説明

共重合体及び電子写真機能部品用樹脂、現像ローラー及び電子写真装置

【課題】電子写真機能部品用ウレタン樹脂の表面タック性の低下、及び残留したアミン化合物触媒の揮発の抑制を同時に解決する樹脂を提供する。負帯電性現像剤に対し充分な負電荷帯電を付与し、良好な搬送を行うことができ、トナーのチャージアップを抑制できる電子写真機能部品としての現像ローラーを提供する。高速化、高画質化を図った電子写真装置においても、長期に亘って高濃度でカブリが抑制された画像の形成を行うことができる電子写真装置を提供する。
【解決手段】特定の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、特定のアミノ基含有モノマー、特定の極性基含有モノマーから、それぞれ一種以上を選択したモノマーを共重合して得られる共重合体。表面層となる被覆層が、前記共重合体を正荷電制御樹脂として含有する電子写真機能部品用樹脂を含む現像ローラー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のモノマーを共重合して得られる共重合体や、これを用いた電子写真機能部品用樹脂及び現像ローラー及び電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、レーザ−ビームプリンター、ファクシミリ、印刷機等の乾式電子写真方式を利用した電子写真装置が知られている。電子写真装置の画像形成装置においては、感光体等の静電潜像担持体(以下、感光体という。)表面を一様に帯電し、その表面に露光手段等の静電荷像形成装置により静電荷像を形成し、この静電荷像を現像装置によりトナー像とし現像する。このような電子写真装置に備えられる感光体を帯電する帯電部材、静電潜像に現像剤を供給する現像部材、これらに現像剤を供給するトナー供給部材等は適度な柔軟性が要求され、ゴム弾性を有するウレタン樹脂で構成されている。これらの電子写真機能部品において良好なニップを得るためには、ウレタン樹脂は低硬度のものが好ましい。しかしながら、ウレタン樹脂を低硬度とすると、これらの部品の表面において高タック性、所謂粘着性を有することになる。表面タック性が高い部品においては、トナー離脱性が低下し、使用に伴い表面にトナーが付着し部品の特性が損なわれる場合がある。
【0003】
表面タック性を低減する手段として、ジメチルシロキサンを配合する方法(特許文献1)、ポリオール成分、イソシアネート成分の比率を制御する方法(特許文献2)、フッ素樹脂を配合する方法(特許文献3)等が提案されている。
【0004】
一方、電子写真機能部品用ウレタン樹脂をポリオール成分とイソシアネート成分とのウレタン化反応により得るためには、アミノ化合物等の触媒を必要とする場合が多い。しかしながら、アミノ化合物を触媒として用いて得られたウレタン樹脂を用いて形成した電子写真機能部品は、部品中に残存するアミノ化合物がその使用中に滲出し、他の部品を汚染し弊害を引き起こすことがある。
【0005】
電子写真機能部品用ウレタン樹脂中に残存するアミノ化合物触媒による他の部品の汚染を抑制するため、分子内に水酸基を持つ触媒を用いる方法(特許文献4)が報告されている。
【0006】
しかしながら、表面のタック性を低減し、更に、重合反応触媒として使用したアミノ化合物の滲出による汚染を抑制できる電子写真機能部品用の樹脂は開発されておらず、これらの課題を同時に解決できる樹脂の要請がある。
【0007】
上記現像部材としての現像ローラーは、トナーを均一に且つ充分に摩擦帯電し、更にトナーを担持して搬送可能であることが要求される。しかしながら、近年の、電子写真装置において、高速化、高画質化によりトナーの劣化が促進され、現像ローラー表面に固着トナーが生じ易く、静電荷像へのトナーの供給量が不足し、画像濃度の低下やカブリの発生が増加している。このため、トナーに対する摩擦帯電性能を向上させ、トナーの帯電量を増大することができ、更に、劣化が生じたトナーに対しても充分な摩擦帯電を行うことができる現像ローラーが要請されている。
【0008】
現像ローラーは、通電性のシャフトと、その外周に弾性層を設け、更に、必要に応じて表面に被覆層を設けたものが使用されている。現像ローラーの表面は、トナーを正帯電する場合は負荷電性の材料を、また、トナーを負帯電する場合は正荷電性の材料を選定する必要があり、表面層を形成する樹脂に荷電制御剤を添加する方法や、表面層を荷電制御樹脂で形成する方法が知られている。具体的には、有機溶剤に可溶な荷電制御樹脂を用いて、現像ローラーやスリーブに塗膜を形成する方法が報告されている(特許文献5〜7)。これらの現像ローラー等に形成する塗膜にはいずれも、荷電制御樹脂として主としてアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーとメタクリル酸メチルとの共重合体が使用されている。
【0009】
本発明者らはトナーの帯電量の増加による画像特性の向上を目指した現像ローラーとして、炭素原子数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとアミノ基含有化合物との共重合体を添加した正荷電制御樹脂を用いることを報告している。(特許文献8、9)。この正荷電制御樹脂を用いた現像ローラーにおいては、(メタ)アクリル酸エステル単位に含まれる炭素原子数4以上のアルキル基が、アミノ基含有モノマー単位に含まれるアミノ基の表面配向を促し、トナーの負電荷帯電量の向上を図ることができる。
【0010】
これらの現像ローラーにおいては、上記正荷電制御樹脂を表面層に添加することにより、トナーの負電荷帯電量の増加による画像特性の向上が認められる。しかしながら、画像評価の条件によってはブロッチ等のトナーのチャージアップに起因すると推定される画像特性上の弊害を生ずる場合がある。
【特許文献1】特開平8−296631号公報
【特許文献2】特開平9−114190号公報
【特許文献3】特開2001−42663号公報
【特許文献4】特開2005−113057号公報
【特許文献5】特開2000−242033号公報
【特許文献6】特開2002−244426号公報
【特許文献7】特開2003−005507号公報
【特許文献8】特開2005−31656号公報
【特許文献9】特開2005−31657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、ポリオールとイソシアネートとのウレタン化反応において触媒としてアミノ化合物を用いずに、ウレタン化反応を促進させることができ、得られる成形体からのブリードアウトを長期に亘って抑制することができる共重合体を提供することにある。これを用いて得られる電子写真機能部品において、低硬度であるにも拘わらず、表面のタック性を抑制することができ、しかも、電子写真機能部品からの滲出物による汚染を抑制することができる共重合体や、電子写真機能部品用樹脂を提供することにある。
【0012】
また、特に、負帯電性現像剤に対し充分な負電荷帯電を付与し、良好な搬送を行うことができ、トナーのチャージアップを抑制できる電子写真機能部品としての現像ローラーを提供することにある。そして、使用に伴い耐久期間の際限においても、得られる画像濃度を高く保持し、カブリを抑制することができる現像ローラーを提供することにある。
