説明

保管庫及び入出庫方法

【課題】例えばビークル等の搬送車との間で、半導体素子製造用の各種基板を収容する荷の入出庫が連続して行われる保管庫において、簡単な構成により効率良く荷を入出庫する。
【解決手段】保管庫(10)は、一の荷(3)及び他の荷を載置可能であり、入庫ポートとして機能する一の棚部分を上側に含む上下方向に配列された複数の棚部分(15)と、一の荷及び他の荷を夫々支持可能な載置部(11)を、複数の棚部分の相互間で移動可能であると共に、入庫ポートの上方であって搬送車(2)の下方の空間に設定されており且つ棚部分が存在しない仮想出庫ポート及び複数の棚部分間で移動可能である駆動手段(19)と、入庫時に、仮想出庫ポートから載置部を退避させるように駆動手段を制御し、出庫時に、仮想出庫ポートに、他の荷を載置している載置部を移動させるように駆動手段を制御する制御手段(20)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばビークル等の搬送車との間で、半導体素子製造用の各種基板を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)等の荷の入出庫が連続して行われる保管庫、及び該保管庫の入出庫方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の保管庫として、例えば搬入/搬出ポート等の入出庫用のポートの上方であって、搬送車の軌道の下方に、2つの荷を一時保管可能な少なくとも1枚のスライド板と、該少なくとも1枚のスライド板を進退可能なスライド機構とを備えるものがある。このような保管庫において、スライド板の進退機能と、搬送車における荷の昇降機能とを利用して、搬送車との間で荷の授受が行われる。該授受の動作について、具体的には、先ず、搬送車が把持している入庫すべき荷がスライド板に載置され、続いて、ポートに載置されている出庫すべき荷がスライド板に載置される。この後、スライド板上の入庫すべき荷がポートに移載(即ち、入庫)され、続いて、スライド板上の出庫すべき荷が搬送車へ移載(即ち、出庫)される。このように、保管庫におけるポートと、1台の搬送車との間で、入出庫が連続して行われる(特許文献1及び2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−096140号公報
【特許文献2】特開2007−096145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1及び2記載の保管庫によれば、入庫すべき荷及び出庫すべき荷を一時的にスライド板に取り置きするので、直接に搬送車から又は搬送車へ移載する場合よりも入出庫動作に時間がかかってしまう。仮に、このような取り置きにかかる動作時間を短縮するために、スライド板を高速で進退させたり、昇降機能を高速で駆動させることが可能であるが、入庫すべき荷及び出庫すべき荷にかかる振動が増大してしまうという技術的問題点がある。また、連続する入出庫のために利用されるスライド板及びスライド機構の設置は、搬送システム全体の高コスト化を招く。
【0005】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、簡単な構成により効率良く荷を出入庫することを可能ならしめる保管庫、及びこのような保管庫の入出庫方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1保管庫は上記課題を解決するために、一の荷の入庫及び他の荷の出庫が、前記一の荷及び前記他の荷を夫々昇降可能な搬送車との間で、連続して行われる保管庫であって、前記一の荷及び前記他の荷を収容若しくは載置可能であり、前記搬送車から前記一の荷が移載される入庫ポートとして機能する一の棚部分を上側に含む上下方向に配列された複数の棚部分と、前記一の荷及び前記他の荷を夫々その底側から支持可能な第1載置面を有する載置部と、該載置部を、前記複数の棚部分の相互間で移動可能であると共に、前記入庫ポートの上方であって前記搬送車の下方の空間に設定されており且つ前記棚部分が存在しない仮想出庫ポート及び前記複数の棚部分間で移動可能である駆動手段と、前記一の荷を入庫すべき場合に、前記仮想出庫ポートから前記載置部を退避させる又は退避させたままとしておくように前記駆動手段を制御し、前記他の荷を出庫すべき場合に、前記仮想出庫ポートに、前記他の荷を載置した状態にある前記載置部を移動させるように前記駆動手段を制御する制御手段とを備え、前記複数の棚部分及び前記駆動手段は、前記載置部が退避されると、前記一の荷が前記仮想出庫ポートを介して前記入庫ポートまで下降可能なように構成されている。
【0007】
本発明の第1保管庫によれば、入庫時には、入庫すべき荷(即ち、一の荷)は、例えば軌道に沿って走行する搬送車により入庫ポートまで搬送される。そこで、一の荷は、停止した搬送車から、当該保管庫における入庫ポートへ移載される。すると、一の荷は、入庫ポートから、例えば鉛直駆動部及び水平駆動部を備える駆動手段によって所望の棚部分へと移動される。即ち、保管庫内搬送される。出庫時には、出庫すべき荷(即ち、他の荷)が、複数或いは多数の棚部分のうち所望の棚部分から、駆動手段によって当該保管庫における後述の仮想出庫ポートまで保管庫内搬送される。そこで、他の荷は、仮想出庫ポートから、入庫を終えて待機している搬送車へ移載される。
【0008】
本発明の保管庫では、一の荷の入庫及び他の荷の出庫が搬送車との間で連続して行われる。該搬送車は、例えばホイスト機構等の昇降手段を備える。該昇降手段は、例えばグリッパ等の把持手段を有し、該把持手段により把持された一の荷及び他の荷を昇降可能である。
【0009】
本発明の第1保管庫は、複数の棚部分と、載置部と、駆動手段と、制御手段とを備える。複数の棚部分は、一の荷及び他の荷を収容若しくは載置可能であり、当該保管庫内に上下方向に配列される。該複数の棚部分のうち一の棚部分は、該上下方向における上側に位置し、搬送車から一の荷が移載される入庫ポートとして機能する。載置部は、第1載置面を有し、該第1載置面で一の荷及び他の荷を夫々その底側から支持する。駆動手段は、該載置部を複数の棚部分の相互間、並びに仮想出庫ポート及び複数の棚部分間で移動させる。この移動により、上述された入庫時及び出庫時の保管庫内搬送が可能である。ここで「仮想出庫ポート」は、いずれの棚部分も存在しない仮想の出庫ポートであり、入庫ポートの上方であって搬送車の下方の空間に設定される。
【0010】
制御部は、一の荷を入庫すべき場合に、仮想出庫ポートから載置部を退避させる又は退避させたままとしておくように駆動手段を制御する。この制御により、搬送車が一の荷を仮想出庫ポートを介して入庫ポートまで下降可能であり、一の荷を当該保管庫へ入庫可能とする。ここで「下降可能」である条件として、例えば、入庫ポートである一の棚部分と搬送車との間に、仮想出庫ポートのみが設定されることとする。また、制御部は、他の荷を出庫すべき場合に、仮想出庫ポートに、他の荷を載置した状態にある載置部を移動させるように駆動手段を制御する。この制御により、搬送車が他の荷を把持可能であり、他の荷を当該保管庫から出庫可能とする。
【0011】
従って、本発明の第1保管庫では、例えば、入庫時には、先ず、軌道に沿って走行する搬送車が入庫ポート及び仮想出庫ポートに対応する位置で停止され、搬送車から一の荷が下降されるよりも前に、載置部が仮想出庫ポートから退避される又は退避されたままとされる。続いて、搬送車により一の荷が仮想出庫ポートを介して入庫ポートまで下降され、一の荷が入庫ポートに移載される。この移載により、入庫動作が終了され、引き続き出庫動作が開始される。
【0012】
例えば、出庫時には、先ず、当該保管庫内に保管されている他の荷が、載置部に載置され、該載置部が仮想出庫ポートに移動される。続いて、仮想出庫ポートにある載置部上の他の荷が搬送車により上昇され、搬送車へ移載される。この移載により、出庫動作が終了されると、連続する入出庫動作が終了される。
