内視鏡システム
【課題】内視鏡の細長い挿入部先端に配置された可変分光素子により分光特性の制御を高精度に行い、鮮明な観察画像を取得する。
【解決手段】生体の体腔内に少なくとも一部が挿入され、該体腔内の撮影対象Aの画像を取得する内視鏡システムであって、体腔内に挿入される部位の先端部に、間隔を空けて対向する2つの光学部材13a,13bの間隔の変化により分光特性が変化する可変分光素子13と、入力される駆動信号に応じて2つの光学部材13a,13bの間隔を変化させるアクチュエータ13cと、2つの光学部材13a,13bの間隔を検出するセンサ16と、該センサ16の出力が入力され、能動素子を含み前記センサの出力に対応する電気信号を出力する電気回路17とを備える内視鏡システムを提供する。
【解決手段】生体の体腔内に少なくとも一部が挿入され、該体腔内の撮影対象Aの画像を取得する内視鏡システムであって、体腔内に挿入される部位の先端部に、間隔を空けて対向する2つの光学部材13a,13bの間隔の変化により分光特性が変化する可変分光素子13と、入力される駆動信号に応じて2つの光学部材13a,13bの間隔を変化させるアクチュエータ13cと、2つの光学部材13a,13bの間隔を検出するセンサ16と、該センサ16の出力が入力され、能動素子を含み前記センサの出力に対応する電気信号を出力する電気回路17とを備える内視鏡システムを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内視鏡先端の撮像光学系または照明光学系の少なくとも一方に、複数の光学部材の間隔をピエゾ素子からなる駆動手段により可変としたエタロン素子を配置して、観察光または照明光の波長特性を変化させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1に開示された技術を用いることにより生体等の分光情報を取得することができる。特許文献1に開示されているエタロン素子は、2以上の光学部材間にこれらの光学部材の間隔を変化させるピエゾ素子からなる駆動手段を備えている。
【特許文献1】特許第2802061号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、エタロン素子は、光の干渉効果を用いて透過特性を変化させるものであるため、隣接する光学部材の間隔を光束のコヒーレンス長程度以下に近接させた状態で、その間隔を精密に制御することにより、分光特性を高精度に制御する必要がある。この場合に、光学部材間の間隔に応じて予め定められた駆動信号をピエゾ素子からなる駆動手段に供給するだけでは、分光特性を高精度に制御することはできない。
【0004】
また、体腔内に挿入される内視鏡の挿入部は、極めて細い上に、一般に約1m以上の長さを有し、ピエゾ素子からなる駆動手段を作動させるための駆動電圧の伝送線や撮像素子の信号伝送線などが近接して配置される。このため、これらの電気信号によるノイズの影響を抑えつつ、分光特性を高精度に制御する必要がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、内視鏡の細長い挿入部先端に配置された可変分光素子により分光特性の制御を高精度に行い、鮮明な観察画像を取得することができる内視鏡システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、生体の体腔内に少なくとも一部が挿入され、該体腔内の撮影対象の画像を取得する内視鏡システムであって、前記体腔内に挿入される部位の先端部に、間隔を空けて対向する2つの光学部材の間隔の変化により分光特性が変化する可変分光素子と、入力される駆動信号に応じて前記2つの光学部材の間隔を変化させるアクチュエータと、前記2つの光学部材の間隔を検出するセンサと、該センサの出力が入力され、能動素子を含み前記センサの出力に対応する電気信号を出力する電気回路とを備える内視鏡システムを提供する。
上記発明においては、前記電気回路が、増幅回路を有することとしてもよく、また、前記電気回路が、バッファ回路を有することとしてもよい。
【0007】
また、上記発明においては、前記センサが、前記2つの光学部材に備えられた複数の電極を備え、該電極間の容量を検出することにより、2つの光学部材の間隔を検出することとしてもよい。
また、上記発明においては、前記センサが、前記2つの光学部材の一方に設けられたコイルと他方に設けられた金属板とを備え、前記コイルのインピーダンスを検出することにより、2つの光学部材の間隔を検出することとしてもよい。
【0008】
また、上記発明においては、前記アクチュエータが、圧電素子からなることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記可変分光素子に対向する光電変換素子を備えることとしてもよい。
【0009】
また、上記発明においては、前記光電変換素子が、電気信号を光に変換する光源であることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記光電変換素子が、光を電気信号に変換する受光素子であることとしてもよい。
【0010】
また、上記発明においては、前記先端部が、挿入部の先端の方向を変更するために湾曲動作させられる部位よりも先端側であることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記電気回路が、前記可変分光素子に隣接して配置されていることとしてもよい。
【0011】
また、上記発明においては、前記電気回路が、前記可変分光素子よりも挿入部の基端側に配置されていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記電気回路が、前記可変分光素子に対して挿入部の軸方向にずれ、かつ、挿入部の径方向に重なる位置に配置されていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記アクチュエータが、挿入部の軸回りに周方向に間隔をあけて複数配置され、前記電気回路が、アクチュエータ間の隙間に配置されていることとしてもよい。
【0012】
また、上記発明においては、前記電気回路が、前記光電変換素子の基板に設けられていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記電気回路が、前記光電変換素子よりも挿入部の先端側に配置されていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記2つの光学部材の内の一方が、前記体腔内に挿入される部位に固定され、前記電気回路が、前記固定された一方の光学部材に固定されていることとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、内視鏡の細長い挿入部先端に配置された可変分光素子により分光特性の制御を高精度に行い、鮮明な観察画像を取得することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施形態に係る内視鏡システム1について、図1〜図5を参照して説明する。
内視鏡システム1は、図1に示されるように、生体の体腔内に挿入される挿入部2と、該挿入部2内に配置される撮像ユニット3と、複数種の光を発する光源ユニット4と、前記撮像ユニット3および光源ユニット4を制御する制御ユニット5と、撮像ユニット3により取得された画像を表示する表示ユニット6とを備えている。
【0015】
前記挿入部2は、生体の体腔に挿入できる極めて細い外形寸法を有し、その内部に、前記撮像ユニット3と、前記光源ユニット4からの光を先端2aまで伝播するライトガイド7とを備えている。