【0013】
また、高速化、高画質化を図った電子写真装置においても、長期に亘って高濃度でカブリが抑制された画像の形成を行うことができる電子写真装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、鋭意研究の結果、特定の(メタ)アクリル酸エステルと特定のアミノ基含有モノマーに加えて特定の極性基含有モノマーを共重合した共重合体を含有することにより、上記課題を解決できることを見出した。
【0015】
本発明は、式(1)又は(2)で示される(メタ)アクリル酸エステルモノマーから選択される一種以上のモノマーと、式(3)又は(4)で示されるアミノ基含有モノマーから選択される一種以上のモノマーと、式(5)又は(6)で示される極性基含有モノマーから選択される一種以上のモノマーとを共重合して得られる共重合体に関する。
【0016】
【化1】

【0017】
(式中、R11は炭素数4以上のアルキル基を示し、R12はフッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基を示し、R21、R22、R23、R24、R25、又はR26は独立して水素原子又はメチル基を示し、R33、又はR34は独立して炭素数1〜7の二価の有機基を示し、R43、R53、R44、R54、R46、又はR56は、独立して水素原子又は炭素数1〜20の有機基を示し、R43とR53、R44とR54、又は、R46とR56は各々化学的に結合して、これらが結合する窒素原子と炭素原子4〜20とからなる環状構造、又は、これらが結合する窒素原子と、酸素原子、窒素原子及びイオウ原子から選ばれる少なくとも一種と、炭素原子4〜19とからなる環状構造を形成していてもよく、R35は水素原子又は炭素数8以下のアルキル基を示し、nは2又は3の整数を示し、mは1〜30のいずれかの整数を示す。)
また、本発明は、ポリオール成分とイソシアネート成分とを含むウレタン材料を用いて得られるウレタン樹脂を含む電子写真機能部品用樹脂において、ウレタン材料が上記共重合体を含有することを特徴とする電子写真機能部品用樹脂に関する。
【0018】
また、本発明は、通電性のシャフトと、該シャフトの外周に順次積層された弾性層と、一層以上の被覆層とを有し、表面に担持した負帯電性現像剤により静電荷像担持体上の静電荷像を現像する現像ローラーにおいて、表面層となる被覆層が、上記共重合体を正荷電制御樹脂として含有する上記電子写真機能部品用樹脂を含むことを特徴とする現像ローラーに関する。
【0019】
また、本発明は、静電荷像担持体と、該静電荷像担持体の表面を一様に帯電させるための帯電装置と、該帯電された静電荷像担持体表面に静電荷像を形成するための静電荷像形成装置と、静電荷像担持体の表面に形成された静電荷像に負帯電性現像剤を搬送してトナー像を形成するための現像装置と、トナー像を記録材に転写するための転写装置とを有する電子写真装置において、現像装置が、上記現像ローラーを備えたことを特徴とする電子写真装置に関する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の共重合体は、ポリオールとイソシアネートとのウレタン化反応の触媒としてアミノ化合物を用いずに、ウレタン化反応を促進させることができ、得られる成形体からのブリードアウトを長期に亘って抑制することができる。更に、本発明の共重合体を用いて得られる電子写真機能部品において、低硬度であるにも拘わらず、表面のタック性を抑制することができ、しかも、電子写真機能部品からの滲出物による汚染を抑制することができる。
【0021】
特に、本発明の現像ローラーは、負帯電性現像剤に対し充分な負電荷帯電を付与し、良好な搬送を行うことができ、トナーのチャージアップを抑制でき、使用に伴い耐久期間の際限においても、得られる画像濃度を高く保持し、カブリを抑制することができる。
【0022】
また、本発明の電子写真装置は、高速化、高画質化を図った電子写真装置においても、長期に亘って高濃度でカブリが抑制された画像の形成を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の共重合体は、式(1)又は(2)で示される(メタ)アクリル酸エステルモノマー、式(3)又は(4)で示されるアミノ基含有モノマー、式(5)又は(6)で示される極性基含有モノマーから、それぞれ一種以上のモノマーを選択する。そして、選択したモノマーを共重合して得られる共重合体を含む。
【0024】
【化2】

【0025】
本発明の共重合体を構成する式(1)〜(6)で表されるモノマーを式中の表示を以下に具体的に説明する。式(1)中、R11は炭素数4以上のアルキル基を示し、炭素数20以下のアルキル基であることが好ましい。式(1)中、R21は水素原子又はメチル基を示す。式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、具体的には、以下のものを挙げることができる。n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート。2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、iso−デシル(メタ)アクリレート。n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等。
【0026】
ここで、「(メタ)アクリル」はメタクリルあるいはアクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」は、メタクリレートあるいはアクリレートを意味する(以下、同様である。)。
【0027】
式(2)中、R12はフッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基を示し、かかるフルオロアルキル基において、総ての水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。式(2)中のR22は水素原子又はメチル基を示す。式(2)で示される(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、具体的には、以下のものを挙げることができる。2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル(メタ)アクリレート。3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート。3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘンイコサフルオロドデシル(メタ)アクリレート、1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート。5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6,6−オクタフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、7−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,8,8,8−ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート。9−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,10,10,10−ヘキサデカフルオロデシル(メタ)アクリレート。11−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,12,12,12−エイコサフルオロドデシル(メタ)アクリレート。2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート。2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート等。