【0013】
以上のように、一の棚部分に設定される入庫ポートと、該入庫ポートの上方であって搬送車の下方の空間に設定される仮想出庫ポートとを備え、入庫の際に、載置部を仮想出庫ポートから退避させる又は退避させたままとしておくことで、搬送車から入庫すべき荷を入庫ポートに入庫可能とし、出庫の際に、出庫すべき荷を載置した状態にある載置部を仮想出庫ポートに移動することで、仮想出庫ポートから出庫すべき荷を搬送車へ出庫可能とする。このように、搬送車との間で連続して行われる入出庫動作において、複数の棚部分及び駆動手段の構成により、入庫すべき荷及び出庫すべき荷を一時的に取り置きすることなく、直接に搬送車から又は搬送車へ移載する。故に、比較的簡単な構成により、効率良く出入庫することができる。
【0014】
本発明の第2保管庫は上記課題を解決するために、一の荷の入庫及び他の荷の出庫が、前記一の荷及び前記他の荷を夫々昇降可能な搬送車との間で、連続して行われる保管庫であって、前記一の荷及び前記他の荷を収容若しくは載置可能であり、前記他の荷が前記搬送車へ移載される出庫ポートとして機能する一の棚部分を上側に含む上下方向に配列された複数の棚部分と、前記一の荷及び前記他の荷を夫々その底側から支持可能な第1載置面を有する載置部と、該載置部を、前記複数の棚部分の相互間で移動可能であると共に、前記出庫ポートの上方であって前記搬送車の下方の空間に設定されており且つ前記棚部分が存在しない仮想入庫ポート及び前記複数の棚部分間で移動可能である駆動手段と、前記一の荷を入庫すべき場合に、前記仮想入庫ポートに、空荷の前記載置部を配置する又は配置したままとしておくように前記駆動手段を制御し、前記他の荷を出庫すべき場合に、前記仮想入庫ポートから前記載置部を退避させる又は退避させたままとしておくように前記駆動手段を制御すると共に、前記出庫ポートに、前記他の荷を載置した状態にある前記載置部を移動させ、該移動させた載置部から前記他の荷を前記出庫ポートに移載させるように前記駆動手段を制御する制御手段とを備え、前記複数の棚部分及び前記駆動手段は、前記載置部が退避されると、前記他の荷が前記出庫ポートから前記仮想入庫ポートを介して上昇可能なように構成されている。
【0015】
本発明の第2保管庫によれば、入庫時には、入庫すべき荷(即ち、一の荷)は、例えば軌道に沿って走行する搬送車により入庫ポートまで搬送される。そこで、一の荷は、停止した搬送車から、当該保管庫における後述の仮想入庫ポートへ移載される。すると、一の荷は、仮想入庫ポートから、例えば鉛直駆動部及び水平駆動部を備える駆動手段によって所望の棚部分へと移動される。即ち、保管庫内搬送される。出庫時には、出庫すべき荷(即ち、他の荷)が、複数或いは多数の棚部分のうち所望の棚部分から、駆動手段によって当該保管庫における出庫ポートまで保管庫内搬送される。そこで、他の荷は、出庫ポートから、入庫を終えて待機している搬送車へ移載される。
【0016】
本発明の第2保管庫は、複数の棚部分と、載置部と、駆動手段と、制御手段とを備える。複数の棚部分は、一の荷及び他の荷を収容若しくは載置可能であり、当該保管庫内に上下方向に配列される。該複数の棚部分のうち一の棚部分は、該上下方向における上側に位置し、搬送車から一の荷が移載される出庫ポートとして機能する。載置部は、第1載置面を有し、該第1載置面で一の荷及び他の荷を夫々その底側から支持する。駆動手段は、該載置部を複数の棚部分の相互間、並びに仮想入庫ポート及び複数の棚部分間で移動させる。この移動により、上述された入庫時及び出庫時の保管庫内搬送が可能である。ここで「仮想入庫ポート」は、いずれの棚部分も存在しない仮想の入庫ポートであり、出庫ポートの上方であって搬送車の下方の空間に設定される。
【0017】
制御部は、一の荷を入庫すべき場合に、仮想入庫ポートに、空荷の載置部を配置する又は配置したままとしておくように駆動手段を制御する。この制御により、搬送車が一の荷を仮想入庫ポートまで下降させ、当該保管庫へ入庫可能とする。また、制御部は、他の荷を出庫すべき場合に、仮想入庫ポートから、載置部を退避させる又は退避させたままとしておくように駆動手段を制御すると共に、出庫ポートに、他の荷を載置した状態にある載置部を移動させ、該移動させた載置部から他の荷を出庫ポートに移載させる。この制御により、搬送車が他の荷を出庫ポートから仮想入庫ポートを介して上昇可能であり、他の荷を当該保管庫へ出庫可能とする。ここで「上昇可能」である条件として、例えば、出庫ポートである一の棚部分と搬送車との間に、仮想入庫ポートのみが設定されることとする。
【0018】
従って、本発明の第2保管庫では、例えば、入庫時には、先ず、軌道に沿って走行する搬送車が仮想入庫ポート及び出庫ポートに対応する位置で停止され、搬送車から一の荷が下降されるよりも前に、空荷の状態にある載置部が仮想入庫ポートに配置される又は配置されたままとされる。続いて、搬送車により一の荷が仮想入庫ポートまで下降され、一の荷が仮想入庫ポートにある載置部上に移載される。この移載により、入庫動作が終了され、引き続き出庫動作が開始される。
【0019】
例えば、出庫時には、先ず、載置部が仮想入庫ポートから退避された後に、当該保管庫内に保管されている他の荷が、載置部に載置され、該載置部が出庫ポートに移動される。続いて、該移動された載置部から出庫ポートに他の荷が載置される。続いて、出庫ポートに載置されている他の荷が搬送車により仮想入庫ポートを介して上昇され、搬送車へ移載される。この移載により、出庫動作が終了されると、連続する入出庫動作が終了される。
【0020】
以上のように、一の棚部分に設定される出庫ポートと、該出庫ポートの上方であって搬送車の下方の空間に設定される仮想入庫ポートとを備え、入庫の際に、空荷の載置部を仮想入庫ポートに配置する又は配置したままとしておくことで、搬送車から入庫すべき荷を仮想入庫ポートに入庫可能とし、出庫の際に、載置部を仮想入庫ポートから退避させる又は退避させたままとしておくと共に、出庫すべき荷を載置した状態にある載置部を出庫ポートに移動して出庫すべき荷を出庫ポートに載置することで、出庫ポートから出庫すべき荷を搬送車へ出庫可能とする。このように、搬送車との間で連続して行われる入出庫動作において、複数の棚部分及び駆動手段の構成により、入庫すべき荷及び出庫すべき荷を一時的に取り置きすることなく、直接に搬送車から又は搬送車へ移載する。故に、比較的簡単な構成により、効率良く出入庫することができる。
【0021】
本発明の第1保管庫の一態様では、前記駆動手段は、前記載置部を水平一方向に往復移動可能な水平駆動部と、前記載置部を鉛直方向に往復移動可能な鉛直駆動部とを備え、前記複数の棚部分は、前記鉛直方向に複数段に渡って段毎に、前記水平駆動部により到達可能な水平位置に一又は複数設けられると共に、前記第1載置面との間で前記一の荷及び前記他の荷を夫々、相互に移載可能に構成されている第2載置面を夫々有し、前記複数の棚部分のうち前記仮想出庫ポートの下段に位置する棚部分が、前記入庫ポートとして機能する。
【0022】
本発明の保管庫によれば、複数の棚部分は、鉛直方向に一列又は複数列配列された複数の載置面(即ち、第2載置面)を有する。例えば、鉛直方向にm(但し、mは2以上の自然数)段、水平一方向にn(但し、nは1以上の自然数)列、且つこれに垂直である残る水平一方向(以下、単に「厚み方向」と称する)には1列のみといった具合に、薄く且つ縦に細長い平板形状となるように、棚全体の骨格は、構成される。載置部は、例えばその第1載置面上に荷を載せた状態で、このような保管庫内を、鉛直駆動部及び水平駆動部によって、鉛直方向及び水平一方向という2方向或いは2軸方向に移動可能に構成されている。
【0023】
