光学系及びそれを用いた内視鏡
【課題】 ズーム機構等の複雑な機構無しで、簡単な構成で広い観察画角の光路と拡大光路の両方を有する光学系の両方を同時に1つの撮像素子上に撮像することが可能な小型で安価な光学系及びそれを用いた内視鏡を提供する。
【解決手段】 前群Gfと、正の屈折力を有する後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間に配置された開口Sとを有し、中心軸2の周りに回転対称で、中間像を光路中に形成することなく像面に結像される二重焦点光学系において、前群Gfは、2面以上の面形状で構成された二重焦点光学素子Lf,Lbを少なくとも1つ有し、二重焦点光学素子Lf,Lbは、少なくとも2つの異なる物点距離からの光路A,Bに対して、それぞれ同心に分割されている異なる回転対称な面形状の作用により、同一方向の異なる物点を同一平面上の異なる領域に結像することを特徴とする。
【解決手段】 前群Gfと、正の屈折力を有する後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間に配置された開口Sとを有し、中心軸2の周りに回転対称で、中間像を光路中に形成することなく像面に結像される二重焦点光学系において、前群Gfは、2面以上の面形状で構成された二重焦点光学素子Lf,Lbを少なくとも1つ有し、二重焦点光学素子Lf,Lbは、少なくとも2つの異なる物点距離からの光路A,Bに対して、それぞれ同心に分割されている異なる回転対称な面形状の作用により、同一方向の異なる物点を同一平面上の異なる領域に結像することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学系及びそれを用いた内視鏡に関し、特に、遠方の物点を広画角で観察する光路と近傍の物点を拡大して観察する光路の2つの光路を有し、1つの撮像素子に円環状及び円形の映像として結像する機能を有する結像光学系又は投影光学系に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、二重焦点光学系として特許文献1及び特許文献2があった。また、2つの光路を有する光学系として特許文献3及び特許文献4があった。
【特許文献1】特開平8−320401号公報
【特許文献2】特開平11−23809号公報
【特許文献3】米国特許公開2004−0254424号公報
【特許文献4】国際特許公開2003/042743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、どの特許文献に記載された光学系も、小型な構成で、且つ、広視野光路と拡大光路を備えたものではなかった。
【0004】
本発明は、従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ズーム機構等の複雑な機構無しで、簡単な構成で広い観察画角の光路と拡大光路の両方を有する光学系の両方の像を同時に1つの撮像素子上に撮像することが可能な小型で安価な光学系及びそれを用いた内視鏡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の光学系は、前群と、正の屈折力を有する後群と、前記前群と前記後群の間に配置された開口とを有し、中心軸の周りに回転対称で、中間像を光路中に形成することなく像面に結像される二重焦点光学系において、前記前群は、2面以上の面形状で構成された二重焦点光学素子を少なくとも1つ有し、前記二重焦点光学素子は、少なくとも2つの異なる物点距離からの光路に対して、それぞれ同心に分割されている異なる回転対称な面形状の作用により、同一方向の異なる物点を同一平面上の異なる領域に結像することを特徴とする。
【0006】
また、前記二重焦点光学素子は、周辺部分の周辺光路と、中心部分の中心光路と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、前記周辺光路の画角は、前記中心光路の画角より大きいことを特徴とする。
【0008】
また、前記周辺光路と前記中心光路は、共通の開口を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記周辺光路と前記中心光路は、前記後群において少なくとも1つの透過光学素子を共用することを特徴とする。
【0010】
また、前記二重焦点光学素子の少なくとも1面は、トーリック面からなることを特徴とする。
【0011】
また、前記二重焦点光学素子の少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、前記二重焦点光学素子の少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、前記二重焦点光学素子の周辺光路は、前記中心軸周辺に配置された第1透過面と、前記第1透過面より像面側に配置され、像面側に凹面を向けた第1反射面と、前記第1反射面より像面と反対側に配置され、像面側に凹面を向けた第2反射面と、前記第2反射面より像面側に配置された第2透過面と、により形成されることを特徴とする。
【0014】
また、前記周辺光路は、順光線追跡の順に、前記第1透過面を経て前記二重焦点光学素子内に入り、前記第1反射面で像面と反対側に反射され、前記第2反射面で像面側に反射され、前記第2透過面を経て前記二重焦点光学素子から像面側に外へ出る略Z字状の光路を構成することを特徴とする。
【0015】
また、前記周辺光路の少なくとも前記第1反射面と前記第2反射面の間は、前記中心軸に対して片側のみで構成されることを特徴とする。
【0016】
また、前記周辺光路は、光路中に中間像が結像されることなく、像面に円環状に結像されることを特徴とする。
【0017】
また、前記中心光路は、透過面のみで構成されていることを特徴とする。
【0018】
また、前記二重焦点光学素子は、前記第1透過面の中心軸近傍に第3透過面を有し、前記二重焦点光学素子に入射する光束は、順光線追跡の順に、前記第3透過面を経て前記二重焦点光学素子内に入り、前記第2透過面を経て前記二重焦点光学素子から像面側に外へ出る中心光路を構成することを特徴とする。
【0019】
また、前記二重焦点光学素子は、前記第2透過面の中心軸近傍に第3透過面を有し、前記二重焦点光学素子に入射する光束は、順光線追跡の順に、前記第1透過面を経て前記二重焦点光学素子内に入り、前記第3透過面を経て前記二重焦点光学素子から像面側に外へ出る中心光路を構成することを特徴とする。
【0020】
また、前記二重焦点光学素子は、前記前群と前記後群に複数配置することを特徴とする。
【0021】
また、最大像高をI、二重焦点素子の二重焦点面が物体側にある場合の二重焦点面から開口までの距離をd1とするとき、
0.5<d1/I<3 ・・・(1)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0022】
また、最大像高をI、二重焦点素子の二重焦点面が像面側にある場合の二重焦点面から開口までの距離をd2とするとき、
0.5<d2/I<5 ・・・(1)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0023】
また、最大像高をI、前記二重焦点光学素子の外径をDとするとき、
1<D/I<10 ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0024】
さらに、上記目的を達成する本発明は、前記光学系を用いた内視鏡であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
以上の本発明の光学系においては、簡単な構成で広い画角を観察又は広い画角に映像を投影することが可能な小型で収差が良好に補正された解像力の良い光学系を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、実施例に基づいて本発明の光学系について説明する。
【0027】
図3は、後述する実施例1の光学系1の中心軸(回転対称軸)2に沿ってとった断面図である。なお、以下の説明は、結像光学系として説明するが、光路を逆にとって投影光学系として用いることもできる。
【0028】
本発明に係る光学系1は、中心軸2に対して回転対称で、前群Gfと、正の屈折力を有する後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間に配置された開口Sとを有し、中間像を光路中に形成することなく像を形成又は投影する光学系1である。像面5近傍の平行平板は撮像素子のカバーガラスC等である。
【0029】
実施例1の光学系1は、前群Gfと、正の屈折力を有する後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間に配置された開口Sとを有し、中心軸2の周りに回転対称で、中間像を光路中に形成することなく像面5に結像される二重焦点光学系において、前群Gfは、2面以上の面形状で構成された二重焦点光学素子Lfを少なくとも1つ有し、二重焦点光学素子Lfは、少なくとも2つの異なる物点距離からの光路に対して、それぞれ同心に分割されている異なる回転対称な面形状の作用により、同一方向の異なる物点を同一平面上の異なる領域に結像することが重要である。このような構成により、簡単な構成で広い画角を観察又は広い画角に映像を投影することが可能な小型で収差が良好に補正された解像力の良い光学系を得ることができる。
【0030】
また、二重焦点光学素子Lfは、周辺部分の周辺光路Aと、中心部分の中心光路Bと、を有することが望ましい。これにより、1つの撮像素子で周辺と中心の観察像を同時に観察することが可能となる。さらに好ましくは、中心光路と周辺光路の反射回数は、0,2,4の偶数回同士の組み合わせが好ましい。これにより、上下、左右の関係が2つの画像で回転中心軸を基準に一致する。これにより光学系の操作が容易になる。
【0031】
また、周辺光路Aの画角は、中心光路Bの画角より大きいことが重要である。周辺の広画角の観察光路で見たいところを探して、中心の拡大光学系で必要部分を拡大観察することにより、よく見ようとした時に必然的に画面中心に観察物体を持ってくる、自然な動作となる。
【0032】
また、周辺光路Aと中心光路Bは、共通の開口Sを有することが望ましい。開口Sを共用することにより、一つの絞りを可変にすることにより両光路を可変にすることが可能となる。また2本の光路を並列に配置する場合に比べて二つの光路のパララックスを小さくすることが可能となる。
【0033】
また、周辺光路Aと中心光路Bは、後群Gbにおいて少なくとも1つの透過光学素子を共用することが望ましい。少なくとも一つの透過光学素子を共用することにより両方の光路の結像作用を共用した光学素子で構成することが可能となり、光学系を小型に構成することが可能となる。
【0034】
また、二重焦点光学素子Lfの少なくとも1面は、トーリック面からなることが望ましい。トーリック面で構成することにより中心軸2と面の交点が直交するという一般の球面や非球面で受ける制約を受けなくなるために、サジタル断面とメリジオナル断面の曲率を任意に設定することが可能となると同時に、実施例1の第1反射面22のように、Z軸の正方向に開いた線形状をZ軸周りに回転するような面形状を定義でき、設計の自由度が飛躍的に高まる。
【0035】
また、二重焦点光学素子Lfの少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸2の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることが望ましい。対称面を持たないことにより、特に観察画角の広い周辺光路の画角周辺部分の歪みを補正することが可能となる。
【0036】
また、二重焦点光学素子Lfの少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸2の周りで回転させて形状される拡張回転自由曲面で構成されていることが望ましい。この奇数次項により周辺光路の画面周辺部分の歪をより補正することが可能となる。
【0037】
また、二重焦点光学素子Lfの周辺光路Aは、中心軸2周辺に配置された第1透過面21と、第1透過面21より像面5側に配置され、像面5側に凹面を向けた第1反射面22と、第1反射面22より像面5と反対側に配置され、像面5側に凹面を向けた第2反射面23と、第2反射面23より像面5側に配置された第2透過面24と、により形成されることを特徴とする。
【0038】
また、周辺光路Aは、順光線追跡の順に、第1透過面21を経て二重焦点光学素子Lf内に入り、第1反射面22で像面5と反対側に反射され、第2反射面23で像面5側に反射され、第2透過面24を経て二重焦点光学素子Lfから像面5側に外へ出る略Z字状の光路を構成することが望ましい。第1反射面22より物体側に透過面を配置することにより第1反射面22と第2反射面23を裏面鏡として構成することが可能となり、偏心収差の発生を小さくすることが可能となる。また、Z字状にすることにより、2つの反射面は向き合う構成となり、各反射面に入射する画角中心の中心光線の入射角度を小さくすることが可能となり、偏心収差の発生を少なくすることが可能となる。
【0039】
また、周辺光路Aの少なくとも第1反射面22と第2反射面23の間の光路は、中心軸2に対して片側のみで構成されることが望ましい。これにより中心光路Bとの面の干渉が起きにくくなり、周辺光路Aの観察画角を広く取ることが可能となる。
【0040】