【0028】
式(3)中、R23は水素原子又はメチル基を示し、R33は炭素数1〜7の二価の有機基を示し、かかる有機基としては、鎖状、環状の脂肪族アルケニル基や二価の芳香族炭化水素基等を挙げることができる。式(3)中、R43、R53は、独立して水素原子又は炭素数1〜20の有機基を示し、かかる有機基としては、鎖状、環状の脂肪族アルキル基や芳香族炭化水素基等を挙げることができる。また、R43とR53は化学的に結合して、これらが結合する窒素原子に加えて炭素数4〜20とからなる環状構造を形成していてもよい。更に、R43とR53は化学的に結合して、これらが結合する窒素原子に加えて、酸素原子、窒素原子及びイオウ原子から選ばれる少なくとも一種と、4〜19個の炭素原子とからなる環状構造を形成していてもよい。式(3)で表されるアミノ基含有モノマーとしては、具体的には、以下のものを挙げることができる。N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート。N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジメチルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジエチルアミノフェニル(メタ)アクリレート。p−N,N−ジプロピルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジブチルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N−ラウリルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N−ステアリルアミノフェニル(メタ)アクリレート。p−N,N−ジメチルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジエチルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジプロピルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジブチルアミノベンジル(メタ)アクリレート。p−N−ラウリルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N−ステアリルアミノベンジル(メタ)アクリレート等。
【0029】
式(4)中、R24は水素原子又はメチル基を示し、R34は炭素数1〜7の二価の有機基を示し、かかる有機基としては、鎖状、環状の脂肪族アルケニル基や二価の芳香族炭化水素基等を挙げることができる。式(4)中、R44、R54は、独立して水素原子又は炭素数1〜20の有機基を示し、かかる有機基としては、鎖状、環状の脂肪族アルキル基や芳香族炭化水素基等を挙げることができる。また、R44、R54は化学的に結合して、これらが結合する窒素原子に加えて炭素原子4〜20とからなる環状構造を形成していてもよい。更に、R44とR54は化学的に結合して、これらが結合する窒素原子に加えて、酸素原子、窒素原子及びイオウ原子から選ばれる少なくとも一種と、4〜19個の炭素原子とからなる環状構造を形成していてもよい。式(4)で表されるアミノ基含有モノマーとしては、具体的には、以下のものを挙げることができる。N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド。p−N,N−ジメチルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジエチルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジプロピルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジブチルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド。p−N−ラウリルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N−ステアリルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジメチルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジエチルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド。p−N,N−ジプロピルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジブチルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N−ラウリルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N−ステアリルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド等。ここで、「(メタ)アクリルアミド」は、メタクリルアミドあるいはアクリルアミドを意味する(以下、同様である。)。
【0030】
式(5)中、R25は水素原子又はメチル基を示す。R35は水素原子又は炭素数8以下のアルキル基を示し、nは2又は3の整数を示し、mは1〜30のいずれかの整数を示す。式(5)で表される極性基含有モノマーとしては、具体的には、以下のものを挙げることができる。ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート。エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート。ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート。ステアロキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等。
【0031】
