説明

光導波路部品および光導波路部品の製造方法

【課題】部品点数が少なく、位置合わせが不要であり、所望の半径で曲げた小さな曲げ部分で大口径のマルチモード光導波路であっても光の導波方向を変換することができる光導波路、光導波路部品および光導波路の製造方法を提供する。
【解決手段】光導波路1の加熱対象部分が加熱されて加工状態に移行し、加工状態に移行した加熱対象部分9を所定の曲げ半径で曲線状に曲げることで曲げ部分10を形成しており、曲げ部分10は加工歪状態に移行されている光導波路である。加工歪状態に移行する曲げ部分10を固定部材120の空間部分200に収納して、固定部材120に収納された曲げ部分10において曲げ部分10の表面部の屈折率よりも小さな光の屈折率を有する物質350によって表面部19が満たされていることで形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路部品および光導波路部品の製造方法に関するもので、特に光の導波方向を変換することができる光導波路部品および光導波路部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電気回路の動作速度は光伝送回路の動作速度に近づきつつあることから、電気回路の高速動作の一部を光導波路で補うために、電気回路と光伝送路を融合させることが行われている。光導波路の一例としては光ファイバが用いられている。
【0003】
具体的には、VCSEL(垂直共振器型表面発光レーザー)が電気回路基板に実装され、VCSELから出射された光信号が光導波路に入射して伝播され、電気回路基板に実装されたPD(フォトダイオード)で受光して信号伝送を行う。
【0004】
電気回路基板に埋め込まれた光導波路は、電気回路基板と平行方向に光を導波するので、VCSELのレーザ光を、これらの光導波路に結合されるようにするには、90度の光導波方向の変換が必要となる。
このような90度の光導波方向の変換方法として、光ファイバの端面を45度に研磨し、研磨面に金属蒸着などを施してミラーとし、90度の光導波方向の変換を行う方法や、45度の角度を持ったミラーで光導波方向の変換を行う方法が検討されている。
【0005】
そこで、90度の光導波方向の変換を行う方法としては、所望部分を所定の曲げ半径で曲線状に曲げた光導波路が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−292718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載された本発明者らが提案した光導波路は、小さな曲げ部分を形成することはできたのであるが、小型で簡単な構造を採用することで、シングルモード光導波路だけでなく大口径のマルチモード光導波路であっても、その曲げ部分により確実に光の導波方向を変換できることが望まれている。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を解消するために、部品点数が少なく、位置合わせが不要であり、所望の半径で曲げた小さな曲げ部分でシングルモード光導波路だけでなく大口径のマルチモード光導波路であっても光の導波方向を変換することができる光導波路、光導波路部品および光導波路の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の光導波路部品は、対象部分が所定の曲げ半径で曲線状に曲げられた曲げ部分を有する光導波路と、前記光導波路の少なくとも前記曲げ部分が収納される固定部材と、を備え、前記光導波路は、コアと前記コアを被覆するクラッドを有するマルチモード光ファイバであり、前記曲げ部分の前記コアと前記クラッドの断面積比が1/5以上であり、前記曲げ部分の直径が50μm以上であり、前記固定部材は、前記光導波路の前記曲げ部分の両側を直接固定する固定部位と、前記曲げ部分を収納する空間部を有し、前記空間部には、前記曲げ部分の表面部の屈折率よりも小さい屈折率を有する屈折率整合剤が充填されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の光導波路部品は、好ましくは前記固定部材が、前記光導波路の前記曲げ部分の曲げ中心の方向の端面に開口部を有し、前記開口部から前記屈折率整合剤が充填可能であることを特徴とする。
【0011】
本発明の光導波路部品は、好ましくは前記光導波路の曲げ部分の外径が、直線部分の外径よりも小さいことを特徴とする。
【0012】
本発明の光導波路部品は、好ましく前記曲げ部分の前記コアの外径が30μm以上であることを特徴とする。
【0013】
本発明の光導波路部品は、好ましくは前記曲げ部分の直径が125μm以下であることを特徴とする。
【0014】
本発明の光導波路部品は、好ましくは前記光導波路の曲げ部分の曲げ半径が、5.0mm以下であることを特徴とする。
【0015】
本発明の光導波路部品は、好ましくは前記光導波路が複数本並べられていることを特徴とする。
【0016】
本発明の光導波路部品は、好ましくは前記屈折率整合剤が、紫外線硬化型樹脂であることを特徴とする。
【0017】
本発明の光導波路部品は、好ましくは前記屈折率整合剤が、熱硬化型樹脂であることを特徴とする。
