説明

入場者管理方法及び管理システム

【課題】博覧会会場、美術館、動物園、コンサート会場等への入場者個々の移動の状況、不審者か否かの情報、不審物を所持していないか否かの情報までをも管理する。
【解決手段】閉空間施設への入場者は、ICタグが内蔵された入場券を所持する。出入口には、ゲートセンサ及び無線端末215が、施設内を複数に分けたエリアのそれぞれには、マットセンサ及び無線端末215が設けられる。各無線端末は、入場者の通過毎に入場券のICタグかせユーザ情報を取得して、エリア、検知時刻の各情報と共に入場者管理サーバ内のDB224に格納する。警備センター213の警備管理者は、情報端末214に入場者管理DBの情報を表示して、入場者の管理を行う。無線端末には、監視カメラ、金属センサが備えられ、それらからの情報と、不審人物データ管理DB223、不審物品データ管理DBの内容とを比較して、不審人物、不審物品の所持を検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入場者管理方法及び管理システムに係り、特に、アミューズメント施設、博覧会会場、美術館、動物園、コンサート会場等の閉空間施設への入場者を管理するために使用して好適な入場者管理方法及び管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、美術館、動物園、コンサート会場等の閉空間施設への入場者は、入り口で入場券を購入した後に施設内に入場するが、入場者が多い場合にはテロメンバーやいたずらによる爆破予告等の犯罪なども増えており、入場者の管理は、警備員だけでは対応することができないと予想される場合が増加している。
【0003】
入場者の管理に関する従来技術として、例えば、特許文献1等に記載された技術が知られている。この従来技術は、商品展示会場への入場者の会場内での動態を把握するためのもので、入場者に、付加的な入場者データとカードIDとを記録した送受信カードを持たせ、展示会場内の各ブースに設けられる送受信装置が、ブース内の入場者が所持する前述の送受信カード内の入場者データとカードIDとを読み取り、これらをブースの位置情報と共にセンター装置に送信し、センター装置が、入場者の動態を管理するというものである。
【特許文献1】特開平11−232511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
入り口で入場券を購入した後に施設内に入場者を入場させて管理する方法は、入場者数の把握程度にとどまり、入場者の行動をリアルタイムに把握することができないものであり、何か事件が発生した場合に、警備員だけでは迅速に対応することができない場合があるという問題点を有している。また、この方法は、今現在の入場者数や、不審人物や不審物品を所有している入場者などを調査したくとも、それらを把握することができないという問題点を有している。
【0005】
また、特許文献1に記載された従来技術は、入場者の展示会場内での行動の把握にとどまり、監視カメラにより入場者の写真撮影を行ったり、金属センサーにより所持品を検出したりという複合システムによるセキュリティー管理までを行うことができるものではないという問題点を有している。
【0006】
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決し、アミューズメント施設、博覧会会場、美術館、動物園、コンサート会場等の閉空間施設への入場者個々の移動の状況、不審者か否かの情報、不審物を所持していないか否かの情報までをも管理することを可能にした入場者管理方法及び管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば前記目的は、閉空間施設への入場者の管理を行う入場者管理システム方法において、前記閉空間施設の出入口及び前記閉空間施設を複数のエリアに区分した各エリアに配置されたICタグセンサを有する無線端末が、入場者が通過する毎に入場者が所持する入場券に内蔵されたICタグから登録ID、エリア、感知時刻の各情報によるユーザデータを読み取り、情報管理サーバ内に備えられた入場者管理データベースに、前記無線端末から送信されてきた前記ユーザデータを格納して管理し、前記入場者管理データベースの内容を管理者用情報端末に表示して入場者の管理を行うことにより達成される。
【0008】