式(6)中、R26は水素原子又はメチル基を示す。R46、R56は、独立して水素原子又は炭素数1〜20の有機基を示し、かかる有機基としては、鎖状、環状の脂肪族アルキル基や芳香族炭化水素基等を挙げることができる。また、R46とR56は化学的に結合して、これらが結合する窒素原子に加えて4〜20個の炭素原子とからなる環状構造を形成していてもよい。更に、R46とR56は化学的に結合して、これらが結合する窒素原子に加えて、酸素原子、窒素原子及びイオウ原子から選ばれる少なくとも一種と、炭素原子4〜19とからなる環状構造を形成していてもよい。式(6)で表される極性基含有モノマーとしては、具体的には、以下のものを挙げることができる。N−置換(メタ)アクリルアミドとして、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド。N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等。環状構造を含む(メタ)アクリルアミドとして、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイル−4−ピペリドン等。ここで、(メタ)アクリロイルは、メタクリロイルあるいはアクリロイルを意味する。
【0032】
本発明の共重合体を構成するモノマーは、以下のものを含む。
式(1)又は(2)で示される(メタ)アクリル酸エステルモノマーから選択される一種以上のモノマー。
式(3)又は(4)で示されるアミノ基含有モノマーから選択される一種以上のモノマー。式(5)又は(6)で示される極性基含有モノマーから選択される一種以上のモノマー。
【0033】
上記共重合体を構成するモノマーとして、共重合体における上記モノマー単位の機能を損なわない範囲で、これらのモノマーと共重合可能な他のモノマーを含んでいてもよい。他のモノマーとしては具体的には、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、式(1)、(2)で表される以外の(メタ)アクリル酸エステルモノマーや、以下のものを例示することができる。スチレン誘導体として:スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン。p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン等。ビニルエステルとして:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニル等。ビニルエーテルとして:ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等。ビニルケトンとして:ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン等。
【0034】
上記共重合体中のこれらのモノマー単位の含有割合としては、式(1)又は式(2)で示される(メタ)アクリル酸エステルモノマー単位は1〜50質量%であることが好ましい。式(3)又は式(4)で示されるアミノ基含有モノマー単位は2〜99質量%であることが好ましい。式(5)又は式(6)で示される極性基含有モノマー単位は0.1〜40質量%であることが好ましい。更に、その他のモノマー単位としては、0〜50質量%であることが好ましい。
【0035】
上記共重合体の質量平均分子量(Mw)は2000以上、50万以下が好ましく、より好ましくは3000以上、30万以下であり、より好ましくは5000以上、20万以下である。上記共重合体の質量平均分子量(Mw)が2000以上であれば、これを用いて得られる電子写真機能部品において、経時的に共重合体のブリードアウトを抑制することができる。また、質量平均分子量が50万以下であれば、共重合体とウレタン樹脂等との相溶性が低下するのを抑制することができる。
【0036】
上記共重合体のガラス転移温度(Tg)は、−100℃以上、180℃以下であることが好ましく、より好ましくは−90℃以上、170℃以下であり、さらに好ましくは−80℃以上、160℃以下である。共重合体のガラス転移温度(Tg)が−100℃以上であれば、得られる成形体において、粘着性が増大するのを抑制することができ、摩擦係数が過大となるのを抑制することができる。共重合体のガラス転移温度が180℃以下であれば、他の樹脂と混合が容易であり、均一に分散させることができる。
【0037】
上記共重合体のアミン価は0.5mgKOH/g以上、350mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは0.8mgKOH/g以上、345mgKOH/g以下であり、更に好ましくは1mgKOH/g以上、340mgKOH/g以下である。共重合体のアミン価が0.5mgKOH/g以上であれば、ウレタン化反応を促進させる充分な機能を有し、350mgKOH/g以下であれば、得られる電子写真機能部品において表面タック性の低減を図ることができる。
【0038】
このようなアミン価は、中和滴定法による測定値を採用することができる。
【0039】
上記共重合体の製造方法としては、上記モノマーを重合する方法であれば、特に制限されるものではなく、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法等を使用することができる。これらのうち反応を容易に制御できる点から溶液重合法が好ましい。溶液重合に用いる溶媒としては、例えば、キシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソブチル、イソプロピルアルコール、メタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。溶媒の使用量としては、例えば、モノマー30質量部以上400質量部以下に対し、100質量部が好ましい。
【0040】
上記共重合体の製造に使用する重合開始剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミルパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド。t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)。2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0041】
重合開始剤の使用量としては、モノマー100質量部に対し、0.05質量部以上30質量部以下が好ましく、より好ましくは0.1質量部以上15質量部以下である。重合開始剤の使用量がモノマー100質量部に対し0.05質量部以上であれば、効率よく重合反応を行うことができ、また、30質量部以下であれば、重合開始剤の一部が重合体の末端に取り込まれることによる弊害を抑制することができる。
【0042】
重合反応は、使用する溶媒、開始剤、モノマーに応じて適宜設定することができるが、40℃以上150℃以下で行うのが好ましい。
【0043】
本発明の電子写真機能部品用樹脂は、ポリオール成分とイソシアネート成分とを含むウレタン材料を用いて得られるウレタン樹脂を含む電子写真機能部品用樹脂において、ウレタン材料が上記共重合体を含むものである。
【0044】
上記共重合体は、0.1〜15質量%の範囲で使用することができる。
【0045】
本発明の電子写真機能部品用樹脂に含まれるウレタン樹脂は、ウレタン結合(−NH−COO−)を有する高分子であり、イソシアネート基(−NCO)を含むイソシアネート成分と水酸基(−OH)を含むポリオール成分とを含むウレタン材料を用いて得られる。
