作業用装置
【課題】可動部位を含む作業機において、実際に作業機を動かす前に作業機のどの部位が作動するか、または、どのように作動するかを瞬時に把握した後、同一の操作で速やかに作業機を作動させ、操作性を向上することができる作業用装置を提供する。
【解決手段】操作手段の所定量未満の第1の操作量の操作を行うと、アクチュエータの駆動によって作動する部材に対応付けられた部位を、実際に作動する部材を作動させるときと同一の操作を行うことによって、いずれの部材が作動するか、または、どのように作動するのかを画像表示部220に識別表示し、操作手段の所定量以上の第2の操作量の操作で、前記識別表示した部位に対応する部材を作動させる。
【解決手段】操作手段の所定量未満の第1の操作量の操作を行うと、アクチュエータの駆動によって作動する部材に対応付けられた部位を、実際に作動する部材を作動させるときと同一の操作を行うことによって、いずれの部材が作動するか、または、どのように作動するのかを画像表示部220に識別表示し、操作手段の所定量以上の第2の操作量の操作で、前記識別表示した部位に対応する部材を作動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用ロボットに代表されるマニプレータや、クレーン、昇降装置等の作業用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、実際の作業用装置を模した画像が表示される画像表示部と、この画像表示部における画像を参照して操作を行う操作部とを備えた作業用装置が知られている。この作業用装置においては、操作部によるオペレータの動作指令に基づきロボットがどのように動くかが画像表示部に表示され、オペレータが動作指令を修正することにより、実際のロボットの表示が意図した状態になるように動作指令が修正される。そして、ロボットの表示が意図した状態になったときに実際にロボットを駆動させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−108387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の作業用装置では、オペレータが操作部を操作したときに表示されるロボットの表示は、ロボットを構成する複数の可動部位(アーム、ハンド等)のうち、アクチュエータが直接的に作動させる可動部位を識別表示するものではないため、オペレータはロボットのどの可動部位が作動しているのかが瞬時に把握できなかった。
また、ロボットの表示が、オペレータが意図した状態になるまでは実際にロボットを駆動させることができないので、アクチュエータが直接的に作動する可動部位を確認した直後にロボットを動かすことができず、スムーズに操作を行うことができないという問題があった。
また、ロボットの表示が、オペレータが意図した状態になるようにシミュレーションした後、オペレータはシミュレーションで行った操作とは異なる操作(キーボード)で複数の可動部位を操作することになるので、オペレータが操作部で複数の可動部位を直接操作するような場合には誤操作が生じるという問題があった。
【0005】
本発明は、ロボットやクレーン等の可動部位を含む作業機において、操作手段により実際に作業機を動かす前に作業機がどの部位が作動するか、または、どのように作動するかを瞬時に把握した後、同じ操作手段により速やかに作業機を作動させ、操作性を向上することができる作業用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、複数のアクチュエータによって作動する複数の可動部材と、前記複数の可動部材に対応付けられた複数の可動部位画像を画像表示部に表示させる画像表示手段と、前記複数のアクチュエータを駆動する複数のアクチュエータ駆動手段と、複数の操作を受け付ける操作手段と、前記画像表示部に表示させる可動部位画像と前記複数のアクチュエータ駆動手段による複数のアクチュエータの駆動を前記操作手段の操作に基づいて制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記操作手段に対する複数の操作のうちの所定の操作が第1の操作量で行われた場合には、前記画像表示部に表示される複数の可動部位画像のうち所定の操作によって作動する1つまたは複数の可動部材に対応した所定の可動部位画像を、作動しない他の可動部位画像と識別可能に前記画像表示部に識別表示させ、前記操作手段に対する第1の操作量の所定の操作と同一方向に第1の操作量よりも大きい第2の操作量の所定の操作が行われた後に、前記複数のアクチュエータ駆動手段により駆動される前記複数の可動部材のうち前記所定の可動部材を作動させることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1記載の構成を前提として、前記操作手段は、中立位置から傾倒可能な操作レバーからなり、所定の傾倒角よりも小さい範囲で傾倒した場合の操作量を前記第1の操作量とし、前記所定の傾倒角以上に傾倒した場合の操作量を前記第2の操作量としたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1記載の構成を前提として、前記操作手段は、押圧操作可能な操作ボタンからなり、所定ストローク未満の範囲で押圧された場合の操作量を前記第1の操作量とし、前記操作ボタンが前記所定ストローク以上に押圧された場合の操作量を前記第2の操作量としたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の構成を前提として、前記操作手段の第1の操作量の所定の操作に基づいて可動部材の作動方向を特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、前記制御手段は、第1の操作量の所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像のうち、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の構成を前提として、前記操作手段の第1の操作量の所定の操作に基づいて可動部材の作動方向を特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、前記制御手段は、第1の操作量の所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像を、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に移動させて表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、複数のアクチュエータによって作動する可動部材と、前記複数の可動部材に対応付けられた複数の可動部位画像を画像表示部に表示させる画像表示手段と、前記複数のアクチュエータを駆動する複数のアクチュエータ駆動手段と、複数の操作を受け付ける操作手段と、前記アクチュエータの駆動が制限される制限状態または前記アクチュエータの駆動が可能となる許可状態のいずれかの状態に切り換え設定する状態設定手段と、前記画像表示部に表示させる可動部位画像と前記複数のアクチュエータ駆動手段による複数のアクチュエータの駆動を前記操作手段の操作に基づいて制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記制限状態において前記操作手段に対する複数の操作のうち所定の操作が行われた場合には、前記画像表示部に表示される複数の可動部位画像のうち所定の操作によって作動する1つまたは複数の可動部材に対応した所定の可動部位画像を、作動しない他の可動部位画像と識別可能に前記画像表示部に識別表示させ、前記許可状態において前記操作手段に対する所定の操作が行われた場合には、前記複数のアクチュエータ駆動手段により駆動される前記複数の可動部材のうち前記所定の可動部材を作動させることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、上記請求項6記載の構成を前提として、前記許可状態に設定されていればアクチュエータの駆動によって作動する可動部材の作動方向を、前記制限状態における前記操作手段に対する所定の操作によって特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、前記制御手段は、前記制限状態において前記操作手段に対して所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像のうち、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、上記請求項6記載の構成を前提として、前記許可状態に設定されていればアクチュエータの駆動によって作動する可動部材の作動方向を、前記制限状態における前記操作手段に対する所定の操作によって特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、前記制御手段は、前記制限状態において前記操作手段に対して所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像を、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に移動させて表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、上記請求項1〜8のいずれかに記載の構成を前提として、前記アクチュエータによって作動する可動部材の作動方向を特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、前記制御手段は、アクチュエータの駆動によって作動する可動部材に対応する可動部位画像のうち、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、アクチュエータによって作動する可動部材と、前記可動部材に対応付けられた可動部位画像を画像表示部に表示させる画像表示手段と、前記アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動手段と、操作を受け付ける操作手段と、前記画像表示部に表示させる可動部位画像と前記アクチュエータ駆動手段によるアクチュエータの駆動を前記操作手段の操作に基づいて制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記操作手段に対する所定の第1の操作量の操作が行われた場合には、前記画像表示部に表示される可動部位画像を、前記所定の第1の操作量の操作と同一方向の前記第1の操作量よりも大きい第2の操作量の操作に基づく前記可動部材の動作を予測させる画像として表示させ、前記操作手段に対して前記所定の第1の操作量の操作と同一方向の第2の操作量の操作が行われた後に、前記可動部材を前記第2の操作量の操作に基づく動作を行うように前記アクチュエータ駆動手段によってアクチュエータを駆動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、操作手段に対する操作量が第2の操作量となったときに可動部材が作動するとともに、第2の操作量になる前の第1の操作量となった場合に、いずれの可動部材が作動するのかが識別可能となる。つまり、オペレータは、実際に可動部材を作動させるときと同一の操作を行うことによって、いずれの可動部材が作動するのかを把握可能となる。このように、所定の操作を行った場合に、どのような操作によっていずれの可動部材が作動するのかを実際に可動部材が作動する前に把握した後、同じ操作手段の操作によって速やかに可動部材を作動させることができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0017】
特に、請求項2または3に記載の発明によれば、操作手段における遊びの範囲内での操作によって、いずれの可動部材が作動するのかを識別できるので、一層操作性を向上することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向を把握することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向及び移動軌跡を把握することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、実際の可動部材を作動するときの操作と同一の操作を制限状態で実行することにより、いずれの可動部材が作動するのかを把握可能となる。このように、どのような操作によっていずれの可動部材が作動するのかを実際に可動部材が作動する前に、同一の操作によって把握した後、速やかに可動部材を作動させることができる。したがって、請求項1に記載の発明と同様に、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向を把握することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向及び移動軌跡を把握することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、矢印等を可動部位画像に重畳表示させることなく、可動部位画像の表示態様のみでアクチュエータによって作動する可動部材の作動方向を把握することができるので、画像表示部における視認性が向上して操作性を一層向上する。
【0024】
請求項10に記載の発明によれば、操作手段に対する操作量が第2の操作量となったときに可動部材が作動するとともに、第2の操作量になる前の第1の操作量となった場合に、いずれの可動部材が作動するのかが識別可能となるとともに、作動する可動部材の作動方向及び移動軌跡を把握することができる。つまり、オペレータは、実際に可動部材を作動させるときと同一の操作を行うことによって、いずれの可動部材がどのように作動するのかを予測することができる。このように、所定の操作を行った場合に、いずれの可動部材がどのように作動するのかを実際に可動部材が作動する前に把握した後、同一操作手段の操作によって速やかに可動部材を作動させることができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態を示す作業用装置としての災害救助ロボットの全体斜視図である。
【図2】操作装置の斜視図である。
【図3】操作レバーの斜視図である。
【図4】制御系を示すブロック図である。
【図5】操作レバー、押ボタンスイッチ及びシーソースイッチの操作に対応する災害救助ロボットの動作を示す表である。
【図6】災害救助ロボットの画像が表示された画像表示部の図である。
【図7】災害救助ロボットの可動部材の作動中における画像表示部の図である。
【図8】災害救助ロボットの可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。
【図9】災害救助ロボットの可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態を示す操作装置の斜視図である。
【図11】制御系を示すブロック図である。
【図12】災害救助ロボットの可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3実施形態の災害救助ロボットの可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。
【図14】災害救助ロボットの可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。
【図15】災害救助ロボットの可動部材の作動中における画像表示部のその他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1乃至図9は、本発明の第1実施形態を示すものである。
【0027】
本発明の作業用装置は、地震等の災害時における被災者の捜索や救助等を行うための災害救助ロボット100と、災害救助ロボット100を遠隔操作するための操作装置200とを有している。
【0028】
