説明

入場管理システム

【課題】照合用情報を管理するサーバから、全てのリーダ装置への照合用情報の記憶が完了するまでの時間を短縮可能な入場管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】1つのプロセッサを備えるセンタサーバ100は、スレッド毎に異なる入場管理装置に照合用情報を送信する各スレッドTH1〜TH3を切り替えながら実行するものであり、実行状態のスレッドTH1が照合用情報の送信(ステップS20)を完了すると、入場管理装置200Aから指紋リーダ300Aが照合用情報の記憶を完了した旨の完了通知を受信する(ステップS21〜S23)まで、スレッドTH1を待機状態に遷移させる。センタサーバ100は、待機状態に遷移させたスレッドTH1に代えて、スレッドTH2、TH3をスレッドTH1と同様に実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入場管理システムに関し、特に入場者の情報を読み取って予め記憶されている照合用情報と照合するリーダ装置に対するこの照合用情報の送信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルの入口や各部屋等の複数の管理対象領域にそれぞれ設置され、入場しようとする者の情報(例えばICカードの情報や指紋などの生体情報)を読み取り、その者を特定する複数のリーダ装置と、予め対応付けられたリーダ装置が特定した者の入場の許否に係る認証を行う複数の入場管理装置とを含む入場管理システムが知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
このような入場管理システムでは、各リーダ装置に入場しようとする者を特定させるために、入場予定者それぞれの情報(以下、「照合用情報」といい、例えば入場予定者のICカードの情報や指紋などの生体情報である)を、各リーダ装置に予め記憶させておく必要がある。
もし、各リーダ装置に対し照合用情報を記憶させる作業を、入場管理システムの管理者等が個別に行うとすれば、管理者等の作業負担が過大になってしまうことから、照合用情報を管理するサーバを設け、そのサーバから、各リーダ装置に照合用情報を送信し記憶させるような方法が考えられる。
【0004】
具体的には、例えばサーバが、1つの入場管理装置を介して、その入場管理装置に対応付けられたリーダ装置へ照合用情報を送信し、リーダ装置への記憶が完了した後、その旨の通知を受けると、次の入場管理装置を介して次のリーダ装置への照合用情報の送信を開始するといったように、シーケンシャルに照合用情報を送信し記憶させていく方法が考えられる。この方法は、非常にシンプルであり、簡単かつ確実に各リーダ装置に照合用情報を記憶させていくことができる。
【特許文献1】特開2005−107588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、照合用情報のサイズが大きい場合(入場予定者の数が特に多い場合や、照合用情報が各入場予定者の生体情報である場合など)には、1つのリーダ装置が照合用情報の記憶を完了するまでの時間が長くなる。
従って、特に、多くのリーダ装置を含む大規模な入場管理システムにおいてこの方法を用いた場合には、全てのリーダ装置への照合用情報の記憶が完了するまでの時間が過大となってしまうという問題がある。この結果、例えば、新たに入場管理システムを導入した場合には、全ての管理対象領域の入場管理を開始できるまでに時間を要することになる。
【0006】
近年、セキュリティ意識の高まりから、各企業等においても、従来よりも多くの部屋等への入場を管理するようになってきており、入場管理システムが大規模化する傾向にあることから、この問題を解決することが望まれる。
そこで、本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、照合用情報を管理するサーバから、全てのリーダ装置への照合用情報の記憶が完了するまでの時間を短縮可能な入場管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る入場管理システムは、入場者の情報を読み取り、記憶されている照合用情報と照合して入場者を特定する複数のリーダ装置と、各リーダ装置が特定した入場者の認証を行って扉の施解錠を行う複数の管理装置と、各管理装置を介して各リーダ装置に照合用情報を送信するためのサーバとを含む入場管理システムであって、各管理装置は、前記サーバから照合用情報を受信する受信手段と、予め対応付けられている1以上のリーダ装置について、当該リーダ装置に前記受信手段が受信した照合用情報を転送し記憶させ、当該リーダ装置の記憶が完了すると完了通知を前記サーバに送信する転送制御手段とを備え、前記サーバは、スレッド毎に異なる管理装置に照合用情報を送信し当該送信に対応する完了通知に応じた処理を行う複数のスレッドを並行して実行し、実行状態のスレッドが照合用情報を送信した後、当該送信に対応する完了通知を受信するまで、当該スレッドを待ち状態に遷移させるよう制御する実行制御手段を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、複数のスレッドを並行して実行するとは、いわゆるマルチスレッド処理であり、ここでは、1つのプロセッサにより複数のスレッドを切り替えながら実行する、いわゆる擬似並列処理をいう。なお、一般に、マルチスレッド処理は各スレッドが少なくとも実行状態(RUN)、待機状態(WAIT)、実行可能状態(READY)の状態を遷移するような制御を行うものである。
【0009】
また、照合用情報とは、個人を特定する情報をいい、例えば、磁気カードやICカード等の媒体に記録された媒体識別情報や、指紋、声紋、虹彩、静脈等の生体情報をいう。
また、扉とは、予め定められた識別情報により特定される者のみの通行を許可し、それ以外の者の通行を禁止するものをいい、開き戸、引き戸、バー、ゲート等、いずれの形式で実現されたものであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
上述の構成を備える本発明に係る入場管理システムにおいて、サーバは、実行状態のスレッドが、ある管理装置に照合用情報を送信すると、その送信に対応する完了通知を受信するまでそのスレッドを待ち状態に遷移させるので、その管理装置に対応付けられているリーダ装置における照合用情報の記憶の完了を待つことなく、他のスレッドを実行状態に遷移させて他の管理装置への照合用情報の送信を開始できる。
【0011】
従って、ある管理装置と対応付けられているリーダ装置における照合用情報の記憶の完了を待って、次の管理装置に照合用情報を送信する場合と比較し、全てのリーダ装置において照合用情報の記憶が完了するまでの時間を短縮することができる。
また、前記実行制御手段が実行するスレッドの総数は、管理装置の総数より少なく、前記サーバは、各管理装置に対し、互いに異なる1つの番号、及び当該管理装置に対し照合用情報を送信したか否かを示す情報を対応付けた送信状況情報を記憶する送信状況記憶手段を備え、各スレッドは、当該スレッドの実行が開始される際に、前記送信状況情報を参照して照合用情報を送信していない管理装置のうち、最小の番号が対応付けられた管理装置に照合用情報を送信することとしてもよい。
【0012】
これにより、各スレッドは、実行が開始される際に、まだ照合用情報を送信していない最小の管理番号が対応付けられた他の管理装置に照合用情報を送信する。つまり、各スレッドにおける照合用情報の送信対象を予め決めておくものではなく、照合用情報の送信状況に応じて送信対象を決めることができるので、1つのスレッドにおいて、照合用情報の送信開始から、対応するリーダ装置での照合用情報の記憶が完了するまでの時間が比較的長くかかった場合でも、このスレッドの影響を受けて、全てのリーダ装置において照合用情報の記憶が完了するまでの時間が無駄に延長されてしまうことを防止できる。
【0013】
また、前記実行制御手段が実行するスレッドの総数は、管理装置の総数より少なく、前記サーバは、各管理装置に対し、互いに異なる1つの番号を各番号が連続するように対応付けると共に、当該管理装置に対し照合用情報を送信したか否かを示す情報を対応付けた送信状況情報を記憶する送信状況記憶手段を備え、各スレッドは、当該スレッドの実行が開始される際に、前記送信状況情報を参照して照合用情報を送信していない管理装置のうち、対応付けられた番号をスレッドの総数で除算した余り、及び自スレッドに予め設定された値に応じて定まる管理装置に照合用情報を送信することとしてもよい。
【0014】
これにより、各管理装置には、連番が対応付けられており、各スレッドは、まだ照合用情報を送信していない管理装置のうち、対応付けられた番号をスレッドの総数で除算した余りが自スレッドに予め設定された値と一致する管理装置に照合用情報を送信するので、各スレッドにおける照合用情報の送信対象(管理装置)の数を均等化することができる。つまり、1つのスレッドに処理が集中することによって、複数のスレッドを並行実行することの効果が薄れてしまうことを適切に防止できる。
【0015】
また、前記サーバは、各管理装置のうち、稼働中の管理装置を特定するための管理装置情報を記憶する管理装置情報記憶手段を備え、各スレッドは、当該スレッドの実行が開始される際に、前記管理装置情報を参照して、稼動中の管理装置のみに照合用情報を送信することとしてもよい。
これにより、各スレッドは、実行が開始される際に、稼働中の管理装置を特定するための管理装置情報に基づいて、稼働中の管理装置のみに照合用情報を送信する。従って、例えば、電源の入っていない管理装置など通信できない管理装置へ照合用情報を送信してしまう可能性を軽減でき、このような管理装置に照合用情報を送信してしまうことで、有効なリーダ装置において照合用情報の記憶が完了するまでの時間が無駄に延長されてしまうことを防止できる。
【0016】
また、前記サーバは更に管理装置からデータを受信すると、当該管理装置を稼働中の管理装置として前記管理装置情報を更新する更新手段とを備えることとしてもよい。
これにより、サーバは、データを受信すると、送信元の管理装置を稼働中の管理装置として管理装置情報を更新する。従って、入場管理システムの管理者等が予め稼働中の管理装置に関する情報をサーバに記憶させておくことなく、各スレッドは、実行が開始される際に、この管理装置情報に基づいて稼働中の管理装置のみに照合用情報を送信することができる。従って、例えば、電源の入っていない管理装置など通信できない管理装置へ照合用情報を送信してしまう可能性を軽減でき、このような管理装置に照合用情報を送信してしまうことで、有効なリーダ装置において照合用情報の記憶が完了するまでの時間が無駄に延長されてしまうことを防止できる。
【0017】
また、各管理装置は、更に前記サーバから要求信号を受信すると応答信号を送信する応答手段を備え、前記サーバは更に、各管理装置に要求信号を送信し、当該要求信号に対する応答信号を受信する通信手段を備え、前記更新手段は、各管理装置について、当該管理装置に送信した要求信号に対する応答信号を受信すると、当該管理装置を稼働中の管理装置として前記管理装置情報を更新することとしてもよい。
