説明

内燃機関の排気還流装置

【課題】EGRバルブの前後の差圧を検出することなく、過渡時におけるEGR制御を効果的に行う。
【解決手段】EGR通路が接続された位置の吸気圧を吸入空気量に基づいて推定し(S11)、EGR通路が接続された位置の排気圧を吸入空気量に基づいて推定する(S12)。S12で算出した第1推定排気圧に、応答遅れを考慮した所定の遅れ処理を行って第2推定排気圧を算出する(S16)。そして、過渡時には、推定吸気圧と第1推定排気圧との差圧と、推定吸気圧と第2推定排気圧との差圧と、差もしくは比率からバルブ面積補正値を算出し(S17)、このバルブ面積補正値でEGR制御弁の基準バルブ面積を補正する(S18)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気還流装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、EGRバルブの前後差圧に基づいて算出された仮想EGR率と、エンジン回転速度に基づいて算出された目標EGR率との差に基づいて、EGRバルブ開度を補正することにより、急加速時のEGR制御を効果的に行うことができるエンジンのEGRクーラーシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−150343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような特許文献1においては、EGRバルブの前後の差圧を検出するEGRバルブ差圧センサを設ける必要があり、その分コストが増加してしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の内燃機関の排気還流装置は、過渡時において、吸入空気量に基づいて推定された推定吸気圧と、吸入空気量に基づいて推定された第1推定排気圧に応答遅れを考慮した所定の遅れ処理を行って算出された第2推定排気圧との差圧に基づいて排気還流弁の弁開度を補正することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、排気還流通路の接続位置の推定吸気圧と、応答遅れを考慮した排気還流通路の接続位置の第2推定排気圧との差に応じて、排気還流弁の弁開度を補正することで、排気還流弁の前後の圧力を測定するセンサがなくても、EGR率が一定となるように排気還流弁の弁開度を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る内燃機関の排気還流装置の全体的な構成を模式的に示した説明図。
【図2】内燃機関の吸気圧と排気圧を説明する模式図。
【図3】吸入空気量と、排気圧P2と吸気圧P1との差圧との相関を示す説明図。
【図4】定常状態におけるEGR制御弁の弁開度の演算内容を示すブロック図。
【図5】過渡時バルブ面積の演算内容を示すブロック図。
【図6】過渡時における各種パラメータの変化を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明に係る内燃機関の排気還流装置の全体的な構成を示しており、内燃機関1には、吸気通路2と排気通路3とが接続されている。吸気マニホールド4を介して内燃機関1に接続された吸気通路2には、スロットル弁5が設けられていると共に、その上流側には吸入空気量を検出するエアフローメータ6、エアクリーナ7が設けられている。エアフローメータ6は、温度センサを内蔵するものであって、吸気温度を検出可能となっている。排気マニホールド8を介して内燃機関1に接続された排気通路3には、排気浄化用として、三元触媒等の排気触媒9が設けられている。
【0010】
また、この内燃機関1は、吸気通路2に配置されたコンプレッサ11と排気通路3に配置されたタービン12とを同軸状に備えたターボ過給機10を有している。コンプレッサ11は、スロットル弁5よりも上流側で、エアフローメータ6よりも下流側に位置している。タービン12は、排気触媒9よりも上流側に位置している。尚、図1中の13は、スロットル弁5の下流側に設けられたインタークーラである。
【0011】
吸気通路2には、コンプレッサ11を迂回してコンプレッサの上流側と下流側とを接続する吸気バイパス通路14が接続されている。吸気バイパス通路14には、吸気バイパス通路14内の吸気流量を制御する吸気バイパス弁15が介装されている。