【0046】
上記イソシアネート成分としては、汎用であるトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4´−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、粗製−MDI(ポリメリックMDI)、変性MDIや、特殊なイソシアネートを挙げることができる。特殊なイソシアネート成分としては、例えば、以下のものを挙げることができる。1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4ジイソシアネート。キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添−XDI、水添−MDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニール)チオフェスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート。リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロへプタントリイソシアネート。トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等。また、イソシアネートをブロック剤でマスクした構造のブロック型イソシアネートを用いることもできる。ブロック型イソシアネートは、常温では反応せず、ブロック剤が解離する温度まで加熱すると、イソシアネート基が再生する。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0047】
上記ポリオール成分としては、例えば、以下のものを挙げることができる。ポリ(オキシプロピレン)グリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、THF−アルキレンオキサイド共重合体ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール。エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物、フォスフェート系ポリオール、ハロゲン含有ポリオール、アジペート系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリカプロラクトン系ポリオール、ポリブタジエンポリオール等。
【0048】
ウレタン材料中には、その他、必要に応じて、触媒が含有されていてもよい。触媒としては、例えば、以下のものを挙げることができる。トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等。これらの触媒は、上記共重合体を用いることにより、その使用量を低減することができ、例えば、ポリオール成分とイソシアネート成分との合計100質量部に対し、0.05質量部以上5質量部以下の範囲で用いることが好ましい。
【0049】
上記ウレタン材料を用いてウレタン樹脂を得る方法としては、ポリオール成分に上記共重合体や必要に応じて溶媒を添加することが好ましい。ポリオール成分に上記共重合体を添加するには、ポリオール成分と上記共重合体をそのまま混合する方法、ポリオール成分と上記共重合体溶液を混合する方法を挙げることができる。ポリオール成分にイソシアネート成分を添加し、溶媒を添加した場合は、蒸発させて除去し、必要に応じて加熱することによりウレタン樹脂を得ることができる。
【0050】
このようにして得られるウレタン樹脂を含む電子写真機能部品用樹脂は、ウレタン樹脂の機能を阻害しない範囲で、他の樹脂、機能性成分、例えば、カーボンブラックや金属酸化物等の導電剤や各種安定剤等を含有していてもよい。
【0051】
上記電子写真機能部品用樹脂に含まれていてもよい樹脂としては、具体的には、以下のものを挙げることができる。スチレン樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、アクリル樹脂((メタ)アクリル酸エステルを含む単重合体又は共重合体)。塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂。シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等。これらのうち、耐摩耗性やトナー帯電性、トナー搬送性等に優れる、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等を好ましいものとして挙げることができる。
【0052】
上記電子写真機能部品用樹脂は、電子写真装置の帯電ローラーや帯電ブレード、現像ローラーや現像ブレード、トナー供給ローラー等の電子写真装置の部品の成形に用いることができる。本発明の電子写真機能部分用樹脂を用いて成形された部品は、表面タック性が抑制され、トナーの付着等が抑制され、長期に亘って、ブリードアウトが抑制され、部品の汚染を抑制することができる。
【0053】
本発明の現像ローラーは、通電性のシャフトと、シャフトの外周に順次積層された弾性層と、一層以上の被覆層とを有し、表面に担持した負帯電性現像剤により静電荷像担持体上の静電荷像を現像する。そして、表面となる被覆層が上記共重合体を正荷電制御樹脂として含有する上記電子写真機能部品用樹脂を含む。
【0054】
本発明の現像ローラーにおける通電性のシャフトは、成形時や実使用時に耐えうる強度を有すればよく、その形状としては、円柱状、円筒状等を挙げることができ、例えば、外径4〜10mmを挙げることができる。
【0055】
上記通電性のシャフトの材質としては、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル等の金属性(合金製)を挙げることができる。これらの通電性のシャフトには、導電性を阻害しない範囲で、耐傷性、防錆を目的としてメッキ処理等の表面処理を施してもよい。
【0056】
上記弾性層は、静電荷像担持体と現像ローラーとの接触を確実に行うため、現像ローラーに弾性を付与するために設けられるものであり、導電性を有することが好ましい。弾性層は、充実体、発泡体いずれであってもよく、1層であっても2層以上からなるものであってもよい。弾性層の材質としては、例えば、天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴム、イソプレンゴム、NBR等のゴム材料に、必要に応じて導電剤と添加したものを挙げることができる。導電剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト等を使用することができる。
【0057】
上記弾性層の成形は、原料をミキサーで混合して、例えば、押し出し成形、射出成形、又は圧縮成形の方法を使用することができる。弾性層は、上記通電性のシャフト上に直接成形しても、予め弾性層として成形した成形体のチューブやシートを通電性のシャフト上に被覆形成させてもよい。弾性層の作製後に表面を研磨して形状を整えることができる。
【0058】