第1及び第2載置面は、一の荷及び他の荷を夫々、相互に移載可能である。入庫時に、例えば、搬送車から入庫ポートとして機能する棚部分の第2載置面上に一の荷が移載される。続いて、該第2載置面上に移載された一の荷は、2軸方向に移動可能な載置部の第1載置面に載置される。例えば、第1及び第2載置面は、荷(一の荷又は他の荷)の底面における相異なる部分(典型的には、中央寄り部分と周辺寄り部分)を支持するように構成されており、どちらか一方で荷(一の荷又は他の荷)を支持することが可能である。具体的には、載置部が、第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動された際に、該第2載置面に代わって、第1載置面で一の荷を支持することで、第2載置面から第1載置面への移載が行われる。典型的には、鉛直駆動部により第1載置面が第2載置面より高くなるまで移動されることで、一の荷は、第1載置面によって支持されることとなる。これにより、入庫時における保管庫内搬送が開始される。ここでは、鉛直駆動部及び水平駆動部による簡単な2軸動作によって、棚部分におけるいずれの第2載置面にも迅速に保管庫内搬送が可能である。
【0024】
続いて、載置部が、保管に使用しようとする第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動された際には、第1載置面に代わって、第2載置面で一の荷を支持することで、第1載置面から第2載置面への移載が行われる。典型的には、鉛直駆動部により第1載置面が第2載置面より低くなるまで移動されることで、一の荷は、第2載置面によって支持されることとなる。これにより、入庫時における保管庫内搬送が終了され、棚部分での保管が開始される。
【0025】
他方、出庫時には、載置部が、出庫しようとする他の荷が載置されている第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動される。続いて、第2載置面に代わって、第1載置面で支持することで、第2載置面から第1載置面への移載が行われる。典型的には、鉛直駆動部により第1載置面が第2載置面より高くなるまで移動されることで、他の荷は、第1載置面によって支持されることとなる。これにより、出庫時における保管庫内搬送が開始される。続いて、載置部が、第2載置面が存在しない仮想出庫ポートとして設定される空間の鉛直位置且つ水平位置に移動される。ここでは、鉛直駆動部及び水平駆動部による簡単な2軸動作によって、いずれの第2載置面からでも迅速に保管庫内搬送が可能である。
【0026】
本態様では特に、複数の棚部分のうち入庫ポートとして機能する棚部分は、仮想出庫ポートの下段に位置する。具体的には、仮想出庫ポートが、例えば、最上段に設けられた棚部分が存在しない空間に設定される場合に、入庫ポートとして、上から2番目の段にあって仮想出庫ポートの下方にある棚部分が設定される。これらの設定では、搬送車と、入庫ポート及び仮想出庫ポートとが上下方向で最も近い距離にあり、一の荷及び他の荷の昇降距離が最短になる。また、入庫ポート及び仮想出庫ポートが同一鉛直方向に設定されるので、搬送車の停止位置(即ち、保管庫との間で移載を行う移載位置)が変更されることがない。これにより、搬送車による荷の昇降時間を短縮することができる。従って、搬送車との間で連続して行われる出入庫動作をより効率化することができる。
【0027】
この態様では、前記複数の棚部分は、前記仮想出庫ポートとの間で、前記水平駆動部により相互に到達可能な水平位置に設けられている他の棚部分を更に含んでもよい。
【0028】
このように構成すれば、複数の棚部分は、他の棚部分を更に含む。該他の棚部分は、仮想出庫ポートの水平位置に設けられる。ここで「水平位置」は、水平駆動部により仮想出庫ポート及び他の棚部分の相互に到達可能な位置であり、仮想出庫ポート及び他の棚部分は、例えば同段に位置する。この場合、例えば、他の棚部分に、当該保管庫内で最も早く出庫すべき他の荷が載置され、出庫時には、載置部により、該他の荷が仮想出庫ポートまで最も短時間で移動されるので、出庫動作をより効率化することができる。
【0029】
この態様では、前記制御部は、前記一の荷が前記搬送車から前記入庫ポートに移載されるまでに、前記載置部を前記他の棚部分に移動させ、前記他の荷を前記他の棚部分で支持させるように前記駆動手段を制御してもよい。
【0030】
このように構成すれば、制御部は、一の荷が搬送車から入庫ポートに移載されるまでに、他の荷を載置している載置部を他の棚部分に移動させ、他の荷を他の棚部分で支持させるように駆動手段を制御する。このような出庫準備が予め行われることで、出庫時には、載置部により、他の荷が他の棚部分から仮想出庫ポートまで移動されればよいので、出庫動作をより効率化することができる。
【0031】
複数の棚部分が他の棚部分を更に含む態様では、前記他の棚部分は、前記水平駆動部及び前記鉛直駆動部により到達可能な位置で、且つ前記仮想出庫ポートまで前記他の荷を移動させる時間が相対的に短時間である位置であってもよい。
【0032】
このように構成すれば、出庫時には、載置部により、他の荷が他の棚部分から仮想出庫ポートまで最も短時間で移動されるので、出庫動作をより効率化することができる。尚、他の棚部分と仮想出庫ポートとの間に比較的長い距離がある場合に、他の荷を他の棚部分で支持させる代わりに、他の荷を載置している載置部を仮想出庫ポートの側方に移動させてもよい。
【0033】
複数の棚部分が他の棚部分を更に含む態様では、前記制御部は、前記一の荷が前記搬送車から前記入庫ポートに移載されるまでに、前記仮想出庫ポートと前記他の棚部分との間の空間に設定される待機位置に、前記他の荷を載置した状態にある前記載置部を移動させるように前記駆動手段を制御してもよい。
【0034】
このように構成すれば、一の荷が搬送車から入庫ポートに移載されるまでに、他の荷を載置している載置部が、仮想出庫ポートと他の棚部分との間の空間に移動される。該空間は、例えば仮想出庫ポートにおける他の棚部分側の側方である。この場合、仮想出庫ポートまで他の荷を移動させる時間が、他の棚部分から仮想出庫ポートまでの時間よりも短時間になる。このような出庫準備が予め行われることで、出庫時には、載置部により、他の荷が仮想出庫ポートまで僅かに水平移動されればよいので、出庫動作をより効率化することができる。
【0035】
本発明の第2保管庫の一態様では、上述した第1保管庫の一態様におけるのと概ね同様に、前記駆動手段は、前記載置部を水平一方向に往復移動可能な水平駆動部と、前記載置部を鉛直方向に往復移動可能な鉛直駆動部とを備え、前記複数の棚部分は、前記鉛直方向に複数段に渡って段毎に、前記水平駆動部により到達可能な水平位置に一又は複数設けられると共に、前記第1載置面との間で前記一の荷及び前記他の荷を夫々、相互に移載可能に構成されている第2載置面を夫々有し、前記複数の棚部分のうち前記仮想入庫ポートの下段に位置する棚部分が、前記出庫ポートとして機能する。
【0036】
この態様によれば、第1及び第2載置面は、一の荷及び他の荷を夫々、相互に移載可能である。本発明の第2保管庫では、入庫時に、例えば、2軸方向に移動可能な載置部が、第2載置面が存在しない仮想入庫ポートとして設定される空間の鉛直位置且つ水平位置に移動される。これにより、搬送車から仮想入庫ポートへの移載が可能な状態となる。
【0037】
更に、この第2保管庫の一態様では、前記複数の棚部分は、前記仮想入庫ポートとの間で、前記水平駆動部により相互に到達可能な水平位置に設けられている他の棚部分を更に含んでもよい。
【0038】
このように構成すれば、複数の棚部分は、他の棚部分を更に含む。該他の棚部分は、仮想入庫ポートの水平位置に設けられる。この場合、例えば、入庫時には、仮想入庫ポートに入庫されたばかりの一の荷が他の棚部分に最も短時間で載置されるので、入庫動作をより効率化することができる。
【0039】
