説明

像担持体ユニット及び画像形成装置

【課題】帯電ロールが感光体に長期間押圧されることによって、帯電ロールに永久歪などが発生することを低減し、濃度ムラなどの画質不良を防止する。
【解決手段】プロセスカートリッジ102の本体フレーム103には、離間カバー70が着脱可能に装着される。離間カバー70は、帯電ロール13とクリーニングロール52を保護するカバー部72と、帯電ロール13のシャフト13Aに係止される爪状のフック部74とを備えている。カバー部72の上端部に形成された突起72Aを筐体103の上部の溝部103Aに掛止し、カバー部72を帯電ロール13側に回動させることで、フック部74をシャフト13Aに係止する。これにより、離間カバー70が本体フレーム103に装着され、圧縮スプリング56が縮んで帯電ロール13が感光体ドラム12から離間される。離間カバー70には、プロセスカートリッジ102を包むシート状の包装材80が連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を採用した複写機やプリンタ等の画像形成装置に関し、特に、感光体などの像担持体と、この像担持体の表面を帯電させる帯電ロールとを備え、画像形成装置本体に着脱可能に装着される像担持体ユニット、及びこの像担持体ユニットを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用した複写機やプリンタ等の画像形成装置の帯電装置として、スコロトロン帯電器のようなコロナ放電現象を利用したものが多用されてきたが、コロナ放電現象を利用した帯電装置の場合には、人体や地球環境に悪影響のあるオゾンや窒素酸化物の発生が問題となっている。これに対して、導電性の帯電ロールを感光体に直接接触させて感光体の帯電を行う接触帯電方式はオゾンや窒素酸化物の発生が大幅に少なく、電源効率も良いことから、最近では主流となっている。
【0003】
このような接触帯電方式では、帯電ロールは、感光体に対してスプリングにより一定の圧力で押し付けられている。この状態で長期間放置すると、帯電ロールは、感光体との接触部で永久歪を起こし、帯電能力が変化して濃度ムラ等の画像不良が発生したり、輸送時の振動等により感光体と帯電ロールが摺擦し、帯電ロールの傷等により濃度ムラ等の画質不良が発生することがある。
【0004】
このような長期間の接触状態を回避するために、特許文献1では、感光体と帯電ロールとの離間部材を、現像器のシールの取っ手と連結しているが、現像器と一体でないプロセスカートリッジには対応できない。また、特許文献2では、感光体に脱着可能なカバーを設けているが、カバーを取り外す作業が必要であったり、外し忘れた場合には別のトラブルが発生するという問題がある。
【0005】
また、特許文献3から特許文献6などは、帯電ロールの材料に工夫をして、永久歪を減らそうとしているが、完全に無くすことは不可能である。
【0006】
また、特許文献7では、感光体と帯電ロールの接触程度を限定する部材を配置しているが、帯電ロールの歪を完全に防ぐことは不可能である。
【0007】
また、特許文献8、特許文献9などでは、画像形成装置本体側に設けた接離機構で帯電ロールを接離させているが、複雑な接離機構が必要であり、コストが増大する。
【0008】
また、特許文献10などでは、画像形成条件の制御によって歪んだ帯電ロールを使いこなそうとしているが、濃度ムラを完全に防ぐことは困難である。
【0009】
また、特許文献11では、感光体が停止した状態で帯電ロールを回転させ、帯電ロールの歪を防止しようとしているが、帯電ロールや感光体の傷や磨耗が発生するという問題がある。
【特許文献1】特開2001−20194号公報
【特許文献2】特開2004−21264号公報
【特許文献3】特開2004−67726号公報
【特許文献4】特開2004−85695号公報
【特許文献5】特開2004−292488号公報
【特許文献6】特開2004−307715号公報
【特許文献7】特開平7−36257号公報
【特許文献8】特開2001−194977号公報
【特許文献9】特開2001−201915号公報
【特許文献10】特開2000−214661号公報
【特許文献11】特開2005−234439号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、帯電ロールと像担持体との長期間の接触による帯電ロールの歪や摺擦を低減し、濃度ムラなどの画質不良の発生を抑制できる像担持体ユニット及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明に係る画像形成装置は、画像が形成される像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電ロールと、前記帯電ロールを前記像担持体に圧接させる付勢部材とを備え、画像形成装置本体に対して着脱可能に装着される像担持体ユニットであって、前記像担持体ユニットの本体フレームに掛止部を掛止させ、前記帯電ロール側に回動させることによって前記帯電ロールを覆うカバー部と、前記カバー部に設けられ、前記カバー部を前記帯電ロール側に回動させると、前記帯電ロールと前記像担持体との間に挿入され、前記像担持体から前記帯電ロールを離間させ、係止されるフック部と、を備えた離間カバーを有することを特徴としている。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、像担持体ユニットの本体フレームに着脱可能に装着される離間カバーには、帯電ロールを覆うカバー部が設けられている。そして、本体フレームにカバー部の掛止部を掛止させ、カバー部を帯電ロール側に回動させることによって、帯電ロールをカバー部で覆う。カバー部には、フック部が設けられており、カバー部を帯電ロール側に回動させると、フック部が帯電ロールと像担持体との間に挿入され、フック部が係止されることによって像担持体から帯電ロールが離間される。
