説明

光走査装置及び画像形成装置

【課題】大型化及び高コスト化を招くことなく、光源への戻り光をなくすことができる光走査装置を提供する。
【解決手段】 光走査装置は、4つの光源、4つの偏向器前光学系、4つの同期検知光学系、2つのポリゴンミラー、4つの走査光学系、及び走査制御装置などを有している。そして、ポリゴンミラー2104Aでは、偏向反射面s1に向かう光束LBaと該偏向反射面s1とのなす角度のうち、光束LBaの反射光が含まれる側の角度α1が常に鈍角となるように設定されている。この場合は、光束LBaが偏向反射面に入射角0°で入射することがなくなり、光束LBaの反射光が光源に戻るのを避けることができる。また、画角を大きくすることができるため、小型化を図ることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、光によって被走査面を走査する光走査装置、及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタ、レーザプロッタ、デジタル複写機、普通紙ファクシミリ、及びこれらの複合機等における電子写真方式の画像形成装置は、近年、カラー化、高速化が進み、像担持体である感光体ドラムを複数(通常は4つ)有するタンデム方式対応の画像形成装置が普及してきている。
【0003】
例えば、4つの感光体ドラムが並設されたタンデム方式の画像形成装置では、各感光体ドラムを帯電手段で帯電した後、光走査装置で各感光体ドラム上に潜像を形成する。そして、現像手段で各潜像を互いに色の異なる現像剤(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー)で顕像化し、各顕像を記録媒体あるいは中間転写ベルトに重ね合わせて転写し、カラー画像を形成する。
【0004】
ところで、画像形成装置では、光源の光出力が変動すると出力画像に濃度変動を生じる。そこで、これを抑制するため、通常、光走査装置では、光源から射出される光束の一部をモニタ用光束としてフォトダイオード等のディテクタで受光し、その結果に基づいて、光源の出力レベルを制御するAPC(Auto Power Contorol)を実施している。
【0005】
このAPCを実施しているときに、ポリゴンミラーからの戻り光が光源に入射すると、光出力の正確な制御ができない。
【0006】
例えば、特許文献1には、複数の光源手段から放射された複数の光束は、互いに異なる偏向面に入射しており、主走査断面内において、複数の光源手段から放射されポリゴンミラーの異なる偏向面に入射する複数の光束のなす角度は、互いに平行であり、主走査断面内において、ポリゴンミラーの異なる偏向面に入射する複数の光束は、ポリゴンミラーに対して同一方向から入射しており、複数の光源手段の各々の光量調整は、偏向面にて反射偏向された光束による画像形成の開始前又は画像形成の終了後に行われており、複数の光源手段の各々の光量調整は、任意の光源手段の光量調整を行っているときに他の光源手段を消灯させている光走査装置が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、光源と、複数の段の多面反射鏡を有し、共通の回転軸を有する偏向手段と、共通の光源からのビームを分割し、分割されたビームを偏向手段の異なる段の多面反射鏡に入射させる光束分割手段と、偏向手段により走査されたビームを被走査面に導く走査光学系と、偏向手段により走査されたビームを検出する受光手段と、を有し、共通の光源から分割したビームが異なる被走査面を走査するようにした光走査装置が開示されている。
【0008】
また、特許文献3には、光源と偏向手段の間に該光源からのビームを分割し、分割したそれぞれのビームを偏向手段に向けて略π/2の位相差をつけて入射させる光束分割手段を備え、かつ偏向手段が4面の反射面を有する光走査装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2及び3には、ポリゴンミラーのサイズを小さくすることで戻り光の光量を小さくしたり、波長板などを用いて戻り光をカットする戻り光対策が記載されている。前者の戻り光対策では、画角を大きくすることができないという不都合があった。また、光量が小さいとはいえ戻り光の影響がなくなるわけではなかった。後者の戻り光対策では、偏向器前光学系のユニットサイズの長大化、レイアウトの制限、部品点数の増大やそれに伴うコストアップが懸念されるという不都合があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1の観点からすると、被走査面を光束によって主走査方向に沿って走査する光走査装置であって、光源と、各鏡面が反射面となる回転多面鏡を有し、前記光源からの光束を偏向する光偏向器と、前記光偏向器で偏向された光束を、前記被走査面に導光する走査光学系とを有し、前記光偏向器では、前記反射面に向かう光束と該反射面とのなす角度のうち、反射光が含まれる側の角度が常に鈍角であることを特徴とする光走査装置である。
【0011】
本発明は、第2の観点からすると、複数の像担持体と、前記複数の像担持体を、それぞれ対応する画像情報に応じて変調された光束により走査する本発明の光走査装置と、を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光走査装置によれば、大型化及び高コスト化を招くことなく、光源への戻り光をなくすことができる。
【0013】
本発明の画像形成装置によれば、画像品質の低下を招くことなく、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す図である。
【図2】図1における光走査装置の構成を説明するための図(その1)である。
【図3】図1における光走査装置の構成を説明するための図(その2)である。
【図4】ポリゴンミラーの偏向反射面に向かう光束と該偏向反射面とのなす角度のうち、反射光が含まれる側の角度を説明するための図(その1)である。
【図5】ポリゴンミラーの偏向反射面に向かう光束と該偏向反射面とのなす角度のうち、反射光が含まれる側の角度を説明するための図(その2)である。
【図6】各ステーションでの有効走査領域を説明するための図(その1)である。
【図7】各ステーションでの有効走査領域を説明するための図(その2)である。
【図8】走査制御装置による光源駆動制御を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】比較例を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】APCをt2以外で行う場合を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】図11(A)は、t=tsのときの偏向反射面に向かう光束と該偏向反射面との関係を説明するための図であり、図11(B)は、t=teのときの偏向反射面に向かう光束と該偏向反射面との関係を説明するための図である。
【図12】図12(A)及び図12(B)は、それぞれ比較例を説明するための図である。
【図13】θs及びθeを説明するための図(その1)である。
【図14】θs及びθeを説明するための図(その2)である。
【図15】同期検知光学系の配置位置の変形例を説明するための図である。
【図16】図16(A)及び図16(B)は、それぞれ偏向反射面における汚れやすい領域を説明するための図である。