また、周辺光路Aは、光路中に中間像が結像されることなく、像面に円環状に結像されることが望ましい。中間結像させると、光学系1の焦点距離等、自由度が上がるが光路長が長くなり、本発明のように非常に小型の光学系1を構成する場合には、好ましくない。
【0041】
また、中心光路Bは、透過面のみで構成されていることが望ましい。中心光路を透過面のみで構成することにより、二重焦点光学素子Lfを薄くすることが可能となり、特に回転対称軸方向に小型の光学系1を構成することが可能となる。
【0042】
また、二重焦点光学素子Lfは、第1透過面21の中心軸2近傍に第3透過面26を有し、二重焦点光学素子Lfに入射する光束は、順光線追跡の順に、第3透過面26を経て二重焦点光学素子Lf内に入り、第2透過面22を経て二重焦点光学素子Lfから像面5側に外へ出る中心光路Bを構成することが望ましい。周辺光路Aと中心光路Bとで第2透過面22を共通して使用することができる。
【0043】
また、二重焦点光学素子Lfは、第2透過面24の中心軸近傍に第4透過面27を有し、二重焦点光学素子Lfに入射する光束は、順光線追跡の順に、前記第1透過面21を経て二重焦点光学素子Lf内に入り、第4透過面27を経て二重焦点光学素子Lfから像面5側に外へ出る中心光路Bを構成することが望ましい。周辺光路Aと中心光路Bとで第1透過面21を共通して使用することができる。
【0044】
また、二重焦点光学素子Lf,Lbは、前群Gfと後群Gbに複数配置することが望ましい。二重焦点光学素子Lfを、開口Sを挟んで、物体側と像側に配置することにより周辺光路Aの焦点位置と主点位置の両方の自由度が得られ、収差補正上好ましい。
【0045】
また、最大像高をI、二重焦点素子の二重焦点面が物体側にある場合の二重焦点面から開口までの距離をd1とするとき、
0.5<d1/I<3 ・・・(1)
なる条件を満足することが望ましい。
【0046】
上記条件式(1)の下限を超えると開口Sから二重焦点光学素子Lfまでの距離が短くなりすぎ、中心光路Bと周辺光路Aの分離が十分に行われないために、両方の光束が干渉し、結果として観察画角が広く取れない。又上限を超えると光学系1全体の中心軸2方向の長さが長くなってしまい。小型の光学系1を実現できない。
【0047】
また、最大像高をI、二重焦点素子の二重焦点面が像面側にある場合の二重焦点面から開口までの距離をd2とするとき、
0.5<d2/I<5 ・・・(1)
なる条件を満足することが望ましい。
【0048】
上記条件式(2)の下限を超えると開口Sから二重焦点光学素子Lfまでの距離が短くなりすぎ、中心光路Bと周辺光路Aの分離が十分に行われないために、両方の光束が干渉し、結果として観察画角が広く取れない。又上限を超えると光学系1全体の中心軸2方向の長さが長くなってしまい。小型の光学系1を実現できない。
【0049】
また、最大像高をI、前記二重焦点光学素子の外径をDとするとき、
1<D/I<10 ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0050】
上記条件式(3)の下限を超えると、中心光路Bと周辺光路Aの分離が十分に行われないために、両方の光束が干渉し、結果として観察画角が広く取れない。上限を超えると光学系1の外径が大きくなってしまい、細い光学系1を実現できない。
【0051】
さらに、上記目的を達成する本発明は、前記光学系を用いた内視鏡であることを特徴とする。
【0052】
なお、すべての実施例はERFS面以外は球面で構成されているが、通常の非球面で構成することも可能である。また物体側の平行平面は、光学系保護用のものであり。無くてもよい。像側の平行平面は撮像素子保護用のものであり、無くてもよい。
【0053】
以下に、本発明の光学系の実施例1〜4を説明する。これら光学系の構成パラメータは後記する。
【0054】
座標系は、順光線追跡において、例えば図1に示すように、絞りと中心軸2と交差する点を偏心光学面の原点Oとし、中心軸2に直交する方向をY軸方向とし、図1の紙面内をY−Z平面とする。そして、図1の像面5側の方向をZ軸正方向とし、Y軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をX軸正方向とする。
【0055】
偏心面については、その面が定義される座標系の上記光学系1の原点Oからの偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、光学系1の原点Oに定義される座標系のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする各面を定義する座標系の傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、各面を定義する座標系を光学系の原点に定義される座標系のまずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その回転した別の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
【0056】
また、各実施例の光学系を構成する光学作用面の中、特定の面とそれに続く面が共軸光学系を構成する場合には面間隔が与えられており、その他、面の曲率半径、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。
【0057】
また、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は、上記のように、基準面からの偏心量で表わす。
【0058】
なお、非球面は、以下の定義式で与えられる回転対称非球面である。
Z=(Y2 /R)/[1+{1−(1+k)Y2 /R2 }1 /2]
+aY4 +bY6 +cY8 +dY10+・・・
・・・(a)
ただし、Zを軸とし、Yを軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、kは円錐定数、a、b、c、d、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
【0059】
また、拡張回転自由曲面は、以下の定義で与えられる回転対称面である。
【0060】
まず、図2に示すように、Y−Z座標面上で原点を通る下記の曲線(b)が定められる。
【0061】
Z=(Y2 /RY)/[1+{1−(C1 +1)Y2 /RY2 }1 /2]
+C2 Y+C3 Y2 +C4 Y3 +C5 Y4 +C6 Y5 +C7 Y6
+・・・・+C21Y20+・・・・+Cn+1 Yn +・・・・
・・・(b)
次いで、この曲線(b)をX軸正方向を向いて左回りを正として角度θ(°)回転した曲線F(Y)が定められる。この曲線F(Y)もY−Z座標面上で原点を通る。
【0062】
その曲線F(Y)をY正方向に距離R(負のときはY負方向)だけ平行移動し、その後にZ軸の周りでその平行移動した曲線を回転させてできる回転対称面を拡張回転自由曲面とする。
【0063】
その結果、拡張回転自由曲面はY−Z面内で自由曲面(自由曲線)になり、X−Y面内で半径|R|の円になる。
【0064】
この定義からZ軸が拡張回転自由曲面の軸(回転対称軸)となる。
【0065】
ここで、RYはY−Z断面での球面項の曲率半径、C1 は円錐定数、C2 、C3 、C4 、C5 …はそれぞれ1次、2次、3次、4次…の非球面係数である。
【0066】
なお、Z軸を中心軸に持つ円錐面は拡張回転自由曲面の1つとして与えられ、RY=∞,C1 ,C2 ,C3 ,C4 ,C5 ,…=0とし、θ=(円錐面の傾き角)、R=(X−Z面内での底面の半径)として与えられる。
【0067】
また、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は、上記のように、基準面からの偏心量で表わす。
【0068】
実施例1の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図3に示す。また、この実施例の光学系全体の周辺光路の横収差図を図4、中心光路の横収差図を図5に示す。
【0069】
本実施例は、光学系1の中心軸2に同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、共通に使用することなくすべて異なる面で構成した例である。
【0070】
光学系1は、中心軸2の周りで回転対称な前群Gfと、中心軸2の周りで回転対称な後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口5とからなり、前群Gfは、前1群Gf1と前2群Gf2からなる。
【0071】
前1群Gf1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前群カバーガラスCfからなる。前群カバーガラスCfは、平行平板からなり、前1群第1透過面11と、前1群第1透過面11に対して像側に形成される前1群第2透過面12とを有する。
【0072】
前2群Gf2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前2群透明媒体Lf2からなる。前2群透明媒体Lf2は、中心軸を離れた周辺部でトーリック面からなる前2群周辺第1透過面21と、前2群周辺第1透過面21に対して像側に形成され、反射コーティング4aし、トーリック面からなる前2群周辺第1反射面22と、前2群周辺第1反射面22に対して像面5と反対側に配置され、反射コーティング4bし、トーリック面からなる前2群周辺第2反射面23と、前2群周辺第2反射面23より像面5側に配置され、球面からなる前2群周辺第2透過面24を有する。また、中心軸上で前群カバーガラスCfに対向して配置され、球面からなる前2群中心第1透過面26、前2群中心第1透過面26に対して像側に形成され、正のパワーをもち球面からなる前2群中心第2透過面27をさらに有する。
【0073】
後群Gbは、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズLb1と、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい両凸正レンズLb2と、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後群カバーガラスCbからなる。
【0074】
正メニスカスレンズLb1は、後群第1透過面31と、後群第1透過面31に対して像側に形成される後群第2透過面32とを有する。両凸正レンズLb2は、後群第3透過面41と、後群第3透過面41に対して像側に形成される後群第4透過面42とを有する。後群カバーガラスCbは、平行平板からなり、後群第5透過面51と、後群第5透過面51に対して像側に形成される後群第6透過面52とを有する。
【0075】
光学系1は、周辺光路A及び中心光路Bを形成する。
【0076】
周辺光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、前群カバーガラスCfの前1群第1透過面11と前1群第2透過面12とを経て前2群透明媒体Lf2内に入る。前2群透明媒体Lf2では、前2群周辺第1透過面21を経て入り、一部が反射コーティング4a、一部が全反射により、前2群周辺第1反射面22で像面5と反対側に反射され、前2群周辺第2反射面23で反射コーティング4bにより像面5側に反射され、前2群周辺第2透過面24を経て前2群透明媒体Lf2から外に出る略Z字状の光路を有する。その後、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て後群Gb内に入る。後群Gbでは、正メニスカスレンズLb1に後群第1透過面31を経て入り、後群第2透過面32から外に出て、両凸正レンズLb2に後群第3透過面41を経て入り、後群第4透過面42から外に出て、後群カバーガラスCbに後群第5透過面51を経て入り、後群第6透過面52から外に出て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0077】
また、中心光路Bにおいて、前群カバーガラスCfの前1群第1透過面11と前1群第2透過面12とを経て前2群透明媒体Lf2内に入る。前2群透明媒体Lf2では、前2群中心第1透過面26を経て入り、前2群中心第2透過面27を経て前2群透明媒体Lf2から外に出る。その後、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て後群Gb内に入る。後群Gbでは、正メニスカスレンズLb1に後群第1透過面31を経て入り、後群第2透過面32から外に出て、両凸正レンズLb2に後群第3透過面41を経て入り、後群第4透過面42から外に出て、後群カバーガラスCbに後群第5透過面51を経て入り、後群第6透過面52から外に出て、像面5の中心軸2上に結像する。
【0078】
この実施例1の仕様は、
画角
周辺光路A 0.00°〜50.0°
中心光路B 0.00°〜5.00°
絞り径 φ0.20mm
像の大きさ
周辺光路A φ1.12〜φ1.90
中心光路B φ0.94
である。
【0079】
実施例2の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図6に示す。また、この実施例の光学系全体の周辺光路の横収差図を図7、中心光路の横収差図を図8に示す。
【0080】