【0012】
排気通路3には、タービン12を迂回してタービン12の上流側と下流側とを接続する排気バイパス通路16が接続されている。排気バイパス通路16には、排気バイパス通路16内の排気流量を制御するウエストゲート弁17が介装されている。
【0013】
また、内燃機関1は、排気還流(EGR)を行うもので、排気通路3と吸気通路2との間には、EGR通路(排気還流通路)20が設けられている。EGR通路20は、その一端が排気触媒9の下流側の位置で排気通路3に接続され、その他端がエアクリーナ7の下流側となりコンプレッサ11の上流側となる位置で吸気通路2に接続され、吸気圧と排気圧の圧力差を利用することで、過給時であっても、排気の一部を吸気通路2に還流させることが可能な構成となっている。このEGR通路20には、EGR制御弁21とEGRクーラ22が介装されている。EGR制御弁21の弁開度は、コントロールユニット25によって制御され、運転条件に応じた所定のEGR率を得るようになっている。例えば、低速低負荷域ではEGR率が最大となり、機関回転数、負荷が高くなるに従い、EGR率が減少していく。
【0014】
コントロールユニット25は、上述したエアフローメータ6の検出信号のほか、クランクシャフト(図示せず)のクランク角を検出するクランク角センサ26、吸気マニホールド4内の吸気温を検出する吸気温センサ27、タービン12上流側の排気温度を検出する排気温センサ28、アクセルペダル(図示せず)の踏込量を検出するアクセル開度センサ29、大気圧を検出する大気圧センサ30等のセンサ類の検出信号が入力されている。
【0015】
そして、コントロールユニット25は、これらの検出信号に基づいて、内燃機関1の点火時期や空燃比等の制御を実施すると共に、EGR制御弁21の弁開度を制御して排気通路3から吸気通路2に排気の一部を還流する排気還流制御(EGR制御)を実施している。尚、スロットル弁5、吸気バイパス弁15、ウエストゲート弁17の弁開度もコントロールユニット25により制御されている。
【0016】
図2は、本実施形態の内燃機関1の吸気圧と排気圧を説明する模式図である。吸気通路2におけるエアクリーナ7等の吸気系部品による圧力損失は、擬似的にオリフィス41とみなすことができる。この擬似オリフィス41においては、吸入空気量が多くなるほど、擬似オリフィス41前後での差圧が大きくなる。ここで、この擬似オリフィス41は吸気系部品であり、この擬似オリフィス41の径に相当する圧力損失は変化するものではない。そこで、吸気通路2のEGR通路20が接続された位置であるEGR噴き出し部よりも上流側の吸気系部品を一つの擬似オリフィス41と見なせば、このEGR噴き出し部における吸気圧P1は、この擬似オリフィス41を通過する吸入空気量から算出することが可能であり、その値は擬似オリフィス41を通過する吸入空気量が多くなるほど大きくなる。
【0017】
また排気通路3におけるマフラー(図示せず)や床下触媒(図示せず)等の排気系部品による圧力損失も、同様に、擬似的にオリフィス42とみなすことができる。この擬似オリフィス42においても、排気量が多くなるほど、擬似オリフィス42前後での差圧が大きくなる。ここで、この擬似オリフィス42は排気系部品であり、この擬似オリフィス42の径に相当する圧力損失は変化するものではない。そこで、排気通路3のEGR通路20が接続された位置であるEGR取り出し部よりも下流側の排気系部品を一つの擬似オリフィス42と見なせば、このEGR取り出し部における排気圧P2は、この擬似オリフィス42を通過する排気量から算出することが可能となる。ここで排気量は、吸入空気量に比例するので、EGR取り出し部における排気圧P2は、吸入空気量から算出することが可能となる。EGR取り出し部における排気圧P2も、吸入空気量が多くなるほど大きくなる。
【0018】
ここで、ベルヌーイの定理に基づく関係から、吸入空気量と、排気圧P2と吸気圧P1との差圧の平方根との間には、図3に示すように、比例関係が成立する。また排気圧P2と吸気圧P1の圧力差の平方根と、排気還流量との間にも比例関係が成立する。従って、吸入空気量と排気還流量の間にも比例関係(EGR率一定)が成立することになる。つまり、吸気圧P1と排気圧P2の圧力差を利用して排気の一部を吸気通路2に還流させる構成では、EGR制御弁21の弁開度が一定であれば、吸入空気量が変化しても、吸入空気量と排気還流量の比率は一定となるので、EGR率は一定となる。