本発明の第1入出庫方法は上記課題を解決するために、(i)一の荷及び他の荷を収容若しくは載置可能であり、前記搬送車から前記一の荷が移載される入庫ポートとして機能する一の棚部分を上側に含む上下方向に配列された複数の棚部分、(ii)前記一の荷及び前記他の荷を夫々、その底側から支持可能な第1載置面を有する載置部、並びに(iii)該載置部を前記複数の棚部分の相互間で移動可能であると共に、前記入庫ポートの上方であって前記搬送車の下方の空間に設定されており且つ前記棚部分が存在しない仮想出庫ポート及び前記複数の棚部分間で移動可能である駆動手段を備える保管庫と、前記一の荷及び前記他の荷を夫々昇降可能な搬送車との間で、前記一の荷の入庫及び前記他の荷の出庫を連続して行う入出庫方法であって、前記仮想出庫ポートから前記載置部を退避させる又は退避させたままとしておくように前記駆動手段を制御する入庫準備工程と、該入庫準備工程に続いて、前記搬送車から前記一の荷を前記入庫ポートへ移載することで、前記一の荷を前記保管庫へ入庫させる入庫工程と、該入庫工程に続いて、前記仮想出庫ポートに、前記他の荷を載置した状態にある前記載置部を移動させるように前記駆動手段を制御する出庫準備工程と、該出庫準備工程に続いて、前記仮想出庫ポートから前記他の荷を前記搬送車へ移載することで、前記他の荷を前記保管庫から出庫させる出庫工程とを備え、前記複数の棚部分及び前記駆動手段は、前記載置部が退避されると、前記一の荷が前記仮想出庫ポートを介して前記入庫ポートまで下降可能なように構成されている。
【0040】
本発明の第1入出庫方法によれば、上述した本発明の第1保管庫と同様に、入庫すべき荷及び出庫すべき荷を取り置きすることなく、直接に搬送車から又は搬送車へ移載する。故に、比較的簡単な構成により、効率良く出入庫することができる。
【0041】
本発明の第2入出庫方法は上記課題を解決するために、(i)一の荷及び他の荷を収容若しくは載置可能であり、前記他の荷が前記搬送車へ移載される出庫ポートとして機能する一の棚部分を上側に含む上下方向に配列された複数の棚部分、(ii)前記一の荷及び前記他の荷を夫々、その底側から支持可能な第1載置面を有する載置部、並びに(iii)該載置部を前記複数の棚部分の相互間で移動可能であると共に、前記出庫ポートの上方であって前記搬送車の下方の空間に設定されており且つ前記棚部分が存在しない仮想入庫ポート及び前記複数の棚部分間で移動可能である駆動手段を備える保管庫と、前記一の荷及び前記他の荷を夫々昇降可能な搬送車との間で、前記一の荷の入庫及び前記他の荷の出庫を連続して行う入出庫方法であって、前記出庫ポートに、前記他の荷を載置した状態にある前記載置部を移動させ、該移動させた載置部から前記他の荷を前記出庫ポートに移載させるように前記駆動手段を制御する第1出庫準備工程と、該第1出庫準備工程に続いて、前記仮想入庫ポートに、空荷の前記載置部を移動させるように前記駆動手段を制御する入庫準備工程と、該入庫準備工程に続いて、前記搬送車から前記一の荷を前記仮想入庫ポートへ移載することで、前記一の荷を前記保管庫へ入庫させる入庫工程と、該入庫工程に続いて、前記仮想入庫ポートから、前記載置部を退避させる又は退避させたままとしておくように前記駆動手段を制御する第2出庫準備工程と、該第2出庫準備工程に続いて、前記出庫ポートから前記他の荷を前記搬送車へ移載することで、前記他の荷を前記保管庫から出庫させる出庫工程とを備え、前記複数の棚部分及び前記駆動手段は、前記載置部が退避されると、前記他の荷が前記出庫ポートから前記仮想入庫ポートを介して上昇可能なように構成されている。
【0042】
本発明の第2入出庫方法によれば、上述した本発明の第2保管庫と同様に、入庫すべき荷及び出庫すべき荷を取り置きすることなく、直接に搬送車から又は搬送車へ移載する。故に、比較的簡単な構成により、効率良く出入庫することができる。尚、第1出庫準備工程は、入庫工程の直後に実施される第2出庫準備工程の後に実施してもよい。
【0043】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0045】
<第1実施形態>
【0046】
先ず、第1実施形態に係る保管庫の構成について図1から図3を参照して説明する。ここに図1は、第1実施形態に係る保管庫を備える搬送システムの外観を示す斜視図であり、図2は、図1の保管庫の内部構造を模式的に示す断面図であり、図3は、第1実施形態に係る第1及び第2載置面の、荷に対する係合状態を示す断面図である。
【0047】
図1において、搬送システム100は、レール1、ビークル2、ストッカ10、及びコントローラ20を備える。搬送システム100は、ビークル2を駆動して、レール1上でFOUP3の搬送を行う。レール1は、本発明に係る「軌道」の一例として、ビークル2が走行するための軌道の役割を果たす。
【0048】
ビークル2は、本発明に係る「搬送車」の一例として、例えばリニアモータにより駆動されるOHT(Overhead Hoist Transport)(天井走行車)であり、ストッカ10や図示しない製造装置、OHTバッファ、大型ストッカ等に、FOUP3を搬送する。ビークル2は、内部に、鉛直方向に移動するホイスト2aを有している。
【0049】
ホイスト2aは、搬送時に、搬送されるFOUP3のフランジ4を、例えば挟持機構により保持する。ホイスト2aは、ビークル2の本体に備えられた、例えば巻き取りベルト及び巻き出しベルト等の昇降機構により、レール1の下方にて鉛直方向に昇降可能に構成されている。ホイスト2aは、ストッカ10との間でFOUP3の入庫又は出庫を行う際に、ストッカ10における後述の入庫ポート又は仮想出庫ポートの上方に下降する。入庫の際に更に、ホイスト2aは、下降した位置、即ち、FOUP3の底面が入庫ポートの床面(後述の第2載置面)に接触する位置で、フランジ4を解放する。また、出庫の際に更に、ホイスト2aは、下降した位置、即ち、仮想出庫ポートにある後述の載置部に載置されたFOUP3のフランジ4に対応する位置で、フランジ4を保持する。本実施形態では特に、ビークル2は、このような入庫動作及び出庫動作を連続して行う。
【0050】
図1及び図2に示すように、FOUP3は、本発明に係る「一の荷」及び「他の荷」の一例として、ストッカ10内で、ビークル2との間の入出庫、及び保管位置の調整等のために搬送(即ち保管内搬送)される。
【0051】
図3に示すように、FOUP3は、底面に、凹部5及び凹部6を有している。凹部5は、後述の棚部分15に設けられた凸部16に対応するサイズに形成されている。一方、凹部6は、後述の載置部11に設けられた凸部12に対応するサイズに形成されている。
【0052】
再び図1において、コントローラ20は、例えば半導体素子製造の工程スケジュールに基づいて、ストッカ10に対して、FOUP3の出入庫(保管庫内搬送)を指示する。この指示に応答して、ストッカ10が駆動され、ビークル2により搬送されるFOUP3に各種処理が施されることで、半導体素子が製造される。
【0053】
(保管庫単体)
【0054】
ストッカ10は、本発明に係る「保管庫」の一例として、レール1に隣接して敷設され、FOUP3を複数保管する。本実施形態では特に、ストッカ10は、ビークル2との間で、入庫すべき荷の入庫動作、及び出庫すべき荷の出庫動作を連続して行う。
【0055】
図2において、ストッカ10は、本体部10aと、保管庫内搬送装置19と、複数の棚部分15とを備える。保管庫内搬送装置19は、載置部11と、水平駆動部13と、鉛直駆動部14とを有し、コントローラ20の制御により、複数の棚部分15の間でFOUP3を移載する。
【0056】
載置部11は、複数の棚部分15の間でFOUP3を移載するために、水平駆動部13により水平一方向に、且つ鉛直駆動部14により鉛直方向に移動される。載置部11は、上面に第1載置面11aを有している。第1載置面11aは、移載時に、FOUP3の底面に接触し、FOUP3をその底側から支持する。第1載置面11aには、支持部材として、凸部12が形成されている。図3(b)に示すように、凸部12は、FOUP3の凹部6に対応するサイズに形成されており、移載時に、この凹部6に係合される。
【0057】
