入退室管理装置および方法
【課題】所望の履歴情報を柔軟かつ容易に抽出する。
【解決手段】履歴選択部15Dにより、オペレータによる履歴閲覧要求時に記憶部14を参照して、当該オペレータの管理区分と各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を閲覧対象履歴として選択する。
【解決手段】履歴選択部15Dにより、オペレータによる履歴閲覧要求時に記憶部14を参照して、当該オペレータの管理区分と各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を閲覧対象履歴として選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退室管理技術に関し、特に各部屋に対する各ユーザの入退室に関する履歴情報を表示する履歴表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、施設や建物では、特定の管理区域について部外者に対するセキュリティが必要な場合、入退室管理システムを用いて入退室を厳重に管理するものとなっている。代表的な入退室管理システムとして、例えば特定の部屋の出入口にリーダと電気錠を設け、ユーザが所持するIDカードから読み取ったユーザ識別情報に基づき入退室の可否を判定して電気錠を制御する入退室管理システムが提案されている(例えば、特許文献1,2など参照)。
【0003】
このような入退室管理システムでは、各ユーザの部屋への入退室の履歴を示す履歴情報や、各ユーザや各部屋に関する入退室可否判定のための判定情報は、施設や建物を管理する管理者が一括して管理する方法が一般的である。
したがって、複数の会社がテナントとして入居する建物では、建物管理者が各テナントユーザの履歴情報や判定情報を管理する必要があるため、建物管理者の作業負担が大きくなる。
【0004】
従来、このような複数の会社がテナントとして入居する建物で用いる入退室管理システムとして、例えば「会社」、「部署」、「個人」からなる階層構造で各ユーザを分類しておき、これら分類に属するユーザの履歴情報や判定情報については、当該分類の1つ上位の階層に位置する責任者にアクセス権を付与して、当該責任者が閲覧し設定することにより、建物全体の管理者に対する作業負担を軽減する技術が提案されている(例えば、特許文献3など参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平10−280752号公報
【特許文献2】特開平11−203580号公報
【特許文献3】特開2000−030171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来技術では、複数の会社がテナントとして入居する建物の場合、所望の履歴情報を柔軟かつ容易に抽出することができないという問題点があった。
すなわち、従来の入退室管理システムでは、「会社」、「部署」、「個人」などの階層構造に基づきユーザを分類し、これらユーザの履歴情報に対するアクセス権は、当該分類の上位階層にあたる分類に属する責任者に付与される。したがって、責任者が閲覧可能な履歴情報は下位階層の分類に属するユーザに関するものに限定されるため、異なる分類に関する履歴を横断的に効率よく一括して閲覧することができない。
【0007】
また、履歴情報を閲覧する際、当該分類に属するすべてのユーザの識別情報を検索キーとして膨大な履歴情報から所望の履歴情報を検索する必要があり、検索処理負担が大きくなり易い。特に、ユーザ数に応じて検索処理負担も大幅に増加するため、テナント単位で履歴情報を抽出する場合、その検索処理負担は極めて大きい。また、従来技術の場合、階層構造の最上位階層は建物管理者となるため、例えばテナント単位の履歴情報を抽出するには、建物管理者が履歴情報を検索する必要があり、建物管理者に対して大きな作業負担が発生する。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、所望の履歴情報を柔軟かつ容易に抽出することができる入退室管理装置および方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、本発明にかかる入退室管理装置は、特定の部屋に対するユーザの入退室ごとの日時、部屋、およびユーザを示す履歴からなる履歴情報と、部屋が属する管理区分を示す部屋管理区分情報と、ユーザが属する管理区分を示すユーザ管理区分情報と、履歴情報を閲覧するオペレータが属する管理区分を示すオペレータ管理区分情報とをそれぞれ記憶する記憶部と、記憶部を参照してオペレータの管理区分と履歴情報の各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を選択する履歴選択部と、オペレータによる履歴閲覧時に記憶部の履歴情報のうち履歴選択部で選択された履歴を画面表示部で表示する履歴表示部とを備えている。
【0010】
この際、履歴選択部で、履歴情報のうち、当該部屋の管理区分のいずれかがオペレータの管理区分のいずれかと一致し、かつ当該ユーザの管理区分のいずれかがオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択するようにしてもよい。
【0011】
また、履歴選択部で、履歴情報のうち、当該部屋がいずれか特定の管理区分に属するユーザが専用する専用部屋であって、かつ当該管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択するようにしてもよい。
【0012】
また、履歴選択部で、履歴情報のうち、当該部屋が特定の管理区分に属さないユーザも共用する共用部屋であって、かつ当該管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致し、さらに当該ユーザの管理区分のいずれかがオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明にかかる入退室管理方法は、記憶部により、特定の部屋に対するユーザの入退室ごとの日時、部屋、およびユーザを示す履歴からなる履歴情報と、部屋が属する管理区分を示す部屋管理区分情報と、ユーザが属する管理区分を示すユーザ管理区分情報と、履歴情報を閲覧するオペレータが属する管理区分を示すオペレータ管理区分情報とをそれぞれ記憶する記憶ステップと、履歴選択部により、記憶部を参照してオペレータの管理区分と履歴情報の各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を選択する履歴選択ステップと、履歴表示部により、オペレータによる履歴閲覧時に記憶部の履歴情報のうち履歴選択部で選択された履歴を画面表示部で表示する履歴表示ステップとを備えている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、オペレータによる履歴閲覧時には、履歴選択部により、記憶部が参照されて、当該オペレータの管理区分と各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とが比較され、この比較結果に基づいて所望の履歴が選択されるため、オペレータの管理区分に応じた履歴が選択的に表示される。
【0015】
このため、管理区分を必要に応じて設定することにより、会社の組織やフロアなどの既存の分類に制限されることなく異なる分類に関する履歴を横断的に表示することができる。また管理区分で表示要否を判定するようにしたので、所望の分類に属する各ユーザIDと各履歴とを比較して判定する場合に比べて極めて効率よく表示要否を判定できる。したがって、複数の会社がテナントとして入居する建物の場合でも、所望の履歴情報を柔軟かつ容易に抽出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の構成を示すブロック図である。
この入退室管理装置10は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置からなり、通信ネットワークNWを介してコントローラ21とデータ通信を行うことにより、入退室を管理するための機能として、例えば特定の管理区域についてユーザの入退室可否を判定する機能や、入退室の内容を示す履歴情報を蓄積して画面表示する機能を有している。
【0017】
リーダ23は、特定の管理区域に相当する部屋22の出入口に設けられた情報読取装置からなり、ユーザの所有するIDカード30からユーザ識別情報を取得する機能と、制御バスBSを介してコントローラ21とデータ通信を行うことによりユーザ識別情報をコントローラ21へ送信する機能とを有する。
電気錠24は、特定の管理区域に相当する部屋22の出入口のドアに設けられた電気式の錠前からなり、制御バスBSを介してコントローラ21とデータ通信を行うことによりコントローラ21からの錠制御指示を受信する機能と、受信した錠制御指示に基づいて当該出入口のドアの施錠や解錠を行う機能とを有している。
【0018】
コントローラ21は、コンピュータを用いて制御バスBSに接続された各種機器を制御する機器制御装置であり、通信ネットワークNWを介して入退室管理装置10とデータ通信を行う機能と、このデータ通信により当該コントローラ21の管理エリア20内にある各部屋22へ入退室可能な利用者に関する入退室判定情報を入退室管理装置10からダウンロードして保存する機能と、各部屋22のリーダ23から制御バスBSを介して受信したユーザ識別情報に対して、上記入退室判定情報に基づき当該部屋への入退室可否を判定する機能と、この判定結果に基づく錠制御指示を所定の部屋22の電気錠24へ制御バスBSを介して送信する機能を有している。図1の例では、1つ以上の部屋22が論理的な1つ管理エリア20として管理されており、管理エリア20ごとに設けられた1つのコントローラ21により、各部屋22に対する入退室可否が判定され、その判定結果に基づき各部屋22のリーダ23および電気錠24が制御される。
【0019】
本実施の形態は、入退室管理装置10の履歴選択部により、オペレータによる閲覧時に記憶部を参照して、当該オペレータの管理区分と履歴情報の各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を選択するようにしたものである。
【0020】
