説明

修飾されたアルコキシル化ポリオール化合物

アルコキシル化され、アミン末端保護ユニットを有する修飾されたポリオール、アルコキシル化され、アミン末端保護ユニットを有する修飾されたポリオールの使用、並びにアルコキシル化され、アミン末端保護ユニットを有する修飾されたポリオールを有する洗浄組成物(leaning compositions)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、修飾されたアルコキシル化ポリオール化合物、修飾されたアルコキシル化ポリオール化合物を製造する方法、及びそれらを含む洗浄組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
スクロース又はマルチトースのような糖類などのポリオール化合物は、地球に優しく(sustainable)、容易に入手可能な原料として知られている。マルチトールのエトキシレート類、例えばCAS503446−80−8が知られている。この物質は、JP2003−096182にて議論されるように化粧品及びその他のパーソナルケア用途のための界面活性剤として広く開示されていた。その他の既知のエトキシル化ポリオール類としては:エトキシル化マニトール(CAS53047−01−2)、エトキシル化イノストール(inostol)(CAS503446−79−5)、エトキシル化ソルビトール(CAS53694−15−8)が挙げられる。出願JP10−081744は、アミン触媒の存在下でアルキレンオキシド類を糖に添加することによるポリエーテルポリオール類の製造について議論している。しかし、「触媒」が暗示するように、そのアミン触媒はポリエーテルポリオール構造に組み込まれない。
【0003】
ハンツマン(Huntsman)から販売されているジェファミン(JEFFAMINE)(登録商標)として業界で既知の一連のアミン末端処理エトキシレート類も知られている。これらは、ポリエチレングリコール、並びにポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールの混合物から主に誘導され、ここでこれらグリコール類はアンモニア及び触媒を用いて直接アミノ化される。これらは、ジェファミン(JEFFAMINE)D(登録商標)及びジェファミン(JEFFAMINE)ED(登録商標)シリーズと呼ばれる。ジェファミン(JEFFAMINE)(登録商標)シリーズの最も複雑な混合物は、Tシリーズである。これらジェファミン(JEFFAMINES)(登録商標)は、トリメチロールプロパン又はグリセリンのいずれかをベースにしているので、グリセリン又はトリメチロールプロパンコアから広がる3つのアンモニア末端処理されたEO/PO分枝を有する。
【0004】
アンモニア及びその他のアミン類によるポリオール類のアミノ化はさらに、米国特許第5,371,119号に例示されているが、特にエピクロロヒドリンを介してポリオールを修飾し、ポリオールビスハロヒドリンを形成し、続いてアンモニア又はアミンと反応させてアミノポリオール類の反復網状組織を形成している。これにより、反応性のハロヒドロインを介してランダムに連結した複数のポリオール類を含有する複雑に重合した混合物が形成される。この複雑な混合物は、洗浄利益を提供するための洗浄組成物の配合者にとっては価値があるとは考えられておらず、乳化剤を形成することを目的とする。
【0005】
ポリオール類の単純アミノ化は、PCT国際公開特許WO01/98388A1に記載され、この文献では単純アミノ化ポリオール類をさらにアルデヒド、特にホルムアルデヒドと反応させて、複雑なポリマー網状組織を製造することを議論している。これらの複雑な構造には、その複雑な構造の官能性ユニットとしてスルフィド、カルボキシレート、アルキルエステル類、アルキルスルホネート類、及びアルキルホスフェート類を有する能力が含まれる。しかし、得られた複雑なポリマー網状組織は、洗浄利益を提供するための洗浄組成物の配合者にとって価値があるとは考えられてない。さらに、制御された特定様式にてこうした物質を扱うことは教示されていない。星様構造が洗剤配合者の要求に応えるように調整される修飾されたポリオール類を提供するために糖誘導ポリオール類を選択的に修飾することが強く望まれている。
【0006】
また、地球に優しく、容易に入手可能な原料から比較的容易に製造され、特定の性能要件に対処できるように広く調整できる材料が必要とされている。
【0007】
応力が加えられた状態も、直鎖アルキルベンゼンスルホネート類又はアルキルサルフェート類などの陰イオン性界面活性剤がより大きいオーダーの凝集体を形成するというさらなる問題を生じる。陰イオン性界面活性剤の凝集は、洗浄に利用可能な陰イオン性界面活性剤の量を減少させる。
【0008】
地球に優しく、容易に入手可能な原料から比較的容易に製造され、特定の配合性及び性能要件に対処できるように制御された特定の様式で調整できる材料が必要とされている。使用中に遊離硬度による陰イオン性界面活性剤のより大きいオーダーの凝集体が形成されるのを防止することによって、洗浄を提供すると共に増大した界面活性剤利用能を与える多機能材料が所望されている。
【0009】
特定の性能要件には、疎水性の染み(油脂、油)から戸外の汚れに関連する親水性染み(土)を洗浄することが含まれる。その他の性能要件としては、他の性能要件のうち、コンタクトレンズ溶液などのパーソナルケア組成物における使用、接着剤における使用、ゴムの加硫化、ポリウレタンプロセスにおける使用、染料添加剤としての使用、農業用途における分散剤としての使用、インク用分散剤としての使用、アスファルト分散剤、界面活性剤溶解助剤、カルシウム及びマグネシウムの存在下での界面活性剤溶解剤の使用におけるものが挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
戸外の汚れを洗浄する現在市販の一部のポリマー類を、顆粒及び液体洗濯洗剤、硬質面クリーナー、皿洗浄組成物、パーソナルケア組成物、並びに石油掘削組成物に配合可能にすることは、洗剤配合者にとって引き続き難題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は更に、化合物、方法、洗浄組成物、並びに前記化合物及び組成物を使用する方法に関し、前記化合物は、ポリオール化合物を含むことを特徴とし、前記ポリオール化合物が、少なくとも3つのヒドロキシ部分を含み、このヒドロキシ部分の少なくとも1つが更にアルコキシ部分を含み、このアルコキシ部分が、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びこれらの混合物から成る群から選択され;更に前記ヒドロキシ部分の少なくとも1つがアミン末端保護ユニットで置換されている。
【0012】
