説明

作業車両の無段変速機構操作装置

【課題】無段変速機構を備えた作業車両において、単一の変速ぺダルリンクユニットを複数の型式に共用できるようにする。
【解決手段】無段変速機構(8)を内装しているミッションケース11の上側にフロア(F)を配設し、フロア(F)の左右一側下面に取り付けたブラケット(12)に無段変速機構(8)操作用の前進ぺダル(1a)及び後進ぺダル(1b)を左右方向の軸で並設状態で軸支する。そして、前進ぺダル(1a)及び後進ぺダル(1b)の踏込み操作部をフロア(F)の上方に突出して配置し、且つ、ブラケット(12)よりも平面視で左右外側寄りにオフセットして配置する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の無段変速機構操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧式無段変速装置をペダル操作するように構成したトラクタの変速操作構成において、変速ぺダルによって揺動操作される操作アームと、油圧式無段変速装置の変速操作軸に備えて変速アームとを連係ロッドで連動連結するとともに、変速アームと連係ロッドとの連結点と機体側固定部位とに亘ってダンパーを架設配備し、防振のための構成部品を節減し、部品組立て工数を少なくするようにしたものは、公知である。
【特許文献1】特開2005−233260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述のような構成では、トラクタ本機における運転部の足元右側に油圧式無段変速装置操作用の変速ぺダルを直接支持する構成になっており、トラクタの型式が異なりミッションケース部の形状や大きさが異なる場合には、同じ構成の変速ぺダルリンクユニットを共用部品として使用できないという不具合があった。
【0004】
そこで、本発明はこのような不具合を解消し、同一の変速ぺダルリンクユニットを複数の型式に共用できるようにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、無段変速機構(8)を内装しているミッションケース(11)の上側にはフロア(F)を配設し、前記フロア(F)の左右一側下面に取り付けたブラケット(12)に前記無段変速機構(8)操作用の前進ペダル(1a)及び後進ぺダル(1b)を左右方向の軸で左右並設状態に軸支し、前記前進ぺダル(1a)及び後進ぺダル(1b)の踏込み操作部を前記フロア(F)の上方に突出して配置し、且つ、前記ブラケット(12)よりも平面視で左右外側寄りにオフセットしたことを特徴とする作業車両の無段変速機構操作装置とする。
【0006】
前記構成によると、フロア(F)の左右一側に左右に並設されている前進ぺダル(1a)、後進ぺダル(1b)を左右方向の軸回りに回動操作すると、無段変速機構(8)が前進側あるいは後進側に変速作動される。
【0007】
請求項2の発明は、前記フロア(F)のミッションケース(11)に近い中央寄りに支持したブラケット(12)には、前記前進ぺダル(1a),後進ぺダル(1b)、前進ロッド(2a),後進ロッド(2b)、前後クランクレバー(3a,3b)及びぺダルセンサ(3s)からなるぺダルリンクユニットを取り付けたことを特徴とする請求項1記載の作業車両の無段変速機構操作装置とする。
【0008】
前記構成によると、前進ペダル(1a),後進ぺダル(1b)、前進ロッド(2a),後進ロッド(2b)、前後クランクレバー(3a,3b)及びぺダルセンサ(3s)からなるぺダルリンクユニットは、フロア(F)のミッションケース(11)に近い中央寄りに支持したブラケット(12)により強固に支持される。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明は、ミッションケース(11)に取り付けているフロア(F)に、ブラケット(12)を介して無段変速機構(8)操作用の前進ぺダル(1a)及び後進ぺダル(1b)を支持することにより、ミッションケース(11)に対してフロア(F)の高さが異なる型式にも、前進ぺダル(1a)、後進ぺダル(1b)及びブラケット12を単一構成で対応することができ、コストの低減を図りながら部品点数を少なくし生産の合理化を図ることができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明の前記効果に加えて、前進ぺダル(1a),後進ぺダル(1b)、前進ロッド(2a),後進ロッド(2b)、前後クランクレバー(3a,3b)及びぺダルセンサ(3s)からなるぺダルリンクユニットを強固に支持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の具体的に構成された実施形態について以下図面に基づき説明する。
