説明

信号断検出回路、信号断検出方法及び光受信器

【課題】異なるビットレートの信号を時分割で受信した場合においても、ビットレートに関係なく信号断検出時のビットエラーレートを等しくし得る信号断検出回路を提供する。
【解決手段】信号断検出回路1は、複数のビットレートのそれぞれに固有の光受信レベルの閾値(201,601)を用い、信号入力部10の出力信号102に含まれる当該各ビットレートの信号についてその有無を検出する信号検出部(20,60)と、信号入力部10の出力信号102が複数のビットレートのいずれに属するかを判別するビットレート判別部70と、ビットレート判別部70で判別されたビットレートについて信号検出部(20,60)が信号の無を検出した場合に、信号断を示す信号(ローレベル電圧のLOS信号804)を出力する信号断アラーム生成部80と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のビットレートの信号を時分割で入力する光受信器に用いられる、信号断検出回路等に関する。
【背景技術】
【0002】
図5[1]は、関連技術1を示す回路図である。以下、この図面に基づき説明する。
【0003】
図5[1]に示す光受信器3は、信号入力部10と、信号断検出回路としての信号検出部20と、ポストアンプ30とを備えている。
【0004】
信号入力部10は、光受信フロントエンドとも呼ばれ、光信号101を電気信号に変換し、その電気信号を出力信号102として出力する。具体的に言えば、信号入力部10は、光信号101をフォトダイオード11で受光し電流に変換した信号を、抵抗器13と反転増幅器12とからなるトランスインピーダンスアンプ14にて電圧信号に変換し増幅する。信号検出部20は、トランスインピーダンスアンプ14の出力側に接続され、その出力信号102の電圧振幅を検出する振幅検出回路21と、振幅検出回路21の後段に接続され、振幅検出回路21の出力信号202と第一閾値(信号検出閾値)201とを入力するコンパレータ22とを備えている。コンパレータ22は、出力信号202が第一閾値201を超えていない場合に、出力信号203としてローレベル電圧からなるLOS(Loss Of Signal)信号を出力する。第一閾値201は、高ビットレート入力時に適した値に設定されている。ポストアンプ30は、トランスインピーダンスアンプ14の出力側に接続され、光信号101の受信パワー(出力信号102のレベル)に依らず一定の電圧振幅のデータ信号301を出力する。
【0005】
更に詳しく説明する。光受信器3は、一般のシングルレートに対応しており、受信信号が消失した場合のアラーム信号を発出する信号断検出機能を有している。信号入力部10は、光信号101を電流信号に変換するフォトダイオード11と、その電流信号を電圧信号に増幅変換するトランスインピーダンスアンプ14とで構成されている。信号断検出機能を実現する方法は、トランスインピーダンスアンプ14の出力信号102のピークを検出する振幅検出回路21により信号振幅の波高値を検出し、この波高値と外部で設定された検出閾値とを比較してアラーム信号を生成することにより、ある受信レベル以下を信号断として検出する方法が一般的である。この検出閾値レベルは、ビットエラーが多く発生するSN比が悪い微小信号レベル、例えば規格で定められているビットエラーレート10の−12乗に対し、10の−3乗以上といった値に対応する受信レベルに設定される。
【0006】
図5[2]は、関連技術2を示す回路図である。図6は、関連技術2における高速/低速各ビットレートにおける受信レベルとビットエラーレート(BER)との関係を示すグラフである。以下、これらの図面に基づき説明する。なお、図5[2]において図5[1]と同じ部分は同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【0007】
図5[2]に示す光受信器4は、信号入力部10と、信号断検出回路としての信号検出部20と、ポストアンプ30と、ローパスフィルタ40と、ポストアンプ50とを備えている。
【0008】
ローパスフィルタ40は、トランスインピーダンスアンプ14の出力側に接続され、低ビットレート入力時の信号振幅を損失させず、かつ、高域のノイズ成分をカットする。ポストアンプ50は、ローパスフィルタ40の出力側に接続され、光信号101の受信パワー(出力信号102のレベル)に依らず一定振幅のデータ信号501を出力する。
【0009】
更に詳しく説明する。最近の通信システムにおいて、サービス拡張に備え、複数のビットレートに対応した光受信器4の需要がある。複数のビットレートに対応させるには、各ビットレートに応じたローパスフィルタ40を設ける(あるビットレートにはローパスフィルタを設けないという選択も含む。)。この場合、ローパスフィルタ40は、各ビットレートに適した帯域が設定され、低いビットレートほど狭い帯域に設定される。ローパスフィルタ40により高域のノイズ成分がカットされるためSN比(Signal Noise ratio)が向上し、この結果、高速/低速各ビットレートにおける受信レベルとビットエラーレートの関係とは、図6に示すように異なる特性となる。図6は、ビットレートが低いほど受信可能範囲が低レベル側へ拡大する、すなわちビットレートが低いほど光受信レベルが小さくても受信可能であることを示している。
【0010】