光学系1は、中心軸2の周りで回転対称な前群Gfと、中心軸2の周りで回転対称な後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口5とからなり、前群Gfは、前1群Gf1と前2群Gf2からなる。
【0081】
前1群Gf1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前群カバーガラスCfからなる。前群カバーガラスCfは、平行平板からなり、前1群第1透過面11と、前1群第1透過面11に対して像側に形成される前1群第2透過面12とを有する。
【0082】
前2群Gf2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前2群透明媒体Lf2からなる。前2群透明媒体Lf2は、中心軸を離れた周辺部で拡張回転自由面からなる前2群周辺第1透過面21と、前2群周辺第1透過面21に対して像側に形成され、平面からなる前2群周辺第2透過面24を有する。
【0083】
また、中心軸上で前群カバーガラスCfに対向して配置され、平面からなる前2群中心第1透過面26、前2群中心第1透過面26に対して像側に形成され、球面からなる前2群中心第2透過面27をさらに有する。
【0084】
後群Gbは、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい像面側に凸面を向けた平凸正レンズLb1と、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後群透明媒体Lb2と、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後群カバーガラスCbからなる。
【0085】
平凸正レンズLb1は、後群第1透過面31と、後群第1透過面31に対して像側に形成される後群第2透過面32とを有する。
【0086】
後群透明媒体Lb2は、拡張回転自由曲面からなる後群周辺第3透過面41と、後群周辺第3透過面41に対して像側に形成され平面からなる後群周辺第4透過面42とを有する。また、中心軸上で球面からなる後群中心第3透過面46、後群中心第3透過面46に対して像側に形成され、中心軸上で平面からなる後群中心第4透過面47をさらに有する。
【0087】
後群カバーガラスCbは、平行平板からなり、後群第5透過面51と、後群第5透過面51に対して像側に形成される後群第6透過面52とを有する。
【0088】
光学系1は、周辺光路A及び中心光路Bを形成する。
【0089】
周辺光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、前群カバーガラスCfの前1群第1透過面11と前1群第2透過面12とを経て前2群透明媒体Lf2内に入る。前2群透明媒体Lf2では、前2群周辺第1透過面21を経て入り、前2群周辺第2透過面24を経て前2群透明媒体Lf2から外に出る。その後、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て後群Gb内に入る。後群Gbでは、平凸正レンズLb1に後群第1透過面31を経て入り、後群第2透過面32から外に出て、後群透明媒体Lb2に後群周辺第3透過面41を経て入り、後群周辺第4透過面42から外に出て、後群カバーガラスCbに後群第5透過面51を経て入り、後群第6透過面52から外に出て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0090】
また、中心光路Bにおいて、前群カバーガラスCfの前1群第1透過面11と前1群第2透過面12とを経て前2群透明媒体Lf2内に入る。前2群透明媒体Lf2では、前2群中心第1透過面26を経て入り、前2群中心第2透過面27を経て前2群透明媒体Lf2から外に出る。その後、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て後群Gb内に入る。後群Gbでは、平凸正レンズLb1に後群第1透過面31を経て入り、後群第2透過面32から外に出て、後群透明媒体Lb2に後群中心第3透過面46を経て入り、後群中心第4透過面47から外に出て、後群カバーガラスCbに後群第5透過面51を経て入り、後群第6透過面52から外に出て、像面5の中心軸2上に結像する。
【0091】
この実施例2の仕様は、
画角
周辺光路A 3.44°〜50.23°
中心光路B 0.00°〜10.91°
絞り径 φ0.20mm
像の大きさ
周辺光路A φ0.98〜φ1.96
中心光路B φ0.77
である。
【0092】
実施例3の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図9に示す。また、この実施例の光学系全体の周辺光路の横収差図を図10、中心光路の横収差図を図11に示す。
【0093】
光学系1は、中心軸2の周りで回転対称な前群Gfと、中心軸2の周りで回転対称な後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間に中心軸2に同軸に配置された開口5とからなり、前群Gfは、前1群Gf1と前2群Gf2からなる。
【0094】
前1群Gf1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前群カバーガラスCfからなる。前群カバーガラスCfは、平行平板からなり、前1群第1透過面11と、前1群第1透過面11に対して像側に形成される前1群第2透過面12とを有する。
【0095】
前2群Gf2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前2群透明媒体Lf2からなる。前2群透明媒体Lf2は、中心軸を離れた周辺部で拡張回転自由曲面からなる前2群周辺第1透過面21と、前2群周辺第1透過面21に対して像側に形成され、平面からなる前2群周辺第2透過面24を有する。
【0096】
また、中心軸上で前群カバーガラスCfに対向して配置され、球面からなる前2群中心第1透過面26、前2群中心第1透過面26に対して像側に形成され、平面からなる前2群中心第2透過面27をさらに有する。
【0097】
後群Gbは、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい像面側に凸面を向けた平凸正レンズLb1と、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後群透明媒体Lb2と、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後群カバーガラスCbからなる。
【0098】
平凸正レンズLb1は、後群第1透過面31と、後群第1透過面31に対して像側に形成される後群第2透過面32とを有する。
【0099】
後群透明媒体Lb2は、平面からなる後群周辺第3透過面41と、後群周辺第3透過面41に対して像側に形成され拡張回転自由曲面からなる後群周辺第4透過面42とを有する。また、中心軸上で平面からなる後群中心第3透過面46、後群中心第3透過面46に対して像側に形成され、中心軸上で球面からなる後群中心第4透過面47をさらに有する。
【0100】
後群カバーガラスCbは、平行平板からなり、後群第5透過面51と、後群第5透過面51に対して像側に形成される後群第6透過面52とを有する。
【0101】
光学系1は、周辺光路A及び中心光路Bを形成する。
【0102】
周辺光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、前群カバーガラスCfの前1群第1透過面11と前1群第2透過面12とを経て前2群透明媒体Lf2内に入る。前2群透明媒体Lf2では、前2群周辺第1透過面21を経て入り、前2群周辺第2透過面24を経て前2群透明媒体Lf2から外に出る。その後、前群Gfと後群Gbの間に中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て後群Gb内に入る。後群Gbでは、平凸正レンズLb1に後群第1透過面31を経て入り、後群第2透過面32から外に出て、後群透明媒体Lb2に後群周辺第3透過面41を経て入り、後群周辺第4透過面42から外に出て、後群カバーガラスCbに後群第5透過面51を経て入り、後群第6透過面52から外に出て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0103】
また、中心光路Bにおいて、前群カバーガラスCfの前1群第1透過面11と前1群第2透過面12とを経て前2群透明媒体Lf2内に入る。前2群透明媒体Lf2では、前2群中心第1透過面26を経て入り、前2群中心第2透過面27を経て前2群透明媒体Lf2から外に出る。その後、前群Gfと後群Gbの間に中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て後群Gb内に入る。後群Gbでは、平凸正レンズLb1に後群第1透過面31を経て入り、後群第2透過面32から外に出て、後群透明媒体Lb2に後群中心第3透過面46を経て入り、後群中心第4透過面47から外に出て、後群カバーガラスCbに後群第5透過面51を経て入り、後群第6透過面52から外に出て、像面5の中心軸2上に結像する。
【0104】
この実施例3の仕様は、
画角
周辺光路A 7.06°〜52.3°
中心光路B 0.00°〜9.35°
絞り径 φ0.20mm
像の大きさ
周辺光路A φ0.99〜φ1.89
中心光路B φ0.79
である。
【0105】
また、最大像高をI(mm)、二重焦点素子の二重焦点面が物体側にある場合の二重焦点面から開口までの距離d1(mm)、二重焦点素子の二重焦点面が像側にある場合の二重焦点面から開口までの距離d2(mm)、二重焦点素子の外径をD(mm)とするとき、
実施例1 実施例2 実施例3
I 0.95 0.98 0.95
d1 3.95 3.20 4.60
d2 3.20 4.40
D(φ) 6.30 3.40 3.50
d1/I 0.95 0.98 0.95
d2/I 3.27 4.86
D/I 6.64 3.47 3.70
である。
【0106】
以下に、上記実施例1〜3の構成パラメータを示す。なお、以下の表中の “RE”は反射面を示す。
【0107】
実施例1
周辺光路
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 6.70
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.05
3 ERFS[1] 0.00 偏心(1) 1.8348 42.7
4(RE)ERFS[2] 0.00 偏心(2) 1.8348 42.7
5(RE)ERFS[3] 0.00 偏心(3) 1.8348 42.7
6 63.69 3.97 偏心(4)
7 ∞(絞り) 0.82
8 -5.75 0.60 1.7292 54.7
9 -1.58 0.10
10 3.86 1.00 1.8830 40.7
11 -13.93 0.87
12 ∞ 0.40 1.5163 64.1
13 ∞ 0.10
像 面 ∞
ERFS[1]
RY 1.46
θ -70.69
R 3.04
ERFS[2]
RY 0.98
θ -7.87
R 2.55
ERFS[3]
RY 4.05
θ 7.00
R 1.91
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z -3.33
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z -2.86
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y 0.00 Z -3.97
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y 0.00 Z -2.87
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
中心光路
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 6.70
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.05
3 4.05 1.09 1.8348 42.7
4 63.69 2.88
5 ∞(絞り) 0.82
6 -5.75 0.60 1.7292 54.7
7 -1.58 0.10
8 3.86 1.00 1.8830 40.7
9 -13.93 0.87
10 ∞ 0.40 1.5163 64.1
11 ∞ 0.10
像 面 ∞
【0108】
実施例2
周辺光路
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 6.70
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.05
3 ∞ 0.00 1.8348 42.7
4 ERFS[1] 2.09 偏心(1)
5 ∞(絞り) 0.10
6 ∞ 0.50 1.8348 42.7
7 -1.43 1.06
8 ERFS[2] 0.50 偏心(2) 1.8348 42.7
12 ∞ 0.10
13 ∞ 0.40 1.5163 64.1
14 ∞ 0.00
像 面 ∞
ERFS[1]
RY 1.77
θ 4.09
R 0.88
C4 -1.1914E-01
ERFS[2]
RY 1.60
θ 16.77
R -0.62
C4 1.4142E-01
