内視鏡システム及び内視鏡システムの光源装置
【課題】特殊光観察に用いる複数の照明光を混合同時照射する際に、診断に応じて、照明光の波長帯域を変更する。
【解決手段】キセノンランプ50からの白色光は、カプラ52で2つの光路に分岐する。分岐した一方の白色光はそのままコンバイナ53に入る。他方の白色光は、波長可変素子55によって、特定波長の青色狭帯域光に分光される。青色狭帯域光の波長帯域は、波長変換素子55により5nm刻みで変更が可能である。分光された青色狭帯域光はコンバイナ53に入る。コンバイナ53では、白色光と青色狭帯域光を合波する。合波された白色光と青色狭帯域光は、ライトガイド34を介して、被検体に同時照射される。
【解決手段】キセノンランプ50からの白色光は、カプラ52で2つの光路に分岐する。分岐した一方の白色光はそのままコンバイナ53に入る。他方の白色光は、波長可変素子55によって、特定波長の青色狭帯域光に分光される。青色狭帯域光の波長帯域は、波長変換素子55により5nm刻みで変更が可能である。分光された青色狭帯域光はコンバイナ53に入る。コンバイナ53では、白色光と青色狭帯域光を合波する。合波された白色光と青色狭帯域光は、ライトガイド34を介して、被検体に同時照射される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長が異なる複数の照明光を被検体に混合同時照射する内視鏡システム及び内視鏡システムの光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の医療においては、内視鏡装置を用いた診断等が広く行われている。内視鏡装置による被検体内の観察としては、照明光として広帯域光の白色光を用いる通常光観察の他、波長を狭帯域化した狭帯域光を用いて、被検体内の血管を強調表示等させる特殊光観察も行われるようになってきている。
【0003】
血管を強調表示等させる特殊光観察においては、表層血管に強い光吸収特性を示す青色狭帯域光の他、中深層血管に光吸収特性を示す緑色狭帯域光や波長が広帯域に及ぶ白色光が用いられる。これら青色狭帯域光や緑色狭帯域光等の複数の照明光を被検体に照射する方法としては、特許文献1に示すように、各照明光のみを透過させる光透過部が設けられた回転フィルタを回転させることにより、キセノンランプから発せられた白色光から各照明光を順に透過させ、透過した照明光を被検体に照射する回転フィルタ方式がある。
【0004】
回転フィルタ方式では、各照明光をそれぞれ別個に被検体に照射し、各照明光が照射される毎に撮像を行っているため、高フレームレートで画像を得ることが難しい。高フレームレートでの画像取得が困難な場合には、拍動、呼吸、体動、技師操作などによって発生するアーチファクトを抑制しにくくなる。そこで、特許文献2のように、複数の照明光を同時に被検体に照射し、RGBのカラーフィルタが設けられたカラーの撮像素子で被検体からの反射光等を撮像することで、高フレームレートで画像を取得することができる(混合同時照射方式)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−170009号公報
【特許文献2】特開2009−207584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
血管を強調表示等する特殊光観察においては、青色狭帯域光の中心波長が略415nmのときに、表層血管を十分に強調表示できることが知られている。しかしながら、診断状況によっては、表層血管の強調度を低下させ、その下層の中深層血管を目立たせた方がよい場合がある。このような場合に、青色狭帯域光の波長帯域が固定のままでは、診断に応じた血管表示を行うことができない。
【0007】
そこで、上記混合同時照射方式で被検体の照明を行う場合であれば、波長帯域が異なる光源を追加し、診断に応じて光源を順次切り替えることで、診断に適した狭帯域光が照射される。これにより、所望の血管表示が可能となる。しかしながら、光源の追加は、コストがかかるとともに、装置全体を大型化させることなる。
【0008】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、特殊光観察に用いる複数の照明光を混合同時照射する際に、診断に応じて、照明光の波長帯域を変更することができる内視鏡システム及び内視鏡システムの光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の内視鏡システムは、広帯域光の白色光と、波長帯域の変更が可能な第1狭帯域光とを生成する照明光生成手段と、前記白色光と前記狭帯域光を同時に被検体に照射する照射手段と、前記白色光と前記第1狭帯域光とが同時照射された被検体を撮像素子で撮像する撮像手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
前記照明光生成手段は、白色光を発する広帯域光源と、前記広帯域光源からの白色光を2つの光路に分岐する分岐手段と、前記分岐手段で分岐した一方の白色光から第1狭帯域光を分光する分光部、及び前記第1狭帯域光の波長帯域を変更させる波長変更部を有する波長可変素子とを備え、前記照射手段は、前記分岐手段で分岐した他方の白色光と、前記波長可変手段で分光された第1狭帯域光を同時に照射することが好ましい。
【0011】
前記波長可変素子はエタロンであり、前記分光部として二枚の高反射光フィルタからなる基板を有し、前記波長変更部として前記基板の面間隔を変更することで第1狭帯域光の波長帯域を制御する圧電アクチュエータを有することが好ましい。前記波長可変素子は液晶チューナブルフィルタであり、前記分光部として偏光フィルタ間に複屈折フィルタとネマティック液晶セルを挟んで構成されたものを有し、前記波長変更部として液晶セルへの印加電圧を変更することで第1狭帯域光の波長帯域を制御する電圧制御部を有することが好ましい。
【0012】
撮像面にRGBのカラーフィルタが設けられたカラーの撮像素子から出力される撮像信号のうち、Bのカラーフィルタが設けられたB画素の出力信号に基づいて前記第1狭帯域光の光量を制御し、前記撮像信号のうちGのカラーフィルタが設けられたG画素及びRのカラーフィルタが設けられたR画素の出力信号に基づいて前記白色光の光量を制御する光量制御手段とを備えることが好ましい。前記光量制御手段は、前記白色光と前記第1狭帯域光の光量比を制御することが好ましい。
【0013】
前記第1狭帯域光は、被検体内の血管のうち表層血管を強調表示するために用いられる青色狭帯域光であることが好ましい。前記第1狭帯域光の波長帯域が一定値刻みで変更するように前記照明光生成手段を制御するとともに、波長帯域が変更される毎に撮像するように前記撮像手段を制御する制御手段と、前記撮像により得られる複数の観察画像を同時に表示する表示手段とを備えることが好ましい。
【0014】
前記照明光生成手段は、前記白色光に代えて、前記第1狭帯域光と異なる波長であり、且つ波長帯域の変更が可能である第2狭帯域光を生成することが好ましい。前記第2狭帯域光は、被検体内の血管のうち中深層血管の強調表示のために用いられる緑色狭帯域光であることが好ましい。
【0015】
本発明の内視鏡システムの光源装置は、広帯域光の白色光と、波長帯域の変更が可能な第1狭帯域光とを生成する照明光生成手段と、前記白色光と前記狭帯域光を同時に被検体に照射する照射手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、白色光と狭帯域光を被検体に同時照射する際に、狭帯域光の波長帯域を変更可能にしたことから、診断状況に応じて、適切な観察画像を生成することができる。例えば、表層血管の強調度を低下させ、中深層血管を目立たせたりすることができる。また、波長帯域の変更に用いられるエタロンや液晶チューナブルフィルタなどの波長可変素子は、回転フィルタよりもコンパクトであるため、光源装置内への組み込みが。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電子内視鏡システムの構成を示す外観図である。