また、前記目的は、閉空間施設への入場者の管理を行う入場者管理システムにおいて、前記閉空間施設の出入口及び前記閉空間施設を複数のエリアに区分した各エリアに配置された入場者が通過する毎に入場者が所持する入場券に内蔵されたICタグから登録ID、エリア、感知時刻の各情報によるユーザデータを読み取って情報管理サーバに送信するICタグセンサを有する無線端末と、情報管理サーバ内に備えられ、前記無線端末から送信されてきた前記ユーザデータを格納管理する入場者管理データベースと、前記入場者管理データベースの内容を表示して入場者の管理を行う管理者用情報端末とを備えたことにより達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、セキュリティの高い入場者管理サービスを、安価にかつ装置の設置・撤去が容易に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明による入場者管理方法及び管理システムの実施形態を図面により詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態による入場者管理システムを閉空間施設に適用した場合の機器の配置状態を示すイメージ図である。図1において、101は閉空間施設、102〜105は広域監視カメラ端末、106〜109はゲートセンサ及び無線端末、110〜113はマットセンサ及び無線端末、114は無線センサ付き端末、115は入場者である。
【0012】
閉空間施設101は、本発明の実施形態での警備領域であり、例えば、アミューズメント施設、博覧会会場、美術館、動物園、コンサート会場等である。この閉空間施設101には、1または複数の出入口が設けられ、それらの出入口のそれぞれには、出入口用のゲートセンサ及び無線端末106〜109が設けられており、閉空間施設101の周囲には、会場内の様子を撮影することができる1または複数の広域監視カメラ端末102〜105が設けられている。また、閉空間施設101内の入場者の通路等に沿った1または複数の要所には、要所設置用のマットセンサ及び無線端末110〜113が設けられており、また、閉空間施設101内には、1または複数の巡回警備員が配置されており、各巡回警備員は、巡回警備員用の無線センサ付き端末114を所持している。
【0013】
そして、図1には示していないが、前述した各端末は、無線により基地局を介して閉空間施設101の全体の管理を行っている情報管理サーバと接続される。なお、前述した端末及びサーバを含む入場者管理システムの構成の詳細については、図2を参照して後述する。閉空間施設101への入場者は、出入口でICタグ内蔵の入場券を受領し、その入場券を所持して閉空間施設101内に入場して、閉空間施設101内の施設等の利用、観覧を行うことができる。
【0014】
図2は本発明の一実施形態による入場者管理システムの構成を示すブロック図である。図2において、201は広域監視カメラ端末、202、205、216、226は無線端末、203は広域監視カメラ、204はマットセンサ及び無線端末、206、217、227はIDチップ読み書き装置、207、218は監視カメラ、208はマット型金属センサ、209はマット型通過センサ、210はネットワーク、211は交換機またはルータ、212は基地局、213は警備センター、214は管理者用の情報端末(管理者PC)、215はゲートセンサ及び無線端末、219はゲート型金属センサ、220は光学通過センサ、221は情報管理サーバ、222は不審物品データ管理データベース(DB)、223は不審人物データ管理DB、224は入場者管理DB、225は無線センサ付き端末、228は端末内蔵カメラ、229は携帯用小型センサである。
【0015】
なお、図2に示す入場者管理システムにおける広域監視カメラ端末201は、図1に示す広域監視カメラ端末102〜104の1台を代表するものであり、マットセンサ及び無線端末204は、図1に示すマットセンサ及び無線端末110〜113の1台を代表するものである。また、ゲートセンサー及び無線端末215は、図1に示すゲートセンサー及び無線端末106〜109の1台を代表するものであり、無線センサ付き端末225は、図1に示す無線センサ付き端末114に相当するものである。
【0016】
図2に示すように、本発明の実施形態による入場者管理システムは、1または複数の広域監視カメラ端末201、1または複数のマットセンサ及び無線端末204、1または複数のゲートセンサー及び無線端末215と、1または複数の無線センサ付き端末225、これらの端末との間で無線による通信を中継する基地局212、この基地局212に接続された交換機またはルータ211、交換機またはルータ211を接続しているLAN等によるネットワーク210、ネットワーク210に接続された警備センター213内の管理者用の情報端末(管理者PC)214、ネットワーク210に接続された情報管理サーバ221により構成されている。
【0017】
