説明

信号送信回路

【課題】 チップ間で送受信される複数のデータ信号間の位相差を補正する信号送信回路および信号送信方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の信号送信回路は、データ信号を出力する出力端子101〜103と、複数の出力端子から出力される各データ信号の位相を遅延させる第1〜第3の遅延部11〜13と、第1〜第3の遅延部11〜13に遅延値を設定する遅延値設定部14と、第1〜第3の遅延部11〜13から出力される各データ信号間の位相差を計測して、位相差情報を出力する位相差検出部15と、位相差情報に基づいて、第1〜第3の遅延部11〜13がデータ信号の位相を遅延する際に用いる遅延値の補正値を算出する補正値算出部16とを備え、遅延値設定部14は、前記補正値に基づいて第1〜第3の遅延部の各遅延値を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ間で送受信される複数のデータ信号の送信を行う信号送信回路および信号送信方法に関し、特に、送信する複数のデータ信号間の位相差を補正する信号送信回路および信号送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LSIと基板との間、またはLSI間などのチップ間で複数のデータ信号を送受信する回路が提案されていた。図15は、従来の信号送信回路および信号受信回路の構成図である。
【0003】
図15において、信号送信回路100は、データ信号S101〜S103を出力するための出力端子101〜103を有する。また、信号受信回路104は、データ信号S101〜S103を受信するための入力端子105〜107と、受信したデータ信号S104〜S106を処理して、処理データ信号S107を出力するデータ処理部108を有する。
【0004】
このように、従来の、チップ間でのデータ信号の送受信方法では、信号送信回路100から出力されるデータ信号S101〜S103が、そのまま信号受信回路104で受信され、デコード処理部108で処理される。
【特許文献1】特開2000−276736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の、チップ間でのデータ信号の送受信方法では、チップ間で送信される複数のデータ信号間に位相差が生じた場合、信号受信回路104のデコード処理部108でデータ信号を正確に処理できなくなるという問題が生じた。さらに、データ信号の処理が高速になると、データ信号間の位相差が大きくなるので、信号受信回路104で正確にデータを受信することができないという問題が生じた。
【0006】
よって、本発明は、チップ間で送受信されるデータ信号の送信を行う際に、送信する複数のデータ信号間の位相差を補正する信号送信回路、および信号送信方法を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る信号送信回路は、LSIと基板との間、またはLSI間で送受信される複数のデータ信号を送信する信号送信回路において、前記データ信号の位相を遅延値に基づいて遅延する複数の遅延部と、前記複数の遅延部によって遅延させられた複数のデータ信号を送信するデータ送信部と、前記複数の遅延部に前記遅延値を設定する遅延値設定部と、前記複数の遅延部から出力されるデータ信号間の位相差を検出して、位相差情報を出力する位相差検出部と、前記位相差情報に基づいて、前記複数の遅延部が前記データ信号の位相を遅延する際に用いる前記遅延値の補正値を算出する補正値算出部とを備え、前記遅延値設定部は、前記補正値に基づいて前記複数の遅延部に設定する前記遅延値を補正することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る信号送信回路は、前記信号送信回路において、前記遅延部は、前記データ信号を遅延する複数段の遅延素子と、前記遅延値設定部から出力される遅延値に基づいて、前記データ信号の遅延に用いる前記遅延素子の段数を選択する遅延選択部とを備えること特徴とする。
【0009】
本発明に係る信号送信回路は、前記信号送信回路において、前記遅延部は、所定の電圧値を与えることによって前記データ信号を遅延する電圧制御型遅延素子と、前記遅延値設定部から出力される前記遅延値を、前記電圧制御型遅延素子を制御するための電圧値に変換する電圧制御部とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る信号送信回路は、前記信号送信回路において、前記位相差検出部は、前記複数の遅延部から出力されるデータ信号を入力し、前記遅延部に設定される遅延値を固定することによって位相を固定させた第1のデータ信号と、前記遅延部に設定される前記遅延値を変化させることによって位相を変化させた第2のデータ信号とを選択して出力するデータ信号選択部と、前記第1のデータ信号と前記第2のデータ信号との位相差を示す位相差パルスを出力する位相差パルス生成部と、前記位相差パルスをクロックとして、カウント動作を行うカウント部とを備え、前記補正値算出部は、前記カウント部が出力するカウント値を格納する位相差格納部と、前記位相差格納部に格納されたカウント値を読み出し、前記カウント値が最小となる時に前記第2のデータ信号の位相を変化させるために用いられた前記遅延値を前記遅延値設定部から取得して、取得した遅延値を前記第2のデータ信号に対する遅延値の補正値として出力する位相