再び図2において、水平駆動部13は、本発明に係る「駆動手段」の一例として、例えば図示しないモータにより、水平一方向に延びる水平ガイド17上で、駆動される。水平駆動部13は、載置部11と連結されており、載置部11を水平ガイド17に沿って、水平一方向D1に往復移動させる。
【0058】
鉛直駆動部14は、本発明に係る「駆動手段」の一例として、例えば図示しないモータにより、鉛直方向に延びる鉛直ガイド18上で、駆動される。鉛直駆動部14には、水平ガイド17の中央部が固定されている。鉛直駆動部14は、この水平ガイド17を鉛直ガイド18に沿って、鉛直方向D2に往復移動させる。この往復移動時に、載置部11は、水平ガイド17の中央部に位置する。このように、載置部11は、水平駆動部13及び鉛直駆動部14により、鉛直方向及び水平一方向の2軸方向に移動される。
【0059】
複数の棚部分15は、鉛直方向に7段、最上段における水平一方向に一列、該最上段よりも下の6段における水平一方向に2列、且つ各段における厚み方向に1列として、合計13個の棚部分15から構成されている。各棚部分15は、上面に第2載置面15aを有しており、この第2載置面15aに、FOUP3が載置される。第2載置面15aには、支持部材として、凸部16が形成されている。図3(a)に示すように、凸部16は、FOUP3の凹部5に対応するサイズに形成されており、載置(保管)時に、この凹部5に係合される。
【0060】
再び図2において、13個の棚部分15のうち1つの棚部分(言い換えれば、これが有する第2載置面15a)は、ビークル2からFOUP3を受け取るための入庫ポートP1として機能する。入庫ポートP1に設定される棚部分15は、上から2段目にある2つの棚部分15のうち、最上段において棚部分が存在しない空間の下方にある棚部分(即ち、図2における二点鎖線P1内)である。
【0061】
本実施形態では特に、本体部10a内に、ビークル2へFOUP3を受け渡すための仮想出庫ポートP4(即ち、図2における二点鎖線P4内)が設定されている。仮想出庫ポートP4は、入庫ポートP1の上方であって最上段において棚部分が存在しない空間である。これら入庫ポートP1及び仮想出庫ポートP4は、同一鉛直上に設定されており、これらの上方及び側方に位置する本体部10aは、FOUP3が入出庫可能に開放されている。
【0062】
コントローラ20は、入庫しようとする際に、仮想出庫ポートP4に載置部11がある場合に、保管庫内搬送装置19により、仮想出庫ポートP4から載置部11を退避させる。或いは、コントローラ20は、入庫しようとする際に、次に出庫させるべきFOUP3が既に載置部11に載せられている場合であっても、保管庫内搬送装置19により、載置部11を仮想出庫ポートP4へ移動させないようにする。これにより、入庫すべきFOUP3がビークル2から仮想出庫ポートP4を介して下降され、入庫ポートP1に移載可能な状態となる。また、コントローラ20は、出庫時に、保管庫内搬送装置19により、仮想出庫ポートP4に、出庫すべきFOUP3を載置した状態にある載置部11を移動させる。これにより、出庫すべきFOUP3が仮想出庫ポートP4からビークル2へ移載可能な状態となる。
【0063】
入庫ポートP1として機能する棚部分15を除いた12個の棚部分15は、FOUP3を保管するための保管用棚部分15(即ち、図2における、例えば二点鎖線P5内)である。12個の保管用棚部分15のうち1つの棚部分は、仮出庫ポートP6として機能させてもよい。仮出庫ポートP6に設定される棚部分15は、最上段の1つの棚部分(即ち、図2における二点鎖線P6内)である。
【0064】
本実施形態では特に、最上段の1つの棚部分(即ち、図2における二点鎖線P6内)と仮想出庫ポートP4との間の空間(即ち、図2における二点鎖線P3内)が、待機位置P3に設定されている。待機位置P3は、載置部11により仮想出庫ポートP4までFOUP3を移動させる時間が最も短い位置である。
【0065】
コントローラ20は、出庫時に、入庫ポートP1に、入庫すべきFOUP3が移載されるまでに、保管庫内搬送装置19により、載置部を待機位置P3に移動させる。この後、出庫すべきFOUP3が、12個の保管用棚部分15のどれに載置した場合よりも短時間で、待機位置P3から仮想出庫ポートP4まで移動される。このように、待機位置P3は、実際に出庫が行われる仮想出庫ポートP4の側方に設定されており、迅速な出庫作業を行う上で有利である。
【0066】
ストッカ10の配置について、入庫ポートP1及び仮想出庫ポートP4が、レール1の下方に配置される。具体的に、載置部11が移動される水平一方向の方位が、レール1の方位に対して直角に交わる。
【0067】
次に、本実施形態に係る第1及び第2載置面の形体について図4(a)を参照して説明する。ここに図4(a)は、本実施形態に係る載置部の水平一方向への動作状態を示す、平面図である。図4(a)は、具体的には、図2におけるA1−A1断面に相当しており、ストッカ10の上から2段目に設置される、2列の棚部分15(第2載置面15a)を示している。
【0068】
図4(a)に示すように、ストッカ10の上面側から視て、第2載置面15aは、馬蹄のようにU字形に形成され、第1載置面11aは、そのU字形の中央を埋める島のように四角形に形成されている。従って、第1及び第2載置面11a,15aは、相互に相補の平面形状を有している。このような第1及び第2載置面11a,15aの間で、FOUP3の移載が行われる。
【0069】
尚、図3及び図4(a)に示した例では、平面的に見て、第1載置面11aの方が、第2載置面15aの内側に位置しており、外径が小さい。しかしながら、逆に、第1載置面11aの方が、第2載置面15aの外側に位置しており、外径が大きくなるように両者は、構成されてもよい。この場合、図4(a)に示される第1及び第2載置面の形体の変形例として、図4(b)に示すように、例えばストッカ30の上面側から視て、第1載置面31aが馬蹄のようにU字形に形成され、第2載置面35aが、そのU字形の中央を埋める島のような形状に形成されている。このように、上下左右に移動される第1載置面31aを大きくした方が、FOUP3を載置部31に載せての保管庫内搬送の際における安定性が増し、FOUP3の落下防止やガタツキ防止に役立つ。
【0070】
(保管庫内搬送動作)
【0071】
次に、本実施形態に係る保管庫内の荷の移載、即ち保管庫内搬送の動作について、引き続き図2から図4を参照して説明する。
【0072】
図2及び図4において、ビークル2により入庫され、入庫ポートP1における棚部分15の第2載置面15a(以下、単に「入庫ポートP1の第2載置面15a」と言う)に載置されているFOUP3を、同段のもう1つの第2載置面15a(即ち、図2における二点鎖線で示すエリアP5内)に移載する。この場合に、先ず、エリアP2(即ち、図2において二点鎖線で示される)内の第2載置面15aへのFOUP3の移載を終えた載置部11(即ち、図2において破線で示される)が、入庫ポートP1の第2載置面15aの直下に移動される。この際、載置部11が、水平駆動部13により水平ガイド17の略中央に移動された後、鉛直駆動部14により鉛直ガイド18に沿って所定の鉛直位置に移動される。この所定の鉛直位置は、入庫ポートP1の第2載置面15aよりも下方である。この後、所定の鉛直位置にある載置部11が、水平駆動部13により水平ガイド17に沿って所定の水平位置(即ち、図2において実線で示される)に移動される。図3(a)に示すように、この所定の水平位置は、FOUP3の凹部6の鉛直下方向に、載置部11の凸部12が存在する位置である。
【0073】
所定の鉛直位置且つ水平位置に移動された載置部11は、鉛直駆動部14により上昇される。この上昇により、第1載置面11aが第2載置部15aの中央を通過して、図3(b)に示すように、第2載置面15aよりも高くなる。この時、入庫ポートP1における凹部5及び凸部16の係合が外れ、第2載置面15aに代わって、第1載置面11aでFOUP3が支持されると共に、載置部11の凸部12及びFOUP3の凹部6が相互に係合されることで、FOUP3が第2載置面15aから第1載置面11aへ移載される。