【0018】
本発明の光導波路部品の製造方法は、光導波路の加熱対象部分を加熱し、前記加熱対象部分を所定の曲げ半径で曲線状に曲げて曲げ部分を形成する工程と、
前記光導波路の前記曲げ部分の両側を直接固定する固定部位と、前記曲げ部分を収納する空間部を有する固定部材に前記光導波路を収納する工程と、前記空間部に前記曲げ部分の表面部の屈折率よりも小さい屈折率を有する屈折率整合剤を充填する工程を有し、前記光導波路は、コアと前記コアを被覆するクラッドを有するマルチモード光ファイバであり、前記曲げ部分の前記コアと前記クラッドの断面積比が1/5以上であり、前記曲げ部分の直径が50μm以上であることを特徴とする。
【0019】
本発明の光導波路部品の製造方法は、好ましくは前記光導波路を前記固定部材に収納する前に、前記光導波路の前記曲げ部分の外径を直線部分の外径よりも小さくする工程を有することを特徴とする。
【0020】
本発明の光導波路部品の製造方法は、好ましくは前記光導波路の前記曲げ部分の外径を小さくする工程は、前記曲げ部分の前記クラッドをフッ酸で溶かす工程であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の光導波路部品および光導波路の製造方法によれば、部品点数が少なく、位置合わせが不要であり、所望の半径で曲げた小さな曲げ部分で大口径のマルチモード光導波路であっても光の導波方向を変換することができ、光導波路部品の小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の光導波路の好ましい第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】曲げ部分を有する光導波路の形状例を示す図である。
【図3】本発明の光導波路部品の第1実施形態と第2実施形態を示す斜視図である。
【図4】図3の光導波路部品の固定部材から光導波路とガイドピンを除いた状態を示す図である。
【図5】図4の光導波路部品のG―G線における断面図である。
【図6】図5に示す光導波路部品の空間部分に充填用の物質を配置した状態を示す図である。
【図7】屈折率分布の例を示す図である。
【図8】本発明の光導波路部品の第3実施形態を示す図である。
【図9】光導波路のコアとクラッドの断面を示す図である。
【図10】曲げ部分のみが細径化された状態を示す図である。
【図11】図10の実施形態が位置決めして固定された光導波路部品の固定部材の断面を示す図である。
【図12】コア/面積比での曲げロスの測定結果例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の光導波路の好ましい実施形態を示す図である。図1(A)および(B)では、光導波路1と、光導波路部品100と、光導波路1の曲げ部分製造装置200を示している。
【0024】
図1(A)に示す光導波路1は例えば石英系の光ファイバであり、全長にわたって一定のコアとクラッドの屈折率差を有している。光導波路1はコア2と、このコア2を被覆するクラッド3を有する光ファイバである。光導波路1のクラッド3の外径Dは、例えば125μmであり、コア径Sが62.5μmであるGIファイバ(グレーデッドインデックス光ファイバ)である。このGIファイバは、外径が50μm以上の光ファイバの一例である。
【0025】
図1(A)に示す直線状の光導波路1は、図1に示す曲げ部分製造装置200を用いて図1(B)に示すように、曲げ部分10を加熱することにより形成する。図1(B)に例示するように、曲げ部分製造装置200は、2つの電極4,5と制御部6を有しており、制御部6が電極4,5に通電して電極4,5の間でアーク放電7を発生させる。このアーク放電7を、直線状の光導波路1の加熱対象部分9で発生させることで、図1(B)に示すように曲げ部分10を形成する。
【0026】
図1(A)に示す直線状の光導波路1の所望の加熱対象部分9が、図1(B)に示すアーク放電7により加熱されると、加熱対象部分9は屈曲点以上、軟化点以下の範囲の温度で加熱されることになり、光導波路1の加熱対象部分9は加工状態(曲げる等の加工が可能な状態)に移行する。そして、加工状態に移行した加熱対象部分9が、図2に示す所定の曲げ半径Rで曲線状に曲げられて曲げ部分10が形成され、冷却されることにより形状が安定する。
【0027】
このように、曲げ部分10が形成される際、光導波路1の曲げ部分10は高温状態で曲げられ、曲げられた後に常温(室温)まで冷却されるので、曲げることによる歪は生じない。すなわち、光導波路1の曲げ部分10は、屈曲点以上、軟化点以下の状態で曲げられ、この曲げられた状態が初期状態となるように加工されている。光導波路1は、屈曲点以下で変形すると歪が発生し、歪みが大きくなると破断することになるが、屈曲点以上で曲げ部分10が加工された後は、変形することなくその形状を使用状態としている。このため、使用時には歪が発生せず破断しない。
【0028】
なお、本発明の実施形態の光導波路部品100では、微小な空間で光導波の方向を確実にかつ簡単に変換することが目的である。すなわち、本発明の実施形態の光導波路1は、小さな曲げ部分10を用いて、曲げ損失を小さくして光の導波方向を90度変換することができる。このため、使用する光導波路1の物理的な大きさから現実的に使用できる大きさが規定されている。
