説明

光学ヘッドおよび光情報処理装置

【課題】多層光ディスクにおいて所望の光情報記録媒体層と隣接する光情報記録媒体層からの反射光によるフォーカス誤差信号の乱れを低減することができる。
【解決手段】ナイフエッジ法によりフォーカス誤差信号を生成する際に、光ディスクからの反射光を直径軸Oと距離dの平行な直線7gを分割線として2分割にし、分割した光束のうち光軸を含まない光束から形成される検出光20を用いてフォーカス誤差信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等のような情報記録媒体に対して記録及び再生を行う際に使用される光学ヘッド、並びにそのような光学ヘッドを備えた記録及び再生を行う光情報処理装置に関するものである。特に、複数の光情報記録媒体層を有する光ディスクに対して、正確な記録再生動作が可能な光ヘッドおよび光情報処理装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ディスクは多量の情報信号を高密度で記録することができるため、オーディオ、ビデオ、コンピュータ等の多くの分野において利用が進められている。そして、大容量・高速データの転送が可能になりつつある現在、情報記録媒体として、動画像情報等の大容量データを記録するために更なる高密度化が求められている。この達成のためには、光情報記録媒体の記録マークの間隔とトラックピッチを短くせざるを得ない。記録マーク間隔及びトラックピッチの小さな光情報記録媒体に読み書きを行うためには微小なレーザスポットが必要である。しかし、スポットサイズには回折限界で決まる下限があり、どこまでも微小化することはできない。このため、記録マークのサイズあるいはトラックピッチの寸法で決まる面内記録密度はスポットサイズの下限で決まる限界がある。そこで、光情報記録媒体層を多層化して、光ディスクの面積当たりの情報密度を向上させようとすることが考えられている。
【0003】
多層の光ディスクから情報を読み出すとき、層間の信号クロストークが発生し、従来方式の光ヘッドでは読み出し信号に大きな誤差が生じることがある。その原因の一つに、レーザ光の焦点位置が読み出そうとしている光情報記録媒体層から外れてしまうことがある。
【0004】
フォーカス誤差信号の乱れをなくす技術が、特開2002−183987号公報に開示されている。図7は、従来の光情報記録媒体と光ヘッドの構成を示す。半導体レーザ111から出射したレーザ光はコリメータレンズ123で平行光にされた後、三角プリズム112で円形ビームに変換される。このレーザ光は、偏光ビームスプリッタ131で反射され、λ/4波長板121により円偏光にされた後、対物レンズ141で微小なスポットに絞り込まれる。スポットの焦点位置では多層光ディスク1501が回転しており、記録マークを有する光情報記録媒体層1511、1512、1513等から強度変化を有する反射光が発生する。反射光は対物レンズ141に戻り、λ/4波長板121により直線偏光に変換され、偏光プリズム131を透過する。透過光はハーフプリズム132により2つに分割される。ハーフプリズムからの反射光は集光レンズ143で集光され、2分割光検出器152上に照射された後、電子回路161、162により、トラッキング誤差信号172とデータ信号173を生成する。ハーフプリズム132の透過光はナイフエッジ122で遮られた後、集光レンズ142で集光され、4分割光検出器153上に照射される。光検出器153は、4個の光検出素子1531、1532、1533、1534からなる。各光検出素子1531、1532、1533、1534の電流・電圧変換後の電圧出力をA、B、C、Dとするとき、電子回路164は、A〜DをE=A−B+C−Dのように信号処理してフォーカス誤差信号出力171を発生する。
【0005】
図8に示すように、4分割光検出器153の中央部の2個の光検出素子1532、1533には、対物レンズ141の焦点が合っている多層光ディスク1501の第1光情報記録媒体層1511からの反射光181が同光量ずつ入射し、2個の光検出素子1532、1533から発生される電流・電圧変換後の電圧出力B、Cが等しくなるように設計されている。
【0006】
このとき、図9に示すように、4分割光検出器153の片側半分に位置する2個の光検出素子1533、1534には第1光情報記録媒体層1511の隣接層である第2光情報記録媒体層からの反射光182が入射するが、光検出素子1533と光検出素子1534の分割位置は、反射光182が光検出素子1533と光検出素子1534に同光量で入射し、光検出素子1533、1534から発生される電流・電圧変換後の電圧出力C、Dが等しくなるように設計されている。
【0007】