前記光源ユニット4は、体腔内の観察対象を照明し、観察対象において反射して戻る反射光を取得するための照明光を発する照明光用光源8と、体腔内の観察対象に照射され、観察対象内に存在する蛍光物質を励起して蛍光を発生させるための励起光を発する励起光用光源9と、これらの光源8,9を制御する光源制御回路10とを備えている。
【0016】
前記照明光用光源8は、例えば、図示しないキセノンランプおよびバンドパスフィルタを組み合わせたもので、バンドパスフィルタの50%透過域は、430〜460nmである。すなわち、光源8は、波長帯域430〜460nmの照明光を発生するようになっている。
【0017】
前記励起光用光源9は、例えば、ピーク波長660±5nmの励起光を出射する半導体レーザである。この波長の励起光は、Cy5.5(Amersham社製)やALEXAFLUOR700(Molecular Probes社製)等の蛍光薬剤を励起することができる。
前記光源制御回路10は、後述するタイミングチャートに従う所定のタイミングで、照明光用光源8と励起光用光源9とを交互に点灯および消灯させるようになっている。
【0018】
前記撮像ユニット3は、挿入部2の先端部に配置されている。挿入部2の先端部は、例えば、挿入部2の長さ方向の中央位置より先端2a側、好ましくは、挿入部2の先端2aの向きを変更するために湾曲動作させられる屈曲部2bよりも先端2a側である。
【0019】
前記撮像ユニット3は、図2に示されるように、観察対象Aから入射される光を集光するレンズ11a,11bを含む撮像光学系11と、観察対象Aから入射されてくる励起光を遮断する励起光カットフィルタ12と、制御ユニット5の作動により分光特性を変化させられる可変分光素子13と、撮像光学系11により集光された光を撮影して電気信号に変換する撮像素子14と、これらを支持する枠部材15とを備えている。
【0020】
前記可変分光素子13は、平行間隔をあけて配置され体腔面に反射膜が設けられた2枚の円板状の光学部材13a,13bと、該光学部材13a,13bの間隔を変化させるアクチュエータ13cとを備えるエタロン型の光学フィルタである。光学部材13aは、前記枠部材15に直接固定され、光学部材13bは、アクチュエータ13cを介して枠部材15に取り付けられている。
【0021】
アクチュエータ13cは積層型の圧電素子であり、光学部材13bの周縁に沿って周方向に等間隔をあけて4カ所に設けられている。
この可変分光素子13は、アクチュエータ13cの作動により、光学部材13a,13bの間隔寸法を変化させ、それによって、軸方向に通過する光の波長帯域を変化させることができるようになっている。
【0022】
さらに具体的には、可変分光素子13は、図3に示されるように、1つの固定透過帯域および1つの可変透過帯域の2つの透過帯域を有する透過率波長特性を有している。固定透過帯域は、可変分光素子13の状態によらず、常に入射光を透過するようになっている。また、可変透過帯域は可変分光素子13の状態に応じて透過率特性が変化するようになっている。
【0023】
可変分光素子13を構成する2つの光学部材13a,13bには、該光学部材13a,13bの間隔を検出するためのセンサ16が備えられている。センサ16は、静電容量方式のものであって、光学部材13a,13bの光学有効径B(図7(b)参照。)外の外周部に、相互に対向する位置にそれぞれ設けられた複数のセンサ電極16a,16bを備えている。センサ電極16a,16bは、光学部材13a,13bの外周部に周方向に沿って等間隔に4箇所配置されている。センサ電極16a,16bとしては金属膜を用いることができる。
【0024】
静電容量方式は、センサ電極16a,16b間の静電容量が面間隔に反比例して変化する特性を用いるものである。センサ電極16a,16bには、電気回路17が接続されている。電気回路17は、例えば、図5に示されるように、センサ電極16a,16bに交流電流を供給し、光学部材13a,13bの間隔寸法に応じて決定されるセンサ電極16a,16b間の静電容量を電圧信号に変換し、増幅して(電圧Vを)出力するようになっている。図5中、符号22は能動素子であるオペアンプ、符号23は交流電源である。電気回路17は、枠部材15に固定された光学部材13aに固定されている。
【0025】
蛍光観察においては、一般に、得られる蛍光強度が微弱なため、光学系の透過効率は非常に重要になる。エタロン型の可変分光素子13は、反射膜が平行なときに高い透過率が得られるが、その平行度調整に誤差があると透過率が急激に低下する。したがって、蛍光観察用の撮像ユニット3に用いられる可変分光素子13としては、間隔を変化させたときの2つの光学部材13a,13bの傾き誤差を調整するために、複数のセンサ16を備え、複数の駆動自由度を有していることが望ましい。
センサ電極16a,16bからの信号をもとに、アクチュエータ13cへの駆動信号のフィードバック制御を実施することにより、透過率特性の制御において精度を向上させることができる。
【0026】
本実施形態において、可変分光素子13は、蛍光薬剤が励起光により励起されることによって発せられる蛍光(薬剤蛍光)の波長を含む波長帯域(例えば、690〜710nm)に可変透過帯域を備えている。そして、可変分光素子13は、制御ユニット5からの制御信号に応じて2つの状態に変化するようになっている。
【0027】
第1の状態は、可変透過帯域での透過率を50%以上に増大させ、薬剤蛍光を透過させる状態である。第2の状態は、可変透過帯域での透過率を20%以下に低下させ、薬剤蛍光を遮断する状態である。
第2の状態は、可変透過帯域の波長域を第1の状態から変化させることによって、薬剤蛍光を遮断してもよい。
【0028】
固定透過帯域は、例えば、420〜540nmの範囲に配置され、平均透過率60%以上に設計されている。
また、固定透過帯域は、照明光に対する反射光の波長を含む波長帯域に位置し、上記第1および第2の状態のいずれの場合においても反射光を撮像素子14に向けて透過させることができるようになっている。
【0029】
また、前記励起光カットフィルタ12は、420〜640nmの波長帯域で透過率80%以上、650〜670nmの波長帯域でOD値4以上(=透過率1×10−4以下)、690〜750nmの波長帯域で透過率80%以上である。
【0030】
前記制御ユニット5は、図1に示されるように、撮像素子14を駆動制御する撮像素子駆動回路18と、可変分光素子13を駆動制御する可変分光素子制御回路19と、撮像素子14により取得された画像情報を記憶するフレームメモリ20と、該フレームメモリ20に記憶された画像情報を処理して表示ユニット6に出力する画像処理回路21とを備えている。
撮像素子駆動回路18および可変分光素子制御回路19は、前記光源制御回路10に接続され、光源制御回路10による照明光用光源8および励起光用光源9の切り替えに同期して可変分光素子13および撮像素子14を駆動制御するようになっている。
【0031】
具体的には、図4のタイミングチャートに示されるように、光源制御回路10の作動により、励起光用光源9から励起光が発せられるときには、可変分光素子制御回路19が、可変分光素子13を第1の状態として、撮像素子駆動回路18が撮像素子14から出力される画像情報を第1のフレームメモリ20aに出力させるようになっている。また、照明光用光源8から照明光が発せられるときには、可変分光素子制御回路19が、可変分光素子13を第2の状態として、撮像素子駆動回路18が撮像素子14から出力される画像情報を第2のフレームメモリ20bに出力するようになっている。
【0032】
また、前記画像処理回路21は、例えば、励起光の照射により得られる蛍光画像情報を第1のフレームメモリ20aから受け取って表示ユニット6の第1のチャネルに出力し、照明光の照射により得られる反射光画像情報を第2のフレームメモリ20bから受け取って表示ユニット6の第2のチャネルに出力するようになっている。
【0033】
