説明

入力システム、携帯端末、入出力装置、入力システム制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および、入力システムの制御方法

【課題】操作性を損なうことなしに、操作面上の1つの操作位置に対して複数の処理を割り当てる。
【解決手段】本発明に係る入力システムは、操作面上にて操作された操作位置を検出する位置入力部21を備える入力装置と、処理を実行するクリック処理実行部14とを含む携帯電話機100において、携帯電話機100の運動を検出する加速度検出部30と、位置入力部21が操作位置を検出すると、加速度検出部30が検出した上記運動に関する運動情報を取得する動作判定部13とを備え、クリック処理実行部14は、操作位置と、運動情報とに応じた処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力に応じて処理を実行する入力システム、携帯端末、入出力装置、入力システム制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および、入力システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネル技術を用いて、キーデバイスなどよりも、直感的な操作が可能なユーザインタフェースを実現することが提案されている(例えば、特許文献1)。タッチパネル技術は、接触式・光学式などによるセンサを備えるタッチパネルを用いて、ユーザやタッチペン(スタイラス)等によって接触または近接されたタッチパネル上の場所を検知して、検知した場所に応じて所定の処理を行うものである。
【0003】
タッチパネルは、いわゆるポインティングデバイスの一つであるが、ポインティングデバイスとしては、他にもマウスなどがあり、デスクトップPCにおいて一般的に用いられている。また、典型的なマウスは、左クリックと、右クリックという操作が可能なボタンを備える。そして、通常、この左クリック操作と、右クリック操作とで別々の機能が割り当てられている。さらに付言すれば、3つ以上のボタンを備え、左クリック用ボタンおよび右クリック用ボタン以外のボタンそれぞれに、ショートカット機能等が割り当てられているマウスも開発されている。
【0004】
これに対し、タッチパネルにおいては、1つの場所が触れられた場合、これに応じて所定の機能を割り当てることができても、割り当てることのできる機能は、基本的には1つである。
【0005】
そこで、タッチパネルにおいて、マウスでの左クリック操作および右クリック操作のような機能の割り当てを実現し、操作性を向上させる方法が検討されてきた。
【0006】
まず、タッチパネルにおいて1つの場所が触れられた場合に、複数の機能を使い分ける方法として、携帯端末において、上記マウスのような機能の割り当てを行うためのスイッチをタッチパネルの外部に設ける方法が考えられる。すなわち、スイッチが押されたか否かによって処理を使いわけるというものである。
【0007】
また、タッチパネルにおいて、2つの場所が触れられたことを検知し、この検知した内容に基づいてマウスと同じような操作を可能とする技術も提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−77913号公報(1992年3月12日公開)
【特許文献2】特開2003−280816公報(2003年10月2日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、スイッチを設ける方法では、次のような問題を生じる。まず、スイッチを新たに携帯端末上に設けるための場所が必要になるため、携帯端末の小型化を妨げる。そして、タッチパネルの外部にスイッチを設けることから、タッチパネルを操作する指と、スイッチを押下する指とが別々になり、操作性が損なわれるおそれがある。
【0010】
また、2つの場所が触れられたことを検知する方法では、2つの場所をユーザが触れる必要があり、2本の指で操作することを強いられる。特に、携帯端末のように片手で操作する端末においては、操作性が損なわれる。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作性を損なうことなしに、操作面上の1つの操作位置に対して該位置に対応する複数の処理を割り当てることができる入力システム、携帯端末、入出力装置、入力システム制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および、入力システムの制御方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る入力システムは、上記課題を解決するために、操作面上にて操作された操作位置を検出する位置検出部を備える入力装置と、処理を実行する処理装置とを含む入力システムにおいて、上記入力装置は、該入力装置の運動を検出する運動検出部と、上記位置検出部が上記操作位置を検出すると、上記運動検出部が検出した上記運動に関する運動情報を取得する運動情報取得手段とを備え、上記処理装置は、上記位置検出部が検出した上記操作位置と、上記運動情報取得手段が取得した上記運動情報とに応じた処理を実行することを特徴としている。
【0013】
本発明に係る入力システムの制御方法は、上記課題を解決するために、操作面上にて操作された操作位置を検出する位置検出部を備える入力装置と、処理を実行する処理装置とを含む入力システムの制御方法において、上記入力装置は、上記位置検出部が上記操作位置を検出すると、上記入力装置の運動を検出する運動検出部が検出した上記運動に関する運動情報を取得し、上記処理装置は、上記位置検出部が検出した上記操作位置と、取得した上記運動情報とに応じた処理を実行することを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、まず、入力装置の本体上に設けられた位置検出部が、操作面上にて操作された操作位置を検出する。入力装置の位置検出部としては、例えば、タッチパネル等を用いることができる。
【0015】
入力装置では、運動検出部が、入力装置の運動を検出する。
【0016】
そして、運動情報取得手段は、位置検出部が操作位置を検出すると、運動検出部が検出した運動に関する情報を取得する。
【0017】
また、処理装置では、処理実行手段が、位置検出部が検出した操作位置と、運動情報取得手段が取得した運動とに応じた処理を実行する。
【0018】
このため、処理実行手段は、ある操作位置が位置検出部によって検出されている場合に、運動情報取得手段が取得した運動に応じて実行する処理を変更することができる。
【0019】
この結果、タッチペンなどの指示部材、ユーザの指等を操作面上に移動させた位置を検出して、検出した位置に対応する処理を、本体の動きに基づいて複数個割り当てることができる。
【0020】
従って、複数の指示部材等をそれぞれ移動させた複数の位置に対応して、処理を複数個割り当てていた従来技術に対し、指示部材、指等を複数の位置へ同時に移動させる必要が無いので、操作性を損なうことを防止できる。
【0021】
本発明に係る入力システムでは、上記運動検出部は、加速度センサであることが好ましい。
【0022】
上記構成によれば、加速度を検出することができるので、入力装置の加速度の大きさおよびその向きを計測して、入力装置が振られたり、傾いたり、移動したりするといった運動を検出できる。
【0023】
本発明に係る入力システムでは、上記運動検出部が有する上記加速度センサは、2方向の加速度を検出するものであり、上記処理装置は、上記加速度センサが検出する2方向それぞれの正の向きおよび負の向きの4つの向きに応じて、4種類の処理を実行することが好ましい。
【0024】
上記構成によれば、上記運動検出部が有する上記加速度センサが、2方向の加速度を検出するので、それぞれの方向について、正の向きおよび負の向きを検出する。
【0025】
よって、この4つの向きに、それぞれ処理を割り当てておけば、処理装置は、4種類の処理を、向きに応じて実行することができる。これにより、処理毎にスイッチ等を必要としていた従来技術に比べて、3種類以上の処理を容易に割り当てることができるという効果を奏する。