これは例えば、4分割光検出器153の4個の光検出素子1531、1532、1533、1534を、中心側に位置する2個の光検出素子1532、1533の分割方向の長さを外側に位置する2個の光検出素子1531、1534の分割方向の長さより短く設定することにより実現することができる。そして、4分割光検出器153の4個の光検出素子1531、1532、1533、1534の出力を電子回路164でE=A−B+C−Dのように信号処理した出力171をフォーカス誤差信号として対物レンズ141のレンズアクチュエータ163を制御することで、隣接する光情報記録媒体層からのデフォーカスした反射光の影響を受けることなく所望の光情報記録媒体層にフォーカス合わせを行うことができる。
【特許文献1】特開2002−183987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明では、多層光ディスクに情報の記録及び再生の少なくとも一方を行う光情報処理装置において、所望の光情報記録媒体層と隣接する光情報記録媒体層からの反射光によるフォーカス誤差信号の乱れを低減することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係わる光ヘッドは、複数の光情報記録媒体層を有する光ディスクに光照射することによって情報を記録する光学ヘッドにおいて、光源と、前記光源からの光を集光して前記光ディスクに照射する集光手段と、前記光ディスクからの反射光の直径軸と距離dに位置する直線を分割線として反射光の光束を2分割する光束分割手段と、前記光ディスクの第1の光情報記録媒体層を前記集光手段により集光したとき、前記第1の光情報媒体層からの前記光束分割手段により分割した2つの光束のうち光軸を含まない光束から形成される検出スポットに起因する出力が略等しくなるように配置された第1および第2の光検出領域を持つ光検出器とを備え、前記第1の光情報記録媒体層以外の光情報記録媒体層からの反射光が、前記第1および第2の光検出領域の分割線を含まないことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係わる光ヘッドは、前記光束分割手段に入射する反射光の光束直径をDとしたとき、前記距離dは、
【0011】
【数1】

【0012】
の条件を満足することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係わる光ヘッドは、前記第1の光検出領域と前記第2の光検出領域の受光面積が等しくないことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係わる光ヘッドは、前記第1の光検出領域からの出力と前記第2の光検出領域からの出力の差分に基づいてフォーカス誤差信号を生成することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係わる光ヘッドは、前記光束分割手段により分割した2つの光束のうち光軸を含む光束からなる検出スポットを受光する光検出器からの出力の差分に基づいてトラッキング誤差信号を生成することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係わる光ヘッドは、前記複数の光情報記録媒体層を有する光ディスクは、3層以上であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係わる光ヘッドは、前記複数の光情報記録媒体層の層間は40μm以下であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係わる光ヘッドは、前記複数の光情報記録媒体層の層間は25μm以下であり、前記光源の波長は408nmであることを特徴する。
【0019】
また、本発明に係わる光ヘッドは、前記光束分割手段は、回折素子であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係わる光ヘッドは、前記光束分割手段は、プリズムであることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係わる光情報処理装置は、上記光学ヘッドと、光ディスクと、前記光ディスクを回転運動する回転部と、前記光ヘッドを制御する制御部と、前記光ディスクに情報の記録及び再生の少なくとも一方を行う記録及び再生手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の光ヘッドおよび光情報処理装置によれば、多層光ディスクにおいて所望の光情報記録媒体層と隣接する光情報記録媒体層からの反射光によるフォーカス誤差信号の乱れを低減することができるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の光ヘッド、光情報記録及び再生装置の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の符号は同一の構成要素または同様の作用、動作をなすものを表す。
