説明

光放射によるシステムコンポーネントへの材料物質付着のモニタリング

【課題】光放射による、システムコンポーネントに対する材料物質の付着のモニタリング
【解決手段】プラズマ処理システムにおけるシステムコンポーネントへの材料物質の付着をモニタリングする方法及びシステムが提供される。前記システムコンポーネントは、プラズマにさらされたときに、特徴のある蛍光放射を生成することが可能なエミッタを含む。前記方法は、システムコンポーネントの状態を判断するために、光放射を利用して、前記エミッタからの蛍光放射を監視する。前記方法は、前記エミッタからの蛍光放射をモニタリングすることにより、プラズマ中のシステムコンポーネントに対する材料物質の付着を評価することができる。前記方法を用いて監視することができる消耗するシステムコンポーネントは、リング、シールド、電極、バッフル、及びライナを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2002年12月31日に出願された米国特許出願第10/331,456号に関連する、前記同じ日に出願された米国特許出願第10/331,349号による優先権を主張する。これらの出願の各々の内容全体は、参照してここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、プラズマ処理に関し、より具体的には、光モニタリングシステムを用いたプラズマ処理システムのシステムコンポーネントに対する材料物質の付着をモニタリングすることに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体業界における集積回路(IC)の製造は、典型的には、基板から材料物質を除去しかつ基板に材料物質を付着させるのに必要なプラズマリアクタ内での表面化学作用を引き起こしかつアシストするために、プラズマを用いる。一般に、プラズマは、供給されるプロセスガスとの電離衝突を持続させるのに十分なエネルギまで電子を加熱することにより、真空条件下で、前記プラズマリアクタ内で生成される。また、前記加熱された電子は、分解衝突を持続させるのに十分なエネルギを有することができ、そのため、所定の条件(例えば、チャンバ圧力、ガス流量等)下のガスの特定のセットが、チャンバ内で実行される特定のプロセス(例えば、エッチングプロセス)に適した、荷電種及び化学的に活性の種の群を生成するために選択される。
【0004】
荷電種(イオン等)及び化学的に活性の種の群の生成は、基板表面におけるプラズマ処理システムの機能の実行(すなわち、材料物質のエッチング、材料物質の成膜等)に必要であるが、前記処理チャンバの内部の他のコンポーネント表面は、経時的に、物理的かつ化学的に活性プラズマにさらされ、腐食する可能性があり、あるいは、付着物で被覆される可能性がある。前記プラズマ処理システムの前記さらされたシステムコンポーネントの腐食または被覆は、プラズマ処理能力の緩やかな低下につながる可能性があり、また最終的には、前記システムの完全な故障につながる可能性がある。
【0005】
プラズマ処理システムの様々な部分は、例えば、シリコン、石英、アルミナ、カーボンまたはシリコンカーバイドから製造される消耗するまたは交換可能なコンポーネントからなる。消耗するシステムコンポーネントの実例は、電極、シールド、リング、バッフル及びライナを含む。前記交換可能なコンポーネントの消耗する性質は、前記プラズマ処理システムの定期的なメンテナンスを必要とする。この定期的なメンテナンスは、プラズマ処理の休止時間、および過度のものとなる可能性がある新たなプラズマ処理チャンバコンポーネントに関連するコストを生じる可能性がある。
【0006】
消耗するパーツは、一般に、弊害のある処理条件または処理結果が観察された後にクリーニングまたは交換される。これらの弊害のある処理条件は、プラズマアーク放電、粒子形成、基板エッチング速度の変動、エッチング選択性及びエッチング均一性を含む。別法として、消耗するパーツは、例えば、プラズマ動作時間の総数に基づくこともできるある所定のメンテナンススケジュールに従って、クリーニングまたは交換することができる。これらの方法は、消耗するシステムコンポーネントの遅れたまたは早すぎる交換を結果として生じる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
プラズマ処理中のシステムコンポーネントに対する材料物質の付着をモニタリングすることを可能にするプラズマ処理システムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記プラズマ処理システムは、処理チャンバと、前記処理チャンバからの光放射をモニタリングする光モニタリングシステムとを備える。プラズマにさらされたときに、蛍光放射が可能な少なくとも1つのエミッタを含むことができるシステムコンポーネントが提供される。
【0009】
プラズマ処理システムのシステムコンポーネントに対する材料物質の付着をモニタリングする方法が提供される。前記システムコンポーネントは、プラズマにさらされたときに、特徴のある蛍光放射を生じることが可能な少なくとも1つのエミッタを含むことができる。前記方法は、前記蛍光放射を監視する光モニタリングシステムを用いる。
【0010】
プラズマにさらされたときに、特徴のある蛍光放射を生じることが可能な少なくとも1つのエミッタを含むことができる、モニタ可能な消耗するシステムコンポーネントが提供される。前記エミッタは、前記消耗するシステムコンポーネントに対する材料物質の付着を監視することを可能にする。
【0011】
本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する添付図面、本発明の実施形態は、上述した全般的な説明及び以下に述べる実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するのに役に立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、プラズマ処理システムの単純化したブロック図を示す。プラズマ処理チャンバ10と、上部アセンブリ20と、電極プレート24と、基板35を支持する基板ホルダ30と、プラズマ処理チャンバ10内に、低圧雰囲気11を生成する真空ポンプ38に結合されたポンピングダクト36とを備えるプラズマ処理システム1を図1に示す。プラズマ処理チャンバ10は、基板35の近傍のプロセス空間12における処理プラズマの生成を容易にすることができる。プラズマ処理システム1は、様々な基板(すなわち、200mm基板、300mm基板またはこれ以上の基板)を処理するように構成することができる。
