説明

作業車のアクチュエータ駆動装置

【課題】油圧ポンプから吐出する作動油が脈動を生じ、また継手によって脈動が増幅しても、この脈動を確実に低減して作業車から発生する騒音を小さくする。
【解決手段】テールゲート内に投入された塵芥をボディー内に積込む塵芥積込装置と、この装置を駆動させる油圧アクチュエータ41と、この油圧アクチュエータ41に対する作動油給排制御を行う作動制御弁50〜54と、作動制御弁50〜54に作動油を供給する油圧ポンプPとを備えた塵芥作業車のアクチュエータ駆動装置40であって、油圧ポンプPの吐出口に接続されたエルボ継手57と作動制御弁50との間を繋ぐポンプ油路60にアキュムレータ56が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧駆動式の作業装置を搭載した作業車のアクチュエータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車の一例である塵芥収集車は、例えば特許文献1に記載されているように、車体に搭載されて塵芥を収容する箱型のボディーと、このボディーの後端部に上下方向に回動自在に取り付けられたテールゲートと、テールゲート内に配設された塵芥積込装置を有して構成される。
【0003】
塵芥積込装置は、テールゲート内に投入された塵芥を掻き上げるため水平軸線回りに回動可能に支持された回転板と、回転板により掻き上げられた塵芥をボディーの内部側へ向かって押し込む押込板を有してなる。これらの回転板や押込板は、これらの駆動源である油圧シリンダを伸縮制御することによって作動が制御される。この油圧シリンダに作動油を供給するポンプは、構造が単純で安価な外接ギヤポンプが広く採用されている。
【0004】
また塵芥収集車は、PTOを介して取り出されたエンジンの動力を軸伝達機構によって外接ギヤポンプに伝達するように構成されており、外接ギヤポンプはボディーの下方の車体内に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−264109号公報(段落番号0017、図7参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この外接ギヤポンプは、構造が単純で安価である利点を有するが、ポンプ内部に設けられたギヤの数に応じた作動油の吐出脈動が発生するという問題を有する。この作動油の吐出脈動は、外接ギヤポンプから吐出する作動油を油圧シリンダに送る油路やこの油路を設置するボディーに伝達されて、騒音が発生する原因となっている。
【0007】
そこで、内接ギヤポンプ、ピストンポンプ、ベーンポンプ等が開発されたが、これらのポンプはいずれも構造が複雑で高価であり、また吐出脈動を確実に低減する効果もない。また外接ギヤポンプにおいて発生する脈動の位相差を利用して吐出脈動の一部を互いに打ち消して吐出脈動を抑えるギヤポンプ(以下、位相差ポンプという。)を、本出願人が開発したが、この位相差ポンプは、車体との相性によって吐出脈動を抑える効果が出にくくなる場合がある。
【0008】
さらに、外接ギヤポンプは車体内部に設置されているが、外接ギヤポンプから延びる油路が車体に設けられた他の架装物に対して隙間を設けて配設可能にするため、外接ギヤポンプの作動油の吐出口に90度に曲がるエルボ継手を介して配管を接続している。このような継手は、流れを隔てる作用が働く他、内径が一時的に狭くなっているので、作動油の流れを乱して脈動が発生する原因となっている。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、油圧ポンプから吐出された作動油に脈動が生じても、この脈動を確実に低減して作業車から発生する騒音を小さくすることが可能な作業車のアクチュエータ駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決するため、本発明は、作業装置(実施の形態における塵芥積込装置20)と、作業装置を駆動させるアクチュエータ(実施の形態における油圧アクチュエータ41)と、アクチュエータに対する作動油給排制御を行う作動制御弁と、作動制御弁に作動油を供給する油圧ポンプとを備えた作業車(実施の形態における塵芥作業車1)のアクチュエータ駆動装置であって、作動制御弁(実施の形態における作動制御弁50)と油圧ポンプが継手(実施の形態におけるエルボ継手57)及びポンプ油路を介して接続され、継手と作動制御弁との間を繋ぐポンプ油路にアキュムレータが設けられていることを特徴とする(請求項1)。