なお、特許文献1にはマルチーレート受信器が開示され、特許文献2にはビットレート判別部が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−167312号公報
【特許文献2】特開2010−011011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図5[2]に示すように、複数のビットレートに対応した光受信器4は、それぞれのビットレートに応じ最適なローパスフィルタ40が設けられる。この場合、低ビットレートの信号ほど、狭帯域に設定されるため、高域ノイズ成分がカットされSN比が向上する。この結果、図6に示すように、高速/低速各ビットレートにおいて、異なるビットエラーレート特性が得られる。したがって、高ビットレート用に最適化した信号断検出回路(信号検出部20)を備えただけでは、低速動作時にエラーの生じない良好な受信レベルでも信号断を検出してしまう。あるいは、低速動作に最適化したSN比の極めて悪いレベルで信号断検出を行おうとすると、ノイズの影響により誤動作を生じやすい。これらの問題は、各ビットレートに共通する一つの閾値しか定められないため、各ビットレートごとに信号断検出時のビットエラーレートが異なることに起因する。
【0013】
そこで、本発明の目的は、異なるビットレートの信号を時分割で受信した場合においても、ビットレートに関係なく信号断検出時のビットエラーレートを等しくし得る信号断検出回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る信号断検出回路は、
光信号を電気信号に変換する信号入力部から複数のビットレートの信号を時分割で入力する光受信器に用いられる信号断検出回路であって、
前記複数のビットレートのそれぞれに固有の光受信レベルの閾値を用い、前記信号入力部の出力信号に含まれる当該各ビットレートの信号についてその有無を検出する信号検出部と、
前記信号入力部の出力信号が前記複数のビットレートのいずれに属するかを判別するビットレート判別部と、
このビットレート判別部で判別された前記ビットレートについて前記信号検出部が前記信号の無を検出した場合に、信号断を示す信号を出力する信号断アラーム生成部と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る信号断検出方法は、
光信号を電気信号に変換する信号入力部から複数のビットレートの信号を時分割で入力する光受信器に用いられる信号断検出方法であって、
前記複数のビットレートのそれぞれに固有の光受信レベルの閾値を用い、前記信号入力部の出力信号に含まれる当該各ビットレートの信号についてその有無を検出し、
前記信号入力部の出力信号が前記複数のビットレートのいずれに属するかを判別し、
判別された前記ビットレートについて前記信号の無が検出されている場合に、信号断を示す信号を出力する、
ことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る光受信器は、
本発明に係る信号断検出回路と、
前記信号入力部と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、各ビットレートに固有の閾値を用いて入力信号に含まれる各ビットレートの信号の有無を検出するとともに、その入力信号がいずれのビットレートに属するかを判別し、判別されたビットレートについて信号の無が検出されている場合に、信号断を示す信号を出力することにより、ビットレートに関係なく信号断検出時のビットエラーレートを等しくできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る一実施形態を示す回路図である。
【図2】図2[1]は実施形態における第一信号検出部を示す回路図であり、図2[2]は実施形態における第二信号検出部を示す回路図である。
【図3】実施形態の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】実施形態における高速/低速各ビットレートにおける受信レベルとビットエラーレート(BER)との関係を示すグラフである。
【図5】図5[1]は関連技術1を示す回路図であり、図5[2]は関連技術2を示す回路図である。
【図6】関連技術2における高速/低速各ビットレートにおける受信レベルとビットエラーレート(BER)との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いることにより、重複説明を省略する。
【0020】
図1は、本発明に係る一実施形態を示す回路図である。図2[1]は実施形態における第一信号検出部を示す回路図であり、図2[2]は実施形態における第二信号検出部を示す回路図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
【0021】