本発明は更に、化合物、方法、洗浄組成物、並びに前記化合物及び組成物を使用する方法に関し、前記化合物は、ポリオール化合物を含むことを特徴とし、前記ポリオール化合物が、少なくとも3つのヒドロキシ部分を含み、このヒドロキシ部分の少なくとも1つが更にアルコキシ部分を含み、このアルコキシ部分が、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びこれらの混合物から成る群から選択され;更に前記ヒドロキシ部分の少なくとも1つが四級アミン末端保護ユニットで置換されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
地球に優しく、容易に入手可能な原料から比較的容易に製造され、特定の配合性及び性能要件に対処できるように広く調整できる材料が必要とされている。
【0014】
糖をベースとする物質及びポリエチレン/ポリプロピレングリコール物質などのポリオール化合物は、地球に優しく、容易に入手可能な原料であり、特定の配合性及び性能要件に対処できるように広く調整するのに有用である。本明細書で使用する時、「調整」とは、ポリオール化合物の化学構造を特徴的な化学官能性を得るために操作できることを意味する。例えば、アミン末端保護ユニットを含むことによって修飾されたアルコキシ化ポリオール化合物は、特定の配合性及び性能要件のために所望される特性を与える調整された構造である。別の例は、四級アミン末端保護ユニットを含むことによって修飾されたアルコキシル化ポリオール化合物が所望の特性を与える調整された構造である場合である。最後に、別の例は、それら2つの例の両方の要素を含有し得る、すなわちアミン末端保護ユニット及び四級アミン末端保護ユニットの両方を含有する。
【0015】
本発明で有用なポリオール化合物は、少なくとも3つのヒドロキシ部分、好ましくは3つを超えるヒドロキシ部分を含む。最も好ましくは6つ以上のヒドロキシ部分を含む。これらヒドロキシ部分の少なくとも1つはさらにアルコキシ部分を含み、このアルコキシ部分は、エトキシ(EO)、プロポキシ(PO)、ブトキシ(BO)及びこれらの混合物、好ましくはエトキシ及びブトキシ部分、より好ましくはエトキシ部分から成る群から選択される。平均アルコキシル化度は、約1〜約100、好ましくは約4〜約60、より好ましくは約10〜約40である。アルコキシル化は、好ましくはブロックアルコキシル化である。
【0016】
本発明に有用なポリオール化合物は更に、少なくとも1つのアミン末端保護ユニットを含む少なくとも1つのアルコキシ部分を有する。前記化合物を更に修飾又は調整してもよいが、1つのアミン末端保護ユニットが本発明の化合物に存在しなければならない。1つの実施形態は、アミン末端保護ユニットを有するアルコキシ部分を更に含む1つを超えるヒドロキシ部分を含む。例えば、次式(I):
【化1】

式中、式(I)のxは約1〜約100、好ましくは約10〜約40である。
【0017】
本発明に使用するための出発物質として好適なポリオール化合物としては、マルチトール、スクロース、キシリトール、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、グルコース、マルトース、ポリビニルアルコール、部分的に加水分解されたポリビニルアセテート、キシラン還元マルトトリオース、還元マルトデキストリン類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセロール、ジグリセロールエーテル、マルトトリオース、マルトペントース、マルトヘキソース、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましくはポリオール化合物は、ソルビトール、マルチトール、スクロース、キシラン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びこれらの混合物である。好ましくはソルビトール、マルチトール、スクロース、キシラン、及びこれらの混合物である。
【0018】
ポリオール化合物の調整は、所望の配合性及び性能要件に依存して1つ以上の修飾から誘導されることができる。調整には、ポリオール化合物への陽イオン電荷修飾の導入が含まれ得る。
【0019】
本発明の1つの実施形態において、少なくとも1つのヒドロキシ部分はアルコキシ部分を含み、このアルコキシ部分は更に少なくとも1つのアミン末端保護ユニットを含む。アミン末端保護ユニットは、一級アミン含有末端保護ユニット、二級アミン含有末端保護ユニット、三級アミン含有末端保護ユニット、及びこれらの混合物から選択される。
【0020】
アミン末端保護ユニットに好適な一級アミン類としては、モノアミン類、ジアミン、トリアミン、ポリアミン類、及びこれらの混合物が挙げられる。アミン末端保護ユニットに好適な二級アミン類としては、モノアミン類、ジアミン、トリアミン、ポリアミン類、及びこれらの混合物が挙げられる。アミン末端保護ユニットに好適な三級アミン類としては、モノアミン類、ジアミン類、トリアミン類、ポリアミン類、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0021】
本発明に用いるのに好適なモノアミン類、ジアミン類、トリアミン類又はポリアミン類としては、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ビスジメチルアミノプロピルアミン(ビスDMAPA)、ヘキセメチレンジアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ドデシルアミン、ベンジルアミン、ポリエチレンイミン、イソキノリン、タロートリエチレンジアミン、単一置換モノアミン、単一置換ジアミン、単一置換ポリアミン、二置換モノアミン、二置換ジアミン、二置換ポリアミン、三置換トリアミン、三置換ポリアミン、3つを超える置換基を含むが、少なくとも1つの窒素は水素を含有する多置換ポリアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0022】
本発明の別の実施形態において、アミン末端保護ユニットの少なくとも1つの窒素は四級化されている。本明細書で使用する時、「四級化された」とは、アミン末端保護ユニットがアミン末端保護ユニットの四級化又はプロトン化を通して正電荷が与えられることを意味する。例えば、ビス−DMAPAは3つの窒素を含有し、それら窒素の1つだけが四級化されればよい。しかし、所与のアミン末端保護ユニット上の全ての窒素が四級化されるのが好ましい。
【0023】
調整又は修飾は、所望の配合性及び性能要件に応じて組み合わせてもよい。好ましい本発明の修飾されたポリオール化合物の具体的な非限定例としては、以下のものが挙げられる:
【化2】

式中、式(II)のxは約1〜約100、好ましくは約10〜約40である。
【化3】

【0024】
(製造方法)