災害救助ロボット100は、図1に示すように、本体110の下部に設けられた幅方向一対の無限軌道式の走行装置120と、本体110の前後の左右両側にそれぞれ設けられた4本の脚121と、本体110上面の前側に回転自在に設けられた回転台130の上面に設けられた2本のアーム140とを備えている。災害救助ロボット100は、環境に応じて走行装置120による走行、または、4本の脚121による歩行を行うことによって移動し、2本のアーム140の先端に設けられたハンド150によって物を把持したり、障害物を取り除いたりする作業を行う。また、この災害救助ロボット100には、回転台130の上面の2本のアーム140の間にカメラ160が設けられ、各ハンド150にそれぞれ図4のブロック図に記載のカメラ161が設けられている。オペレータは、各カメラ160,161によって撮影された映像が表示された後述する操作支援装置の画像表示部を見ながら操作可能である。また、カメラ160は、オペレータによって操作可能に上下方向及び左右方向に向きが変更可能に設けられている。
【0029】
2本のアーム140は、回転台130の上面の左右両側に配設されている。2本のアーム140のうち右側のアーム140について説明する。右側のアーム140は、回転台130の上面から上方に延びるように設けられた第1アーム141を備えている。この第1アーム141は、上下方向を回転中心軸とするもので、回転台130に対して回転自在に設けられている。第1アーム141の上端には、第2アーム142の一端が回転自在に連結されており、この第2アーム142の一端を軸として他端側を上下に移動可能としている。第2アーム142の他端には、第3アーム143の一端が回転自在に連結されており、この第3アーム143の一端を軸として他端側を上下に移動可能としている。第3アーム143の他端には、ハンド150の基端が連結されている。このハンド150は、その先端側が上下方向及び左右方向に移動するとともに、第3アーム143の軸方向を回転中心軸の方向として回転自在に設けられている。
【0030】
次に、上記の回転台130、第1アーム141〜第3アーム143およびハンド150を作動するアクチュエータについて、図1および図4を用いて説明する。本体110には、本体110に対して回転台130を回転させるための第1アクチュエータ171(図1においては不図示)が設けられている。回転台130には、回転台130に対して各第1アーム141を回転させるための第2アクチュエータ172(図1においては不図示)が設けられている。アーム140には、第1アーム141に対して第2アーム142を作動させるための第3アクチュエータ173と、第2アーム142に対して第3アーム143を作動させるための第4アクチュエータ174と、第3アーム143に対してハンド150を上下に作動させるための第5アクチュエータ175とが設けられている。同様に、アーム140には、第3アーム143に対してハンド150を左右に作動させるための第6アクチュエータ176と、第3アーム143に対してハンド150を回転させるための第7アクチュエータ177と、ハンド150に把持動作をさせるための第8アクチュエータ178とが設けられている(図1においては、第7及び第8アクチュエータ177,178が収納されている外装部品を指し示している)。ここで、第1〜第8アクチュエータ171〜178は、それぞれ、例えば油圧シリンダや油圧モータ等の油圧を直線運動や回転運動に変換するための機器が用いられる。
【0031】
また、災害救助ロボット100は、ロボットの状態を検出するための各種センサを備えている。すなわち、災害救助ロボット100は、図4に示すように、本体110に対する回転台130の回転角度を検出するための第1角度センサ181と、回転台130に対する各第1アーム141の回転角度を検出するための第2角度センサ182と、各第1アーム141に対する第2アーム142の角度を検出するための第3角度センサ183と、第2アーム142に対する第3アーム143の角度を検出するための第4角度センサ184とを備えている。また、災害救助ロボット100は、第3アーム143に対するハンド150の上下方向の角度を検出するための第5角度センサ185と、第3アーム143に対するハンド150の左右方向の角度を検出するための第6角度センサ186と、第3アーム143に対するハンド150の回転角度を検出するための第7角度センサ187と、ハンド150の開閉動作を検出するための第8角度センサ188とを備えている。ここで、第1〜第8角度センサ181〜188は、それぞれ回転角度を計測可能なロータリーエンコーダが用いられる。
【0032】
また、災害救助ロボット100は、各アーム140及びカメラ160の動作を制御するためのロボット側制御部190を備えている。ロボット側制御部190は、CPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータによって構成されている。ロボット側制御部190は、図4に示すように、カメラ160,161、第1〜第8アクチュエータ171〜178、第1〜第8角度センサ181〜188、後述する操作支援装置の操作側制御部との間で動作及び画像表示に関する信号の無線通信を行うための無線通信部191が接続されている。
【0033】
操作装置200は、図2に示すように、縦長の箱状に形成された操作台201と、操作台201の上面の前面側に設けられ、オペレータの操作を受け付けるために設けられた一対の操作レバー210と、操作台201の上面の背面側に設けられ、災害救助ロボット100の操作状況を表示するためのLCD、CRT等の画像表示部220とを備えている。
【0034】
各操作レバー210は、操作台201の上面から上方に延びるように設けられ、周方向に亘って所定角度傾斜させることが可能である。また、各操作レバー210には、各操作レバー210の傾倒する方向に複数の接点を有する接点回路が設けられている。各操作レバー210は、傾倒角度に応じて接点回路が切り換えられて二種類の操作信号を出力する。詳細には、操作レバー210が所定の傾倒角未満の第1の操作量まで傾倒した場合には、画像表示部220の表示態様のみを変更するための第1操作信号を出力する。また、操作レバー210が所定の傾倒角以上の第2の操作量まで傾倒した場合には、各アクチュエータ171〜178及びカメラ160を駆動するための第2操作信号を出力する。また、各操作レバー210は、操作台201を前面側から見て右側に位置する操作レバー210が災害救助ロボット100の右側のアーム140の操作に対応し、左側に位置する操作レバー210が災害救助ロボット100の左側のアーム140に対応する。
【0035】
また、各操作レバー210の上面には、図3に示すように、押圧動作の度にオンとオフが切り替わる第1押ボタンスイッチ211と第2押ボタンスイッチ212が左右に配置されている。第1押ボタンスイッチ211及び第2押ボタンスイッチ212は、例えばオンの状態で照光表示を行う照光式の押ボタンスイッチが用いられる。また、各操作レバー210の上部前面側には、左右両側が押圧可能であり、左右のどちらかを押圧することによりオンの状態となり、離すとオフの状態となる第1シーソースイッチ213が設けられている。また、各操作レバー210の上部背面側には、上下両側が押圧可能であり、上下のどちらかを押圧することによりオンの状態となり、離すとオフの状態となる第2シーソースイッチ214が設けられている。また、各シーソースイッチ213,214には、押圧する方向に複数の接点を有する接点回路が設けられている。各シーソースイッチ213,214は、押圧するストロークに応じて接点回路が切り換えられて二種類の操作信号を出力する。詳細には、シーソースイッチ213,214が所定ストローク未満の第1の操作量で押圧された場合には、画像表示部220の表示態様のみを変更するための第1操作信号を出力する。また、シーソースイッチ213,214が所定ストローク以上の第2の操作量まで押圧された場合には、各アクチュエータ171〜178及びカメラ160を駆動するための第2操作信号を出力する。
【0036】
また、操作装置200は、災害救助ロボット100の操作及び画像表示部220の表示を制御するための操作側制御部230を備えている。操作側制御部230は、CPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータによって構成されている。操作側制御部230は、図4に示すように、各操作レバー210、各押ボタンスイッチ211,212、各シーソースイッチ213,214、画像表示部220、画像表示部220に表示する画像データが取り込まれたハードディスク等の記憶部231、ロボット側制御部190との間で動作及び画像表示に関する信号の無線通信を行うための無線通信部232が接続されている。
【0037】
ここで、各操作レバー210、各押ボタンスイッチ211,212及び各シーソースイッチ213,214の操作に対応する災害救助ロボット100の右側のアーム140の動作について、図5に示す表を用いて説明する。
【0038】
本実施形態においては、第1押ボタンスイッチ211及び第2押ボタンスイッチ212によって、「カメラ画像基準のハンド単独操作モード」「アーム個別操作モード」「カメラ画像基準のハンド移動操作モード」のいずれかのモードに切り替えられる。
第1押ボタンスイッチ211及び第2押ボタンスイッチ212の両方をオンにした場合には、ハンド150に設けられたカメラ161のカメラ画像基準のハンド単独操作モードとなる。このハンド単独操作モードにおいて、操作レバー210を左右方向に操作すると、カメラ161が撮像した画像を基準として、第3アーム143に対してハンド150の向きを左右方向に変更する。また、操作レバー210を前後方向に操作すると、カメラ161が撮像した画像を基準として、第3アーム143に対してハンド150の向きを上下方向に変更する。第1シーソースイッチ213を左右に操作すると、カメラ161が撮像した画像を基準として第7アクチュエータ177を駆動させ、第3アーム143に対してハンド150を回転させる。このとき、第3アーム143に対して、カメラ161が回転することなく、ハンド150のみが回転することが望ましい。また、第2シーソースイッチ214を上下に操作すると、第8アクチュエータ178を駆動し、ハンド150の把持動作を行う。
【0039】
第1押ボタンスイッチ211をオフにして第2押ボタンスイッチ212をオンにした場合には、アーム個別操作モードとなる。このアーム個別操作モードにおいて、操作レバー210を左右方向に操作すると、第2アクチュエータ172を駆動させ、回転台130に対して第1アーム141を回転させる。また、操作レバー210を前後方向に操作すると、第3アクチュエータ173を駆動させ、第1アーム141に対して第2アーム142を上下に作動させる。第1シーソースイッチ213を左右に操作すると、第1アクチュエータ171を駆動させ、本体110に対して回転台130を回転させる。また、第2シーソースイッチ214を上下に操作すると、第4アクチュエータ174を駆動させ、第2アーム142に対して第3アーム143を作動させる。
【0040】
第1押ボタンスイッチ211をオンにして第2押ボタンスイッチ212をオフにした場合には、カメラ画像基準のハンド移動操作モードとなる。このカメラ画像基準のハンド移動操作モードにおいて、操作レバー210を左右方向に操作すると、第1〜第7アクチュエータ171〜177を複合的に駆動させ、カメラ161が撮像した画像を基準として、ハンド150を左右に作動させる。また、操作レバー120を前後方向に操作すると、第1〜第7アクチュエータ171〜177を複合的に駆動させ、カメラ161が撮像した画像を基準として、ハンド150を前後方向に作動(カメラの光軸方向に前進後退)させる。また、第1シーソースイッチ213を左右に操作すると、カメラ161が撮像した画像を基準として第7アクチュエータ177を駆動させ、第3アーム143に対してハンド150を回転させる。このとき、上記と同様に、第3アーム143に対して、カメラ161が回転することなく、ハンド150のみが回転することが望ましい。また、第2シーソースイッチ214を上下に操作すると、第1〜第7アクチュエータ171〜177を複合的に駆動させ、カメラ161が撮像した画像を基準として、ハンド150を上下に移動させる。
なお、このハンド移動操作モードにおいては、入力操作に基づいてロボット側制御部190が演算を行い、この演算結果に基づいて複数のアクチュエータ171〜178を複合的に駆動する。このとき、いずれかのアクチュエータ171〜178がストロークエンドに到達した場合には、作動規制を行って全体の複合操作が規制されるようにしている。
【0041】
第1押ボタンスイッチ211及び第2押ボタンスイッチ212の両方をオフにした場合には、いずれのアクチュエータ171〜178も駆動しないいわゆる非操作モードとなる。このように、第1押ボタンスイッチ211及び第2押ボタンスイッチ212の両方をオフにすれば、誤って操作レバー210に接触してしまったような場合の誤操作を防止することができる。
なお、前記ハンド単独操作モード及びハンド移動操作モードは、ハンド150に設けられたカメラ161の画像基準でなく、ロボット本体110の上下左右方向を基準として操作するモードであってもよい。
【0042】
以上のように構成された作業用装置において、画像表示部220には、図6に示すように、操作対象である災害救助ロボット100を模した画像100´が白色で表示される。画像100´の回転台130´、第1〜第3アーム141´〜143´及びハンド150´は、実際の災害救助ロボット100の回転台130、第1〜第3アーム141〜143及びハンド150の相対位置関係に近似させて表示される。つまり、画像100´は、実際の災害救助ロボット100の姿勢とほぼ同じ姿勢で画像表示部220に表示される。なお、実際の災害救助ロボット100の回転台130、第1〜第3アーム141〜143及びハンド150の相対位置関係は、第1〜第8角度センサ181〜188の検出値に基づいて特定される。オペレータは、画像表示部220に表示されている災害救助ロボット100を模した画像100´を見ながら災害救助ロボット100を操作することが可能となる。
【0043】
ここで、災害救助ロボット100の動作の例として、右側のアーム140を単独操作する場合のロボット側制御部190及び操作側制御部230の動作を、図8及び図9のフローチャートを参照して説明する。
【0044】
第2アーム142に対して第3アーム143を上方に向かって作動させる場合には、個別操作モードで第4アクチュエータ174を駆動させる。
この場合、前述のように、第1押ボタンスイッチ211をオフ、第2押ボタンスイッチ212をオンに設定して個別操作モードを選択する。その後、第2シーソースイッチ214を上方に操作して第4アクチュエータ174を駆動させる。
ここで、本発明の特徴である識別表示について詳しく説明する。まず、操作側制御部230が第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク未満押圧する第1の操作量の操作を検出すると(ステップS1)、第2シーソースイッチ214の操作に対応して作動する第3アーム143及びハンド150を特定する(ステップS2)。次に、操作側制御部230は、第3アーム143及びハンド150の作動方向を特定し(ステップS3)、画像表示部220の表示態様のみを変更する第1操作信号によって図7に示すように部位143´,150´の作動方向前方側を、作動方向後方側及び他の部位の色(白色)と異なる色(黄色)で表示する(ステップS4)。この場合、第3アーム143の上部が作動方向前方となる。また、操作側制御部230は、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク未満押圧する第1の操作量の操作の解除を検出すると(ステップS5)、黄色で表示した部位143´,150´の上面側を白色で表示する(ステップS6)。
また、操作側制御部230は、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク以上までさらに押圧する第2の操作量の操作を検出すると(ステップS7)、第2シーソースイッチ214の操作に対応して作動する第3アーム143及びハンド150を特定する(ステップS8)。次に、操作側制御部230は、第3アーム143及びハンド150の作動方向を特定し(ステップS9)、第2操作信号によって第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及び150に対応した部位143´,150´の作動方向前方側を、作動方向後方側及び他の部位の色(白色)と異なる色(赤色)で表示する(ステップS10)。
そして、ロボット側制御部190は、第4アクチュエータ174を駆動し(ステップS11)、操作側制御部230は第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´の姿勢を更新表示する(ステップS12)。