【0019】
図4は、定常状態におけるEGR制御弁21の弁開度の演算内容を示すブロック図である。
【0020】
S1では、トルクと機関回転数から目標EGR率算出マップを用いて目標EGR率を算出する。トルクは、例えば、アクセル開度センサ29の検出値に基づいて算出され、機関回転数は、クランク角センサ26の検出値に基づいて算出される。目標EGR率算出マップは、例えば、内燃機関1の運転領域毎に目標EGR率が割り付けられたものである。
【0021】
S2では、目標EGR率をEGR制御弁21の開口面積に変換する。排気触媒9の下流からコンプレッサ11上流側に排気の一部を還流させる本実施形態では、空気量に関係なくEGR制御弁21の開口面積を決めることで、EGR率が定まるためである。
【0022】
S3では、推定排温から密度補正係数算出マップを用いて排気密度補正係数を算出する。推定排温は、例えば、エアフローメータ6で検出された吸入空気量と、クランク角センサ26の検出値に基づいて算出された機関回転数とを用いて推定される。具体的には、吸入空気量と機関回転数毎に作成したマップとを用いて算出されている。
【0023】
S4では、S2で算出したEGR制御弁21の開口面積を、S3で算出した排気密度補正係数で除して、基準バルブ面積を算出する。
【0024】
S5では、基準バルブ面積をEGR制御弁21の弁開度に変換する。そして、変換された弁開度となるようにEGR制御弁21を制御する。基準バルブ面積が大きくなるほど、EGR制御弁21の弁開度は大きくなる。
【0025】
そして、過渡時においては、上述した基準バルブ面積に過渡補正(バルブ面積補正値による補正)を行って過渡時バルブ面積を算出し、この過渡時バルブ面積をEGR制御弁21の弁開度に変換し、変換された弁開度となるようにEGR制御弁21を制御する。
【0026】
図5は、過渡時バルブ面積の演算内容を示すブロック図である。S11では、エアフローメータ6で検出した吸入空気量から推定吸気圧算出マップを用いて前記EGR噴き出し部の吸気圧である推定吸気圧を算出する。前記EGR噴き出し部の吸気圧は、この位置よりも上流側に存在するエアクリーナ7等の吸気系部品による圧力損失をオリフィスと仮定すれば、吸入空気量から算出することができる。吸入空気量が多くなるほど、算出される推定吸気圧の値は大きくなる。
【0027】
S12では、エアフローメータ6で検出した吸入空気量から第1推定排気圧算出マップを用いて前記EGR取り出し部の排気圧である第1推定排気圧を推定する。前記EGR取り出し部の排気圧は、この位置よりも下流側に存在する図示しない床下触媒やマフラー等の排気系部品による圧力損失をオリフィスと仮定すれば、吸入空気量から算出することができる。S12に算出される第1推定排気圧は、一次遅れや無駄時間といった応答遅れを考慮していない値である。吸入空気量が多くなるほど、算出される第1推定排気圧の値は大きくなる。
【0028】
S13では、S11で算出した推定吸気圧と、S12で算出した第1推定排気圧との差分をとり、一次遅れや無駄時間といった応答遅れを無視した(考慮しない)場合の差圧、換言すれば定常時における差圧を算出する。
【0029】
吸入空気量が変化した場合の圧力変化の遅れは、吸入空気量を検出したエアフローメータ6の位置と、圧力損失が生じる部位が異なることから起こるものである。つまり、吸入空気量から排気圧力を推定する場合、エアフローメータ6の位置から前記EGR取り出し部までのガスの移送遅れが存在するため、前記EGR取り出し部に発生する排気圧が変化するタイミングもそれに伴って遅れることになる。そこで、このような応答遅れを、本実施形態では、一次遅れの時定数、無駄時間として取り扱う。
【0030】
S14では、機関回転数から時定数算出マップを用いて、吸入空気量が変化した場合の圧力変化の遅れ(一次遅れ)の時定数を算出する。機関回転数が大きくなるほど、算出される時定数の値は小さくなる。
【0031】