【0024】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における光学ヘッドの概略構成図である。
【0025】
図1において、1は半導体レーザ、2はビームスプリッタ、3は1/4波長板、4はコリメートレンズ、5は反射ミラー、6は対物レンズ、7はホログラム、8は光検出器、9は対物レンズ6を駆動する2軸アクチュエータ、40はコリメートレンズ4を駆動するステッピングモータ、41はコリメートレンズ4を保持するレンズホルダであり、これらが光学ヘッド10を構成している。なお、30は透明基板を持つ光ディスクである。また、図2に示すように、光ディスク30には光入射面側(対物レンズ6側)から光情報記録媒体層31、32、33、34が形成されており、それぞれ表面から光情報記録媒体層までの光透過層の厚さは、d1、d2、d3、d4となっている。
【0026】
このような光ディスク30に対して、情報の記録または再生を行う場合の光学ヘッド10の動作について述べる。半導体レーザ1から出射された直線偏光のレーザ光は、ビームスプリッタ2を透過し、1/4波長板3で円偏光に変換された後、コリメートレンズ4で平行光に変換され、反射ミラー5で反射して、対物レンズ6によって、透明基板越しに光ディスク30の情報記録面31〜34の何れかに光スポットとして集光される。
【0027】
光情報記録媒体層31〜34の何れかで反射したレーザ光は、再び対物レンズ6を透過し、反射ミラー5で反射され、コリメートレンズ4を透過し、1/4波長板3で往路とは異なる直線偏光に変換された後、ビームスプリッタ2で反射され、ホログラム7によって受光素子8に導かれる。受光素子8で検出されたレーザ光は、光電変換された後演算されて、光ディスク30の面ぶれに追従するためのフォーカス誤差信号と偏心に追従するためのトラッキング誤差信号を生成する。2軸アクチュエータ9は、このフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号によって、回転する光ディスク30の情報トラックに光スポットが追従するよう対物レンズ6を2軸方向に駆動する。
【0028】
コリメートレンズ4はレンズホルダ41に保持され、ステッピングモータ40によって、レーザ光の光軸に沿って移動可能となっている。光情報記録媒体層31〜34の光透過層の厚さに応じて、レーザ光は光透過層の厚さ変化に伴う球面収差を補正するように、コリメートレンズ4によって発散光あるいは収束光とされ、対物レンズ6で逆極性の球面収差を発生させ、球面収差の補正を行う。
【0029】
図3は、本実施の形態における検出光学系の概略図である。ホログラム7は、所望の光情報記録媒体層からの反射光の直径軸との距離が0<dに位置する直線である分割線7gとこの分割線7gの中心から直交する方向に伸びる7hとにより、3つの分割領域の面積が7a<(7b+7c)となるように分割され、それぞれこれら各分割領域7a、7b、7cに対応して、別個の格子が形成されている。また、光検出器8は、図3に示すように、4つの矩形上の受光領域8a、8b、8c、8dに分割された領域を有している。中央の受光領域8a、8bは、フォーカス用の受光領域であり、分割線8xにより分割される。一方、両側の8c、8dはトラッキング誤差検出用受光領域である。
【0030】
次に、光検出器上における検出光の状態を図3を用いて説明する。合焦状態の時、つまり、レーザ光が光ディスク30の所望の光情報記録媒体層上にジャストフォーカス状態のとき、ホログラム7の分割領域7aで回折された検出光は分割線8x上に検出スポット20を形成し、分割領域7b、7cで回折された検出光はそれぞれ受光領域8b、8c上に検出スポット21、22を形成する。これは、組立時において、分割領域7aで回折された検出スポットは分割線8x上に形成するように調整されているためである。このような合焦状態のときには、受光領域8a、8bの出力信号の差分は0となる。
【0031】