【0013】
これにより、長期間の保管時などに帯電ロールと像担持体との接触部で帯電ロールの歪などの変形が発生することが低減される。このため、帯電ムラによる濃度ムラの発生を抑制することが可能となる。さらに、フック部を係止することにより、少ないスペースで帯電ロールを像担持体から離間させることが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の像担持体ユニットにおいて、前記離間カバーにシート状の包装材が取り付けられ、前記本体フレームに前記離間カバーを装着し、前記包装材を前記カバー部の回動方向に巻いて梱包したことを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、離間カバーにシート状の包装材が取り付けられており、本体フレームに離間カバーを装着した後、包装材をカバー部の回動方向に巻いて梱包する。これにより、包装材を巻くときに離間カバーが外れることが抑制される。また、包装材が離間カバーに取付けられているので、包装材を本体フレームから取り外す際に、包装材とともに離間カバーを取り外すことが可能となる。これにより、離間カバーの外し忘れが抑制される。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の像担持体ユニットにおいて、前記離間カバーは、前記帯電ロールの前記像担持体に対する離間量を前記掛止部の高さで調整することを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、離間カバーは、帯電ロールの像担持体に対する離間量を掛止部の高さで調整し、帯電ロールを像担持体から離間させる。これにより、簡単な構成で帯電ロールと像担持体とを確実に離間させることが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の像担持体ユニットにおいて、前記離間カバーを導電性部材で形成したことを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、離間カバーを導電性部材で形成することにより、帯電ロールに高電圧が印加されときに、離間カバーを介して画像形成装置本体に流れる電流を検知することが可能となる。これにより、離間カバーの外し忘れによる帯電不良の発生を抑制することが可能となる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の像担持体ユニットにおいて、前記帯電ロールをクリーニングするクリーニング部材を備え、前記離間カバーは、前記クリーニング部材の保護を兼ねることを特徴としている。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、帯電ロールをクリーニングするクリーニング部材を備えており、離間カバーがクリーニング部材の保護を兼ねている。このため、クリーニング部材に包装材やユーザーの手が触れることによってクリーニング部材に傷や変形、異物・油脂等の付着などを発生させることを抑制できる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の像担持体ユニットにおいて、前記離間カバーの外面部に、前記離間カバーを前記本体フレームから取り外すための指掛り穴を備えることを特徴としている。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、離間カバーの外面部に指掛り穴が設けられており、ユーザーが指掛り穴に指を掛けることよって、離間カバーを本体フレームから取り外すことが可能となる。このため、像担持体ユニットを画像形成装置本体に装着した後でも離間カバーを取り外すことが可能となる。
【0024】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の像担持体ユニットにおいて、前記包装材の端部中央に突出片を形成し、前記カバー部の前記掛止部より回動方向側の中央部に形成した係止孔へ差し込んで連結したことを特徴としている。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、カバー部の中央部に形成した係止孔へ突出片を差し込んで連結するので、包装材をカバー部に簡単に連結することができると共に、像担持体の長さに応じて寸法の異なる包装材を連結することが可能である。また、カバー部の掛止部より回動方向側の中央部で包装材を連結するので、包装材を本体フレームから取り外す際に、包装材に引っ張られて離間カバーが回動方向と逆方向に回動し、本体フレームから外れる。これにより、離間カバーを取り外すときの操作性が向上し、離間カバーの外し忘れを抑制することが可能となる。
【0026】
請求項8に記載の発明に係る画像形成装置は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の像担持体ユニットを備え、前記像担持体ユニットは、前記離間カバーを取り外して前記画像形成装置本体に装着されることを特徴としている。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、像担持体ユニットは、保管時に装着されている離間カバーを取り外して画像形成装置本体に装着される。これにより、像担持体ユニットの長期間の保管時に、帯電ロールと像担持体との接触部で帯電ロールに歪などの変形が発生することが低減され、濃度ムラの発生を抑制できる。
【0028】