本実施形態の信号断検出回路1は、光信号101を電気信号に変換する信号入力部10から複数のビットレートの信号を時分割で入力する光受信器2に用いられる。すなわち、信号断検出回路1は、複数のビットレートのそれぞれに固有の光受信レベルの閾値(201,601)を用い、信号入力部10の出力信号102に含まれる当該各ビットレートの信号についてその有無を検出する信号検出部(20,60)と、信号入力部10の出力信号102が複数のビットレートのいずれに属するかを判別するビットレート判別部70と、ビットレート判別部70で判別されたビットレートについて信号検出部(20,60)が信号の無を検出した場合に、信号断を示す信号(ローレベル電圧のLOS信号804)を出力する信号断アラーム生成部80と、を備えたことを特徴とする。本実施形態の光受信器2は、信号断検出回路1と信号入力部10とを備えたことを特徴とする。ここでいう「時分割で入力する」とは、「時分割多重通信」に限定するものではなく、一つの回線をあるビットレートで使用した後に他のビットレートで使用する場合も含まれる。
【0022】
本発明によれば、各ビットレートに固有の閾値(201,601)を用いて入力信号(信号入力部10の出力信号102)に含まれる各ビットレートの信号の有無を検出するとともに、その入力信号がいずれのビットレートに属するかを判別し、判別されたビットレートについて信号の無が検出されている場合に、信号断を示す信号(ローレベル電圧のLOS信号804)を出力することにより、異なるビットレートの信号を時分割で受信しても、ビットレートに関係なく信号断検出時のビットエラーレートを等しくできる。
【0023】
まず、ビットレートに関係なくビットエラーレートを一つに定める。そして、各ビットレートにおける受信レベルとビットエラーレートとの関係に基づき、定めたビットエラーレートに対応する各ビットレートの受信レベル閾値を設定する。つまり、各ビットレートごとに閾値が異なることになる。しかし、低い閾値以上の受信レベルがあったとき、その低い閾値に対応するビットレートであるのか、高い閾値に対応するビットレートであるのか、判断できない。そこで、その入力信号がいずれのビットレートに属するかを判別し、判別されたビットレートについて信号の無が検出されている場合に、信号断を示す信号を出力する。
【0024】
本実施形態において、複数のビットレートは高ビットレート(第一ビットレート)と低ビットレート(第二ビットレート)との二つからなる。信号検出部は、信号検出部(第一信号検出部)20と、信号検出部(第二信号検出部)60とからなる。信号検出部20は、高ビットレートに固有の閾値として第一閾値201を有し、信号入力部10の出力信号102をフィルタを介することなく入力し、出力信号102に含まれる高ビットレートの信号の有無を第一閾値201に基づき検出する。信号検出部60は、低ビットレートに固有の閾値として第一閾値201よりも低い第二閾値601を有し、信号入力部10の出力信号102をローパスフィルタ(第一ローパスフィルタ)40を介して入力し、出力信号401に含まれる低ビットレートの信号の有無を第二閾値601に基づき検出する。
【0025】
ビットレート判別部70は、信号入力部10の出力信号(データ信号301)を一定時間遅延させる遅延回路71と、遅延回路71の出力信号702と信号入力部10の出力信号(データ信号301)とを入力する排他的論理和回路(以下「EXOR:EXclusive OR」という。)72と、EXOR回路72の出力信号703を入力するローパスフィルタ(第二ローパスフィルタ)73と、ローパスフィルタ73の出力信号704が第三閾値701を超えている場合に信号入力部10の出力信号102が高ビットレートに属することを示す信号(ハイレベル電圧の出力信号705)を出力し、ローパスフィルタ73の出力信号704が第三閾値701を超えていない場合に信号入力部10の出力信号102が低ビットレートに属することを示す信号(ローレベル電圧の出力信号705)を出力するコンパレータ74と、を備えている。なお、ビットレート判別部70が入力する信号入力部10の出力信号は、ポストアンプ30を介してデータ信号301となっている。
【0026】
信号断アラーム生成部80は、ビットレート判別部70で高ビットレートであると判別され、かつ信号検出部20で高ビットレートの信号の無が検出された場合、又は、ビットレート判別部70で低ビットレートであると判別され、かつ信号検出部60で低ビットレートの信号の無が検出された場合に、信号断を示す信号(ローレベル電圧のLOS信号804)を出力する。
【0027】
次に、本実施形態の信号断検出方法について説明する。
【0028】
本実施形態の信号断検出方法は、光信号101を電気信号に変換する信号入力部10から複数のビットレートの信号を時分割で入力する光受信器2に用いられる。本実施形態の信号断検出方法は、次のステップ1〜3を含む。複数のビットレートのそれぞれに固有の光受信レベルの閾値(201,601)を用い、信号入力部10の出力信号102に含まれる当該各ビットレートの信号についてその有無を検出するステップ1。信号入力部10の出力信号102が複数のビットレートのいずれに属するかを判別するステップ2。ステップ2で判別されたビットレートについて、ステップ1で信号の無が検出されている場合に、信号断を示す信号(ローレベルのLOS信号804)を出力するステップ3。
【0029】
複数のビットレートは、高ビットレートと低ビットレートとの二つからなる、としてもよい。このとき、ステップ1は、高ビットレートに固有の閾値として第一閾値201を用い、信号入力部10からの出力信号102をフィルタを介することなく入力し、出力信号102に含まれる高ビットレートの信号の有無を第一閾値201に基づき検出するステップ11と、低ビットレートに固有の閾値として第一閾値201よりも低い第二閾値601を用い、信号入力部10の出力信号102をローパスフィルタ40を介して入力し、出力信号401に含まれる低ビットレートの信号の有無を第二閾値601に基づき検出するステップ12とを含む、としてもよい。