【0029】
図2は、曲げ部分10の一実施形態を示すものであるが、光導波路1の曲げ半径Rは、好ましくは5.0mm以下である。このように曲げ半径Rを5.0mm以下とすることで、光導波路1は、配置の制限がある屋内や狭い空間においても簡単に配置することができる。
【0030】
曲げ半径Rを5.0mm以下とすることは、本発明の光導波路の製造方法を採用する利点が生かされる。すなわち、曲げ半径Rが5.0mmを超えた場合では細径の光ファイバを用いると、曲げ半径Rの値によっては破断歪に至らない場合がある。
【0031】
また、光導波路部品100の他の部位のサイズは、図1(B)に示すように、光導波路1の直径(外径)Dが、好ましくは50μm以上である。すなわち、図1(B)と図2に記載された半径Rと直径Dを考慮すると、直径Dが50μmの光導波路1に対して、単純に曲げ半径Rを50μm未満で曲げることは物理的に不可能である。また、直径Dが50μm未満の光導波路を取り扱うことは容易ではないことから、光導波路1の最小の外径Dを例えば50μmに規定することで取り扱いやすさを確保して、曲げ半径Rの数値としては、使用する光導波路1の最小直径の10倍とすることで、物理的に曲げを実現させる構造としている。本実施形態では、直径Dが例えば80μmである光ファイバを、曲げ半径Rを1.0mmにして、90度の角度に曲げている。
【0032】
さらに、光導波路1の直径Dは、好ましい一実施形態として125μmとした。これは、現在一般的に光伝送用途として使用されている代表的な光導波路と互換性の高い外径と言えるからである。この直径Dが125μmを有する光導波路を用いることで、光導波路部品の適用範囲を大幅に広げることが出来る。
次に、図3ないし図5を参照して、光導波路部品100の光導波路1を固定する固定部材について説明する。図3は、本発明の光導波路部品の好ましい実施形態を示す斜視図であり、図4は、図3に示す光導波路部品の固定部材を示す斜視図であり、図5は、図3の光導波路部品の構造例を示す断面図である。
【0033】
図3に示す光導波路部品100は、複数本の光導波路1をアレイ化して固定部材120により固定したものである。固定部材120は、固定手段あるいはコネクタフェルールとも呼ぶことができる。なお、図3は複数本の光導波路1を固定している実施形態を示したが、光導波路1は、単数本でも構わない。
なお、複数本の光導波路1をアレイ状に配置させ、固定部材12で固定させることにより、多チャンネルの信号光を、一括して光導波方向を90度変換することができる。さらに、詳述はしないが、光導波路部品100の入出力部分が、一般の光導波路とMFDが同等の光導波路とすることにより、光導波路部品100は、例えばガイドピン191,192で、はめ合わせにより他のコネクタのような外部の器具に対して精密な位置合わせにより接続が可能となる。
【0034】
固定部材120は、第1部分121と第2部分122を有しており、第1部分121はX方向に沿って形成された板状部分であり、厚みF1を有している。第2部分122はZ方向に沿って形成された板状部分であり、厚みF2を有している。第1部分121と第2部分122は、図5に示すようにL字型の断面を有しており、X方向はY方向とZ方向に対して相互に直交している。この第1部分121と第2部分122の突合せ角度は、基本的に光導波路1の曲げ部分10の曲げ角度と合わせればよい。
【0035】
固定部材120の内部には、図5に示すように空間部分200が形成されている。空間部分200は、略断面L字型を有している。空間部分200は、第1部分121の外面161と第2部分122の外面162において開口部170を通じて外部空間に通じている。なお、固定部材120の材質は、特に限定されていないが、金属やプラスチックあるいはセラミックスにより作られている。
【0036】
また、固定部材120は、図3および図4に示すように、複数本の光導波路1を配置させる場合、光導波路1が平行に配置され保持できるように位置決め部130,131が設けられている。位置決め部130,131は、固定部材120に設けられた精密な位置決め機構の一例であり、光導波路1のガイド穴である。
【0037】
位置決め部130は、複数の位置決め穴140から構成されている。位置決め機構131は、複数の位置決め穴141から構成されている。複数の位置決め穴140は第1部分121においてX方向に沿って形成されており、複数の位置決め穴140はガイドピン191,191の間にY方向に沿って直列に配列されている。複数の位置決め穴141は第2部分122においてZ方向に沿って形成されており、複数の位置決め穴141はガイドピン192,192の間にY方向に沿って直列に配列されている。
【0038】
複数の位置決め穴140は、図5に示す空間部分200の一端部分201に対して接続されており、図3と図4に示す複数の位置決め穴141は、図5に示す空間部分200の他端部分202に対して接続されている。