差補正値算出部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る信号送信回路は、前記信号送信回路において、前記データ信号の位相差を検出するための位相差計測用パルス信号を生成するパルス生成部をさらに備え、前記複数の遅延部はそれぞれ、前記位相差計測用パルス信号を前記遅延値設定部によって設定される遅延値に基づいて遅延し、前記位相差検出部は、前記複数の遅延部によって遅延させられた複数の前記位相差計測用パルス信号を入力して、いずれか1つの位相差計測用パルス信号を選択する信号選択部と、前記信号選択部によって選択された位相差計測用パルス信号を位相差検出用の遅延値に基づいて遅延する位相差計測用遅延部と、前記パルス信号遅延部の出力信号の変化点を検出する波形検出部とを備え、前記位相補正値算出部は、前記波形検出部が信号の変化点を検出した時に前記位相差計測用遅延部に設定されていた遅延値を格納する検出位置格納部と、前記検出位置格納部に格納された位相差検出用の遅延値を取得し、取得した遅延値のうちの最小の遅延値を基準にして、該基準となる遅延値とその他の位相差検出用の遅延値との差分値から、前記複数の遅延部のそれぞれに設定される遅延値の補正値を算出する位相差補正値算出部とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る信号送信方法は、LSIと基板との間、またはLSI間で送受信される複数のデータ信号を送信する信号送信方法において、前記データ信号の位相をデータ信号用の遅延値に基づいて遅延させる遅延ステップと、前記遅延ステップにて遅延させられたデータ信号を送信する送信ステップと、前記遅延ステップにて用いられる遅延値を設定する遅延設定ステップと、前記遅延ステップにて遅延させられたデータ信号間の位相差を検出して、位相差情報を生成する位相差検出ステップと、前記位相差情報に基づいて、前記データ信号の位相を遅延する際に用いる前記データ信号用の遅延値の補正値を算出する補正値算出ステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る信号送信方法は、前記信号送信方法において、前記位相差検出ステップは、前記遅延ステップにて遅延させられた複数のデータ信号の中から2つのデータ信号を選択する信号選択ステップと、前記選択されたデータ信号のうちの一方のデータ信号の位相を固定し、他方のデータ信号の位相を前記データ信号用の遅延値に基づいて変化させながら、データ信号間の位相差を検出し、該位相差を示す位相差パルスを生成する位相差パルス生成ステップと、前記位相差パルスをクロックとして、カウント動作を行う計測ステップとを含み、前記補正値算出ステップは、前記計測ステップで計測されたカウント値を格納する格納ステップと、前記格納ステップで格納されたカウント値が最小となる時に、前記他方のデータ信号の位相を変化させるために用いられた前記データ信号用の遅延値を取得して、取得した遅延値を、前記他方のデータ信号に対するデータ信号用の遅延値の補正値とする位相補正値算出ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る信号送信方法は、前記信号送信方法において、前記位相差検出ステップは、前記送信ステップにて送信される複数のデータ信号からいずれか1つのデータ信号を選択する信号選択ステップと、前記選択されたデータ信号の位相差を計測するための位相差計測用パルス信号を生成するパルス信号生成ステップと、前記位相差計測用パルス信号を位相差計測用の遅延値に基づいて遅延するパルス信号遅延ステップと、前記遅延させられた位相差計測用パルス信号の変化点を検出する波形検出ステップとを含み、前記補正値算出ステップは、前記波形検出ステップにて信号の変化点が検出された時に前記パルス信号遅延ステップにて用いられた位相差計測用の遅延値を取得する取得ステップと、前記取得された遅延値のうちの最小の遅延値を基準にし、該基準となる遅延値とその他の位相差検出用の遅延値との差分値から、前記遅延ステップにて用いられるデータ信号用の遅延値の補正値を算出する位相補正値算出ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の信号送信回路によれば、LSIと基板との間、またはLSI間で送受信される複数のデータ信号の位相を遅延値に基づいて遅延する複数の遅延部と、前記複数の遅延部によって遅延させられた複数のデータ信号を送信するデータ送信部と、前記複数の遅延部に前記遅延値を設定する遅延値設定部と、前記複数の遅延部から出力されるデータ信号間の位相差を検出して、位相差情報を出力する位相差検出部と、前記位相差情報に基づいて、前記複数の遅延部が前記データ信号の位相を遅延する際に用いる前記遅延値の補正値を算出する補正値算出部とを備え、前記遅延値設定部は、前記補正値に基づいて前記複数の遅延部に設定する前記遅延値を補正するようにしたことから、送信する複数のデータ信号間の位相差を補正して、正確なデータ転送を行うことができる。
【0016】