このように構成された本実施形態に係る内視鏡システム1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る内視鏡システム1を用いて、生体の体腔内の撮影対象Aを撮像するには、蛍光薬剤を体内に注入するとともに、挿入部2を体腔内に挿入し、その先端2aを体腔内の撮影対象Aに対向させる。この状態で、光源ユニット4および制御ユニット5を作動させ、光源制御回路10の作動により、照明光用光源8および励起光用光源9を交互に作動させて照明光および励起光をそれぞれ発生させる。
【0034】
光源ユニット4において発生した励起光および照明光は、それぞれライトガイド7を介して挿入部2の先端2aまで伝播され、挿入部2の先端2aから撮影対象Aに向けて照射される。
励起光が撮影対象Aに照射された場合には、撮影対象Aに浸透している蛍光薬剤が励起されて蛍光が発せられる。撮影対象Aから発せられた蛍光は、撮像ユニット3の撮像光学系11により集光され、励起光カットフィルタ12を透過し、可変分光素子13に入射される。
【0035】
可変分光素子13は、可変分光素子制御回路19の作動により励起光用光源9の作動に同期して第1の状態に切り替えられているので、蛍光に対する透過率が増大させられており、入射された蛍光を透過させることができる。この場合に、撮影対象Aに照射された励起光の一部が、撮影対象Aにおいて反射され、蛍光とともに撮像ユニット3に入射されるが、撮像ユニット3には励起光カットフィルタ12が設けられているので、励起光は遮断され、撮像素子14に入射されることが阻止される。
【0036】
そして、可変分光素子13を透過した蛍光は撮像素子14に入射され、蛍光画像情報が取得される。取得された蛍光画像情報は、第1のフレームメモリ20aに記憶され、画像処理回路21によって、表示ユニット6の第1のチャネルに出力されて表示ユニット6により表示される。
【0037】
一方、照明光が撮影対象Aに照射された場合には、撮影対象Aの表面において照明光が反射され、撮像光学系11により集光されて励起光カットフィルタ12を透過し、可変分光素子13に入射される。照明光の反射光の波長帯域は、可変分光素子13の固定透過帯域に位置しているので、可変分光素子13に入射された反射光は全て可変分光素子13を透過させられる。
【0038】
そして、可変分光素子13を透過した反射光は撮像素子14に入射され、反射光画像情報が取得される。取得された反射光画像情報は、第2のフレームメモリ20bに記憶され、画像処理回路21によって、表示ユニット6の第2のチャネルに出力されて表示ユニット6により表示される。
【0039】
この場合に、可変分光素子13は、可変分光素子制御回路19の作動により照明光用光源8の作動に同期して第2の状態に切り替えられているので、蛍光に対する透過率が低下させられており、蛍光が入射されても、これを遮断する。これにより、反射光のみが撮像素子14により撮影される。
このように、本実施形態に係る内視鏡システム1によれば、蛍光画像と反射光画像とを合成した画像を使用者に提供することができる。
【0040】
この場合において、本実施形態に係る内視鏡システム1によれば、可変分光素子13にセンサ16が設けられているので、第1の状態および第2の状態に切り替えられた際に、センサ16により2枚の光学部材13a,13bの間隔寸法が検出され、アクチュエータ13cに加える電圧信号がフィードバック制御される。これにより、光学部材13a,13bの間隔寸法が精度よく制御され、高精度に所望の波長帯域の光を分光し、鮮明な蛍光画像および反射光画像を得ることができる。
【0041】
さらに、本実施形態においては、センサ電極16a,16bから出力されたセンサ電極16a,16b間の静電容量を示す電気信号が、可変分光素子13の光学部材13bに固定された電気回路17により増幅されるとともに出力インピーダンスが低減された後に、挿入部2内を伝送され、挿入部2の基端側から体外の可変分光素子制御回路19に送られる。したがって、センサ16により検出された電気信号に対するノイズの混入を低減することができ、光学部材13a,13bの間隔を高精度に検出でき、ひいては可変分光素子13の分光特性を高精度に制御することができるという効果がある。
【0042】
なお、本実施形態に係る内視鏡システム1においては、以下の各種の変形、変更が可能である。
まず、電気回路17を光学基板13bに直接固定することに代えて、図6に示されるように、光学基板13bに隣接して、枠部材15に固定することとしてもよい。この場合に、光軸方向から見て、光学基板13b(の光学有効系の外)と重なる位置に電気回路17を配置することにより、電気回路17をセンサ16に近接して配置しつつ、挿入部2の先端部の外径寸法が太くなるのを防止することができる。電気回路17を可変分光素子13よりも挿入部2の基端側に配置することにより、挿入部2内の配線を短くできるので、ノイズ低減効果をさらに向上することができる。
【0043】
また、電気回路17として静電容量を電圧信号として検出して増幅する回路を用いたが、これに限定されるものではなく、増幅機能を有しないバッファ回路を採用してもよい。バッファ回路としては、例えば、ボルテージフォロワ回路が挙げられる。バッファ回路によってもセンサ出力の出力インピーダンスを低下させることができ、耐ノイズ性を向上させることができる。
【0044】
また、図7に示されるように、可変分光素子13を構成するアクチュエータ13cが、光学部材13aと枠部材15との間に、周方向に間隔をあけて複数配置される場合には、電気回路17をアクチュエータ13c間の空間に配置してもよい。このようにすることで、アクチュエータ13c間の空間を利用でき、挿入部2の先端部が太くなるのを防止することができる。
【0045】
また、図8に示されるように、撮像光学系11の構成が相違し、アクチュエータ13cが、光学部材13aと撮像光学系11を固定する枠部材15との間に、周方向に間隔をあけて複数配置される場合には、電気回路17を、可変分光素子13よりも先端側のアクチュエータ13c間の空間に配置してもよい。
【0046】
また、図9に示されるように、センサ16用の電気回路17を、撮像素子14用の回路基板24上に配置してもよい。センサ16用の電気回路17を搭載する基板と、撮像素子14用の電気回路を搭載する基板24とを独立に配置するよりも、基板24を共用することにより、容積的に節約して小型化を図ることができる。
【0047】
また、図10に示されるように、電気回路17を撮像ユニット3の外部に配置してもよい。センサ16と電気回路17との距離は若干長くなるが、空間的に余裕のある撮像ユニット3の外部に電気回路17を配置することにより、実装を容易にすることができるという利点がある。
【0048】
また、本実施形態に係る内視鏡システム1においては、薬剤蛍光画像および反射光画像を取得するシステムについて説明したが、これに代えて、自家蛍光画像と薬剤蛍光画像、自家蛍光と反射光画像など他の組み合わせに用いることもできる。
また、センサ16用の電気回路17として、静電容量値を電圧値に変換する回路を用いたが、電流値に変換する回路を用いても良い。
さらに、図5の電気回路17を挿入部先端に配置する構成としたが、これに限られるものではなく、オペアンプ22部分のみを挿入部先端に配置し、交流電源23を挿入部の外部に配置する構成としてもよい。
【0049】
また、センサ16として、静電容量方式を採用したが、これに限られるものではなく、例えば、対向する光学部材13a,13bの一方にコイル、他方に金属板を対向して設け、コイルとコンデンサで構成した共振回路で作った高周波数の磁界によって対象物に渦電流を発生させ,この渦電流によって磁界が変化することを利用して光学部材13aの変位を測定する、いわゆる渦電流方式のセンサ(図示略)を採用してもよい。
【0050】
また、本実施形態においては屈曲部2bを有する内視鏡システム1を例示して説明したが、これに代えて、屈曲部2bを有しない硬性鏡に適用しても良い。また、観察対象としては生体に限らない。配管や機械、構造物などの内部を対象とする工業用内視鏡にも適用できる。