複数の位置決め穴140と空間部分200の一端部分201の接続部分は、テーパー状の部分203を有しており、複数の位置決め穴141と空間部分200の他端部分202の接続部分は、テーパー状の部分204を有している。複数の位置決め穴140,141は、光導波路1の外周部分を保持することができる内径を有している。
【0039】
図5と図3に示すように、各光導波路1は、それぞれ位置決め穴140,141により挿入された状態で空間部分200内を通るようにして確実に保持されており、各光導波路1では、入力側端部(一端部側)から出力側端部(他端部側)に対して90度の光導波方向の変換が行われる。図5に示すように、各光導波路1の少なくとも一部分である対象部分300が、L字型の状態で、空間部分200内に配置されている。この対象部分300は、上述したようにして形成された曲げ部分10を含んでいる。
【0040】
図5に示すように、各光導波路1が位置決め穴140,141により固定される固定部位1Pの固定長さSは、例えば0.5mmと微少な長さであるが、これに限ることはない。
【0041】
なお、固定部材120は、図3に示すように、2本のガイドピン191,191と2本のガイドピン192,192とにより、他の固定部材あるいはコネクタのような外部要素に対して位置決め固定する機構となっている。
2本のガイドピン191,191は、第1部分121の第1端面186においてガイド穴193にはめ込まれており、X方向に突出して固定されている。2本のガイドピン192,192は、第2部分122の第2端面188においてガイド穴194にはめ込まれており、Z方向に突出して固定されている。
図6は、図5に示す固定部材120の空間部分200内に、充填用の屈折率整合部350を形成する屈折率整合剤が充填されている状態を示している。各光導波路1の対象部分300が空間部分200内において屈折率整合剤により覆われた状態を示している。この屈折率整合部350を形成する屈折率整合剤は、開口部170から空間部分200内に充填あるいは注入される。
【0042】
屈折率整合部350は、各光導波路1の固定部位1P(図5を参照)を除く各光導波路1の対象部分300の表面上に形成されている。言い換えれば、各光導波路1の対象部分300の表面部は、この対象部分300の表面部(クラッド部分)の屈折率よりも小さい屈折率を有する屈折率整合剤(屈折率整合部350)で、覆われるようにして満たされている。なお、屈折率整合部350を形成する屈折率整合剤としては、例えば屈折率が約1.32を有する熱硬化型樹脂を採用する。さらに、図6では、固定部材120の空間部分200内すべてに屈折率整合剤を充填させた状態を示しているが、これに限らず、少なくとも光導波路1の対象部分300の表面に屈折率整合部350が形成されていれば良い(図示しない)。
【0043】
上述のような構造の光導波路部品100では、各光導波路1(光ファイバ)の表面部19(クラッド部分)の屈折率が例えば1.44であるのに対し、屈折率整合部350の屈折率が1.32であるため、この光導波路1の表面部19と屈折率整合部350との界面では、約8.2%という大きな屈折率差がある。この屈折率差により、光導波路1の曲がり部10を含む対象部分300では、光の閉じ込め効果が良好となり、伝播される信号の漏れを防止することができる。
【0044】
また、屈折率整合部350は、固定部材120内において各光導波路1の曲げ部分10を含む対象部分300を埋め込んで対象部分300の外周囲を覆っているだけでなく、固定部材120内における光導波路部品100の組み立て用接着剤としても作用することになる。この結果、光導波路部品モジュール100の固定部材120内の内部が強固な構造となるメリットも生じる。
【0045】
さらに、この実施形態では、各光導波路1内のGI部分の屈折率分布は、コア中心屈折率(1.474)とクラッド屈折率差が2%である2乗分布形状であり、屈折率整合部350(熱硬化部分)の屈折率を基準に考えると、各光導波路(光ファイバ)1の中心は約10%という高屈折率差であり、屈折率整合部350と光導波路1からなる光導波路構造は、全体としては、図7に示すような階段型(一般的にはDual shapeと呼ばれる)屈折率分布を持った構造の光導波路として機能する。
【0046】
さらに、図6に示すような光導波路部品100は高屈折率構造を有しているので、例えばコア径120μmの大口径なマルチモードの伝送光でも、この光導波路部品100が他のモジュールと接続されて、光導波路部品100の光導波方向を90度変換しても、その変換部の曲げ部分10による光信号の伝送損失が小さい。例えば、本実施形態では、光導波路1の曲げ半径が1mmでは、曲げによる光信号の伝送損失は約0.5dBという値になっている。
【0047】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態の光導波路部品100を説明する。
第2実施形態の光導波路部品100は、屈折率整合部350の特性を除いては、第1実施形態とほぼ同じ構成である。
【0048】
第2実施形態では、屈折率整合部350を形成する屈折率整合剤として、UV硬化型樹脂(紫外線硬化型樹脂)を使用している。この屈折率整合剤は、例えば屈折率が1.38を有するUV硬化型樹脂であり、開口部170を通じて外部の光照射手段により紫外線を照射し、硬化させることにより屈折率整合部350を形成する。