無段変速式作業車両の一例であるトラクタは、操縦部のフロア位置に無段変速機構を内設した変速伝動装置1を搭載し、その側方位置に前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bを配置する。変速伝動装置1は、エンジンから伝動される走行動力を無段階に変速して走行車輪に伝えて前後進走行車速を調節し、この変速伝動装置1をそれぞれのぺダル踏み込み操作に応じて変速制御するための伝動速度制御装置を設けている。
【0012】
図1(a)は、無段変速式作業車両の伝動速度制御装置のシステム構成図である。この伝動速度制御システムは、踏込み操作可能に配設した前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bの踏込み動作を検出する入力側と、ぺダル操作と対応するように、無段変速機構8の速度調節部を目標速度位置に調節駆動する出力側と、入力側の検出信号に基づいて出力側の機器制御処理を行なうコントローラ5とから構成されている。
【0013】
入力側は、前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bと、それぞれのぺダル1a,1bから連結する前進ロッド2a,後進ロッド2bと、これら前進ロッド2a,後進ロッド2bの進退動作を共通の回動軸3回りに互いに異なる方向の回動動作に変換するクランクレバー3a,3bと、これらクランクレバー3a,3bの回転角によってぺダルの踏込み位置を検出するぺダルセンサ3sとから構成し、このほか必要により、車速センサ4a,スロットルセンサ4b,油温センサ4c等を設け、それぞれの検出信号をデジタルコントローラ(伝動速度制御部)5に入力する。
【0014】
出力側は、電磁式油圧制御弁6bによって伸縮作動するアクチュエータである油圧シリンダ6aと、その伸縮作動を受けて支軸7a回りに回動動作するクランクレバー7と、このクランクレバー7の回動角によってトラニオン軸8aによる速度調節部の回動位置を検出するトラニオンセンサ7sと、クランクレバー7からロッド7bを介して連結する無段変速機構8とから構成する。この無段変速機構8は、HSTと略称される静油圧式前後進無段変速機構であり、その速度調節部であるトラニオン軸8aの回動角度によって伝動速度が調節されることにより、作業車両の前後進と走行速度を無段階に調節する。
【0015】
この場合において、無段変速機構8の調節速度については、他の構成例を図1(b)に示すように、必要により、前記油圧式シリンダ6aに代えて、電動モータ6cを用いてクランクレバー7をギヤ駆動する電動アクチュエータにより構成することができる。
【0016】
次に、具体的な構成について説明する。コントローラ5の入力側については、その斜視図を図2に示すように、前進ぺダル1a,後進ぺダル1b、前進ロッド2a,後進ロッド2b、回動軸3、クランクレバー3a,3b、及び、ぺダルセンサ3sを単一のぺダルリンクユニットとして構成し、機体に後付けできるように構成している。このぺダルリンクユニットの内部構成は、図3の側面図に示すように、無段変速装置8を内設してトラクタ等の作業車両の速度を調節する変速伝動装置1の側方部において、前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bを共通の支軸1cによって近接して並行配置し、それぞれのぺダル1a,1bから連結するアジャスタ付きの前進ロッド2a,後進ロッド2bの後端部にクランクレバー3a,3bを連結し、これらクランクレバー3a,3bは共通の回動軸3回りに前進ロッド2a,後進ロッド2bの進退動作を互いに異なる方向の回動動作に変換し、一体に設けた作用アーム3eにぺダルセンサ3sを配置し、その揺動角度を検出する。前記ぺダル1a,1bやぺダルセンサ3s及び前進ロッド2a,後進ロッド2bは、変速伝動装置1に対してマウント支持されたフロアFに取り付けているので、変速伝動装置1からの振動、即ち、機体側からの振動が抑制され、ぺダルセンサ3sの検出精度を向上させることができる。
【0017】
前記ぺダルリンクユニットである入力側のユニットは、前進ぺダル1a、後進ぺダル1bの一方を踏込み操作すると、対応する前進ロッド2a,後進ロッド2b及びクランクレバー3a,3bを介して共通の回動軸3回りに回動され、その作用アーム3eを介してぺダルセンサ3sがぺダル踏込み操作と対応して移動し回動角度を検出する。また、他方のぺダルを踏込み操作すると、対応するクランクレバー3a,3bが逆方向に回動され、その結果ぺダルセンサ3sにより逆方向の回動角度が検出される。
【0018】
出力側については、図4に示すように、変速伝動装置1の側面部に沿って油圧シリンダ6aを配置し、そのピストンロッドと連結するクランクレバー7を支軸7aによって軸支し、このクランクレバー7の揺動角度を検出するトラニオンセンサ7sを配置すると共に、このクランクレバー7から枢支延出するロッド7bの前端部に変速伝動装置1のトラニオン軸8aと一体のクランクレバーであるトラニオンアーム8bを連結し、これらを変速伝動装置1の側面部に取り付け構成し、前記入力側のぺダルリンクユニットと並ぶように構成している。また、トラニオンアーム8bにはカム8cを形成し、このトラニオンアーム8bをニュートラル位置に復帰させるようにニュートラルスプリング8dによってカム8cに作用するニュートラルアーム8eを付設している。