【図17】偏向反射面の汚れを考慮して配置された同期検知光学系を説明するための図(その1)である。
【図18】偏向反射面の汚れを考慮して配置された同期検知光学系を説明するための図(その2)である。
【図19】光源が4つの発光部を有する場合のAPCを説明するためのタイミングチャートである。
【図20】比較例を説明するためのタイミングチャートである。
【図21】ポリゴンミラーの回転多面鏡が4面鏡の場合を説明するための図(その1)である。
【図22】ポリゴンミラーの回転多面鏡が4面鏡の場合を説明するための図(その2)である。
【図23】走査光学系の変形例1を説明するための図である。
【図24】走査光学系の変形例2を説明するための図である。
【図25】光走査装置の変形例を説明するための図である。
【図26】図25における偏向器前光学系Aを説明するための図である。
【図27】図25における偏向器前光学系Bを説明するための図である。
【図28】平均入射角を説明するための図である。
【図29】変形例の光走査装置における光走査を説明するための図(その1)である。
【図30】図30(A)〜図30(C)は、それぞれ変形例の光走査装置における光走査を説明するための図(その2)である。
【図31】図31(A)〜図31(C)は、それぞれ変形例の光走査装置における光走査を説明するための図(その3)である。
【図32】変形例の光走査装置における書き込み動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図33】図33(A)〜図33(C)は、それぞれ2つの光束と回転多面鏡との関係を説明するための図である。
【図34】ポリゴンミラーから被走査面に向かう光束の光路の中点を説明するための図である。
【図35】図35(A)は、走査レンズが中点よりもポリゴンミラー側に配置されている場合の光路を説明するための図であり、図35(B)は、走査レンズが中点よりも被走査面側に配置されている場合の光路を説明するための図である。
【図36】図36(A)〜図36(C)は、それぞれ2つの光束の平均入射角と回転多面鏡との関係を説明するための図である。
【図37】変形例の光走査装置における主な光学素子の配置の具体例を説明するための図(その1)である。
【図38】変形例の光走査装置における主な光学素子の配置の具体例を説明するための図(その2)である。
【図39】変形例の光走査装置における主な光学素子の配置の具体例を説明するための図(その3)である。
【図40】変形例の光走査装置においてプレート型分割素子が用いられた場合を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図14に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
【0016】
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。そして、これらは、プリンタ筐体の中に収容されている。
【0017】
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0018】
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換器などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置からの画像情報を光走査装置2010に送る。
【0019】
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
【0020】
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
【0021】
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
【0022】
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
【0023】
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
【0024】
ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向(回転軸方向)に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
【0025】
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
【0026】
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて色毎に変調された4つの光束によって、対応する帯電された感光体ドラムの表面をそれぞれ走査する。これにより、各感光体ドラムの表面では、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の詳細については後述する。
【0027】
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
【0028】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
【0029】
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。カラー画像が転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
【0030】
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
【0031】
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
【0032】
次に、前記光走査装置2010の詳細について説明する。
【0033】
この光走査装置2010は、一例として図2及び図3に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つの同期レンズ(2208a、2208b、2208c、2208d)、4つの同期検知センサ(2209a、2209b、2209c、2209d)、2つのポリゴンミラー(2104A、2104B)、4つの走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、12枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2107a、2107b、2107c、2107d、2108a、2108b、2108c、2108d)、及び不図示の走査制御装置などを有している。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2では図示省略、図3参照)に取り付けられている。
【0034】
光源2200a、カップリングレンズ2201a、開口板2202a、シリンドリカルレンズ2205a、走査レンズ2105a、3枚の折り返しミラー(2106a、2107a、2108a)、同期レンズ2208a、同期検知センサ2209aは、感光体ドラム2030aに潜像を形成するための光学部材である。
【0035】
光源2200b、カップリングレンズ2201b、開口板2202b、シリンドリカルレンズ2205b、走査レンズ2105b、3枚の折り返しミラー(2106b、2107b、2108b)、同期レンズ2208b、同期検知センサ2209bは、感光体ドラム2030bに潜像を形成するための光学部材である。