【0026】
本発明に係る入力システムでは、上記処理装置は、上記運動検出部が検出する上記運動の大きさが所定の大きさ以下であれば、上記運動はないものとして処理を実行することが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、運動検出部が、入力装置の運動を検出していてもその運動の大きさが所定以下である場合、上記処理装置は、その運動はないものと判断する。つまり、この場合、上記処理装置は、運動がなかった場合の処理を実行することになる。
【0028】
これは、自装置の運動の大きさが所定の大きさ以下である場合、その運動は、偶発的なものである可能性が高いためである。
【0029】
このように、処理装置が、偶発的な運動に反応しないように構成すれば、誤操作を防ぐことができるという効果を奏する。
【0030】
本発明に係る入力システムでは、上記処理装置は、上記運動情報取得手段が、上記運動に関する情報を取得した後において、上記位置検出部が、上記操作位置を検出している場合にのみ、処理を実行することが好ましい。
【0031】
上記構成によれば、処理装置は、位置検出部が操作位置を検出し続けている場合にのみ処理を実行することになる。
【0032】
ところで、位置検出部が操作位置を検出してから、運動検出部が、運動を検出するまでに時間差がある場合がある。このような場合、運動検出部が、運動を検出するまでに、位置検出部が操作位置を検出しない状態、すなわち、ユーザが操作面上をタッチしなくなった状態になることも考えられる。
【0033】
この場合は、自装置が、ユーザの意図しない運動をした可能性が高い。よって、上記のように構成することで、誤操作を防ぐことができるという効果を奏することができる。
【0034】
本発明を、上記入力システムを備える携帯端末であって、上記処理装置は、携帯端末が有する処理機能を実行する携帯端末として構成することもできる。
【0035】
携帯端末が、本発明に係る入力システムを入力部として備えることで、入力装置の運動、すなわち、携帯端末の運動と、操作面上の操作位置とに基づいて複数の処理を使い分けることができ、携帯端末の操作性を向上させることができるという効果を奏する。
【0036】
本発明を、上記入力システムを備える入出力装置であって、上記入力装置の上記操作面と、上記表示画面とが一体に形成されており、上記操作面の座標と、上記表示画面の座標とは対応付けられている入出力装置として構成することもできる。
ことが好ましい。
【0037】
入出力装置は、表示部と、本発明に係る入力システムとを備える。そして、表示部が有する表示画面と、入力装置の操作面とは、一体に形成されており、両者は、いわゆるタッチスクリーンを構成している。また、表示画面の座標と、操作面の座標とは対応付けられている。この構成によれば、タッチスクリーンの直感的な操作性に加え、入出力装置の運動と、操作面上の操作位置とに基づいた複数の処理を使い分けることができ、さらなる操作性の向上が見込める。
【0038】
なお、上記入力システムは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより入力システムをコンピュータにて実現させる入力システム制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る入力システムは、入力装置が、該入力装置の運動を検出する運動検出部と、位置検出部が操作位置を検出すると、上記運動検出部が検出した上記運動に関する運動情報を取得する運動情報取得手段とを備え、処理装置が、上記位置検出部が検出した上記操作位置と、上記運動情報取得手段が取得した上記運動情報とに応じた処理を実行する構成である。
【0040】
本発明に係る入力システムの制御方法は、入力装置が、位置検出部が操作位置を検出すると、上記入力装置の運動を検出する運動検出部が検出した上記運動に関する運動情報を取得し、処理装置が、上記位置検出部が検出した上記操作位置と、取得した上記運動情報とに応じた処理を実行する制御方法である。
【0041】
その結果、タッチペンなどの指示部材、ユーザの指等を操作面上に移動させた位置を検出して、検出した位置に対応する処理を、本体の動きに基づいて複数個割り当てることができる。
【0042】
従って、複数の指示部材等をそれぞれ移動させた複数の位置に対応して、処理を複数個割り当てていた従来技術に対し、指示部材、指等を複数の位置へ同時に移動させる必要が無いので、操作性を損なうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話機の機能の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図2】上記携帯電話機の概略的な装置構成を示す模式図である。
【図3】上記携帯電話機の処理の流れについて示したフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施形態に係る携帯電話機の要部構成を示すブロック図である。
【図5】変位計測部が計測する変位について示した図である。
【図6】上記携帯電話機の処理の流れについて示したフローチャートである。
【図7】動作判定部における動作判定の処理の流れについて示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
(はじめに)
近年、例えば、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)をはじめとする携帯端末の高機能化が進んでいる。現在では、デスクトップ型のPC(Personal Computer)と同等の機能をもった携帯端末も開発されている。
【0045】
その一方で、携帯端末のユーザインタフェースは、携帯して持ち運ぶという都合上、PCのものに比べて小型化せざるを得ず、PCのものと比べれば未だに使い勝手の面で劣る傾向がある。
【0046】
このため、携帯端末において、より使い勝手がよいユーザインタフェースの登場が望まれている。そして、携帯端末のユーザインタフェースとしては、数字キーや、十字キーなどの、キーデバイスを用いるものが一般的であったが、より直感的な操作性を得るため、タッチパネル技術を用いたユーザインタフェースを搭載した携帯端末も近年では開発されている。
【0047】
このような状況をふまえ、以下の実施形態においては、本発明に係る入力システムを携帯電話機に組み込むことにより、携帯電話機の操作性をいっそう向上させる例について説明する。
【0048】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図3に基づいて説明すると以下の通りである。
【0049】
(携帯電話機の装置構成)
本実施形態では、本発明に係る入力システムが、携帯電話機に組み込まれることによって、デスクトップPCにて一般的に用いられているマウスの左クリック、右クリックのような操作を、携帯電話機において実現する場合について説明する。まず、図2を参照して、本実施の形態に係る携帯電話機(入力システム、携帯端末、入出力装置)100の概略的な装置構成について説明する。図2は、携帯電話機100の概略的な装置構成を示す模式図である。
【0050】
携帯電話機100は、制御部10と、記憶部50と、タッチスクリーン部20と、加速度検出部30と、メイン基板41と、筐体42とを備える構成である。
【0051】
制御部10は、携帯電話機100の各種機能を統括的に制御するものである。制御部10の機能は、例えば、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶素子としての記憶部50に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)などの処理装置が実行することによって実現される。なお、制御部10の詳細については後述する。
【0052】