本発明はまた、本発明の化合物を製造する方法に関する。本発明の化合物を製造する方法は、少なくとも3つのヒドロキシ部分を含むポリオール化合物を、少なくとも1つのヒドロキシ部分の平均アルコキシル化度が約1〜約100;好ましくは約4〜約60;より好ましくは約10〜約40になるようにアルコキシル化し、少なくとも1つのアルコキシ部分を含むアルコキシル化ポリオールを形成する工程を含む。あるいは、アルコキシル化ポリオール、例えばCAS52625−13−5、プロポキシル化ソルビトール又はソルビトールポリオキシエチレンエーテル(リポ・ケミカルズ(Lipo Chemicals Inc.)から入手可能)を、本発明の出発物質として使用してもよい。平均アルコキシル化度が所望のレベルでない場合、アルコキシル化工程は、約1〜約100、好ましくは約4〜約60;より好ましくは約10〜約40の所望のアルコキシル化度を達成するために使用されてもよい。方法更に以下の工程の1つを含む:
(b)化合物の少なくとも1つのアルコキシ部分と陰イオン性末端保護ユニットとを任意に反応させ、陰イオン性アルコキシル化ポリオールを形成し、次いで、サルフェート、ホスフェート、カーボネート、及びこれらの混合物から成る群から選択される陰イオン性末端保護ユニットをアミン末端保護ユニットで置換することによってアミノ化アルコキシル化ポリオールを形成する工程;又は
(c)任意に、触媒の存在下、少なくとも1つのアルコキシ部分をアミンと反応させ、アミノ化アルコキシル化ポリオールを形成する工程。
【0025】
好適な陰イオン性末端保護ユニットには、サルフェート、ホスフェート、カーボネート及びこれらの混合物が挙げられる。好ましくは陰イオン性末端保護ユニットはサルフェートである。
【0026】
この方法は更に、アミノ化アルコキシル化ポリオールのアミン末端保護を四級化して陽イオン性アミノ化アルコキシル化ポリオールを形成する工程を含んでいてもよい。
【0027】
1つの実施形態において、方法は、ポリオールのヒドロキシ部分の全てをアルコキシル化して、アルコキシル化度が約1〜約100;好ましくは約4〜約60、より好ましくは約10〜約40になるようにして、アルコキシル化ポリオールを形成する工程を含む。方法は更に、アルコキシル化ポリオールのアルコキシ部分を少なくとも1つの陰イオン性末端保護ユニットと反応させて、陰イオン性アルコキシル化ポリオールを形成する工程を含む。方法は任意に、アルコキシル化ポリオールのアルコキシ部分を陰イオン性末端保護ユニットと部分的に又は完全に反応させてもよい。好ましくはこの工程を含まれるべきであり、全てのアルコキシ部分は陰イオン性末端保護ユニットを含む。
【0028】
方法は更に、陰イオン性末端保護ユニットをアミン末端保護ユニットで置換してアミノ化アルコキシル化ポリオールを形成する任意工程を含む。陰イオン性末端保護ユニットのアミン末端保護ユニットによる置換は、完全置換である。陰イオン性末端保護ユニットのアミン末端保護ユニットによる置換は、完全置換であるのが好ましい。しかし、アミノ化アルコキシル化ポリオール化合物内に陰イオン性部分を含有する生成物がある程度低い濃度で存在する場合があること、又は陰イオン性末端保護ユニットの一部がまた、加水分解により損失され、処理中に一部の非置換ポリオールが再生して、アミン官能化末端保護基を形成する陰イオン性基の置換がまた不完全になる場合があることが理解される。
【0029】
任意に、この方法は更に、陽イオン性アミノ化アルコキシル化ポリオールを形成するアミン末端保護ユニットの少なくとも1つの窒素を四級化する工程を含んでいてもよい。アミノ化アルコキシル化ポリオールのアミン末端保護ユニットの四級化は、部分的に又は完全に行われてもよい。1つの実施形態において、四級化は部分的である。別の実施形態において、四級化は完全に行われる。アミン末端保護ユニットの窒素の四級化は、部分的に又は完全に行われてもよく、好ましくは完全に行われてもよい。非限定的な合成スキームは、以下の合成スキームIに例示される:
合成スキームI:
【化4】

【0030】
スキームIの工程4の四級化構造に適した対イオンには、水溶性陰イオン、例えばクロリド及びブロミドが挙げられる。
【0031】
スキームIIは、米国特許第6,452,035号に開示されるように、末端ヒドロキシ部分の直接置換が、金属触媒及び水素を用いる触媒作用の酸化/還元によって達成される工程(1)を含む。当業者は、ジメチルアミノプロピルアミンに限定されないが、それらを含む他のアミン末端保護ユニットを使用してもよいことを認識する。非限定的な合成スキームは、以下の合成スキームIIに例示される:
合成スキームII:
【化5】

【0032】
本発明の方法の具体的な説明を以下でより詳細に記載する。
【0033】
(ポリオールのエトキシル化)
ポリオール、例えばソルビトールのエトキシル化は、いずれかの既知の技術、例えばEP174436A1に記載されるように完了されてもよい。プロポキシル化及びブトキシル化も既知の技術によって完了されてもよい。
【0034】
ソルビトール(17.5g、0.0962モル)をオートクレーブに添加し、そのオートクレーブを窒素でパージし、ソルビトールを110〜120℃に加熱する;オートクレーブを攪拌し、約2.67MPa(20mmHg)の真空を適用する。
【0035】
真空が連続的に適用されるとともに、オートクレーブは約110〜120℃まで冷却される。同時に、メタノール溶液中の25%ナトリウムメトキシド6.2g(0.0288モル、ヒドロキシ部分を基準に5%触媒の充填を達成するため)を導入する。ナトリウムメトキシド溶液からのメタノールを真空下でオートクレーブから除去する。撹拌機の消費する電力をモニターするために装置を使用する。温度及び圧力とともに撹拌機の消費電力をモニターする。メタノールがオートクレーブから除去されるにつれ、撹拌機の消費電力及び温度の値が徐々に上がり、混合物の粘度は上昇し約1.5時間以内に安定して、メタノールのほとんどが除去されたことを示す。混合物をさらに加熱し、真空下でさらに30分間撹拌する。
【0036】
真空を取り除き、オートクレーブを110℃まで冷却するか、110℃に維持する。窒素を1725kPa(250psia)まで充填し、次いで周囲気圧まで発散させる。オートクレーブに窒素を1380kPa(200psia)まで充填する。オートクレーブの圧力、温度、及びエチレンオキシドの流速を細かくモニターし、温度を110℃〜120℃の間に維持して反応の発熱によるいかなる温度上昇も制限しながら、徐々にエチレンオキシドをオートクレーブに加える。483gのエチレンオキシド(10.97モル、OH1モル当たり全部で19モルのエチレンオキシドになる)を添加後、温度を120℃に上昇させ、混合物を更に2時間攪拌する。
【0037】
次いで反応混合物を、窒素パージした22Lの三口丸底フラスコに収集する。加熱(110℃)及び機械攪拌をしながら、メタンスルホン酸2.80g(0.0288モル)をゆっくり添加することによって、強アルカリ触媒を中和する。次いで反応混合物の残留エチレンオキシドを除去し、不活性ガス(アルゴン又は窒素)をガス分散性フリットを通過させて混合物に噴霧することにより反応混合物を脱臭する一方、混合物を撹拌し120℃まで1時間加熱する。最終反応生成物、約500gを軽く冷却し、保存のために窒素でパージしたガラス容器に注ぐ。
【0038】
あるいはポリオールは、所望のアルコキシル化度未満のもの、例えばCAS52625−13−5、プロポキシル化ソルビトール又はソルビトールポリオキシエチレンエーテル(リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals Inc.)から入手可能)を購入してもよい。ここで所望のアルコキシル化度は、既知及び/又は上述の方法によって達成される。