【0018】
これにより、サーバは送信した要求信号に対する応答信号を受信すると、この応答信号の送信元の管理装置を稼働中の管理装置として管理装置情報を更新し、各スレッドは、実行が開始される際に、この管理装置情報に基づいて、稼働中の管理装置のみに照合用情報を送信する。従って、各管理装置がサーバに対し送信するデータがないときでも、サーバが要求信号を送信して各管理装置に応答信号を送信させるので、稼働中の管理装置をより正確に把握することができ、例えば、電源の入っていない管理装置や故障中の管理装置など通信できない管理装置へ照合用情報を送信してしまう可能性を更に軽減でき、このような管理装置に照合用情報を送信してしまうことで、有効なリーダ装置において照合用情報の記憶が完了するまでの時間が無駄に延長されてしまうことを防止できる。
【0019】
また、前記照合用情報は、各入場者についての情報からなり、当該照合用情報には、入場者を識別するための媒体情報と入場者の生体情報との2種類の情報が含まれ、前記サーバは、更に各管理装置について、当該管理装置に対応するリーダ装置が照合に用いる照合用情報の種類を示す情報を記憶する種別記憶手段を備え、各スレッドは、前記種別記憶手段に記憶された情報に基づいて、自スレッドに予め設定された1種類の照合用情報を用いて照合を行うリーダ装置と対応付けられた管理装置に照合用情報を送信することとしてもよい。
【0020】
これにより、入場者を識別するための各媒体情報からなる照合用情報を送信するスレッドと、入場者の各生体情報からなる照合用情報を送信するスレッドとを並行して実行することができる。従って、例えば、照合用情報の種類によらず、各スレッドの処理負荷を均等化するように各スレッドによる照合用情報の送信対象(管理装置)を決定する場合において、その送信順が後半となる管理装置であっても、この管理装置に対応付けられているリーダ装置が各媒体情報からなる照合用情報を用いて照合を行うときには、この管理装置への照合用情報の送信を優先できる場合がある。
【0021】
入場者を識別するための媒体情報と入場者の生体情報とでは、一般的には入場者の生体情報のほうがデータサイズが大きくなることから、同じ数の入場者についての情報であれば、リーダ装置は、入場者を識別するための媒体情報のほうがより短時間で記憶することができる。
短時間で記憶可能な各媒体情報からなる照合用情報を用いて照合を行うリーダ装置と対応付けられている管理装置への照合用情報の送信を優先することで、このリーダ装置使用できるようになる時期を早めることができ、結果として入場者の利便性の向上に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る入場管理システムの一実施形態として、複数の部屋への入場の管理を行う入場管理システムを例に、図面を参照しながら説明する。
≪実施の形態1≫
<概要>
実施の形態1に係る入場管理システムは、入場しようとする者(以下、単に「入場者」という)の指紋を用いて認証を行う従来の入場管理システムにおいて、複数の指紋リーダ全てへの照合用情報(入場者を特定するための情報であり、各入場予定者の指紋データを含む)の記憶が完了するまでの時間を短縮するよう改良したものである。
【0023】
この入場管理システムは、上述の複数の指紋リーダの他、1つのプロセッサを備えるセンタサーバと、複数の入場管理装置とから構成され、センタサーバと各入場管理装置とが接続され、各入場管理装置は、それぞれ異なる1台の指紋リーダと接続されている。
各指紋リーダに照合用情報を記憶させるために、センタサーバは、自サーバが管理する照合用情報を各入場管理装置を介して各指紋リーダに送信する。照合用情報を受信した指紋リーダは、これを自リーダ内のフラッシュメモリに書き込み、書き込みが完了すると、接続先の入場管理装置を介して完了通知をセンタサーバに送信する。
【0024】
ここで、フラッシュメモリへのデータの書き込みは一般的に低速であり、照合用情報全体(1件当たり例えば1000バイト程度)のサイズが大きい場合には、各指紋リーダでの書き込み時間は長くなる。
従って、より多くの入場管理装置や指紋リーダを含む大規模な入場管理システムにおいて、もしも、センタサーバが、シーケンシャルに処理するものとすると、つまり、1台の入場管理装置を介してその接続先の指紋リーダに照合用情報を送信し、その指紋リーダからの完了通知の受信を待って、受信した後に、次の入場管理装置を介してその接続先の指紋リーダに照合用情報を送信するといったように処理するものとすると、全ての指紋リーダへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間が過大になってしまう。
【0025】
そこで、この入場管理システムにおけるセンタサーバ(1つのプロセッサを備える)は、スレッド毎に異なる入場管理装置に照合用情報を送信する複数のスレッドを切り替えながら実行する(いわゆる擬似並列処理である)ことにより、各入場管理装置へ照合用情報を送信する。
このようにすることで、上述のようにシーケンシャルに処理する場合と比較して、全ての指紋リーダへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間を短縮することができる。
【0026】
<構成>
まず、本実施の形態に係る入場管理システム1000の構成について説明する。
<入場管理システム>
図1は、入場管理システム1000のシステム構成図である。
同図に示すように、入場管理システム1000は、センタサーバ100と、入場管理装置200A〜200Fと、入場を管理する各エリアへ入場するための扉の近傍に設置されている指紋リーダ300A〜300Fとから構成されている。
【0027】
センタサーバ100と各入場管理装置とは、LAN(Local Area Network)1を介して接続されており、各入場管理装置と各指紋リーダとは、それぞれケーブル2A〜2Fを介して接続されている。
ここで、センタサーバ100は、1つのプロセッサを備えるPC(Personal Computer)等であり、照合用情報を管理し、この照合用情報を各入場管理装置に送信する機能を有する。この各入場管理装置への照合用情報の送信は、スレッド毎に異なる入場管理装置に照合用情報を送信する複数のスレッドを切り替えながら実行(擬似並行処理)することで実現する。各スレッドがどの入場管理装置に照合用情報を送信するかの決定方法については後述する。
【0028】
各入場管理装置(200A〜200F)は、接続先の指紋リーダから受信した、入場者を示す情報(以下、「社員ID」という)と予め記憶している認証用情報テーブル80(図4(d)参照)とに基づいてその者の認証を行い、認証結果に応じて、接続先の指紋リーダが設置されている扉の施解錠を制御する機能の他、センタサーバ100から受信した照合用情報を接続先の指紋リーダに転送し、接続先の指紋リーダから受信した完了通知を、予め記憶されている自装置の識別情報(以下、「管理装置ID」という)と共にセンタサーバ100に転送する機能を有する。
【0029】
各指紋リーダ(300A〜300F)は、接続先の入場管理装置から受信した照合用情報を照合用情報テーブル10(図4(a)参照)に登録する機能と、入場を管理する各エリアへの入場者の指紋の画像を読み取り、記憶している照合用情報テーブル10を用いてこの者の社員IDを特定して接続先の入場管理装置に送信する機能とを有する。各指紋リーダは、照合用情報の登録が完了すると、完了通知を接続先の入場管理装置に送信する。
【0030】
なお、図1では、6台の入場管理装置(200A〜200F)と、6台の指紋リーダ(300A〜300F)とを図示しているが、これは、入場管理システム1000の構成の一部を示したものであり、入場管理装置及び指紋リーダそれぞれの台数は、同図に示す例に限られない。
以下、センタサーバ100、各入場管理装置、各指紋リーダの構成を更に詳しく説明するが、各入場管理装置それぞれの構成は同様であり、また各指紋リーダそれぞれの構成は同様であるため、以下では、入場管理装置200A、指紋リーダ300Aを例に説明する。
【0031】
<センタサーバ>
センタサーバ100の機能構成を説明する。
図2は、センタサーバ100の主要部の機能構成を示すブロック図である。
センタサーバ100は、メモリ及びプロセッサを含み、機能面において、同図に示すとおり、入力部101、ユーザインタフェース部102、照合用情報記憶部103、構成情報記憶部104、履歴情報記憶部105、通信インタフェース部106、実行制御部107を備える。なお、実行制御部107の機能は、上述のメモリに記憶されているプログラムを上述のプロセッサが実行することにより実現される。
【0032】
ここで、入力部101は、キーボード等の入力機器であり、ユーザにより押下されたキー等に対応する入力信号をユーザインタフェース部102に伝達する機能を有し、特に入場管理システム1000の管理者等(以下、単に「管理者等」という)が、照合用情報を各入場管理装置に送信することを指示する際に使用される。
ユーザインタフェース部102は、入力部101から伝達されたユーザ操作の内容に応じて、文字や画像等をディスプレイ(不図示)に表示させると共に、ユーザ操作の内容を実行制御部107に伝達する機能を有する。
【0033】
照合用情報記憶部103は、各エリアへの入場予定者(例えば、そのエリアで執務する社員等)の社員IDと指紋データとを対応付けた照合用情報テーブル10(図4(a)参照)を記憶するためのメモリ領域である。照合用情報テーブル10の内容については後に詳しく説明する。
構成情報記憶部104は、入場管理システム1000に含まれる各入場管理装置と各指紋リーダとのリストである構成情報テーブル30(図4(b)参照)を記憶するためのメモリ領域である。構成情報テーブル30の内容については後に詳しく説明する。
【0034】
履歴情報記憶部105は、各入場管理装置で認証した結果を示す履歴情報を登録した履歴情報テーブル70(図4(c)参照)を記憶するためのメモリ領域である。履歴情報テーブル70の内容については後に詳しく説明する。
通信インタフェース部106は、LAN1を介して、各入場管理装置とデータの送受信を行う機能を有する。詳細には、実行制御部107からの指示に応じて、照合用情報を各入場管理装置に送信し、各入場管理装置から送信された履歴情報を履歴情報記憶部105の履歴情報テーブル70に登録する。
【0035】
実行制御部107は、ユーザインタフェース部102を介して受け付けた照合用情報の送信指示に応じて、照合用情報(照合用情報記憶部103に記憶されている照合用情報テーブル10の内容)を、通信インタフェース部106を介して各入場管理装置に送信する機能を有する。
より詳細には、スレッド毎に異なる入場管理装置に照合用情報を送信する複数のスレッドを生成し、1つのプロセッサを割り当てるスレッドを切り替えながら実行(擬似並行処理)する。つまり、実行制御部107は、いわゆるマルチスレッドOS(Operating System)として機能する。