【0030】
ステップ2は、信号入力部10の出力信号(データ信号301)を一定時間遅延させ、
この遅延した出力信号702と信号入力部10の出力信号(データ信号301)とをEXOR回路72に入力し、EXOR回路72の出力信号703をローパスフィルタ73に入力し、ローパスフィルタ73の出力信号704が第三閾値701を超えている場合に信号入力部10の出力信号102が高ビットレートに属すると判別し、ローパスフィルタ73の出力信号704が第三閾値701を超えていない場合に信号入力部10の出力信号102が低ビットレートに属すると判別する、としてもよい。
【0031】
ステップ3は、ステップ2で高ビットレートであると判別され、かつステップ1で高ビットレートの信号の無が検出された場合、又は、ステップ2で低ビットレートであると判別され、かつステップ1で低ビットレートの信号の無が検出された場合に、信号断を示す信号(ローレベルのLOS信号804)を出力する、としてもよい。
【0032】
次に、本実施形態の構成について更に詳しく説明する。
【0033】
本実施形態の光受信器2は、信号入力部10と、ホストアンプ(第一ポストアンプ)30と、ローパスフィルタ40と、ポストアンプ(第二ポストアンプ)50と、信号断検出回路1とを備えている。信号断検出回路1は、信号検出部20と、信号検出部60と、ビットレート判別部70と、信号断アラーム生成部80とを備えている。
【0034】
信号入力部10は、光信号101をフォトダイオード11で受光し電流に変換した信号を、抵抗器13と反転増幅器12とから成るトランスインピーダンスアンプ14にて電圧信号に変換かつ増幅し、出力信号102として出力する。信号検出部20は、トランスインピーダンスアンプ14の出力側に接続され、出力信号102の振幅を検出する振幅検出回路21と、振幅検出回路21の後段に接続され、振幅検出回路21の出力信号202と第一閾値(第一信号検出閾値)201とを入力するコンパレータ22とを備えている。第一閾値201は高ビットレート入力時に適した値に設定される。ポストアンプ30は、トランスインピーダンスアンプ14の出力側に接続され、光信号101の受信パワーに依らず電圧振幅一定のデータ信号301を出力する。ローパスフィルタ40は、トランスインピーダンスアンプ14の出力側に接続され、低ビットレート時の出力信号102の電圧振幅を損失させず、かつ、出力信号102から高域のノイズ成分をカットする。ポストアンプ50は、ローパスフィルタ40の出力側に接続され、光信号101の受信パワーに依らず電圧振幅一定のデータ信号501を出力する。
【0035】
信号検出部60は、ローパスフィルタ40の出力側に接続され、ローパスフィルタ40の出力信号401の振幅を検出する振幅検出回路61と、振幅検出回路61の出力信号602及び第二閾値(第二信号検出閾値)601を入力するコンパレータ62と、を備えている。第二閾値601は、低ビットレート入力時に適した値に設定される。
【0036】
ビットレート判別部70は、ポストアンプ30のデータ信号301を入力する遅延回路71と、ポストアンプ30のデータ信号301及び遅延回路71の出力信号702を入力するEXOR回路72と、EXOR回路72の出力信号703を入力するローパスフィルタ(第二ローパスフィルタ)73と、ローパスフィルタ73の出力信号704及び第三閾値(判別閾値)701を入力するコンパレータ74と、を備えている。
【0037】
信号断アラーム生成部80は、信号検出部20の出力信号203及びビットレート判別部70の出力信号705を入力する論理積(以下「AND」という。)回路81と、ビットレート判別部70の出力信号705を入力するインバータ82と、インバータ82の出力信号802及び信号検出部60の出力信号603を入力するAND回路83と、AND回路81の出力信号801及びAND回路83の出力信号803を入力しLOS信号804を出力する否定論理和(以下「NOR」という。)回路84と、を備えている。
【0038】
図3は、本実施形態の動作を示すタイミングチャートである。図4は、本実施形態における高速/低速各ビットレートにおける受信レベルとビットエラーレート(BER)との関係を示すグラフである。以下、図1乃至図4を用いて本実施形態の動作について説明する。
【0039】
図3は、図1に示す回路に、高ビットレートの信号と低ビットレートの信号とを入力し、それらの間に無入力区間を挟んだ場合のタイミングチャートを示す。また、高ビットレートの信号振幅は、第一閾値201を上回る電圧振幅を有する。一方、低ビットレートの信号振幅は、第一閾値201を下回り第二閾値601を上回る電圧振幅を有する。
【0040】
図3の1段目[1]は、トランスインピーダンスアンプ14の出力信号102を示している。トランスインピーダンスアンプ14の出力信号102は、信号入力部10が線形な特性であるため光信号101のパワーに比例した電圧信号となる。しかし、ここに示す電圧レベルは、信号断検出付近のSN比が低い小振幅の状態を表している。そのため、本来の出力信号102は、トランスインピーダンスアンプ14の抵抗器13が発生する熱雑音により、ノイズが重畳されている。例えば、信号断検出時のビットエラーレートを10の−3乗以下とする場合は、SN比が約2まで劣化した状態となる。ただし、この図ではノイズを無視している。