前述において、情報管理サーバ221は、不審物品データ管理DB222を持つ不審物品データ管理サーバ、不審人物データ管理DB223を持つ不審人物データ管理サーバ、入場者管理DB224を持つ入場者管理サーバを備えて構成されている。そして、不審物品データ管理DB222には、閉空間施設101内に配置されている各端末が持つ金属センサにより得られた画像が不審物品であるか否かを判断するための不審物品が登録されており、また、不審人物データ管理DB223には、公的機関から提供される指名手配犯等に関するデータが、日々最新の情報に更新されて登録されている。また、入場者管理DB224には、閉空間施設101へ入場した入場者の時系列的な位置情報等が格納されている。なお、前述した各DBは、対応するそれぞれのサーバに持たせるとしているが、各DBは、情報管理サーバ221を構成しているハードデク装置等の内部に格納されていてもよい。
【0018】
警備センター213は、警備管理者が在席しておりしており、管理者PC214を備えて構成されている。警備管理者は、管理者PCを使用して、広域監視カメラ端末201からの画像を取り込んで、閉空間施設101の内部の様子を監視したり、入場者管理DB224に格納されている閉空間施設101内に居る入場者の時系列的な位置情報等の情報を表示させて、人々の移動の状況等を確認することができる。
【0019】
広域監視カメラ端末201は、無線端末202と広域監視カメラ203とを備えて構成され、広域監視カメラ203は、ズームレンズを備えて構成され、撮像した入場者115の人物や閉空間施設101の内部の様子等の画像を無線端末202から基地局212を介して警備センター213内の管理者PC214に送信することができる。
【0020】
各出入口に設置されるゲートセンサ及び無線端末215は、無線端末216、IDチップ読み書き装置217、ゲート監視カメラ218、ゲート型金属センサ219、光学通過センサ220を備えて構成されている。無線端末216は、基地局212とデータ通信を行う端末であり、IDチップ読み書き装置217は、入場券に内蔵されているICタグのデータを受信するID-reader と、外部から受信したデータを入場券に内蔵されているICタグに書き込むID-writer とを備えて構成されている。監視カメラ218は、出入り口用のゲートを通過する人を監視するカメラであり、ゲート型金属センサ219は、入場者がゲートを通過する際に、金属反応の有無を感知するセンサである。さらに、光学通過センサ220は、赤外線等により入場者がゲートを通過したことを判別するセンサである。
【0021】
マットセンサ及び無線端末204は、閉空間施設101内の通路等の要所に備えられているもので、無線端末205と、IDチップ読み書き装置206と、監視カメラ207と、マット型金属センサ208と、マット型通過センサ209とにより構成されている。無線端末205、IDチップ読み書き装置206は、前述したゲートセンサ及び無線端末における無線端末216、IDチップ読み書き装置217と同様な機能を有する。そして、監視カメラ207は、マット上を通過する人を監視するカメラであり、マット型金属センサ208は、マット形状の金属センサであり、入場者がマット上を通過する際に、金属反応の有無を感知するセンサである。マット型通過センサ209は、マット形状のセンサであり、その上を入場者が通過したことを判別するセンサである。
【0022】
無線センサ付き端末225は、閉空間施設101内を警備する巡回警備員が所持する携帯用の端末であり、無線端末226と、IDチップ読み書き装置227と、端末内蔵カメラ228と、携帯用小型金属センサ229とにより構成されている。無線センサ付き端末225を構成するこれらの機構は、携帯可能に構成されているだけで機能的には、前述までに説明したゲートセンサ及び無線端末215、マットセンサ及び無線端末204を構成しているものと同一である。
【0023】
前述において、IDチップ読み書き装置206、217、227は、ICタグセンサを備えていて、ICタグセンサから電波を照射することにより、入場者が所持する入場券に搭載されているICタグから発信される無線ICタグ信号を感知し、その無線ICタグ信号に含まれる登録ID、エリア、センサ感知時刻情報、不審人物、不審物品等のユーザデータを読み取ることができるものである。
【0024】
図3は入場者管理DB224に格納されるユーザデータの構成例を示す図であり、次に、これについて説明する。この入場者管理DB224に格納されるユーザデータは、前述で説明した出入口に備えられるゲートセンサ及び無線端末215、閉空間施設101内の設置されているマットセンサ及び無線端末204のそれぞれが、入場者の通過を検出したときに、入場券に設けられているIDチップの情報を読み、その情報と共に送信されてきた検出無線端末の情報等を格納したデータである。
【0025】