【0011】
作業装置は、所定の作業を行うための装置であり、具体的には、塵芥を積み込む塵芥積込装置や、高所で作業を行うために作業者を高所位置に移動させる高所作業装置や、荷物を吊り上げて移動させる吊上装置をいう。
【0012】
アクチュエータは、油圧を受けて駆動するものであり、具体的には、油圧シリンダ、油圧モータ等をいう。作動制御弁は、アクチュエータに作動油を給排制御するものであり、手動式、電動式のいずれでもよい。油圧ポンプは、作動油を吐出して作動制御弁に供給するものであり、具体的には、外接ギヤポンプ、内接ギヤポンプ、ピストンポンプ、ベーンポンプ、位相差ポンプ等をいう。
【0013】
作動制御弁と油圧ポンプは、継手及びポンプ油路を介して接続される。具体的には、油圧ポンプに継手を接続し、この継手にポンプ油路の一端を接続し、ポンプ油路の他端に作動制御弁を接続する(請求項2)。また油圧ポンプにポンプ油路を接続し、このポンプ油路の下流側端部に継手を接続し、この継手に他のポンプ油路の一端を接続し、他のポンプ油路の他端に作動制御弁を接続してもよい。
【0014】
継手と作動制御弁との間を繋ぐポンプ油路にアキュムレータが設けられるが、油圧ポンプと作動制御弁との間を繋ぐ油路内に複数の継手が設けられる場合には、最も下流側に配置された継手の下流側に接続されたポンプ油路にアキュムレータを設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、作動制御弁と油圧ポンプとが継手及びポンプ油路を介して接続され、継手と作動制御弁との間を繋ぐポンプ油路にアキュムレータが設けられることで、油圧ポンプや継手によって生じた作動油の脈動を作動制御弁よりも上流側で低減することができる。このため、アキュムレータよりも下流側の油路や油圧アクチュエータの全てにおいて、低減された脈動の作動油を供給することができ、作業車全体から発生する騒音を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる作業車のアクチュエータ駆動装置の油圧回路図を示す。
【図2】本発明の一実施の形態に係わるアクチュエータ駆動装置を搭載した塵芥作業車の側面図を示す。
【図3】本発明の一実施の形態に係わるアクチュエータ駆動装置を搭載した塵芥作業車の後部断面図を示す。
【図4】本発明の一実施の形態に係わるアクチュエータ駆動装置を搭載した塵芥作業車のボディーを示し、同図(a)はボディーの斜視図であり、図(b)はボディー前側の部分斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係わるアクチュエータ駆動装置を搭載した塵芥作業車のボディーを示し、同図(a)はボディーの正面図であり、図(b)はボディーの前側の部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。先ず、本発明に係わる作業車のアクチュエータ駆動装置を説明する前に、このアクチュエータ駆動装置を搭載した作業車について説明する。なお、作業車は、車体の後側に塵芥を積み込んで搬送する塵芥作業車を例にして説明する。作業車は塵芥作業車に限るものではなく、高所作業を行う高所作業車や、荷物を吊り上げて移動させるクレーン車等の建設作業車でもよい。
【0018】
塵芥作業車1は、図2(側面図)に示すように、前後に前輪3及び後輪4を有して走行可能な車体5と、車体5の前側上部に搭載された運転キャビン6と、運転キャビン6よりも後側の車体上に搭載されて塵芥を収容するボディー10と、このボディー10の後端上部に上下方向に回動自在に取り付けられたテールゲート15と、テールゲート15内に配設された後述する塵芥積込装置とを有して構成される。
【0019】