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z -1.69
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z 1.73
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
中心光路
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 4.10
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.05
3 ∞ 0.50 1.8348 42.7
4 -5.47 1.59
5 ∞(絞り) 0.10
6 ∞ 0.50 1.8348 42.7
7 -1.43 1.06
8 3.04 0.50 1.8348 42.7
9 ∞ 0.10
10 ∞ 0.40 1.5163 64.1
11 ∞ 0.00
像 面 ∞
【0109】
実施例3
周辺光路
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 6.70
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.05
3 ERFS[1] 0.30 偏心(1) 1.8348 42.7
4 ∞ 2.00
5 ∞(絞り) 0.10
6 ∞ 0.40 1.8348 42.7
7 -1.44 1.00
8 ∞ 0.70 1.8348 42.7
8 ERFS[2] 0.03 偏心(2)
9 ∞ 0.40 1.5163 64.1
10 ∞ 0.00
像 面 ∞
ERFS[1]
RY -1.75
θ 2.71
R 1.08
C4 2.0639E-01
ERFS[2]
RY -3.60
θ -19.25
R -0.67
C4 -4.9770E-01
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z -2.20
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z 2.10
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
中心光路
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 4.10
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.05
3 4.72 0.30 1.8348 42.7
4 ∞ 2.00
5 ∞(絞り) 0.10
6 ∞ 0.40 1.8348 42.7
7 -1.44 1.00
8 ∞ 0.70 1.8348 42.7
9 -1.65 0.03
10 ∞ 0.40 1.5163 64.1
11 ∞ 0.00
像 面 ∞
【0110】
図12は、本実施例の画像と撮像素子の配置例を示す。図12(a)は、画面比が16:9の撮像素子を使用した例である。上下方向の画像は使用しない場合、周辺光路Aの画像A1の左右の位置に撮像素子50の大きさを合致させると好ましい。図12(b)は、画面比が4:3の撮像素子50を使用し、中心光路Bでの画像B1に撮像素子50の大きさを合致させた例であり、図12(a)と同様に上下方向の映像は使用しない場合を示す。図12(c)は、画面比が4:3の撮像素子50を使用し、周辺光路Aでの画像A1に撮像素子50の大きさを合致させた例である。このように、配置をすると、周辺光路Aの画像A1と中心光路Bの画像B1の両方をすべて撮像することができる。
【0111】
以下に、本発明の光学系1の適用例として、撮影光学系101又は投影光学系102の使用例を説明する。図13は、内視鏡先端の撮影光学系として本発明による撮影光学系101を用いた例を示すための図であり、図13(a)は、硬性内視鏡110の先端101に本発明による撮影光学系を取り付けて画像を撮像観察する例である。図13(b)にその先端の概略の構成を示す。本発明によるパノラマ撮影光学系101の入射面11の周囲には円周方向に伸びる開口106を有するケーシング等からなるフレア絞り107が配置され、フレア光が入射するのを防止している。また、図13(c)は、軟性電子内視鏡113の先端に本発明によるパノラマ撮影光学系101を同様に取り付けて、表示装置114に撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して表示するようにした例である。
【0112】
図14は、カプセル内視鏡120に本発明による撮影光学系101を取り付けて360°全方位の画像を撮像観察する例である。本発明による撮影光学系101の周辺光路Aにおける前群Gfの第1透過面11の周囲には円周方向に伸びる開口106を有するケーシング等に、フレア絞り107が形成され、フレア光が入射するのを防止している。
【0113】
図15(a)は、自動車130の前方に撮影光学系として本発明による撮影光学系101を取り付けて、車内の表示装置に各撮影光学系101を経て撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して同時に表示するようにした例を示す図であり、図15(b)は、自動車130の各コーナやヘッド部のポールの頂部に撮影光学系として本発明による撮影光学系101を複数取り付けて、車内の表示装置に各撮影光学系101を経て撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して同時に表示するようにした例を示す図である。この場合、図15(a)に示したように、周辺光路Aの画像A1の左右の位置に撮像素子50の大きさを合致させると、左右の画像が広く撮像でき、好ましい。
【0114】
また、図16は、投影装置140の投影光学系として本発明による投影光学系102を用い、その像面5に配置した表示素子にパノラマ画像を表示し、投影光学系102を通して360°全方位に配置したスクリーン141に360°全方位画像を投影表示する例である。
【0115】
さらに、図17は、建物150の外部に本発明による撮影光学系101を用いた撮影装置151を取り付け、屋内に本発明による撮影光学系101を用いた投影装置151を配置し、撮影装置151で撮像された映像を電線152を介して投影装置140に送るように接続している。このような配置において、屋外の360°全方位の被写体Pを、撮影光学系101を経て撮影装置151で撮影し、その映像信号を電線152を介して投影装置140に送り、像面に配置した表示素子にその映像を表示して、投影光学系102を通して屋内の壁面等に被写体Pの映像P'を投影表示するようにしている例である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の光学系の座標系を説明するための図である。
【図2】拡張回転自由曲面の原理を示す図である。
【図3】本発明の実施例1の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図4】実施例1の光学系全体の周辺光路の横収差図を示す図である。
【図5】実施例1の光学系全体の中心光路の横収差図を示す図である。
【図6】本発明の実施例2の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図7】実施例2の光学系全体の周辺光路の横収差図を示す図である。
【図8】実施例2の光学系全体の中心光路の横収差図を示す図である。
【図9】本発明の実施例3の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図10】実施例3の光学系全体の周辺光路の横収差図を示す図である。
【図11】実施例3の光学系全体の中心光路の横収差図を示す図である。
【図12】本発明の光学系の画像と撮像素子の配置例を示す図である。
【図13】本発明の光学系を内視鏡先端の撮影光学系として用いた例を示す図である。
【図14】本発明の光学系をカプセル内視鏡の撮影光学系として用いた例を示す図である。
【図15】本発明の光学系を自動車の撮影光学系として用いた例を示す図である。
【図16】本発明の光学系を投影装置の投影光学系として用いた例を示す図である。
【図17】本発明の光学系を屋外の被写体を撮影する撮影光学系として用いた例を示す図である。
【符号の説明】
【0117】
1…光学系
2…中心軸
3…物体面
5…像面
【技術分野】
【0001】
本発明は光学系及びそれを用いた内視鏡に関し、特に、遠方の物点を広画角で観察する光路と近傍の物点を拡大して観察する光路の2つの光路を有し、1つの撮像素子に円環状及び円形の映像として結像する機能を有する結像光学系又は投影光学系に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、二重焦点光学系として特許文献1及び特許文献2があった。また、2つの光路を有する光学系として特許文献3及び特許文献4があった。
【特許文献1】特開平8−320401号公報
【特許文献2】特開平11−23809号公報
【特許文献3】米国特許公開2004−0254424号公報
【特許文献4】国際特許公開2003/042743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、どの特許文献に記載された光学系も、小型な構成で、且つ、広視野光路と拡大光路を備えたものではなかった。
【0004】
本発明は、従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ズーム機構等の複雑な機構無しで、簡単な構成で広い観察画角の光路と拡大光路の両方を有する光学系の両方の像を同時に1つの撮像素子上に撮像することが可能な小型で安価な光学系及びそれを用いた内視鏡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の光学系は、前群と、正の屈折力を有する後群と、前記前群と前記後群の間に配置された開口とを有し、中心軸の周りに回転対称で、中間像を光路中に形成することなく像面に結像される二重焦点光学系において、前記前群は、2面以上の面形状で構成された二重焦点光学素子を少なくとも1つ有し、前記二重焦点光学素子は、少なくとも2つの異なる物点距離からの光路に対して、それぞれ同心に分割されている異なる回転対称な面形状の作用により、同一方向の異なる物点を同一平面上の異なる領域に結像することを特徴とする。
【0006】
また、前記二重焦点光学素子は、周辺部分の周辺光路と、中心部分の中心光路と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、前記周辺光路の画角は、前記中心光路の画角より大きいことを特徴とする。
【0008】
また、前記周辺光路と前記中心光路は、共通の開口を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記周辺光路と前記中心光路は、前記後群において少なくとも1つの透過光学素子を共用することを特徴とする。
【0010】
また、前記二重焦点光学素子の少なくとも1面は、トーリック面からなることを特徴とする。
【0011】
また、前記二重焦点光学素子の少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、前記二重焦点光学素子の少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、前記二重焦点光学素子の周辺光路は、前記中心軸周辺に配置された第1透過面と、前記第1透過面より像面側に配置され、像面側に凹面を向けた第1反射面と、前記第1反射面より像面と反対側に配置され、像面側に凹面を向けた第2反射面と、前記第2反射面より像面側に配置された第2透過面と、により形成されることを特徴とする。
【0014】
また、前記周辺光路は、順光線追跡の順に、前記第1透過面を経て前記二重焦点光学素子内に入り、前記第1反射面で像面と反対側に反射され、前記第2反射面で像面側に反射され、前記第2透過面を経て前記二重焦点光学素子から像面側に外へ出る略Z字状の光路を構成することを特徴とする。
【0015】
また、前記周辺光路の少なくとも前記第1反射面と前記第2反射面の間は、前記中心軸に対して片側のみで構成されることを特徴とする。
【0016】
また、前記周辺光路は、光路中に中間像が結像されることなく、像面に円環状に結像されることを特徴とする。
【0017】
また、前記中心光路は、透過面のみで構成されていることを特徴とする。
【0018】
また、前記二重焦点光学素子は、前記第1透過面の中心軸近傍に第3透過面を有し、前記二重焦点光学素子に入射する光束は、順光線追跡の順に、前記第3透過面を経て前記二重焦点光学素子内に入り、前記第2透過面を経て前記二重焦点光学素子から像面側に外へ出る中心光路を構成することを特徴とする。
【0019】
また、前記二重焦点光学素子は、前記第2透過面の中心軸近傍に第3透過面を有し、前記二重焦点光学素子に入射する光束は、順光線追跡の順に、前記第1透過面を経て前記二重焦点光学素子内に入り、前記第3透過面を経て前記二重焦点光学素子から像面側に外へ出る中心光路を構成することを特徴とする。
【0020】
また、前記二重焦点光学素子は、前記前群と前記後群に複数配置することを特徴とする。
【0021】
また、最大像高をI、二重焦点素子の二重焦点面が物体側にある場合の二重焦点面から開口までの距離をd1とするとき、