【0036】
なお、この照合用情報の送信は、実際には照合用情報テーブル10の内容をパケットに分割して送信することになる。また、本実施の形態では、各スレッドがどの入場管理装置に照合用情報を送信するかを、各スレッドが決定する場合を例に説明する。この決定方法を含む各スレッドの処理内容は後に詳細に説明する(図7参照)。
<入場管理装置>
図3は、入場管理装置200A、指紋リーダ300Aそれぞれの主要部の機能構成を示すブロック図である。
【0037】
まず、入場管理装置200Aの機能構成について説明する。
入場管理装置200Aは、メモリ及びプロセッサを含み、機能面において、同図に示すとおり、通信制御部201、認証用情報記憶部202、計時部203、鍵制御部204、認証部205を備える。この通信制御部201、鍵制御部204、認証部205の各機能は、上述のメモリに記憶されているプログラムを上述のプロセッサが実行することにより実現される。
【0038】
ここで、通信制御部201は、LAN1及びケーブル2Aそれぞれに対応した通信インタフェースを備え、LAN1を介して、センタサーバ100とデータの送受信を行うと共に、ケーブル2Aを介して、指紋リーダ300Aとデータの送受信を行う機能を有する。詳細には、センタサーバ100から受信した照合用情報を指紋リーダ300Aに転送し、また、指紋リーダ300Aから受信した社員ID及び指紋リーダ300Aを示す情報(以下、「リーダID」という)を認証部205に伝達し、指紋リーダ300Aから受信した完了通知を自装置の管理装置IDと共にセンタサーバ100に転送し、認証部205から伝達された履歴情報をセンタサーバ100に送信する。
【0039】
認証用情報記憶部202は、各エリアへの入場予定者の社員IDと、入場を許可されたエリアとを対応付けた認証用情報テーブル80(図4(d)参照)を記憶するためのメモリ領域である。認証用情報テーブル80の内容については後に詳しく説明する。
計時部203は、いわゆる時計であり、現在の日時を計時する機能を有する。
鍵制御部204は、認証部205からの指示に応じて、指紋リーダ300Aが設置されている扉の施解錠を行う電子錠を制御する機能を有する。
【0040】
認証部205は、通信制御部201から伝達された社員ID及びリーダIDと、認証用情報記憶部202に記憶されている認証用情報テーブル80に基づいて、指紋リーダ300Aが設置されている扉を解錠するか否かを判定(認証)し、履歴情報(認証日時、社員ID、リーダID、認証結果を含む)を通信制御部201を介してセンタサーバ100へ送信する機能を有する。また、認証部205は、解錠する旨の判定を行った場合に鍵制御部204に電子鍵の解錠指示を行う機能を有する。
【0041】
<指紋リーダ>
次に、指紋リーダ300Aの機能構成を、図3を用いて説明する。
指紋リーダ300Aは、メモリ及びプロセッサを含み、機能面において、同図に示すとおり、通信インタフェース部301、照合用情報記憶部302、更新部303、読取部304、照合部305を備える。この更新部303、照合部305の各機能は、上述のメモリに記憶されているプログラムを上述のプロセッサが実行することにより実現される。
【0042】
ここで、通信インタフェース部301は、ケーブル2Aを介して、入場管理装置200Aとデータの送受信を行う機能を有する。詳細には、入場管理装置200Aから受信した照合用情報を更新部303に伝達し、更新部303から伝達された、照合用情報の記憶が完了した旨の完了通知を入場管理装置200Aに送信する。また、照合部305から伝達された社員ID及びリーダIDを入場管理装置200Aに送信する。
【0043】
照合用情報記憶部302は、フラッシュメモリであり、照合用情報テーブル10を記憶する機能を有する。
更新部303は、通信インタフェース部301から伝達された照合用情報を照合用情報記憶部302の照合用情報テーブル10に登録し、登録が完了すると、通信インタフェース部301を介して入場管理装置200Aに完了情報を送信する機能を有する。
【0044】
読取部304は、自リーダが設置されている扉から対応するエリアへ入場しようとする入場者の指紋の画像を読み取り、指紋データを照合部305に伝達する機能を有する。
照合部305は、読取部304から伝達された指紋データと、照合用情報記憶部302に記憶されている照合用情報テーブル10とを照合して入場者の社員IDを特定し、特定した社員ID及び予め記憶されているリーダIDとを通信インタフェース部301を介して、入場管理装置200Aに送信する機能を有する。
【0045】
なお、読取部304から伝達された指紋データと照合用情報テーブル10とを照合した結果、伝達された指紋データと一致する指紋データが照合用情報テーブル10に登録されていない場合には、その旨を入場者にブザーやLED(不図示)により通知する。
<データ>
次に、入場管理システム1000において、使用されるデータについて説明する。
【0046】
<照合用情報テーブル>
センタサーバ100の照合用情報記憶部103及び指紋リーダ300Aの照合用情報記憶部302に記憶されている照合用情報テーブル10について説明する。
図4(a)は、照合用情報テーブル10のデータ構成と内容例を示す図である。
同図に示すように、照合用情報テーブル10は、各エリアへの入場予定者毎に、社員ID11と、指紋データ12とを対応付けて記憶しており、指紋リーダ300Aが入場者から読み取った指紋の画像と照合して、この者の社員IDを特定する際に参照される。
【0047】
ここで、社員ID11は、対応する入場予定者を識別するための識別番号であり、他の入場予定者と重複しない番号である。指紋データ12は、対応する入場予定者の指紋の画像データである。
同図は、例えば、社員ID11が「1000001」である入場予定者の指紋データ12は「指紋データ1」であることを示している。
【0048】
なお、センタサーバ100の照合用情報記憶部103に記憶されている照合用情報テーブル10への新たなデータの登録、更新は、センタサーバ100に接続する指紋リーダ(不図示)から読み取ったあるエリアへの入場予定者の指紋の画像データと、管理者等よる入力部101からのその者の社員IDの入力を含む登録又更新のための操作に基づいて行われる。また、照合用情報記憶部103に記憶されている照合用情報テーブル10に登録済みのデータの削除は、管理者等による入力部101からの削除のための操作に基づいて行われる。
【0049】
また、照合用情報記憶部103に記憶されている照合用情報テーブル10への変更(登録、更新、削除)は、管理者等による入力部101からの照合用情報の送信指示に基づいて、各指紋リーダの照合用情報記憶部302に記憶されている照合用情報テーブル10に反映されることになる。
この照合用情報テーブル10を用いて、各指紋リーダの照合部305は、以下のように処理する。即ち、照合部305は、読取部304から伝達された指紋の画像データと一致する指紋の画像データを含むレコードが照合用情報テーブル10に登録されている場合には、そのレコードに含まれる社員IDと、自リーダのリーダIDとを通信インタフェース部301を介して接続する入場管理装置に送信する。
【0050】
<構成情報テーブル>
センタサーバ100の構成情報記憶部104に記憶されている構成情報テーブル30について説明する。
図4(b)は、構成情報テーブル30のデータ構成と内容例を示す図である。
同図に示すように、構成情報テーブル30は、入場管理装置毎に、管理装置ID31と、リーダID32と、送信フラグ33とを対応付けて記憶しており、実行制御部107が照合用情報を各入場管理装置に送信する際に参照される。
【0051】
ここで、管理装置ID31は、各入場管理装置を識別するための識別番号であり、他の入場管理装置と重複しない番号である。この例では、入場管理装置200A〜200Fそれぞれに異なる番号を、それぞれの番号が1からの連番となるように割り当てている。
リーダID32は、対応する入場管理装置に接続する指紋リーダの識別番号であり、他の指紋リーダと重複しない番号である。この例では、指紋リーダ300A〜300Fそれぞれに異なる番号を、それぞれの番号が101からの連番となるように割り当てている。
【0052】
送信フラグ33は、対応する入場管理装置への照合用情報の送信状況を示す情報である。この例では、未送信を「0」、送信中を「1」、送信完了を「2」としている。
同図は、例えば、管理装置ID31が「1」である入場管理装置(入場管理装置200A)には、リーダID32が「101」である指紋リーダ(指紋リーダ300A)が接続しており、送信フラグ33は「2」、つまり、入場管理装置200Aへの照合用情報の送信が完了していることを示している。
【0053】
また、例えば、管理装置ID31が「2」である入場管理装置(入場管理装置200B)には、リーダID32が「102」である指紋リーダ(指紋リーダ300B)が接続しており、送信フラグ33は「1」、つまり、入場管理装置200Bへの照合用情報の送信が行われている途中であることを示している。
また、例えば、管理装置ID31が「3」である入場管理装置(入場管理装置200C)には、リーダID32が「103」である指紋リーダ(指紋リーダ300C)が接続しており、送信フラグ33は「0」、つまり、入場管理装置200Cへの照合用情報の送信はまだ行われていないことを示している。
【0054】
なお、構成情報テーブル30への新たなデータの登録、更新、登録済みのデータの削除は、管理者等によるセンタサーバ100の入力部101からの操作に基づいて行われる。
<履歴情報テーブル>
センタサーバ100の履歴情報記憶部105に記憶されている履歴情報テーブル70について説明する。
【0055】
図4(c)は、履歴情報テーブル70のデータ構成と内容例を示す図である。
履歴情報テーブル70は、各入場管理装置から受信した認証履歴を登録したテーブルであり、同図に示すように入場の認証毎に、日時71と、社員ID72と、リーダID73、結果74とを対応付けて記憶している。
ここで、日時71は、認証を行った日時であり、社員ID72は、その認証の対象となった者の識別番号である。
【0056】
リーダID73は、入場を許可するか否かの認証の対象となるエリアの扉に設置されている指紋リーダの識別番号であり、構成情報テーブル30のいずれかのリーダID32と一致するものである。
結果74は、入場を許可したか否かを示す認証結果を示す情報であり、この例では入場を許可した場合を「1」、入場を許可しなかった場合を「0」としている。
【0057】
同図は、例えば、日時71が「2008/12/1 8:25」である認証の対象となった者の社員ID72は「1000002」であり、リーダID73は「103」であり、結果74は「1」であることを示している。つまり、この者は、指紋リーダ300Cが設置された扉と対応するエリアへの入場が許可されたことを示している。