【0036】
光源2200c、カップリングレンズ2201c、開口板2202c、シリンドリカルレンズ2205c、走査レンズ2105c、3枚の折り返しミラー(2106c、2107c、2108c)、同期レンズ2208c、同期検知センサ2209cは、感光体ドラム2030cに潜像を形成するための光学部材である。
【0037】
光源2200d、カップリングレンズ2201d、開口板2202d、シリンドリカルレンズ2205d、走査レンズ2105d、3枚の折り返しミラー(2106d、2107d、2108d)、同期レンズ2208d、同期検知センサ2209dは、感光体ドラム2030dに潜像を形成するための光学部材である。
【0038】
なお、以下では、便宜上、各光学部材において、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
【0039】
各光源は、X軸方向に関して離れて配置されており、いずれも−Y方向に光束を射出する。
【0040】
各光源は、回路基板に実装されている半導体レーザ(LD)を含んでいる。該回路基板には、光源から後方に射出される光束を受光するモニタ用受光素子が実装されている。このモニタ用受光素子は、受光光量に対応した信号を走査制御装置に出力する。
【0041】
走査制御装置は、各光源のモニタ用受光素子の出力信号に基づいて、各光源のAPCを行う。
【0042】
各カップリングレンズは、対応する光源から射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0043】
各開口板は、開口部を有し、対応するカップリングレンズを介した光束を整形する。
【0044】
シリンドリカルレンズ2205a及びシリンドリカルレンズ2205bは、対応する開口板の開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104Aの偏向反射面近傍にY軸方向に関して結像する。
【0045】
シリンドリカルレンズ2205c及びシリンドリカルレンズ2205dは、対応する開口板の開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104Bの偏向反射面近傍にY軸方向に関して結像する。
【0046】
光源とポリゴンミラーとの間の光路上に配置されている光学系は偏向器前光学系と呼ばれている。ここでは、4つの偏向器前光学系は、光軸方向が互いに平行になるように配置されている。この場合は、4つの偏向器前光学系のそれぞれを同一の偏向器前光学系とすることができる。これにより、低コスト化を図ることができる。また、偏向器前光学系の光学素子は、多くの場合、位置及び姿勢の調整が必要となるが、各素子が同じ方向を向いて配置されるため、調整治具や調整工程を簡素化することができる。
【0047】
さらに、ポリゴンミラーに向かう各光束の光路は、いずれもY軸方向に平行である。この場合は、偏向器前光学系と折り返しミラーとが干渉するのを防ぐことができる。また、偏向器前光学系とその調整治具との干渉を防ぐことができる。
【0048】
各ポリゴンミラーは、Z軸方向に平行な軸まわりに回転する6面鏡を有している。この6面鏡における各鏡面が偏向反射面である。
【0049】
シリンドリカルレンズ2205aからの光束(以下では、「光束LBa」ともいう)とシリンドリカルレンズ2205bからの光束(以下では、「光束LBb」ともいう)は、異なる偏向反射面に入射される。そして、光束LBaはポリゴンミラー2104Aに対して+X側に偏向され、光束LBbはポリゴンミラー2104Aに対して−X側に偏向される。
【0050】
シリンドリカルレンズ2205cからの光束(以下では、「光束LBc」ともいう)とシリンドリカルレンズ2205dからの光束(以下では、「光束LBd」ともいう)は、異なる偏向反射面に入射される。そして、光束LBcはポリゴンミラー2104Bに対して+X側に偏向され、光束LBdはポリゴンミラー2104Bに対して−X側に偏向される。
【0051】
具体的には、各ポリゴンミラーの内接円半径が13mmのとき、2つの光束のX軸方向に関する間隔は20mmである。なお、各ポリゴンミラーが内接円半径が8mmの4面鏡の場合も、2つの光束のX軸方向に関する間隔は20mmである。
【0052】
ポリゴンミラー2104Aで偏向された光束LBaは、走査レンズ2105aを通過したのち、2枚の折り返しミラー(2106a、2107a)によってX軸方向に関して反対向きに折り返される。そして、折り返された光束LBaは、X軸方向に関してポリゴンミラー2104Aの−X側に配置されている折り返しミラー2108aによって感光体ドラム2030aに向かう。
【0053】
ポリゴンミラー2104Aで偏向された光束LBbは、走査レンズ2105bを通過したのち、2枚の折り返しミラー(2106b、2107b)によってX軸方向に関して反対向きに折り返される。そして、折り返された光束LBbは、X軸方向に関してポリゴンミラー2104Aの+X側に配置されている折り返しミラー2108bによって感光体ドラム2030bに向かう。
【0054】
ポリゴンミラー2104Bで偏向された光束LBcは、走査レンズ2105cを通過したのち、2枚の折り返しミラー(2106c、2107c)によってX軸方向に関して反対向きに折り返される。そして、折り返された光束LBcは、X軸方向に関してポリゴンミラー2104Bの−X側に配置されている折り返しミラー2108cによって感光体ドラム2030cに向かう。
【0055】
ポリゴンミラー2104Bで偏向された光束LBdは、走査レンズ2105dを通過したのち、2枚の折り返しミラー(2106d、2107d)によってX軸方向に関して反対向きに折り返される。そして、折り返された光束LBdは、X軸方向に関してポリゴンミラー2104Bの+X側に配置されている折り返しミラー2108dによって感光体ドラム2030dに向かう。
【0056】
各感光体ドラム表面の光スポットは、ポリゴンミラーの回転に伴って感光体ドラムの長手方向(Y軸方向)に移動する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が「副走査方向」である。
【0057】
ポリゴンミラーと感光体ドラムとの間の光路上に配置された光学系は、走査光学系と呼ばれている。
【0058】
ここでは、走査レンズ2105aと3枚の折り返しミラー(2106a、2107a、2108a)とからKステーションの走査光学系が構成されている。また、走査レンズ2105bと3枚の折り返しミラー(2106b、2107b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。
【0059】
そして、走査レンズ2105cと3枚の折り返しミラー(2106c、2107c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、走査レンズ2105dと3枚の折り返しミラー(2106d、2107d、2108d)とからYステーションの走査光学系が構成されている。
【0060】
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効走査領域」、「画像形成領域」、あるいは「有効画像領域」などと呼ばれている。
【0061】