そして、第2シーソースイッチ214の所定ストローク以上まで押圧する第2の操作量の操作の解除を検出すると(ステップS13)、ロボット側制御部190は第4アクチュエータ174の駆動を停止し(ステップS14)、操作側制御部230は画像表示部220に表示されている第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´の異なる色(赤色)で表示した部分を、他の部位の色(白色)で表示する(ステップS15)。
このように、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク未満押圧する第1の操作量の操作を検出すると、実際に第3アーム143及びハンド150が作動する前にその動作方向が、画像表示部220に表示された第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´自体に色の変化で識別表示される。また、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク以上までさらに押圧する第2の操作量の操作を検出すると、第3アーム143及びハンド150の動作及びその動作方向が、画像表示部220に表示された第3アーム143に対応する部位143´,150´自体に色の変化で識別表示される。これにより、実際に第3アーム143及びハンド150が作動する前に、アーム140全体の中で第3アーム143及びハンド150が作動すること、及びその作動方向が把握できる。
【0045】
また、回転台130、第1アーム141及びハンド150などの回転する部材が作動する場合には、回転する部材130,141,150に対応する部位130´,141´,150´の回転方向側を回転方向の反対側と異なる色で表示する。
【0046】
また、災害救助ロボット100を模した画像100´は、図7に示すように、災害救助ロボット100を右前方からの視点で表示したものであるが、作動する部材(例えば、左後方の脚121)に対応する部位(121´)が右前方からの視点で現れない場合には、左前方からの視点や側面からの視点に切り換える。
【0047】
以上のように、本実施形態の作業用装置によれば、操作レバー210、第1シーソースイッチ213または第2シーソースイッチ214の所定量以上の第2の操作量の操作が検出されると、第2操作信号を出力して対象となるアクチュエータ171〜178及びカメラ160を駆動し、所定量未満の第1の操作量の操作が検出されると第1操作信号を出力して作動する部材に対応付けられた部位を、他の部位と識別可能に画像表示部220に表示させている。これにより、実際に作動する部材を作動させるときと同一の操作レバー210またはシーソースイッチ213,214の操作を行うことによって、いずれの部材が作動するのかを実際に部材が作動する前に把握した後、速やかに部材を作動させることができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0048】
また、各操作レバー210が、所定の傾倒角よりも小さい範囲で傾倒した場合に第1操作信号を出力するようにし、所定の傾倒角以上に傾倒した場合に第2操作信号を出力している。また、第1シーソースイッチ213及び第2シーソースイッチ214が、所定のストローク未満の範囲で押圧された場合に第1操作信号を出力するようにし、所定のストローク以上に押圧された場合に第2操作信号を出力している。これにより、各操作レバー210、第1シーソースイッチ213及び第2シーソースイッチ214の遊びの範囲内での操作によって、いずれの可動部材が作動するのかを識別できるので、一層操作性を向上することができる。
【0049】
また、操作レバー210、第1シーソースイッチ213または第2シーソースイッチ214の第1の操作量の操作が検出されると第1操作信号を出力して対応付けられた部位画像のうち、作動方向前方側に対応する部位を、作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部220に表示させている。これにより、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向を把握することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0050】
また、アクチュエータ171〜178の駆動によって作動する部材に対応する部位のうち、作動方向前方側に対応する部位を、作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部220に表示させることにより、作動する部材の作動方向を報知するようにしている。これにより、矢印等を部位に重畳表示させることなく、部位の表示のみで作動方向を把握することができるので、画像表示部220における視認性が向上して操作性を一層向上させることが可能となる。
【0051】
図10乃至図12は、本発明の第2実施形態を示すもので、図10は操作装置の斜視図、図11は制御系を示すブロック図、図12は可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。尚、本実施形態において、前記実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付して示す。
【0052】
本実施形態の作業用装置は、各操作レバー210及び各シーソースイッチ213,214の操作量に拘わらず同一の操作信号を出力するものである。また、本実施形態の作業用装置の操作側制御部230には、図11に示すように、フットスイッチ233が接続されている。フットスイッチ233は、アクチュエータ171〜178の駆動を制限する制限状態またはアクチュエータ171〜178の駆動を可能とする許可状態を切り換え設定する。フットスイッチ233は、図10に示すように、操作台201の前面の下部に設けられ、オペレータが足で押圧することにより許可状態となり、足を離すことにより制限状態となる。
【0053】
ここで、第1実施形態と同様に、災害救助ロボット100の動作の例として、右側のアーム140単独操作する場合のロボット側制御部190及び操作側制御部230の動作について図12のフローチャートを参照して説明する。
【0054】
第2アーム142に対して第3アーム143を上方に向かって作動させる場合には、個別操作モードで第4アクチュエータ174を駆動させる。この場合、第1押ボタンスイッチ211をオフ、第2押ボタンスイッチ212をオンに設定して個別操作モードを選択する。その後、第2シーソースイッチ214を上方に操作して第4アクチュエータ174を駆動させる。
まず、操作側制御部230は、第2シーソースイッチ214の上側を押圧する操作を検出すると(ステップS21)、第2シーソースイッチ214の操作に対応して作動する第3アーム143及びハンド150を特定し(ステップS22)、第3アーム143及びハンド150の作動方向を特定する(ステップS23)。次に、操作側制御部230は、第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及びハンド150に対応した部位143´,150´の作動方向前方側を、作動方向後方側及び他の部位の色(白色)と異なる色(黄色)で表示する(ステップS24)。
その後、操作側制御部230は、フットスイッチ233を押圧する操作を検出すると(ステップS25)、黄色で表示した部位143´,150´の作動方向前方側を赤色で表示する(ステップS26)。そして、ロボット側制御部190は、第4アクチュエータ174を駆動し(ステップS27)、操作側制御部230は第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´の姿勢を更新表示する(ステップS28)。
そして、操作側制御部230は、フットスイッチ233を押圧する操作の解除を検出するか(ステップS29)、第2シーソースイッチ214の上側を押圧する操作の解除を検出すると(ステップS30)、ロボット側制御部190は第4アクチュエータ174の駆動を停止する(ステップS31)。また、操作側制御部230は、画像表示部220に表示されている第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´の異なる色(赤色)で表示した部分を、他の部位の色(白色)で表示する(ステップS32)。
【0055】
以上のように、本実施形態の作業用装置によれば、制限状態または許可状態を切り換え設定するためのフットスイッチ233を備え、許可状態に設定されていれば当該出力操作信号に基づくアクチュエータ171〜178の駆動によって作動する部材に対応する部位を、制限状態において操作レバー210、第1シーソースイッチ213または第2シーソースイッチ214の操作信号が出力されたときに、他の部位と識別可能に画像表示部220に表示させるようにしている。これにより、実際に作動する部材を作動させるときと操作レバー210またはシーソースイッチ213,214の同一の操作を制限状態で行うことによって、いずれの部材が作動するのかを実際に部材が作動する前に把握した後、速やかに部材を作動させることができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0056】
前記可動部位画像のうち、作動方向前方側に対応する部位を、作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部220に表示させている。これにより、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向を把握することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0057】
図13及び図14は、本発明の第3実施形態を示すもので、図13及び図14は可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。尚、本実施形態において、前記実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付して示す。
【0058】
本実施形態の作業用装置は、第1実施形態と同一の構成を有するが、部材130,141,142,143,150を作動させる場合における画像表示部220の表示方法が第1実施形態と異なる。すなわち、第3実施形態は、第1実施形態に対し、図8のフローチャートのステップS4の表示方法に対して、図13のステップS44の表示方法のみが異なる。ここで、第1実施形態と同様に、災害救助ロボット100の動作の例として、右側のアーム140を単独操作する場合のロボット側制御部190及び操作側制御部230の動作について図13及び図14のフローチャートを参照して説明する。
【0059】
第2アーム143に対して第3アーム143を上方に向かって作動させる場合には、個別操作モードで第4アクチュエータ174を駆動させる。
第1押ボタンスイッチ211をオフ、第2押ボタンスイッチ212をオンに設定して個別操作モードを選択する。その後、第2シーソースイッチ214を上方に操作して第4アクチュエータ174を駆動させる。操作側制御部230が第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク未満押圧する第1の操作量の操作を検出すると(ステップS41)、第2シーソースイッチ214の操作に対応して作動する第3アーム143及びハンド150を特定する(ステップS42)。次に、操作側制御部230は、第3アーム143及びハンド150の作動方向を特定し(ステップS43)、第1操作信号によって第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及びハンド150に対応した部位143´,150´を黄色(他の部位130´,141´,142´は白色)で表示する(ステップS44)。また、操作側制御部230は、第2シーソースイッチ214の上側を所定スクロール未満押圧する第1の操作量の操作の解除を検出すると(ステップS45)、黄色で表示した部位143´,150´を白色で表示する(ステップS46)。
また、操作側制御部230は、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク以上までさらに押圧する第2の操作量の操作を検出すると(ステップS47)、第2シーソースイッチ214の操作に対応して作動する第3アーム143及びハンド150を特定する(ステップS48)。次に、操作側制御部230は、第3アーム143及びハンド150の作動方向を特定し(ステップS49)、第2操作信号によって第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及び150に対応した部位143´,150´の作動方向前方側を、作動方向後方側及び他の部位の色(白色)と異なる色(赤色)で表示する(ステップS50)。
そして、ロボット側制御部190は、第4アクチュエータ174を駆動し(ステップS51)、操作側制御部230は第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´の姿勢を更新表示する(ステップS52)。
そして、第2シーソースイッチ214の所定ストローク以上まで押圧する第2の操作量の操作の解除を検出すると(ステップS53)、ロボット側制御部190は第4アクチュエータ174の駆動を停止し(ステップS54)、操作側制御部230は画像表示部220に表示されている第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´の異なる色(赤色)で表示した部分を、他の部位の色(白色)で表示する(ステップS55)。
このように、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク未満押圧する第1の操作量の操作を検出すると、実際に第3アーム143及びハンド150が作動する前に、第3アーム143及びハンド150が、画像表示部220に表示された部位143´,150´自体に色の変化で識別表示される。また、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク以上までさらに押圧する第2の操作量の操作を検出すると、第3アーム143及びハンド150の動作及びその動作方向が、画像表示部220に表示された第3アーム143に対応する部位143´,150´自体に色の変化で識別表示される。これにより、実際に第3アーム143及びハンド150が作動すること、及びその作動方向が把握できる。
【0060】
以上のように、本実施形態の作業用装置によれば、操作レバー210、第1シーソースイッチ213または第2シーソースイッチ214の所定量未満の第1の操作量の操作が検出されると第1操作信号を出力して作動する部材に対応付けられた部位全体を、他の部位と識別可能に画像表示部220に表示し、操作レバー210、第1シーソースイッチ213または第2シーソースイッチ214の所定量以上の第2の操作量の操作が検出されると第2操作信号を出力して作動する部材に対応する部位のうち、作動方向前方側に対応する部位を、作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させるようにしている。これにより、部材の作動の前後において、作動する部材に対応付けられた部位の表示が変更されるので、部材が停止状態から作動したことを画像表示部220に明確に表示することができ、操作性を向上させることが可能となる。
【0061】
尚、前記実施形態では、作業用装置として災害救助ロボット100を適用したものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、産業用ロボット、医療装置等のマニプレータ、クレーン、昇降機等、アクチュエータを駆動させることによって何らかの作業を行う作業用装置が広く含まれ、特には、多数のアクチュエータを複合的に駆動させて作業を行う装置に好適である。
【0062】
また、前記実施形態では、災害救助ロボット100の操作手段として、一対の操作レバー210と、各操作レバー210に設けられた第1押ボタンスイッチ211、第2押ボタンスイッチ212、第1シーソースイッチ213及び第2シーソースイッチ214とから構成したものを示したが、これに限定されることはなく、例えば操作レバーのみや押ボタンスイッチのみで操作手段を構成してもよいし、GUIによる操作表示部等によって操作手段を構成してもよい。
【0063】
また、前記実施形態では、画像表示部220に、実際の災害救助ロボット100を模した態様の画像100´で表示したものを示したが、これに限定されるものではなく、災害救助ロボット100を、例えば単線によって表現する等、簡易的に表現した画像を画像表示部220に表示してもよい。
【0064】