0.5<d1/I<3 ・・・(1)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0022】
また、最大像高をI、二重焦点素子の二重焦点面が像面側にある場合の二重焦点面から開口までの距離をd2とするとき、
0.5<d2/I<5 ・・・(1)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0023】
また、最大像高をI、前記二重焦点光学素子の外径をDとするとき、
1<D/I<10 ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0024】
さらに、上記目的を達成する本発明は、前記光学系を用いた内視鏡であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
以上の本発明の光学系においては、簡単な構成で広い画角を観察又は広い画角に映像を投影することが可能な小型で収差が良好に補正された解像力の良い光学系を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、実施例に基づいて本発明の光学系について説明する。
【0027】
図3は、後述する実施例1の光学系1の中心軸(回転対称軸)2に沿ってとった断面図である。なお、以下の説明は、結像光学系として説明するが、光路を逆にとって投影光学系として用いることもできる。
【0028】
本発明に係る光学系1は、中心軸2に対して回転対称で、前群Gfと、正の屈折力を有する後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間に配置された開口Sとを有し、中間像を光路中に形成することなく像を形成又は投影する光学系1である。像面5近傍の平行平板は撮像素子のカバーガラスC等である。
【0029】
実施例1の光学系1は、前群Gfと、正の屈折力を有する後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間に配置された開口Sとを有し、中心軸2の周りに回転対称で、中間像を光路中に形成することなく像面5に結像される二重焦点光学系において、前群Gfは、2面以上の面形状で構成された二重焦点光学素子Lfを少なくとも1つ有し、二重焦点光学素子Lfは、少なくとも2つの異なる物点距離からの光路に対して、それぞれ同心に分割されている異なる回転対称な面形状の作用により、同一方向の異なる物点を同一平面上の異なる領域に結像することが重要である。このような構成により、簡単な構成で広い画角を観察又は広い画角に映像を投影することが可能な小型で収差が良好に補正された解像力の良い光学系を得ることができる。
【0030】
また、二重焦点光学素子Lfは、周辺部分の周辺光路Aと、中心部分の中心光路Bと、を有することが望ましい。これにより、1つの撮像素子で周辺と中心の観察像を同時に観察することが可能となる。さらに好ましくは、中心光路と周辺光路の反射回数は、0,2,4の偶数回同士の組み合わせが好ましい。これにより、上下、左右の関係が2つの画像で回転中心軸を基準に一致する。これにより光学系の操作が容易になる。
【0031】
また、周辺光路Aの画角は、中心光路Bの画角より大きいことが重要である。周辺の広画角の観察光路で見たいところを探して、中心の拡大光学系で必要部分を拡大観察することにより、よく見ようとした時に必然的に画面中心に観察物体を持ってくる、自然な動作となる。
【0032】
また、周辺光路Aと中心光路Bは、共通の開口Sを有することが望ましい。開口Sを共用することにより、一つの絞りを可変にすることにより両光路を可変にすることが可能となる。また2本の光路を並列に配置する場合に比べて二つの光路のパララックスを小さくすることが可能となる。
【0033】
また、周辺光路Aと中心光路Bは、後群Gbにおいて少なくとも1つの透過光学素子を共用することが望ましい。少なくとも一つの透過光学素子を共用することにより両方の光路の結像作用を共用した光学素子で構成することが可能となり、光学系を小型に構成することが可能となる。
【0034】
また、二重焦点光学素子Lfの少なくとも1面は、トーリック面からなることが望ましい。トーリック面で構成することにより中心軸2と面の交点が直交するという一般の球面や非球面で受ける制約を受けなくなるために、サジタル断面とメリジオナル断面の曲率を任意に設定することが可能となると同時に、実施例1の第1反射面22のように、Z軸の正方向に開いた線形状をZ軸周りに回転するような面形状を定義でき、設計の自由度が飛躍的に高まる。
【0035】
また、二重焦点光学素子Lfの少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸2の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることが望ましい。対称面を持たないことにより、特に観察画角の広い周辺光路の画角周辺部分の歪みを補正することが可能となる。
【0036】
また、二重焦点光学素子Lfの少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸2の周りで回転させて形状される拡張回転自由曲面で構成されていることが望ましい。この奇数次項により周辺光路の画面周辺部分の歪をより補正することが可能となる。
【0037】
また、二重焦点光学素子Lfの周辺光路Aは、中心軸2周辺に配置された第1透過面21と、第1透過面21より像面5側に配置され、像面5側に凹面を向けた第1反射面22と、第1反射面22より像面5と反対側に配置され、像面5側に凹面を向けた第2反射面23と、第2反射面23より像面5側に配置された第2透過面24と、により形成されることを特徴とする。
【0038】
また、周辺光路Aは、順光線追跡の順に、第1透過面21を経て二重焦点光学素子Lf内に入り、第1反射面22で像面5と反対側に反射され、第2反射面23で像面5側に反射され、第2透過面24を経て二重焦点光学素子Lfから像面5側に外へ出る略Z字状の光路を構成することが望ましい。第1反射面22より物体側に透過面を配置することにより第1反射面22と第2反射面23を裏面鏡として構成することが可能となり、偏心収差の発生を小さくすることが可能となる。また、Z字状にすることにより、2つの反射面は向き合う構成となり、各反射面に入射する画角中心の中心光線の入射角度を小さくすることが可能となり、偏心収差の発生を少なくすることが可能となる。
【0039】
また、周辺光路Aの少なくとも第1反射面22と第2反射面23の間の光路は、中心軸2に対して片側のみで構成されることが望ましい。これにより中心光路Bとの面の干渉が起きにくくなり、周辺光路Aの観察画角を広く取ることが可能となる。
【0040】
また、周辺光路Aは、光路中に中間像が結像されることなく、像面に円環状に結像されることが望ましい。中間結像させると、光学系1の焦点距離等、自由度が上がるが光路長が長くなり、本発明のように非常に小型の光学系1を構成する場合には、好ましくない。
【0041】
また、中心光路Bは、透過面のみで構成されていることが望ましい。中心光路を透過面のみで構成することにより、二重焦点光学素子Lfを薄くすることが可能となり、特に回転対称軸方向に小型の光学系1を構成することが可能となる。
【0042】
また、二重焦点光学素子Lfは、第1透過面21の中心軸2近傍に第3透過面26を有し、二重焦点光学素子Lfに入射する光束は、順光線追跡の順に、第3透過面26を経て二重焦点光学素子Lf内に入り、第2透過面22を経て二重焦点光学素子Lfから像面5側に外へ出る中心光路Bを構成することが望ましい。周辺光路Aと中心光路Bとで第2透過面22を共通して使用することができる。
【0043】
また、二重焦点光学素子Lfは、第2透過面24の中心軸近傍に第4透過面27を有し、二重焦点光学素子Lfに入射する光束は、順光線追跡の順に、前記第1透過面21を経て二重焦点光学素子Lf内に入り、第4透過面27を経て二重焦点光学素子Lfから像面5側に外へ出る中心光路Bを構成することが望ましい。周辺光路Aと中心光路Bとで第1透過面21を共通して使用することができる。
【0044】
また、二重焦点光学素子Lf,Lbは、前群Gfと後群Gbに複数配置することが望ましい。二重焦点光学素子Lfを、開口Sを挟んで、物体側と像側に配置することにより周辺光路Aの焦点位置と主点位置の両方の自由度が得られ、収差補正上好ましい。
【0045】
また、最大像高をI、二重焦点素子の二重焦点面が物体側にある場合の二重焦点面から開口までの距離をd1とするとき、
0.5<d1/I<3 ・・・(1)
なる条件を満足することが望ましい。
【0046】
上記条件式(1)の下限を超えると開口Sから二重焦点光学素子Lfまでの距離が短くなりすぎ、中心光路Bと周辺光路Aの分離が十分に行われないために、両方の光束が干渉し、結果として観察画角が広く取れない。又上限を超えると光学系1全体の中心軸2方向の長さが長くなってしまい。小型の光学系1を実現できない。
【0047】
また、最大像高をI、二重焦点素子の二重焦点面が像面側にある場合の二重焦点面から開口までの距離をd2とするとき、
0.5<d2/I<5 ・・・(1)
なる条件を満足することが望ましい。
【0048】
上記条件式(2)の下限を超えると開口Sから二重焦点光学素子Lfまでの距離が短くなりすぎ、中心光路Bと周辺光路Aの分離が十分に行われないために、両方の光束が干渉し、結果として観察画角が広く取れない。又上限を超えると光学系1全体の中心軸2方向の長さが長くなってしまい。小型の光学系1を実現できない。
【0049】
また、最大像高をI、前記二重焦点光学素子の外径をDとするとき、
1<D/I<10 ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0050】
上記条件式(3)の下限を超えると、中心光路Bと周辺光路Aの分離が十分に行われないために、両方の光束が干渉し、結果として観察画角が広く取れない。上限を超えると光学系1の外径が大きくなってしまい、細い光学系1を実現できない。
【0051】
さらに、上記目的を達成する本発明は、前記光学系を用いた内視鏡であることを特徴とする。
【0052】
なお、すべての実施例はERFS面以外は球面で構成されているが、通常の非球面で構成することも可能である。また物体側の平行平面は、光学系保護用のものであり。無くてもよい。像側の平行平面は撮像素子保護用のものであり、無くてもよい。
【0053】
以下に、本発明の光学系の実施例1〜4を説明する。これら光学系の構成パラメータは後記する。
【0054】
座標系は、順光線追跡において、例えば図1に示すように、絞りと中心軸2と交差する点を偏心光学面の原点Oとし、中心軸2に直交する方向をY軸方向とし、図1の紙面内をY−Z平面とする。そして、図1の像面5側の方向をZ軸正方向とし、Y軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をX軸正方向とする。
【0055】
偏心面については、その面が定義される座標系の上記光学系1の原点Oからの偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、光学系1の原点Oに定義される座標系のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする各面を定義する座標系の傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、各面を定義する座標系を光学系の原点に定義される座標系のまずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その回転した別の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
【0056】
また、各実施例の光学系を構成する光学作用面の中、特定の面とそれに続く面が共軸光学系を構成する場合には面間隔が与えられており、その他、面の曲率半径、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。
【0057】
また、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は、上記のように、基準面からの偏心量で表わす。
【0058】
なお、非球面は、以下の定義式で与えられる回転対称非球面である。
Z=(Y2 /R)/[1+{1−(1+k)Y2 /R2 }1 /2]
+aY4 +bY6 +cY8 +dY10+・・・
・・・(a)
ただし、Zを軸とし、Yを軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、kは円錐定数、a、b、c、d、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
【0059】
また、拡張回転自由曲面は、以下の定義で与えられる回転対称面である。
【0060】
まず、図2に示すように、Y−Z座標面上で原点を通る下記の曲線(b)が定められる。
【0061】
Z=(Y2 /RY)/[1+{1−(C1 +1)Y2 /RY2 }1 /2]
+C2 Y+C3 Y2 +C4 Y3 +C5 Y4 +C6 Y5 +C7 Y6
+・・・・+C21Y20+・・・・+Cn+1 Yn +・・・・
・・・(b)
次いで、この曲線(b)をX軸正方向を向いて左回りを正として角度θ(°)回転した曲線F(Y)が定められる。この曲線F(Y)もY−Z座標面上で原点を通る。