【0013】
ガス注入アセンブリ40は、プロセスガス42をプラズマ処理チャンバ10に導入することができる。ガス注入システム40は、シャワーヘッドを含有することができ、プロセスガス42は、ガス供給システム(図示せず)から、ガス注入プレナム(図示せず)、一連のバッフルプレート(図示せず)及びマルチオリフィスシャワーヘッドガス注入プレート(図示せず)を介してプロセス空間12に供給される。
【0014】
例えば、電極プレート24は、高周波電源(図示せず)に結合することができ、かつプラズマ処理システム1のための上部電極を容易にすることができる。代替の実施形態においては、上部アセンブリ20は、カバー及び電極プレート24を備え、電極プレート24は、プラズマ処理チャンバ10の電位に等しい電位に維持される。例えば、プラズマ処理チャンバ10、上部アセンブリ20及び電極プレート24は、接地電位に電気的に接続することができ、かつプラズマ処理システム1のための上部電極を容易にすることができる。
【0015】
プラズマ処理チャンバ10は、例えば、シールド14と、プラズマ処理チャンバ10をプロセス空間12内の処理プラズマから保護するチャンバライナ(図示せず)と、光ビューポート16とをさらに備えることができる。光ビューポート16は、光ウィンドウ成膜シールド18の裏面に結合された光ウィンドウ17を備えることができ、光ウィンドウフランジ19は、光ウィンドウ17を光ウィンドウ成膜シールド18に結合するように構成することができる。Oリング等のシーリング部材は、光ウィンドウフランジ19と光ウィンドウ17との間、光ウィンドウ17と光ウィンドウ成膜シールド18との間、および光ウィンドウ成膜シールド18とプラズマ処理チャンバ10との間に設けることができる。光ウィンドウ成膜シールド18は、シールド14内で開口70を貫通して拡がることが可能である。光モニタリングシステム21は、光ビューポート16及び光診断センサ22を用いて、プロセス空間12内の処理プラズマからの光学発光のモニタリングを可能にすることができる。
【0016】
分光計(図示せず)は、プロセス空間12からの光学発光、例えば光に基づいてプラズマプロセス状態を検出するために、光診断センサ22に一体化することができる。前記分光計または前記検出システムは、例えば、プラズマプロセスの終点等のプラズマプロセス状態、または、システムコンポーネントに対する材料物質の付着を少なくとも部分的に検出するために、光電子増倍管、CCDまたは他の半導体検出器に結合することができる。しかし、光学発光を解析することが可能な他の光デバイスも使用することができる。
【0017】
基板ホルダ30は、例えば、基板ホルダ30及びプラズマ処理チャンバ10に結合され、かつ垂直移動装置50を、プラズマ処理チャンバ10内の低下した圧力雰囲気11から密封するように構成されたベローズ52によって囲まれた垂直移動装置50をさらに備えることができる。また、ベローズシールド54は、例えば、基板ホルダ30に結合することができ、かつベローズ52を処理プラズマから保護するように構成することができる。基板ホルダ30は、例えば、さらに、フォーカスリング60及びシールドリング62の少なくとも一方に結合することができる。さらに、バッフルプレート64は、基板ホルダ30の周囲に及ばすことができる。
【0018】
基板35は、スロットバルブ(図示せず)及びチャンバ・フィードスルー(図示せず)を介し、自動基板移送システムを介して、プラズマ処理チャンバ10内に、および前記チャンバから移送することができ、この場合、前記基板は、基板ホルダ30内に収容された基板リフトピン(図示せず)によって受取られ、前記基板ホルダに収容された装置によって機械的に移動される。基板35が一旦、基板移送システムから受取られると、前記基板は、基板ホルダ30の上面まで低下される。
【0019】
基板35は、静電クランプ装置を介して基板ホルダ30に付着させることができる。さらに、基板ホルダ30は、例えば、基板ホルダ30から熱を受取り、かつ熱交換システム(図示せず)に熱を伝達する、あるいは、加熱時に、前記熱交換システムから熱を伝達する再循環冷却流動を含む冷却システムをさらに含むことができる。また、ガスを、例えば、基板35と基板ホルダ30の間のガスギャップ熱伝導性を改善するために、裏面のガスシステムを介して、基板35の裏面に供給することができる。このようなシステムは、温度が上昇したまたは下降した時に、前記基板の温度制御が必要な場合に用いることができる。他の実施形態においては、抵抗性加熱体等の加熱体または熱電気ヒータ/クーラーを含めることができる。
【0020】
図1において、基板ホルダ30は、これを介して高周波電力が、プロセス空間12内の処理プラズマに結合される電極を備えることができる。例えば、基板ホルダ30は、高周波電源(図示せず)からインピーダンス整合ネットワーク(図示せず)を介して基板ホルダ30への高周波電力の伝送を介して、高周波電圧で電気的にバイアスをかけることができる。前記高周波バイアスは、プラズマを生成しかつ維持するために、電子を加熱するように作用することができる。この構成において、前記システムは、反応性イオンエッチング(RIE)リアクタとして作動することができ、前記チャンバ及び上部ガス注入電極は、接地面として作用する。前記高周波バイアスのための典型的な周波数は、1MHzから100MHzとすることができる。例えば、13.56MHzで作動するプラズマ処理システムは、当業者には公知である。
【0021】
プロセス空間12内に生成される処理プラズマは、プロセスからプラズマを生成するように構成されたプラズマ源を用いて生成することができる。前記プラズマ源は、平行プレート、容量結合プラズマ(CCP)源、誘導結合プラズマ(ICP)源、これらのいずれかの組み合わせを含むことができ、また、DC磁石装置と共に及びDC磁石装置なしで含むことができる。別法として、プロセス空間12内の処理プラズマは、電子サイクロトロン共鳴(ECR)を用いて生成することができる。また別の実施形態においては、プロセス空間12内の処理プラズマは、ヘリコン波の発射によって生成される。また他の実施形態においては、プロセス空間12内の処理プラズマは、表面伝搬波によって生成される。
【0022】