管理区分とは、入退室管理装置10の管理対象に対して任意に設定した、履歴情報の閲覧可否判定を行う論理的な管理グループである。例えば3つの会社がテナントとして1の建物に入居するような場合、テナントごとやフロアごとに管理区分A〜Cが設定され、部屋、ユーザ、およびオペレータがいずれか1つ以上の管理区分に属するよう予め設定される。履歴情報閲覧時には、オペレータに対して予め割り当てられたすべての管理区分を管理範囲(閲覧可能範囲)として、個々の管理区分すなわち管理単位ごとに履歴情報の閲覧可否が判定される。
【0021】
[入退室管理装置]
次に、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の構成について詳細に説明する。
入退室管理装置10には、主な機能部として、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、および演算処理部15が設けられている。
【0022】
通信I/F部11は、専用のデータ通信回路からなり、LANなどの通信ネットワークNWを介して各管理エリア20のコントローラ21とデータ通信を行う機能を有している。
操作入力部12は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して演算処理部15へ出力する機能を有している。
画面表示部13は、LCDやPDPなどの画面表示装置からなり、演算処理部15からの指示に応じて、操作メニューや履歴情報などの各種情報を画面表示する機能を有している。
【0023】
記憶部14は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置からなり、演算処理部15で実行する情報処理に用いる各種処理情報やプログラム14Pを記憶する機能を有している。
プログラム14Pは、演算処理部15で読み出されて実行されることにより、各種処理情報を実現するためのプログラムであり、予め記録媒体(図示せず)や外部装置(図示せず)から取り込んで格納される。
記憶部14で記憶する処理情報としては、入退室判定情報14A、部屋管理区分情報14B、ユーザ管理区分情報14C、オペレータ管理区分情報14D、および履歴情報14Eがある。
【0024】
入退室判定情報14Aは、ユーザごとに各部屋22に対する入退室可否を示す情報であり、予めオペレータの登録操作により設定される。図2は、入退室判定情報の構成例である。ここでは、各ユーザに固有のユーザID(ユーザ識別情報)と当該ユーザが入退室可能な部屋を示す部屋ID(部屋識別情報)のリストとの組が、ユーザごとに登録されている。
【0025】
部屋管理区分情報14Bは、部屋22ごとに当該部屋が属する管理区分を示す情報であり、予めオペレータの登録操作により設定される。図3は、部屋管理区分情報の構成例である。ここでは、部屋ID、部屋名、および当該部屋に対する予め用意された管理区分A〜Cの割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データの組が、部屋ごとに登録されている。
【0026】
ユーザ管理区分情報14Cは、ユーザごとに当該ユーザが属する管理区分を示す情報であり、予めオペレータの登録操作により設定される。図4は、ユーザ管理区分情報の構成例である。ここでは、ユーザID、ユーザの氏名、当該ユーザに対する予め用意された各管理区分A〜Cの割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データの組が、ユーザごとに登録されている。
【0027】
オペレータ管理区分情報14Dは、オペレータごとに当該オペレータが属する管理区分を示す情報であり、予めオペレータの登録操作により設定される。図5は、オペレータ管理区分情報の構成例である。ここでは、オペレータID(オペレータ識別情報)、オペレータのログイン名、オペレータの氏名、オペレータが閲覧可能な履歴の表示対象日時、および当該オペレータに対する予め用意された各管理区分の割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データの組が、オペレータごとに登録されている。
【0028】
履歴情報14Eは、管理区域である特定の部屋に対するユーザの入退室の内容を示す情報であり、入退室の判定ごとにコントローラ21から通知された履歴が、演算処理部15により記録される。図6は、履歴情報の構成例である。ここでは、履歴ID(履歴識別情報)、入退室が行われた履歴日時、部屋ID、ユーザID、当該入退室に関する部屋およびユーザの管理区分の割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データ、部屋やユーザに関する説明である備考の組が、履歴ごとに登録されている。
【0029】
演算処理部15は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部14のプログラム14Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム14Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。
演算処理部15で実現される主な機能としては、入退室設定部15A、オペレータ認証部15B、履歴蓄積部15C、履歴選択部15D、および履歴表示部15Eがある。
【0030】
入退室設定部15Aは、オペレータが入退室可否を設定する際、記憶部14の入退室判定情報14Aのうち、オペレータの管理区分と一致する部屋およびユーザの入退室可否を当該オペレータの操作に応じて更新して記憶部14へ保存する機能を有している。
オペレータ認証部15Bは、履歴情報の閲覧を行う前にログイン名やパスワードに基づいてオペレータの正当性を確認する機能を有している。
【0031】
履歴蓄積部15Cは、コントローラ21での入退室の判定ごとに、その入退室の内容を示す、日時、部屋、およびユーザを含む履歴を生成する機能と、生成した履歴を記憶部14に履歴情報14Eとして蓄積する機能とを有している。
履歴選択部15Dは、記憶部14の部屋管理区分情報14B、ユーザ管理区分情報14C、オペレータ管理区分情報14Dを参照して、当該オペレータの管理区分と各履歴情報の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較する機能と、この比較結果に基づいて所望の履歴情報を選択する機能とを有している。
履歴表示部15Eは、オペレータが履歴情報を閲覧する際、記憶部14の履歴情報14Eのうち履歴選択部15Dで選択された履歴を画面表示部13で表示する機能を有している。
【0032】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図7および図8を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の動作について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態にかかるコントローラの入退室判定処理を示すフローチャートである。図8は、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の履歴表示処理を示すフローチャートである。
【0033】
[入退室判定動作]
まず、図7を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコントローラの入退室判定動作について説明する。
ユーザが管理区域にある部屋22に入退室する際、入退室の許可を得るため所持するIDカード30をリーダ23に挿入する。リーダ23はIDカード30からユーザIDを読み取り、当該リーダで記憶している部屋IDとともに、制御バスBSを介してコントローラ21へ送信する。コントローラ21は、制御バスBSを介してリーダ23からユーザIDおよび部屋IDを受信し、これに応じて当該ユーザに関する部屋22への入退室可否を判定する。
【0034】
コントローラ21は、制御バスBSを介してリーダ23からユーザIDおよび部屋IDを受信した場合、図7の入退室判定処理を開始する。
コントローラ21は、まず、受信したユーザIDと部屋IDを取得し(ステップ100)、予め入退室管理装置10からダウンロードして保存しておいた記憶部の入退室判定情報を参照して、入退室判定要求のユーザIDに対応する部屋IDリストを取得する(ステップ101)。
【0035】
次に、コントローラ21は、取得した部屋IDリスト内に入退室判定要求の部屋IDが登録されているか否か確認する(ステップ102)。ここで、部屋IDリスト内に部屋22の部屋IDが登録されている場合(ステップ102:YES)、入退室可能と判断し、部屋22の電気錠24の解錠を指示する解錠指示を制御バスBSを介して部屋22のリーダ23および電気錠24へ送信する(ステップ103)。
【0036】
リーダ23は、コントローラ21からの解錠指示に応じて入退室が許可された旨をユーザに表示し、電気錠24は、コントローラ21からの解錠指示に応じて、所定時間だけ部屋22のドアを解錠する。これによりユーザは部屋22の入退室が可能となる。
【0037】
一方、ステップ102において、部屋IDリスト内に部屋22の部屋IDが登録されていない場合には(ステップ102:YES)、当該リーダ23に対する入退室拒否指示を制御バスBSを介して部屋22のリーダ23および電気錠24へ送信する(ステップ104)。
【0038】
リーダ23は、コントローラ21からの入退室拒否指示に応じて入退室が許可されなかった旨をユーザに表示する。これにより電気錠24は解錠されないため、ユーザは部屋22の入退室が不可能のままとなる。
【0039】
ステップ103,104の後、コントローラ21は、当該入退室に関する、履歴日時、部屋ID、ユーザID、リーダID、および入退室判定結果などを含む履歴を生成し、通信ネットワークNWを介して入退室管理装置10へ送信し(ステップ105)、一連の入退室判定処理を終了する。
【0040】
一方、入退室管理装置10の演算処理部15は、履歴情報蓄積部15Cにより、コントローラ21から受信した履歴に、部屋管理区分データ、ユーザ管理区分データ、さらには備考など各種データを付加した後、記憶部14の履歴情報14Eとして蓄積する。
この際、履歴情報において、履歴日時は、履歴生成時や入退室判定時に演算処理部15の計時部(図示せず)から取得した時刻を用いてもよく、当該入退室判定時にリーダ23やコントローラ21で計時されて通知された時刻を用いてもよい。