【図2】第1実施形態の電子内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【図3】CCDの分光透過率を示す図である。
【図4】白色光の光量分布を示す図である。
【図5】CCDの分光透過率と白色光及び青色狭帯域光との関係を示す図である。
【図6】波長可変素子の構成を示す概略図である。
【図7】血中ヘモグロビンの吸光係数を示す図である。
【図8】本発明の作用を示すフローチャートである。
【図9】5種類の観察画像が並列表示されたモニタの画像図である。
【図10】選択画像が表示されたモニタの画像図である。
【図11】第2実施形態の電子内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1において、第1実施形態の電子内視鏡システム2は、電子内視鏡10、プロセッサ装置11、および光源装置12からなる。電子内視鏡10は、被検体(患者)内に挿入される可撓性の挿入部13と、挿入部13の基端部分に連設された操作部14と、プロセッサ装置11および光源装置12に接続されるコネクタ15と、操作部14、コネクタ15間を繋ぐユニバーサルコード16とを有する。
【0019】
操作部14には、挿入部13の先端部17を上下左右方向に湾曲させるためのアングルノブや、送気・送水ノズルからエアー、水を噴出させるための送気・送水ボタンの他、観察画像を静止画記録するためのレリーズボタンといった操作部材が設けられている。
【0020】
また、操作部14の先端側には、電気メス等の処置具が挿通される鉗子口が設けられている。鉗子口は、挿入部13内の鉗子チャンネルを通して、先端部17に設けられた鉗子出口に連通している。
【0021】
プロセッサ装置11は、光源装置12と電気的に接続され、電子内視鏡システム2の動作を統括的に制御する。プロセッサ装置11は、ユニバーサルコード16や挿入部13内に挿通された伝送ケーブルを介して電子内視鏡10に給電を行い、先端部17に搭載されたCCD33(図2参照)の駆動を制御する。また、プロセッサ装置11は、伝送ケーブルを介してCCD33から出力された撮像信号を受信し、受信した撮像信号に各種処理を施して画像データを生成する。プロセッサ装置11で生成された画像データは、プロセッサ装置11にケーブル接続されたモニタ18に観察画像として表示される。
【0022】
電子内視鏡システム2には、被検体の被観察部位に白色光を照射して観察する通常観察モードと、白色光と狭帯域光を照射して観察する特殊観察モードとが用意されている。各モードの切替は操作部14のモード切替スイッチ19を操作することにより行われる。電子内視鏡システム2の電源投入直後は通常観察モードが自動的に選択される。
【0023】
図2において、先端部17には、観察窓30、照明窓31等が設けられている。観察窓30の奥には、レンズ群およびプリズムからなる対物光学系32を介して、被検体内撮影用のCCD33が配されている。照明窓31は、ユニバーサルコード16や挿入部13に配設されたライトガイド34、および照明レンズ35で導光される光源装置12からの照明光を被観察部位に照射する。通常観察モード時には白色光のみが照射され、特殊観察モード時には白色光と特定波長に設定された青色狭帯域光が同時に照射される。
【0024】
CCD33は、観察窓30、対物光学系32を経由した被検体内の被観察部位の像が撮像面に入射するように配置されている。撮像面には、図3に示すような分光透過率を有するRGBのカラーフィルタが設けられている。通常観察モード時において、白色光が照射されたときには、Rのカラーフィルタが設けられたR画素、Gのカラーフィルタが設けられたG画素、Bのカラーフィルタが設けられたB画素の全てが白色光に感応する。一方、特殊観察モード時において、白色光と狭帯域光が混合同時照射されたときには、B画素が白色光と青色狭帯域光に感応する一方、G画素とR画素は白色光のみに感応する。
【0025】
操作部14には、アナログ信号処理回路(以下、AFEと略す)36、CCD駆動回路37、およびCPU38が設けられている。AFE36は、相関二重サンプリング回路(以下、CDSと略す)、自動ゲイン制御回路(以下、AGCと略す)、およびアナログ/デジタル変換器(以下、A/Dと略す)から構成されている。CDSは、CCD33から出力される撮像信号に対して相関二重サンプリング処理を施し、CCD33で生じるリセット雑音およびアンプ雑音の除去を行う。AGCは、CDSによりノイズ除去が行われた撮像信号を、プロセッサ装置11から指定されるゲイン(増幅率)で増幅する。A/Dは、AGCにより増幅された撮像信号を所定のビット数のデジタル信号に変換する。A/Dでデジタル化された撮像信号は、伝送ケーブルを介してプロセッサ装置11の画像処理回路44に入力される。
【0026】
CCD駆動回路37は、CCD33の駆動パルス(垂直/水平走査パルス、電子シャッタパルス、読み出しパルス、リセットパルス等)とAFE36用の同期パルスとを発生する。CCD33は、CCD駆動回路37からの駆動パルスに応じて撮像動作を行い、撮像信号を出力する。AFE36の各部は、CCD駆動回路37からの同期パルスに基づいて動作する。
【0027】
CPU38は、電子内視鏡10とプロセッサ装置11とが接続された後、プロセッサ装置11のCPU40からの動作開始指示に基づいて、CCD駆動回路37を駆動させるとともに、CCD駆動回路37を介してAFE36のAGCのゲインを調整する。
【0028】
CPU40は、プロセッサ装置11全体の動作を統括的に制御する。CPU40は、図示しないデータバスやアドレスバス、制御線を介して各部と接続している。ROM41には、プロセッサ装置11の動作を制御するための各種プログラム(OS、アプリケーションプログラム等)やデータ(グラフィックデータ等)が記憶されている。CPU40は、ROM41から必要なプログラムやデータを読み出して、作業用メモリであるRAM42に展開し、読み出したプログラムを逐次処理する。また、CPU40は、検査日時、患者や術者の情報等の文字情報といった検査毎に変わる情報を、プロセッサ装置11の操作パネルやLAN(Local Area Network)等のネットワークより得て、RAM42に記憶する。
【0029】
プロセッサ装置用操作部43は、プロセッサ装置11の筐体に設けられる操作パネル、あるいは、マウスやキーボード等の周知の入力デバイスである。CPU40は、プロセッサ装置用操作部43、および電子内視鏡10の操作部14にあるレリーズボタンやモード切替スイッチ19等からの操作信号に応じて、各部を動作させる。
【0030】
画像処理回路44は、電子内視鏡10から入力された撮像信号に対して、色補間、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、画像強調、画像用ノイズリダクション、色変換等の各種画像処理を施す。光量制御回路46は、電子内視鏡10から入力された撮像信号に基づいて、光源装置12内の第1及び第2絞り57,58を制御する。波長可変素子制御回路47は、CPU40の制御に従って、光源装置12内の波長可変素子55の駆動を制御する。
【0031】
表示制御回路45は、CPU40からROM41およびRAM42のグラフィックデータを受け取る。グラフィックデータには、観察画像の無効画素領域を隠して有効画素領域のみを表示させる表示用マスク、検査日時、あるいは患者や術者、現在選択されている観察モード等の文字情報、グラフィカルユーザインターフェース(GUI;Graphical User Interface)等がある。表示制御回路45は、画像処理回路44からの画像に対して、表示用マスク、文字情報、GUIの重畳処理、モニタ18の表示画面への描画処理等の各種表示制御処理を施す。