ここでは、有効走査領域内を走査する光束は、常にポリゴンミラーの一つの偏向反射面で偏向されるようにしている。この方式は「アンダーフィールド方式」と呼ばれている。この方式は、「オーバーフィールド方式」のときに発生する、感光体ドラム表面での主走査方向に関する光量の変動やビームスポット径の変動を抑制することができる。また、ポリゴンミラーの複数の偏向反射面間に面精度のばらつきがあっても、書き込み開始位置、もしくは書き込み終了位置の変動(以下では、「縦線揺らぎ」ともいう)を低減することができる。
【0062】
また、一例として図4に示されるように、光束がポリゴンミラーに入射するとき、入射角が0°となる偏向反射面(図4のタイミングでは、偏向反射面s2)には入射しないように、光源位置が設定されている。すなわち、偏向反射面に向かう光束と該偏向反射面とのなす角度のうち、反射光が含まれる側の角度α1が常に鈍角となるように設定されている。この場合は、ポリゴンミラーで偏向された光束が光源に戻ることはない。
【0063】
また、一例として図5には、図4の直後の状態が示されている。図4からの時間の経過とともに、光束は、偏向反射面s1に隣接する偏向反射面s2に入射する割合が増えていくが、このときの偏向反射面s2は、反射光が光源に戻るときの状態(入射角が0°になる状態)に対して傾斜した状態となっているため、図5における光線LBa2のように偏向反射面s2で反射されても光源には戻らない。
【0064】
なお、図5に示されるように、光束LBaのうち、偏向反射面s1に向かう光線LBa1と偏向反射面s1とのなす角度のうち、反射光が含まれる側の角度α1は、常に鈍角となるように設定されている。また、光束LBaのうち、偏向反射面s2に向かう光線LBa2と偏向反射面s2とのなす角度のうち、反射光が含まれる側の角度α2も、常に鈍角となるように設定されている。
【0065】
図6に示されるように、同期検知センサ2209aには、ポリゴンミラー2104Aで偏向され、感光体ドラム2030aの有効走査領域への書き込み開始前の光束LBaが、同期レンズ2208aを介して入射する。なお、図6では、分かりやすくするため、光路の折り返しを省略している。
【0066】
同期検知センサ2209bには、ポリゴンミラー2104Aで偏向され、感光体ドラム2030bの有効走査領域への書き込み開始前の光束LBbが、同期レンズ2208bを介して入射する。
【0067】
図7に示されるように、同期検知センサ2209cには、ポリゴンミラー2104Bで偏向され、感光体ドラム2030cの有効走査領域への書き込み開始前の光束LBcが、同期レンズ2208cを介して入射する、なお、図7では、分かりやすくするため、光路の折り返しを省略している。
【0068】
同期検知センサ2209dには、ポリゴンミラー2104Bで偏向され、感光体ドラム2030dの有効走査領域への書き込み開始前の光束LBdが、同期レンズ2208dを介して入射する。
【0069】
走査制御装置は、同期検知センサ2209aの出力信号に基づいて、感光体ドラム2030aにおける書き込み開始タイミングを求め、同期検知センサ2209bの出力信号に基づいて、感光体ドラム2030bにおける書き込み開始タイミングを求める。
【0070】
同様に、走査制御装置は、同期検知センサ2209cの出力信号に基づいて、感光体ドラム2030cにおける書き込み開始タイミングを求め、同期検知センサ2209dの出力信号に基づいて、感光体ドラム2030dにおける書き込み開始タイミングを求める。
【0071】
感光体ドラムにおける書き込み開始タイミングを求めるために設けられた光学系は、同期検知光学系とも呼ばれている。
【0072】
図8には、1つのステーションにおけるAPC、同期検知、及び書き込みのタイミングが示されている。図8における符号T1は、1回の走査に要する時間であり、以下では「走査周期」ともいう。この走査周期は、ポリゴンミラーの回転多面鏡が6面鏡の場合、該回転多面鏡が60°回転するのに要する時間であり、回転多面鏡が4面鏡の場合、該回転多面鏡が90°回転するのに要する時間となる。
【0073】
図8における符号T2は、光束が、ポリゴンミラーの2つの偏向反射面に入射している状態(図5参照)が維持されている時間である。図8における符号T3は、光束が、ポリゴンミラーの単一の偏向反射面に入射している時間である。そして、光束が2つの偏向反射面に入射している状態から単一の偏向反射面に入射する状態に移行するタイミングをts、光束が単一の偏向反射面に入射している状態から2つの偏向反射面に入射する状態に移行するタイミングをteとする。
【0074】
本実施形態では、T2に含まれるタイミングでAPCが行われている。
【0075】
比較例として、光源への戻り光が発生する従来の構成におけるタイミングチャートが図9に示されている。図9における符号T4は、光束が偏向反射面に入射角0°で入射し、その反射光が光源に戻ってくる時間である。このときは、モニタ用受光素子の出力信号が不安定となるため、APCはできない。そこで、T4の時間を避けてAPCを行わなければならない。そして、APC及び同期検知に要する時間を確保したり、光学素子の位置誤差を考慮することを勘案すると、結果的に、書き込みに利用できる時間が少なくなる。
【0076】
また、一例として図10に示されるように、APCをT2の時間外で行うと、書き込みに利用できる時間が少なくなる。
【0077】
また、同期検知をT2の時間内で行っても良いが、この場合、光束が、ポリゴンミラーの2つの偏向反射面に入射しているため、該2つの偏向反射面に、面精度の違いがあると、上記縦線揺らぎの発生を助長する。そこで、縦線揺らぎを考慮する必要がある場合には、T2の時間外で、すなわち、単一の偏向反射面で反射された光束で同期検知することが好ましい。
【0078】
本実施形態では、偏向反射面s1に入射した光束は、t=tsのタイミングにおいて、図11(A)に示されるように、偏向反射面s1における偏向反射面s6側の端部で反射され、t=teのタイミングにおいて、図11(B)に示されるように、偏向反射面s1における偏向反射面s2側の端部で反射されるように設定されている。
【0079】
変形例として、t=teのタイミングにおいても、偏向反射面s1における偏向反射面s6側の端部で反射される場合が、図12(A)及び図12(B)に示されている。
【0080】
本実施形態では、変形例に比べて、T3を長くとることができる。また、t=teのタイミングにおける光束の偏向反射面への入射角が小さいため、偏向反射面の面精度のばらつきの影響を受けにくくなる。この偏向反射面への入射角が小さいということは、更に、本実施形態と変形例とで有効走査領域を走査する時間を一定としたとき(画角を一定としたとき)、Y軸方向に関する位置による偏向反射面の反射率の偏差(シェーディング)を低減することができるという利点もある。また、本実施形態では、変形例に比べて、偏向反射面での使用領域が狭く、Y軸方向に関する光束径を拡大することによる被走査面での主走査方向のビームスポット径の小径化を図りやすいという利点がある。
【0081】
なお、t=teのタイミングにおける光束の入射位置を、図11(B)と図12(B)の間としても良い。
【0082】
図13には、本実施形態におけるt=tsのタイミングとt=teのタイミングとが同時に示されている。図13では、便宜上、光路の折り返しを省略し、被走査面である感光体ドラム2030aの表面のみを、走査レンズ2105aの+X側に示している。そして、被走査面に直交する軸を基準軸Axとし、t=tsのときに、反射光と基準軸Axとのなす角をθs、t=teのときに、反射光と基準軸Axとのなす角をθeとしている。