また、前記実施形態では、画像表示部220に、災害救助ロボット100の全体を画像100´として表示したものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、オペレータが認識できる範囲内で、作動する部材に対応する部位の所定範囲を画像表示部220に表示してもよい。
【0065】
また、前記実施形態では、アクチュエータ171〜178の駆動によって直接及び間接的に作動する部材に対応する部位の表示の表示態様を変化させるものを示したが、これに限定されるものではなく、アクチュエータ171〜178の駆動によって直接的に作動する部材に対応する部位のみの表示態様を変化させてもよい。この場合、オペレータがアクチュエータ171〜178の駆動によって直接的に作動する部材に対応する部位を確実に把握することができるので、操作精度を向上させるとともに、誤操作を減少させることが可能となる。
【0066】
また、前記実施形態において、部材が同時に複数作動する場合には、全ての作動する部材に対応する画像表示部220上の部位を識別表示するようにししたものを示したが、これに限定されることはなく、一部の作動する部材に対応する部位のみを識別表示してもよい。
【0067】
また、前記実施形態において、作動する部材に対応する画像表示部220上の部位を他の部位と異なる色で表示することによって作動する部材を特定したものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、作動する部材に対応する部位の模様や線の太さを変更することによって態様を変化させたり、他の部位の表示よりも大きく表示したりして作動する部材を特定してもよい。また、作動する部材を特定するために、作動する部材に対応しない部位を、暗く表示したり点線で表示したりすることによって、作動する部材に対応する部位を目立たせてもよい。
【0068】
また、前記実施形態では、作動する部材に対応する部位の作動方向前方側を、作動方向後方側と異なる色で表示することにより作動する部材の作動方向を報知したものを示したが、これに限定されるものではない。例えば、作動する部材に対応する部位を、作動方向後方から作動方向前方に向かって徐々に変色するグラディエーション表示を行うことにより作動する部材の作動方向を報知してもよい。また、作動する部材に対応する部位の作動方向前方側に模様を付すことにより作動する部材の作動方向を報知してもよい。さらに、作動する部材に対応する部位の作動方向前方側の線を作動方向後方側と比較して太くしたりすることにより報知してもよい。また、作動する部材に対応する部位の作動方向前方側を作動方向後方側と比較して大きくしてもよい。
【0069】
また、前記のように、作動する部材に対応する部位の作動方向前方側を、作動方向後方側と異なる態様で表示することに加え、対応する部位やその近傍に矢印を表示して、作動する部材に対応する部位を更に目立たせてもよい。例えば、複合操作によって可動する部材が複数同時に作動している場合において、画像表示部が見にくくならない程度に、いくつかの可動する部材に対応する部位に矢印を付してもよい。
【0070】
また、前記第1実施形態における第2の操作量となった場合に作動する可動部材や、前記第2実施形態における許可状態に設定されていれば作動する可動部材に対応した可動部位画像のうち、作動方向前方側に対応する部位を、作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部220に表示させているが、これに限定されるものではない。例えば、当該可動部位画像を、図15中の二点鎖線で示すように、作動方向前方側に移動させた状態を画像表示部220に表示するようにしてもよい。この場合、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向及び移動軌跡を把握することによって、可動部材の動作を予測することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。また、作動する可動部材に対応する可動部位画像を作動方向前方側に移動させた状態を画像表示部220に表示する場合、元の位置の可動部位画像を表示することなく、移動させた後の可動部位画像のみを画像表示部220に表示し、元の位置の可動部位画像と移動させた後の可動部位画像を繰り返し画像表示部220に表示してもよい。また、作動する可動部材に対応する可動部位画像を、移動軌跡が明確になるように作動方向前方側に移動させた状態を、動画で画像表示部220に表示してもよい。
また、実際に可動部材を動かした後で目的とする作業ができないことがわかったのでは、復帰させる時間が無駄で効率が悪いが、本発明ではそれを改善できる。また、油圧駆動のように実際のアクチュエータの作動速度が遅いと計画した作業の可否を確かめるのに時間がかかるという問題があるが、本発明ではそれを改善できる。
【0071】
また、前記実施形態では、ロータリーエンコーダからなる第1〜第8角度センサ181〜188の検出値に基づいてアクチュエータ171〜178及び作動している部材の状態を特定するようにしたものを示したが、これに限定されるものではなく、アクチュエータ171〜178の状態を検出するためのストロークセンサや圧力センサを用いてもよいし、作動している部材の状態を検出するための加速度センサを用いるようにしてもよい。
【0072】
また、第1及び第3実施形態では、操作レバー210、第1シーソースイッチ213または第2シーソースイッチ214を、複数の接点を有する接点回路が設けられ、接点回路を切り換えることにより、第1操作信号または第2操作信号を出力するようにしたものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、フォトセンサ、磁気センサ、タッチセンサ等、操作量を2段階で検出できるものであればよく、複数の検出手段によって操作量を検出するようにしてもよい。
【0073】
また、第2実施形態では、制限状態または許可状態を切り換え設定するようにしたものを示したが、その具体的な切り換え設定の手段としては、接点回路を用いて切り換えるものの他、アクチュエータ171〜178を油圧シリンダで構成した場合には、当該油圧シリンダと油圧ポンプとを接続する油圧回路上に設けられたアンロード弁や切り換え弁及びこれらの弁を開閉制御するコントローラによって構成するようにしてもよい。また、アクチュエータ171〜178を機械的にロックしたりあるいはロックを解除したりすることによって、制限状態と許可状態とを切り換えるようにしてもよい。
【0074】
また、第3実施形態において、所定量未満の第1の操作量の操作が検出されると第1操作信号によって作動する部材に対応付けられた部位全体を、他の部位と識別可能に画像表示部220に表示し、所定量以上の第2の操作量の操作が検出されると作動する部材に対応する部位のうち、作動方向前方側に対応する部位を、作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させるようにしているが、第2実施形態の構成においても適用可能である。つまり、制限状態において操作信号が出力されたとき、当該出力操作信号に基づいて作動する部材に対応する部位全体を、他の部位と識別可能に画像表示部220に表示し、許可状態においてアクチュエータ171〜178の駆動によって作動する部材に対応する部位のうち、作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部220に表示させればよい。
【0075】
尚、本発明の画像表示手段は、前記実施形態におけるロボット側制御部190及び操作側制御部230のステップS4、ステップS6、ステップS10、ステップS12、ステップS15、ステップS24、ステップS26、ステップS28、ステップS32、S44、ステップS46、ステップS50、ステップS52及びステップS55の制御部に相当する。また、本発明のアクチュエータ駆動手段は、前記実施形態におけるロボット側制御部190及び操作側制御部230のステップS11、ステップS14、ステップS27、ステップS31、ステップS51及びステップS54の制御部に相当する。また、本発明の動作方向特定手段は、前記実施形態におけるロボット側制御部190及び操作側制御部230のステップS3、ステップS9、ステップS24、ステップS43及びステップS49の制御部に相当する。また、本発明の状態設定手段は、前記実施形態におけるロボット側制御部190及び操作側制御部230のステップS25及びステップS29の制御部に相当する。
【符号の説明】
【0076】
130…回転台、140…アーム、141…第1アーム、141´…第1アームの画像、142…第2アーム、142´…第2アームの画像、143…第3アーム、143´…第3アームの画像、150…ハンド、150´…ハンドの画像、171…第1アクチュエータ、172…第2アクチュエータ、173…第3アクチュエータ、174…第4アクチュエータ、175…第5アクチュエータ、176…第6アクチュエータ、177…第7アクチュエータ、178…第8アクチュエータ、181…第1角度センサ、182…第2角度センサ、183…第3角度センサ、184…第4角度センサ、185…第5角度センサ、186…第6角度センサ、187…第7角度センサ、188…第8角度センサ、190…ロボット側制御部、191…無線通信部、200…操作装置、210…操作レバー、211…第1押ボタンスイッチ、212…第2押ボタンスイッチ、213…第1シーソースイッチ、214…第2シーソースイッチ、220…画像表示部、230…操作側制御部、232…無線通信部、233…フットスイッチ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用ロボットに代表されるマニプレータや、クレーン、昇降装置等の作業用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、実際の作業用装置を模した画像が表示される画像表示部と、この画像表示部における画像を参照して操作を行う操作部とを備えた作業用装置が知られている。この作業用装置においては、操作部によるオペレータの動作指令に基づきロボットがどのように動くかが画像表示部に表示され、オペレータが動作指令を修正することにより、実際のロボットの表示が意図した状態になるように動作指令が修正される。そして、ロボットの表示が意図した状態になったときに実際にロボットを駆動させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−108387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の作業用装置では、オペレータが操作部を操作したときに表示されるロボットの表示は、ロボットを構成する複数の可動部位(アーム、ハンド等)のうち、アクチュエータが直接的に作動させる可動部位を識別表示するものではないため、オペレータはロボットのどの可動部位が作動しているのかが瞬時に把握できなかった。
また、ロボットの表示が、オペレータが意図した状態になるまでは実際にロボットを駆動させることができないので、アクチュエータが直接的に作動する可動部位を確認した直後にロボットを動かすことができず、スムーズに操作を行うことができないという問題があった。
また、ロボットの表示が、オペレータが意図した状態になるようにシミュレーションした後、オペレータはシミュレーションで行った操作とは異なる操作(キーボード)で複数の可動部位を操作することになるので、オペレータが操作部で複数の可動部位を直接操作するような場合には誤操作が生じるという問題があった。
【0005】
本発明は、ロボットやクレーン等の可動部位を含む作業機において、操作手段により実際に作業機を動かす前に作業機がどの部位が作動するか、または、どのように作動するかを瞬時に把握した後、同じ操作手段により速やかに作業機を作動させ、操作性を向上することができる作業用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、複数のアクチュエータによって作動する複数の可動部材と、前記複数の可動部材に対応付けられた複数の可動部位画像を画像表示部に表示させる画像表示手段と、前記複数のアクチュエータを駆動する複数のアクチュエータ駆動手段と、複数の操作を受け付ける操作手段と、前記画像表示部に表示させる可動部位画像と前記複数のアクチュエータ駆動手段による複数のアクチュエータの駆動を前記操作手段の操作に基づいて制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記操作手段に対する複数の操作のうちの所定の操作が第1の操作量で行われた場合には、前記画像表示部に表示される複数の可動部位画像のうち所定の操作によって作動する1つまたは複数の可動部材に対応した所定の可動部位画像を、作動しない他の可動部位画像と識別可能に前記画像表示部に識別表示させ、前記操作手段に対する第1の操作量の所定の操作と同一方向に第1の操作量よりも大きい第2の操作量の所定の操作が行われた後に、前記複数のアクチュエータ駆動手段により駆動される前記複数の可動部材のうち前記所定の可動部材を作動させることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1記載の構成を前提として、前記操作手段は、中立位置から傾倒可能な操作レバーからなり、所定の傾倒角よりも小さい範囲で傾倒した場合の操作量を前記第1の操作量とし、前記所定の傾倒角以上に傾倒した場合の操作量を前記第2の操作量としたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1記載の構成を前提として、前記操作手段は、押圧操作可能な操作ボタンからなり、所定ストローク未満の範囲で押圧された場合の操作量を前記第1の操作量とし、前記操作ボタンが前記所定ストローク以上に押圧された場合の操作量を前記第2の操作量としたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の構成を前提として、前記操作手段の第1の操作量の所定の操作に基づいて可動部材の作動方向を特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、前記制御手段は、第1の操作量の所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像のうち、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の構成を前提として、前記操作手段の第1の操作量の所定の操作に基づいて可動部材の作動方向を特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、前記制御手段は、第1の操作量の所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像を、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に移動させて表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、複数のアクチュエータによって作動する可動部材と、前記複数の可動部材に対応付けられた複数の可動部位画像を画像表示部に表示させる画像表示手段と、前記複数のアクチュエータを駆動する複数のアクチュエータ駆動手段と、複数の操作を受け付ける操作手段と、前記アクチュエータの駆動が制限される制限状態または前記アクチュエータの駆動が可能となる許可状態のいずれかの状態に切り換え設定する状態設定手段と、前記画像表示部に表示させる可動部位画像と前記複数のアクチュエータ駆動手段による複数のアクチュエータの駆動を前記操作手段の操作に基づいて制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記制限状態において前記操作手段に対する複数の操作のうち所定の操作が行われた場合には、前記画像表示部に表示される複数の可動部位画像のうち所定の操作によって作動する1つまたは複数の可動部材に対応した所定の可動部位画像を、作動しない他の可動部位画像と識別可能に前記画像表示部に識別表示させ、前記許可状態において前記操作手段に対する所定の操作が行われた場合には、前記複数のアクチュエータ駆動手段により駆動される前記複数の可動部材のうち前記所定の可動部材を作動させることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、上記請求項6記載の構成を前提として、前記許可状態に設定されていればアクチュエータの駆動によって作動する可動部材の