【0039】
(ソルビトールEO114(OH当たり平均EO19)の硫酸化)
500mLの三角フラスコにソルビトールEO114(299.7g、0.058モル)及び塩化メチレン(300g)を計量する。フラスコに磁性攪拌棒を装備し、材料を溶解が完了するまで攪拌する。溶液が約10℃になるまでフラスコを氷浴に入れる。激しく攪拌しつつ、クロロスルホン酸(48.3g、0.415モル)を約5分間かけてゆっくり注ぐ。氷浴中の反応溶液を1.5時間攪拌する。
【0040】
ナトリウムメトキシド(メタノール中25%のものを197g)の50g塩化メチレン溶液を1Lの三角フラスコに入れ(「塩基溶液」)、溶液の温度が約10℃になるまで氷浴中で冷蔵する。磁性攪拌棒を用いて塩基溶液を激しく攪拌する。反応溶液を塩基溶液に約3分間かけてゆっくり注ぐ。穏やかな発熱がみられるはずである。溶液は塩が形態されるのにつれて乳白色になる。添加完了後、pHを約12になるまで調整する。この溶液に約100mLの蒸留水を添加し、得られたエマルションを1Lの丸底フラスコに移し、50℃のロータリーエバポレーターを用いて、一部揮散させ、透明な溶液を得る。溶液をクーゲルロア(Kulgelrohr)装置に移す。60℃及び133Pa(1mmHg)にて溶液を揮散させ、366gの90%活性物質(10%の塩)のオフホワイトワックス状固体を得る。
【0041】
炭素スペクトルは、約60ppmのアルコール基の不存在、及びサルフェートに一致する約67ppmの新しいピークの発生を示す。プロトンNMRスペクトルは、約4ppmの新しいピークを示し、それは約3.5ppmのエトキシ基プロトンと重なるものであったが、6個のサルフェートを有する分子と一致する。
【0042】
(ソルビトールEO114サルフェートのアミノ化)
200mLのガラスライナーにソルビトールEO114ヘキササルフェート(90%の活性物質61.3g、0.0095mol)及び3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン(「DMAPA」、18.5g、0.181mol)を計量する。そのライナーをロッキングオートクレーブにて温度が165℃に達するまで152kPa(150psig)で窒素下にて加熱し、165℃で2時間維持する。室温まで冷却する。その材料を150mLの塩化メチレン中にとり、遠心分離して塩を分離する。上清液を500mLの丸底フラスコに移し、上清液をロータリーエバポレーターにて溶媒の大部分が除去されるまで50℃で揮散させる。クーゲルロア(Kugelrohr)装置にて120℃及び133Pa(1mmHg)で30分間加熱し、過剰のアミンを除去して、47.8gの茶色の硬質固体を得る。プロトンNMR(500MHz又は300MHz;パルスシーケンス;s2pu1、溶媒DO;リラックスディレイ0.300秒、パルス45.0;収集時間3.744秒)は、1分子当たり約3つのサルフェート及び約2つのDMAPAを示した。
【0043】
(実施例2−アミンの四級化)
アミノ化されたソルビトールEO114を磁性攪拌棒を備えた500mLの丸底フラスコにて100gの塩化メチレンに溶解し、温度が10℃になるまで氷浴にて冷蔵する。溶液をナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)でpH12に調整する。その溶液にヨウ化メチル(15.0g、0.106mol)を添加する。フラスコを塞ぎ、溶液を一晩(約14時間)攪拌する。溶液をクーゲルロア(Kugelrohr)装置にて50℃及び133Pa(1mmHg)にて揮散させ、66gの粘着性の茶色固体を得る。プロトンNMR(500MHz又は300MHz;パルスシーケンス:s2pu1、溶媒DO;リラックスディレイ1.000秒、パルス45.0;収集時間2.345秒)は、全ての窒素が完全に四級化されたことを示した。
【0044】
(洗浄組成物)
本発明はさらに、本発明の修飾されたアルコキシル化ポリオール化合物を含む洗浄組成物に関する。洗浄組成物は、従来のいずれかの形態、すなわち液体、粉末、顆粒、凝集体、ペースト、錠剤、袋、バー、ゲル、二重区画容器にて得られるもの、スプレー又はフォーム洗剤、湿式拭き取り布(すなわち、不織布材料と組み合わせた洗浄組成物、例えば米国特許第6,121,165号(マッケイ(Mackey)ら)に議論されるようなもの)、消費者によって水で活性化される乾式拭き取り布(すなわち、不織布材料と組み合わせた洗浄組成物、例えば米国特許第5,980,931号(フォウラー(Fowler)ら)に議論されるもの)の形態、及びその他の均質又は多相消費洗浄製品形態であることができる。
【0045】
洗浄組成物に加えて、本発明の化合物はまた、産業用クリーナー(すなわちフロアクリーナー)における使用又は導入に好適な場合がある。多くの場合、こうした洗浄組成物は、以下でより詳細に議論される界面活性剤及びその他の洗浄補助剤成分をさらに含む。1つの実施形態において、本発明の洗浄組成物は液体又は固体の洗濯洗剤組成物である。
【0046】
他の実施形態において、本発明の洗浄組成物は、硬質面洗浄組成物、好ましくは硬質面洗浄組成物が不織布基材に含浸されたものである。本明細書で使用する時、「含浸する」とは、硬質面洗浄組成物が不織布基材と接触し、不織布基材の少なくとも一部に硬質面洗浄組成物が染みこむ、好ましくは硬質面洗浄組成物が不織布基材に浸潤することを意味する。
【0047】
他の実施形態において、洗浄組成物は液体食器洗浄組成物、例えば液体手洗い食器洗い組成物、固体自動食器洗い洗浄組成物、液体自動食器洗い洗浄組成物、及び錠剤/一回用量形態の自動食器洗い洗浄組成物である。
【0048】
洗浄組成物はまた、種々の表面、例えば広葉樹材、タイル、セラミック、プラスチック、レザー、金属、ガラスを洗浄するためのカーケア組成物に利用されてもよい。この洗浄組成物はまた、シャンプー組成物、ボディウォッシュ、液体又は固体石鹸及び界面活性剤が遊離硬度と接触することになるその他の洗浄組成物などのパーソナルケア組成物、並びに石油掘削組成物のような硬度耐性界面活性剤システムを必要とする全ての組成物に使用されるように設計されることもできる。
【0049】
(修飾されたアルコキシル化ポリオール化合物)
本発明の洗浄組成物は、該洗浄組成物の約0.005重量%〜約30重量%、好ましくは約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約5重量%の、本明細書に記載の化合物を含んでよい。
【0050】
(界面活性剤)−本発明の洗浄組成物は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、両性、双極性、半極性の非イオン性界面活性剤から選択される界面活性剤;及びアルキルアルコール類のような他の補助剤、あるいはこれらの混合物を含む界面活性剤又は界面活性剤システムを含んでいてもよい。本発明の洗浄組成物は、該洗浄組成物の約0.01重量%〜約90重量%、好ましくは約0.01重量%〜約80重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約50重量%、最も好ましくは約0.05重量%〜約40重量%の、1つ以上の界面活性剤を有する界面活性剤システムを更に含む。