本発明の信号送信方法によれば、LSIと基板との間、またはLSI間で送受信される複数のデータ信号の位相をデータ信号用の遅延値に基づいて遅延させる遅延ステップと、前記遅延ステップにて遅延させられたデータ信号を送信する送信ステップと、前記遅延ステップにて用いられる遅延値を設定する遅延設定ステップと、前記遅延ステップにて遅延させられたデータ信号間の位相差を検出して、位相差情報を生成する位相差検出ステップと、前記位相差情報に基づいて、前記データ信号の位相を遅延する際に用いる前記データ信号用の遅延値の補正値を算出する補正値算出ステップとを含むことから、送信する複数のデータ信号間の位相差を補正して、正確なデータ転送を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図14を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る信号送信回路の一構成例を示す図である。図15の信号送信回路と同一構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0018】
図1において、信号送信回路10は、第1の遅延部11と、第2の遅延部12と、第3の遅延部13と、遅延値設定部14(例えば、CPU)と、位相差検出部15と、補正値算出部16と、出力端子101〜103とを備える。ここで、信号受信回路104は、図15に示す従来のものと同一であるため、説明を省略する。
【0019】
信号送信回路10では、送信するデータ信号S101〜S103の位相を第1〜第3の遅延部11〜13で遅延して、データ信号S108〜S110として出力する。第1〜第3の遅延部11〜13には、遅延値設定部14によって、各データ信号に与える遅延値S111〜S113が設定されている。また、データ信号S108〜S110間の位相差を位相差検出部15で検出し、位相差検出部15が出力する位相差情報S114に基づいて、データ信号S108〜S110のそれぞれに与えられる遅延値の補正値を補正値算出部16で算出する。遅延値設定部14は、補正値算出部16からの補正値S115〜S117に基づいて、第1〜第3の遅延部11〜13に設定する遅延値を補正する。遅延値設定部14は、第1〜第3の遅延部11〜13に、初期状態では遅延値を与えないようし、各データ信号間で伝達時間にばらつきが生じ、そのばらつきを補正する場合に各データ信号に与える遅延値を設定する。以上のような動作により、信号送信回路10は、信号受信回路104に送信するデータ信号間の位相を任意に調整できる。
【0020】
以下、第1〜第3の遅延部11〜13の構成例について、第1の遅延部11を例に挙げて詳細に説明する。なお、第2の遅延部12および第3の遅延部13は、第1の遅延部11と同様の構成であるので、説明を省略する。
【0021】
図2は、第1の遅延部11の一構成例を示す図である。図2において、第1の遅延部11は、複数段の遅延素子21と、データ信号S101に対して任意の遅延値を与えるための遅延選択部22とを備える。遅延選択部22は、遅延値設定部14からの遅延値S111に基づいて、データ信号S101を遅延する各遅延素子21の出力の中から、所定の遅延素子の出力を選択する。これにより、選択された遅延素子の段数分だけデータ信号S101を遅延したデータ信号S108を出力できる。ここで、遅延素子21の個数は、データ信号を遅延させる所与の遅延量に応じて、任意に設定される。
【0022】
図3は、第1の遅延部11の別の構成例を示す図である。図3において、第1の遅延部11は、電圧制御型遅延部31と電圧制御部32とを備える。電圧制御型遅延部31は、データ信号S101に任意の電圧値を与えることで、データ信号S101を遅延して、データ信号S108を出力する。電圧制御型遅延部の例としては、特開2000−276736号に記載された遅延素子が挙げられる。電圧制御部32は、遅延値設定部14からの遅延値S111をアナログ信号S118に変換するD/A変換器33と、アナログ信号S118を反転させるアナログ電圧極性反転回路34とを備え、アナログ信号S118とアナログ反転信号S119とを電圧制御型遅延部31の制御電圧とする。これにより、遅延値S111に基づいてデータ信号S101に与えられる電圧値を制御する。
【0023】
次に、位相差検出部15と補正値算出部16の構成と動作について図4〜図6を用いて詳細に説明する。図4は位相差検出部15及び補正値算出部16の一構成例を示す図である。図5、図6は、図4に示す位相差検出部15の動作を説明するための図である。
【0024】
図4において、位相差検出部15は、信号選択部41と位相差パルス生成部42と第1のカウンタ部43とを備える。信号選択部41は、第1〜第3の遅延部11〜13からのデータ信号S108〜S110を入力し、外部からの選択制御信号S121に基づいて、2つのデータ信号を選択し、データ信号S122とデータ信号S123とを出力する。ここで、データ信号S122はその位相が固定された信号であり、データ信号S123は、遅延値設定部14が遅延部(第1〜第3の遅延部11〜13)に設定する遅延値を変更することによって、立上がりエッジ及び立下がりエッジの両方、又はいずれか一方の位相が変化させられた信号であることとする。位相差パルス生成部42は、データ信号S122とデータ信号S123との位相差を位相差パルス信号S124として出力する。前段の遅延部で位相を変化させたデータ信号がデータ信号S123として選択されていることから、遅延値設定部14が遅延部に設定する遅延値に応じて、データ信号S122とデータ信号S123との位相差を示すパルスの幅は変化する。第1のカウンタ部43は、フリップフロップであり、位相差計測区間制御信号S125がHighの区間、位相差パルス信号S124をクロックとしてカウント動作を行い、カウント値(図5では、「100」)を位相差情報S114として補正値算出部16に出力する。