【0041】
2段目[2]は、信号検出部20内の前段に位置する振幅検出回路21の出力信号202を示している。振幅検出回路21は、ピーク検出回路等を用い、トランスインピーダンスアンプ14の出力信号102のピーク値に比例した信号を出力する。また、実線の直線は第一閾値201の電圧レベルを示しており、破線の直線は第二閾値601の電圧レベルを示している。振幅検出回路21では、信号成分とノイズ成分との識別ができるわけではないので、ノイズ成分も含んだピーク値を検出する。そのため、第二閾値601の電圧レベルはノイズフロアーに極めて近いので、第二閾値601による安定した検出動作はノイズにより不可能である。すなわち、信号検出部20にて第二閾値601に相当する閾値設定は不可能である。
【0042】
3段目[3]は、振幅検出回路21の後段に接続されるコンパレータ22の出力信号203に相当する信号検出部20の動作を示している。高ビットレート信号入力区間において、振幅検出回路21の出力信号202が第一閾値201を上回るため、その区間だけハイレベル電圧(論理ハイ)が出力される。一方、低ビットレート信号入力区間では、無信号と判断される。
【0043】
4段目[4]は、ローパスフィルタ40の出力信号401を示している。ローパスフィルタ40は、低ビットレートに最適化されている。そのため、低ビットレート入力信号に対しては信号振幅を維持する。一方、高ビットレート入力信号に対しては、帯域が不足しているため、入力パターンに依存した、信号振幅が不安定な波形となって出力される。
【0044】
5段目[5]は、信号検出部60内の前段に位置する振幅検出回路61の出力信号602を示している。振幅検出回路61も振幅検出回路21と同様の働きをする。直線は第二閾値601の電圧レベルを示している。
【0045】
6段目[6]は、振幅検出回路61の後段に接続されるコンパレータ62の出力信号603に相当する信号検出部60の動作を示している。低ビットレート信号入力区間においては、振幅検出回路61で安定した振幅の出力信号401が入力され、出力信号602が第二閾値601を上回るため、ハイレベル電圧(論理ハイ)が出力される。一方、高ビットレート信号入力区間においては、ハイレベルのビットが続けば、ローパスフィルタ40の出力信号401の振幅が大きくなるため、出力信号602が第二閾値601を上回る。しかし、ハイレベルとローレベルを繰り返すような入力パターンでは、出力信号401の振幅が小さくなるため、出力信号602が第二閾値601を下回る。そのため、高ビットレート信号を検出する動作は安定しない。ただし、図3に示した入力パターンにおいては、高ビットレート信号入力区間でも信号検出状態になるとした。
【0046】
7段目[7]から11段目[11]までは、ビットレート判別部70の状態を表しており、ビットレート判別部70にてビットレートの判定を行うとともに、判定した出力信号705により出力信号(信号検出信号)203,603の切換を行う。
【0047】
7段目は、ビットレート判別部70の入力信号となるポストアンプ30の出力信号(データ信号301)を示している。高ビットレート信号入力区間及び低ビットレート信号入力区間とも、一定振幅で出力されている。
【0048】
8段目[8]は、ポストアンプ30の出力側に接続された遅延回路71の出力信号702を示している。遅延量は高ビットレート信号の1ビット分に設定する。
【0049】
9段目[9]は、EXOR回路72の出力信号703を示している。高ビットレート信号入力区間では、入力信号パターンがランダムパターンに近い場合、出力信号パターンは入力信号パターンに近い状態で出力されるため、入出力間のマーク率に変化がない。一方、低ビットレート信号入力区間では、ハイレベルに遷移した直後及びローレベルに遷移した直後に、高ビットレートの1ビット分だけのパルス信号が出力されるだけであるため、マーク率はビットレートの比に比例して低下する。
【0050】
10段目[10]は、ビットレート判別部70のローパスフィルタ73の出力信号704を示している。また、直線は第三閾値701の電圧値を示している。EXOR回路72の出力信号703をローパスフィルタ73で平滑化することにより、出力信号704を得る。高ビットレート信号入力区間では、出力信号703のマーク率がデータ信号301のマーク率1/2に等しいため、出力信号704の電圧レベルは出力信号703の電圧レベルの平均値に等しい。一方、低ビットレート信号入力区間では、例えば低ビットレートと高ビットレートとの比が1:4であったとすると、出力信号703のマーク率が1/4となる。なぜなら、データ信号301のマーク率1/2÷4×2=1/4となるからである。よって、低ビットレート信号入力区間における出力信号704の電圧レベルは、高ビットレート信号入力区間における出力信号704の電圧レベルの半分となるので、高ビットレート信号入力区間における出力信号704の電圧レベルに対して、振幅(ハイレベル電圧とローレベル電圧との差)の1/4の電圧差が生じる。したがって、高ビットレート信号入力区間及び低ビットレート信号入力区間の各出力信号704の電圧レベルの中間値すなわち振幅の3/8の電圧に第三閾値701を設定することにより、安定したビットレートの判別が可能となる。