記憶部50は、各種データおよびプログラムを記憶するものである。記憶部50の例としては、制御部10が動作するときに必要なプログラムや、携帯電話機100の通信制御データなどの固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROM(Read Only Memory)と、通信に関するデータ、演算に使用するデータ、および演算結果などを一時的に記憶する、いわゆるワーキングメモリとしてのRAMと、各種の設定データなどを記憶する書換え可能な不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)とが挙げられる。なお、記憶部50の詳細については後述する。
【0053】
タッチスクリーン部20は、携帯電話機100における入力操作および画面表示といったユーザインタフェースを提供するものであり、位置入力部21と、表示部22とから構成されている。
【0054】
位置入力部21は、操作面へのタッチ位置を検出し、検出した位置に応じた入力位置情報を生成するものである。位置入力部21は、いわゆるタッチパネルであり、ユーザのタッチ操作を検出して、入力位置情報を生成する。なお、タッチ位置とは、タッチペンなどの指示部材、ユーザの指等を操作面上に移動させた場合に、位置入力部21が検出する位置のことである。また、タッチ操作とは、タッチペンなどの指示部材、ユーザの指等を操作面上に移動させる操作のことである。タッチ操作には、指示部材、指等が操作面上に実際に接触している操作と、指示部材等を操作面上に近接させている操作との両方が含まれる。
【0055】
また、位置入力部21は、表示部22の表示画面における表示を妨げないよう、表示画面に対応する部分が光を透過する部材でできている。
【0056】
位置入力部21が、タッチ位置を検出する手法としては、例えば、マトリクス・スイッチ、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式、および、対象物の画像を検出する方式(光センサ方式)などが挙げられる。しかしながら、これに限られず、タッチ位置を検出する手法には、種々の手法を適宜適用することができる。
【0057】
また、位置入力部21は、単一のタッチ位置のみを検出するように構成されていてもよいし、複数のタッチ位置を同時に検出可能に構成されていてもよい。また、位置入力部21が生成する入力位置情報は、例えば、操作面上のタッチ位置を示す2次元の座標データを含んでいてよい。
【0058】
表示部22は、画像データを表示するための表示画面を有しており、制御部10から画像データを受信し、受信した画像データに基づいてその表示画面に画像を表示するものである。表示部22は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示素子と、受信した画像データに基づいて表示素子を駆動するドライバ回路とから構成される表示装置である。
【0059】
本実施の形態においては、位置入力部21は、表示部22の表示画面の上に、重ね合わせられた一体構造になっている。そして、表示画面の座標と、操作面の座標とが対応するように構成されている。この両座標の対応付けは、記憶部50に記憶されていてもよい。これによって、ユーザが、表示部22の表示画面に表示された画面を確認しながら、操作面に対して入力操作を行えるようになっている。表示部22に表示される画面について、具体的に、例示すれば、表示部22は、アイコンなどのGUI(Graphical User Interface)画面を表示画面に表示する。そして、位置入力部21の操作面がユーザの指(または、タッチペン)によりタッチされることにより、タッチされたアイコンや画像に対応する座標情報が位置入力部21によって生成される。
【0060】
しかしながらこれに限られず、表示画面と操作面とが共用されるものであれば、任意の構造のものが利用できる。
【0061】
加速度検出部30は、加速度センサによって携帯電話機100に作用する所定方向の加速度を検出するものである。また、加速度検出部30は、電源供給の電源供給のON/OFFにより、動作/停止を切り替えられるようになっていてもよい。加速度検出部30は、携帯電話機100が、何れかの方向、例えば、表示画面に対して水平な方向や、垂直な方向に加速していることを検出して、加速度の方向と、加速度の大きさとを示す加速度情報を動作情報として生成する。この動作情報は、携帯電話機100の動き、運動、物理的な動作を判定するための情報として使用することができる。
【0062】
なお、加速度検出部30は、1軸、2軸、3軸の何れのタイプの加速度センサであってもよい。また、加速度検出部30は、携帯電話機100の加速度を検知しなかった場合、加速度情報を生成しなくてもよい。
【0063】
メイン基板41は、制御部10と、記憶部50と、タッチスクリーン部20と、加速度検出部30とを相互に電気的に接続する回路を構成するものである。
【0064】
筐体42は、メイン基板41を収納し、タッチスクリーン部20をはめ込むためのものであり、携帯電話機100の本体ケースのことである。
【0065】
(携帯電話機の機能構成)
次に、図1を参照して、本実施の形態に係る携帯電話機100の機能の要部構成について説明する。図1は、携帯電話機100の機能の要部構成を示す機能ブロック図である。なお、同図において、図2と同一のものには、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0066】
図1に示すように、記憶部50は、より詳細には、入力位置情報記憶部51と、動作基準値記憶部52と、表示座標情報記憶部53とを備える。
【0067】
入力位置情報記憶部51は、位置入力部21が生成した入力位置情報を記憶するものである。
【0068】
動作基準値記憶部52は、携帯電話機100が物理的に動作したと動作判定部(運動情報取得手段)13が判定するため基準を示す動作基準値を記憶するものである。本実施形態では、携帯電話機100の動きの大きさの基準となる値を動作基準値として記憶している。
【0069】
表示座標情報記憶部53は、表示制御部11が、表示部22が有する表示画面に表示させる画像データに含まれるアイコンの座標を示す表示座標情報を記憶するものである。表示座標情報は、画像データ上の特定の位置を示す2次元座標データを含んでいてよい。
【0070】
また、制御部10は、より詳細には、表示制御部11と、入力位置情報取得部12と、動作判定部13と、クリック処理実行部(処理装置)14と、アイコン特定部15とを備える。
【0071】
表示制御部11は、表示部22に表示させるための画像データを生成し、生成した画像を表示部22に表示させるものである。画像データには、入力操作によって、選択したり、処理を実行したりするためのアイコンが含まれる。
【0072】
表示制御部11は、この画像データにアイコンが含まれている場合、これらアイコンの画像データにおける座標を示す表示座標情報を、表示座標情報記憶部53に記憶する。
【0073】
なお、アイコンとは、アプリケーションプログラムや、ファイルに格納されているデータ等を示す図柄、記号等のことである。アイコンの図柄、記号等は、一般的に、表示画面上、一定の領域を占めるものである。このため、表示座標情報は、アイコンが表示画面上占める領域のうち、代表的な座標を示すものであってよい。例えば、矩形の表示領域を有するアイコンであれば、表示領域の右上の座標を、代表的な座標とすることができる。また、この代表的な座標を基点として一定の領域を表示座標情報に含めてもよい。
【0074】
ユーザは、アイコンを選択し、選択したアイコンに割り当てられているアプリケーションプログラムの処理を携帯電話機100において実行したり、ファイルの内容を閲覧したりすることができる。
【0075】
また、画像データに複数のアイコンが含まれる場合は、表示座標情報は、アイコンの識別情報と、その2次元座標データとの組から構成されていてもよい。
【0076】
入力位置情報取得部12は、位置入力部(位置検出部、入力装置)21から入力位置情報を取得して、取得した入力位置情報に基づく処理を行うものである。
【0077】