【0025】
位相差検出部15は、以上のような位相差検出動作を遅延値の設定が変更される毎に、位相差計測区間制御信号S125がHighの区間行う。データ信号S122とデータ信号S123との位相差は、データ信号S123に対する遅延値が変化することで、変化する。そして、位相差パルス信号S124のパルス幅が小さくなるにつれ、第1のカウンタ部43によるカウンタ値は小さくなる。位相差パルス幅が0に近づくにつれ、フリップフロップである第1のカウンタ部43が位相差パルス信号S124をクロックとして認識できなくなり、位相差が0になるとカウンタ値も0になる。
【0026】
図6は、遅延値0〜n(0<n)に対するカウント値をプロットした場合のグラフ図である。図6に示すように、遅延値が「0」のとき、カウンタ値は最大になる。そして、遅延値を変化させていくと、徐々にカウンタ値が小さくなり、「0」になる。さらに、遅延値を変化させると、カウンタ値は大きくなる。
【0027】
第1のカウンタ部43が出力するカウンタ値は補正値算出部16の位相差格納部44に格納される。位相補正値算出・格納部46は、第1のカウンタ部43が出力した最小のカウンタ値を格納していて、位相差格納部44に格納されたカウンタ値S126を読み出し、読み出したカウンタ値S126と格納しているカウンタ値とを比較する。そして、読み出したカウント値の方が小さければ、カウント値S126を最小カウンタ値として更新すると共に、このときに、データ信号S123として選択されたデータ信号(データ信号S108〜S110のいずれか)に与えられた遅延値S127を遅延値設定部14から取得し、取得した遅延値を、補正値(補正値S115〜S117)として遅延値設定部14に出力する。遅延値設定部14は、これらの補正値を第1〜第3の遅延部11〜13に設定する遅延値とする。
【0028】
一方、読み出したカウンタ値と格納しているカウンタ値が同じ場合、位相補正値算出・格納部46は、第2のカウンタ部45を制御して、同じカウンタ値が出力される遅延値の範囲をカウントさせる。計測後、位相補正値算出・格納部46は、読み出したカウンタ値に対応する遅延値を遅延値設定部14から取得して、第2のカウンタ部45のカウント結果と取得した遅延値とから最終的な遅延値を算出する。
【0029】
読み出したカウンタ値と格納しているカウンタ値が同じになるのは、位相差パルスの幅が「0」のとき、フリップフロップである第1のカウンタ部43のカウンタ値が「0」になることが理想であるが、位相差パルスの幅がクロックとしてフロップフロップで認識できないほど小さくなった場合も、カウンタ値は「0」になり、カウンタ値が「0」になる遅延値が複数存在することになるからである。
【0030】
この場合の遅延値の算出方法の具体例について図6を用いて説明する。この場合、補正値算出部16では、カウンタ値が「0」となる遅延値の計測範囲を第2のカウンタ部45でカウントし、位相補正値算出・格納部46で第2のカウンタ部45のカウント結果「2a」の半分の値「a」を、遅延値設定部14から取得した遅延値に加算して、加算値を最終的な補正値として、遅延値設定部14に出力する。
【0031】
図7は、位相差検出部15の別の構成例を示す図である。図7に示す位相差検出部は、図4に示す位相差検出部の第1のカウンタ部43に代えて、位相差パルス信号S124のパルス幅を計測する手段として、積分回路51を備えることを特徴とする。その他の構成ついては、図4の示す位相差検出部と同様であるので、説明を省略する。
【0032】
図8は、積分回路51の動作を説明するための図である。積分回路51は、ローパスフィルタ(LPF)52とA/D変換器53とを備える。LPF52は、位相差パルス信号S124のDUTYのDC成分VOを抽出する。位相差パルス幅が小さい場合、LPF52が抽出するDC成分VOも小さくなり、位相差パルス幅が大きくなると、DC成分も大きくなる。このように変化するDC成分をA/D変換器53でA/D変換することで、位相差パルス幅の計測結果を数値として求めることができる。
【0033】
図9は、位相差検出モード時に信号送信回路10が行っていた動作をプログラムにして、当該プログラムをコンピュータの中央演算装置(CPU)等によりソフトウェア処理で実行する場合のフロー図である。
【0034】
図9において、まず、チップ間で送信が行われる複数のデータ信号のうちの、2つのデータ信号を選択する(ステップS901)。次に、ステップS901で選択されたデータ信号の一方の位相を予め用意した任意の遅延値に基づいて遅延させて、位相を変化させる(ステップS902)。次に、選択された2つのデータ信号間の立上りエッジ及び立下りエッジの両方またはいずれか一方の位相差を検出し、位相差パルス信号を生成する(ステップS903)。次に、位相差パルス信号をクロックとして、カウント動作を行う(ステップS904)。次に、ステップS904のカウント結果を格納する(ステップS905)。次に、予め用意された全ての遅延値を用いてデータ信号の位相を変化させたかを判断する(ステップS906)。ステップS906の判定結果が「Yes」の場合、格納したカウント値のうちの最もカウント値が小さい時に設定されていた遅延値を、ステップS902で位相を変化させたデータ信号に与えられる遅延値の補正値とする(ステップS907)。一方、ステップS906の判定結果が「No」の場合は、ステップS902に処理を戻る。次に、ステップS907の処理後、送信される全てのデータ信号について、補正値が算出されたかを判定し(ステップS908)、補正値が算出されている場合は、処理を終了し、補正値が算出されていない場合は、ステップS901に戻る。