【0051】
(陰イオン性界面活性剤)
本明細書で有用な陰イオン性界面活性剤の非限定例としては;C〜C18アルキルベンゼンスルホネート類(LAS);C10〜C20一級、分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート類(AS);C10〜C18二級(2,3)アルキルサルフェート類;C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート類(AES)(式中、好ましくはxは1〜30である);好ましくは1〜5個のエトキシユニットを含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート類;米国特許第6,020,303号及び米国特許第6,060,443号に議論されるような中鎖分枝状アルキルサルフェート類;米国特許第6,008,181号及び米国特許第6,020,303号に議論されるような中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート類;PCT国際公開特許WO99/05243、PCT国際公開特許WO99/05242及びPCT国際公開特許WO99/0524に議論されるような修飾されたアルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);及びα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0052】
(非イオン性界面活性剤)
非イオン性界面活性剤の非限定例としては、C12〜C18アルキルエトキシレート類、例えば、シェル(Shell)製のネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤;C〜C12アルキルフェノールアルコキシレート類であって、ここでアルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位との混合物であるもの;エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレート類との、C12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノール縮合体、例えば、バスフ(BASF)製のプルロニック(PLURONIC)(登録商標);米国特許第6,150,322号で論じられるようなC14〜C22中鎖分枝状アルコール類、BA、米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号及び同第6,093,856号で論じられるようなC14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート類、BAE、ここでxは1〜30であるもの;米国特許第4,565,647号(レナド(Llenado)、1986年1月26日発行)で論じられるようなアルキル多糖類、特に米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号で論じられるようなアルキルポリグリコシド類;米国特許第5,332,528号、PCT国際公開特許WO92/06162、PCT国際公開特許WO93/19146、PCT国際公開特許WO93/19038及びPCT国際公開特許WO94/09099で論じられるようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド類(GS−塩基);米国特許第6,482,994号及びPCT国際公開特許WO01/42408で論じられるような、エーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤類が挙げられる。
【0053】
(陽イオン性界面活性剤)
陰イオン性界面活性剤の非限定例としては、26個の炭素原子まで有することができる四級アンモニウム界面活性剤が挙げられる。これらには、アルコキシラート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤であって、米国特許第6,136,769号に論じられるもの;ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム(K1)であって、第6,004,922号に論じられるもの;ポリアミン陽イオン性界面活性剤であって、PCT国際公開特許WO98/35002、PCT国際公開特許WO98/35003、PCT国際公開特許WO98/35004、PCT国際公開特許WO98/35005、及びPCT国際公開特許WO98/35006に論じられるもの;陽イオン性エステル界面活性剤であって、米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号、及び米国特許第6,022,844号に論じられるもの;並びにアミノ界面活性剤であって、米国特許第6,221,825号、及びPCT国際公開特許WO00/47708に論じられるものであって、特にアミドプロピルジメチルアミン(APA)を挙げることができる。
【0054】
(双極性界面活性剤)
双極性界面活性剤の非限定的な例としては、二級及び三級アミン類の誘導体、複素環式二級及び三級アミン類の誘導体、あるいは四級アンモニウム化合物や四級ホスホニウム化合物又は三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。双極性界面活性剤の例については、米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)、19段38行〜22段48行を参照のこと;アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタイン、C〜C18(好ましくはC12〜C18)アミンオキシド類並びにスルホ及びヒドロキシベタイン類を含めたベタイン、例えば、アルキル基がC〜C18、好ましくはC10〜C14であることができるN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ−1−プロパンスルホネートが挙げられる。
【0055】
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤の非限定的な例としては、二級又は三級アミン類の脂肪族誘導体、あるいは複素環式二級及び三級アミン類の脂肪族誘導体が挙げられ、ここで、脂肪族基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。脂肪族置換基のうち一つは、少なくとも約8個の炭素原子、通常は約8〜約18個の炭素原子を含有し、そして少なくとも一つが、陰イオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する。両性界面活性剤の例については、米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)の19段18行〜35行を参照のこと。