また部屋IDやユーザIDは入退室判定時のものが用いられる。部屋管理区分データや備考については、記憶部14の部屋管理区分情報14Bから当該部屋IDに対応するものを取得すればよく、ユーザ管理区分データについては、記憶部14のユーザ管理区分情報14Cから当該ユーザIDに対応するものを取得すればよい。
【0041】
[履歴表示動作]
次に、図8を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の履歴表示動作について説明する。
入退室の履歴を閲覧する場合、オペレータは、まず認証要求を操作入力部12から操作入力してオペレータ認証を得た後、履歴閲覧要求を操作入力部12から操作入力する。
【0042】
演算処理部15は、操作入力部12で認証要求操作が検出された場合、オペレータ認証部15Bにより、ログイン名やパスワードなどの認証情報入力画面を画面表示部13に表示し、操作入力部12から入力されたこれら認証情報と記憶部14に予め保存されている認証情報(図示せず)とを比較してオペレータの正当性を確認し、正当性が確認されてオペレータの認証が成功した場合は、各種処理メニューを画面表示部13に表示する。
【0043】
この後、演算処理部15は、操作入力部12で履歴閲覧要求操作が検出された場合、履歴選択部15Dおよび閲覧表示部15Eにより、図8の履歴表示処理を開始する。
履歴選択部15Dは、まず、記憶部14のオペレータ管理区分情報14Dを参照して、当該オペレータのログイン名に基づき、表示対象日時と管理区分データを取得し(ステップ110)、続いて、記憶部14の履歴情報14Eから表示要否が未判定である任意の履歴を取得する(ステップ111)。
【0044】
次に、履歴選択部15Dは、当該履歴の履歴日時とオペレータの表示対象日時を比較し、履歴日時が表示対象日時以降のものかどうか確認する(ステップ112)。ここで、履歴日時が表示対象日時より古い場合(ステップ112:NO)、ステップ116へ移行して、履歴情報14Eのうち表示要否が未判定の履歴が存在する場合にのみ(ステップ116:YES)、ステップ111へ戻って表示要否が未判定である任意の履歴について、表示要否の判定を行う(ステップ111)。
【0045】
一方、ステップ112において、履歴日時が表示対象日時以降である場合(ステップ112:YES)、履歴選択部15Dは、当該履歴の部屋管理区分とオペレータの管理区分を比較する(ステップ113)。ここで、両者に一致する管理区分がない場合(ステップ113:NO)、ステップ116へ移行する。
また、当該履歴の部屋管理区分とオペレータの管理区分に一致するものがある場合(ステップ113:YES)、履歴選択部15Dは、当該履歴のユーザ管理区分とオペレータの管理区分を比較する(ステップ114)。ここで、両者に一致する管理区分がない場合(ステップ114:NO)、ステップ116へ移行する。
【0046】
一方、ステップ114において、当該履歴のユーザ管理区分とオペレータの管理区分に一致するものがある場合(ステップ114:YES)、履歴選択部15Dは、当該履歴を閲覧対象履歴として選択し(ステップ115)、ステップ116へ移行する。
ステップ116において、すべての履歴に対する表示要否の判定が終了した場合(ステップ116:YES)、演算処理部15は、履歴表示部15Eにより、履歴選択部15Dで選択された各履歴を画面表示部13で表示し、一連の履歴表示動作を終了する。
【0047】
これにより、入退室に関係した部屋およびユーザの両管理区分がオペレータの管理区分と一致する履歴が、オペレータにより閲覧される。したがって、例えば管理区分「A」に属するオペレータが図6の履歴情報を閲覧する際、オペレータの管理区分「A」と各履歴の部屋およびユーザの管理区分が比較され、部屋およびユーザの管理区分が「A」を含む履歴、ここでは履歴L1,L3が選択されて画面表示される。
【0048】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、履歴選択部15Dにより、オペレータによる履歴閲覧要求時に記憶部14を参照して、当該オペレータの管理区分と各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を選択するようにしたので、オペレータの管理区分に応じた履歴を選択的に表示することができる。
【0049】
このため、管理区分を必要に応じて設定することにより、会社の組織やフロアなどの既存の分類に制限されることなく異なる分類に関する履歴を横断的に表示することができる。また管理区分で表示要否を判定するようにしたので、所望の分類に属する各ユーザIDと各履歴とを比較して判定する場合に比べて極めて効率よく表示要否を判定できる。したがって、複数の会社がテナントとして入居する建物の場合でも、所望の履歴を柔軟かつ容易に抽出することが可能となる。
【0050】
また、オペレータごとに予め設定されている表示対象日時より古い履歴については閲覧対象履歴として選択しないようにしたので、複数の会社がテナントとして入居する建物でテナントの入れ替えが発生した場合でも、その入れ替え日時を新たなオペレータの表示対象日時として設定すれば、元のテナントに関する履歴の閲覧を制限することができる。これにより、履歴情報から元のテナントの履歴を削除することになく、新たなテナントを迎えることができ、建物管理者の作業負担を大幅に削減することが可能となる。
【0051】
[第2の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる入退室管理装置について説明する。図9は、部屋管理区分情報の他の構成例である。
第1の実施の形態では、管理区域となる部屋が特定の管理区分に属するユーザが専用する専用部屋か、特定の管理区分に属さない他のユーザも共用する共用部屋かの違いに関係なく、履歴閲覧時に履歴を選択する場合について説明した。本実施の形態では、各部屋について専用部屋か共用部屋かに基づいて履歴を選択する場合について説明する。
【0052】
本実施の形態で用いる部屋管理区分情報14Bには、図9に示すように、当該部屋が専用部屋か共用部屋かを示す識別情報が付加されている。ここでは、部屋ID、部屋名、および当該部屋に対する予め用意された管理区分A〜Cの割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データ、および専用/共用識別情報(○=専用部屋,×=共用部屋)の組が、部屋ごとに登録されている。
【0053】
履歴蓄積部15Cは、前述した図7の入退室判定処理のステップ105において履歴を生成する場合、当該入退室に関する、履歴日時、部屋ID、ユーザID、これら部屋IDとユーザIDの管理区分データ、および当該部屋の専用共用識別情報を含む履歴を生成し、記憶部14に履歴情報14Eとして蓄積する。
【0054】
図10は、履歴情報の他の構成例である。ここでは、履歴ID(履歴識別情報)、入退室が行われた履歴日時、部屋ID、ユーザID、当該入退室に関する部屋およびユーザの管理区分の割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データ、専用共用識別情報、部屋やユーザに関する説明である備考の組が、履歴ごとに登録されている。この際、専用共用識別情報については、記憶部14の部屋管理区分情報14Bから部屋IDに対応するものを取得すればよい。
【0055】
なお、入退室管理装置10の構成のうち、後述する履歴選択部15Dおよび履歴表示部15Eでの履歴表示処理が異なるものの、他の構成については第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0056】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図11を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる入退室管理装置の履歴選択動作について説明する。図11は、本発明の第2の実施の形態にかかる入退室管理装置の履歴表示処理を示すフローチャートであり、前述した図8と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
【0057】
演算処理部15は、操作入力部12で履歴閲覧要求操作が検出された場合、履歴選択部15Dおよび閲覧表示部15Eにより、図11の履歴表示処理を開始する。
履歴選択部15Dは、まず、記憶部14のオペレータ管理区分情報14Dを参照して、当該オペレータのログイン名に基づき、表示対象日時と管理区分データを取得し(ステップ110)、続いて、記憶部14の履歴情報14Eから表示要否が未判定である任意の履歴を取得する(ステップ111)。
【0058】
次に、履歴選択部15Dは、当該履歴の履歴日時とオペレータの表示対象日時を比較し、履歴日時が表示対象日時以降のものかどうか確認する(ステップ112)。ここで、履歴日時が表示対象日時より古い場合(ステップ112:NO)、ステップ116へ移行して、履歴情報14Eのうち表示要否が未判定の履歴が存在する場合にのみ(ステップ116:YES)、ステップ111へ戻って表示要否が未判定である任意の履歴について、表示要否の判定を行う(ステップ111)。
【0059】
一方、ステップ112において、履歴日時が表示対象日時以降である場合(ステップ112:YES)、履歴選択部15Dは、当該履歴の部屋管理区分とオペレータの管理区分を比較する(ステップ113)。ここで、両者に一致する管理区分がない場合(ステップ113:NO)、ステップ116へ移行する。
また、当該履歴の部屋管理区分とオペレータの管理区分に一致するものがある場合(ステップ113:YES)、履歴選択部15Dは、当該履歴の専用共用識別情報に基づいて当該部屋が専用部屋かどうか確認する(ステップ200)。
【0060】
ここで、当該部屋が専用部屋の場合には(ステップ200:YES)、ステップ115へ移行する。また、当該部屋が共用部屋の場合(ステップ200:YES)、当該履歴のユーザ管理区分とオペレータの管理区分を比較する(ステップ114)。ここで、両者に一致する管理区分がない場合(ステップ114:NO)、ステップ116へ移行する。
【0061】
一方、ステップ114において、当該履歴のユーザ管理区分とオペレータの管理区分に一致するものがある場合(ステップ114:YES)、履歴選択部15Dは、当該履歴を閲覧対象履歴として選択し(ステップ115)、ステップ116へ移行する。
ステップ116において、すべての履歴に対する表示要否の判定が終了した場合(ステップ116:YES)、演算処理部15は、履歴表示部15Eにより、履歴選択部15Dで選択された各履歴を画面表示部13で表示し、一連の履歴表示動作を終了する。