入力位置情報取得部12は、ある時点において、位置入力部21から入力位置情報を取得できなかった場合、その時点には、操作面上のタッチ位置が検出されていないと判定する。すなわち、この場合、タッチ操作が行われていないと判定する。また、入力位置情報取得部12は、取得した入力位置情報を入力位置情報記憶部51に記録する。
【0078】
動作判定部13は、加速度検出部(運動検出部)30から取得した動作情報に基づいて、電話機100の動きを判定するものである。
【0079】
より具体的には、動作判定部13は、次のようにして携帯電話機100の物理的動作を判定する。まず、動作判定部13は、動作情報に含まれる加速度情報に基づいて、携帯電話機100の動きの大きさを示す値を算出する。この動きの大きさを示す値の算出には、公知の手法を用いることができる。
【0080】
そして、動作判定部13は、動作基準値を、動作基準値記憶部52から読み出して、算出した動きの大きさを示す値と、動作基準値とを比較する。ここで、動作判定部13は、算出した動きの大きさを示す値が、動作基準値以上である場合、“携帯電話機100が物理的に動作した”と判定する。一方、動作判定部13は、算出した動きの大きさを示す値が、動作基準値よりも小さい場合、“携帯電話機100が物理的に動作していない”と判定する。
【0081】
クリック処理実行部14は、動作判定部13から動作の判定結果を取得し、取得した判定結果に応じた処理を実行するものである。
【0082】
クリック処理実行部14は、動作判定部13の判定結果が、“携帯電話機100が物理的に動作していない”と言うものである場合、この判定結果に対応する処理を実行する。以後、この対応する処理を、説明の便宜上、一般的なマウスの左ボタンに割り当てられている処理に準じて、「左クリック処理」と称する。
【0083】
一方、クリック処理実行部14は、その判定結果が、“携帯電話機100が物理的に動作した”というものである場合、この判定結果に対応する処理を実行する。以後、この対応する処理を、説明の便宜上、先ほどと同様、一般的なマウスの右ボタンに割り当てられている処理に準じて、「右クリック処理」と称する。
【0084】
「左クリック処理」には、アイコンに割り当てられている機能を呼び出す処理が割り当てられる。また、「右クリック処理」には、アイコンに関連付けられている操作をメニュー形式で表示する処理が割り当てられる。アイコンに関連付けられている操作としては、例えば、コピー、切り取り、貼り付けといった編集操作等が挙げられる。また、メニュー形式は、その操作を示す「キーワード」や、「アイコン」、または、それらの組み合わせから構成される選択項目を並べて表示する形式のことである。また、メニュー形式で表示された選択項目は、入力操作によって選択し、その選択項目に対応する操作を実行することができる。
【0085】
なお、クリック処理実行部14は、いずれのアイコンが処理の対象となっているかを、アイコン特定部15を介して特定する。また、これに限られず、“携帯電話機100が物理的に動作していない”場合に対応する左クリック処理、および、“携帯電話機100が物理的に動作した”場合に対応する右クリック処理として、任意の処理を割り当てることができる。
【0086】
また、右クリック処理と、それに割り当てる処理とを対応付けて記憶部50に記憶しておいてもよい。そして、この対応関係を書き換えることで、右クリック処理に割り当てる処理を変更可能に構成されていてもよい。左クリック処理についても同様である。
【0087】
アイコン特定部15は、タッチ操作が行われた場所に、どのようなアイコンが表示されているかを特定するものである。換言すれば、アイコン特定部15は、どのアイコンが、タッチ操作されたかを特定するためのものである。
【0088】
具体的には、アイコン特定部15は、次のようにしてタッチ操作されたアイコンを特定する。
【0089】
まず、アイコン特定部15は、入力位置情報取得部12から入力位置情報を取得するとともに、アイコン特定部15は、表示座標情報記憶部53から表示座標情報を読み出す。そして、取得した入力位置情報が示す座標に対応する位置にアイコンが表示されているか否かを判定する。すなわち、アイコン特定部15は、取得した入力位置情報が示す位置と、読み出した表示座標情報が示す位置とが一致するかを判定する。
【0090】
アイコン特定部15は、これらの位置が一致していると判定した場合、さらにいずれのアイコンと一致したかを特定する。この特定は、表示座標情報に含まれるアイコンの識別情報によって行われてよい。アイコン特定部15は、タッチ操作されているアイコンを特定したら、動作判定部13にその旨を通知する。
【0091】
このように、本実施形態では、携帯電話機100が、本発明に係る入力システムを備えている。本発明に係る入力システムは、入力装置および処理装置を備える構成であるが、本実施形態では、入力装置および処理装置を、一体として構成している。
【0092】
具体的には、本実施形態において、入力装置および処理装置は、制御部10と、記憶部50とを共有する構成となっている。より詳細には、入力装置は、位置入力部21と、加速度検出部30と、入力位置情報取得部12と、動作判定部13と、アイコン特定部15と、入力位置情報記憶部51と、動作基準値記憶部52と、を含む構成である。また、処理装置は、クリック処理実行部14と、表示座標情報記憶部53と、を含む構成である。
【0093】
これに限られず、入力装置および処理装置は、適宜設計変更が可能である。入力装置および処理装置それぞれは、固有の制御部10および記憶部50を備えていてもよい。また、入力装置は、処理装置の周辺機器として構成されていてもよい。また、入力装置と、処理装置との間の接続形態は、有線・無線を問わない。
【0094】
(携帯電話機の処理の流れ)
次に、図3を参照しながら、携帯電話機100の処理の流れについて説明する。図3は、携帯電話機100の処理の流れについて示したフローチャートである。
【0095】
前提として、表示制御部11が、表示部22に複数のアイコンを表示させており、表示座標情報記憶部53には、表示されている複数のアイコンの表示座標情報が記憶されているものとする。
【0096】
まず、入力位置情報取得部12は、ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っているか否かを判定する(S101)。この判定は、入力位置情報取得部12が、位置入力部21から入力位置情報が取得できたか否かを判定することで行われる。入力位置情報取得部12は、位置入力部21から入力位置情報が取得できた場合、“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っている”と判定する。一方、入力位置情報取得部12は、位置入力部21から入力位置情報が取得できなかった場合、“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っていない”と判定する。以下において同様である。
【0097】
入力位置情報取得部12は、“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っていない”と判定した場合(S101においてNO)、ユーザのタッチ操作を待ち受ける(S101に戻る)。すなわち、入力位置情報取得部12は、位置入力部21から入力位置情報を取得できるまで入力位置情報の取得を再試行する。一方、入力位置情報取得部12において、“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っている”と判定された場合(S101においてYES)、アイコン特定部15が、入力位置情報記憶部51から入力位置情報を取得し、取得した入力位置情報から操作面上のタッチ位置の座標を取得する(S102)。
【0098】
続いて、アイコン特定部15は、表示座標情報記憶部53から表示座標情報を読み出す。そして、アイコン特定部15は、入力位置情報が示す操作面上のタッチ位置の座標と、表示座標情報が示すアイコンの座標とが一致しているか否かを判定する(S103)。
【0099】