コントローラ26は、マイクロプロセッサと、記憶装置と、処理システム1への入力を伝送及び活性化すると共に、処理システム1からの出力を監視するのに十分な制御電圧を生成することができるディジタルI/Oポートとを含む。また、コントローラ26は、プラズマ処理チャンバ10、ガス注入システム40、光診断センサ22及び真空ポンプ装置38に結合されており、かつこれらと情報を交換することができる。例えば、前記記憶装置に記憶されたプログラムは、記憶されたプロセスレシピに従って、プラズマ処理システム1の上述したコンポーネントを制御するのに用いることができる。コントローラ26の1つの実例は、テキサス州ダラス(Texas,Dallas)のデル・コーポレーション(Dell Corporation)から入手可能なDELL PRECISION WORKSTATION 610(商標)である。
【0023】
種々のシステムコンポーネントは、プラズマがある場合の、システムコンポーネントに対する材料物質の付着を示す、特徴のある蛍光放射を生成することが可能なエミッタを含むことができる。前記システムコンポーネントは、これに限定するものではないが、エミッタ28を含むフォーカスリング60と、エミッタ32を含むシールド14と、エミッタ34を含む電極プレート24とを含むことができる。これらの例示的なシステムコンポーネントは、通常、プラズマ処理中に被覆され、腐食し、あるいはその両方となる消耗パーツであり、そのため、適切な交換を容易にするためにモニタリングを必要とする。
【0024】
基板35を取り囲むフォーカスリング60の役割は、基板35の周囲の前記基板のエッチング速度、エッチング選択性、及びエッチング均一性の制御を含む。フォーカスリング60の状態(腐食または材料物質の付着の程度)は、一般に、フォーカスリング60をプラズマ処理システム1から取外して、前記フォーカスリング60の厚さの減少または増加を測定することによって、設備内で判断される。別法として、前記フォーカスリングの状態は、目視検査によって評価することができる。例えば、フォーカスリング60の厚さの数十ミリオーダーの変化は、フォーカスリング60の交換を要することになる。
【0025】
種々のシステムコンポーネントの製造中、エミッタは、コンポーネントの状態のモニタリングを可能にするために、前記システムコンポーネント構造に一体化してもよい。前記エミッタの好適な位置は、プロセスの履歴及びプロセスの必要条件から判断することができる。プラズマ処理中に、前記エミッタに材料物質が付着した場合、前記エミッタからの低下した蛍光放射は、システムコンポーネントのクリーニングまたは交換につながる可能性があり、かつ前記クリーニングまたは交換を要する可能性がある。
【0026】
プラズマ処理システムの様々な消耗するまたは交換可能なコンポーネントは、例えば、シリコン、石英、アルミナ、カーボンまたはシリコンカーバイドから製造される。これらの物質から製造される消耗するシステムコンポーネントの実例は、電極、シールド、リング、バッフル及びライナを含む。前記交換可能なコンポーネントの消耗する性質は、前記プラズマ処理システムの定期的なメンテナンスを必要とする。上述した物質に加えて、システムコンポーネント(例えば、成膜シールド)は、金属(例えば、アルミニウム)や金属合金(例えば、ステンレス鋼)から製造することができ、また、クリーニングまたは交換を必要とする。
【0027】
システムコンポーネントを製造するのに用いられる様々な物質(例えば、石英やアルミナ)は、広範囲の波長にわたるプラズマ光に対して実質的に透過性がある。蛍光放射は、上記エミッタがプラズマ環境に直接接して(例えば、前記システムコンポーネントの物質によって包み込まれて)いなくとも、これらの物質内のエミッタから観察することができる。システムコンポーネントに付着した材料物質の量は、例えば、前記蛍光放射が閾値を下回ったときに判断することができる。
【0028】
光モニタリングシステムを用いて、システムコンポーネントへの材料物質の付着をモニタリングすることは、システムコンポーネントに関連する蛍光放射の強度レベルが閾値を下回っているか否かを判断することと、前記システムコンポーネントを交換する必要があるか否かの判断を下すことと、前記判断に基づいて、前記プロセスを続行するかあるいは前記プロセスを停止するかを含むことができる。
【0029】
上記エミッタがプラズマによって励起された場合、プラズマ光は、吸収された後、蛍光として再放射され、前記蛍光は、前記吸収されたプラズマ光よりも長い波長にシフトされる。前記吸収されたプラズマ光は、例えば、UV領域にあり、前記放射された蛍光は、可視領域にある。より長い波長へのシフトは、前記可視領域の光は、処理中に、光モニタリングシステム21の光ウィンドウ17に対して付着する可能性がある、ポリマーや副生成物等の汚染物質による影響が少ないため、好都合である。プラズマ中の光以外の、上記エミッタの強力な活性種(例えば、励起されたガス活性種)に対する露出も、蛍光放射を生じる可能性がある。
【0030】
上記エミッタは、広範囲の材料物質(例えば、硬いまたは硬くないシート、細粉、または塗料の形態で入手可能である蛍光物質)から選択することができる。前記エミッタは、絶縁部または層とすることができ、システムコンポーネントの外面は、前記蛍光物質によって、部分的にまたは完全に被覆することができる。前記エミッタは、プラズマ中で生成される光の波長に対応する蛍光特性を有する少なくとも1つの物質を含むことができる。前記蛍光物質は、これプラズマ種及びプラズマ化学作用に依存することができる所望の蛍光特性を考慮して選択することができる。蛍光物質の選択は、前記蛍光物質のプラズマへの曝露による、前記プロセス環境の可能性のある汚染、およびシステムコンポーネントからの蛍光物質の可能性のある腐食を考慮して評価することができる。
【0031】
リン光体化合物は、ディスプレイ用途にしばしば使用される蛍光物質の具体例である。リン光体は、プラズマ等の外部エネルギ源による物質の励起時に、可視および/または紫外スペクトルで光を放射することが可能である。リン光体粉は、放射スペクトル特性または色度と呼ばれることもある、良好に制御された色特性を有することができる。リン光体は、一般に、ホスト物質と呼ばれるマトリックス化合物と、特定の色を放射する、またはルミネッセンス特性を強める活性化イオンと呼ばれる1つ以上のドーパントとを含む。前記リン光体物質(括弧に入れた蛍光の色)は、Y:Eu(赤)、YS:Eu、Tbまたはこれらの組み合わせ(赤)、チオガレート(例えば、SrGa:Eu(緑))、ZnS:Cu、Alまたはこれらの組み合わせ(緑)、SrGa:Ce(青)、ZnS:Ag、AuまたはClまたはこれらの組み合わせ(青)、およびSrGa:Ce(青)を含むことができる。上記の明らかにしたリン光体は例示的なものであり、幅広い他のリン光体を用いることができる。