【0062】
その曲線F(Y)をY正方向に距離R(負のときはY負方向)だけ平行移動し、その後にZ軸の周りでその平行移動した曲線を回転させてできる回転対称面を拡張回転自由曲面とする。
【0063】
その結果、拡張回転自由曲面はY−Z面内で自由曲面(自由曲線)になり、X−Y面内で半径|R|の円になる。
【0064】
この定義からZ軸が拡張回転自由曲面の軸(回転対称軸)となる。
【0065】
ここで、RYはY−Z断面での球面項の曲率半径、C1 は円錐定数、C2 、C3 、C4 、C5 …はそれぞれ1次、2次、3次、4次…の非球面係数である。
【0066】
なお、Z軸を中心軸に持つ円錐面は拡張回転自由曲面の1つとして与えられ、RY=∞,C1 ,C2 ,C3 ,C4 ,C5 ,…=0とし、θ=(円錐面の傾き角)、R=(X−Z面内での底面の半径)として与えられる。
【0067】
また、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は、上記のように、基準面からの偏心量で表わす。
【0068】
実施例1の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図3に示す。また、この実施例の光学系全体の周辺光路の横収差図を図4、中心光路の横収差図を図5に示す。
【0069】
本実施例は、光学系1の中心軸2に同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、共通に使用することなくすべて異なる面で構成した例である。
【0070】
光学系1は、中心軸2の周りで回転対称な前群Gfと、中心軸2の周りで回転対称な後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口5とからなり、前群Gfは、前1群Gf1と前2群Gf2からなる。
【0071】
前1群Gf1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前群カバーガラスCfからなる。前群カバーガラスCfは、平行平板からなり、前1群第1透過面11と、前1群第1透過面11に対して像側に形成される前1群第2透過面12とを有する。
【0072】
前2群Gf2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前2群透明媒体Lf2からなる。前2群透明媒体Lf2は、中心軸を離れた周辺部でトーリック面からなる前2群周辺第1透過面21と、前2群周辺第1透過面21に対して像側に形成され、反射コーティング4aし、トーリック面からなる前2群周辺第1反射面22と、前2群周辺第1反射面22に対して像面5と反対側に配置され、反射コーティング4bし、トーリック面からなる前2群周辺第2反射面23と、前2群周辺第2反射面23より像面5側に配置され、球面からなる前2群周辺第2透過面24を有する。また、中心軸上で前群カバーガラスCfに対向して配置され、球面からなる前2群中心第1透過面26、前2群中心第1透過面26に対して像側に形成され、正のパワーをもち球面からなる前2群中心第2透過面27をさらに有する。
【0073】
後群Gbは、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズLb1と、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい両凸正レンズLb2と、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後群カバーガラスCbからなる。
【0074】
正メニスカスレンズLb1は、後群第1透過面31と、後群第1透過面31に対して像側に形成される後群第2透過面32とを有する。両凸正レンズLb2は、後群第3透過面41と、後群第3透過面41に対して像側に形成される後群第4透過面42とを有する。後群カバーガラスCbは、平行平板からなり、後群第5透過面51と、後群第5透過面51に対して像側に形成される後群第6透過面52とを有する。
【0075】
光学系1は、周辺光路A及び中心光路Bを形成する。
【0076】
周辺光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、前群カバーガラスCfの前1群第1透過面11と前1群第2透過面12とを経て前2群透明媒体Lf2内に入る。前2群透明媒体Lf2では、前2群周辺第1透過面21を経て入り、一部が反射コーティング4a、一部が全反射により、前2群周辺第1反射面22で像面5と反対側に反射され、前2群周辺第2反射面23で反射コーティング4bにより像面5側に反射され、前2群周辺第2透過面24を経て前2群透明媒体Lf2から外に出る略Z字状の光路を有する。その後、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て後群Gb内に入る。後群Gbでは、正メニスカスレンズLb1に後群第1透過面31を経て入り、後群第2透過面32から外に出て、両凸正レンズLb2に後群第3透過面41を経て入り、後群第4透過面42から外に出て、後群カバーガラスCbに後群第5透過面51を経て入り、後群第6透過面52から外に出て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0077】
また、中心光路Bにおいて、前群カバーガラスCfの前1群第1透過面11と前1群第2透過面12とを経て前2群透明媒体Lf2内に入る。前2群透明媒体Lf2では、前2群中心第1透過面26を経て入り、前2群中心第2透過面27を経て前2群透明媒体Lf2から外に出る。その後、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て後群Gb内に入る。後群Gbでは、正メニスカスレンズLb1に後群第1透過面31を経て入り、後群第2透過面32から外に出て、両凸正レンズLb2に後群第3透過面41を経て入り、後群第4透過面42から外に出て、後群カバーガラスCbに後群第5透過面51を経て入り、後群第6透過面52から外に出て、像面5の中心軸2上に結像する。
【0078】
この実施例1の仕様は、
画角
周辺光路A 0.00°〜50.0°
中心光路B 0.00°〜5.00°
絞り径 φ0.20mm
像の大きさ
周辺光路A φ1.12〜φ1.90
中心光路B φ0.94
である。
【0079】
実施例2の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図6に示す。また、この実施例の光学系全体の周辺光路の横収差図を図7、中心光路の横収差図を図8に示す。
【0080】
光学系1は、中心軸2の周りで回転対称な前群Gfと、中心軸2の周りで回転対称な後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口5とからなり、前群Gfは、前1群Gf1と前2群Gf2からなる。
【0081】
前1群Gf1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前群カバーガラスCfからなる。前群カバーガラスCfは、平行平板からなり、前1群第1透過面11と、前1群第1透過面11に対して像側に形成される前1群第2透過面12とを有する。
【0082】
前2群Gf2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前2群透明媒体Lf2からなる。前2群透明媒体Lf2は、中心軸を離れた周辺部で拡張回転自由面からなる前2群周辺第1透過面21と、前2群周辺第1透過面21に対して像側に形成され、平面からなる前2群周辺第2透過面24を有する。
【0083】
また、中心軸上で前群カバーガラスCfに対向して配置され、平面からなる前2群中心第1透過面26、前2群中心第1透過面26に対して像側に形成され、球面からなる前2群中心第2透過面27をさらに有する。
【0084】
後群Gbは、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい像面側に凸面を向けた平凸正レンズLb1と、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後群透明媒体Lb2と、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後群カバーガラスCbからなる。
【0085】
平凸正レンズLb1は、後群第1透過面31と、後群第1透過面31に対して像側に形成される後群第2透過面32とを有する。
【0086】
後群透明媒体Lb2は、拡張回転自由曲面からなる後群周辺第3透過面41と、後群周辺第3透過面41に対して像側に形成され平面からなる後群周辺第4透過面42とを有する。また、中心軸上で球面からなる後群中心第3透過面46、後群中心第3透過面46に対して像側に形成され、中心軸上で平面からなる後群中心第4透過面47をさらに有する。
【0087】
後群カバーガラスCbは、平行平板からなり、後群第5透過面51と、後群第5透過面51に対して像側に形成される後群第6透過面52とを有する。
【0088】
光学系1は、周辺光路A及び中心光路Bを形成する。
【0089】
周辺光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、前群カバーガラスCfの前1群第1透過面11と前1群第2透過面12とを経て前2群透明媒体Lf2内に入る。前2群透明媒体Lf2では、前2群周辺第1透過面21を経て入り、前2群周辺第2透過面24を経て前2群透明媒体Lf2から外に出る。その後、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て後群Gb内に入る。後群Gbでは、平凸正レンズLb1に後群第1透過面31を経て入り、後群第2透過面32から外に出て、後群透明媒体Lb2に後群周辺第3透過面41を経て入り、後群周辺第4透過面42から外に出て、後群カバーガラスCbに後群第5透過面51を経て入り、後群第6透過面52から外に出て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0090】
また、中心光路Bにおいて、前群カバーガラスCfの前1群第1透過面11と前1群第2透過面12とを経て前2群透明媒体Lf2内に入る。前2群透明媒体Lf2では、前2群中心第1透過面26を経て入り、前2群中心第2透過面27を経て前2群透明媒体Lf2から外に出る。その後、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て後群Gb内に入る。後群Gbでは、平凸正レンズLb1に後群第1透過面31を経て入り、後群第2透過面32から外に出て、後群透明媒体Lb2に後群中心第3透過面46を経て入り、後群中心第4透過面47から外に出て、後群カバーガラスCbに後群第5透過面51を経て入り、後群第6透過面52から外に出て、像面5の中心軸2上に結像する。
【0091】
この実施例2の仕様は、
画角
周辺光路A 3.44°〜50.23°
中心光路B 0.00°〜10.91°
絞り径 φ0.20mm
像の大きさ
周辺光路A φ0.98〜φ1.96
中心光路B φ0.77
である。
【0092】
実施例3の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図9に示す。また、この実施例の光学系全体の周辺光路の横収差図を図10、中心光路の横収差図を図11に示す。
【0093】
光学系1は、中心軸2の周りで回転対称な前群Gfと、中心軸2の周りで回転対称な後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間に中心軸2に同軸に配置された開口5とからなり、前群Gfは、前1群Gf1と前2群Gf2からなる。
【0094】
前1群Gf1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前群カバーガラスCfからなる。前群カバーガラスCfは、平行平板からなり、前1群第1透過面11と、前1群第1透過面11に対して像側に形成される前1群第2透過面12とを有する。
【0095】
前2群Gf2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前2群透明媒体Lf2からなる。前2群透明媒体Lf2は、中心軸を離れた周辺部で拡張回転自由曲面からなる前2群周辺第1透過面21と、前2群周辺第1透過面21に対して像側に形成され、平面からなる前2群周辺第2透過面24を有する。
【0096】
また、中心軸上で前群カバーガラスCfに対向して配置され、球面からなる前2群中心第1透過面26、前2群中心第1透過面26に対して像側に形成され、平面からなる前2群中心第2透過面27をさらに有する。
【0097】
後群Gbは、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい像面側に凸面を向けた平凸正レンズLb1と、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後群透明媒体Lb2と、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後群カバーガラスCbからなる。
【0098】
平凸正レンズLb1は、後群第1透過面31と、後群第1透過面31に対して像側に形成される後群第2透過面32とを有する。
【0099】