アイコン特定部15の判定の結果、タッチ位置の座標と、アイコンの座標とが一致していない場合(S103においてNO)は、再びユーザのタッチ操作を待ち受ける(S101に戻る)。一方、アイコン特定部15の判定の結果、タッチ位置の座標と、アイコンの座標とが一致している場合(S103においてYES)は、アイコン特定部15は、表示されている複数のアイコンのうち、何れのアイコンと一致しているのかを特定する(S104)。
【0100】
動作判定部13は、入力位置情報取得部12から入力位置情報を取得した旨の通知を受けると、加速度検出部30への電源供給を「ON」にする(S105)。
【0101】
動作判定部13は、加速度検出部30への電源供給が「ON」になると、携帯電話機100に動きを検出したか否かを判定する(S106)。この判定は、動作判定部13が、加速度検出部30からの動作情報が取得できたか否かによって行われる。動作判定部13が、加速度検出部30からの動作情報が取得できた場合、“動きを検出した”と判定する。動作判定部13が、加速度検出部30からの動作情報が取得できなかった場合、“動きを検出しなかった”と判定する。
【0102】
ここで、まず、S106において、動作判定部13が、“動きを検出しなかった”と判定した場合(S106においてNO)について説明する。この場合、さらに入力位置情報取得部12は、ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っているか否かを判定する(S108)。入力位置情報取得部12において、“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っていない”と判定された場合(S108においてNO)、クリック処理実行部14は、「左クリック処理」を実行する(S110)。その後、制御部10は、加速度検出部30への電源供給を「OFF」にし(S112)、S101の処理に戻る。
【0103】
一方、入力位置情報取得部12において、“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っている”と判定された場合(S108においてYES)、処理は、S106に戻る。
【0104】
S108で、このような処理を行うのは次の理由からである。すなわち、S108で、入力位置情報取得部12において、“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っている”と判定された場合は、処理を開始してから、継続してユーザが操作面をタッチしたままの状態である可能性が高い。
【0105】
つまり、この場合、「右クリック処理」のために、これからユーザが携帯電話機100を動かそうとしていることが想定される。しかしながら、ユーザがタッチ操作を行ってから、携帯電話機100を動かすまでには、ある程度の時間がかかる場合がある。このため、ユーザがタッチ操作を行っている間に、「左クリック処理」を実行してしまうと、ユーザの意図しない操作を実行することになる可能性がある。
【0106】
そこで、動作判定部13は、ユーザがタッチ操作を行っている間は、ユーザが携帯電話機100を動かすのを待ち受けるように構成されている。また、言い換えれば、本実施形態では、ユーザが携帯電話機100に「左クリック処理」を実行させるには、ユーザが意図的にタッチ操作をやめることになるような構成としている。
【0107】
次に、S106において、動作判定部13が、“動きを検出した”と判定した場合(S106においてNO)について説明する。この場合、動作判定部13は、取得した動作情報に含まれる加速度情報に基づいて携帯電話機100の動きの大きさを示す値を算出する。そして、動作判定部13は、算出した動きの大きさを示す値が、動作基準値以上かを判定する(S107)。
【0108】
動作判定部13は、算出した動きの大きさを示す値が、動作基準値以上でない場合(S107においてNO)、“携帯電話機100は物理的に動作していない”と判定する。そして、処理は、S106に戻る。このように、携帯電話機100の動きの大きさを示す値が小さい場合に、再度、S106に戻るのは、その動きが、ユーザの意図しないものであったり、偶発的なものであったりする可能性が高いためである。
【0109】
動作判定部13は、算出した動きの大きさを示す値が、動作基準値以上である場合(S107においてYES)、“携帯電話機100は物理的に動作した”と判定し、この判定に応じてクリック処理実行部14は、入力位置情報取得部12に、ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っているか否かを判定させる(S109)。入力位置情報取得部12が“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っている”と判定した場合(S109においてYES)、クリック処理実行部14は、「右クリック処理」を実行する(S111)する。すなわち、クリック処理実行部14は、S104において特定されたアイコンに関連付けられている操作をメニュー形式で、表示制御部11を介して表示部22に表示させる。
【0110】
その後、制御部10は、加速度検出部30への電源供給を「OFF」にし(S112)、S101の処理に戻る。
【0111】
一方、入力位置情報取得部12が“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っていない”と判定した場合(S109においてNO)、クリック処理実行部14は、「右クリック処理」および「左クリック処理」のいずれの処理も実行しない。そして、制御部10が、加速度検出部30への電源供給を「OFF」にし(S112)、S101の処理に戻る。
【0112】
S109で、S108の場合と異なり、“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っている”と判定した場合、クリック処理実行部14が、「右クリック処理」を実行するのは次の理由からである。すなわち、このような場合には、携帯電話機100に突発的な動きがあり、ユーザが何かの拍子に意図しないタッチ操作を行ってしまった可能性が高いからである。
【0113】
なお、上記のようにS105において、加速度検出部30への電源供給を「ON」にしたり、S112において、加速度検出部30への電源供給を「OFF」にしたりするのは、必要なときのみ加速度検出部30への電源供給を行うためである。これにより、不要な電力消費を抑えている。
【0114】
(作用・効果)
以上のように本実施形態に係る携帯電話機100は、操作面上にて操作された操作位置を検出する位置入力部21を備える入力装置と、処理を実行するクリック処理実行部14とを含む携帯電話機100において、携帯電話機100の運動を検出する加速度検出部30と、位置入力部21が操作位置を検出すると、加速度検出部30が検出した上記運動に関する運動情報を取得する動作判定部13とを備え、クリック処理実行部14は、操作位置と、運動情報とに応じた処理を実行する構成である。
【0115】
この結果、タッチペンなどの指示部材、ユーザの指等を操作面上に移動させた位置を検出して、検出した位置に対応する処理を、本体の動きに基づいて複数個割り当てることができる。
【0116】
従って、複数の指示部材等をそれぞれ移動させた複数の位置に対応して、処理を複数個割り当てていた従来技術に対し、指示部材を複数の位置へ同時に移動させる必要が無いので、操作性を損なうことを防止できる。
【0117】
(変形例)
以下に本実施形態の好ましい変形例について説明する。
(1) 本実施形態では、加速度検出部30により、加速度情報を生成する構成としたが、これには限られない。加速度検出部30に代えて、他の物理量を検出するための動作検出部(不図示)を設ける構成とすることができる。この動作検出部は、例えば、携帯電話機100の角速度を検出してもよく、携帯電話機100の揺れや、傾き、回転の大きさを算出できるように構成されていてもよい。また、これに伴い、動作検出部が検出する物理量に基づいて、動作判定部13が、携帯電話機100の動作を判定すればよい。