【0032】
図2Aは、複数のエミッタを含むシステムコンポーネントの平面図を示す。図2Aに示す例示的な実施形態において、前記システムコンポーネントは、リング61である。リング61は、例えば、フォーカスリング、絶縁リングまたはシールドリングであり得る。プラズマにさらされたときに、蛍光を放射することが可能なエミッタ28aから28dは、リング61に一体化されている。図2Aに示すエミッタの数は例示的なものであり、どのような数のエミッタも用いることができる。エミッタ28aから28dは、少なくとも1つの蛍光物質を含むことができる。これらのエミッタは、異なる蛍光物質を含むことができ、あるいは別法として、これらのエミッタは、同じ蛍光物質を含むことができる。エミッタ28aから28dは、図2Aの実施形態においては、正方形で示されているが、このことは、本発明に必要なことではない。代替の実施形態においては、前記エミッタは、非幾何学的形状および/または矩形状、円形状及び三角形状等の幾何学的形状を含む様々な形状を有することができる。図2Bは、図2Aのシステムコンポーネントの断面図を示す。エミッタ28bは、リング材料(例えば、石英、アルミナまたはシリコン)で部分的に包み込まれている。別法として、エミッタ28aから28cのうちの少なくとも1つは、前記リング材料によって完全に包み込まれている。エミッタ28bの断面形状は、図2Bの実施形態においては、矩形で示されているが、このことは、本発明に必要なことではない。代替の実施形態においては、前記エミッタの断面は、(例えば、図2Aに関して論じたように)非幾何学的形状および/または幾何学的形状を含む異なる形状を有することができる。
【0033】
図2Cは、付着した材料物質からなる層を有する、図2Aのシステムコンポーネントの断面図を示す。図2Cのシステムコンポーネント61は、プラズマ処理中に付着する可能性がある、付着した材料物質からなる層80を含む。層80は、例えば、プラズマエッチングプロセスによるポリマー被覆物、またはプラズマ成膜プロセスによる金属堆積物からなる。プロセス空間12の光モニタリング、およびエミッタ28aから28cのうちの少なくとも1つからの特徴のある蛍光放射の消失または閾値以下の前記蛍光放射の著しい減少は、前記システムコンポーネントをクリーニングまたは交換する必要があるか否かを判断するのに利用することができる。
【0034】
図3Aは、1つのエミッタを含むシステムコンポーネントの平面図を示す。図3Aに示す実施形態において、前記システムコンポーネントは、リング61である。エミッタ28は、リング形状であり、リング材料で部分的に包み込まれている。別法として、前記エミッタは、前記リング材料によって完全に包み込むことができる。エミッタ28は、1つ以上の蛍光物質を含むことができる。図3Bは、図3Aのシステムコンポーネントの断面図を示す。一実施形態において、前記リング状のエミッタは、各四分弧における付着を監視することができるように、各四分弧において、異なるエミッタタイプ(例えば、異なる蛍光物質)を用いる。より細かな分割(例えば、8分の1や16分の1)も用いることができる。
【0035】
図3Cは、付着した材料物質からなる層を有する、図3Aからのシステムコンポーネントの断面図を示す。図3Cのシステムコンポーネント61は、プラズマ処理中に付着した層80を含む。プロセス空間12の光モニタリング、およびエミッタ28からの特徴のある蛍光放射の消失または閾値以下の前記蛍光放射の著しい減少は、前記システムコンポーネントをクリーニングまたは交換する必要があるか否かを判断するのに利用することができる。
【0036】
図4Aは、複数のエミッタを含むシステムコンポーネントの平面図を示す。図4Aに示す実施形態において、前記システムコンポーネントは、リング61である。プラズマに曝露したときに、蛍光を放射することが可能なエミッタ28aから28cは、異なる径方向位置でリング61に一体化され、かつ前記リング材料で部分的に包み込まれている。別法として、前記エミッタは、同じ径方向位置でリング61に一体化することができる。別法として、エミッタ28aから28cのうちの少なくとも1つは、前記リング材により完全に包み込むことができる。図4Aに示すエミッタの数は例示的なものであり、どのような数のエミッタも使用することができる。エミッタ28aから28cは、少なくとも1つの蛍光物質を含むことができる。これらのエミッタは、異なる蛍光物質を含むことができ、または別法として、前記エミッタは、同じ蛍光物質を含むことができる。図4Bは、図4Aのシステムコンポーネントの断面図を示す。一実施形態においては、異なる物質、または物質の組合せを選択することにより、各四分弧における付着を、別々に監視することができる。
【0037】
図4Cは、付着した材料物質からなる層を有する、図4Aからのシステムコンポーネントの断面図を示す。図4Cのリング61は、プラズマ処理中に付着した層80を含む。プロセス空間12の光モニタリング、およびエミッタ28aから28cのうちの1つ以上からの特徴のある蛍光放射の消失または閾値以下の前記蛍光放射の著しい減少は、前記システムコンポーネントをクリーニングまたは交換する必要があるか否かを判断するのに利用することができる。
【0038】
リング61が、層80によって均一に被覆された場合、曝露されたエミッタ28aから28cからの蛍光放射は、実質的に同時に消失する可能性がある。しかし、層80が、プラズマ処理中に、非均一に堆積した場合(図示せず)には、エミッタ28aから28cのうちの1つ以上からの特徴のある蛍光放射は、リング61に対する付着の程度に加えて、場所的な付着情報を提供することができる。
【0039】
図5Aは、複数のエミッタを含むシステムコンポーネントの平面図を示す。図5Aに示す実施形態においては、前記システムコンポーネントは、リング61である。プラズマにさらされたときに、蛍光放射することが可能なエミッタ28aから28cは、異なる径方向位置で同心リング状にリング61に一体化されており、前記リング材によって部分的に包み込まれている。別法として、エミッタ28aから28cのうちの少なくとも1つは、リング材によって完全に包み込むことができる。図5Aに示すエミッタの数は例示的なものであり、どのような数のエミッタも用いることができる。エミッタ28aから28cは、少なくとも1つの蛍光物質を含むことができる。これらのエミッタは、異なる蛍光物質を含むことができ、または別法として、前記エミッタは、同じ蛍光物質を含むことができる。図5Bは、図5Aのシステムコンポーネントの断面図を示す。エミッタ28a、28b及び28cの場所的配置は、前記システムコンポーネントに対する不均一な付着を測定するのに用いることができる。一実施形態においては、いずれか1つのリングの前記物質は、四分弧から四分弧までで、または他の大きさの領域(例えば、8分の1や16分の1)の間で変化する。