【0019】
前記出力側の構成により、油圧制御される油圧シリンダ6aのピストンロッドが進退動作すると、クランクレバー7とロッド7bを介してトラニオンアーム8bと一体のトラニオン軸8aが回動されて、変速伝動装置1に内設の無段変速装置8の可変油圧モータの斜板が回動して伝動速度が調節され、トラニオン軸8aの調節位置を検出するトラニオンセンサ7sの信号に基づいて油圧シリンダ6aを伸縮制御することにより、所要の速度調節が可能となる。また、油圧シリンダ6aの制御油圧を開放すると、ニュートラルアーム8eの作用力を受けるカム8cによりトラニオンアーム8bが所定の中立位置に戻されて機体走行が停止する。
【0020】
伝動速度制御部5による制御は、前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bの踏込み操作をぺダルセンサ3sが検出すると、その信号に応じてトラニオン軸8aの目標速度位置を決定し、トラニオン軸8aが目標速度位置に等しくなるまでトラニオンセンサ7sの信号に基づいて油圧シリンダ6aを電磁式油圧制御弁6bによって制御する。その結果、ぺダル操作に応じて機体の走行速度を調節することができる。
【0021】
前記伝動速度制御部5は、その検出側の構成により、共通のぺダルセンサ3sを介して前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bの踏込み動作量が検出されることから、個別ぺダル仕様による2つのぺダル1a,1bの踏込み量に応じて無段階に車速調節をするための伝動速度制御装置について、簡易な構成により、共通の操作性を確保しつつ、製造コスト及びメンテナンス負荷を軽減することができる。
【0022】
次に、図5乃至図9に示す前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bの支持構成について説明する。
ミッションケース11の上側にはフロアFを配設し、このフロアFの前側左右中央部からハンドルポスト13を立ち上げ、ハンドルポスト13の上端部にステアリングハンドル14を取り付けると共に、ハンドルポスト13の上面部に操作パネル15を設け、フロアFの後側部にはシート16を設けている。
【0023】
また、ミッションケース11の上側にはフロアFを配設するにあたり、ミッションケース11の左右中央部を前後方向に突出している突出部11aに構成し、ミッションケース11の左右両側部にフロア取付枠体19を介して左右フロアFa,Fbを取り付けている。そして、左右フロアFa,Fbの後側部に左右フェンダ17a,17bを取り付け、左右フロアFa,Fbの前側部左右両側に左右サイドステップ18a,18bを取り付けている。
【0024】
また、右フロアFbの左右中央部下面にぺダル支持用のブラケット12を固着し、このブラケット12に左右方向の回動軸3を右フロアFbの下方部位で、且つ、ミッションケース11の右横側方に位置するように配置し、この回動軸3により前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bを左右に並設状に軸支している。そして、右フロアFbの上側に突出するように前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bの上端延出部に足踏み部を設け、この足踏み部をブラケット12よりも右側へオフセットするように構成している。
【0025】
前記構成によると、右フロアFbにブラケット12を介して前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bを支持することにより、トラクタの型式によりミッションケース11やフロアFの形状が異なり、ミッションケース11と右フロアFb間の高さが異なる場合でも、前進ぺダル1a、後進ぺダル1b及びブラケット12を単一構成のぺダルリンクユニットで製造することができ、部品点数を少なくしコストの低減を図ることができる。
【0026】
また、前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bをミッションケース11の右側方に配設するにあたり、右サイドステップ18bに取り付ける構成であると、右サイドステップ18bとミッションケース11との間が高いので右サイドステップ18bを補強する必要がある。しかし、ミッション11の中央部に近い右フロアFbはミッションケース11の上側中央部に強硬に支持されているため補強の必要もなく、前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bの支持構成を強固にしながら、コストの低減を図ることができる。
