D1217/BIS−P16、銅腐食性についてはASTM D130/BIS−P15、流動点についてはASTM D97/BIS−P10、硫酸灰分についてはASTM D874/BIS−P4、水分についてはASTM D664/BIS−P1−TAN、ASTM D4377/BIS−P40、酸化試験についてはIP280、306、307、コッキング試験(Cocking test)についてはASTM D3711などのASTM又はBIS法によって分析及び評価された。
【0049】
例11
評価:概算された典型的な値は、40℃での粘度cstは28であり、粘度指数は105であり、引火点160℃、流動点(−)38℃、銅腐食性<1、総酸価0.001mgKOH、発泡試験合格、生分解性45%、酸化安定性(95℃でのRoBOT)300分、20℃での密度0.881、流動時摩擦係数が0.15μ、wsdg0.44であった。
【0050】
本発明の主たる利点は、この作動液組成物が、相当に生分解性であって環境負荷が小さいものであり、鉱油系作動液よりも良い又はそれと等価な性能を提供することである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動液組成物であって、
(i)98.0−99.8重量%の範囲内にある、主にC18乃至C22の炭素原子を持つように調製された重アルキルベンゼンのベースストークと、
(ii)0.006−0.05重量%の範囲内にある抗酸化剤と、
(iii)0.005−0.05重量%の範囲内にある極圧添加剤と、
(iv)0.05−0.15重量%の範囲内にある清浄分散剤と、
(v)0.01−1.0重量%の範囲内にある消泡剤と、
(vi)0.01−1.0重量%の範囲内にある流動点分散剤と、
(vii)0.10−0.03重量%の範囲内にある腐食防止剤と、
(viii)0.005−0.05重量%の範囲内にある潤滑添加剤と
を具備した作動液組成物。
【請求項2】
請求項1記載の作動液組成物であって、以下の特性:
(i)40℃での動粘度が20−30cstの範囲内、
(ii)粘度指数100−110、
(iii)酸化安定性合格(IP48/97)、
(iv)95℃でのロータリーボム酸化試験(ROBOT)290−310分、
(v)引火点145−165℃、
(vi)流動点(−)30−40℃、
(vii)潤滑時摩擦係数約0.14−0.17μm、
(viii)磨耗傾斜直径(WSD)約0.43−0.46mm、
(ix)銅板腐食試験1A、
(x)発泡試験ASTM D130合格、
(xi)総酸価<0.001mgKOH、
(xii)生分解性40−50%
を持つ組成物。
【請求項3】
請求項1記載の組成物であって、使用される前記重アルキルベンゼンが、1つのベンゼン芳香環と直鎖又は分岐鎖のパラフィン鎖とを有し、18乃至22個の炭素原子を持った、1置換、2置換及び多置換のアルキル芳香族化合物である組成物。
【請求項4】
請求項1記載の組成物であって、使用される前記重アルキルベンゼン部分(C18−22)は、洗浄工業における線状アルキルベンゼン(LAB)の製造の間に生ずるモノ及びジアルキルベンゼン、触媒改質器内で生ずる重アルキル芳香族化合物及びナフサ若しくはガス蒸気分解液体生成物又はこれらの混合物から得られる組成物。
【請求項5】
請求項1記載の組成物であって、使用される前記抗酸化剤が、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール又はn−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジ−n−オクタデシル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フォスフォネート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート又はヒンダードピペリジンカルボン酸、2,6−ジヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン又は二環式ヒンダードアミン又はジフェニルアミン又はジナフチルアミンのアクリル化誘導体、フェニルナフチルアミン、N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン又はp−オクチルジフェニルアミン、p,p−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、N−(p−ドデシル)フェニル−2−ナフチルアミン、ジ−1−ナフチルアミン、ジ−2ナフチルアミン、N−アルキルフェノチアジン、イミノ(ビスベンジル)、6−(t−ブチル)フェノール、2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4−メチル−2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4,4’−メチレンビス(−2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール)、メチルヒドロキシヒドロシンナミド、フェノチアジン誘導体、アルキル化5−アミノテトラゾール、ジ−ter.ブチルp−アミノフェノール及びこれらの混合物からなる群より選択される組成物。