【0032】
表示制御回路45は、画像処理回路44からの画像を一時的に格納するフレームメモリを有する。表示制御回路45は、フレームメモリから画像を読み出し、読み出した画像をモニタ18の表示形式に応じたビデオ信号(コンポーネント信号、コンポジット信号等)に変換する。これにより、モニタ18に観察画像が表示される。
【0033】
プロセッサ装置11には、上記の他にも、画像に所定の圧縮形式(例えばJPEG形式)で画像圧縮を施す圧縮処理回路や、圧縮された画像をCFカード、光磁気ディスク(MO)、CD−R等のリムーバブルメディアに記録するメディアI/F、LAN等のネットワークとの間で各種データの伝送制御を行うネットワークI/F等が設けられている。これらはデータバス等を介してCPU40と接続されている。
【0034】
光源装置12は、青色〜赤色までのブロードな波長の光、例えば図4に示すような400nm以上750nm以下の波長帯の白色光を発生するキセノンランプ50を備えている。なお、キセノンランプの他、ハロゲンランプ、白色LED(発光ダイオード)等や、青色光または紫外光の励起光と、これにより励起発光される蛍光体の緑色〜黄色〜赤色の蛍光との合波光で白色光を生成する光源を用いてもよい。
【0035】
キセノンランプ50から発せられる光は、分波器であるカプラ52によって2系統の白色光に分波される。分波された2系統の白色光のうち、一方の白色光はそのまま合波器のコンバイナ53に入る。もう一方の分光用の白色光は、波長可変素子55によって特定波長の青色狭帯域光に分光される。分光された狭帯域光はコンバイナ53に入る。コンバイナ53では、白色光と青色狭帯域光を合波させる。合波された白色光及び青色狭帯域光は、ライトガイド34に入る。
【0036】
白色光の光路L上には、白色光の光量を調整する第1絞り57が設けられている。また、波長可変素子55とカプラ52との間には、分光用の白色光の光量を調整する第2絞り58が設けられている。第1及び第2絞り57,58は、ドライバ57a,58aを介して、プロセッサ装置11内の光量制御回路46によって制御される。
【0037】
通常観察モード時には、第1絞り57は所定の光量で白色光を透過させる一方、第2絞り58は分光用の白色光を遮光し、波長可変素子55に分光用の白色光が入らないようにする。これにより、ライトガイド34に白色光のみが入射する。一方、特殊観察モード時には、第1及び第2絞り57,58は、白色光及び分光用の白色光が所定の光量比となるように、それぞれの光を透過させる。これにより、ライトガイド34に、白色光と、波長可変素子55で分光された青色狭帯域光が同時に入る。
【0038】
白色光と青色狭帯域光が混合同時照射される特殊観察モード時においては、光量制御回路46は、撮像信号のうちG画素及びR画素の出力信号に基づき第1絞り57を制御することにより、白色光の光量を制御する。また、光量制御回路46は、B画素の出力信号に基づき第2絞り58を制御することにより、分光用の白色光、即ち青色狭帯域光の光量を制御する。このように白色光と青色狭帯域光の光量を個別に制御できるのは、図5に示すように、青色狭帯域光が感応するCCD33のB画素の信号情報を、青色狭帯域光の光量制御に用い、青色狭帯域光が感応しないG画素とR画素の信号情報を、白色光の光量制御に用いることができるからである。なお、このようにプロセッサ装置11側で白色光及び青色狭帯域光の光量制御を行うことから、光源装置12にAPC(Auto Power Control)などの光源制御装置を別途設ける必要がない。
【0039】
図5において、「キセノンランプの白色光」はカプラ52で2系統に分岐される前の白色光であり、「分岐後の白色光」はカプラ52で分岐された後の白色光を示している。この図5に示すように、「分岐後の白色光」の光量は、分岐によって「キセノンランプの白色光」の光量の略半分となる。
【0040】
波長可変素子55はエタロンから構成され、図6に示すように、分光用の白色光のうち特定波長帯域の青色狭帯域光を選択的に透過させるとともに、プロセッサ装置11内の波長可変素子制御回路47の制御によって、透過させる青色狭帯域光の波長帯域を変更する。波長可変素子55は、圧電アクチュエータ70を駆動して、二枚の高反射光フィルタからなる基板71、72の面間隔dを変更することによって、青色狭帯域光の波長帯域を制御する。圧電アクチュエータ70は、素子ドライバ(図示省略)を介して、波長可変素子制御回路47によって駆動制御される。
【0041】
本実施形態では、図7に示すように、血中ヘモグロビンが高い吸光係数を示す400〜420nmの波長範囲内で、青色狭帯域光の波長帯域を波長可変素子55で5nm刻みで変更させる。400〜420nmの波長範囲内で中心波長を変化させることにより、415nmをピークに青色狭帯域光に対する吸光度が増減するため、観察画像における表層血管の強調度を調整することができる。
【0042】
次に、上記のように構成された電子内視鏡システム2の作用を、図8のフローチャートに沿って説明する。通常観察モードから、モード切替スイッチ19により通常観察モードから特殊観察モードに切り替えられると、白色光と中心波長400nmの青色狭帯域光が被検体に同時照射される。白色光は、カプラ52で2分岐された一方の白色光が、そのまま被検体に照射されたものである。青色狭帯域光は、2分岐されたもう一方の分光用の白色光が、波長可変素子55で分光されたものである。波長可変素子55は、中心波長400nmの青色狭帯域光が分光されるように、基板71,72間の面間隔dを調整する。
【0043】
白色光及び中心波長400nmの青色狭帯域光で照明された被検体は、CCD33によって撮像される。撮像により得られる撮像信号に基づいてプロセッサ装置11内で各種処理が施されることにより、観察画像(400nm+白色光)が生成される。表示制御回路45内のフレームメモリに記憶される。
【0044】
観察画像(400nm+白色光)が得られたら、波長可変素子55は、面間隔dを調整して、分光される青色狭帯域光の中心波長を405nmに変更する。中心波長の変更により、白色光と中心波長405nmの青色狭帯域光が照射されたら、同様にして、CCD33によって撮像を行う。これにより、観察画像(405nm+白色光)が生成される。生成された観察画像(405nm+白色光)はフレームメモリに記憶される。
【0045】
観察画像(405nm+白色光)が得られたら、同様にして、青色狭帯域光の中心波長を5nmずつ変更し、変更毎に撮像を行う。この動作を中心波長が420nmに達するまで繰り返し行う。これにより、観察画像(410nm+白色光)、観察画像(415nm+白色光)、観察画像(420nm+白色光)が生成される。これら観察画像はフレームメモリに記憶される。
【0046】
以上のように合計5つの観察画像がフレームメモリに記憶されたら、図9に示すように、それら観察画像をモニタ18に並列表示する。ユーザは、プロセッサ装置用操作部43を操作することにより、モニタ18に表示された観察画像の中から診断に適した観察画像を選択する。これにより、モニタ18には、図10に示すように、ユーザーが選択された観察画像(選択画像)のみが表示される(図10の場合には「観察画像(405nm+白色光)」)。また、波長可変素子55は、選択画像の生成時に用いた青色狭帯域光(図10の場合には「中心波長405nmの青色狭帯域光」)が分光されるように、面間隔dを調整する。
【0047】