図3に示すユーザデータは、閉空間施設101に入場した時刻を示す入場時刻301、入場者が出入口用ゲートを通過して閉空間施設外に退場した時刻を示す退場時刻302、入場者が各エリアに設置してあるマットセンサを通過した時刻を示すセンサ感知時刻303、各入場者の登録したIDナンバーを示す登録ID304、各センサが入場者を感知したエリアを示すエリア305、指名手配犯や管理者PCから不審人物と指定された入場者を示す不審人物306、金属センサに感知した場合や管理者PCから不審物品を所持していると指定された入場者を示す不審物品307、金属反応にのみ反応したユーザを示す金属反応308から構成される。
【0026】
そして、前述したユーザデータは、管理者PC214から呼び出して、管理者PC214の表示装置に表示させることができ、図3に示すユーザデータは、管理者PCの表示装置に表示された状態のものとして示している。さらに、表示の中には、今現在の閉空間施設101内に居る入場者数を示す現在の入場者数312、今現在の閉空間施設101内に居る不審人物と判断された人数を示す不審人物の人数313、今現在の閉空間施設内にいる不審物品を所持していると判断された人数を示す不審物品所持者の人数314が、それぞれ表示され、不審人物、不審物品、金属反応がある入場者に関しては色別で容易に識別することができるように表示される。また、管理者PC214は、このユーザデータの1つを指定して指示すると、広域監視カメラやゲート監視カメラが取得した、ユーザの画像データを示すカメラの画像309を表示させることができる。また、管理者PC214から指示データを入力することにより、それぞれの入場者のデータを入場者管理DB224から引き出すことができる。
【0027】
図4は本発明の実施形態による入場者管理システムを構成する無線端末等の機器のハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、401はセンサー側端末、402、413は記憶部、403、414はメモリ、404、416は出力部、405、415は処理部、406は無線端末、407、417は入力部、408は無線通信空間であり、他の符号は図2の場合と同一である。
【0028】
図4に示すハードウェア構成において、センサー側装置401は、図2に示す広域監視カメラ端末201、要所設置用のマットセンサ及び無線端末204、出入り口用のゲートセンサ及び無線端末215、巡回警備員用の無線センサ付き端末225の構成であり、ハードディスク装置等による記憶部402、処理部405が各種の処理におけるワークメモリ等として使用するメモリ403、表示装置、IDチップ読み書き装置等に対する出力部404、CPU等による処理部405、各種センサ、IDチップ読み書き装置、カメラ等からの入力部407、無線通信空間408を介して基地局212との通信を行う無線端末406により構成されている。
【0029】
また、管理者PC214は、ハードディスク装置等による記憶部413、処理部415が各種の処理におけるワークメモリ等として使用するメモリ414、CPU等による処理部415、表示装置等による出力部416、キーボード、マウス等による入力部417により構成されている。
【0030】
図5は本発明の実施形態による入場者管理システムにおける入場時の処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0031】
(1)閉空間施設101に入場しようとする人が閉空間施設の出入り口に来ると、ゲートセンサ及び無線端末215は、光学通過センサ220により入場者を感知さする。この入場者の感知により、ICタグ内蔵の入場券が配布される。このとき、ICタグには登録IDが書き込まれる。また、この入場券の配布は、例えば、自動発券機等により行われる(ステップ501、502)。
【0032】
(2)次に、ゲートセンサ及び無線端末215は、入場者が入場券を取得後に入場したか否かを判定し、入場券を取得せずに入場しようとした場合、入場券の取得を促す警報を発出し、入場しようとしているユーザに入場券を取得させる(ステップ503〜505)。
【0033】
(3)その後、ゲートセンサ及び無線端末215は、ゲート型金属センサ219により、入場者が金属の物品を所持しているか否かを判定し、入場者が金属の物品を所持していた場合、係員による物品検査を行わせ、同時にそのデータを基地局212に送信する(ステップ506、507)。
【0034】
(4)基地局212は、受信したデータを不審物品データ管理サーバ内の不審物品データ管理DB222に送信する。不審物品データ管理サーバは、送信されてきたデータを不審物品データ管理DB222に登録すると共に、予め格納されている不審物品データとの照合の結果を返送する(ステップ508、509)。
【0035】
(5)ゲートセンサ及び無線端末215は、その後、監視カメラ218により入場者の画像を撮影し、その画像データを、ICタグ〜取得したユーザデータと共に基地局212に送信する。基地局212は、受信したデータを入場者管理サーバ内の入場者管理DB224に送信すると共に、不審人物データ管理サーバ内の不審人物データ管理DB223に送信する(ステップ510、511)。