(2) S109において、入力位置情報取得部12が取得した入力位置情報と、S101において、入力位置情報取得部12が取得していた入力位置情報とが同一の座標を示すものでなくてもよい。なぜなら、ユーザが携帯電話機100を左右に振って、携帯電話機100を動かすことによって、途中で、ユーザのタッチ位置がずれることも考えられるからである。
(3) 上記フローのS107では、動作判定部13は、算出した動きの大きさを示す値が、動作基準値以上でない場合(S107においてNO)、S108の処理を行うように構成してもよい。つまり、一定以上の動きを検知しなければ、「左クリック」の処理の判定を行ってもよい。
(4) 携帯電話機100において、ビープ音、音声および発光・点滅等による報知を行う報知部(図示せず)を設けて、動作判定部13は、算出した動きの大きさを示す値が、動作基準値以上である場合(S107においてYES)に、ユーザに対してその旨を報知部が報知してもよい。このように構成すれば、ユーザは、“携帯電話機100が物理的に動作した”と携帯電話機100が判定したことを、容易に認識することができる。また、報知部は、「右クリック処理」が実行されたことを報知してもよい。
(5) S107において、算出した動きの大きさを示す値が、所定の閾値以上であれば、はじめの処理に戻るようにしてもよい。なぜならば、想定以上の動きが検知された場合には、その動きは突発的なものである可能性が高いからである。この閾値は、ユーザの通常の行為によって携帯電話機100に引き起こされる動きの範囲内で決定される。
【0118】
〔実施形態2〕
本発明のさらなる実施形態について図4〜図7に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態では、ユーザが携帯電話機(入力システム、携帯端末、入出力装置)200を振ったり、回転させたりする方向によって、複数の処理を使い分ける場合について説明する。
【0119】
(携帯電話機の装置構成)
まず、図4を参照しながら、本実施形態に係る携帯電話機200の要部構成について説明する。図4は、本実施形態に係る携帯電話機200の要部構成を示すブロック図である。図示する携帯電話機200は、図1に示す携帯電話機100と比べて、動作基準値記憶部52に代えて、変位閾値情報記憶部61を、加速度検出部30に代えて、変位計測部62を、動作判定部13に代えて、動作判定部63を、クリック処理実行部14に代えて、ショートカット処理実行部64を備えている。また、アイコン特定部15は、取り除かれている。そして、変位情報記憶部65が設けられている。その他の構成は図1の構成と同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0120】
変位閾値情報記憶部61は、動作判定部63が、携帯電話機100の動作した向きを判定する際に用いる変位閾値情報を記憶するものである。変位閾値情報記憶部61は、具体的には、X軸についての閾値であるX軸閾値と、Y軸についての閾値であるY軸閾値との2つの値からなる変位閾値情報を記憶している。
【0121】
変位情報記憶部65は、変位計測部62が生成した変位情報を記憶するためのものである。
【0122】
変位計測部62は、X軸、Y軸の2軸方向について、携帯電話機200の位置の変位を計測し、計測した変位を示す変位情報を生成するものである。変位計測部62は、具体的には、2軸方向の加速度を検出可能な加速度センサ等を設け、加速度を検出し、当該検出した加速度に基づいて変位を算出することによって実現可能である。変位を算出する機能は、ハードウェア、ソフトウェアのいずれによって実現してもよい。ここで、変位計測部62が計測する変位について、図5を用いて説明する。図5は、変位計測部62が計測する変位について示した図である。
【0123】
図5に示すように、携帯電話機200のタッチスクリーン部20が、図面手前側に向いている。また、携帯電話機200の上端P1から、下端P2に向かう向きが、重力加速度の向きである。携帯電話機200の筐体42の長手方向は、重力加速度の方向と一致している。
【0124】
ここで、タッチスクリーン部20の面に平行な方向であって、重力加速度の方向と垂直な方向をX軸と定義している。また、タッチスクリーン部20の面に垂直な方向であって、重力加速度の方向と垂直な方向をX軸と定義している。
【0125】
つまり、X軸方向は、図面左右の方向であり、Y軸方向は、図面手前側から奥側に向かう方向となる。また、X軸の正の向きは、図面左から右への向きであり、Y軸の正の向きは、図面手前側から奥側に向かう向きである。
【0126】
説明の便宜上、携帯電話機200の下端P2を固定し、上端P1を変位させるものとする。変位させる向きは、矢印a、b、cおよびdの向きである。矢印aは、Y軸の負の向きを指しており、矢印bは、Y軸の正の向きを指しており、矢印cは、X軸の負の向きを指しており、矢印dは、Y軸の負の向きを指している。
【0127】
変位は、上端P1と、下端P2とがどれだけずれているかによって表される。また、説明を簡便にするため、重力加速度方向の変位は計測しない。上端P1と、下端P2とを結んだ直線が、重力加速度の方向と、平行となるとき、(X,Y)=(0,0)とする。そして、つまり、変位は、X座標と、Y座標とからなる座標データとして表される。
【0128】
ここで、X座標が、正の値であれば、携帯電話機200自体が、矢印dの向きに変位したこと示し、負の値であれば、携帯電話機200自体が、矢印cの向きに変位したことを示す。同様に、Y座標が、正の値であれば、携帯電話機200自体が、矢印bの向きに変位したこと示し、負の値であれば、携帯電話機200自体が、矢印aの向きに変位したことを示す。変位計測部62は、このような、携帯電話機200の矢印a〜dの向きへの変位を計測する。
【0129】
また、変位計測部62は、計測した変位から生成した変位情報を変位情報記憶部65に記憶する。また、変位計測部62は、電源供給のON/OFFにより、動作/停止を切り替えられるようになっていてもよい。
【0130】
動作判定部63は、変位計測部62が生成した変位情報に基づいて、携帯電話機200の動作の向きを判定するものである。すなわち、動作判定部63は、ユーザが携帯電話機200を振ったり、回転させたりすることによって、携帯電話機200が、「矢印aの向き」、「矢印bの向き」、「矢印cの向き」、および、「矢印dの向き」のいずれに動作したかを判定する。また、いずれの方向にも動作しなかった場合、すなわち、携帯電話機200に一定以上の変位が無かった場合は、動作判定部63は、「静止状態」と判定する。また、動作判定部63は、動作方向が特定できない場合は、「不明」と判定する。
【0131】
動作判定部63による動作判定は、変位計測部62がある時点で生成した変位情報を基準に、その後、どれだけ携帯電話機200の位置が変位したかを求めることにより行われる。この動作判定の詳細については、後述する“動作判定の処理の流れ”において説明する。
【0132】
ショートカット処理実行部64は、表示画面上でタッチ操作されている対象物について、動作判定部63の動作判定の結果に応じて、動作の向きに割り当てられている所定の処理を実行するものである。ここで、対象物とは、アイコンや、選択されている項目などのことを指す。また、対象物には、画面背景等も含まれる。ショートカット処理実行部64は、動作判定部63の動作判定が、「静止状態」である場合、「通常処理」を実行するように構成されている。「通常処理」とは、例えば、ファイルを開く、フォルダを開く、プログラムを実行する等の処理のことである。
【0133】
各動作の向きには、次のような処理が割り当てられている。すなわち、「矢印aの向き」には、「切り取り」の処理が割り当てられており、「矢印bの向き」には、「貼り付け」の処理が割り当てられている。また、「矢印cの向き」には、「コピー」の処理が割り当てられており、「矢印dの向き」には、「削除」の処理が割り当てられている。これらの割り当てについて、設定情報として記憶部50に記憶しておいてもよい。
【0134】