【0027】
また、前進ぺダル1a,後進ぺダル1bの後端部には、前進ロッド2a,後進ロッド2bの前側端部を枢支連結してその後側端部を後方へ延出し、機体内側寄りの前進ぺダル1a側にはニュートラル復帰用のスプリング21を取り付け、また、機体外側寄りの後進ロッド2bを右フロアFbより遠くなる下方で且つ左右外側部位に配置している。
【0028】
前記構成によると、機体内側寄りの前進ぺダル1aにはニュートラル復帰用のスプリング21を取り付け、機体外側寄りの後進ロッド2bをフロアFより遠くなる下方で且つ左右外側部位に配置することにより、後進ぺダル2bの位置調整をスプリング21が邪魔にならずに容易に行なうことができる。
【0029】
また、ミッションケース11の右側前側部にマウントブラケット20を取り付け、このマウントブラケット20には、右フロアFbの下方部位で、且つ、ミッションケース11の下面よりも上方に位置するように、電磁式油圧制御弁6bと、電磁式油圧制御弁6bで伸縮作動する油圧シリンダ6aを取り付けている。なお、このマウントブラケット20には右フロアFbの前側部を支持している。
【0030】
前記構成によると、ミッションケース11に支持している強固なマウントブラケット20に重量物である油圧シリンダ6a及び電磁式油圧制御弁6bを支持することにより、電磁式油圧制御弁6b取付用の補強部材が不要となり、コンパクトな構成とすることができる。また、油圧シリンダ6aを手動で作動させる際にも、油圧シリンダ6a及び電磁式油圧制御弁6bが近くにあるので、ソレノイド(図示省略)を押して電磁式油圧制御弁6bを作動させて油圧シリンダ6aの動きを確認することができ、メンテナンス作業が容易になる。また、電磁式油圧制御弁6b及び油圧シリンダ6aがミッションケース11の下面よりも上方に位置しているので、障害物に当たるのを防止し耐久性を高めることができる。
【0031】
また、ミッションケース11の右側方の右フロアFbの下方位置には、電磁式油圧制御弁6b及び油圧シリンダ6aを配設し、ミッションケース11の左側方の左フロアFaの下方位置には、電磁式油圧制御弁6b制御用のコントローラ5を配設している。
【0032】
前記構成によると、油圧部品と制御用コントローラ5をミッションケース11の左右に分けて配置することにより、油圧部品のトラブル時にもコントローラ5への油圧の飛散を防止し、耐久性を高めることができる。また、左右フロアFa,Fbの下方に電磁式油圧制御弁6b、油圧シリンダ6a及びコントローラ5を配設することにより、トラクタの完成後にこれらの部品を後付けすることができ、型式の変更が容易になる。
【0033】
また、ミッションケース11の右側方の右フロアFbの下方位置に、ぺダルセンサ3s及び油圧シリンダセンサ6sを配設するにあたり、前進ぺダル1a,後進ぺダル1b及び油圧シリンダ6aの後方で、且つ、右フロアFbの下方近くに配置し、また、ぺダルセンサ3s及び油圧シリンダセンサ6sを互いに近接配置している。前記構成によると、前輪22,22から水を跳ね上げてもセンサにかかりにくく、また、センサの障害物との接触を回避し、センサの誤検出を防止することができる。
【0034】
また、右フロアFbの左右中央部下面にぺダル支持用のブラケット12をボルト・ナットで着脱自在に固着し、ブラケット12に前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bを左右並列状態で軸支している。
【0035】
前記構成によると、右フロアFbにおけるブラケット12取付用のボルト穴を前後方向に変えることにより、前進ぺダル1a及び後進ぺダル1bの取付位置を容易に前後方向に変更することができ、単一構成のぺダルリンクユニットにより複数の型式に共用化でき、部品点数を少なくしながらコストの低減を図ることができる。
【0036】
また、ミッションケース11の左右中央部を前後方向に突出した突出部11aに構成し、フロアF取付用のフロア取付枠体19を、前後方向に沿っている左右前後方向取付枠体19f,19fと、左右前後方向取付枠体19f,19fの後端部から下方に延出している左右上下方向取付枠体19r,19rにより側面視でL字型に構成している。この左右前後方向取付枠体19f,19fの前側端部を左右マウントブラケット20,20を介してミッションケース11の左右上部にボルト・ナットで取り付けている。そして、左右前後方向取付枠体19fの中央寄り部分をミッションケース11の中央寄り上部にボルト・ナットで取り付け、左右上下方向取付枠体19r,19rをミッションケース11の後部にボルト・ナットで取り付けている。
【0037】