【0049】
なお、第1実施形態と同様に第2実施形態においても、この屈折率整合部350は、固定部材120内における光導波路部品100の組み立ての接着剤としても作用するので、光導波路部品100の内部が強固な構造となるメリットがある。
【0050】
第2実施形態の屈折率整合部350の屈折率は1.38であり、光導波路1(光ファイバ)の表面部(クラッド部分)の屈折率は1.44であることから、光導波路1の表面部19と屈折率整合部350との界面では、屈折率差が約6.2%となる。第1実施形態よりも屈折率差は小さくなるが、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
このように、光導波路1と、屈折率整合部350を備えた光導波路部品100は、高屈折率構造(屈折率整合部350とクラッドの屈折率差が大きい構造)を有しているので、例えばコア径120μmの大口径なマルチモードの伝播光や、光導波方向を90度変換するような漏れ光が発生しやすい構造でも、光信号の伝送損失を小さくすることができる。例えば、本実施形態では、光導波路1の曲げ半径が1mmでは、曲げによる光信号の伝送損失は約0.7dBという値になっている。
【0052】
<第3実施形態>
本発明の光導波路部品の第3実施形態を、図8を参照して説明する。
第3実施形態の光導波路部品100は、屈折率整合部350(図6参照)が空気(空間)であることを除いては、第2実施形態とほぼ同じ構成である。すなわち、第3実施形態の固定部材120の空間部分200は、屈折率整合剤等を充填しないことから、空気が満たされた中空構造となっている。
【0053】
このため、図8に示す光導波路1の対象部分300の表面部19は、空気界面となっている。
なお、図8の各光導波路1の固定部位1P、1Pは、それぞれ対応する位置決め穴140,141の内周面に対して熱硬化型樹脂を接着剤600として用いて固定されている。
【0054】
第3実施形態の光導波路部品100では、光導波路1のクラッドを空間部分200で覆っているため、空気の屈折率1とクラッドの屈折率1.44および光導波路1の中心屈折率1.47との階段型の屈折率分布を有することになり、屈折率差Δは約27%にもなる。
【0055】
このような屈折率差が大きい構造では、第1実施形態、第2実施形態と同様に、例えばコア径120μmの大口径なマルチモードの伝送光でも、光導波路部品100の光導波方向を90度変換するような構造でも、光信号の伝送損失をより小さくすることが可能である。例えば、本実施形態では、光導波路1の曲げ半径が1mmでは、曲げによる光信号の伝送損失は約0.2dBという値になっている。
【0056】
図9は、本発明の実施形態の光導波路の好ましい断面形状を模式的に表したものである。外側の円が光導波路1のクラッド3を示し、内側の円が光導波路1のコア2を示している。コア2の半径をa、クラッド3の半径をbとし、a^2/b^2(=a/b)をコア2とクラッド3の面積比と定義する。
このコア2とクラッド3の面積比が1/5以上となる光導波路1を使用する。この面積比が大きくなることで、図1に示す曲げ部分10でコア2からクラッド3に漏れる光のパワーが減少し、且つ、コア2からクラッド3に漏れた後、クラッド3と外部環境の境界で反射してコア2に戻ってきてコア2に再結合する光のパワーが増大し、これら複合現象の結果として、曲げ部分10での曲げによる損失を減少させることが可能となる。
【0057】
図10は、本発明の実施形態の光導波路1の曲げ部分10の付近を示している。光導波路1のコア2とクラッド3の面積比は、必ずしも光導波路1の全長にわたって成立している必要は無く、好ましくは曲げ加工された曲げ部分10でのみ前記のコア2とクラッド4の面積比を成立させればよい。この理由としては、上述した光の損失低減効果は曲げ部分10が特に有効な現象となるからである。図10では、曲げ部分10以外の光導波路1の面積比が、曲げ部分10の面積比よりも小さな構造を用いている。
【0058】
上述した面積比の例えば一実施例としては、例えばコア2の外径を30μm、クラッド3の外径を125μmの光ファイバを曲げ加工したものである、曲げ部分10をフッ酸で溶かすことで、曲げ部分のみクラッド外径を65μmにまで細径化した。元々の30μm/125μmの径では、その面積比は36/625=0.0576と1/5(=0.2)より小さい。しかしながら、クラッド外径を65μmに細径化することにより、曲げ部分10での面積比は36/169=0.213となり、曲げ部分10の面積比は1/5(=0.2)より大きくなる。すなわち、曲げ部分10のみを残部に比べて細径化してコア/クラッド比を大きくすることができる。
【0059】
本発明の別の実施例としては、コア2の外径=62.5μm、クラッドの外径=125μmの光ファイバを曲げ加工し、曲げ部分10をフッ酸で溶かすことで、曲げ部分10のみクラッド3の外径を85μmにまで細径化したものである。この実施例では、細径化前の面積比が62.5μm/125μmなので1/4=0.25であり、1/5(=0.2)より大きい。このため、コア2とクラッド3の面積比が1/5より大きいという条件を満たしている。しかしながら、クラッドをより細径化することにより、曲げ部分10での面積比は625/1156=0.541となり、1/5(=0.2)より、非常に大きくすることができる。この結果、曲げ部分10における曲げ損失低減効果がより顕著となる。