【0040】
図5Cは、付着した材料物質からなる層を有する、図5Aからのシステムコンポーネントの断面図を示す。図5Cのリング60は、プラズマ処理中に付着した層80を含む。プロセス空間12の光モニタリング、およびエミッタ28aから28cのうちの1つ以上からの特徴のある蛍光放射の消失または閾値以下の前記蛍光放射の著しい減少は、前記システムコンポーネントをクリーニングまたは交換する必要があるか否かを判断するのに利用することができる。
【0041】
図6Aは、1つのエミッタを含むシステムコンポーネントの断面図を示す。図6Aに示す実施形態においては、システムコンポーネント15は、例えば、リング、電極、バッフルまたはライナとすることができる。一実施形態においては、システムコンポーネント15は、プラズマ処理中の、チャンバ壁への材料物質の付着を低減する付着シールドである。少なくとも1つの蛍光物質を含み、かつプラズマにさらされたときに、蛍光を放射することが可能なエミッタ32は、システムコンポーネント15に一体化されている。エミッタ32は、システムコンポーネント材(例えば、石英、アルミナまたはアルミニウム)により部分的に包み込まれている。別法として、前記エミッタは、システムコンポーネント15内に完全に包み込むことがでる。
【0042】
図6Bは、付着した材料物質からなる層を有する、図6Aからのプラズマ処理システムコンポーネントの断面図を示す。プラズマ処理中に、システムコンポーネント15は、プラズマ環境にさらすことができ、このことは、層80のシステムコンポーネント15への付着をもたらす可能性がある。別法として、プラズマ処理中に、チャンバ壁は、プラズマ環境にさらすことができ、このことは、層80の前記チャンバ壁への付着をもたらす可能性がある。上記プラズマ処理システムの光モニタリング、およびエミッタ32からの特徴のある蛍光放射の消失または閾値以下の前記蛍光放射の著しい減少は、前記システムコンポーネントをクリーニングまたは交換する必要があるか否かを判断するのに利用することができる。
【0043】
図7Aは、複数のエミッタを含むシステムコンポーネントの断面図を示す。図7Aにおいては、エミッタ32aから32cは、リング材によって部分的に包み込まれている。別法として、これらのエミッタは、前記リング材により完全に包み込むことができる。
【0044】
図7Bは、付着した材料物質からなる層を有する、図7Aのシステムコンポーネントの断面図を示す。前記システムコンポーネントは、均一に被覆されており、エミッタ32aから32cからの蛍光信号は、実質的に同時に発生することができる。図7Cは、付着した材料物質からなる層を有する、図7Aのシステムコンポーネントの断面図を示す。図7Cにおいては、システムコンポーネント15は、層80によって不均一に被覆されており、エミッタ32aから32cのうちの1つ以上からの特徴のある蛍光放射は、システムコンポーネント15への付着の程度に関する情報に加えて、場所的な付着情報を提供することができる。
【0045】
プラズマ処理システムの異なるシステムコンポーネントは、特定のシステムコンポーネントを識別しかつモニタリングすることを可能にする異なる蛍光物質を含むことができる。また、単一のシステムコンポーネントは、前記システムコンポーネント上の複数の位置に対する材料物質の付着のモニタリングを可能にするために、様々な場所的位置に、様々な蛍光物質を含むことができる。システムコンポーネントは、前記システムコンポーネントの表面に成膜される保護バリアを含むことができる。保護バリアの役割は、プラズマ処理中の、前記システムコンポーネントの腐食を低減することとすることができる。例えば、イットリア(Y)を含む保護バリアは、セラミックスプレー被覆の当業者には公知である(熱)スプレー被覆技術を用いて形成することができる。代替の実施形態においては、前記保護バリアを形成することは、前記熱スプレー被覆を研磨することをさらに含むことができる。例えば、前記熱スプレー被覆を研磨することは、研磨紙を前記スプレーされた表面に当てることを含むことができる。前記保護バリアは、Y、Sc、Sc、YF、La、CeO、Eu、DyO、SiO、MgO、Al、ZnO、SnO及びInのうちの少なくとも1つを含むことができる。前記保護バリアの厚さは、例えば、0.5μから500μとすることができる。別法として、前記保護バリアは、リン光体材料、例えば、Y:Euを含むことができる。保護バリア中のリン光体材料からの特徴のある蛍光放射の消失は、システムコンポーネントに対する付着を判断するのに利用することができる。
【0046】
図8A及び図8Bは、1つのエミッタを含むシステムコンポーネントの断面図を示す。図8Aは、エミッタ32及びシステムコンポーネント15上に被覆された保護バリア層68を示す。図8Bは、前記システムコンポーネント上に付着した層80を示す。プラズマ処理中の、エミッタ32からの蛍光放射の変化は、保護バリア層68への付着を表わすことができる。
【0047】
図9A及び図9Bは、1つのエミッタを含むシステムコンポーネントの断面図を示す。図9Aは、システムコンポーネント15上に成膜された保護バリア層68に重なっている1つのエミッタを示す。図9Bは、前記システムコンポーネント上に付着した不均一な層80を示す。プラズマ処理中の、エミッタ32からの蛍光放射の変化は、保護バリア層68への付着を表わすことができる。
【0048】
図10A及び図10Bは、1つのエミッタを含むシステムコンポーネントの断面図を示す。図10Aは、システムコンポーネント15上に成膜された保護バリア層68に重なっている1つのエミッタを示す。図10Bは、前記システムコンポーネント上に付着した不均一な層80を示す。プラズマ処理中の、エミッタ32からの蛍光放射の変化は、エミッタ層32への付着を表わすことができる。
【0049】