請求項9に記載の発明に係る画像形成装置は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の像担持体ユニットと、前記帯電ロールの電流値を測定する電流計と、を備え、前記電流計で測定された電流値が所定値よりも小さいときに、画像形成動作を実行しないことを特徴としている。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、離間カバーが像担持体ユニットに装着され、帯電ロールと像担持体とが離間しているときは、帯電ロールに印加される電流が流れにくくなっている。そこで、帯電ロールの電流値を測定する電流計を設けることで、電流計で測定された電流値が所定値よりも小さいときに、画像形成動作を実行しない。これにより、離間カバーの外し忘れによる帯電不良による不具合の発生を抑制することが可能となる。
【0030】
請求項10に記載の発明に係る画像形成装置は、請求項4に記載の像担持体ユニットを備え、前記離間カバーが前記画像形成装置本体の電流検知部に接触して電流が流れたときに、画像形成動作を実行しないことを特徴としている。
【0031】
請求項10に記載の発明によれば、離間カバーを導電性部材で形成しており、離間カバーを装着した状態で帯電ロールに高電圧が印加されると、離間カバーが画像形成装置本体の電流検知部に接触して電流が流れる。このとき、画像形成動作を実行しないことで、離間カバーの外し忘れによる帯電不良による不具合の発生を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、帯電ロールと像担持体との長期間の接触による帯電ロールの歪や摺擦を低減でき、濃度ムラなどの画質不良の発生を抑制し、良好な画質の画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明に係るクリーニング装置及び画像形成装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
図1には、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100が示されている。
【0035】
この画像形成装置100は、図示しないパーソナルコンピュータ等の画像データ入力装置から送られてくるカラー画像情報に基づいて画像処理を行い、電子写真方式によって記録用紙Pにカラー画像を形成するものである。
【0036】
画像形成装置100には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成する画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを備えている。なお、以降、YMCKを区別する必要がある場合は、符号の後にY、M、C、Kの何れかを付して説明し、YMCKを区別する必要が無い場合は、Y、M、C、Kを省略する。
【0037】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、バックアップロール34と複数の張架ロール32によって張架された無端状の中間転写ベルト30の進行方向に対して、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの順番で直列に配列されている。また、中間転写ベルト30は、各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの像担持体としての感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kと、それぞれ対向して配設される一次転写ロール16Y、16M,16C,16Kとの間を挿通している。
【0038】
つぎに、各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの構成と画像形成の動作とを、イエロートナー画像を形成する画像形成ユニット10Yを代表して説明する。
【0039】
感光体ドラム12Yの表面は、帯電ロール13Yにより一様に帯電される。つぎに、露光装置14Yによりイエロー画像に対応する像露光がなされ、感光体ドラム12Yの表面にイエロー画像に対応する静電潜像が形成される。
【0040】
イエロー画像に対応する静電潜像は、現像装置15Yの現像バイアスが印加された現像ロール18Yに担持されたトナーによって現像され、イエロートナー画像となる。イエロートナー画像は、一次転写ロール16Yの圧接力と、一次転写ロール16Yに印加された転写バイアスによる静電吸引力と、によって、中間転写ベルト30上に一次転写される。
【0041】
この一次転写では、イエロートナー画像は全て中間転写ベルト30に転写されず、一部が転写残留イエロートナーとして、感光体ドラム12Yに残留する。また、感光体ドラム12Yの表面には、トナーの外添剤なども付着している。一次転写後の感光体ドラム12Yは、クリーニング装置20Yとの対向位置を通過し、感光体ドラム12Yの表面の転写残留トナーなどが除去される。その後、感光体ドラム12Yの表面は、つぎの画像形成サイクルの為、帯電ロール13Yで再び帯電される。
【0042】
図1に示すように、画像形成装置100では、各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの相対的な位置の違いを考慮したタイミングで、上記と同様の画像形成工程が各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにおいて行われ、中間転写ベルト30上に、順次、Y,M,C,Kの各色トナー像が重ねられ、多重トナー像が形成される。
【0043】
そして、所定のタイミングで二次転写位置Aへと搬送されてきた記録用紙Pに、転写バイアスが印加された二次転写ロール36の静電吸引力によって、中間転写ベルト30から多重トナー像が一括して、記録用紙Pに転写される。
【0044】