【0035】
以上のように本実施の形態1に係る信号送信回路は、データ信号を出力する出力端子101〜103と、複数の出力端子から出力される各データ信号の位相を遅延させる第1〜第3の遅延部11〜13と、第1〜第3の遅延部11〜13に遅延値を設定する遅延値設定部14と、第1〜第3の遅延部11〜13から出力される各データ信号間の位相差を計測して、位相差情報を出力する位相差検出部15と、位相差情報に基づいて、第1〜第3の遅延部11〜13がデータ信号の位相を遅延する際に用いる遅延値の補正値を算出する補正値算出部16とを備え、遅延値設定部14は、前記補正値に基づいて第1〜第3の遅延部に設定される各遅延値を補正するようにした。これにより、本実施の形態1に係る信号送信回路によれば、送信するデータ信号間の位相差を補正して、正確なデータ転送を行うことができる。
【0036】
なお、実施の形態1では、信号送信回路10から送信される3つのデータ信号を3つの遅延部で遅延する場合について、説明したが、本発明はこれに限るものではなく、複数ののデータ信号を、複数の遅延部で遅延するものである。
【0037】
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2に係る信号送信回路の構成例を示す図である。図1に示す信号送信回路10と同一の構成要素については、同一符号を付し、説明を省略する。図10において、信号送信回路20は、第1〜第3の遅延部11〜13と、遅延値設定部14と、第1〜第3の回路61〜63と、微小パルス生成部64と、第1〜第3のセレクタ65〜67と、位相差検出部25と、補正値算出部26と備える。
【0038】
まず、信号生成回路20の通常モード時の動作について説明する。
通常モード時には、セレクタ65がパルス信号S131を選択して第1の回路61に、セレクタ66がパルス信号S132を選択して第2の回路62に、セレクタ67がパルス信号S133を選択して第3の回路63に、出力する。
【0039】
第1の回路61は、パルス信号S131を入力して、信号送信回路20から送信されるデータ信号S101を生成する。例えば、光ディスクにデータを記録する際のレーザ波形を示す記録パルス信号をデータ信号として出力する。この場合、第1の回路61は、データ信号S101を構成する様々な波形のパルス信号S131を入力し、光ディスクの種類や、記録するデータの長さに応じて、出力するパルスを選択して、データ信号として記録パルス信号を出力する。同様に、第2の回路62はパルス信号S132を選択制御してデータ信号S102を出力し、第3の回路63は、パルス信号S133を選択制御して、データ信号S103を出力する。このような動作を行う第1〜第3の回路61〜63は、例えば、NAND回路で構成される。
【0040】
第1の遅延部11は、第1の回路61から出力されるデータ信号S101を、遅延値S111に基づいて遅延して、遅延したデータ信号S108を信号送信回路20の送信データ信号として出力する。第2の遅延部12はデータ信号S102を遅延設定値112に基づいて遅延して、データ信号S109を出力し、第3の遅延部13はデータ信号S103を遅延設定値113に基づいて遅延して、データ信号S110を出力する。
【0041】
次に、位相差計測モード時の動作について説明する。
位相差計測モード時には、微小パルス生成部64にタイミング信号S134(クロック信号)が入力される。微小パルス生成部64は、タイミング信号S134に基づいて、所定幅Δtの位相差検出用の微小パルス信号S135を生成して、出力する。ここで、パルス幅Δtは、フリップフロップで取り込むことのできる幅とする。微小パルス生成部64としては、例えば、図11に示すフリップフロップが挙げられる。このフリップフロップは、タイミング信号S134を遅延して信号S136を生成し、タイミング信号S134と信号S136の立ち上がり及び立下がりエッジの位相差を示すパルス信号を、微小パルス信号S135として出力する。微小パルス信号S135はセレクタ65〜67に入力される。
【0042】
セレクタ65〜67は、位相差計測区間制御信号S125を入力し、この信号がHighの区間のとき、すなわち、位相差計測モード時に、微小パルス信号S135を選択して、出力する。
【0043】
第1の遅延部11は、微小パルス信号S135を、第1の回路61を介して入力し、遅延値S111に基づいて遅延する。また、第2の遅延部12は、微小パルス信号S135を、第2の回路62を介して入力し、遅延値S112に基づいて遅延し、第3の遅延部13は、微小パルス信号S135を、第3の回路63を介して入力し、遅延値S113に基づいて遅延する。
【0044】
以上のようにして、第1〜第3の遅延部13のそれぞれで遅延させられた微小パルス信号S135は、データ信号S108〜S110として、位相差検出部25に入力される。位相差検出部25はデータ信号S108〜S110の位相差を検出して位相差情報S137を出力し、補正値算出部26は位相差情報S137に基づいて各データ信号に対する遅延設定値の補正値を算出する。
【0045】
以下、位相差検出部25と補正値算出部26の構成及び動作について図12、図13を用いて詳細に説明する。図12は、位相差検出部25と補正値算出部26の一構成例を示す図である。図13は、位相差検出部25と補正値算出部26の動作を説明するための信号波形図である。