【0060】
なお、図9、図10に示す面積比を有する光導波路1は、第1ないし第3実施形態と同様の光導波路部品構造としても良い。具体的に説明すると、コア2とクラッド3の面積比が1/5以上の光導波路は、図11の固定部材120は、図3〜図6に示す光導波路部品100の固定部材120と同様な構造を有している。
【0061】
図11の固定部位1Pの固定長さSは、両端とも約0.5mmの長さである。好ましくは、固定部位1P以外の部分は、図11に示すように固定部材120内は、屈折率が1.38の紫外線硬化型樹脂のような屈折率整合部350が形成されている。固定部材120に設定される光導波路1の本数は、横一直線に例えば12本であり、各光導波路1は250μm間隔で並んだものとなっており、高密度実装に対応出来るものとなっている。
図11では、ガラスファイバのような光導波路1の全長に渡ってコアとクラッドの面積比を1/5以上とするか、または図11に示すように曲げ部分10のみでコアとクラッドの面積比を1/5以上とする。
図11に示すように、固定部材12の内にはこの紫外線硬化型樹脂のような屈折率整合部350が形成され、部品組み立ての接着剤としても作用するので、モジュール内部が強固な構造となるという利点がある。
【0062】
なお、光導波路(光ファイバ)の表面(クラッド)の屈折率は、1.444であり、このファイバ表面と紫外線硬化型樹脂の界面では、約4%という大きな屈折率差を有する。
光ファイバの外径が125μm全体をコアとする光導波路として機能し、且つ、コアとクラッドの面積比が1/5以上であることによる、曲げ損失低減効果が働いている。
また、この実施例で光ファイバ内のコアであるGI部分の屈折率分布は、コア中心屈折率(1.474)とクラッド屈折率差が2%である2乗分布形状であり、紫外線硬化型樹脂部分の屈折率を基準に考えると、ファイバ中心は約6%という屈折率差となっている。この実施例では、曲げ半径が1mmとなっており、曲げ損失は約1.3dBである。
【0063】
さらに他の実施例では、コア2の外径を62.5μm、クラッド3の外径を125μmの曲げ部分のみを、フッ酸で溶かしてクラッド外径を85μmにしている。クラッド外部は屈折率1.38の紫外線硬化型樹脂であるのは同一である。このとき、曲げ部分10におけるコア2とクラッド3の面積比は上述のように、625/1156=0.541であり、曲げ部分10での曲げ損失低減効果が顕著に作用し、この実施例での曲げ損失は約0.25dBとなっており、フッ酸で溶かす前の実施例と比較して、約1dBの低損失化が達成されている。
【0064】
さらにその他の実施例では、コア2を30μm、クラッド3を125μmのGIファイバ(屈折率差Δは前実施例と同じ)を、曲げ部分のみフッ酸で溶かして、クラッド外径を65μmに細径化し、その外部を屈折率1.38の紫外線硬化型樹脂で埋められている。
前述のように細径化前ではコアとクラッドの面積比は36/625=0.0576と1/5(=0.2)より小さいが、曲げ部分10では、その面積比は36/169=0.213となっている。細径化前では曲げ半径1mmにて、曲げ損失は約2.3dBであったが、細径化後には約0.7dBにまで曲げ損失が低減されている。なお、この実施例でのコア/クラッド面積比0.213が前実施例の細径化前の面積比1/4より小さいのに、曲げ損失が小さいのは、屈折率分布、屈折率差Δが同一でコア径だけが30μmと62.5μmと異なる場合、大きい62.5μmのコア径の方が、光ファイバの伝送モード数が多
く、高次モードが励振された場合に、高次モードの曲げ損失耐性が低い為、損失が大きいと考えられる。
【0065】
さらにその他の実施例では、コア径が50μm、クラッド径が80μmであるGIファイバ(屈折率分布形状、屈折率差Δは前実施例と同一)を用いて、125μmピッチで12本を横一列に並べて光導波路部品化して、曲げ部分10を屈折率1.38の紫外線硬化型樹脂で埋めた。コア/クラッド面積比は、この場合には25/64=0.391であり、曲げ半径1mmでの曲げ損失は約0.2dBである。
この実施例と、コア径62.5μmの細径化後の実施例のコア/クラッド面積比が、0.391と0.541であるのに、0.391の本実施例の方が曲げ損失が小さいのは、前述したコア径の大小によるモード数の違いによると考えられ、本実施例の50μmのコア径よりも、62.5μmのコア径の方がモード数が多く、高次モードが曲げ損失耐性が小さい為、曲げ損失が大きいと考えられる。
【0066】
図12には、幾つかのコア/クラッド面積比について、曲げ半径を変えて曲げ損失を測定した測定グラフを示している。図12のグラフは右下がりの傾向を示し、直線近似すると、曲げ半径1mmではコア/クラッド面積比が1/5=0.2以上で実用的な曲げ損失である1.5dB以下を達成することが可能と見受けられる。
【0067】