上記被覆層は、負帯電性現像剤を充分に負帯電できるように、現像ローラーの表面に高い正荷電性を付与する機能を有する。被覆層は一層以上を有し、複数層有する場合は、表面となる被覆層は、上記共重合体の正荷電制御樹脂を主成分となる樹脂中に含む。被覆層を構成する主成分となる樹脂やこれに含まれるその他の樹脂としては、具体的には、以下のものを挙げることができる。スチレン樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、アクリル樹脂((メタ)アクリル酸エステルを含む単重合体又は共重合体)。塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂。シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等。これらのうち、主成分としての樹脂としては、耐摩耗性やトナー帯電性、トナー搬送性等に優れる、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等を好ましいものとして挙げることができる。
【0059】
上記被覆層を構成する上記主成分の樹脂には、上記共重合体が正荷電制御樹脂として含まれる。上記共重合体は0.1〜15質量%の範囲で含まれることが好ましい。正荷電制御樹脂の含有量が上記範囲であれば、トナーを充分に負帯電することができる。このような被覆層としては、上記電子写真機能部品用樹脂を用いて形成されたものが好ましい。
【0060】
上記被覆層には、上記共重合体の機能を阻害しない範囲で、その他、導電剤等の添加剤や樹脂が含まれていてもよい。導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、導電性粒子、導電性ゴム等を挙げることができる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等を好ましいものとして挙げることができる。上記被覆層中のカーボンブラックの含有量は、1〜40質量%の範囲であることが好ましい。カーボンブラックの含有量が上記範囲であれば、トナーのチャージアップによる現像ローラー上への固着や、トナーへの帯電付与不良を抑制することができる。
【0061】
また、主成分以外の樹脂としては、0〜5質量%であることが、添加による特性向上を達成することができるため、好ましい。
【0062】
上記表面層となる被覆層としては、表面に凹凸を有するものであってもよい。表面に凹凸を形成するためには、球状の粒子を含有させることが、少ない添加量で適度な表面粗さを得ることができるため好ましい。このような球状の粒子の材質としては、以下のものを挙げることができる。ポリアクリレート、ポリメタクリレート等のアクリル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂。フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン、ポリフッ化ビニリデン系樹脂。シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄等の金属酸化物粉末等。
【0063】
被覆層の表面凹凸はこれらの粒子の粒子径や粒子含有量、被覆層の厚さを調整することによって所望の範囲に調整することができる。
【0064】
表面層としての被覆層の厚さは弾性層の柔軟性を損なうことなく、また耐摩耗性の点から、2μm以上100μm以下が好ましい。
【0065】
上記被覆層の調製方法としては、成型や塗工によることができる。被覆層を塗工により調製する方法としては、上記正荷電制御樹脂と、カーボンブラック等の導電剤や、必要に応じ選択した樹脂を、メチルエチルケトン、トルエン、アルコール、水等の溶媒で希釈し、硬化剤又は硬化触媒を添加し、攪拌して塗工液を調製する。これを用いて、スプレー、ディッピング等の方法で塗膜を形成し、必要に応じて加熱し硬化する方法を挙げることができる。
【0066】
本発明の現像ローラーの一例として、図1(a)の側面図、(b)の軸線に沿った概略断面図に示すものを挙げることができる。図1に示すように、現像ローラー24は、通電性のシャフト114aと、この上に設けられた弾性層114bと、表面層として被覆層114cとを有する。
【0067】
本発明の電子写真装置は、静電荷像担持体と、静電荷像担持体の表面を一様に帯電させるための帯電装置と、帯電された静電荷像担持体上に静電荷像を形成するための静電荷像形成装置とを有する。更に、静電荷像担持体の表面に形成された静電荷像に負帯電性現像剤を搬送してトナー像を形成するための現像装置と、トナー像を記録材に転写するための転写装置とを有する。
【0068】
上記電子写真装置の一例として、図2の概略構成図に示すレーザービームプリンターを挙げることができる。図2に示すように、電子写真装置には、静電荷像担持体である感光体9、この表面を一様に帯電する帯電ローラー19を備えた帯電装置、その表面にレーザービームLにより静電荷像を形成する静電荷像形成装置、静電荷像の現像を行う現像装置10が備えられる。この現像装置には、負帯電性現像剤11(以下トナーという。)を収納する現像剤容器12と、この開口を閉塞し一部を現像剤容器外に露出して配置される図1に示す現像ローラー24とが備えられる。更に、現像剤容器内には、現像ローラーの表面から感光体上の静電荷像の現像に使用されず現像ローラー上に残留するトナーを掻き取り、且つ現像剤容器内の新たなトナーを現像ローラーに供給するトナー供給ローラー25が設けられる。尚、現像ローラーから掻き取られた残留トナーは現像剤容器内のトナーと混合され、その電荷が吸収されるようになっている。更に、現像装置には、現像ローラーに当接するように配置されるブレード16が設けられる。ブレードと現像ローラーは定電圧電源18に接続され負電荷の現像バイアスが印加され、現像ローラー上に供給されたトナーを現像ローラーの矢印方向の回転に伴いブレードと現像ローラー間で摩擦し、負電荷に帯電すると共に、薄層11aに形成する。現像ローラー上に薄層に形成されたトナーは、基準電位点に接続された感光体と対向する領域で、感光体上に形成された静電荷像に移動し、トナー像が形成される。
【0069】
レーザービームプリンターには、その他、感光体上に形成されたトナー像を記録材上に転写する転写装置、記録材上に転写されたトナー像を定着する定着装置、更に、転写後に感光体上に残留するトナー等を除去するクリーニング装置等が設けられる。
【0070】
高速化、高画質化を図ったレーザービームプリンターにおいても、トナーの負電荷帯電量が向上され、充分な量のトナーが静電荷像に供給され、長期に亘って濃度の低下が抑制され、カブリの発生が抑制された画像が得られる。
【実施例】
【0071】
本発明の共重合体やこれを用いた電子写真機能部品用樹脂、現像ローラーやこれを用いた電子写真装置について以下に詳述するが、本発明の共重合体、電子写真機能部品用樹脂、現像ローラー、電子写真装置の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
【0072】