なお、履歴情報テーブル70の生成、登録済みのデータの削除は、管理者等によるセンタサーバ100の入力部101からの操作に基づいて行われ、履歴情報テーブル70への新たなデータの登録は、各入場管理装置から履歴情報を受信した際に行われる。
【0058】
<認証用情報テーブル>
入場管理装置200Aの認証用情報記憶部202に記憶されている認証用情報テーブル80について説明する。
図4(d)は、認証用情報テーブル80のデータ構成と内容例を示す図である。
認証用情報テーブル80は、同図に示すように、各エリアへの入場予定者毎に、社員ID81とリーダID82とを対応付けて記憶しており、認証部205が認証を行う際に参照される。
【0059】
ここで、社員ID81は、対応する入場予定者を識別するための識別情報であり、照合用情報テーブル10のいずれかの社員IDと一致するものである。リーダID82は、その対応する入場予定者による入場が許可されているエリアの扉に設置されている指紋リーダを示す識別番号であり、構成情報テーブル30のいずれかのリーダIDと一致するものである。
【0060】
同図は、例えば、社員ID81が「1000001」である者は、リーダID82が「101」と「102」である指紋リーダ(300A、300B)が設置された扉に対応するエリアに入場が許可されていることを示している。
この認証用情報テーブル80を用いて、各入場管理装置の認証部205は以下のように認証を行う。即ち、認証部205は、通信制御部201から伝達された社員IDとリーダIDとを含むレコードが認証用情報テーブル80に登録されている場合には、そのリーダIDが示す指紋リーダが設置されている扉を解錠する旨の判定を行い、該当のレコードが登録されていない場合には、その扉を解錠しない旨の判定を行う。
【0061】
なお、認証用情報テーブル80の生成、認証用情報テーブル80への新たなデータの登録、更新、登録済みのデータの削除は、管理者等による各入場管理装置のキーボード等(不図示)からの操作に基づいて行われる。
<パケット>
センタサーバ100は、照合用情報(照合用情報テーブル10の内容)を各入場管理装置に送信する際にパケットに分割して送信するため、以下では、このパケットの構成について説明する。
【0062】
図5は、照合用情報を送信するための各パケットのデータ構成を示す図である。
各パケットは、送信元IPアドレス91と、管理装置ID92と、パケット数93と、照合データ94とを含んで構成される。
ここで、送信元IPアドレス91は、センタサーバ100のIPアドレスであり、管理装置ID92は、各パケットの宛先である入場管理装置の識別番号であり、構成情報テーブル30のいずれかの管理装置IDと一致するものである。
【0063】
パケット数93は、照合用情報を分割して送信する際の全パケットの数を示す情報である。
照合データ94は、各パケットに含めて送信する照合用情報(照合用情報テーブル10の各レコード)の一部のデータであり、同図では、照合用情報テーブル10の1レコード目〜3レコード目までを、照合用情報A〜Cとして例示している。
【0064】
<スレッドの状態遷移>
以下では、各スレッドの状態遷移について説明する。
図6は、各スレッドの状態遷移図である。
同図に示すように、各スレッドの状態には、実行可能状態ST1、実行状態ST2、待機状態ST3がある。
【0065】
ここで、実行可能状態ST1は、プロセッサが割り当てられればすぐに実行できる状態である。実行制御部107は、ユーザインタフェース部102から照合用情報の送信指示を受け付けるとスレッドを生成し、スレッドの状態を実行可能状態ST1とする。
ここで、実行制御部107は、スレッドを生成する毎に、0〜(生成するスレッド数−1)の他のスレッドとは異なる数字(以下、「スレッド番号」といい、整数である)を、そのスレッドに割り当てると共に、生成する全スレッド数を指定する。つまり、例えば、3つのスレッドを生成する場合には、それぞれのスレッドに、スレッド番号として「0」、「1」、「2」を割り当て、全スレッド数「3」を指定する。
【0066】
実行状態ST2は、実際にプロセッサが割り当てられて実行中の状態である。
実行制御部107は、実行可能状態ST1にある1つのスレッドにプロセッサを割り当て、実行状態ST2に遷移させる。また、実行制御部107は、実行状態ST2のスレッドの送信対象となる入場管理装置(以下、「対象装置」という)がない場合には、そのスレッドを消滅させる。なお、この対象装置の有無の判断方法については、下記の各スレッドの処理内容の説明の中で詳しく説明する。
【0067】
待機状態ST3は、対象装置に対する照合用情報の送信を完了し、その入場管理装置からの完了通知の受信を待っている状態である。実行状態ST2にあるスレッドが照合用情報の送信を完了すると、実行制御部107は、そのスレッドへのプロセッサの割り当てを解除し、待機状態ST3に遷移させ、実行可能状態ST1にある他のスレッドに対しプロセッサを割り当てる。
【0068】
また、実行制御部107は、待機状態ST3にあるスレッドに対し、そのスレッドが照合用情報を送信した入場管理装置から完了通知を受信した際に、そのスレッドを待機状態ST3から実行可能状態ST1に遷移させる。
<スレッドの処理>
以下、各スレッドによる照合用情報の送信処理について説明する。
【0069】
図7は、各スレッドによる照合用情報の送信処理を示すフローチャートである。
実行制御部107によりプロセッサが割り当てられ、実行状態ST2に遷移させられたスレッドは、構成情報記憶部104に記憶されている構成情報テーブル30を参照し、自スレッドの送信対象となる入場管理装置(対象装置)があるか否かを判定する(ステップS11)。
【0070】
より詳細には、スレッドは、構成情報テーブル30の送信フラグが「0」(つまり、照合用情報が未送信)である入場管理装置について、対応する管理装置IDが小さいものものから順にその管理装置IDを実行制御部107により指定された全スレッド数で除算した余りが、自スレッドに割り当てられたスレッド番号と一致するか否かを判定し、一致する場合に、対象装置があると判定する。
【0071】
ステップS11において、対象装置があると判定した場合に(ステップS11:YES)、そのスレッドは、その対象装置についての構成情報テーブル30の送信フラグを「1」(つまり、送信中)に更新し(ステップS12)、その対象装置に照合用情報を図5に示すフォーマットのパケットに分割して、通信インタフェース部106を介して送信する(ステップS13)。
【0072】
全パケットの送信を完了すると、スレッドは、自スレッド宛の完了通知の受信を待つ(ステップS14)。
詳細には、スレッドは、完了通知を示す識別コードと、そのスレッドが受信を待つ完了通知と共に送られてくる管理装置IDとをデバイスドライバに通知し、このデバイスドライバに、通知した管理装置IDと共に送られてくる完了通知を受信した際に、対応するフラグを立てて通知(OSに対する割り込み)するよう指示する。
【0073】
このスレッドによる管理装置ID等の通知が完了すると、実行制御部107は、この実行状態ST2にあるスレッドへのプロセッサの割り当てを解除し、待機状態ST3に遷移させ、上述の所定のフラグが立つと(割り込みが発生すると)、このスレッドをまず実行可能状態ST1に遷移させる。
実行制御部107により再びプロセッサが割り当てられ、実行状態ST2に遷移させられると、このスレッドは、対象装置についての構成情報テーブル30の送信フラグを「2」(つまり、送信完了)に更新し(ステップS15)、再びステップS11から処理を行う。
【0074】
ステップS11において、対象装置がないと判定した場合(ステップS11:NO)には、このスレッドは照合用情報の送信処理を終了し、実行制御部107により消滅させられる。
なお、実際には、なんらかのエラーの発生により、指紋リーダでの照合用情報の登録が完了せず、上述のステップS14でいくら待っても完了通知を受信しないケースが生じ得る。そのため、例えば照合用情報の再送が必要なことを入場管理装置又は指紋リーダが検出した場合には、その入場管理装置から完了通知に代えてエラー通知が送信されるものとする。
【0075】
この場合、デバイスドライバは、エラー通知と共に送られてくる管理装置IDを通知し、実行制御部107は、該当のスレッド(通知された管理装置IDが示す入場管理装置に照合用情報を送信したスレッド)を実行可能状態ST1に遷移させ、実行制御部107により再びプロセッサが割り当てられ実行状態ST2に遷移させられたスレッドは、再送処理(図7では特に図示していないが、ステップS13から再度実行するようにする処理)を行うものとする。
【0076】
また、入場管理装置及び指紋リーダがエラーを検出できない場合には、上述のエラー通知も送信されないこととなるため、各スレッドは、ステップS13で全パケットの送信を完了すると、タイマ(不図示)を起動し、このタイマが所定時間を計時すると、タイマ割り込みを発生させることで、上述の再送処理を行うようにしてもよいし、該当の入場管理装置への照合用情報の送信をあきらめて次の入場管理装置への照合用情報の送信を行うようにしてもよい。
【0077】
<具体例>
入場管理システム1000全体の動作を、図8を用いて具体的に説明する。
図8は、センタサーバ100から送信された照合用情報が、各指紋リーダの照合用情報テーブル10に登録されるまでの処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
この例では、実行制御部107により3つのスレッドが生成されるものとし、同図におけるTH1〜TH3は、この3つのスレッドを示している。
【0078】
以下では、実行制御部107により、スレッド番号として、スレッドTH1には「1」が、スレッドTH2には「2」が、スレッドTH3には「0」がそれぞれ割り当てられ、全スレッド数「3」が指定されるものとする。また、図4(b)に示す構成情報テーブル30における送信フラグ33は、以下の処理を開始する時点で全て「0」(未送信)であるものとする。
【0079】
<スレッドTH1による1回目の送信>
まず、実行制御部107が、生成し実行可能状態ST1にあるスレッドTH1を実行状態ST2に遷移させると、スレッドTH1は、構成情報テーブル30の管理装置ID31が「1」である入場管理装置200Aを対象装置とし、構成情報テーブル30の管理装置ID31「1」と対応する送信フラグ33を「1」に更新した上で、照合用情報をパケットに分割し通信インタフェース部106を介して送信していく(ステップS20)。
【0080】
詳細には、以下のように対象装置を決定する。即ち、送信フラグ「0」と対応付けられている管理装置ID「1」を指定された全スレッド数「3」で除算した余り「1」が、自スレッドに割り当てられたスレッド番号「1」と一致するので、入場管理装置200Aを対象装置と決定する。
全パケットの送信を完了すると、スレッドTH1は実行制御部107により待機状態ST3に遷移させられる。
【0081】
入場管理装置200Aの通信制御部201は、センタサーバ100から送信されてくる各パケットを受信し接続している指紋リーダ300Aに転送していく(ステップS21)。