【0046】
位相差検出部25は、信号選択部71と、遅延部72と、波形検出部73とを備える。信号選択部71は、第1〜第3の遅延部11〜13からのデータ信号S108〜S110を入力し、選択制御信号S121に基づいて、いずれか1つのデータ信号S141を選択する。遅延部72は、遅延値を初期値「0」から順に変化させながら、選択されたデータ信号S141を遅延する。ここで、遅延値は遅延値設定部14から設定されることとする。波形検出部73は、遅延が与えられたデータ信号S142の変化点を検出する。波形検出部73は、タイミング信号S134をクロックとして用いるフリップフロップであり、クロックの立上り時にデータ信号S142がHighであれば、Highの検出パルス信号S137を出力し、データ信号S142がLowであれば、Lowの検出パルス信号S137を出力する。検出パルス信号S137は、位相差情報として補正値算出部26に入力される。以上のような動作を、信号選択部71に入力された全てのデータ信号に対して行う。
【0047】
補正値算出部26は、検出位置格納部74と、位相補正値算出部75とを備える。検出位置格納部74は、検出パルス信号S137と選択制御信号S121を入力し、検出パルス信号S137がHighの時に、選択されたデータ信号S141に遅延を与えるために遅延部72に設定されていた遅延値S146(図13では「5」)を遅延値設定部14から取得し、格納する。本実施の形態2では、3つのデータ信号に対して位相差検出を行うため、検出位置格納部74には3つの値が格納されることになる。位相補正値算出部75は、データ信号S108に対して検出された遅延値S143をD1、データ信号S109に対して検出された遅延値S144をD2、データ信号S110に対して検出された遅延値S145をD3とした場合、D1〜D3の中で一番値の小さい遅延値を基準にして、基準遅延値と残りの2つの遅延値とのそれぞれ差分値を、データ信号の遅延に用いる遅延値の補正値として出力する。例えば、D1<D2<D3で、D2=D1+3、D3=D1+5とした場合、データ信号S108の位相を遅延する第1の遅延部11に設定する遅延値の補正値は±0、データ信号S109の位相を遅延する第2の遅延部12に設定する遅延値の補正値は+3、データ信号S110の位相を遅延する第3の遅延部13に設定する遅延値の補正値は+5となる。以上のようにして生成された補正値S138〜S140は、遅延値設定部14に出力され、遅延値設定部14はそれぞれの補正値に基づいて、各遅延部に設定する遅延値を補正する。すなわち、入力した補正値を遅延値に加算することで、遅延値を補正する。
【0048】
図14は、位相差検出モード時に信号送信回路20が行っていた動作をプログラムにして、当該プログラムをコンピュータの中央演算装置(CPU)等によりソフトウェア処理で実行する場合のフロー図である。
【0049】
まず、チップ間で送信される複数のデータ信号から位相差検出の対象となる1つのデータ信号を選択する(ステップS1401)。次に、選択したデータ信号の位相差を計測するための位相差計測用パルス信号を生成する(ステップS1402)。次に、位相差計測用パルス信号に与える遅延値を設定する(ステップS1403)。遅延値の初期値は0とする。次に、パルス信号の位相を設定された遅延値に基づいて遅延させる(ステップS1404)。次に、パルス信号の変化点(立上り又は立下り)を検出する(ステップS1405)。ここで、変化点は、選択した位相差計測用パルス信号の立上りエッジを生成するためのクロックを用いて検出する。ステップS1405で、変化点が検出されたとき、この時にステップS1403に設定されていた遅延値の情報を取得する(ステップS1406)。一方、ステップS1405で、変化点が検出されなかった場合は、遅延値をインクリメントする(ステップS1407)。遅延情報取得後、位相差検出対象となる全てのデータ信号に対応する位相差計測用パルス信号の遅延値情報を取得したかを判定する(ステップS1408)。ステップS1408の判定結果がYesの場合は、遅延値情報に基づいて、位相差検出用パルス信号に与える遅延値が最小となるデータ信号を基準にして、その他のデータ信号に対する遅延値の補正値を算出する(ステップS1409)。すなわち、前記遅延値情報から得られる最小の遅延値を基準遅延値とし、基準遅延値とその他の遅延値との差分値から、各データ信号に対する遅延値の補正値を算出する。ステップS1408の判定結果がNoの場合は、ステップS1401に戻る。
【0050】
以上のように本実施の形態2に係る信号送信回路は、送信するデータ信号の位相差を計測するための位相差計測用パルス信号を生成するフリップフロップを備え、位相差検出部25で、位相差計測用パルス信号に任意の遅延を与えてその変化点を検出し、補正値算出部26で、位相差計測用パルス信号の変化点を検出したときに設定された遅延値を取得して、遅延値が最小となるデータ信号を基準にして、その他のデータ信号に対する遅延値の補正値を算出し、遅延値設定部14で前記補正値に基づいて、各データ信号に与える遅延値を補正するようにした。