【0051】
次に、本発明の第2の実施形態に係る内視鏡システムについて、図11および図12を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る内視鏡システム1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施形態における内視鏡システム31は、第1の実施形態における内視鏡システム1が、撮像ユニット3に可変分光素子13を備えていたのに対し、光源ユニット32の一部に可変分光素子13備えている点で相違している。
すなわち、光源ユニット32は、図11に示されるように、挿入部2の先端部に配置された先端光源部33と、体外に配置され該先端光源部33を制御する光源制御部34とを備えている。
【0053】
先端光源部33は、図12に示されるように、白色光を発生する白色LED(光電変換素子)35と、2つの光学部材13a,13bおよびアクチュエータ13cからなる可変分光素子13と、白色LED35から発せられた白色光を拡散させるレンズ36と、これらを固定する枠部材15とを備えている。
【0054】
アクチュエータ13cは、光学部材13bと枠部材15との間に配置されている。
また、可変分光素子13に設けられたセンサ電極16a,16bを有するセンサ16により検出された静電容量値を電圧信号に変換して増幅する電気回路17は、固定側の光学部材13aに固定されている。これにより、センサ電極16a,16bと電気回路17とを接続する配線を極力短く構成することができ、ノイズの混入を抑えて、光学部材13a,13bの間隔を高精度に制御することができる。その結果、所望の波長帯域の照明光を高い透過率で生体Aに照射することができ、明るく鮮明な分光画像を取得することが可能となる。
【0055】
なお、先端光源部33においては、単一の白色LED35を備える場合の他、照明光量の増加および配光特性の向上を図るために、白色LED35を複数配置することとしてもよい。また、単一の白色LED35と拡散板とを組み合わせて、光源面積を拡大したものや、ランプなどを用いることとしてもよい。
また、多波長励起の半導体レーザやスーパールミネッセントダイオードなどを用いることもできる。
【0056】
また、電気回路17の配置に関しては、図12の配置に限定されるものではなく、図6〜図10に示された第1の実施形態における場合と同様の配置を選択することができ、例えば、図7のように周方向に間隔をあけて配置されたアクチュエータ13c間の空間に配置することにより、挿入部2の先端部の大径化を防止しつつ、ノイズの混入を低減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の内視鏡システムの撮像ユニットを模式的に示す縦断面図である。
【図3】図2の撮像ユニットを構成する可変分光素子の透過率特性を示す図である。
【図4】図1の内視鏡システムの動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】図2の撮像ユニットに備えられる可変分光素子のセンサの信号を増幅する電気回路を示す図である。
【図6】図2の撮像ユニットの変形例を模式的に示す縦断面図である。
【図7】図2の撮像ユニットの他の変形例を模式的に示す(a)縦断面図、(b)横断面図である。
【図8】図2の撮像ユニットの他の変形例を模式的に示す縦断面図である。
【図9】図2の撮像ユニットの他の変形例を模式的に示す縦断面図である。
【図10】図2の撮像ユニットの他の変形例を模式的に示す縦断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る内視鏡システムの全体構成を示すブロック図である。
【図12】図11の内視鏡システムの撮像ユニットを模式的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0058】
A 撮影対象
1,31 内視鏡システム
2 挿入部(体腔内に挿入される部位)
2a 先端
2b 屈曲部(湾曲動作させられる部位)
13 可変分光素子
13a,13b 光学部材
13c アクチュエータ
14 撮像素子(光電変換素子:受光素子)
16 センサ
16a,16b センサ電極(電極)
17 電気回路
24 基板
35 白色LED(光電変換素子:光源)
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内視鏡先端の撮像光学系または照明光学系の少なくとも一方に、複数の光学部材の間隔をピエゾ素子からなる駆動手段により可変としたエタロン素子を配置して、観察光または照明光の波長特性を変化させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1に開示された技術を用いることにより生体等の分光情報を取得することができる。特許文献1に開示されているエタロン素子は、2以上の光学部材間にこれらの光学部材の間隔を変化させるピエゾ素子からなる駆動手段を備えている。
【特許文献1】特許第2802061号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、エタロン素子は、光の干渉効果を用いて透過特性を変化させるものであるため、隣接する光学部材の間隔を光束のコヒーレンス長程度以下に近接させた状態で、その間隔を精密に制御することにより、分光特性を高精度に制御する必要がある。この場合に、光学部材間の間隔に応じて予め定められた駆動信号をピエゾ素子からなる駆動手段に供給するだけでは、分光特性を高精度に制御することはできない。
【0004】
また、体腔内に挿入される内視鏡の挿入部は、極めて細い上に、一般に約1m以上の長さを有し、ピエゾ素子からなる駆動手段を作動させるための駆動電圧の伝送線や撮像素子の信号伝送線などが近接して配置される。このため、これらの電気信号によるノイズの影響を抑えつつ、分光特性を高精度に制御する必要がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、内視鏡の細長い挿入部先端に配置された可変分光素子により分光特性の制御を高精度に行い、鮮明な観察画像を取得することができる内視鏡システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、生体の体腔内に少なくとも一部が挿入され、該体腔内の撮影対象の画像を取得する内視鏡システムであって、前記体腔内に挿入される部位の先端部に、間隔を空けて対向する2つの光学部材の間隔の変化により分光特性が変化する可変分光素子と、入力される駆動信号に応じて前記2つの光学部材の間隔を変化させるアクチュエータと、前記2つの光学部材の間隔を検出するセンサと、該センサの出力が入力され、能動素子を含み前記センサの出力に対応する電気信号を出力する電気回路とを備える内視鏡システムを提供する。
上記発明においては、前記電気回路が、増幅回路を有することとしてもよく、また、前記電気回路が、バッファ回路を有することとしてもよい。
【0007】
また、上記発明においては、前記センサが、前記2つの光学部材に備えられた複数の電極を備え、該電極間の容量を検出することにより、2つの光学部材の間隔を検出することとしてもよい。
また、上記発明においては、前記センサが、前記2つの光学部材の一方に設けられたコイルと他方に設けられた金属板とを備え、前記コイルのインピーダンスを検出することにより、2つの光学部材の間隔を検出することとしてもよい。
【0008】
また、上記発明においては、前記アクチュエータが、圧電素子からなることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記可変分光素子に対向する光電変換素子を備えることとしてもよい。