【0036】
(6)入場者管理サーバは、送信されてきたデータを入場者管理DB224に登録する。また、不審人物データ管理サーバ内は、不審人物データ管理DB223に予め格納されている不審人物との照合を行い、合致した場合、警備センター213の管理者PC214に報告して警報を発報させる(ステップ512〜514)。
【0037】
図6は本発明の実施形態による入場者管理システムにおけるマットセンサ及び無線端末で入場者を検出したときの処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0038】
(1)入場者が、閉空間施設101内を移動中に、各エリアに設置されているマットセンサ及び無線端末204のマット型通過センサ209の上を通過した場合、IDチップ読み書き装置206は、入場者が持つ入場券のICタグからタグ内のユーザデータを取得する(ステップ601)。
【0039】
(2)次に、マットセンサ及び無線端末204は、マット型金属センサ208が入場者の金属物体の所持を検出したか否かを判断し、金属物体の所持を検出した場合、警報を発すると共に、ユーザデータと共に金属物体の検出データを基地局212に送信する(ステップ602)。
【0040】
(3)基地局212は、受信したユーザデータを不審物品データ管理サーバ内の不審物品管理DB222、及び、入場者管理サーバ内の入場者管理DB224に送信する。入場者管理サーバは、送信されてきたユーザデータをマット通過時刻、エリア情報と共に入場者管理DB224に登録する。また、不審物品データ管理サーバは、送信されてきた金属物体の検出データを、不審物品管理DB222に格納されている入場時のデータと照合する(ステップ603〜605)。
【0041】
(4)前述の照合の結果、送信されてきた金属物体の検出データが不審物品管理DB222に格納されている入場時のデータと一致しなかった場合、不審物品データ管理サーバは、基地局212にユーザの画像データを要求する命令信号を送信する(ステップ606)。
【0042】
(5)基地局212は、命令信号を受信後、広域監視カメラ端末201に画像データ要求の信号を送信する(ステップ607)。
【0043】
(6)広域監視カメラ端末201は、基地局212からの画像要求信号を受信すると、ユーザの位置情報(マット位置データ)から、画像データを取得しユーザの画像を取得後、基地局212に画像データを送信する(ステップ608、609)。
【0044】
(7)基地局212は、画像データの受信後、入場者管理サーバの入場者管理DB224に画像データを送信する。入場者管理サーバは、受信した画像データを入場者管理DB224に登録し、その登録後、警備センター213内の管理者PC214に画像データと共にユーザデータを送信して管理者PC214にユーザデータを表示させる(ステップ610〜612)。
【0045】
図7は本発明の実施形態による入場者管理システムにおける管理者PCからの不審物品所持者、不審人物に対する処置を行う場合の処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0046】
(1)警備センター213の警備管理者は、管理者PC214を使用して、図3に示して説明した入場者管理DB224の表示画面から抽出したユーザデータまたは不審物品データ管理DB222、不審人物データ管理DB223に登録されているデータを、交換機またはルータ211を経由して基地局212に送信する(ステップ701)。
【0047】
(2)基地局212は、受信したデータを巡回警備員が所持する用無線センサ付き端末225に送信する(702)。巡回警備員が所持する無線センサ付き端末225は、基地局212から送信されてきたデータを受信する(ステップ702、703)。
【0048】
(3)巡回警備員が所持する無線センサ付き端末225には、基地局212から受信したユーザデータから、不審人物や不審物品所持者の位置情報等のユーザデータが表示され、巡回警備員は、送信された位置情報等を含むユーザデータより、入場者を判別して不審人物に接触することができる(ステップ704、705)。
【0049】
(4)巡回警備員は、無線センサ付き端末225のIDチップ読み書き装置227で、不審人物が持つ入場券ICタグからユーザデータを取得し、また、不審人物に金属センサ反応があるか否かを携帯用小型金属センサ229により検出し、不審人物に金属センサ反応があ場合、巡回警備員による物品検査を行わせ、同時にそのデータを基地局212に送信する(ステップ706〜708)。
【0050】
(5)基地局212は、受信したデータを不審物品データ管理サーバ内の不審物品データ管理DB222に送信する。不審物品データ管理サーバは、送信されてきたデータを不審物品データ管理DB222に登録すると共に、予め格納されている不審物品データとの照合の結果を返送する(ステップ709、710)。