以下実施例、比較例で使用した、(メタ)アクリル酸エステルモノマーA1はライトエステルEH(共栄社化学(株)製)を、A2はライトエステルFA−108(共栄社化学(株)製)を、A3はライトエステルM(共栄社化学(株)製)を使用した。アミノ基含有モノマーB1はライトエステルDM(共栄社化学(株)製)を、B2はライトエステルDE(共栄社化学(株)製)を、B3はDMAPAA((株)興人製)を使用した。極性基含有モノマーC1はブレンマーPME−1000(日本油脂(株)製)を、C2はブレンマーPP−800(日本油脂(株)製)を、C3はDMAA((株)興人製)を使用した。これらのモノマーの構造式を以下に示す。
【0073】
【化3】

【0074】
[実施例1]共重合体1の製造
以下のモノマーを用いた。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして2−エチルヘキシルメタクリレート(A1)10g。
アミノ基含有モノマーとしてN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(B1)30g。
極性基含有モノマーとしてメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(C1)10g。
【0075】
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素導入管を付した4つ口セパラブルフラスコに、上記モノマーと、溶媒としてトルエン37.5g及びエタノール12.5g、重合開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)を2.0g仕込んだ。窒素下80℃で8時間攪拌し溶液重合した。その後、減圧乾燥し共重合体1を得た。
【0076】
得られた共重合体1のアミン価、質量平均分子量(Mw)、Tgを以下の方法により測定した。結果を表1に示す。
【0077】
アミン価は、全自動滴定装置(京都電子工業(株)製AT−510)を用いて測定した。共重合体1をエタノール:トルエン=1:2の混合溶媒で0.1質量%に溶解し、0.1M塩酸エタノール溶液で滴定した。
【0078】
質量平均分子量(Mw)は、GPC測定(装置:東ソー(株)製HLC−8120GPC、カラム:昭和電工(株)製KF−805L×2本)を用いて、共重合体1をTHFで0.25質量%に溶解し、THF流速1ml/minで測定した。
【0079】
Tgは、DSC測定(セイコーインスツルメンツ(株)製DSC6200)を用いて、JISK7121に準じて測定した。
【0080】
[実施例2〜10、比較例1〜3]
表1に示すモノマーを用いた他は、実施例1と同様にして共重合体2〜13を調製し、得られた共重合体についてアミン価、質量平均分子量(Mw)、Tgを測定した。結果を表1に示す。
【0081】
【表1】

【0082】
[実施例11]
ポリオール成分としてFA−703(三洋化成(株)製)とイソシアネート成分としてコロネート1021(日本ポリウレタン(株)製)とを、合計が10g、ポリオール成分中の水酸基とイソシアネート成分のイソシアネートが当量になるように用いた。これに、MEKを10%、実施例1で得られた共重合体1を0.3g加え、サンプル溶液を調製した。サンプル溶液をテフロン製シャーレに注ぎ、室温で5時間放置してメチルエチルケトンを蒸発させた後、60℃で30分加熱してウレタン樹脂の試験片を調製した。
【0083】
タッキング試験機TAC−II((株)レスカ製)により、試験片のタック性測定を行った。N/N(22℃、55%RH)環境下、プリロード100gf、押し込み速度30mm/min、押し込み荷重400gf、押し込み時間5秒、引上げ速度600mm/minの条件にて、円柱形φ5.1mm、ステンレス製のプローブを用いて測定を行った。3回の測定値(ピーク値)の平均値をタック性とした。結果を表2に示す。
【0084】
[実施例12〜15、比較例4〜6]
実施例2〜5、比較例1〜3で得られた共重合体2〜5、11〜13を用いた他は、実施例11と同様にしてウレタン樹脂の試験片を調製し、タック性測定を行った。結果を表2に示す。
【0085】
[実施例16]
MEKを使用しない他は実施例13と同様にしてウレタン樹脂の試験片を調製し、タック性測定を行った。結果を表2に示す。
【0086】
[比較例7]
共重合体1を使用しない他は、実施例11と同様にしてウレタン樹脂の試験片を調製し、タック性測定を行った。結果を表2に示す。
【0087】
【表2】

【0088】
実施例11〜16において、本発明の共重合体1〜5を含有する本発明の電子写真機能部品用樹脂は、本発明の共重合体を含有しない比較例7におけるウレタン樹脂よりもタック性が大きく低下した。比較例4において、炭素数4未満のアルキル基を含有するメタクリル酸エステルモノマーを共重合成分として含む本発明の共重合体に該当しない共重合体11を含有するウレタン樹脂のタック性は、比較例7の共重合体を含まないウレタン樹脂と同等であった。比較例5において、アミノ基含有モノマーを共重合成分として含まない本発明の共重合体に該当しない共重合体12を含有するウレタン樹脂では、ウレタン化が進行しなかった。比較例6において、極性基モノマーを共重合成分として含まない本発明の共重合体に該当しない共重合体13を含有するウレタン樹脂では、共重合体13が相分離してタック性は低下しなかった。
【0089】
以上より、本発明の共重合体は本発明の電子写真機能部品用樹脂を用いた電子写真機能部品の形成に触媒作用を有すると共に、タック性を低減させる作用を有することが明らかである。
【0090】
[実施例17]現像ローラー1の製造
外径8mmのシャフトを内径16mmの円筒状金型内に同心となるように設置した。弾性層として液状導電性シリコーンゴム(東レダウシリコーン社製:AskerC硬度35度、体積固有抵抗10×109Ωcm)を注型後、130℃のオーブンに入れ20分加熱成型し、脱型後、200℃のオーブンで4時間2次加硫を行った。弾性層厚み4mmのローラーを得た。
【0091】
次いで、ウレタン塗料(ニッポランN5033:日本ポリウレタン社製)を固形分濃度10%となるようにメチルエチルケトンで希釈した。これに、正荷電制御樹脂として共重合体6をウレタン塗料の固形分100質量部に対して10質量部、導電剤としてカーボンブラック(#7360SB:東海カーボン製)を50質量部添加し、各成分を十分に分散させた分散液を得た。この分散液に、硬化剤として変性TDI(コロネートL:日本ポリウレタン社製)をウレタン塗料100質量部に対し10質量部添加、表面粗し材として平均粒子径14μmのウレタン粒子(アートパールC400:根上工業製)を20質量部添加した。更に、目的の粗さを得るようにMEKを加えて粘度を調整して塗料を調製した。先に成型したローラー上にディッピングにより塗布し、80℃のオーブンで15分乾燥後、140℃のオーブンで4時間硬化し、現像ローラー1を得た。得られた現像ローラー1について、以下のように画像形成を行い、得られた画像について評価を行った。結果を表3に示す。
【0092】
[初期画像形成]
上記現像ローラー1を負帯電性の非磁性トナーからなる一成分現像剤を使用する評価用レーザービームプリンターに取付け、15℃、10%RH(LL)の環境下にて所定の画像(ハーフトーン画像)を印刷した。画像上のブロッチを以下の基準により評価した。ブロッチとは、ハーフトーン画像に所々でブロッチ状に発生する画像ムラをいう。