作動方向を、前記制限状態における前記操作手段に対する所定の操作によって特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、前記制御手段は、前記制限状態において前記操作手段に対して所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像のうち、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、上記請求項6記載の構成を前提として、前記許可状態に設定されていればアクチュエータの駆動によって作動する可動部材の作動方向を、前記制限状態における前記操作手段に対する所定の操作によって特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、前記制御手段は、前記制限状態において前記操作手段に対して所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像を、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に移動させて表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、上記請求項1〜8のいずれかに記載の構成を前提として、前記アクチュエータによって作動する可動部材の作動方向を特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、前記制御手段は、アクチュエータの駆動によって作動する可動部材に対応する可動部位画像のうち、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、アクチュエータによって作動する可動部材と、前記可動部材に対応付けられた可動部位画像を画像表示部に表示させる画像表示手段と、前記アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動手段と、操作を受け付ける操作手段と、前記画像表示部に表示させる可動部位画像と前記アクチュエータ駆動手段によるアクチュエータの駆動を前記操作手段の操作に基づいて制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記操作手段に対する所定の第1の操作量の操作が行われた場合には、前記画像表示部に表示される可動部位画像を、前記所定の第1の操作量の操作と同一方向の前記第1の操作量よりも大きい第2の操作量の操作に基づく前記可動部材の動作を予測させる画像として表示させ、前記操作手段に対して前記所定の第1の操作量の操作と同一方向の第2の操作量の操作が行われた後に、前記可動部材を前記第2の操作量の操作に基づく動作を行うように前記アクチュエータ駆動手段によってアクチュエータを駆動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、操作手段に対する操作量が第2の操作量となったときに可動部材が作動するとともに、第2の操作量になる前の第1の操作量となった場合に、いずれの可動部材が作動するのかが識別可能となる。つまり、オペレータは、実際に可動部材を作動させるときと同一の操作を行うことによって、いずれの可動部材が作動するのかを把握可能となる。このように、所定の操作を行った場合に、どのような操作によっていずれの可動部材が作動するのかを実際に可動部材が作動する前に把握した後、同じ操作手段の操作によって速やかに可動部材を作動させることができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0017】
特に、請求項2または3に記載の発明によれば、操作手段における遊びの範囲内での操作によって、いずれの可動部材が作動するのかを識別できるので、一層操作性を向上することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向を把握することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向及び移動軌跡を把握することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、実際の可動部材を作動するときの操作と同一の操作を制限状態で実行することにより、いずれの可動部材が作動するのかを把握可能となる。このように、どのような操作によっていずれの可動部材が作動するのかを実際に可動部材が作動する前に、同一の操作によって把握した後、速やかに可動部材を作動させることができる。したがって、請求項1に記載の発明と同様に、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向を把握することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向及び移動軌跡を把握することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、矢印等を可動部位画像に重畳表示させることなく、可動部位画像の表示態様のみでアクチュエータによって作動する可動部材の作動方向を把握することができるので、画像表示部における視認性が向上して操作性を一層向上する。
【0024】
請求項10に記載の発明によれば、操作手段に対する操作量が第2の操作量となったときに可動部材が作動するとともに、第2の操作量になる前の第1の操作量となった場合に、いずれの可動部材が作動するのかが識別可能となるとともに、作動する可動部材の作動方向及び移動軌跡を把握することができる。つまり、オペレータは、実際に可動部材を作動させるときと同一の操作を行うことによって、いずれの可動部材がどのように作動するのかを予測することができる。このように、所定の操作を行った場合に、いずれの可動部材がどのように作動するのかを実際に可動部材が作動する前に把握した後、同一操作手段の操作によって速やかに可動部材を作動させることができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態を示す作業用装置としての災害救助ロボットの全体斜視図である。
【図2】操作装置の斜視図である。
【図3】操作レバーの斜視図である。
【図4】制御系を示すブロック図である。
【図5】操作レバー、押ボタンスイッチ及びシーソースイッチの操作に対応する災害救助ロボットの動作を示す表である。
【図6】災害救助ロボットの画像が表示された画像表示部の図である。
【図7】災害救助ロボットの可動部材の作動中における画像表示部の図である。
【図8】災害救助ロボットの可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。
【図9】災害救助ロボットの可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態を示す操作装置の斜視図である。
【図11】制御系を示すブロック図である。
【図12】災害救助ロボットの可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3実施形態の災害救助ロボットの可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。
【図14】災害救助ロボットの可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。
【図15】災害救助ロボットの可動部材の作動中における画像表示部のその他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1乃至図9は、本発明の第1実施形態を示すものである。
【0027】
本発明の作業用装置は、地震等の災害時における被災者の捜索や救助等を行うための災害救助ロボット100と、災害救助ロボット100を遠隔操作するための操作装置200とを有している。
【0028】
災害救助ロボット100は、図1に示すように、本体110の下部に設けられた幅方向一対の無限軌道式の走行装置120と、本体110の前後の左右両側にそれぞれ設けられた4本の脚121と、本体110上面の前側に回転自在に設けられた回転台130の上面に設けられた2本のアーム140とを備えている。災害救助ロボット100は、環境に応じて走行装置120による走行、または、4本の脚121による歩行を行うことによって移動し、2本のアーム140の先端に設けられたハンド150によって物を把持したり、障害物を取り除いたりする作業を行う。また、この災害救助ロボット100には、回転台130の上面の2本のアーム140の間にカメラ160が設けられ、各ハンド150にそれぞれ図4のブロック図に記載のカメラ161が設けられている。オペレータは、各カメラ160,161によって撮影された映像が表示された後述する操作支援装置の画像表示部を見ながら操作可能である。また、カメラ160は、オペレータによって操作可能に上下方向及び左右方向に向きが変更可能に設けられている。
【0029】
2本のアーム140は、回転台130の上面の左右両側に配設されている。2本のアーム140のうち右側のアーム140について説明する。右側のアーム140は、回転台130の上面から上方に延びるように設けられた第1アーム141を備えている。この第1アーム141は、上下方向を回転中心軸とするもので、回転台130に対して回転自在に設けられている。第1アーム141の上端には、第2アーム142の一端が回転自在に連結されており、この第2アーム142の一端を軸として他端側を上下に移動可能としている。第2アーム142の他端には、第3アーム143の一端が回転自在に連結されており、この第3アーム143の一端を軸として他端側を上下に移動可能としている。第3アーム143の他端には、ハンド150の基端が連結されている。このハンド150は、その先端側が上下方向及び左右方向に移動するとともに、第3アーム143の軸方向を回転中心軸の方向として回転自在に設けられている。
【0030】
次に、上記の回転台130、第1アーム141〜第3アーム143およびハンド150を作動するアクチュエータについて、図1および図4を用いて説明する。本体110には、本体110に対して回転台130を回転させるための第1アクチュエータ171(図1においては不図示)が設けられている。回転台130には、回転台130に対して各第1アーム141を回転させるための第2アクチュエータ172(図1においては不図示)が設けられている。アーム140には、第1アーム141に対して第2アーム142を作動させるための第3アクチュエータ173と、第2アーム142に対して第3アーム143を作動させるための第4アクチュエータ174と、第3アーム143に対してハンド150を上下に作動させるための第5アクチュエータ175とが設けられている。同様に、アーム140には、第3アーム143に対してハンド150を左右に作動させるための第6アクチュエータ176と、第3アーム143に対してハンド150を回転させるための第7アクチュエータ177と、ハンド150に把持動作をさせるための第8アクチュエータ178とが設けられている(図1においては、第7及び第8アクチュエータ177,178が収納されている外装部品を指し示している)。ここで、第1〜第8アクチュエータ171〜178は、それぞれ、例えば油圧シリンダや油圧モータ等の油圧を直線運動や回転運動に変換するための機器が用いられる。
【0031】
また、災害救助ロボット100は、ロボットの状態を検出するための各種センサを備えている。すなわち、災害救助ロボット100は、図4に示すように、本体110に対する回転台130の回転角度を検出するための第1角度センサ181と、回転台130に対する各第1アーム141の回転角度を検出するための第2角度センサ182と、各第1アーム141に対する第2アーム142の角度を検出するための第3角度センサ183と、第2アーム142に対する第3アーム143の角度を検出するための第4角度センサ184とを備えている。また、災害救助ロボット100は、第3アーム143に対するハンド150の上下方向の角度を検出するための第5角度センサ185と、第3アーム143に対するハンド150の左右方向の角度を検出するための第6角度センサ186と、第3アーム143に対するハンド150の回転角度を検出するための第7角度センサ187と、ハンド150の開閉動作を検出するための第8角度センサ188とを備えている。ここで、第1〜第8角度センサ181〜188は、それぞれ回転角度を計測可能なロータリーエンコーダが用いられる。
【0032】
また、災害救助ロボット100は、各アーム140及びカメラ160の動作を制御するためのロボット側制御部190を備えている。ロボット側制御部190は、CPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータによって構成されている。ロボット側制御部190は、図4に示すように、カメラ160,161、第1〜第8アクチュエータ171〜178、第1〜第8角度センサ181〜188、後述する操作支援装置の操作側制御部との間で動作及び画像表示に関する信号の無線通信を行うための無線通信部191が接続されている。
【0033】
操作装置200は、図2に示すように、縦長の箱状に形成された操作台201と、操作台201の上面の前面側に設けられ、オペレータの操作を受け付けるために設けられた一対の操作レバー210と、操作台201の上面の背面側に設けられ、災害救助ロボット100の操作状況を表示するためのLCD、CRT等の画像表示部220とを備えている。
【0034】
各操作レバー210は、操作台201の上面から上方に延びるように設けられ、周方向に亘って所定角度傾斜させることが可能である。また、各操作レバー210には、各操作レバー210の傾倒する方向に複数の接点を有する接点回路が設けられている。各操作レバー210は、傾倒角度に応じて接点回路が切り換えられて二種類の操作信号を出力する。詳細には、操作レバー210が所定の傾倒角未満の第1の操作量まで傾倒した場合には、画像表示部220の表示態様のみを変更するための第1操作信号を出力する。また、操作レバー210が所定の傾倒角以上の第2の操作量まで傾倒した場合には、各アクチュエータ171〜178及びカメラ160を駆動するための第2操作信号を出力する。また、各操作レバー210は、操作台201を前面側から見て右側に位置する操作レバー210が災害救助ロボット100の右側のアーム140の操作に対応し、左側に位置する操作レバー210が災害救助ロボット100の左側のアーム140に対応する。
【0035】
また、各操作レバー210の上面には、図3に示すように、押圧動作の度にオンとオフが切り替わる第1押ボタンスイッチ211と第2押ボタンスイッチ212が左右に配置されている。第1押ボタンスイッチ211及び第2押ボタンスイッチ212は、例えばオンの状態で照光表示を行う照光式の押ボタンスイッチが用いられる。また、各操作レバー210の上部前面側には、左右両側が押圧可能であり、左右のどちらかを押圧することによりオンの状態となり、離すとオフの状態となる第1シーソースイッチ213が設けられている。また、各操作レバー210の上部背面側には、上下両側が押圧可能であり、上下のどちらかを押圧することによりオンの状態となり、離すとオフの状態となる第2シーソースイッチ214が設けられている。また、各シーソースイッチ213,214には、押圧する方向に複数の接点を有する接点回路が設けられている。各シーソースイッチ213,214は、押圧するストロークに応じて接点回路が切り換えられて二種類の操作信号を出力する。詳細には、シーソースイッチ213,214が所定ストローク未満の第1の操作量で押圧された場合には、画像表示部220の表示態様のみを変更するための第1操作信号を出力する。また、シーソースイッチ213,214が所定ストローク以上の第2の操作量まで押圧された場合には、各アクチュエータ171〜178及びカメラ160を駆動するための第2操作信号を出力する。
【0036】
また、操作装置200は、災害救助ロボット100の操作及び画像表示部220の表示を制御するための操作側制御部230を備えている。操作側制御部230は、CPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータによって構成されている。操作側制御部230は、図4に示すように、各操作レバー210、各押ボタンスイッチ211,212、各シーソースイッチ213,214、画像表示部220、画像表示部220に表示する画像データが取り込まれたハードディスク等の記憶部231、ロボット側制御部190との間で動作及び画像表示に関する信号の無線通信を行うための無線通信部232が接続されている。