S15では、機関回転数から無駄時間算出マップを用いて、無駄時間を算出する。無駄時間は、具体的には、燃焼室に閉じこめらえたガス(吸気)が、燃焼室から排出されるまでの時間であり、機関回転数が大きくなるほど、算出される無駄時間の値は小さくなる。
【0032】
S16では、S12で算出された第1推定排気圧に、S14で算出された時定数とS15で算出された無駄時間を用いて所定の遅れ処理を行い、一次遅れや無駄時間といった応答遅れを考慮した第2推定排気圧を算出する。
【0033】
S17では、S11で算出した推定吸気圧と、S16で算出した第2推定排気圧との差分をとり、一次遅れや無駄時間といった応答遅れを考慮した場合の差圧、換言すれば過渡時における差圧を算出すると共に、この過渡時における差圧と、S13で算出した一次遅れや無駄時間といった応答遅れを無視した(考慮しない)場合の差圧と、の差もしくは比率からバルブ面積補正値を算出する。
【0034】
吸入空気量が変動する過渡時には、吸入空気量が増加する場合にはEGR率が低下し、吸入空気量が減少する場合にはEGR率が増加することになる。吸入空気量が増加する場合、すなわち推定吸気圧と第1推定排気圧との差圧に対して、推定吸気圧と第2推定排気圧の差圧が小さい場合には、前記EGR取り出し部における排気圧力の上昇遅れによりEGR率が低下し、推定吸気圧と第1推定排気圧との差圧に対して、推定吸気圧と第2推定排気圧の差圧が大きい場合には、前記EGR取り出し部における排気圧力の減少遅れによりEGR率が増加する。
【0035】
従って、S17で算出されるバルブ面積補正値は、例えば、一次遅れや無駄時間を無視した(考慮しない)場合の差圧に対して、一次遅れや無駄時間を考慮した場合の差圧が小さくなるほど、排気還流量が多くなるように大きな値となり、一次遅れや無駄時間を無視した(考慮しない)場合の差圧に対して、一次遅れや無駄時間を考慮した場合の差圧が大きくなるほど、排気還流量が少なくように小さい値となる。
【0036】
S18では、上述した基準バルブ面積に、S17で算出したバルブ面積補正値を乗じることにより、基準バルブ面積に過渡補正を施し過渡時バルブ面積を算出する。これにより、過渡時のEGR率を安定させることができる。
【0037】
図6は、過渡時における各種パラメータの変化を示すタイミングチャートである。
【0038】
吸入空気量が変化する過渡時において、前記EGR取り出し部における排気圧は、吸入空気量が変化したタイミングから遅れて変化する。そのため、吸入空気量が増加する場合、前記EGR取り出し部と前記EGR噴き出し部との差圧が吸入空気量の変化から遅れて増加し、排気還流量は図6中に実線で示すように吸入空気量の変化から遅れて増加することになるため、その間にEGR率は、図6中に実線で示すように低下してしまうことになる。
【0039】
吸入空気量が増加した際に、EGR率を一定に保つためには、吸入空気量が変化する際に、図6中に破線で示すように、排気還流量を吸入空気量と同等の変化率で増加させる必要がある。
【0040】
そこで、増加した吸入空気量に見合う排気還流量が得れるように、前記EGR取り出し部と前記EGR噴き出し部との差圧が上昇するのに先だって、図6中に破線で示すように、EGR制御弁21の弁開度を増加させる。
【0041】
このとき、前記EGR取り出し部と前記EGR噴き出し部との差圧をセンサ等で計測し、その結果を用いてEGR制御弁21の弁開度操作を行っていては、現象にEGR制御弁21の弁開度操作が追いつかないため、前記EGR取り出し部と前記EGR噴き出し部との差圧を推定し、EGR制御弁21の弁開度を先行して補正する。
【0042】
前記EGR取り出し部における推定排気圧は、一次遅れや無駄時間を無視した(考慮しない)場合には、図6中に一定鎖線で示す第1推定排気圧となり、一次遅れや無駄時間を考慮した場合には、図6中に実線で示す第2推定排気圧となる。前記EGR取り出し部における排気圧が、図6中に一点鎖線で示す第1推定排気圧のように変化すれば、EGR制御弁21の弁開度が一定であっても、排気還流量は、図6中の破線のように変化するためEGR率は一定となる。しかし、前記EGR取り出し部における排気圧は、実際には、図6中に実線で示す第2推定排気圧のように変化するため、EGR率を一定にするためには、同一タイミングにおける第1推定排気圧との差だけ、排気圧が不足していることになる。そこで、この排気圧の不足分が補われるように、バルブ面積補正値が算出し、EGR制御弁21の過渡時における弁開度を補正する。