【0009】
また、上記発明においては、前記光電変換素子が、電気信号を光に変換する光源であることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記光電変換素子が、光を電気信号に変換する受光素子であることとしてもよい。
【0010】
また、上記発明においては、前記先端部が、挿入部の先端の方向を変更するために湾曲動作させられる部位よりも先端側であることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記電気回路が、前記可変分光素子に隣接して配置されていることとしてもよい。
【0011】
また、上記発明においては、前記電気回路が、前記可変分光素子よりも挿入部の基端側に配置されていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記電気回路が、前記可変分光素子に対して挿入部の軸方向にずれ、かつ、挿入部の径方向に重なる位置に配置されていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記アクチュエータが、挿入部の軸回りに周方向に間隔をあけて複数配置され、前記電気回路が、アクチュエータ間の隙間に配置されていることとしてもよい。
【0012】
また、上記発明においては、前記電気回路が、前記光電変換素子の基板に設けられていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記電気回路が、前記光電変換素子よりも挿入部の先端側に配置されていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記2つの光学部材の内の一方が、前記体腔内に挿入される部位に固定され、前記電気回路が、前記固定された一方の光学部材に固定されていることとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、内視鏡の細長い挿入部先端に配置された可変分光素子により分光特性の制御を高精度に行い、鮮明な観察画像を取得することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施形態に係る内視鏡システム1について、図1〜図5を参照して説明する。
内視鏡システム1は、図1に示されるように、生体の体腔内に挿入される挿入部2と、該挿入部2内に配置される撮像ユニット3と、複数種の光を発する光源ユニット4と、前記撮像ユニット3および光源ユニット4を制御する制御ユニット5と、撮像ユニット3により取得された画像を表示する表示ユニット6とを備えている。
【0015】
前記挿入部2は、生体の体腔に挿入できる極めて細い外形寸法を有し、その内部に、前記撮像ユニット3と、前記光源ユニット4からの光を先端2aまで伝播するライトガイド7とを備えている。
前記光源ユニット4は、体腔内の観察対象を照明し、観察対象において反射して戻る反射光を取得するための照明光を発する照明光用光源8と、体腔内の観察対象に照射され、観察対象内に存在する蛍光物質を励起して蛍光を発生させるための励起光を発する励起光用光源9と、これらの光源8,9を制御する光源制御回路10とを備えている。
【0016】
前記照明光用光源8は、例えば、図示しないキセノンランプおよびバンドパスフィルタを組み合わせたもので、バンドパスフィルタの50%透過域は、430〜460nmである。すなわち、光源8は、波長帯域430〜460nmの照明光を発生するようになっている。
【0017】
前記励起光用光源9は、例えば、ピーク波長660±5nmの励起光を出射する半導体レーザである。この波長の励起光は、Cy5.5(Amersham社製)やALEXAFLUOR700(Molecular Probes社製)等の蛍光薬剤を励起することができる。
前記光源制御回路10は、後述するタイミングチャートに従う所定のタイミングで、照明光用光源8と励起光用光源9とを交互に点灯および消灯させるようになっている。
【0018】
前記撮像ユニット3は、挿入部2の先端部に配置されている。挿入部2の先端部は、例えば、挿入部2の長さ方向の中央位置より先端2a側、好ましくは、挿入部2の先端2aの向きを変更するために湾曲動作させられる屈曲部2bよりも先端2a側である。
【0019】
前記撮像ユニット3は、図2に示されるように、観察対象Aから入射される光を集光するレンズ11a,11bを含む撮像光学系11と、観察対象Aから入射されてくる励起光を遮断する励起光カットフィルタ12と、制御ユニット5の作動により分光特性を変化させられる可変分光素子13と、撮像光学系11により集光された光を撮影して電気信号に変換する撮像素子14と、これらを支持する枠部材15とを備えている。
【0020】
前記可変分光素子13は、平行間隔をあけて配置され体腔面に反射膜が設けられた2枚の円板状の光学部材13a,13bと、該光学部材13a,13bの間隔を変化させるアクチュエータ13cとを備えるエタロン型の光学フィルタである。光学部材13aは、前記枠部材15に直接固定され、光学部材13bは、アクチュエータ13cを介して枠部材15に取り付けられている。
【0021】
アクチュエータ13cは積層型の圧電素子であり、光学部材13bの周縁に沿って周方向に等間隔をあけて4カ所に設けられている。
この可変分光素子13は、アクチュエータ13cの作動により、光学部材13a,13bの間隔寸法を変化させ、それによって、軸方向に通過する光の波長帯域を変化させることができるようになっている。
【0022】
さらに具体的には、可変分光素子13は、図3に示されるように、1つの固定透過帯域および1つの可変透過帯域の2つの透過帯域を有する透過率波長特性を有している。固定透過帯域は、可変分光素子13の状態によらず、常に入射光を透過するようになっている。また、可変透過帯域は可変分光素子13の状態に応じて透過率特性が変化するようになっている。
【0023】
可変分光素子13を構成する2つの光学部材13a,13bには、該光学部材13a,13bの間隔を検出するためのセンサ16が備えられている。センサ16は、静電容量方式のものであって、光学部材13a,13bの光学有効径B(図7(b)参照。)外の外周部に、相互に対向する位置にそれぞれ設けられた複数のセンサ電極16a,16bを備えている。センサ電極16a,16bは、光学部材13a,13bの外周部に周方向に沿って等間隔に4箇所配置されている。センサ電極16a,16bとしては金属膜を用いることができる。
【0024】
静電容量方式は、センサ電極16a,16b間の静電容量が面間隔に反比例して変化する特性を用いるものである。センサ電極16a,16bには、電気回路17が接続されている。電気回路17は、例えば、図5に示されるように、センサ電極16a,16bに交流電流を供給し、光学部材13a,13bの間隔寸法に応じて決定されるセンサ電極16a,16b間の静電容量を電圧信号に変換し、増幅して(電圧Vを)出力するようになっている。図5中、符号22は能動素子であるオペアンプ、符号23は交流電源である。電気回路17は、枠部材15に固定された光学部材13aに固定されている。
【0025】
蛍光観察においては、一般に、得られる蛍光強度が微弱なため、光学系の透過効率は非常に重要になる。エタロン型の可変分光素子13は、反射膜が平行なときに高い透過率が得られるが、その平行度調整に誤差があると透過率が急激に低下する。したがって、蛍光観察用の撮像ユニット3に用いられる可変分光素子13としては、間隔を変化させたときの2つの光学部材13a,13bの傾き誤差を調整するために、複数のセンサ16を備え、複数の駆動自由度を有していることが望ましい。
センサ電極16a,16bからの信号をもとに、アクチュエータ13cへの駆動信号のフィードバック制御を実施することにより、透過率特性の制御において精度を向上させることができる。