システムコンポーネントに対する材料物質の付着は、前記システムコンポーネントに一体化された1つのエミッタからの特徴のある蛍光放射をモニタリングすることにより、プラズマ処理中に判断することができる。システムコンポーネントの状態を判断するための1つの可能な方法は、特徴のある蛍光放射が起きる波長範囲を監視する光学発光分光法(OES)を用いることである。システムコンポーネントは、前記システムコンポーネントの識別を可能にする、特徴的な波長における蛍光放射が可能な少なくとも1つのエミッタを含むことができる。特徴的な波長を有する放射の強度レベルが、特定の閾値を超える場合(例えば、特定の値以上の増加または実質的にゼロへの低下)、前記システムコンポーネントをクリーニングまたは交換する必要があるか否かの判断を行うことができ、また前記判断に基づいて、上記プロセスを継続または停止することができる。
【0050】
図11は、光学発光を用いて、システムコンポーネントの状態をモニタリングするフローチャートである。ステップ100において、プロセスがスタートする。ステップ102において、プラズマ処理領域からの光信号が、光モニタリングシステムを用いてモニタされる。ステップ104において、前記光信号は、システムコンポーネントに一体化された1つのエミッタからの特徴のある光放射について分析される。エミッタからの特徴のある光放射が閾値を下回る場合には、前記プロセスを続行するか、ステップ108で前記プロセスを停止するかの判断が、ステップ106でなされる。
【0051】
ステップ106における、上記プロセスを続行すべきか否かの判断は、検出される蛍光放射、例えば、前記システムコンポーネントを識別することに依存することができる。さらに、1つのシステムコンポーネントに一体化された複数のエミッタからの蛍光放射は、前記システムコンポーネントが、プラズマ処理中に、均一に被覆されているか否かを表わすことができ、またそのため、付着の程度に加えて、場所的な付着情報を提供することができる。
【0052】
エミッタを用いて、システムコンポーネントの状態をモニタリングするこの方法は、プラズマ環境内のシステムコンポーネントに対する材料物質の付着をモニタリングする新たな現場法を提供する。消耗するシステムコンポーネントへの材料物質の前記付着は、上記プラズマ処理システムの分解を要することなく、プラズマ処理中に監視することができる。前記方法は、消耗するコンポーネントの遅れたまたは早すぎる交換のリスクを著しく低減することができ、かつシステムコンポーネントへの材料物質の付着により、プロセス仕様を外れる処理状態を回避することができる。
【0053】
代替の実施形態(図示せず)においては、透明または半透明の材料を、上記エミッタを(例えば、プラズマへの曝露によって生じる)ダメージから保護するために、部材を覆って設けることができる。このような材料は、全ての波長を通過させ、または、プラズマからの光および/または前記エミッタからの光の一部をフィルタリングできる。
【0054】
本発明の様々な変更例及び変形例を、本発明を実施する際に用いることができることを理解すべきである。従って、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、本願明細書に具体的に記載した以外の別な方法で実施することができることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】プラズマ処理システムの単純化したブロック図である。
【図2A】複数のエミッタを含むシステムコンポーネントの平面図である。
【図2B】図2Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図2C】堆積した材料物質からなる層を有する、図2Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図3A】1つのエミッタを含むシステムコンポーネントの平面図である。
【図3B】図3Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図3C】堆積した材料物質からなる層を有する、図3Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図4A】複数のエミッタを含むシステムコンポーネントの平面図である。
【図4B】図4Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図4C】堆積した材料物質からなる層を有する、図4Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図5A】複数のエミッタを含むシステムコンポーネントの平面図である。
【図5B】図5Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図5C】堆積した材料物質からなる層を有する、図5Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図6A】1つのエミッタを含むシステムコンポーネントの平面図である。
【図6B】堆積した材料物質からなる層を有する、図6Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図7A】複数のエミッタを含むシステムコンポーネントの断面図である。
【図7B】堆積した材料物質からなる層を有する、図7Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図7C】堆積した材料物質からなる層を有する、図7Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図8A】1つのエミッタ及び保護層を含むシステムコンポーネントの断面図である。
【図8B】堆積した材料物質からなる層を有する、図8Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図9A】1つのエミッタ及び保護層を含むシステムコンポーネントの断面図である。
【図9B】堆積した材料物質からなる層を有する、図9Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図10A】1つのエミッタ及び保護層を含むシステムコンポーネントの断面図である。
【図10B】堆積した材料物質からなる層を有する、図10Aのシステムコンポーネントの断面図である。
【図11】光放射を用いて、システムコンポーネントの状態をモニタリングするフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理システムのシステムコンポーネントへの材料物質の付着をモニタリングする方法であって、