【0056】
(半極性非イオン性界面活性剤)
半極性非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基から成る群より選択される部分2個とを含有する、水溶性アミンオキシド類;約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基から成る群から選択される部分2個とを含有する、水溶性ホスフィンオキシド類;そして、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子のアルキル及びヒドロキシアルキル部分から成る群より選択される部分1個とを含有する、水溶性スルホキシド類が含まれる。
【0057】
(ジェミニ界面活性剤)
ジェミニ界面活性剤は、分子当たり、少なくとも2個の疎水性基と少なくとも2個の親水性基が導入された化合物である。これらは、文献、例えば、ケムテック(Chemtech)、1993年3月、30〜33頁、及び米国化学会誌(J.American Chemical Soc.)、115、10083〜10090(1993年)、並びにそれらで引用される参考文献において、「ジェミニ界面活性剤」として知られるようになった。
【0058】
(洗浄補助剤物質)
一般に、洗浄補助剤は、最小限の必須成分のみを含む洗浄組成物を、洗濯、硬質面、パーソナルケア、消費者、市販及び/又は産業的な洗浄目的のために有用な洗浄組成物へと変換するために必要とされるいずれかの物質である。特定の実施形態では、洗浄補助剤は、洗浄製品の絶対的な性質であるため、特に家庭環境において消費者により直接的に使用することが意図される洗浄製品の絶対的な性質であるため、当業者に容易に理解可能である。
【0059】
これらの追加の構成成分の正確な性質、及びそれを組み入れる濃度は、洗浄組成物の物理的形態及び使用されるべき洗浄操作の性質に依存している。
【0060】
漂白剤と共に使用される場合、洗浄補助剤成分は、漂白剤と共に良好な安定性を有するべきである。本明細書中の洗浄組成物の特定の実施形態は、法律によって要求されるように、ホウ素フリー及び/又はリンフリーであるべきである。洗浄補助剤の濃度は、洗浄組成物の約0.00001重量%〜約99.9重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約50重量%である。
【0061】
非常に典型的に、本明細書中の洗浄組成物、例えば、洗濯洗剤、洗濯洗剤添加物、硬質面クリーナー、合成及び石鹸ベースの洗濯バー、柔軟仕上げ剤及び布地処理液、固体及び全ての種類の処理物品は、いくつかの補助剤を必要とするが、漂白添加剤のような単純に処方された特定の製品は、例えば、酸素漂白剤及び本明細書中に記載されるような界面活性剤のみを必要とする場合がある。適した洗濯又は洗浄補助剤物質の包括的なリストは、PCT国際公開特許WO99/05242中に見出すことができる。
【0062】
通常の洗浄補助剤としては、ビルダー、酵素、上述されていないポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、触媒物質等が挙げられ、上にすでに定義された物質を除く。本明細書の他の洗浄補助剤としては、起泡促進剤、起泡抑制剤(消泡剤)など、上述したもの以外の多様な活性成分又は特定材料、例えば分散剤ポリマー(例えば、バスフ(BASF Corp.)又はローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)からのもの)、カラースペックル(color speckles)、シルバーケア、変色防止剤及び/又は腐食防止剤、染料、充填剤、殺菌剤、アルカリ性源、向水性物質、酸化防止剤、酵素安定剤、プロ香料、香料、可溶化剤、担体、加工助剤、顔料、及び液体処方については溶媒、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、光沢剤、起泡抑制剤、染料、構造可塑剤、柔軟仕上げ剤、磨耗防止剤、向水性物質、加工助剤、並びにその他の布地ケア剤、表面及びスキンケア剤を挙げることができる。このような他の洗浄補助剤の適した例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号及び同第6,326,348B1号に見出される。
【0063】
(使用方法)
本発明は、表面又は布地を洗浄するための方法を含む。こうした方法は、本発明の修飾されたアルコキシル化ポリオール化合物又は本発明の修飾されたアルコキシル化ポリオール化合物を含む洗浄組成物の実施形態をニートな形態又は洗浄溶液で希釈された形態で、少なくとも一部の表面又は布地に接触させた後、こうした表面又は布地を任意にすすぐ工程を含む。好ましくは、表面又は布地は前述の任意すすぎ工程の前に洗い工程に置かれる。本発明の趣旨上、洗いには擦ること、及び機械的攪拌が含まれるが、これらに限定されない。
【0064】
当業者には理解されるように、本発明の洗浄組成物は、ホームケア(硬質面洗浄組成物)、パーソナルケア及び/又は洗濯用途に使用するのに理想的に適している。それ故に、本発明は、表面を洗浄及び/又は布地を洗濯するための方法を含む。この方法は、洗浄/洗濯されるべき表面及び/又は布地を修飾されたアルコキシル化ポリオール化合物又はその修飾されたアルコキシル化ポリオール化合物を含む洗浄組成物と接触させる工程を含む。表面は、通常の家庭で見出される大部分の硬質面、例えば広葉樹材、タイル、セラミック、プラスチック、レザー、金属、ガラスを含んでいてもよく、又は毛髪及び皮膚などのパーソナルケア製品における洗浄面から成ってもよい。表面はまた、皿類、グラス類、及びその他の調理器具表面を含んでもよい。布地は、通常の消費者の使用条件で洗濯され得るほとんどいかなる布地を含んでもよい。
【0065】
洗浄組成物溶液のpHは、洗浄されるべき表面に対して最も有利となるように選択され、それは約5〜約11の広範囲のpHにわたる。皮膚及び毛髪洗浄のようなパーソナルケアに関して、こうした組成物のpHは好ましくは約5〜約8のpHを有し、洗濯洗浄組成物に関しては約8〜約10のpHを有する。上記組成物は、好ましくは、溶液中で約200ppm〜約10,000ppmの濃度で使用される。水温は好ましくは約5℃〜約100℃の範囲である。
【0066】
洗濯洗浄組成物に使用するために、組成物は、好ましくは溶液(又は洗浄溶液)中約200ppm〜約10000ppmの濃度で使用される。水温は好ましくは約5℃〜約60℃の範囲である。水:布地の比率は、好ましくは、約1:1〜約20:1である。
【0067】