図4に、所望の光情報記録媒体層と隣接する光情報記録媒体層からの反射光を示す。所望の光情報記録媒体層の手前側の隣接層からの反射光70mは、ホログラム7aにより回折され、受光領域8a上で検出スポット20mを形成する。また、所望の光情報記録媒体層の奥側の隣接層からの反射光70nは、受光領域8b上で検出スポット20nを形成する。ここで、各隣接層からの検出スポット20m、20nは、ホログラム7の分割線7gによる光軸中心Oを含まない回折光であるので、受光領域8a、8b上では、各隣接層からの検出スポット20m、20nを所望の光情報記録媒体層の検出光20と分離することができ、その検出スポット20m、20nは、受光領域分割線8xを跨ぐことはない。よって、受光領域8a、8bからの出力信号の差分であるフォーカス誤差信号を乱すことはなく、安定したフォーカス・サーボを実現することができる。
【0032】
また、図5は、本実施の形態における別の効果を示すためのフォーカス誤差信号の図である。実線は、ホログラム7の3つの分割領域の面積が7a<(7b+7c)に分割された時、つまり、分割線7gが所望の光情報記録媒体層からの反射光の直径軸との距離が0<dに位置する場合の受光領域8a、8bからのフォーカス誤差信号出力を示す。一方、点線は、ホログラム7の3つの分割領域が7a=(7b+7c)に分割された時、つまり、分割線7gがd=0に位置する場合での受光領域8a、8bからのフォーカス誤差信号を示す。なお、このとき分割線7hの位置は問わない。
【0033】
このように、ホログラム7の分割線7gが0<dにある方が、デフォーカス時のフォーカス誤差信号の収束を早くすることができる。これにより、狭層間でのフォーカス誤差信号の分離が可能となる。
【0034】
なお、本実施の形態では、光束分割手段にホログラムを使用したが、プリズムを用いて、光軸を含まない検出光に分離することも可能である。
【0035】
なお、ホログラム、プリズムのなどの光学素子の材質は、ガラス、プラスチックなどを特に限定するものではない。また、ホログラム、プリズム、レンズを複合化した構成であっても問題ない。
【0036】
なお、受光素子8aと8bの面積は、8a=8bであっても、8a≠8bであっても何ら問題ない。
【0037】
さらに、この思想を具現化できる構成であれば、どんな構成であっても良い。
【0038】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2における光情報処理装置の概略構成図である。
【0039】
図6において、50は光情報処理装置全体の筐体であり、筐体50の内部に光ディスク駆動部51、制御部52、光学ヘッド10を備える。また30は光ディスクである。光ディスク駆動部51は光ディスク30を回転駆動する機能を有し、光学ヘッド10は実施の形態1で述べたいずれかの光学ヘッドである。制御部52は光ディスク駆動部51と光学ヘッド10の駆動および制御を行う機能を有すると共に、光学ヘッド10で受光された制御信号、情報信号の信号処理を行う機能と、情報信号を筐体50の外部と内部でインターフェースさせる機能を有する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は多層の光ディスクを対象としてフォーカス誤差信号を生成するとき、隣接層からの反射光の影響を低減することができ、記録再生するときの信頼性を向上させることができる。また、フォーカス誤差信号の収束も早くすることができる。これらより、光情報記録媒体層の層間隔を狭くすることが可能になる。光情報記録媒体の層間隔を大きくすれば隣接層からの反射光の影響は少なくなるが、限られたディスク厚さの中で多層を実現することができない。このとき、本発明は他の隣接層からの影響を少なくすることができるので、より層間隔の狭い多くの層からなる多層光ディスクの記録再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態1における光学ヘッドの概略構成図
【図2】本発明の実施の形態1における光ディスクの概略構成図
【図3】本発明の実施の形態1における検出系の概略図
【図4】本発明の実施の形態1における隣接する光情報記録媒体層からの検出スポットを示す概略図
【図5】本発明の実施の形態1におけるフォーカス誤差信号の図
【図6】本発明の実施の形態2における光情報処理装置の概略構成図
【図7】従来の光情報記録媒体と光ヘッドの概略構成図
【図8】従来の光ヘッドで合焦点位置にある光情報記録媒体層からの反射光の4分割光検出器上での像を示す模式図
【図9】従来の光ヘッドで隣接層である光情報記録媒体層からの反射光の4分割光検出器上での像を示す模式図
【符号の説明】
【0042】
1 半導体レーザ
2 ビームスプリッタ
3 1/4波長板
4 コリメートレンズ
5 反射ミラー
6 対物レンズ
7 ホログラム
7a,7b,7c ホログラム分割領域
7g,7h ホログラム分割線
8 受光素子
8a,8b,8c,8d 受光領域
8x 受光素子分割線
9 2軸アクチュエータ
10 光学ヘッド
20,21,22 検出スポット
20m 手前側(対物レンズ側)の隣接層からの反射光