指紋リーダ300Aの通信インタフェース部301は、入場管理装置200Aから転送されてくる各パケットを更新部303に伝達し、更新部303は、各パケットに含まれる照合データ94を、照合用情報記憶部302に記憶されている照合用情報テーブル10に登録していく。
【0082】
全てのパケットに含まれる照合データ94を照合用情報テーブル10に登録すると、更新部303は、通信インタフェース部301を介して、完了通知を接続している入場管理装置200Aに送信する(ステップS22)。
より詳細には、更新部303は、入場管理装置200Aから転送されてきたパケットに含まれる照合データ94を照合用情報テーブル10に登録した回数をカウントしており、このカウント数がパケットに含まれるパケット数93と一致すると、完了通知を送信する。
【0083】
入場管理装置200Aの通信制御部201は、指紋リーダ300Aから受信した完了通知を自装置の管理装置IDと共にセンタサーバ100に転送する(ステップS23)。
センタサーバ100の通信インタフェース部106は、この完了通知を受信し、実行制御部107に通知し、実行制御部107は、待機状態ST3にあるスレッドTH1をまず実行可能状態ST1に遷移させ、再びプロセッサを割り当てて実行状態ST2に遷移させると、再び実行状態ST2となったスレッドTH1は、受信した完了通知に含まれている管理装置IDと対応する構成情報テーブル30の送信フラグ33を「2」に更新する。
【0084】
<スレッドTH2による1回目の送信>
上述したように、ステップS20の処理が完了すると、スレッドTH1は実行制御部107により待機状態ST3に遷移させられており、このスレッドTH1に代えて、実行制御部107が、生成し実行可能状態ST1にあるスレッドTH2を実行状態ST2に遷移させる。
【0085】
以降、基本的には、上述のスレッドTH1の処理と同様であり、スレッドTH2は、入場管理装置200B宛にパケットを送信していき(ステップS30)、入場管理装置200Bは、受信したパケットを指紋リーダ300Bに転送していく(ステップS31)。また、指紋リーダ300Bは、受信したパケットの照合データ94を照合用情報テーブル10に登録していき、完了すると完了通知を入場管理装置200Bに送信し(ステップS32)、入場管理装置200Bは受信した完了通知を自装置の管理装置IDと共にセンタサーバ100に転送する(ステップS33)。
【0086】
<スレッドTH3による1回目の送信>
上述のスレッドTH2による1回目の送信において、ステップS30の処理が完了すると、スレッドTH2は実行制御部107により待機状態ST3に遷移させられており、スレッドTH2に代えて、実行制御部107が、生成し実行可能状態ST1にあるスレッドTH3を実行状態ST2に遷移させる。
【0087】
以降、スレッドTH3が照合用情報を送信する対象装置が入場管理装置200Cであり、各パケットの照合データ94が指紋リーダ300Cの照合用情報テーブル10に登録される以外は、上述のスレッドTH2の場合と同様にステップS40〜S43を処理されるため、詳細な説明は省略する。
<スレッドTH1による2回目の送信>
上述のステップS23の処理が完了した際、実行状態ST2にあるスレッドTH1は続けて、ステップS24の処理を行う。以降、スレッドTH1が照合用情報を送信する対象装置が入場管理装置200Dであり、各パケットの照合データ94が指紋リーダ300Dの照合用情報テーブル10に登録される以外は、上述の1回目の送信処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0088】
<考察>
以下、入場管理システム1000において各指紋リーダへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間と、従来の方法(シーケンシャルに処理する方法)による各指紋リーダへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間とを比較する。
図8において具体例を用いて説明したように、入場管理システム1000のセンタサーバ100は、スレッドTH1が入場管理装置200Aへの照合用情報の送信を完了すると、続けてスレッドTH2が入場管理装置200Bへの照合用情報の送信を開始するといったように、指紋リーダ300Aからの完了通知を待たずに、入場管理装置200Bへの照合用情報の送信を開始する。
【0089】
この結果、同図に示すように3つの指紋リーダ300A〜300Cへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間はT1となる。
図9は、従来の方法による3つの指紋リーダA〜Cへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間を説明するための図である。
同図に示すように、従来は、サーバが、まず管理装置Aを介して指紋リーダAに照合用情報を送信し、指紋リーダAにおいてこの照合用情報の記憶を完了し、完了通知を受信すると、管理装置Bを介して指紋リーダBに送信するというようにシーケンシャルに処理する。
【0090】
この結果、3つの指紋リーダA〜Cへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間は、T2となる。
両時間(T1、T2)を比較すると、T1<T2であり、入場管理システム1000では、各指紋リーダへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間を短縮できていることが分かる。
【0091】
≪変形例1≫
<概要>
実施の形態1では、各入場管理装置の管理装置IDを1からの連番となるように割り当てるものとして説明した(図4(b)の構成情報テーブル30参照)。
しかしながら、運用段階においては、入場管理システムに含まれる入場管理装置の数が増減する場合がある。管理装置IDを1から連番となるように割り当てる場合には、入場管理装置の数が減るたびに管理装置IDを割り当てなおす必要が生じる。また、将来の入場管理装置の数の増加に備え、飛び番で管理装置IDを割り当てたい場合もある。
【0092】
そこで、以下では、管理装置IDとして任意の識別番号を割り当てるように替えた一変形例について説明する。
変形例1に係るセンタサーバは、構成情報テーブル30に代えて構成情報テーブル40を記憶する点が実施の形態1に係るセンタサーバ100と異なり、また、各スレッドの処理も若干異なるため、ここでは、実施の形態1からの変更点を中心に説明する。
【0093】
<構成情報テーブル>
変形例1に係るセンタサーバの構成情報記憶部104に記憶されている構成情報テーブル40について説明する。
図10は、構成情報テーブル40のデータ構成と内容例を示す図である。
同図に示すように、構成情報テーブル40は、入場管理装置毎に、管理装置ID41と、リーダID42と、送信フラグ33とを対応付けて記憶しており、管理装置ID41及びリーダID42が構成情報テーブル30と相違する。
【0094】
具体的には、管理装置ID41、リーダID42はそれぞれ各入場管理装置、各指紋リーダを識別するための識別番号として、連番でなく重複しない任意の番号が割り当てている点で、構成情報テーブル30の管理装置ID31、リーダID32と異なる。
<スレッドの処理>
変形例1に係る各スレッドの処理は、図7のフローチャートに示す実施の形態1に係る各スレッドの処理のうち、ステップS11の処理が若干異なる。
【0095】
具体的には、変形例1に係る各スレッドは、構成情報テーブル40の管理装置IDが小さいものから順に、対応する送信フラグが「0」(つまり、照合用情報が未送信)と一致するか否かを判定し、一致する場合に対象装置があると判定する。
なお、実施の形態1では、センタサーバ100の実行制御部107は各スレッドを生成する際に、スレッド番号の割り当てと全スレッド数の指定を行うものとしたが、変形例1ではこれらの割り当て等は不要である。
【0096】
このようにすることで、各入場管理装置の管理装置IDに任意の識別番号を割り当てても、各スレッドは、1つの入場管理装置への照合用情報の送信が完了すると、次に実行状態ST2に遷移させられた際に未送信の入場管理装置に照合用情報を送信することになるので、実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、例えば、指紋リーダ毎に照合用情報の登録にかかる時間が異なるような場合でも、実施の形態1の方法では、対象装置の総数がほぼ均等になるように各スレッドに対象装置を割り振ることになる。しかしながら、変形例1の方法では、照合用情報の登録にかかる時間が短い指紋リーダが接続された入場管理装置に照合用情報を送信したスレッドが、より多くの入場管理装置に照合用情報を送信することになる。従って、上述のようなケースでは、実施の形態1に係る入場管理システム1000と比較し、更に各指紋リーダへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間を短縮することができる。
【0097】
≪変形例2≫
<概要>
実施の形態1では、構成情報テーブル30に登録されている情報に係る各入場管理装置は、センタサーバ100が送信した照合用情報を受信可能であることを前提に説明した。
しかしながら、運用段階においては、構成情報テーブル30に登録されている情報に係る入場管理装置が故障したり、まだ設置していない入場管理装置についての情報も予め構成情報テーブル30に登録しておきたい場合もある。このような入場管理装置は、通信できない状況にあるため、照合用情報を送信してもエラーとなり無駄が生じる。
【0098】
そこで、以下では、構成情報テーブル30に各入場管理装置の存否を示す情報を追加するように替えた一変形例について説明する。
変形例2に係る入場管理システムは、特に図示して説明しないが、実施の形態1に係る入場管理システム1000のセンタサーバ100に代えて、これに各入場管理装置の存否確認機能を追加したセンタサーバ110と、入場管理システム1000の入場管理装置200A〜200Fに代えて、これにセンタサーバ110からの存否確認に応答する機能を追加した入場管理装置210A〜210Fとを備える。
【0099】
以下、実施の形態1に係る入場管理システム1000との相違部分を中心に説明する。
なお、入場管理装置210A〜210Fは同様の構成を有するため、以下では、入場管理装置210Aを例に説明する。
<構成>
<センタサーバ>
図11は、変形例2に係るセンタサーバ110の主要部の機能構成を示すブロック図である。
【0100】
センタサーバ110は、実施の形態1に係るセンタサーバ100と同様、メモリ及びプロセッサを含み、機能面においては、同図に示すように、センタサーバ100の各構成要素に加え、存否確認部111を備える。なお、存否確認部111の機能は、上述のメモリに記憶されている制御プログラムを上述のプロセッサが実行することにより実現される。