【0026】
本実施形態において、可変分光素子13は、蛍光薬剤が励起光により励起されることによって発せられる蛍光(薬剤蛍光)の波長を含む波長帯域(例えば、690〜710nm)に可変透過帯域を備えている。そして、可変分光素子13は、制御ユニット5からの制御信号に応じて2つの状態に変化するようになっている。
【0027】
第1の状態は、可変透過帯域での透過率を50%以上に増大させ、薬剤蛍光を透過させる状態である。第2の状態は、可変透過帯域での透過率を20%以下に低下させ、薬剤蛍光を遮断する状態である。
第2の状態は、可変透過帯域の波長域を第1の状態から変化させることによって、薬剤蛍光を遮断してもよい。
【0028】
固定透過帯域は、例えば、420〜540nmの範囲に配置され、平均透過率60%以上に設計されている。
また、固定透過帯域は、照明光に対する反射光の波長を含む波長帯域に位置し、上記第1および第2の状態のいずれの場合においても反射光を撮像素子14に向けて透過させることができるようになっている。
【0029】
また、前記励起光カットフィルタ12は、420〜640nmの波長帯域で透過率80%以上、650〜670nmの波長帯域でOD値4以上(=透過率1×10−4以下)、690〜750nmの波長帯域で透過率80%以上である。
【0030】
前記制御ユニット5は、図1に示されるように、撮像素子14を駆動制御する撮像素子駆動回路18と、可変分光素子13を駆動制御する可変分光素子制御回路19と、撮像素子14により取得された画像情報を記憶するフレームメモリ20と、該フレームメモリ20に記憶された画像情報を処理して表示ユニット6に出力する画像処理回路21とを備えている。
撮像素子駆動回路18および可変分光素子制御回路19は、前記光源制御回路10に接続され、光源制御回路10による照明光用光源8および励起光用光源9の切り替えに同期して可変分光素子13および撮像素子14を駆動制御するようになっている。
【0031】
具体的には、図4のタイミングチャートに示されるように、光源制御回路10の作動により、励起光用光源9から励起光が発せられるときには、可変分光素子制御回路19が、可変分光素子13を第1の状態として、撮像素子駆動回路18が撮像素子14から出力される画像情報を第1のフレームメモリ20aに出力させるようになっている。また、照明光用光源8から照明光が発せられるときには、可変分光素子制御回路19が、可変分光素子13を第2の状態として、撮像素子駆動回路18が撮像素子14から出力される画像情報を第2のフレームメモリ20bに出力するようになっている。
【0032】
また、前記画像処理回路21は、例えば、励起光の照射により得られる蛍光画像情報を第1のフレームメモリ20aから受け取って表示ユニット6の第1のチャネルに出力し、照明光の照射により得られる反射光画像情報を第2のフレームメモリ20bから受け取って表示ユニット6の第2のチャネルに出力するようになっている。
【0033】
このように構成された本実施形態に係る内視鏡システム1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る内視鏡システム1を用いて、生体の体腔内の撮影対象Aを撮像するには、蛍光薬剤を体内に注入するとともに、挿入部2を体腔内に挿入し、その先端2aを体腔内の撮影対象Aに対向させる。この状態で、光源ユニット4および制御ユニット5を作動させ、光源制御回路10の作動により、照明光用光源8および励起光用光源9を交互に作動させて照明光および励起光をそれぞれ発生させる。
【0034】
光源ユニット4において発生した励起光および照明光は、それぞれライトガイド7を介して挿入部2の先端2aまで伝播され、挿入部2の先端2aから撮影対象Aに向けて照射される。
励起光が撮影対象Aに照射された場合には、撮影対象Aに浸透している蛍光薬剤が励起されて蛍光が発せられる。撮影対象Aから発せられた蛍光は、撮像ユニット3の撮像光学系11により集光され、励起光カットフィルタ12を透過し、可変分光素子13に入射される。
【0035】
可変分光素子13は、可変分光素子制御回路19の作動により励起光用光源9の作動に同期して第1の状態に切り替えられているので、蛍光に対する透過率が増大させられており、入射された蛍光を透過させることができる。この場合に、撮影対象Aに照射された励起光の一部が、撮影対象Aにおいて反射され、蛍光とともに撮像ユニット3に入射されるが、撮像ユニット3には励起光カットフィルタ12が設けられているので、励起光は遮断され、撮像素子14に入射されることが阻止される。
【0036】
そして、可変分光素子13を透過した蛍光は撮像素子14に入射され、蛍光画像情報が取得される。取得された蛍光画像情報は、第1のフレームメモリ20aに記憶され、画像処理回路21によって、表示ユニット6の第1のチャネルに出力されて表示ユニット6により表示される。
【0037】
一方、照明光が撮影対象Aに照射された場合には、撮影対象Aの表面において照明光が反射され、撮像光学系11により集光されて励起光カットフィルタ12を透過し、可変分光素子13に入射される。照明光の反射光の波長帯域は、可変分光素子13の固定透過帯域に位置しているので、可変分光素子13に入射された反射光は全て可変分光素子13を透過させられる。
【0038】
そして、可変分光素子13を透過した反射光は撮像素子14に入射され、反射光画像情報が取得される。取得された反射光画像情報は、第2のフレームメモリ20bに記憶され、画像処理回路21によって、表示ユニット6の第2のチャネルに出力されて表示ユニット6により表示される。
【0039】
この場合に、可変分光素子13は、可変分光素子制御回路19の作動により照明光用光源8の作動に同期して第2の状態に切り替えられているので、蛍光に対する透過率が低下させられており、蛍光が入射されても、これを遮断する。これにより、反射光のみが撮像素子14により撮影される。
このように、本実施形態に係る内視鏡システム1によれば、蛍光画像と反射光画像とを合成した画像を使用者に提供することができる。
【0040】
この場合において、本実施形態に係る内視鏡システム1によれば、可変分光素子13にセンサ16が設けられているので、第1の状態および第2の状態に切り替えられた際に、センサ16により2枚の光学部材13a,13bの間隔寸法が検出され、アクチュエータ13cに加える電圧信号がフィードバック制御される。これにより、光学部材13a,13bの間隔寸法が精度よく制御され、高精度に所望の波長帯域の光を分光し、鮮明な蛍光画像および反射光画像を得ることができる。
【0041】
さらに、本実施形態においては、センサ電極16a,16bから出力されたセンサ電極16a,16b間の静電容量を示す電気信号が、可変分光素子13の光学部材13bに固定された電気回路17により増幅されるとともに出力インピーダンスが低減された後に、挿入部2内を伝送され、挿入部2の基端側から体外の可変分光素子制御回路19に送られる。したがって、センサ16により検出された電気信号に対するノイズの混入を低減することができ、光学部材13a,13bの間隔を高精度に検出でき、ひいては可変分光素子13の分光特性を高精度に制御することができるという効果がある。
【0042】
なお、本実施形態に係る内視鏡システム1においては、以下の各種の変形、変更が可能である。
まず、電気回路17を光学基板13bに直接固定することに代えて、図6に示されるように、光学基板13bに隣接して、枠部材15に固定することとしてもよい。この場合に、光軸方向から見て、光学基板13b(の光学有効系の外)と重なる位置に電気回路17を配置することにより、電気回路17をセンサ16に近接して配置しつつ、挿入部2の先端部の外径寸法が太くなるのを防止することができる。電気回路17を可変分光素子13よりも挿入部2の基端側に配置することにより、挿入部2内の配線を短くできるので、ノイズ低減効果をさらに向上することができる。