【0074】
FOUP3が移載された載置部11は、エリアP5内の第2載置面15aの直上に移動される。この際、載置部11が、水平駆動部13により水平一方向の所定の水平位置に移動される。この所定の水平位置は、エリアP5内の第2載置面15aの凸部16の鉛直上方向に、FOUP3の凹部5が存在する位置である。所定の水平位置に移動された載置部11は、鉛直駆動部14により下降される。この下降により、第1載置面11aがエリアP2の第2載置部15aの中央を通過して、図3(a)に示すように、第2載置面15aよりも低くなる。この時、エリアP5における凸部12及び凹部6の係合が外れ、第1載置面11aに代わって、第2載置面15aでFOUP3が支持されると共に、FOUP3の凹部5及び第2載置面15aの凸部16が相互に係合されることで、FOUP3が第1載置面11aから、エリアP5の第2載置面15aへ移載される。これにより、入庫ポートに設定されるエリアP1から、エリアP5における保管用棚部分15へのFOUP3の移載動作が完了される。尚、この移載工程を逆の順序で行えば、エリアP5から入庫ポートP1への移載動作となる。
【0075】
(第1実施形態の入出庫動作処理)
【0076】
次に、本実施形態に係る保管庫の入出庫の動作について図5を参照して説明する。ここに図5は、本実施形態に係る保管庫の入出庫の動作処理を示すフローチャートである。尚、初期設定として、載置部11は、仮想出庫ポートP4から退避した状態、即ち、仮想出庫ポートP4外にあることとする。
【0077】
図5において、先ず、コントローラ20により、半導体素子製造の工程スケジュールに基づいて、ストッカ10において、出庫の要求が有るか否かが判定される(ステップS31)。ここで要求が無いと判定された場合に(ステップS31:NO)、ステップS32及びS33による出庫準備が省かれ、ステップS34の処理が実行される。
【0078】
一方、ステップS31の判定の結果、出庫の要求が有ると判定された場合に(ステップS31:YES)、保管庫内搬送装置19により、エリアP2の保管用棚部分15に保管されている出庫すべきFOUP3が、載置部11に移載される(即ち、保管用棚部分15から取り出される)(ステップS32)。続いて、出庫すべきFOUP3を載置した状態にある載置部11が、仮想出庫ポートP4の側方の待機位置P3に移動され、実際の出庫まで待機状態となる(ステップS33)。
【0079】
次に、ストッカ10に対応する停止位置にビークル2が到着したか否かが判定されると共に、到着したビークル2が入庫可能であるか又は出庫可能であるかが判定される(ステップS34)。ここでビークル2が到着しないと判定された場合に(ステップS34:未着)、再びステップS31の処理が実行される。
【0080】
一方、ステップS34の判定の結果、ビークル2が入庫すべきFOUP3を把持しておらず、出庫可能であると判定された場合に(ステップS34:出庫ビークル)、ステップS37の処理が実行される。他方、ビークル2が入庫すべきFOUP3を把持しており、入庫可能であると判定された場合に(ステップS34:入庫ビークル)、ビークル2により、入庫すべきFOUP3がビークル2から入庫ポートP1に移載される(ステップS35)。この際、載置部11が仮想出庫ポートP4外の待機位置P3にあるので、ストッカ10が入庫すべきFOUP3を入庫可能な状態にある。
【0081】
次に、出庫すべきFOUP3があるか否かが判定される(ステップS36)。ここで出庫すべきFOUP3が無い場合に(ステップS36:NO)、ステップS40の処理が実行される。一方、出庫すべきFOUP3がある場合に(ステップS36:YES)、出庫すべきFOUP3を載置した状態にある載置部11が、待機位置P3から仮想出庫ポートP4へ移動される(ステップS37)。或いは、仮出庫ポートP6又はその近隣にてFOUP3を載せたまま待機している載置部11が、仮想出庫ポートP4へと移動される。これにより、仮想出庫ポートP4に、出庫すべきFOUP3が載置されるので、ストッカ10が出庫すべきFOUP3を出庫可能な状態になる。続いて、ビークル2により、出庫すべきFOUP3が、仮想出庫ポートP4からビークル2へ移載される(ステップS38)。
【0082】
次に、入庫されたFOUP3があるか否かが判定される(ステップS39)。ここで入庫されたFOUP3が無い場合に(ステップS39:NO)、一連の入出庫動作処理が終了され、再びステップS31の処理が実行される。一方、入庫されたFOUP3がある場合に(ステップS39:YES)、保管庫内搬送装置19により、入庫ポートP1に載置されている、入庫されたFOUP3が、載置部11に移載される(即ち、入庫ポートP1から取り出される)(ステップS40)。続いて、入庫されたFOUP3を載置した状態にある載置部11が、エリアP2へ移動されると、入庫されたFOUP3が載置部11から保管用棚部分15に移載(収容)される(ステップS41)。これにより、一連の入出庫動作処理が終了される。
【0083】
このように、第1実施態様のストッカ10によれば、入庫すべきFOUP3を入庫するための入庫ポートP1と、出庫すべきFOUP3を出庫するための仮想出庫ポートP4とを備え、入庫時に、載置部11を仮想出庫ポートP4から退避させた又は退避させたままとしておく入庫可能な状態とし、出庫時に、出庫すべきFOUP3を載置した状態にある載置部11を仮想出庫ポートP4へ移動させた出庫可能な状態とするので、ビークル2の昇降動作及び載置部11の移動動作を利用して、簡単な構成により効率良く入出庫することができる。
【0084】
尚、本実施形態によれば、入庫すべきFOUP3が入庫されるまでに、出庫すべきFOUP3を仮出庫ポートP3に載置するが、仮出庫ポートP3に載置せずに、出庫すべきFOUP3を載置した状態にある載置部11を直接に仮想出庫ポートP4の側方又は近隣位置(即ち、少なくとも入庫ポートP1における入庫作業を妨げない位置であって、好ましくは仮想出庫ポートP4への到達が容易且つ短時間で住む位置)に移動させてもよい。これにより、出庫すべきFOUP3を仮出庫ポートP3に載置すると共に仮出庫ポートP3から移載する動作が不要となるので、より短時間で入出庫することができる。
【0085】
尚、本実施形態によれば、入庫ポートP1として機能する棚部分15の上方の空間に、仮想出庫ポートP4を設定するが、棚部分15を、入庫ポートの代わりに、出庫ポートとして機能させ、出庫ポートとして機能する該棚部分15の上方の空間に、仮想入庫ポートを設定してもよい。
【0086】
<第2実施形態>
【0087】
次に、第2実施形態に係る保管庫の構成について図6を参照して説明する。ここに図6は、第2実施形態に係る保管庫の内部構造を模式的に示す、図2と同趣旨の断面図である。具体的に、第2実施形態では、図2に示される入庫ポートP1を、出庫ポートに設定すると共に、図2に示される仮想出庫ポートP4を、仮想入庫ポートに設定する点が第1実施形態と異なる。尚、図6に示される保管庫において、図2に示される保管庫と同等に構成される要素について、同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0088】
図6において、搬送システム200は、レール1、ビークル2、ストッカ110、及びコントローラ120を備える。ストッカ110は、本体部110aと、保管庫内搬送装置19と、複数の棚部分15とを備える。保管庫内搬送装置19は、載置部11と、水平駆動部13と、鉛直駆動部14とを有し、コントローラ120の制御により、複数の棚部分15の間でFOUP3を移載する。
【0089】
複数の棚部分15は、図2に示されるストッカ10と同様に、13個の棚部分15から構成されている。
【0090】