【0037】
ここで、各操作レバー210、各押ボタンスイッチ211,212及び各シーソースイッチ213,214の操作に対応する災害救助ロボット100の右側のアーム140の動作について、図5に示す表を用いて説明する。
【0038】
本実施形態においては、第1押ボタンスイッチ211及び第2押ボタンスイッチ212によって、「カメラ画像基準のハンド単独操作モード」「アーム個別操作モード」「カメラ画像基準のハンド移動操作モード」のいずれかのモードに切り替えられる。
第1押ボタンスイッチ211及び第2押ボタンスイッチ212の両方をオンにした場合には、ハンド150に設けられたカメラ161のカメラ画像基準のハンド単独操作モードとなる。このハンド単独操作モードにおいて、操作レバー210を左右方向に操作すると、カメラ161が撮像した画像を基準として、第3アーム143に対してハンド150の向きを左右方向に変更する。また、操作レバー210を前後方向に操作すると、カメラ161が撮像した画像を基準として、第3アーム143に対してハンド150の向きを上下方向に変更する。第1シーソースイッチ213を左右に操作すると、カメラ161が撮像した画像を基準として第7アクチュエータ177を駆動させ、第3アーム143に対してハンド150を回転させる。このとき、第3アーム143に対して、カメラ161が回転することなく、ハンド150のみが回転することが望ましい。また、第2シーソースイッチ214を上下に操作すると、第8アクチュエータ178を駆動し、ハンド150の把持動作を行う。
【0039】
第1押ボタンスイッチ211をオフにして第2押ボタンスイッチ212をオンにした場合には、アーム個別操作モードとなる。このアーム個別操作モードにおいて、操作レバー210を左右方向に操作すると、第2アクチュエータ172を駆動させ、回転台130に対して第1アーム141を回転させる。また、操作レバー210を前後方向に操作すると、第3アクチュエータ173を駆動させ、第1アーム141に対して第2アーム142を上下に作動させる。第1シーソースイッチ213を左右に操作すると、第1アクチュエータ171を駆動させ、本体110に対して回転台130を回転させる。また、第2シーソースイッチ214を上下に操作すると、第4アクチュエータ174を駆動させ、第2アーム142に対して第3アーム143を作動させる。
【0040】
第1押ボタンスイッチ211をオンにして第2押ボタンスイッチ212をオフにした場合には、カメラ画像基準のハンド移動操作モードとなる。このカメラ画像基準のハンド移動操作モードにおいて、操作レバー210を左右方向に操作すると、第1〜第7アクチュエータ171〜177を複合的に駆動させ、カメラ161が撮像した画像を基準として、ハンド150を左右に作動させる。また、操作レバー120を前後方向に操作すると、第1〜第7アクチュエータ171〜177を複合的に駆動させ、カメラ161が撮像した画像を基準として、ハンド150を前後方向に作動(カメラの光軸方向に前進後退)させる。また、第1シーソースイッチ213を左右に操作すると、カメラ161が撮像した画像を基準として第7アクチュエータ177を駆動させ、第3アーム143に対してハンド150を回転させる。このとき、上記と同様に、第3アーム143に対して、カメラ161が回転することなく、ハンド150のみが回転することが望ましい。また、第2シーソースイッチ214を上下に操作すると、第1〜第7アクチュエータ171〜177を複合的に駆動させ、カメラ161が撮像した画像を基準として、ハンド150を上下に移動させる。
なお、このハンド移動操作モードにおいては、入力操作に基づいてロボット側制御部190が演算を行い、この演算結果に基づいて複数のアクチュエータ171〜178を複合的に駆動する。このとき、いずれかのアクチュエータ171〜178がストロークエンドに到達した場合には、作動規制を行って全体の複合操作が規制されるようにしている。
【0041】
第1押ボタンスイッチ211及び第2押ボタンスイッチ212の両方をオフにした場合には、いずれのアクチュエータ171〜178も駆動しないいわゆる非操作モードとなる。このように、第1押ボタンスイッチ211及び第2押ボタンスイッチ212の両方をオフにすれば、誤って操作レバー210に接触してしまったような場合の誤操作を防止することができる。
なお、前記ハンド単独操作モード及びハンド移動操作モードは、ハンド150に設けられたカメラ161の画像基準でなく、ロボット本体110の上下左右方向を基準として操作するモードであってもよい。
【0042】
以上のように構成された作業用装置において、画像表示部220には、図6に示すように、操作対象である災害救助ロボット100を模した画像100´が白色で表示される。画像100´の回転台130´、第1〜第3アーム141´〜143´及びハンド150´は、実際の災害救助ロボット100の回転台130、第1〜第3アーム141〜143及びハンド150の相対位置関係に近似させて表示される。つまり、画像100´は、実際の災害救助ロボット100の姿勢とほぼ同じ姿勢で画像表示部220に表示される。なお、実際の災害救助ロボット100の回転台130、第1〜第3アーム141〜143及びハンド150の相対位置関係は、第1〜第8角度センサ181〜188の検出値に基づいて特定される。オペレータは、画像表示部220に表示されている災害救助ロボット100を模した画像100´を見ながら災害救助ロボット100を操作することが可能となる。
【0043】
ここで、災害救助ロボット100の動作の例として、右側のアーム140を単独操作する場合のロボット側制御部190及び操作側制御部230の動作を、図8及び図9のフローチャートを参照して説明する。
【0044】
第2アーム142に対して第3アーム143を上方に向かって作動させる場合には、個別操作モードで第4アクチュエータ174を駆動させる。
この場合、前述のように、第1押ボタンスイッチ211をオフ、第2押ボタンスイッチ212をオンに設定して個別操作モードを選択する。その後、第2シーソースイッチ214を上方に操作して第4アクチュエータ174を駆動させる。
ここで、本発明の特徴である識別表示について詳しく説明する。まず、操作側制御部230が第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク未満押圧する第1の操作量の操作を検出すると(ステップS1)、第2シーソースイッチ214の操作に対応して作動する第3アーム143及びハンド150を特定する(ステップS2)。次に、操作側制御部230は、第3アーム143及びハンド150の作動方向を特定し(ステップS3)、画像表示部220の表示態様のみを変更する第1操作信号によって図7に示すように部位143´,150´の作動方向前方側を、作動方向後方側及び他の部位の色(白色)と異なる色(黄色)で表示する(ステップS4)。この場合、第3アーム143の上部が作動方向前方となる。また、操作側制御部230は、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク未満押圧する第1の操作量の操作の解除を検出すると(ステップS5)、黄色で表示した部位143´,150´の上面側を白色で表示する(ステップS6)。
また、操作側制御部230は、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク以上までさらに押圧する第2の操作量の操作を検出すると(ステップS7)、第2シーソースイッチ214の操作に対応して作動する第3アーム143及びハンド150を特定する(ステップS8)。次に、操作側制御部230は、第3アーム143及びハンド150の作動方向を特定し(ステップS9)、第2操作信号によって第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及び150に対応した部位143´,150´の作動方向前方側を、作動方向後方側及び他の部位の色(白色)と異なる色(赤色)で表示する(ステップS10)。
そして、ロボット側制御部190は、第4アクチュエータ174を駆動し(ステップS11)、操作側制御部230は第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´の姿勢を更新表示する(ステップS12)。
そして、第2シーソースイッチ214の所定ストローク以上まで押圧する第2の操作量の操作の解除を検出すると(ステップS13)、ロボット側制御部190は第4アクチュエータ174の駆動を停止し(ステップS14)、操作側制御部230は画像表示部220に表示されている第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´の異なる色(赤色)で表示した部分を、他の部位の色(白色)で表示する(ステップS15)。
このように、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク未満押圧する第1の操作量の操作を検出すると、実際に第3アーム143及びハンド150が作動する前にその動作方向が、画像表示部220に表示された第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´自体に色の変化で識別表示される。また、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク以上までさらに押圧する第2の操作量の操作を検出すると、第3アーム143及びハンド150の動作及びその動作方向が、画像表示部220に表示された第3アーム143に対応する部位143´,150´自体に色の変化で識別表示される。これにより、実際に第3アーム143及びハンド150が作動する前に、アーム140全体の中で第3アーム143及びハンド150が作動すること、及びその作動方向が把握できる。
【0045】
また、回転台130、第1アーム141及びハンド150などの回転する部材が作動する場合には、回転する部材130,141,150に対応する部位130´,141´,150´の回転方向側を回転方向の反対側と異なる色で表示する。
【0046】
また、災害救助ロボット100を模した画像100´は、図7に示すように、災害救助ロボット100を右前方からの視点で表示したものであるが、作動する部材(例えば、左後方の脚121)に対応する部位(121´)が右前方からの視点で現れない場合には、左前方からの視点や側面からの視点に切り換える。
【0047】
以上のように、本実施形態の作業用装置によれば、操作レバー210、第1シーソースイッチ213または第2シーソースイッチ214の所定量以上の第2の操作量の操作が検出されると、第2操作信号を出力して対象となるアクチュエータ171〜178及びカメラ160を駆動し、所定量未満の第1の操作量の操作が検出されると第1操作信号を出力して作動する部材に対応付けられた部位を、他の部位と識別可能に画像表示部220に表示させている。これにより、実際に作動する部材を作動させるときと同一の操作レバー210またはシーソースイッチ213,214の操作を行うことによって、いずれの部材が作動するのかを実際に部材が作動する前に把握した後、速やかに部材を作動させることができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0048】
また、各操作レバー210が、所定の傾倒角よりも小さい範囲で傾倒した場合に第1操作信号を出力するようにし、所定の傾倒角以上に傾倒した場合に第2操作信号を出力している。また、第1シーソースイッチ213及び第2シーソースイッチ214が、所定のストローク未満の範囲で押圧された場合に第1操作信号を出力するようにし、所定のストローク以上に押圧された場合に第2操作信号を出力している。これにより、各操作レバー210、第1シーソースイッチ213及び第2シーソースイッチ214の遊びの範囲内での操作によって、いずれの可動部材が作動するのかを識別できるので、一層操作性を向上することができる。
【0049】
また、操作レバー210、第1シーソースイッチ213または第2シーソースイッチ214の第1の操作量の操作が検出されると第1操作信号を出力して対応付けられた部位画像のうち、作動方向前方側に対応する部位を、作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部220に表示させている。これにより、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向を把握することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0050】
また、アクチュエータ171〜178の駆動によって作動する部材に対応する部位のうち、作動方向前方側に対応する部位を、作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部220に表示させることにより、作動する部材の作動方向を報知するようにしている。これにより、矢印等を部位に重畳表示させることなく、部位の表示のみで作動方向を把握することができるので、画像表示部220における視認性が向上して操作性を一層向上させることが可能となる。
【0051】
図10乃至図12は、本発明の第2実施形態を示すもので、図10は操作装置の斜視図、図11は制御系を示すブロック図、図12は可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。尚、本実施形態において、前記実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付して示す。
【0052】
本実施形態の作業用装置は、各操作レバー210及び各シーソースイッチ213,214の操作量に拘わらず同一の操作信号を出力するものである。また、本実施形態の作業用装置の操作側制御部230には、図11に示すように、フットスイッチ233が接続されている。フットスイッチ233は、アクチュエータ171〜178の駆動を制限する制限状態またはアクチュエータ171〜178の駆動を可能とする許可状態を切り換え設定する。フットスイッチ233は、図10に示すように、操作台201の前面の下部に設けられ、オペレータが足で押圧することにより許可状態となり、足を離すことにより制限状態となる。
【0053】
ここで、第1実施形態と同様に、災害救助ロボット100の動作の例として、右側のアーム140単独操作する場合のロボット側制御部190及び操作側制御部230の動作について図12のフローチャートを参照して説明する。
【0054】
第2アーム142に対して第3アーム143を上方に向かって作動させる場合には、個別操作モードで第4アクチュエータ174を駆動させる。この場合、第1押ボタンスイッチ211をオフ、第2押ボタンスイッチ212をオンに設定して個別操作モードを選択する。その後、第2シーソースイッチ214を上方に操作して第4アクチュエータ174を駆動させる。
まず、操作側制御部230は、第2シーソースイッチ214の上側を押圧する操作を検出すると(ステップS21)、第2シーソースイッチ214の操作に対応して作動する第3アーム143及びハンド150を特定し(ステップS22)、第3アーム143及びハンド150の作動方向を特定する(ステップS23)。次に、操作側制御部230は、第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及びハンド150に対応した部位143´,150´の作動方向前方側を、作動方向後方側及び他の部位の色(白色)と異なる色(黄色)で表示する(ステップS24)。
その後、操作側制御部230は、フットスイッチ233を押圧する操作を検出すると(ステップS25)、黄色で表示した部位143´,150´の作動方向前方側を赤色で表示する(ステップS26)。そして、ロボット側制御部190は、第4アクチュエータ174を駆動し(ステップS27)、操作側制御部230は第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´の姿勢を更新表示する(ステップS28)。
そして、操作側制御部230は、フットスイッチ233を押圧する操作の解除を検出するか(ステップS29)、第2シーソースイッチ214の上側を押圧する操作の解除を検出すると(ステップS30)、ロボット側制御部190は第4アクチュエータ174の駆動を停止する(ステップS31)。また、操作側制御部230は、画像表示部220に表示されている第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´の異なる色(赤色)で表示した部分を、他の部位の色(白色)で表示する(ステップS32)。
【0055】