本発明の第2実施形態では、白色光と青色狭帯域光を混合同時照射する第1実施形態と異なり、青色狭帯域光と緑色狭帯域光を混合同時照射する。短波長の青色狭帯域光は、生体組織の深さ方向への深達度が表層血管付近までであるので、主に表層血管を強調表示するために用いられる。一方、青色狭帯域光よりも長波長の緑色狭帯域光は、深達度が中深層血管付近まであるので、主に中深層血管の表示を目立たせるのに用いられる。
【0048】
この第2実施形態の電子内視鏡システム100の光源装置12では、青色狭帯域光を分光するための波長可変素子55に加えて、緑色狭帯域光を分光するための波長可変素子102を使用する。波長可変素子102は波長可変素子55と同様にエタロンから構成され、カプラ52から分岐された白色光の光路上において、第1絞り57とコンバイナ53との間に設置される。それ以外については、第2実施形態は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0049】
波長可変素子102は、緑色帯域において血中ヘモグロビンが比較的高い吸光係数を示す530〜550nmの波長範囲(図7参照)内で、緑色狭帯域光の波長帯域を5nm刻みで変更する。530〜550nmの波長範囲内で中心波長を変化させることにより、緑色狭帯域光に対する吸光度が増減するため、観察画像における中深層血管の強調度を調整することができる。
【0050】
第2実施形態では、2つの波長可変素子55,102によって、青色狭帯域光の中心波長と緑色の狭帯域光の中心波長の変更が可能であるため、観察画像における表層血管の表示と中深層血管の表示の両方を制御することができる。
【0051】
なお、第1及び第2実施形態では、波長可変素子としてエタロンを例示しているが、代わりに液晶チューナブルフィルタを用いてもよい。液晶チューナブルフィルタは、偏光フィルタ間に複屈折フィルタとネマティック液晶セルを挟んで構成され、液晶セルへの印加電圧を電圧制御部で変更することで透過光の波長帯域を制御する。液晶チューナブルフィルタも周囲温度の影響を受けるため、波長可変素子に液晶チューナブルフィルタを用いた場合も上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0052】
上記実施形態では、白色光等と混合同時照射する狭帯域光の利用形態として、表層の血管やピットパターン等を強調して観察する例を挙げたが、その他に、生体内組織に蛍光物質を注入し、狭帯域光の励起光の照射によって発せられる蛍光を観察する(PDD(Photo Dynamic Diagnosis)、近赤外蛍光観察)場合や、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光特性に違いがある狭帯域光を照射して得られたときに撮像信号から、酸素飽和度や血管深さといった血管機能情報を取得する場合や、狭帯域光の励起光を照射して生体内組織の自家蛍光を観察(AFI(Auto Fluorescence Imaging))する場合や、光感受性物質が投与された腫瘍患部を狭帯域光の治療光で死滅させる(PDT(Photo Dynamic Therapy))場合にも適用することができる。
【0053】
なお、本発明に係る内視鏡システムは、上記実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、撮像素子は上記実施形態のCCDに限らずCMOSイメージセンサを用いてもよい。また、波長可変素子の駆動源として、圧電アクチュエータの代わりに静電アクチュエータを用いてもよい。画像処理回路44でデジタル化された撮像信号に対して微調整を行っているが、AFE36のA/Dの前段でアナログの撮像信号に対して微調整を行ってもよい。
【0054】
上記実施形態では電子内視鏡を例示したが、本発明はこれに限らず、イメージガイドを用いたファイバスコープや、撮像素子と超音波トランスデューサが先端部に内蔵された超音波内視鏡等、他の形態の内視鏡にも適用することができる。また、医療用だけでなく、工業分野で利用される内視鏡に適用してもよい。
【符号の説明】
【0055】
2,100 電子内視鏡システム
10 電子内視鏡
11 プロセッサ装置
12 光源装置
18 モニタ
33 CCD
38、40、60 CPU
41 ROM
47 波長可変素子制御回路
50 キセノンランプ
52 カプラ
55,102 波長可変素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長が異なる複数の照明光を被検体に混合同時照射する内視鏡システム及び内視鏡システムの光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の医療においては、内視鏡装置を用いた診断等が広く行われている。内視鏡装置による被検体内の観察としては、照明光として広帯域光の白色光を用いる通常光観察の他、波長を狭帯域化した狭帯域光を用いて、被検体内の血管を強調表示等させる特殊光観察も行われるようになってきている。
【0003】
血管を強調表示等させる特殊光観察においては、表層血管に強い光吸収特性を示す青色狭帯域光の他、中深層血管に光吸収特性を示す緑色狭帯域光や波長が広帯域に及ぶ白色光が用いられる。これら青色狭帯域光や緑色狭帯域光等の複数の照明光を被検体に照射する方法としては、特許文献1に示すように、各照明光のみを透過させる光透過部が設けられた回転フィルタを回転させることにより、キセノンランプから発せられた白色光から各照明光を順に透過させ、透過した照明光を被検体に照射する回転フィルタ方式がある。
【0004】
回転フィルタ方式では、各照明光をそれぞれ別個に被検体に照射し、各照明光が照射される毎に撮像を行っているため、高フレームレートで画像を得ることが難しい。高フレームレートでの画像取得が困難な場合には、拍動、呼吸、体動、技師操作などによって発生するアーチファクトを抑制しにくくなる。そこで、特許文献2のように、複数の照明光を同時に被検体に照射し、RGBのカラーフィルタが設けられたカラーの撮像素子で被検体からの反射光等を撮像することで、高フレームレートで画像を取得することができる(混合同時照射方式)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−170009号公報
【特許文献2】特開2009−207584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
血管を強調表示等する特殊光観察においては、青色狭帯域光の中心波長が略415nmのときに、表層血管を十分に強調表示できることが知られている。しかしながら、診断状況によっては、表層血管の強調度を低下させ、その下層の中深層血管を目立たせた方がよい場合がある。このような場合に、青色狭帯域光の波長帯域が固定のままでは、診断に応じた血管表示を行うことができない。
【0007】
そこで、上記混合同時照射方式で被検体の照明を行う場合であれば、波長帯域が異なる光源を追加し、診断に応じて光源を順次切り替えることで、診断に適した狭帯域光が照射される。これにより、所望の血管表示が可能となる。しかしながら、光源の追加は、コストがかかるとともに、装置全体を大型化させることなる。
【0008】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、特殊光観察に用いる複数の照明光を混合同時照射する際に、診断に応じて、照明光の波長帯域を変更することができる内視鏡システム及び内視鏡システムの光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の内視鏡システムは、広帯域光の白色光と、波長帯域の変更が可能な第1狭帯域光とを生成する照明光生成手段と、前記白色光と前記狭帯域光を同時に被検体に照射する照射手段と、前記白色光と前記第1狭帯域光とが同時照射された被検体を撮像素子で撮像する撮像手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