13個の棚部分15のうち1つの棚部分は、ビークル2へFOUP3を受け渡すための出庫ポートP14として機能する。出庫ポートP14に設定される棚部分15は、上から2段目にある2つの棚部分15のうち、最上段において棚部分が存在しない空間の下方にある棚部分(即ち、図6における二点鎖線P14内)である。
【0091】
本実施形態では特に、本体部110a内に、ビークル2からFOUP3を受け取るための仮想入庫ポートP11(即ち、図6における二点鎖線P11内)が設定されている。仮想入庫ポートP4は、出庫ポートP14の上方であって最上段において棚部分が存在しない空間である。これら出庫ポートP14及び仮想入庫ポートP11は、同一鉛直上に設定されており、これらの上方及び側方に位置する本体部110aは、FOUP3が入出庫可能に開放されている。
【0092】
コントローラ120は、入庫時に、保管庫内搬送装置19により、仮想入庫ポートP11に、無載置の状態にある載置部11を移動させる。これにより、入庫すべきFOUP3がビークル2から下降され、仮想入庫ポートP11へ移載可能な状態となる。また、コントローラ120は、出庫時に、仮想入庫ポートP11に載置部11がある場合に、保管庫内搬送装置19により、仮想入庫ポートP11から載置部11を退避させる。これにより、出庫すべきFOUP3が出庫ポートP14から仮想入庫ポートP11を介して上昇され、ビークル2へ移載可能な状態となる。
【0093】
(第2実施形態の入出庫動作処理)
【0094】
次に、本実施形態に係る保管庫の入出庫の動作について図7を参照して説明する。ここに図7は、本実施形態に係る保管庫の入出庫の動作処理を示すフローチャートである。
【0095】
図7において、先ず、図5に示されるステップS31と同様に、コントローラ120により、半導体素子製造の工程スケジュールに基づいて、ストッカ110において、出庫の要求が有るか否かが判定される(ステップS51)。ここで要求が無いと判定された場合に(ステップS51:NO)、ステップS52及びS53による出庫準備が省かれ、ステップS54の処理が実行される。
【0096】
一方、ステップS51の判定の結果、出庫の要求が有ると判定された場合に(ステップS51:YES)、保管庫内搬送装置19により、エリアP2の保管用棚部分15に保管されている出庫すべきFOUP3が、載置部11に移載される(即ち、保管用棚部分15から取り出される)(ステップS52)。続いて、出庫すべきFOUP3を載置した状態にある載置部11が、出庫ポートP14まで移動され、出庫すべきFOUP3が出庫ポートP14に載置される(ステップS53)。
【0097】
次に、ストッカ110に対応する停止位置にビークル2が到着したか否かが判定されると共に、到着したビークル2が入庫可能であるか又は出庫可能であるかが判定される(ステップS54)。ここでビークル2が到着しないと判定された場合に(ステップS54:未着)、再びステップS51の処理が実行される。
【0098】
一方、ステップS54の判定の結果、ビークル2が入庫すべきFOUP3を把持しておらず、出庫可能であると判定された場合に(ステップS54:出庫ビークル)、ステップS59の処理が実行される。他方、ビークル2が入庫すべきFOUP3を把持しており、入庫可能であると判定された場合に(ステップS54:入庫ビークル)、仮想入庫ポートP11に、無載置の載置部11が移動される(ステップS55)。よって、ストッカ110が入庫すべきFOUP3を入庫可能な状態になる。続いて、ビークル2により、入庫すべきFOUP3がビークル2から仮想入庫ポートP11に移載される(ステップS56)。続いて、入庫されたFOUP3を載置した状態にある載置部11が、仮想入庫ポートP11から退避される(ステップS57)。よって、ストッカ110が、いつでも出庫すべきFOUP3を出庫可能な状態にある。
【0099】
次に、出庫すべきFOUP3があるか否かが判定される(ステップS58)。ここで出庫すべきFOUP3が無い場合に(ステップS58:NO)、ステップS61の処理が実行される。一方、出庫すべきFOUP3がある場合に(ステップS58:YES)、ビークル2により、出庫すべきFOUP3が、出庫ポートP14からビークル2へ移載される(ステップS59)。
【0100】
次に、入庫されたFOUP3があるか否かが判定される(ステップS60)。ここで入庫されたFOUP3が無い場合に(ステップS60:NO)、一連の入出庫動作処理が終了され、再びステップS51の処理が実行される。一方、入庫されたFOUP3がある場合に(ステップS60:YES)、保管庫内搬送装置19により、入庫されたFOUP3を載置した状態にある載置部11が、エリアP12へ移動されると、入庫されたFOUP3が載置部11から保管用棚部分15に移載(収容)される(ステップS61)。これにより、一連の入出庫動作処理が終了される。
【0101】
このように、第2実施形態のストッカ110によれば、入庫すべきFOUP3を入庫するための仮想入庫ポートP11と、出庫すべきFOUP3を出庫するための出庫ポートP14とを備え、入庫時に、無載置の載置部11を仮想入庫ポートP11に移動させた入庫可能な状態とし、出庫時に、出庫すべきFOUP3を出庫ポートP14に載置すると共に、入庫されたFOUP3を載置した状態にある載置部11を仮想入庫ポートP11から退避させた出庫可能な状態とするので、ビークル2の昇降動作及び載置部11の移動動作を利用して、簡単な構成により効率良く入出庫することができる。
【0102】
尚、上述した第1実施形態と第2実施形態とを同一の保管庫において、選択的に実行することも可能である。例えば、現在要求される入出庫の内容、ストッカ内における載置部11の空き若しくは載置の状況、入庫ポート又は出庫ポートの空き若しくは載置の状況などに応じて、ストッカの本体部における最上段の開口に面するスペースを適宜に仮想出庫ポートとして又は仮想入庫ポートとして利用してもよい。更に、このような状況等に応じて、本体部における最上段の開口に面しない棚部分を適宜に仮出庫ポートとして又は仮入庫ポートとして利用してもよい。特に、多数の保管庫及び多数のビークル2を含んでなる搬送システムにおいては、このような仮想出庫ポート又は仮想入庫ポートの使い分けによって、搬送効率の一層の向上が可能である。
【0103】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う入出庫方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】第1実施形態に係る保管庫を備える搬送システムの外観を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る保管庫の内部構造を示す断面図である。
【図3】第1実施形態に係る第1及び第2載置面の係合状態を示す断面図である。
【図4】実施形態に係る載置部の水平一方向への動作状態を示す平面図である。
【図5】第1実施形態に係る保管庫の出入庫の動作処理を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態に係る保管庫を備える搬送システムの外観を示す斜視図である。
【図7】第2実施形態に係る保管庫の出入庫の動作処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0105】
1…レール、2…搬送車(天井走行車)、3…FOUP(荷)、10…ストッカ(保管庫)、20…コントローラ、11…載置部、13…水平駆動部、14…鉛直駆動部、15…棚、100…搬送システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の荷の入庫及び他の荷の出庫が、前記一の荷及び前記他の荷を夫々昇降可能な搬送車との間で、連続して行われる保管庫であって、
前記一の荷及び前記他の荷を収容若しくは載置可能であり、前記搬送車から前記一の荷が移載される入庫ポートとして機能する一の棚部分を上側に含む上下方向に配列された複数の棚部分と、