以上のように、本実施形態の作業用装置によれば、制限状態または許可状態を切り換え設定するためのフットスイッチ233を備え、許可状態に設定されていれば当該出力操作信号に基づくアクチュエータ171〜178の駆動によって作動する部材に対応する部位を、制限状態において操作レバー210、第1シーソースイッチ213または第2シーソースイッチ214の操作信号が出力されたときに、他の部位と識別可能に画像表示部220に表示させるようにしている。これにより、実際に作動する部材を作動させるときと操作レバー210またはシーソースイッチ213,214の同一の操作を制限状態で行うことによって、いずれの部材が作動するのかを実際に部材が作動する前に把握した後、速やかに部材を作動させることができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0056】
前記可動部位画像のうち、作動方向前方側に対応する部位を、作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部220に表示させている。これにより、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向を把握することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。
【0057】
図13及び図14は、本発明の第3実施形態を示すもので、図13及び図14は可動部材を作動させる場合におけるロボット側制御部及び操作側制御部の動作を示すフローチャートである。尚、本実施形態において、前記実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付して示す。
【0058】
本実施形態の作業用装置は、第1実施形態と同一の構成を有するが、部材130,141,142,143,150を作動させる場合における画像表示部220の表示方法が第1実施形態と異なる。すなわち、第3実施形態は、第1実施形態に対し、図8のフローチャートのステップS4の表示方法に対して、図13のステップS44の表示方法のみが異なる。ここで、第1実施形態と同様に、災害救助ロボット100の動作の例として、右側のアーム140を単独操作する場合のロボット側制御部190及び操作側制御部230の動作について図13及び図14のフローチャートを参照して説明する。
【0059】
第2アーム143に対して第3アーム143を上方に向かって作動させる場合には、個別操作モードで第4アクチュエータ174を駆動させる。
第1押ボタンスイッチ211をオフ、第2押ボタンスイッチ212をオンに設定して個別操作モードを選択する。その後、第2シーソースイッチ214を上方に操作して第4アクチュエータ174を駆動させる。操作側制御部230が第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク未満押圧する第1の操作量の操作を検出すると(ステップS41)、第2シーソースイッチ214の操作に対応して作動する第3アーム143及びハンド150を特定する(ステップS42)。次に、操作側制御部230は、第3アーム143及びハンド150の作動方向を特定し(ステップS43)、第1操作信号によって第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及びハンド150に対応した部位143´,150´を黄色(他の部位130´,141´,142´は白色)で表示する(ステップS44)。また、操作側制御部230は、第2シーソースイッチ214の上側を所定スクロール未満押圧する第1の操作量の操作の解除を検出すると(ステップS45)、黄色で表示した部位143´,150´を白色で表示する(ステップS46)。
また、操作側制御部230は、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク以上までさらに押圧する第2の操作量の操作を検出すると(ステップS47)、第2シーソースイッチ214の操作に対応して作動する第3アーム143及びハンド150を特定する(ステップS48)。次に、操作側制御部230は、第3アーム143及びハンド150の作動方向を特定し(ステップS49)、第2操作信号によって第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及び150に対応した部位143´,150´の作動方向前方側を、作動方向後方側及び他の部位の色(白色)と異なる色(赤色)で表示する(ステップS50)。
そして、ロボット側制御部190は、第4アクチュエータ174を駆動し(ステップS51)、操作側制御部230は第4アクチュエータ174の駆動によって作動する第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´の姿勢を更新表示する(ステップS52)。
そして、第2シーソースイッチ214の所定ストローク以上まで押圧する第2の操作量の操作の解除を検出すると(ステップS53)、ロボット側制御部190は第4アクチュエータ174の駆動を停止し(ステップS54)、操作側制御部230は画像表示部220に表示されている第3アーム143及びハンド150に対応する部位143´,150´の異なる色(赤色)で表示した部分を、他の部位の色(白色)で表示する(ステップS55)。
このように、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク未満押圧する第1の操作量の操作を検出すると、実際に第3アーム143及びハンド150が作動する前に、第3アーム143及びハンド150が、画像表示部220に表示された部位143´,150´自体に色の変化で識別表示される。また、第2シーソースイッチ214の上側を所定ストローク以上までさらに押圧する第2の操作量の操作を検出すると、第3アーム143及びハンド150の動作及びその動作方向が、画像表示部220に表示された第3アーム143に対応する部位143´,150´自体に色の変化で識別表示される。これにより、実際に第3アーム143及びハンド150が作動すること、及びその作動方向が把握できる。
【0060】
以上のように、本実施形態の作業用装置によれば、操作レバー210、第1シーソースイッチ213または第2シーソースイッチ214の所定量未満の第1の操作量の操作が検出されると第1操作信号を出力して作動する部材に対応付けられた部位全体を、他の部位と識別可能に画像表示部220に表示し、操作レバー210、第1シーソースイッチ213または第2シーソースイッチ214の所定量以上の第2の操作量の操作が検出されると第2操作信号を出力して作動する部材に対応する部位のうち、作動方向前方側に対応する部位を、作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させるようにしている。これにより、部材の作動の前後において、作動する部材に対応付けられた部位の表示が変更されるので、部材が停止状態から作動したことを画像表示部220に明確に表示することができ、操作性を向上させることが可能となる。
【0061】
尚、前記実施形態では、作業用装置として災害救助ロボット100を適用したものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、産業用ロボット、医療装置等のマニプレータ、クレーン、昇降機等、アクチュエータを駆動させることによって何らかの作業を行う作業用装置が広く含まれ、特には、多数のアクチュエータを複合的に駆動させて作業を行う装置に好適である。
【0062】
また、前記実施形態では、災害救助ロボット100の操作手段として、一対の操作レバー210と、各操作レバー210に設けられた第1押ボタンスイッチ211、第2押ボタンスイッチ212、第1シーソースイッチ213及び第2シーソースイッチ214とから構成したものを示したが、これに限定されることはなく、例えば操作レバーのみや押ボタンスイッチのみで操作手段を構成してもよいし、GUIによる操作表示部等によって操作手段を構成してもよい。
【0063】
また、前記実施形態では、画像表示部220に、実際の災害救助ロボット100を模した態様の画像100´で表示したものを示したが、これに限定されるものではなく、災害救助ロボット100を、例えば単線によって表現する等、簡易的に表現した画像を画像表示部220に表示してもよい。
【0064】
また、前記実施形態では、画像表示部220に、災害救助ロボット100の全体を画像100´として表示したものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、オペレータが認識できる範囲内で、作動する部材に対応する部位の所定範囲を画像表示部220に表示してもよい。
【0065】
また、前記実施形態では、アクチュエータ171〜178の駆動によって直接及び間接的に作動する部材に対応する部位の表示の表示態様を変化させるものを示したが、これに限定されるものではなく、アクチュエータ171〜178の駆動によって直接的に作動する部材に対応する部位のみの表示態様を変化させてもよい。この場合、オペレータがアクチュエータ171〜178の駆動によって直接的に作動する部材に対応する部位を確実に把握することができるので、操作精度を向上させるとともに、誤操作を減少させることが可能となる。
【0066】
また、前記実施形態において、部材が同時に複数作動する場合には、全ての作動する部材に対応する画像表示部220上の部位を識別表示するようにししたものを示したが、これに限定されることはなく、一部の作動する部材に対応する部位のみを識別表示してもよい。
【0067】
また、前記実施形態において、作動する部材に対応する画像表示部220上の部位を他の部位と異なる色で表示することによって作動する部材を特定したものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、作動する部材に対応する部位の模様や線の太さを変更することによって態様を変化させたり、他の部位の表示よりも大きく表示したりして作動する部材を特定してもよい。また、作動する部材を特定するために、作動する部材に対応しない部位を、暗く表示したり点線で表示したりすることによって、作動する部材に対応する部位を目立たせてもよい。
【0068】
また、前記実施形態では、作動する部材に対応する部位の作動方向前方側を、作動方向後方側と異なる色で表示することにより作動する部材の作動方向を報知したものを示したが、これに限定されるものではない。例えば、作動する部材に対応する部位を、作動方向後方から作動方向前方に向かって徐々に変色するグラディエーション表示を行うことにより作動する部材の作動方向を報知してもよい。また、作動する部材に対応する部位の作動方向前方側に模様を付すことにより作動する部材の作動方向を報知してもよい。さらに、作動する部材に対応する部位の作動方向前方側の線を作動方向後方側と比較して太くしたりすることにより報知してもよい。また、作動する部材に対応する部位の作動方向前方側を作動方向後方側と比較して大きくしてもよい。
【0069】
また、前記のように、作動する部材に対応する部位の作動方向前方側を、作動方向後方側と異なる態様で表示することに加え、対応する部位やその近傍に矢印を表示して、作動する部材に対応する部位を更に目立たせてもよい。例えば、複合操作によって可動する部材が複数同時に作動している場合において、画像表示部が見にくくならない程度に、いくつかの可動する部材に対応する部位に矢印を付してもよい。
【0070】
また、前記第1実施形態における第2の操作量となった場合に作動する可動部材や、前記第2実施形態における許可状態に設定されていれば作動する可動部材に対応した可動部位画像のうち、作動方向前方側に対応する部位を、作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部220に表示させているが、これに限定されるものではない。例えば、当該可動部位画像を、図15中の二点鎖線で示すように、作動方向前方側に移動させた状態を画像表示部220に表示するようにしてもよい。この場合、実際に可動部材が作動する前に可動部材の作動方向及び移動軌跡を把握することによって、可動部材の動作を予測することができるので、誤操作が生じにくくなり、操作性を向上させることができる。また、作動する可動部材に対応する可動部位画像を作動方向前方側に移動させた状態を画像表示部220に表示する場合、元の位置の可動部位画像を表示することなく、移動させた後の可動部位画像のみを画像表示部220に表示し、元の位置の可動部位画像と移動させた後の可動部位画像を繰り返し画像表示部220に表示してもよい。また、作動する可動部材に対応する可動部位画像を、移動軌跡が明確になるように作動方向前方側に移動させた状態を、動画で画像表示部220に表示してもよい。
また、実際に可動部材を動かした後で目的とする作業ができないことがわかったのでは、復帰させる時間が無駄で効率が悪いが、本発明ではそれを改善できる。また、油圧駆動のように実際のアクチュエータの作動速度が遅いと計画した作業の可否を確かめるのに時間がかかるという問題があるが、本発明ではそれを改善できる。
【0071】
また、前記実施形態では、ロータリーエンコーダからなる第1〜第8角度センサ181〜188の検出値に基づいてアクチュエータ171〜178及び作動している部材の状態を特定するようにしたものを示したが、これに限定されるものではなく、アクチュエータ171〜178の状態を検出するためのストロークセンサや圧力センサを用いてもよいし、作動している部材の状態を検出するための加速度センサを用いるようにしてもよい。
【0072】
また、第1及び第3実施形態では、操作レバー210、第1シーソースイッチ213または第2シーソースイッチ214を、複数の接点を有する接点回路が設けられ、接点回路を切り換えることにより、第1操作信号または第2操作信号を出力するようにしたものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、フォトセンサ、磁気センサ、タッチセンサ等、操作量を2段階で検出できるものであればよく、複数の検出手段によって操作量を検出するようにしてもよい。
【0073】
また、第2実施形態では、制限状態または許可状態を切り換え設定するようにしたものを示したが、その具体的な切り換え設定の手段としては、接点回路を用いて切り換えるものの他、アクチュエータ171〜178を油圧シリンダで構成した場合には、当該油圧シリンダと油圧ポンプとを接続する油圧回路上に設けられたアンロード弁や切り換え弁及びこれらの弁を開閉制御するコントローラによって構成するようにしてもよい。また、アクチュエータ171〜178を機械的にロックしたりあるいはロックを解除したりすることによって、制限状態と許可状態とを切り換えるようにしてもよい。
【0074】
また、第3実施形態において、所定量未満の第1の操作量の操作が検出されると第1操作信号によって作動する部材に対応付けられた部位全体を、他の部位と識別可能に画像表示部220に表示し、所定量以上の第2の操作量の操作が検出されると作動する部材に対応する部位のうち、作動方向前方側に対応する部位を、作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させるようにしているが、第2実施形態の構成においても適用可能である。つまり、制限状態において操作信号が出力されたとき、当該出力操作信号に基づいて作動する部材に対応する部位全体を、他の部位と識別可能に画像表示部220に表示し、許可状態においてアクチュエータ171〜178の駆動によって作動する部材に対応する部位のうち、作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部220に表示させればよい。
【0075】
尚、本発明の画像表示手段は、前記実施形態におけるロボット側制御部190及び操作側制御部230のステップS4、ステップS6、ステップS10、ステップS12、ステップS15、ステップS24、ステップS26、ステップS28、ステップS32、S44、ステップS46、ステップS50、ステップS52及びステップS55の制御部に相当する。また、本発明のアクチュエータ駆動手段は、前記実施形態におけるロボット側制御部190及び操作側制御部230のステップS11、ステップS14、ステップS27、ステップS31、ステップS51及びステップS54の制御部に相当する。また、本発明の動作方向特定手段は、前記実施形態におけるロボット側制御部190及び操作側制御部230のステップS3、ステップS9、ステップS24、ステップS43及びステップS49の制御部に相当する。また、本発明の状態設定手段は、前記実施形態におけるロボット側制御部190及び操作側制御部230のステップS25及びステップS29の制御部に相当する。