前記照明光生成手段は、白色光を発する広帯域光源と、前記広帯域光源からの白色光を2つの光路に分岐する分岐手段と、前記分岐手段で分岐した一方の白色光から第1狭帯域光を分光する分光部、及び前記第1狭帯域光の波長帯域を変更させる波長変更部を有する波長可変素子とを備え、前記照射手段は、前記分岐手段で分岐した他方の白色光と、前記波長可変手段で分光された第1狭帯域光を同時に照射することが好ましい。
【0011】
前記波長可変素子はエタロンであり、前記分光部として二枚の高反射光フィルタからなる基板を有し、前記波長変更部として前記基板の面間隔を変更することで第1狭帯域光の波長帯域を制御する圧電アクチュエータを有することが好ましい。前記波長可変素子は液晶チューナブルフィルタであり、前記分光部として偏光フィルタ間に複屈折フィルタとネマティック液晶セルを挟んで構成されたものを有し、前記波長変更部として液晶セルへの印加電圧を変更することで第1狭帯域光の波長帯域を制御する電圧制御部を有することが好ましい。
【0012】
撮像面にRGBのカラーフィルタが設けられたカラーの撮像素子から出力される撮像信号のうち、Bのカラーフィルタが設けられたB画素の出力信号に基づいて前記第1狭帯域光の光量を制御し、前記撮像信号のうちGのカラーフィルタが設けられたG画素及びRのカラーフィルタが設けられたR画素の出力信号に基づいて前記白色光の光量を制御する光量制御手段とを備えることが好ましい。前記光量制御手段は、前記白色光と前記第1狭帯域光の光量比を制御することが好ましい。
【0013】
前記第1狭帯域光は、被検体内の血管のうち表層血管を強調表示するために用いられる青色狭帯域光であることが好ましい。前記第1狭帯域光の波長帯域が一定値刻みで変更するように前記照明光生成手段を制御するとともに、波長帯域が変更される毎に撮像するように前記撮像手段を制御する制御手段と、前記撮像により得られる複数の観察画像を同時に表示する表示手段とを備えることが好ましい。
【0014】
前記照明光生成手段は、前記白色光に代えて、前記第1狭帯域光と異なる波長であり、且つ波長帯域の変更が可能である第2狭帯域光を生成することが好ましい。前記第2狭帯域光は、被検体内の血管のうち中深層血管の強調表示のために用いられる緑色狭帯域光であることが好ましい。
【0015】
本発明の内視鏡システムの光源装置は、広帯域光の白色光と、波長帯域の変更が可能な第1狭帯域光とを生成する照明光生成手段と、前記白色光と前記狭帯域光を同時に被検体に照射する照射手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、白色光と狭帯域光を被検体に同時照射する際に、狭帯域光の波長帯域を変更可能にしたことから、診断状況に応じて、適切な観察画像を生成することができる。例えば、表層血管の強調度を低下させ、中深層血管を目立たせたりすることができる。また、波長帯域の変更に用いられるエタロンや液晶チューナブルフィルタなどの波長可変素子は、回転フィルタよりもコンパクトであるため、光源装置内への組み込みが。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電子内視鏡システムの構成を示す外観図である。
【図2】第1実施形態の電子内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【図3】CCDの分光透過率を示す図である。
【図4】白色光の光量分布を示す図である。
【図5】CCDの分光透過率と白色光及び青色狭帯域光との関係を示す図である。
【図6】波長可変素子の構成を示す概略図である。
【図7】血中ヘモグロビンの吸光係数を示す図である。
【図8】本発明の作用を示すフローチャートである。
【図9】5種類の観察画像が並列表示されたモニタの画像図である。
【図10】選択画像が表示されたモニタの画像図である。
【図11】第2実施形態の電子内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1において、第1実施形態の電子内視鏡システム2は、電子内視鏡10、プロセッサ装置11、および光源装置12からなる。電子内視鏡10は、被検体(患者)内に挿入される可撓性の挿入部13と、挿入部13の基端部分に連設された操作部14と、プロセッサ装置11および光源装置12に接続されるコネクタ15と、操作部14、コネクタ15間を繋ぐユニバーサルコード16とを有する。
【0019】
操作部14には、挿入部13の先端部17を上下左右方向に湾曲させるためのアングルノブや、送気・送水ノズルからエアー、水を噴出させるための送気・送水ボタンの他、観察画像を静止画記録するためのレリーズボタンといった操作部材が設けられている。
【0020】
また、操作部14の先端側には、電気メス等の処置具が挿通される鉗子口が設けられている。鉗子口は、挿入部13内の鉗子チャンネルを通して、先端部17に設けられた鉗子出口に連通している。
【0021】
プロセッサ装置11は、光源装置12と電気的に接続され、電子内視鏡システム2の動作を統括的に制御する。プロセッサ装置11は、ユニバーサルコード16や挿入部13内に挿通された伝送ケーブルを介して電子内視鏡10に給電を行い、先端部17に搭載されたCCD33(図2参照)の駆動を制御する。また、プロセッサ装置11は、伝送ケーブルを介してCCD33から出力された撮像信号を受信し、受信した撮像信号に各種処理を施して画像データを生成する。プロセッサ装置11で生成された画像データは、プロセッサ装置11にケーブル接続されたモニタ18に観察画像として表示される。
【0022】
電子内視鏡システム2には、被検体の被観察部位に白色光を照射して観察する通常観察モードと、白色光と狭帯域光を照射して観察する特殊観察モードとが用意されている。各モードの切替は操作部14のモード切替スイッチ19を操作することにより行われる。電子内視鏡システム2の電源投入直後は通常観察モードが自動的に選択される。
【0023】
図2において、先端部17には、観察窓30、照明窓31等が設けられている。観察窓30の奥には、レンズ群およびプリズムからなる対物光学系32を介して、被検体内撮影用のCCD33が配されている。照明窓31は、ユニバーサルコード16や挿入部13に配設されたライトガイド34、および照明レンズ35で導光される光源装置12からの照明光を被観察部位に照射する。通常観察モード時には白色光のみが照射され、特殊観察モード時には白色光と特定波長に設定された青色狭帯域光が同時に照射される。
【0024】
CCD33は、観察窓30、対物光学系32を経由した被検体内の被観察部位の像が撮像面に入射するように配置されている。撮像面には、図3に示すような分光透過率を有するRGBのカラーフィルタが設けられている。通常観察モード時において、白色光が照射されたときには、Rのカラーフィルタが設けられたR画素、Gのカラーフィルタが設けられたG画素、Bのカラーフィルタが設けられたB画素の全てが白色光に感応する。一方、特殊観察モード時において、白色光と狭帯域光が混合同時照射されたときには、B画素が白色光と青色狭帯域光に感応する一方、G画素とR画素は白色光のみに感応する。
【0025】
操作部14には、アナログ信号処理回路(以下、AFEと略す)36、CCD駆動回路37、およびCPU38が設けられている。AFE36は、相関二重サンプリング回路(以下、CDSと略す)、自動ゲイン制御回路(以下、AGCと略す)、およびアナログ/デジタル変換器(以下、A/Dと略す)から構成されている。CDSは、CCD33から出力される撮像信号に対して相関二重サンプリング処理を施し、CCD33で生じるリセット雑音およびアンプ雑音の除去を行う。AGCは、CDSによりノイズ除去が行われた撮像信号を、プロセッサ装置11から指定されるゲイン(増幅率)で増幅する。A/Dは、AGCにより増幅された撮像信号を所定のビット数のデジタル信号に変換する。A/Dでデジタル化された撮像信号は、伝送ケーブルを介してプロセッサ装置11の画像処理回路44に入力される。