【0062】
これにより、入退室に関係した部屋が専用部屋であって、かつ当該部屋管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴が、オペレータにより閲覧される。したがって、例えば管理区分「A」に属するオペレータが図6の履歴情報を閲覧する際、部屋が専用部屋であって、かつその部屋管理区分が「A」を含む履歴、ここでは履歴L3,L4が選択されて画面表示される。この際、履歴L4はオペレータとは異なる管理区分のユーザに関する履歴であるが、オペレータと同一の管理区分に専用の部屋に関する履歴であることから閲覧対象履歴として選択されており、他の管理区分のユーザが不正操作あるいは誤操作したことがオペレータにより確認される。
【0063】
また、入退室に関係した部屋が共用部屋であって、かつ当該部屋管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致し、さらに当該ユーザ管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴が、オペレータにより閲覧される。したがって、例えば管理区分「A」に属するオペレータが図6の履歴情報を閲覧する際、部屋が共用部屋であって、かつこれら管理区分が「A」を含む履歴、ここでは履歴L1が選択されて画面表示される。この際、履歴L2はオペレータと同一の管理区分の部屋に関する履歴であるが、オペレータとは異なる管理区分のユーザに関する履歴であることから閲覧対象履歴として選択されておらず、他の管理区分のユーザによる入退室履歴の閲覧が制限されている。
【0064】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態によれば、履歴選択部15Dにより、履歴情報14Eのうち、当該部屋が特定の管理区分に属するユーザが専用する専用部屋であって、かつ当該管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴情報を選択するようにしたので、オペレータの管理区分にのみ属する専用部屋に対する、他の管理区分のユーザによる不正操作に関する履歴を閲覧することができ、入退室管理において高い管理品質を得ることができる。
【0065】
また、本実施の形態では、履歴選択部15Dにより、履歴情報14Eのうち、当該部屋が特定の管理区分に属さないユーザも共用する共用部屋であって、かつ当該管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致し、さらに当該ユーザの管理区分のいずれかがオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴情報を選択するようにしたので、オペレータの管理区分だけでなく他の管理区分にも属する共用部屋に対する、オペレータの管理区分に属するユーザの入退室の履歴のみ表示して、他の管理区分のユーザに関する履歴の閲覧を制限することができ、入退室管理において高いプライバシーを得ることができる。
【0066】
[実施の形態の拡張]
以上の各実施の形態で用いた、部屋管理区分情報14B、ユーザ管理区分情報14C、オペレータ管理区分情報14D、および履歴情報14Eの構成については単なる一例であり、前述した各種処理で必要な情報が得られるような構成であれば、いずれの構成をとってもよい。
【0067】
また、部屋、ユーザ、オペレータに関する管理区分データについては、各管理区分に1ビット分の固定桁データを割り当てたビット情報で構成し、これらビット情報の論理積を求めることにより、管理区分の一致/不一致を確認するようにしてもよい。これにより、部屋、ユーザ、オペレータが1つ以上の管理区分に属する場合でも、極めて効率よく一括して管理区分の一致/不一致を確認することが可能となる。
【0068】
また、履歴選択部15Dにおいて選択する履歴の選択方法として、図8や図11で説明したものに限定されるものではなく、所望する履歴に応じて任意の組合せが可能である。例えば、オペレータと同じ管理区分に属するユーザによる他の管理区分の部屋への入退室については、ユーザの管理区分のいずれかがオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択すればよい。
【0069】
また、各実施の形態では、コントローラ21において、特定の部屋に対するユーザの入退室可否を判定する場合を例として説明したが、入退室判定機能は、コントローラ21とは異なる装置で実現してもよい。
例えば、入退室管理装置10とは別個に、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置からなる入退室判定装置を通信ネットワークNWに接続して、この入退室判定装置に入退室判定機能の実現に必要な入退室判定部や入退室判定情報を設け、コントローラ21からの入退室判定要求に応じて前述した図7の入退室判定処理を行うようにしてもよい。
【0070】
あるいは、特定の部屋に対するユーザの入退室可否を判定する入退室判定機能と、これら入退室の履歴を閲覧する履歴閲覧機能の両方を、同一の入退室管理装置10で実現してもよい。
【0071】
また、第2の実施の形態では、各部屋が専用部屋か共用部屋かを識別する専用共用識別情報を、部屋管理区分情報に予め設定する場合を例として説明したが、各部屋の専用/共用については当該部屋の管理区分情報が複数の管理区分に属するか否かに基づいて判断してもよい。
【0072】
また、各実施の形態では、個々のユーザや部屋について管理区分を設定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、複数のユーザや部屋で1つのグループを構成し、グループに管理区分を設定してもよい。これにより、閲覧可否判定が同一である複数のユーザや部屋について一括して判定することができ、履歴選択の処理負担を軽減できる。この際、個々のユーザや部屋とグループとを混在させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】入退室判定情報の構成例である。
【図3】部屋管理区分情報の構成例である。
【図4】ユーザ管理区分情報の構成例である。
【図5】オペレータ管理区分情報の構成例である。
【図6】履歴情報の構成例である。
【図7】本発明の第1の実施の形態にかかるコントローラの入退室判定処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の履歴表示処理を示すフローチャートである。
【図9】部屋管理区分情報の他の構成例である。
【図10】履歴情報の他の構成例である。
【図11】本発明の第2の実施の形態にかかる入退室管理装置の履歴表示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
10…入退室管理装置、11…通信I/F部、12…操作入力部、13…画面表示部、14…記憶部、14A…入退室判定情報、14B…部屋管理区分情報、14C…ユーザ管理区分情報、14D…オペレータ管理区分情報、14E…履歴情報、14P…プログラム、15…演算処理部、15A…入退室設定部、15B…オペレータ認証部、15C…履歴蓄積部、15D…履歴選択部、15E…履歴表示部、20…管理エリア、21…コントローラ、22…部屋、23…リーダ、24…電気錠、30…IDカード、NW…通信ネットワーク、BS…制御バス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退室管理技術に関し、特に各部屋に対する各ユーザの入退室に関する履歴情報を表示する履歴表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、施設や建物では、特定の管理区域について部外者に対するセキュリティが必要な場合、入退室管理システムを用いて入退室を厳重に管理するものとなっている。代表的な入退室管理システムとして、例えば特定の部屋の出入口にリーダと電気錠を設け、ユーザが所持するIDカードから読み取ったユーザ識別情報に基づき入退室の可否を判定して電気錠を制御する入退室管理システムが提案されている(例えば、特許文献1,2など参照)。
【0003】
このような入退室管理システムでは、各ユーザの部屋への入退室の履歴を示す履歴情報や、各ユーザや各部屋に関する入退室可否判定のための判定情報は、施設や建物を管理する管理者が一括して管理する方法が一般的である。
したがって、複数の会社がテナントとして入居する建物では、建物管理者が各テナントユーザの履歴情報や判定情報を管理する必要があるため、建物管理者の作業負担が大きくなる。
【0004】
従来、このような複数の会社がテナントとして入居する建物で用いる入退室管理システムとして、例えば「会社」、「部署」、「個人」からなる階層構造で各ユーザを分類しておき、これら分類に属するユーザの履歴情報や判定情報については、当該分類の1つ上位の階層に位置する責任者にアクセス権を付与して、当該責任者が閲覧し設定することにより、建物全体の管理者に対する作業負担を軽減する技術が提案されている(例えば、特許文献3など参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平10−280752号公報
【特許文献2】特開平11−203580号公報
【特許文献3】特開2000−030171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来技術では、複数の会社がテナントとして入居する建物の場合、所望の履歴情報を柔軟かつ容易に抽出することができないという問題点があった。
すなわち、従来の入退室管理システムでは、「会社」、「部署」、「個人」などの階層構造に基づきユーザを分類し、これらユーザの履歴情報に対するアクセス権は、当該分類の上位階層にあたる分類に属する責任者に付与される。したがって、責任者が閲覧可能な履歴情報は下位階層の分類に属するユーザに関するものに限定されるため、異なる分類に関する履歴を横断的に効率よく一括して閲覧することができない。
【0007】