塵芥積込装置20は、図3(部分断面図)に示すように、テールゲート15の内側上部に固定されたディフレクタ21と、テールゲート15の左右両側壁15aにディフレクタ21に沿って配設された一対のガイドレール23と、これらのガイドレール23に沿って昇降可能に支持された積込板25と、この積込板25の下部に回動自在に支持された掻込板27と、掻込板27の回転支点Oと同軸上に回動自在に支持されて塵芥がボディー10から逆流するのを防止する逆流防止パネル29と、ボディー10内に前後方向に移動可能に支持されてボディー10内に収容された塵芥をボディー10の後部に開口する塵芥詰込口10aから排出する排出板(図示せず)と、積込板25等の作動を制御するアクチュエータ駆動装置40を有してなる。
【0020】
アクチュエータ駆動装置40は、図1に示すように、積込板25(図3参照)等を駆動する油圧アクチュエータ41と、油圧アクチュエータ41に作動油の給排制御を行う作動制御弁50,51,52,53,54と、これらの作動制御弁50〜54に作動油を供給する油圧ポンプPと、油圧ポンプPから吐出する作動油が脈動を生じているときにこの脈動を低減するアキュムレータ56を有してなる。
【0021】
油圧アクチュエータ41は、図3を更に追加して説明すると、積込板25を上下動させる上下動油圧シリンダ42、掻込板27を回動させる掻込油圧シリンダ43、逆流防止パネル29を回動させる逆流防止油圧シリンダ44、排出板を移動させる排出油圧シリンダ45、テールゲート15を上下方向に回動させるリフト油圧シリンダ46、テールゲート15が閉じた状態でテールゲート15の回動をロックする自動ロック油圧シリンダ47を備えている。
【0022】
上下動油圧シリンダ42は、図3、図4(a)に示すように、テールゲート15の左右の両側壁15aの外側下部に配設され、このシリンダは積込板25と側壁15aとの間に接続されて伸縮可能である。掻込油圧シリンダ43は、テールゲート15の両側壁15aの内側に配設され、このシリンダは側壁15aと掻込板27との間に接続されて伸縮可能である。逆流防止油圧シリンダ44は、テールゲート15内の幅方向中央上部に配設され、テールゲート15と逆流防止パネルと29の間に接続されて伸縮可能である。
【0023】
リフト油圧シリンダ46は、テールゲート15の両側壁15aの外側上部に配設され、このシリンダはボディー10とテールゲートと15の間に接続されて伸縮可能である。排出油圧シリンダ45は、図4(b)に示すように、ボディー10の下部に配設され、このシリンダはボディー10と排出板との間に接続されて伸縮可能である。自動ロック油圧シリンダ47は、ボディー後側の下部に配設され、ボディー10とボディーに設けられたロック装置(図示せず)との間に接続されて伸縮可能である。
【0024】
油圧ポンプPは、図4(b)、図5(a)、図5(b)に示すように、ボディー10の下方の車体5に配設され、塵芥作業車1に搭載されたエンジン(図示せず)の動力を受けて回転駆動するようになっている。エンジンの動力は、図示しないPTOにより取り出されて軸伝達機構7を介して油圧ポンプPに伝達される。本実施例では、油圧ポンプPとして外接ギヤポンプが採用されている。
【0025】
油圧ポンプPの吐出口には、90度に曲がるエルボ継手57が接続されている。このエルボ継手57にポンプ油路60の一端が接続されている。なお、図4(b)と図5(a)は、油圧ポンプPの設置方向が異なる場合の実施例を示している。
【0026】
ポンプ油路60は、ボディー10の下方であってエルボ継手57から車両前側へ延びてボディー10の前壁10bから突出して上方へ屈曲し、ボディー10の前壁10bに沿って上方へ延びて前壁10に設けられた作動制御弁50に接続されている。この作動制御弁50は、逆流防止パネル29を回動させる逆流防止油圧シリンダ44に作動油の給排制御を行うものである。
【0027】
作動制御弁50は、図1、図3に示すように、6ポート3位置の電磁式の方向切替弁であり、一方側のソレノイド(SOL)a1が励磁されると、逆流防止油圧シリンダ44が縮小して逆流防止パネル29が塵芥詰込口10aから離反する側に反転移動し、他方側のソレノイド(SOL)b1が励磁されると、逆流防止油圧シリンダ44が伸長して逆流防止パネル29が塵芥詰込口10a側に接近してボディー10内の塵芥の逆流を防止する。作動制御弁50と逆流防止油圧シリンダ44の間には、作動油を給排するための第1給排油路61が接続されている。第1給排油路61の配管位置については後述する。
【0028】