【0051】
11段目[11]は、コンパレータ74の出力信号705に相当するビットレート判別部70の動作を示している。出力信号705は、高ビットレート信号入力区間でハイ状態となり、その他でロー状態となる。
【0052】
12段目[12]は、信号断アラーム生成部80の出力信号であるLOS信号804を示している。AND回路81は、信号検出部20の出力信号203とビットレート判別部70の出力信号705との論理積をとるため、高ビットレート信号入力時の信号検出状態を示す出力信号801を出力する。AND回路83は、信号検出部60の出力信号603とビットレート判別部70の反転した出力信号802との論理積をとるため、低ビットレート信号入力時の信号検出状態を示す出力信号803を出力する。NOR回路84は、出力信号801,803双方の論理和を反転出力して、LOS信号804として出力する。
【0053】
これにより、図4に示すような、高低で異なるビットエラーレート特性となる二つのビットレートに対応した光受信器2において、高低で異なる閾値に設定された信号検出部20,60を備えることで、二つのビットレートの信号断検出時のビットエラーレートを等しく設定でき、更に、二つのビットレートのLOS信号の論理和をとることにより単一の信号断検出端子でアラーム信号を出力することを可能にする。
【0054】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0055】
1.複数のビットレートに対応する光受信器において、それぞれに最適な信号断検出閾値を設定できる。
2.各ビットレートに毎にビットエラーレート特性が異なっていても、信号断検出時のビットエラーレートを高い値に設定できるため、高い誤り率でも通信が可能になるFEC(forward error correction)機能に対応した光受信器に対応できる。
3.複数の信号検出部を備えても、複数のアラーム信号を制御する信号断アラーム生成部を備えることで、単一の信号断検出端子でアラームを発生させることができ、トランシーバの小型化が可能になる。
4.ビットレート判別部により、入力信号のビットレートを自動に判別できるため、ビットレートの外部制御が不要になる。
【0056】
本発明は、次のように言い換えることもできる。
【0057】
本発明は、複数の入力信号ビットレートに対応した光受信器において、ビットレート毎に最適化された信号断閾値を備えることにより、異なるビットレートの信号を受信した場合においても信号断検出時のビットエラーレートが等しくなる信号断検出動作を実現する。また、本発明は、入力ビットレート毎に最適化されたローパスフィルタを備えた受信回路のそれぞれのビットエラーレート特性に応じた信号断検出回路を有することで、異なる入力ビットレートにおいても信号断検出時のビットレートが均一になるような信号断検出動作を実現する。そして、入力ビットレートに適した信号断検出回路の出力信号をビットレート判別信号に基づき適宜選択することにより、単一のアラーム出力端子から信号断アラーム信号を発生する。
【0058】
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。例えば、受信可能な複数のビットレートは、高低の二種類としたが、これに限らず、三種類以上としてもよい。この場合は、上記実施形態の構成に準じて、信号検出部の数を三個以上に増やすとともに、ビットレート判別器で三種類以上のビットレートを検出する構成にすればよい。
【0059】
上記の実施形態の一部又は全部は以下の付記のようにも記載され得るが、本発明は以下の構成に限定されるものではない。
【0060】
[付記1]光信号を電気信号に変換する信号入力部から複数のビットレートの信号を時分割で入力する光受信器に用いられる信号断検出回路であって、
前記複数のビットレートのそれぞれに固有の光受信レベルの閾値を用い、前記信号入力部の出力信号に含まれる当該各ビットレートの信号についてその有無を検出する信号検出部と、
前記信号入力部の出力信号が前記複数のビットレートのいずれに属するかを判別するビットレート判別部と、
このビットレート判別部で判別された前記ビットレートについて前記信号検出部が前記信号の無を検出した場合に、信号断を示す信号を出力する信号断アラーム生成部と、
を備えたことを特徴とする信号断検出回路。
【0061】
[付記2]付記1記載の信号断検出回路であって、
前記複数のビットレートは、第一ビットレートとこの第一ビットレートよりも低い第二ビットレートとの二つからなり、
前記信号検出部は、
前記第一ビットレートに固有の前記閾値として第一閾値を有し、前記信号入力部の出力信号をフィルタを介することなく入力し、当該出力信号に含まれる前記第一ビットレートの信号の有無を前記第一閾値に基づき検出する第一信号検出部と、
前記第二ビットレートに固有の前記閾値として前記第一閾値よりも低い第二閾値を有し、前記信号入力部の出力信号を第一ローパスフィルタを介して入力し、当該出力信号に含まれる前記第二ビットレートの信号の有無を前記第二閾値に基づき検出する第二信号検出部とからなる、
ことを特徴とする信号断検出回路。
【0062】
[付記3]付記2記載の信号断検出回路であって、
前記ビットレート判別部は、