これにより、本実施の形態2に係る信号送信回路によれば、送信するデータ信号間の位相差を補正して、正確なデータ転送を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の信号送信回路および信号送信方法は、チップ間での高速のデータ送信に有用であり、例えば、高倍速記録のために、複数の端子から記録用データ信号を光ディスク装置に送信する信号送信回路として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態1に係る信号送信回路の一構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る信号送信回路の遅延部の一構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る信号送信回路の遅延部の一構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る信号送信回路の位相差検出部および補正値算出部の一構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る信号送信回路の位相差検出部の動作を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る信号送信回路の位相差検出部の動作を説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る信号送信回路の位相差検出部の一構成例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る信号送信回路の位相差検出部の動作を説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る信号送信回路の位相差検出モード時の動作をプログラム処理によって行う場合の処理フロー図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る信号送信回路の一構成例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る信号送信回路の微小パルス生成部の一構成例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る信号送信回路の位相差検出部及び補正値算出部の一構成例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係る信号送信回路の位相差検出部の動作を説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る信号送信回路の位相差検出モード時の動作をプログラム処理によって行う場合の処理フロー図である。
【図15】従来の信号送信回路の一構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
10,100 信号送信回路
11 第1の遅延部
12 第2の遅延部
13 第3の遅延部
14 遅延値設定部
15、25 位相差検出部
16、26 補正値算出部
21 遅延素子
22 遅延選択部
31 電圧制御型遅延部
32 電圧制御部
33 D/A変換器
34 アナログ電圧極性反転回路
41、71 信号選択部
42 位相差パルス生成部
43 第1のカウンタ部
44 位相差格納部
45 第2のカウンタ部
46 位相補正値算出・格納部
51 積分回路
52 LPF
53 A/D変換器
61〜63 第1〜第3の回路
64 微小パルス生成部
65〜67 セレクタ
72 遅延部
73 波形検出部
74 検出位置格納部
75 位相補正値算出部
101〜103 出力端子
104 信号受信回路
105〜107 入力端子
108 デコード処理部
S101〜S106、S108〜S110、S122、S123、S141、S142 データ信号
S107 処理データ信号
S111〜S113、S127、S143〜S146 遅延値
S114、S137 位相差情報
S115〜S117、S138〜S140 補正値
S118 アナログ信号
S119 アナログ反転信号
S121 選択制御信号
S124 位相差パルス信号
S125 位相差計測区間制御信号
S126 カウンタ値
S131〜S133 パルス信号
S134、S136 タイミング信号
S135 微小パルス信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LSIと基板との間、またはLSI間で送受信される複数のデータ信号を送信する信号送信回路において、
前記データ信号の位相を遅延値に基づいて遅延する複数の遅延部と、
前記複数の遅延部によって位相が遅延させられた複数のデータ信号を送信するデータ送信部と、
前記複数の遅延部に前記遅延値を設定する遅延値設定部と、
前記複数の遅延部から出力されるデータ信号間の位相差を検出して、位相差情報を出力する位相差検出部と、
前記位相差情報に基づいて、前記複数の遅延部が前記データ信号の位相を遅延する際に用いる前記遅延値の補正値を算出する補正値算出部とを備え、
前記遅延値設定部は、前記補正値に基づいて前記複数の遅延部に設定する前記遅延値を補正することを特徴とする信号送信回路。
【請求項2】
請求項1記載の信号送信回路において、
前記遅延部は、
前記データ信号を遅延する複数段の遅延素子と、
前記遅延値設定部から出力される遅延値に基づいて、前記データ信号の遅延に用いる前記遅延素子の段数を選択する遅延選択部とを備えること特徴とする信号送信回路。
【請求項3】
請求項1記載の信号送信回路において、
前記遅延部は、
所定の電圧値を与えることによって前記データ信号を遅延する電圧制御型遅延素子と、
前記遅延値設定部から出力される前記遅延値を、前記電圧制御型遅延素子を制御するための電圧値に変換する電圧制御部とを備えることを特徴とする信号送信回路。