なお、「通常処理」、「切り取り」、「貼り付け」、「コピー」、および、「削除」の処理を実行する際には、ショートカット処理実行部64は、入力位置情報記憶部51に記憶されている入力位置情報を読み出して、読み出した入力位置情報が示す座標に対応する表示画面の座標に表示されている対象物に対してそれらの処理を実行する。
【0135】
なお、表示画面において、どのような対象物が表示されているかは、表示座標情報記憶部53に記憶されているものとする。例えば、入力位置情報が示す座標に対応する表示画面の座標にファイルのアイコンが表示されている場合、ファイルを対象物として、「通常処理」が実行される。
【0136】
また、ショートカット処理実行部64が、ショートカット処理を実行するのに、アイコンがタッチ操作されていなくてもよい。例えば、ショートカット処理実行部64は、アイコンが表示されていない画面領域であっても、「貼り付け」等の処理を実行することができる。
【0137】
(携帯電話機の処理の流れ)
次に、図6を参照しながら、携帯電話機200の処理の流れについて説明する。図6は、携帯電話機200の処理の流れについて示したフローチャートである。
【0138】
前提として、表示制御部11が、表示部22に複数のアイコンを表示させており、表示座標情報記憶部53には、表示されている複数のアイコンの表示座標情報が記憶されているものとする。
【0139】
まず、入力位置情報取得部12は、ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っているか否かを判定する(S201)。“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っていない”と判定した場合(S201においてNO)、入力位置情報取得部12は、ユーザのタッチ操作を待ち受ける(S201に戻る)。すなわち、入力位置情報取得部12は、位置入力部21から入力位置情報を取得できるまで入力位置情報の取得を再試行する。
【0140】
一方、入力位置情報取得部12は、“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っている”と判定した場合(S201においてYES)、入力位置情報を解析し、操作面上のタッチ位置の座標を取得するとともに、取得した入力位置情報を入力位置情報記憶部51に記憶する(S202)。
【0141】
動作判定部63は、入力位置情報取得部12から入力位置情報を取得した旨の通知を受けると、変位計測部62への電源供給を「ON」にする(S203)。
【0142】
変位計測部62は、電源供給が「ON」になると、携帯電話機200の初期の変位(X,Y)=(X,Y)を計測する。そして、変位計測部62は、計測した変位から基準変位情報(X,Y)を生成する。変位計測部62が生成した基準変位情報(X,Y)は、制御部10によって変位情報記憶部65に記憶される(S204)。
【0143】
その後さらに、変位計測部62は、携帯電話機200の変位(X,Y)=(X,Y)を計測し、計測した変位から計測変位情報(X,Y)を生成する。変位計測部62は、計測変位情報(X,Y)は、制御部10によって変位情報記憶部65に記憶される(S205)。
【0144】
続いて、動作判定部63は、変位情報記憶部65から、基準変位情報(X,Y)および計測変位情報(X,Y)を読み出して、差分値ΔX=X−X、および差分値ΔY=Y−Yを計算する(S206)。
【0145】
そして、動作判定部63は、携帯電話機200が、いずれの向きに動作したかを判定する動作判定を行う(S207)。
【0146】
ここで、ショートカット処理実行部64は、入力位置情報取得部12に、まだユーザが操作面に対してタッチ操作を行っているか否かを判定させる(S208)。
【0147】
入力位置情報取得部12が“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っていない”と判定した場合(S208においてNO)、ショートカット処理実行部64は、「通常処理」を実行する(S209)。このような場合に「通常処理」を実行するのは、前述のとおり、ユーザの意図していない、突発的な揺れ等による誤作動を防ぐためである。その後、制御部10は、変位計測部62への電源供給を「OFF」にして(S211)、はじめの処理に戻る(S201に戻る)。
【0148】
一方、入力位置情報取得部12が“ユーザが操作面に対してタッチ操作を行っている”と判定した場合(S208においてYES)、ショートカット処理実行部64は、ショートカット処理実行部64が、動作判定部63から、動作判定の結果を取得して、判定結果を解析する(S210)。
【0149】
動作判定部63の動作判定の結果が、「矢印aの向き」であった場合、ショートカット処理実行部64は、「矢印aの向き」に割り当てられている「切り取り」の処理を実行する(S211)。
【0150】
動作判定部63の動作判定の結果が、「矢印bの向き」であった場合、ショートカット処理実行部64は、「矢印bの向き」に割り当てられている「貼り付け」の処理を実行する(S212)。
【0151】
動作判定部63の動作判定の結果が、「矢印cの向き」であった場合、ショートカット処理実行部64は、「矢印cの向き」に割り当てられている「コピー」の処理を実行する(S213)。
【0152】
動作判定部63の動作判定の結果が、「矢印dの向き」であった場合、ショートカット処理実行部64は、「矢印dの向き」に割り当てられている「削除」の処理を実行する(S214)。
【0153】
動作判定部63の動作判定の結果が、「静止状態」であった場合には、これからユーザが携帯電話機200を動かそうとしている状況であるかもしれないので、再び携帯電話機200の変位を検出するためS205に戻る。
【0154】
動作判定部63の動作判定の結果が、「不明」であった場合、再び携帯電話機200の変位を検出する必要があるのでS205に戻る。
【0155】
ショートカット処理実行部64が、S212〜215のいずれかの処理を実行した後に、制御部10は、変位計測部62への電源供給を「OFF」にして(S215)、はじめの処理に戻る(S201に戻る)。
【0156】
(動作判定の処理の流れ)
次に、図7を参照しながら、動作判定部63における動作判定の処理の流れについて説明する。図7は、動作判定部63における動作判定の処理の流れについて示したフローチャートである。
【0157】
まず、動作判定部63は、変位閾値情報記憶部61から、変位閾値情報を読み出し、S206で計算したΔXの絶対値が、X軸閾値よりも大きいかを判定する(S301)。
【0158】
ΔXの絶対値が、X軸閾値よりも大きい場合(S301においてYES)、動作判定部63は、S206で計算したΔYの絶対値が、Y軸閾値よりも大きいかを判定する(S302)。
【0159】
ここで、ΔYの絶対値が、Y軸閾値よりも大きい場合(S302においてYES)は、
X軸方向、Y軸方向のいずれの方向にも所定以上の変位があった場合である。この場合、携帯電話機200の動作を特定できないので、動作判定部63は、動作判定の結果として「不明」を返す(S306)。
【0160】
一方、ΔYの絶対値が、Y軸閾値以下である場合(S302においてYES)は、携帯電話機200が、X軸方向に動作したということである。そこで、動作判定部63は、さらに、ΔXの値が正の値か否かを判定する(S303)。ΔXの値が正の値である場合(S303においてYES)、携帯電話機200が矢印dの向きに動作したと判定し、動作判定部63は、動作判定の結果として「矢印dの向き」を返す(S304)。一方、ΔXの値が負の値である場合(S303においてNO)、携帯電話機200が矢印cの向きに動作したと判定し、動作判定部63は、動作判定の結果として「矢印cの向き」を返す(S305)。
【0161】
ΔXの絶対値が、X軸閾値以下の場合(S301においてYES)、動作判定部63は、S206で計算したΔYの絶対値が、Y軸閾値よりも大きいかを判定する(S307)。
【0162】