また、履歴情報を閲覧する際、当該分類に属するすべてのユーザの識別情報を検索キーとして膨大な履歴情報から所望の履歴情報を検索する必要があり、検索処理負担が大きくなり易い。特に、ユーザ数に応じて検索処理負担も大幅に増加するため、テナント単位で履歴情報を抽出する場合、その検索処理負担は極めて大きい。また、従来技術の場合、階層構造の最上位階層は建物管理者となるため、例えばテナント単位の履歴情報を抽出するには、建物管理者が履歴情報を検索する必要があり、建物管理者に対して大きな作業負担が発生する。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、所望の履歴情報を柔軟かつ容易に抽出することができる入退室管理装置および方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、本発明にかかる入退室管理装置は、特定の部屋に対するユーザの入退室ごとの日時、部屋、およびユーザを示す履歴からなる履歴情報と、部屋が属する管理区分を示す部屋管理区分情報と、ユーザが属する管理区分を示すユーザ管理区分情報と、履歴情報を閲覧するオペレータが属する管理区分を示すオペレータ管理区分情報とをそれぞれ記憶する記憶部と、記憶部を参照してオペレータの管理区分と履歴情報の各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を選択する履歴選択部と、オペレータによる履歴閲覧時に記憶部の履歴情報のうち履歴選択部で選択された履歴を画面表示部で表示する履歴表示部とを備えている。
【0010】
この際、履歴選択部で、履歴情報のうち、当該部屋の管理区分のいずれかがオペレータの管理区分のいずれかと一致し、かつ当該ユーザの管理区分のいずれかがオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択するようにしてもよい。
【0011】
また、履歴選択部で、履歴情報のうち、当該部屋がいずれか特定の管理区分に属するユーザが専用する専用部屋であって、かつ当該管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択するようにしてもよい。
【0012】
また、履歴選択部で、履歴情報のうち、当該部屋が特定の管理区分に属さないユーザも共用する共用部屋であって、かつ当該管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致し、さらに当該ユーザの管理区分のいずれかがオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明にかかる入退室管理方法は、記憶部により、特定の部屋に対するユーザの入退室ごとの日時、部屋、およびユーザを示す履歴からなる履歴情報と、部屋が属する管理区分を示す部屋管理区分情報と、ユーザが属する管理区分を示すユーザ管理区分情報と、履歴情報を閲覧するオペレータが属する管理区分を示すオペレータ管理区分情報とをそれぞれ記憶する記憶ステップと、履歴選択部により、記憶部を参照してオペレータの管理区分と履歴情報の各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を選択する履歴選択ステップと、履歴表示部により、オペレータによる履歴閲覧時に記憶部の履歴情報のうち履歴選択部で選択された履歴を画面表示部で表示する履歴表示ステップとを備えている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、オペレータによる履歴閲覧時には、履歴選択部により、記憶部が参照されて、当該オペレータの管理区分と各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とが比較され、この比較結果に基づいて所望の履歴が選択されるため、オペレータの管理区分に応じた履歴が選択的に表示される。
【0015】
このため、管理区分を必要に応じて設定することにより、会社の組織やフロアなどの既存の分類に制限されることなく異なる分類に関する履歴を横断的に表示することができる。また管理区分で表示要否を判定するようにしたので、所望の分類に属する各ユーザIDと各履歴とを比較して判定する場合に比べて極めて効率よく表示要否を判定できる。したがって、複数の会社がテナントとして入居する建物の場合でも、所望の履歴情報を柔軟かつ容易に抽出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の構成を示すブロック図である。
この入退室管理装置10は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置からなり、通信ネットワークNWを介してコントローラ21とデータ通信を行うことにより、入退室を管理するための機能として、例えば特定の管理区域についてユーザの入退室可否を判定する機能や、入退室の内容を示す履歴情報を蓄積して画面表示する機能を有している。
【0017】
リーダ23は、特定の管理区域に相当する部屋22の出入口に設けられた情報読取装置からなり、ユーザの所有するIDカード30からユーザ識別情報を取得する機能と、制御バスBSを介してコントローラ21とデータ通信を行うことによりユーザ識別情報をコントローラ21へ送信する機能とを有する。
電気錠24は、特定の管理区域に相当する部屋22の出入口のドアに設けられた電気式の錠前からなり、制御バスBSを介してコントローラ21とデータ通信を行うことによりコントローラ21からの錠制御指示を受信する機能と、受信した錠制御指示に基づいて当該出入口のドアの施錠や解錠を行う機能とを有している。
【0018】
コントローラ21は、コンピュータを用いて制御バスBSに接続された各種機器を制御する機器制御装置であり、通信ネットワークNWを介して入退室管理装置10とデータ通信を行う機能と、このデータ通信により当該コントローラ21の管理エリア20内にある各部屋22へ入退室可能な利用者に関する入退室判定情報を入退室管理装置10からダウンロードして保存する機能と、各部屋22のリーダ23から制御バスBSを介して受信したユーザ識別情報に対して、上記入退室判定情報に基づき当該部屋への入退室可否を判定する機能と、この判定結果に基づく錠制御指示を所定の部屋22の電気錠24へ制御バスBSを介して送信する機能を有している。図1の例では、1つ以上の部屋22が論理的な1つ管理エリア20として管理されており、管理エリア20ごとに設けられた1つのコントローラ21により、各部屋22に対する入退室可否が判定され、その判定結果に基づき各部屋22のリーダ23および電気錠24が制御される。
【0019】
本実施の形態は、入退室管理装置10の履歴選択部により、オペレータによる閲覧時に記憶部を参照して、当該オペレータの管理区分と履歴情報の各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を選択するようにしたものである。
【0020】
管理区分とは、入退室管理装置10の管理対象に対して任意に設定した、履歴情報の閲覧可否判定を行う論理的な管理グループである。例えば3つの会社がテナントとして1の建物に入居するような場合、テナントごとやフロアごとに管理区分A〜Cが設定され、部屋、ユーザ、およびオペレータがいずれか1つ以上の管理区分に属するよう予め設定される。履歴情報閲覧時には、オペレータに対して予め割り当てられたすべての管理区分を管理範囲(閲覧可能範囲)として、個々の管理区分すなわち管理単位ごとに履歴情報の閲覧可否が判定される。
【0021】
[入退室管理装置]
次に、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の構成について詳細に説明する。
入退室管理装置10には、主な機能部として、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、および演算処理部15が設けられている。
【0022】
通信I/F部11は、専用のデータ通信回路からなり、LANなどの通信ネットワークNWを介して各管理エリア20のコントローラ21とデータ通信を行う機能を有している。
操作入力部12は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して演算処理部15へ出力する機能を有している。
画面表示部13は、LCDやPDPなどの画面表示装置からなり、演算処理部15からの指示に応じて、操作メニューや履歴情報などの各種情報を画面表示する機能を有している。
【0023】
記憶部14は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置からなり、演算処理部15で実行する情報処理に用いる各種処理情報やプログラム14Pを記憶する機能を有している。
プログラム14Pは、演算処理部15で読み出されて実行されることにより、各種処理情報を実現するためのプログラムであり、予め記録媒体(図示せず)や外部装置(図示せず)から取り込んで格納される。
記憶部14で記憶する処理情報としては、入退室判定情報14A、部屋管理区分情報14B、ユーザ管理区分情報14C、オペレータ管理区分情報14D、および履歴情報14Eがある。
【0024】
入退室判定情報14Aは、ユーザごとに各部屋22に対する入退室可否を示す情報であり、予めオペレータの登録操作により設定される。図2は、入退室判定情報の構成例である。ここでは、各ユーザに固有のユーザID(ユーザ識別情報)と当該ユーザが入退室可能な部屋を示す部屋ID(部屋識別情報)のリストとの組が、ユーザごとに登録されている。
【0025】
部屋管理区分情報14Bは、部屋22ごとに当該部屋が属する管理区分を示す情報であり、予めオペレータの登録操作により設定される。図3は、部屋管理区分情報の構成例である。ここでは、部屋ID、部屋名、および当該部屋に対する予め用意された管理区分A〜Cの割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データの組が、部屋ごとに登録されている。
【0026】
ユーザ管理区分情報14Cは、ユーザごとに当該ユーザが属する管理区分を示す情報であり、予めオペレータの登録操作により設定される。図4は、ユーザ管理区分情報の構成例である。ここでは、ユーザID、ユーザの氏名、当該ユーザに対する予め用意された各管理区分A〜Cの割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データの組が、ユーザごとに登録されている。
【0027】
オペレータ管理区分情報14Dは、オペレータごとに当該オペレータが属する管理区分を示す情報であり、予めオペレータの登録操作により設定される。図5は、オペレータ管理区分情報の構成例である。ここでは、オペレータID(オペレータ識別情報)、オペレータのログイン名、オペレータの氏名、オペレータが閲覧可能な履歴の表示対象日時、および当該オペレータに対する予め用意された各管理区分の割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データの組が、オペレータごとに登録されている。