【請求項4】
請求項1記載の信号送信回路において、
前記位相差検出部は、
前記複数の遅延部から出力されるデータ信号を入力し、前記遅延部に設定される遅延値を固定することによって位相を固定させた第1のデータ信号と、前記遅延部に設定される前記遅延値を変化させることによって位相を変化させた第2のデータ信号とを選択して出力するデータ信号選択部と、
前記第1のデータ信号と前記第2のデータ信号との位相差を示す位相差パルスを出力する位相差パルス生成部と、
前記位相差パルスをクロックとして、カウント動作を行うカウント部とを備え、
前記補正値算出部は、
前記カウント部が出力するカウント値を格納する位相差格納部と、
前記位相差格納部に格納されたカウント値を読み出し、前記カウント値が最小となる時に前記第2のデータ信号の位相を変化させるために用いられた前記遅延値を前記遅延値設定部から取得して、取得した遅延値を前記第2のデータ信号に対する遅延値の補正値として出力する位相差補正値算出部とを備えることを特徴とする信号送信回路。
【請求項5】
請求項1記載の信号送信回路において、
前記データ信号の位相差を検出するための位相差計測用パルス信号を生成するパルス生成部をさらに備え、
前記複数の遅延部はそれぞれ、前記位相差計測用パルス信号を前記遅延値設定部によって設定される遅延値に基づいて遅延し、
前記位相差検出部は、
前記複数の遅延部によって遅延させられた複数の前記位相差計測用パルス信号を入力して、いずれか1つの位相差計測用パルス信号を選択する信号選択部と、
前記信号選択部によって選択された位相差計測用パルス信号を位相差検出用の遅延値に基づいて遅延する位相差計測用遅延部と、
前記パルス信号遅延部の出力信号の変化点を検出する波形検出部とを備え、
前記位相補正値算出部は、
前記波形検出部が信号の変化点を検出した時に前記位相差計測用遅延部に設定されていた遅延値を格納する検出位置格納部と、
前記検出位置格納部に格納された位相差検出用の遅延値を取得し、取得した遅延値のうちの最小の遅延値を基準にして、該基準となる遅延値とその他の位相差検出用の遅延値との差分値から、前記複数の遅延部のそれぞれに設定される遅延値の補正値を算出する位相差補正値算出部とを備えることを特徴とする信号送信回路。
【請求項6】
LSIと基板との間、またはLSI間で送受信される複数のデータ信号を送信する信号送信方法において、
前記データ信号の位相をデータ信号用の遅延値に基づいて遅延させる遅延ステップと、
前記遅延ステップにて位相が遅延させられたデータ信号を送信する送信ステップと、
前記遅延ステップにて用いられる遅延値を設定する遅延設定ステップと、
前記遅延ステップにて遅延させられたデータ信号間の位相差を検出して、位相差情報を生成する位相差検出ステップと、
前記位相差情報に基づいて、前記データ信号の位相を遅延する際に用いる前記データ信号用の遅延値の補正値を算出する補正値算出ステップとを含むことを特徴とする信号送信方法。
【請求項7】
請求項6記載の信号送信方法において、
前記位相差検出ステップは、
前記遅延ステップにて遅延させられた複数のデータ信号の中から2つのデータ信号を選択する信号選択ステップと、
前記選択されたデータ信号のうちの一方のデータ信号の位相を固定し、他方のデータ信号の位相を前記データ信号用の遅延値に基づいて変化させながら、データ信号間の位相差を検出し、該位相差を示す位相差パルスを生成する位相差パルス生成ステップと、
前記位相差パルスをクロックとして、カウント動作を行う計測ステップとを含み、
前記補正値算出ステップは、
前記計測ステップで計測されたカウント値を格納する格納ステップと、
前記格納ステップで格納されたカウント値が最小となる時に、前記他方のデータ信号の位相を変化させるために用いられた前記データ信号用の遅延値を取得して、取得した遅延値を、前記他方のデータ信号に対するデータ信号用の遅延値の補正値とする位相補正値算出ステップとを含むことを特徴とする信号送信方法。
【請求項8】
請求項6記載の信号送信方法において、
前記位相差検出ステップは、
前記送信ステップにて送信される複数のデータ信号からいずれか1つのデータ信号を選択する信号選択ステップと、
前記選択されたデータ信号の位相差を計測するための位相差計測用パルス信号を生成するパルス信号生成ステップと、
前記位相差計測用パルス信号を位相差計測用の遅延値に基づいて遅延するパルス信号遅延ステップと、
前記遅延させられた位相差計測用パルス信号の変化点を検出する波形検出ステップとを含み、
前記補正値算出ステップは、
前記波形検出ステップにて信号の変化点が検出された時に前記パルス信号遅延ステップにて用いられた位相差計測用の遅延値を取得する取得ステップと、
前記取得された遅延値のうちの最小の遅延値を基準にし、該基準となる遅延値とその他の位相差検出用の遅延値との差分値から、前記遅延ステップにて用いられるデータ信号用の遅延値の補正値を算出する位相補正値算出ステップとを含むことを特徴とする信号送信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2007−295315(P2007−295315A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−121348(P2006−121348)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】