【0043】
以上説明してきたように、本実施形態においては、吸気通路2のEGR通路20の接続位置(EGR噴き出し部)の推定吸気圧と、排気通路3のEGR通路20の接続位置(EGR取り出し部)における応答遅れを考慮した第2推定排気圧との差に応じて、EGR制御弁21の弁開度を補正することで、過渡時においても精度よくEGR率を制御する(一定に保つ)ことができる。
【0044】
そして、前記EGR噴き出し部及び前記EGR取り出し部における圧力は吸入空気量から推定するため、EGR制御弁21の前後の圧力を測定するセンサがなくても、EGR率が一定となるようにEGR制御弁21の弁開度を制御することができる。
【0045】
また、排気圧への排気ガス温度の影響を考慮すれば、上述した過渡時バルブ面積を排気ガスの温度に応じてさらに補正するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…内燃機関
2…吸気通路
3…排気通路
5…スロットル弁
6…エアフローメータ
9…排気触媒
10…ターボ過給機
11…コンプレッサ
12…タービン
13…インタークーラ
20…EGR通路
21…EGR制御弁
25…コントロールユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気通路に排気の一部を還流させる排気還流通路が接続され、前記排気還流通路に設けられた排気還流弁の弁開度に応じて、吸気通路に流れ込む排気還流量が制御される内燃機関の排気還流装置において、
前記内燃機関は、過給機を有し、
前記排気還流通路は、その一端が前記過給機のコンプレッサよりも上流側で前記吸気通路に接続され、他端が前記過給機のタービンよりも下流側で前記排気通路に接続され、
前記コンプレッサよりも上流側で吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
前記排気還流通路が接続された位置の吸気圧を前記吸入空気量に基づいて推定する推定吸気圧算出手段と、
前記排気還流通路が接続された位置の排気圧を前記吸入空気量に基づいて推定する第1推定排気圧算出手段と、
前記第1推定排気圧推定手段で算出された第1推定排気圧に、応答遅れを考慮した所定の遅れ処理を行う第2推定排気圧算出手段と、を有し、
過渡時には、前記推定吸気圧と第2推定排気圧算出手段で算出された第2推定排気圧との差圧に基づいて前記排気還流弁の弁開度を補正することを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
【請求項2】
過渡時には、前記推定吸気圧と前記第1推定排気圧との差圧と、前記推定吸気圧と前記第2推定排気圧との差圧とに基づいて前記排気還流弁の弁開度を補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気還流装置。
【請求項3】
過渡時において、前記推定吸気圧と前記第1推定排気圧との差圧に対して、前記推定吸気圧と前記第2推定排気圧の差圧が小さい場合には、排気還流量が多くなるように前記排気還流弁の弁開度を補正し、前記推定吸気圧と前記第2推定排気圧の差圧が大きい場合には、排気還流量が少なくなるように前記排気還流弁の弁開度を補正することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気還流装置。
【請求項4】
前記第2推定排気圧算出手段において、前記第1推定排気圧に対する所定の遅れ処理は、内燃機関の機関回転数に応じて設定された時定数及び無駄時間による処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の排気還流装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−251509(P2012−251509A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125935(P2011−125935)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】