作動制御弁50には、これが中立位置にあるときにポンプ油路60に連通する第1連通油路71が接続されている。この第1連通油路71は、テールゲート10を上下方向に回動させるリフト油圧シリンダ46に作動油の給排制御を行うとともに、テールゲート15の回動をロックする自動ロック油圧シリンダ47に作動油の給排制御を行う作動制御弁51に接続されている。
【0029】
この作動制御弁51は、一方側のソレノイド(SOL)a2が励磁されると、自動ロック油圧シリンダ47が伸長してロック装置によるテールゲート15のロック状態を解除させるとともに、リフト油圧シリンダ46が伸長してテールゲート15を上方へ回動させる。また、他方側のソレノイド(SOL)b2が励磁されると、リフト油圧シリンダ46はフリーな状態となってテールゲート15の自重によって縮小してテールゲート15が下方へ回動するとともに、自動ロック油圧シリンダ47が縮小してテールゲート15が塵芥詰込口10aを塞いだ状態でロック装置によってテールゲート15をロック状態にする。作動制御弁51とリフト油圧シリンダ46の間及び作動制御弁15と自動ロック油圧シリンダ47との間には、作動油を給排するための第2給排油路62が接続されている。第2給排油路62の配管位置については後述する。
【0030】
作動制御弁51には、これが中立位置にあるときに第1連通油路71に連通する第2連通油路72が接続されている。この第2連通油路72は、積込板25を上下動させる上下動油圧シリンダ42に作動油の給排制御を行う作動制御弁52に接続されている。
【0031】
この作動制御弁52は、他方側のソレノイド(SOL)b3が励磁されると、上下動油圧シリンダ42が伸長して積込板25を上昇させ、また一方側のソレノイド(SOL)a3が励磁されると、上下動油圧シリンダ42が縮小して積込板25を下降させる。作動制御弁52と上下動油圧シリンダ42の間には、作動油を給排するための第3給排油路63が接続されている。第3給排油路63の配管位置については後述する。
【0032】
この作動制御弁52には、これが中立位置にあるときに第2連通油路72に連通する第3連通油路73が接続されている。この第3連通油路73は、掻込板27を回動させる掻込油圧シリンダ43に作動油の給排制御を行う作動制御弁53に接続されている。
【0033】
この作動制御弁53は、一方側のソレノイド(SOL)a4が励磁されると、掻込油圧シリンダ43が縮小して掻込板27が塵芥詰込口10aから離反する側に反転移動し、また他方側のソレノイド(SOL)b4が励磁されると、掻込油圧シリンダ43が伸長して掻込板27が塵芥詰込口10a側に接近する方向に回動して塵芥を掻き込むように作動する。作動制御弁53と掻込油圧シリンダ43との間には、作動油を給排するための第4給排油路64が接続されている。第4給排油路64の配管位置については後述する。
【0034】
作動制御弁53には、これが中立位置にあるときに第3連通油路73に連通する第4連通油路74が接続されている。この第4連通油路74は、排出板を移動させる排出油圧シリンダ45に作動油の給排制御を行う作動制御弁54に接続されている。
【0035】
この作動制御弁54は、一方側のソレノイド(SOL)a5が励磁されると、排出油圧シリンダ45が縮小して排出板がボディー10の奥側に移動して元の位置に戻し、また他方側のソレノイド(SOL)b5が励磁されると、排出油圧シリンダ45が伸長して排出板が塵芥詰込口10a側に移動してボディー10内に収容された塵芥を排出させる。作動制御弁54と排出油圧シリンダ45の間には、作動油を給排するための第5給排油路65が接続されている。第5給排油路65の配管位置については後述する。
【0036】
作動制御弁54には、これが中立位置にあるときに第4連通油路74に連通する第5連通油路75が接続されている。第5連通油路75はタンクTに連通している。
【0037】
これらの作動制御弁50〜54は、車両に設けられた図示しない操作装置を作業者が操作することで切り替え可能である。
【0038】
第1給排油路61、リフト油圧シリンダ46に接続された第2給排油路62、第3給排油路63、第4給排油路64、第5給排油路65は、図4(a)及び図4(b)に示すように、これらに対応する作動制御弁50〜54からボディー10の前壁10bに沿って上方へ延びてボディー10の上壁10cよりも上方へ突出して後方側へ屈曲し、ボディー10の上壁10cに沿って後方側へ延びてテールゲート15に設けられた対応する油圧シリンダ42〜46に接続されている。また自動ロック油圧シリンダ47に接続された第2給排油路62(図4(b)参照)は、対応する作動制御弁51からボディー10の前壁10bに沿って下方へ延びてボディー10の底部よりも下方へ延びて後方側へ屈曲し、ボディー底部に沿って後方側へ延びてボディー10の下面に設けられた自動ロック油圧シリンダ47に接続されている。これらの給排油路61〜65及びポンプ油路60は、金属材料で形成された管で形成されている。