【0083】
本実施形態では、走査レンズ2105aの入射側の面及び射出側の面の形状を表す各非球面式の原点における法線と基準軸Axとを一致させている。
【0084】
そして、本実施形態のように、t=teのタイミングで、偏向反射面s1における偏向反射面s2側の端部で反射されるように設定している場合、θs>θeとなる(図14参照)。
【0085】
また、有効走査領域を基準軸Axに対して略対称的に設定すると、被走査面での結像特性が良くなるとともに、レイアウトの自由度が高くなる。
【0086】
ところで、特許文献1に開示されている光走査装置では、1回の走査時間内に光源を発光できる時間が短くなり、APCに必要な発光時間、有効走査領域での発光開始タイミングを決定するために必要な同期検知を行う時間、及び有効走査領域を走査する時間を短くする必要があった。特に、有効走査領域を走査する時間が短い、つまり、有効走査領域を走査するポリゴンミラーの偏向角範囲(画角)が狭いということは、用紙サイズによって決まる必要な走査幅を確保するために、より長い光路長が必要となり、ユニットサイズの長大化や、レイアウトの制限を招くという不都合があった。
【0087】
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つの偏向器前光学系、4つの同期検知光学系、2つのポリゴンミラー(2104A、2104B)、4つの走査光学系、及び走査制御装置などを有している。
【0088】
そして、ポリゴンミラー2104Aでは、偏向反射面に入射する光束LBaと該偏向反射面とのなす角度のうち、光束LBaの反射光が含まれる側の角度が常に鈍角となるように設定されている。この場合は、光束LBaが偏向反射面に入射角0°で入射することがなくなり、光束LBaの反射光が光源2200aに戻るのを避けることができる。
【0089】
また、ポリゴンミラー2104Aでは、偏向反射面に入射する光束LBbと該偏向反射面とのなす角度のうち、光束LBbの反射光が含まれる側の角度が常に鈍角となるように設定されている。この場合は、光束LBbが偏向反射面に入射角0°で入射することがなくなり、光束LBbの反射光が光源2200bに戻るのを避けることができる。
【0090】
同様に、ポリゴンミラー2104Bでは、偏向反射面に入射する光束LBcと該偏向反射面とのなす角度のうち、光束LBcの反射光が含まれる側の角度が常に鈍角となるように設定されている。この場合は、光束LBcが偏向反射面に入射角0°で入射することがなくなり、光束LBcの反射光が光源2200cに戻るのを避けることができる。
【0091】
また、ポリゴンミラー2104Bでは、偏向反射面に入射する光束LBdと該偏向反射面とのなす角度のうち、光束LBdの反射光が含まれる側の角度が常に鈍角となるように設定されている。この場合は、光束LBdが偏向反射面に入射角0°で入射することがなくなり、光束LBdの反射光が光源2200dに戻るのを避けることができる。
【0092】
そこで、走査制御装置は、各光源に対して高い精度でAPCを行うことができる。また、画角を大きくすることができるため、小型化を図ることが可能である。また、戻り光をカットするための波長板などが不要であり、レイアウトの制限、部品点数の増大やそれに伴うコストアップがない。
【0093】
すなわち、光走査装置2010は、大型化及び高コスト化を招くことなく、光源への戻り光をなくすことができる。
【0094】
そして、カラープリンタ2000は、光走査装置2010を備えているため、その結果、画像品質の低下を招くことなく、低コスト化を図ることができる。
【0095】
ところで、同期検知センサを光源側に配備すると、良好な結像特性及びレイアウトの高い自由度を保ちつつ、有効走査領域を走査する時間をより長くとることができる。ポリゴンミラーを挟んで対向している他のステーションについても同様のことがいえるため、上記実施形態において、図15に示されるように、全ての同期検知光学系を光源側に配置しても良い。
【0096】
この場合、Cステーション及びYステーションでは、書き込み終了後に、次の走査の同期検知が行われる。
【0097】
また、上記実施形態において、レイアウト性の向上及び部品点数の削減を図るため、光源2200a及び光源2200bの一方に対応する同期検知光学系を省いても良い。例えば、光源2200aに対応する同期検知光学系を省いた場合には、同期検知センサ2209bの出力信号から得られた感光体ドラム2030bでの書き込み開始タイミングから予め得られている時間(ディレイタイム)が経過したタイミングを感光体ドラム2030aでの書き込み開始タイミングとすれば良い。この際、例えば、光束LBbが入射した偏向反射面と同じ偏向反射面に光束LBaが入射するように上記ディレイタイムを設定すると、ポリゴンミラーにおける偏向反射面間の面精度のばらつきに起因する縦線揺らぎを軽減することができる。
【0098】
同様に、光源2200c及び光源2200dの一方に対応する同期検知光学系を省いても良い。
【0099】
ところで、ポリゴンミラーは一般的に、互いに隣接する2つの偏向反射面が接する部分(かど部)で空気を切り、その下流側に汚れが付着しやすい。図16(A)に示されるように、ポリゴンミラーが時計回りに回転している場合、偏向反射面s1では、偏向反射面s6側の端部が汚れやすい。一方、図16(B)に示されるように、ポリゴンミラーが反時計回りに回転している場合、偏向反射面s1では、偏向反射面s2側の端部が汚れやすい。
【0100】
同期検知センサに入射する光束が偏向反射面の汚れやすい部分で反射されていると、同期検知センサでの光量低下による縦線揺らぎや、書き込み開始タイミングの誤差などが発生するおそれがある。
【0101】
そこで、偏向反射面の汚れを考慮する必要がある場合は、一例として図17及び図18に示されるように、偏向反射面における汚れが付着しにくい部分で反射された光束が同期検知センサに入射するようにするのが良い。
【0102】
また、上記実施形態では、光源が1つの発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、光源が複数の発光部を有していても良い。一例として、光源が4つの発光部を有している場合のAPCのタイミングが図19に示されている。
【0103】
この場合に、比較例として、光源に戻り光が発生する構成のときのタイミングチャートが図20に示されている。この場合も、T4の時間を避けてAPCを行わなければならず、結果的に書き込み可能な時間が少なくなる。
【0104】
また、上記実施形態では、ポリゴンミラーの回転多面鏡が6面鏡の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図21に示されるように、ポリゴンミラーの回転多面鏡が4面鏡であっても良い。この場合も、偏向反射面に向かう光束と該偏向反射面とのなす角度のうち、反射光が含まれる側の角度α1が常に鈍角となるように設定されていれば良い。なお、入射角が0°となるタイミングでは、図22に示されるように、その偏向反射面に光束が入射されないように設定している。
【0105】
また、上記実施形態では、2つのポリゴンミラーを用いる場合について説明したが、一例として図23及び図24に示されるように、1つの2段構造のポリゴンミラー2104を用いても良い。ここでは、一例として、上段と下段の間隔を10mmとしている。
【0106】