ここで、ΔYの絶対値が、Y軸閾値よりも大きい場合(S307においてYES)は、携帯電話機200が、Y軸方向に動作したということである。そこで、動作判定部63は、さらに、ΔYの値が正の値か否かを判定する(S308)。ΔYの値が正の値である場合(S308においてYES)、携帯電話機200が矢印bの向きに動作したと判定し、動作判定部63は、動作判定の結果として「矢印bの向き」を返す(S310)。一方、ΔYの値が負の値である場合(S308においてNO)、携帯電話機200が矢印aの向きに動作したと判定し、動作判定部63は、動作判定の結果として「矢印aの向き」を返す(S309)。
【0163】
一方、ΔYの絶対値が、Y軸閾値以下の場合(S307においてNO)は、携帯電話機200は、所定の変位以上の動作をしていないということになるので、動作判定部63は、動作判定の結果として「静止状態」を返す(S311)。
【0164】
(作用・効果)
従来、デスクトップPCのキーボード入力では、特定のキーに機能を割り当てる、いわゆるショートカットキー機能が利用できた。しかし、携帯電話機等でも、特定のボタンに機能を割り当てることはできるが、タッチパネルと連動させる時には、タッチパネルの操作に加え、特定のボタンを操作する必要があり、片手での操作が難しくなっていた。
【0165】
これに対し、本実施形態に係る携帯電話機200は、このようなショートカットキー機能を実現する場合において、特定のボタンを操作する必要がない。
【0166】
このように、本実施形態に係る携帯電話機200は、従来技術に比べて、3種類以上の処理を容易に割り当てることができるという効果を奏する。
【0167】
(その他の変形例)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0168】
また、図3、図6、および、図7のフローチャートを用いて説明した処理の流れについては、必ずしも図示した順番に処理を実行しなければならないわけではなく、これらはあくまで一例として示したものであり、その実行順序は、適宜変更が可能である。
【0169】
最後に、携帯電話機100および200の各ブロック、特に表示制御部11と、入力位置情報取得部12、動作判定部13、クリック処理実行部14、ならびに、アイコン特定部15、および、動作判定部63、ならびに、ショートカット処理実行部64は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0170】
すなわち、携帯電話機100および200は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話機100および200の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話機100および200に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0171】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0172】
また、携帯電話機100および200を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0173】
本発明は、操作性を損なうことなしに、操作面上の1つの位置に対して複数の処理を割り当てることができる。このため、本発明は、PDA(Personal Digital Assistant)をはじめとする携帯端末や、遠隔操作を行う入力システムにおいて、操作性を向上させるべく広く好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0174】
10 制御部
11 表示制御部
12 入力位置情報取得部
13 動作判定部(運動情報取得手段)
14 クリック処理実行部(処理装置)
15 アイコン特定部
20 タッチスクリーン部
21 位置入力部(位置検出部、入力装置)
22 表示部
30 加速度検出部(運動検出部)
50 記憶部
51 入力位置情報記憶部
52 動作基準値記憶部
53 表示座標情報記憶部
61 変位閾値情報記憶部
62 変位計測部
63 動作判定部
64 ショートカット処理実行部
65 変位情報記憶部
100 携帯電話機(入力システム、携帯端末、入出力装置)
200 携帯電話機(入力システム、携帯端末、入出力装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面上にて操作された操作位置を検出する位置検出部を備える入力装置と、処理を実行する処理装置とを含む入力システムにおいて、
上記入力装置は、
該入力装置の運動を検出する運動検出部と、
上記位置検出部が上記操作位置を検出すると、上記運動検出部が検出した上記運動に関する運動情報を取得する運動情報取得手段とを備え、
上記処理装置は、上記位置検出部が検出した上記操作位置と、上記運動情報取得手段が取得した上記運動情報とに応じた処理を実行することを特徴とする入力システム。
【請求項2】
上記運動検出部は、加速度センサであることを特徴とする請求項1に記載の入力システム。
【請求項3】
上記運動検出部が有する上記加速度センサは、2方向の加速度を検出するものであり、
上記処理装置は、上記加速度センサが検出する2方向それぞれの正の向きおよび負の向きの4つの向きに応じて、4種類の処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の入力システム。
【請求項4】
上記処理装置は、上記運動検出部が検出する上記運動の大きさが所定の大きさ以下であれば、上記運動はないものとして処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の入力システム。
【請求項5】
上記処理装置は、上記運動情報取得手段が、上記運動に関する情報を取得した後において、上記位置検出部が、上記操作位置を検出している場合にのみ、処理を実行することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の入力システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の入力システムを備える携帯端末であって、上記処理装置は、携帯端末が有する処理機能を実行することを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
表示画面を有する表示部と、
請求項1から5のいずれか1項に記載の入力システムを備える入出力装置であって、
上記入力装置の上記操作面と、上記表示画面とが一体に形成されており、上記操作面の座標と、上記表示画面の座標とは対応付けられていることを特徴とする入出力装置。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載の入力システムを動作させる入力システム制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための入力システム制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の入力システム制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
操作面上にて操作された操作位置を検出する位置検出部を備える入力装置と、処理を実行する処理装置とを含む入力システムの制御方法において、
上記入力装置は、上記位置検出部が上記操作位置を検出すると、上記入力装置の運動を検出する運動検出部が検出した上記運動に関する運動情報を取得し、
上記処理装置は、上記位置検出部が検出した上記操作位置と、取得した上記運動情報とに応じた処理を実行することを特徴とする入力システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−211323(P2010−211323A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54234(P2009−54234)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】