【0028】
履歴情報14Eは、管理区域である特定の部屋に対するユーザの入退室の内容を示す情報であり、入退室の判定ごとにコントローラ21から通知された履歴が、演算処理部15により記録される。図6は、履歴情報の構成例である。ここでは、履歴ID(履歴識別情報)、入退室が行われた履歴日時、部屋ID、ユーザID、当該入退室に関する部屋およびユーザの管理区分の割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データ、部屋やユーザに関する説明である備考の組が、履歴ごとに登録されている。
【0029】
演算処理部15は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部14のプログラム14Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム14Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。
演算処理部15で実現される主な機能としては、入退室設定部15A、オペレータ認証部15B、履歴蓄積部15C、履歴選択部15D、および履歴表示部15Eがある。
【0030】
入退室設定部15Aは、オペレータが入退室可否を設定する際、記憶部14の入退室判定情報14Aのうち、オペレータの管理区分と一致する部屋およびユーザの入退室可否を当該オペレータの操作に応じて更新して記憶部14へ保存する機能を有している。
オペレータ認証部15Bは、履歴情報の閲覧を行う前にログイン名やパスワードに基づいてオペレータの正当性を確認する機能を有している。
【0031】
履歴蓄積部15Cは、コントローラ21での入退室の判定ごとに、その入退室の内容を示す、日時、部屋、およびユーザを含む履歴を生成する機能と、生成した履歴を記憶部14に履歴情報14Eとして蓄積する機能とを有している。
履歴選択部15Dは、記憶部14の部屋管理区分情報14B、ユーザ管理区分情報14C、オペレータ管理区分情報14Dを参照して、当該オペレータの管理区分と各履歴情報の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較する機能と、この比較結果に基づいて所望の履歴情報を選択する機能とを有している。
履歴表示部15Eは、オペレータが履歴情報を閲覧する際、記憶部14の履歴情報14Eのうち履歴選択部15Dで選択された履歴を画面表示部13で表示する機能を有している。
【0032】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図7および図8を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の動作について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態にかかるコントローラの入退室判定処理を示すフローチャートである。図8は、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の履歴表示処理を示すフローチャートである。
【0033】
[入退室判定動作]
まず、図7を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコントローラの入退室判定動作について説明する。
ユーザが管理区域にある部屋22に入退室する際、入退室の許可を得るため所持するIDカード30をリーダ23に挿入する。リーダ23はIDカード30からユーザIDを読み取り、当該リーダで記憶している部屋IDとともに、制御バスBSを介してコントローラ21へ送信する。コントローラ21は、制御バスBSを介してリーダ23からユーザIDおよび部屋IDを受信し、これに応じて当該ユーザに関する部屋22への入退室可否を判定する。
【0034】
コントローラ21は、制御バスBSを介してリーダ23からユーザIDおよび部屋IDを受信した場合、図7の入退室判定処理を開始する。
コントローラ21は、まず、受信したユーザIDと部屋IDを取得し(ステップ100)、予め入退室管理装置10からダウンロードして保存しておいた記憶部の入退室判定情報を参照して、入退室判定要求のユーザIDに対応する部屋IDリストを取得する(ステップ101)。
【0035】
次に、コントローラ21は、取得した部屋IDリスト内に入退室判定要求の部屋IDが登録されているか否か確認する(ステップ102)。ここで、部屋IDリスト内に部屋22の部屋IDが登録されている場合(ステップ102:YES)、入退室可能と判断し、部屋22の電気錠24の解錠を指示する解錠指示を制御バスBSを介して部屋22のリーダ23および電気錠24へ送信する(ステップ103)。
【0036】
リーダ23は、コントローラ21からの解錠指示に応じて入退室が許可された旨をユーザに表示し、電気錠24は、コントローラ21からの解錠指示に応じて、所定時間だけ部屋22のドアを解錠する。これによりユーザは部屋22の入退室が可能となる。
【0037】
一方、ステップ102において、部屋IDリスト内に部屋22の部屋IDが登録されていない場合には(ステップ102:YES)、当該リーダ23に対する入退室拒否指示を制御バスBSを介して部屋22のリーダ23および電気錠24へ送信する(ステップ104)。
【0038】
リーダ23は、コントローラ21からの入退室拒否指示に応じて入退室が許可されなかった旨をユーザに表示する。これにより電気錠24は解錠されないため、ユーザは部屋22の入退室が不可能のままとなる。
【0039】
ステップ103,104の後、コントローラ21は、当該入退室に関する、履歴日時、部屋ID、ユーザID、リーダID、および入退室判定結果などを含む履歴を生成し、通信ネットワークNWを介して入退室管理装置10へ送信し(ステップ105)、一連の入退室判定処理を終了する。
【0040】
一方、入退室管理装置10の演算処理部15は、履歴情報蓄積部15Cにより、コントローラ21から受信した履歴に、部屋管理区分データ、ユーザ管理区分データ、さらには備考など各種データを付加した後、記憶部14の履歴情報14Eとして蓄積する。
この際、履歴情報において、履歴日時は、履歴生成時や入退室判定時に演算処理部15の計時部(図示せず)から取得した時刻を用いてもよく、当該入退室判定時にリーダ23やコントローラ21で計時されて通知された時刻を用いてもよい。
また部屋IDやユーザIDは入退室判定時のものが用いられる。部屋管理区分データや備考については、記憶部14の部屋管理区分情報14Bから当該部屋IDに対応するものを取得すればよく、ユーザ管理区分データについては、記憶部14のユーザ管理区分情報14Cから当該ユーザIDに対応するものを取得すればよい。
【0041】
[履歴表示動作]
次に、図8を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の履歴表示動作について説明する。
入退室の履歴を閲覧する場合、オペレータは、まず認証要求を操作入力部12から操作入力してオペレータ認証を得た後、履歴閲覧要求を操作入力部12から操作入力する。
【0042】
演算処理部15は、操作入力部12で認証要求操作が検出された場合、オペレータ認証部15Bにより、ログイン名やパスワードなどの認証情報入力画面を画面表示部13に表示し、操作入力部12から入力されたこれら認証情報と記憶部14に予め保存されている認証情報(図示せず)とを比較してオペレータの正当性を確認し、正当性が確認されてオペレータの認証が成功した場合は、各種処理メニューを画面表示部13に表示する。
【0043】
この後、演算処理部15は、操作入力部12で履歴閲覧要求操作が検出された場合、履歴選択部15Dおよび閲覧表示部15Eにより、図8の履歴表示処理を開始する。
履歴選択部15Dは、まず、記憶部14のオペレータ管理区分情報14Dを参照して、当該オペレータのログイン名に基づき、表示対象日時と管理区分データを取得し(ステップ110)、続いて、記憶部14の履歴情報14Eから表示要否が未判定である任意の履歴を取得する(ステップ111)。
【0044】
次に、履歴選択部15Dは、当該履歴の履歴日時とオペレータの表示対象日時を比較し、履歴日時が表示対象日時以降のものかどうか確認する(ステップ112)。ここで、履歴日時が表示対象日時より古い場合(ステップ112:NO)、ステップ116へ移行して、履歴情報14Eのうち表示要否が未判定の履歴が存在する場合にのみ(ステップ116:YES)、ステップ111へ戻って表示要否が未判定である任意の履歴について、表示要否の判定を行う(ステップ111)。
【0045】
一方、ステップ112において、履歴日時が表示対象日時以降である場合(ステップ112:YES)、履歴選択部15Dは、当該履歴の部屋管理区分とオペレータの管理区分を比較する(ステップ113)。ここで、両者に一致する管理区分がない場合(ステップ113:NO)、ステップ116へ移行する。
また、当該履歴の部屋管理区分とオペレータの管理区分に一致するものがある場合(ステップ113:YES)、履歴選択部15Dは、当該履歴のユーザ管理区分とオペレータの管理区分を比較する(ステップ114)。ここで、両者に一致する管理区分がない場合(ステップ114:NO)、ステップ116へ移行する。
【0046】
一方、ステップ114において、当該履歴のユーザ管理区分とオペレータの管理区分に一致するものがある場合(ステップ114:YES)、履歴選択部15Dは、当該履歴を閲覧対象履歴として選択し(ステップ115)、ステップ116へ移行する。
ステップ116において、すべての履歴に対する表示要否の判定が終了した場合(ステップ116:YES)、演算処理部15は、履歴表示部15Eにより、履歴選択部15Dで選択された各履歴を画面表示部13で表示し、一連の履歴表示動作を終了する。
【0047】
これにより、入退室に関係した部屋およびユーザの両管理区分がオペレータの管理区分と一致する履歴が、オペレータにより閲覧される。したがって、例えば管理区分「A」に属するオペレータが図6の履歴情報を閲覧する際、オペレータの管理区分「A」と各履歴の部屋およびユーザの管理区分が比較され、部屋およびユーザの管理区分が「A」を含む履歴、ここでは履歴L1,L3が選択されて画面表示される。