【0043】
また、電気回路17として静電容量を電圧信号として検出して増幅する回路を用いたが、これに限定されるものではなく、増幅機能を有しないバッファ回路を採用してもよい。バッファ回路としては、例えば、ボルテージフォロワ回路が挙げられる。バッファ回路によってもセンサ出力の出力インピーダンスを低下させることができ、耐ノイズ性を向上させることができる。
【0044】
また、図7に示されるように、可変分光素子13を構成するアクチュエータ13cが、光学部材13aと枠部材15との間に、周方向に間隔をあけて複数配置される場合には、電気回路17をアクチュエータ13c間の空間に配置してもよい。このようにすることで、アクチュエータ13c間の空間を利用でき、挿入部2の先端部が太くなるのを防止することができる。
【0045】
また、図8に示されるように、撮像光学系11の構成が相違し、アクチュエータ13cが、光学部材13aと撮像光学系11を固定する枠部材15との間に、周方向に間隔をあけて複数配置される場合には、電気回路17を、可変分光素子13よりも先端側のアクチュエータ13c間の空間に配置してもよい。
【0046】
また、図9に示されるように、センサ16用の電気回路17を、撮像素子14用の回路基板24上に配置してもよい。センサ16用の電気回路17を搭載する基板と、撮像素子14用の電気回路を搭載する基板24とを独立に配置するよりも、基板24を共用することにより、容積的に節約して小型化を図ることができる。
【0047】
また、図10に示されるように、電気回路17を撮像ユニット3の外部に配置してもよい。センサ16と電気回路17との距離は若干長くなるが、空間的に余裕のある撮像ユニット3の外部に電気回路17を配置することにより、実装を容易にすることができるという利点がある。
【0048】
また、本実施形態に係る内視鏡システム1においては、薬剤蛍光画像および反射光画像を取得するシステムについて説明したが、これに代えて、自家蛍光画像と薬剤蛍光画像、自家蛍光と反射光画像など他の組み合わせに用いることもできる。
また、センサ16用の電気回路17として、静電容量値を電圧値に変換する回路を用いたが、電流値に変換する回路を用いても良い。
さらに、図5の電気回路17を挿入部先端に配置する構成としたが、これに限られるものではなく、オペアンプ22部分のみを挿入部先端に配置し、交流電源23を挿入部の外部に配置する構成としてもよい。
【0049】
また、センサ16として、静電容量方式を採用したが、これに限られるものではなく、例えば、対向する光学部材13a,13bの一方にコイル、他方に金属板を対向して設け、コイルとコンデンサで構成した共振回路で作った高周波数の磁界によって対象物に渦電流を発生させ,この渦電流によって磁界が変化することを利用して光学部材13aの変位を測定する、いわゆる渦電流方式のセンサ(図示略)を採用してもよい。
【0050】
また、本実施形態においては屈曲部2bを有する内視鏡システム1を例示して説明したが、これに代えて、屈曲部2bを有しない硬性鏡に適用しても良い。また、観察対象としては生体に限らない。配管や機械、構造物などの内部を対象とする工業用内視鏡にも適用できる。
【0051】
次に、本発明の第2の実施形態に係る内視鏡システムについて、図11および図12を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る内視鏡システム1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施形態における内視鏡システム31は、第1の実施形態における内視鏡システム1が、撮像ユニット3に可変分光素子13を備えていたのに対し、光源ユニット32の一部に可変分光素子13備えている点で相違している。
すなわち、光源ユニット32は、図11に示されるように、挿入部2の先端部に配置された先端光源部33と、体外に配置され該先端光源部33を制御する光源制御部34とを備えている。
【0053】
先端光源部33は、図12に示されるように、白色光を発生する白色LED(光電変換素子)35と、2つの光学部材13a,13bおよびアクチュエータ13cからなる可変分光素子13と、白色LED35から発せられた白色光を拡散させるレンズ36と、これらを固定する枠部材15とを備えている。
【0054】
アクチュエータ13cは、光学部材13bと枠部材15との間に配置されている。
また、可変分光素子13に設けられたセンサ電極16a,16bを有するセンサ16により検出された静電容量値を電圧信号に変換して増幅する電気回路17は、固定側の光学部材13aに固定されている。これにより、センサ電極16a,16bと電気回路17とを接続する配線を極力短く構成することができ、ノイズの混入を抑えて、光学部材13a,13bの間隔を高精度に制御することができる。その結果、所望の波長帯域の照明光を高い透過率で生体Aに照射することができ、明るく鮮明な分光画像を取得することが可能となる。
【0055】
なお、先端光源部33においては、単一の白色LED35を備える場合の他、照明光量の増加および配光特性の向上を図るために、白色LED35を複数配置することとしてもよい。また、単一の白色LED35と拡散板とを組み合わせて、光源面積を拡大したものや、ランプなどを用いることとしてもよい。
また、多波長励起の半導体レーザやスーパールミネッセントダイオードなどを用いることもできる。
【0056】
また、電気回路17の配置に関しては、図12の配置に限定されるものではなく、図6〜図10に示された第1の実施形態における場合と同様の配置を選択することができ、例えば、図7のように周方向に間隔をあけて配置されたアクチュエータ13c間の空間に配置することにより、挿入部2の先端部の大径化を防止しつつ、ノイズの混入を低減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の内視鏡システムの撮像ユニットを模式的に示す縦断面図である。
【図3】図2の撮像ユニットを構成する可変分光素子の透過率特性を示す図である。
【図4】図1の内視鏡システムの動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】図2の撮像ユニットに備えられる可変分光素子のセンサの信号を増幅する電気回路を示す図である。
【図6】図2の撮像ユニットの変形例を模式的に示す縦断面図である。
【図7】図2の撮像ユニットの他の変形例を模式的に示す(a)縦断面図、(b)横断面図である。
【図8】図2の撮像ユニットの他の変形例を模式的に示す縦断面図である。
【図9】図2の撮像ユニットの他の変形例を模式的に示す縦断面図である。
【図10】図2の撮像ユニットの他の変形例を模式的に示す縦断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る内視鏡システムの全体構成を示すブロック図である。
【図12】図11の内視鏡システムの撮像ユニットを模式的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0058】
A 撮影対象
1,31 内視鏡システム
2 挿入部(体腔内に挿入される部位)
2a 先端
2b 屈曲部(湾曲動作させられる部位)
13 可変分光素子
13a,13b 光学部材
13c アクチュエータ
14 撮像素子(光電変換素子:受光素子)
16 センサ
16a,16b センサ電極(電極)
17 電気回路
24 基板
35 白色LED(光電変換素子:光源)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の体腔内に少なくとも一部が挿入され、該体腔内の撮影対象の画像を取得する内視鏡システムであって、
前記体腔内に挿入される部位の先端部に、
間隔を空けて対向する2つの光学部材の間隔の変化により分光特性が変化する可変分光素子と、