ここで、存否確認部111は、各入場管理装置の存否確認を行う機能を有する。詳細には、構成情報記憶部104に記憶されている変形例2に係る構成情報テーブル50(図13参照)の管理装置ID31が示す各入場管理装置に対し、通信インタフェース部106を介して存否確認のためのパケット(以下、「要求パケット」といい、宛先となる入場管理装置の管理装置IDを含む)を送信し、この要求パケットに対する応答パケットの受信の有無を、構成情報テーブル50に反映させる機能を有する。なお要求パケットを送信してから所定時間以内に、その要求パケットに対する応答パケットを受信しなかったときに、応答バケットを受信していないと判定する。
【0101】
<入場管理装置>
図12は、変形例2に係る入場管理装置210Aの主要部の機能構成を示すブロック図である。
入場管理装置210Aは、実施の形態1に係る入場管理装置200Aと同様、メモリ及びプロセッサを含み、機能面において、同図に示すとおり、入場管理装置200Aの各構成要素に加え、応答部211を備える。なお、応答部211の機能は、上述のメモリに記憶されている制御プログラムを上述のプロセッサが実行することにより実現される。
【0102】
ここで、応答部211は、センタサーバ110から送信された自装置宛の要求パケット(自装置の管理装置IDを含む要求パケット)を通信制御部201を介して受信すると、その自装置の管理装置IDを含む応答パケットを通信制御部201を介してセンタサーバ110に送信する機能を有する。
<構成情報テーブル>
センタサーバ110の構成情報記憶部104に記憶されている構成情報テーブル50について説明する。
【0103】
図13は、構成情報テーブル50のデータ構成と内容例を示す図である。
同図に示すように、構成情報テーブル50は、入場管理装置毎に、管理装置ID31と、リーダID32と、受信結果51と、送信フラグ33とを対応付けて記憶しており、受信結果51を含む点で、構成情報テーブル30と相違する。
なお、管理装置ID31は、入場管理装置210A〜210Fそれぞれに異なる番号を、それぞれの番号が1からの連番となるように割り当てた例を示している。
【0104】
ここで、受信結果51は、対応する入場管理装置へ送信した要求パケットに対する応答パケットの受信状況を示す情報である。この例では、未受信を「0」、受信を「1」としている。
同図は、例えば、管理装置ID31が「1」である入場管理装置(入場管理装置210A)には、リーダID32が「101」である指紋リーダ(指紋リーダ300A)が接続しており、受信結果51は「1」、つまり入場管理装置210Aから応答パケットを受信していることを示しており、送信フラグ33は「2」、つまり、入場管理装置210Aへの照合用情報の送信が完了していることを示している。
【0105】
<スレッドの処理>
変形例2に係る各スレッドの処理は、図7のフローチャートに示す実施の形態1に係る各スレッドの処理のうち、ステップS11の処理が若干異なる。
具体的には、変形例2に係る各スレッドは、構成情報テーブル50の送信フラグ33が「0」(つまり、照合用情報が未送信)である入場管理装置について、対応する構成情報テーブル50の管理装置IDが小さいものから順に、対応する受信結果51が「1」(つまり、応答パケットを受信)と一致するか否かを判定し、一致する場合に対象装置があると判定する。なお、各スレッドへのスレッド番号の割り当てと全スレッド数の指定が不要であるのは変形例1の場合と同様である。
【0106】
これにより、変形例1と同様の効果を奏すると共に、応答パケットを受信していない入場管理装置、つまり故障や未設置といった理由により通信できないと判断できる入場管理装置には照合用情報を送信しないので、無駄な照合用情報の送信を試みることなく、更に有効な各指紋リーダへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間を短縮することができる。
【0107】
≪実施の形態2≫
<概要>
実施の形態1では、本発明に係る入場管理システムにおけるリーダ装置として、指紋データを含む照合用情報に基づき入場者の特定を行う指紋リーダ300A〜300Fを一例として説明した。
【0108】
実施の形態2では、指紋リーダだけでなく、入場予定者が所持する各ICカードに記録されている識別情報(以下、「カードID」という)を含む照合用情報テーブル20(図15(a)参照)に基づき入場者の特定を行うカードリーダをも含む構成を有する入場管理システムの例を、実施の形態1からの変更点を中心に説明する。
<構成>
図14は、実施の形態2に係る入場管理システム2000のシステム構成図である。
【0109】
同図に示すように、入場管理システム2000は、実施の形態1に係る入場管理システム1000におけるセンタサーバ100に代えてセンタサーバ120と、指紋リーダ300E及び300Fに代えて、カードリーダ300G及び300Hとを含んで構成される。
ここで、センタサーバ120は、実施の形態1に係るセンタサーバ100の照合用情報記憶部103に更に照合用情報テーブル20を記憶し、センタサーバ100の構成情報記憶部104に構成情報テーブル30に代えて構成情報テーブル60を記憶する点で、センタサーバ100とは異なる。また、後述するように、各スレッドの処理も若干異なる。
【0110】
各カードリーダ(300G、300H)は、ICカードに記録されているカードIDを用いて入場者を特定する機能を有し、各指紋リーダの機能構成と若干異なる。
具体的には、各カードリーダの照合用情報記憶部は、照合用情報テーブル10に代えて、照合用情報テーブル20を記憶し、更新部は、通信インタフェース部から伝達された照合用情報を照合用情報記憶部の照合用情報テーブル20に登録する点で、各指紋リーダとは異なる。
【0111】
また、読取部は、入場者が所持するICカードからカードIDを読み取り、照合部は、読取部から伝達されたカードIDと、照合用情報記憶部に記憶されている照合用情報テーブル20とを照合して入場者の社員IDを特定する点で、各指紋リーダとは異なる。
<データ>
<照合用情報テーブル>
センタサーバ120の照合用情報記憶部103及び各カードリーダの照合用情報記憶部に記憶されている照合用情報テーブル20について説明する。
【0112】
図15(a)は、照合用情報テーブル20のデータ構成と内容例を示す図である。
同図に示すように、照合用情報テーブル20は、入場予定者毎に、社員ID11と、カードID21とを対応付けて記憶しており、カードID21が照合用情報テーブル10と相違する。
具体的には、カードID21は、入場予定者のICカードに記録されているそのICカードの識別情報であり、他のカードIDと重複しない文字列データである。
【0113】
同図は、例えば、社員ID11が「1000001」である入場予定者のICカードのカードID21は「2y3B9・・・t948C7」であることを示している。
なお、センタサーバ120の照合用情報記憶部103に記憶されている照合用情報テーブル20への新たなデータの登録、更新、登録済みのデータの削除は、管理者等よる入力部101からの操作に基づいて行われ、これらの変更は、管理者等による入力部101からの照合用情報の送信指示に基づいて、各カードリーダの照合用情報記憶部に記憶されている照合用情報テーブル20に反映されることになる。
【0114】
この照合用情報(照合用情報テーブル20の内容)は、カードIDを含むものであり、同じ件数(レコード数)で比較した場合に、一般的に、指紋データを含む照合用情報(照合用情報テーブル10の内容)よりサイズが小さくなる。従って、指紋データを含む照合用情報を記憶する場合と比較し、各カードリーダの照合用情報記憶部への照合用情報の登録が完了するまでの時間は短くなる。
【0115】
また、各カードリーダの照合部は、この照合用情報テーブル20を用いて、以下のように処理する。即ち、照合部は、読取部から伝達された入場者のICカードに記憶されていたカードIDを含むレコードが照合用情報テーブル20に登録されている場合には、そのレコードに含まれる社員IDと、自リーダのリーダIDを通信インタフェース部を介して接続する入場管理装置に送信する。
【0116】
<構成情報テーブル>
センタサーバ120の構成情報記憶部104に記憶されている構成情報テーブル60について説明する。
図15(b)は、構成情報テーブル60のデータ構成と内容例を示す図である。
同図に示すように、構成情報テーブル60は、入場管理装置毎に、管理装置ID31と、リーダID32と、種別61と、送信フラグ33とを対応付けて記憶しており、種別61を含む点で、構成情報テーブル30とは異なる。
【0117】
なお、リーダID32は、指紋リーダ300A〜300Dそれぞれに101〜104の番号を、カードリーダ300G、300Hそれぞれに105、106の番号を割り当てた例を示している。
ここで、種別61は、対応する入場管理装置に接続するリーダが入場者の特定に用いる照合用情報の種類を示す情報である。この例では、指紋データを含む照合用情報(つまり照合用情報テーブル10)を用いる場合を「1」、カードIDを含む照合用情報(つまり照合用情報テーブル20)を用いる場合を「2」としている。
【0118】
同図は、例えば、管理装置ID31が「1」である入場管理装置(入場管理装置200A)には、リーダID32が「101」であるリーダ(指紋リーダ300A)が接続しており、種別61は「1」、つまり照合用情報テーブル10を用いることを示しており、送信フラグ33は「2」、つまり、この入場管理装置200Aへの照合用情報の送信が完了していることを示している。
【0119】
また、例えば、管理装置ID31が「5」である入場管理装置(入場管理装置200E)には、リーダID32が「105」であるリーダ(カードリーダ300G)が接続しており、種別61は「2」、つまり照合用情報テーブル20を用いることを示しており、送信フラグ33は「0」、つまり、この入場管理装置200Eへの照合用情報の送信はまだ行われていないことを示している。
【0120】
<スレッドの処理>
実施の形態2に係る各スレッドの処理は、図7のフローチャートに示す実施の形態1に係る各スレッドの処理のうち、ステップS11の処理及びステップS13の処理が若干異なる。
ここで、センタサーバ120の実行制御部は、各スレッドを生成する際に、実施の形態1で説明したスレッド番号の割り当てと全スレッドの数の指定に代えて、照合用情報テーブル10を用いるリーダが接続する入場管理装置と、照合用情報テーブル20を用いるリーダが接続する入場管理装置とのどちらに照合用情報を送信するのかを示す種別番号(前者を「1」、後者を「2」とする)を割り当てる。
【0121】
例えば、照合用情報テーブル20を用いるリーダが接続する入場管理装置に照合用情報を送信する1つのスレッドAを生成し、照合用情報テーブル10を用いるリーダが接続する入場管理装置に照合用情報を送信する2つのスレッドB、Cを生成する場合には、スレッドAには種別番号「2」を、スレッドB、Cには種別番号「1」を割り当てる。
このような前提の下で、実施の形態2に係る各スレッドは、実施の形態1に係る各スレッドのステップS11の処理に替えて、以下のように処理する。