【請求項6】
請求項1記載の組成物であって、使用される前記極圧添加剤が、硫化ニームオイル、硫化マーワオイル、ジベンジルジスルフィド、硫化ペンタデシルフェノール、チオフォスフォロラウリルオレート、チオフォスフォロラウリルオレートのモリブデン塩、亜鉛ジアルキルジチオフォスフェート、ジベンジルジセレネート、セレノフォスフォロラウリルオレート、セレノフォスフォロペンタデシルフェノール、モリブデンチオフォスフォロペンタデシルフェノール及びこれらの混合物からなる群より選択される組成物。
【請求項7】
請求項1記載の組成物であって、使用される前記潤滑添加剤が、オクチルフォスフェート、メチルヒドロキシヒドロシンナミド及びこれらの混合物から選択される組成物。
【請求項8】
請求項1記載の組成物であって、使用される前記洗浄分散剤が、カルシウムアルキルベンゼンスルフォネート、ナトリウムアルキルベンゼンスルフォネート、ペンタエチレンヘキサミンのプロピレンテラマースクシンイミド、オクチルフォスフォネート及びこれらの混合物からなる群より選択される組成物。
【請求項9】
請求項1記載の組成物であって、使用される前記消泡剤が、シリコーンオイル、ポリビニルアルコール、ポリエーテル及びこれらの混合物からなる群より選択される組成物。
【請求項10】
請求項1記載の組成物であって、使用される前記流動点分散剤は、ジエチルヘキシルアジパート、ポリメタクリレート、ポリビニルアクリレート及びこれらの混合物からなる群より選択される組成物。
【請求項11】
請求項1記載の組成物であって、使用される前記腐食防止剤は、オクチル1Hベンゾトリアゾール、ジターシャリーブチル化1Hベンゾトリアゾール、プロピルガラート、ポリオキシアルキレンポリオール、オクタデシルアミン、ノニルフェノールエトキシレート、水素化ペンタデシルフェノールのカルシウムフェノレート、マグネシウムアルキルベンゼンスルフォネート及びこれらの混合物からなる群より選択される組成物。
【請求項12】
作動液組成物の製造方法であって、線状アルキルベンゼン(LAB)又は分解物の重アルキレート部分を、真空蒸留下、300−400℃の範囲にある温度で分留して、炭素原子C18乃至C22を持ち、約40℃で20−30cstの範囲内にある粘度を有したアルキルベンゼンの所望の留分を得ることと、酸化した生成物を前記アルキル留分から既知の方法によって除去してベースストックを得ることと、98−99.8重量%の前記ベースストックと、0.005−0.05重量%の範囲内にある少なくとも1つの抗酸化剤と、0.005−0.05重量%の範囲内にある少なくとも1つの極圧添加剤と、0.05−0.15重量%の範囲内にある少なくとも1つの清浄分散剤と、0.01乃至1.0重量%の範囲内にある少なくとも1つの消泡剤と、0.01乃至1.0重量%の範囲内にある少なくとも1つの流動点分散剤と、0.10−0.03重量%の範囲内にある少なくとも1つの腐食防止剤と、0.005−0.05重量%の範囲内にある少なくとも潤滑添加剤とを、攪拌しながら50−90℃の温度で混合して、所望の潤滑油組成物を得ることとを含んだ方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であって、使用される前記重アルキルベンゼンは、1つのベンゼン芳香環と直鎖又は分岐鎖のパラフィン鎖とを有し、18乃至22個の炭素原子を持った、1置換、2置換及び多置換のアルキル芳香族化合物である方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法であって、使用される前記重アルキルベンゼン留分(C18−22)は、洗浄工業における線状アルキルベンゼン(LAB)の製造の間に生ずるモノ及びジアルキルベンゼン、触媒改質器内で生ずる重アルキル芳香族化合物及びナフサ若しくはガス蒸気分解液体生成物又はこれらの混合物から得られる方法。
【請求項15】