後群透明媒体Lb2は、平面からなる後群周辺第3透過面41と、後群周辺第3透過面41に対して像側に形成され拡張回転自由曲面からなる後群周辺第4透過面42とを有する。また、中心軸上で平面からなる後群中心第3透過面46、後群中心第3透過面46に対して像側に形成され、中心軸上で球面からなる後群中心第4透過面47をさらに有する。
【0100】
後群カバーガラスCbは、平行平板からなり、後群第5透過面51と、後群第5透過面51に対して像側に形成される後群第6透過面52とを有する。
【0101】
光学系1は、周辺光路A及び中心光路Bを形成する。
【0102】
周辺光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、前群カバーガラスCfの前1群第1透過面11と前1群第2透過面12とを経て前2群透明媒体Lf2内に入る。前2群透明媒体Lf2では、前2群周辺第1透過面21を経て入り、前2群周辺第2透過面24を経て前2群透明媒体Lf2から外に出る。その後、前群Gfと後群Gbの間に中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て後群Gb内に入る。後群Gbでは、平凸正レンズLb1に後群第1透過面31を経て入り、後群第2透過面32から外に出て、後群透明媒体Lb2に後群周辺第3透過面41を経て入り、後群周辺第4透過面42から外に出て、後群カバーガラスCbに後群第5透過面51を経て入り、後群第6透過面52から外に出て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0103】
また、中心光路Bにおいて、前群カバーガラスCfの前1群第1透過面11と前1群第2透過面12とを経て前2群透明媒体Lf2内に入る。前2群透明媒体Lf2では、前2群中心第1透過面26を経て入り、前2群中心第2透過面27を経て前2群透明媒体Lf2から外に出る。その後、前群Gfと後群Gbの間に中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て後群Gb内に入る。後群Gbでは、平凸正レンズLb1に後群第1透過面31を経て入り、後群第2透過面32から外に出て、後群透明媒体Lb2に後群中心第3透過面46を経て入り、後群中心第4透過面47から外に出て、後群カバーガラスCbに後群第5透過面51を経て入り、後群第6透過面52から外に出て、像面5の中心軸2上に結像する。
【0104】
この実施例3の仕様は、
画角
周辺光路A 7.06°〜52.3°
中心光路B 0.00°〜9.35°
絞り径 φ0.20mm
像の大きさ
周辺光路A φ0.99〜φ1.89
中心光路B φ0.79
である。
【0105】
また、最大像高をI(mm)、二重焦点素子の二重焦点面が物体側にある場合の二重焦点面から開口までの距離d1(mm)、二重焦点素子の二重焦点面が像側にある場合の二重焦点面から開口までの距離d2(mm)、二重焦点素子の外径をD(mm)とするとき、
実施例1 実施例2 実施例3
I 0.95 0.98 0.95
d1 3.95 3.20 4.60
d2 3.20 4.40
D(φ) 6.30 3.40 3.50
d1/I 0.95 0.98 0.95
d2/I 3.27 4.86
D/I 6.64 3.47 3.70
である。
【0106】
以下に、上記実施例1〜3の構成パラメータを示す。なお、以下の表中の “RE”は反射面を示す。
【0107】
実施例1
周辺光路
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 6.70
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.05
3 ERFS[1] 0.00 偏心(1) 1.8348 42.7
4(RE)ERFS[2] 0.00 偏心(2) 1.8348 42.7
5(RE)ERFS[3] 0.00 偏心(3) 1.8348 42.7
6 63.69 3.97 偏心(4)
7 ∞(絞り) 0.82
8 -5.75 0.60 1.7292 54.7
9 -1.58 0.10
10 3.86 1.00 1.8830 40.7
11 -13.93 0.87
12 ∞ 0.40 1.5163 64.1
13 ∞ 0.10
像 面 ∞
ERFS[1]
RY 1.46
θ -70.69
R 3.04
ERFS[2]
RY 0.98
θ -7.87
R 2.55
ERFS[3]
RY 4.05
θ 7.00
R 1.91
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z -3.33
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z -2.86
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y 0.00 Z -3.97
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y 0.00 Z -2.87
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
中心光路
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 6.70
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.05
3 4.05 1.09 1.8348 42.7
4 63.69 2.88
5 ∞(絞り) 0.82
6 -5.75 0.60 1.7292 54.7
7 -1.58 0.10
8 3.86 1.00 1.8830 40.7
9 -13.93 0.87
10 ∞ 0.40 1.5163 64.1
11 ∞ 0.10
像 面 ∞
【0108】
実施例2
周辺光路
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 6.70
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.05
3 ∞ 0.00 1.8348 42.7
4 ERFS[1] 2.09 偏心(1)
5 ∞(絞り) 0.10
6 ∞ 0.50 1.8348 42.7
7 -1.43 1.06
8 ERFS[2] 0.50 偏心(2) 1.8348 42.7
12 ∞ 0.10
13 ∞ 0.40 1.5163 64.1
14 ∞ 0.00
像 面 ∞
ERFS[1]
RY 1.77
θ 4.09
R 0.88
C4 -1.1914E-01
ERFS[2]
RY 1.60
θ 16.77
R -0.62
C4 1.4142E-01
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z -1.69
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z 1.73
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
中心光路
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 4.10
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.05
3 ∞ 0.50 1.8348 42.7
4 -5.47 1.59
5 ∞(絞り) 0.10
6 ∞ 0.50 1.8348 42.7
7 -1.43 1.06
8 3.04 0.50 1.8348 42.7
9 ∞ 0.10
10 ∞ 0.40 1.5163 64.1
11 ∞ 0.00
像 面 ∞
【0109】
実施例3
周辺光路
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 6.70
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.05
3 ERFS[1] 0.30 偏心(1) 1.8348 42.7
4 ∞ 2.00
5 ∞(絞り) 0.10
6 ∞ 0.40 1.8348 42.7
7 -1.44 1.00
8 ∞ 0.70 1.8348 42.7
8 ERFS[2] 0.03 偏心(2)
9 ∞ 0.40 1.5163 64.1
10 ∞ 0.00
像 面 ∞
ERFS[1]
RY -1.75
θ 2.71
R 1.08
C4 2.0639E-01
ERFS[2]
RY -3.60
θ -19.25
R -0.67
C4 -4.9770E-01
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z -2.20
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z 2.10
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
中心光路
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 4.10
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.05
3 4.72 0.30 1.8348 42.7
4 ∞ 2.00
5 ∞(絞り) 0.10
6 ∞ 0.40 1.8348 42.7
7 -1.44 1.00
8 ∞ 0.70 1.8348 42.7
9 -1.65 0.03
10 ∞ 0.40 1.5163 64.1
11 ∞ 0.00
像 面 ∞
【0110】
図12は、本実施例の画像と撮像素子の配置例を示す。図12(a)は、画面比が16:9の撮像素子を使用した例である。上下方向の画像は使用しない場合、周辺光路Aの画像A1の左右の位置に撮像素子50の大きさを合致させると好ましい。図12(b)は、画面比が4:3の撮像素子50を使用し、中心光路Bでの画像B1に撮像素子50の大きさを合致させた例であり、図12(a)と同様に上下方向の映像は使用しない場合を示す。図12(c)は、画面比が4:3の撮像素子50を使用し、周辺光路Aでの画像A1に撮像素子50の大きさを合致させた例である。このように、配置をすると、周辺光路Aの画像A1と中心光路Bの画像B1の両方をすべて撮像することができる。
【0111】
以下に、本発明の光学系1の適用例として、撮影光学系101又は投影光学系102の使用例を説明する。図13は、内視鏡先端の撮影光学系として本発明による撮影光学系101を用いた例を示すための図であり、図13(a)は、硬性内視鏡110の先端101に本発明による撮影光学系を取り付けて画像を撮像観察する例である。図13(b)にその先端の概略の構成を示す。本発明によるパノラマ撮影光学系101の入射面11の周囲には円周方向に伸びる開口106を有するケーシング等からなるフレア絞り107が配置され、フレア光が入射するのを防止している。また、図13(c)は、軟性電子内視鏡113の先端に本発明によるパノラマ撮影光学系101を同様に取り付けて、表示装置114に撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して表示するようにした例である。
【0112】
図14は、カプセル内視鏡120に本発明による撮影光学系101を取り付けて360°全方位の画像を撮像観察する例である。本発明による撮影光学系101の周辺光路Aにおける前群Gfの第1透過面11の周囲には円周方向に伸びる開口106を有するケーシング等に、フレア絞り107が形成され、フレア光が入射するのを防止している。
【0113】
図15(a)は、自動車130の前方に撮影光学系として本発明による撮影光学系101を取り付けて、車内の表示装置に各撮影光学系101を経て撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して同時に表示するようにした例を示す図であり、図15(b)は、自動車130の各コーナやヘッド部のポールの頂部に撮影光学系として本発明による撮影光学系101を複数取り付けて、車内の表示装置に各撮影光学系101を経て撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して同時に表示するようにした例を示す図である。この場合、図15(a)に示したように、周辺光路Aの画像A1の左右の位置に撮像素子50の大きさを合致させると、左右の画像が広く撮像でき、好ましい。
【0114】
また、図16は、投影装置140の投影光学系として本発明による投影光学系102を用い、その像面5に配置した表示素子にパノラマ画像を表示し、投影光学系102を通して360°全方位に配置したスクリーン141に360°全方位画像を投影表示する例である。
【0115】
さらに、図17は、建物150の外部に本発明による撮影光学系101を用いた撮影装置151を取り付け、屋内に本発明による撮影光学系101を用いた投影装置151を配置し、撮影装置151で撮像された映像を電線152を介して投影装置140に送るように接続している。このような配置において、屋外の360°全方位の被写体Pを、撮影光学系101を経て撮影装置151で撮影し、その映像信号を電線152を介して投影装置140に送り、像面に配置した表示素子にその映像を表示して、投影光学系102を通して屋内の壁面等に被写体Pの映像P'を投影表示するようにしている例である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の光学系の座標系を説明するための図である。