【0122】
即ち、構成情報テーブル60の送信フラグ33が「0」(つまり、照合用情報が未送信)である入場管理装置について、対応する構成情報テーブル60の管理装置IDが小さいものから順に、対応する種別61が、実行制御部により指定された種別番号と一致するか否かを判定し、一致する場合に、対象装置があると判定する。
また、実施の形態2に係る各スレッドは、実施の形態1に係る各スレッドのステップS13の処理において、自スレッドに割り当てられている種別番号が示す種類の照合用情報を対象装置に送信する点で、ステップS13の処理とは若干異なる。
【0123】
<具体例>
入場管理システム2000全体の動作を、図16を用いて具体的に説明する。
図16は、センタサーバ120から送信された照合用情報が、各指紋リーダ及び各カードリーダの照合用情報テーブルに登録されるまでの処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【0124】
同図におけるTH1〜TH3は、センタサーバ120の実行制御部により生成される3つのスレッドを示しており、以下では、実行制御部により、スレッドTH1には種別番号「2」、スレッドTH2及びTH3には種別番号「1」が指定されるものとする。また、図15(b)に示す構成情報テーブル60における送信フラグ33は、以下の処理を開始する時点で全て「0」(未送信)であるものとする。
【0125】
<スレッドTH1による1回目の送信>
まず、実行制御部が、生成し実行可能状態ST1にあるスレッドTH1を実行状態ST2に遷移させると、スレッドTH1は、構成情報テーブル50において、送信フラグ「0」と種別「2」が対応付けられている最小の管理装置ID「5」が示す入場管理装置200Eを対象装置とし、入場管理装置200Eの送信フラグ33を「1」に更新した上で、実行制御部により割り当てられている種別番号が「2」であるので、カードIDを含む照合用情報(照合用情報テーブル20の内容)をパケットに分割し通信インタフェース部を介して送信していく(ステップS50)。
【0126】
以下のステップS51〜ステップS53の処理は、基本的に実施の形態1のステップS21〜S23の処理と同様であるため、説明は省略する。
<スレッドTH2による1回目の送信>
ステップS50の処理が完了すると、スレッドTH1は実行制御部により待機状態ST3に遷移させられており、スレッドTH1に代えて、実行制御部が、生成し実行可能状態ST1にあるスレッドTH2を実行状態ST2に遷移させると、スレッドTH2は、構成情報テーブル50において送信フラグ「0」と種別「1」が対応付けられている最小の管理装置ID「1」が示す入場管理装置200Aを対象装置とし、入場管理装置200Aの送信フラグ33を「1」に更新した上で、実行制御部に割り当てられている種別番号が「1」であるので、指紋データを含む照合用情報(照合用情報テーブル10の内容)をパケットに分割し通信インタフェース部を介して送信していく(ステップS60)。
【0127】
以下のステップS61〜ステップS63の処理は、実施の形態1のステップS31〜S33の処理と同様であるため、説明は省略する。
<スレッドTH3による1回目の送信>
上述のスレッドTH2による1回目の送信において、ステップS60の処理が完了すると、スレッドTH2は実行制御部により待機状態ST3に遷移させられており、スレッドTH2に代えて、実行制御部が、生成し実行可能状態ST1にあるスレッドTH3を実行状態ST2に遷移させる。
【0128】
以降、スレッドTH3が照合用情報を送信する対象装置が入場管理装置200Bである以外は、上述のスレッドTH2の場合と同様にステップS70〜S73を処理するため、詳細な説明は省略する。
<スレッドTH1による2回目の送信>
上述のステップS53の処理が完了した際、実行状態ST2にあるスレッドTH1は続けて、ステップS54の処理を行う。以降、スレッドTH1が照合用情報を送信する対象装置が入場管理装置200Fである以外は、上述のスレッドTH1の1回目の送信処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0129】
<考察>
以下、入場管理システム2000において各カードリーダへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間と、実施の形態1の方法での各カードリーダへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間とを比較する。
図16において具体例を用いて説明したように、入場管理システム2000のセンタサーバ120は、スレッド毎に、照合用情報テーブル10を用いるリーダが接続する入場管理装置と、照合用情報テーブル20を用いるリーダが接続する入場管理装置とのどちらに照合用情報を送信するのか割り当てて照合用情報の送信を行う。
【0130】
同図の例では各カードリーダが接続する入場管理装置200E、200Fの管理装置IDが比較的大きい番号であるにもかかわらず、結果としてこれらの入場管理装置への照合用情報の送信が優先され、センタサーバ120が照合用情報の送信を開始してから、2つのカードリーダ300G、300Hへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間はt1となる。
【0131】
図17は、実施の形態1の方法での各カードリーダへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間を説明するための図である。
同図に示すように、この例では、各カードリーダが接続する入場管理装置200E、200Fの管理装置IDに従って、これらの入場管理装置への照合用情報の送信が後回しにされてしまい、センタサーバ100が照合用情報の送信を開始してから2つのカードリーダ300G、300Hへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間は、t2となる。
【0132】
両時間(t1、t2)を比較すると、t1<t2である。
実施の形態2において説明した方法は、例えば以下のような環境において特に有効であるといえる。
即ち、1つの広い管理対象領域(部屋)へ入場するための扉が複数あり、ある扉には、カードリーダが設置されていて、別の扉には指紋リーダが設置されているような場合において、実施の形態2で説明したように各スレッドが照合用情報を送信すれば、指紋リーダへの照合用情報の記憶はまだ完了していないときにも、カードリーダへの照合用情報の記憶は完了しているといったケースが生じ得る。
【0133】
この結果、カードリーダが設置された扉からは管理対象領域への入場が可能となるので、この管理対象領域へ入場する必要がある者の利便性を向上できる。
<補足>
以上、本発明に係る入場管理システムについて各実施の形態に基づいて説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した実施の形態で示した通りの入場管理システムに限られないことは勿論である。
【0134】
(1)変形例2では、各入場管理装置が通信可能であるか否か、つまり、照合用情報を受信可能であるか否かを、センタサーバ110が要求パケットを各入場管理装置に送信し、送信した要求パケットに対する応答パケットを受信したか否かにより判定する方法を一例として説明したが、以下のような変形も考えられる。
即ち、例えば、各入場管理装置は、認証を行う毎に履歴情報をセンタサーバに送信するので、この履歴情報の受信の有無を用いることが考えられる。具体的には、センタサーバは、各入場管理装置から履歴情報を受信する毎に、構成情報テーブル50の対応する入場管理装置の受信結果51を「1」に更新すると共に、その入場管理装置について、履歴情報を受信してからの経過時間の計時を開始(リセットして開始)する。各入場管理装置ついて、履歴情報を受信してからの経過時間が所定時間を計時する毎にセンタサーバは、構成情報テーブル50の対応する入場管理装置の受信結果51を「0」に更新する。このようにすることで、要求パケットを送信しなくても、各入場管理装置が通信可能であるか否かを判定できる。
【0135】
更に、履歴情報の受信の有無と応答パケットの受信の有無とを組み合わせてもよい。即ち、ある入場管理装置から履歴情報を受信した際にも、応答パケットを受信した際にも構成情報テーブル50の対応する入場管理装置の受信結果51を「1」に更新すると共に計時を開始し、所定時間を経過したときにこの受信結果51を「0」に更新するようにしてもよい。これにより、更に正確に、各入場管理装置が通信可能であるか否かを判定できる。
【0136】
(2)各実施の形態及び各変形例では、各スレッドが対象装置を決定し、照合用情報をパケットに分割して送信するものとして説明したが、各スレッド(以下、「各送信用スレッド」という)は、パケットを送信する処理のみを行い、これらとは別の制御用スレッドが、各送信用スレッドの送信対象を決定し、各送信用スレッドが送信すべき照合用情報を分割したパケットを、各送信用スレッドに引き渡すようにしてもよい。
【0137】
(3)実施の形態2では、指紋リーダだけでなく、カードリーダをも含む構成を有する入場管理システム2000の例を説明したが、各スレッドが、カードリーダと接続する入場管理装置に優先して照合用情報の送信を行い、カードリーダと接続する全ての入場管理装置への送信が完了すると、各スレッドが、指紋リーダと接続する入場管理装置に照合用情報を送信するようにしてもよい。これにより、照合用情報の記憶が完了するまでの時間が比較的短いカードリーダへの照合用情報の記憶を、指紋リーダへの照合用情報の記憶より先に完了できるので、実施の形態2の考察で説明したような環境下において、入場者の利便性の向上に貢献できる。
【0138】
(4)各実施の形態及び各変形例においては、各入場管理装置に1台のリーダが接続する構成を説明したが、各入場管理装置に複数台のリーダが接続する構成にしてもよい。
この場合、各入場管理装置は、電子錠の制御のために、その入場管理装置に接続する各リーダと電子錠との対応を示す情報を記憶する必要がある。
また、各入場管理装置は、この情報に基づいて、リーダに照合用情報を転送していき、
各リーダは完了通知に自装置のリーダIDを含ませて接続している入場管理装置に送信するようにし、その入場管理装置は受信した完了通知をセンタサーバに転送する。
【0139】
このとき、入場管理装置は、自装置に接続する全てのリーダから完了通知を受信した際に、1つの完了通知(自装置の管理装置IDを含む)をセンタサーバに送信するようにしてもよい。
また更に、各入場管理装置に接続するリーダは、同じ種類であっても、異なる種類であってもよい。つまり、例えば、入場管理装置Aには1以上の指紋リーダが接続しており、入場管理装置Bには1以上のカードリーダが接続しており、入場管理装置Cには、1以上の指紋リーダと1以上のカードリーダとが接続しているような構成であってもよい。
【0140】