プラズマにさらされたときに、蛍光放射が可能なエミッタを含むシステムコンポーネントをプラズマにさらすことと、
プロセス中に、前記プラズマ処理システムからの蛍光放射を、前記システムコンポーネントへの付着を判断するようにモニタリングすることとを具備する方法。
【請求項2】
前記蛍光放射は、前記システムコンポーネントへの材料物質の付着の量に関連する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記システムコンポーネントは、消耗する部分を備えている請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記システムコンポーネントは、リング、シールド、電極、バッフル及びライナのうちの少なくとも1つを備えている請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記エミッタは、プラズマ中で生成された光によって励起された場合に、蛍光特性を有する少なくとも1つの物質を備えている請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記エミッタは、プラズマ中で生成された励起ガス種によって励起された場合に、蛍光特性を有する少なくとも1つの物質を備えている請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記モニタリングすることは、前記蛍光放射を検出する光モニタリングシステムを用いることを備えている請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記モニタリングすることは、前記蛍光放射の強度レベルが閾値を下回るか否かを判断することを備えている請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記モニタリングすることは、前記蛍光放射の波長から前記システムコンポーネントを識別することをさらに備えている請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記モニタリングすることは、前記コンポーネントをクリーニングまたは交換する必要があるか否か、および前記判断に基づいて、前記プロセスを続行するかまたは前記プロセスを停止するかの判断を下すように、前記蛍光放射の強度レベルを測定することをさらに備えている請求項7に記載の方法。
【請求項11】
プラズマ処理システムのシステムコンポーネントへの材料物質の付着をモニタリングする方法であって、
プラズマにさらされたときに、蛍光放射が可能なエミッタを含むシステムコンポーネントをプラズマにさらすことと、
プロセス中に、前記プラズマ処理システムからの蛍光放射をモニタリングすることとを具備し、
前記モニタリングすることは、前記蛍光放射の波長及び強度レベルを検出する光モニタリングシステムを用いることと、前記蛍光放射の波長から前記システムコンポーネントを識別することと、前記システムコンポーネントへの材料物質の付着の状態の判断を下すこととを含んでいる方法。
【請求項12】
プラズマ処理チャンバと、
プロセスガスからプラズマを生成するように構成されたプラズマ源と、
プラズマにさらされたときに、蛍光放射が可能なエミッタを含むシステムコンポーネントと、
プロセス中に、前記プラズマ処理チャンバからの光放射を、前記システムコンポーネントへの材料物質の付着の状態を監視するようにモニタリングする光モニタリングシステムと、
プラズマ処理システムを制御するように構成されたコントローラとを具備するプラズマ処理システム。
【請求項13】
前記システムコンポーネントは、消耗する部分を備えている請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムコンポーネントは、リング、シールド、電極、バッフル、及びライナのうちの少なくとも1つを備えている請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムコンポーネントは、シリコン、石英、アルミナ、カーボン、シリコンカーバイド、アルミニウム、及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つから製造される請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記エミッタは、プラズマ中で生成された光によって励起された場合に、蛍光特性を有する少なくとも1つの物質を含んでいる請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記エミッタは、プラズマ中で生成された励起ガス種によって励起された場合に、蛍光特性を有する少なくとも1つの物質を含んでいる請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの物質は、リン光体物質を含んでいる請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記リン光体物質は、Y:Eu、YS:Eu、YS:Tb、YS:EuTb、ZnS:Cu、ZnS:Al、ZnS:CuAl、SrGa:Ce、ZnS:Ag、ZnS:Au、ZnS:Cl、ZnS:AgAu、ZnS:AgCl、ZnS:AuCl、ZnS:AgAuCl、及びSrGa:Ceのうちの少なくとも1つを含んでいる請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムコンポーネントは、保護バリアをさらに備えている請求項12に記載のシステム。
【請求項21】
前記保護バリアは、Y、Sc、Sc、YF、La、CeO、Eu、DyO、SiO、MgO、Al、ZnO、SnO、及びInのうちの少なくとも1つを含んでいる請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記保護バリアは、透明である請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記エミッタの深さ方向の断面は、一定ではない請求項12に記載のシステム。
【請求項24】
前記プラズマ源は、誘導コイルを備えている請求項12に記載のシステム。
【請求項25】
前記プラズマ源は、プレート電極を備えている請求項12に記載のシステム。