【符号の説明】
【0076】
130…回転台、140…アーム、141…第1アーム、141´…第1アームの画像、142…第2アーム、142´…第2アームの画像、143…第3アーム、143´…第3アームの画像、150…ハンド、150´…ハンドの画像、171…第1アクチュエータ、172…第2アクチュエータ、173…第3アクチュエータ、174…第4アクチュエータ、175…第5アクチュエータ、176…第6アクチュエータ、177…第7アクチュエータ、178…第8アクチュエータ、181…第1角度センサ、182…第2角度センサ、183…第3角度センサ、184…第4角度センサ、185…第5角度センサ、186…第6角度センサ、187…第7角度センサ、188…第8角度センサ、190…ロボット側制御部、191…無線通信部、200…操作装置、210…操作レバー、211…第1押ボタンスイッチ、212…第2押ボタンスイッチ、213…第1シーソースイッチ、214…第2シーソースイッチ、220…画像表示部、230…操作側制御部、232…無線通信部、233…フットスイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアクチュエータによって作動する複数の可動部材と、
前記複数の可動部材に対応付けられた複数の可動部位画像を画像表示部に表示させる画像表示手段と、
前記複数のアクチュエータを駆動する複数のアクチュエータ駆動手段と、
複数の操作を受け付ける操作手段と、
前記画像表示部に表示させる可動部位画像と前記複数のアクチュエータ駆動手段による複数のアクチュエータの駆動を前記操作手段の操作に基づいて制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記操作手段に対する複数の操作のうちの所定の操作が第1の操作量で行われた場合には、前記画像表示部に表示される複数の可動部位画像のうち所定の操作によって作動する1つまたは複数の可動部材に対応した所定の可動部位画像を、作動しない他の可動部位画像と識別可能に前記画像表示部に識別表示させ、
前記操作手段に対する第1の操作量の所定の操作と同一方向に第1の操作量よりも大きい第2の操作量の所定の操作が行われた後に、前記複数のアクチュエータ駆動手段により駆動される前記複数の可動部材のうち前記所定の可動部材を作動させることを特徴とする作業用装置。
【請求項2】
前記操作手段は、中立位置から傾倒可能な操作レバーからなり、所定の傾倒角よりも小さい範囲で傾倒した場合の操作量を前記第1の操作量とし、前記所定の傾倒角以上に傾倒した場合の操作量を前記第2の操作量としたことを特徴とする請求項1記載の作業用装置。
【請求項3】
前記操作手段は、押圧操作可能な操作ボタンからなり、所定ストローク未満の範囲で押圧された場合の操作量を前記第1の操作量とし、前記操作ボタンが前記所定ストローク以上に押圧された場合の操作量を前記第2の操作量としたことを特徴とする請求項1記載の作業用装置。
【請求項4】
前記操作手段の第1の操作量の所定の操作に基づいて可動部材の作動方向を特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、
前記制御手段は、第1の操作量の所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像のうち、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の作業用装置。
【請求項5】
前記操作手段の第1の操作量の所定の操作に基づいて可動部材の作動方向を特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、
前記制御手段は、第1の操作量の所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像を、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に移動させて表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の作業用装置。
【請求項6】
複数のアクチュエータによって作動する可動部材と、
前記複数の可動部材に対応付けられた複数の可動部位画像を画像表示部に表示させる画像表示手段と、
前記複数のアクチュエータを駆動する複数のアクチュエータ駆動手段と、
複数の操作を受け付ける操作手段と、
前記アクチュエータの駆動が制限される制限状態または前記アクチュエータの駆動が可能となる許可状態のいずれかの状態に切り換え設定する状態設定手段と、
前記画像表示部に表示させる可動部位画像と前記複数のアクチュエータ駆動手段による複数のアクチュエータの駆動を前記操作手段の操作に基づいて制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記制限状態において前記操作手段に対する複数の操作のうち所定の操作が行われた場合には、前記画像表示部に表示される複数の可動部位画像のうち所定の操作によって作動する1つまたは複数の可動部材に対応した所定の可動部位画像を、作動しない他の可動部位画像と識別可能に前記画像表示部に識別表示させ、
前記許可状態において前記操作手段に対する所定の操作が行われた場合には、前記複数のアクチュエータ駆動手段により駆動される前記複数の可動部材のうち前記所定の可動部材を作動させることを特徴とする作業用装置。
【請求項7】
前記許可状態に設定されていればアクチュエータの駆動によって作動する可動部材の作動方向を、前記制限状態における前記操作手段に対する所定の操作によって特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、
前記制御手段は、前記制限状態において前記操作手段に対して所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像のうち、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする請求項6記載の作業用装置。
【請求項8】
前記許可状態に設定されていればアクチュエータの駆動によって作動する可動部材の作動方向を、前記制限状態における前記操作手段に対する所定の操作によって特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、
前記制御手段は、前記制限状態において前記操作手段に対して所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像を、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に移動させて表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする請求項6記載の作業用装置。
【請求項9】
前記アクチュエータによって作動する可動部材の作動方向を特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、
前記制御手段は、アクチュエータの駆動によって作動する可動部材に対応する可動部位画像のうち、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の作業用装置。
【請求項10】
アクチュエータによって作動する可動部材と、
前記可動部材に対応付けられた可動部位画像を画像表示部に表示させる画像表示手段と、
前記アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動手段と、
操作を受け付ける操作手段と、
前記画像表示部に表示させる可動部位画像と前記アクチュエータ駆動手段によるアクチュエータの駆動を前記操作手段の操作に基づいて制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記操作手段に対する所定の第1の操作量の操作が行われた場合には、前記画像表示部に表示される可動部位画像を、前記所定の第1の操作量の操作と同一方向の前記第1の操作量よりも大きい第2の操作量の操作に基づく前記可動部材の動作を予測させる画像として表示させ、
前記操作手段に対して前記所定の第1の操作量の操作と同一方向の第2の操作量の操作が行われた後に、前記可動部材を前記第2の操作量の操作に基づく動作を行うように前記アクチュエータ駆動手段によってアクチュエータを駆動することを特徴とする作業用装置。
【請求項1】
複数のアクチュエータによって作動する複数の可動部材と、
前記複数の可動部材に対応付けられた複数の可動部位画像を画像表示部に表示させる画像表示手段と、
前記複数のアクチュエータを駆動する複数のアクチュエータ駆動手段と、
複数の操作を受け付ける操作手段と、
前記画像表示部に表示させる可動部位画像と前記複数のアクチュエータ駆動手段による複数のアクチュエータの駆動を前記操作手段の操作に基づいて制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記操作手段に対する複数の操作のうちの所定の操作が第1の操作量で行われた場合には、前記画像表示部に表示される複数の可動部位画像のうち所定の操作によって作動する1つまたは複数の可動部材に対応した所定の可動部位画像を、作動しない他の可動部位画像と識別可能に前記画像表示部に識別表示させ、
前記操作手段に対する第1の操作量の所定の操作と同一方向に第1の操作量よりも大きい第2の操作量の所定の操作が行われた後に、前記複数のアクチュエータ駆動手段により駆動される前記複数の可動部材のうち前記所定の可動部材を作動させることを特徴とする作業用装置。
【請求項2】
前記操作手段は、中立位置から傾倒可能な操作レバーからなり、所定の傾倒角よりも小さい範囲で傾倒した場合の操作量を前記第1の操作量とし、前記所定の傾倒角以上に傾倒した場合の操作量を前記第2の操作量としたことを特徴とする請求項1記載の作業用装置。
【請求項3】
前記操作手段は、押圧操作可能な操作ボタンからなり、所定ストローク未満の範囲で押圧された場合の操作量を前記第1の操作量とし、前記操作ボタンが前記所定ストローク以上に押圧された場合の操作量を前記第2の操作量としたことを特徴とする請求項1記載の作業用装置。
【請求項4】
前記操作手段の第1の操作量の所定の操作に基づいて可動部材の作動方向を特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、
前記制御手段は、第1の操作量の所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像のうち、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の作業用装置。
【請求項5】
前記操作手段の第1の操作量の所定の操作に基づいて可動部材の作動方向を特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、
前記制御手段は、第1の操作量の所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像を、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に移動させて表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の作業用装置。
【請求項6】
複数のアクチュエータによって作動する可動部材と、
前記複数の可動部材に対応付けられた複数の可動部位画像を画像表示部に表示させる画像表示手段と、
前記複数のアクチュエータを駆動する複数のアクチュエータ駆動手段と、
複数の操作を受け付ける操作手段と、
前記アクチュエータの駆動が制限される制限状態または前記アクチュエータの駆動が可能となる許可状態のいずれかの状態に切り換え設定する状態設定手段と、
前記画像表示部に表示させる可動部位画像と前記複数のアクチュエータ駆動手段による複数のアクチュエータの駆動を前記操作手段の操作に基づいて制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記制限状態において前記操作手段に対する複数の操作のうち所定の操作が行われた場合には、前記画像表示部に表示される複数の可動部位画像のうち所定の操作によって作動する1つまたは複数の可動部材に対応した所定の可動部位画像を、作動しない他の可動部位画像と識別可能に前記画像表示部に識別表示させ、
前記許可状態において前記操作手段に対する所定の操作が行われた場合には、前記複数のアクチュエータ駆動手段により駆動される前記複数の可動部材のうち前記所定の可動部材を作動させることを特徴とする作業用装置。
【請求項7】
前記許可状態に設定されていればアクチュエータの駆動によって作動する可動部材の作動方向を、前記制限状態における前記操作手段に対する所定の操作によって特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、
前記制御手段は、前記制限状態において前記操作手段に対して所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像のうち、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする請求項6記載の作業用装置。
【請求項8】
前記許可状態に設定されていればアクチュエータの駆動によって作動する可動部材の作動方向を、前記制限状態における前記操作手段に対する所定の操作によって特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、
前記制御手段は、前記制限状態において前記操作手段に対して所定の操作が行われた場合に、前記識別表示される可動部位画像を、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に移動させて表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする請求項6記載の作業用装置。
【請求項9】
前記アクチュエータによって作動する可動部材の作動方向を特定する作動方向特定手段を備えるとともに、前記可動部位画像には前記可動部材の作動方向が対応付けられており、
前記制御手段は、アクチュエータの駆動によって作動する可動部材に対応する可動部位画像のうち、前記作動方向特定手段によって特定された作動方向前方側に対応する部位を、前記作動方向後方側に対応する部位と異なる態様で画像表示部に表示させることにより、前記可動部材の作動方向を報知することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の作業用装置。
【請求項10】
アクチュエータによって作動する可動部材と、
前記可動部材に対応付けられた可動部位画像を画像表示部に表示させる画像表示手段と、
前記アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動手段と、
操作を受け付ける操作手段と、
前記画像表示部に表示させる可動部位画像と前記アクチュエータ駆動手段によるアクチュエータの駆動を前記操作手段の操作に基づいて制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記操作手段に対する所定の第1の操作量の操作が行われた場合には、前記画像表示部に表示される可動部位画像を、前記所定の第1の操作量の操作と同一方向の前記第1の操作量よりも大きい第2の操作量の操作に基づく前記可動部材の動作を予測させる画像として表示させ、
前記操作手段に対して前記所定の第1の操作量の操作と同一方向の第2の操作量の操作が行われた後に、前記可動部材を前記第2の操作量の操作に基づく動作を行うように前記アクチュエータ駆動手段によってアクチュエータを駆動することを特徴とする作業用装置。
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図7】
【図10】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図7】
【図10】
【公開番号】特開2011−161586(P2011−161586A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28875(P2010−28875)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]