【0051】
(6)巡回警備員は、その後、無線センサ付き端末225の端末内蔵カメラ228により入場者の画像を撮影し、その画像データを基地局212に送信する。基地局212は、受信したデータを入場者管理サーバ内の入場者管理DB224に送信する。入場者管理サーバは、送信されてきたデータを入場者管理DB224に登録する(ステップ711〜713)。
【0052】
図8は本発明の実施形態による入場者管理システムにおける退場時の処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0053】
(1)閉空間施設101から退場しようとする人が閉空間施設の出入り口に来ると、ゲートセンサ及び無線端末215は、光学通過センサ220により入場者を感知する。同時に、IDチップ読み書き装置217が入場券に内蔵されているICタグからユーザデータを読み込む(ステップ801)。
【0054】
(2)IDチップ読み書き装置217が入場券に内蔵されているICタグからユーザデータを読み込むことができたことにより、入場券を所持した入場者が退場するものと判断することができ、これにより、ICタグ内蔵の入場券を回収する。この入場券の回収は、例えば、自動回収機の入場券投入穴に入場券を投入させることでよい(ステップ802)。
【0055】
(3)次に、ゲートセンサ及び無線端末215は、入場者が入場券を返却した後に退場したか否かを判定し、入場券を返却せずに退場しようとした場合、入場券の返却を促す警報を発出し、退場しようとしているユーザに入場券を返却させる(ステップ803〜805)。
【0056】
(4)ゲートセンサ及び無線端末215は、その後、監視カメラ218により撮影した退場者の画像、退場時刻を含むユーザデータを基地局212に送信する。基地局212は、受信したデータを入場者管理サーバ内の入場者管理DB224に送信する。入場者管理サーバは、送信されてきたデータを入場者管理DB224に登録する(ステップ806〜808)。
【0057】
前述した本発明の実施形態における各処理は、処理プログラムとして構成することができ、この処理プログラムは、HD、DAT、FD、MO、DVD−ROM、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することができる。
【0058】
前述した本発明の実施形態によれば、ICタグを内蔵したカード状の入場券を入場者に所持させておくことにより、今現在の入場者数、登録ID、所在エリア、金属センサ感知情報、及び、不審人物、不審物品等のユーザデータからセキュリティの高い入場者管理サービスを、安価にかつ装置の設置・撤去が容易として提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態による入場者管理システムを閉空間施設に適用した場合の機器の配置状態を示すイメージ図である。
【図2】本発明の一実施形態による入場者管理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】入場者管理DBに格納されるユーザデータの構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態による入場者管理システムを構成する無線端末等の機器のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態による入場者管理システムにおける入場時の処理動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態による入場者管理システムにおけるマットセンサ及び無線端末で入場者を検出したときの処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態による入場者管理システムにおける管理者PCからの不審物品所持者、不審人物に対する処置を行う場合の処理動作を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態による入場者管理システムにおける退場時の処理動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
101 閉空間施設
102〜105 広域監視カメラ端末
106〜109 ゲートセンサ及び無線端末
110〜113 マットセンサ及び無線端末
114 無線センサ付き端末
115 入場者
201 広域監視カメラ端末
202、205、216、226 無線端末
203 広域監視カメラ
204 マットセンサ及び無線端末
206、217、227 IDチップ読み書き装置
207、218 監視カメラ
208 マット型金属センサ