本発明は、表面又は布地を洗浄するための方法を含む。こうした方法は、本発明の洗浄組成物の実施形態で含浸された不織布基材を、表面及び/又は布地の少なくとも一部と接触させる工程を含む。この方法はさらに、洗い工程を含んでいてもよい。本発明の趣旨上、洗いには擦ること、及び機械的攪拌が含まれるが、これらに限定されない。この方法はさらに、すすぎ工程を含んでいてもよい。
【0068】
本明細書で使用する時、「不織布基材」は、好適な坪量、キャリパー(厚さ)、吸収性及び強度特性を有する、いずれかの従来の様式による不織布シート又はウェブを含むことができる。好適な市販の不織布基材の例としては、商標名ソンタラ(SONTARA)(登録商標)としてデュポン(DuPont)から、及びポリウェブ(POLYWEB)(登録商標)としてジェームズ・リバー社(James River Corp.)から販売されるものが挙げられる。
【0069】
当業者に理解されるように、本発明の洗浄組成物は、硬質面用途において使用するのに理想的に適している。それ故に、本発明は硬質面を洗浄するための方法を包含する。この方法は、本発明の洗浄組成物の実施形態で含浸された硬質面溶液又は不織布基材と、洗浄されるべき硬質面を接触させる工程を含む。使用方法は、洗浄組成物を不織布基材の少なくとも一部と接触させ、次いでユーザーの手によって、又は不織布基材に取り付けられた道具を用いて硬質面に接触させる工程を含む。
【0070】
当業者に理解されるように、本発明の洗浄組成物は、液体食器洗浄組成物において使用するのに理想的に適している。本発明の液体食器組成物を使用する方法は、汚れた食器と、有効量、通常は約0.5mL〜約20mL(処理される食器25枚当たり)、好ましくは約3mL〜約10mLの、水に希釈された本発明の液体食器洗浄組成物とを接触させる工程を含む。次に、具体的な製品配合は、該組成物製品の対象とする市場(すなわち、米国、ヨーロッパ、日本など)のような多数の因子に左右されることになる。好適な例は、以下の表3で見ることができる。
【0071】
一般に、本発明の液体食器洗浄組成物約0.01mL〜約150mL、好ましくは約3mL〜約40mLが、体積容量約1000mL〜約20000mLの範囲のシンク内で、約2000mL〜約20000mL、より典型的には約5000mL〜約15000mLの水と組み合わせられる。汚れた皿類は、そうして得られた希釈された組成物を含むシンクに含浸され、そこで汚れた皿表面と、布、スポンジ、又は同様の皿類を洗浄する物品と接触される。布、スポンジ、又は同様の物品は、皿表面と接触する前の洗剤組成物及び水の混合物に含浸されてもよく、通常は約1〜約10秒間の期間皿表面と接触される。布、スポンジ又は同様の物品を皿表面に接触させることは、皿表面を擦ることと同時に達成されるのが好ましい。
【0072】
別の使用方法は、液体食器洗浄組成物を含まない水浴に汚れた皿類を含浸することを含む。液体食器洗浄組成物を吸収する器具、例えばスポンジは、別量の希釈されていない食器洗剤組成物に通常は約1〜約5秒の期間直接入れられる。吸収器具、及び結果として希釈されていない液体食器洗浄組成物は、次いで汚れた皿類のそれぞれの表面と個々に接触し、その汚れを取り除く。吸収器具は、通常、約1〜約10秒間の期間、各皿表面と接触される。吸収器具と皿表面の接触は、擦ることと同時に達成されるのが好ましい。
【0073】
当業者に理解されるように、本発明の洗浄組成物はまた、パーソナル洗浄ケア用途において使用するのに適している。それ故に、本発明は皮膚又は毛髪を洗浄するための方法を包含する。この方法は、本願の洗浄組成物の実施形態で含浸された洗浄溶液又は不織布基材と、洗浄されるべき皮膚/毛髪を接触させる工程を含む。皮膚及び毛髪と接触させる場合における不織布基材の使用方法は、ユーザーの手によって、あるいは不織布基材に取り付けられた器具を用いて行われてもよい。
【0074】
(他の組成物)
本発明の化合物を含む他の組成物は、他の組成物のうち、パーソナルケア組成物、例えばコンタクトレンズ溶液にて使用され、ゴムの加硫にて接着剤として使用され、ポリウレタン製造プロセスにて使用され、染料組成物にて使用され、香料キャリアとして使用され、インク組成物として使用され、農業用途において分散剤として使用され、例えば抗カビ組成物にて分散剤として使用されてもよい。
【0075】
(処方)
【表1】

本願の実施例1及び2又は式(I)〜(III)のいずれか1つに従うポリマー
【0076】
【表2】

8〜10アミドプロピルジメチルアミン
非晶質ケイ酸ナトリウム(SiO:NaO;2.0比)
0.1〜10マイクロメートルの範囲の一次粒径を有する式Na12(A10SiO12.27HOの水和アルミノケイ酸ナトリウム
200μm〜900μmの粒径を有する無水炭酸ナトリウム
4:1アクリル酸/マレイン酸、約70,000の平均分子量、又は6:4のアクリル酸/マレイン酸、約10,000の平均分子量)
本発明の実施例1及び2又は式(I)〜(III)のいずれか1つに従うポリマー
1以上の酵素、例えば:
プロテアーゼ−タンパク質分解酵素、3.3重量%の活性酵素を有する、ノヴォ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)から商標名サヴィナーゼ(SAVINASE)(登録商標)として販売;タンパク質分解酵素、4重量%の活性酵素、PCT国際公開特許WO95/10591に記載される通り、ジェネンコア・インターナショナル社(Genencor Int.Inc.)から販売。
アルカラーゼ(Alcalase)−タンパク質分解酵素、5.3重量%の活性酵素、ノヴォ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)から販売。
セルラーゼ−セルロース分解酵素、0.23重量%の活性酵素、ノヴォ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)から商標名ケアザイム(CAREZYME)(登録商標)として販売。
アミラーゼ−デンプン分解酵素、1.6重量%の活性酵素、ノヴォ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)から商標名ターマミル(TERMAMYL)120T(登録商標)として販売;デンプン分解酵素、PCT国際特許PCT/US9703635に開示される通り。
リパーゼ−脂肪分解酵素、2.0重量%の活性酵素、ノヴォ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)から商標名リポラーゼ(LIPOLASE)(登録商標)として販売;脂肪分解酵素、2.0重量%の活性酵素、ノヴォ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)から商標名リポラーゼ・ウルトラ(LIPOLASE ULTRA)(登録商標)として販売。
エンドラーゼ(Endolase)−エンドグルカナーゼ酵素、1.5重量%の活性酵素、ノヴォ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)から販売。
【0077】
【表3】

トリポリリン酸ナトリウム