22n 奥側の隣接層からの反射光
30 光ディスク
31,32,33,34 光情報記録媒体層
40 ステッピングモータ
41 レンズホルダ
50 筐体
51 光ディスク駆動部
52 制御部
70 ジャストフォーカス時のホログラム7上の光束
70m 所望の光情報記録媒体層の手前側隣接層からの反射光のホログラム上の光束
70n 所望の光情報記録媒体層の奥側隣接層からの反射光のホログラム上の光束
111 半導体レーザ
112 三角プリズム
121 λ/4波長板
122 ナイフエッジ
123 コリメータレンズ
124 ホログラム光学素子
131 偏光ビームスプリッタ
132 ハーフプリズム
141 対物レンズ
142,143 集光レンズ
152 2分割光検出器
153 4分割光検出器
161,162,164 電子回路
163 レンズアクチュエータ
171 フォーカス誤差信号
172 トラッキング誤差信号
173 データ信号
181 第1光情報記録媒体層からの反射光
182 第2光情報記録媒体層からの反射光
1501 多層光ディスク
1511 第1光情報記録媒体層
1512 第2光情報記録媒体層
1513 第3光情報記録媒体層
1531〜1534 光検出素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光情報記録媒体層を有する光ディスクに光照射することによって情報を記録する光学ヘッドにおいて、
光源と、前記光源からの光を集光して前記光ディスクに照射する集光手段と、
前記光ディスクからの反射光の直径軸と距離dに位置する直線を分割線として反射光の光束を2分割する光束分割手段と、
前記光ディスクの第1の光情報記録媒体層を前記集光手段により集光したとき、前記第1の光情報媒体層からの前記光束分割手段により分割した2つの光束のうち光軸を含まない光束から形成される検出スポットに起因する出力が略等しくなるように配置された第1および第2の光検出領域を持つ光検出器とを備え、
前記第1の光情報記録媒体層以外の光情報記録媒体層からの反射光が、前記第1および第2の光検出領域の分割線を含まないことを特徴とする光学ヘッド。
【請求項2】
前記光束分割手段に入射する反射光の光束直径をDとしたとき、前記距離dは、
【数1】

の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
【請求項3】
前記第1の光検出領域と前記第2の光検出領域の受光面積が等しくないことを特徴とする請求項1または2に記載の光学ヘッド。
【請求項4】
前記第1の光検出領域からの出力と前記第2の光検出領域からの出力の差分に基づいてフォーカス誤差信号を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学ヘッド。
【請求項5】
前記光束分割手段により分割した2つの光束のうち光軸を含む光束からなる検出スポットを受光する光検出器からの出力の差分に基づいてトラッキング誤差信号を生成することを特徴とする請求項4記載の光学ヘッド。
【請求項6】
前記複数の光情報記録媒体層を有する光ディスクは、3層以上であることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
【請求項7】
前記複数の光情報記録媒体層の層間は40μm以下であることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
【請求項8】
前記複数の光情報記録媒体層の層間は25μm以下であり、前記光源の波長は408nmであることを特徴する請求項1記載の光ヘッド。
【請求項9】
前記光束分割手段は、回折素子であることを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
【請求項10】
前記光束分割手段は、プリズムであることを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
【請求項11】
前記請求項1から10に記載された光学ヘッドと、光ディスクと、前記光ディスクを回転運動する回転部と、前記光ヘッドを制御する制御部と、前記光ディスクに情報の記録及び再生の少なくとも一方を行う記録及び再生手段とを備えた光情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−110556(P2009−110556A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36281(P2006−36281)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】