【請求項26】
前記プラズマ源は、ECR源を備えている請求項12に記載のシステム。
【請求項27】
前記プラズマ源は、ヘリコン波源を備えている請求項12に記載のシステム。
【請求項28】
前記プラズマ源は、表面波源を備えている請求項12に記載のシステム。
【請求項29】
プラズマ処理チャンバと、
プロセスガスからプラズマを生成するように構成されたプラズマ源と、
プラズマにさらされたときに、蛍光放射が可能なエミッタを含むシステムコンポーネントと、
プロセス中に、前記プラズマ処理チャンバからの光放射を、前記システムコンポーネントへの材料物質の付着の状態を監視するようにモニタリングし、さらに、前記蛍光放射の波長から前記システムコンポーネントを識別し、前記蛍光の強度レベルが閾値を超えているか否かを判断し、前記システムコンポーネントを交換する必要があるか否かを判断し、かつ前記判断に基づいて、プロセスを続行するか、あるいは前記プロセスを停止するかを判断するように構成されている光モニタリングシステムと、
プラズマ処理システムを制御するように構成されたコントローラとを具備するプラズマ処理システム。
【請求項30】
コンポーネント要素と、
前記コンポーネント要素に結合され、プラズマプロセス中に、前記システムコンポーネントへの材料物質の付着の状態を監視するのに利用される蛍光放射が可能なエミッタとを具備するモニタ可能で消耗するシステムコンポーネント。
【請求項31】
前記コンポーネント要素は、リング、シールド、電極、バッフル、及びライナのうちの少なくとも1つを備えている請求項30に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項32】
前記コンポーネント要素は、フォーカスリングである請求項30に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項33】
前記コンポーネント要素は、電極プレートである請求項30に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項34】
前記コンポーネント要素は、成膜シールドである請求項30に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項35】
前記コンポーネント要素は、シリコン、石英、アルミナ、カーボン、シリコンカーバイド、アルミニウム、及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つから製造される請求項30に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項36】
前記エミッタは、前記コンポーネント要素によって完全に包み込まれている請求項30に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項37】
前記エミッタは、前記コンポーネント要素によって部分的に包み込まれている請求項30に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項38】
前記エミッタは、プラズマ中で生成された光によって励起された場合に、蛍光特性を有する少なくとも1つの物質を含んでいる請求項30に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項39】
前記エミッタは、プラズマ中で生成された励起ガス種によって励起された場合に、蛍光特性を有する少なくとも1つの物質を含んでいる請求項30に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項40】
前記エミッタからの前記光放射は、前記消耗するシステムコンポーネントを識別することを可能にする請求項30に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項41】
前記エミッタは、リン光体物質を含んでいる請求項30に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項42】
前記リン光体物質は、Y:Eu、YS:Eu、YS:Tb、YS:EuTb、ZnS:Cu、ZnS:Al、ZnS:CuAl、SrGa:Ce、ZnS:Ag、ZnS:Au、ZnS:Cl、ZnS:AgAu、ZnS:AgCl、ZnS:AuCl、ZnS:AgAuCl及びSrGa:Ceのうちの少なくとも1つを含んでいる請求項41に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項43】
前記システムコンポーネントは、保護バリアをさらに備えている請求項30に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項44】
前記保護バリアは、Y、Sc、Sc、YF、La、CeO、Eu、DyO、SiO、MgO、Al、ZnO、SnO及びInのうちの少なくとも1つを含んでいる請求項43に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項45】
前記保護バリアは、プラズマ中で生成された光によって励起された場合に、蛍光特性を有する少なくとも1つの物質を含んでいる請求項43に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項46】
前記保護バリアは、プラズマ中で生成された励起ガス種によって励起された場合に、蛍光特性を有する少なくとも1つの物質を含んでいる請求項43に記載の消耗するシステムコンポーネント。
【請求項47】
前記保護バリアの厚さは、約500μ以下である請求項43に記載の消耗するシステムコンポーネント。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2006−512769(P2006−512769A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565287(P2004−565287)
【出願日】平成15年12月24日(2003.12.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/039109
【国際公開番号】WO2004/061899
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】