次に、図11に示す光導波路部品100の別の実施形態を説明する。図11の光導波路部品100の固定部材120は、前記のコア径62.5μm、50μm、30μmのGI型屈折率分布を持つ外径aが80μm又は125μmの光ファイバを位置決めして固定している。
具体的には、コア/クラッドが62.5/125、曲げ部分10のみ62.5/85(曲げ部分以外の残部は62.5/125)、50/80、曲げ部分10のみ30/65(曲げ部分以外の残部は30/125)の合計4種類である。
【0068】
固定部材120の固定部位1Pの固定長さSは両端とも約0.5mmであり、固定部位1P以外の部分固定部材120内は、空間となっており光導波路表面は空気界面となっている。すなわち光導波路部品1の内部が中空構造となっている。この構造では、前記の紫外線効果型樹脂を充填した構造よりもモジュールの強固度合いは弱くなるが、この構造では中空部分は空気の屈折率1とファイバクラッドの屈折率1.44及びファイバ中心屈折率1.474との階段型屈折率分布の光導波路構造となり、屈折率差Δは約27%にもなる。
【0069】
このような高屈折率差では、例えばコア径120μmの大口径なマルチモードの光導波路1が、本光導波路部品1と接続されて、その光導波方向を90度変換しても、その変換部である曲げ部分10の曲げによる伝送損失が小さい。この実施例での光ファイバにおける曲げ半径が1mmの場合では、どのコア/クラッド面積比の実施例でも、曲げ損失が1dB以下という値になっている。なお、例えば光導波路の本数は横一直線に12本が250μmの間隔または125μmの間隔(50/80の実施例)で並んだものとなっており、高密度実装に対応できるものとなっている。
【0070】
各実施形態では外径が125μmまたは80μm、コア径が62.5μm、50μm、30μmのGIファイバを用いたが、これらサイズはあくまでも実施の一例であり、これらの値に限定されるものではなく、コアとクラッドの面積比が1/5以上であることが本質である。また、コアの屈折率分布も実施例のGIファイバに限定されるものではなく、ステップインデックスやW型など、任意の分布に適用される。屈折率差Δも同様に、実施例の屈折率差Δに限定されるものではない。
【0071】
本発明の実施形態の光導波路1では、光導波路1の加熱対象部分が加熱されて加工状態に移行し、加工状態に移行した加熱対象部分9を所定の曲げ半径で曲線状に曲げることで曲げ部分10を形成しており、曲げ部分10は冷却されて形状が安定する。加工状態に移行する曲げ部分10を固定部材120の空間部分200に収納して、固定部材120に収納された曲げ部分10において曲げ部分10の表面部の屈折率よりも小さな光の屈折率を有する物質350によって表面部19が満たされていることで形成されている。
これにより、構造が簡単であり部品点数が少なく、曲げようとする部分において光ファイバ同士の位置合わせが不要であり、所望の半径で曲げた小さな曲げ部分で大口径のマルチモード光導波路であっても光の導波方向を変換することができる。本発明の光導波路1では、曲げ部分10を屈曲点以上、軟化点以下の範囲内の温度に加熱して、加工状態に移行させている。これにより、加熱する際に、確実に加工状態に移行させることができる。
【0072】
本発明の光導波路1では、外径が50μm以上のコアとコアを被覆するクラッドを有する光ファイバ、またはコアのみを有する全コア型光ファイバ、またはクラッドのみを有するガラス棒である。
【0073】
本発明の光導波路は、好ましくは前記光導波路の前記曲げ半径は、5.0mm以下である。これにより、小さな空間や角部であっても光導波路が配置できる。
本発明の光導波路部品は、好ましくは光導波路が複数本アレイ状に並べられており、複数本の前記光導波路の少なくとも一部が位置決め機構を有する前記固定部材により固定されている。
【0074】
本発明の光導波路部品では、光導波路の表面を覆う屈折率整合部は、光導波路の表面のクラッドよりも屈折率が低ければ良く、材質としては紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂もしくは空気であってもよい。いずれの材質でも、光導波路とクラッドとの界面における屈折率差を大きくすることが可能となり、光伝送損失を抑制することができる。
【0075】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形例を採用することができる。
例えば、図1の曲げ部分の製造装置200は、光導波路1において曲げ部分10の形成を行う際に、光導波路1の所望の加熱対象部分9を加熱するために、アーク放電による加熱を行っている。しかし、曲げ部分の製造装置200としては、これに限らずバーナーによる加熱、炉による加熱等の各種の手段を採用できる。
【0076】
上述した本発明の実施形態では、光導波路としては、例えば外径が125μmのコア径62.5μmのGIファイバ(グレーデッドインデックス・マルチモード光ファイバ)を用いている。このGIファイバは、外径が50μm以上のコアとコアを被覆するクラッドを有する光ファイバの一例である。
しかし、これに限らず、本発明の実施形態と実施例では、光導波路は、コアのみを有する全コア型光ファイバ、またはクラッドのみを有するガラス棒型の光ファイバであっても良い。本発明の各実施形態は、任意に組み合わせることができる。