多重トナー像が転写された記録用紙Pは、中間転写ベルト30から分離された後、定着装置31へと搬送され、熱と圧力とにより記録用紙Pに定着されてフルカラー画像が形成される。
【0045】
記録用紙Pに転写されなかった中間転写ベルト30上の転写残留トナーは、中間転写ベルト用クリーナー33で回収される。
【0046】
この画像形成装置100には、図2及び図9に示すように、感光体ドラム12と、帯電ロール13と、後述するクリーニングロール52と、クリーニング装置20などが一体に構成された像担持体ユニットとしてのプロセスカートリッジ102が設けられている。図10に示すように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色に対応して4つのプロセスカートリッジ102Y、102M、102C、102Kが設けられており、これらが画像形成装置本体110(図10では一部のみ図示)に対して着脱可能に装着されている。これにより、プロセスカートリッジ102Y、102M、102C、102Kを画像形成装置本体110から取り外して交換することができる。
【0047】
図3に示すように、プロセスカートリッジ102には、感光体ドラム12の上方部に、感光体ドラム12と接触するように帯電ロール13が配設されている。この帯電ロール13は、導電性のシャフト13Aの周囲に帯電層13Bが形成されたものである。シャフト13Aの両端部は、プロセスカートリッジ102の本体フレーム103に対して上下方向にスライド可能に設けられたホルダー部材(図示省略)の軸受60に回転可能に支持されている。軸受60の上方部には、軸受60を付勢して帯電ロール13を感光体ドラム12に押圧させる圧縮スプリング56が設けられている。なお、圧縮スプリング56内には、軸受60に形成された凸部60Aが挿入され、圧縮スプリング56のずれや倒れを防止している。圧縮スプリング56の上端部は、本体フレーム103に固定された支持体58に支持されている。
【0048】
帯電ロール13の上方部であって圧縮スプリング56と隣り合う位置には、帯電ロール13の表面に接触するクリーニングロール52が設けられている。このクリーニングロール52は、シャフト52Aの周囲にスポンジ層52Bが形成されたものであり、シャフト52Aの両端部がホルダー部材(図示省略)に回転可能に支持されている。また、クリーニングロール52は帯電ロール13に所定の圧力で押圧され、スポンジ層52Bが帯電ロール13の周面に沿って弾性変形してニップ部を形成している。
【0049】
図2に示すように、軸受60と帯電ロール13及びクリーニングロール52はホルダー部材(図示省略)に支持されており、本体フレーム103に対して圧縮スプリング56の伸縮方向、すなわち、感光体ドラム12の軸方向と直交する方向にスライド可能となっている。
【0050】
感光体ドラム12の支軸には図示しないモータが連結されており、感光体ドラム12が図1中の時計回り(矢印2の方向)に回転駆動される。また、感光体ドラム12の回転に従動して帯電ロール13が矢印4の方向に回転する。また、帯電ロール13の回転に従動してクリーニングロール52が矢印6の方向に回転する。なお、帯電ロール13又はクリーニングロール52は、モータを連結して独自に回転駆動するように構成してもよい。
【0051】
図2及び図3に示すように、プロセスカートリッジ102には、本体フレーム103に着脱可能に装着される離間カバー70が設けられている。この離間カバー70は、帯電ロール13とクリーニングロール52を覆うカバー部72と、カバー部72の端部(帯電ロール13側の端部)にシャフト13Aに係止されるフック部74とを備えている。
【0052】
カバー部72は、本体フレーム103の上部に形成された溝部103Aに掛止される突起72Aを備えており、本体フレーム103の上部から直角方向に湾曲され、クリーニングロール52及び帯電ロール13の露出部を覆うように形成されている。
【0053】
図4に示すように、フック部74は、カバー部72の下方部(突起72Aと反対側端部)であって、カバー部72の両端部に設けられている(図4では片方のみ図示)。フック部74は、シャフト13Aに係止される爪状の部材であり、カバー部72の回動方向に向かって太くなり、シャフト13Aの径方向に拡大した形状となっている。
【0054】
図2に示すように、離間カバー70は、カバー部72の突起72Aを溝部103Aに掛止させ、突起72Aを支点としてカバー部72を帯電ロール13側に回動させることによって、カバー部72でクリーニングロール52と帯電ロール13を覆うと共に、フック部74がシャフト13Aに係止される。これにより、離間カバー70が本体フレーム103に装着され、フック部74によって帯電ロール13が感光体ドラム12から離間されるように構成されている。
【0055】
図4に示すように、カバー部72の回動方向端部(突起72Aと反対側の下方側端部)には、中央部に長手方向に沿ってスリット76が形成されている。また、カバー部72の外面の両端部には、ユーザーが離間カバー70を本体フレーム103から取り外すために指を掛止可能な指掛り穴78が形成されている。このカバー部72は、例えば、POMなどの樹脂で形成されている。
【0056】
図7に示すように、プロセスカートリッジ102は、遮光性のシート状の包装材80で巻いて梱包している。図5に示すように、包装材80は、カバー部72の長手方向と直交する方向に舟形状の突出片80Aを備えている。図6に示すように、突出片80Aをカバー部72の内側からスリット76に通して包装材80の表面側に折り返し、その折り返した突出片80Aをテープ82で包装材80に貼り付けることで、包装材80をカバー部72に連結する。すなわち、包装材80は、カバー部72の中央部の一箇所で連結されており、これによって感光体ドラム12の長さに応じて異なる寸法の包装材80を取り付けることができる。
【0057】