【0048】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、履歴選択部15Dにより、オペレータによる履歴閲覧要求時に記憶部14を参照して、当該オペレータの管理区分と各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を選択するようにしたので、オペレータの管理区分に応じた履歴を選択的に表示することができる。
【0049】
このため、管理区分を必要に応じて設定することにより、会社の組織やフロアなどの既存の分類に制限されることなく異なる分類に関する履歴を横断的に表示することができる。また管理区分で表示要否を判定するようにしたので、所望の分類に属する各ユーザIDと各履歴とを比較して判定する場合に比べて極めて効率よく表示要否を判定できる。したがって、複数の会社がテナントとして入居する建物の場合でも、所望の履歴を柔軟かつ容易に抽出することが可能となる。
【0050】
また、オペレータごとに予め設定されている表示対象日時より古い履歴については閲覧対象履歴として選択しないようにしたので、複数の会社がテナントとして入居する建物でテナントの入れ替えが発生した場合でも、その入れ替え日時を新たなオペレータの表示対象日時として設定すれば、元のテナントに関する履歴の閲覧を制限することができる。これにより、履歴情報から元のテナントの履歴を削除することになく、新たなテナントを迎えることができ、建物管理者の作業負担を大幅に削減することが可能となる。
【0051】
[第2の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる入退室管理装置について説明する。図9は、部屋管理区分情報の他の構成例である。
第1の実施の形態では、管理区域となる部屋が特定の管理区分に属するユーザが専用する専用部屋か、特定の管理区分に属さない他のユーザも共用する共用部屋かの違いに関係なく、履歴閲覧時に履歴を選択する場合について説明した。本実施の形態では、各部屋について専用部屋か共用部屋かに基づいて履歴を選択する場合について説明する。
【0052】
本実施の形態で用いる部屋管理区分情報14Bには、図9に示すように、当該部屋が専用部屋か共用部屋かを示す識別情報が付加されている。ここでは、部屋ID、部屋名、および当該部屋に対する予め用意された管理区分A〜Cの割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データ、および専用/共用識別情報(○=専用部屋,×=共用部屋)の組が、部屋ごとに登録されている。
【0053】
履歴蓄積部15Cは、前述した図7の入退室判定処理のステップ105において履歴を生成する場合、当該入退室に関する、履歴日時、部屋ID、ユーザID、これら部屋IDとユーザIDの管理区分データ、および当該部屋の専用共用識別情報を含む履歴を生成し、記憶部14に履歴情報14Eとして蓄積する。
【0054】
図10は、履歴情報の他の構成例である。ここでは、履歴ID(履歴識別情報)、入退室が行われた履歴日時、部屋ID、ユーザID、当該入退室に関する部屋およびユーザの管理区分の割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データ、専用共用識別情報、部屋やユーザに関する説明である備考の組が、履歴ごとに登録されている。この際、専用共用識別情報については、記憶部14の部屋管理区分情報14Bから部屋IDに対応するものを取得すればよい。
【0055】
なお、入退室管理装置10の構成のうち、後述する履歴選択部15Dおよび履歴表示部15Eでの履歴表示処理が異なるものの、他の構成については第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0056】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図11を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる入退室管理装置の履歴選択動作について説明する。図11は、本発明の第2の実施の形態にかかる入退室管理装置の履歴表示処理を示すフローチャートであり、前述した図8と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
【0057】
演算処理部15は、操作入力部12で履歴閲覧要求操作が検出された場合、履歴選択部15Dおよび閲覧表示部15Eにより、図11の履歴表示処理を開始する。
履歴選択部15Dは、まず、記憶部14のオペレータ管理区分情報14Dを参照して、当該オペレータのログイン名に基づき、表示対象日時と管理区分データを取得し(ステップ110)、続いて、記憶部14の履歴情報14Eから表示要否が未判定である任意の履歴を取得する(ステップ111)。
【0058】
次に、履歴選択部15Dは、当該履歴の履歴日時とオペレータの表示対象日時を比較し、履歴日時が表示対象日時以降のものかどうか確認する(ステップ112)。ここで、履歴日時が表示対象日時より古い場合(ステップ112:NO)、ステップ116へ移行して、履歴情報14Eのうち表示要否が未判定の履歴が存在する場合にのみ(ステップ116:YES)、ステップ111へ戻って表示要否が未判定である任意の履歴について、表示要否の判定を行う(ステップ111)。
【0059】
一方、ステップ112において、履歴日時が表示対象日時以降である場合(ステップ112:YES)、履歴選択部15Dは、当該履歴の部屋管理区分とオペレータの管理区分を比較する(ステップ113)。ここで、両者に一致する管理区分がない場合(ステップ113:NO)、ステップ116へ移行する。
また、当該履歴の部屋管理区分とオペレータの管理区分に一致するものがある場合(ステップ113:YES)、履歴選択部15Dは、当該履歴の専用共用識別情報に基づいて当該部屋が専用部屋かどうか確認する(ステップ200)。
【0060】
ここで、当該部屋が専用部屋の場合には(ステップ200:YES)、ステップ115へ移行する。また、当該部屋が共用部屋の場合(ステップ200:YES)、当該履歴のユーザ管理区分とオペレータの管理区分を比較する(ステップ114)。ここで、両者に一致する管理区分がない場合(ステップ114:NO)、ステップ116へ移行する。
【0061】
一方、ステップ114において、当該履歴のユーザ管理区分とオペレータの管理区分に一致するものがある場合(ステップ114:YES)、履歴選択部15Dは、当該履歴を閲覧対象履歴として選択し(ステップ115)、ステップ116へ移行する。
ステップ116において、すべての履歴に対する表示要否の判定が終了した場合(ステップ116:YES)、演算処理部15は、履歴表示部15Eにより、履歴選択部15Dで選択された各履歴を画面表示部13で表示し、一連の履歴表示動作を終了する。
【0062】
これにより、入退室に関係した部屋が専用部屋であって、かつ当該部屋管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴が、オペレータにより閲覧される。したがって、例えば管理区分「A」に属するオペレータが図6の履歴情報を閲覧する際、部屋が専用部屋であって、かつその部屋管理区分が「A」を含む履歴、ここでは履歴L3,L4が選択されて画面表示される。この際、履歴L4はオペレータとは異なる管理区分のユーザに関する履歴であるが、オペレータと同一の管理区分に専用の部屋に関する履歴であることから閲覧対象履歴として選択されており、他の管理区分のユーザが不正操作あるいは誤操作したことがオペレータにより確認される。
【0063】
また、入退室に関係した部屋が共用部屋であって、かつ当該部屋管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致し、さらに当該ユーザ管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴が、オペレータにより閲覧される。したがって、例えば管理区分「A」に属するオペレータが図6の履歴情報を閲覧する際、部屋が共用部屋であって、かつこれら管理区分が「A」を含む履歴、ここでは履歴L1が選択されて画面表示される。この際、履歴L2はオペレータと同一の管理区分の部屋に関する履歴であるが、オペレータとは異なる管理区分のユーザに関する履歴であることから閲覧対象履歴として選択されておらず、他の管理区分のユーザによる入退室履歴の閲覧が制限されている。
【0064】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態によれば、履歴選択部15Dにより、履歴情報14Eのうち、当該部屋が特定の管理区分に属するユーザが専用する専用部屋であって、かつ当該管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴情報を選択するようにしたので、オペレータの管理区分にのみ属する専用部屋に対する、他の管理区分のユーザによる不正操作に関する履歴を閲覧することができ、入退室管理において高い管理品質を得ることができる。
【0065】
また、本実施の形態では、履歴選択部15Dにより、履歴情報14Eのうち、当該部屋が特定の管理区分に属さないユーザも共用する共用部屋であって、かつ当該管理区分がオペレータの管理区分のいずれかと一致し、さらに当該ユーザの管理区分のいずれかがオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴情報を選択するようにしたので、オペレータの管理区分だけでなく他の管理区分にも属する共用部屋に対する、オペレータの管理区分に属するユーザの入退室の履歴のみ表示して、他の管理区分のユーザに関する履歴の閲覧を制限することができ、入退室管理において高いプライバシーを得ることができる。
【0066】
[実施の形態の拡張]
以上の各実施の形態で用いた、部屋管理区分情報14B、ユーザ管理区分情報14C、オペレータ管理区分情報14D、および履歴情報14Eの構成については単なる一例であり、前述した各種処理で必要な情報が得られるような構成であれば、いずれの構成をとってもよい。
【0067】
また、部屋、ユーザ、オペレータに関する管理区分データについては、各管理区分に1ビット分の固定桁データを割り当てたビット情報で構成し、これらビット情報の論理積を求めることにより、管理区分の一致/不一致を確認するようにしてもよい。これにより、部屋、ユーザ、オペレータが1つ以上の管理区分に属する場合でも、極めて効率よく一括して管理区分の一致/不一致を確認することが可能となる。