【0077】
本発明の光導波路は、このような種類の光導波路の外側の物質との光屈折率差を利用することで、高屈折率構造の光導波路として機能させることができることができ、光ファイバの材質、光ファイバの屈折率分布や光ファイバの外径寸法に限定されない。
光導波路の材料としては、石英系、全プラスチック、プラスチッククラッドなどがある。
【0078】
図示例の光導波路1は、光の変更方向が90度であるが、90度に限らず任意の角度を選択できる。
【符号の説明】
【0079】
1 光導波路
1P 光導波路の固定部位
4,5 電極
6 制御部
9 加熱対象部分
10 曲げ部分
19 光導波路1の表面部
100 光導波路部品
120 固定部材
121 固定部材の第1部分
122 固定部材の第2部分
130 位置決め部(位置決め機構)
131 位置決め部(位置決め機構)
140 位置決め穴
141 位置決め穴
170 開口部
200 光導波路の曲げ部分製造装置
300 対象部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象部分が所定の曲げ半径で曲線状に曲げられた曲げ部分を有する光導波路と、
前記光導波路の少なくとも前記曲げ部分が収納される固定部材と、を備え、
前記光導波路は、コアと前記コアを被覆するクラッドを有するマルチモード光ファイバであり、
前記曲げ部分の前記コアと前記クラッドの断面積比が1/5以上であり、
前記曲げ部分の直径が50μm以上であり、
前記固定部材は、前記光導波路の前記曲げ部分の両側を直接固定する固定部位と、前記曲げ部分を収納する空間部を有し、
前記空間部には、前記曲げ部分の表面部の屈折率よりも小さい屈折率を有する屈折率整合剤が充填されていることを特徴とする光導波路部品。
【請求項2】
前記固定部材は、前記光導波路の前記曲げ部分の曲げ中心の方向の端面に開口部を有し、前記開口部から前記屈折率整合剤が充填可能であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路部品。
【請求項3】
前記光導波路の曲げ部分の外径は、直線部分の外径よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の光導波路部品。
【請求項4】
前記曲げ部分の前記コアの外径が30μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路部品。
【請求項5】
前記曲げ部分の直径が125μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光導波路部品。
【請求項6】
前記光導波路の曲げ部分の曲げ半径は、5.0mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光導波路部品。
【請求項7】
前記光導波路が複数本並べられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光導波路部品。
【請求項8】
前記屈折率整合剤は、紫外線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光導波路部品。
【請求項9】
前記屈折率整合剤は、熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光導波路部品。
【請求項10】
光導波路の加熱対象部分を加熱し、前記加熱対象部分を所定の曲げ半径で曲線状に曲げて曲げ部分を形成する工程と、
前記光導波路の前記曲げ部分の両側を直接固定する固定部位と、前記曲げ部分を収納する空間部を有する固定部材に前記光導波路を収納する工程と、
前記空間部に前記曲げ部分の表面部の屈折率よりも小さい屈折率を有する屈折率整合剤を充填する工程を有し、
前記光導波路は、コアと前記コアを被覆するクラッドを有するマルチモード光ファイバであり、
前記曲げ部分の前記コアと前記クラッドの断面積比が1/5以上であり、
前記曲げ部分の直径が50μm以上であることを特徴とする光導波路部品の製造方法。
【請求項11】
前記光導波路を前記固定部材に収納する前に、
前記光導波路の前記曲げ部分の外径を直線部分の外径よりも小さくする工程を有することを特徴とする請求項10に記載の光導波路部品の製造方法。
【請求項12】
前記光導波路の前記曲げ部分の外径を小さくする工程は、前記曲げ部分の前記クラッドをフッ酸で溶かす工程であることを特徴とする請求項11に記載の光導波路部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−47856(P2013−47856A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−264370(P2012−264370)
【出願日】平成24年12月3日(2012.12.3)
【分割の表示】特願2007−159745(P2007−159745)の分割
【原出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】