【図2】拡張回転自由曲面の原理を示す図である。
【図3】本発明の実施例1の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図4】実施例1の光学系全体の周辺光路の横収差図を示す図である。
【図5】実施例1の光学系全体の中心光路の横収差図を示す図である。
【図6】本発明の実施例2の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図7】実施例2の光学系全体の周辺光路の横収差図を示す図である。
【図8】実施例2の光学系全体の中心光路の横収差図を示す図である。
【図9】本発明の実施例3の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図10】実施例3の光学系全体の周辺光路の横収差図を示す図である。
【図11】実施例3の光学系全体の中心光路の横収差図を示す図である。
【図12】本発明の光学系の画像と撮像素子の配置例を示す図である。
【図13】本発明の光学系を内視鏡先端の撮影光学系として用いた例を示す図である。
【図14】本発明の光学系をカプセル内視鏡の撮影光学系として用いた例を示す図である。
【図15】本発明の光学系を自動車の撮影光学系として用いた例を示す図である。
【図16】本発明の光学系を投影装置の投影光学系として用いた例を示す図である。
【図17】本発明の光学系を屋外の被写体を撮影する撮影光学系として用いた例を示す図である。
【符号の説明】
【0117】
1…光学系
2…中心軸
3…物体面
5…像面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前群と、正の屈折力を有する後群と、前記前群と前記後群の間に配置された開口とを有し、中心軸の周りに回転対称で、中間像を光路中に形成することなく像面に結像される二重焦点光学系において、前記前群は、2面以上の面形状で構成された二重焦点光学素子を少なくとも1つ有し、前記二重焦点光学素子は、少なくとも2つの異なる物点距離からの光路に対して、それぞれ同心に分割されている異なる回転対称な面形状の作用により、同一方向の異なる物点を同一平面上の異なる領域に結像することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記二重焦点光学素子は、周辺部分の周辺光路と、中心部分の中心光路と、を有することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記周辺光路の画角は、前記中心光路の画角より大きいことを特徴とする請求項2に記載の光学系。
【請求項4】
前記周辺光路と前記中心光路は、共通の開口を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光学系。
【請求項5】
前記周辺光路と前記中心光路は、前記後群において少なくとも1つの透過光学素子を共用することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の光学系。
【請求項6】
前記二重焦点光学素子の少なくとも1面は、トーリック面からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学系。
【請求項7】
前記二重焦点光学素子の少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学系。
【請求項8】
前記二重焦点光学素子の少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学系。
【請求項9】
前記二重焦点光学素子の周辺光路は、前記中心軸周辺に配置された第1透過面と、前記第1透過面より像面側に配置され、像面側に凹面を向けた第1反射面と、前記第1反射面より像面と反対側に配置され、像面側に凹面を向けた第2反射面と、前記第2反射面より像面側に配置された第2透過面と、により形成されることを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれかに記載の光学系。
【請求項10】
前記周辺光路は、順光線追跡の順に、前記第1透過面を経て前記二重焦点光学素子内に入り、前記第1反射面で像面と反対側に反射され、前記第2反射面で像面側に反射され、前記第2透過面を経て前記二重焦点光学素子から像面側に外へ出る略Z字状の光路を構成することを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の光学系。
【請求項11】
前記周辺光路の少なくとも前記第1反射面と前記第2反射面の間、光路は、前記中心軸に対して片側のみで構成されることを特徴とする請求項2乃至請求項10のいずれかに記載の光学系。
【請求項12】
前記周辺光路は、光路中に中間像が結像されることなく、像面に円環状に結像されることを特徴とする請求項2乃至請求項11のいずれかに記載の光学系。
【請求項13】
前記中心光路は、透過面のみで構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項12のいずれかに記載の光学系。
【請求項14】
前記二重焦点光学素子は、前記第1透過面の中心軸近傍に第3透過面を有し、前記二重焦点光学素子に入射する光束は、順光線追跡の順に、前記第3透過面を経て前記二重焦点光学素子内に入り、前記第2透過面を経て前記二重焦点光学素子から像面側に外へ出る中心光路を構成することを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の光学系。
【請求項15】
前記二重焦点光学素子は、前記第2透過面の中心軸近傍に第3透過面を有し、前記二重焦点光学素子に入射する光束は、順光線追跡の順に、前記第1透過面を経て前記二重焦点光学素子内に入り、前記第3透過面を経て前記二重焦点光学素子から像面側に外へ出る中心光路を構成することを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の光学系。
【請求項16】
前記二重焦点光学素子は、前記前群と前記後群に複数配置することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の光学系。
【請求項17】
最大像高をI、二重焦点素子の二重焦点面が物体側にある場合の二重焦点面から開口までの距離をd1とするとき、
0.5<d1/I<3 ・・・(1)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の光学系。
【請求項18】
最大像高をI、二重焦点素子の二重焦点面が像面側にある場合の二重焦点面から開口までの距離をd2とするとき、
0.5<d2/I<5 ・・・(1)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の光学系。
【請求項19】
最大像高をI、前記二重焦点光学素子の外径をDとするとき、
1<D/I<10 ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項18のいずれかに記載の光学系。
【請求項20】
請求項1乃至請求項19のいずれかに記載の光学系を用いた内視鏡。
【請求項1】
前群と、正の屈折力を有する後群と、前記前群と前記後群の間に配置された開口とを有し、中心軸の周りに回転対称で、中間像を光路中に形成することなく像面に結像される二重焦点光学系において、前記前群は、2面以上の面形状で構成された二重焦点光学素子を少なくとも1つ有し、前記二重焦点光学素子は、少なくとも2つの異なる物点距離からの光路に対して、それぞれ同心に分割されている異なる回転対称な面形状の作用により、同一方向の異なる物点を同一平面上の異なる領域に結像することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記二重焦点光学素子は、周辺部分の周辺光路と、中心部分の中心光路と、を有することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記周辺光路の画角は、前記中心光路の画角より大きいことを特徴とする請求項2に記載の光学系。
【請求項4】
前記周辺光路と前記中心光路は、共通の開口を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光学系。
【請求項5】
前記周辺光路と前記中心光路は、前記後群において少なくとも1つの透過光学素子を共用することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の光学系。
【請求項6】
前記二重焦点光学素子の少なくとも1面は、トーリック面からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学系。
【請求項7】
前記二重焦点光学素子の少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学系。
【請求項8】
前記二重焦点光学素子の少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学系。
【請求項9】
前記二重焦点光学素子の周辺光路は、前記中心軸周辺に配置された第1透過面と、前記第1透過面より像面側に配置され、像面側に凹面を向けた第1反射面と、前記第1反射面より像面と反対側に配置され、像面側に凹面を向けた第2反射面と、前記第2反射面より像面側に配置された第2透過面と、により形成されることを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれかに記載の光学系。
【請求項10】
前記周辺光路は、順光線追跡の順に、前記第1透過面を経て前記二重焦点光学素子内に入り、前記第1反射面で像面と反対側に反射され、前記第2反射面で像面側に反射され、前記第2透過面を経て前記二重焦点光学素子から像面側に外へ出る略Z字状の光路を構成することを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の光学系。
【請求項11】
前記周辺光路の少なくとも前記第1反射面と前記第2反射面の間、光路は、前記中心軸に対して片側のみで構成されることを特徴とする請求項2乃至請求項10のいずれかに記載の光学系。
【請求項12】
前記周辺光路は、光路中に中間像が結像されることなく、像面に円環状に結像されることを特徴とする請求項2乃至請求項11のいずれかに記載の光学系。
【請求項13】
前記中心光路は、透過面のみで構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項12のいずれかに記載の光学系。
【請求項14】
前記二重焦点光学素子は、前記第1透過面の中心軸近傍に第3透過面を有し、前記二重焦点光学素子に入射する光束は、順光線追跡の順に、前記第3透過面を経て前記二重焦点光学素子内に入り、前記第2透過面を経て前記二重焦点光学素子から像面側に外へ出る中心光路を構成することを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の光学系。
【請求項15】
前記二重焦点光学素子は、前記第2透過面の中心軸近傍に第3透過面を有し、前記二重焦点光学素子に入射する光束は、順光線追跡の順に、前記第1透過面を経て前記二重焦点光学素子内に入り、前記第3透過面を経て前記二重焦点光学素子から像面側に外へ出る中心光路を構成することを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の光学系。
【請求項16】
前記二重焦点光学素子は、前記前群と前記後群に複数配置することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の光学系。
【請求項17】
最大像高をI、二重焦点素子の二重焦点面が物体側にある場合の二重焦点面から開口までの距離をd1とするとき、
0.5<d1/I<3 ・・・(1)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の光学系。
【請求項18】
最大像高をI、二重焦点素子の二重焦点面が像面側にある場合の二重焦点面から開口までの距離をd2とするとき、
0.5<d2/I<5 ・・・(1)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の光学系。
【請求項19】
最大像高をI、前記二重焦点光学素子の外径をDとするとき、
1<D/I<10 ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項18のいずれかに記載の光学系。
【請求項20】
請求項1乃至請求項19のいずれかに記載の光学系を用いた内視鏡。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−80410(P2009−80410A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251100(P2007−251100)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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