図23では、光束LBaはポリゴンミラー2104の上段の偏向反射面で−X側に偏向され、走査レンズ2105A、及び3枚の折り返しミラー(2106a、2107a、2108a)を介して、感光体ドラム2030aに導光される。
【0107】
光束LBbはポリゴンミラー2104の下段の偏向反射面で+X側に偏向され、走査レンズ2105B、及び3枚の折り返しミラー(2106b、2107b、2108b)を介して、感光体ドラム2030bに導光される。
【0108】
光束LBcはポリゴンミラー2104の下段の偏向反射面で−X側に偏向され、走査レンズ2105A、及び3枚の折り返しミラー(2106c、2107c、2108c)を介して、感光体ドラム2030cに導光される。
【0109】
光束LBdはポリゴンミラー2104の上段の偏向反射面で+X側に偏向され、走査レンズ2105B、及び3枚の折り返しミラー(2106d、2107d、2108d)を介して、感光体ドラム2030dに導光される。
【0110】
図24では、光束LBaはポリゴンミラー2104の上段の偏向反射面で−X側に偏向され、走査レンズ2105A、及び3枚の折り返しミラー(2106a、2107a、2108a)を介して、感光体ドラム2030aに導光される。
【0111】
光束LBbはポリゴンミラー2104の下段の偏向反射面で−X側に偏向され、走査レンズ2105A、及び3枚の折り返しミラー(2106b、2107b、2108b)を介して、感光体ドラム2030bに導光される。
【0112】
光束LBcはポリゴンミラー2104の下段の偏向反射面で+X側に偏向され、走査レンズ2105B、及び3枚の折り返しミラー(2106c、2107c、2108c)を介して、感光体ドラム2030cに導光される。
【0113】
光束LBdはポリゴンミラー2104の上段の偏向反射面で+X側に偏向され、走査レンズ2105B、及び3枚の折り返しミラー(2106d、2107d、2108d)を介して、感光体ドラム2030dに導光される。
【0114】
また、上記光走査装置2010の変形例(「光走査装置2010A」という)が図25に示されている。
【0115】
この光走査装置2010Aは、前記4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)に代えて2つの光源(2200A、2200B)が用いられ、前記4つの偏光器前光学系に代えて偏光器前光学系Aと偏光器前光学系Bが用いられる点に特徴を有している。そこで、以下においては、光走査装置2010との相違点を中心に説明するとともに、前述した光走査装置2010と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用い、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
【0116】
光源2200A及び光源2200Bは、いずれも上記実施形態における光源と同様な光源である。光源2200Aと光源2200Bは、X軸方向に関して離れて配置されており、いずれも−Y方向に光束を射出する。
【0117】
偏向器前光学系Aは、光源2200Aとポリゴンミラー2104Aとの間に配置された偏向器前光学系であり、一例として図26に示されるように、カップリングレンズ2201A、開口板2202A、ビームスプリッタ2203A、反射ミラー2204A、及び2つのシリンドリカルレンズ(2205a、2205b)を有している。
【0118】
カップリングレンズ2201Aは、光源2200Aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0119】
開口板2202Aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201Aを介した光束のビームを整形する。
【0120】
ビームスプリッタ2203Aは、開口板2202Aの開口部を通過した光束の約半分を透過させ、残りを+X方向に反射する。ビームスプリッタ2203Aで反射された光束が前記光束LBaであり、ビームスプリッタ2203Aを透過した光束が前記光束LBbである。
【0121】
反射ミラー2204Aは、ビームスプリッタ2203Aで反射された光束LBaの光路上に配置され、該光束の光路を−Y方向に折り曲げる。
【0122】
シリンドリカルレンズ2205aは、反射ミラー2204Aを介した光束LBaの光路上に配置され、該光束を、ポリゴンミラー2104Aの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0123】
シリンドリカルレンズ2205bは、ビームスプリッタ2203Aを透過した光束LBbの光路上に配置され、該光束を、ポリゴンミラー2104Aの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0124】
偏向器前光学系Bは、光源2200Bとポリゴンミラー2104Bとの間に配置された偏向器前光学系であり、一例として図27に示されるように、カップリングレンズ2201B、開口板2202B、ビームスプリッタ2203B、反射ミラー2204B、及び2つのシリンドリカルレンズ(2205c、2205d)を有している。
【0125】
カップリングレンズ2201Bは、光源2200Bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0126】
開口板2202Bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201Bを介した光束のビームを整形する。
【0127】
ビームスプリッタ2203Bは、開口板2202Bの開口部を通過した光束の約半分を透過させ、残りを+X方向に反射する。ビームスプリッタ2203Bで反射された光束が前記光束LBcであり、ビームスプリッタ2203Bを透過した光束が前記光束LBdである。
【0128】
反射ミラー2204Bは、ビームスプリッタ2203Bで反射された光束LBcの光路上に配置され、該光束の光路を−Y方向に折り曲げる。
【0129】
シリンドリカルレンズ2205cは、反射ミラー2204Bを介した光束LBcの光路上に配置され、該光束を、ポリゴンミラー2104Bの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0130】
シリンドリカルレンズ2205dは、ビームスプリッタ2203Bを透過した光束LBdの光路上に配置され、該光束を、ポリゴンミラー2104Bの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0131】
反射ミラー2204Aは、光束LBaと光束LBbが互いに異なる偏向反射面に入射するように、X軸方向に関する位置が調整されている(図28参照)。このとき、光束LBa及び光束LBbの平均入射角が略45°になるようにすると、光束LBaと光束LBbが平行を保ってポリゴンミラー2104Aに向かうように、反射ミラー2204Aを配置でき、ビームスプリッタ2203A以後の光学素子の組み付け及び調整が容易となる。なお、図28では、分かりやすくするため、ポリゴンミラー2104Aで偏向された各光束は、折り曲げられることなく有効走査領域に向かうように示されている。
【0132】
上記平均入射角は、有効走査領域を走査する光束の平均の入射角度である。図28の場合は、平均入射角度と同じ入射角度で偏向反射面に入射した光束は、感光体ドラムの回転軸方向に直交する面に沿って被走査面に入射する。なお、走査レンズの光軸が主走査方向(図28でのY軸方向)に関して反光源側(−Y側)に偏っているときは、平均入射角度と同じ入射角度で偏向反射面に入射した光束は、感光体ドラムの回転軸方向に直交する面に沿って被走査面に入射するとは限らない。