プロセスカートリッジ102の出荷検査終了後、梱包時には、図2に示すように、カバー部72の突起72Aを溝部103Aに掛止させ、突起72Aを中心に帯電ロール13側に回動させることによって、カバー部72でクリーニングロール52と帯電ロール13を覆う。カバー部72を回動させると、フック部74が帯電ロール13と感光体ドラム12との間に挿入され、シャフト13Aに係止されることで離間カバー70が本体フレーム103に装着される。フック部74がシャフト13Aに係止されることによって、圧縮スプリング56が縮んで帯電ロール13が上方に引き上げられ、帯電ロール13と感光体ドラム12との圧接が解除される。
【0058】
また、離間カバー70は、カバー部72の突起72Aの高さを調整することによって、帯電ロール13の感光体ドラム12に対する離間量(リフト量)を調整することができる。このため、簡単な構成により帯電ロール13を感光体ドラム12から確実に退避することができる。また、フック部74は、カバー部72の回動方向に向かって太く、シャフト13Aの径方向に拡大した形状であり、フック部74が感光体ドラム12に接触しないため、感光体ドラム12の傷は発生しない。また、このような形状により、フック部74の強度を確保することができる。フック部74でシャフト13Aを係止することで、少ないスペースで帯電ロール13を感光体ドラム12から離間することができる。
【0059】
図7に示すように、プロセスカートリッジ102に離間カバー70を装着した後、包装材80を離間カバー70の装着時の回動方向(図2中の突起72Aからフック部74の方向)に巻いて、包装材80の端部をテープ84で貼り付けることで、プロセスカートリッジ102を梱包する。包装材80を離間カバー70の回動方向に巻くことにより、離間カバー70の外れを防止できる。この状態で、プロセスカートリッジ102を輸送、保管する。
【0060】
このようにプロセスカートリッジ102に離間カバー70を装着することにより、長期間の保管時などに帯電ロール13が感光体ドラム12から離間されるので、帯電ロール13の周面に永久歪などの変形が発生しない。輸送時の振動等により感光体ドラム12と帯電ロール13が摺擦することも防止できる。このため、帯電ロール13の変形による濃度ムラの発生を抑制できる。さらに、帯電ロール13の種類によっては、親水性のイオンを使用しているものもあり、特に、高湿環境下で放置するとこのイオンが染み出て表面に出てくる場合がある。これが感光体ドラム12表面に付着して白スジになる場合もあるが、このような白スジの発生も防止できる。
【0061】
また、プロセスカートリッジ102に遮光性の包装材80を巻いているため、感光体ドラム12の光疲労や傷などの発生を防止し、異物・油脂等の付着を防止することができる。
【0062】
一方、プロセスカートリッジ102を画像形成装置本体110に装着する時には、包装材80を取り外してから装着する。図8に示すように、テープ84を剥がして包装材80を梱包時と逆方向に剥がしてプロセスカートリッジ102から取り外す。包装材80は、カバー部72の突起72A(図3参照)と反対側端部に連結されており、包装材80を本体フレーム103の長手方向と直交する方向にそのまま引っ張ることで、離間カバー70が装着時と逆方向に回動して本体フレーム103から外れる。そうすることで、包装材80を剥がすと同時に、離間カバー70を取り外すことができる。離間カバー70を取り外すことにより、図9に示すように、帯電ロール13とクリーニングロール52の周面の一部が本体フレーム103から露出する。この状態では、図3に示すように、フック部74がシャフト13Aから外れるので、シャフト13Aが圧縮スプリング56の力で感光体ドラム12の方向に移動し、帯電ロール13が感光体ドラム12に圧接される。
【0063】
このように離間カバー70と包装材80を一体的に構成することで、離間カバー70の外し忘れによる帯電不良を防止でき、また、プロセスカートリッジ102の交換時のユーザーへの負担が増加することが無い。
【0064】
また、図10に示すように、離間カバー70と包装材80を一体的に構成しないとき、又は、包装材80が離間カバー70から外れた場合には、プロセスカートリッジ102Y、102M、102C、102Kを画像形成装置本体110に取付けたときに離間カバー70が装着されている場合がある。この場合には、ユーザーが離間カバー70の指掛り穴78に指を掛止して引っ張ることで、離間カバー70を取り外すことができる。
【0065】
図11に示すように、画像形成装置本体110には、帯電ロール13に高電圧を印加する電源120と、帯電ロール13から感光体ドラム12に流れる電流値を測定する電流計122とが設けられている。制御部124では、電流計122で測定された電流値が所定値よりも小さいときに、画像形成動作を実行しない。離間カバー70がプロセスカートリッジ102に装着され、帯電ロール13と感光体ドラム12とが離間しているときは、帯電ロール13から感光体ドラム12に電流が流れにくい。そこで、電流計122で測定された電流値が所定値よりも小さいときに、画像形成動作を実行しないことで、離間カバー70の外し忘れによる帯電不良による不具合の発生を防止できる。
【0066】
また、図10に示すように、離間カバー70を導電性POMなどの導電性部材で形成すると共に、画像形成装置本体110に、プロセスカートリッジ102に装着された離間カバー70と接触可能な導電性の板バネ112などを設けてもよい。また、画像形成装置本体110には、板バネ112に流れた電流を検知する電流検知部(図示省略)を設ける。この構成では、離間カバー70がプロセスカートリッジ102に装着された状態で帯電ロール13に高電圧が印加されると、離間カバー70から板バネ112を介して電流検知部(図示省略)に電流が流れる。このとき、画像形成動作を実行しないことにより、離間カバー70の外し忘れによる帯電不良による不具合の発生を防止できる。