209 マット型通過センサ
210 ネットワーク
211 交換機また ルータ
212 基地局
213 警備センター
214 情報端末(管理者PC)
215 ゲートセンサ及び無線端末
219 ゲート型金属センサ
220 光学通過センサ
221 情報管理サーバ
222 不審物品データ管理データベース(DB)
223 不審人物データ管理DB
224 入場者管理DB
225 無線センサ付き端末
228 端末内蔵カメラ
229 携帯用小型センサ
401 センサー側端末
402、413 記憶部
403、414 メモリ
404、416 出力部
405、415 処理部
406 無線端末
407、417 入力部
408 無線通信空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉空間施設への入場者の管理を行う入場者管理方法において、前記閉空間施設の出入口及び前記閉空間施設を複数のエリアに区分した各エリアに配置されたICタグセンサを有する無線端末が、入場者が通過する毎に入場者が所持する入場券に内蔵されたICタグから登録ID、エリア、感知時刻の各情報によるユーザデータを読み取り、情報管理サーバ内に備えられた入場者管理データベースに、前記無線端末から送信されてきた前記ユーザデータを格納して管理し、前記入場者管理データベースの内容を管理者用情報端末に表示して入場者の管理を行うことを特徴とする入場者管理方法。
【請求項2】
前記無線端末は、入場者の撮影を行う監視カメラを有し、また、前記情報管理サーバ内には、指名手配犯等の情報が更新された最新の情報が登録されている不審人物データ管理データベースが備えられ、前記監視カメラで撮影された画像データは、前記入場者管理データベースに格納され、前記情報管理サーバは、前記不審人物データ管理データベースの内容と前記監視カメラで撮影された画像データとを比較し、不審人物である場合その旨を前記入場者管理データベースに格納することを特徴とする請求項1記載の入場者管理方法。
【請求項3】
前記無線端末は、入場者が所持する金属物を検出する金属センサを有し、また、前記情報管理サーバ内には、不審と認められる金属物体のデータが登録されている不審物品データ管理データベースが備えられ、前記金属センサで検出されたデータは、前記入場者管理データベースに格納され、前記情報管理サーバは、不審物品データ管理データベースの内容と前記金属センサで検出されたデータとを比較し、不審物品である場合その旨を前記入場者管理データベースに格納することを特徴とする請求項1または2記載の入場者管理方法。
【請求項4】
閉空間施設への入場者の管理を行う入場者管理システムにおいて、前記閉空間施設の出入口及び前記閉空間施設を複数のエリアに区分した各エリアに配置された入場者が通過する毎に入場者が所持する入場券に内蔵されたICタグから登録ID、エリア、感知時刻の各情報によるユーザデータを読み取って情報管理サーバに送信するICタグセンサを有する無線端末と、情報管理サーバ内に備えられ、前記無線端末から送信されてきた前記ユーザデータを格納管理する入場者管理データベースと、前記入場者管理データベースの内容を表示して入場者の管理を行う管理者用情報端末とを備えたことを特徴とする入場者管理システム。
【請求項5】
前記無線端末は、入場者の撮影を行う監視カメラを有し、また、前記情報管理サーバ内には、指名手配犯等の情報が更新された最新の情報が登録されている不審人物データ管理データベースが備えられ、前記監視カメラで撮影された画像データは、前記入場者管理データベースに格納され、前記情報管理サーバは、前記不審人物データ管理データベースの内容と前記監視カメラで撮影された画像データとを比較し、不審人物である場合その旨を前記入場者管理データベースに格納することを特徴とする請求項4記載の入場者管理システム。
【請求項6】
前記無線端末は、入場者が所持する金属物を検出する金属センサを有し、また、前記情報管理サーバ内には、不審と認められる金属物体のデータが登録されている不審物品データ管理データベースが備えられ、前記金属センサで検出されたデータは、前記入場者管理データベースに格納され、前記情報管理サーバは、不審物品データ管理データベースの内容と前記金属センサで検出されたデータとを比較し、不審物品である場合その旨を前記入場者管理データベースに格納することを特徴とする請求項4または5記載の入場者管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−163788(P2006−163788A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−354059(P2004−354059)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【Fターム(参考)】