請求項12記載の方法であって、使用される前記抗酸化剤が、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール又はn−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジ−n−オクタデシル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フォスフォネート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート又はヒンダードピペリジンカルボン酸、2,6−ジヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン又は二環式ヒンダードアミン又はジフェニルアミン又はジナフチルアミンのアクリル化誘導体、フェニルナフチルアミン、N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン又はp−オクチルジフェニルアミン、p,p−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、N−(p−ドデシル)フェニル−2−ナフチルアミン、ジ−1−ナフチルアミン、ジ−2ナフチルアミン、N−アルキルフェノチアジン、イミノ(ビスベンジル)、6−(t−ブチル)フェノール、2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4−メチル−2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4,4’−メチレンビス(−2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール)、メチルヒドロキシヒドロシンナミド、フェノチアジン誘導体、アルキル化5−アミノテトラゾール、ジ−ter.ブチルp−アミノフェノール及びこれらの混合物からなる群より選択される方法。
【請求項16】
請求項12記載の方法であって、使用される前記極圧添加剤が、硫化ニームオイル、硫化マーワオイル、ジベンジルジスルフィド、硫化ペンタデシルフェノール、チオフォスフォロラウリルオレート、チオフォスフォロラウリルオレートのモリブデン塩、亜鉛ジアルキルジチオフォスフェート、ジベンジルジセレネート、セレノフォスフォロラウリルオレート、セレノフォスフォロペンタデシルフェノール、モリブデンチオフォスフォロペンタデシルフェノール及びこれらの混合物からなる群より選択される方法。
【請求項17】
請求項12記載の方法であって、使用される前記潤滑添加剤が、オクチルフォスフェート、メチルヒドロキシヒドロシンナミド及びこれらの混合物から選択される方法。
【請求項18】
請求項12記載の方法であって、使用される前記洗浄分散剤が、カルシウムアルキルベンゼンスルフォネート、ナトリウムアルキルベンゼンスルフォネート、ペンタエチレンヘキサミンのプロピレンテラマースクシンイミド、オクチルフォスフォネート及びこれらの混合物からなる群より選択される方法。
【請求項19】
請求項12記載の方法であって、使用される前記消泡剤が、シリコーンオイル、ポリビニルアルコール、ポリエーテル及びこれらの混合物からなる群より選択される方法。
【請求項20】
請求項12記載の方法であって、使用される前記流動点分散剤は、ジエチルヘキシルアジパート、ポリメタクリレート、ポリビニルアクリレート及びこれらの混合物からなる群より選択される方法。
【請求項21】
請求項1記載の方法であって、使用される前記腐食防止剤は、オクチル1Hベンゾトリアゾール、ジターシャリーブチル化1Hベンゾトリアゾール、プロピルガラート、ポリオキシアルキレンポリオール、オクタデシルアミン、ノニルフェノールエトキシレート、水素化ペンタデシルフェノールのカルシウムフェノレート、マグネシウムアルキルベンゼンスルフォネート及びこれらの混合物からなる群より選択される方法。
【請求項22】
請求項12記載の方法であって、得られる前記潤滑油組成物は、以下の特性:
(i)98.0−99.8重量%の範囲内にある、主にC18乃至C22の炭素原子を持つ調製された重アルキルベンゼンのベースストークと、
(ii)0.006−0.05重量%の範囲内にある抗酸化剤と、
(iii)0.005−0.05重量%の範囲内にある極圧添加剤と、
(iv)0.05−0.15重量%の範囲内にある清浄分散剤と、
(v)0.01乃至1.0重量%の範囲内にある消泡剤と、
(vi)0.01乃至1.0重量%の範囲内にある流動点分散剤と、
(vii)0.10−0.03重量%の範囲内にある腐食防止剤と、
(viii)0.005−0.05重量%の範囲内にある潤滑添加剤
を有する方法。

【公表番号】特表2009−518496(P2009−518496A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544010(P2008−544010)
【出願日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【国際出願番号】PCT/IN2005/000451
【国際公開番号】WO2007/066349
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(596020691)カウンスィル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ (42)
【氏名又は名称原語表記】COUNCIL OF SCIENTIFIC & INDUSTRIAL RESEARCH
【Fターム(参考)】