【0133】
また、ビームスプリッタ2203Aと反射ミラー2204Aの間隔分だけX軸方向に関して光束LBaと光束LBbの光路を異ならせることで反射ミラーの数を減らし、レイアウト性を向上させることができる。
【0134】
さらに、シリンドリカルレンズ2205aを反射ミラー2204Aとポリゴンミラー2104Aの間に配置し、シリンドリカルレンズ2205bをビームスプリッタ2203Aとポリゴンミラー2104Aの間に配置することで、各感光体ドラム上での結像特性を向上させることができる。
【0135】
偏向器前光学系Bにおいても同様である。
【0136】
次に、分割光による光走査の例として、ポリゴンミラーを中心として対向している有効走査領域1と有効走査領域2について、有効走査領域1を光束1で走査し、有効走査領域2を光束2で走査する場合について説明する(図29参照)。
【0137】
図30(A)には、有効走査領域1及び有効走査領域2ともに走査されていない状態が示されている。図30(A)の状態からポリゴンミラーが反時計回りに回転すると、図30(B)に示されるように、光束1の反射光が有効走査領域1を走査し始める。その時、光束2の反射光は有効走査面2から離れる位置に向かう。
【0138】
さらにポリゴンミラーが回転すると、図30(C)に示されるように、光束1の反射光は有効走査領域1の走査を終了する。光束1の反射光が有効走査領域1を−Y方向に向かって走査している間に、光束2は次の偏向反射面に入射する。そして、光束2の反射光は有効走査領域2の−Y側に移り、有効走査領域2に近づく。
【0139】
さらにポリゴンミラーが回転し、図30(A)の状態からポリゴンミラーが反時計回りに30°回転した状態が図31(A)に示されている。ここでは、この時、偏向反射面に向かう光束1と該反射面とのなす角度のうち、光束1の反射光が含まれる側の角度θ1が鈍角であり、偏向反射面に向かう光束2と該反射面とのなす角度のうち、光束2の反射光が含まれる側の角度θ2が鈍角であるように、光束1及び光束2のポリゴンミラーへの入射位置が設定されている。すなわち、この状態のときに光束1及び光束2がいずれも偏向反射面r1に入射しないように設定されている。
【0140】
さらにポリゴンミラーが回転すると、図31(B)に示されるように、光束2の反射光が有効走査領域2を走査し始め、光束1の反射光は有効走査面1から離れた位置に向かう。
【0141】
さらにポリゴンミラーが回転すると、図31(C)に示されるように、光束2の反射光は有効走査領域2の走査を終了する。光束2の反射光が有効走査領域2を+Y方向に向かって走査している間に、光束1は次の偏向反射面に入射する。そして、光束1の反射光は有効走査領域1の+Y側に移り、有効走査領域1に近づく。
【0142】
さらにポリゴンミラーが回転すると、上記図30(A)と同じ状態になる。
【0143】
走査制御装置は、光束1の反射光が有効走査領域1内を走査している時は対応する色(例えば、シアン)の画像情報に基づき光源の変調駆動を行う。また、走査制御装置は、光束2の反射光が有効走査領域2内を走査している時は対応する色(例えば、ブラック)の画像情報に基づき光源の変調駆動を行う。これにより、1つの光源で2色分の画像情報を互いに異なる被走査面に書き込むことができる(図32参照)。なお、図32では、APC及び同期検知の図示を省略している。
【0144】
ところで、ポリゴンミラーの回転多面鏡が4面鏡であり、ビームスプリッタで分割された2つの光束(光束1、光束2)を偏向反射面に当て続けると、必ず戻り光が生じる(図33(A)参照)。また、ポリゴンミラーの回転多面鏡が6面鏡であり、偏向反射面のX軸方向の長さが2つの光束の間隔より長い場合は、図33(B)に示されるように、戻り光が生じる。しかしながら、図33(C)に示されるように、偏向反射面のX軸方向の長さより2つの光束の間隔が大きいと、偏向反射面が入射光に対して垂直になることがない。
【0145】
この場合は、偏向反射面に向かう光束1と該偏向反射面とのなす角度のうち、光束1の反射光が含まれる側の角度が鈍角である。同様に、偏向反射面に向かう光束2と該偏向反射面とのなす角度のうち、光束2の反射光が含まれる側の角度が鈍角である。このように設定することにより、光源への戻り光がなくなり、光源とポリゴンミラーとの間に配置される光学部品を減らすことができ、コストダウンとレイアウトの自由度の向上を図ることができる。また、戻り光がないためAPCによる正確な光量制御が容易になる。
【0146】
複数の偏向反射面において面精度のばらつきがあると、感光体ドラム表面の光スポット位置が副走査方向にずれることがある。この位置ずれを補正(いわゆる「面倒れ補正」)するため、シリンドリカルレンズは、その焦線位置がポリゴンミラーの偏向反射面近傍になるように調整されている。
【0147】
感光体ドラム表面での副走査方向に関するビームスポット径を同じにするため、集光角を変化させないで、走査レンズをポリゴンミラーと感光体ドラム表面の中点(図34参照)よりポリゴンミラー側に配置した場合(図35(A)参照)と、該中点より感光体ドラム側に配置した場合(図35(B)参照)について検討した。図35(A)と図35(B)を比較すると明らかなように、図35(A)のほうが、図35(B)よりも開口板の開口部を大きくすることができる。
【0148】
光走査装置2010Aでは、光源から射出された光束を2分割しているため、開口板の開口部を大きくし、感光体ドラムに向かう光束の光量を多くするのが好ましい。そこで、光走査装置2010Aでは、走査レンズを上記中点よりもポリゴンミラー側に配置している。
【0149】
ポリゴンミラーを中心に対向して配置された2つの被走査面を光走査する場合に、ポリゴンミラーの回転多面鏡が4面鏡のとき、該ポリゴンミラーに入射する光束の平均入射角が略22.5°になるように設定すると、図36(A)に示されるように、光源への戻り光が生じる。
【0150】
ここでは、光源への戻り光をなくすため、偏向反射面に向かう光束と該偏向反射面とのなす角度のうち、該光束の反射光が含まれる側の角度を鈍角としている。そこで、図36(B)に示されるように、偏向反射面に対する光束の平均入射角を大きくすることが有効であり、平均入射角を45°とすることが考えられる。しかしながら、図36(B)の状態では同じタイミングで2つの被走査面を光走査してしまい、同じ光源で異なる被走査面を独立して光走査することができない。
【0151】
そこで、図36(C)に示されるように、ポリゴンミラーの回転多面鏡を6面鏡にすれば、戻り光をなくすための条件を満たしながら、1つの光源で2つの被走査面を独立して光走査することができる。
【0152】
このとき、1つの光源からの光束で異なる被走査面を独立して光走査するためには、1つの面で1ラインを走査できる偏向角は120°である。その間に2色分の走査線を描く必要があるため、画角を60°未満とする必要がある。
【0153】
ポリゴンミラーの回転多面鏡が6面鏡以外の場合には、光源への戻り光が発生してしまう場合や、画角を大きくとれず、同じ走査幅を走査しようとすると偏向反射面から感光体ドラム表面までの光路長が長くなってしまい、装置全体の大型化を招いてしまう場合がある。
【0154】
光走査装置2010Aにおける数値例を説明する。
【0155】