【0067】
ここで、クリーニングロール52の詳細について説明する。
【0068】
クリーニングロール52のシャフト52Aの材質としては、快削鋼、ステンレス鋼等が使用されており、摺動性などの用途に応じ材質および表面処理方法は適時選択され、導電性を有さない材質についてはメッキ処理など一般的な処理により加工され導電化処理が行われてもよく、もちろんそのまま使用してもよい。また、クリーニングロール52は、スポンジ層52Bを介して帯電ロール13と適度なニップ圧力で接触するため、ニップ時に撓みのない強度を持った材質またはシャフト長に対して十分剛性をもったシャフト径が選択される。
【0069】
スポンジ層52Bは、多孔質の3次元構造を有する発泡体からなり、内部や表面に空洞や凹凸部(以下、セルという。)が存在し、弾性を有している。このスポンジ層52Bは、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、オレフィン、メラミン又はポリプロピレン、NBR、EPDM、天然ゴム及びスチレンブタジエンゴム、クロロプレン、シリコーン、ニトリル、等の発泡性の樹脂又はゴムを材質としたものより選択される。これにより、多数のセルを有するスポンジ層52Bを安価に製造できる。スポンジ層52Bは、帯電ロール13との従動摺擦により外添剤などの異物を効率的にクリーニングすると同時に、帯電ロール13の表面にスポンジ層52Bの擦れによるキズをつけないために、また、長期にわたり千切れや破損が生じないようにするために、引き裂き、引っ張り強さなどに強いポリウレタンが特に好ましく用いられる。
【0070】
ポリウレタンとして特に限定するものではなく、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルやアクリルポリールなどのポリオールと、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートや4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネートの反応を伴っていれば良く、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパンなど鎖延長剤が混合されていることが好ましい。また、水やアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物などの発泡剤を用いて発泡させるのが一般的である。さらに必要に応じて発泡助剤、整泡剤、触媒などの助剤を加えればよい。
【0071】
クリーニングロール52のスポンジ層52Bのセル数は40〜80個/25mmであることが好ましく、45〜75個/25mmであることがより好ましい。このようなセル数に設定することで、セルの中にトナーや外添剤などの異物を取り込みやすく、かつ取り込んだ外添剤などの異物を帯電ロール13、感光体ドラム12へ転移しやすくなる。セル数が80個/25mmより多いとセル径が小さい為に外添剤の取り込み性が低下し、逆にセル数が40個/25mmより少ないとセル径が大きくなりすぎ、取り込んだ外添剤を帯電ロール13へ転移させる適度な大きさまで固めることが困難となる。
【0072】
また、クリーニングロール52の径はφ7mmからφ14mm、より好ましくはφ8mmからφ13mmで、スポンジ層52Bの肉厚が2mmから4mmであることが好ましい。直径が14mm以上であるとクリーニングロール52の周面1箇所あたりの外添剤に接触する回数が減り、またクリーニング回数が減るので、クリーニング性能に対する長期安定性には優れるものの小型化の観点から不利である。直径が7mm以下であると画像形成装置を小型化できるので優位であるが、周面1箇所あたりの外添剤に接触する回数が増え、またクリーニング回数が増えるので、長期安定性に対し不利となる。
【0073】
次に、帯電ロール13の詳細について説明する。
【0074】
この帯電ロール13は、導電性のシャフト13A上に帯電層13Bとして導電性弾性層、表面層が順次形成されたものである。
【0075】
帯電ロール13の径はφ7mmからφ15mm、より好ましくはφ8mmからφ14mmで、帯電層13Bの肉厚が2mmから4mmであることが好ましい。直径が15mm以上であると周面1箇所あたりの外添剤に接触する回数が減り、また放電回数が減るので、汚れや帯電性能に対する長期安定性には優れるものの小型化の観点から不利である。直径が7mm以下であると画像形成装置100を小型化できるので優位であるが、周面1箇所あたりの外添剤に接触する回数が増え、また放電回数が増えるので、長期安定性に対し不利となる。
【0076】
この帯電ロール13であるが、所定の帯電性能を有するものであれば以下の構成に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0077】
シャフト13Aの材質としては、快削鋼、ステンレス鋼等が使用され、摺動性などの用途に応じ材質および表面処理方法は適時選択され、導電性を有さない材質についてはメッキ処理など一般的な処理により加工され導電化処理が行われていてもよい。
【0078】
帯電ロール13の帯電層13Bを構成する上記導電性弾性層は、例えば、弾性を有するゴム等の弾性材、導電性弾性層の抵抗を調整するカーボンブラックやイオン導電材等の導電材、必要に応じて軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカおよび炭酸カルシウム等の充填剤等、通常ゴムに添加され得る材料を加えてもよい。通常ゴムに添加される材料を添加した混合物を、導電性のシャフト13Aの周面に被覆することにより形成される。抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックやイオン導電剤のような、電子及び/又はイオンを電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いることができる。また、上記弾性材は発泡体であってもかまわない。