前記信号入力部の出力信号を一定時間遅延させる遅延回路と、
この遅延回路の出力信号と前記信号入力部の出力信号とを入力する排他的論理和回路と、
この排他的論理和回路の出力信号を入力する第二ローパスフィルタと、
この第二ローパスフィルタの出力信号が第三閾値を超えている場合に前記信号入力部の出力信号が前記第一ビットレートに属することを示す信号を出力し、前記第二ローパスフィルタの出力信号が前記第三閾値を超えていない場合に前記信号入力部の出力信号が前記第二ビットレートに属することを示す信号を出力するコンパレータと、
を備えたことを特徴とする信号断検出回路。
【0063】
[付記4]付記3記載の信号断検出回路であって、
前記信号断アラーム生成部は、前記ビットレート判別部で前記第一ビットレートであると判別され、かつ第一信号検出部で前記第一ビットレートの信号の無が検出された場合、又は、前記ビットレート判別部で前記第二ビットレートであると判別され、かつ第二信号検出部で前記第二ビットレートの信号の無が検出された場合に、前記信号断を示す信号を出力する、
ことを特徴とする信号断検出回路。
【0064】
[付記5]光信号を電気信号に変換する信号入力部から複数のビットレートの信号を時分割で入力する光受信器に用いられる信号断検出方法であって、
前記複数のビットレートのそれぞれに固有の光受信レベルの閾値を用い、前記信号入力部の出力信号に含まれる当該各ビットレートの信号についてその有無を検出し、
前記信号入力部の出力信号が前記複数のビットレートのいずれに属するかを判別し、
判別された前記ビットレートについて前記信号の無が検出されている場合に、信号断を示す信号を出力する、
ことを特徴とする信号断検出方法。
【0065】
[付記6]付記5記載の信号断検出方法であって、
前記複数のビットレートは、第一ビットレートとこの第一ビットレートよりも低い第二ビットレートとの二つからなり、
前記第一ビットレートに固有の前記閾値として第一閾値を用い、前記信号入力部からの出力信号をフィルタを介することなく入力し、当該出力信号に含まれる前記第一ビットレートの信号の有無を前記第一閾値に基づき検出し、
前記第二ビットレートに固有の前記閾値として前記第一閾値よりも低い第二閾値を用い、前記信号入力部の出力信号を第一ローパスフィルタを介して入力し、当該出力信号に含まれる前記第二ビットレートの信号の有無を前記第二閾値に基づき検出する、
ことを特徴とする信号断検出方法。
【0066】
[付記7]付記6記載の信号断検出方法であって、
前記信号入力部の出力信号を一定時間遅延させ、
この遅延した出力信号と前記信号入力部の出力信号とを排他的論理和回路に入力し、
この排他的論理和回路の出力信号を第二ローパスフィルタに入力し、
この第二ローパスフィルタの出力信号が第三閾値を超えている場合に前記信号入力部の出力信号が前記第一ビットレートに属すると判別し、前記第二ローパスフィルタの出力信号が前記第三閾値を超えていない場合に前記信号入力部の出力信号が前記第二ビットレートに属すると判別する、
ことを特徴とする信号断検出方法。
【0067】
[付記8]付記7記載の信号断検出方法であって、
前記第一ビットレートであると判別され、かつ前記第一ビットレートの信号の無が検出された場合、又は、前記第二ビットレートであると判別され、かつ前記第二ビットレートの信号の無が検出された場合に、信号断を示す信号を出力する、
ことを特徴とする信号断検出方法。
【0068】
[付記9]付記1乃至4のいずれか一つに記載の信号断検出回路と、
前記信号入力部と、
を備えたことを特徴とする光受信器。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、複数のビットレートの信号を時分割で入力する光受信器等に利用可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 信号断検出回路
2 光受信器
3 光受信器
4 光受信器
10 信号入力部
11 フォトダイオード
12 反転増幅器
13 抵抗器
14 トランスインピーダンスアンプ
101 光信号
102 出力信号
20 信号検出部(第一信号検出部)
21 振幅検出回路
22 コンパレータ
201 第一閾値
202 出力信号
203 出力信号
30 ポストアンプ
301 データ信号
40 ローパスフィルタ(第一ローパスフィルタ)
401 出力信号
50 ポストアンプ
501 データ信号
60 信号検出部(第二信号検出部)
61 振幅検出回路
62 コンパレータ
601 第二閾値
602 出力信号
603 出力信号
70 ビットレート判別部
71 遅延回路
72 EXOR回路
73 ローパスフィルタ(第二ローパスフィルタ)
74 コンパレータ
701 第三閾値
702 出力信号
703 出力信号
704 出力信号
705 出力信号
80 信号断アラーム生成部
81 AND回路
82 インバータ
83 AND回路
84 NOR回路
801 出力信号
802 出力信号
803 出力信号
804 LOS信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号を電気信号に変換する信号入力部から複数のビットレートの信号を時分割で入力する光受信器に用いられる信号断検出回路であって、
前記複数のビットレートのそれぞれに固有の光受信レベルの閾値を用い、前記信号入力部の出力信号に含まれる当該各ビットレートの信号についてその有無を検出する信号検出部と、