各光源から射出される光束の波長は655nm、各カップリングレンズの焦点距離は27mmである。各ポリゴンミラーにおける6面鏡の内接円半径は13mmである。偏向反射面の長手方向の長さは15mmである。各シリンドリカルレンズの焦点距離は47mmである。
【0156】
また、各光路長及び各レンズの中心肉厚の例が図37〜図39に示されている。
【0157】
なお、一例として図40に示されるように、上記ビームスプリッタ2203Aに代えて、プレート型分割素子2203A’を用いても良い。この場合、高い分割効率を得るため、プレート型分割素子2203A’への光束の入射角は50°〜60°としている。なお、上記ビームスプリッタ2203Bに代えて、プレート型分割素子2203A’と同様なプレート型分割素子を用いても良い。
【0158】
また、上記実施形態では、偏向反射面に光束が回転軸に直交する面に平行に入射(水平入射)される場合について説明したが、これに限定されるものではない。偏向反射面に光束が回転軸に直交する面に傾斜した方向から入射(斜入射)されても良い。この場合は、走査レンズの数を減らすことができ、更に小型化、低コスト化を図ることができる。
【0159】
また、上記実施形態では、トナー像が感光体ドラムから転写ベルトを介して記録紙に転写される画像形成装置の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、記録紙に直接転写される画像形成装置であっても良い。
【0160】
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で転写対象物としての印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
【0161】
また、像担持体としてビームスポットの熱エネルギにより発色する発色媒体(ポジの印画紙)を用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により可視画像を直接、像担持体に形成することができる。
【0162】
また、上記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタの場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。
【符号の説明】
【0163】
2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2010A…光走査装置、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2104A,2104B…ポリゴンミラー(光偏向器)、2105a〜2105d…走査レンズ(走査光学系の一部)、2105A,2105B…走査レンズ(走査光学系の一部)、2106a〜2106d…折り返しミラー(走査光学系の一部)、2107a〜2107d…折り返しミラー(走査光学系の一部)、2108a〜2108d…折り返しミラー(走査光学系の一部)、2200a〜2200d…光源、2203A,2203B…ビームスプリッタ(光束分割素子)、2205a〜2205d…シリンドリカルレンズ(偏向器前光学系の一部)、2209a〜2209d…同期検知センサ、2300…光学ハウジング。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0164】
【特許文献1】特許第4428920号公報
【特許文献2】特開2007−025165号公報
【特許文献3】特開2008−257169号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被走査面を光束によって主走査方向に沿って走査する光走査装置であって、
光源と、
各鏡面が反射面となる回転多面鏡を有し、前記光源からの光束を偏向する光偏向器と、
前記光偏向器で偏向された光束を、前記被走査面に導光する走査光学系とを有し、
前記光偏向器では、前記反射面に向かう光束と該反射面とのなす角度のうち、反射光が含まれる側の角度が常に鈍角であることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記光源からの光束が前記光偏向器の2つの反射面に入射するタイミングで、前記光源から射出される光束の光量調整が行われることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記光源は複数の光束を射出し、
前記被走査面を走査する度に、すべての光束の光量調整が行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
【請求項4】
前記光偏向器に2つの光束が入射され、該2つの光束は、互いに異なる反射面に入射し、一方の光束は前記光偏向器に対して一側に偏向され、他方の光束は前記光偏向器に対して他側に偏向されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記光偏向器に入射する光束の進行方向は、回転軸方向からみたとき、前記主走査方向に平行であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光走査装置。
【請求項6】
前記光源と前記光偏向器との間に配置され、前記光源からの光束を2分割し、各光束を前記光偏向器の互いに異なる反射面に導光する偏向器前光学系を備え、
前記偏向器前光学系からの一方の光束は、前記光偏向器に対して一側に偏向され、前記偏向器前光学系からの他方の光束は、前記光偏向器に対して前記他側に偏向されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光走査装置。
【請求項7】
前記偏向器前光学系は、前記光源からの光束を2分割する光束分割素子を含み、
前記一方の光束と前記他方の光束は、前記光束分割素子から前記光偏向器までの光路が異なるとともに、前記光束分割素子から前記光偏向器までの光路上に配置されているミラーの枚数が異なることを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
【請求項8】
前記偏向器前光学系は、前記光源からの光束を2分割する光束分割素子を含み、
前記一方の光束と前記他方の光束は、前記光束分割素子から前記光偏向器までの光路長が異なることを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
【請求項9】
前記偏向器前光学系からの一方の光束は、前記光偏向器に対して一側に偏向され、前記走査光学系によって前記光偏向器に対して他側に折り返されて対応する被走査面に導光されることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の光走査装置。
【請求項10】
複数の像担持体と、
前記複数の像担持体を、それぞれ対応する画像情報に応じて変調された光束により走査する請求項1〜9のいずれか一項に記載の光走査装置と、を備える画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2013−20031(P2013−20031A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152442(P2011−152442)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】