○:良好
×:ブロッチ発生。
【0093】
[耐久画像形成]
上記レーザービームプリンターを、32.5℃、80%RH(HH)環境下で、文字パターン画像を15000枚、連続的に出力し耐久試験を行った。その後、評価用画像を出力し、画像濃度、カブリの評価を行い、トナーの帯電量について評価を行った。
【0094】
[画像濃度]
評価用画像としてベタ黒画像を出力し、マクベス濃度計RD−918(サカタインクス(株))を用いて画像濃度を測定した。
A:非常に良好(1.4以上)
B:良好 (1.2以上1.4未満)
C:悪い (1.2未満)。
【0095】
[カブリ]
評価用画像としてベタ白画像を出力し、その反射率を測定し、さらに未使用の記録材の反射率を測定し、ベタ白画像の反射率の最悪値から未使用転写紙の反射率の最高値を引いたものをカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。
A:非常に良好(1.0%未満)
B:良好 (1.0%以上2.0%未満)
C:悪い (2.0%以上)。
【0096】
[トナーの帯電量]
現像ローラー上に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集した。その際金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q、捕集されたトナー質量Mから、単位質量当たりの電荷量Q/M(μC/g)を計算し、トナー帯電量(Q/M)とした。
【0097】
[実施例18〜21、比較例8〜10]
共重合体6に替えて共重合体7〜13を用いた以外は実施例17と同様にして現像ローラー2〜8を調製し、画像形成を行い、画像評価、トナーの帯電量の評価を行った。結果を表3に示す。
【0098】
[比較例11]
共重合体6を用いない外は実施例17と同様にして現像ローラー9を調製し、画像形成を行い、画像評価、トナーの帯電量の評価を行った。結果を表3示す。
【0099】
【表3】

【0100】
実施例17〜21、比較例10では被覆層の正荷電性が上昇し、トナーの帯電量が増加し、耐久画像評価における画像濃度が良好で、カブリが低減した。式(1)又は式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含まない比較例8、式(3)又は式(4)で表されるアミノ基含有モノマーを含まない比較例9、共重合体を含まない比較例11では、トナーの帯電量が低く、カブリも悪かった。これは現像ローラー表面をトナーと逆極性に帯電性にすることが充分にできないことが考えられる。式(5)又は式(6)で表される極性基含有モノマーを含まない比較例10では、帯電量とカブリでは、良好な結果を示したが、初期画像にブロッチが発生し、トナーのチャージアップに起因すると推定される画像特性上の弊害を生じた。
【0101】
以上より、本発明の現像ローラーはトナーを充分に負電荷に帯電し、充分な供給量でトナーを搬送できることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の現像ローラーの一例を示す図である。
【図2】本発明の電子写真装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0103】
9:感光体(静電荷像担持体)
10:現像装置
11:現像剤
11a:現像剤の薄膜
12:現像剤容器
16:ブレード
18:定電圧電源
19:帯電ローラー
24:現像ローラー
25:トナー供給ローラー
114a:シャフト
114b:弾性層
114c:被覆層
L:レーザービーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)又は(2)で示される(メタ)アクリル酸エステルモノマーから選択される一種以上のモノマーと、式(3)又は(4)で示されるアミノ基含有モノマーから選択される一種以上のモノマーと、式(5)又は(6)で示される極性基含有モノマーから選択される一種以上のモノマーとを共重合して得られる共重合体。
【化1】

(式中、R11は炭素数4以上のアルキル基を示し、R12はフッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基を示し、R21、R22、R23、R24、R25、又はR26は独立して水素原子又はメチル基を示し、R33、又はR34は独立して炭素数1〜7の二価の有機基を示し、R43、R53、R44、R54、R46、又はR56は、独立して水素原子又は炭素数1〜20の有機基を示し、R43とR53、R44とR54、又は、R46とR56は各々化学的に結合して、これらが結合する窒素原子と炭素原子4〜20とからなる環状構造、又は、これらが結合する窒素原子と、酸素原子、窒素原子及びイオウ原子から選ばれる少なくとも一種と、炭素原子4〜19とからなる環状構造を形成していてもよく、R35は水素原子又は炭素数8以下のアルキル基を示し、nは2又は3の整数を示し、mは1〜30のいずれかの整数を示す。)
【請求項2】
共重合体の質量平均分子量(Mw)が、2000以上、50万以下であることを特徴とする請求項1記載の共重合体。
【請求項3】
共重合体のガラス転移温度(Tg)が、−100℃以上、180℃以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の共重合体。
【請求項4】
アミン価が、0.5mgKOH/g以上、350mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の共重合体。
【請求項5】
ポリオール成分とイソシアネート成分とを含むウレタン材料を用いて得られるウレタン樹脂を含む電子写真機能部品用樹脂において、ウレタン材料が請求項1から4のいずれかに記載の共重合体を含有することを特徴とする電子写真機能部品用樹脂。
【請求項6】
通電性のシャフトと、該シャフトの外周に順次積層された弾性層と、一層以上の被覆層とを有し、表面に担持した負帯電性現像剤により静電荷像担持体上の静電荷像を現像する現像ローラーにおいて、表面層となる被覆層が、請求項1から4のいずれかに記載の共重合体を正荷電制御樹脂として含有する請求項5記載の電子写真機能部品用樹脂を含むことを特徴とする現像ローラー。
【請求項7】
静電荷像担持体と、該静電荷像担持体の表面を一様に帯電させるための帯電装置と、該帯電された静電荷像担持体の表面に静電荷像を形成するための静電荷像形成装置と、静電荷像担持体の表面に形成された静電荷像に負帯電性現像剤を搬送してトナー像を形成するための現像装置と、トナー像を記録材に転写するための転写装置とを有する電子写真装置において、現像装置が、請求項6に記載の現像ローラーを備えたことを特徴とする電子写真装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−74052(P2009−74052A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170404(P2008−170404)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】