前記一の荷及び前記他の荷を夫々その底側から支持可能な第1載置面を有する載置部と、
該載置部を、前記複数の棚部分の相互間で移動可能であると共に、前記入庫ポートの上方であって前記搬送車の下方の空間に設定されており且つ前記棚部分が存在しない仮想出庫ポート及び前記複数の棚部分間で移動可能である駆動手段と、
前記一の荷を入庫すべき場合に、前記仮想出庫ポートから前記載置部を退避させる又は退避させたままとしておくように前記駆動手段を制御し、前記他の荷を出庫すべき場合に、前記仮想出庫ポートに、前記他の荷を載置した状態にある前記載置部を移動させるように前記駆動手段を制御する制御手段と
を備え、
前記複数の棚部分及び前記駆動手段は、前記載置部が退避されると、前記一の荷が前記仮想出庫ポートを介して前記入庫ポートまで下降可能なように構成されている
ことを特徴とする保管庫。
【請求項2】
一の荷の入庫及び他の荷の出庫が、前記一の荷及び前記他の荷を夫々昇降可能な搬送車との間で、連続して行われる保管庫であって、
前記一の荷及び前記他の荷を収容若しくは載置可能であり、前記他の荷が前記搬送車へ移載される出庫ポートとして機能する一の棚部分を上側に含む上下方向に配列された複数の棚部分と、
前記一の荷及び前記他の荷を夫々その底側から支持可能な第1載置面を有する載置部と、
該載置部を、前記複数の棚部分の相互間で移動可能であると共に、前記出庫ポートの上方であって前記搬送車の下方の空間に設定されており且つ前記棚部分が存在しない仮想入庫ポート及び前記複数の棚部分間で移動可能である駆動手段と、
前記一の荷を入庫すべき場合に、前記仮想入庫ポートに、空荷の前記載置部を配置する又は配置したままとしておくように前記駆動手段を制御し、前記他の荷を出庫すべき場合に、前記仮想入庫ポートから前記載置部を退避させる又は退避させたままとしておくように前記駆動手段を制御すると共に、前記出庫ポートに、前記他の荷を載置した状態にある前記載置部を移動させ、該移動させた載置部から前記他の荷を前記出庫ポートに移載させるように前記駆動手段を制御する制御手段と
を備え、
前記複数の棚部分及び前記駆動手段は、前記載置部が退避されると、前記他の荷が前記出庫ポートから前記仮想入庫ポートを介して上昇可能なように構成されている
ことを特徴とする保管庫。
【請求項3】
前記駆動手段は、
前記載置部を水平一方向に往復移動可能な水平駆動部と、
前記載置部を鉛直方向に往復移動可能な鉛直駆動部と
を備え、
前記複数の棚部分は、前記鉛直方向に複数段に渡って段毎に、前記水平駆動部により到達可能な水平位置に一又は複数設けられると共に、前記第1載置面との間で前記一の荷及び前記他の荷を夫々、相互に移載可能に構成されている第2載置面を夫々有し、
前記複数の棚部分のうち前記仮想出庫ポートの下段に位置する棚部分が、前記入庫ポートとして機能する
ことを特徴とする請求項1に記載の保管庫。
【請求項4】
前記複数の棚部分は、前記仮想出庫ポートとの間で、前記水平駆動部により相互に到達可能な水平位置に設けられている他の棚部分を更に含むことを特徴とする請求項3に記載の保管庫。
【請求項5】
前記制御部は、前記一の荷が前記搬送車から前記入庫ポートに移載されるまでに、前記載置部を前記他の棚部分に移動させ、前記他の荷を前記他の棚部分で支持させるように前記駆動手段を制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の保管庫。
【請求項6】
前記他の棚部分は、前記水平駆動部及び前記鉛直駆動部により到達可能な位置で、且つ前記仮想出庫ポートまで前記他の荷を移動させる時間が相対的に短時間である位置であることを特徴とする請求項4又は5に記載の保管庫。
【請求項7】
前記制御部は、前記一の荷が前記搬送車から前記入庫ポートに移載されるまでに、前記仮想出庫ポートと前記他の棚部分との間の空間に設定される待機位置に、前記他の荷を載置した状態にある前記載置部を移動させるように前記駆動手段を制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の保管庫。
【請求項8】
(i)一の荷及び他の荷を収容若しくは載置可能であり、前記搬送車から前記一の荷が移載される入庫ポートとして機能する一の棚部分を上側に含む上下方向に配列された複数の棚部分、(ii)前記一の荷及び前記他の荷を夫々、その底側から支持可能な第1載置面を有する載置部、並びに(iii)該載置部を前記複数の棚部分の相互間で移動可能であると共に、前記入庫ポートの上方であって前記搬送車の下方の空間に設定されており且つ前記棚部分が存在しない仮想出庫ポート及び前記複数の棚部分間で移動可能である駆動手段を備える保管庫と、前記一の荷及び前記他の荷を夫々昇降可能な搬送車との間で、前記一の荷の入庫及び前記他の荷の出庫を連続して行う入出庫方法であって、
前記仮想出庫ポートから前記載置部を退避させる又は退避させたままとしておくように前記駆動手段を制御する入庫準備工程と、
該入庫準備工程に続いて、前記搬送車から前記一の荷を前記入庫ポートへ移載することで、前記一の荷を前記保管庫へ入庫させる入庫工程と、
該入庫工程に続いて、前記仮想出庫ポートに、前記他の荷を載置した状態にある前記載置部を移動させるように前記駆動手段を制御する出庫準備工程と、
該出庫準備工程に続いて、前記仮想出庫ポートから前記他の荷を前記搬送車へ移載することで、前記他の荷を前記保管庫から出庫させる出庫工程と
を備え、
前記複数の棚部分及び前記駆動手段は、前記載置部が退避されると、前記一の荷が前記仮想出庫ポートを介して前記入庫ポートまで下降可能なように構成されている
ことを特徴とする入出庫方法。
【請求項9】
(i)一の荷及び他の荷を収容若しくは載置可能であり、前記他の荷が前記搬送車へ移載される出庫ポートとして機能する一の棚部分を上側に含む上下方向に配列された複数の棚部分、(ii)前記一の荷及び前記他の荷を夫々、その底側から支持可能な第1載置面を有する載置部、並びに(iii)該載置部を前記複数の棚部分の相互間で移動可能であると共に、前記出庫ポートの上方であって前記搬送車の下方の空間に設定されており且つ前記棚部分が存在しない仮想入庫ポート及び前記複数の棚部分間で移動可能である駆動手段を備える保管庫と、前記一の荷及び前記他の荷を夫々昇降可能な搬送車との間で、前記一の荷の入庫及び前記他の荷の出庫を連続して行う入出庫方法であって、
前記出庫ポートに、前記他の荷を載置した状態にある前記載置部を移動させ、該移動させた載置部から前記他の荷を前記出庫ポートに移載させるように前記駆動手段を制御する第1出庫準備工程と、
該第1出庫準備工程に続いて、前記仮想入庫ポートに、空荷の前記載置部を移動させるように前記駆動手段を制御する入庫準備工程と、
該入庫準備工程に続いて、前記搬送車から前記一の荷を前記仮想入庫ポートへ移載することで、前記一の荷を前記保管庫へ入庫させる入庫工程と、
該入庫工程に続いて、前記仮想入庫ポートから、前記載置部を退避させる又は退避させたままとしておくように前記駆動手段を制御する第2出庫準備工程と、
該第2出庫準備工程に続いて、前記出庫ポートから前記他の荷を前記搬送車へ移載することで、前記他の荷を前記保管庫から出庫させる出庫工程と
を備え、
前記複数の棚部分及び前記駆動手段は、前記載置部が退避されると、前記他の荷が前記出庫ポートから前記仮想入庫ポートを介して上昇可能なように構成されている
ことを特徴とする入出庫方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−154983(P2009−154983A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331815(P2007−331815)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(302059274)アシスト テクノロジーズ ジャパン株式会社 (146)
【Fターム(参考)】