【0026】
CCD駆動回路37は、CCD33の駆動パルス(垂直/水平走査パルス、電子シャッタパルス、読み出しパルス、リセットパルス等)とAFE36用の同期パルスとを発生する。CCD33は、CCD駆動回路37からの駆動パルスに応じて撮像動作を行い、撮像信号を出力する。AFE36の各部は、CCD駆動回路37からの同期パルスに基づいて動作する。
【0027】
CPU38は、電子内視鏡10とプロセッサ装置11とが接続された後、プロセッサ装置11のCPU40からの動作開始指示に基づいて、CCD駆動回路37を駆動させるとともに、CCD駆動回路37を介してAFE36のAGCのゲインを調整する。
【0028】
CPU40は、プロセッサ装置11全体の動作を統括的に制御する。CPU40は、図示しないデータバスやアドレスバス、制御線を介して各部と接続している。ROM41には、プロセッサ装置11の動作を制御するための各種プログラム(OS、アプリケーションプログラム等)やデータ(グラフィックデータ等)が記憶されている。CPU40は、ROM41から必要なプログラムやデータを読み出して、作業用メモリであるRAM42に展開し、読み出したプログラムを逐次処理する。また、CPU40は、検査日時、患者や術者の情報等の文字情報といった検査毎に変わる情報を、プロセッサ装置11の操作パネルやLAN(Local Area Network)等のネットワークより得て、RAM42に記憶する。
【0029】
プロセッサ装置用操作部43は、プロセッサ装置11の筐体に設けられる操作パネル、あるいは、マウスやキーボード等の周知の入力デバイスである。CPU40は、プロセッサ装置用操作部43、および電子内視鏡10の操作部14にあるレリーズボタンやモード切替スイッチ19等からの操作信号に応じて、各部を動作させる。
【0030】
画像処理回路44は、電子内視鏡10から入力された撮像信号に対して、色補間、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、画像強調、画像用ノイズリダクション、色変換等の各種画像処理を施す。光量制御回路46は、電子内視鏡10から入力された撮像信号に基づいて、光源装置12内の第1及び第2絞り57,58を制御する。波長可変素子制御回路47は、CPU40の制御に従って、光源装置12内の波長可変素子55の駆動を制御する。
【0031】
表示制御回路45は、CPU40からROM41およびRAM42のグラフィックデータを受け取る。グラフィックデータには、観察画像の無効画素領域を隠して有効画素領域のみを表示させる表示用マスク、検査日時、あるいは患者や術者、現在選択されている観察モード等の文字情報、グラフィカルユーザインターフェース(GUI;Graphical User Interface)等がある。表示制御回路45は、画像処理回路44からの画像に対して、表示用マスク、文字情報、GUIの重畳処理、モニタ18の表示画面への描画処理等の各種表示制御処理を施す。
【0032】
表示制御回路45は、画像処理回路44からの画像を一時的に格納するフレームメモリを有する。表示制御回路45は、フレームメモリから画像を読み出し、読み出した画像をモニタ18の表示形式に応じたビデオ信号(コンポーネント信号、コンポジット信号等)に変換する。これにより、モニタ18に観察画像が表示される。
【0033】
プロセッサ装置11には、上記の他にも、画像に所定の圧縮形式(例えばJPEG形式)で画像圧縮を施す圧縮処理回路や、圧縮された画像をCFカード、光磁気ディスク(MO)、CD−R等のリムーバブルメディアに記録するメディアI/F、LAN等のネットワークとの間で各種データの伝送制御を行うネットワークI/F等が設けられている。これらはデータバス等を介してCPU40と接続されている。
【0034】
光源装置12は、青色〜赤色までのブロードな波長の光、例えば図4に示すような400nm以上750nm以下の波長帯の白色光を発生するキセノンランプ50を備えている。なお、キセノンランプの他、ハロゲンランプ、白色LED(発光ダイオード)等や、青色光または紫外光の励起光と、これにより励起発光される蛍光体の緑色〜黄色〜赤色の蛍光との合波光で白色光を生成する光源を用いてもよい。
【0035】
キセノンランプ50から発せられる光は、分波器であるカプラ52によって2系統の白色光に分波される。分波された2系統の白色光のうち、一方の白色光はそのまま合波器のコンバイナ53に入る。もう一方の分光用の白色光は、波長可変素子55によって特定波長の青色狭帯域光に分光される。分光された狭帯域光はコンバイナ53に入る。コンバイナ53では、白色光と青色狭帯域光を合波させる。合波された白色光及び青色狭帯域光は、ライトガイド34に入る。
【0036】
白色光の光路L上には、白色光の光量を調整する第1絞り57が設けられている。また、波長可変素子55とカプラ52との間には、分光用の白色光の光量を調整する第2絞り58が設けられている。第1及び第2絞り57,58は、ドライバ57a,58aを介して、プロセッサ装置11内の光量制御回路46によって制御される。
【0037】
通常観察モード時には、第1絞り57は所定の光量で白色光を透過させる一方、第2絞り58は分光用の白色光を遮光し、波長可変素子55に分光用の白色光が入らないようにする。これにより、ライトガイド34に白色光のみが入射する。一方、特殊観察モード時には、第1及び第2絞り57,58は、白色光及び分光用の白色光が所定の光量比となるように、それぞれの光を透過させる。これにより、ライトガイド34に、白色光と、波長可変素子55で分光された青色狭帯域光が同時に入る。
【0038】
白色光と青色狭帯域光が混合同時照射される特殊観察モード時においては、光量制御回路46は、撮像信号のうちG画素及びR画素の出力信号に基づき第1絞り57を制御することにより、白色光の光量を制御する。また、光量制御回路46は、B画素の出力信号に基づき第2絞り58を制御することにより、分光用の白色光、即ち青色狭帯域光の光量を制御する。このように白色光と青色狭帯域光の光量を個別に制御できるのは、図5に示すように、青色狭帯域光が感応するCCD33のB画素の信号情報を、青色狭帯域光の光量制御に用い、青色狭帯域光が感応しないG画素とR画素の信号情報を、白色光の光量制御に用いることができるからである。なお、このようにプロセッサ装置11側で白色光及び青色狭帯域光の光量制御を行うことから、光源装置12にAPC(Auto Power Control)などの光源制御装置を別途設ける必要がない。
【0039】
図5において、「キセノンランプの白色光」はカプラ52で2系統に分岐される前の白色光であり、「分岐後の白色光」はカプラ52で分岐された後の白色光を示している。この図5に示すように、「分岐後の白色光」の光量は、分岐によって「キセノンランプの白色光」の光量の略半分となる。
【0040】
波長可変素子55はエタロンから構成され、図6に示すように、分光用の白色光のうち特定波長帯域の青色狭帯域光を選択的に透過させるとともに、プロセッサ装置11内の波長可変素子制御回路47の制御によって、透過させる青色狭帯域光の波長帯域を変更する。波長可変素子55は、圧電アクチュエータ70を駆動して、二枚の高反射光フィルタからなる基板71、72の面間隔dを変更することによって、青色狭帯域光の波長帯域を制御する。圧電アクチュエータ70は、素子ドライバ(図示省略)を介して、波長可変素子制御回路47によって駆動制御される。