【0068】
また、履歴選択部15Dにおいて選択する履歴の選択方法として、図8や図11で説明したものに限定されるものではなく、所望する履歴に応じて任意の組合せが可能である。例えば、オペレータと同じ管理区分に属するユーザによる他の管理区分の部屋への入退室については、ユーザの管理区分のいずれかがオペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択すればよい。
【0069】
また、各実施の形態では、コントローラ21において、特定の部屋に対するユーザの入退室可否を判定する場合を例として説明したが、入退室判定機能は、コントローラ21とは異なる装置で実現してもよい。
例えば、入退室管理装置10とは別個に、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置からなる入退室判定装置を通信ネットワークNWに接続して、この入退室判定装置に入退室判定機能の実現に必要な入退室判定部や入退室判定情報を設け、コントローラ21からの入退室判定要求に応じて前述した図7の入退室判定処理を行うようにしてもよい。
【0070】
あるいは、特定の部屋に対するユーザの入退室可否を判定する入退室判定機能と、これら入退室の履歴を閲覧する履歴閲覧機能の両方を、同一の入退室管理装置10で実現してもよい。
【0071】
また、第2の実施の形態では、各部屋が専用部屋か共用部屋かを識別する専用共用識別情報を、部屋管理区分情報に予め設定する場合を例として説明したが、各部屋の専用/共用については当該部屋の管理区分情報が複数の管理区分に属するか否かに基づいて判断してもよい。
【0072】
また、各実施の形態では、個々のユーザや部屋について管理区分を設定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、複数のユーザや部屋で1つのグループを構成し、グループに管理区分を設定してもよい。これにより、閲覧可否判定が同一である複数のユーザや部屋について一括して判定することができ、履歴選択の処理負担を軽減できる。この際、個々のユーザや部屋とグループとを混在させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】入退室判定情報の構成例である。
【図3】部屋管理区分情報の構成例である。
【図4】ユーザ管理区分情報の構成例である。
【図5】オペレータ管理区分情報の構成例である。
【図6】履歴情報の構成例である。
【図7】本発明の第1の実施の形態にかかるコントローラの入退室判定処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の履歴表示処理を示すフローチャートである。
【図9】部屋管理区分情報の他の構成例である。
【図10】履歴情報の他の構成例である。
【図11】本発明の第2の実施の形態にかかる入退室管理装置の履歴表示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
10…入退室管理装置、11…通信I/F部、12…操作入力部、13…画面表示部、14…記憶部、14A…入退室判定情報、14B…部屋管理区分情報、14C…ユーザ管理区分情報、14D…オペレータ管理区分情報、14E…履歴情報、14P…プログラム、15…演算処理部、15A…入退室設定部、15B…オペレータ認証部、15C…履歴蓄積部、15D…履歴選択部、15E…履歴表示部、20…管理エリア、21…コントローラ、22…部屋、23…リーダ、24…電気錠、30…IDカード、NW…通信ネットワーク、BS…制御バス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の部屋に対するユーザの入退室ごとの日時、部屋、およびユーザを示す履歴からなる履歴情報と、前記部屋が属する管理区分を示す部屋管理区分情報と、前記ユーザが属する管理区分を示すユーザ管理区分情報と、前記履歴情報を閲覧するオペレータが属する管理区分を示すオペレータ管理区分情報とをそれぞれ記憶する記憶部と、
前記記憶部を参照して前記オペレータの管理区分と前記履歴情報の各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を選択する履歴選択部と、
前記オペレータによる履歴閲覧時に前記記憶部の履歴情報のうち前記履歴選択部で選択された履歴を画面表示部で表示する履歴表示部と
を備えることを特徴とする入退室管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入退室管理装置において、
前記履歴選択部は、前記履歴情報のうち、当該部屋の管理区分のいずれかが前記オペレータの管理区分のいずれかと一致し、かつ当該ユーザの管理区分のいずれかが前記オペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択することを特徴とする入退室管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の入退室管理装置において、
前記履歴選択部は、前記履歴情報のうち、当該部屋が特定の管理区分に属するユーザが専用する専用部屋であって、かつ当該管理区分が前記オペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択することを特徴とする入退室管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の入退室管理装置において、
前記履歴選択部は、前記履歴情報のうち、当該部屋が特定の管理区分に属さないユーザも共用する共用部屋であって、かつ当該管理区分が前記オペレータの管理区分のいずれかと一致し、さらに当該ユーザの管理区分のいずれかが前記オペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択することを特徴とする入退室管理装置。
【請求項5】
記憶部により、特定の部屋に対するユーザの入退室ごとの日時、部屋、およびユーザを示す履歴からなる履歴情報と、前記部屋が属する管理区分を示す部屋管理区分情報と、前記ユーザが属する管理区分を示すユーザ管理区分情報と、前記履歴情報を閲覧するオペレータが属する管理区分を示すオペレータ管理区分情報とをそれぞれ記憶する記憶ステップと、
履歴選択部により、前記記憶部を参照して前記オペレータの管理区分と前記履歴情報の各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を選択する履歴選択ステップと、
履歴表示部により、前記オペレータによる履歴閲覧時に前記記憶部の履歴情報のうち前記履歴選択部で選択された履歴を画面表示部で表示する履歴表示ステップと
を備えることを特徴とする入退室管理方法。
【請求項1】
特定の部屋に対するユーザの入退室ごとの日時、部屋、およびユーザを示す履歴からなる履歴情報と、前記部屋が属する管理区分を示す部屋管理区分情報と、前記ユーザが属する管理区分を示すユーザ管理区分情報と、前記履歴情報を閲覧するオペレータが属する管理区分を示すオペレータ管理区分情報とをそれぞれ記憶する記憶部と、
前記記憶部を参照して前記オペレータの管理区分と前記履歴情報の各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を選択する履歴選択部と、
前記オペレータによる履歴閲覧時に前記記憶部の履歴情報のうち前記履歴選択部で選択された履歴を画面表示部で表示する履歴表示部と
を備えることを特徴とする入退室管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入退室管理装置において、
前記履歴選択部は、前記履歴情報のうち、当該部屋の管理区分のいずれかが前記オペレータの管理区分のいずれかと一致し、かつ当該ユーザの管理区分のいずれかが前記オペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択することを特徴とする入退室管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の入退室管理装置において、
前記履歴選択部は、前記履歴情報のうち、当該部屋が特定の管理区分に属するユーザが専用する専用部屋であって、かつ当該管理区分が前記オペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択することを特徴とする入退室管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の入退室管理装置において、
前記履歴選択部は、前記履歴情報のうち、当該部屋が特定の管理区分に属さないユーザも共用する共用部屋であって、かつ当該管理区分が前記オペレータの管理区分のいずれかと一致し、さらに当該ユーザの管理区分のいずれかが前記オペレータの管理区分のいずれかと一致する履歴を選択することを特徴とする入退室管理装置。
【請求項5】
記憶部により、特定の部屋に対するユーザの入退室ごとの日時、部屋、およびユーザを示す履歴からなる履歴情報と、前記部屋が属する管理区分を示す部屋管理区分情報と、前記ユーザが属する管理区分を示すユーザ管理区分情報と、前記履歴情報を閲覧するオペレータが属する管理区分を示すオペレータ管理区分情報とをそれぞれ記憶する記憶ステップと、
履歴選択部により、前記記憶部を参照して前記オペレータの管理区分と前記履歴情報の各履歴の部屋および/またはユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて所望の履歴を選択する履歴選択ステップと、
履歴表示部により、前記オペレータによる履歴閲覧時に前記記憶部の履歴情報のうち前記履歴選択部で選択された履歴を画面表示部で表示する履歴表示ステップと
を備えることを特徴とする入退室管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−242513(P2008−242513A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−77639(P2007−77639)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】
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