この場合において、センタサーバ及び各入場管理装置は、各リーダの種類を示す情報を記憶し、センタサーバは、各入場管理装置に対して、その入場管理装置に接続するリーダの種類に応じた照合用情報を送信する必要がある。この際の各スレッドの対象装置の決定方法は、各実施の形態及び各変形例で説明した方法であってもよいし、以下のような方法であってもよい。
【0141】
実行制御部は、指紋リーダのみが接続する入場管理装置に送信する1以上のスレッドAと、カードリーダのみが接続する入場管理装置に送信する1以上のスレッドBと、指紋リーダ及びカードリーダが接続する入場管理装置に送信する1以上のスレッドCとを生成する。スレッドAは指紋データを含む照合用情報を対象装置(上述の例では入場管理装置A)に送信し、スレッドBはカードIDを含む照合用情報を対象装置(上述の例では入場管理装置B)に送信し、スレッドCは、指紋データを含む照合用情報とカードIDを含む照合用情報とのそれぞれを対象装置(上述の例では入場管理装置C)に送信するようにする。
【0142】
(5)各実施の形態及び各変形例では、対象装置がない場合に各スレッドは実行制御部により消滅させられるものとして説明したが、図7に示すフローチャートにおいてステップS15の処理が完了したスレッドを実行制御部が消滅させて、必要に応じて生成しなおすようにしてもよい。
(6)各実施の形態及び各変形例では、各入場管理装置の認証用情報記憶部には、予め認証用情報テーブル80が記憶されているものとして説明したが、センタサーバが各入場管理装置に照合用情報を送信する際に一緒に、又は別途、各入場管理装置に送信するようにしてもよい。
【0143】
(7)各実施の形態及び各変形例では、本発明に係る入場管理システムにおけるリーダ装置の一例として指紋リーダとカードリーダを挙げて説明したが、個人を特定する情報を読み取るものであればいかなるものであってもよく、例えば、声紋、虹彩、静脈等の生体情報を読み取るリーダであってもよい。
(8)実施の形態2に係る入場管理システム2000を、各変形例で説明したように変形してもよい。
【0144】
(9)変形例2では、センタサーバ110は、各入場管理装置に要求パケットを送信し、その要求パケットに対する応答パケットの受信結果を反映させた構成情報テーブル50に基づいて、稼動している入場管理装置に照合用情報を送信するものとして説明したが、以下のように変形してもよい。
即ち、この構成情報テーブル50の受信結果51に代えて、稼動フラグを設け、管理者が、稼動している管理装置についての稼動フラグを「1」(稼動中であることを示す)に、未稼働の管理装置についての稼動フラグを「0」(未稼働であることを示す)に予め設定しておき、この変形に係る構成情報テーブルに基づいて、稼動している入場管理装置に照合用情報を送信するようにしてもよい。
【0145】
(10)本発明に係る入場管理システムにおけるサーバの実行制御手段は、各実施の形態及び各変形例に係る入場管理システムにおけるセンタサーバの実行制御部に相当し、サーバの送信状況記憶手段、管理装置情報記憶手段、及び種別記憶手段は、各実施の形態及び各変形例に係るセンタサーバの構成情報記憶部104に相当し、更新手段は、変形例2に係るセンタサーバ110の存否確認部111に相当し、サーバの通信手段は、変形例2に係るセンタサーバ110の存否確認部111及び通信インタフェース部106に相当する。
【0146】
また、本発明に係る入場管理システムにおける管理装置の受信手段及び転送制御手段は、各実施の形態及び各変形例に係る入場管理システムにおける入場管理装置の通信制御部201に相当し、管理装置の応答手段は、変形例2に係る入場管理装置の応答部211に相当する。
また、本発明に係る入場管理システムにおけるリーダ装置は、各実施の形態及び各変形例に係る入場管理システムにおける指紋リーダ及びカードリーダに相当する。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】入場管理システム1000のシステム構成図である。
【図2】センタサーバ100の主要部の機能構成を示すブロック図である。
【図3】入場管理装置200A、指紋リーダ300Aそれぞれの主要部の機能構成を示すブロック図である。
【図4】照合用情報テーブル10、構成情報テーブル30、履歴情報テーブル70、認証用情報テーブル80それぞれのデータ構成と内容例を示す図である。
【図5】照合用情報を送信するための各パケットのデータ構成を示す図である。
【図6】各スレッドの状態遷移図である。
【図7】各スレッドによる照合用情報の送信処理を示すフローチャートである。
【図8】センタサーバ100から送信された照合用情報が、各指紋リーダの照合用情報テーブル10に登録されるまでの処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【図9】従来の方法による3つの指紋リーダA〜Cへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間を説明するための図である。
【図10】構成情報テーブル40のデータ構成と内容例を示す図である。
【図11】変形例2に係るセンタサーバ110の主要部の機能構成を示すブロック図である。
【図12】変形例2に係る入場管理装置210Aの主要部の機能構成を示すブロック図である。
【図13】構成情報テーブル50のデータ構成と内容例を示す図である。
【図14】実施の形態2に係る入場管理システム2000のシステム構成図である。
【図15】照合用情報テーブル20、構成情報テーブル60それぞれのデータ構成と内容例を示す図である。
【図16】センタサーバ120から送信された照合用情報が、各指紋リーダ及び各カードリーダの照合用情報テーブルに登録されるまでの処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【図17】実施の形態1の方法での各カードリーダへの照合用情報の記憶が完了するまでの時間を説明するための図である。
【符号の説明】
【0148】
1 LAN
2A〜2F ケーブル
100、110、120 センタサーバ
101 入力部
102 ユーザインタフェース部
103 照合用情報記憶部
104 構成情報記憶部
105 履歴情報記憶部
106 通信インタフェース部
107 実行制御部
111 存否確認部
200A〜200F、210A 入場管理装置
201 通信制御部
202 認証用情報記憶部
203 計時部
204 鍵制御部
205 認証部
211 応答部
300A〜300F 指紋リーダ
300G、300H カードリーダ
301 通信インタフェース部
302 照合用情報記憶部
303 更新部
304 読取部
305 照合部
1000、2000 入場管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入場者の情報を読み取り、記憶されている照合用情報と照合して入場者を特定する複数のリーダ装置と、各リーダ装置が特定した入場者の認証を行って扉の施解錠を行う複数の管理装置と、各管理装置を介して各リーダ装置に照合用情報を送信するためのサーバとを含む入場管理システムであって、
各管理装置は、
前記サーバから照合用情報を受信する受信手段と、
予め対応付けられている1以上のリーダ装置について、当該リーダ装置に前記受信手段が受信した照合用情報を転送し記憶させ、当該リーダ装置の記憶が完了すると完了通知を前記サーバに送信する転送制御手段とを備え、
前記サーバは、
スレッド毎に異なる管理装置に照合用情報を送信し当該送信に対応する完了通知に応じた処理を行う複数のスレッドを並行して実行し、実行状態のスレッドが照合用情報を送信した後、当該送信に対応する完了通知を受信するまで、当該スレッドを待ち状態に遷移させるよう制御する実行制御手段を備える
ことを特徴とする入場管理システム。
【請求項2】
前記実行制御手段が実行するスレッドの総数は、管理装置の総数より少なく、
前記サーバは、
各管理装置に対し、互いに異なる1つの番号、及び当該管理装置に対し照合用情報を送信したか否かを示す情報を対応付けた送信状況情報を記憶する送信状況記憶手段を備え、
各スレッドは、当該スレッドの実行が開始される際に、前記送信状況情報を参照して照合用情報を送信していない管理装置のうち、最小の番号が対応付けられた管理装置に照合用情報を送信する
ことを特徴とする請求項1記載の入場管理システム。
【請求項3】
前記実行制御手段が実行するスレッドの総数は、管理装置の総数より少なく、
前記サーバは、
各管理装置に対し、互いに異なる1つの番号を各番号が連続するように対応付けると共に、当該管理装置に対し照合用情報を送信したか否かを示す情報を対応付けた送信状況情報を記憶する送信状況記憶手段を備え、
各スレッドは、当該スレッドの実行が開始される際に、前記送信状況情報を参照して照合用情報を送信していない管理装置のうち、対応付けられた番号をスレッドの総数で除算した余り、及び自スレッドに予め設定された値に応じて定まる管理装置に照合用情報を送信する
ことを特徴とする請求項1記載の入場管理システム。
【請求項4】
前記サーバは、
各管理装置のうち、稼働中の管理装置を特定するための管理装置情報を記憶する管理装置情報記憶手段を備え、
各スレッドは、当該スレッドの実行が開始される際に、前記管理装置情報を参照して、稼動中の管理装置のみに照合用情報を送信する
ことを特徴とする請求項1記載の入場管理システム。
【請求項5】
前記サーバは更に
管理装置からデータを受信すると、当該管理装置を稼働中の管理装置として前記管理装置情報を更新する更新手段とを備える
ことを特徴とする請求項4記載の入場管理システム。
【請求項6】
各管理装置は、更に
前記サーバから要求信号を受信すると応答信号を送信する応答手段を備え、
前記サーバは更に、
各管理装置に要求信号を送信し、当該要求信号に対する応答信号を受信する通信手段を備え、
前記更新手段は、各管理装置について、当該管理装置に送信した要求信号に対する応答信号を受信すると、当該管理装置を稼働中の管理装置として前記管理装置情報を更新する
ことを特徴とする請求項5記載の入場管理システム。
【請求項7】
前記照合用情報は、各入場者についての情報からなり、当該照合用情報には、入場者を識別するための媒体情報と入場者の生体情報との2種類の情報が含まれ、
前記サーバは、更に
各管理装置について、当該管理装置に対応するリーダ装置が照合に用いる照合用情報の種類を示す情報を記憶する種別記憶手段を備え、
各スレッドは、前記種別記憶手段に記憶された情報に基づいて、自スレッドに予め設定された1種類の照合用情報を用いて照合を行うリーダ装置と対応付けられた管理装置に照合用情報を送信する
ことを特徴とする請求項2記載の入場管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−144483(P2010−144483A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326076(P2008−326076)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】