【0041】
本実施形態では、図7に示すように、血中ヘモグロビンが高い吸光係数を示す400〜420nmの波長範囲内で、青色狭帯域光の波長帯域を波長可変素子55で5nm刻みで変更させる。400〜420nmの波長範囲内で中心波長を変化させることにより、415nmをピークに青色狭帯域光に対する吸光度が増減するため、観察画像における表層血管の強調度を調整することができる。
【0042】
次に、上記のように構成された電子内視鏡システム2の作用を、図8のフローチャートに沿って説明する。通常観察モードから、モード切替スイッチ19により通常観察モードから特殊観察モードに切り替えられると、白色光と中心波長400nmの青色狭帯域光が被検体に同時照射される。白色光は、カプラ52で2分岐された一方の白色光が、そのまま被検体に照射されたものである。青色狭帯域光は、2分岐されたもう一方の分光用の白色光が、波長可変素子55で分光されたものである。波長可変素子55は、中心波長400nmの青色狭帯域光が分光されるように、基板71,72間の面間隔dを調整する。
【0043】
白色光及び中心波長400nmの青色狭帯域光で照明された被検体は、CCD33によって撮像される。撮像により得られる撮像信号に基づいてプロセッサ装置11内で各種処理が施されることにより、観察画像(400nm+白色光)が生成される。表示制御回路45内のフレームメモリに記憶される。
【0044】
観察画像(400nm+白色光)が得られたら、波長可変素子55は、面間隔dを調整して、分光される青色狭帯域光の中心波長を405nmに変更する。中心波長の変更により、白色光と中心波長405nmの青色狭帯域光が照射されたら、同様にして、CCD33によって撮像を行う。これにより、観察画像(405nm+白色光)が生成される。生成された観察画像(405nm+白色光)はフレームメモリに記憶される。
【0045】
観察画像(405nm+白色光)が得られたら、同様にして、青色狭帯域光の中心波長を5nmずつ変更し、変更毎に撮像を行う。この動作を中心波長が420nmに達するまで繰り返し行う。これにより、観察画像(410nm+白色光)、観察画像(415nm+白色光)、観察画像(420nm+白色光)が生成される。これら観察画像はフレームメモリに記憶される。
【0046】
以上のように合計5つの観察画像がフレームメモリに記憶されたら、図9に示すように、それら観察画像をモニタ18に並列表示する。ユーザは、プロセッサ装置用操作部43を操作することにより、モニタ18に表示された観察画像の中から診断に適した観察画像を選択する。これにより、モニタ18には、図10に示すように、ユーザーが選択された観察画像(選択画像)のみが表示される(図10の場合には「観察画像(405nm+白色光)」)。また、波長可変素子55は、選択画像の生成時に用いた青色狭帯域光(図10の場合には「中心波長405nmの青色狭帯域光」)が分光されるように、面間隔dを調整する。
【0047】
本発明の第2実施形態では、白色光と青色狭帯域光を混合同時照射する第1実施形態と異なり、青色狭帯域光と緑色狭帯域光を混合同時照射する。短波長の青色狭帯域光は、生体組織の深さ方向への深達度が表層血管付近までであるので、主に表層血管を強調表示するために用いられる。一方、青色狭帯域光よりも長波長の緑色狭帯域光は、深達度が中深層血管付近まであるので、主に中深層血管の表示を目立たせるのに用いられる。
【0048】
この第2実施形態の電子内視鏡システム100の光源装置12では、青色狭帯域光を分光するための波長可変素子55に加えて、緑色狭帯域光を分光するための波長可変素子102を使用する。波長可変素子102は波長可変素子55と同様にエタロンから構成され、カプラ52から分岐された白色光の光路上において、第1絞り57とコンバイナ53との間に設置される。それ以外については、第2実施形態は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0049】
波長可変素子102は、緑色帯域において血中ヘモグロビンが比較的高い吸光係数を示す530〜550nmの波長範囲(図7参照)内で、緑色狭帯域光の波長帯域を5nm刻みで変更する。530〜550nmの波長範囲内で中心波長を変化させることにより、緑色狭帯域光に対する吸光度が増減するため、観察画像における中深層血管の強調度を調整することができる。
【0050】
第2実施形態では、2つの波長可変素子55,102によって、青色狭帯域光の中心波長と緑色の狭帯域光の中心波長の変更が可能であるため、観察画像における表層血管の表示と中深層血管の表示の両方を制御することができる。
【0051】
なお、第1及び第2実施形態では、波長可変素子としてエタロンを例示しているが、代わりに液晶チューナブルフィルタを用いてもよい。液晶チューナブルフィルタは、偏光フィルタ間に複屈折フィルタとネマティック液晶セルを挟んで構成され、液晶セルへの印加電圧を電圧制御部で変更することで透過光の波長帯域を制御する。液晶チューナブルフィルタも周囲温度の影響を受けるため、波長可変素子に液晶チューナブルフィルタを用いた場合も上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0052】
上記実施形態では、白色光等と混合同時照射する狭帯域光の利用形態として、表層の血管やピットパターン等を強調して観察する例を挙げたが、その他に、生体内組織に蛍光物質を注入し、狭帯域光の励起光の照射によって発せられる蛍光を観察する(PDD(Photo Dynamic Diagnosis)、近赤外蛍光観察)場合や、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光特性に違いがある狭帯域光を照射して得られたときに撮像信号から、酸素飽和度や血管深さといった血管機能情報を取得する場合や、狭帯域光の励起光を照射して生体内組織の自家蛍光を観察(AFI(Auto Fluorescence Imaging))する場合や、光感受性物質が投与された腫瘍患部を狭帯域光の治療光で死滅させる(PDT(Photo Dynamic Therapy))場合にも適用することができる。
【0053】
なお、本発明に係る内視鏡システムは、上記実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、撮像素子は上記実施形態のCCDに限らずCMOSイメージセンサを用いてもよい。また、波長可変素子の駆動源として、圧電アクチュエータの代わりに静電アクチュエータを用いてもよい。画像処理回路44でデジタル化された撮像信号に対して微調整を行っているが、AFE36のA/Dの前段でアナログの撮像信号に対して微調整を行ってもよい。
【0054】
上記実施形態では電子内視鏡を例示したが、本発明はこれに限らず、イメージガイドを用いたファイバスコープや、撮像素子と超音波トランスデューサが先端部に内蔵された超音波内視鏡等、他の形態の内視鏡にも適用することができる。また、医療用だけでなく、工業分野で利用される内視鏡に適用してもよい。
【符号の説明】
【0055】
2,100 電子内視鏡システム
10 電子内視鏡
11 プロセッサ装置
12 光源装置
18 モニタ
33 CCD
38、40、60 CPU
41 ROM
47 波長可変素子制御回路
50 キセノンランプ
52 カプラ
55,102 波長可変素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広帯域光の白色光と、波長帯域の変更が可能な第1狭帯域光とを生成する照明光生成手段と、
前記白色光と前記狭帯域光を同時に被検体に照射する照射手段と、
前記白色光と前記第1狭帯域光とが同時照射された被検体を撮像素子で撮像する撮像手段とを備えることを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