前記信号入力部の出力信号が前記複数のビットレートのいずれに属するかを判別するビットレート判別部と、
このビットレート判別部で判別された前記ビットレートについて前記信号検出部が前記信号の無を検出した場合に、信号断を示す信号を出力する信号断アラーム生成部と、
を備えたことを特徴とする信号断検出回路。
【請求項2】
請求項1記載の信号断検出回路であって、
前記複数のビットレートは、第一ビットレートとこの第一ビットレートよりも低い第二ビットレートとの二つからなり、
前記信号検出部は、
前記第一ビットレートに固有の前記閾値として第一閾値を有し、前記信号入力部の出力信号をフィルタを介することなく入力し、当該出力信号に含まれる前記第一ビットレートの信号の有無を前記第一閾値に基づき検出する第一信号検出部と、
前記第二ビットレートに固有の前記閾値として前記第一閾値よりも低い第二閾値を有し、前記信号入力部の出力信号を第一ローパスフィルタを介して入力し、当該出力信号に含まれる前記第二ビットレートの信号の有無を前記第二閾値に基づき検出する第二信号検出部とからなる、
ことを特徴とする信号断検出回路。
【請求項3】
請求項2記載の信号断検出回路であって、
前記ビットレート判別部は、
前記信号入力部の出力信号を一定時間遅延させる遅延回路と、
この遅延回路の出力信号と前記信号入力部の出力信号とを入力する排他的論理和回路と、
この排他的論理和回路の出力信号を入力する第二ローパスフィルタと、
この第二ローパスフィルタの出力信号が第三閾値を超えている場合に前記信号入力部の出力信号が前記第一ビットレートに属することを示す信号を出力し、前記第二ローパスフィルタの出力信号が前記第三閾値を超えていない場合に前記信号入力部の出力信号が前記第二ビットレートに属することを示す信号を出力するコンパレータと、
を備えたことを特徴とする信号断検出回路。
【請求項4】
請求項3記載の信号断検出回路であって、
前記信号断アラーム生成部は、前記ビットレート判別部で前記第一ビットレートであると判別され、かつ第一信号検出部で前記第一ビットレートの信号の無が検出された場合、又は、前記ビットレート判別部で前記第二ビットレートであると判別され、かつ第二信号検出部で前記第二ビットレートの信号の無が検出された場合に、前記信号断を示す信号を出力する、
ことを特徴とする信号断検出回路。
【請求項5】
光信号を電気信号に変換する信号入力部から複数のビットレートの信号を時分割で入力する光受信器に用いられる信号断検出方法であって、
前記複数のビットレートのそれぞれに固有の光受信レベルの閾値を用い、前記信号入力部の出力信号に含まれる当該各ビットレートの信号についてその有無を検出し、
前記信号入力部の出力信号が前記複数のビットレートのいずれに属するかを判別し、
判別された前記ビットレートについて前記信号の無が検出されている場合に、信号断を示す信号を出力する、
ことを特徴とする信号断検出方法。
【請求項6】
請求項5記載の信号断検出方法であって、
前記複数のビットレートは、第一ビットレートとこの第一ビットレートよりも低い第二ビットレートとの二つからなり、
前記第一ビットレートに固有の前記閾値として第一閾値を用い、前記信号入力部からの出力信号をフィルタを介することなく入力し、当該出力信号に含まれる前記第一ビットレートの信号の有無を前記第一閾値に基づき検出し、
前記第二ビットレートに固有の前記閾値として前記第一閾値よりも低い第二閾値を用い、前記信号入力部の出力信号を第一ローパスフィルタを介して入力し、当該出力信号に含まれる前記第二ビットレートの信号の有無を前記第二閾値に基づき検出する、
ことを特徴とする信号断検出方法。
【請求項7】
請求項6記載の信号断検出方法であって、
前記信号入力部の出力信号を一定時間遅延させ、
この遅延した出力信号と前記信号入力部の出力信号とを排他的論理和回路に入力し、
この排他的論理和回路の出力信号を第二ローパスフィルタに入力し、
この第二ローパスフィルタの出力信号が第三閾値を超えている場合に前記信号入力部の出力信号が前記第一ビットレートに属すると判別し、前記第二ローパスフィルタの出力信号が前記第三閾値を超えていない場合に前記信号入力部の出力信号が前記第二ビットレートに属すると判別する、
ことを特徴とする信号断検出方法。
【請求項8】
請求項7記載の信号断検出方法であって、
前記第一ビットレートであると判別され、かつ前記第一ビットレートの信号の無が検出された場合、又は、前記第二ビットレートであると判別され、かつ前記第二ビットレートの信号の無が検出された場合に、信号断を示す信号を出力する、
ことを特徴とする信号断検出方法。
【請求項9】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の信号断検出回路と、
前記信号入力部と、
を備えたことを特徴とする光受信器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−114738(P2012−114738A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262792(P2010−262792)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】