【0079】
上記導電性弾性層を構成する弾性材としては、例えばゴム材中に導電剤を分散させることによって形成される。ゴム材としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、天然ゴム等、及びこれらのブレンドゴムが挙げられる。中でも、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムおよびこれらのブレンドゴムが好ましく用いられる。これらのゴム材は発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
【0080】
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末を挙げることができる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;を挙げることができる。
【0081】
帯電層13Bを構成する上記表面層は、トナー等の異物による汚染の防止のためなどに形成しているものであり、表面層の材料としては、樹脂、ゴム等の何れを用いてもよく特に限定するものではない。ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロン、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。このうち外添剤汚れの観点から、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロンが好ましく用いられる。
【0082】
また上記表面層には導電性材料を含有させ、抵抗値を調整することができる。該導電性材料としては、粒径が3μm以下であるものが望ましい。また、抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックや導電性金属酸化物粒子、あるいはイオン導電剤のような、電子及び/又はイオンを電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いることができる。
【0083】
また、上記表面層には、フッ素系あるいはシリコーン系の樹脂が用いられている。特に、フッ素変性アクリレートポリマーで構成されることが好ましい。また、表面層の中に微粒子を添加してもよい。これにより、表面層が疎水性となって帯電ロール13への異物の付着が防止されるように作用する。また、アルミナやシリカのような絶縁性の粒子を添加して、帯電ロール13の表面に凹凸を付与し、感光体ドラム12との摺擦時の負担を小さくして帯電ロール13と感光体ドラム12相互の耐磨耗性を向上させることも可能である。
【0084】
このような構成の画像形成装置100では、図1に示すように、クリーニング装置20を通過後に感光体ドラム12の表面に付着しているトナーや外添剤(Si,Tiなど)などは、帯電ロール13の表面に付着する。帯電ロール13の表面に付着したトナーや外添剤は、帯電ロール13とクリーニングロール52とのニップ部でスポンジ層52Bのセル内に取り込まれる。帯電ロール13とクリーニングロール52とのニップ部では、スポンジ層52Bのセル内や表面で圧縮膨張運動が起こり、トナーや外添剤を掻き取りながら凝集させる現象が起こる。そして、トナーや外添剤が凝集してある大きさ以上になると、その凝集物がクリーニングロール52のスポンジ層52Bのセル内から帯電ロール13側に戻される。さらに、その凝集物は帯電ロール13の表面から感光体ドラム12へ戻され、その後、感光体ドラム12表面の凝集物はクリーニング装置20や現像装置15の現像ロール18などに回収される。また、感光体ドラム12から中間転写ベルト30に転移した凝集物は中間転写ベルト30の中間転写ベルト用クリーナー33によって回収される。この一連の動作が繰り返されることによって、クリーニング性能が維持される。
【0085】
このような画像形成装置100では、プロセスカートリッジ102の出荷時に、帯電ロール13の感光体ドラム12への圧接を解除する離間カバー70が装着されている。このため、帯電ロール13の永久歪や、輸送時の振動等により感光体ドラム12と帯電ロール13が摺擦することが抑制され、濃度ムラ等の画質不良を防止できる。
【0086】
また、離間カバー70と包装材80とを一体的に構成したことで、包装材80を剥がすときに離間カバー70をプロセスカートリッジ102から取り外すことができる。このため、離間カバー70を外し忘れた場合の帯電不良による現像装置15内のキャリアこぼれを防止することができる。
【0087】
また、包装材80を剥がすときに離間カバー70を取り外すことができるため、プロセスカートリッジ102の交換時にユーザーへの負担が増加することは無い。
【0088】
なお、上記実施形態の画像形成装置100は、感光体ドラム12の上方部に帯電ロール13を接触させ、この帯電ロール13の上方部にクリーニングロール52を接触させる構成であるが、この構成に限定するものではない。例えば、感光体ドラムの下方部に帯電ロールを接触させ、この帯電ロールの下方部にクリーニングロールを接触させる構成でも本発明を適用することが可能である。
【0089】
なお、上記実施形態の画像形成装置100は、中間転写ベルト30の移動方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kを並設する構成であったが、この構成に限定するものではない。例えば、回転式現像装置を用いて感光体ドラムへのトナー像の形成を4サイクル繰り返して行う構成であっても、感光体ドラム、帯電ロール及びクリーニングロールを備えたプロセスカートリッジに本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置において、プロセスカートリッジに離間カバーを取り付け、帯電ロールを感光体ドラムから離間した状態を示す構成図である。