ゼオライトA:0.1〜10マイクロメートルの範囲の一次粒径を有する式Na12(A10SiO12.27HOの水和アルミノケイ酸ナトリウム
本願の実施例1及び2並びに式(I)〜(III)に従う修飾されたアルコキシル化ポリオール化合物
起泡抑制剤
Mw=4500
【0078】
【表4】

本願の実施例1及び2並びに式(I)〜(III)に従うポリマー
例えば、ダウ・コーニング(Dow Corning)AFエマルション又はポリジメチルシロキサン
【0079】
(組成物)
【表5】

米国特許第6,645,925B1号に記載されている通り
本発明の実施例1〜3及び式(I)〜(III)に従うポリマー
【0080】
「発明を実施するための最良の形態」において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0081】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール化合物を含むことを特徴とする化合物であって、前記ポリオール化合物が少なくとも3つのヒドロキシ部分を含み、前記ヒドロキシ部分の少なくとも1つが更にアルコキシ部分を含み、前記アルコキシ部分が、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びこれらの混合物から成る群から選択され;更に前記ヒドロキシ部分の少なくとも1つが、アミン末端保護ユニットで置換されており、前記アミン末端保護ユニットが、メチルアミン、ジメチルアミン、エチレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ビスジメチルアミノプロピルアミン(ビスDMAPA)、ヘキセメチレンジアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ドデシルアミン、ベンジルアミン、ポリエチレンイミン、イソキノリン、タロートリエチレンジアミン、単一置換モノアミン、単一置換ジアミン、単一置換ポリアミン、二置換モノアミン、二置換ジアミン、二置換ポリアミン、三置換トリアミン、三置換ポリアミン、3を超える置換基を含むが、ただし少なくとも1つの窒素は水素を含有する多置換ポリアミン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、化合物。
【請求項2】
ポリオール化合物を含むことを特徴とする化合物であって、前記ポリオール化合物が少なくとも3つのヒドロキシ部分を含み、このヒドロキシ部分の少なくとも1つが更にアルコキシ部分を含み、このアルコキシ部分が、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びこれらの混合物から成る群から選択され;更に前記ヒドロキシ部分の少なくとも1つが四級アミン末端保護ユニットで置換されている、化合物。
【請求項3】
四級アミン末端保護ユニットで置換された少なくとも1つの前記ヒドロキシ部分を更に含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記アルコキシ部分が、ヒドロキシ部分あたり1〜100の平均アルコキシル化度を有する、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
前記ポリオールが、マルチトール、スクロース、キシリトール、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、グルコース、マルトース、ポリビニルアルコール、部分的に加水分解されたポリビニルアセテート、キシラン還元マルトトリオース、還元マルトデキストリン類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセロール、ジグリセロールエーテル、マルトトリオース、マルトペントース、マルトヘキソース、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項6】
ポリオール化合物を含むことを特徴とする化合物を含む洗浄組成物であって、前記ポリオール化合物が少なくとも3つのヒドロキシ部分を含み、前記ヒドロキシ部分の少なくとも1つが更にアルコキシ部分を含み、前記アルコキシ部分が、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びこれらの混合物から成る群から選択され;更に前記ヒドロキシ部分の少なくとも1つが、アミン末端保護ユニットを更に含み、前記アミン末端保護ユニットが、メチルアミン、ジメチルアミン、エチレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ビスジメチルアミノプロピルアミン(ビスDMAPA)、ヘキセメチレンジアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ドデシルアミン、タロートリエチレンジアミン、単一置換モノアミン、単一置換ジアミン、単一置換ポリアミン、二置換モノアミン、二置換ジアミン、二置換ポリアミン、三置換トリアミン、三置換ポリアミン、3を超える置換基を含む、ただし少なくとも1つの窒素は水素を含有する多置換ポリアミン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、洗浄組成物。
【請求項7】
ポリオール化合物を含むことを特徴とする化合物を含む洗浄組成物であって、前記ポリオール化合物が少なくとも3つのヒドロキシ部分を含み、このヒドロキシ部分の少なくとも1つが更にアルコキシ部分を含み、このアルコキシ部分が、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びこれらの混合物から成る群から選択され;更に前記ヒドロキシ部分の少なくとも1つが更に四級アミン末端保護ユニットで置換されている、洗浄組成物。
【請求項8】
前記洗浄組成物が、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、双極性、両性、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を更に含む、請求項13又は14に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
インク組成物として、接着剤組成物として、ポリウレタンプロセスにて、染料組成物として、香料キャリアとしてから成る群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−517777(P2007−517777A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544143(P2006−544143)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/043067
【国際公開番号】WO2005/063848
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】