前記照明光生成手段は、
白色光を発する広帯域光源と、
前記広帯域光源からの白色光を2つの光路に分岐する分岐手段と、
前記分岐手段で分岐した一方の白色光から第1狭帯域光を分光する分光部、及び前記第1狭帯域光の波長帯域を変更させる波長変更部を有する波長可変素子とを備え、
前記照射手段は、
前記分岐手段で分岐した他方の白色光と、前記波長可変手段で分光された第1狭帯域光を同時に照射することを特徴とする請求項1記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記波長可変素子はエタロンであり、前記分光部として二枚の高反射光フィルタからなる基板を有し、前記波長変更部として前記基板の面間隔を変更することで第1狭帯域光の波長帯域を制御する圧電アクチュエータを有することを特徴とする請求項2記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記波長可変素子は液晶チューナブルフィルタであり、前記分光部として偏光フィルタ間に複屈折フィルタとネマティック液晶セルを挟んで構成されたものを有し、前記波長変更部として液晶セルへの印加電圧を変更することで第1狭帯域光の波長帯域を制御する電圧制御部を有することを特徴とする請求項2記載の内視鏡システム。
【請求項5】
撮像面にRGBのカラーフィルタが設けられたカラーの撮像素子から出力される撮像信号のうち、Bのカラーフィルタが設けられたB画素の出力信号に基づいて前記第1狭帯域光の光量を制御し、前記撮像信号のうちGのカラーフィルタが設けられたG画素及びRのカラーフィルタが設けられたR画素の出力信号に基づいて前記白色光の光量を制御する光量制御手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記光量制御手段は、前記白色光と前記第1狭帯域光の光量比を制御することを特徴とする請求項5記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記第1狭帯域光は、被検体内の血管のうち表層血管を強調表示するために用いられる青色狭帯域光であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記第1狭帯域光の波長帯域が一定値刻みで変更するように前記照明光生成手段を制御するとともに、波長帯域が変更される毎に撮像するように前記撮像手段を制御する制御手段と、
前記撮像により得られる複数の観察画像を同時に表示する表示手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記照明光生成手段は、
前記白色光に代えて、前記第1狭帯域光と異なる波長であり、且つ波長帯域の変更が可能である第2狭帯域光を生成することを特徴とする請求項1ないし8いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記第2狭帯域光は、被検体内の血管のうち中深層血管の強調表示のために用いられる緑色狭帯域光であることを特徴とする請求項9記載の内視鏡システム。
【請求項11】
広帯域光の白色光と、波長帯域の変更が可能な第1狭帯域光とを生成する照明光生成手段と、
前記白色光と前記狭帯域光を同時に被検体に照射する照射手段とを備えることを特徴とする内視鏡システムの光源装置。
【請求項1】
広帯域光の白色光と、波長帯域の変更が可能な第1狭帯域光とを生成する照明光生成手段と、
前記白色光と前記狭帯域光を同時に被検体に照射する照射手段と、
前記白色光と前記第1狭帯域光とが同時照射された被検体を撮像素子で撮像する撮像手段とを備えることを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
前記照明光生成手段は、
白色光を発する広帯域光源と、
前記広帯域光源からの白色光を2つの光路に分岐する分岐手段と、
前記分岐手段で分岐した一方の白色光から第1狭帯域光を分光する分光部、及び前記第1狭帯域光の波長帯域を変更させる波長変更部を有する波長可変素子とを備え、
前記照射手段は、
前記分岐手段で分岐した他方の白色光と、前記波長可変手段で分光された第1狭帯域光を同時に照射することを特徴とする請求項1記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記波長可変素子はエタロンであり、前記分光部として二枚の高反射光フィルタからなる基板を有し、前記波長変更部として前記基板の面間隔を変更することで第1狭帯域光の波長帯域を制御する圧電アクチュエータを有することを特徴とする請求項2記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記波長可変素子は液晶チューナブルフィルタであり、前記分光部として偏光フィルタ間に複屈折フィルタとネマティック液晶セルを挟んで構成されたものを有し、前記波長変更部として液晶セルへの印加電圧を変更することで第1狭帯域光の波長帯域を制御する電圧制御部を有することを特徴とする請求項2記載の内視鏡システム。
【請求項5】
撮像面にRGBのカラーフィルタが設けられたカラーの撮像素子から出力される撮像信号のうち、Bのカラーフィルタが設けられたB画素の出力信号に基づいて前記第1狭帯域光の光量を制御し、前記撮像信号のうちGのカラーフィルタが設けられたG画素及びRのカラーフィルタが設けられたR画素の出力信号に基づいて前記白色光の光量を制御する光量制御手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記光量制御手段は、前記白色光と前記第1狭帯域光の光量比を制御することを特徴とする請求項5記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記第1狭帯域光は、被検体内の血管のうち表層血管を強調表示するために用いられる青色狭帯域光であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記第1狭帯域光の波長帯域が一定値刻みで変更するように前記照明光生成手段を制御するとともに、波長帯域が変更される毎に撮像するように前記撮像手段を制御する制御手段と、
前記撮像により得られる複数の観察画像を同時に表示する表示手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記照明光生成手段は、
前記白色光に代えて、前記第1狭帯域光と異なる波長であり、且つ波長帯域の変更が可能である第2狭帯域光を生成することを特徴とする請求項1ないし8いずれか1項記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記第2狭帯域光は、被検体内の血管のうち中深層血管の強調表示のために用いられる緑色狭帯域光であることを特徴とする請求項9記載の内視鏡システム。
【請求項11】
広帯域光の白色光と、波長帯域の変更が可能な第1狭帯域光とを生成する照明光生成手段と、
前記白色光と前記狭帯域光を同時に被検体に照射する照射手段とを備えることを特徴とする内視鏡システムの光源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−143397(P2012−143397A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4193(P2011−4193)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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