【図3】図1に示す画像形成装置において、プロセスカートリッジから離間カバーを取り外し、帯電ロールを感光体ドラムに圧接した状態を示す構成図である。
【図4】離間カバーを示す斜視図である。
【図5】離間カバーに取り付けられる包装材を示す斜視図である。
【図6】離間カバーに包装材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図7】離間カバーをプロセスカートリッジに装着し、包装材で包んだ状態を示す斜視図である。
【図8】プロセスカートリッジから包装材を剥がす状態を示す斜視図である。
【図9】プロセスカートリッジから包装材及び離間カバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【図10】画像形成装置本体に、離間カバーが装着されたプロセスカートリッジを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図11】帯電ロールに高電圧を印加する電源付近の構成を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0091】
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット
12Y,12M,12C,12K 感光体ドラム
13 帯電ロール
13A シャフト
52 クリーニングロール
56 圧縮スプリング
58 支持体
60 軸受
70 離間カバー
72 カバー部
72A 突起(掛止部)
74 フック部
76 スリット
78 指掛り穴
80 包装材
80A 突出片
82 テープ
84 テープ
100 画像形成装置
102 プロセスカートリッジ(像担持体ユニット)
103 本体フレーム
103A 溝部
110 画像形成装置本体
112 板バネ
120 電源
122 電流計
124 制御部
P 記録用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が形成される像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電ロールと、前記帯電ロールを前記像担持体に圧接させる付勢部材とを備え、画像形成装置本体に対して着脱可能に装着される像担持体ユニットであって、
前記像担持体ユニットの本体フレームに掛止部を掛止させ、前記帯電ロール側に回動させることによって前記帯電ロールを覆うカバー部と、
前記カバー部に設けられ、前記カバー部を前記帯電ロール側に回動させると、前記帯電ロールと前記像担持体との間に挿入され、前記像担持体から前記帯電ロールを離間させ、係止されるフック部と、
を備えた離間カバーを有することを特徴とする像担持体ユニット。
【請求項2】
前記離間カバーにシート状の包装材が取り付けられ、
前記本体フレームに前記離間カバーを装着し、前記包装材を前記カバー部の回動方向に巻いて梱包したことを特徴とする請求項1に記載の像担持体ユニット。
【請求項3】
前記離間カバーは、前記帯電ロールの前記像担持体に対する離間量を前記掛止部の高さで調整することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の像担持体ユニット。
【請求項4】
前記離間カバーを導電性部材で形成したことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の像担持体ユニット。
【請求項5】
前記帯電ロールをクリーニングするクリーニング部材を備え、前記離間カバーは、前記クリーニング部材の保護を兼ねることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の像担持体ユニット。
【請求項6】
前記離間カバーの外面部に、前記離間カバーを前記本体フレームから取り外すための指掛り穴を備えることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の像担持体ユニット。
【請求項7】
前記包装材の端部中央に突出片を形成し、前記カバー部の前記掛止部より回動方向側の中央部に形成した係止孔へ差し込んで連結したことを特徴とする請求項2に記載の像担持体ユニット。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の像担持体ユニットを備え、
前記像担持体ユニットは、前記離間カバーを取り外して前記画像形成装置本体に装着されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の像担持体ユニットと、
前記帯電ロールの電流値を測定する電流計と、を備え、
前記電流計で測定された電流値が所定値よりも小さいときに、画像形成動作を実行しないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項4に記載の像担持体ユニットを備え、
前記離間カバーが前記画像形成装置本体の電流検知部に接触して電流が流れたときに、画像形成動作を実行しないことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−271759(P2007−271759A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−95124(P2006−95124)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】