入力される駆動信号に応じて前記2つの光学部材の間隔を変化させるアクチュエータと、
前記2つの光学部材の間隔を検出するセンサと、
該センサの出力が入力され、能動素子を含み前記センサの出力に対応する電気信号を出力する電気回路とを備える内視鏡システム。
【請求項2】
前記電気回路が、増幅回路を有する請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記電気回路が、バッファ回路を有する請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記センサが、前記2つの光学部材に備えられた複数の電極を備え、該電極間の容量を検出することにより、2つの光学部材の間隔を検出する前記請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記センサが、前記2つの光学部材の一方に設けられたコイルと他方に設けられた金属板とを備え、前記コイルのインピーダンスを検出することにより、2つの光学部材の間隔を検出する請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記アクチュエータが、圧電素子からなる請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記可変分光素子に対向する光電変換素子を備える請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記光電変換素子が、電気信号を光に変換する光源である請求項7に記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記光電変換素子が、光を電気信号に変換する受光素子である請求項7に記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記先端部が、挿入部の先端の方向を変更するために湾曲動作させられる部位よりも先端側である請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記電気回路が、前記可変分光素子に隣接して配置されている請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項12】
前記電気回路が、前記可変分光素子よりも挿入部の基端側に配置されている請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項13】
前記電気回路が、前記可変分光素子に対して挿入部の軸方向にずれ、かつ、挿入部の径方向に重なる位置に配置されている請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項14】
前記アクチュエータが、挿入部の軸回りに周方向に間隔をあけて複数配置され、
前記電気回路が、アクチュエータ間の隙間に配置されている請求項13に記載の内視鏡システム。
【請求項15】
前記電気回路が、前記光電変換素子の基板に設けられている請求項7に記載の内視鏡システム。
【請求項16】
前記電気回路が、前記光電変換素子よりも挿入部の先端側に配置されている請求項7に記載の内視鏡システム。
【請求項17】
前記2つの光学部材の内の一方が、前記体腔内に挿入される部位に固定され、
前記電気回路が、前記固定された一方の光学部材に固定されている請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項1】
生体の体腔内に少なくとも一部が挿入され、該体腔内の撮影対象の画像を取得する内視鏡システムであって、
前記体腔内に挿入される部位の先端部に、
間隔を空けて対向する2つの光学部材の間隔の変化により分光特性が変化する可変分光素子と、
入力される駆動信号に応じて前記2つの光学部材の間隔を変化させるアクチュエータと、
前記2つの光学部材の間隔を検出するセンサと、
該センサの出力が入力され、能動素子を含み前記センサの出力に対応する電気信号を出力する電気回路とを備える内視鏡システム。
【請求項2】
前記電気回路が、増幅回路を有する請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記電気回路が、バッファ回路を有する請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記センサが、前記2つの光学部材に備えられた複数の電極を備え、該電極間の容量を検出することにより、2つの光学部材の間隔を検出する前記請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記センサが、前記2つの光学部材の一方に設けられたコイルと他方に設けられた金属板とを備え、前記コイルのインピーダンスを検出することにより、2つの光学部材の間隔を検出する請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記アクチュエータが、圧電素子からなる請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記可変分光素子に対向する光電変換素子を備える請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記光電変換素子が、電気信号を光に変換する光源である請求項7に記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記光電変換素子が、光を電気信号に変換する受光素子である請求項7に記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記先端部が、挿入部の先端の方向を変更するために湾曲動作させられる部位よりも先端側である請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記電気回路が、前記可変分光素子に隣接して配置されている請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項12】
前記電気回路が、前記可変分光素子よりも挿入部の基端側に配置されている請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項13】
前記電気回路が、前記可変分光素子に対して挿入部の軸方向にずれ、かつ、挿入部の径方向に重なる位置に配置されている請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項14】
前記アクチュエータが、挿入部の軸回りに周方向に間隔をあけて複数配置され、
前記電気回路が、アクチュエータ間の隙間に配置されている請求項13に記載の内視鏡システム。
【請求項15】
前記電気回路が、前記光電変換素子の基板に設けられている請求項7に記載の内視鏡システム。
【請求項16】
前記電気回路が、前記光電変換素子よりも挿入部の先端側に配置されている請求項7に記載の内視鏡システム。
【請求項17】
前記2つの光学部材の内の一方が、前記体腔内に挿入される部位に固定され、
前記電気回路が、前記固定された一方の光学部材に固定されている請求項1に記載の内視鏡システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−36199(P2008−36199A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−215409(P2006−215409)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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