この左右前後方向取付枠体19f,19fの上面に左右フロアFa,Fbを取り付けている。この右フロアFbの左右中央寄り下面に取り付けているマウントブラケット19aを介して、電磁式油圧制御弁6b及び油圧シリンダ6aを右フロアFbの下方に位置するように取り付けている。また、この右前後方向取付枠体19fの下方部位に取り付けているブラケット12に、前進ぺダル1a,後進ぺダル1b、前進ロッド2a,後進ロッド2b、クランクレバー3a,3bからなるぺダルリンクユニットを取り付けている。また、ミッションケース11の左側方の左フロアFaの下方位置には、電磁式油圧制御弁6b制御用のコントローラ5を配設している。
【0038】
前記構成によると、関連部品をミッションケース11の左右に集中して配置することにより、コンパクトに纏めることができ、組立て作業が容易になる。
また、無段変速機構8と、前進ぺダル1a,後進ぺダル1bに連係している前進ロッド2a,後進ロッド2bと、これら前進ロッド2a,後進ロッド2bの進退動作を共通の回動軸3回りに互いに異なる方向の回動動作に変換するクランクレバー3a,3bからなるぺダルリンクユニットを、ミッションケース11の右側方に配置し、前進ぺダル1a,後進ぺダル1bを平面視で無段変速機構8の右外側寄りに配置している。
【0039】
前記構成によると、これらの部材の高さを低くするができ、ミッションケース11とフロアFの間が高低の複数の型式にも容易に取り付けることができ、部品の共用化を図ることができる。
【0040】
また、ミッションケース11には右フロアFbを取り付け、右フロアFbの左右中央寄り下面に取り付けているブラケット12を介して、ぺダルリンクユニットである前進ぺダル1a、後進ぺダル1bと、前進ロッド2a,後進ロッド2bと、これら前進ロッド2a,後進ロッド2bの進退動作を共通の回動軸3回りに互いに異なる方向の回動動作に変換するクランクレバー3a,3bとを取り付けている。
【0041】
前記構成によると、ミッションケース11の構成を変更せずに、複数の型式にぺダルリンクユニットを取り付けることができる。また、これらの部材を右フロアFbを取り外さずに組み付けることができ、組替え作業が容易になる。
【0042】
また、ぺダルリンクユニットを構成する前進ロッド2a,後進ロッド2bと、これら前進ロッド2a,後進ロッド2bの進退動作を共通の回動軸3回りに互いに異なる方向の回動動作に変換するクランクレバー3a,3bと、クランクレバー3a,3bの回転角によってぺダルの踏込み位置を検出するぺダルセンサ3sとを、平面視で前輪22及び後輪23の内側寄りに配置している。前記構成によると、前輪22及び後輪23から水や泥が跳ね上げられてもかかりにくく、耐久性を高めることができ、また、ぺダルセンサ3sの誤検出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(a)伝動速度制御装置のシステム構成図 (b)伝動速度制御装置の他の実施形態を示すシステム構成図
【図2】伝動速度制御装置の斜視図
【図3】ミッションケースの側面図
【図4】ミッションケースの側面図
【図5】作業車両の全体側面図
【図6】作業車両の全体平面図
【図7】作業車両のミッションケース部の側面図
【図8】作業車両の前後方向中間部の平面図
【図9】伝動速度制御装置の斜視図
【符号の説明】
【0044】
1a 前進ぺダル
1b 後進ぺダル
2a 前進ロッド
2b 後進ロッド
3a 前クランクレバー
3b 後クランクレバー
3s ぺダルセンサ
8 無段変速機構
11 ミッションケース
12 ブラケット
F フロア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無段変速機構(8)を内装しているミッションケース(11)の上側にはフロア(F)を配設し、前記フロア(F)の左右一側下面に取り付けたブラケット(12)に前記無段変速機構(8)操作用の前進ペダル(1a)及び後進ペダル(1b)を左右方向の軸で左右並設状態に軸支し、前記前進ペダル(1a)及び後進ぺダル(1b)の踏込み操作部を前記フロア(F)の上方に突出して配置し、且つ、前記ブラケット(12)よりも平面視で左右外側寄りにオフセットしたことを特徴とする作業車両の無段変速機構操作装置。
【請求項2】
前記フロア(F)のミッションケース(11)に近い中央寄りに支持したブラケット(12)には、前記前進ペダル(1a),後進ぺダル(1b)、前進ロッド(2a),後進ロッド(2b)、前後クランクレバー(3a,3b)及びぺダルセンサ(3s)からなるぺダルリンクユニットを取り付けたことを特徴とする請求項1記載の作業車両の無段変速機構操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−262668(P2009−262668A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112394(P2008−112394)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】