【0039】
このように油圧アクチュエータ41(42〜47)は、油圧ポンプPから供給された作動油を作動制御弁50〜54の給排制御によって伸縮動するが、油圧ポンプPから吐出する作動油が脈動すると、この作動油はエルボ継手57を通過時にさらに作動油の流れが乱れて脈動の振幅が増大する。このため、脈動状態の作動油がポンプ油路60、連通油路71〜74、給排油路61〜65を流れると、脈動がこれらの油路やボディー10に伝達されて、騒音が発生する。またこれらの油路は、前述したようにボディー10の前端から後端に渡って長い距離を有して延設されているので、これらの油路全体が振動すると、発生する騒音は大きくなる。
【0040】
そこで、油圧ポンプPに接続されたエルボ継手57と作動制御弁50との間を繋ぐポンプ油路60には、図1及び図4(b)に示すように、アキュムレータ56が設けられている。アキュムレータ56は、内部構造の図示は省略するが、作動油が通るポンプ油路60に連通する大径の大径室及びこの大径室に連通して形成された小径の小径室とからなるケーシングと、大径室内を摺動する大径部及び小径室内を摺動する小径部からなるピストンと、大径部及び小径部の間の段差部分とケーシングとの間に配置されたスプリングとから構成される。ケーシングの大径室内に脈動の高い油圧がかかるとピストンがスプリングのバネ力に抗して後退し、また、圧力が低くなるとスプリングのバネ力によってピストンが戻ることにより脈動油圧を吸収する。なお、アキュムレータ56の構造は前述したものに限るものではなく、ポンプ油路60に連通して作動油を貯留可能に構成されたものでもよい。
【0041】
このように、エルボ継手57と作動制御弁50との間を繋ぐポンプ油路60にアキュムレータ56を設けることで、油圧ポンプPやエルボ継手57によって生じた作動油の脈動を作動制御弁50よりも上流側で低減することができる。このため、アキュムレータ57よりも下流側の油路60〜65、71〜75や油圧アクチュエータ41の全てにおいて、低減された脈動の作動油を供給することができ、塵芥作業車1のボディー全体から発生する騒音を確実に小さくすることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 塵芥作業車(作業車)
20 塵芥積込装置(作業装置)
40 アクチュエータ駆動装置
41 油圧アクチュエータ(アクチュエータ)
50、51、52、53、54 作動制御弁
56 アキュムレータ
57 エルボ継手(継手)
P 油圧ポンプ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置と、前記作業装置を駆動させるアクチュエータと、前記アクチュエータに対する作動油給排制御を行う作動制御弁と、前記作動制御弁に作動油を供給する油圧ポンプとを備えた作業車のアクチュエータ駆動装置であって、
前記作動制御弁と前記油圧ポンプとが継手及びポンプ油路を介して接続され、
前記継手と前記作動制御弁との間を繋ぐポンプ油路にアキュムレータが設けられていることを特徴とする作業車のアクチュエータ駆動装置。
【請求項2】
前記継手は前記油圧ポンプの吐出口に接続され、
前記ポンプ油路の一端が前記継手に接続され、前記ポンプ油路の他端が前記作動制御弁に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の作業車のアクチュエータ駆動装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−252555(P2011−252555A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127636(P2010−127636)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】